JP2016067627A - 吸収性物品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】第1シート層と、第2シート層との間に弾性シート層が積層されてなるとともに、弾性シート層がそれらの表面に沿う伸縮方向に伸長された状態で、第1シート層及び第2シート層が、伸縮方向及びこれと直交する方向にそれぞれ間隔を空けて配列された多数の点状接合部40で、弾性シート層に形成された貫通孔を通じて接合されており、第1シート層及び第2シート層は、少なくとも点状接合部における第1シート層及び第2シート層間以外では弾性シート層と接合されておらず、かつ弾性シート層の自然長状態で、接合部間に伸縮方向と交差する方向に延びる収縮皺が形成されており、点状接合部が規則的に繰り返される部分により形成された地模様領域70と、地模様領域内に、点状接合部の無い無接合部分41が表示状に形成された表示領域80と、を備えた伸縮領域20Xよりなる。
【選択図】図8
Description
<請求項1記載の発明>
少なくとも一方向に伸縮可能な伸縮領域を備えた吸収性物品において、
前記伸縮領域は、第1シート層と、第2シート層との間に弾性シート層が積層されてなるとともに、
前記弾性シート層がそれらの表面に沿う伸縮方向に伸長された状態で、前記第1シート層及び第2シート層が、前記伸縮方向及びこれと直交する方向にそれぞれ間隔を空けて配列された多数の点状接合部で、直接的又は間接的に接合されており、
前記第1シート層及び第2シート層は、前記弾性シート層の自然長状態で、前記点状接合部間に前記伸縮方向と交差する方向に延びる収縮皺が形成されており、
前記点状接合部が規則的に繰り返される部分により形成された地模様領域と、
前記地模様領域内に、前記点状接合部の無い無接合部分、前記点状接合部が前記地模様領域よりも疎な配置で規則的に繰り返される疎模様部分及び前記点状接合部が前記地模様領域よりも密な配置で規則的に繰り返される密模様部分の少なくとも一つが表示状に形成された、表示領域と、
を備えたことを特徴とする吸収性物品。
本発明では、点状接合部の間の第1シート層及び第2シート層が互いに離間するようにして収縮皺が形成されるとともに、特に地模様領域では点状接合部が規則的に繰り返されることにより規則的な収縮皺が形成される。そして、表示領域では、無接合部分では収縮皺が連続的に形成されて、それが表示となる。その結果、地模様領域の規則的な収縮皺を背景として表示が浮き上がる。この表示の出現は、伸縮領域の伸縮原理を利用するものであるため、伸縮により表示は変形するものの、印刷シートやエンボス加工が収縮変形するのと異なり、スケール変化のような変形となり、デザインが崩れるような変化とはならない。また、このような収縮皺を利用したデザインは、レース模様のような高級感ある外観を呈するようになる。しかも、地模様領域及び表示領域において、弾性シート層の伸縮方向の連続性が途切れず、全体に伸縮性が維持されるという利点もある。
前記表示領域に、前記無接合部分が表示状に形成された主表示部と、前記点状接合部が地模様領域よりも密な配置で規則的に繰り返される密模様部分が前記主表示部分の輪郭に沿って形成された輪郭表示部とを有する、請求項1記載の吸収性物品。
このように密模様部分による輪郭表示部を備えると、密模様部分で点状接合部の間が地模様領域のそれよりも狭くなり、小さな収縮皺による凹部分(外装体の厚みが薄い部分)が表示の輪郭に沿って形成されるため、表示がよりはっきりと浮き出て、趣のある外観となる。
前記疎模様部分及び前記密模様部分は、個々の点状接合部の面積及び点状接合部間の間隔の少なくとも一方が地模様領域と異なることにより形成されている、請求項1又は2記載の吸収性物品。
このように、個々の点状接合部の面積及び点状接合部間の間隔の少なくとも一方を異ならしめることにより、点状接合部の疎密を形成することができる。
前記吸収性物品は、前身頃及び後身頃を構成する外装体と、この外装体の内面に固定された、吸収体を含む内装体とを備え、前身頃における外装体の両側部と後身頃における外装体の両側部とがそれぞれ接合されてサイドシール部が形成されることにより、胴周り部が環状に形成されるとともに、ウエスト開口部及び左右一対の脚開口部が形成された、パンツタイプ使い捨ておむつであり、
前記伸縮領域は、前記外装体における少なくとも前記内装体の幅方向両側を含む領域に、前記伸縮方向が幅方向となるように設けられている、
請求項1〜3のいずれか1項に記載の吸収性物品。
本発明は、このようにパンツタイプ使い捨ておむつの外装体の伸縮領域に好適なものである。
前記密模様部分が、前記伸縮領域における腸骨対向部、腹部対向部、及び臀部対向部の少なくとも一か所に設けられ、
少なくとも、前記胴周り部における密模様部分及びウエスト部領域を除く領域が、前記地模様領域とされている、
請求項4記載の吸収性物品。
パンツタイプ使い捨ておむつにおける外装体の腸骨対向部、腹部対向部、及び臀部対向部は、身体表面の突出や膨らみが大きいため、収縮量が少ない方がフィット性の点で好ましい。よって、前述の密模様部分を設ける場合には、本項記載のように配置することが望ましい。
前記密模様部分が、前記伸縮領域における前記吸収体と重なる部分の一部又は全部に設けられた、請求項4又は5記載の吸収性物品。
パンツタイプ使い捨ておむつにおける吸収体と重なる領域は、製造上の理由により弾性シート層を配置させることが望ましいものの伸縮が不要な領域である。よって、このような領域に密模様部分を設け、収縮皺を小さく、つまり収縮量を少なくすることが望ましい
前記第1シート層及び第2シート層は、前記点状接合部で、前記弾性シート層に形成された貫通孔を通じて接合されるとともに、少なくとも前記点状接合部における前記第1シート層及び第2シート層間以外では前記弾性シート層と接合されていない、請求項1〜6のいずれか1項に記載の吸収性物品。
このような構造とすると、弾性シート層の貫通孔と、点状接合部との間に隙間が形成され、弾性シート層の素材が無孔のフィルムやシートであっても、この隙間により通気性が付加されるため好ましい。
図1〜図14はパンツタイプ使い捨ておむつを示している。このパンツタイプ使い捨ておむつ(以下、単におむつともいう。)は、前身頃F及び後身頃Bをなす外装体20と、この外装体20の内面に固定され一体化された内装体10とを有しており、内装体10は液透過性表面シート11と液不透過性裏面側シート12との間に吸収体13が介在されてなるものである。製造に際しては、外装体20の内面(上面)に対して内装体10の裏面がホットメルト接着剤などの接合手段によって接合(図7の模様部分10B)された後に、内装体10および外装体20が前身頃F及び後身頃Bの境界である縦方向(前後方向)中央で折り畳まれ、その両側部が相互に熱溶着またはホットメルト接着剤などによって接合されてサイドシール部21が形成されることによって、ウエスト開口部及び左右一対のレッグ開口部が形成されたパンツタイプ使い捨ておむつとなる。
内装体10は、図4〜図6に示すように、不織布などからなる液透過性表面シート11と、ポリエチレン等からなる液不透過性裏面側シート12との間に、吸収体13を介在させた構造を有しており、表面シート11を透過した***液を吸収保持するものである。内装体10の平面形状は特に限定されないが、図示形態のように略長方形とすることが一般的である。
吸収体13の形状は、股間部に前後両側よりも幅の狭い括れ部分13Nを有する略砂時計状に形成されているが、長方形状等、適宜の意形状とすることができる。括れ部分13Nの寸法は適宜定めることができるが、括れ部分13Nの前後方向長さはおむつ全長の20〜50%程度とすることができ、その最も狭い部分の幅は吸収体13の全幅の40〜60%程度とすることができる。このような括れ部分13Nを有する場合において、内装体10の平面形状が略長方形とされていると、内装体10における吸収体13の括れ部分13Nと対応する部分に、吸収体13を有しない余り部分が形成される。
外装体20は、図4〜図6にも示されるように、第1シート層20A及び第2シート層20Bの間に、弾性シート層及び幅方向に沿う細長状弾性部材が配設され、幅方向の伸縮性が付与されている。外装体20の平面形状は、中間両側部にそれぞれレッグ開口部を形成するために形成された凹状の脚周りライン29により、全体として擬似砂時計形状をなしている。外装体20は、前後に二分割し、両者が股間部で離間するように配置しても良い。
図1及び図4にも示されるように、外装体20の内面上に取り付けられた内装体10の前後端部をカバーし、且つ内装体10の前後縁からの漏れを防ぐために、前後押えシート50,60が設けられていても良い。図示形態について更に詳細に説明すると、前押えシート50は、前身頃F内面のうちウエスト側端部の折り返し部分20Cの内面から内装体10の前端部と重なる位置まで幅方向全体にわたり延在しており、後押えシート60は、後身頃B内面のうちウエスト側端部の折り返し部分20Cの内面から内装体10の後端部と重なる位置まで幅方向全体にわたり延在している。前後押えシート50,60の股下側縁部に幅方向の全体にわたり(中央部のみでも良い)若干の非接着部分を設けると、接着剤が食み出ないだけでなく、この部分を表面シートから若干浮かせて防漏壁として機能させることができる。
明細書中の以下の用語は、明細書中に特に記載が無い限り、以下の意味を有するものである。
・「伸長率」は、自然長を100%としたときの値を意味する。
・「目付け」は次のようにして測定されるものである。試料又は試験片を予備乾燥した後、標準状態(試験場所は、温度20±5℃、相対湿度65%以下)の試験室又は装置内に放置し、恒量になった状態にする。予備乾燥は、試料又は試験片を相対湿度10〜25%、温度50℃を超えない環境で恒量にすることをいう。なお、公定水分率が0.0%の繊維については、予備乾燥を行わなくてもよい。恒量になった状態の試験片から米坪板(200mm・250mm、・2mm)を使用し、200mm・250mm(・2mm)の寸法の試料を切り取る。試料の重量を測定し、20倍して1平米あたりの重さを算出し、目付けとする。
・「厚み」は、自動厚み測定器(KES−G5 ハンディ圧縮計測プログラム)を用い、荷重:10gf/cm2、及び加圧面積:2cm2の条件下で自動測定する。
Claims (7)
- 少なくとも一方向に伸縮可能な伸縮領域を備えた吸収性物品において、
前記伸縮領域は、第1シート層と、第2シート層との間に弾性シート層が積層されてなるとともに、
前記弾性シート層がそれらの表面に沿う伸縮方向に伸長された状態で、前記第1シート層及び第2シート層が、前記伸縮方向及びこれと直交する方向にそれぞれ間隔を空けて配列された多数の点状接合部で、直接的又は間接的に接合されており、
前記第1シート層及び第2シート層は、前記弾性シート層の自然長状態で、前記点状接合部間に前記伸縮方向と交差する方向に延びる収縮皺が形成されており、
前記点状接合部が規則的に繰り返される部分により形成された地模様領域と、
前記地模様領域内に、前記点状接合部の無い無接合部分、前記点状接合部が前記地模様領域よりも疎な配置で規則的に繰り返される疎模様部分及び前記点状接合部が前記地模様領域よりも密な配置で規則的に繰り返される密模様部分の少なくとも一つが表示状に形成された、表示領域と、
を備えたことを特徴とする吸収性物品。 - 前記表示領域に、前記無接合部分が表示状に形成された主表示部と、前記点状接合部が地模様領域よりも密な配置で規則的に繰り返される密模様部分が前記主表示部分の輪郭に沿って形成された輪郭表示部とを有する、請求項1記載の吸収性物品。
- 前記疎模様部分及び前記密模様部分は、個々の点状接合部の面積及び点状接合部間の間隔の少なくとも一方が地模様領域と異なることにより形成されている、請求項1又は2記載の吸収性物品。
- 前記吸収性物品は、前身頃及び後身頃を構成する外装体と、この外装体の内面に固定された、吸収体を含む内装体とを備え、前身頃における外装体の両側部と後身頃における外装体の両側部とがそれぞれ接合されてサイドシール部が形成されることにより、胴周り部が環状に形成されるとともに、ウエスト開口部及び左右一対の脚開口部が形成された、パンツタイプ使い捨ておむつであり、
前記伸縮領域は、前記外装体における少なくとも前記内装体の幅方向両側を含む領域に、前記伸縮方向が幅方向となるように設けられている、
請求項1〜3のいずれか1項に記載の吸収性物品。 - 前記密模様部分が、前記伸縮領域における腸骨対向部、腹部対向部、及び臀部対向部の少なくとも一か所に設けられ、
少なくとも、前記胴周り部における密模様部分及びウエスト部領域を除く領域が、前記地模様領域とされている、
請求項4記載の吸収性物品。 - 前記密模様部分が、前記伸縮領域における前記吸収体と重なる部分の一部又は全部に設けられた、請求項4又は5記載の吸収性物品。
- 前記第1シート層及び第2シート層は、前記点状接合部で、前記弾性シート層に形成された貫通孔を通じて接合されるとともに、少なくとも前記点状接合部における前記第1シート層及び第2シート層間以外では前記弾性シート層と接合されていない、請求項1〜6のいずれか1項に記載の吸収性物品。
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