JP2016068354A - スクラッチカード - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ホログラム層をスクラッチ隠蔽層で隠蔽することで、「秘密情報」のみならず、ホログラム再生像の発現をも秘匿して、スクラッチ隠蔽部をスクラッチして初めて、秘密情報、及び、ホログラム再生像を視認できる、偽造防止効果の高いスクラッチカードを提供する。
【選択図】 図1
Description
本来、「ある一つの層」の端部に位置する「面」は、「端面」と定義すべき(すなわち、上下面と、4つの端面とすべき。)であるが、本発明のスクラッチカードにおいては、「切り立った面」という意味合いから、「断面」という語を使用する。従って、以下の説明における「断面」は、「端面」を含む。逆に、一般に用いられる「ある物体の『断面』」などと表現される「物体内部の形状を示す『語』としての『断面』」は、これに含まれない。
これに対して、「ホログラム層」の上面(スクラッチ隠蔽層のスクラッチにより、露出したホログラム層の表面を意味する。)に照明光を照射することにより、その「上面」より「第二のホログラム再生像」が再生されるこことなる、「第二のホログラム」が、その「ホログラム層」に記録されている。(『上面』より入射した照明光が、その『下面』に設けられている『第二のホログラムレリーフ』で反射して、再び、『上面』より出射され、『第二のホログラム再生像』を出現することを意味する。もちろん、『上面』、もしくは、『下面』、または、その『両面』に『第二のホログラムレリーフ』を設けても良く、そのいずれにも、『反射層』を設けて良い。)
この「第一のホログラム」と「第二のホログラム」は、光学的な視点より、「互いに直交している」ということができ、それらを同時に再生する場合において、それぞれの再生像に対する、「互いの像の鮮明性を低下させ」たり、「互いの像を歪ませる」などの悪影響は比較的小さくすることができる。
また、本発明において、「光学的な鏡面」とは、ある「層」の表面の平滑性が、実質的に、平均表面粗さRaで、0.01μm〜0.1μmであることを意味する。そして、この「光学的な鏡面」をその表面に有する「ある層」の上に、その表面平滑性を維持した状態(その表面形状に何らの変化を及ぼさないことを意味する。)で、「別の層」を重ねた際に、この「ある層」と「別の層」との界面が、「光学的な鏡面」であるという。
また、抽せんコードの如き機密の個別データをスクラッチが可能な隠蔽層で隠蔽してあるインスタント抽選付ゲームカードやインスタント抽選付商品等においては、機密の個別データを複雑なゲームにも利用できるものとし、その隠蔽層を擦り取ると、「あたり」の文字や懸賞番号等のメッセージが浮かび上がるように構成されている
このように「スクラッチ方式」は、いわば「簡易くじ」としても用いられており、その用途としては、宝くじなどの各種くじ等の他、商品の購入時の景品提供の手段、教習具や、ゲームカード等があるが、より具体的には、携帯電話ショップで、スクラッチ枠を11か所設け、その内5か所だけを擦って、自分の携帯電話番号といくつ一致するかでもらえる景品が決まり、裏面には新規契約の方への特別割引クーポン券がついているもの、大手ドラッグストアで、ポイントカード会員獲得のために、ポイント5倍などのスクラッチに使用するもの、会員登録したその日からクーポン券として利用可能で、クーポン券の利用期間を設けるもの、大手鶏卵メーカーで、大手スーパー量販店様への卵パックの中に封入し、当たりが出たら「当たり券」をハガキに貼って裏面記載の係りあてに応募すると、購入先で使用できる商品券がプレゼントされるもの、住宅展示場、ファーストフードショップ、遊園地、観光スポット、スポーツ観戦に使用されるもの等、さらには、食品業界、ファッション業界、美容業界や医療関係等用の、擦った後に削りカスが出にくいもの等、または、被封くじであって、当せんパターンがスクラッチ印刷され、これを削ることにより抽せんを行う、インスタントくじ、スクラッチ宝くじ等、スクラッチ可能な隠蔽層をパターン状に複数設けて、それらの何れかを削って、所定のマークを出すことができた場合に「当たり」とするもの、そのマークを出すまでの削り回数や、削った軌跡で「当たり」のレベル(例えば商品価格)を定めるもの、そのパターンが、縦横マス目状に設けられ、そのマークがそのマス目のどの位置にあるかによって、「当たり」のレベルを定めるもの等がある。
さらには、来店促進のためのお買物券や割引券等、店頭でのイベントなどに用いられる名刺サイズやハガキサイズのもの、イベント案内のダイレクトメールにスクラッチを活用するもの、店頭への誘導にハガキだけでなく、V折やZ折などの圧着ハガキDMへスクラッチ印刷したもの等、1日1回で数十回スクラッチすると、その回数に応じて、景品引換券や、家具や洋服等の店頭で販売している商品が手に入るものや、スクラッチカードの四つ角に決まったアイテムが用意され、これを参考にすれば、欲しいアイテムを効率良く集めることができるように構成されているもの等がある。
(先行技術)上記したように、銀行口座からの自動引き落としや、信販会社を介した決済という方法は、非常に堅実な方法ではあるが、事前の手続きが面倒で、また、サービスの利用開始までに時間がかかるという問題があり、公共料金など利用が不可欠なサービスについては、有効な料金回収方法であるとしても、顧客にとって恣意的なサービスについての料金回収方法としては、必ずしも適切ではなく、利用料金の支払いのための手続きが面倒であったり、実際に利用が可能になるまでに何日も待たされたりすれば、顧客はそのサービスの利用に躊躇せざるを得なくなる。
以上のごとき、カムフラージュ行為を直接的に阻止する方法として、スクラッチ可能な隠蔽層の上、または、スクラッチ可能な隠蔽層とカード基材とに跨るように、ホログラム画像を形成したホログラム層を設け、不正を行おうとする者にホログラム画像の存在を認識させて、「ホログラム層」を形成することの困難さを持って不正行為を阻止しようとする技術も開発されている。(例えば、特許文献3または4参照。)
しかし、これらの技術は、ホログラム層の存在や、そのホログラムデザインが第三者にあらかじめ開示されていることから、そのホログラム再生像に類似した光学効果を有するものを十分な時間を掛けて偽造したり、もともと、この構成自体がホログラム層とスクラッチ可能な隠蔽層を同時に削る仕様となっていることから、「ホログラム層もろともスクラッチ可能な隠蔽層を全て削ってしまった」と偽ることにより、ホログラム層が全く存在しない変造品を持参しながら、あたかも正規品であったかの如く振る舞う等の不正を防ぐことができないという欠点を有していた。
本発明のスクラッチカードの第1の態様は、
カード基材の一方の表面に設けられた秘密情報を隠蔽するスクラッチカードであって、前記表面の少なくとも一部に、前記秘密情報を覆うようにレリーフホログラム形成層及び、スクラッチ隠蔽層がこの順序で設けられ、前記レリーフホログラム形成層の露出している断面の内、一方の断面に入射した所定の入射光により、前記所定の入射光に基づく第一のレリーフホログラム再生像が再生されるとともに、前記レリーフホログラム形成層の露出している断面の内、他方の断面から出射された出射光から、前記第一のレリーフホログラム再生像を視認することができ、且つ、前記スクラッチ隠蔽層をスクラッチにより除去することにより、前記秘密情報が視認可能となることを特徴とするものである。
カード基材の一方の表面に設けられた秘密情報を隠蔽するスクラッチカードであって、前記表面の少なくとも一部に、前記秘密情報を覆うようにレリーフホログラム形成層及び、スクラッチ隠蔽層がこの順序で設けられ、前記レリーフホログラム形成層の露出している断面の内、一方の断面に入射した所定の入射光により、前記所定の入射光に基づく第一のレリーフホログラム再生像が再生されるとともに、前記レリーフホログラム形成層の露出している断面の内、他方の断面から出射された出射光から、前記第一のレリーフホログラム再生像を視認することができ、且つ、前記スクラッチ隠蔽層をスクラッチにより除去することにより、前記秘密情報が視認可能となることを特徴とするスクラッチカードを提供することができ、その「秘密情報」の覗き見や、偽造及び変造を困難としたスクラッチカードを提供することができる。
第1の態様のスクラッチカードにおいて、
前記スクラッチ隠蔽層をスクラッチにより除去することにより、前記秘密情報、及び、前記レリーフホログラム形成層により再生される第二のレリーフホログラム再生像が視認可能となることを特徴とするものである。
第1の態様のスクラッチカードにおいて、前記スクラッチ隠蔽層をスクラッチにより除去することにより、前記秘密情報、及び、前記レリーフホログラム形成層により再生される第二のレリーフホログラム再生像が視認可能となることを特徴とするスクラッチカードを提供することができ、その「秘密情報」の覗き見や、偽造及び変造を、より困難としたスクラッチカードを提供することができる。
第1の態様または第2の態様のスクラッチカードにおいて、前記スクラッチ隠蔽層と前記レリーフホログラム形成層との界面が、「光学的な鏡面」であることを特徴とするものである。
第1の態様または第2の態様のスクラッチカードにおいて、前記スクラッチ隠蔽層と前記レリーフホログラム形成層との界面が、「光学的な鏡面」であることを特徴とするスクラッチカードを提供することができ、より鮮明なホログラム再生像を出現可能とし、その偽造防止性と意匠性を高めたスクラッチカードを提供することができる。
第1の態様から第3の態様の何れかの態様のスクラッチカードにおいて、前記スクラッチ隠蔽層の前記レリーフホログラム形成層が形成されている面とは反対の面に、地紋印刷が施されていることを特徴とするものである。
第1の態様から第3の態様の何れかの態様のスクラッチカードにおいて、前記スクラッチ隠蔽層の前記レリーフホログラム形成層が形成されている面とは反対の面に、地紋印刷が施されていることを特徴とするスクラッチカードを提供することができ、より偽造防止性と意匠性を高めたスクラッチカードを提供することができる。
第1の態様から第4の態様の何れかの態様のスクラッチカードにおいて、前記スクラッチ隠蔽層が、平均粒子径1.0μm〜10μmの顔料及び、平均粒径0.01μm〜0.1μmの微粒子顔料を含んでいることを特徴とするものである。
第1の態様から第4の態様の何れかの態様のスクラッチカードにおいて、前記スクラッチ隠蔽層が、平均粒子径1.0μm〜10μmの顔料及び、平均粒径0.01μm〜0.1μmの微粒子顔料を含んでいることを特徴とするスクラッチカードを提供することができ、その偽造防止性を著しく高めたスクラッチカードを提供することができる。
そして、このレリーフホログラム形成層の、4つの「露出している断面」の内、少なくとも、その「一方の断面」に、予め準備した回折格子や干渉縞が凹凸の形で記録された「第一の原版」(所定の『第一のホログラムレリーフ』面を有する原版という意味。)を、以下に詳述する方法を用いて、複製方式のプレス型(スタンパともいう。)として押し当て、加熱ロールなどの適宜な手段により、特に原版を加熱して圧着することにより、「第一の原版」の凹凸模様を、レリーフホログラム形成層の、その「一方の断面」に複製することができる。この際、形成する「第一のレリーフホログラム」パターンは単独のパターンでも、複数のパターンの集合体でもよい。
レリーフホログラム形成層は、「秘密情報」表示部を溶解したり、変質させたりしない溶剤を用いて、オフセット印刷方式、グラビア印刷方式、スクリーン印刷方式、凹版印刷方式、インクジェット印刷方式等の印刷方式や、スピンコーティング方式、カーテンコート方式、フォトレジスト処理方式等の形成手段を用いて、乾燥後の厚さとして、10μm〜1000μm、好適には、100μm〜500μmの厚さで形成する。
但し、以下の2点の課題がある。
そのような、非常に細長い「窓」、例えば、「高さ数百μm×幅数十mm」の「窓」を通して、「平面パターン」や「平面画像」の「像」、さらには、「3次元の物体像」を見ることとなるため、その「窓」そのものが「開いた窓」か否かさえ、その判別が難しいことに加え、そのような「開いている窓」と明言できない「窓」の奥にある、「平面パターン」や「平面画像」、さらには、「3次元の物体」を「認識」することはさらに困難なものとなる。
そして、このような「CGH」は、電子線描画装置を用いて、その微細な凹凸形状を形成するため、上記した「縦方向の解像度として、微細な凹凸形状が数百個〜千個程度しか存在しない状態」においても、個々の「凹凸形状」を「撮影方法」よりも、微細、且つ、精密に形成でき、その「再生像」の「鮮明度」を向上させることを可能とする。
上記した、「出射光」の出射する角度は、カード基材の表面と並行な方向を「角度0度」とし、カード基材の表面に垂直な方向を「角度90度」としたとき、比較的小さくすることが望ましく(カード表面の方向として、『出射光』を見つけ易い。)、「角度0度〜30度」、好適には、「角度5度〜10度」とする(光の進行方向の『上』に曲がるという意味。)。
しかし、スクラッチ隠蔽層のレリーフホログラム形成層と接している面は、本発明の目的より、上記したように「光学的な鏡面」とする必要があるため、適宜な剥離性フィルム上に、スクラッチ隠蔽層を形成後、上記した「光学的な鏡面」以上の平滑な表面を有する、「表面平滑化処理を施した金属板」等を用いて、100〜200℃の加熱、及び、107〜109Paでの加圧をする平板プレス処理、もしくは、「表面平滑化処理を施した金属ロール」等を用いてロール幅1cmに対して1.0kg以上の線圧を掛けるロールプレス処理により、一旦、スクラッチ隠蔽層の、レリーフホログラム形成層と接する面を「光学的な鏡面」とし、その面の「光学的な鏡面」性を維持したまま、レリーフホログラム形成層を設けて、2層積層体を形成後、その適宜な剥離性フィルムを剥がして、スクラッチカードのカード基材上の所定の位置に配置後、カード基材に設ける手順とすることも好適である。
それぞれ、レリーフホログラムデザインとの同調性、各層厚さとのバランス、使用する樹脂層の屈折率差、接着性を考慮して形成方法、形成パターン形状を定める。
(カード基材、及び、「秘密情報」形成部)
本発明のスクラッチカードH1及び6に用いられるカード基材1としては、「秘密情報」2表示部を設けることができ、且つ、レリーフホログラム形成層3及び、スクラッチ隠蔽層4を、そのカード基材1上に設けることができるものであれば、あらゆる材料、すなわち、プラスチック材料、金属材料、セラミック材料、生体材料、それらの複合材料、さらには、それらを多層構造としたり、さらに複雑に組み合わせたりしたものなどを用いることができる。且つ、その表面や裏面に、本発明のスクラッチカードH1及び6の用途に応じた印刷等の手段による適宜な表示を設けたものであってもよい。(図1〜図4参照。図2〜図4では、カード基材1の表面に「☆スクラッチカード☆」などの印刷を施しているが、この「印刷デザイン」を、スクラッチ隠蔽層4の上に設けてもよいし、また、この「印刷デザイン」をレリーフホログラム形成層3に記録する「ホログラムデザイン」として、レリーフホログラム形成層3に記録しておいてもよい。)
その形状も、あらゆる形状、すなわち、シート状、フィルム状、板状、立方体状、直方体状、カード形状(磁気カード、ICカード、非接触ICカード、ポストカード、グリーティングカード、名刺、ポイントカード、ライセンスカード、遊戯用カード等の形形状)、はがき形状、リーフ形状、帳票形状、伝票形状、Sメール形状、ラベル形状、シール形状、証券類形状、通帳形状、パスポート形状、郵便物形状、配送物形状、封筒状、袋状、箱状、ケース状、円盤状、ディスク状、楕円体状、球体状、曲面形状、棒状、及びこれらの組み合わせや、これらに変形、切断、穴あけ、接着等の加工処理を施したものなどを採用することができる。さらには、電子端末や、携帯用端末等、あらゆる工業製品やあらゆる商品をもカード基材1として採用することができる。
赤外線照射に対しては、さらに赤外線吸収剤等を、紫外線照射に対しては、さらに紫外線吸収剤等を、X線照射に対しては、金属板の中でも鉛材料等を、電子線等の粒子線照射に対しては、それらの粒子線を吸収する素材を混在させることで、その効果を増すことができる。
その中でも、その「汎用性」(加工汎用性を含む。この「加工汎用性」とは、「保護層/磁気層/接着層」からなる磁気ストライプをカード基材に埋め込んだり、カード基材を積層体とする等の製造ラインや製造条件が確立していることを意味する。)から、「JIS規格やISO規格で定められている『プラスチックカード』として用いられているカード基材及び形状」が望ましい。
具体的には、50μm〜1000μmの厚さの軟質塩化ビニルシートや硬質塩化ビニルシート、もしくは、その組み合わせ(積層体という意味。)が好適である。
この識別手段としては、目視識別、携帯カメラ認識やバーコード認識等の光学的識別、機械識別、その他の物理的識別手段等をいう。
これらの「秘密情報」2をスクラッチカードH1、及び6のカード基材1上に設ける方法としては、可変情報を形成する方式として、感熱溶融転写方式、昇華転写方式、光学的もしくは物理的直接描画方式、電子写真方式及び、インクジェット方式等があり、固定情報を形成する方式としては、グラビア印刷方式、オフセット印刷方式、活版印刷方式、凹版印刷方式、スクリーン印刷方式等がある。(図1〜図3参照。)
もちろん、電子端末のディスプレー上に「秘密情報」2を表示するものであってもよい。
感熱発色材料としては、発色剤、顕色剤、及び、増感剤からなる系を用いることができ、発色剤としては、ベンゾイルロイコメチレンブルー、クリスタルバイオレットラクトン等のフタリド化合物等、顕色剤としては、4−4´ビフェノール、1−ナフトール等の酸など、さらに、増感剤としては、4−ベンジルビフェニル、フルオレン等を用いる。
(スクラッチ隠蔽層)
本発明のスクラッチカードH1、及び6のカード基材1上に「秘密情報」2形成部を設け、その「秘密情報」2形成部を覆うように、レリーフホログラム形成層3、さらには、その上に、スクラッチ隠蔽層4を設けて、本発明のスクラッチカードH1もしくは6を得る。(図1または図2参照。)
本発明のスクラッチカードH1のスクラッチ隠蔽層4に用いるインキ組成物としては、熱可塑性樹脂や、熱硬化性樹脂を用いることができる。
また、熱硬化性樹脂としては、シリコン樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン、フェノール樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、エポキシ樹脂や、不飽和ポリエステル樹脂等をあげることができ、シリコン樹脂として、シリコンゴム(シロキサン結合が5000〜10000の直鎖構造分子。)や、ケイ素樹脂、ゴム系天然樹脂として、天然ゴム、塩酸ゴム、ポリイソプレン、ポリクロロプレン等を用いることができる。
さらに、スクラッチ隠蔽層4用インキ組成物として、金属ペースト、樹脂材料及び助剤を、水と低級アルコールに分散せしめて水性エマルジョンインキとしたものも使用でき、特に、レリーフホログラム形成層3の上にスクラッチ隠蔽層4を設ける際に、そのレリーフホログラム形成層3の表面に不要な変形や変質を与えないため好適である。
(レリーフホログラム形成層、及び地紋印刷)
本発明のスクラッチカードH1、及び6のカード基材1の一方の表面に「秘密情報」2形成部を設け、その「秘密情報」2形成部を覆うように、カード基材1の一部に、レリーフホログラム形成層3を設ける。(図1または図2参照。)
本発明のスクラッチカードH1、及び6のレリーフホログラム形成層3を構成するための透明樹脂層に用いられる樹脂材料としては、各種の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、もしくは電離放射線硬化性樹脂を用いることができる。
これらの熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂は、1種もしくは2種以上を使用することができる。これらの樹脂の1種もしくは2種以上は、各種イソシアネート樹脂を用いて架橋させてもよいし、あるいは、各種の硬化触媒、例えば、ナフテン酸コバルト、もしくはナフテン酸亜鉛等の金属石鹸を配合するか、または、熱もしくは紫外線で重合を開始させるためのベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド等の過酸化物、ベンゾフェノン、アセトフェノン、アントラキノン、ナフトキノン、アゾビスイソブチロニトリル、もしくはジフェニルスルフィド等を配合しても良い。
以下、説明の簡略化のため、「SEC1、及び/または、SEC2」に、「第一のレリーフホログラム」に係る「第一のホログラムレリーフ」を設ける、もしくは、「レリーフホログラム形成層3」の上面(スクラッチ隠蔽層4と接している面。)、及び/または、「レリーフホログラム形成層3」の下面(カード基材1と接している面。)に、「第二のレリーフホログラム」に係る「第二のホログラムレリーフ」を形成することを、まとめて(それらに共通して適用可能であるため。)、「レリーフホログラム形成層3に、レリーフホログラムのホログラムレリーフを設ける」と表現する。
さらに、ホログラムレリーフ面が、レリーフホログラム形成層3と接着層との間の界面にある場合も同様の手法を用いて本発明のスクラッチカードを作製とすることができ、そして同様の好適な効果を得ることができる。
この構成の場合には、レリーフホログラム形成層3とその上に設けられるスクラッチ隠蔽層4との界面が、平坦な面となるとともに、スクラッチ隠蔽層4をスクラッチオフする際に、この平坦な面上をコインや爪が引っ掻くこととなり、比較的、スクラッチ隠蔽層5が削れやすく、また、スクラッチカードをの削り残りが発生し難くなって、スクラッチオフ適正に優れるものとなる。
さらには、レリーフホログラム形成層3への「所定の入射光」や、レリーフホログラム形成層3からの「所定の出射光」を、カード基材1の表面に平行な「光」ではなく、その表面に対して仰角10度〜60度の入射角、もしくは、出射角とするため、レリーフホログラム形成層3の「断面」の外側に隣接して、同一の厚さで、同一の横幅を持ち、奥行方向(表面の『長方形』における『縦方向』を意味する。)に、0.1mm〜5.0mmの長さを持つ、「その『斜面』が、『所定の角度で傾斜している反射面』となっているプリズム(透明な樹脂、もしくは、透明な樹脂+反射性薄膜層で構成される。)や、シリンドリカルレンズなど」をそれぞれ、「入射光」側と、「出射光」側に設けてことも、真正性判定の容易性から好ましい。
レリーフホログラム形成層3、及び/または、スクラッチ隠蔽層4の上に、さらには、黒色層もしくは反射性薄膜層の上に、この地紋印刷5以外の通常デザイン(主要なデザイン模様等)の印刷を施し、その意匠性を高めることができることは言うまでもない。
但し、レリーフホログラム形成層3やスクラッチ隠蔽層4の表面の一部が、上記したように、意図して「粗い粗面」を設けた部分である場合には、この大きな凹凸に追従して印刷可能なインクジェット方式や、この凹凸に影響され難い感熱転写方式、もしくは、昇華転写方式を用いて地紋印刷5を行ってもよい。さらに、このような感熱転写方式、もしくは、昇華転写方式を用いて、その大きな凹凸の凸部のみに印刷を行い、不正なスクラッチにより非常に容易に地紋印刷5が破壊されるようにすることもできる。
そして、この地紋印刷5を、スクラッチ隠蔽層4上、及びスクラッチ隠蔽層4とレリーフホログラム形成層3との間、の両方に設け、且つ、そのデザイン及び、形成位置をスクラッチ隠蔽層4の上下で、位置を異ならせたり、同一としたりすることも、その意外性や偽造防止性を高めるため好適である。(図示せず。)
また、本発明のスクラッチカードH1、及び6において、レリーフホログラム形成層3の背面に、すなわち、カード基材1とレリーフホログラム形成層3との間(その上に形成された「秘密情報」2形成部上を除く)の所定の位置に、黒色層を設けることができる。(図示せず。)
ここで、黒色層は、部分的、且つ、離散的に複数形成してもよい。そして、この黒色層のパターンによって、何らかのデザインを表すものとしてもよい。(図示せず。)
黒色層は、微粒子カーボンブラックや、超微粒子カーボンブラック、その他の炭素系黒色顔料や酸化物系黒色顔料の微粒子や超微粒子、さらには、含金属黒色染料(金属錯塩染料)等を、含有率で20〜70質量%として、透明樹脂、例えば、熱可塑性樹脂としてはアクリル酸エステル樹脂、アクリルアミド樹脂、ニトロセルロース樹脂、もしくはポリスチレン樹脂等が、また、熱硬化性樹脂としては、不飽和ポリエステル樹脂、アクリルウレタン樹脂、エポキシ変性アクリル樹脂、エポキシ変性不飽和ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、もしくはフェノール樹脂等に2次凝集を少なくするように、ガラスビーズやスチールビーズを用いたボールミル、ニーダー、ロールミル等による混練りを十分行い、溶剤等で粘度調整をして、グラビア方式、オフセット方式、シルクスクリーン方式、カーテンコート方式、ノズルコート方式、インクジェット方式さらには、フレキソ印刷方式を適宜用いて均一な厚さに形成することができる。(図示せず。)
この場合、レリーフホログラム形成層3、または、カード基材1上との密着性の高いものを選定する。
反射性薄膜層としては、真空薄膜法などにより形成される「金属薄膜」などの「全反射性薄膜層」、または、「金属化合物薄膜」等の「透明反射性薄膜層」のいずれでもよいが、「全反射性薄膜層」の場合には、「秘密情報」2を視認可能(もしくは、所定の識別を可能)とする目的で、「全反射性薄膜層」の「秘密情報」2に該当する領域を開口部とした「部分形成」とする。
ここで、接着層としては、従来公知の溶剤系及び水系のいずれの接着剤、例えば、酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル−アクリル共重合体、酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリウレタン樹脂や、天然ゴム、クロロプレンゴムなどのゴム系樹脂などが挙げられる。自然にやさしい材料構成とするために、特に、天然ゴムを主成分とするラテックス、それを変性したもの、特に天然ゴムにスチレン特にメタクリルさんメチルとをグラフト重合させて得た天然ゴムラテックス等の天然素材から作製されたものを用いても良い。
または、カード基材1上に、レリーフホログラム形成層3及びスクラッチ隠蔽層4を形成する前に、そのレリーフホログラム形成層3のカード基材1側に、接着層を設け、スクラッチ隠蔽層4とともに、カード基材1に接着させる手順を採用することができる。
この際、カード基材1上の所定の位置に、「秘密情報」2として、連続数字1〜8が印字されており(図3参照。図3には、その所定の位置を示す枠が便宜上表示されている。)、その「秘密情報」2を覆うように、レリーフホログラム形成層3及びスクラッチ隠蔽層4が設けられることとなる。(図1または図2参照。)
また、本発明のスクラッチカード6のスクラッチ隠蔽層4上に、幾何学模様からなる地紋印刷5を施した。(図4参照。)
いずれの場合も、目視では、スクラッチ隠蔽層4で覆われた「秘密情報」2、さらには、レリーフホログラム形成層3を、視認することはできず、また、この層を、爪等で破断なくきれいに剥がすことは、到底、不可能であると思われたが、レリーフホログラムの「一方の露出している断面」に、「所定の入射光」を入射させ、その「断面」の対向面にある、「他方の露出している断面」から出射する出射光を観察したところ、レリーフホログラム形成層3による「第一のレリーフホログラム再生像」を視認することができ、そして、本発明のスクラッチカードH1、及び6のスクラッチ隠蔽層4、もしくは、地紋印刷5とスクラッチ隠蔽層4を、コインを用いて部分的に削り取ると、その削り取った領域から、その下に隠れていた「秘密情報」2が視認可能となり、同時に、レリーフホログラム形成層3による「第二のレリーフホログラム再生像」が観察可能となって、このようなスクラッチカードH1、及び6を偽造することは非常に困難であると思われた。(図示せず。)
(実施例1)
スクラッチカード6のカード基材1として、厚さ560μmの硬質塩化ビニルシートを、厚さ100μmの軟質塩化ビニルシート2枚で挟み込み、総厚さ760μmの3層積層塩化ビニルシート(クレジットカードサイズ)を用いる。
このカード基材1の所定の領域(カード基材1のほぼ中央に位置する領域。)に、インクジェットプリンターにて、「秘密情報」2として、「12345678」の番号(各数字文字の高さ4mm、幅2mm、文字間隔1mm。)を印字した。(図1及び、図3参照。)
これとは別に、一方の面にシリコン系離型剤による離型処理が施してある、厚さ3.0μmのポリエチレンフィルム(片面離型処理済みフィルム。『(離型処理面)3.0μmPEフィルム(非処理面)』とも表す。また、単に『PEフィルム』とも称す。)の、もう一方の面に、下記組成のレリーフホログラム形成層3用インキ組成物を、ステンレススクリーン印刷方式にて、タテ15mm×横40mmのサイズで形成し、乾燥後の厚さとして、50μmの厚さとし、これを、6回、繰り返して、300μmの厚さとなる、レリーフホログラム形成層3を形成した。(図示せず。)
<レリーフホログラム形成層3用インキ組成物>
メラミン樹脂 40部
トルエン 5部
メチルアルコール 5部
イソプロピルアルコール 20部
エチルセルソルブ 20部
ブチルセルソルブ 10部
この厚さ3.0μmのPEフィルムと、厚さ300μmのレリーフホログラム形成層3の「積層体(2)」を、100シート作成し、これらを位置合わせして重ね合わせ、全体厚さを、30.3mmとした、「多層積層体(3)」を得た。(図示せず。)
この「多層積層体(3)」を、その表面が滑らかな表面仕上げを施してあるステンレス製の断裁刃(刃先形状を『片刃形状』としたもの。)を用いて、その四方を、丁寧にカッティングし、その4つの「断面」を滑らかな面(平面)としつつ、その上面及び下面の形状が「縦10mm×横30mm」の長方形となっている、直方体形状の「多層積層体(4)」とした。
次いで、この「多層積層体(4)」の最表面に位置する「(離型処理面)3.0μmPEフィルム(非処理面)/300μmレリーフホログラム形成層3」の「レリーフホログラム形成層3」の上に、「厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム」をラミネートして、一旦、201層とした後、その最上面に位置する3層部分を、その「PEフィルムの離型処理面」から剥離することで、「3.0μmPEフィルム/レリーフホログラム形成層3/厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム」の「積層体(5)」を取り出し、さらに、この「積層体(5)」から、「3.0μmPEフィルム」を剥がして、「厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム/300μmレリーフホログラム形成層3」からなる「積層体(6)」を得た。(図示せず。)
この「積層体(6)」は、「厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム/厚さ300μmのレリーフホログラム形成層3」の2層構成であり、且つ、その「レリーフホログラム形成層3」の一方の「断面」である「SEC1」に、「第一のレリーフホログラム」の「第一のホログラムレリーフ」が形成されている。
すなわち、シート状の『積層体(6)』の一つの断面(SEC1)に、そのシート面に垂直な方向の「溝」が、整然と並んでいる状態となっている。
その「レリーフホログラム形成層3」の上に、下記組成のスクラッチ隠蔽層4用インキ組成物を、ステンレススクリーン印刷方式にて形成し、乾燥後の厚さとして、スクラッチ隠蔽層4を、15μmの厚さで形成し、本発明の実施例1のスクラッチカードH1、もしくは6を得た。(図1及び図2参照。このとき、『スクラッチ隠蔽層4用インキ組成物』が、『レリーフホログラム形成層3』の『断面:SEC1』に回り込まないように注意した。)
<スクラッチ隠蔽層4用インキ組成物>
アクリロニトリル−ブタジエン共重合体 20部
アクリル樹脂 5部
顔料ノンリーフィングアルミペースト アルミニウム微粉末 40部
顔料リーフィングアルミペースト アルミニウム微粉末 10部
イソシアネート系硬化剤 1部
トルエン 10部
酢酸エチル 5部
エチルセルソルブ 9部
この実施例1のスクラッチカードH1、もしくは6を、通常の蛍光灯下で観察したところ、スクラッチカードH1、もしくは6上にて、「カードの一部に銀色の印刷層」を観察できるのみであり、その下に形成されている、「秘密情報」2の存在、さらには、レリーフホログラム形成層3の存在を窺い知ることはできなかった。(図1及び図2参照。『レリーフホログラム形成層3』の『露出している断面の内、一方、及び、他方の断面SEC1及びSEC2』は、注意深く観察すると視認できたが、『それらの断面』から、『何らかのレリーフホログラム』の存在を認識することは出来なかった。)
次いで、この実施例1のスクラッチカードH1、もしくは6上の、カード基材1の表面から突出している「銀色の印刷層」部分の「露出している断面の内、一方、及び、他方の断面SEC1及びSEC2」(『縦10mm×横30mmの長方形の縦10mmの一辺』と、『厚さ300μmの一辺』により形作られる長方形で表される断面となっている。)の内、「露出している断面の内、一方の断面SEC1」に垂直に、記録時の「平行光」と同様の平行光である「所定の入射光(平行光1)」を入射させると、「露出している断面の内、他方の断面SEC2」から、「第一のレリーフホログラム」による、「第一のレリーフホログラム再生像」である、「その『平行光1』と開き角が10度の『平行光2』」(すなわち、『平行光2』は、+1次回折光であって、『平行光1』の進行方向を、『シート』面内に、+10度だけ、曲げた平行光である。)が再生され、視認することが出来た。(ホログラム再生像が再生されている状況は図示せず。)
但し、このとき、「平行光1」の「0次回折光」(『平行光1』がその光の強度を60%としてそのまま直進する平行光。)や、「平行光1」の「−1次回折光」(『平行光1』の進行方向を、『シート』面内に、−10度だけ、曲げた平行光である。)も、同時に視認されるため、この3つの光(平行光)を、カード基材1から20cm程度離れた観測位置において、互いに3cm程度離れている「3つの光(もしくは、スクリーンにあてた、3つの光の点。)」として、視認することも可能である。
(実施例2)
実施例1において、別に準備したレーザ光学系を用いて撮影した「意匠性の高いホログラム」(第二のレリーフホログラム。三次元立体像。)の「第二のホログラムレリーフ」を備えた、Ni原版(2)を用意し、実施例1における「積層体(6)」の、その「レリーフホログラム形成層3」の「露出している表面」に、そのNi原版(2)のホログラムレリーフ面を合わせて、回転式レリーフホログラム形成装置(原版シリンダー径1.0m、原版面温度100℃、加圧シリンダー径0.3m、水冷式、圧力2000kg/m、複製速度5m/分)にて、「第二のレリーフホログラム」の「第二のホログラムレリーフ」を、「レリーフホログラム形成層3」の露出している表面上に形成した。(図示していない。)
従って、この「積層体(6)」の「厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム」の上に設けられている「レリーフホログラム形成層3」は、その「一方の断面:SEC1」に、「第一のレリーフホログラム」の「第一のホログラムレリーフ」(単純回折格子)が形成され、且つ、その露出している表面に、「第二のレリーフホログラム」の「第二のホログラムレリーフ」(意匠性の高いホログラム)が形成されている。
以上のこと以外は、実施例1と同様にして、本発明の実施例2のスクラッチカードH1、もしくは6を得た。
(実施例3)
実施例1において、Ni原版(3)として、実施例1のNi原版(1)の単純回折格子の「格子方向」を、その「方向」と直交する方向とした、「第二の単純回折格子」を設けた母型を準備した。 このNi原版(3)の表面には、「第一のホログラム(その2)」の「第一のホログラムレリーフ(その2)」の凹凸形状(Ni原版〔1〕とは、『格子方向』のみが異なり、その『格子方向』が、『シート』面に平行となっているもの。『格子周期』や、『溝』の形状は同一。)が刻まれている。
すなわち、この「平行光3」は、「第一のレリーフホログラム(その1)」の+1次回折光として、「平行光1」の進行方向を、「シート」面内に、+10度だけ、曲げた「平行光2」となり、その後、その「平行光2」の「第一のレリーフホログラム(その2)」による+1次回折光として、「平行光2」の進行方向を、「シート」面に垂直な方向に、+10度だけ、上向かせた「平行光3」となっている。
(実施例4)
実施例1において、適宜な剥離性フィルム(厚さ38μの表面離形処理ポリエチレンテレフタレートフィルム)上に、スクラッチ隠蔽層4を形成し、その露出面と、その剥離性フィルムを、厚さ3mmのステンレス板2枚(その表面に樹脂コートを施して、平均表面粗さRaで、0.1μmとした「光学的な鏡面」に仕上げたもの。)の間に挟み込み、その両側から、200℃、109Paでの加圧をする平板プレス処理を施して、スクラッチ隠蔽層4の露出面を「光学的な鏡面」とした、「適宜な剥離性フィルム(厚さ38μの表面離形処理ポリエチレンテレフタレートフィルム)/厚さ15μmのスクラッチ隠蔽層4」の「積層体(7)」を別途準備した。
この本発明の実施例4の「積層体(9)」における、「15μmスクラッチ隠蔽層4」と「300μmレリーフホログラム形成層3」の「界面」は、「光学的な鏡面」となっており、且つ、その「レリーフホログラム形成層3」の一方の「断面」である「SEC1」に、実施例1の「第一のレリーフホログラム」の「第一のホログラムレリーフ」が形成されている。
次に、この厚さ353μmの「積層体(9)」の「レリーフホログラム形成層3」の露出面(『第二のホログラムレリーフ』面)と、カード基材1の「秘密情報」2を設けた表面が接するように、且つ、その「秘密情報」2形成部を覆うように、さらには、10mm×30mmサイズがこのカード基材1のほぼ中央に位置するように、この「積層体(6)」とカード基材1をラミネートし、厚さ38μmのポリエチレンテレフタレートフイルムを剥離して、カード基材1上に、厚さ315μmで、サイズが10mm×30mmで、「スクラッチ隠蔽層4/レリーフホログラム形成層3」を転写形成した。(図1及び、図2参照。このとき、カード基材1の表面も部分的に軟化して、凹凸形状が発生したが、図示していない。)
以上のこと以外は、実施例1及び実施例2と同様にして、本発明の実施例4のスクラッチカードH1、もしくは6を得た。
(実施例5)
実施例1のスクラッチ隠蔽層4のレリーフホログラム形成層3と接している面とは反対の面(スクラッチ隠蔽層4の露出している面)上に、昇華転写プリンターにて幾何学模様からなる黄色の地紋印刷5を行ったこと以外は、実施例1と同様にして、本発明の実施例5のスクラッチカードH1、もしくは6を得た。(図1、図2及び図4参照。図1及び図2において、地紋印刷5は図示していない。図2において、「秘密情報」2を覆う層は、「3及び4」でなく、「3、4及び5」となる。)このとき、昇華転写プリンターの印字部分、すなわち、地紋印刷5の部分はスクラッチ隠蔽層4に浸透しており、スクラッチ隠蔽層4の最表面と、地紋印刷5の表面は同一面を形成している。
(実施例6)
実施例2において、黒色層に下記組成の黒色層用インキ組成物を用いて、
実施例2の厚さ350μmの「積層体(6)」の「レリーフホログラム形成層3」の露出面(『第二のホログラムレリーフ』面)上に、スクリーン印刷方式を用いて、乾燥後の厚さ10μmでその全面に形成して(但し、カード基材1に積層する際に、「秘密情報」2形成部の位置に当たる予定の領域は、除いて形成した。)、「レリーフホログラム形成層3及び黒色層が積層されている厚さ360μmの積層体(10)」としたこと、及び、この「積層体(10)」の黒色層面を、カード基材1の「秘密情報」2形成部を含む面に接するようにして、積層したこと以外は、実施例2と同様にして、本発明の実施例6のスクラッチカードH1、もしくは、6を得た。(図1及び図2参照。いずれも、黒色層は図示していない。)
<黒色層用インキ組成物>
ウレタン樹脂 25部
カーボンブラック 20部
トルエン 15部
イソプロピルアルコール 15部
ブチルセルソルブ 25部
この実施例6のスクラッチカードH1、もしくは、6を、実施例2と同様に評価したところ、レリーフホログラム形成層3による第二のレリーフホログラム再生像「意匠性の高いホログラム」が非常に鮮明に観察でき、このスクラッチカードH1、もしくは6を偽造することは、より困難と思われたこと以外は実施例2と同様の良好な結果を得た。(図示せず。)
(実施例7)
実施例1において、下記組成のスクラッチ隠蔽層4用インキ組成物を用いて、同様の方式、同様の厚さで、スクラッチ隠蔽層4を形成したこと以外は、実施例1と同様にして、本発明の実施例7のスクラッチカードH1、もしくは6を得た。(図1及び図2参照。)
<スクラッチ隠蔽層4用インキ組成物>
アクリロニトリル−ブタジエン共重合体 20部
アクリル樹脂 5部
顔料アルミペースト アルミニウム微粉末(平均粒径8μm) 30部
微粒子酸化ジルコニウム(平均粒径:0.01μm) 20部
シリコーンオイル 5部
トルエン 10部
酢酸エチル 5部
エチルセルソルブ 5部
この実施例7のスクラッチカードH1、もしくは6を、実施例1と同様に評価し、さらに、そのスクラッチ隠蔽層4を、その「層全体」を剥がす試みとして、カード基材1を90度近く湾曲させたところ、実施例1と同様の良好な結果に加え、スクラッチ隠蔽層4のスクラッチオフしていない部分に「剥離痕」状のシワが発生し、そのシワがカード基材1を再び平らな状態に戻しても消えず(逆に、シワが発生した部分に、一部、裂け目まで発生。)、固定化してしまったことから、この実施例7のスクラッチカードH1、もしくは6の偽造が非常に困難であると思われたこと以外は、実施例1と同様の良好な結果を得た。(図示せず。)
(比較例)
実施例1において、レリーフホログラム形成層3を設けず、スクラッチカードを形成したこと以外は、実施例1と同様にして比較例のスクラッチカードを得た。
1 カード基材
2 「秘密情報」
3 レリーフホログラム形成層
SEC1 露出している断面の内、一方の断面
SEC2 露出している断面の内、他方の断面
4 スクラッチ隠蔽層
5 地紋印刷
Claims (5)
- カード基材の一方の表面に設けられた秘密情報を隠蔽するスクラッチカードであって、
前記表面の少なくとも一部に、前記秘密情報を覆うようにレリーフホログラム形成層及び、スクラッチ隠蔽層がこの順序で設けられ、
前記レリーフホログラム形成層の露出している断面の内、一方の断面に入射した所定の入射光により、前記所定の入射光に基づく第一のレリーフホログラム再生像が再生されるとともに、前記レリーフホログラム形成層の露出している断面の内、他方の断面から出射された出射光から、前記第一のレリーフホログラム再生像を視認することができ、
且つ、前記スクラッチ隠蔽層をスクラッチにより除去することにより、前記秘密情報が視認可能となることを特徴とするスクラッチカード。 - 請求項1に記載のスクラッチカードにおいて、
前記スクラッチ隠蔽層をスクラッチにより除去することにより、前記秘密情報、及び、前記レリーフホログラム形成層により再生される第二のレリーフホログラム再生像が視認可能となることを特徴とするスクラッチカード。 - 請求項1または2に記載のスクラッチカードにおいて、
前記スクラッチ隠蔽層と前記レリーフホログラム形成層との界面が、「光学的な鏡面」であることを特徴とするスクラッチカード。 - 請求項1から3の何れかに記載のスクラッチカードにおいて、前記スクラッチ隠蔽層の前記レリーフホログラム形成層が形成されている面とは反対の面に、地紋印刷が施されていることを特徴とするスクラッチカード。
- 請求項1から4の何れかに記載のスクラッチカードにおいて、前記スクラッチ隠蔽層が、平均粒子径1.0μm〜10μmの顔料及び、平均粒径0.01μm〜0.1μmの微粒子顔料を含んでいることを特徴とするスクラッチカード。
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