JP2016083245A - 光断層撮影装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】新たな光学系を追加することなく、光断層画像の画像劣化の主な原因である偏光モード分散(PMD)やサブピクセルシフトで生じる各ピクセルのジョーンズ行列の各要素間で生じる振幅・位相ずれを数値演算処理にて補正して、より高いSNRや画質を持つ2次元又は/及び3次元の断層画像が取得できる光断層画像撮影装置を提供すること。【解決手段】測定光路の所定位置における1つの反射面からの反射光と参照光路からの参照光とを合波してジョーンズ行列に対応したAスキャン像を取得するステップと、Aスキャン像の各ピクセルのジョーンズ行列の各要素の振幅・位相情報を取得するステップと、各ピクセルのジョーンズ行列の各要素間の相対情報を取得するステップとを備え、各要素間の相対情報を波数依存の行列と波数非依存の行列の積としてモデル化して被検物の断層画像の各ピクセルにおけるジョーンズ行列の各要素間に存在する振幅位相ずれを補正する。【選択図】図3

Description

本発明は、光断層撮影装置に関し、特に、眼科医療等に用いられるOCTにより断層画像を撮る光断層画像撮影装置に関するものである。
光コヒーレンストモグラフィー(OCT)は、非侵襲、非接触で測定できることから、眼科における生体組織の高解像度な断層画像を取得する手段として広く使用されている方法である。
光コヒーレンストモグラフィー(OCT)においては、タイムドメイン方式と呼ばれる、ミラーを動かして参照光の光路長を機械的に変化させながら断層画像取得を行うタイムドメインOCTと、フーリエドメイン方式と呼ばれる、分光器を用いてスペクトル情報を検出し断層画像取得を行うスペクトルドメインOCT、もしくは、波長走査光源を用いてスペクトル干渉信号を検出し断層画像取得を行う光周波数掃引OCTとがある。
偏光状態を変化させる複屈折は分子が一定方向に配列する組織において生じる。眼底における網膜では網膜神経繊維層、網膜色素上皮層、血管壁、強膜、篩状板に強い複屈折性が存在する。機能性OCTの一つである偏光感受型OCT(PS−OCT)は、この複屈折性の断層化によるこれら組織の可視化のため、近年、さまざまな偏光感受型OCTの開発が試みられている。
偏光感受型OCT(PS−OCT)は、サンプルを観察する測定光に円偏光或いは偏光変調した光を用い、干渉光を例えば、2つの直交する直線偏光として検出する構成をとり、垂直偏光成分と水平偏光成分を同時に2つの光検出器で測定することにより、サンプルの偏光特性を表すジョーン行列を取得し、取得した光断層画像からサンプルの複屈折性を把握することができる。ここで、サンプルの偏光特性を表す行列は、ジョーン行列に限らず、ミューラー行列やコヒーレンシー行列なども用いることもある。
偏光感受型OCTに限らず、近年、多くのOCTに関する装置では光学系に光ファイバを採用している。通常、これらのOCTをファイバベースのOCTと呼ぶ。
ファイバベースの偏光感受型OCT(PS−OCT)において取得される光断層画像の画像劣化の主な原因は、偏光モード分散(PMD)や干渉信号を受光素子のピクセルで取得する際のサブピクセルシフトで生じる各ピクセルのジョーンズ行列などの行列の各要素間で生じる振幅・位相ずれである。
特許文献1には、偏光感受型OCT(PS−OCT)の1例が開示されている。そこには、ファイバベースの偏光感受型OCT(PS−OCT)における光学系上ノイズの主原因である、サーキュレータ又は光ファイバの長さによって誘導される偏光モード分散(PMD)を測定し、数値処理にてPMDを補償する方法が提案されている。
非特許文献1では、サンプルアームを3つの光路に分岐し、分岐した3つの光路のそれぞれ異なった位置にミラーを配置して、3つ異なった深さ位置における校正信号を用いて、数値演算処理を実施することにより、PMDを補償すると共にサブピクセルシフトで生じる振幅・位相ずれによる画像劣化を低減させるとしている。
ところが、非特許文献1による上記方法はサンプルアームの中に3つのミラーを配置する必要があり、測定光学系が複雑になると共に、光学系全体が大きくなってしまう恐れがあり、そのため、光学系の調整も複雑化し、最終的に装置自体が高コストになってしまうという問題があった。
本発明は、上記の課題を解決するものであり、偏光感受型OCT(PS−OCT)によって取得したジョーンズ行列など(ミューラー行列、コヒーレンシー行列なども採用可能である)に対応した2次元又は/及び3次元の断層画像を取得する光断層画像撮影装置において、非特許文献1のように新たな光学系を追加することなく、光断層画像の画像劣化の主な原因である偏光モード分散(PMD)や干渉信号間の光路長差のサブピクセルシフトで生じる各ピクセルのジョーンズ行列各要素間の振幅・位相ずれを数値演算処理にて補正して、より高いSNRや画質を持つ2次元又は/及び3次元の断層画像を取得できる光断層画像撮影装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、被検物の偏光特性を表す信号(例えばジョーンズ行列など)を取得する偏光感受型OCT(PS−OCT)であって、測定光路の所定位置における1つの反射面からの反射光と参照光路からの参照光とを合波して(例えばジョーンズ行列などに対応した)補正用Aスキャン像を取得するステップ1と、ステップ1で取得したAスキャン像の各ピクセルの信号(例えばジョーンズ行列などの各要素)の振幅・位相情報を取得するステップ2と、ステップ2で取得した振幅・位相情報から各ピクセルの信号間(例えばジョーンズ行列などの各要素間)の相対情報を取得するステップ3と、を備え、ステップ3で取得した各ピクセルの信号間(例えばジョーンズ行列などの各要素間)の相対情報を光の波数に依存する行列と光の波数に依存しない行列の積としてモデル化して、被検物の断層画像の各ピクセルにおける信号間(例えばジョーンズ行列などの各要素間)に存在する振幅・位相ずれを補正することを特徴とする。
上記方法によれば、測定光路(サンプルアーム)の被検物の表面からの1つの深さ位置の反射光と参照光との合波により補正用のジョーンズ行列に対応したAスキャン像を取得し、このAスキャン像の各ピクセルのジョーンズ行列などの所定の行列の各要素間の振幅・位相の相対情報を演算処理にて求め、同時に取得した被検物の断層画像を求めた相対情報を用いて振幅・位相補正して、偏光モード分散(PMD)や干渉信号間の光路長差のサブピクセルシフトで生じる画像劣化を防止することから、非特許文献1のように3つのミラーを配置するなどの新たな構成を追加する必要がない。そのため、光学系の複雑化や高コスト化を防止できる。さらに、入力部(例えば、以下の実施例の偏波依存ディレイユニット133から被検物の表面までの光路)と出力部(例えば、以下の実施例の被検物の表面からバランス型光検出器130及び131までの光路)のそれぞれの相対情報を波数依存の行列と波数非依存の行列の積としてモデル化した上で、波数依存の行列の逆行列を算出し、算出した逆行列を被検物の断層画像の各ピクセルにおける信号の複素スペクトルに掛けることにより、被検物の断層画像の各ピクセルにおける信号間(例えばジョーンズ行列などの各要素間)に存在する振幅・位相ずれを、効果的に、かつ効率的に補正できる。
また、本発明は、取得した補正用Aスキャン像のZ方向(深さ方向)の所定のピクセル範囲の各ピクセルの信号(ジョーンズ行列などの各要素)について反射面(の像)を中心とした、例えばGaussian窓関数などの窓関数を掛けることを特徴とする。
Gaussian窓関数などの窓関数を掛けるにより、取得した補正用Aスキャン像において高周波ノイズを効率よく排除できるため、より精度の高い振幅・位相補正を行うことができる。
本発明によれば、非特許文献1のように新たな光学系を追加することなく、数値演算処理を行うだけで、光断層画像の画像劣化の主な原因である偏光モード分散(PMD)や干渉信号間の光路長差のサブピクセルシフトで生じる各ピクセルのジョーンズ行列などの各要素間の振幅・位相ずれを数値演算処理にて効率よく補正することができるため、コストをかけることなく、より高いSNRや画質を持つ2次元又は/及び3次元の断層画像を取得できるのである。
本発明による光断層画像取得部の一例の詳細を示した図である。 光断層画像撮影装置の構成を示した図である。 移動平均処理のフローチャートを示した図である。 3次元断層像の取得までのフローを説明する図である。 フーリエ空間におけるSINC関数(実線)とGaussian関数(点線)の空間周波数特性を示した図である。 深さの多重電場として垂直偏光成分と水平偏光成分を同時に検出する場合のジョーンズ行列をフーリエ変換(離散フーリエ変換(DFT))して取得した複素ベクトルのジョーンズ行列を表した式を示した図である。 本発明に係るサンプル表面のジョーンズ行列の複素スペクトルを表した式を示した図である。 本発明に係る相対スペクトルのジョーンズ行列の入力部と出力部の波数依存の行列と波数非依存の行列の積とするモデル化と、モデル化により、波数依存の行列を算出するための数式を示した図である。 本発明に係る相対スペクトルのジョーンズ行列の入力部と出力部の波数依存の行列の逆行列を掛けた式を示した図である。
以下、本発明の一実施例に係る光断層画像撮影装置について図面を参照して説明する。図1には断層画像取得部100の詳細構成を示す。
図1に示すように、断層画像取得部100では被検物(以下「サンプル」)117に測定光を照射することにより、サンプル117の2次元又は/及び3次元断層画像を撮影する。本実施形態では、時間的に波長を変化させて走査する波長走査光源101を用いたフーリエドメイン(光周波数掃引)方式が採用されている。
即ち、波長走査光源101から出力された光は、光ファイバを通してファイバーカプラ102に入力され、このファイバーカプラ102において、例えば5:95の比率で、参照光と測定光とに分波されて各々参照アーム160及びサンプルアーム150へ出力される。そのうち参照アーム160に出力された参照光は、光ファイバを通って光サーキュレーター120に入力後、コリメータレンズ121に入力され、参照ミラー122へ入射される。参照ミラー122はサンプルの表面位置に参照光路を合わせる光路長調整のため光路軸上で移動制御可能であり、OCT断層像を測定する前に、測定光路長と参照光路長を合わせる。
そして、参照ミラー122で反射された参照光はコリメータレンズ121から光ファイバを通り光サーキュレーター120で光路が変更され、偏光コントローラ119を通り、コリメータレンズ123に入力し偏光感受型検出アーム136に入力される。
一方、前記ファイバーカプラ102からサンプルアーム150に出力された測定光は、光ファイバを通って偏光コントローラ103を介して偏波依存ディレイユニット133のコリメータレンズ104に入力後、偏光子105を通る。本実施例では偏光子105の偏光角度は45度に設定してある。さらに、偏光コントローラ103を通過しコリメータレンズ104に入力する直前の偏光角度も45度に制御され、45度に偏光された測定光が効率よく取り出せるように、偏光コントローラ103及び偏光子105が調整及び制御されている。
45度に偏光された測定光は偏波依存ディレイユニット133内の偏光ビームスプリッター106を通すことにより互いに直交する2つの直線偏光状態(垂直方向及び水平方向)の光に分割される。分割された測定光は各々異なる全反射プリズム107及び108で反射され、2つの異なる光路で伝播させる。ここで、全反射プリズム107及び108の少なくとも1つの全反射プリズムを移動制御することにより、2つの異なる偏光状態(垂直方向及び水平方向)の間の遅延を生じさせる。
ここで、入射測定光を偏光ビームスプリッター106の中心から一定距離外れた位置に入射するように設定することにより、偏光ビームスプリッター106により2つの異なる偏光状態の光を生成し、各々異なる全反射プリズム107及び108で反射され、一定の遅延を持つ2つの異なる偏光状態(垂直方向及び水平方向)の測定光が生成され、反射ミラー110で光路を変えた後、コリメータレンズ109により光ファイバ接続される。
光ファイバを通った測定光は、偏光コントローラ111を通った後、光サーキュレーター112で光路が変更され、コリメータレンズ113に入射後、ガルバノミラー114及び115で反射し、レンズ116により集光して、サンプル117へ入射する。
ガルバノミラー114及び115は、測定光を走査させるためのもので、ガルバノミラー114及び115を制御することにより、測定光をサンプル117の表面において水平方向に及び垂直方向に走査されるようになっている。これにより、サンプル117の2次元の断層画像や3次元の断層画像が取得できるのである。
サンプル117で反射された測定光は、上記とは逆にレンズ116、ガルバノミラー115及び114を通り、コリメータレンズ113に入力される。そして、測定光は光ファイバを通って前記光サーキュレーター112で光路が変更され、偏光コントローラ118を通った後、コリメータレンズ125に入力し偏光感受型検出アーム136に入力される。
コリメータレンズ123から偏光感受型検出アーム136に入力し、偏光子124で偏光された参照光と、サンプル117で反射された測定光は無偏光ビームスプリッター132を用いて合成され、分割される。分割された光は、その後、コリメータレンズ126及び127に入力後、2つのインライン型の偏光ビームスプリッター128及び129によって2つの直交する偏光状態に分けられる。
ここで、インライン型の偏光ビームスプリッター128及び129後の参照光の垂直方向及び水平方向の直線偏光のパワーを等しくするために、偏光子124の偏光角度は45度に調整すると共に、効率を上げるため、事前に通る偏光コントローラ119を用いて偏光子124へ入射する直前の偏光角度がほぼ45度となるように制御されている。
2つの偏光状態の干渉は、2つのバランス型光検出器130及び131により検出される。検出された垂直方向及び水平方向の2つの偏光状態の干渉信号は図2に示す制御装置200に設けられた演算部202において、各干渉信号に対するフーリエ変換などの処理が行われ、サンプル117のジョーンズ行列に対応して取得したBスキャン画像又は/及びCスキャン画像(ボリュームデータ)が取得される。取得された断層画像は記憶部203に記憶される。
図4は、断層像取得部100による断層像(Bスキャン像)を取得する様子を示したものである。図4(a)は被検眼Eの眼底網膜の一例を、図4(b)は断層像取得部100から取得して得られた眼底網膜401の複数の2次元断層像(Bスキャン像)の例を示している。そして、図4(c)は本実施例にて生成された眼底部のCスキャン像(3次元断層像、ボリュームデータとも言う)の例を示している。尚、図4(a)〜(c)のx軸はBスキャンのスキャン方向を、y軸はCスキャンの方向を示す。更に、図4(b)、(c)のz軸はAスキャン信号の奥行き方向、つまり眼底部の深さ方向を示す。
図4(b)の404は取得した2次元断層像であり、ガルバノミラーユニット106をX方向にスキャンさせながら、演算部202がAスキャン信号403を再構築して作成される。この2次元断層像がBスキャン像であり、眼底網膜401に対する奥行き方向(Z方向)と直交するX方向の2次元の断面、すなわち図4(b)におけるx軸及びz軸で規定される平面における2次元断層像である。図4(a)の402は2次元断層像404の撮影位置を示す。
次に、本発明のポイントである、取得した画像に対して振幅・位相ずれを補正する方法について図3のフローチャートを用いて説明する。ここでは、偏光状態を表す行列としてジョーンズ行列を採用しているが、上記で述べたように、本発明の補正方法はジョーンズ行列に限定されるものではなく、他の偏光状態を表す行列である、ミューラー行列、コヒーレンシー行列などでも同様に本発明に係る方法で、振幅・位相ずれの補正が可能であることは言うまでもない。
また、図3に示すフローチャートで示す振幅・位相ずれの補正方法は、補正方法の一実施例であり、振幅・位相ずれの補正はこのフローに限定されるものではない。一部の処理、例えば窓関数処理などを省いたり、また、補正の精度を高めるため、他の処理を追加してもよい。
まず、S10で取得したボリュームデータから1つのBスキャン像を抽出する。そして、S12で抽出した1つのBスキャン像のサンプル117の表面(以下「サンプル表面」)をセグメンテーションする(サンプル表面の深さ位置を決定する)。任意の1つのBスキャン像のみ補正処理する場合は、対象とするBスキャン像を抽出する。また、ボリュームデータ全体の振幅・位相ずれを補正する場合は、ボリュームデータを構成する複数のBスキャン像を(ボリュームデータの)一方の端面から順番にBスキャン像を抽出してもよい。
S14では、Aスキャン像毎に数値処理を行うため、サンプル表面をセグメンテーションしたBスキャン像の中の最初のAスキャン像を設定して、n=0とし、設定したAスキャン像をn番目のAスキャン像とする。
S16では、S12でセグメンテーションしたBスキャン像のn番目のAスキャン像に対しサンプル表面を中心とした所定の範囲のピクセルに対しサンプル表面を中心に窓関数を掛ける。窓関数としては、例えばGaussian関数(Gaussian窓とも言う)を用いてもよい。Gaussian関数を用いた場合、図5の点線で示す空間周波数特性から、効率よく高周波に係るノイズが除去される。
S18では、窓関数を掛けて切り出したAスキャン像の各ピクセルのジョーンズ行列の各要素をフーリエ変換して、複素スペクトルを取得する。これにより、ジョーンズ行列の各要素の振幅・位相情報を取得する。
S20では、取得した複素スペクトルを各スペクトル毎に、予め決めておいたジョーンズ行列の1つの要素で、行列内の他の要素を除算して、各ピクセルのジョーンズ行列内における要素間の相対スペクトルを算出する。つまり、S16〜S20の処理により、n番目のAスキャン像の各ピクセルのジョーンズ行列の各要素間の相対スペクトルを算出する。
S22では、nを1つ加算する。S24で、加算したnの値が所定の数n(final)より大きい場合は、対象としたBスキャン像のすべてのAスキャン像に対して各ピクセルのジョーンズ行列の各要素間の相対スペクトルを算出したと判断して、S26に進む。所定の数n(final)以下の場合はS16に戻り、次のAスキャン像に対して、S16〜S20の処理を繰り返す。
S24の所定の数n(final)は、対象とするBスキャン像を構成するAスキャン像の総数であってもよい。この場合、対象としたBスキャン像全体に亘って振幅・位相ずれ補正を行うことができる。これに限らず、総数より小さい所定の数でもよい。例えば、Bスキャン像の中の任意の特徴部位のみ画像を確認したい場合は任意の特徴部位の領域に合わせてnの値を設定してもよい。
S16では、窓関数としてGaussian関数を掛けたが、掛ける窓関数はGaussian関数に限ったものではなく、Hamming関数(Hamming窓とも言う)やHanning関数(Hanning窓とも言う)を採用してもよい。これらの関数を採用しても、Gaussian関数の場合と同様な効果を得ることができる。
S26で、算出したすべてのAスキャン像のジョーンズ行列の相対スペクトルを平均化処理する(Bスキャン像内で平均化する)。平均化処理は各Aスキャン像の同じ(位置の)ピクセルのジョーンズ行列の各要素毎に相対スペクトルを平均化処理する。
S28で、各要素毎に平均化処理した相対スペクトルのジョーンズ行列の入力部(偏波依存ディレイユニット133からサンプル117の表面までの光路)と出力部(サンプル117の表面からバランス型光検出器130及び131までの光路)のジョーンズ行列をそれぞれ、光の波数に依存する行列Q12及びQHVと光の波数に依存しない行列Jin、Joutの積、Q12in及びをQHVoutとしてモデル化する。
そして、S30で光の波数に依存する行列Q12及びQHVの逆行列Q12 −1及びQHV −1を算出し、S32で、S18で求めたすべてのAスキャン像の各ピクセルのジョーンズ行列の各要素の複素スペクトルの前後にS30で算出した逆行列を掛ける。これにより、すべてのAスキャン像の各ピクセルのジョーンズ行列の各要素の振幅・位相ずれが補正され、補正されたAスキャン像からBスキャン像を再構築して、記憶部203に記憶される。
図3のフローチャートで1つのBスキャン像に対する振幅・位相ずれの補正処理の方法を説明したが、ボリュームデータを構成するすべてのBスキャン像に対して上記の補正を実施することにより、3次元断層像に対しても振幅・位相ずれが補正された画像が再構築できる。
上記のように、図3のフローチャートを用いて本発明に係る振幅・位相ずれの補正処理方法を説明したが、図6から図9に上記補正処理の各ステップにおける具体的な数値処理を表す数式を示す。ここで示す数式は具体的な数値処理を説明する数式の一実施例であり、示した数式に限定されるものではない。補正の効果を高めるため、数式の一部を変更したり、パラメータを追加したりした場合においても適応可能である。
図6の式(1)は上記の実施例のように偏波依存ディレイユニット133(以下「PDU」)を用いて深さの多重電場として垂直偏光成分と水平偏光成分を同時に検出する場合のジョーンズ行列をフーリエ変換(離散フーリエ変換(DFT))して取得した複素ベクトルのジョーンズ行列を表した式である。式(2)は式(1)をサンプル(Esample)に置き換えた式である。さらに、式(3)はJOUTをJ’OUTに置き換えて、上記実施例の偏光感受型検出アーム136(以下「PS検出ユニット」)で生じる水平偏光成分と垂直偏光成分の位相差成分を付加した式である。
図7の式(4)は、図6の式(3)から導いた本発明に係るサンプル表面のジョーンズ行列の複素スペクトル(図3のS18で取得される複素スペクトル)を表した数式である。そして、式(5)は式(4)に対してEH1の行列要素で行列内の他の要素を除算して得られた要素間の相対スペクトルをBスキャン像内で平均化した式である。つまり、図7の式(4)及び(5)は上記実施例に係る図3のS16からS26で実施する数値処理を表した式である。
図8の式(7)は、本発明の特徴である、相対スペクトルのジョーンズ行列の入力部(上記実施例のPDUからサンプル表面までの光路)と出力部(上記実施例のサンプル表面からバランス型光検出器130及び131までの光路)を波数依存の行列と波数非依存の行列の積としてモデル化した式である。そして、式(6)は、波数依存の行列であるQ12及びQHVを算出するため、図7の式(5)を単一の行列として表した式である。そして、式(8)から式(14)は、波数依存の行列であるQ12及びQHVを算出するための式の展開を表している。尚、式(8)から式(14)の式の展開は、式(5)におけるJin(k)とJ‘out(k)の波数依存性がシステム上無視できるほど小さいものと推定して実施される。
式(8)から式(14)により求めた波数依存の行列であるQ12及びQHVの逆行列を算出して、図9の式(15)に示すようにサンプルのジョーンズ行列の複素スペクトルの前後に算出した逆行列を掛けることにより、式(15)の右端の式のように、波数依存の行列がキャンセルされる。このように波数依存の行列をキャンセルすることにより、PDU内やPS検出ユニット内の偏光モード分散(PMD)や干渉信号間の光路長差のサブピクセルシフトで生じる振幅・位相ずれが補正されるのである。そして、式(15)に対してフーリエ変換をして、式(16)に示すように補正されたサンプルのジョーンズ行列が得られる。
上述のように、本発明に係る補正方法により、偏光状態を表す行列の各要素について、偏光モード分散(PMD)や干渉信号間の光路長差のサブピクセルシフトで生じる各ピクセルのジョーンズ行列などの各要素間の振幅・位相ずれを効率よく補正できることから、より高いSNRや画質を持つ2次元又は/及び3次元の断層画像が取得できるのである。
以上、本発明の実施形態について詳述してきたが、これらはあくまでも例示であって、本発明はかかる実施形態における具体的な記載によって、何等、限定的に解釈されるものでなく、当業者の知識に基づいて種々なる変更、修正、改良等を加えた態様において実施され得るものであり、また、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることが、理解されるべきである。
上記実施例では、1つの反射面としてセグメンテーションしたサンプル表面を用いたが、1つの反射面はこれに限定するものではない。例えば、サンプルアームを分岐してミラーやプリズムなどを配置して、その反射光を用いてもよい。
100・・断層画像取得部
101・・波長走査光源
102・・ファイバーカプラ
106・・偏光ビームスプリッター
112、120・・光サーキュレーター
128、129・・インライン型偏光ビームスプリッター
130、131・・バランス型光検出器
132・・無偏光ビームスプリッター
133・・偏波依存ディレイユニット
201・・ADボード
202・・演算部
203・・記憶部

Claims (8)

  1. 被検物の偏光特性を表す信号を取得する偏光感受型OCT(PS−OCT)であって、
    測定光路の所定位置における1つの反射面からの反射光と参照光路からの参照光とを合波して補正用Aスキャン像を取得するステップ1と、
    ステップ1で取得したAスキャン像の各ピクセルの信号の振幅・位相情報を取得するステップ2と、
    ステップ2で取得した振幅・位相情報から各ピクセルの信号間の相対情報を取得するステップ3と、を備え、
    ステップ3で取得した各ピクセルの信号間の相対情報を光の波数に依存する行列と光の波数に依存しない行列の積としてモデル化して被検物の断層画像の各ピクセルにおける信号間に存在する振幅・位相ずれを補正することを特徴とする光断層画像撮影装置。
  2. ステップ1において、取得した補正用Aスキャン像のZ方向(深さ方向)の所定のピクセル範囲の各ピクセルの信号について反射面(の像)を中心とした窓関数を掛けるステップ4を備えることを特徴とする請求項1に記載の光断層画像撮影装置。
  3. ステップ2において、補正用Aスキャン像の各ピクセルの信号をフーリエ変換して、各ピクセルの信号の複素スペクトルから各ピクセルの信号の振幅・位相情報を取得することを特徴とする請求項1又は2に記載の光断層画像撮影装置。
  4. ステップ3において、複素スペクトルをスペクトル毎(光周波数毎)に、所定の1つ信号で、他の信号を除算して、信号間の相対スペクトルを求めて、各ピクセルの信号間の相対情報を取得することを特徴とする請求項3に記載の光断層画像撮影装置。
  5. 補正用Aスキャン像から得られた各ピクセルの信号の相対スペクトルを光の波数に依存する行列と光の波数に依存しない行列の積としてモデル化して光の波数に依存する行列を算出し、算出した逆行列を被検物の断層画像の各ピクセルにおける信号の複素スペクトルに掛けて振幅・位相ずれを補正することを特徴とする請求項4に記載の光断層画像撮影装置。
  6. 1つの反射面は、被測定部位の表面のセグメンテーションであることを特徴とする請求項1から5のいずれか1つに記載の光断層画像撮影装置。
  7. 1つの反射面は、測定光路を分岐して配置したミラー又はプリズムであることを特徴とする請求項1から5のいずれか1つに記載の光断層画像撮影装置。
  8. ステップ4における窓関数は、Gaussian、Hamming、Hanningなどの窓関数であることを特徴とする請求項2から7のいずれか1つに記載の光断層画像撮影装置。
JP2014218781A 2014-10-28 2014-10-28 光断層撮影装置 Pending JP2016083245A (ja)

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