JP2016083192A - 超音波診断装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】三次元関心領域(3D−ROI)の設定に際してユーザーの負担を軽減する。あるいは、その設定を的確に行えるようにする。【解決手段】断層画像上での羊水計測において、羊水57の両端に相当する2点(母体組織表面上の点、胎児表面上の点)58,60がユーザーにより指定される。それらの座標又は中点62の座標が三次元関心領域におけるレンダリング開始面の設定において利用される。ボリュームデータ中の三次元関心領域内の部分データに対するレンダリング処理により三次元画像が形成される。【選択図】図3
Description
本発明は超音波診断装置に関し、特に、ボリュームレンダリング範囲を画定する三次元関心領域の設定に関する。
妊婦の定期検診等においては、超音波検査を利用して、胎児の発育状態、母体の状態等についての診断が行われる。胎児の診断では、二次元断層画像上において一連の計測を行った上で三次元画像が形成、取得されることもある。その計測には、胎児における特定の部位の大きさの計測、胎児周囲に存在する羊水に対する計測、が含まれる。
羊水計測として、羊水ポケット法、AFI(Amniotic fluid index)法、等が知られている。羊水ポケット法は、腹壁に対して垂直にプローブを当接させつつ最も羊水腔が広くなる断面を特定し、その断面上において羊水腔部分(羊水ポケット)のサイズ(つまり子宮壁表面から胎児表面までの距離)を計測するものである。AFI法は、妊婦の腹部を4分割し、個々の区画においてプローブを床面に対して垂直に維持しながら胎児等を含まない垂直経路上において最大の羊水深度を計測し、それら4つの羊水深度を合計するものである。
三次元画像を形成する場合、三次元プローブが利用される。三次元プローブとしては、超音波ビームを一次元電子走査する振動子ユニットを機械走査するタイプと、2Dアレイ振動子を備えて超音波ビームを二次元電子走査するタイプと、がある。母体内の三次元空間から取得されたボリュームデータの全部をそのままレンダリング処理すると、胎児手前に存在する母体組織(子宮壁、胎盤)までが画像化されてしまい、胎児像が母体組織像の後に隠れてしまう。
胎盤等の画像化を回避するために三次元関心領域(3D−ROI)が利用される(特許文献1、2、3参照)。つまり、三次元関心領域内だけに対してレンダリング処理を適用することにより、無用な組織の画像化を回避するものである。具体的には、子宮壁と胎児との間にレンダリング開始面(カット面、クリッピング面)が設定され、レンダリング開始面から胎児側のデータ部分がレンダリング処理される。レンダリング開始面は三次元関心領域の特定面(例えば上面)を構成するものである。
レンダリング開始面の位置及び形状のすべてをユーザーが指定するのは非常に煩雑である。ユーザーの負担を軽減することが求められている。これに関し、エッジ検出(輪郭抽出)技術を用いて子宮壁内面を自動的に検出し、その内面(望ましくはそこから羊水側に若干シフトした面)をレンダリング開始面とすることも可能である。しかし、エッジ検出の際、母体組織中にアーチファクト等に起因する低エコー部分が存在すると、その輪郭を境界面であると誤検知してしまう可能性がある。誤ってレンダリング開始面が設定されると、三次元画像を形成した場合に、胎児の手前側に無用な組織が表示されてしまい、胎児の観察上の妨げとなる。なお、従来、計測工程に続いて三次元診断工程が実行される場合、計測工程で入力された情報を三次元診断工程において利用することまでは行われていなかった。
本発明の目的は、レンダリング開始面を含む三次元関心領域の設定に際してユーザーの負担を軽減することにある。あるいは、レンダリング開始面を胎児表面と母体組織表面との間に適切に設定できるようにすることにある。あるいは、本発明の目的は、先の工程で得られた情報を後の工程において活用することにより2つの工程を連携させることにある。
本発明に係る超音波診断装置は、胎児に対する超音波の送受波によりボリュームデータを取得する送受波手段と、超音波画像上での羊水計測において得られた座標情報に基づいて、前記ボリュームデータに対して関心領域を設定する関心領域設定手段と、前記ボリュームデータにおける前記関心領域内の部分データに基づいて三次元画像を形成する画像形成手段と、を含むことを特徴とするものである。
上記構成によれば、羊水計測において得られた座標情報を三次元関心領域(特に母体組織表面と胎児表面との間に設定されるレンダリング開始面)の設定に活用することが可能である。これにより、ユーザーの負担を軽減でき、あるいは、三次元関心領域の設定精度を高められる。複数の羊水計測の結果が利用されてもよい。羊水計測として例えば羊水ポケット計測があげられる。その計測では母体組織表面の位置と胎児表面の位置が個別的に特定されるので、つまり、羊水が存在する範囲の両端を特定できるので、それらの座標情報の内で少なくとも一方を利用すればレンダリング開始面の設定精度を高められる。この他、AFI計測において特定された母体組織表面上の点を基準として三次元関心領域を設定するようにしてもよい。
望ましくは、前記羊水計測においては、前記超音波画像上においてユーザーにより羊水区間を画定する一方端点及び他方端点が指定され、前記座標情報は、前記一方端点及び前記他方端点の内の少なくとも1つを表す情報である。
望ましくは、前記関心領域設定手段は、前記一方端点と前記他方端点との間の所定点に基づいて前記関心領域におけるレンダリング開始面の位置及び姿勢の少なくとも一方を決定する。望ましくは、前記所定点は、前記一方端点と前記他方端点の間の中点であり、前記レンダリング開始面は前記中点を含む面である。中点は、羊水中に存在する可能性が高い点であるから、それを利用すれば、アーチファクト等に起因する黒抜け部分(低エコー部分)と羊水部分とを確実に区別することが可能である。
本発明に係る方法は、既に実行された複数の羊水計測で得られた複数の座標情報に基づいて前記関心領域におけるレンダリング開始面の位置及び姿勢の少なくとも一方を決定する工程と、前記ボリュームデータにおける前記関心領域内の部分データに対するレンダリング処理により胎児の三次元画像を形成する工程と、を含むことを特徴とするものである。
本発明によれば、レンダリング開始面を含む三次元関心領域の設定に際してユーザーの負担を軽減できる。あるいは、レンダリング開始面を母体組織表面と胎児表面との間に適切に設定できる。あるいは、先の工程で得られた情報を後の工程において活用することが可能となる。
以下、本発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明する。
図1に、本発明に係る超音波診断装置の好適な実施形態が示されている。この超音波診断装置は、病院などの医療機関において設置され、妊婦等に対する超音波診断を実行するものである。
3Dプローブ10は、振動子ユニット12と走査機構14とを有している。振動子ユニット12は可動部材であり、それは1Dアレイ振動子を有している。1Dアレイ振動子は、複数の振動素子からなるものであり、本実施形態においては複数の振動素子が円弧状に配列されている。これにより、いわゆるコンベックス型プローブが構成されている。1Dアレイ振動子により超音波ビームが形成され、その超音波ビームが電子走査される。これにより走査面15が構成される。
走査機構14は、振動子ユニット12を機械的に走査する機構である。図1においては電子走査方向がθ方向として示され、機械走査方向がφ方向として示されている。深さ方向はr方向である。電子走査を行いながら機械走査を行うことにより、三次元エコーデータ取り込み空間(三次元空間)16が構成される。
本実施形態においては、メカニカルタイプの3Dプローブが用いられていたが、2Dアレイ振動子を有する3Dプローブを用いるようにしてもよい。その場合には、超音波ビームが電子的に二次元走査される。超音波ビームの電子走査方式として、電子リニア走査方式(コンベックス走査方式を含む)、電子セクタ走査方式、等が知られている。
送信部17は送信ビームフォーマであり、それは複数の送信信号を生成する電子回路として構成されている。送信時において、複数の送信信号が1Dアレイ振動子に供給される。これにより送信ビームが形成される。受信時においては、1Dアレイ振動子により反射波が受波され、これにより生じた複数の受信信号が振動子ユニット12から受信部18へ送られる。
受信部18は受信ビームフォーマとして機能する電子回路である。すなわち、受信部18は、複数の受信信号に対して整相加算処理を実行し、これによって整相加算後の受信信号としてのビームデータを生成する。機械走査方向の各位置において走査面が形成され、各走査面は電子走査方向に並ぶ複数のビームデータにより構成され、各ビームデータは深さ方向に並ぶ複数のエコーデータにより構成される。個々のビームデータが座標変換部22へ送られる。
座標変換部22は、送受波座標系を記憶空間座標系に変換するモジュールであり、座標変換部22は例えばデジタルスキャンコンバータ(DSC)である。座標変換後の個々のデータが3Dメモリ24に格納される。3Dメモリ24は送受波空間に対応する三次元記憶空間を有し、その記憶空間内には生体内の三次元空間16から取得されたボリュームデータが格納される。すなわち3Dメモリ24においては三次元空間16から取得された各エコーデータがマッピングされ、それらの集団がボリュームデータを構成している。なお、図1においてはビームデータ処理部を構成する対数圧縮回路、検波回路等については図示省略されている。
断層画像形成部26は、3Dメモリ24から読み出された面データに基づいて、Bモード断層画像を形成するモジュールである。読み出し対象となる断面は、演算制御部20によって指定される。本実施形態においては、ボリュームデータから切り出された面データに基づいて断層画像が形成されているが、例えば振動子ユニット12の機械走査方向の角度を0°とし(機械走査を停止させ)、その状態において、通常の1Dプローブと同様に繰り返しフレームデータを取得し、これに基づいて動画像としての断層画像を形成するようにしてもよい。
本実施形態においては、胎児計測(羊水計測を含む)のために断層画像が計測されている。胎児計測が完了したのちに、三次元診断が実行される。すなわち、ボリュームデータに基づいて胎児の三次元画像が形成される。それを行うのが三次元画像形成部28である。この三次元画像形成部28は、3Dメモリ24内に格納されたボリュームデータに基づいてボリュームレンダリング法に従って三次元画像を形成する。すなわち、仮想的な視点から伸びる各レイ上において、開始点からボクセル単位で所定のボクセル演算を順次実行し、ボクセル演算結果である画素値を仮想的なスクリーン上にマッピングする。このような処理をレイごとに繰り返すことにより、結果として、三次元画像が構成されている。
ただし、胎児データの視点側に子宮壁データが存在していると、子宮壁データが画像化されてしまい、胎児像を明確に表現することが困難となる。そのようなことから本実施形態においては、三次元関心領域(3D−ROI)が利用されている。すなわち、ボリュームデータに対して、三次元画像化対象となる部分データを画定するための三次元関心領域が設定されている。そのような設定は演算制御部20が備える一つの機能としての三次元関心領域設定部30によって行われている。本実施形態においては、後に詳述するように羊水計測において特定された座標情報がいったん記憶部に格納され、その座標情報が三次元関心領域の設定にあたって参照される。具体的には、羊水計測において特定された羊水中の点あるいは羊水前後の点の座標を利用して三次元関心領域(特にレンダリング開始面)の位置および形状が設定されている。このような手法によればユーザーの負担を軽減できるという利点が得られる。
形成された各画像のデータは表示処理部32を介して表示器34に送られている。表示処理部32は、超音波画像に対してグラフィック画像を合成する処理等を実行するものである。表示器34上には羊水計測の段階においては断層画像が表示される。ユーザーである検査者はその断層画像を観察しながら所定の座標入力を行う。その後、三次元診断工程において、ボリュームデータが取得され、それに基づいて胎児の三次元画像が形成される。その際、母体組織を含まず且つ胎児を囲むように三次元関心領域が半自動的に設定される。
演算制御部はPCおよび動作プログラムによって構成されるものであり、図1においてはそれが有する2つの機能が2つのブロックとして示されている。すなわち、三次元関心領域設定部30および計測部36が明示されている。計測部36は羊水計測、胎児計測等において機能するものであり、それは2つのマーカー間の距離を計測する機能、ユーザーによって指定された座標を特定する機能、等を有している。入力器38は、キーボードやトラックボール等により構成され、ユーザーはこの入力器38を利用して座標の指定等を行える。
次に、図1に示した超音波診断装置の動作を説明する。
図2には、ボリュームデータ40が示されている。図示の例では、ボリュームデータ40は胎児データ42及び胎盤データ44を含んでいる。図2において、例えば上側がレンダリングにあたっての視点である。その視点から胎児データを見た場合、手前側に胎盤データ44が存在し、ボリュームデータ40の全体を単にレンダリング処理すると、胎児像が胎盤像によって隠れてしまうという問題が生じる。そこで、従来から三次元関心領域(3D−ROI)46が用いられている。すなわち、画像化したい部分を囲むように三次元関心領域46が設定される。三次元関心領域46の所定の面(図2において上面)は、レンダリング開始面48であり、それはプリカット面あるいはクリッピング面と称されるものである。レンダリング開始面48は各レイ50上における開始点を定めるものである。すなわち、個々のレイ上において、レンダリング開始点を胎盤データ44と胎児データ42との間に定めることにより、胎盤データ44の画像化が防止される。しかしながら、ボリュームデータ40に対して、2つのデータの間にレンダリング開始面48を正しく定めるのは必ずしも容易ではない。そこでユーザーの支援を行うことが望まれる。以上のような観点から本実施形態においては、三次元診断の前に実行される羊水計測において入力された座標情報がレンダリング開始面の設定にあたって参照される。
図3には、羊水計測の一例が示されている。図示の例においては、羊水ポケット計測が示されている。その計測に当たっては、羊水腔が最も大きくなる位置にプローブが位置決められる。その状態で取得されたものが図3に示す断層画像52である。断層画像52には胎児像54、子宮壁像56および羊水像57が含まれている。羊水ポケット法においては、羊水ポケットのサイズとして距離が計測される。具体的には、ユーザーにより子宮壁表面上の点58が指定され、また胎児表面上の点60が指定される。距離計測は羊水腔部分(羊水ポケット)を横断する経路上において行われる。本実施形態においては、これらの点58,60の少なくとも一方の座標情報が直接的又は間接的にレンダリング開始面の設定にあたって参照される。その場合においては、例えば、点58と点60との間の中点62を基準点として利用するようにしてもよい。これによれば、羊水中に存在することが確実な座標を利用することが可能である。
図4には、三次元関心領域46の設定例が示されている。この例においては、例えば中点62が利用され、それがレンダリング開始面における代表点として用いられている。例えば、代表点はレンダリング開始面の頂点を構成するものである。図4においては、断層画像52上に三次元関心領域46の断面が表れている。断層画像52は例えば羊水計測が行われた画像である。湾曲した上辺がレンダリング開始面の断面に相当しており、その上辺の上に中点62が存在している。ちなみに、レンダリング開始面104の高さや傾斜角度はユーザーにおいて任意に定めることができる。例えば、ユーザーにより点100および点102を自由に動かして、三次元関心領域46のサイズ、高さ、及び、傾斜角度を変更することが可能である。中点に基づいて一旦決定された代表点を事後的に修正するようにしてもよい。このような場合においても、ユーザーの負担を軽減することが可能である。
図5には、羊水計測によって得られた座標情報に基づき設定された三次元関心領域(3D−ROI)46が示されている。三次元関心領域46はボリュームデータ40における画像化対象となる部分データを定義するものである。特に重要な部分はレンダリング開始面47である。本実施形態においては、例えば、中点62がレンダリング開始面47の頂点となるようにレンダリング開始面47が定められる。つまり、中点(頂点)62を通るようにレンダリング開始面47の形状が定義されている。中点62は羊水計測が行われた代表断面64上において特定されている。他の断面66,68上においては、必要であれば、ユーザーによりレンダリング開始面47を定義するために必要となる座標情報(例えば点70,72)を指定するようにすればよい。あるいは、個々の断面において羊水計測を実行し、それらの結果を利用するようにしてもよい。符号50は、複数のレイのうちの一つを示している。上記の説明では中点が利用されていたが、母体表面上の点あるいは胎児表面上の点を利用するようにしてもよい。そのような場合、それらの点から羊水側に一定のオフセット距離を隔てた点を基準点として用いるようにしてもよい。
図6には、他の羊水計測法としてAFI法が示されている。断層画像106上においては、胎児を含まない垂直経路110上において羊水の最大深度が計測される。具体的には、羊水腔における手前側の点112と奥側の点114とがユーザーにより指定され、それらの距離が羊水最大深度として計測される。ちなみに、符号108は胎児像を示しており、符号107は羊水像を示している。このような計測の結果得られた例えば点112の座標情報に基づいてレンダリング開始面を設定するようにしてもよい。例えば、点112を母体組織表面を探索する際の探索開始点として利用するようにしてもよい。
図7には境界探索法が示されている。断層画像52上において、母体組織表面上の点58が探索開始点として利用され、そこから両側に沿ってエッジ検出すなわち境界検出が逐次的に実行される。抽出されたエッジライン74,76をそのままレンダリング開始ラインとして用いてもよいが、例えば、そこから一定のオフセット距離ΔLだけ離れたラインをレンダリング開始ライン78とするようにしてもよい。レンダリング開始ラインはレンダリング開始面を定義するラインである。断層画像52上においては、三次元関心領域80の断面が現れている。なお、三次元空間を構成する各断面上においてエッジ検出を行うようにしてもよいし、その中から選択された複数の断面上においてエッジ検出を行うようにしてもよい。符号50はレイを示している。
いずれにしても、複数の断面上においてエッジラインを特定することにより、それらに基づいてレンダリング開始面を三次元的に定義することが可能となる。その場合、中点の深さを各断面上におけるエッジ探索開始点を深さとして利用するようにしてもよい。隣の断面において検出されたエッジラインを基準として、他の断面においてエッジ探索を行うようにしてもよい。いずれにしても、羊水計測の結果を直接的に又は間接的に利用することにより、例えば子宮壁内においてアーチファクト等によって生じた黒抜け部分の縁を誤って子宮壁表面であると誤認してしまう可能性を低減できる。
図8には、代表断面102上において検出されたエッジラインYk(X)が示されている。ここで、Xは横方向であり、Yは縦方向であり、Zが奥行き方向である。例えば、XY面が走査面に対応し、Z方向の各位置において走査面が形成される。それらの集合体が三次元空間又はボリュームデータに相当する。
図8において、三次元空間内の代表断面102上において、羊水計測が実施され、これによって母体組織表面上の点(エッジ点)58Aがユーザーにより指定される。そのエッジ点58Aがエッジ探索開始点として利用される。上述した中点100をエッジ探索開始点として利用するようにしてもよい。例えば、中点100から母体組織側へエッジ探索を行って、母体表面上の点を特定し、そこからX方向の正方向及び負方向へエッジ検出を逐次的に実行するようにしてもよい。エッジ探索手法として公知の各種の手法を用いることができる。
以上により、代表断面上においてエッジラインYk(X)が検出される。Z方向における各断面上において、あるいは、離散的に選択された複数の選択断面上において、上記同様にエッジラインが検出される。その場合、個々のエッジラインの検出に際しては、羊水計測で得られた座標情報が直接的に利用され、あるいは、間接的に利用される。例えば、各断面上において、中点100のX座標及びY座標と同じ座標に探索開始点を設定し、そこから最初のエッジ点を探索するようにしてもよい。
Z方向において、離散的に複数のエッジラインが特定された場合、隣接する2つのエッジライン間に補間処理により補間エッジラインを生成するのが望ましい。例えば、図9に示すように、Z方向上のa位置の断面上においてエッジラインYa(X)が特定され、且つ、Z方向上のb位置の断面上においてエッジラインYb(X)が特定されている場合、位置aと位置bとの間のi位置において、重み付け線形補間処理により、補間エッジラインYi(X)を生成してもよい(符号112及び114参照)。例えば、ma=i-a、mb=b-iとして、以下の計算式によりYi(X)が求められる。
Yi(X)=(mb×Ya(X) + ma×Yb(X))/(ma+mb)
Z方向の各位置の断面上においてエッジラインが特定されると、それらの集合としてレンダリング開始面が構成される。なお、両側の内で片側にだけエッジラインが存在している場合、それをコピーするようにしてもよいし、外挿法を適用するようにしてもよい。
図9においては、中点100からのY方向の探索により最初のエッジ点58Aが特定されることが示されている。中点のXY座標を次の断面上に投影することにより(符号104参照)、当該断面上において探索開始点106が特定される。そこからY方向へ探索を行って最初のエッジ点108が特定される。このように羊水計測で得られた座標情報を直接的に又は間接的にエッジ検出に利用すればアーチファクト等に影響されない正確なエッジ検出を行うことが可能である。
図10には、平面状のレンダリング開始面84を有する三次元関心領域82が示されている。それは三次元空間に相当するボリュームデータ40に対して設定されるものである。レンダリング開始面の位置及び傾斜角度の設定に際しては、羊水計測で得られた2つの端点の座標の中点62が利用される。その中点62を含むようにレンダリング開始面84の位置及び姿勢が定められる。基準位置からの中点の深さがL1で示されている。必要な他のパラメータについてはユーザーによって指定される。例えば、傾斜角度についてはユーザーが設定するようにしてもよい。他の1又は複数の中点を同時に含むようにレンダリング開始面84が定められてもよい。レンダリング開始面84のサイズはユーザーによって調整可能に構成されている。確実な羊水中の点を含むようにレンダリング開始面を定めれば、ユーザー負担を軽減でき、あるいは、レンダリング開始面の設定精度を高められる。
図11には羊水計測と三次元関心領域の設定との関係が整理されている。ボリュームデータ中の所定断面(羊水計測断面)上の面データに基づいて断層画像(Bモード断層画像)が形成される。ボリュームデータから切り出すのではなく、3Dプローブを利用して超音波ビームの一次元電子走査を行って所定断面上の面データを取得するようにしてもよい。但し、羊水計測とボリュームデータとの間での座標系の関係が既知である必要がある。必要であれば、測位システムを3Dプローブに設けるようにしてもよい。1Dプローブを用いて羊水計測を行った上で、3Dプローブを用いて三次元画像を形成するようにしてもよい。その場合にはプローブ間において座標系を合わせる必要があり、このため磁気センサ等を利用した測位システムが利用される。断層画像を観察したユーザーにより、断層画像上において、母体組織表面(子宮壁表面、胎盤表面)上の点が指定される。これによりその座標情報を得られ、それがいったん記憶上に格納される。同様に、胎児表面上の点がユーザーにより指定され、その座標情報がいったん格納される。それらの点は、計測ライン上における羊水区間の両端点である。よって、それらの間が羊水の厚みを示すことになる。必要に応じて、複数の位置において羊水計測が実施される。
符号86は一方の端点の座標を示しており、符号88は他方の端点の座標を示している。それらの中間点として中点90が演算される。複数の一方端点と複数の他方端点から中点の平均値を求めるようにしてもよい。中点90を利用して、三次元関心領域におけるレンダリング開始面(クリッピング面、プリカット面)の位置及び姿勢を決める制御点(代表点)の位置が定められる。中点90がそのまま制御点として利用されてもよい。制御点92はレンダリング開始面の例えば頂点又は谷点である。必要に応じて、レンダリング開始面の位置及び形状を定めるために、ユーザーにより他の座標情報が入力される。それらの座標情報に基づいて三次元関心領域94が定義される。その三次元関心領域内の部分データに対するレンダリング処理により三次元画像が形成される。具体的にはレンダリング開始面からレイごとにボクセル単位で所定のボクセル演算を順次繰り返すことにより当該レイに対応する画素値が求まり、それがスクリーン上にマッピングされる。
子宮壁表面点86を探索出発点として又はそれを基準として子宮壁輪郭の探索を行って、これによりエッジラインを特定するようにしてもよい。あるいは、胎児表面点88を探索出発点として又はそれを基準として胎児の輪郭を探索し、これによりエッジラインを特定するようにしてもよい。その場合、そのエッジラインから羊水側へ一定の距離離れたラインとしてレンダリング開始ラインを定めてもよい。この他、図11において複数の矢印で示されるように、羊水計測の結果の様々な利用が考えられる。いずれにしても、羊水計測においてユーザー指定されたあるいは自動的に特定された座標情報を三次元画像形成に役立てることにより、ユーザーの負担を軽減でき、あるいは、三次元関心領域の設定精度を高められる。
10 3Dプローブ、24 3Dメモリ、26 断層画像形成部、28 三次元画像形成部、30 三次元関心領域(3D−ROI)設定部、36 計測部。
Claims (5)
- 胎児に対する超音波の送受波によりボリュームデータを取得する送受波手段と、
超音波画像上での羊水計測において得られた座標情報に基づいて、前記ボリュームデータに対して関心領域を設定する関心領域設定手段と、
前記ボリュームデータにおける前記関心領域内の部分データに基づいて三次元画像を形成する画像形成手段と、
を含むことを特徴とする超音波診断装置。 - 請求項1記載の装置において、
前記羊水計測においては、前記超音波画像上においてユーザーにより羊水区間を画定する一方端点及び他方端点が指定され、
前記座標情報は、前記一方端点及び前記他方端点の内の少なくとも1つを表す情報である、
ことを特徴とする超音波診断装置。 - 請求項2記載の装置において、
前記関心領域設定手段は、前記一方端点と前記他方端点との間の所定点に基づいて前記関心領域におけるレンダリング開始面の位置及び姿勢の少なくとも一方を決定する、
ことを特徴とする超音波診断装置。 - 請求項3記載の装置において、
前記所定点は、前記一方端点と前記他方端点の間の中点であり、
前記レンダリング開始面は前記中点を含む面である、
ことを特徴とする超音波診断装置。 - 既に実行された複数の羊水計測で得られた複数の座標情報に基づいて前記関心領域におけるレンダリング開始面の位置及び姿勢の少なくとも一方を決定する工程と、
前記ボリュームデータにおける前記関心領域内の部分データに対するレンダリング処理により胎児の三次元画像を形成する工程と、
を含むことを特徴とする三次元画像形成方法。
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2014
- 2014-10-27 JP JP2014218071A patent/JP2016083192A/ja active Pending
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