JP2016073144A - 電力変換装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】同一の筐体内に収納したパワーモジュールによる電子部品の温度上昇を、冷却ファンを使用することなく抑制することができる電力変換装置を提供すること。【解決手段】パワーモジュール20、及び、コンデンサ30等の電子部品を収納した筐体10は、一方面11aに放熱フィン11bを有し、他方面11cにパワーモジュール20を載置するケース底面11と、ケース底面11に高熱抵抗層12dを介して接合され、パワーモジュール20及び電子部品を覆うケース本体12と、フランジ13aをケース底面11に接合し、第1空間13bをあけてパワーモジュール20を覆う低熱抵抗の第1蓋部材13と、周縁部14aをケース本体12に接合し、第2空間14bをあけて第1蓋部材13を覆い、且つ、第2空間14bと反対側の上面14cに電子部品を載置する低熱抵抗の第2蓋部材14と、を備えた構成とした。【選択図】図2

Description

本発明は、スイッチング素子を有するパワーモジュールと、このスイッチング素子を制御する電子部品と、を同一の筐体内に収納した電力変換装置に関する発明である。
従来、スイッチング素子を有するパワーモジュールと、このスイッチング素子を制御する電子部品と、を同一の筐体内に収納したとき、スイッチング素子が発する熱による電子部品の昇温を防止するために筐体内に冷却ファンを設け、この冷却ファンを用いた強制空冷によってパワーモジュールの熱を放熱させる電力変換装置が知られている(例えば、特許文献1,2参照)。
実開平4-124806号公報 特開2011-97824号公報
しかしながら、従来の電力変換装置のように、強制空冷によって電子部品の昇温を防止するには冷却ファンが不可欠であり、この冷却ファンを使用することによる諸問題、すなわち、製造コストの上昇や装置の大型化、冷却ファンの信頼性課題の考慮が必要といった問題が生じていた。
さらに、強制空冷を行うためには筐体の内外で空気の出入りが必要であり、筐体に空気穴を設ける必要があった。そのため、この空気穴から筐体内に湿気や塵埃が侵入し、パワーモジュールや電子部品に不具合が生じる懸念があった。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、同一の筐体内に収納したパワーモジュールによる電子部品の温度上昇を、冷却ファンを使用することなく抑制することができる電力変換装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の電力変換装置は、通電により発熱するスイッチング素子を有するパワーモジュールと、前記スイッチング素子を制御する電子部品と、を同一の筐体内に収納し、この筐体は、ケース底面と、ケース本体と、第1蓋部材と、第2蓋部材と、を備えている。
前記ケース底面は、一方面に放熱構造を有し、他方面に前記パワーモジュールを載置する。
前記ケース本体は、前記ケース底面に対して高熱抵抗層を介して接合され、前記ケース底面に載置されたパワーモジュール及びその上方に配置される前記電子部品を覆う。
前記第1蓋部材は、低熱抵抗材によって形成されると共に、前記ケース底面と前記ケース本体に囲まれた空間内に配置される。また、周縁部を前記ケース底面に接合すると共に、第1空間を介して前記パワーモジュールを覆う。
前記第2蓋部材は、低熱抵抗材によって形成されると共に、前記ケース底面と前記ケース本体内に囲まれた空間内に配置される。また、周縁部を前記ケース本体に接合すると共に、第2空間を介して前記第1の蓋部材を覆い、且つ、前記第2空間と反対側の面に前記電子部品を載置する。
よって、本発明の電力変換装置では、パワーモジュールから発生した熱の大半を、ケース底面から放熱構造を介して放熱することができる。また、放熱構造から放熱されなかった熱は、第1空間を介して第1蓋部材へと伝わるが、第1空間の熱抵抗が高いため、第1蓋部材へと伝わる熱を抑制することができる。
また、第1蓋部材を低熱抵抗材によって形成したことで、第1蓋部材へ伝わった熱は、この第1蓋部材が接合したケース底面へと速やかに伝達された後、放熱構造を介して放熱される。このため、第1蓋部材の温度が高くなることを防止すると共に、ケース本体の昇温を抑制することができる。
さらに、この第1蓋部材によってパワーモジュールを覆っているので、ケース本体内に生じる対流を制限することができる。そのため、第1空間と第2空間の熱抵抗を向上させ、電子部品に対するパワーモジュールの熱影響をさらに抑制することができる。
そして、第1蓋部材と第2蓋部材の間に熱抵抗の高い第2空間を介在させたことで、第1蓋部材から第2蓋部材へと伝わる熱を制限することができ、第2蓋部材に載置した電子部品の温度上昇を抑制することができる。また、この第2蓋部材を低温のケース本体に接合したことで第2蓋部材の昇温を抑制し、電子部品の温度上昇をさらに抑制することができる。
この結果、同一の筐体内に収納したパワーモジュールによる電子部品の温度上昇を、冷却ファンを使用することなく抑制することができる。
実施例1の電力変換装置の外観を示す全体斜視図である。 図1におけるA−A断面図である。 図2におけるB−B断面図である。 第1比較例の電力変換装置を示す要部断面図である。 第2比較例の電力変換装置を示す要部断面図である。 第3比較例の電力変換装置を示す要部断面図である。 実施例2の電力変換装置を示す要部断面図である。 実施例3の電力変換装置を示す要部断面図である。
以下、本発明の電力変換装置を実施するための形態を、図面に示す実施例1〜実施例3に基づいて説明する。
(実施例1)
まず、構成を説明する。
図1は、実施例1の電力変換装置の外観を示す全体斜視図である。図2は、図1におけるA−A断面図である。図3は、図2におけるB−B断面図である。以下、図1〜図3に基づき、実施例1の電力変換装置の構成を説明する。
実施例1の電力変換装置1は、例えば、自動車に搭載される三相電圧型PWM(pulse Width Modulation)インバータ等である。なお、この実施例1における自動車は、ハイブリッド自動車と電気自動車を含む。
この電力変換装置1は、図1に示すように、筐体10と、この筐体10に内蔵されたパワーモジュール20及び電子部品(ここでは、コンデンサ30と駆動制御回路31)と、を備えている。
前記筐体10は、図2及び図3に示すように、ケース底面11と、ケース本体12と、第1蓋部材13と、第2蓋部材14と、を備えている。
前記ケース底面11は、熱伝導性の高い低熱抵抗材(アルミニウムなどの金属等)により形成された平板部材である。このケース底面11は、一方面11aに多数の放熱フィン11b(放熱構造)が形成されている。また、このケース底面11の他方面11cの中央位置には、ここでは3個のパワーモジュール20が載置され、ケース底面11とパワーモジュール20とが直接接触している。さらに、このケース底面11の周縁部近傍位置には、複数のボルト穴(不図示)が形成されている。
前記ケース本体12は、熱伝導性の高い低熱抵抗材(アルミニウムなどの金属等)により形成された中空箱状部品であり、ケース底面11から起立する側面12aと、ケース底面11に対向する上面12bと、側面12aに囲まれると共にケース底面11に対向した開口12cと、を有している。そして、開口12cは、熱伝導性の低い高熱抵抗層(ゴムやグラスウールなどの断熱材等)12dを介して、ケース底面11に接合されている。ここでは、図1に示すように、側面12aからケース底面11に沿って突出した複数の取付用フランジ12e及びケース底面11に形成されたボルト穴を貫通するボルトBと、ケース底面11の一方面11a側でボルトBと螺合するナットNによって固定される。さらに、取付用フランジ12eとケース底面11の間には、断熱性を有するOリング12fが介装されている。
そして、ケース底面11に対してケース本体12が接合されることで、このケース本体12は、側面12a及び上面12bによって、ケース底面11に載置されたパワーモジュール20及びその上方に配置される電子部品(コンデンサ30と駆動制御回路31)が覆われる。すなわち、パワーモジュール20及び電子部品(コンデンサ30と駆動制御回路31)は、ケース底面11とケース本体12によって形成された閉空間に内蔵される。
なお、「高熱抵抗層12d」は、ケース底面11やケース本体12に対して相対的に熱抵抗が高い層であり、ケース底面11とケース本体12との間の熱移動を阻害する程度の熱抵抗(断熱性)を有している。
前記第1蓋部材13は、熱伝導性の高い低熱抵抗材(アルミニウムなどの金属等)により形成された断面ハット型の中空箱状部品である。この第1蓋部材13は、周縁部に形成されたフランジ13aがパワーモジュール20を取り囲む位置で、ケース底面11に溶接等で接合されている。そして、この第1蓋部材13は、第1空間13bをあけてパワーモジュール20を覆っている。
なお、この第1蓋部材13には、後述する電源線16や信号線17等の接続電極が貫通する貫通孔13cが複数形成されている。
前記第2蓋部材14は、熱伝導性の高い低熱抵抗材(アルミニウムなどの金属等)により形成された平板部材であり、周縁部14aが第1蓋部材13とケース本体12の上面12bの間で、ケース本体12の側面12aに溶接等で接合されている。これにより、この第2蓋部材14は、第2空間14bをあけて第1蓋部材13を覆っている。
そして、この第2蓋部材14の第2空間14bとは反対側の上面14cには、電子部品(コンデンサ30と駆動制御回路31)が載置されている。また、この第2蓋部材14の第2空間14b側の下面14dには、パワーモジュール20と電子部品であるコンデンサ30を電気的に接続する金属製のバスバ電極15が設けられている。ここで、バスバ電極15は、第2蓋部材14の下面14dに沿って配設されると共に、周囲をエポキシ樹脂等の絶縁材15aによって覆われている。このとき、絶縁材15aは第2蓋部材14に接触するように配設される。このため、第2蓋部材14とバスバ電極15との間には、絶縁材15aが介装されることになる。
なお、この第2蓋部材14には、後述する電源線16や信号線17等の接続電極が貫通する貫通孔14eが複数形成されている。また、第1蓋部材13と第2蓋部材14の間に設けられた第2空間14bは、大気圧よりも圧力が低い減圧空間となっている。
前記パワーモジュール20は、通電により発熱するスイッチング素子20a等(図3参照)が内蔵された筐体部品であり、ここでは、図2に示すように、ケース底面11上に互いに間隔をあけて3個載置されている。
なお、各パワーモジュール20は、図示しない固定手段によってケース底面11に固定されている。また、スイッチング素子20aとしては、例えばSic(シリコンカーバイド)素子により、ジャンクション温度が最高温度200℃〜250℃程度の高温動作が可能な半導体素子が用いられる。
前記電子部品、ここではコンデンサ30及び駆動制御回路31は、パワーモジュール20を駆動制御する部品であり、他にも回路基板やフォトカップラ、平滑コンデンサ、電流センサ等がある。ここでは、図3に示すように、第2蓋部材14上に互いに間隔をあけて載置されている。
この電子部品(コンデンサ30及び駆動制御回路31)は、パワーモジュール20内のスイッチング素子20aよりも許容耐熱温度が低く、例えば150℃以下の許容耐熱温度となっている。
そして、パワーモジュール20内のスイッチング素子20a等と、電子部品であるコンデンサ30とは、電源線16(接続電極)によって電気的に接続されている。なお、ここでは、電源線16は、バスバ電極15を介してスイッチング素子20a等とコンデンサ30を接続している。また、バスバ電極15は、高電位電極と低電位電極からなり、図3では高電位電極が電源線16に接続していることを示しているが、バスバ電極15の低電位電極も、不図示の電源線に接続してスイッチング素子20a等とコンデンサ30を接続している。
また、パワーモジュール20内のスイッチング素子20a等と、電子部品である駆動制御回路31とは、信号線17(接続電極)によって電気的に接続されている。
そして、前記電源線16及び前記信号線17は、それぞれケース本体12の側面12aの近傍位置、つまり、ケース底面11の周縁部近傍位置に配設され、それぞれ貫通孔13cと貫通孔14eを貫通する。さらに、この電源線16及び信号線17は、絶縁被覆18によって覆われると共に、ケース本体12の側面12aとの間に絶縁材19が充填される。これにより、ケース本体12と電源線16及び信号線17の間に絶縁材19が介装される。
次に、作用を説明する。
まず、「第1比較例の電力変換装置における構成と課題」、「第2比較例の電力変換装置における構成と課題」、「第3比較例の電力変換装置における構成と課題」をそれぞれ説明し、続いて、実施例1の電力変換装置における放熱作用を説明する。
[第1比較例の電力変換装置における構成と課題]
図4は、第1比較例の電力変換装置を示す要部断面図である。以下、図4に基づき、第1比較例の電力変換装置における構成と課題を説明する。
第1比較例の電力変換装置40は、図4に示すように、ケース底面41aと、周縁部がこのケース底面41aに直接接合されたケース本体41bと、からなる筐体41と、この筐体41に内蔵されたパワーモジュール20及び電子部品であるコンデンサ30等と、を備えている。
ここで、筐体41は、低熱抵抗材によって形成されると共に、ケース底面41aの外側に多数の放熱フィン41cが形成されている。また、ケース底面41aの内側には、パワーモジュール20が載置されている。
そして、筐体41内には、ケース底面41aから起立し、第1空間42aをあけてパワーモジュール20を覆う第1蓋部材42が設けられている。この第1蓋部材42の第1空間42aと反対側の上面42bには、コンデンサ30が載置されている。
このような第1比較例の電力変換装置40において、パワーモジュール20内のスイッチング素子(不図示)が発熱し、パワーモジュール20から熱が発生すると、この熱は、まず、パワーモジュール20が載置された筐体41のケース底面41aに伝達され、放熱フィン41cを介して放熱される。一方、ケース底面41aに伝達されなかった熱は、第1空間42aに伝わった後、第1蓋部材42に伝達され、この第1蓋部材42を加熱する。
ここで、第1空間42aは、大気であるために熱抵抗が高く、パワーモジュール20からの熱流を制限する。しかし、パワーモジュール20への通電が長時間継続すれば、熱流自体は小さくても、第1蓋部材42は昇温する。そのため、この第1蓋部材42の上面42bに載置されたコンデンサ30に熱が伝達され、コンデンサ30は昇温してしまう。
なお、この第1比較例では、第1蓋部材42が、パワーモジュール20が載置されたケース底面41aに対して直接接合されており、第1蓋部材42から放熱フィン41cが形成されたケース底面41aへと熱の伝達が可能になっている。しかしながら、ケース底面41aは、パワーモジュール20が載置されていることから、比較的高温になってしまい、第1蓋部材42の熱をケース底面41aへと伝達することは難しい。そのため、第1蓋部材42は、ほとんど温度降下することはない。
この結果、第1比較例の電力変換装置40では、同一の筐体41内に収納したパワーモジュール20によるコンデンサ30(電子部品)の温度上昇を抑制することが難しかった。
[第2比較例の電力変換装置における構成と課題]
図5は、第2比較例の電力変換装置を示す要部断面図である。以下、図5に基づき、第2比較例の電力変換装置における構成と課題を説明する。
第2比較例の電力変換装置50は、図5に示すように、ケース底面51aと、周縁部がこのケース底面51aに直接接合されたケース本体51bと、からなる筐体51と、この筐体51に内蔵されたパワーモジュール20及び電子部品であるコンデンサ30等と、を備えている。
ここで、筐体51は、低熱抵抗材によって形成されると共に、ケース底面51aの外側に多数の放熱フィン51cが形成されている。また、ケース底面51aの内側には、パワーモジュール20が載置されている。
そして、筐体51内には、ケース底面51aから起立し、第1空間52aをあけてパワーモジュール20を覆う第1蓋部材52と、ケース底面51aから起立し、第2空間53aをあけて第1蓋部材52を覆う第2蓋部材53と、が設けられている。さらに、この第2蓋部材53の第2空間53aと反対側の上面53bには、コンデンサ30が載置されている。
このような第2比較例の電力変換装置50において、パワーモジュール20内のスイッチング素子(不図示)が発熱し、パワーモジュール20から熱が発生すると、この熱は、まず、パワーモジュール20が載置された筐体51のケース底面51aに伝達され、放熱フィン51cを介して放熱される。一方、ケース底面51aに伝達されなかった熱は、第1空間52aに伝わった後、第1蓋部材52に伝達され、この第1蓋部材52を加熱する。
ここで、第1空間52aは、大気であるために熱抵抗が高く、パワーモジュール20からの熱流を制限する。しかし、パワーモジュール20への通電が長時間継続すれば、熱流自体は小さくても、第1蓋部材52は昇温する。そして、第1蓋部材52の温度が上がれば、熱が第2空間53aに伝わった後、第2蓋部材53へと伝達される。
また、この第2比較例では、第2蓋部材53は、パワーモジュール20の載置されたことで、比較的高温になってしまうケース底面51aに直接接合されている。そのため、第2蓋部材53の熱をケース底面51aに形成された放熱フィン51cから放熱することは難しく、第2蓋部材53を降温させることができない。すなわち、パワーモジュール20が載置されたケース底面51aと、第2蓋部材53は、ほぼ同じ温度になってしまう。その結果、第2蓋部材53の上面53bに載置されたコンデンサ30に熱が伝達され、コンデンサ30は昇温してしまう。
これにより、第2比較例の電力変換装置50であっても、同一の筐体51内に収納したパワーモジュール20によるコンデンサ30(電子部品)の温度上昇を抑制することが難しかった。
[第3比較例の電力変換装置における構成と課題]
図6は、第3比較例の電力変換装置を示す要部断面図である。以下、図6に基づき、第3比較例の電力変換装置における構成と課題を説明する。
第3比較例の電力変換装置60は、図6に示すように、ケース底面61aと、周縁部がこのケース底面61aに直接接合されたケース本体61bと、からなる筐体61と、この筐体61に内蔵されたパワーモジュール20及び電子部品であるコンデンサ30等と、を備えている。
ここで、筐体61は、低熱抵抗材によって形成されると共に、ケース底面61aの外側に多数の放熱フィン61cが形成されている。また、ケース底面61aの内側には、パワーモジュール20が載置されている。
そして、筐体61内には、周縁部がケース本体61bに接合され、第1空間62aをあけてパワーモジュール20を覆う第1蓋部材62と、周縁部がケース本体61bに接合され、第2空間63aをあけて第1蓋部材62を覆う第2蓋部材63と、が設けられている。さらに、この第2蓋部材63の第2空間63aと反対側の上面63bには、コンデンサ30が載置されている。
このような第3比較例の電力変換装置60において、パワーモジュール20内のスイッチング素子(不図示)が発熱し、パワーモジュール20から熱が発生すると、この熱は、まず、パワーモジュール20が載置された筐体61のケース底面61aに伝達され、放熱フィン61cを介して放熱される。一方、ケース底面61aに伝達されなかった熱は、第1空間62aに伝わった後、第1蓋部材62に伝達され、この第1蓋部材62を加熱する。
ここで、第1空間62aは、大気であるために熱抵抗が高く、パワーモジュール20からの熱流を制限する。しかし、パワーモジュール20への通電が長時間継続すれば、熱流自体は小さくても、第1蓋部材62は昇温する。また、この第1蓋部材62は、周縁部がケース本体61bに接合されているため、第1蓋部材62からの熱流でケース本体61bが昇温する。一方、このケース本体61bには、第2蓋部材63の周縁部も接合されている。
そのため、ケース本体61bを介して、第1蓋部材62からの熱流が第2蓋部材63へと伝達されることになり、第2蓋部材63は第1蓋部材62とほぼ同じ温度になってしまう。その結果、第2蓋部材63の上面63bに載置されたコンデンサ30に熱が伝達され、コンデンサ30は昇温してしまう。
これにより、第3比較例の電力変換装置60であっても、同一の筐体61内に収納したパワーモジュール20によるコンデンサ30(電子部品)の温度上昇を抑制することが難しかった。
[実施例1の電力変換装置における放熱作用]
実施例1の電力変換装置1では、上述のように、同一の筐体10にパワーモジュール20と、電子部品であるコンデンサ30及び駆動制御回路31が内蔵されている。そして、一方面11aに多数の放熱フィン11bが形成された筐体10のケース底面11に、発熱するパワーモジュール20が載置され、このパワーモジュール20が、筐体10内に内蔵された第1蓋部材13によって第1空間13bをあけて覆われている。さらに、第1蓋部材13との間に第2空間14bをあけて第2蓋部材14を設け、この第2蓋部材14上に電子部品(コンデンサ30及び駆動制御回路31)を載置している。
ここで、ケース底面11とケース本体12の間には、高熱抵抗層12dが介装され、ケース底面11とケース本体12との間の熱の伝達が遮断されている。また、第1蓋部材13は、ケース底面11に接合され、放熱フィン11bが形成されたケース底面11へと熱の伝達が可能となっている。そして、第2蓋部材14は、ケース本体12の側面12aに接合され、ケース本体12への熱の伝達が可能となっている。
このような実施例1の電力変換装置1において、パワーモジュール20内のスイッチング素子20aに通電すると、このスイッチング素子20aが発熱する。この熱は、まず、パワーモジュール20が載置された筐体10のケース底面11に伝達され、放熱フィン11bを介して放熱される。一方、ケース底面11に伝達されなかった熱は、第1空間13bに伝わった後、第1蓋部材13に伝達される。
ここで、第1空間13bにおける熱抵抗は、空間の熱抵抗であるため、低熱抵抗材である金属等と比べて、熱抵抗の値が相当大きい。そのため、この第1空間13bを流れる熱流、すなわち第1蓋部材13に達する熱流自体は大きくならず、第1蓋部材13へと達する熱流の大きさを制限することができる。
また、第1蓋部材13はパワーモジュール20と比較的近接して対向していると共に、第1蓋部材13からの熱流の下流側にある第2空間14bが高熱抵抗であることから、第1蓋部材13は、パワーモジュール20の加熱の影響で高温になる。そのため、第1空間13bにパワーモジュール20から入力する熱の温度と、第1空間13bから第1蓋部材13へ出力する熱の温度との温度差は、さほど大きくならない。しかも、第1空間13bが高熱抵抗であるために、温度差や熱抵抗で表される熱流は、大きな値になることはない。
そして、第1空間13bを流れる熱流を制限することで、第1蓋部材13の温度上昇勾配を抑え、第1蓋部材13の昇温を抑制することができる。
また、第1蓋部材13を低熱抵抗材によって形成したことで、パワーモジュール20への通電が長時間継続しても、この第1蓋部材13の温度が極端な高温になることを防止できる。
すなわち、この第1蓋部材13は、パワーモジュール20を取り囲む位置でケース底面11に接合されており、この第1蓋部材13とケース底面11との接合位置は、パワーモジュール20内のスイッチング素子20aから比較的離れた位置になっている。ここで、スイッチング素子20aから離れたパワーモジュール20を取り囲む位置は、ケース底面11の中では比較的低温である。また、第1蓋部材13が低熱抵抗材によって形成されており、熱抵抗が低くなっている。そのため、第1蓋部材13に達した熱流をケース底面11へと逃がすことができ、第1蓋部材13の温度を、比較的低温のケース底面11の周縁部の温度程度に抑えることができる。これにより、ケース本体12へ流れる熱流を小さくすることができ、ケース本体12の昇温を抑制することができる。
さらに、パワーモジュール20を第1蓋部材13によって覆ったことで、パワーモジュール20が発熱することで筐体10内に生じる対流を制限することができ、第1空間13b及び第2空間14bの熱抵抗をさらに向上することができる。
つまり、パワーモジュール20の熱によって熱せられた空気は対流する。ここで、実施例1では、パワーモジュール20を第1蓋部材13で覆うことで、この対流を第1空間13bの内部に留めることができ、熱せられた熱くなった空気が第2蓋部材14に直接接触することはない。これにより、パワーモジュール20から第2蓋部材14へと伝わる熱流を抑え、等価的に第1空間13b及び第2空間14bの熱抵抗をさらに向上することができる。この結果、第2蓋部材14の昇温を防止することができる。
そして、第2蓋部材14の昇温を防止することで、この第2蓋部材14上に載置された電子部品(コンデンサ30及び駆動制御回路31)の温度上昇を抑制することができる。
なお、第2蓋部材14は、上述のようにパワーモジュール20から伝達される熱流がそもそも小さくなっていて、昇温が防止されている。そのため、第2蓋部材14における温度降下の分布、すなわち第2蓋部材14の中央部分と周縁部分との温度差を小さくすることができる。
これにより、電子部品(コンデンサ30等)と第2蓋部材14との接触面積が広く、第2蓋部材14の中央部分の熱抵抗が比較的高くなっていても、この第2蓋部材14の中央部分の加熱を抑制し、第2蓋部材14の昇温を防止することができる。
その上、この実施例1では、この第2蓋部材14をケース本体12の側面12aに接合している。ここで、ケース本体12は、パワーモジュール20が載置されたケース底面11に対して、高熱抵抗層12dを介して接合されており、ケース本体12はパワーモジュール20の熱によって昇温するケース底面11の熱影響を受けずに、温度が高くなりにくい。そのため、このような温度が高くなりにくいケース本体12に対し、低熱抵抗材によって形成された第2蓋部材14から熱流を速やかに逃がすことができ、さらにこの第2蓋部材14の昇温を抑制することができる。
以上説明したように、冷却ファンを用いた強制空冷でなくとも、パワーモジュール20が高温状態で駆動したときの、電子部品(コンデンサ30等)の温度上昇を抑制することができる。
そして、冷却ファンを不要にすることで、製造コストの圧縮、装置の小型化、冷却ファンの信頼性課題への考慮の不要化、といったことを図ることができ、冷却ファンを使用することによる諸問題を解決することができる。
さらに、筐体の内外で空気の出入りが不要であるため、筐体10を密閉することができて、筐体10内に湿気や塵埃が侵入し、パワーモジュール20や電子部品(コンデンサ30等)に不具合が生じることを防止できる。
また、この実施例1の電力変換装置1では、パワーモジュール20が発した熱を速やかに放熱すると共に、電子部品(コンデンサ30等)へと達する熱流を抑制し、しかもこの電子部品を載置した第2蓋部材14から熱流を速やかに逃がす。そのため、電気的安定動作を期すために、パワーモジュール20と電子部品(コンデンサ30等)を近接して配置しても、電子部品(コンデンサ30等)の温度上昇を抑制することができる。これにより、パワーモジュール20と電子部品(コンデンサ30等)の間に、熱影響を抑えるための余計なスペースを空ける必要がなくなり、装置の小型化を図ることができる。また、電気的動作を損なうことを防止できる。
さらに、この実施例1の電力変換装置1では、第2空間14bを大気圧よりも圧力が低い減圧空間としている。そのため、第2空間14b内に生じる対流を抑え、この第2空間14bにおける熱抵抗をさらに向上することができる。そして、第1蓋部材13から第2蓋部材14へ伝わる熱流を一層小さくすることができ、電子部品(コンデンサ30等)の昇温をさらに防止することができる。
また、この実施例1では、第2蓋部材14の第2空間14b側の面である下面14dに沿って、金属製のバスバ電極15を設けている。そのため、このバスバ電極15を介して、第2蓋部材14の熱抵抗を低下させることができ、第2蓋部材14における熱抵抗の低下効果をさらに大きくすることができる。
なお、このバスバ電極15は、発熱するパワーモジュール20に電気的に接続されているので、パワーモジュール20からの熱が直接伝わってくる。これに対し、実施例1では、このバスバ電極15を、第2蓋部材14の下面14dに設けたことで、第2蓋部材14の上面14cに載置された電子部品(コンデンサ30等)とは反対側に配置することができる。つまり、電子部品(コンデンサ30等)とバスバ電極15との間に、第2蓋部材14を介装することができる。そのため、バスバ電極15がパワーモジュール20の熱影響を受けても、電子部品(コンデンサ30等)に対する熱影響を防止して昇温を抑えることができる。
さらに、実施例1では、バスバ電極15を覆う絶縁材15aが第2蓋部材14に接触し、第2蓋部材14とバスバ電極15との間に絶縁材15aが介装されている。そのため、この絶縁材15aによって第2蓋部材14とバスバ電極15の間の熱抵抗を、例えば空間があいている場合と比べて下げることができ、第2蓋部材14における熱抵抗の低下効果が損なわれることを防止できる。
そして、この実施例1では、筐体10の内部にパワーモジュール20と電子部品(コンデンサ30)を電気的に接続すると共に、第1蓋部材13及び第2蓋部材14をそれぞれ貫通する電源線16を設けている。ここで、電源線16がパワーモジュール20に電気的に接続したことで、この電源線16を介してパワーモジュール20からの熱流が電子部品(コンデンサ30)に流れてくる。これに対し、実施例1では、この電源線16をケース本体12の側面12aの近傍位置に配設したことで、電源線16に伝わった熱をケース本体12へと放熱することができる。そして、この電源線16を介してパワーモジュール20から電子部品(コンデンサ30)へと伝わる熱を抑制し、電子部品(コンデンサ30)の昇温を防止することができる。
なお、電源線16自体は、細く長い金属である。そのため、電源線16の熱抵抗は大きくなり、この電源線16を流れる熱流を抑えることができる。そのため、電源線16からケース本体12に伝わる熱は小さく、ケース本体12がこの電源線16からの熱によって大幅に昇温することはない。
しかも、この実施例1では、電源線16を絶縁被覆18で覆った上、電源線16とケース本体12の間に絶縁材19を充填している。これにより、ケース本体12に対する電気的な絶縁を確保した上で、ケース本体12の側面12aへの放熱を可能とすることができる。
なお、パワーモジュール20と電子部品(駆動制御回路31)を電気的に接続すると共に、第1蓋部材13及び第2蓋部材14をそれぞれ貫通する信号線17についても、上述の電源線16と同様に、ケース本体12の側面12aの近傍位置に配設したことで、信号線17に伝わった熱をケース本体12へと放熱することができる。
この結果、信号線17を介してパワーモジュール20から電子部品(駆動制御回路31)へと伝わる熱を抑制し、電子部品(駆動制御回路31)の昇温を防止することができる。
次に、効果を説明する。
実施例1の電力変換装置にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
(1) 通電により発熱するスイッチング素子20aを有するパワーモジュール20と、前記スイッチング素子20aを制御する電子部品(コンデンサ30,駆動制御回路31)と、を同一の筐体10に収納した電力変換装置1において、
前記筐体10は、一方面11aに放熱構造(放熱フィン11b)を有し、他方面11cに前記パワーモジュール20を載置するケース底面11と、
前記ケース底面11に対して高熱抵抗層12dを介して接合され、前記ケース底面11に載置されたパワーモジュール20及びその上方に配置される前記電子部品(コンデンサ30,駆動制御回路31)を覆うケース本体12と、
前記ケース底面11と前記ケース本体12によって形成された空間内に配置され、周縁部(フランジ13a)を前記ケース底面11に接合すると共に、第1空間13bをあけて前記パワーモジュール20を覆う低熱抵抗材によって形成された第1蓋部材13と、
前記ケース底面11と前記ケース本体12によって形成された空間内に配置され、周縁部14aを前記ケース本体12に接合すると共に、第2空間14bをあけて前記第1蓋部材13を覆い、且つ、前記第2空間14bと反対側の面(上面14c)に前記電子部品(コンデンサ30,駆動制御回路31)を載置する低熱抵抗材によって形成された第2蓋部材14と、
を備えた構成とした。
これにより、同一の筐体10内に収納したパワーモジュール20による電子部品(コンデンサ30等)の温度上昇を、冷却ファンを使用することなく抑制することができる。
(2) 前記筐体10は、前記第2空間14bを減圧空間とする構成とした。
これにより、(1)の効果に加え、第2空間14b内に生じる対流を抑えることでこの第2空間14bの熱抵抗を向上し、電子部品(コンデンサ30等)の昇温をさらに防止することができる。
(3) 前記筐体10は、前記第2蓋部材14の第2空間14b側の面(下面14d)に沿って、前記パワーモジュール20と前記電子部品(コンデンサ30)を電気的に接続するバスバ電極15を設けた構成とした。
これにより、(1)又は(2)の効果に加え、バスバ電極15を介して第2蓋部材14の熱抵抗を低下させることができ、第2蓋部材14における熱抵抗の低下効果をさらに大きくすることができる。
(4) 前記第2蓋部材14と前記バスバ電極15の間に、絶縁材15aを介装した構成とした。
これにより、(3)の効果に加え、第2蓋部材14とバスバ電極15の間の熱抵抗を、例えば空間があいている場合と比べて下げることができ、第2蓋部材14における熱抵抗の低下効果が損なわれることを防止できる。
(5) 前記筐体10の内部に、前記パワーモジュール20と前記電子部品(コンデンサ30,駆動制御回路31)を電気的に接続すると共に、前記第1蓋部材13及び前記第2蓋部材14を貫通する接続電極(電源線16,信号線17)を設け、
前記接続電極(電源線16,信号線17)を、前記ケース本体12の近傍位置に配置した構成とした。
これにより、(1)から(4)のいずれかの効果に加え、接続電極(電源線16,信号線17)に伝わった熱をケース本体12へと放熱することで、接続電極(電源線16,信号線17)を介してパワーモジュール20から電子部品(コンデンサ30)へと伝わる熱を抑制し、電子部品(コンデンサ30)の昇温を防止することができる。
(6) 前記ケース本体12と前記接続電極(電源線16,信号線17)の間に、絶縁材19を介装する構成とした。
これにより、(5)の効果に加え、ケース本体12に対する電気的な絶縁を確保した上で、ケース本体12の側面12aへの放熱を可能とすることができる。
(実施例2)
実施例2は、筐体内部に形成した第2空間に高熱抵抗材を充填した例である。
図7は、実施例2の電力変換装置を示す要部断面図である。以下、図7に基づき、実施例2の電力変換装置の構成を説明する。なお、実施例1と同様の部分については、同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
実施例2の電力変換装置1Aは、図7に示すように、筐体10Aと、この筐体10Aに内蔵されたパワーモジュール20及び電子部品(ここでは、コンデンサ30と駆動制御回路31)と、を備えている。
そして、前記筐体10Aは、ケース底面11と、ケース本体12と、第1蓋部材13と、第2蓋部材14と、を備えている。
そして、この実施例2では、第1蓋部材13と第2蓋部材14の間に区画され、バスバ電極15が配索された第2空間14bに、高熱抵抗材14fが充填されている。
前記高熱抵抗材14fは、例えばシリカエアロゲル等のゲル材であり、ケース底面11、ケース本体12の側面12a、第1蓋部材13、第2蓋部材14、さらに第2蓋部材14の下面14dに設けられたバスバ電極15に密着している。
このように、第2空間14bに高熱抵抗材14fを充填したことで、第2空間14bにおける熱抵抗を大気空間の場合よりも向上することができ、第2蓋部材14に達する熱流を小さくし、電子部品(コンデンサ30等)の昇温をさらに抑制することができる。
また、実施例1のように第2空間14bを減圧空間にした場合では、第2空間14b内の圧力を維持するための対策が必要である。これに対し、実施例2のように第2空間14bに高熱抵抗材14fを充填する構成では、圧力維持のための特段の対策が不要になり、第2空間14bにおける熱抵抗を容易に向上することができる。
すなわち、実施例2の電力変換装置1Aは、以下に挙げる効果を得ることができる。
(7) 前記筐体10Aは、前記第2空間14bに高熱抵抗材14fを充填した構成とした。
これにより、(1)の効果に加え、第2空間14bにおける熱抵抗を容易に向上することができる。
(実施例3)
実施例3は、筐体内部に形成した第2空間に箱状部品を配置した例である。
図8は、実施例3の電力変換装置を示す要部断面図である。以下、図8に基づき、実施例3の電力変換装置の構成を説明する。なお、実施例1及び実施例2と同様の部分については、同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
実施例3の電力変換装置1Bは、図8に示すように、筐体10Bと、この筐体10Bに内蔵されたパワーモジュール20及び電子部品(ここでは、コンデンサ30と駆動制御回路31)と、を備えている。
そして、前記筐体10Bは、ケース底面11と、ケース本体12と、第1蓋部材13と、第2蓋部材14と、を備えている。
そして、この実施例3では、第1蓋部材13と第2蓋部材14の間に区画され、バスバ電極15が配索された第2空間14bに、箱状部品14gが収納されている。
前記箱状部品14gは、例えば発泡金属によって形成された中空の密閉筐体であり、内部が減圧空間に形成されたことで、高熱抵抗状態になっている。この箱状部品14gは、第1蓋部材13の第2空間14b側の上面13dに載置され、ここでは、第2蓋部材14の下面14dに設けられたバスバ電極15を覆う絶縁材15aに接触している。さらに、この箱状部品14gの周縁部は、ケース本体12の側面12aに接触している。
このように、第2空間14bに内部が高熱抵抗状態に維持された箱状部品14gを収納したことで、第2空間14bにおける熱抵抗を大気空間の場合よりも向上することができ、第2蓋部材14に達する熱流を小さくし、電子部品(コンデンサ30等)の昇温をさらに抑制することができる。
また、実施例1のように第2空間14bを減圧空間にした場合や、実施例2のように第2空間14bに高熱抵抗材14fを充填した場合では、減圧状態を維持したり、高熱抵抗材14fの流出を防止したりするために、この第2空間14bの密閉性を確保する必要がある。これに対し、実施例3のように第2空間14bに箱状部品14gを収納する構成では、第2空間14b自体の密閉性は不要になり、箱状部品14gを収納するだけで第2空間14bにおける熱抵抗を容易に向上することができる。
すなわち、実施例3の電力変換装置1Bは、以下に挙げる効果を得ることができる。
(8) 前記筐体10Bは、前記第2空間14bに、内部が高熱抵抗状態に維持された箱状部品14gを収納した構成とした。
これにより、(1)の効果に加え、第2空間14bにおける熱抵抗を容易に向上することができる。
以上、本発明の電力変換装置を実施例1〜実施例3に基づき説明してきたが、具体的な構成については、これらの実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
実施例1では第2空間14bを減圧空間とする例を示し、実施例2では第2空間14bに高熱抵抗材14fを充填する例を示し、実施例3では第2空間14bに箱状部品14gを収納する例を示した。しかしながら、これに限らず、例えば、第1空間13bを減圧空間にしたり、この第1空間13bに高熱抵抗材14fを充填したり、第1空間13bに箱状部品14gを収納したりしてもよい。さらに、第1空間13bと第2空間14bの両方を減圧空間にしたり、箱状部品14gを収納したりしてもよい。
また、実施例3では、箱状部品14gが、ケース本体12の側面12a、第1蓋部材13、第2蓋部材14の下面14dに設けられたバスバ電極15を覆う絶縁材15aのすべてに接触する例を示した。しかしながら、箱状部品14gは、これらに接触していなくてもよい。
さらに、この箱状部品14gの内部は、減圧空間にすることで高熱抵抗状態を維持するだけでなく、例えばシリカエアロゲル等の高熱抵抗材を充填することで内部を高熱抵抗状態に維持してもよい。
さらに、上述の各実施例では、第1蓋部材13及び第2蓋部材14を、それぞれアルミニウムなどの金属等である低熱抵抗材によって形成する例を示したが、低熱抵抗材としては、金属に限らない。例えば、絶縁材によって被覆された金属、つまり金属を内蔵した部材や、炭素繊維強化プラスチック等であってもよい。
そして、上述の各実施例では、ケース底面11の一方面11aに放熱構造として、空冷によってパワーモジュール20の冷却を行う放熱フィン11bを形成した例を示したが、これに限らない。例えば、ケース底面11の一方面11aに、水冷を行うためのウォータジャケットを設けてもよい。
1 電力変換装置
10 筐体
11 ケース底面
11a 一方面
11b 放熱フィン(放熱構造)
11c 他方面
12 ケース本体
12a 側面
12b 上面
12d 高熱抵抗層
13 第1蓋部材
13a フランジ(周縁部)
13b 第1空間
14 第2蓋部材
14a 周縁部
14b 第2空間
14c 上面(第2空間とは反対側の面)
14d 下面(第2空間側の面)
15 バスバ電極
15a 絶縁材
16 電源線(接続電極)
17 信号線(接続電極)
18 絶縁被覆
19 絶縁材
20 パワーモジュール
20a スイッチング素子
30 コンデンサ(電子部品)
31 駆動制御回路(電子部品)

Claims (8)

  1. 通電により発熱するスイッチング素子を有するパワーモジュールと、前記スイッチング素子を制御する電子部品と、を同一の筐体に収納した電力変換装置において、
    前記筐体は、一方面に放熱構造を有し、他方面に前記パワーモジュールを載置するケース底面と、
    前記ケース底面に対して高熱抵抗層を介して接合され、前記ケース底面に載置されたパワーモジュール及びその上方に配置される前記電子部品を覆うケース本体と、
    前記ケース底面と前記ケース本体によって形成された空間内に配置され、周縁部を前記ケース底面に接合すると共に、第1空間をあけて前記パワーモジュールを覆う低熱抵抗材によって形成された第1蓋部材と、
    前記ケース底面と前記ケース本体内によって形成された空間内に配置され、周縁部を前記ケース本体に接合すると共に、第2空間をあけて前記第1蓋部材を覆い、且つ、前記第2空間と反対側の面に前記電子部品を載置する低熱抵抗材によって形成された第2蓋部材と、
    を備えたことを特徴とする電力変換装置。
  2. 請求項1に記載された電力変換装置において、
    前記筐体は、前記第1空間又は前記第2空間の少なくとも一方を減圧空間とした
    ことを特徴とする電力変換装置。
  3. 請求項1に記載された電力変換装置において、
    前記筐体は、前記第1空間又は前記第2空間の少なくとも一方に高熱抵抗材を充填した
    ことを特徴とする電力変換装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載された電力変換装置において、
    前記筐体は、前記第1空間又は前記第2空間の少なくとも一方に、内部が高熱抵抗状態に維持された箱状部品を収納した
    ことを特徴とする電力変換装置。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載された電力変換装置において、
    前記筐体は、前記第2蓋部材の第2空間側の面に沿って、前記パワーモジュールと前記電子部品を電気的に接続するバスバ電極を設けた
    ことを特徴とする電力変換装置。
  6. 請求項5に記載された電力変換装置において、
    前記第2蓋部材と前記バスバ電極の間に、絶縁材を介装した
    ことを特徴とする電力変換装置。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか一項に記載された電力変換装置において、
    前記筐体の内部に、前記パワーモジュールと前記電子部品を電気的に接続すると共に、前記第1蓋部材及び前記第2蓋部材を貫通する接続電極を設け、
    前記接続電極を、前記ケース本体の近傍位置に配設した
    ことを特徴とする電力変換装置。
  8. 請求項7に記載された電力変換装置において、
    前記ケース本体と前記接続電極の間に、絶縁材を介装した
    ことを特徴とする電極変換装置。
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