JP2016070775A - 分光測定装置、及び分光測定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】迅速かつ高精度な分光測定を実施でき、かつ光源の寿命の長期化及び省電力化を図れる分光測定装置、及び分光測定方法を提供する。
【解決手段】分光測定装置1は、LED光源111及びタングステン光源112を有する光源部11と、測定対象Xからの光から所定波長の光を選択して出射させる波長可変干渉フィルター5と、波長可変干渉フィルター5から出射された光を受光し、受光量に応じた検出信号を出力する撮像部12と、3波長の光を用いて測定対象Xの分光測定を実施するプレ測定制御部324と、3波長以上の光を用いて測定対象Xの分光測定を実施する本測定を行う本測定制御部325と、プレ測定において、LED光源111を点灯させてタングステン光源112を消灯させ、本測定においてLED光源111を消灯させてタングステン光源112を点灯させる光源制御部322と、を備えた。
【選択図】図1

Description

本発明は、分光測定装置、及び分光測定方法に関する。
従来、測定対象の分光スペクトル等の分光特性を測定する分光測定装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の装置では、複数のLEDを用いて測定対象(カラーパッチ)に光を照射し、測定対象で反射された光をフォトダイオードで受光する。また、この装置では、LEDとして、発光色が異なる9つのLEDを用い、これらのLEDを組み合わせることで測定対象に照射する光の色を変化させている。
特開2004−101358号公報
ところで、特許文献1では、光源としてLEDを用いているが、LEDは、発光波長にばらつきがあり、また、光量が安定するまでに時間が係るという特性がある。分光測定を実施する際に波長ばらつきがあると、精度の高い分光測定を実施できず、光量が安定化するまでに時間を要するため測定時間も長くなり、光量が安定しない状態で測定を実施すると測定精度が低下してしまうとの課題がある。
一方、光源としてタングステン光源を用いる場合、波長ばらつきが小さく、短時間で光量が安定するため、上述のようなLEDを用いた場合のような課題はない。しかしながら、タングステン光源の駆動には、光量を確保するために大電流が必要となり、ランプ寿命も短いという課題がある。
本発明は、迅速かつ高精度な分光測定を実施でき、かつ光源の寿命の長期化及び省電力化を図れる分光測定装置、及び分光測定方法を提供することを目的とする。
本発明における一適用例の分光測定装置は、LED光源及びタングステン光源を有し、測定対象に対して光を照射する光源部と、前記測定対象からの入射光から、所定波長の光を選択して出射させ、かつ出射させる光の波長を変更可能な分光素子と、前記分光素子から出射された光を受光し、受光量に応じた検出信号を出力する受光部と、前記光源部、前記分光素子、及び前記受光部を制御して、波長がそれぞれ異なる第一数の光を用いて前記測定対象の分光測定を実施する予備測定処理、波長がそれぞれ異なり、前記第一数より多い第二数の光を用いて前記測定対象の分光測定を実施する本測定処理を行う制御部と、を備え、前記制御部は、前記予備測定処理において、前記LED光源を点灯させて前記タングステン光源を消灯させ、前記本測定処理において前記LED光源を消灯させて前記タングステン光源を点灯させることを特徴とする。
本適用例では、制御部は、予備測定処理と、本測定処理とを実施し、予備測定処理において、LED光源を点灯させてタングステン光源を消灯させ、本測定処理において、LED光源を消灯させてタングステン光源を点灯させる。予備測定処理は、本測定処理に先立って行われる処理であり、比較的少ない第一数の波長の光(例えば3波長の光)を用いて測定対象の分光測定を実施する。これにより、測定対象の大凡の分光特性が判り、本測定処理を実施するか否かの判断基準となる。このような予備測定処理において、タングステン光源を用いると、タングステン光源の寿命を縮め、消費電力も増加する。これに対して、本適用例では、予備測定処理では、光源制御部は、上記のようにLED光源を点灯させてタングステン光源を用いるため、タングステン光源の寿命を縮めることなく、省電力化をも図ることができる。一方、本測定処理では、測定対象の詳細かつ精度の高い分光特性を測定する必要がある。本適用例では、制御部は、本測定処理において、LED光源を消灯させてタングステン光源を点灯させるため、本測定処理でLED光源を用いる場合に比べて、光源部からの光の光量を早期に安定化させることができ、測定処理の時間短縮を図れ、かつ、タングステン光源からの光は波長ずれが小さいので、高精度な分光測定を実施することができる。
本適用例の分光測定装置において、前記制御部は、前記予備測定処理における測定結果に基づいて、前記本測定処理において、前記受光部で露光過多及び露光不足とならない測定条件を設定することが好ましい。
本適用例では、制御部は、予備測定処理の測定結果、すなわち、簡易的に測定された大凡の分光特性に基づいて、本測定を実施する際に測定条件を設定する。予備測定処理を実施することで、測定対象の大凡の分光特性を把握できるので、本測定処理を実施する際の測定条件(例えば受光部や光源部の設定条件)を適切な条件に設定することができ、精度の高い分光測定を実施できる。
本適用例の分光測定装置において、前記制御部は、前記LED光源と前記タングステン光源の特性差に基づいた安全係数と、前記予備測定処理における測定結果とに基づいて、前記測定条件を設定することが好ましい。
本適用例では、制御部は、LED光源とタングステン光源との特性差(発光特性差)に応じた安全係数に基づいて測定条件を設定する。これにより、LED光源とタングステン光源において、光量の差が大きい波長があっても、各光源の特性に応じた測定条件を設定できる。したがって、本測定処理を実施する際に、受光部のダイナミックレンジ範囲内で分光測定処理を実施でき、測定精度の向上を図れる。
本適用例の分光測定装置において、前記測定条件は、前記受光部における露光時間であることが好ましい。
本適用例では、制御部は、測定条件として受光部において、光を受光する露光時間を設定する。例えば、予備測定処理において、受光量が多く、受光部のダイナミックレンジを超える場合では、本測定処理においても、受光部のダイナミックレンジを超える可能性が高い。また、予備測定処理において、ダイナミックレンジを超えて受光される光がなくても、光量が所定値よりも高い場合では、予備測定処理において測定されていない波長において、受光部のダイナミックレンジを超える光が受光される可能性がある。このような場合に対して、本適用例では、受光部における露光時間を、受光量がダイナミックレンジを超えないように設定する。
このように、予備測定処理に基づいて、受光部における露光時間を設定することで、受光部における露光過多や露光不足を抑制でき、適正な検出信号が出力され、精度の高い分光測定を実施できる。
本適用例の分光測定装置において、前記測定条件は、前記受光部から出力される前記検出信号の増幅率であることが好ましい。
本適用例では、制御部は、測定条件として検出信号の増幅率を設定する。すなわち、予備測定において、検出信号が所定の最小レベルよりも小さい場合は増幅率を大きくし、検出信号が所定の最大レベルよりも大きい場合には増幅率を小さくする。これにより、分光特性を測定する際の信号レベルを適正値にでき、精度の高い分光測定を実施できる。
本適用例の分光測定装置において、前記測定条件は、前記タングステン光源を駆動させる際の駆動電圧であることが好ましい。
本適用例では、制御部は、測定条件としてタングステン光源の駆動電圧を設定する。例えば、予備測定処理において、受光量が多い場合では、上記のように、受光部のダイナミックレンジを超える可能性がある。この場合、本適用例では、タングステン光源の駆動電圧を低下させて、測定対象への照明光の光量を低減させる。
このように、予備測定処理に基づいて、タングステン光源の駆動電圧を適宜設定することで、受光部における露光過多や露光不足を抑制でき、適正な検出信号が出力され、精度の高い分光測定を実施できる。
本適用例の分光測定装置において、前記受光部は、複数の画素を有する撮像素子であり、前記制御部は、前記測定条件として、ハイダイナミックレンジ合成制御の有無を設定することが好ましい。
本適用例では、制御部は、予備測定処理の測定結果に基づいてハイダイナミックレンジ合成を実施するか否かを切り替える。すなわち、予備測定処理において、撮像素子によりコントラストの差が大きい画像が得られた場合、本測定処理においてもコントラスト差が大きく鮮明な分光画像を取得できない可能性が高い。これに対して、本適用例では、上記のような場合に、ハイダイナミックレンジ合成を実施することで、鮮明な分光画像を取得することができる。
本発明の一適用例の分光測定方法は、LED光源及びタングステン光源を有し、測定対象に対して光を照射する光源部と、前記測定対象からの入射光から、所定波長の光を選択して出射させ、かつ出射させる光の波長を変更可能な分光素子と、前記分光素子から出射された光を受光し、受光量に応じた検出信号を出力する受光部と、を備えた分光測定装置の分光測定方法であって、前記光源部、前記分光素子、及び前記受光部を制御して、波長がそれぞれ異なる第一数の光を用いて前記測定対象の分光測定を実施する予備測定処理を実施する際に、前記LED光源を点灯させて前記タングステン光源を消灯させ、前記光源部、前記分光素子、及び前記受光部を制御して、波長がそれぞれ異なり、前記第一数より多い第二数の光を用いて前記測定対象の分光測定を実施する本測定処理を実施する際に、前記LED光源を消灯させて前記タングステン光源を点灯させることを特徴とする。
本適用例では、予備測定処理において、LED光源を点灯させてタングステン光源を消灯させ、本測定処理において、LED光源を消灯させてタングステン光源を点灯させる。これにより、予備測定処理ではLED光源を用いるので、タングステン光源の寿命を縮めることなく、省電力化を図ることができる。また、本測定処理においてタングステン光源を用いた測定を実施することで、LED光源を用いる場合に比べて光源部からの光の光量を早期に安定化させることができ、測定処理の時間短縮を図れ、かつ、タングステン光源からの光は波長ずれが小さいので、高精度な分光測定を実施することができる。
本発明の一実施形態に係る分光測定装置の概略構成を示すブロック図。 本実施形態の波長可変干渉フィルターの概略構成を示す平面図。 図2のA−A線で切断した波長可変干渉フィルターの概略構成を示す断面図。 本実施形態の分光測定装置における分光測定方法を示すフローチャート。
以下、本発明に係る一実施形態の分光測定装置について、図面に基づいて説明する。
[分光測定装置の構成]
図1は、本発明の一実施形態に係る分光測定装置の概略構成を示すブロック図である。
分光測定装置1は、図1に示すように、光学モジュール10と、表示部21と、操作部22と、光学モジュール10及び表示部21を制御し、かつ、当該光学モジュール10から出力された信号を処理する制御部30と、を備えている。
この分光測定装置1は、測定対象Xに対して光を照射し、測定対象Xで反射した測定対象光における各波長の光強度を分析し、分光スペクトルを測定する装置である。具体的には、分光測定装置1は、測定対象Xの画像を表示部21にリアルタイム表示させ、操作者の操作により測定対象箇所に対してプレ測定(予備測定処理)を実施する。その後、本測定(本測定処理)を実施して詳細な分光スペクトルを取得する。
[光学モジュールの構成]
光学モジュール10は、光源部11と、波長可変干渉フィルター5と、撮像部12(受光部)と、信号処理回路13と、電圧制御回路14と、を備える。
この光学モジュール10は、光源部11から照明光を測定対象Xに照射し、測定対象Xで反射された測定対象光を、入射光学系(図示略)を通して、波長可変干渉フィルター5に導き、波長可変干渉フィルター5を透過した光を撮像部12で受光する。そして、撮像部12から出力された検出信号は、信号処理回路13を介して制御部30に出力される。
[光源部の構成]
光源部11は、LED光源111と、タングステン光源112と、光源制御回路113とを備えている。
LED光源111は、例えば赤色、緑色、及び青色の3色のLEDにより構成されている。なお、青色LEDと、青色LEDから青色光を励起光として黄色光を発光する蛍光体とを組み合わせた白色LEDや、紫LEDにより、赤色、緑色、及び青色の発光体を発光させて白色を得る白色LED等を用いてもよい。
タングステン光源112は、フィラメントにタングステンを用いた、いわゆるハロゲンランプであり、ハロゲンサイクルにより発光する。
LED光源111は、タングステン光源112に比べて、省電力化が可能であり光源寿命も長いが、光源駆動からの光量が安定化するまでの時間が長く、波長ずれ等により出射光の波長安定性に欠ける。一方、タングステン光源112は、LED光源111に比べて消費電力が大きく、光源寿命が短いものの、光源駆動から光量が安定化するまでの時間が短く、波長ずれが起こりにくく、波長安定性が良い。
光源制御回路113は、LED光源111及びタングステン光源112のうち、駆動させる光源を切り替えるスイッチ回路を備えている。また、光源制御回路113は、各光源に印加する駆動電圧を制御し、各光源から出射させる光の光量を調整する。光源制御回路113は、制御部30の制御の下、上記のような光源の切替や、光量の調整を実施する。
[波長可変干渉フィルターの構成]
図2は、波長可変干渉フィルター5の概略構成を示す平面図である。図3は、図2のA−A線で切断した波長可変干渉フィルター5の概略構成を示す断面図である。
波長可変干渉フィルター5は、図2及び図3に示すように、固定基板51及び可動基板52を備えている。これらの固定基板51及び可動基板52は、それぞれ例えば各種ガラスや、水晶等により形成されており、本実施形態では、石英ガラスにより構成されるものとする。そして、これらの基板51,52は、図3に示すように、接合膜53(第一接合膜531及び第二接合膜532)により接合されることで、一体的に構成されている。具体的には、固定基板51の第一接合部513、及び可動基板52の第二接合部523が、例えばシロキサンを主成分とするプラズマ重合膜等により構成された接合膜53により接合されている。
なお、以降の説明に当たり、固定基板51又は可動基板52の基板厚み方向から見た平面視、つまり、固定基板51、接合膜53、及び可動基板52の積層方向から波長可変干渉フィルター5を見た平面視を、フィルター平面視と称する。
固定基板51には、図3に示すように、本発明の一対の反射膜の一方を構成する固定反射膜54が設けられている。また、可動基板52には、本発明の一対の反射膜の他方を構成する可動反射膜55が設けられている。これらの固定反射膜54及び可動反射膜55は、反射膜間ギャップG1を介して対向配置されている。
そして、波長可変干渉フィルター5には、反射膜54,55間のギャップG1の距離(ギャップ寸法)を調整するのに用いられる、本発明のギャップ変更部である静電アクチュエーター56が設けられている。この静電アクチュエーター56は、固定基板51に設けられた固定電極561と、可動基板52に設けられた可動電極562と、を備え、各電極561,562が対向することにより構成されている。これらの固定電極561,可動電極562は、電極間ギャップを介して対向する。ここで、これらの電極561,562は、それぞれ固定基板51及び可動基板52の基板表面に直接設けられる構成であってもよく、他の膜部材を介して設けられる構成であってもよい。
なお、本実施形態では、反射膜間ギャップG1が電極間ギャップよりも小さく形成される構成を例示するが、例えば波長可変干渉フィルター5により透過させる波長域によっては、反射膜間ギャップG1を電極間ギャップよりも大きく形成してもよい。
また、フィルター平面視において、可動基板52の一辺側(例えば、図2における辺C3−C4)は、固定基板51の辺C3´−C4´よりも外側に突出する。この可動基板52の突出部分は、固定基板51と接合されない電装部526であり、波長可変干渉フィルター5を固定基板51側から見た際に露出する面は、後述する電極パッド564P,565Pが設けられる電装面524となる。
同様に、フィルター平面視において、固定基板51の一辺側(電装部526とは反対側)は、可動基板52よりも外側に突出する。
(固定基板の構成)
固定基板51には、エッチングにより電極配置溝511及び反射膜設置部512が形成されている。この固定基板51は、可動基板52に対して厚み寸法が大きく形成されており、固定電極561及び可動電極562間に電圧を印加した際の静電引力や、固定電極561の内部応力による固定基板51の撓みはない。
電極配置溝511は、フィルター平面視で、固定基板51のフィルター中心点Oを中心とした環状に形成されている。反射膜設置部512は、前記平面視において、電極配置溝511の中心部から可動基板52側に突出して形成されている。この電極配置溝511の溝底面は、固定電極561が配置される電極設置面511Aとなる。また、反射膜設置部512の突出先端面は、反射膜設置面512Aとなる。
電極設置面511Aには、静電アクチュエーター56を構成する固定電極561が設けられている。この固定電極561は、電極設置面511Aのうち、後述する可動部521の可動電極562に対向する領域に設けられている。また、固定電極561上に、固定電極561及び可動電極562の間の絶縁性を確保するための絶縁膜が積層される構成としてもよい。
そして、固定基板51には、固定電極561の外周縁に接続された固定引出電極563が設けられている。この固定引出電極563は、電極配置溝511から辺C3´−C4´側(電装部526側)に向かって形成された接続電極溝(図示略)に沿って設けられている。この接続電極溝には、可動基板52側に向かって突設されたバンプ部565Aが設けられ、固定引出電極563は、バンプ部565A上まで延出する。そして、バンプ部565A上で可動基板52側に設けられた固定接続電極565に当接し、電気的に接続される。この固定接続電極565は、接続電極溝に対向する領域から電装面524まで延出し、電装面524において電圧制御回路14に接続される固定電極パッド565Pを構成する。
なお、本実施形態では、電極設置面511Aに1つの固定電極561が設けられる構成を示すが、例えば、フィルター中心点Oを中心とした同心円となる2つの電極が設けられる構成(二重電極構成)などとしてもよい。その他、固定反射膜54上に透明電極を設ける構成や、導電性の固定反射膜54を用い、当該固定反射膜54から固定側電装部に接続電極を形成してもよく、この場合、固定電極561として、接続電極の位置に応じて、一部が切り欠かれた構成などとしてもよい。
反射膜設置部512は、上述したように、電極配置溝511と同軸上で、電極配置溝511よりも小さい径寸法となる略円柱状に形成され、当該反射膜設置部512の可動基板52に対向する反射膜設置面512Aを備えている。
この反射膜設置部512には、図3に示すように、固定反射膜54が設置されている。この固定反射膜54としては、例えばAg等の金属膜や、Ag合金等の合金膜を用いることができる。また、例えば高屈折層をTiO、低屈折層をSiOとした誘電体多層膜を用いてもよい。更に、誘電体多層膜上に金属膜(又は合金膜)を積層した反射膜や、金属膜(又は合金膜)上に誘電体多層膜を積層した反射膜、単層の屈折層(TiOやSiO等)と金属膜(又は合金膜)とを積層した反射膜などを用いてもよい。
また、固定基板51の光入射面(固定反射膜54が設けられない面)には、固定反射膜54に対応する位置に反射防止膜を形成してもよい。この反射防止膜は、低屈折率膜及び高屈折率膜を交互に積層することで形成することができ、固定基板51の表面での可視光の反射率を低下させ、透過率を増大させる。
そして、固定基板51の可動基板52に対向する面のうち、エッチングにより、電極配置溝511、反射膜設置部512、及び接続電極溝が形成されない面は、第一接合部513を構成する。この第一接合部513には、第一接合膜531が設けられ、この第一接合膜531が、可動基板52に設けられた第二接合膜532に接合されることで、上述したように、固定基板51及び可動基板52が接合される。
(可動基板の構成)
可動基板52は、フィルター中心点Oを中心とした円形状の可動部521と、可動部521と同軸であり可動部521を保持する保持部522と、を備えている。
可動部521は、保持部522よりも厚み寸法が大きく形成される。この可動部521は、フィルター平面視において、少なくとも反射膜設置面512Aの外周縁の径寸法よりも大きい径寸法に形成されている。そして、この可動部521には、可動電極562及び可動反射膜55が設けられている。
なお、固定基板51と同様に、可動部521の固定基板51とは反対側の面には、反射防止膜が形成されていてもよい。このような反射防止膜は、低屈折率膜及び高屈折率膜を交互に積層することで形成することができ、可動基板52の表面での可視光の反射率を低下させ、透過率を増大させることができる。
可動電極562は、所定の電極間ギャップを介して固定電極561に対向し、固定電極561と同一形状となる環状に形成されている。この可動電極562は、固定電極561とともに静電アクチュエーター56を構成する。また、可動基板52には、可動電極562の外周縁に接続された可動接続電極564が設けられている。この可動接続電極564は、可動部521から、固定基板51に設けられた接続電極溝(図示略)に対向する位置に沿って、電装面524に亘って設けられており、電装面524において、電圧制御回路14に電気的に接続される可動電極パッド564Pを構成する。
また、可動基板52には、上述したように、固定接続電極565が設けられており、この固定接続電極565は、バンプ部565A(図2参照)を介して固定引出電極563に接続されている。
可動反射膜55は、可動部521の可動面521Aの中心部に、固定反射膜54とギャップG1を介して対向して設けられる。この可動反射膜55としては、上述した固定反射膜54と同一の構成の反射膜が用いられる。
なお、本実施形態では、上述したように、電極間ギャップが反射膜間ギャップG1の寸法よりも大きい例を示すがこれに限定されない。例えば、赤外線や遠赤外線を用いる場合等、分光画像の取得対象波長域によっては、ギャップG1の寸法が、電極間ギャップの寸法よりも大きくなる構成としてもよい。
保持部522は、可動部521の周囲を囲うダイアフラムであり、可動部521よりも厚み寸法が小さく形成されている。このような保持部522は、可動部521よりも撓みやすく、僅かな静電引力により、可動部521を固定基板51側に変位させることが可能となる。この際、可動部521が保持部522よりも厚み寸法が大きく、剛性が大きくなるため、保持部522が静電引力により固定基板51側に引っ張られた場合でも、可動部521の形状変化が起こらない。従って、可動部521に設けられた可動反射膜55の撓みも生じず、固定反射膜54及び可動反射膜55を常に平行状態に維持することが可能となる。
なお、本実施形態では、ダイアフラム状の保持部522を例示するが、これに限定されず、例えば、フィルター中心点Oを中心として、等角度間隔で配置された梁状の保持部が設けられる構成などとしてもよい。
可動基板52において、第一接合部513に対向する領域は、第二接合部523となる。この第二接合部523には、第二接合膜532が設けられ、上述したように、第二接合膜532が第一接合膜531に接合されることで、固定基板51及び可動基板52が接合される。
[撮像部、信号処理回路、及び電圧制御回路の構成]
次に、図1に戻り、光学モジュール10における撮像部12、について説明する。
撮像部12は、波長可変干渉フィルター5を透過した光を受光(検出)し、受光量に基づいた検出信号を信号処理回路13に出力する。撮像部12としては、CCDやCMOS等の各種イメージセンサを用いることができる。また、撮像部12は、複数の画素を有し、これらの画素を制御する撮像制御ドライバ(図示略)を有している。そして、撮像部12は、制御部30からの制御の下、各画素において光を受光する露光時間を制御し、露光時間において受光された光の光量に基づいた検出信号を、信号処理回路13を介して制御部30に出力する。
信号処理回路13は、撮像部12から出力された検出信号(アナログ信号)を増幅したのち、デジタル信号に変換して制御部30に出力する。信号処理回路13は、検出信号を増幅するアンプや、アナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換器等により構成される。また、信号処理回路13は、制御部30の制御の下、アンプの増幅率を変更し、所定の増幅率で検出信号を増幅して制御部30に出力する。
電圧制御回路14は、制御部30の制御に基づいて、波長可変干渉フィルター5の静電アクチュエーター56に対して駆動電圧を印加する。これにより、静電アクチュエーター56の固定電極561及び可動電極562間で静電引力が発生し、可動部521が固定基板51側に変位する。
[表示部及び操作部の構成]
表示部21は、例えば、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイパネル(PDP;Plasma Display Panel)、有機ELディスプレイパネル等の各種表示ディスプレイにより構成されている。表示部21は、制御部30の制御に基づいて、リアルタイム画像等を表示する。
操作部22は、例えば、マウス、キーボード、タッチパネル等のユーザー操作を検出可能な各種装置で構成されている。
[制御部の構成]
次に、分光測定装置1の制御部30について説明する。
制御部30は、例えばCPUやメモリー等が組み合わされることで構成され、分光測定装置1の全体動作を制御する。この制御部30は、図1に示すように、記憶部31と処理部32とを備えている。
記憶部31は、分光測定装置1を制御するための各種プログラムや、各種データが記憶されている。当該データは、例えば、静電アクチュエーター56に印加する駆動電圧に対する透過光の波長を示すV−λデータや、測定対象Xを測定する際の測定波長に関する情報(測定開始波長、波長の変更間隔、及び測定終了波長等)である。また、記憶部31には、LED光源111及びタングステン光源112の発光特性差に基づいた安全係数が記憶されている。なお、安全係数についての説明は後述する。
処理部32は、記憶部31に記憶された各種プログラムを読み込み、実行することで、図1に示すように、フィルター制御部321、光源制御部322、光量取得部323、プレ測定制御部324、本測定制御部325、画像合成部326、HDR合成部327、及び表示制御部328等として機能する。
なお、本実施形態では、処理部32が、記憶部31に記録されたプログラム(ソフトウェア)を読み込んで実行することで、ソフトウェアとハードウェアの協働により、上記各機能を実現する例を示すが、これに限定されない。例えば、各機能を有するハードウェアとしての回路が設けられる構成などとしてもよい。
フィルター制御部321は、波長可変干渉フィルター5により取り出す光の目的波長を設定し、V−λデータに基づいて、設定した目的波長に対応する駆動電圧を静電アクチュエーター56に印加させる旨の指令信号を電圧制御回路14に出力する。
光源制御部322は、光源制御回路113を制御し、LED光源111及びタングステン光源112の点灯及び消灯を切り替える。また、光源制御部322は、各光源に印加する駆動電圧を変更する。
光量取得部323は、信号処理回路13から入力された検出信号に基づいて、撮像部12の各画素における受光量を取得、つまり、撮像画像を取得する。
プレ測定制御部324は、操作者によりプレ測定の実施指令が入力された際に、測定対象Xの一部、すなわち光学モジュール10の撮像部12にて撮像される撮像領域内のプレ測定を実施する。このプレ測定は、LED光源111を用いた簡易的な分光測定処理であり、例えば3波長の光に対する光量を取得し、取得した3波長の光に基づいて撮像領域内の分光特性(例えば分光スペクトル)を測定する処理である。3波長としては、例えば、波長610nmの赤色、波長550nmの緑色、及び450nmの青色を用いることができる。
本測定制御部325は、プレ測定の後に、測定対象Xの一部(撮像部12にて撮像される撮像領域)の本測定を実施する。この本測定は、タングステン光源112を用いた分光測定処理であり、プレ測定に比べてより多くの波長に対する光量を取得して、これらの取得した各波長の光量から測定対象Xの分光特性を測定する処理である。本測定において用いられる波長としては、例えば可視光域における20nm間隔毎の波長等を例示できる。
画像合成部326は、撮像部12で撮像された画像を合成する。例えば、本実施形態では、プレ測定の実施前にリアルタイム画像を表示部21に表示させる。この際、画像合成部326は、赤色(R),緑色(G),青色(B)の各色光に対応する分光画像である3つの色画像を合成して合成画像を生成する。なお、これらの分光画像の取得は、フィルター制御部321により、波長可変干渉フィルター5を制御し、それぞれの色に対応した透過光を撮像部12で撮像することで取得できる。
HDR合成部327は、ハイダイナミックレンジ(HDR)合成による画像合成を実施する。
表示制御部328は、測定対象Xに対するリアルタイム画像や、プレ測定の測定結果、本測定の測定結果等を表示させる。
[分光測定装置における分光測定方法]
次に、上述したような分光測定装置1の動作の概要について、図面に基づいて以下に説明する。
図4は、本実施形態における分光測定方法を示すフローチャートである。
本実施形態の分光測定装置1では、操作者の操作部22の操作により分光測定の開始指示が入力されると、光源制御部322は、LED光源111を点灯させ、タングステン光源112を消灯させる(ステップS1)。
次に、制御部30は、測定対象Xに対するリアルタイム画像を生成して表示部21に表示させる(ステップS2)。
このリアルタイム画像は、R(例えば600〜700nm)、G(例えば500〜580nm)、B(例えば400〜480nm)の各色のそれぞれの波長領域において予め設定された所定波長、すなわち、R、G、Bの各色に対応する3つの所定波長(3バンド)で分光画像(合成画像生成用の分光画像)を取得し、これらの分光画像を合成することで得られる。ここで、例えばLED光源111として、赤色LED、緑色LED、青色LEDを用いる場合、これらの各色LEDのピーク波長に対応した分光画像を取得する。これにより、各分光画像の光量が増大し、合成されるリアルタイム画像の輝度を向上させることができる。
具体的には、フィルター制御部321は、電圧制御回路14を制御して、3つの所定波長に対応する駆動電圧を順次静電アクチュエーター56に印加させる。これにより、3つの所定波長の光が、順次、波長可変干渉フィルター5を透過し、撮像部12によって検出(撮像)されることで、これらの波長に対応した分光画像が順次取得される。
そして、画像合成部326は、これらの3バンドの合成画像生成用の分光画像を合成して合成画像を生成する。その後、表示制御部328は、生成された合成画像を表示部21に表示させる。
この後、操作者は、ステップS2により表示されたリアルタイム画像を参照しながら、測色する位置(指定位置)を指定する。制御部30は、操作者の操作部22の操作により、指定位置の指定及び分光測定の開始指示を受け付けたか否かを判定する(ステップS3)。
ステップS3により「No」と判定された場合は、ステップS2を継続し、リアルタイム画像を表示部21に表示させる。なお、この際、予め設定された所定時間の間、操作部22からの操作信号がない場合は、光源制御部322は、LED光源111を消灯させる。
ステップS3において「Yes」と判定された場合、指定された位置に対してプレ測定を開始する。このプレ測定では、フィルター制御部321は、電圧制御回路14を制御して、3つ(第一数)の波長に対応する駆動電圧を順次静電アクチュエーター56に印加させ、撮像部12により撮像された各波長の分光画像を取得する(ステップS4)。
この際、測定対象となる光の波長としては、上述した合成画像生成用の分光画像とは異なる波長であってもよい。例えば、本実施形態では、LED光源111として、赤色、緑色、及び青色に対応した各色LEDを用いる。これに対して、プレ測定において取得する分光画像の波長としては、上記各色LEDのピーク波長から離れた波長の光、即ち、スペクトル変化が急峻とならない波長域であることが好ましい。例えば、青色LEDのピーク波長が450nm、緑色LEDのピーク波長が540nm、赤色LEDのピーク波長が650nmである場合、400nm、500nm、及び600nmの分光画像を取得する。LEDのピーク波長近傍の光は、スペクトル変化が急峻となり、波長ずれ等が生じた際に光量変動の影響を受けやすい。これに対して、上記のように、各色LEDのピーク波長の中間波長の分光画像を取得することで、波長ずれ等が生じたとしても光量値の変動を抑制できる。
なお、本実施形態では、第一数として3つの波長を例示したがこれに限定されず、4つ以上の波長の光が測定されてもよい。
この後、プレ測定制御部324は、ステップS4にて撮像された各波長の分光画像の各画素の画素値(光量)に基づいて、各画素における分光特性(分光スペクトル)を推算する(ステップS5)。
また、プレ測定制御部324は、推算された分光スペクトルと、LED光源111及びタングステン光源112の発光特性差に基づいて設定された安全係数とを用いて、本測定における測定条件を設定する(ステップS6)。
LED光源111とタングステン光源112とでは、各波長に対する発光量がそれぞれ異なる。すなわち、タングステン光源112は、近赤外波長域においてピーク波長を有し、可視光領域において、当該ピーク波長に向かって増加する発光スペクトルを有する。一方、LED光源111として、青色LED、緑色LED、赤色LEDを用いる場合、対応する波長にピーク波長を有するため、これらを同時点灯させた場合、R,G,Bの各波長域において、ピーク波長が存在する。したがって、例えばプレ測定において、青色波長域において、光量が小さい場合等では、タングステン光源112を用いた本測定において、照明光における青色波長域の光成分が少ないため、撮像部12での受光量が不足することが考えられる。また、例えば緑色LEDのピーク波長と赤色LEDのピーク波長との中間波長では、光量が不足する傾向にあるが、タングステン光源112では、近赤外波長域に向かって光量が増大する傾向にある。したがって、プレ測定で当該波長域に対して光量が大きいと測定された場合、本測定において露光過多となる可能性がある。本実施形態では、このようなLED光源111とタングステン光源112との発光特性差に応じた安全係数が各波長に設定されており、記憶部31に記憶されている。
ステップS6では、プレ測定制御部324は、測定された3波長に基づいて予測される分光スペクトルに対し、安全係数により補正した補正スペクトルを算出する。そして、プレ測定制御部324は、補正スペクトルに基づいて、撮像部12において最適なダイナミックレンジで各波長の光が撮像できるように測定条件を設定する。
なお、測定条件の設定では、撮像部12における露光時間、信号処理回路13のアンプのゲイン、HDR合成処理の有無、タングステン光源112の駆動電圧の順に優先度を設定し、当該優先度に従ってパラメーターを設定する。
すなわち、プレ測定制御部324は、補正スペクトルに基づいて一部の波長の光が露光過多となる場合では、当該波長の光の測定時において、撮像部12で光を受光する際の露光時間を短縮させる。また、露光時間の短縮により十分に対応できないと予測される場合では、信号処理回路13におけるアンプのゲインを減少させる。また、分光画像において、画素間の光量値が大きく、通常のダイナミックレンジで対応できない場合、HDR合成処理を実施する旨のフラグデータを設定する。さらに、上記で対応できないと予測される場合には、タングステン光源112の駆動電圧を低減させる。補正スペクトルに基づいて一部の波長の光が露光不足となる場合も同様であり、撮像部12の露光時間、信号処理回路13のゲイン、及びタングステン光源112の駆動電圧の設定では、上記露光過多となる場合とは逆の設定をすればよい。
ステップS6の後、制御部30は、本測定を実施する。
本測定では、光源制御部322は、LED光源111を消灯させ、タングステン光源112を点灯させる(ステップS7)。この際、ステップS6において、タングステン光源112の駆動電圧が変更された場合、変更された駆動電圧でタングステン光源112を駆動させる。
この後、フィルター制御部321は、電圧制御回路14を制御して、所定の測定対象波長域(例えば可視光域)における所定間隔(例えば20nm間隔)毎の波長に対応する駆動電圧を順次静電アクチュエーター56に印加させ、撮像部12により撮像された各波長の分光画像を取得する(ステップS8)。例えば、400nm〜700nmの測定対象波長域に対して、20nm間隔で分光画像を取得する場合は、16個の波長に対する分光画像が取得される。この場合、本発明における第二数は16となり、第一数である3よりも大きい数となる。
このステップS8では、上記ステップS6により設定された各パラメーターに基づいて、分光画像の撮像処理を実施する。これにより、本測定において、各波長の光を撮像部12のダイナミックレンジ内で撮像することが可能となる。
また、ステップS6において、HDR合成処理を実施する旨のフラグデータが設定されている場合では、HDR合成部327により該当波長に対して露光時間を変更して撮像された複数の分光画像を合成することでダイナミックレンジを拡大する。
この後、本測定制御部325は、撮像された各波長の分光画像に基づいて、各画素に対する分光スペクトルを算出(測定)する(ステップS9)。この際、波長毎にゲイン等を設定した場合、設定したゲインに応じた係数により検出信号を補正して、各波長に対する光量を検出し、分光スペクトルを算出する。また、表示制御部328は、ステップS9において算出された分光スペクトルを表示部21に表示させる。
そして、上記の本測定の後、光源制御部322は、タングステン光源112を消灯させる(ステップS10)。
[本実施形態の作用効果]
本実施形態では、光源制御部322は、プレ測定において、LED光源111を点灯させてタングステン光源112を消灯させる。また、光源制御部322は、本測定において、LED光源111を消灯させてタングステン光源112を点灯させる。これにより、プレ測定時において、タングステン光源112を用いる場合に比べて、省電力化を図れ、タングステン光源112の長寿命化をも図れる。また、本測定においては、タングステン光源112が用いられるため、光量の不安定や波長ずれによる測定精度の低下を抑制できる。また、タングステン光源112は、LED光源111に比べて、駆動開始から早期に光量を安定化でき、迅速な分光測定を実施できる。
本実施形態では、プレ測定の測定結果に基づいて、本測定における光源部11や撮像部12、信号処理回路13の測定条件を設定する。すなわち、プレ測定により簡易的に測定対象Xの大凡の分光スペクトルを把握できるので、その結果により、本測定を実施した際に、各分光画像が撮像部12のダイナミックレンジ内で撮像できるか否かを予測できる。したがって、その予測に基づいて、本測定における測定条件を適切に設定することで、本測定において、高精度な分光画像を取得でき、精度の高い分光測定を実施できる。
本実施形態では、プレ測定制御部324は、LED光源111と、タングステン光源112の発光特性の差に基づいた安全係数を用いて測定条件を設定する。
すなわち、プレ測定により測定された分光スペクトルは、LED光源111を用いた測定結果であるため、タングステン光源112を用いた際に、波長によっては露光過多や露光不足により分光精度が低下するおそれがある。これに対して、本実施形態では、プレ測定制御部324は、LED光源111及びタングステン光源112の発光特性差に基づいて各波長に対して設定された安全係数を用いてプレ測定により算出された分光スペクトルを補正し、補正された補正スペクトルに基づいて測定条件を設定する。このように、LED光源111とタングステン光源112との発光特性差を考慮した測定条件を設定することで、本測定において、撮像部12のダイナミックレンジ範囲内での測定が可能となり、精度の高い分光測定を実施できる。
プレ測定制御部324は、プレ測定の測定結果に基づいて各波長の光の撮像部12における露光時間を設定する。これにより、本測定において各波長の光を撮像部12のダイナミックレンジ範囲内で撮像でき、精度の高い分光測定を実施できる。
また、プレ測定制御部324は、露光時間の設定では不十分であると予測した場合、信号処理回路13におけるアンプのゲインを調節する。例えば、所定波長の測定において露光時間を最大値に設定しても十分な光量が得られない場合、プレ測定制御部324は、ゲインを増大させる。これにより、本測定において、制御部30に入力される検出信号の信号レベルが適切なレベルに設定され、分光測定精度を向上させることができる。
さらに、プレ測定制御部324は、撮像された分光画像において、画素間の光量値が所定値以上となる場合では、HDR合成処理を実施する旨のフラグデータを生成する。これにより、本測定において、HDR合成部327は、露光時間が異なる複数の分光画像を合成するHDR合成処理を実施し、ダイナミックレンジを拡大した分光画像を取得できる。
さらには、プレ測定制御部324は、撮像部12における露光時間、信号処理回路13におけるアンプのゲイン設定、及びHDR合成処理を実施した場合でも、十分なダイナミックレンジを確保できないと予測した際には、タングステン光源112における駆動電圧を増減させる。これにより、撮像部12における露光過多や露光不足をより確実に抑制でき、精度の高い分光測定を実施できる。
[実施形態の変形]
なお、本発明は上述の各実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良、及び各実施形態を適宜組み合わせる等によって得られる構成は本発明に含まれるものである。
例えば、上記各実施形態では、プレ測定の結果に基づいて測定条件を設定する際に、撮像部12における露光時間、アンプのゲイン、HDR合成処理の有無、タングステン光源112の駆動電圧の順に優先度を設定して各測定条件を設定する例を示したが、これに限定されない。例えば、タングステン光源112の駆動電圧、撮像部12の露光時間、アンプのゲイン、HDR合成処理の有無の順に優先度が設定されていてもよい。
また、波長毎にタングステン光源112の駆動電圧を制御することは困難である。したがって、プレ測定において、安全係数に基づいて算出される補正スペクトルに基づき、測定対象波長域の全体において光量が不足する場合に、タングステン光源112の駆動電圧を増加させ、測定対象波長域の全体において光量が多い場合に、タングステン光源112の駆動電圧を減少させる等の測定条件を設定してもよい。また、タングステン光源112の駆動電圧を設定した上で、波長毎に撮像部12における露光時間や、信号処理回路13のアンプのゲインを設定してもよい。
また、上記実施形態において、プレ測定制御部324は、安全係数を用いて補正スペクトルを算出する例を示したが、これに限定されない。
例えば、LED光源111に組み込まれるLEDの組合せにより、タングステン光源112と略同一のスペクトルを実現できる場合では、安全係数を用いた補正スペクトルの算出を行わず、測定条件を設定してもよい。
上記実施形態において、プレ測定の後、本測定に移行する例を示したが、例えば操作部22の操作により、本測定に移行する旨の操作信号が入力された場合にのみ、本測定に移行させる処理をしてもよい。
上記実施形態において、分光素子として、固定基板51及び可動基板52が互いに対向する状態で接合され、固定基板51に固定反射膜54が設けられ、可動基板52に可動反射膜55が設けられる波長可変干渉フィルター5を例示したが、これに限らない。
例えば、固定基板51及び可動基板52が接合されておらず、これらの基板間に圧電素子等の反射膜間ギャップを変更するギャップ変更部が設けられる構成などとしてもよい。
また、2つ基板により構成される構成に限られない。例えば、1つの基板上に犠牲層を介して2つの反射膜を積層し、犠牲層をエッチング等により除去してギャップを形成した波長可変干渉フィルターを用いてもよい。
また、分光フィルターとして、例えばAOTF(Acoustic Optic Tunable Filter)やLCTF(Liquid Crystal Tunable Filter)が用いられてもよい。ただし、装置の小型化の観点から上記実施形態のようにファブリーペローフィルターを用いることが好ましい。
その他、本発明の実施の際の具体的な構造は、本発明の目的を達成できる範囲で上記実施形態及び変形例を適宜組み合わせることで構成してもよく、また他の構造などに適宜変更してもよい。
1…分光測定装置、5…波長可変干渉フィルター(分光素子)、10…光学モジュール、11…光源部、12…撮像部(受光部)、13…信号処理回路、30…制御部、31…記憶部、32…処理部、111…LED光源、112…タングステン光源、113…光源制御回路、321…フィルター制御部、322…光源制御部、323…光量取得部、324…プレ測定制御部、325…本測定制御部、326…画像合成部、327…HDR合成部。



Claims (8)

  1. LED光源及びタングステン光源を有し、測定対象に対して光を照射する光源部と、
    前記測定対象からの入射光から、所定波長の光を選択して出射させ、かつ出射させる光の波長を変更可能な分光素子と、
    前記分光素子から出射された光を受光し、受光量に応じた検出信号を出力する受光部と、
    前記光源部、前記分光素子、及び前記受光部を制御して、波長がそれぞれ異なる第一数の光を用いて前記測定対象の分光測定を実施する予備測定処理、波長がそれぞれ異なり、前記第一数より多い第二数の光を用いて前記測定対象の分光測定を実施する本測定処理を行う制御部と、を備え、
    前記制御部は、前記予備測定処理において、前記LED光源を点灯させて前記タングステン光源を消灯させ、前記本測定処理において前記LED光源を消灯させて前記タングステン光源を点灯させる
    ことを特徴とする分光測定装置。
  2. 請求項1に記載の分光測定装置において、
    前記制御部は、前記予備測定処理における測定結果に基づいて、前記本測定処理において、前記受光部で露光過多及び露光不足とならない測定条件を設定する
    ことを特徴とする分光測定装置。
  3. 請求項2に記載の分光測定装置において、
    前記制御部は、前記LED光源と前記タングステン光源の特性差に基づいた安全係数と、前記予備測定処理における測定結果とに基づいて、前記測定条件を設定する
    ことを特徴とする分光測定装置。
  4. 請求項2又は請求項3に記載の分光測定装置において、
    前記測定条件は、前記受光部における露光時間である
    ことを特徴とする分光測定装置。
  5. 請求項2又は請求項3に記載の分光測定装置において、
    前記測定条件は、前記受光部から出力される前記検出信号の増幅率である
    ことを特徴とする分光測定装置。
  6. 請求項2又は請求項3に記載の分光測定装置において、
    前記測定条件は、前記タングステン光源を駆動させる際の駆動電圧である
    ことを特徴とする分光測定装置。
  7. 請求項2又は請求項3に記載の分光測定装置において、
    前記受光部は、複数の画素を有する撮像素子であり、
    前記制御部は、前記測定条件として、ハイダイナミックレンジ合成制御の有無を設定する
    ことを特徴とする分光測定装置。
  8. LED光源及びタングステン光源を有し、測定対象に対して光を照射する光源部と、前記測定対象からの入射光から、所定波長の光を選択して出射させ、かつ出射させる光の波長を変更可能な分光素子と、前記分光素子から出射された光を受光し、受光量に応じた検出信号を出力する受光部と、を備えた分光測定装置の分光測定方法であって、
    前記光源部、前記分光素子、及び前記受光部を制御して、波長がそれぞれ異なる第一数の光を用いて前記測定対象の分光測定を実施する予備測定処理を実施する際に、前記LED光源を点灯させて前記タングステン光源を消灯させ、
    前記光源部、前記分光素子、及び前記受光部を制御して、波長がそれぞれ異なり、前記第一数より多い第二数の光を用いて前記測定対象の分光測定を実施する本測定処理を実施する際に、前記LED光源を消灯させて前記タングステン光源を点灯させる
    ことを特徴とする分光測定方法。
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