JP2016085893A - 活物質、電極、電池セル、リチウムイオン二次電池及び電子機器 - Google Patents

活物質、電極、電池セル、リチウムイオン二次電池及び電子機器 Download PDF

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Takuya Hirohashi
拓也 廣橋
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輝明 落合
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Shuhei Yoshitomi
修平 吉富
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Abstract

【課題】容量の大きいリチウムイオン二次電池を提供する。または、サイクル特性が向上したリチウムイオン二次電池を提供する。
【解決手段】リチウムと、マンガンと、酸素と、ニッケルと、を有する粒子であって、粒子は層状岩塩型の結晶構造領域を有し、結晶領域は積層欠陥を有していることを有することを特徴とする活物質である。層状岩塩型の結晶構造領域に積層欠陥を有する物質を活物質として含む電極を、リチウムイオン二次電池に用いることにより、放電容量が増大でき、さらに充放電に伴う電池のサイクル特性を向上させることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、物、方法、または製造方法に関する。または、本発明は、プロセス、マシン、マニュファクチャ、または、組成物(コンポジション・オブ・マター)に関する。特に、本発明の一態様は、半導体装置、表示装置、発光装置、電池セル、蓄電装置、記憶装置、それらの駆動方法、またはそれらの製造方法に関する。特に、本発明の一態様は、二次電池の構造及びその作製方法に関する。特にリチウムイオン二次電池の正極活物質に関する。
近年、スマートフォンやタブレット等の携帯用電子機器が急速に普及している。また、環境問題のへの関心の高まりから、ハイブリッドカーや電気自動車への注目が集まり、二次電池の重要性が増している。二次電池としては、ニッケル水素電池や、鉛蓄電池や、リチウムイオン二次電池などが挙げられる。中でも、リチウムイオン二次電池は、高容量、且つ、小型化が図れるため、開発が盛んに行われている。
二次電池の基本的な構成は、正極と負極との間に電解質(電解液または固体電解質)を介在させたものである。正極及び負極としては、それぞれ集電体と、集電体上に設けられた活物質層と、を有する構成が代表的である。リチウムイオン二次電池の場合は、リチウムを吸蔵及び放出することができる材料を、正極及び負極の活物質として用いる。
リチウムイオン二次電池において、正極活物質として、例えば、特許文献1に示されている、リン酸鉄リチウム(LiFePO)、リン酸マンガンリチウム(LiMnPO)、リン酸コバルトリチウム(LiCoPO)、リン酸ニッケルリチウム(LiNiPO)などの、リチウム(Li)と鉄(Fe)、マンガン(Mn)、コバルト(Co)またはニッケル(Ni)とを含むオリビン構造を有するリン酸化合物などが知られている。
特開平11−25983号公報
本発明の一態様は、新規な活物質、新規な電極、容量の大きい電池セル、または、新規な蓄電装置を提供することを課題の一とする。または、本発明の一態様は、サイクル特性が向上した蓄電装置を提供することを課題の一とする。または、本発明の一態様は、信頼性の高い蓄電装置を提供することを課題の一とする。または、本発明の一態様は、寿命の長い蓄電装置を提供することを課題の一とする。
または、本発明の一態様は、蓄電装置の生産性を高めることを課題の一とする。または、本発明の一態様は、新規な蓄電装置、新規な電極、新規な活物質などを提供することを課題の一とする。
なお、これらの課題の記載は、他の課題の存在を妨げるものではない。なお、本発明の一態様は、必ずしも、これらの課題の全てを解決する必要はない。なお、これら以外の課題は、明細書、図面、請求項などの記載から、自ずと明らかとなるものであり、明細書、図面、請求項などの記載から、これら以外の課題を抽出することが可能である。
本発明の一態様では、リチウムと、マンガンと、酸素と、ニッケルと、を有する粒子と、粒子は層状岩塩型の結晶構造領域を有し、結晶領域は積層欠陥を有していることを有する活物質を提供する。
上記発明の一態様において、積層欠陥は、日本電子株式会社製原子分解能分析電子顕微鏡JEM−ARM200Fを用いて観察される。
上記発明の一態様において、活物質と、導電助剤と、バインダーと、を含む活物質層と、集電体と、を有する電極を提供する。
上記発明の一態様において、活物質を含む第1の電極と、第2の電極と、を有し、第1の電極は、正極又は負極の一方として動作させることができる機能を有し、第2の電極は、正極又は負極の他方として動作させることができる機能を有する電池セルを提供する。
上記発明の一態様において、電池セルと、電池制御ユニットと、を有するリチウムイオン二次電池を提供する。
上記発明の一態様において、リチウムイオン二次電池と、表示装置、操作ボタン、外部接続ポート、スピーカ、または、マイクと、を有する電子機器を提供する。
本発明の一態様により、新規な活物質、新規な電極、容量の大きい蓄電装置、または、新規な蓄電装置を提供することができる。また、本発明の一態様により、サイクル特性が向上した蓄電装置を提供することができる。また、本発明の一態様により、信頼性の高い蓄電装置を提供することができる。また、本発明の一態様により、寿命の長い蓄電装置を提供することができる。
また、本発明の一態様により、蓄電装置の生産性を高めることができる。また、本発明の一態様により、新規な蓄電装置、新規な電極、新規な活物質などを提供することができる。なお、これらの効果の記載は、他の効果の存在を妨げるものではない。なお、本発明の一態様は、必ずしも、これらの効果の全てを有する必要はない。なお、これら以外の効果は、明細書、図面、請求項などの記載から、自ずと明らかとなるものであり、明細書、図面、請求項などの記載から、これら以外の効果を抽出することが可能である。
LiMnO(岩塩層状型)の結晶構造を示す図。 LiMnO(岩塩層状型)の結晶構造を示す図。 電極を示す模式図。 薄型の蓄電池を説明する図。 電極の断面図を説明する図。 薄型の蓄電池を説明する図。 薄型の蓄電池を説明する図。 薄型の蓄電池を説明する図。 面の曲率半径を説明する図。 フィルムの曲率半径を説明する図。 コイン型蓄電池を説明する図。 円筒型蓄電池を説明する図。 蓄電池の例を説明するための図。 蓄電池の例を説明するための図。 蓄電池の例を説明するための図。 蓄電池の例を説明するための図。 蓄電池の例を説明するための図。 本発明の一態様を説明するブロック図。 本発明の一態様を説明する概念図。 本発明の一態様を説明する回路図。 本発明の一態様を説明する回路図。 本発明の一態様を説明する概念図。 本発明の一態様を説明するブロック図。 本発明の一態様を説明するフローチャート。 電子機器の一例を説明する図。 電子機器の一例を説明する図。 電子機器の一例を説明する図。 電子機器の一例を説明する図。 リチウムマンガン複合酸化物の断面TEM観察結果を示す図。 放電に伴う放電容量を示す図。
以下では、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。ただし、本発明は以下の説明に限定されず、その形態および詳細を様々に変更し得ることは、当業者であれば容易に理解される。また、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の一態様に係る活物質及びその作製方法について、図1及び図3を参照して説明する。
本発明の一態様に係る活物質は、積層欠陥を有する粒子を有し、積層欠陥を有する粒子は、少なくともリチウムと、マンガンと、ニッケルと、酸素と、を有する。
なお、活物質とは、キャリアであるイオンの挿入・脱離に関わる物質のみを指すが、本明細書等においては、本来の『活物質』に被覆された炭素を含む層も含むものとする。
積層欠陥を有する層状岩塩型の結晶構造を持つ粒子の一つとして、組成式LiMnで表されるリチウムマンガン複合酸化物が挙げられる。そこで、組成式LiMnで表されるリチウムマンガン複合酸化物を用いて、活物質の合成方法について説明する。
ここで、元素Mは、Niを用いることが好ましいが、リチウム、マンガン以外から選ばれた金属元素、またはシリコン、リンを用いてもよい。また、0≦x/(y+z)<2、かつz>0、かつ0.26≦(y+z)/w<0.5を満たすことが好ましい。なお、リチウムマンガン複合酸化物とは、少なくともリチウムとマンガンとを含む酸化物をいい、クロム、コバルト、アルミニウム、ニッケル、鉄、マグネシウム、モリブデン、亜鉛、インジウム、ガリウム、銅、チタン、ニオブ、シリコン、及びリンなどからなる群から選ばれる少なくとも一種の元素を含んでいてもよい。また、リチウムマンガン複合酸化物は、積層欠陥を含む層状岩塩型の結晶構造領域を有していれば、層状岩塩の結晶構造の他にスピネル型の結晶構造領域を有するものであってもよい。また、リチウムマンガン複合酸化物は、例えば、平均粒子径が、5nm以上50μm以下であることが好ましい。
なお、本明細書等において、層状岩塩の結晶構造とは、リチウム層とリチウム及び金属原子を有する層とが酸素の層を挟んで交互に積層された結晶構造、すなわち、酸化物を介して金属原子及びリチウムを有する層とリチウム単独層とが交互に積層した結晶構造をいう。
また、本明細書等において、積層欠陥とは、面状の格子欠陥(面欠陥)をいう。つまり、結晶は、幾種類かの原子面が周期的に積み重なって作られているが、この積み重ねの規則性(順序)に狂いが生じている状態をいう。
例えば、層状岩塩の結晶構造として代表的なLiMnOの結晶構造を図1及び図2に示す。本明細書では結晶構造データベースICSDのNo.202639、またはICDD(The International Centre for Diffraction Data)によるJCPDS 84−1634の結晶構造に沿って記載する。
図1(A)には、LiMnOの結晶構造を[100]から見た構造を示す。また、図2(A)には、LiMnOの結晶構造を[110]から見た構造示す。また、図1(B)及び図2(B)には、リチウム及びマンガンを有する層23を[103]から見た構造を示す。
図1(A)に示すように、リチウムの層20とリチウム及びマンガンを有する層21が、酸素の層22を挟んで、c軸方向に交互に積層されている。図1(B)に示すように、リチウム10、マンガン12、及びマンガン14からなる直線A上、また、リチウム15、マンガン13、及びマンガン11は直線Aと平行な直線B上に位置している。
同様に、図2においても、図2(A)に示すように、リチウムの層20とリチウム及びマンガンを有する層21が、酸素の層22を挟んで、c軸方向に交互に積層されている。図2(B)に示すように、リチウム10、マンガン13、及びマンガン17からなる直線C上、また、リチウム16、マンガン11、及びマンガン12は直線Cと平行な直線D上に位置している。
LiMnOの結晶構造において、リチウム及びマンガンを有する層が、上層または下層のリチウム及びマンガンを有する層23と、それぞれその構造を保ったまま、ab面内でずれて積層されることで、積層欠陥が生じる。つまり、正常であれば、リチウム及びマンガンを有する層23のリチウム10が、[001]方向に沿って、リチウム及びマンガンを有する層21のリチウムに互いに重なるべきところが、マンガンに重なるように、積層されることで積層欠陥となる。
層状岩塩の結晶構造は、2次元構造のため、酸素の層22と、リチウム及びマンガンを有する層21とで作られる層状構造を維持したまま、リチウムイオンが拡散と挿入脱離することにより充放電が行われる。
しかしながら、LiMnOの結晶構造の場合において、リチウムの層20だけでなく、リチウム及びマンガンを有する層21からも、リチウムイオンが放出されることにより、リチウム及びマンガンを有する層21と上下で重なる、リチウム及びマンガンを有する層23とリチウム及びマンガンを有する層24との間の層状構造が崩れ、層間距離、あるいは結晶構造自体が変化する。その結果、リチウムイオンの拡散が困難となり、電池の電圧の低下や、放電容量の低下を引き起こしてしまう。
一方、リチウムマンガン複合酸化物が、層状岩塩型の結晶構造領域中に積層欠陥を有している場合、該積層欠陥に金属原子が入り込む。そのため、リチウムの層20とリチウム及びマンガンを有する層21からリチウムイオンが抜けた場合、積層欠陥中に入り込んだ金属原子が、周りの酸素原子と結合することにより、結晶の構造安定性が向上し、リチウムイオンが脱離した後も層状構造を維持する事が出来る。その結果、リチウムイオンの拡散が容易となり、電池の電圧の低下や、放電容量の低下を防止することができる。これにより、充放電に伴う電池のサイクル特性を向上させることができる。
また、リチウムマンガン複合酸化物の金属原子量が多くなりすぎると、層状岩塩型の結晶構造領域中に過剰に金属原子が入り込み、リチウムイオンの拡散と挿入脱離を阻害するようになる。したがって、リチウムマンガン複合酸化物において、マンガンと金属原子のモル比率が、マンガンが1に対して、金属原子が0.2以上1.3以下、好ましくは金属原子が0.2以上0.5以下となるようにすればよい。
リチウムマンガン複合酸化物の原料としては、マンガン化合物及びリチウム化合物を用いることができる。また、マンガン化合物及びリチウム化合物の原料と共に、クロム、コバルト、アルミニウム、ニッケル、鉄、マグネシウム、モリブデン、亜鉛、インジウム、ガリウム、銅、チタン、ニオブ、シリコン、及びリンなどからなる群から選ばれる少なくとも一種の元素を含む化合物の原料を用いることができる。マンガン化合物としては、例えば、二酸化マンガン、三二酸化マンガン、四三酸化マンガン、水和マンガン酸化物、炭酸マンガン、硝酸マンガンなどを用いることができる。また、リチウム化合物としては、例えば、水酸化リチウム、炭酸リチウム、硝酸リチウムなどを用いることができる。
本実施の形態では、マンガン化合物としてMnCO、リチウム化合物としてLiCO、及びNiOを出発原料として用いる。
はじめに、出発原料として、LiCOとMnCOとNiOとを用い、それぞれを秤量する。
次に、LiCO、MnCO、及びNiOを混合する。出発原料の混合方法については特に制限はなく、公知の解砕機や粉砕機を用いることができる。例えば、ボールミル、ビーズミル、ジェットミル、ローラーミルなどが挙げられる。また、解砕・粉砕の方式は、乾式でもよいし、湿式でもよい。湿式の際に用いることができる溶媒としても特に制限はなく、例えば、水、アルコール、アセトンなどを用いることができる。
出発原料を混合する際に、湿式で行う場合には、混合された出発原料に含まれる溶媒を蒸発させるための加熱処理を行う。ここで行う加熱処理は、50℃以上150℃以下で行えばよい。加熱処理を行うことにより、混合された出発原料に含まれる溶媒を蒸発させて、混合原料を得る。
次に、坩堝に混合原料を入れ、800℃以上1100℃以下で焼成を行う。焼成時間は、例えば、5時間以上20時間以下とし、焼成ガスにAirガス(乾燥空気)を用い、流量を10L/minとする。焼成雰囲気は、大気雰囲気としてもよいし、酸素ガスを用いた雰囲気としてもよい。混合原料に焼成を行うことにより、焼成物(リチウムマンガン複合酸化物)が形成される。
焼成によって合成された複数の一次粒子が焼結したリチウムマンガン複合酸化物は、複数の一次粒子が焼結して大きな二次粒子が形成された状態となっている。そこで、複数の一次粒子が焼結したリチウムマンガン複合酸化物に対して、解砕処理を行う。焼成物に解砕処理を行うことにより、焼成物を砕いて一次粒子にする、又は一次粒子に近い紛体にする。本明細書等において、解砕処理には、焼結物が粉砕される操作も含む。なお、粉砕とは、一次粒子をさらに砕く操作をいう。解砕処理は、出発原料の混合方法と同様に、公知の解砕機や粉砕機を用いることができる。また、解砕・粉砕の方式は、乾式でもよいし、湿式でもよい。湿式の際に用いることができる溶媒としても特に制限はなく、例えば、水、アルコール、アセトンなどを用いることができる。リチウムマンガン複合酸化物に、解砕処理を行うことにより、粒子の比表面積が増加するため好ましい。
本実施の形態では、一次粒子が焼結したリチウムマンガン複合酸化物の解砕処理を、ビーズミルを用いて、アセトンを用いた湿式法により行う。
解砕処理を行う際に、湿式で行う場合には、解砕処理後に溶媒を蒸発させるための加熱処理を行う。ここで行う加熱処理は、焼成工程と同様の条件で行えばよい。その後、真空乾燥を行うことにより、粉末状のリチウムマンガン複合酸化物を得る。
解砕処理を行った後のリチウムマンガン複合酸化物は、解砕処理の衝撃により、結晶性の乱れが生じる場合がある。また、リチウムマンガン複合酸化物に酸素欠損が生じる場合がある。よって、真空乾燥を行った後の粉末状のリチウムマンガン複合酸化物に、再度加熱処理を行うことが好ましい。
加熱処理は、坩堝に解砕処理後のリチウムマンガン複合酸化物を入れ、300℃以上1000℃以下、好ましくは600℃以上900以下で加熱処理を行う。加熱時間は、例えば、5時間以上20時間以下とし、ガスにAirガス(乾燥空気)を用い、流量を10L/minとする。加熱雰囲気は、大気雰囲気としてもよいし、酸素ガスを用いた雰囲気としてもよい。
解砕処理後のリチウムマンガン複合酸化物に熱処理を行うことにより、酸素欠損を修復するとともに、解砕処理時の結晶性の乱れを回復させることができる。また、再度加熱処理を行った後の粉末状のリチウムマンガン複合酸化物に、再度、解砕処理を行っても良く、この場合の解砕処理は、一次粒子が焼結したリチウムマンガン複合酸化物に対して行った解砕処理と同様の条件で行えばよい。
以上の工程により、組成式LiMnで表され、かつ、積層欠陥を有する層状岩塩型の結晶構造領域を持つリチウムマンガン複合酸化物を形成することができる。
なお、本実施の形態において、本発明の一態様について述べた。または、他の実施の形態において、本発明の一態様について述べる。ただし、本発明の一態様は、これらに限定されない。つまり、本実施の形態および他の実施の形態では、様々な発明の態様が記載されているため、本発明の一態様は、特定の態様に限定されない。例えば、本発明の一態様として、活物質が、積層欠陥を有する粒子を有する場合の例を示したが、本発明の一態様は、これに限定されない。場合によっては、または、状況に応じて、本発明の一態様では、活物質は、別の粒子を有していてもよい。または例えば、場合によっては、または、状況に応じて、本発明の一態様では、活物質は、別の欠陥を有していてもよい。または例えば、場合によっては、または、状況に応じて、本発明の一態様では、活物質は、積層欠陥を有する粒子を有さなくてもよい。
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することが可能である。
(実施の形態2)
本実施の形態では、本発明の一態様に係る電極およびその作製方法について説明する。
〈電極の構成〉
図3(A)は電極100を俯瞰した図であり、図3(B)は図3(A)の破線で囲んだ部分の断面を示す図である。電極100は、集電体101上に活物質層102が設けられた構造である。なお、図3(A)では集電体101の両面に活物質層102が設けられている例を示すが、集電体101の片面のみに活物質層102が設けられていてもよい。
集電体101は、電池セル内で顕著な化学変化を引き起こさずに高い導電性を示す限り、特別な制限はない。例えば、ステンレス、金、白金、亜鉛、鉄、ニッケル、銅、アルミニウム、チタン、タンタル、マンガン等の金属、及びこれらの合金、焼結した炭素などを用いることができる。また、銅またはステンレス鋼を炭素、ニッケル、チタン等で被覆してもよい。また、シリコン、ネオジム、スカンジウム、モリブデンなどの耐熱性を向上させる元素が添加されたアルミニウム合金を用いることができる。また、シリコンと反応してシリサイドを形成する金属元素で形成してもよい。シリコンと反応してシリサイドを形成する金属元素としては、ジルコニウム、チタン、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン、タングステン、コバルト、ニッケル等がある。また、集電体101は、箔状、板状(シート状)、網状、円柱状、コイル状、パンチングメタル状、エキスパンドメタル状、多孔質状および不織布を包括する様々な形態等の形状を適宜用いることができる。さらに、活物質層との密着性を上げるために集電体101は表面に細かい凹凸を有していてもよい。また、集電体101は、厚みが5μm以上30μm以下のものを用いるとよい。
活物質層102は、活物質を含む。活物質とは、キャリアであるイオンの挿入・脱離に関わる物質のみを指すが、本明細書等では、本来「活物質」である材料に加えて、導電助剤やバインダーなどを含めたものも、活物質層と呼ぶ。
活物質として、負極活物質を用いる場合は、例えば、炭素系材料、合金系材料等を用いることができる。
また、炭素系材料としては、黒鉛、易黒鉛化性炭素(ソフトカーボン)、難黒鉛化性炭素(ハードカーボン)、カーボンナノチューブ、グラフェン、カーボンブラック等がある。
黒鉛としては、メソカーボンマイクロビーズ(MCMB)、コークス系人造黒鉛、ピッチ系人造黒鉛等の人造黒鉛や、球状化天然黒鉛等の天然黒鉛がある。
黒鉛はリチウムイオンが黒鉛に挿入されたとき(リチウム黒鉛層間化合物の生成時)にリチウム金属と同程度に卑な電位を示す(0.1以上0.3V以下 vs.Li/Li)。これにより、リチウムイオン二次電池は高い作動電圧を示すことができる。さらに、黒鉛は、単位体積当たりの容量が比較的高い、体積膨張が小さい、安価である、リチウム金属に比べて安全性が高い等の利点を有するため、好ましい。
負極活物質として、リチウムとの合金化・脱合金化反応により充放電反応を行うことが可能な材料も用いることができる。例えば、Ga、Si、Al、Ge、Sn、Pb、Sb、Bi、Ag、Zn、Cd、In等のうち少なくとも一つを含む材料を用いることができる。このような元素は炭素と比べて容量が大きく、特に、シリコンは理論容量が4200mAh/gと高い。このような元素を用いた合金系材料としては、例えば、MgSi、MgGe、MgSn、SnS、VSn、FeSn、CoSn、NiSn、CuSn、AgSn、AgSb、NiMnSb、CeSb、LaSn、LaCoSn、CoSb、InSb、SbSn等がある。
また、負極活物質として、SiO、SnO、SnO、二酸化チタン(TiO)、リチウムチタン酸化物(LiTi12)、リチウム黒鉛層間化合物、(Li)、五酸化ニオブ(Nb)、酸化タングステン(WO)、酸化モリブデン(MoO)等の酸化物を用いることができる。
また、負極活物質として、リチウムと遷移金属の複窒化物である、LiN型構造をもつLi3−xN(M=Co、Ni、Cu)を用いることができる。例えば、Li2.6Co0.4は大きな充放電容量(900mAh/g、1890mAh/cm)を示し好ましい。
リチウムと遷移金属の複窒化物を用いると、負極活物質中にリチウムイオンを含むため、正極活物質としてリチウムイオンを含まないV、Cr等の材料と組み合わせることができ好ましい。なお、正極活物質にリチウムイオンを含む材料を用いる場合でも、あらかじめ正極活物質に含まれるリチウムイオンを脱離させることで、負極活物質としてリチウムと遷移金属の複窒化物を用いることができる。
また、コンバージョン反応が生じる材料を負極活物質として用いることもできる。例えば、酸化コバルト(CoO)、酸化ニッケル(NiO)、酸化鉄(FeO)等の、リチウムと合金化反応を行わない遷移金属酸化物を負極活物質に用いてもよい。コンバージョン反応が生じる材料としては、さらに、Fe、CuO、CuO、RuO、Cr等の酸化物、CoS0.89、NiS、CuS等の硫化物、Zn、CuN、Ge等の窒化物、NiP、FeP、CoP等のリン化物、FeF、BiF等のフッ化物でも起こる。
活物質として正極活物質を用いる場合には、リチウムイオンが挿入および脱離可能な材料を用いることができる。例えば、オリビン型構造、層状岩塩型構造、またはスピネル型構造、NASICON型結晶構造を有する材料等を用いることができる。
本実施の形態では、正極活物質として、実施の形態1にて説明した活物質を用いる場合について説明するが、他の活物質を有していても良い。
実施の形態1にて説明した活物質以外の活物質としては、例えば、LiFeO、LiCoO、LiNiO、LiNiO、LiMn、V、Cr、MnO等の化合物を材料として用いることができる。
または、オリビン型構造のリチウム含有複合リン酸塩( 一般式LiMPO(Mは、Fe(II)、Mn(II)、Co(II)、Ni(II)の一以上))を用いることができる。一般式LiMPOの代表例としては、LiFePO、LiNiPO、LiCoPO、LiMnPO、LiFeNiPO、LiFeCoPO、LiFeMnPO、LiNiCoPO、LiNiMnPO(a+bは1以下、0<a<1、0<b<1)、LiFeNiCoPO、LiFeNiMnPO、LiNiCoMnPO(c+d+eは1以下、0<c<1、0<d<1、0<e<1)、LiFeNiCoMnPO(f+g+h+iは1以下、0<f<1、0<g<1、0<h<1、0<i<1)等のリチウム金属リン酸化合物が挙げられる。
または、一般式Li(2−j)MSiO(Mは、Fe(II)、Mn(II)、Co(II)、Ni(II)の一以上、0≦j≦2)等のリチウム含有複合ケイ酸塩を用いることができる。一般式Li(2−j)MSiOの代表例としては、Li(2−j)FeSiO、Li(2−j)NiSiO、Li(2−j)CoSiO、Li(2−j)MnSiO、Li(2−j)FeNiSiO、Li(2−j)FeCoSiO、Li(2−j)FeMnSiO、Li(2−j)NiCoSiO、Li(2−j)NiMnSiO(k+lは1以下、0<k<1、0<l<1)、Li(2−j)FeNiCoSiO、Li(2−j)FeNiMnSiO、Li(2−j)NiCoMnSiO(m+n+qは1以下、0<m<1、0<n<1、0<q<1)、Li(2−j)FeNiCoMnSiO(r+s+t+uは1以下、0<r<1、0<s<1、0<t<1、0<u<1)等のリチウムシリケート化合物が挙げられる。
また、活物質として、A(XO(A=Li、Na、Mg、M=Fe、Mn、Ti、V、Nb、Al、X=S、P、Mo、W、As、Si)の一般式で表されるNASICON型化合物を用いることができる。ナシコン型化合物としては、Fe(MnO、Fe(SO、LiFe(PO等が挙げられる。また、正極活物質として、LiMPOF、LiMP、LiMO(M=Fe、Mn)の一般式で表される化合物、NaF、FeF等のペロブスカイト型フッ化物、TiS、MoS等の金属カルコゲナイド(硫化物、セレン化物、テルル化物)、LiMVO等の逆スピネル型の結晶構造を有する材料、バナジウム酸化物系(V、V13、LiV等)、マンガン酸化物、有機硫黄化合物等の材料を用いることができる。
なお、キャリアイオンが、リチウムイオン以外のアルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオンの場合、正極活物質として、上記リチウム化合物及びリチウム含有複合リン酸塩及びリチウム含有複合ケイ酸塩において、リチウムを、アルカリ金属(例えば、ナトリウムやカリウム等)、アルカリ土類金属(例えば、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、ベリリウム、マグネシウム等)などのキャリアで置換した化合物を用いてもよい。
正極活物質の平均粒径は、例えば、5nm以上50μm以下が好ましい。
また、活物質層102は導電助剤を有してもよい。導電助剤としては、例えば天然黒鉛、メソカーボンマイクロビーズ等の人造黒鉛、炭素繊維などを用いることができる。炭素繊維としては、例えばメソフェーズピッチ系炭素繊維、等方性ピッチ系炭素繊維等の炭素繊維を用いることができる。また、炭素繊維として、カーボンナノファイバーやカーボンナノチューブなどを用いることができる。カーボンナノチューブは、例えば気相成長法などで作製することができる。また、導電助剤として、例えばカーボンブラック(アセチレンブラック(AB)など)又はグラフェンなどの炭素材料を用いることができる。また、例えば、銅、ニッケル、アルミニウム、銀、金などの金属粉末や金属繊維、導電性セラミックス材料等を用いることができる。
薄片状のグラフェンは、高い導電性を有するという優れた電気特性、及び柔軟性並びに機械的強度という優れた物理特性を有する。そのため、グラフェンを、導電助剤として用いることにより、活物質同士の接触点や、接触面積を増大させることができる。
活物質層102は、バインダーを有することが好ましく、バインダーは水溶性の高分子を有することがより好ましい。また、活物質層102は複数の種類のバインダーを有してもよい。
バインダーとしては、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、スチレン・イソプレン・スチレンゴム、アクリロニトリル・ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、エチレン・プロピレン・ジエン共重合体などのゴム材料を用いることが好ましい。これらのゴム材料は、水溶性高分子と併用して用いると、さらに好ましい。これらのゴム材料は、ゴム弾性を有し、伸び縮みしやすいため、充放電に伴う活物質の膨張収縮や、電極の曲げなどに伴うストレスに強く、信頼性の高い電極を得ることができる一方で、疎水基を有し水に溶けにくい場合がある。このような場合には、水溶液中で粒子が水に溶解しない状態で分散するので、活物質層102の形成に使用する溶剤を含む組成物(電極合剤組成物ともいう)を、塗布するために適した粘度にまで高めることが難しいことがある。この際に、粘度調整機能の高い水溶性高分子、例えば多糖類を用いると、溶液の粘度を適度に高める効果が期待できるうえに、ゴム材料と互いに均一に分散し、均一性の高い良好な電極、例えば電極膜厚や電極抵抗の均一性が高い電極を得ることができる。
また、バインダーとしては、ポリスチレン、ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリプロピレンオキシド、ポリイミド、ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、イソブチレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリアクリロニトリル(PAN)、等の材料を用いてもよい。
バインダーはそれぞれ単独で用いてもよいし、二種類以上を組み合わせて使用してもよい。
〈電極の作製方法〉
次に、本発明の一態様である電極100の作製方法について説明する。
まず、電極合剤組成物を作製する。電極合剤組成物は、例えば上述した活物質を用い、バインダーや導電助剤等を添加して、溶媒とともに混練することで作製することができる。電極合剤組成物は、スラリー状であっても、ペースト状であってもよい。なお、溶媒としては、例えば、水や、NMP(N−メチル−2−ピロリドン)などを用いることができる。安全性とコストの観点から、水を用いることは好ましい。
一例として電極100が蓄電池用の正極である場合を説明する。ここでは活物質として本発明の一態様に係る活物質を用い、導電助剤としてアセチレンブラックを用い、バインダーとしてPVdFを用い、溶媒としてNMPを用いる例について説明する。
まず、本発明の一態様に係る活物質と、アセチレンブラックと、ポリフッ化ビニリデンと、を混合する。これらの混合物に、所定の粘度になるまでNMPを添加し、混練することで、電極合剤組成物を形成することができる。この工程において、混練と極性溶媒との添加を複数回繰り返し行ってもよい。電極合剤組成物は、スラリー状でもペースト状であってもよい。
以上の工程により、活物質、導電助剤、バインダーの分散状態が均一な電極合剤組成物を形成することができる。
ここで、集電体上に、アンダーコートを形成してもよい。なお、アンダーコートとは、接触抵抗の低減や、集電体と活物質層との密着性向上のための被覆層をいう。アンダーコートとして、例えば、炭素層、金属層、炭素及び高分子を含む層、並びに金属及び高分子を含む層を含む層を用いることができる。集電体上にアンダーコートを形成することにより、後に形成される集電体と活物質層との接触抵抗を低減することができる。また、集電体と活物質層との密着性を高めることができる。なお、アンダーコートは、導電助剤としてグラフェンを用いる場合には、酸化グラフェンの還元工程において、還元液によって溶解しないものが好ましい。
また、アンダーコートとしては、例えば、黒鉛やアセチレンブラックなどの分散水溶液、または当該水溶液に高分子を混ぜたものを用いることができ、例えば、黒鉛と、ポリアクリル酸ナトリウム(PAANa)との混合物、また、ABとPVdFとの混合物などを用いることができる。また、黒鉛とPAAとの配合比は、黒鉛:PAA=95:5〜50:50、ABとPVdFとの配合比は、AB:PVdF=70:30〜50:50とすればよい。
なお、活物質層と集電体との密着性や、電極強度、接触抵抗に問題がなければ、アンダーコートは、必ずしも集電体に形成する必要はない。
次に、スラリーを集電体の片面又は両面に、例えば、ドクターブレード法等の塗布法などにより設ける。
次に、集電体上に設けたスラリーを、通風乾燥又は減圧(真空)乾燥等の方法で乾燥させることにより活物質層を形成する。この乾燥は、例えば、50℃以上180℃以下の熱風を用いて行うとよい。このステップにより、活物質層中に含まれる極性溶媒を蒸発させる。なお、雰囲気は特に限定されない。
ここで、この活物質層を、ロールプレス法や平板プレス法等の圧縮方法により圧力を加えることで、活物質層の密度を高めてもよい。また、プレスを行う際に、90℃以上180℃以下、好ましくは120℃以下の熱を加えることにより、アンダーコートや活物質層に含まれるバインダ(例えば、PVdF)を、電極の特性を変化させない程度に軟化させることにより、集電体と活物質層との密着性をさらに高めることができる。
次に、プレスした活物質層を乾燥させる。乾燥は、減圧(真空)下又は還元雰囲気下にて行うとよい。この乾燥工程は、例えば、50℃以上300℃以下の温度で、1時間以上48時間以下で行うとよい。この乾燥によって、活物質層に存在する極性溶媒や水分をよく蒸発あるいは除去させる。
さらに、活物質層が形成された集電体にプレスを行ってもよい。これにより、活物質層と集電体との密着性を高めることができる。また、活物質層の密度を高めることができる。また、プレスを行う際に、90℃以上180℃以下、好ましくは120℃以下の熱を加えることにより、アンダーコートや活物質層に含まれるバインダ(例えば、PVdF)を、電極の特性を変化させない程度に軟化させることにより、集電体と活物質層との密着性をさらに高めることができる。
最後に、所定のサイズに集電体及び活物質層を打ち抜くことにより、電極が作製される。
本発明の一態様に係るリチウムマンガン複合酸化物を活物質として用いることにより、活物質中において、リチウムイオンの拡散が容易となり、電池の電圧の低下や、放電容量の低下を防止することができる。
しかしながら、リチウムマンガン複合酸化物の金属原子量が多くなりすぎると、層状岩塩型の結晶構造領域中に過剰に金属原子が入り込み、リチウムイオンの拡散と挿入脱離を阻害するようになる。したがって、リチウムマンガン複合酸化物において、マンガンと金属原子のモル比率が、マンガンが1に対して、金属原子が0.2以上1.3以下、好ましくは金属原子が0.2以上0.5以下となるようにすればよい。
以上により、積層欠陥を有するリチウムマンガン複合酸化物を電極に用いることにより、電池の電圧の低下や、放電容量の低下を抑制することができる。これにより、充放電に伴う電池のサイクル特性を向上させることができる。
なお、本実施の形態において、本発明の一態様について述べた。または、他の実施の形態において、本発明の一態様について述べる。ただし、本発明の一態様は、これらに限定されない。つまり、本実施の形態および他の実施の形態では、様々な発明の態様が記載されているため、本発明の一態様は、特定の態様に限定されない。例えば、本発明の一態様として、リチウムイオン二次電池に適用した場合の例を示したが、本発明の一態様は、これに限定されない。場合によっては、または、状況に応じて、本発明の一態様は、様々な二次電池、鉛蓄電池、リチウムイオンポリマー二次電池、ニッケル・水素蓄電池、ニッケル・カドミウム蓄電池、ニッケル・鉄蓄電池、ニッケル・亜鉛蓄電池、酸化銀・亜鉛蓄電池、固体電池、空気電池、一次電池、キャパシタ、または、リチウムイオンキャパシタ、などに適用してもよい。または例えば、場合によっては、または、状況に応じて、本発明の一態様は、リチウムイオン二次電池に適用しなくてもよい。
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することが可能である。
(実施の形態3)
本実施の形態では、本発明の一態様である電極を用いた電池セルの一例を示す。
なお、本明細書等において、電池セルとは、蓄電機能を有する素子および装置全般を指す。例えば、リチウムイオン二次電池などの蓄電池、リチウムイオンキャパシタ、および電気二重層キャパシタなどを含む。
〈薄型蓄電池〉
図4に、電池セルの一例として、薄型の蓄電池について示す。図4は、薄型の蓄電池の一例を示す。薄型の蓄電池は、可撓性を有する構成とすれば、可撓性を有する部位を少なくとも一部有する電子機器に実装すれば、電子機器の変形に合わせて蓄電池も曲げることもできる。
図4は薄型の蓄電池500の外観図を示す。また、図5(A)および図5(B)は、図4に一点鎖線で示すA1−A2断面およびB1−B2断面を示す。薄型の蓄電池500は、正極集電体501および正極活物質層502を有する正極503と、負極集電体504および負極活物質層505を有する負極506と、セパレータ507と、電解液508と、外装体509と、を有する。外装体509内に設けられた正極503と負極506との間にセパレータ507が設置されている。また、外装体509内は、電解液508で満たされている。
正極503または負極506の少なくとも一方には、本発明の一態様である電極を用いる。また、正極503または負極506の両方に、本発明の一態様である電極を用いてもよい。
まず、正極503の構成について説明する。正極503には、本発明の一態様に係る電極を用いることが好ましい。ここでは、正極503に、実施の形態2に示す電極100を用いる例を示す。
電解液508の溶媒としては、非プロトン性有機溶媒が好ましく、例えば、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート、クロロエチレンカーボネート、ビニレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ギ酸メチル、酢酸メチル、酪酸メチル、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、ジメトキシエタン(DME)、ジメチルスルホキシド、ジエチルエーテル、メチルジグライム、アセトニトリル、ベンゾニトリル、テトラヒドロフラン、スルホラン、スルトン等の1種、又はこれらのうちの2種以上を任意の組み合わせ及び比率で用いることができる。
また、電解液の溶媒としてゲル化される高分子材料を用いることで、漏液性などに対する安全性が高まる。また、二次電池の薄型化及び軽量化が可能である。ゲル化される高分子材料の代表例としては、シリコーンゲル、アクリルゲル、アクリロニトリルゲル、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、フッ素系ポリマー等がある。
また、電解液の溶媒として、難燃性及び難揮発性であるイオン液体(常温溶融塩)を一つ又は複数用いることで、電池セルの内部短絡や、過充電等によって内部温度が上昇しても、電池セルの破裂や発火などを防ぐことができる。イオン液体は、カチオンとアニオンからなり、有機カチオンとアニオンとを含む。電解液に用いる有機カチオンとして、四級アンモニウムカチオン、三級スルホニウムカチオン、及び四級ホスホニウムカチオン等の脂肪族オニウムカチオンや、イミダゾリウムカチオン及びピリジニウムカチオン等の芳香族カチオンが挙げられる。また、電解液に用いるアニオンとして、1価のアミド系アニオン、1価のメチド系アニオン、フルオロスルホン酸アニオン、パーフルオロアルキルスルホン酸アニオン、テトラフルオロボレート、パーフルオロアルキルボレート、ヘキサフルオロホスフェート、またはパーフルオロアルキルホスフェート等が挙げられる。
また、上記の溶媒に溶解させる電解質としては、キャリアにリチウムイオンを用いる場合、例えばLiPF、LiClO、LiAsF、LiBF、LiAlCl、LiSCN、LiBr、LiI、LiSO、Li10Cl10、Li12Cl12、LiCFSO、LiCSO、LiC(CFSO、LiC(CSO、LiN(CFSO、LiN(CSO)(CFSO)、LiN(CSO等のリチウム塩を一種、又はこれらのうちの二種以上を任意の組み合わせ及び比率で用いることができる。
また、電池セルに用いる電解液は、粒状のごみや電解液の構成元素以外の元素(以下、単に「不純物」ともいう。)の含有量が少ない高純度化された電解液を用いることが好ましい。具体的には、電解液に対する不純物の重量比を1%以下、好ましくは0.1%以下、より好ましくは0.01%以下とすることが好ましい。
また、電解液にビニレンカーボネート、プロパンスルトン(PS)、tert−ブチルベンゼン(TBB)、フルオロエチレンカーボネート(FEC)、LiBOBなどの添加剤を添加してもよい。添加剤の濃度は、例えば溶媒全体に対して0.1weight%以上5weight%以下とすればよい。
また、ポリマーを電解液で膨潤させたゲル電解質を用いてもよい。ゲル電解質(ポリマーゲル電解質)の例としては、担体としてホストポリマーを用い、上述の電解液を含有させたものが挙げられる。
ホストポリマーの例を以下に説明する。ホストポリマーとしては、例えばポリエチレンオキシド(PEO)などのポリアルキレンオキシド構造を有するポリマーや、PVdF、およびポリアクリロニトリル等、およびそれらを含む共重合体等を用いることができる。例えばPVdFとヘキサフルオロプロピレン(HFP)の共重合体であるPVdF−HFPを用いることができる。また、形成されるポリマーは、多孔質形状を有してもよい。
また、電解液の代わりに、硫化物系や酸化物系等の無機物材料を有する固体電解質や、PEO(ポリエチレンオキシド)系等の高分子材料を有する固体電解質を用いることができる。固体電解質を用いる場合には、セパレータやスペーサの設置が不要となる。また、電池全体を固体化できるため、漏液のおそれがなくなり安全性が飛躍的に向上する。
セパレータ507としては、例えば、紙、不織布、ガラス繊維、セラミックス、或いはナイロン(ポリアミド)、ビニロン(ポリビニルアルコール系繊維)、ポリエステル、アクリル、ポリオレフィン、ポリウレタンを用いた合成繊維等で形成されたものを用いることができる。
セパレータ507は袋状に加工し、正極503または負極506のいずれか一方を包むように配置することが好ましい。例えば、図6(A)に示すように、正極503を挟むようにセパレータ507を2つ折りにし、正極503と重なる領域よりも外側で封止部514により封止することで、正極503をセパレータ507内に確実に担持することができる。そして、図6(B)に示すように、セパレータ507に包まれた正極503と負極506とを交互に積層し、これらを外装体509内に配置することで薄型の蓄電池500を形成するとよい。
次に、蓄電池を作製した後のエージングについて説明する。蓄電池を作製した後に、エージングを行うことが好ましい。エージング条件の一例について以下に説明する。まず初めに0.001C以上0.2C以下のレートで充電を行う。温度は例えば室温以上、50℃以下とすればよい。このときに、電解液の分解が生じ、ガスが発生した場合には、そのガスがセル内にたまると、電解液が電極表面と接することができない領域が発生してしまう。つまり電極の実効的な反応面積が減少し、実効的な電流密度が高くなることに相当する。
過度に電流密度が高くなると、電極の抵抗に応じて電圧降下が生じ、黒鉛へのリチウム挿入が起こると同時に、黒鉛表面へのリチウム析出も生じてしまう。このリチウム析出は容量の低下を招く場合がある。例えば、リチウムが析出した後、表面に被膜等が成長してしまうと、表面に析出した再溶出できなくなり、容量に寄与しないリチウムが生じてしまう。また、析出したリチウムが物理的に崩落し、電極との導通を失った場合にも、やはり容量に寄与しないリチウムが生じてしまう。よって、電極が電圧降下によりリチウム電位まで到達する前に、ガスを抜くことが好ましい。
また、ガス抜きを行った後に、室温よりも高い温度、好ましくは30℃以上60℃以下、より好ましくは35℃以上50℃以下において、例えば1時間以上100時間以下、充電状態で保持してもよい。初めに行う充電の際に、表面で分解した電解液は黒鉛の表面に被膜を形成する。よって、例えばガス抜き後に室温よりも高い温度で保持することにより、形成された被膜が緻密化する場合も考えられる。
図7(B)は、リード電極に集電体を溶接する例を示す。例として、正極集電体501を正極リード電極510に溶接する例を示す。正極集電体501は、超音波溶接などを用いて溶接領域512で正極リード電極510に溶接される。また、正極集電体501は、図7(B)に示す湾曲部513を有することにより、蓄電池500の作製後に外から力が加えられて生じる応力を緩和することができ、蓄電池500の信頼性を高めることができる。
図4および図5に示す薄型の蓄電池500において、正極リード電極510および負極リード電極511を用いて正極集電体501、或いは負極集電体504と超音波接合させて正極リード電極510および負極リード電極511を外側に露出している。また、外部との電気的接触を得る端子の役割を正極集電体501および負極集電体504で兼ねることもできる。その場合は、リード電極を用いずに、正極集電体501および負極集電体504の一部を外装体509から外側に露出するように配置してもよい。
また、図4では正極リード電極510と負極リード電極511は同じ辺に配置されているが、図8に示すように、正極リード電極510と負極リード電極511を異なる辺に配置してもよい。このように、本発明の一態様の蓄電池は、リード電極を自由に配置することができるため、設計自由度が高い。よって、本発明の一態様の蓄電池を用いた製品の設計自由度を高めることができる。また、本発明の一態様の蓄電池を用いた製品の生産性を高めることができる。
薄型の蓄電池500において、外装体509には、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、アイオノマー、ポリアミド等の材料からなる膜の上に、アルミニウム、ステンレス、銅、ニッケル等の可撓性に優れた金属薄膜を設け、さらに該金属薄膜上に外装体の外面としてポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂等の絶縁性合成樹脂膜を設けた三層構造のフィルムを用いることができる。
また図4では、一例として、向かい合う正極と負極の組の数を5組としているが、勿論、電極の組は5組に限定されず、多くてもよいし、少なくてもよい。電極層数が多い場合には、より多くの容量を有する蓄電池とすることができる。また、電極層数が少ない場合には、薄型化でき、可撓性に優れた蓄電池とすることができる。
上記構成において、二次電池の外装体509は、曲率半径10mm以上好ましくは曲率半径30mm以上の範囲で変形することができる。二次電池の外装体であるフィルムは、1枚または2枚で構成されており、積層構造の二次電池である場合、湾曲させた電池の断面構造は、外装体であるフィルムの2つの曲線で挟まれた構造となる。
ここで、面の曲率半径について、図9を用いて説明しておく。図9(A)において、曲面1700を切断した平面1701において、曲面1700に含まれる曲線1702の一部を円の弧に近似して、その円の半径を曲率半径1703とし、円の中心を曲率中心1704とする。図9(B)に曲面1700の上面図を示す。図9(C)に、平面1701で曲面1700を切断した断面図を示す。曲面を平面で切断するとき、曲面に対する平面の角度や切断する位置に応じて、断面に現れる曲線の曲率半径は異なるものとなるが、本明細書等では、最も小さい曲率半径を面の曲率半径とする。
2枚のフィルムを外装体として電極・電解液など1805を挟む二次電池を湾曲させた場合には、二次電池の曲率中心1800に近い側のフィルム1801の曲率半径1802は、曲率中心1800から遠い側のフィルム1803の曲率半径1804よりも小さい(図10(A))。二次電池を湾曲させて断面を円弧状とすると曲率中心1800に近いフィルムの表面には圧縮応力がかかり、曲率中心1800から遠いフィルムの表面には引っ張り応力がかかる(図10(B))。外装体の表面に凹部または凸部で形成される模様を形成すると、このように圧縮応力や引っ張り応力がかかったとしても、ひずみによる影響を許容範囲内に抑えることができる。そのため、二次電池は、曲率中心に近い側の外装体の曲率半径が10mm以上好ましくは30mm以上となる範囲で変形することができる。
なお、二次電池の断面形状は、単純な円弧状に限定されず、一部が円弧を有する形状にすることができ、例えば図10(C)に示す形状や、波状(図10(D))、S字形状などとすることもできる。二次電池の曲面が複数の曲率中心を有する形状となる場合は、複数の曲率中心それぞれにおける曲率半径の中で、最も曲率半径が小さい曲面において、2枚の外装体の曲率中心に近い方の外装体の曲率半径が、10mm以上好ましくは30mm以上となる範囲で二次電池が変形することができる。
〈コイン型蓄電池〉
次に電池セルの一例として、コイン型の蓄電池の一例について、図11を参照して説明する。図11(A)はコイン型(単層偏平型)の蓄電池の外観図であり、図11(B)は、その断面図である。
コイン型の蓄電池300は、正極端子を兼ねた正極缶301と負極端子を兼ねた負極缶302とが、ポリプロピレン等で形成されたガスケット303で絶縁シールされている。正極304は、正極集電体305と、これと接するように設けられた正極活物質層306により形成される。正極活物質層306は、正極活物質層502の記載を参照すればよい。
また、負極307は、負極集電体308と、これに接するように設けられた負極活物質層309により形成される。負極活物質層309は、負極活物質層505の記載を参照すればよい。またセパレータ310は、セパレータ507の記載を参照すればよい。また電解液は、電解液508の記載を参照すればよい。
なお、コイン型の蓄電池300に用いる正極304および負極307は、それぞれ活物質層は片面のみに形成すればよい。
正極缶301、負極缶302には、電解液に対して耐腐食性のあるニッケル 、アルミニウム、チタン等の金属、又はこれらの合金やこれらと他の金属との合金(例えば、ステンレス鋼等)を用いることができる。また、電解液による腐食を防ぐため、ニッケルやアルミニウム等を被覆することが好ましい。正極缶301は正極304と、負極缶302は負極307とそれぞれ電気的に接続する。
これら負極307、正極304及びセパレータ310を電解質に含浸させ、図11(B)に示すように、正極缶301を下にして正極304、セパレータ310、負極307、負極缶302をこの順で積層し、正極缶301と負極缶302とをガスケット303を介して圧着してコイン形の蓄電池300を製造する。
〈円筒型蓄電池〉
次に電池セルの一例として、円筒型の蓄電池を示す。円筒型の蓄電池について、図12を参照して説明する。円筒型の蓄電池600は、図12(A)に示すように、上面に正極キャップ(電池蓋)601を有し、側面及び底面に電池缶(外装缶)602を有している。これら正極キャップと電池缶(外装缶)602とは、ガスケット(絶縁パッキン)610によって絶縁されている。
図12(B)は、円筒型の蓄電池の断面を模式的に示した図である。中空円柱状の電池缶602の内側には、帯状の正極604と負極606とがセパレータ605を間に挟んで捲回された電池素子が設けられている。図示しないが、電池素子はセンターピンを中心に捲回されている。電池缶602は、一端が閉じられ、他端が開いている。電池缶602には、電解液に対して耐腐食性のあるニッケル 、アルミニウム、チタン等の金属、又はこれらの合金やこれらと他の金属との合金(例えば、ステンレス鋼等)を用いることができる。また、電解液による腐食を防ぐため、ニッケルやアルミニウム等を被覆することが好ましい。電池缶602の内側において、正極、負極及びセパレータが捲回された電池素子は、対向する一対の絶縁板608、609により挟まれている。また、電池素子が設けられた電池缶602の内部は、非水電解液(図示せず)が注入されている。非水電解液は、コイン型の蓄電池と同様のものを用いることができる。
正極604及び負極606は、上述した薄型の蓄電池の正極及び負極と同様に製造すればよい。また、円筒型の蓄電池に用いる正極及び負極は捲回するため、集電体の両面に活物質を形成することが好ましい。正極604には正極端子(正極集電リード)603が接続され、負極606には負極端子(負極集電リード)607が接続される。正極端子603及び負極端子607は、ともにアルミニウムなどの金属材料を用いることができる。正極端子603は安全弁機構612に、負極端子607は電池缶602の底にそれぞれ抵抗溶接される。安全弁機構612は、PTC素子(Positive Temperature Coefficient)611を介して正極キャップ601と電気的に接続されている。安全弁機構612は電池の内圧の上昇が所定の閾値を超えた場合に、正極キャップ601と正極604との電気的な接続を切断するものである。また、PTC素子611は温度が上昇した場合に抵抗が増大する熱感抵抗素子であり、抵抗の増大により電流量を制限して異常発熱を防止するものである。PTC素子には、チタン酸バリウム(BaTiO)系半導体セラミックス等を用いることができる。
なお、本実施の形態では、蓄電池として、コイン型、円筒型および薄型の蓄電池を示したが、その他の封止型蓄電池、角型蓄電池等様々な形状の蓄電池を用いることができる。また、正極、負極、及びセパレータが複数積層された構造、正極、負極、及びセパレータが捲回された構造であってもよい。例えば、他の蓄電池の例を図13乃至図17に示す。
〈蓄電池の構成例〉
図13及び図14に、薄型の蓄電池の構成例を示す。図13(A)に示す捲回体993は、負極994と、正極995と、セパレータ996と、を有する。
捲回体993は、セパレータ996を挟んで負極994と、正極995とが重なり合って積層され、該積層シートを捲回したものである。この捲回体993を角型の封止容器などで覆うことにより角型の二次電池が作製される。
なお、負極994、正極995及びセパレータ996からなる積層の積層数は、必要な容量と素子体積に応じて適宜設計すればよい。負極994はリード電極997及びリード電極998の一方を介して負極集電体(図示せず)に接続され、正極995はリード電極997及びリード電極998の他方を介して正極集電体(図示せず)に接続される。
図13(B)及び図13(C)に示す蓄電池990は、外装体となるフィルム981と、凹部を有するフィルム982とを熱圧着などにより貼り合わせて形成される空間に上述した捲回体993を収納したものである。捲回体993は、リード電極997及びリード電極998を有し、フィルム981と、凹部を有するフィルム982との内部で電解液に含浸される。
フィルム981と、凹部を有するフィルム982は、例えばアルミニウムなどの金属材料や樹脂材料を用いることができる。フィルム981及び凹部を有するフィルム982の材料として樹脂材料を用いれば、外部から力が加わったときにフィルム981と、凹部を有するフィルム982を変形させることができ、可撓性を有する蓄電池を作製することができる。
また、図13(B)及び図13(C)では2枚のフィルムを用いる例を示しているが、1枚のフィルムを折り曲げることによって空間を形成し、その空間に上述した捲回体993を収納してもよい。
また、薄型の蓄電池のみが可撓性を有する電池セルではなく、外装体や、封止容器を樹脂材料などにすることによって可撓性を有する電池セルを作製することができる。ただし、外装体や、封止容器を樹脂材料にする場合、外部に接続を行う部分は導電材料とする。
例えば、可撓性を有する別の薄型蓄電池の例を図14に示す。図14(A)の捲回体993は、図13(A)に示したものと同一であるため、詳細な説明は省略することとする。
図14(B)及び図14(C)に示す蓄電池990は、外装体991の内部に上述した捲回体993を収納したものである。捲回体993は、リード電極997及びリード電極998を有し、外装体991、992の内部で電解液に含浸される。外装体991、992は、例えばアルミニウムなどの金属材料や樹脂材料を用いることができる。外装体991、992の材料として樹脂材料を用いれば、外部から力が加わったときに外装体991、992を変形させることができ、可撓性を有する薄型蓄電池を作製することができる。
本発明の一態様に係るリチウムマンガン複合酸化物を活物質として用いることにより、活物質中において、リチウムイオンの拡散が容易となり、電池の電圧の低下や、放電容量の低下を防止することができる。
しかしながら、リチウムマンガン複合酸化物の金属原子量が多くなりすぎると、層状岩塩型の結晶構造領域中に過剰に金属原子が入り込み、リチウムイオンの拡散と挿入脱離を阻害するようになる。したがって、リチウムマンガン複合酸化物において、マンガンと金属原子のモル比率が、マンガンが1に対して、金属原子が0.2以上1.3以下、好ましくは金属原子が0.2以上0.5以下となるようにすればよい。
以上により、積層欠陥を有するリチウムマンガン複合酸化物を電極に用いることにより、電池の電圧の低下や、放電容量の低下を抑制することができる。これにより、充放電に伴う電池のサイクル特性を向上させることができる。
〈蓄電システムの構造例〉
また、蓄電システムの構造例について、図15乃至図17を用いて説明する。ここで蓄電システムとは、例えば、電池セルを搭載した機器を指す。
図15(A)及び図15(B)は、蓄電システムの外観図を示す図である。蓄電システムは、回路基板900と、蓄電池913と、を有する。蓄電池913には、ラベル910が貼られている。さらに、図15(B)に示すように、蓄電システムは、端子951と、端子952と、を有し、ラベル910の裏にアンテナ914と、アンテナ915と、を有する。
回路基板900は、端子911と、回路912と、を有する。端子911は、端子951、端子952、アンテナ914、アンテナ915、及び回路912に接続される。なお、端子911を複数設けて、複数の端子911のそれぞれを、制御信号入力端子、電源端子などとしてもよい。
回路912は、回路基板900の裏面に設けられていてもよい。なお、アンテナ914及びアンテナ915は、コイル状に限定されず、例えば線状、板状であってもよい。また、平面アンテナ、開口面アンテナ、進行波アンテナ、EHアンテナ、磁界アンテナ、誘電体アンテナ等のアンテナを用いてもよい。又は、アンテナ914若しくはアンテナ915は、平板状の導体でもよい。この平板状の導体は、電界結合用の導体の一つとして機能することができる。つまり、コンデンサの有する2つの導体のうちの一つの導体として、アンテナ914若しくはアンテナ915を機能させてもよい。これにより、電磁界、磁界だけでなく、電界で電力のやり取りを行うこともできる。
アンテナ914の線幅は、アンテナ915の線幅よりも大きいことが好ましい。これにより、アンテナ914により受電する電力量を大きくできる。
蓄電システムは、アンテナ914及びアンテナ915と、蓄電池913との間に層916を有する。層916は、例えば蓄電池913による電磁界を遮蔽する機能を有する。層916としては、例えば磁性体を用いることができる。
なお、蓄電システムの構造は、図15に示す構造に限定されない。
例えば、図16(A−1)及び図16(A−2)に示すように、図15(A)及び図15(B)に示す蓄電池913のうち、対向する一対の面のそれぞれにアンテナを設けてもよい。図16(A−1)は、上記一対の面の一方側方向から見た外観図であり、図16(A−2)は、上記一対の面の他方側方向から見た外観図である。なお、図15(A)及び図15(B)に示す蓄電システムと同じ部分については、図15(A)及び図15(B)に示す蓄電システムの説明を適宜援用できる。
図16(A−1)に示すように、蓄電池913の一対の面の一方に層916を挟んでアンテナ914が設けられ、図16(A−2)に示すように、蓄電池913の一対の面の他方に層917を挟んでアンテナ915が設けられる。層917は、例えば蓄電池913による電磁界を遮蔽する機能を有する。層917としては、例えば磁性体を用いることができる。
上記構造にすることにより、アンテナ914及びアンテナ915の両方のサイズを大きくすることができる。
または、図16(B−1)及び図16(B−2)に示すように、図15(A)及び図15(B)に示す蓄電池913のうち、対向する一対の面のそれぞれに別のアンテナを設けてもよい。図16(B−1)は、上記一対の面の一方側方向から見た外観図であり、図16(B−2)は、上記一対の面の他方側方向から見た外観図である。なお、図15(A)及び図15(B)に示す蓄電システムと同じ部分については、図15(A)及び図15(B)に示す蓄電システムの説明を適宜援用できる。
図16(B−1)に示すように、蓄電池913の一対の面の一方に層916を挟んでアンテナ914及びアンテナ915が設けられ、図16(A−2)に示すように、蓄電池913の一対の面の他方に層917を挟んでアンテナ918が設けられる。アンテナ918は、例えば、外部機器とのデータ通信を行うことができる機能を有する。アンテナ918には、例えばアンテナ914及びアンテナ915に適用可能な形状のアンテナを適用することができる。アンテナ918を介した蓄電システムと他の機器との通信方式としては、NFCなど、蓄電システムと他の機器の間で用いることができる応答方式などを適用することができる。
又は、図17(A)に示すように、図15(A)及び図15(B)に示す蓄電池913に表示装置920を設けてもよい。表示装置920は、端子919を介して端子911に電気的に接続される。なお、表示装置920が設けられる部分にラベル910を設けなくてもよい。なお、図15(A)及び図15(B)に示す蓄電システムと同じ部分については、図15(A)及び図15(B)に示す蓄電システムの説明を適宜援用できる。
表示装置920には、例えば充電中であるか否かを示す画像、蓄電量を示す画像などを表示してもよい。表示装置920としては、例えば電子ペーパー、液晶表示装置、エレクトロルミネセンス(ELともいう)表示装置などを用いることができる。例えば、電子ペーパーを用いることにより表示装置920の消費電力を低減することができる。
又は、図17(B)に示すように、図15(A)及び図15(B)に示す蓄電池913にセンサ921を設けてもよい。センサ921は、端子922を介して端子911に電気的に接続される。なお、センサ921は、ラベル910の裏側に設けられてもよい。なお、図15(A)及び図15(B)に示す蓄電システムと同じ部分については、図15(A)及び図15(B)に示す蓄電システムの説明を適宜援用できる。
センサ921としては、例えば、力、変位、位置、速度、加速度、角速度、回転数、距離、光、液、磁気、温度、化学物質、音声、時間、硬度、電場、電流、電圧、電力、放射線、流量、湿度、傾度、振動、におい又は赤外線を測定する機能を含むものを用いることができる。センサ921を設けることにより、例えば、蓄電システムが置かれている環境を示すデータ(温度など)を検出し、回路912内のメモリに記憶しておくこともできる。
本実施の形態で示す蓄電池や蓄電システムには、本発明の一態様に係る電極が用いられている。そのため、蓄電池や蓄電システムの容量の大きくすることができる。また、エネルギー密度を高めることができる。また、信頼性を高めることができる。また、寿命を長くすることができる。
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することが可能である。
(実施の形態4)
上記実施の形態で説明した活物質を含む電池セルと組み合わせて用いることができる電池制御ユニット(Battery Management Unit:BMU)、及び該電池制御ユニットを構成する回路に適したトランジスタについて、図18乃至図24を参照して説明する。本実施の形態では、特に直列に接続された電池セルを有する蓄電装置の電池制御ユニットについて説明する。
直列に接続された複数の電池セルに対して充放電を繰り返していくと、電池セル間の特性のばらつきに応じて、容量(出力電圧)が異なってくる。直列に接続された電池セルでは、全体の放電時の容量が、容量の小さい電池セルに依存する。容量にばらつきがあると放電時の容量が小さくなる。また、容量が小さい電池セルを基準にして充電を行うと、充電不足となる虞がある。また、容量の大きい電池セルを基準にして充電を行うと、過充電となる虞がある。
そのため、直列に接続された電池セルを有する蓄電装置の電池制御ユニットは、充電不足や、過充電の原因となる、電池セル間の容量のばらつきを揃える機能を有する。電池セル間の容量のばらつきを揃える回路構成には、抵抗方式、キャパシタ方式、あるいはインダクタ方式等あるが、ここではオフ電流の小さいトランジスタを利用して容量のばらつきを揃えることのできる回路構成を一例として挙げて説明する。
オフ電流の小さいトランジスタとしては、チャネル形成領域に酸化物半導体を有するトランジスタ(OSトランジスタ)が好ましい。オフ電流の小さいOSトランジスタを蓄電装置の電池制御ユニットの回路構成に用いることで、電池から漏洩する電荷量を減らし、時間の経過による容量の低下を抑制することができる。
チャネル形成領域に用いる酸化物半導体は、In−M−Zn酸化物(Mは、Ga、Sn、Y、Zr、La、Ce、またはNd)を用いる。酸化物半導体膜を成膜するために用いるターゲットにおいて、金属元素の原子数比をIn:M:Zn=x:y:zとすると/yは、1/3以上6以下、さらには1以上6以下であって、z/yは、1/3以上6以下、さらには1以上6以下であることが好ましい。なお、z/yを1以上6以下とすることで、酸化物半導体膜としてCAAC−OS膜が形成されやすくなる。
ここで、CAAC−OS膜について説明する。
CAAC−OS膜は、c軸配向した複数の結晶部を有する酸化物半導体膜の一つである。
透過型電子顕微鏡(TEM:Transmission Electron Microscope)によって、CAAC−OS膜の明視野像および回折パターンの複合解析像(高分解能TEM像ともいう。)を観察することで複数の結晶部を確認することができる。一方、高分解能TEM像によっても明確な結晶部同士の境界、即ち結晶粒界(グレインバウンダリーともいう。)を確認することができない。そのため、CAAC−OS膜は、結晶粒界に起因する電子移動度の低下が起こりにくいといえる。
試料面と略平行な方向から、CAAC−OS膜の断面の高分解能TEM像を観察すると、結晶部において、金属原子が層状に配列していることを確認できる。金属原子の各層は、CAAC−OS膜の膜を形成する面(被形成面ともいう。)または上面の凹凸を反映した形状であり、CAAC−OS膜の被形成面または上面と平行に配列する。
一方、試料面と略垂直な方向から、CAAC−OS膜の平面の高分解能TEM像を観察すると、結晶部において、金属原子が三角形状または六角形状に配列していることを確認できる。しかしながら、異なる結晶部間で、金属原子の配列に規則性は見られない。
CAAC−OS膜に対し、X線回折(XRD:X−Ray Diffraction)装置を用いて構造解析を行うと、例えばInGaZnOの結晶を有するCAAC−OS膜のout−of−plane法による解析では、回折角(2θ)が31°近傍にピークが現れる場合がある。このピークは、InGaZnOの結晶の(009)面に帰属されることから、CAAC−OS膜の結晶がc軸配向性を有し、c軸が被形成面または上面に略垂直な方向を向いていることが確認できる。
なお、InGaZnOの結晶を有するCAAC−OS膜のout−of−plane法による解析では、2θが31°近傍のピークの他に、2θが36°近傍にもピークが現れる場合がある。2θが36°近傍のピークは、CAAC−OS膜中の一部に、c軸配向性を有さない結晶が含まれることを示している。CAAC−OS膜は、2θが31°近傍にピークを示し、2θが36°近傍にピークを示さないことが好ましい。
CAAC−OS膜は、不純物濃度の低い酸化物半導体膜である。不純物は、水素、炭素、シリコン、遷移金属元素などの酸化物半導体膜の主成分以外の元素である。特に、シリコンなどの、酸化物半導体膜を構成する金属元素よりも酸素との結合力の強い元素は、酸化物半導体膜から酸素を奪うことで酸化物半導体膜の原子配列を乱し、結晶性を低下させる要因となる。また、鉄やニッケルなどの重金属、アルゴン、二酸化炭素などは、原子半径(または分子半径)が大きいため、酸化物半導体膜内部に含まれると、酸化物半導体膜の原子配列を乱し、結晶性を低下させる要因となる。なお、酸化物半導体膜に含まれる不純物は、キャリアトラップやキャリア発生源となる場合がある。
また、CAAC−OS膜は、欠陥準位密度の低い酸化物半導体膜である。例えば、酸化物半導体膜中の酸素欠損は、キャリアトラップとなることや、水素を捕獲することによってキャリア発生源となることがある。
不純物濃度が低く、欠陥準位密度が低い(酸素欠損の少ない)ことを、高純度真性または実質的に高純度真性と呼ぶ。高純度真性または実質的に高純度真性である酸化物半導体膜は、キャリア発生源が少ないため、キャリア密度を低くすることができる。したがって、当該酸化物半導体膜を用いたトランジスタは、しきい値電圧がマイナスとなる電気特性(ノーマリーオンともいう。)になることが少ない。また、高純度真性または実質的に高純度真性である酸化物半導体膜は、キャリアトラップが少ない。そのため、当該酸化物半導体膜を用いたトランジスタは、電気特性の変動が小さく、信頼性の高いトランジスタとなる。なお、酸化物半導体膜のキャリアトラップに捕獲された電荷は、放出するまでに要する時間が長く、あたかも固定電荷のように振る舞うことがある。そのため、不純物濃度が高く、欠陥準位密度が高い酸化物半導体膜を用いたトランジスタは、電気特性が不安定となる場合がある。
また、CAAC−OS膜を用いたトランジスタは、可視光や紫外光の照射による電気特性の変動が小さい。
なお、OSトランジスタは、チャネル形成領域にシリコンを有するトランジスタ(Siトランジスタ)に比べてバンドギャップが大きいため、高電圧を印加した際の絶縁破壊が生じにくい。直列に電池セルを接続する場合、数100Vの電圧が生じることになるが、このような電池セルに適用される蓄電装置の電池制御ユニットの回路構成には、前述のOSトランジスタで構成することが適している。
図18には、蓄電装置のブロック図の一例を示す。図18に示す蓄電装置6000は、端子対6001と、端子対6002と、切り替え制御回路6003と、切り替え回路6004と、切り替え回路6005と、変圧制御回路6006と、変圧回路6007と、直列に接続された複数の電池セル6009を含む電池部6008と、を有する。
また、図18の蓄電装置6000において、端子対6001と、端子対6002と、切り替え制御回路6003と、切り替え回路6004と、切り替え回路6005と、変圧制御回路6006と、変圧回路6007とにより構成される部分を、電池制御ユニットと呼ぶことができる。
切り替え制御回路6003は、切り替え回路6004及び切り替え回路6005の動作を制御する。具体的には、切り替え制御回路6003は、電池セル6009毎に測定された電圧に基づいて、放電する電池セル(放電電池セル群)、及び充電する電池セル(充電電池セル群)を決定する。
さらに、切り替え制御回路6003は、当該決定された放電電池セル群及び充電電池セル群に基づいて、制御信号S1及び制御信号S2を出力する。制御信号S1は、切り替え回路6004へ出力される。この制御信号S1は、端子対6001と放電電池セル群とを接続させるように切り替え回路6004を制御する信号である。また、制御信号S2は、切り替え回路6005へ出力される。この制御信号S2は、端子対6002と充電電池セル群とを接続させるように切り替え回路6005を制御する信号である。
また、切り替え制御回路6003は、切り替え回路6004、切り替え回路6005、及び変圧回路6007の構成を踏まえ、端子対6002と充電電池セル群との間で、同じ極性の端子同士が接続されるように、制御信号S1及び制御信号S2を生成する。
切り替え制御回路6003の動作の詳細について述べる。
まず、切り替え制御回路6003は、複数の電池セル6009毎の電圧を測定する。そして、切り替え制御回路6003は、例えば、所定の閾値以上の電圧の電池セル6009を高電圧の電池セル(高電圧セル)、所定の閾値未満の電圧の電池セル6009を低電圧の電池セル(定電圧セル)と判断する。
なお、高電圧セル及び低電圧セルを判断する方法については、様々な方法を用いることができる。例えば、切り替え制御回路6003は、複数の電池セル6009の中で、最も電圧の高い、又は最も電圧の低い電池セル6009の電圧を基準として、各電池セル6009が高電圧セルか低電圧セルかを判断してもよい。この場合、切り替え制御回路6003は、各電池セル6009の電圧が基準となる電圧に対して所定の割合以上か否かを判定する等して、各電池セル6009が高電圧セルか低電圧セルかを判断することができる。そして、切り替え制御回路6003は、この判断結果に基づいて、放電電池セル群と充電電池セル群とを決定する。
なお、複数の電池セル6009の中には、高電圧セルと低電圧セルが様々な状態で混在し得る。例えば、切り替え制御回路6003は、高電圧セルと低電圧セルが混在する中で、高電圧セルが最も多く連続して直列に接続された部分を放電電池セル群とする。また、切り替え制御回路6003は、低電圧セルが最も多く連続して直列に接続された部分を充電電池セル群とする。また、切り替え制御回路6003は、過充電又は過放電に近い電池セル6009を、放電電池セル群又は充電電池セル群として優先的に選択するようにしてもよい。
ここで、本実施形態における切り替え制御回路6003の動作例を、図19を用いて説明する。図19は、切り替え制御回路6003の動作例を説明するための図である。なお、説明の便宜上、図19では4個の電池セル6009が直列に接続されている場合を例に説明する。
まず、図19(A)の例では、電池セルa乃至dの電圧を電圧Va乃至電圧Vdとすると、Va=Vb=Vc>Vdの関係にある場合を示している。つまり、連続する3つの高電圧セルa乃至cと、1つの低電圧セルdとが直列に接続されている。この場合、切り替え制御回路6003は、連続する3つの高電圧セルa乃至cを放電電池セル群として決定する。また、切り替え制御回路6003は、低電圧セルDを充電電池セル群として決定する。
次に、図19(B)の例では、Vc>Va=Vb>>Vdの関係にある場合を示している。つまり、連続する2つの低電圧セルa、bと、1つの高電圧セルcと、1つの過放電間近の低電圧セルdとが直列に接続されている。この場合、切り替え制御回路6003は、高電圧セルcを放電電池セル群として決定する。また、切り替え制御回路6003は、低電圧セルdが過放電間近であるため、連続する2つの低電圧セルa及びbではなく、低電圧セルdを充電電池セル群として優先的に決定する。
最後に、図19(C)の例では、Va>Vb=Vc=Vdの関係にある場合を示している。つまり、1つの高電圧セルaと、連続する3つの低電圧セルb乃至dとが直列に接続されている。この場合、切り替え制御回路6003は、高電圧セルaを放電電池セル群と決定する。また、切り替え制御回路6003は、連続する3つの低電圧セルb乃至dを充電電池セル群として決定する。
切り替え制御回路6003は、上記図19(A)乃至(C)の例のように決定された結果に基づいて、切り替え回路6004の接続先である放電電池セル群を示す情報が設定された制御信号S1と、切り替え回路6005の接続先である充電電池セル群を示す情報が設定された制御信号S2を、切り替え回路6004及び切り替え回路6005に対してそれぞれ出力する。
以上が、切り替え制御回路6003の動作の詳細に関する説明である。
切り替え回路6004は、切り替え制御回路6003から出力される制御信号S1に応じて、端子対6001の接続先を、切り替え制御回路6003により決定された放電電池セル群に設定する。
端子対6001は、対を成す端子A1及びA2により構成される。切り替え回路6004は、この端子A1及びA2のうち、いずれか一方を放電電池セル群の中で最も上流(高電位側)に位置する電池セル6009の正極端子と接続し、他方を放電電池セル群の中で最も下流(低電位側)に位置する電池セル6009の負極端子と接続することにより、端子対6001の接続先を設定する。なお、切り替え回路6004は、制御信号S1に設定された情報を用いて放電電池セル群の位置を認識することができる。
切り替え回路6005は、切り替え制御回路6003から出力される制御信号S2に応じて、端子対6002の接続先を、切り替え制御回路6003により決定された充電電池セル群に設定する。
端子対6002は、対を成す端子B1及びB2により構成される。切り替え回路6005は、この端子B1及びB2のうち、いずれか一方を充電電池セル群の中で最も上流(高電位側)に位置する電池セル6009の正極端子と接続し、他方を充電電池セル群の中で最も下流(低電位側)に位置する電池セル6009の負極端子と接続することにより、端子対6002の接続先を設定する。なお、切り替え回路6005は、制御信号S2に設定された情報を用いて充電電池セル群の位置を認識することができる。
切り替え回路6004及び切り替え回路6005の構成例を示す回路図を図20及び図21に示す。
図20では、切り替え回路6004は、複数のトランジスタ6010と、バス6011及び6012とを有する。バス6011は、端子A1と接続されている。また、バス6012は、端子A2と接続されている。複数のトランジスタ6010のソース又はドレインの一方は、それぞれ1つおきに交互に、バス6011及び6012と接続されている。また、複数のトランジスタ6010のソース又はドレインの他方は、それぞれ隣接する2つの電池セル6009の間に接続されている。
なお、複数のトランジスタ6010のうち、最上流に位置するトランジスタ6010のソース又はドレインの他方は、電池部6008の最上流に位置する電池セル6009の正極端子と接続されている。また、複数のトランジスタ6010のうち、最下流に位置するトランジスタ6010のソース又はドレインの他方は、電池部6008の最下流に位置する電池セル6009の負極端子と接続されている。
切り替え回路6004は、複数のトランジスタ6010のゲートに与える制御信号S1に応じて、バス6011に接続される複数のトランジスタ6010のうちの1つと、バス6012に接続される複数のトランジスタ6010のうちの1つとをそれぞれ導通状態にすることにより、放電電池セル群と端子対6001とを接続する。これにより、放電電池セル群の中で最も上流に位置する電池セル6009の正極端子は、端子対の端子A1又はA2のいずれか一方と接続される。また、放電電池セル群の中で最も下流に位置する電池セル6009の負極端子は、端子対の端子A1又はA2のいずれか他方、すなわち正極端子と接続されていない方の端子に接続される。
トランジスタ6010には、OSトランジスタを用いることが好ましい。OSトランジスタはオフ電流が小さいため、放電電池セル群に属しない電池セルから漏洩する電荷量を減らし、時間の経過による容量の低下を抑制することができる。またOSトランジスタは高電圧を印加した際の絶縁破壊が生じにくい。そのため、放電電池セル群の出力電圧が大きくても、非導通状態とするトランジスタ6010が接続された電池セル6009と端子対6001とを絶縁状態とすることができる。
また、図20では、切り替え回路6005は、複数のトランジスタ6013と、電流制御スイッチ6014と、バス6015と、バス6016とを有する。バス6015及び6016は、複数のトランジスタ6013と、電流制御スイッチ6014との間に配置される。複数のトランジスタ6013のソース又はドレインの一方は、それぞれ1つおきに交互に、バス6015及び6016と接続されている。また、複数のトランジスタ6013のソース又はドレインの他方は、それぞれ隣接する2つの電池セル6009の間に接続されている。
なお、複数のトランジスタ6013のうち、最上流に位置するトランジスタ6013のソース又はドレインの他方は、電池部6008の最上流に位置する電池セル6009の正極端子と接続されている。また、複数のトランジスタ6013のうち、最下流に位置するトランジスタ6013のソース又はドレインの他方は、電池部6008の最下流に位置する電池セル6009の負極端子と接続されている。
トランジスタ6013には、トランジスタ6010と同様に、OSトランジスタを用いることが好ましい。OSトランジスタはオフ電流が小さいため、充電電池セル群に属しない電池セルから漏洩する電荷量を減らし、時間の経過による容量の低下を抑制することができる。またOSトランジスタは高電圧を印加した際の絶縁破壊が生じにくい。そのため、充電電池セル群を充電するための電圧が大きくても、非導通状態とするトランジスタ6013が接続された電池セル6009と端子対6002とを絶縁状態とすることができる。
電流制御スイッチ6014は、スイッチ対6017とスイッチ対6018とを有する。スイッチ対6017の一端は、端子B1に接続されている。また、スイッチ対6017の他端は2つのスイッチで分岐しており、一方のスイッチはバス6015に接続され、他方のスイッチはバス6016に接続されている。スイッチ対6018の一端は、端子B2に接続されている。また、スイッチ対6018の他端は2つのスイッチで分岐しており、一方のスイッチはバス6015に接続され、他方のスイッチはバス6016に接続されている。
スイッチ対6017及びスイッチ対6018が有するスイッチは、トランジスタ6010及びトランジスタ6013と同様に、OSトランジスタを用いることが好ましい。
切り替え回路6005は、制御信号S2に応じて、トランジスタ6013、及び電流制御スイッチ6014のオン/オフ状態の組み合わせを制御することにより、充電電池セル群と端子対6002とを接続する。
切り替え回路6005は、一例として、以下のようにして充電電池セル群と端子対6002とを接続する。
切り替え回路6005は、複数のトランジスタ6010のゲートに与える制御信号S2に応じて、充電電池セル群の中で最も上流に位置する電池セル6009の正極端子と接続されているトランジスタ6013を導通状態にする。また、切り替え回路6005は、複数のトランジスタ6010のゲートに与える制御信号S2に応じて、充電電池セル群の中で最も下流に位置する電池セル6009の負極端子に接続されている切り替えスイッチ151を導通状態にする。
端子対6002に印加される電圧の極性は、端子対6001と接続される放電電池セル群、及び変圧回路6007の構成によって変わり得る。また、充電電池セル郡を充電する方向に電流を流すためには、端子対6002と充電電池セル群との間で、同じ極性の端子同士を接続する必要がある。そこで、電流制御スイッチ152は、制御信号S2により、端子対6002に印加される電圧の極性に応じてスイッチ対6017及びスイッチ対6018の接続先をそれぞれ切り替えるように制御される。
一例として、端子B1が正極、端子B2が負極となるような電圧が端子対6002に印加されている状態を挙げて説明する。この時、電池部6008の最下流の電池セル6009が充電電池セル群である場合、スイッチ対6017は、制御信号S2により、当該電池セル6009の正極端子と接続されるように制御される。すなわち、スイッチ対6017のバス6016に接続されるスイッチがオン状態となり、スイッチ対6017のバス6015に接続されるスイッチがオフ状態となる。一方、スイッチ対6018は、制御信号S2により、当該電池セル6009の負極端子と接続されるように制御される。すなわち、スイッチ対6018のバス6015に接続されるスイッチがオン状態となり、スイッチ対6018のバス6016に接続されるスイッチがオフ状態となる。このようにして、端子対6002と充電電池セル群との間で、同じ極性をもつ端子同士が接続される。そして、端子対6002から流れる電流の方向が、充電電池セル群を充電する方向となるように制御される。
また、電流制御スイッチ152は、切り替え回路6005ではなく、切り替え回路6004に含まれていてもよい。この場合、電流制御スイッチ6014、制御信号S1に応じて、端子対6001に印加される電圧の極性を制御することにより、端子対6002に印加される電圧の極性を制御する。そして、電流制御スイッチ6014は、端子対6002から充電電池セル群に流れる電流の向きを制御する。
図21は、図20とは異なる、切り替え回路6004及び切り替え回路6005の構成例を示す回路図である。
図21では、切り替え回路6004は、複数のトランジスタ対6021と、バス6024及びバス6025とを有する。バス6024は、端子A1と接続されている。また、バス6025は、端子A2と接続されている。複数のトランジスタ対6021の一端は、それぞれトランジスタ6022とトランジスタ6023とにより分岐している。トランジスタ6022のソース又はドレインの一方は、バス6024と接続されている。また、トランジスタ6023のソース又はドレインの一方は、バス6025と接続されている。また、複数のトランジスタ対の他端は、それぞれ隣接する2つの電池セル6009の間に接続されている。なお、複数のトランジスタ対6021のうち、最上流に位置するトランジスタ対6021の他端は、電池部6008の最上流に位置する電池セル6009の正極端子と接続されている。また、複数のトランジスタ対6021のうち、最下流に位置するトランジスタ対6021の他端は、電池部6008の最下流に位置する電池セル6009の負極端子と接続されている。
切り替え回路6004は、制御信号S1に応じてトランジスタ6022及びトランジスタ6023の導通/非導通状態を切り換えることにより、当該トランジスタ対6021の接続先を、端子A1又は端子A2のいずれか一方に切り替える。詳細には、トランジスタ6022が導通状態であれば、トランジスタ6023は非導通状態となり、その接続先は端子A1になる。一方、トランジスタ6023が導通状態であれば、トランジスタ6022は非導通状態となり、その接続先は端子A2になる。トランジスタ6022及びトランジスタ6023のどちらが導通状態になるかは、制御信号S1によって決定される。
端子対6001と放電電池セル群とを接続するには、2つのトランジスタ対6021が用いられる。詳細には、制御信号S1に基づいて、2つのトランジスタ対6021の接続先がそれぞれ決定されることにより、放電電池セル群と端子対6001とが接続される。2つのトランジスタ対6021のそれぞれの接続先は、一方が端子A1となり、他方が端子A2となるように、制御信号S1によって制御される。
切り替え回路6005は、複数のトランジスタ対6031と、バス6034及びバス6035とを有する。バス6034は、端子B1と接続されている。また、バス6035は、端子B2と接続されている。複数のトランジスタ対6031の一端は、それぞれトランジスタ6032とトランジスタ6033とにより分岐している。トランジスタ6032により分岐する一端は、バス6034と接続されている。また、トランジスタ6033により分岐する一端は、バス6035と接続されている。また、複数のトランジスタ対6031の他端は、それぞれ隣接する2つの電池セル6009の間に接続されている。なお、複数のトランジスタ対6031のうち、最上流に位置するトランジスタ対6031の他端は、電池部6008の最上流に位置する電池セル6009の正極端子と接続されている。また、複数のトランジスタ対6031のうち、最下流に位置するトランジスタ対6031の他端は、電池部6008の最下流に位置する電池セル6009の負極端子と接続されている。
切り替え回路6005は、制御信号S2に応じてトランジスタ6032及びトランジスタ6033の導通/非導通状態を切り換えることにより、当該トランジスタ対6031の接続先を、端子B1又は端子B2のいずれか一方に切り替える。詳細には、トランジスタ6032が導通状態であれば、トランジスタ6033は非導通状態となり、その接続先は端子B1になる。逆に、トランジスタ6033が導通状態であれば、トランジスタ6032は非導通状態となり、その接続先は端子B2になる。トランジスタ6032及びトランジスタ6033のどちらが導通状態となるかは、制御信号S2によって決定される。
端子対6002と充電電池セル群とを接続するには、2つのトランジスタ対6031が用いられる。詳細には、制御信号S2に基づいて、2つのトランジスタ対6031の接続先がそれぞれ決定されることにより、充電電池セル群と端子対6002とが接続される。2つのトランジスタ対6031のそれぞれの接続先は、一方が端子B1となり、他方が端子B2となるように、制御信号S2によって制御される。
また、2つのトランジスタ対6031のそれぞれの接続先は、端子対6002に印加される電圧の極性によって決定される。具体的には、端子B1が正極、端子B2が負極となるような電圧が端子対6002に印加されている場合、上流側のトランジスタ対6031は、トランジスタ6032が導通状態となり、トランジスタ6033が非導通状態となるように、制御信号S2によって制御される。一方、下流側のトランジスタ対6031は、トランジスタ6033が導通状態、トランジスタ6032が非導通状態となるように、制御信号S2によって制御される。また、端子B1が負極、端子B2が正極となるような電圧が端子対6002に印加されている場合は、上流側のトランジスタ対6031は、トランジスタ6033が導通状態となり、トランジスタ6032が非導通状態となるように、制御信号S2によって制御される。一方、下流側のトランジスタ対6031は、トランジスタ6032が導通状態、トランジスタ6033が非導通状態となるように、制御信号S2によって制御される。このようにして、端子対6002と充電電池セル群との間で、同じ極性をもつ端子同士が接続される。そして、端子対6002から流れる電流の方向が、充電電池セル群を充電する方向となるように制御される。
変圧制御回路6006は、変圧回路6007の動作を制御する。変圧制御回路6006は、放電電池セル群に含まれる電池セル6009の個数と、充電電池セル群に含まれる電池セル6009の個数とに基づいて、変圧回路6007の動作を制御する変圧信号S3を生成し、変圧回路6007へ出力する。
なお、放電電池セル群に含まれる電池セル6009の個数が充電電池セル群に含まれる電池セル6009の個数よりも多い場合は、充電電池セル群に対して過剰に大きな充電電圧が印加されることを防止する必要がある。そのため、変圧制御回路6006は、充電電池セル群を充電できる範囲で放電電圧(Vdis)を降圧させるように変圧回路6007を制御する変圧信号S3を出力する。
また、放電電池セル群に含まれる電池セル6009の個数が、充電電池セル群に含まれる電池セル6009の個数以下である場合は、充電電池セル群を充電するために必要な充電電圧を確保する必要がある。そのため、変圧制御回路6006は、充電電池セル群に過剰な充電電圧が印加されない範囲で放電電圧(Vdis)を昇圧させるように変圧回路6007を制御する変圧信号S3を出力する。
なお、過剰な充電電圧とする電圧値は、電池部6008で使用される電池セル6009の製品仕様等に鑑みて決定することができる。また、変圧回路6007により昇圧及び降圧された電圧は、充電電圧(Vcha)として端子対6002に印加される。
ここで、本実施形態における変圧制御回路6006の動作例を、図22(A)乃至(C)を用いて説明する。図22(A)乃至(C)は、図19(A)乃至(C)で説明した放電電池セル群及び充電電池セル群に対応させた、変圧制御回路6006の動作例を説明するための概念図である。なお図22(A)乃至(C)は、電池制御ユニット6041を図示している。電池制御ユニット6041は、上述したように、端子対6001と、端子対6002と、切り替え制御回路6003と、切り替え回路6004と、切り替え回路6005と、変圧制御回路6006と、変圧回路6007とにより構成される。
図22(A)に示される例では、図19(A)で説明したように、連続する3つの高電圧セルa乃至cと、1つの低電圧セルdとが直列に接続されている。この場合、図19(A)を用いて説明したように、切り替え制御回路6003は、高電圧セルa乃至cを放電電池セル群として決定し、低電圧セルdを充電電池セル群として決定する。そして、変圧制御回路6006は、放電電池セル群に含まれる電池セル6009の個数を基準とした時の、充電電地セル群に含まれる電池セル6009の個数の比に基づいて、放電電圧(Vdisの昇降圧比Nを算出する。
なお放電電池セル群に含まれる電池セル6009の個数が、充電電池セル群に含まれる電池セル6009の個数よりも多い場合に、放電電圧を変圧せずに端子対6002にそのまま印加すると、充電電池セル群に含まれる電池セル6009に、端子対6002を介して過剰な電圧が印加される可能性がある。そのため、図22(A)に示されるような場合では、端子対6002に印加される充電電圧(Vcha)を、放電電圧よりも降圧させる必要がある。さらに、充電電池セル群を充電するためには、充電電圧は、充電電池セル群に含まれる電池セル6009の合計電圧より大きい必要がある。そのため、変圧制御回路6006は、放電電池セル群に含まれる電池セル6009の個数を基準とした時の、充電電地セル群に含まれる電池セル6009の個数の比よりも、昇降圧比Nを大きく設定する。
変圧制御回路6006は、放電電池セル群に含まれる電池セル6009の個数を基準とした時の、充電電地セル群に含まれる電池セル6009の個数の比に対して、昇降圧比Nを1乃至10%程度大きくするのが好ましい。この時、充電電圧は充電電池セル群の電圧よりも大きくなるが、実際には充電電圧は充電電池セル群の電圧と等しくなる。ただし、変圧制御回路6006は昇降圧比Nに従い充電電池セル群の電圧を充電電圧と等しくするために、充電電池セル群を充電する電流を流すこととなる。この電流は変圧制御回路6006に設定された値となる。
図22(A)に示される例では、放電電池セル群に含まれる電池セル6009の個数が3個で、充電電池セル群に含まれる電池セル6009の数が1個であるため、変圧制御回路6006は、1/3より少し大きい値を昇降圧比Nとして算出する。そして、変圧制御回路6006は、放電電圧を当該昇降圧比Nに応じて降圧し、充電電圧に変換する変圧信号S3を変圧回路6007に出力する。そして、変圧回路6007は、変圧信号S3に応じて変圧された充電電圧を、端子対6002に印加する。そして、端子対6002に印加される充電電圧によって、充電電池セル群に含まれる電池セル6009が充電される。
また、図22(B)や図22(C)に示される例でも、図22(A)と同様に、昇降圧比Nが算出される。図22(B)や図22(C)に示される例では、放電電池セル群に含まれる電池セル6009の個数が、充電電池セル群に含まれる電池セル6009の個数以下であるため、昇降圧比Nは1以上となる。よって、この場合は、変圧制御回路6006は、放電電圧を昇圧して受電電圧に変換する変圧信号S3を出力する。
変圧回路6007は、変圧信号S3に基づいて、端子対6001に印加される放電電圧を充電電圧に変換する。そして、変圧回路6007は、変換された充電電圧を端子対6002に印加する。ここで、変圧回路6007は、端子対6001と端子対6002との間を電気的に絶縁している。これにより、変圧回路6007は、放電電池セル群の中で最も下流に位置する電池セル6009の負極端子の絶対電圧と、充電電池セル群の中で最も下流に位置する電池セル6009の負極端子の絶対電圧との差異による短絡を防止する。さらに、変圧回路6007は、上述したように、変圧信号S3に基づいて放電電池セル群の合計電圧である放電電圧を充電電圧に変換する。
また、変圧回路6007は、例えば絶縁型DC(Direct Current)−DCコンバータ等を用いることができる。この場合、変圧制御回路6006は、絶縁型DC−DCコンバータのオン/オフ比(デューティー比)を制御する信号を変圧信号S3として出力することにより、変圧回路6007で変換される充電電圧を制御する。
なお、絶縁型DC−DCコンバータには、フライバック方式、フォワード方式、RCC(Ringing Choke Converter)方式、プッシュプル方式、ハーフブリッジ方式、及びフルブリッジ方式等が存在するが、目的とする出力電圧の大きさに応じて適切な方式が選択される。
絶縁型DC−DCコンバータを用いた変圧回路6007の構成を図23に示す。絶縁型DC−DCコンバータ6051は、スイッチ部6052とトランス部6053とを有する。スイッチ部6052は、絶縁型DC−DCコンバータの動作のオン/オフを切り替えるスイッチであり、例えば、MOSFET(Metal−Oxide−Semiconductor Field−Effect Transistor)やバイポーラ型トランジスタ等を用いて実現される。また、スイッチ部6052は、変圧制御回路6006から出力される、オン/オフ比を制御する変圧信号S3に基づいて、絶縁型DC−DCコンバータ6051のオン状態とオフ状態を周期的に切り替える。なお、スイッチ部6052は、使用される絶縁型DC−DCコンバータの方式によって様々な構成を取り得る。トランス部6053は、端子対6001から印加される放電電圧を充電電圧に変換する。詳細には、トランス部6053は、スイッチ部6052のオン/オフ状態と連動して動作し、そのオン/オフ比に応じて放電電圧を充電電圧に変換する。この充電電圧は、スイッチ部6052のスイッチング周期において、オン状態となる時間が長いほど大きくなる。一方、充電電圧は、スイッチ部6052のスイッチング周期において、オン状態となる時間が短いほど小さくなる。なお、絶縁型DC−DCコンバータを用いる場合、トランス部6053の内部で、端子対6001と端子対6002は互いに絶縁することができる。
本実施形態における蓄電装置6000の処理の流れを、図24を用いて説明する。図24は、蓄電装置6000の処理の流れを示すフローチャートである。
まず、蓄電装置6000は、複数の電池セル6009毎に測定された電圧を取得する(ステップS001)。そして、蓄電装置6000は、複数の電池セル6009の電圧を揃える動作の開始条件を満たすか否かを判定する(ステップS002)。この開始条件は、例えば、複数の電池セル6009毎に測定された電圧の最大値と最小値との差分が、所定の閾値以上か否か等とすることができる。この開始条件を満たさない場合は(ステップS002:NO)、各電池セル6009の電圧のバランスが取れている状態であるため、蓄電装置6000は、以降の処理を実行しない。一方、開始条件を満たす場合は(ステップS002:YES)、蓄電装置6000は、各電池セル6009の電圧を揃える処理を実行する。この処理において、蓄電装置6000は、測定されたセル毎の電圧に基づいて、各電池セル6009が高電圧セルか低電圧セルかを判定する(ステップS003)。そして、蓄電装置6000は、判定結果に基づいて、放電電池セル群及び充電電池セル群を決定する(ステップS004)。さらに、蓄電装置6000は、決定された放電電池セル群を端子対6001の接続先に設定する制御信号S1、及び決定された充電電池セル群を端子対6002の接続先に設定する制御信号S2を生成する(ステップS005)。蓄電装置6000は、生成された制御信号S1及び制御信号S2を、切り替え回路6004及び切り替え回路6005へそれぞれ出力する。そして、切り替え回路6004により、端子対6001と放電電池セル群とが接続され、切り替え回路6005により、端子対6002と放電電池セル群とが接続される(ステップS006)。また、蓄電装置6000は、放電電池セル群に含まれる電池セル6009の個数と、充電電池セル群に含まれる電池セル6009の個数とに基づいて、変圧信号S3を生成する(ステップS007)。そして、蓄電装置6000は、変圧信号S3に基づいて、端子対6001に印加される放電電圧を充電電圧に変換し、端子対6002に印加する(ステップS008)。これにより、放電電池セル群の電荷が充電電池セル群へ移動される。
また、図24のフローチャートでは、複数のステップが順番に記載されているが、各ステップの実行順序は、その記載の順番に制限されない。
以上、本実施形態によれば、放電電池セル群から充電電池セル群へ電荷を移動させる際、キャパシタ方式のように、放電電池セル群からの電荷を一旦蓄積し、その後充電電池セル群へ放出させるような構成を必要としない。これにより、単位時間あたりの電荷移動効率を向上させることができる。また、切り替え回路6004及び切り替え回路6005により、放電電池セル群及び充電電池セル群が各々個別に切り替えられる。
さらに、変圧回路6007により、放電電池セル群に含まれる電池セル6009の個数と充電電池セル群に含まれる電池セル6009群の個数とに基づいて、端子対6001に印加される放電電圧が充電電圧に変換され、端子対6002に印加される。これにより、放電側及び充電側の電池セル6009がどのように選択されても、問題なく電荷の移動を実現できる。
さらに、トランジスタ6010及びトランジスタ6013にOSトランジスタを用いることにより、充電電池セル群及び放電電池セル群に属しない電池セル6009から漏洩する電荷量を減らすことができる。これにより、充電及び放電に寄与しない電池セル6009の容量の低下を抑制することができる。また、OSトランジスタは、Siトランジスタに比べて熱に対する特性の変動が小さい。これにより、電池セル6009の温度が上昇しても、制御信号S1、S2に応じた導通状態と非導通状態の切り替えといった、正常な動作をさせることができる。
(実施の形態5)
本実施の形態では、可撓性を有する蓄電池を電子機器に実装する例について説明する。
実施の形態2に示す可撓性を有する蓄電池を電子機器に実装する例を図25に示す。フレキシブルな形状を備える蓄電装置を適用した電子機器として、例えば、テレビジョン装置(テレビ、又はテレビジョン受信機ともいう)、コンピュータ用などのモニタ、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、デジタルフォトフレーム、携帯電話機(携帯電話、携帯電話装置ともいう)、携帯型ゲーム機、携帯情報端末、音響再生装置、パチンコ機などの大型ゲーム機などが挙げられる。
また、フレキシブルな形状を備える蓄電装置を、家屋やビルの内壁または外壁や、自動車の内装または外装の曲面に沿って組み込むことも可能である。
図25(A)は、携帯電話機の一例を示している。携帯電話機7400は、筐体7401に組み込まれた表示部7402の他、操作ボタン7403、外部接続ポート7404、スピーカ7405、マイク7406などを備えている。なお、携帯電話機7400は、蓄電装置7407を有している。
図25(B)は、携帯電話機7400を湾曲させた状態を示している。携帯電話機7400を外部の力により変形させて全体を湾曲させると、その内部に設けられている蓄電装置7407も湾曲される。また、その時、曲げられた蓄電装置7407の状態を図25(C)に示す。蓄電装置7407は薄型の蓄電池である。蓄電装置7407は曲げられた状態で固定されている。なお、蓄電装置7407は集電体7409と電気的に接続されたリード電極7408を有している。例えば、集電体7409は銅箔であり、一部ガリウムと合金化させて、集電体7409と接する活物質層との密着性を向上し、蓄電装置7407が曲げられた状態での信頼性が高い構成となっている。
図25(D)は、バングル型の表示装置の一例を示している。携帯表示装置7100は、筐体7101、表示部7102、操作ボタン7103、及び蓄電装置7104を備える。また、図25(E)に曲げられた蓄電装置7104の状態を示す。蓄電装置7104は曲げられた状態で使用者の腕への装着時に、筐体が変形して蓄電装置7104の一部または全部の曲率が変化する。なお、曲線の任意の点における曲がり具合を相当する円の半径の値で表したものを曲率半径であり、曲率半径の逆数を曲率と呼ぶ。具体的には、曲率半径が40mm以上150mm以下の範囲内で筐体または蓄電装置7104の主表面の一部または全部が変化する。蓄電装置7104の主表面における曲率半径が40mm以上150mm以下の範囲であれば、高い信頼性を維持できる。
図25(F)は、腕時計型の携帯情報端末の一例を示している。携帯情報端末7200は、筐体7201、表示部7202、バンド7203、バックル7204、操作ボタン7205、入出力端子7206などを備える。
携帯情報端末7200は、移動電話、電子メール、文章閲覧及び作成、音楽再生、インターネット通信、コンピュータゲームなどの種々のアプリケーションを実行することができる。
表示部7202はその表示面が湾曲して設けられ、湾曲した表示面に沿って表示を行うことができる。また、表示部7202はタッチセンサを備え、指やスタイラスなどで画面に触れることで操作することができる。例えば、表示部7202に表示されたアイコン7207に触れることで、アプリケーションを起動することができる。
操作ボタン7205は、時刻設定のほか、電源のオン、オフ動作、無線通信のオン、オフ動作、マナーモードの実行及び解除、省電力モードの実行及び解除など、様々な機能を持たせることができる。例えば、携帯情報端末7200に組み込まれたオペレーションシステムにより、操作ボタン7205の機能を自由に設定することもできる。
また、携帯情報端末7200は、通信規格された近距離無線通信を実行することが可能である。例えば無線通信可能なヘッドセットと相互通信することによって、ハンズフリーで通話することもできる。
また、携帯情報端末7200は入出力端子7206を備え、他の情報端末とコネクターを介して直接データのやりとりを行うことができる。また入出力端子7206を介して充電を行うこともできる。なお、充電動作は入出力端子7206を介さずに無線給電により行ってもよい。
携帯情報端末7200の表示部7202には、本発明の一態様の電極部材を備える蓄電装置を有している。例えば、図25(E)に示した蓄電装置7104を、筐体7201の内部に湾曲した状態で、またはバンド7203の内部に湾曲可能な状態で組み込むことができる。
図25(G)は、腕章型の表示装置の一例を示している。表示装置7300は、表示部7304を有し、本発明の一態様の蓄電装置を有している。また、表示装置7300は、表示部7304にタッチセンサを備えることもでき、また、携帯情報端末として機能させることもできる。
表示部7304はその表示面が湾曲しており、湾曲した表示面に沿って表示を行うことができる。また、表示装置7300は、通信規格された近距離無線通信などにより、表示状況を変更することができる。
また、表示装置7300は入出力端子を備え、他の情報端末とコネクターを介して直接データのやりとりを行うことができる。また入出力端子を介して充電を行うこともできる。なお、充電動作は入出力端子を介さずに無線給電により行ってもよい。
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することが可能である。
(実施の形態6)
本実施の形態では、蓄電装置を搭載することのできる電子機器の一例を示す。
図26(A)および図26(B)に、2つ折り可能なタブレット型端末の一例を示す。図26(A)および図26(B)に示すタブレット型端末9600は、筐体9630a、筐体9630b、筐体9630aと筐体9630bを接続する可動部9640、表示部9631aと表示部9631bを有する表示部9631、表示モード切り替えスイッチ9626、電源スイッチ9627、省電力モード切り替えスイッチ9625、留め具9629、操作スイッチ9628、を有する。図26(A)は、タブレット型端末9600を開いた状態を示し、図26(B)は、タブレット型端末9600を閉じた状態を示している。
また、タブレット型端末9600は、筐体9630aおよび筐体9630bの内部に蓄電体9635を有する。蓄電体9635は、可動部9640を通り、筐体9630aと筐体9630bに渡って設けられている。
表示部9631aは、一部をタッチパネルの領域9632aとすることができ、表示された操作キー9638にふれることでデータ入力をすることができる。なお、表示部9631aにおいては、一例として半分の領域が表示のみの機能を有する構成、もう半分の領域がタッチパネルの機能を有する構成を示しているが該構成に限定されない。表示部9631aの全ての領域がタッチパネルの機能を有する構成としても良い。例えば、表示部9631aの全面をキーボードボタン表示させてタッチパネルとし、表示部9631bを表示画面として用いることができる。
また、表示部9631bにおいても表示部9631aと同様に、表示部9631bの一部をタッチパネルの領域9632bとすることができる。また、タッチパネルのキーボード表示切り替えボタン9639が表示されている位置に指やスタイラスなどでふれることで表示部9631bにキーボードボタン表示することができる。
また、タッチパネルの領域9632aとタッチパネルの領域9632bに対して同時にタッチ入力することもできる。
また、表示モード切り替えスイッチ9626は、縦表示又は横表示などの表示の向きを切り替え、白黒表示やカラー表示の切り替えなどを選択できる。省電力モード切り替えスイッチ9625は、タブレット型端末9600に内蔵している光センサで検出される使用時の外光の光量に応じて表示の輝度を最適なものとすることができる。タブレット型端末は光センサだけでなく、ジャイロ、加速度センサ等の傾きを検出するセンサなどの他の検出装置を内蔵させてもよい。
また、図26(A)では表示部9631bと表示部9631aの表示面積が同じ例を示しているが特に限定されず、一方のサイズともう一方のサイズが異なっていてもよく、表示の品質も異なっていてもよい。例えば一方が他方よりも高精細な表示を行える表示パネルとしてもよい。
図26(B)は、閉じた状態であり、タブレット型端末は、筐体9630、太陽電池9633、DCDCコンバータ9636を含む充放電制御回路9634有する。また、蓄電体9635として、本発明の一態様に係る蓄電体を用いる。
なお、タブレット型端末9600は2つ折り可能なため、未使用時に筐体9630aおよび筐体9630bを重ね合せるように折りたたむことができる。折りたたむことにより、表示部9631a、表示部9631bを保護できるため、タブレット型端末9600の耐久性を高めることができる。また、本発明の一態様の蓄電体を用いた蓄電体9635は可撓性を有し、曲げ伸ばしを繰り返しても充放電容量が低下しにくい。よって、信頼性の優れたタブレット型端末を提供できる。
また、この他にも図26(A)および図26(B)に示したタブレット型端末は、様々な情報(静止画、動画、テキスト画像など)を表示する機能、カレンダー、日付又は時刻などを表示部に表示する機能、表示部に表示した情報をタッチ入力操作又は編集するタッチ入力機能、様々なソフトウェア(プログラム)によって処理を制御する機能、等を有することができる。
タブレット型端末の表面に装着された太陽電池9633によって、電力をタッチパネル、表示部、又は映像信号処理部等に供給することができる。なお、太陽電池9633は、筐体9630の片面又は両面に設けることができ、バッテリー9635の充電を効率的に行う構成とすることができる。なお蓄電体9635としては、リチウムイオン電池を用いると、小型化を図れる等の利点がある。
また、図26(B)に示す充放電制御回路9634の構成、および動作について図26(C)にブロック図を示し説明する。図26(C)には、太陽電池9633、蓄電体9635、DCDCコンバータ9636、コンバータ9637、スイッチSW1乃至SW3、表示部9631について示しており、蓄電体9635、DCDCコンバータ9636、コンバータ9637、スイッチSW1乃至SW3が、図26(B)に示す充放電制御回路9634に対応する箇所となる。
まず外光により太陽電池9633により発電がされる場合の動作の例について説明する。太陽電池で発電した電力は、蓄電体9635を充電するための電圧となるようDCDCコンバータ9636で昇圧又は降圧がなされる。そして、表示部9631の動作に太陽電池9633からの電力が用いられる際にはスイッチSW1をオンにし、コンバータ9637で表示部9631に必要な電圧に昇圧又は降圧をすることとなる。また、表示部9631での表示を行わない際には、SW1をオフにし、SW2をオンにして蓄電体9635の充電を行う構成とすればよい。
なお太陽電池9633については、発電手段の一例として示したが、特に限定されず、圧電素子(ピエゾ素子)や熱電変換素子(ペルティエ素子)などの他の発電手段による蓄電体9635の充電を行う構成であってもよい。例えば、無線(非接触)で電力を送受信して充電する無接点電力伝送モジュールや、また他の充電手段を組み合わせて行う構成としてもよい。
図27に、他の電子機器の例を示す。図27において、表示装置8000は、本発明の一態様に係る蓄電装置8004を用いた電子機器の一例である。具体的に、表示装置8000は、TV放送受信用の表示装置に相当し、筐体8001、表示部8002、スピーカ部8003、蓄電装置8004等を有する。本発明の一態様に係る蓄電装置8004は、筐体8001の内部に設けられている。表示装置8000は、商用電源から電力の供給を受けることもできるし、蓄電装置8004に蓄積された電力を用いることもできる。よって、停電などにより商用電源から電力の供給が受けられない時でも、本発明の一態様に係る蓄電装置8004を無停電電源として用いることで、表示装置8000の利用が可能となる。
表示部8002には、液晶表示装置、有機EL素子などの発光素子を各画素に備えた発光装置、電気泳動表示装置、DMD(Digital Micromirror Device)、PDP(Plasma Display Panel)、FED(Field Emission Display)などの、半導体表示装置を用いることができる。
なお、表示装置には、TV放送受信用の他、パーソナルコンピュータ用、広告表示用など、全ての情報表示用表示装置が含まれる。
図27において、据え付け型の照明装置8100は、本発明の一態様に係る蓄電装置8103を用いた電子機器の一例である。具体的に、照明装置8100は、筐体8101、光源8102、蓄電装置8103等を有する。図27では、蓄電装置8103が、筐体8101及び光源8102が据え付けられた天井8104の内部に設けられている場合を例示しているが、蓄電装置8103は、筐体8101の内部に設けられていても良い。照明装置8100は、商用電源から電力の供給を受けることもできるし、蓄電装置8103に蓄積された電力を用いることもできる。よって、停電などにより商用電源から電力の供給が受けられない時でも、本発明の一態様に係る蓄電装置8103を無停電電源として用いることで、照明装置8100の利用が可能となる。
なお、図27では天井8104に設けられた据え付け型の照明装置8100を例示しているが、本発明の一態様に係る蓄電装置は、天井8104以外、例えば側壁8105、床8106、窓8107等に設けられた据え付け型の照明装置に用いることもできるし、卓上型の照明装置などに用いることもできる。
また、光源8102には、電力を利用して人工的に光を得る人工光源を用いることができる。具体的には、白熱電球、蛍光灯などの放電ランプ、LEDや有機EL素子などの発光素子が、上記人工光源の一例として挙げられる。
図27において、室内機8200及び室外機8204を有するエアコンディショナーは、本発明の一態様に係る蓄電装置8203を用いた電子機器の一例である。具体的に、室内機8200は、筐体8201、送風口8202、蓄電装置8203等を有する。図27では、蓄電装置8203が、室内機8200に設けられている場合を例示しているが、蓄電装置8203は室外機8204に設けられていても良い。或いは、室内機8200と室外機8204の両方に、蓄電装置8203が設けられていても良い。エアコンディショナーは、商用電源から電力の供給を受けることもできるし、蓄電装置8203に蓄積された電力を用いることもできる。特に、室内機8200と室外機8204の両方に蓄電装置8203が設けられている場合、停電などにより商用電源から電力の供給が受けられない時でも、本発明の一態様に係る蓄電装置8203を無停電電源として用いることで、エアコンディショナーの利用が可能となる。
なお、図27では、室内機と室外機で構成されるセパレート型のエアコンディショナーを例示しているが、室内機の機能と室外機の機能とを1つの筐体に有する一体型のエアコンディショナーに、本発明の一態様に係る蓄電装置を用いることもできる。
図27において、電気冷凍冷蔵庫8300は、本発明の一態様に係る蓄電装置8304を用いた電子機器の一例である。具体的に、電気冷凍冷蔵庫8300は、筐体8301、冷蔵室用扉8302、冷凍室用扉8303、蓄電装置8304等を有する。図27では、蓄電装置8304が、筐体8301の内部に設けられている。電気冷凍冷蔵庫8300は、商用電源から電力の供給を受けることもできるし、蓄電装置8304に蓄積された電力を用いることもできる。よって、停電などにより商用電源から電力の供給が受けられない時でも、本発明の一態様に係る蓄電装置8304を無停電電源として用いることで、電気冷凍冷蔵庫8300の利用が可能となる。
なお、上述した電子機器のうち、電子レンジ等の高周波加熱装置、電気炊飯器などの電子機器は、短時間で高い電力を必要とする。よって、商用電源では賄いきれない電力を補助するための補助電源として、本発明の一態様に係る蓄電装置を用いることで、電子機器の使用時に商用電源のブレーカーが落ちるのを防ぐことができる。
また、電子機器が使用されない時間帯、特に、商用電源の供給元が供給可能な総電力量のうち、実際に使用される電力量の割合(電力使用率と呼ぶ)が低い時間帯において、蓄電装置に電力を蓄えておくことで、上記時間帯以外において電力使用率が高まるのを抑えることができる。例えば、電気冷凍冷蔵庫8300の場合、気温が低く、冷蔵室用扉8302、冷凍室用扉8303の開閉が行われない夜間において、蓄電装置8304に電力を蓄える。そして、気温が高くなり、冷蔵室用扉8302、冷凍室用扉8303の開閉が行われる昼間において、蓄電装置8304を補助電源として用いることで、昼間の電力使用率を低く抑えることができる。
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することが可能である。
(実施の形態7)
本実施の形態では、車両に蓄電装置を搭載する例を示す。
また、蓄電装置を車両に搭載すると、ハイブリッド車(HEV)、電気自動車(EV)、又はプラグインハイブリッド車(PHEV)等の次世代クリーンエネルギー自動車を実現できる。
図28において、本発明の一態様を用いた車両を例示する。図28(A)に示す自動車8400は、走行のための動力源として電気モーターを用いる電気自動車である。または、走行のための動力源として電気モーターとエンジンを適宜選択して用いることが可能なハイブリッド自動車である。本発明の一態様を用いることで、航続距離の長い車両を実現することができる。また、自動車8400は蓄電装置を有する。蓄電装置は電気モーターを駆動するだけでなく、ヘッドライト8401やルームライト(図示せず)などの発光装置に電力を供給することができる。
また、蓄電装置は、自動車8400が有するスピードメーター、タコメーターなどの表示装置に電力を供給することができる。また、蓄電装置は、自動車8400が有するナビゲーションシステムなどの半導体装置に電力を供給することができる。
図28(B)に示す自動車8500は、自動車8500が有する蓄電装置にプラグイン方式や非接触給電方式等により外部の充電設備から電力供給を受けて、充電することができる。図28(B)に、地上設置型の充電装置8021から自動車8500に搭載された蓄電装置に、ケーブル8022を介して充電を行っている状態を示す。充電に際しては、充電方法やコネクターの規格等はCHAdeMO(登録商標)やコンボ等の所定の方式で適宜行えばよい。充電装置8021は、商用施設に設けられた充電ステーションでもよく、また家庭の電源であってもよい。例えば、プラグイン技術によって、外部からの電力供給により自動車8500に搭載された蓄電装置8024を充電することができる。充電は、ACDCコンバータ等の変換装置を介して、交流電力を直流電力に変換して行うことができる。
また、図示しないが、受電装置を車両に搭載し、地上の送電装置から電力を非接触で供給して充電することもできる。この非接触給電方式の場合には、道路や外壁に送電装置を組み込むことで、停車中に限らず走行中に充電を行うこともできる。また、この非接触給電の方式を利用して、車両どうしで電力の送受信を行ってもよい。さらに、車両の外装部に太陽電池を設け、停車時や走行時に蓄電装置の充電を行ってもよい。このような非接触での電力の供給には、電磁誘導方式や磁界共鳴方式を用いることができる。
本発明の一態様によれば、蓄電装置のサイクル特性が良好となり、信頼性を向上させることができる。また、本発明の一態様によれば、蓄電装置の特性を向上することができ、よって、蓄電装置自体を小型軽量化することができる。蓄電装置自体を小型軽量化できれば、車両の軽量化に寄与するため、航続距離を向上させることができる。また、車両に搭載した蓄電装置を車両以外の電力供給源として用いることもできる。この場合、電力需要のピーク時に商用電源を用いることを回避することができる。
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することが可能である。
本実施例では、実施の形態1で示した方法を用いて、活物質を作製し、当該活物質を含む電極を用いた電池の特性について測定した結果について説明する。
〈リチウムマンガン複合酸化物の合成〉
はじめに、出発原料として、LiCOと、MnCO、NiOとを用い、出発原料の秤量の割合(モル比)を、LiCO:MnCO:NiO=0.84:0.8062:0.318となるように秤量した。次に、出発原料にエタノールを加えた後、ビーズミルを用いて混合した。混合処理は、ビーズミルの処理室を周速10m/secで回転させ、混合時間30分にて行うことにより、混合原料を得た。
次に、混合原料に加熱処理を行った。加熱処理を、大気雰囲気下において、加熱温度75℃にて行うことにより、混合した混合原料に含まれるエタノールを蒸発させて、混合原料を得た。
次に、坩堝に混合原料を入れ、焼成を行った。焼成処理は、流量10L/minのAirガス(乾燥空気)雰囲気下において、焼成温度は1000℃、焼成時間10時間にて行うことにより、リチウムマンガン複合酸化物が合成された。
次に、一次粒子が焼結したリチウムマンガン複合酸化物の焼結を解くために解砕処理を行った。解砕処理は、焼結したリチウムマンガン複合酸化物にエタノールを加えた後、ビーズミルの処理室を周速4m/secで回転させ、解砕・粉砕時間10時間にて行うことにより、粉末状のリチウムマンガン複合酸化物を得た。
次に、解砕処理後のリチウムマンガン複合酸化物に加熱処理を行った。加熱処理を、大気雰囲気下において、加熱温度75℃にて行うことにより、混合した混合原料に含まれるエタノールを蒸発させて、粉末状のリチウムマンガン複合酸化物を得た。
次に、坩堝に加熱処理後のリチウムマンガン複合酸化物を入れ、再度焼成処理を行った。焼成処理は、流量10L/minのAirガス(乾燥空気)雰囲気下において、焼成温度は800℃、焼成時間3時間にて行うことにより、粉末状のリチウムマンガン複合酸化物(試料1−A)が合成された。
このリチウムマンガン複合酸化物は、組成式Li1.68Mn0.8062Ni0.318で表されるが、この組成からずれることもある。
<酸化グラフェン被覆工程>
次に、得られたリチウムマンガン複合酸化物に、炭素を含む層を形成した。まず、酸化グラフェン4gに対して、水40gになるような割合で混練機を用いて混練し、酸化グラフェンの分散溶液を作製した。次に、作製した水分散溶液に、リチウムマンガン複合酸化物を200g添加して、水100gをさらに添加して、固練りを2回行った。固練りは、混練機を使用し、回転数は80rpm、混練の時間は1回を30分とし、2回繰り返した。得られた混合物を、通風乾燥炉を用いて、70℃で乾燥した後、アルミナ乳鉢で解砕し、酸化グラフェンが被覆されたリチウムマンガン複合酸化物を得た。
<酸化グラフェン還元工程>
次に、リチウムマンガン複合酸化物の表面に被覆した酸化グラフェンを還元した。還元剤として、アスコルビン酸を用い、溶媒として濃度80%のエタノール水溶液を用いた。酸化グラフェンを被覆したリチウムマンガン複合酸化物の重量に対して、アスコルビン酸16.87wt%と、水酸化リチウム3.9wt%を入れて、還元液を作製した。得られた粉末を還元液に入れ、60℃で3時間処理して還元した。次に、得られた溶液を吸引濾過によって濾過を行った。ろ過には、粒子保持能1μmのろ紙を用いた。その後、洗浄し、再度、ろ過を行った。次に、ろ過により得られた粉体を、乳鉢で粉砕した。その後、170℃、減圧下で10時間、乾燥を行った。以上の工程により、表面にグラフェンが形成された粉末のリチウムマンガン複合酸化物を作製した。
<電極の作製>
次に、表面にグラフェンが形成された粉末のリチウムマンガン複合酸化物を用いて電極を作製した。活物質としてリチウムマンガン複合酸化物を用い、導電助剤として、アセチレンブラック(AB)を用い、バインダーとしてPVdFを用いた。
まず、PVdFと、ABとを極性溶媒であるNMP(N−メチル−2−ピロリドン)とを混練した。混練の回転数は、2000rpm、混練の時間は1回を5分とした。さらに、活物質として試料Cを添加して混練した。混練の回転数は、2000rpm、混練の時間は1回を5分として、5回繰り返した。さらに、NMPを添加して混練した。混練の回転数は、2000rpm、混練の時間は1回を10分として、2回繰り返した。以上の工程により、スラリー状の電極合剤組成物を得た。電極合剤組成物の配合は、重量比で活物質:AB:PVdF=90:5:5とした。
次に、該電極合剤組成物を集電体であるアルミ箔上に塗布した。なお、アルミ箔表面には、あらかじめアンダーコートを施した。その後、通風乾燥炉にて、80℃、30分乾燥させた。
その後さらに熱処理を行った。熱処理条件として、減圧雰囲気(1KPa)、250℃において10時間の処理を行った。以上の工程により、本発明の一態様である「リチウムマンガン複合酸化物を有する粒子」を有する電極を得た。
〈断面TEM写真〉
次に、電極を分解して取り出したリチウムマンガン複合酸化物について、球面収差補正(Spherical Aberration Corrector)機能を用いたTEM像を観察した。なお、TEM観察による明視野像および回折パターンの複合解析像を高分解能TEM像と呼ぶ。そして、球面収差補正機能を用いた高分解能TEM像を、特にCs補正高分解能TEM像と呼ぶ。Cs補正高分解能TEM像の取得には、日本電子株式会社製原子分解能分析電子顕微鏡JEM−ARM200Fを用いた。加速電圧は200kVとした。
図29(A)にリチウムマンガン複合酸化物の一部拡大写真を示し、図29(B)に、図29(A)の一点破線枠における拡大写真を示す。図29(A)で白く写る原子を有する積層構造は、マンガンを有する層からなる。図中矢印で指し示す面を挟んで、結晶方向がずれていることが確認できた。
図29(B)に示す破線で示される層A乃至層Dは積層欠陥が生じている層である。層Aよりも右側の領域は白実線に沿って並ぶ110方向、層A−Bで挟まれる領域の白実線に沿って並ぶ100方向に整列しており、層Aを挟んで積層にずれが生じていることが確認できた。層A−Bで挟まれる領域は100方向、層B−Cとで挟まれる領域は110方向に整列しており、層Bを挟んで積層にずれが確認できた。層B−Cで挟まれる領域は110方向、層C−Dで挟まれる領域は100方向に整列しており、層Cを挟んで積層にずれが確認できた。また、層C−Dで挟まれる領域は100方向、層Dよりも左側の領域は110方向に整列しており、層Dを挟んで積層にずれが確認できた。したがって、図29(A)及び図29(B)に示すように、リチウムマンガン複合酸化物のマンガン層は、積層欠陥を有していることが確認できた。
本実施例では、本発明の一態様に係る活物質を含む電極を作製して、これを用いたハーフセルを作製し、サイクル特性について測定した結果について説明する。
表1に、本実施例で使用した活物質の材料比について示す。
はじめに、出発原料として、LiCOと、MnCO、NiOとを用い、出発原料の秤量の割合(モル比)を、表1に示す割合となるようにそれぞれ秤量し、実施例1に示す試料と同様の作製方法を用いて、粉末状のリチウムマンガン複合酸化物からなる試料2−A乃至試料2−Iを作製した。
次に電極の作成方法を説明する。まず、バインダーとしてポリフッ化ビニリデン(PVdF)と、導電助剤としてアセチレンブラック(AB)とを極性溶媒であるNMP(N−メチル−2−ピロリドン)とを混練した。混練の回転数は、2000rpm、混練の時間は1回を5分とした。さらに、活物質として試料2−A乃至試料2−I添加して混練した。混練の回転数は、2000rpm、混練の時間は1回を5分として、5回繰り返した。さらに、NMPを添加して混練した。混練の回転数は、2000rpm、混練の時間は1回を10分として、2回繰り返した。以上の工程により、スラリー状の電極合剤組成物を得た。電極合剤組成物の配合は、重量比で試料2−A乃至試料2−I:AB:PVdF=90:5:5とした。
次に、該電極合剤組成物を集電体であるアルミ箔上に塗布した。なお、アルミ箔表面には、あらかじめアンダーコートを施した。その後、通風乾燥炉にて、80℃、30分乾燥させた。以上の工程で得られた電極を、それぞれ電極2−A乃至電極2−Iとする。
次に、電極2−A乃至電極2−Iを、それぞれ正極に用いて、ハーフセル2−A乃至ハーフセル2−Iを作製した。セルには、コインセルを用いた。また、ハーフセルの対極にはリチウムを用いた。また、電解液は、電解質としてLiPFを用い、非プロトン性有機溶媒であるエチレンカーボネートとジエチルカーボネートを1:1の体積比で混合させた混合溶液を用いた。また、セパレータとしてはポリプロピレン(PP)を用いた。
次に、作製したハーフセル2−A乃至ハーフセル2−Iのサイクル特性を評価した。サイクル試験において、充電条件は、活物質重量当たりの電流密度30mA/g、定電流充電、終止電圧4.8Vであった。また、放電条件は、30mA/g、定電流放電、終止電圧2.0Vであった。充放電測定を行った温度は25℃であり、定電流充放電を繰り返すサイクル試験を行った。
図30に、ハーフセル2−A乃至ハーフセル2−Iの放電サイクル特性を示す。図30において、縦軸が電圧(V)であり、横軸が放電容量(mAh/g)である。
図30に示すように、活物質中にニッケルがない、またはマンガンに対するニッケルのモル比が0.2未満のハーフセル2−A乃至ハーフセル2−Cにおいて、放電容量が150[mAh/g]よりも小さいことが確認できた。また、マンガンに対するニッケルのモル比が0.2以上であれば、放電容量が150[mAh/g]よりも大きくなることが確認できた。特にマンガンに対するニッケルのモル比が0.2以上0.5以下の場合、放電容量が230[mAh/g]以上であった。
従って、リチウムマンガン複合酸化物を活物質として用いることにより、電池の電圧の低下や、放電容量の低下を防止することができることが確認できた。なお、リチウムマンガン複合酸化物において、マンガンと金属原子のモル比率が、マンガンが1に対して、金属原子が0.2以上1.3以下、好ましくは金属原子が0.2以上0.5以下となるようにすればよいことが確認できた。
10 リチウム
11 マンガン
12 マンガン
13 マンガン
14 マンガン
15 リチウム
16 リチウム
17 マンガン
20 リチウムの層
21 リチウム及びマンガンを有する層
22 酸素の層
23 リチウム及びマンガンを有する層
24 リチウム及びマンガンを有する層
100 電極
101 集電体
102 活物質層
300 蓄電池
301 正極缶
302 負極缶
303 ガスケット
304 正極
305 正極集電体
306 正極活物質層
307 負極
308 負極集電体
309 負極活物質層
310 セパレータ
500 蓄電池
501 正極集電体
502 正極活物質層
503 正極
504 負極集電体
505 負極活物質層
506 負極
507 セパレータ
508 電解液
509 外装体
510 正極リード電極
511 負極リード電極
512 溶接領域
513 湾曲部
514 封止部
600 蓄電池
601 正極キャップ
602 電池缶
603 正極端子
604 正極
605 セパレータ
606 負極
607 負極端子
608 絶縁板
609 絶縁板
611 PTC素子
612 安全弁機構
900 回路基板
910 ラベル
911 端子
912 回路
913 蓄電池
914 アンテナ
915 アンテナ
916 層
917 層
918 アンテナ
919 端子
920 表示装置
921 センサ
922 端子
951 端子
952 端子
981 フィルム
982 フィルム
990 蓄電池
991 外装体
992 外装体
993 捲回体
994 負極
995 正極
996 セパレータ
997 リード電極
998 リード電極
1700 曲面
1701 平面
1702 曲線
1703 曲率半径
1704 曲率中心
1800 曲率中心
1801 フィルム
1802 曲率半径
1803 フィルム
1804 曲率半径
6000 蓄電装置
6001 端子対
6002 端子対
6003 切り替え制御回路
6004 切り替え回路
6005 切り替え回路
6006 変圧制御回路
6007 変圧回路
6008 電池部
6009 電池セル
6010 トランジスタ
6011 バス
6012 バス
6013 トランジスタ
6014 電流制御スイッチ
6015 バス
6016 バス
6017 スイッチ対
6018 スイッチ対
6021 トランジスタ対
6022 トランジスタ
6023 トランジスタ
6024 バス
6025 バス
6031 トランジスタ対
6032 トランジスタ
6033 トランジスタ
6034 バス
6035 バス
6041 電池制御ユニット
6051 絶縁型DC−DCコンバータ
6052 スイッチ部
6053 トランス部
7100 携帯表示装置
7101 筐体
7102 表示部
7103 操作ボタン
7104 蓄電装置
7200 携帯情報端末
7201 筐体
7202 表示部
7203 バンド
7204 バックル
7205 操作ボタン
7206 入出力端子
7207 アイコン
7300 表示装置
7304 表示部
7400 携帯電話機
7401 筐体
7402 表示部
7403 操作ボタン
7404 外部接続ポート
7405 スピーカ
7406 マイク
7407 蓄電装置
7408 リード電極
7409 集電体
8000 表示装置
8001 筐体
8002 表示部
8003 スピーカ部
8004 蓄電装置
8021 充電装置
8022 ケーブル
8024 蓄電装置
8100 照明装置
8101 筐体
8102 光源
8103 蓄電装置
8104 天井
8105 側壁
8106 床
8107 窓
8200 室内機
8201 筐体
8202 送風口
8203 蓄電装置
8204 室外機
8300 電気冷凍冷蔵庫
8301 筐体
8302 冷蔵室用扉
8303 冷凍室用扉
8304 蓄電装置
8400 自動車
8401 ヘッドライト
8500 自動車
9600 タブレット型端末
9625 スイッチ
9626 スイッチ
9627 電源スイッチ
9628 操作スイッチ
9629 具
9630 筐体
9630a 筐体
9630b 筐体
9631 表示部
9631a 表示部
9631b 表示部
9632a 領域
9632b 領域
9633 太陽電池
9634 充放電制御回路
9635 蓄電体
9636 DCDCコンバータ
9637 コンバータ
9638 操作キー
9639 ボタン
9640 可動部

Claims (6)

  1. リチウムと、マンガンと、酸素と、ニッケルと、を有する粒子を有し、
    前記粒子は層状岩塩型の結晶構造領域を有し、
    前記結晶領域は積層欠陥を有していることを特徴とする活物質。
  2. 請求項1に記載の前記積層欠陥は、
    原子分解能分析電子顕微鏡を用いて観察されることを特徴とする活物質。
  3. 請求項1または2に記載の活物質と、導電助剤と、バインダーと、を含む活物質層と、
    集電体と、を有することを特徴とする電極。
  4. 請求項3に記載の第1の電極と、
    第2の電極と、
    電解液と、
    セパレータと、を有し、
    前記第1の電極は、正極又は負極の一方となる機能を有し、
    前記第2の電極は、正極又は負極の他方となる機能を有することを特徴とする電池セル。
  5. 請求項4に記載の電池セルと、
    電池制御ユニットと、を有することを特徴とするリチウムイオン二次電池。
  6. 請求項5に記載のリチウムイオン二次電池と、
    表示装置、操作ボタン、外部接続ポート、スピーカ、または、マイクと、を有することを特徴とする電子機器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2023505140A (ja) * 2019-12-02 2023-02-08 華為技術有限公司 リチウムイオンバッテリーのカソード材料および調製方法

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