JP2016074590A - 薄片状雲母粉末およびこれを含有する化粧料 - Google Patents

薄片状雲母粉末およびこれを含有する化粧料 Download PDF

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友博 星野
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昌周 安孫子
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昌人 倉谷
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Abstract

【課題】吸油性に優れるとともに、良好な光沢感および使用感を兼ね備えた薄片状雲母粉末の提供。
【解決手段】端部がカールした薄片状雲母粒子を含み、粉末全体のメジアン粒子径が5〜30μm、平均厚みが0.05〜0.35μmであり、かつ嵩比重が0.05〜0.10g/mLである薄片状雲母粉末。好ましくは吸油量が80〜120mL/100gである薄片状雲母粉末。前記粉末は、粗粉砕、湿式粉砕の後、メジアン粒子径5〜30μm、平均厚み0.05〜0.35μmに遠心分離機等により分級選別し、分級後の微粉末をさらにジェット粉砕ミル等の高速衝突型粉砕機に供することによって得られる端部がカールした薄片状雲母の製造方法。
【選択図】図2

Description

本発明は、薄片状雲母粉末、特に化粧料に配合される薄片状雲母粉末における吸油性の改善に関する。
薄片状雲母は、優れた光沢感を付与し、且つ伸展性等の使用感も良好であることから、化粧料分野で広く用いられている。しかし、雲母の吸油能力は一般的にあまり高くない。例えば、ファンデーションなどのメーキャップ化粧料においては、仕上がりを良好にしたり、皮脂を吸着して化粧持ちを高めるといった点から、吸油性の高い粉末原料が求められており、雲母においても吸油性の改善が求められている。
このような問題に対し、例えば、特許文献1には、合成雲母粉体を強酸性水溶液と接触処理することによって、吸油能力を高めた合成雲母粉体の製造方法が開示されている。しかし、特許文献1の方法によって得られる雲母粉末は、雲母粒子の端面に微粒子が付着した凹凸状をなしており、比表面積を大きくすることで吸油性が改善されていると考えられるものの、表面反射が散乱によって失われてしまうため、優れた光沢感を得ることができなかった。また、このようにして得られた雲母粉末においては、平滑な表面形状に起因する使用感の良さも十分に得られなかった。
特開2008−13407号公報
本発明は、前記背景技術を鑑みてなされたものであって、その解決すべき課題は、吸油性に優れるとともに、良好な光沢感および使用感を兼ね備えた薄片状雲母粉末を提供することにある。
本発明者らが前記課題に解決する目的で鋭意検討を行なった結果、特定の方法により得られた、端部がカールした薄片状雲母粒子を含み、比較的小さい嵩比重を有する微細粉末が、同程度の粒子径、厚みを有する従来の平板状の薄片状雲母粉末と比べて、吸油性に優れるとともに、良好な光沢感及び使用感を発揮し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明にかかる薄片状雲母粉末は、端部がカールした薄片状雲母粒子を含み、粉末全体のメジアン粒子径が5〜30μm、平均厚みが0.05〜0.35μmであり、かつ嵩比重が0.05〜0.10g/mLであることを特徴とするものである。
また、前記薄片状雲母粉末において、吸油量が80〜120mL/100gであることが好適である。また、前記薄片状雲母粉末において、メジアン粒子径が7〜25μm、平均厚みが0.1〜0.3μmであることが好適である。また、前記薄片状雲母粉末において、嵩比重が0.05〜0.09g/mLであることが好適である。
また、本発明にかかる化粧料は、前記薄片状雲母粉末を含有することを特徴とするものである。
本発明により得られる薄片状雲母粉末は、吸油性に優れるとともに、良好な光沢感および使用感を兼ね備えている。
本発明の「端部がカールした薄片状雲母粒子」の概略図である。 実施例1の薄片状雲母粉末の電子顕微鏡写真である。 実施例2の薄片状雲母粉末の電子顕微鏡写真である。 実施例3の薄片状雲母粉末の電子顕微鏡写真である。 比較例1の薄片状雲母粉末の電子顕微鏡写真である。 比較例2の薄片状雲母粉末の電子顕微鏡写真である。 比較例3の薄片状雲母粉末の電子顕微鏡写真である。
本発明にかかる薄片状雲母粉末は、端部がカールした薄片状雲母粒子を含むことを特徴とするものである。
図1に、端部がカールした薄片状雲母粒子の概略図を示す。図1に示すように、従来の一般的な薄片状雲母粒子は、端部まで平板形状が保持されているのに対し、本発明の薄片状雲母粉末に一部含まれる雲母粒子は、薄片の端部が捲れ上がって丸まった形状をなしている。なお、図1には、端部の一方が約1/4周程度丸まった形状を示したが、1/2周あるいは1周以上カールした略円筒状の形状であってもよく、あるいは両端が丸まった形状であってもよい。本発明の薄片状雲母粉末において、端部がカールした雲母粒子はカールした部分が平面部分に比べかなり小さく、また、雲母粉末の多くが端部まで平板形状で保持された粒子であるため、光沢値を下げる効果は少なく、光沢感はほとんど損なわれない。
本発明の薄片状雲母粉末においては、このような端部がカールした薄片状雲母粒子が含まれることで、カール部分によって薄片状雲母粒子が密に積み重なることができないため、従来の平板状の雲母粒子のみからなる粉末と比較して嵩比重が小さい。また、このため、従来の一般的な薄片状雲母粉末よりも高い吸油性を示し、より多量の油分を粉末中に保持することができる。より具体的には、従来の一般的な薄片状雲母粉末の吸油量が、通常、40〜80ml/100g程度であるのに対して、本発明の薄片状雲母粉末は80〜120ml/100gの吸油量を示す。
さらに、本発明の薄片状雲母粉末は、カールしていない部分として平滑な表面形状が残っているため、表面凹凸状あるいは不定形の高吸油性雲母粉末とは異なり、表面反射による優れた光沢感や、良好な使用感を発揮することもできる。また、特にすべりやのびといった使用感について言えば、端部がカールした薄片状雲母粒子が含まれることで、従来の平板状粒子のみからなる雲母粉末と比較して粒子同士の接触面積が小さくなり、粒子間の摩擦が小さくなるため、塗布時のすべりやのびが非常に良好となる。
本発明の薄片状雲母粉末に用いる雲母原料としては、公知の雲母原料を使用することができ、天然雲母、合成雲母のいずれを用いてもかまわないが、不純物の少なさや平面の平滑性に優れていること等から、合成雲母が望ましい。合成雲母としては、例えば、カリウム金雲母[KMg(AlSi10)F]、カリウム四ケイ素雲母[KMg2 1/2(Si10)F]、カリウムテニオライト[KMgLi(Si10)F]、ナトリウム金雲母[NaMg(AlSi10)F]、ナトリウムテニオライト[NaMgLi(Si10)F]、ナトリウム四ケイ素雲母[NaMg2 1/2(Si10)F]、ナトリウムヘクトライト[Na1/3Mg2 2/3Li1/3(Si10)F]等が挙げられる。なお、合成雲母は天然雲母と比較して硬く、化学的安定性も高い(例えば、粘土ハンドブック第二版,日本粘土学会編,252〜253頁参照)。このため、薄片化のための一般的な物理的処理(例えば、粉砕処理)あるいは化学的処理(例えば、酸処理)を行なっても、雲母原料を十分に剥離・薄片化することが困難であることが知られている。
本発明の薄片状雲母粉末は、レーザー回折式粒度分布測定におけるメジアン粒子径(粒子径の中央値)が5〜30μmである。レーザー回折式粒度分布測定は公知の方法で行えばよいが、例えば、(株)セイシン企業製;LMS−30を使用して測定することができる。なお、メジアン粒子径が30μmを超えると、端部がカールした薄片状雲母粒子が得られ難くなるほか、使用感に劣る傾向にある。メジアン粒子径は、より好ましくは7〜25μmであり、この範囲内でより高い吸油性、優れた光沢感および使用感が得られる。
本発明の薄片状雲母粉末において、平均厚みは0.05〜0.35μmである。平均厚みの測定方法も、特に限定されないが、例えば、電子顕微鏡の傾斜観察によって任意の個数の粒子の厚みを測定し、それらの平均値として決定してもよい。なお、平均厚みが0.35μmを超えると、通常、端部がカールした薄片状雲母粒子が得られず、このために吸油能力が十分でない。平均厚みは、より好ましくは0.1〜0.3μmであり、この範囲内でより高い吸油性、優れた光沢感および使用感が得られる。
本発明の薄片状雲母粉末は、アスペクト比が50〜100であることが望ましい。アスペクト比の決定方法も、特に限定されないが、例えば、電子顕微鏡の傾斜観察によって決定した任意の個数の粒子径と厚みを測定し、得られた平均粒子径の値を平均厚みの値で割ることで算出することができる。なお、本発明においては、メジアン粒子径を平均厚みの値で割った値をアスペクト比とする。アスペクト比が50未満であると、薄片形状に起因する優れた光沢感や使用感が得られ難い傾向にある。アスペクト比は、より好ましくは70〜90の範囲である。
また、本発明の薄片状雲母粉末は、0.05〜0.10g/mLの嵩比重を示す。ここで、本発明の嵩比重は、JIS K5101−12−1(見掛け密度:静置法)に従って測定される値である。具体的には、粉末試料を目開き500μmのふるいの上から通過させて落とし、ふるいの下の回収容器に入れる。そして、回収容器内の粉末試料を秤量し、粉末試料の質量(g)と体積(mL)から嵩比重(g/mL)を算出する。なお、本発明の薄片状雲母粉末は、端部がカールした薄片状雲母粒子を含んでおり、粒子が密に積み重なることができないので、嵩比重が比較的小さい。通常、市販の同程度のメジアン粒子径、厚みを有する薄片状雲母粒子からなる粉末の嵩比重が、0.10〜0.15g/mL程度であるのに対して、本発明の薄片状雲母粉末の嵩比重は、0.05〜0.10g/mLである。また、このため、従来の一般的な薄片状雲母粉末と比較して高い吸油性を示すことができる。嵩比重は、より好ましくは0.05〜0.09g/mLである。
なお、本発明の薄片状雲母粉末は、端部がカールした薄片状雲母粒子を含むものであるが、粉末中の全ての粒子がこのような粒子である必要はなく、嵩比重が0.05〜0.10g/mLを示す範囲内で、少なくとも部分的に含まれていればよい。
本発明の薄片状雲母粉末は、例えば、以下のようにして製造することができる。
最初に、雲母原料の結晶塊を、ジョークラッシャー、ハンマークラッシャー等の一般的な破砕機で粗粉砕する。この後、粗粉砕原料を、ハンマーミル、ロールミル等の乾式粉砕機、あるいはビーズミル、超音波粉砕機等の湿式粉砕機を用いて微粉化する。ここで、得られた微粉末をメジアン粒子径5〜30μm、平均厚み0.05〜0.35μmに遠心分離機等で分級選別する。そして、分級後の微粉末をさらにジェット粉砕ミル等の高速衝突型粉砕機に供することによって、端部がカールした薄片状雲母粒子を含む微細粉末が得られる。これは、雲母粒子が高アスペクト比の薄片の状態で、粒子同士あるいは粒子と装置内壁面との衝突が生じる際に、薄片状雲母粒子の端部においてカールが生じているためと考えられる。なお、得られた微粉末は、必要に応じて、再度所望の粒子径に分級選別してもよい。
一方で、雲母原料を粗粉砕した後、そのまま高速衝突型粉砕機を用いて微粉砕処理を行なったとしても、雲母粒子が十分に薄くなっていない状態で衝突が起こるため、端部のカールが生じ難く、本発明の薄片状雲母粉末はほとんど得られない。例えば、ビーズミルあるいは超音波粉砕機等を用いて雲母を微粉化することによって、アスペクト比の高い薄片状の雲母が得られる。しかし、これらの粉砕機を用いてさらに長時間処理を行なったとしても、得られる微粉末は、従来の一般的な平板状の薄片状雲母粉末であり、端部がカールした雲母粒子は得られない。
なお、本発明の薄片状雲母粉末の製造方法は、上述の方法に限られるものではない。例えば、上述の方法と略同一の作用効果によって雲母原料が粉砕・微粒化されるものであれば、他の方法であっても、本発明の薄片状雲母粉末が得られるものと考えられる。
また、本発明の薄片状雲母粉末には、必要に応じて公知の表面処理を行なってもよい。このような表面処理としては、例えば、シリコーン処理、金属石鹸処理、脂肪酸処理、界面活性剤処理等の表面処理がある。あるいは、公知の方法により雲母表面に酸化チタン等を被覆したパール顔料とすることもできる。
本発明の薄片状雲母粉末を化粧料に配合すると、従来の一般的な薄片状雲母粉末を配合した場合に比べて、吸油性に優れているため、例えば、ファンデーション等のメーキャップ化粧料とした場合には、仕上がりや化粧持ちを向上することができ、また、これに加えて良好な光沢感や使用感を付与することもできる。
本発明の薄片状雲母粉末の化粧料への配合量は、特に限定されるものではないが、通常、化粧料全量中の1〜100質量%配合することができる。
本発明の薄片状雲母粉末を含む化粧料としては、フェーシャル化粧料、メーキャップ化粧料、ヘア化粧料等、広い範囲の化粧料とすることができ、特にメーキャップ化粧料、例えばファンデーション、粉白粉、アイシャドー、ブラッシャー、化粧下地、ネイルエナメル、アイライナー、マスカラ、口紅、フェイスパウダー等において好適である。また、化粧料の形態についても、粉末状、ケーキ状、ペンシル状、スティック状、軟膏状、液状、乳液状、クリーム状等、特に限定されない。
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。最初に、本発明で用いた物性値の測定方法および評価方法を以下に示す。
<メジアン粒子径>
レーザー回折式粒度分布測定装置((株)セイシン企業製:LMS−30)を用い、粉末試料のメジアン粒子径を測定した。
<平均厚み>
走査型電子顕微鏡(日本電子(株)製:JSM−7401F)を用い、粉末試料を傾斜観察することによって200個の粒子の厚みを測定し、平均値として算出した。
<アスペクト比>
メジアン粒子径/平均厚みとしてアスペクト比を算出した。
<嵩比重>
JIS K5101−12−1(見掛け密度:静置法)にしたがって測定した。粉末試料を目開き500μmのふるいの上から通過させて落とし、ふるいの下の回収容器に入れて、回収容器内の粉末試料を秤量し、粉末試料の質量(g)と体積(mL)から嵩比重(g/mL)を算出した。
<吸油量>
JIS K5101−13−1(吸油量:精製あまに油法)にしたがって測定した。ガラス板に粉末試料を2g測り取り、精製あまに油を徐々に加え、その都度、パレットナイフで精製あまに油を試料に練りこんだ。これを繰り返し、精製あまに油及び試料の塊ができるまで滴下を続け、以後、1滴ずつ滴下し、ペーストが滑らかな硬さ(割れたりぼろぼろになったりせずに広げられる程度、且つガラス板に軽く付着する程度)になったところを終点として、100gあたりに換算して吸油量を決定した。
<光沢>
白色台紙上に50×25mmの両面粘着テープを貼り付け、粉末試料を粘着面全体に塗布し、余剰の粉末試料を刷毛で払い除いた。光沢計(日本電色工業(株)製:PG−1)を用い、塗布面の光沢を測定した。入射−反射角は、60度−60度とした。なお、光沢計のゼロ点及びスパンの調整は、一連の測定毎に一回、測定前に必ず行った。スパンの調整は、光沢値94.6の反射板を使用した。
<のび(静・動摩擦係数)>
人工皮革(出光テクノファイン製;サプラーレ)に粉末試料を5mg/cmのせ、摩擦測定機(トリニティラボ製:TL201,荷重200g)を用い、シングルモード(片道測定)にて、静摩擦係数、平均動摩擦係数(MIU)を測定した。
実施例1
0.2mm程度に粗粉砕されたカリウム金雲母[KMg(AlSi10)F]50gを1000mLの水に分散させた後、超音波粉砕機(超音波工業(株)製;USH−300Z20S)により、超音波周波数20kHz、循環流量1000mL/minの条件で1時間湿式粉砕した。得られた微粉末を、自然沈降分級によりメジアン粒子径約6μmとなるように分級選別した。この第一段階の分級後の微粉末を乾燥後、さらにジェット粉砕ミル(ホソカワミクロン(株)製:TFG−400)を用いて、粉砕空気量1130Nm/h、粉砕ノズル個数3の条件で処理した。処理後の微粉末をさらにメジアン粒子径約5μmとなるように分級選別(第二段階の分級選別)し、実施例1の薄片状雲母粉末を得た。得られた薄片状雲母粉末の電子顕微鏡写真を図2に示す。
実施例2
実施例1の第一段階の分級選別においてメジアン粒子径約15μmとなるように分級選別したほかは、上記実施例1と同様にして、実施例2の薄片状雲母粉末を得た。実施例2の薄片状雲母粉末の電子顕微鏡写真を図3に示す。
実施例3
実施例1の第一段階の分級選別においてメジアン粒子径約20μmとなるように分級選別したほかは、上記実施例1と同様にして、実施例3の薄片状雲母粉末を得た。実施例3の薄片状雲母粉末の電子顕微鏡写真を図4に示す。
実施例4
実施例1の第一段階の分級選別においてメジアン粒子径約25μmとなるように分級選別したほかは、上記実施例1と同様にして、実施例4の薄片状雲母粉末を得た。
比較例1
実施例1の第一段階の分級選別において、メジアン粒子径を約6μmとなるように分級選別した薄片状雲母粉末を比較例1とした。なお、実施例1とは異なり、ジェット粉砕ミルによる処理、第二段階の分級選別工程は行なわなかった。比較例1の薄片状雲母粉末の電子顕微鏡写真を図5に示す。
比較例2
比較例1の第一段階の分級選別においてメジアン粒子径約12μmとなるように分級選別したほかは、上記比較例1と同様にして、比較例2の薄片状雲母粉末を得た。比較例2の薄片状雲母粉末の電子顕微鏡写真を図6に示す。
比較例3
比較例1の第一段階の分級選別においてメジアン粒子径約20μmとなるように分級選別したほかは、上記比較例1と同様にして、比較例3の薄片状雲母粉末を得た。比較例3の薄片状雲母粉末の電子顕微鏡写真を図7に示す。
比較例4
実施例1の第一段階の分級選別においてメジアン粒子径約3μmとなるように分級選別したほかは、上記実施例1と同様にして、ジェット粉砕ミル処理、第二段階の分級選別工程を経て、比較例4の薄片状雲母粉末を得た。
比較例5
実施例1の第一段階の分級選別においてメジアン粒子径約35μmとなるように分級選別したほかは、上記実施例1と同様にして、ジェット粉砕ミル処理、第二段階の分級選別工程を経て、比較例5の薄片状雲母粉末を得た
比較例6
実施例1の第一段階の分級選別で得られた微粉末を、さらに水に溶いて静置分級により上澄みだけを分級選別し、上記実施例1と同様にして、ジェット粉砕ミル処理、第二段階の分級選別工程を経て、得られたメジアン粒子径約6μm、平均厚み約0.06μmの薄片状雲母粉末を比較例6とした。
上記実施例1〜4および比較例1〜6の薄片状雲母粉末について、それぞれメジアン粒子径、平均厚み、アスペクト比、嵩比重を測定した結果を下記表1に、吸油量、光沢、のび(静摩擦係数・平均動摩擦係数)を測定した結果を下記表2に示す。
実施例1〜3の薄片状雲母粉末においては、図2〜4に示されるように、端部がカールした雲母粒子の存在が確認された。これに対して、従来法により製造された薄片状雲母粉末である比較例1〜3においては、図5〜7に示されるように、いずれの雲母粒子も、その端部まで平板状が保持されていた。
表1より、実施例1〜3と比較例1〜3とではメジアン粒子径が同程度であるにもかかわらず、実施例1〜3の嵩比重は、それぞれ対応する比較例1〜3の嵩比重の1/2〜2/3程度であった。これは、先に述べたとおり、実施例1〜3の薄片状粉末に、端部がカールした薄片状雲母粒子が含まれており、雲母粒子が密に積み重なることができないためと考えられる。
他方、実施例1と同様の製法を用い、メジアン粒子径を約3μmとした比較例4の薄片状雲母粉末は、端部がカールした雲母粒子が含まれているものの、むしろ実施例1と比べて嵩比重は大きくなってしまった。これは、粒子が細かくなりすぎてしまい、第二段階の分級工程後に微粉末を採取する乾燥工程にて粒子同士が凝集してしまったためと考えられる。また、メジアン粒子径を約35μmとした比較例5では、微粉化が十分でないため、端部がカールしていた雲母粒子が含まれていても嵩比重はあまり小さくならなかった。さらに、メジアン粒子径を6μmと細かくし、且つ平均厚みを0.06μmと非常に薄くした比較例6においても、比較例4と同様、乾燥工程にて微粒子の凝集が生じていると考えられ、かえって嵩比重が大きくなってしまった。
また、表2に示すように、実施例1〜4の薄片状雲母粉末の吸油量は80〜100mL/100gであり、従来品の比較例1〜3と比べて高い吸油量を示すことが確認された。他方、光沢については、実施例1〜4は比較例1〜3と同程度であり、良好な光沢感が保持されていた。なお、従来の高吸油性の雲母粉末は、表面凹凸や不定形として表面積を大きくすることで吸油性を高めていたため、通常の薄片状雲母粉末と比較して光沢感に劣っていた。これに対して、実施例1〜4の薄片状雲母粉末は、吸油量が改善されているにもかかわらず、従来品の薄片状雲母粉末と比較して同程度の光沢感を有していた。
また、実施例1〜4の薄片状雲母粉末ののびの評価は、比較例1〜3よりも良好であった。これは、実施例1〜4には端部がカールした薄片状雲母粒子が含まれているため、平板状のみの比較例1〜3の雲母粉末と比べて、粒子同士の接触面積が小さくなって粒子間の摩擦が少なくなったためと考えられる。
他方、比較例4〜6の薄片状雲母粉末は、端部がカールした薄片状雲母粒子が含まれているものの、吸油量が十分でなく、のびの評価もあまり良くなかった。この原因として、比較例4,6については、粒子が細かすぎて凝集を生じてしまい、より大きな径の不定形の二次粒子として振る舞うためと考えられる。また、比較例5については、メジアン粒子径が大きすぎることで粒子の厚みが増し、実施例と同様の製法によっても端部がカールした粒子が生じ難くなり、従来の平板状粒子のみからなる雲母粉末と同様、粒子同士の接触抵抗が大きくなってしまったためと考えられる。
つづいて、上記実施例とは異なる雲母原料を用いて、以下に示す薄片状雲母粉末を作成した。
実施例5
0.2mm程度に粗粉砕された天然マイカ50gを雲母原料として用いたほかは、上記実施例1と同様にして、実施例5の薄片状雲母粉末を得た。
実施例6
0.2mm程度に粗粉砕されたカリウム四ケイ素雲母[KMg2 1/2(Si10)F]50gを雲母原料として用い、実施例1の第一段階の分級選別においてメジアン粒子径約10μmとなるように分級選別したほかは、上記実施例1と同様にして、実施例6の薄片状雲母粉末を得た。
上記実施例5,6の薄片状雲母粉末について、それぞれメジアン粒子径、平均厚み、アスペクト比、嵩比重を測定した結果を下記表3に、吸油量、光沢、のび(静摩擦係数・平均動摩擦係数)を測定した結果を下記表4に示す。
表3より、雲母原料として天然マイカを用いた実施例5,カリウム四ケイ素雲母を用いた実施例6のいずれにおいても、端部がカールした雲母粒子を含む薄片状雲母粉末が得られ、嵩比重が0.062〜0.093g/mLと軽いものであった。また、表4に示すように、これら実施例5,6の薄片状雲母粉末の吸油量は80mL/100gと高く、且つ比較的良好な光沢が得られた。さらに、のびの評価についても良好な結果が得られた。
以下、本発明の薄片状雲母を配合した化粧料の処方例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、配合量はいずれも質量%である。
処方例1 パウダーファンデーション
実施例1の薄片状雲母粉末 60
酸化チタン 7
シリコーン処理酸化チタン 10
白雲母 8
ナイロンパウダー 2
赤色酸化鉄 0.5
黄色酸化鉄 1
黒色酸化鉄 0.1
シリコーンオイル 1
パルミチン酸2−エチルヘキシル 9
セスキオレイン酸ソルビタン 1
防腐剤 0.3
香料 0.1
処方例2 ルースパウダー
実施例2の薄片状雲母粉末 95
タルク 4
香料 1
酸化鉄顔料 適量
処方例3 乳化ファンデーション
実施例3の薄片状雲母粉末 3
ステアリン酸 0.4
イソステアリン酸 0.3
2−エチルヘキサン酸セチル 4
流動パラフィン 11
ポリオキシエチレン(10)ステアリルエーテル 2
タルク 15
顔料 4
セチルアルコール 0.3
防腐剤 0.07
トリエタノールアミン 0.42
プロピレングリコール 5
防腐剤 0.02
イオン交換水 54.19
香料 0.3

Claims (5)

  1. 端部がカールした薄片状雲母粒子を含み、
    粉末全体のメジアン粒子径が5〜30μm、平均厚みが0.05〜0.35μmであり、かつ嵩比重が0.05〜0.10g/mLであることを特徴とする薄片状雲母粉末。
  2. 吸油量が80〜120mL/100gである請求項1に記載の薄片状雲母粉末。
  3. メジアン粒子径が7〜25μm、平均厚みが0.1〜0.3μmである請求項1又は2に記載の薄片状雲母粉末。
  4. 嵩比重が0.05〜0.09g/mLである請求項1から3のいずれかに記載の薄片状雲母粉末。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載の薄片状雲母粉末を含有することを特徴とする化粧料。
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