本実施形態における圧電デバイスは、図1及び図2に示されているように、基板110と、基板110の上面に接合された水晶素子120と、水晶素子120を気密封止するための封止蓋体130を含んでいる。このような圧電デバイスは、電子機器等で使用する基準信号を出力するのに用いられる。
基板110は、矩形状であり、上面で実装された水晶素子120を実装するための実装部材として機能するものである。基板110に外周縁に沿っ
、水晶素子120を接合するための第一電極パッド111a、第二電極パッド111b、第三電極パッド111c及び第四電極パッド111dが設けられている。第一電極パッド111a及び第四電極パッド111dが設けられている対角とは異なる対角の位置に、第二電極パッド111b及び第三電極パッド111cが設けられている。基板110の下面には、外部端子112が設けられている。また、外部端子112が、水晶素子120と電気的に接続されて、水晶素子120の入出力端子として用いられている。
基板110は、例えばアルミナセラミックス又はガラス−セラミックス等のセラミック材料である絶縁層からなる。基板110は、絶縁層を一層用いたものであっても、絶縁層を複数層積層したものであってもよい。基板110の上面及び下面には、上面に設けられた電極パッド111と下面の外部端子112とを電気的に接続するための配線パターン113がそれぞれ設けられている。また、基板110の上面の外周縁に沿って、配線パターン113と電気的に接続されている導体部114が設けられている。
基板110の第一電極パッド111a、第二電極パッド111b、第三電極パッド111c及び第四電極パッド111dは、図1及び図2に示すように、水晶素子120を実装するために用いられている。また、第二電極パッド111b及び第三電極パッド111cは、水晶素子120が第一電極パッド111a及び第四電極パッド111d上に実装されている場合には、水晶素子120の外周縁を固定し、水晶素子120の外周縁が基板110に接触することを抑制するために用いられている。第一電極パッド111a及び第四電極パッド111dは、図3(a)に示すように、基板110の対角に位置するように設けられており、第二電極パッド111b及び第三電極パッド111cは、第一電極パッド111及び第四電極パッド111dが設けられている対角とは異なる対角の位置に設けられている。また、第一電極パッド111aと第四電極パッド111dとは、図3に示すように、基板110の上面の対角の位置に設けられている。また、電極パッド111は、基板110の上面に設けられた配線パターン113及び基板110の外周縁に設けられた導体部114を介して、基板110の下面に設けられた外部端子112と電気的に接続されている。外部端子112は、基板110の下面に、基板110の外周縁に沿って一対で設けられている。
電極パッド111は、図3(a)に示すように、第一電極パッド111a、第二電極パッド111b、第三電極パッド111c及び第四電極パッド111dによって構成されている。また、外部端子112は、図3(b)に示すように第一外部端子112a及び第二外部端子112bによって構成されている。配線パターン113は、図3に示すように、第一配線パターン113a、第二配線パターン113b、第三配線パターン113c及び第四配線パターン113dによって構成されている。導体部114は、第一導体部114a、第二導体部114b、第三導体部114c及び第四導体部114dによって構成されている。第一電極パッド111aと第一外部端子112aとは、基板110の上面に設けられた第一配線パターン113aと、基板110の外周縁に設けられた第一導体部114aにより接続されている。第二電極パッド111bと第一外部端子112aとは、基板110の上面に設けられた第二配線パターン113bと、基板110の外周縁に設けられた第二導体部114bにより接続されている。第三電極パッド111cと第二外部端子112bとは、基板110の上面に設けられた第三配線パターン113cと、基板110の外周縁に設けられた第三導体部114cにより接続されている。第四電極パッド111dと第二外部端子112bとは、基板110の上面に設けられた第四配線パターン113dと、基板110の外周縁に設けられた第四導体部114dにより接続されている。
外部端子112は、外部の電子機器等を構成する実装基板(図示せず)上に実装するために用いられている。外部端子112は、基板110の下面に一対で設けられている。外部端子112は、基板110の上面に設けられた一対の電極パッド111とそれぞれ電気的に接続されている。外部端子112の基板110の短辺を向く外周縁が、基板110の下面の中心点Pを中心とした楕円又は円の曲線状になるように形成されている。このような外部端子112を有する圧電デバイスを電子機器等の実装基板の上面に設けられた実装パッド(図示せず)と外部端子112とを半田等の導電性接合材(図示せず)にて接合し、冷熱サイクルを行い、導電性接合材に大きな負荷をかけたとしても、曲線状の外周縁に沿って導電性接合材が設けられているため、残留応力が分散することで、導電性接合材にクラックが発生することを抑えることができるので、電子機器等の実装基板から圧電デバイスが剥がれてしまうことを低減することができる。また、中心点Pは、基板110の短辺を二等分する二等分線と、基板110の長辺を二等分する二等分線とが交わる点である。
また、外部端子112間の間隔d1は、図3(b)に示すように、基板110の短辺と外部端子112の基板110の短辺を向く外周縁との間隔d2よりも短くなっている。基板110の長辺方向の長さを変更することなく、基板110に対する外部端子112の配置を検討したところ、外部端子112の位置が基板110の外周縁に近付くにつれて、実装基板(図示せず)が反った場合に、外部端子112に設けられた導電性接合材(図示せず)にかかる応力が大きくなり、導電性接合材にクラックが生じてしまう可能性があった。また、外部端子112の位置が基板110の中心に近付くにつれて、基板110の中心点Pの付近に集中して応力が加わることになり、基板110にクラックが生じてしまう可能性があった。本実施形態のように、第一外部端子112aと第二外部端子112bの間の間隔d1が、基板110の短辺と外部端子112の基板110の短辺を向く外周縁との間隔d2よりも小さくなるようにすることで、本実施形態の圧電デバイスを電子機器等の実装基板上に導電性接合材を介して実装した際に、仮に実装基板が反ったとしても、基板の外周縁に沿って外部端子が設けられている圧電デバイスと比較し、導電性接合材にかかる応力を小さくすることができるので、導電性接合材にクラックが発生することをさらに抑えることができる。また、このようにすることにより、基板110の中心点Pの付近に応力が集中して加わることを低減することができるので、基板110にクラックが生じてしまうことを低減することができる。よって、このような圧電デバイスは、電子機器等の実装基板から剥がれてしまうことをさらに低減することができると共に、基板110にクラックが生じることを低減することができる。外部端子112間の間隔d1は、第一外部端子112aの内側を向く外周縁と第二外部端子112bの内側を向く外周縁との間隔のことである。また、基板110の短辺と外部端子112の基板110の短辺を向く外周縁との間隔d2は、基板110の短辺と第一外部端子112aの外周縁との接線L1との間隔又は基板110の短辺と第二外部端子112bの外周縁との接線L2との間隔のことである。
また、電極パッド111及び外部端子112は、基板110に沿って設けられた形状となっている。ここで基板110を平面視したときの長辺の寸法が、1.2〜8.0mmであり、短辺の寸法が、1.0〜4.5mmである場合を例にして、電極パッド111及び外部端子112の大きさを説明する。第一電極パッド111a及び第四電極パッド111dの長辺の長さは、0.20〜1.5mmであり、短辺の長さは、0.10〜1.0mmとなっている。第二電極パッド111b及び第三電極パッド111cは、長辺の長さが、0.20〜1.5mmであり、短辺の長さは、0.10〜1.0mmとなっている。外部端子112の長辺の長さは、0.9〜4.4mmであり、短辺の長さは、0.35〜1.8mmとなっている。また、外部端子112間の間隔d1は、0.1〜1.4mmであり、基板110の短辺と外部端子112の基板110の短辺を向く外周縁との間隔d2は、0.2〜1.5mmである。また、外部端子112の間の間隔d1は、第一外部端子112aと第二外部端子112bとが短絡してしまうことを抑えることができる間隔を設ける必要がある。
配線パターン113は、基板110の上面に設けられ、電極パッド111及び外部端子112から近傍の基板110の外周縁に向けて引き出されている。第一配線パターン113aの長さ、第四配線パターン113dの長さは、略等しい長さとなる。ここで、略等しい長さとは、基板110の上面に設けられた第一配線パターン113aの長さと基板110の上面に設けられた第四配線パターン113dの長さとの差が0〜200μm異なるものを含むものとする。配線パターン113の長さは、各配線パターン113の中心を通る直線の長さを測定したものとする。
導体部114は、基板110の外周縁に設けられた切れ込みの内部に設けられている。導体部114の両端は、配線パターン113と接続されている。このようにすることで、電極パッド111は、配線パターン113及び導体部114を介して外部端子112と電気的に接続されている。導体部114は、切り込み内に導体ペーストを印刷するようにして設けられているため、基板110の上面の外周縁と導体部114との境界線箇所の導体部114の厚みが薄くなっている。よって、接合部材150が導体部114の上端にかかるように設けられていることで、境界線箇所の導体部114が半田と接触しないことで、導体部114の材質が半田内に拡散することで生じる半田食われを低減することができる。従って、半田食われによりに生じる電極パッド111と外部端子112との導通不良も低減することができる。また、半田食われとは、配線パターン113又は導体部114の材質が半田内に拡散し、配線パターン113又は導体部114がなくなってしまうことをいう。
ここで、基板110の作製方法について説明する。基板110がアルミナセラミックスから成る場合、まず所定のセラミック材料粉末に適当な有機溶剤等を添加・混合して得た複数のセラミックグリーンシートを準備する。また、セラミックグリーンシートの表面或いはセラミックグリーンシートに打ち抜き等を施して予め穿設しておいた貫通孔内に、従来周知のスクリーン印刷等によって所定の導体ペーストを塗布する。さらに、これらのグリーンシートを積層してプレス成形したものを、高温で焼成する。最後に、導体パターンの所定部位、具体的には、電極パッド111、外部端子112、配線パターン113及び導体部114となる部位にニッケルメッキ又は金メッキ、銀パラジウム等を施すことにより作製される。また、導体ペーストは、例えばタングステン、モリブデン、銅、銀又は銀パラジウム等の金属粉末の焼結体等から構成されている。
水晶素子120は、図2に示されているように、導電性接着剤140を介して電極パッド111上に接合されている。水晶素子120は、安定した機械振動と圧電効果により、電子装置等の基準信号を発振する役割を果たしている。
水晶素子120は、図1及び図2に示されているように、水晶素板121の上面及び下面のそれぞれに励振用電極122及び引き出し電極123を被着させた構造を有している。励振用電極122は、水晶素板121の上下面のそれぞれに金属を所定のパターンで被着・形成したものである。励振用電極122は、上面に第一励振用電極122aと、下面に第二励振用電極122bを備えている。引き出し電極123は、励振用電極122から水晶素板121の向かい合う辺に向かってそれぞれ延出されている。引き出し電極123は、上面に第一引き出し電極123aと、下面に第二引き出し電極123bとを備えている。第一引き出し電極123aは、第一励振用電極122aから引き出されており、水晶素板121の一方の辺に向かって延出するように設けられている。第二引き出し電極123bは、第二励振用電極121bから引き出されており、水晶素板121の他方の辺に向かって延出するように設けられている。また、このような水晶素子120は、水晶素板121の対角に位置する箇所で支持する両持ち支持構造にて基板110上に固定されている。
ここで、水晶素子120の動作について説明する。水晶素子120は、外部からの交番電圧が引き出し電極123から励振用電極122を介して水晶素板121に印加されると、水晶素板121が所定の振動モード及び周波数で励振を起こすようになっている。
ここで、水晶素子120の作製方法について説明する。まず、水晶素子120は、人工水晶体から所定のカットアングルで切断し、水晶素板121の外周の厚みを薄くし、水晶素板121の外周部と比べて水晶素板121の中央部が厚くなるように設けるベベル加工を行う。そして、水晶素子120は、水晶素板121の両主面にフォトリソグラフィー技術、蒸着技術又はスパッタリング技術によって、金属膜を被着させることにより、励振用電極122、引き出し電極123を形成することにより作製される。
水晶素子120の基板110への接合方法について説明する。まず、導電性接着剤140は、例えばディスペンサによって第一電極パッド111a、第二電極パッド111b、第三電極パッド111c及び第四電極パッド111d上に塗布される。水晶素子120は、導電性接着剤140上に搬送され、導電性接着剤140上に載置される。そして導電性接着剤140は、加熱硬化させることによって、硬化収縮される。水晶素子120は、電極パッド111に接合される。つまり、水晶素子120の第一引き出し電極123aは、第一電極パッド111aと接合され、第二引き出し電極123bは、第四電極パッド111dと接合される。これによって、第一外部端子112a及び第二外部端子112bが水晶素子120と電気的に接続されることになる。
導電性接着剤140は、シリコーン樹脂等のバインダーの中に導電フィラーとして導電性粉末が含有されているものであり、導電性粉末としては、アルミニウム、モリブデン、タングステン、白金、パラジウム、銀、チタン、ニッケル又はニッケル鉄のうちのいずれか、或いはこれらの組み合わせを含むものが用いられている。また、バインダーとしては、例えばシリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂又はビスマレイミド樹脂が用いられる。
封止蓋体130は、矩形状の封止基部130aと、封止基部130aの下面の外周縁に沿って設けられている封止枠部130bとで構成されており、封止基部130aの下面と封止枠部130bの内側側面とで収容空間Kが形成されている。封止枠部130bは、封止基部130aの下面に収容空間Kを形成するためのものである。封止枠部130bは、封止基部130aの下面の外縁に沿って設けられている。
封止基部130a及び封止枠部130bは、例えば、鉄、ニッケル又はコバルトの少なくともいずれかを含む合金からなり、一体的に形成されている。このような封止蓋体130は、真空状態にある収容空間K又は窒素ガスなどが充填された収容空間Kを気密的に封止するためのものである。具体的には、封止蓋体130は、所定雰囲気で、基板110の上面に載置され、基板110の上面と封止枠部130bの下面との間に設けられた接合部材150とが熱が印加されることで、溶融接合される。
接合部材150は、封止蓋体130の下面と基板110の上面の外周縁とを接合するために用いられている。接合部材150は、300℃〜400℃で溶融するガラスであり、例えばバナジウムを含有した低融点ガラス又は酸化鉛系ガラスから構成されている。ガラスは、バインダーと溶剤とが加えられペースト状であり、溶融された後固化されることで他の部材と接着する。接合部材150は、例えば、ガラスフリットペーストをスクリーン印刷法で封止枠部130bの下面に沿って環状に塗布され乾燥することで設けられる。また、この酸化鉛系ガラスの組成は、酸化鉛、フッ化鉛、二酸化チタン、酸化ニオブ、酸化ビスマス、酸化ホウ素、酸化亜鉛、酸化第二鉄、酸化銅及び酸化カルシウムとから構成されている。
保護部材170は、金属製の封止蓋体130を使用した場合に、配線パターン113が金属製の封止蓋体130と接触して短絡することを低減するために用いられている。また、保護部材170は、図1及び図3(a)に示すように、基板110の上面に設けられた配線パターン113を被覆するようにして設けられている。保護部材170は、接合部材150よりも融点が高い500〜800℃のものを用いている。これにより、接合部材150で接合する際には、保護部材170は溶融せずに、形成時の形状を保つことができる。よって、金属製の封止蓋体130又は基板110に圧力がかかり押し付けられても、金属製の封止蓋体130と基板110の配線パターン113とが接触することによる短絡を低減することができる。また、保護部材170は、例えば、ガラスフリットペーストをスクリーン印刷法で基板110に設けられた配線パターン113の上面に塗布され乾燥することで設けられる。また、保護部材170の上下方向の厚みは、0.01〜0.03mmとなっている。
また、保護部材170は、基板110の外周縁に位置する配線パターン113上に設けられている。このようにすることによって、例えば、金属製の封止蓋体130を用いた場合に金属製の封止蓋体130が配線パターン113に接触することを抑えることが可能となる。また、保護部材170が、基板110の角に、平面視して円弧状になるように設けられており、導体部114が設けられている切欠き内には、保護部材170が設けられていない。このようにすることにより、基板110が電子機器等を構成する実装基板上に実装される際に、外部端子112に付着した半田が、導体部114に這い上がるようにして形成されるため、半田フィレットが形成される。また、半田が、保護部材170で覆われている基板110の配線パターン113上には、這い上がらないため、半田と金属製の封止蓋体130との短絡を低減することができる。
本発明の圧電デバイスは、矩形状の基板110と、基板の上面に設けられた電極パッド111と、基板110の下面に設けられた外部端子112と、電極パッド111に実装された水晶素子120と、基板110と接合された封止蓋体130と、を備え、外部端子112の基板110の短辺を向く外周縁が、基板110の中心点Pを中心とした楕円又は円の曲線状に形成されている。このような圧電振動子を電子機器等の実装基板(図示せず)の上面に設けられた実装パッド(図示せず)と外部端子112とを半田等の導電性接合材(図示せず)にて接合し、冷熱サイクルを行い、導電性接合材に大きな負荷をかけたとしても、曲線上の外周縁に沿って導電性接合材が設けられているため、残留応力が分散することで、導電性接合材にクラックが発生することを抑えることができるので、電子機器等の実装基板から圧電デバイスが剥がれてしまうことを低減することができる。
また、本発明の圧電デバイスは、外部端子112の間の間隔d1が、基板110の短辺と外部端子112の基板110の短辺を向く外周縁との間隔d2よりも短くなっている。基板110の長辺方向の長さを変更することなく、基板110に対する外部端子112の配置を検討したところ、外部端子112の位置が基板110の外周縁に近付くにつれて、実装基板(図示せず)が反った場合に、外部端子112に設けられた導電性接合材(図示せず)にかかる応力が大きくなり、導電性接合材にクラックが生じてしまう可能性があった。また、外部端子112の位置が基板110の中心点Pに近付くにつれて、基板110の中心点Pの付近に集中して応力が加わることになり、基板110にクラックが生じてしまう可能性があった。本実施形態のように、第一外部端子112aと第二外部端子112bの間の間隔d1が、基板110の短辺と外部端子112の基板110の短辺を向く外周縁との間隔d2よりも小さくなるようにすることで、本実施形態の圧電デバイスを電子機器等の実装基板上に導電性接合材を介して実装した際に、例え実装基板が反ったとしても、基板の外周縁に沿って外部端子が設けられている圧電デバイスと比較し、導電性接合材にかかる応力を小さくすることができるので、導電性接合材にクラックが発生することをさらに抑えることができる。また、このようにすることにより、基板110の中心点Pの付近に応力が集中して加わることを低減することができるので、基板110にクラックが生じてしまうことを低減することができる。よって、このような圧電デバイスは、電子機器等の実装基板から剥がれてしまうことをさらに低減することができると共に、基板110にクラックが生じることを低減することができる。
圧電デバイスは、電極パッド111と電気的に接続されており、基板110の上面に設けられている配線パターン113と、配線パターン113と電気的に接続されており、基板110の側面に設けられている導体部114と、配線パターン113を覆うように設けられている保護部材170と、備えている。このようにすることによって、例えば、金属製の封止蓋体130を用いた場合に金属製の封止蓋体130が配線パターン113に接触することを抑えることが可能となる。また、保護部材170が、基板110の角に、平面視して円弧状になるように設けられており、導体部114が設けられている切欠き内には、保護部材170が設けられていない。このようにすることにより、基板110が電子機器等を構成する実装基板上に実装される際に、外部端子112に付着した半田が、導体部114に這い上がるようにして形成されるため、半田フィレットが形成される。また、半田が、保護部材170で覆われている基板110の配線パターン113上には、這い上がらないため、半田と金属製の封止蓋体130との短絡を低減することができる。
(第一変形例)
以下、本実施形態の第一変形例における圧電デバイスについて説明する。なお、本実施形態の第一変形例における圧電デバイスのうち、上述した圧電デバイスと同様な部分については、同一の符号を付して適宜説明を省略する。本実施形態の第一変形例における圧電デバイスは、図4〜図6に示されているように、四つの外部端子212が設けられた基板210が用いられ、水晶素子220が片持ち支持構造である点において本実施形態と異なる。
電極パッド211は、図6(a)に示すように、第一電極パッド211a、第二電極パッド211b、第三電極パッド211c及び第四電極パッド211dによって構成されている。また、外部端子212は、図6に示すように第一外部端子212a、第二外部端子212b、第三外部端子212c及び第四外部端子212dによって構成されている。配線パターン213は、図6に示すように、第一配線パターン213a及び第二配線パターン213bによって構成され、導体部214は、第一導体部214a及び第二導体部214bによって構成されている。第一電極パッド211aと第一外部端子212aとは、基板210の上面に設けられた第一配線パターン213aと、基板210の外周縁に設けられた第一導体部214aにより接続されている。第二電極パッド211bと第四外部端子212dとは、基板210の上面に設けられた第二配線パターン213bと、基板210の外周縁に設けられた第二導体部214bにより接続されている。また、第二電極パッド211bと第四電極パッド211dとは、基板210の上面に設けられている第二配線パターン213bにより電気的に接続されている。よって、第四電極パッド211cは、第二電極パッド211bを介して第二外部端子212bと電気的に接続されることになる。また、第三電極パッド211c及び第三外部端子212cは、電気的にどこにも接続されていない状態となっている。
部端子212は、基板210の下面の四隅に設けられている。外部端子212は、基板210の上面に設けられた電極パッド211とそれぞれ電気的に接続されている。また、電極パッド211と電気的に接続されている外部端子212は、基板210の下面に位置するように設けられている。
また、水晶素子220は、図4及び図5に示されているように、水晶素板221の上面及び下面のそれぞれに励振用電極222及び引き出し電極223を被着させた構造を有している。励振用電極222は、水晶素板221の上面及び下面のそれぞれに金属を所定のパターンで被着・形成したものである。励振用電極222は、上面に第一励振用電極222aと、下面に第二励振用電極222bを備えている。引き出し電極223は、励振用電極222から水晶素板221の一辺に向かってそれぞれ延出されている。引き出し電極223は、上面に第一引き出し電極223aと、下面に第二引き出し電極223bとを備えている。第一引き出し電極223aは、第一励振用電極222aから引き出されており、水晶素板221の一辺に向かって延出するように設けられている。第二引き出し電極223bは、第二励振用電極222bから引き出されており、水晶素板221の一辺に向かって延出するように設けられている。つまり、引き出し電極223は、水晶素板221の長辺又は短辺に沿った形状で設けられている。また、本実施形態においては、第一電極パッド211a及び第二電極パッド211bと接続されている水晶素子220の一端を基板210の上面と接続した固定端とし、他端を基板210の上面と間を空けた自由端とした片持ち支持構造にて水晶素子220が基板210上に固定されている。
また、水晶素子220は、水晶素子220の自由端と対向する位置に第三電極パッド211c及び第四電極パッド211dが配置されているように実装されている。このようにすることによって、水晶素子220の引き出し電極223と、電極パッド211とが接合している箇所を軸として傾いても、水晶素子220の自由端が第三電極パッド211c及び第四電極パッド211dに接触するので、基板210の上面に水晶素子220の自由端が接触することを抑制することできる。仮に、水晶素子220の自由端が基板210に接触した状態で、落下試験等を行うと、水晶素子220の自由端が欠けてしまう虞がある。このようにすることで、水晶素子220の自由端側が欠けてしまうことを抑えつつ、水晶素子220の発振周波数が変動することを低減することができる。
尚、本実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更、改良等が可能である。また、水晶素子120のベベル加工方法について説明する。所定の粒度のメディアと砥粒とを備えた研磨材と、所定の大きさに形成された水晶素板121とを用意する。円筒体に用意した研磨材と水晶素板121とを入れ、円筒体の開口した端部をカバーで塞ぐ。研磨材と水晶素板121とを入れた円筒体を、円筒体の中心軸線を回転軸として回転させる水晶素板121が研磨材で研磨されてベベル加工が行われる。
上記の実施形態では、接合部材150が封止蓋体130の封止枠部130bの下面に設けられた場合を説明したが、接合部材150が基板110上面の外周縁に環状に設けられるようにしても構わない。このような接合部材150は、例えば、ガラスフリットペーストがスクリーン印刷法で基板110の外周縁に沿って塗布され乾燥することで設けられる。
上記の実施形態では、水晶素子は、AT用水晶素子を用いた場合を説明したが、基部と、基部の側面より同一の方向に延びる二本の平板形状の振動腕部とを有する音叉型屈曲水晶素子を用いても構わない。このような音叉型屈曲水晶素子は、水晶片と、その水晶片の表面に設けられた励振電極と、引き出し用電極と、周波数調整用金属膜とにより構成されている。水晶片は、水晶基部と水晶振動部とからなり、水晶振動部が第一水晶振動部及び第二水晶振動部とから成る。水晶基部は、結晶の軸方向として電気軸がX軸、機械軸がY軸、及び光軸がZ軸となる直交座標系としたとき、X軸回りに−5°〜+5°の範囲内で回転させたZ′軸の方向が厚み方向となる平面視略四角形の平板である。第一水晶振動部及び第二水晶振動部は、水晶基部の一辺からY′軸の方向に平行に延設されている。このような水晶片は、水晶基部と各水晶振動部とが一体となって音叉形状を成しており、フォトリソグラフィー技術と化学エッチング技術により製造される。