JP2016075665A - 電子スピン共鳴装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】パルスシーケンスの繰り返し周波数が変更された場合であっても、ロックイン検波に用いられる周波数を変更せずにロックイン検波を可能な、あるいは、パルスシーケンスが正確に繰り返される、電子スピン共鳴装置を提供する。【解決手段】パルスシーケンスを構成するパルスパターン70が、繰り返し周波数Fpに従って繰り返し生成される。これにより原パルス列26が生成される。変調周波数Fmでオン及びオフを繰り返す変調信号32が生成される。Fp,FmはFp=2n×Fm(nは1以上の整数)の関係を満たす。原パルス列26は変調周波数Fmに従って変調され、これによりパルス列信号36が生成される。マイクロ波信号がパルス列信号36によって変調されて電子スピン共鳴室に供給される。電子スピン共鳴が反映された検出信号に対して変調周波数Fmを用いてロックイン検波することにより、ESR信号が得られる。【選択図】図2

Description

本発明は、電子スピン共鳴装置(ESR装置)に関し、特にロックイン検波によってESR信号を検出する技術に関する。
電子スピン共鳴装置(ESR装置)は、静磁場中に配置されたサンプルにマイクロ波を照射し、マイクロ波がサンプルによって吸収される様子をスペクトルとして記録するようにした磁気共鳴装置の一種である。
図7には、ESR装置の一例が示されている。このESR装置は、連続波(CW)ESR法とパルスESR法とを実行することが可能な装置である。なお、ESR装置には、連続波ESR法のみを実行可能な装置もある。
まず、連続波ESR法について説明する。内部にサンプル100が配置された試料管は、マイクロ波共振器102内に挿入される。マイクロ波共振器102は、2つの電磁石104の間に設置される。これにより、マイクロ波共振器102は、電磁石104によって発生される静磁場内に設置される。連続波ESR測定法では、磁場変調用コイル106が用いられる。例えば、マイクロ波共振器102の外側に磁場変調用コイル106が設置される。
連続波ESR法が実行される場合、スイッチ112,114により経路116が形成される。マイクロ波発振器108により発生されたマイクロ波は、減衰器110で所定の電力に減衰された後、経路116及びサーキュレータ118を介してマイクロ波共振器102に供給される。マイクロ波共振器102からの反射波がほとんどない状態にマイクロ波線路とマイクロ波共振器102との結合度が調整された後、電磁石104により静磁場の掃引が行われる。静磁場の掃引に伴ってESR現象が発生すると、マイクロ波共振器102内でサンプル100によるマイクロ波の吸収が発生し、マイクロ波共振器102のQ値が変化してマイクロ波の反射が起こり、サーキュレータ118を介して、反射マイクロ波が取り出される。連続波ESR法が実行される場合、スイッチ120により経路122aが形成される。反射マイクロ波は、経路122aを介して位相検波器126に供給される。この反射マイクロ波と位相器124を介して送られてきた参照信号とで、位相検波器126による位相検波が行われる。これにより、ESR現象による吸収信号が検出される。例えば、発振器128で発生させた100kHz程度の交流電流を、磁場変調用コイル106に供給することにより、電磁石104が形成する静磁場に変調磁場を重畳させ、100kHzで変調された吸収信号を観測する。この吸収信号を増幅器で増幅し、発振器128から供給される参照信号を用いて位相検波器130(例えば、PSD:Phase Sensitive Detector)で位相検波(ロックイン検波)する。位相検波器130から出力された信号はローパスフィルタ131を通過し、これにより、DC成分としての連続波ESRスペクトル信号132が得られる。
次に、パルスESR法について説明する。パルスESR法では、磁場変調は行われない。マイクロ波発振器108により発生されたマイクロ波は、スイッチ112を介して位相調整器134に供給される。位相調整器134は例えば4位相切替器により構成される。位相調整器134は、例えば、0°、90°、180°、270°と、90°ずつ位相のずれたマイクロ波を出力する機能を備えている。これにより、4種類の位相から任意の位相を選択することができる。位相調整器134から出力されたマイクロ波は、スイッチ136に供給される。スイッチ136によるスイッチング動作(オン及びオフの切り替え)により、マイクロ波パルスが形成される。マイクロ波パルスは増幅器138で増幅され、スイッチ114及びサーキュレータ118を介してマイクロ波共振器102に供給される。増幅器138には、例えば、1kWオーダーのパワーアンプ(例えば進行波管増幅器(TWTA:travelling wave tube amplifier))が用いられる。電磁石104が発生させる静磁場は、1回のスピンエコーやFIDの測定中は固定される。スピンエコーやFIDは、固定された静磁場のもとで、1回以上の積算処理がされる。マイクロ波パルスの照射に伴いESR現象が発生すると、サーキュレータ118を介して反射マイクロ波が取り出される。パルスESR法が実行される場合、スイッチ120により経路122bが形成される。また、測定時にスイッチ140がオンにされる。反射マイクロ波は、経路122b及びスイッチ140を介して増幅器142に供給される。増幅器142によって増幅された反射マイクロ波は、位相検波器144に供給される。位相検波器144はクォドラチャ(Quadrature)検波器であり、位相器124を介して送られてきた参照信号を用いてクォドラチャ検波(直交位相検波)を行う。これにより、実信号成分146と虚信号成分148とが得られる。これらの信号成分に対して、例えば、フーリエ変換等の処理が適用される。パルスESR法によると、スピンエコーやFID信号が観測される。例えば、90°パルス(π/2パルス)を照射した後に180°パルス(πパルス)を照射することにより、スピンエコーが観測される。
図7に示されているESR装置では、静磁場に直交する磁化成分(My成分)が検出される。これ以外の方法として、My成分以外の物理量を検出する方法が知られている。例えば、縦検出ESR法(LOD−ESR法)、電流検出ESR法(EDMR法)、光検出ESR法(ODMR法)、等が知られている。これらの方法は、My成分以外の物理量を検出するという意味で、間接的なESR法ともいえる。図8には、これらの方法を実現するESR装置が示されている。
まず、縦検出ESR法について説明する。縦検出ESR法では、電子スピンのMz成分(静磁場に平行な磁化成分)の変化が検出される。そのために、静磁場に平行な向きに巻線軸が配置されたピックアップコイル150が、サンプル100の近傍に設置される。マイクロ波発振器108により発生されたマイクロ波は、減衰器110で所定の電力に減衰された後、スイッチ156に供給される。一方、発振器152は、変調周波数を有する参照信号を発生させる。この参照信号は、スイッチ154を介してスイッチ156に供給される。スイッチ156は、変調周波数に従ってオン及びオフを繰り返す。これにより、マイクロ波は変調周波数に従って変調される。変調されたマイクロ波は、サーキュレータ118を介してマイクロ波共振器102に供給される。静磁場の掃引に伴ってESR現象が発生すると、電子スピンのMz成分が変化し、これにより、ピックアップコイル150に誘導電圧が生じる。この誘導電圧は増幅器158によって増幅され、位相検波器160に供給される。この誘導電圧の変動は変調周波数に同期している。従って、発振器152から供給される参照信号を用いて位相検波器160(例えばPSD)でロックイン検波する。位相検波器160から出力された信号はローパスフィルタ161を通過し、これにより、縦検出ESR信号(LOD−ESR信号)162が得られる。縦検出ESR法を用いることにより、縦緩和時間T1(スピン格子緩和時間)を観測することも可能である。
次に、電流検出ESR法について説明する。電流検出ESR法は、電圧供給検出器170によってサンプル100に電流(電圧)を印加し、サンプル100に流れる電流の変化を検出する方法である。この方法では、マイクロ波発振器108により発生されたマイクロ波が、スイッチ156のスイッチング動作によって、変調周波数に従って変調される。または、マイクロ波は変調されず、磁場が変調される。この場合、発振器152により発生された交流電流が、スイッチ154を介して磁場変調用コイル106に供給される。マイクロ波がサーキュレータ118を介してマイクロ波共振器102に供給され、静磁場の掃引によってESR現象が発生すると、サンプル100に流れている電流が変化する。この電流は電圧供給検出器170によって検出される。この変化量を示す信号は増幅され、位相検波器172に供給される。電流の変動は変調周波数に同期している。従って、発振器152から供給される参照信号を用いて位相検波器172(例えばPSD)でロックイン検波する。位相検波器172から出力された信号はローパスフィルタ173を通過し、これにより、EDMR信号174が得られる。電流検出ESR法を用いることにより、電流の変化に寄与する電子スピン共鳴を検出することが可能となる。例えば、ダイオードがサンプル100として用いられ、半導体の欠陥が観測される。
次に、光検出ESR法について説明する。光検出ESR法は、光源180からサンプル100に光を照射し、サンプル100による光吸収量の変化を検出する方法である。この方法では、電流検出ESR法と同様に、マイクロ波又は磁場が変調される。マイクロ波がサーキュレータ118を介してマイクロ波共振器102に供給され、静磁場の掃引によってESR現象が発生すると、サンプル100による光吸収量が変化する。サンプル100からの光は光検出器182によって検出される。その変化量を示す信号は位相検波器184に供給される。光吸収量の変動は変調周波数に同期している。従って、発振器152から供給される参照信号を用いて位相検波器184(例えばPSD)でロックイン検波する。位相検波器184から出力された信号はローパスフィルタ185を通過し、これにより、ODMR信号186が得られる。
なお、図8に示されているESR装置では、連続波ESR法が適用されているが、パルスESR法が適用される場合もある。
また、パルスESR法と連続波ESR法とを組み合わせた方法、いわゆるハイブリッド型ESR法が知られている。この測定方法では、マイクロ波パルスによって電子スピン共鳴を励起し、ロックイン検波によってESR信号を検出する。例えば、非特許文献1に記載されているPulsed LOD ESR法では、Mz方向の磁化の変化を誘発するパルスシーケンスが実行され、マイクロ波パルスがマイクロ波共振器内に供給される。例えば、繰り返し周波数に従って180°パルス(πパルス)が供給される。サンプルの近傍に設置されたピックアップコイルからの誘導電圧を示す検出信号は、パルスシーケンスの繰り返し周波数を用いてロックイン検波される。これにより、縦検出ESR信号が得られる。
また、非特許文献2には、電流検出ESR法において、変調周波数を変数としてEDMR信号の強度の変化を記録する手法が開示されている。
A.Schweiger. R.Ernst J. Magn.Reson. 77, 512(1988) D.Lepine Phys.Rev.B Vol.6,No.2 436(1972)
上記のハイブリッド型ESR法のように、マイクロ波パルスの照射とロックイン検波とを組み合わせた方法においては、パルスシーケンスの繰り返し周波数を変更する場合に問題が生じ得る。例えば、サンプルや測定内容に応じて、パルスシーケンスの繰り返し周波数を変更したい場合がある。緩和時間が短いサンプルを測定する場合、測定の待機時間を短縮して測定効率を向上させるために、パルスシーケンスの繰り返し周期を短くしたいという要望が想定される。一方、緩和時間が長いサンプルを測定する場合、その緩和時間の長さに応じて繰り返し周期を長くする必要がある。パルスシーケンスの繰り返し周波数は、ロックイン検波に用いられる繰り返し周波数に対応する。それ故、パルスシーケンスの繰り返し周波数を変更した場合、その変更に応じて、ロックイン検波に用いられる繰り返し周波数を変更する必要がある。しかし、ロックイン検波に用いられる繰り返し周波数を変更した場合、回路の周波数特性を変更する必要がある。例えば、縦検出ESR法では、ピックアップコイルの共振周波数の変更等を、その都度行う必要がある。また、共振回路やアンプの周波数特性を超広帯域に設計しておくか、又は、回路自体を交換する必要が生じ得る。
本発明の目的は、電子スピン共鳴装置において、パルスシーケンスの繰り返し周波数が変更された場合であっても、ロックイン検波に用いられる周波数を変更せずにロックイン検波を可能とすることである。あるいは、パルスシーケンスが正確に繰り返されるようにすることである。
本発明に係る電子スピン共鳴装置は、マイクロ波信号を生成するマイクロ波生成手段と、変調周波数Fm、及び、パルスシーケンスの繰り返し周波数Fpに従うパルス列信号を生成するパルス列信号生成手段と、前記マイクロ波信号に対して前記パルス列信号を作用させて励起信号を生成する励起信号生成手段と、サンプルを収容し前記励起信号が送り込まれる電子スピン共鳴室と、前記サンプルで生じる電子スピン共鳴が反映された検出信号に対して前記変調周波数Fmを用いてロックイン検波を行うことにより、解析対象信号を生成する検波手段と、を含み、前記繰り返し周波数Fpと前記変調周波数Fmは、Fp=2n×Fm(但し、nは1以上の整数)の関係を満たす、ことを特徴とする。
上記の構成では、マイクロ波信号に対して、変調周波数Fm及び繰り返し周波数Fpに従うパルス列信号が作用させられ、これにより、励起信号が生成される。励起信号は、電子スピン共鳴を励起するために使用される。電子スピン共鳴が反映された検出信号は、変調周波数Fmに同期して(言い換えると、Fmの周波数成分に応じて)変動している。それ故、検出信号に対して、変調周波数Fmを用いてロックイン検波が行われる。上記の構成では、パルスシーケンスの繰り返し周波数Fpはロックイン検波に用いられず、変調周波数Fmがロックイン検波に用いられる。つまり、パルスシーケンスの繰り返しを規定する繰り返し周波数Fpとは別の変調周波数Fmが、ロックイン検波に用いられる。従って、繰り返し周波数Fpが変更された場合であっても、変調周波数Fmを変更せずにロックイン検波を行うことが可能となる。
また、上記の構成では、繰り返し周波数Fpと変調周波数Fmは、Fp=2n×Fmの関係を満たしている。すなわち、繰り返し周波数Fpは変調周波数Fmの偶数倍である。例えば、サンプルや測定内容に応じて、繰り返し周波数Fp及び整数nが変更される。上記の関係式が満たされることにより、変調周波数Fmに従うパルス列信号に半端なパルスシーケンスが含まれず、繰り返し周波数Fpに従ってパルスシーケンスを正確に繰り返すことが可能となる。
上記の電子スピン共鳴装置は、例えば、縦検出ESR法、電流検出ESR法、光検出ES法、等の検出方法に利用される。もちろん、上記の電子スピン共鳴装置は、それら以外の検出方法に利用されてもよい。
また、本発明に係る電子スピン共鳴装置は、マイクロ波信号を発生するマイクロ波生成手段と、基準パルス列が繰り返し周波数Fpで繰り返されるパルス列信号であって、変調周波数Fmを有する変調信号により変調されたパルス列信号を発生するパルス列信号生成手段と、前記マイクロ波信号を前記パルス列信号によって変調することにより励起信号を生成する励起信号生成手段と、サンプルを収容し前記励起信号が供給される電子スピン共鳴室と、前記サンプルで生じる電子スピン共鳴が反映された検出信号を発生する検出手段と、前記検出信号に対して前記変調信号に基づいてロックイン検波を行うことにより、解析対象信号を生成する検波手段と、を含み、前記繰り返し周波数Fpと前記変調周波数Fmは、Fp=2n×Fm(但し、nは1以上の整数)の関係を満たし、且つ前記基準パルス列の繰り返しと前記変調信号による変調が同期している、ことを特徴とする。
望ましくは、前記パルス列信号生成手段は、前記繰り返し周波数Fpに従って、パルスシーケンスを構成するパルスパターンを繰り返し生成するパルスパターン生成手段と、前記変調周波数Fmでオン及びオフを繰り返す変調信号を生成する変調信号生成手段と、前記パルスパターンが連なった原パルス列に対して前記変調信号を作用させることにより、前記パルス列信号を生成する手段と、を含む。
上記構成では、原パルス列、つまり、パルスシーケンスが変調周波数Fmに従って変調される。これにより、パルス列信号には、変調信号がオンのときのパルスシーケンスが含まれ、変調信号がオフのときのパルスシーケンスは含まれない。上記の関係式が満たされる場合、変調信号がオンのときのパルスシーケンスの数は整数個となり、パルス列信号には、半端なパルスシーケンスが含まれない。よって、変調に際しても、繰り返し周波数Fpに従ってパルスシーケンスを正確に繰り返すことが可能となる。
望ましくは、前記パルスパターン生成手段及び前記変調信号生成手段は、同期して動作する。
望ましくは、前記変調周波数Fmが固定される条件下で、測定状況に応じて、前記繰り返し周波数Fpが可変設定される。
望ましくは、前記検出信号は、サンプルにおける縦磁化の検出、サンプルにおける電気的特性の検出、及び、サンプルにおける光学的特性の検出、のいずれかによって検出される。もちろん、これら以外の検出によって、検出信号が検出されてもよい。
望ましくは、前記パルスパターンは時間間隔τをもった2つのパルスを含み、前記時間間隔τを測定ごとに変化させる手段を更に含む。各パルスは、例えば、180°パルス(πパルス)や90°パルス(π/2パルス)等である。もちろん、それら以外のパルスが用いられてもよい。パルスパターンは、例えば、縦検出ESR法にて用いられる。各パルスに対応するマイクロ波の照射によって、電子スピン状態が平衡状態から変化する。磁化Mzが縦緩和時間T1に従って平衡状態に向かって緩和していき、この緩和の程度が検出される。時間間隔τを変化させることにより、その緩和の程度が変化する。この変化を検出することにより、サンプルの物性を特定することができる。
本発明によれば、パルスシーケンスの繰り返し周波数が変更された場合であっても、ロックイン検波に用いられる周波数を変更せずにESR信号のロックイン検波を行うことが可能となる。また、同期された信号の組み合わせによるシーケンス(倍音変調シーケンス)によって、パルスシーケンスを正確に繰り返すことが可能となる。さらに、デューティ比に制限のないパワーアンプと倍音変調シーケンスとを組み合わせることにより、従来のパルスLOD法よりも高いデューティ比でのパルスシーケンスを実行することが可能となる。高いデューティ比の実現により、LOD信号の信号強度を増大させることが可能となる。
本発明の第1実施形態に係るESR装置の一例を示すブロック図である。 パルスシーケンスの一例を示す図である。 パルスシーケンスの別の例を示す図である。 パルスシーケンスの更に別の例を示す図である。 本発明の第2実施形態に係るESR装置の一例を示すブロック図である。 本発明の第3実施形態に係るESR装置の一例を示すブロック図である。 従来技術に係るESR装置を示すブロック図である。 従来技術に係るESR装置を示すブロック図である。
(第1実施形態)
図1には、第1実施形態に係る電子スピン共鳴装置(ESR装置)の一例が示されている。このESR装置は、縦検出ESR法(LOD−ESR法)を実現する装置である。第1実施形態に係るESR装置は、変調されたマイクロ波によって電子スピン共鳴を励起し、位相検波(ロックイン検波)によって縦検出ESR信号(LOD−ESR信号)を検出する。
内部にサンプル10が配置された試料管は、マイクロ波共振器12内に挿入される。サンプル10は、気体、固体及び液体の中のいずれであってもよい。マイクロ波共振器12は、2つの電磁石14の間に配置され、これにより、マイクロ波共振器12は、電磁石14によって発生される静磁場内に設置される。また、静磁場に平行な向きに巻線軸が配置されたピックアップコイル16が、サンプル10の近傍に設置される。なお、試料管内には、ヘリウム等の冷媒が供給され、サンプル10が冷却される場合もある。
基準クロック発生器18は基準クロックを発生させる。基準クロックは分周回路20によって分周され、第1波形発生器22と第2波形発生器28とに供給される。
第1波形発生器22は、第1LUT24(第1ルックアップテーブル24)を参照して、任意の波形を発生させる機能を備えている。本実施形態では、第1波形発生器22は、繰り返し周波数Fpに従って、パルスシーケンスを構成するパルスパターンを繰り返し生成する。これにより、パルスパターンが連なった原パルス列26が生成される。原パルス列26はスイッチ34に供給される。
第2波形発生器28は、第2LUT30(第2ルックアップテーブル30)を参照して、任意の波形を発生させる機能を備えている。本実施形態では、第2波形発生器28は、変調周波数Fm(繰り返し周波数Fm)でオン及びオフを繰り返す変調信号32を生成する。第1波形発生器22及び第2波形発生器28は、同期して動作する。変調信号32はスイッチ34に供給される。変調周波数Fmは、例えば100kHz程度である。但し、これは一例であり、変調周波数Fmは、100kHz以外の周波数であってもよい。
スイッチ34は、原パルス列26に変調信号32を作用させることにより、パルス列信号36を生成する。具体的には、スイッチ34は、変調信号32の変調周波数Fmに従ってオン及びオフを繰り返す。これにより、原パルス列26が変調周波数Fmに従って変調され、パルス列信号36が生成される。パルス列信号36は、パルスシーケンスの繰り返し周波数Fp及び変調周波数Fmに従うパルス列信号である。パルス列信号36はミキサ40に供給される。
本実施形態では、繰り返し周波数Fpと変調周波数Fmは、Fp=2n×Fm(但し、nは1以上の整数)の関係を満たす。つまり、パルスシーケンスの繰り返し周期Ta(1/Fp)と変調信号32の繰り返し周期Tb(1/Fm)は、Tb=2n×Taの関係を満たす。これにより、繰り返し周期Tbの半分の期間(Tb/2)の中に、n個(整数個)のパルスシーケンスが含まれる。nは変数であり、例えば、サンプルや測定内容に応じて変更可能な値である。
例えば、変調周波数Fmは固定される。この条件下では、サンプルや測定内容に応じて、繰り返し周波数Fpが可変設定される。もちろん、変調周波数Fmが変更されてもよい。繰り返し周波数Fpの変更は、第1LUT24によるパルスパターンデータの読み出し周期を変えることにより可能であり、そのためには、図示していない制御部から読み出し周期を指定する情報を第1波形発生器22に供給するようにすればよい。変調周波数Fmの変更も同様に、前記制御部から読み出し周期を指定する情報を第2波形発生器28に供給することにより可能である。
ミキサ40は、マイクロ波発振器38により発生されたマイクロ波をパルス列信号36によって変調する。これにより、励起信号が生成される。
ミキサ40から出力された励起信号は増幅器42によって増幅され、サーキュレータ44を介してマイクロ波共振器12に供給される。増幅器42は、信号を連続的に増幅可能なパワーアンプによって構成される。例えば、増幅器42には、連続波ESR法で使用されるような小電力(低出力)のパワーアンプが使用される。もちろん、信号を連続的に増幅可能であれば、大電力(高出力)のパワーアンプが使用されてもよい。
電磁石14により静磁場の掃引が行われる。この掃引は連続的に行われてもよいし、段階的に行われてもよい。静磁場の掃引に伴ってESR現象が発生すると、電子スピンのMz成分(静磁場に平行な磁化成分)が変化し、これにより、ピックアップコイル16に誘導電圧が生じる。この誘導電圧を示す検出信号は増幅器46によって増幅され、位相検波器48に供給される。誘導電圧の変動は、変調周波数Fmに同期している。なお、ピックアップコイル16から位相検波器48までの回路は同調回路を構成しており、変調周波数Fmに同調されている。
位相検波器48は、例えばPSD(Phase Sensitive Detector)である。位相検波器48は、検出信号に対して、第2波形発生器28から供給される変調信号32を用いて位相検波(ロックイン検波)する。位相検波器48から出力される信号はローパスフィルタ49を通過し、これにより、縦検出ESR信号(LOD−ESR信号)50が得られる。
次に、図2を参照して、原パルス列26、変調信号32、パルス列信号36及び検出信号の具体例について説明する。
図2(a)には、原パルス列26の一例が示されている。原パルス列26は、複数のパルスパターン70によって構成されている。パルスパターン70は、繰り返し周波数Fpに従って繰り返し生成される。つまり、繰り返し周期Ta毎に、パルスパターン70が繰り返し生成される。パルスパターン70は、一例として時間間隔τをもつ2つのパルス72を含む。各パルス72はパルス幅pwを有する。各パルス72は、Mz方向の磁化の変化を誘発するパルスであり、例えば180°パルス(πパルス)である。もちろん、各パルス72は、180°パルス以外のパルス(例えば90°パルスやそれ以外のパルス)であってもよい。
図2(b)には、変調信号32の一例が示されている。変調信号32は、変調周波数Fm(繰り返し周期Tb)に従ってオン及びオフを繰り返す信号である。
本実施形態では、繰り返し周期Ta,Tbは、Tb=2n×Ta(但し、nは1以上の整数)の関係を満たす。図2(a),(b)に示す例では、n=2であり、繰り返し周期Ta,Tbは、Tb=4×Taの関係を満たす。つまり、期間(Tb/2)の中に、2つのパルスパターン70が含まれている。また、原パルス列26と変調信号32との位相差φは、例えば一定の値に固定される。
図2(c)には、パルス列信号36の一例が示されている。原パルス列26を変調周波数Fmに従って変調することにより、パルス列信号36が生成される。つまり、変調信号32がオンのときにパルスパターン70がスイッチ34から出力され、これにより、パルス列信号36が生成される。このパルス列信号36は、パルスシーケンスの繰り返し周波数Fp(繰り返し周期Ta)に従うとともに、変調信号32の変調周波数Fm(繰り返し周期Tb)に従うパルス列信号である。本実施形態では、原パルス列26が、その繰り返し周期Taの2n倍の繰り返し周期Tbを有する変調信号32によって変調されることにより、パルス列信号36が生成される。それ故、パルス列信号36は、倍音変調シーケンス(Harmonic Modulated Sequence)と称することができる。マイクロ波発振器38により生成されたマイクロ波は、このパルス列信号36によって変調され、マイクロ波共振器12に供給される。
図2(d)には、倍音変調シーケンスによって励起された電子スピン共鳴の応答の様子が示されている。縦検出ESR法では、電子スピンのMz成分(静磁場に平行な磁化成分)の変化が、電子スピン共鳴の応答として現れる。Mz成分の応答波形は、変調信号32の変調周波数Fmで変調された信号とみなせる。それ故、変調周波数Fmに従ってロックイン検波することにより、縦検出ESR信号が得られる。
ここで、パルスパターン70に含まれる2つのパルス72の技術的な意義について説明する。2つのパルス72が使用されることから、この方法は2パルス法と称される。1つ目のパルス72に応じたマイクロ波が照射されると、電子スピン状態が平衡状態から変化し、その後、磁化Mzは、縦緩和時間T1に従って平衡状態に向かって緩和する。磁化Mzの緩和の過程は、誘導電圧の変化として現れる。その緩和の過程で、2つ目のパルス72に応じたマイクロ波が照射される。これにより、緩和の過程に変化が生じる。時間間隔τを変化させると、磁化Mzの緩和の傾きが変化し、ピックアップコイル16によって検出される誘導電圧の大きさ、つまり、磁化Mzの強さ(ESR信号の強度)が変化する。時間間隔τを長くするほど、誘導電圧が小さくなる(減衰する)という現象が観測される。なお、2つ目のパルス72は、磁化Mzの緩和の程度を検出という意味で、検出パルスと称されることがある。物質によって誘導電圧の減衰の程度が異なる。それ故、時間間隔τを変えて複数回測定を行い、誘導電圧の減衰の程度を測定することにより、物質を特定することが可能となる。本実施形態では、第1波形発生器22は、図示しない制御部からの制御信号に基づき、測定毎に時間間隔τを変えた原パルス列26を生成する。これにより、時間間隔τを変数とする誘導電圧が得られる。
なお、磁化Mzを変化させて縦緩和時間T1を測定することができるパルスであれば、各パルス72は180°パルスでなくてもよい。
本実施形態に係るESR装置によると、パルスシーケンスの変数を変更することにより、サンプルや測定内容に応じた測定を行うことが可能となる。例えば、パルス72のパルス幅pw、時間間隔τ、及び、繰り返し周波数Fp(繰り返し周期Ta)を変更して測定を行うことにより、サンプルや測定内容に応じた測定を行うことが可能となる。サンプル10の縦緩和時間T1が短い場合、その長さに応じて繰り返し周期Taを短くして測定を繰り返すことにより、測定の待機時間を短縮して、測定効率を向上させることができる。サンプル10の縦緩和時間T1が長い場合、その長さに応じて繰り返し周期Taを長くすることにより、その長さに対応して測定することが可能となる。本実施形態では、変調信号32を利用してパルスシーケンスを変調し、その変調信号32の変調周波数Fmを利用してロックイン検波を行っている。それ故、パルスシーケンスの変数を変更したとしても、ロックイン検波に用いられる変調周波数Fmを変更せずに済む。つまり、パルス幅pw、時間間隔τ、及び、繰り返し周波数Fpを変更した場合であっても、変調周波数Fm(繰り返し周期Tb)を変更せずにロックイン検波を行うことが可能となる。ロックイン検波に用いられる変調周波数Fmを変更せずに済むため、ESR装置の回路の周波数特性を変更せずに済む。
なお、従来技術に係るハイブリッド型ESR法では、パルスシーケンスの繰り返し周波数Fp(繰り返し周期Ta)に同期した参照周波数に従ってロックイン検波が行われている。従って、従来技術においては、パルスシーケンスを構成するパルスパターン70が変調されているわけではない。つまり、従来技術においては、原パルス列26を変調するための変調信号32は用いられていない。従来技術においては、パルスシーケンスの繰り返し周波数Fp(繰り返し周期Ta)を変更した場合、その変更に応じて、ロックイン検波に使用される参照周波数も変更する必要がある。この場合、回路の周波数特性を変更する必要がある。これに対して本実施形態では、上記のように、ロックイン検波に用いられる変調周波数Fmを変更せずに済む。
また、本実施形態では、繰り返し周波数Fpと変調周波数Fmが、Fp=2n×Fmの関係を満たしている。すなわち、繰り返し周波数Fpは、変調周波数Fmの整数倍である。これにより、パルスシーケンスの位相を揃えて、パルスシーケンスを正確に繰り返すことが可能となる。つまり、変調信号32がオンのときにパルスシーケンスが出力され、変調信号32がオフのときにパルスシーケンスは出力されない。上記の関係式が満たされる場合、変調信号32がオンのときのパルスシーケンスの数は整数個であり、パルス列信号36には、半端なパルスシーケンスが含まれない。図2に示す例では、変調信号32のオン期間(Tb/2)の中に、2つのパルスパターン70が含まれることになる。従って、パルスシーケンスが変調される場合であっても、繰り返し周波数Fpに従ってパルスシーケンスを正確に繰り返すことが可能となる。変数nが3以上の場合であっても同様である。
例えばn=3の場合、つまり、繰り返し周期Ta,Tbが、Tb=6×Taの関係を満たす場合、オン期間(Tb/2)の中に、3つのパルスパターン70が含まれることになる。n=4の場合、4つのパルスパターン70が含まれ、n=5の場合、5つのパルスパターン70が含まれる。n=6以上の場合も同様である。これらの場合であっても、変調信号32のオン期間(Tb/2)の中に、整数個のパルスシーケンスが含まれることになり、繰り返し周波数Fpに従ってパルスシーケンスを正確に繰り返すことが可能となる。また、変調信号32の変調周波数Fm(繰り返し周期Tb)を固定してロックイン検波することが可能となる。
また、本実施形態では、マイクロ波を増幅する増幅器42として、信号を連続的に増幅可能なパワーアンプが使用される。例えば、増幅器42として、連続波ESR法で使用されるような小電力(低出力)のパワーアンプが使用される。これにより、パルスシーケンスの繰り返し周期Taを短くして、時間軸上のパルスシーケンス密度(単位時間当たりの繰り返し数)を増大させることが可能となる。その結果、測定の待機時間が短縮し、測定効率が向上する。小電力のパワーアンプを使用した場合、個々のパルス72のエネルギーが小さくなる。これに対処するために、本実施形態では、オン期間(Tb/2)の中で、複数のパルス72(図2(a)に示す例では、4個のパルス72)が照射される。これにより、エネルギーが補われ、信号強度、つまり、検出感度を補強することが可能となる。つまり、複数のパルス72を照射することにより、検出感度を向上させることが可能となる。なお、信号を連続的に増幅可能であれば、大電力(高出力)のパワーアンプが使用されてもよい。本実施形態では、そのような大電力のパワーアンプが使用されずに、たとえ小電力のパワーアンプが使用される場合であっても、検出感度の低下を防止又は低減することが可能となる。
従来技術に係るパルスESR法(例えば図7に示されているESR装置)では、非常に短いパルス幅(例えば10ns)を有する高出力のマイクロ波パルスを、マイクロ波共振器に照射する必要がある。それ故、マイクロ波パルスを増幅するパワーアンプには、例えば1kWオーダーのパワーアンプ(例えばTWTA)が使用される。このようなパワーアンプは、短いパルス幅で高出力のパルスが出力されるように設計されており、単位時間当たりに出力可能な時間の割合(デューティ比)に上限がある。デューティ比は例えば1〜2%程度であり、非常に低い。そのため、パルスシーケンスの繰り返し周期を短くして、時間軸上のパルスシーケンス密度を増大させることができないという問題が生じる。これに対して本実施形態によると、低出力のパワーアンプを使用したとしても、検出感度の低下が防止又は低減される。それ故、低出力のパワーアンプを使用して、時間軸上のパルスシーケンス密度を増大させることが可能となる。
なお、変調周波数Fmが変更されてもよい。例えば、緩和時間が長いサンプルを測定する場合、その長さに応じて変調周波数Fmを長くしてもよい。
次に、パルスシーケンスの別の例について説明する。図2に示す例では、2個のパルス72がパルスパターン70に含まれているが、パルス72の数はこれに限定されない。パルスパターン70には、1又は複数のパルス72が含まれていればよい。
図3には、パルスシーケンスの別の例が示されている。図3(a)には、原パルス列26aが示されている。この原パルス列26aは、第1波形発生器22によって生成されたパルス列である。パルスパターン70aは、繰り返し周波数Fpに従って繰り返し生成される。つまり、繰り返し周期Ta毎に、パルスパターン70aが繰り返し生成される。パルスパターン70aは、1つのパルス72を含む。各パルス72はパルス幅pwを有する。サンプルや測定内容に応じて、このような原パルス列26aが生成される場合が想定される。
図3(b)には、変調信号32が示されている。この変調信号32は、図2(b)に示されている変調信号32と同一の信号である。繰り返し周期Ta,Tbは、Tb=2n×Ta(但し、nは1以上の整数)の関係を満たしている。図3に示す例では、Tb=4×Taの関係を満たしている。つまり、変調信号32のオン期間(Tb/2)の中に、2つのパルスパターン70aが含まれている。
図3(c)には、パルス列信号36aが示されている。原パルス列26aを変調周波数Fmに従って変調することにより、パルス列信号36aが生成される。パルス列信号36aも、パルスシーケンスの繰り返し周波数Fp(繰り返し周期Ta)に従うとともに、変調信号32の変調周波数Fm(繰り返し周期Tb)に従うパルス列信号である。
図3に示す例においても、変調周波数Fm(繰り返し周期Tb)を固定にした状態で、パルス幅pwや繰り返し周波数Fpを変更することにより、サンプルや測定内容に応じた測定が可能となる。また、繰り返し周波数Fpに従ってパルスシーケンスを正確に繰り返すことが可能となる。
図4には、パルスシーケンスの更に別の例が示されている。図4(a)には、原パルス列26bが示されている。この原パルス列26bは、第1波形発生器22によって生成されたパルス列である。パルスパターン70bは、繰り返し周波数Fpに従って繰り返し生成される。つまり、繰り返し周期Ta毎に、パルスパターン70bが繰り返し生成される。パルスパターン70bは、時間間隔をもつ3つのパルス72を含む。個々のパルス72の間の時間間隔は同一であってもよいし、異なっていてもよい。各パルス72はパルス幅pwを有する。サンプルや測定内容に応じて、このような原パルス列26bが生成される場合が想定される。
図4(b)には、変調信号32が示されている。この変調信号32は、図2(b)に示されている変調信号32と同一の信号である。繰り返し周期Ta,Tbは、Tb=2n×Ta(但し、nは1以上の整数)の関係を満たしている。図4に示す例では、Tb=4×Taの関係を満たしている。つまり、変調信号32のオン期間(Tb/2)の中に、2つのパルスパターン70bが含まれている。
図4(c)には、パルス列信号36bが示されている。原パルス列26bを変調周波数Fmに従って変調することにより、パルス列信号36bが生成される。パルス列信号36bも、パルスシーケンスの繰り返し周波数Fp(繰り返し周期Ta)に従うとともに、変調信号32の変調周波数Fm(繰り返し周期Tb)に従うパルス列信号である。
図4に示す例においても、変調周波数Fm(繰り返し周期Tb)を固定にした状態で、パルス幅pw、時間間隔τ及び繰り返し周波数Fpを変更することにより、サンプルや測定内容に応じた測定が可能となる。また、繰り返し周波数Fpに従ってパルスシーケンスを正確に繰り返すことが可能となる。
本実施形態が適用されるパルスシーケンスは、図2から図4に示されているパルスシーケンスに限定されるものではない。サンプルや測定内容に応じたパルスシーケンスを利用することが可能である。この場合において、繰り返し周波数Fpと変調周波数Fmとが、Fp=2n×Fmの関係を満たしていればよい。
(第2実施形態)
図5には、第2実施形態に係るESR装置の一例が示されている。このESR装置は、電流検出ESR法(EDMR法)を実現する装置である。第2実施形態に係るESR装置は、変調されたマイクロ波によって電子スピン共鳴を励起し、ロックイン検波によってEDMR信号を検出する。
第2実施形態では、電圧供給検出器52によってサンプル10に電流(電圧)が印加される。第2実施形態でも、原パルス列26が変調信号32の変調周波数Fmに従って変調され、これにより、パルス列信号36が生成される。第1実施形態と同様に、繰り返し周波数Fpと変調周波数Fmは、Fp=2n×Fmの関係を満たす。
マイクロ波発振器38により発生されたマイクロ波はパルス列信号36によって変調され、これにより、励起信号が生成される。この励起信号は、サーキュレータ44を介してマイクロ波共振器12に供給される。
電磁石14により静磁場の掃引が行われ、静磁場の掃引に伴ってESR現象が発生すると、サンプル10に流れている電流が変化する。この電流は電圧供給検出器52によって検出される。この変化量を示す検出信号は増幅され、位相検波器54に供給される。電流の変動は、変調周波数Fmに同期している。
位相検波器54は例えばPSDであり、検出信号に対して、第2波形発生器28から供給される変調信号32を用いてロックイン検波する。位相検波器54から出力された信号はローパスフィルタ55を通過し、これにより、EDMR信号56が得られる。
(第3実施形態)
図6には、第3実施形態に係るESR装置の一例が示されている。このESR装置は、光検出ESR法(ODMR法)を実現する装置である。第3実施形態に係るESR装置は、変調されたマイクロ波によって電子スピンを励起し、位相検波(ロックイン検波)によってODMR信号を検出する。
第3実施形態では、光源58からサンプル10に光が照射される。第3実施形態でも、原パルス列26が変調信号32の変調周波数Fmに従って変調され、これにより、パルス列信号36が生成される。第1実施形態と同様に、繰り返し周波数Fpと変調周波数Fmは、Fp=2n×Fmの関係を満たす。
マイクロ波発振器38により発生されたマイクロ波はパルス列信号36によって変調され、これにより、励起信号が生成される。この励起信号は、サーキュレータ44を介してマイクロ波共振器12に供給される。
電磁石14により静磁場の掃引が行われ、静磁場の掃引に伴ってESR現象が発生すると、サンプル10による光吸収量が変化する。サンプル10からの光は光検出器60によって検出される。この変化量を示す検出信号は位相検波器62に供給される。光吸収量の変動は、変調周波数Fmに同期している。
位相検波器62は例えばPSDであり、検出信号に対して、第2波形発生器28から供給される変調信号32を用いてロックイン検波する。位相検波器62から出力された信号はローパスフィルタ63を通過し、これにより、ODMR信号64が得られる。
第2,3実施形態においても、第1実施形態と同様に、パルスシーケンスの変数を変更した場合であっても、ロックイン検波に用いられる変調周波数Fmを変更せずに済む。また、繰り返し周波数Fpに従って正確にパルスシーケンスを繰り返すことが可能となる。また、時間軸上のパルスシーケンス密度を増大させることが可能となる。
なお、縦検出ESR法、電流検出ESR法、及び、光検出ESR法について説明したが、これら以外のESR法に本実施形態が適用されてもよい。
また、第1,2,3実施形態においては、スイッチ34のオン及びオフにより変調を行い、これにより、パルス列信号36が生成される。別の例として、変調としてはオン及びオフによる変調に限らず、その他の波形(例えば正弦波等)による変調を行ってもよい。その他の波形による変調を行う場合は、変調に用いられる波形の波形データを第2LUT30に書き込んでおくとともに、スイッチ34の代わりに変調器を設ける。第2波形発生器28は第2LUT30を参照して変調信号32を生成し、変調信号32はスイッチの代りに設けられた変調器に供給される。変調器は、第1波形発生器22より生成された信号に変調信号32を作用させることにより、パルス列信号36を生成する。
なお、このようなスイッチ34や変調器を用いずに、第1波形発生器22がパルス列信号36を直接生成して、ミキサ40へ送るようにしてもよい。この場合には、図示していない制御部によって、変調を受けたパルス列信号36の波形パルスパターンデータを第1LUT24に書き込んでおき、スイッチ34や変調器は用いられない。このとき、第2波形発生器28により生成された変調信号32は、ミキサ40には供給されず、位相検波器48にのみ供給され、位相検波(ロックイン検波)の参照波として使用される。言うまでもなく、変調を受けたパルス列信号36と変調信号32は同期した信号である。
10 サンプル、12 マイクロ波共振器、14 電磁石、16 ピックアップコイル、18 基準クロック発生器、20 分周回路、22 第1波形発生器、24 第1LUT、26,26a,26b 原パルス列、28 第2波形発生器、30 第2LUT、32 変調信号、34 スイッチ、36,36a,36b パルス列信号、38 マイクロ波発振器、40 ミキサ、42,46 増幅器、44 サーキュレータ、48,54,62 位相検波器、49,55,63 ローパスフィルタ、50 縦検出ESR信号、52 電圧供給検出器、56 EDMR信号、58 光源、60 光検出器、64 ODMR信号、70,70a,70b パルスパターン、72 パルス。

Claims (7)

  1. マイクロ波信号を生成するマイクロ波生成手段と、
    変調周波数Fm、及び、パルスシーケンスの繰り返し周波数Fpに従うパルス列信号を生成するパルス列信号生成手段と、
    前記マイクロ波信号に対して前記パルス列信号を作用させて励起信号を生成する励起信号生成手段と、
    サンプルを収容し前記励起信号が送り込まれる電子スピン共鳴室と、
    前記サンプルで生じる電子スピン共鳴が反映された検出信号に対して前記変調周波数Fmを用いてロックイン検波を行うことにより、解析対象信号を生成する検波手段と、
    を含み、
    前記繰り返し周波数Fpと前記変調周波数Fmは、Fp=2n×Fm(但し、nは1以上の整数)の関係を満たす、
    ことを特徴とする電子スピン共鳴装置。
  2. マイクロ波信号を発生するマイクロ波生成手段と、
    基準パルス列が繰り返し周波数Fpで繰り返されるパルス列信号であって、変調周波数Fmを有する変調信号により変調されたパルス列信号を発生するパルス列信号生成手段と、
    前記マイクロ波信号を前記パルス列信号によって変調することにより励起信号を生成する励起信号生成手段と、
    サンプルを収容し前記励起信号が供給される電子スピン共鳴室と、
    前記サンプルで生じる電子スピン共鳴が反映された検出信号を発生する検出手段と、
    前記検出信号に対して前記変調信号に基づいてロックイン検波を行うことにより、解析対象信号を生成する検波手段と、
    を含み、
    前記繰り返し周波数Fpと前記変調周波数Fmは、Fp=2n×Fm(但し、nは1以上の整数)の関係を満たし、且つ前記基準パルス列の繰り返しと前記変調信号による変調が同期している
    ことを特徴とする電子スピン共鳴装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の電子スピン共鳴装置において、
    前記パルス列信号生成手段は、
    前記繰り返し周波数Fpに従って、パルスシーケンスを構成するパルスパターンを繰り返し生成するパルスパターン生成手段と、
    前記変調周波数Fmでオン及びオフを繰り返す変調信号を生成する変調信号生成手段と、
    前記パルスパターンが連なった原パルス列に対して前記変調信号を作用させることにより、前記パルス列信号を生成する手段と、
    を含む、
    ことを特徴とする電子スピン共鳴装置。
  4. 請求項3に記載の電子スピン共鳴装置において、
    前記パルスパターン生成手段及び前記変調信号生成手段は、同期して動作する、
    ことを特徴とする電子スピン共鳴装置。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の電子スピン共鳴装置において、
    前記変調周波数Fmが固定される条件下で、測定状況に応じて、前記繰り返し周波数Fpが可変設定される、
    ことを特徴とする電子スピン共鳴装置。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の電子スピン共鳴装置において、
    前記検出信号は、縦磁化の検出、サンプルにおける電気的特性の検出、及び、サンプルにおける光学的特性の検出、のいずれかによって検出される、
    ことを特徴とする電子スピン共鳴装置。
  7. 請求項3又は請求項4に記載の電子スピン共鳴装置において、
    前記パルスパターンは時間間隔τをもった2つのパルスを含み、
    前記時間間隔τを測定ごとに変化させる手段を更に含む、
    ことを特徴とする電子スピン共鳴装置。
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