JP2016067312A - 軟骨分化培養液、及び軟骨組織 - Google Patents

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克之 山中
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勇介 重光
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Abstract

【課題】間葉系幹細胞の軟骨分化を促進することができる軟骨分化培養液を提供することを目的とする。【解決手段】脂肪酸濃縮液と、ビタミン液と、EAA(Essential Amino Acids)と、エリスロポエチンと、コンドロイチン硫酸と、ヒアルロン酸と、活性型ビタミンD3と、を含む軟骨分化培養液。【選択図】なし

Description

本発明は、軟骨分化培養液、及び軟骨組織に関する。
近年、幹細胞を用いた再生医療の研究が盛んに行われている。幹細胞は分化能を有し、培地組成の選択により分化をコントロールできることから、各種分野における応用が期待されている。
そして、例えば補綴歯科治療の分野においては、従来から骨造成の要求が高かった。そこで、間葉系幹細胞を軟骨分化させ、培養軟骨による骨造成技術の検討がなされるようになっている。
間葉系幹細胞の軟骨分化は、軟骨分化培養液を用いた培地中で間葉系幹細胞を培養することによりなされており、例えば非特許文献1には、α−MEMに、ITS、TGFβ3、デキザメサゾン、アスコルビン酸を添加した培養液を用いた例が開示されている。
Science 1999,284(5411)143−147
しかしながら、非特許文献1に開示されているような従来の培養液では軟骨分化が十分に促進できていなかった。
本発明は上記従来技術が有する問題に鑑みてなされたものであって、本発明の一側面では、間葉系幹細胞の軟骨分化を促進することができる軟骨分化培養液を提供することを目的とする。
本発明の一態様によれば、脂肪酸濃縮液と、
ビタミン液と、
EAA(Essential Amino Acids)と、
エリスロポエチンと、
コンドロイチン硫酸と、
ヒアルロン酸と、
活性型ビタミンDと、を含む軟骨分化培養液を提供する。
本発明の一態様によれば、間葉系幹細胞の軟骨分化を促進することができる軟骨分化培養液を提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態について説明するが、本発明は、下記の実施形態に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、下記の実施形態に種々の変形および置換を加えることができる。
本実施形態では軟骨分化培養液の一構成例について説明する。
本実施形態の軟骨分化培養液は、脂肪酸濃縮液と、ビタミン液と、EAA(Essential Amino Acids)と、エリスロポエチンと、コンドロイチン硫酸と、ヒアルロン酸と、活性型ビタミンDと、を含むことができる。
本発明の発明者らが、間葉系幹細胞の軟骨分化を促進することができる軟骨分化培養液について検討を行った。そして、脂肪酸濃縮液、ビタミン液、EAA、エリスロポエチン、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、及び活性型ビタミンDを含む軟骨分化培養液を用いることで間葉系幹細胞の軟骨分化を促進できることを見出した。
上述した成分のうち、脂肪酸濃縮液、ビタミン液、EAAは、細胞の培養に必要な脂肪酸、ビタミン、アミノ酸を供給するために添加しているものである。
上述した成分のうち、エリスロポエチンは赤血球の分泌を促進する成分として知られているが、本発明の発明者らの検討によると、間葉系幹細胞の軟骨分化を促進する機能も有することが見出された。
上述した成分のうち、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、は軟骨の基質に含まれる成分であり、間葉系幹細胞の軟骨分化を補助する機能を有する。
本実施形態の軟骨分化培養液は、従来軟骨の培養液に同時に添加されることのなかった、脂肪酸濃縮液、ビタミン液、EAA、エリスロポエチン、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、及び活性型ビタミンDを同時に含有することができる。本発明の発明者らの検討によれば、これらの成分を同時に含有することにより、本実施形態の軟骨分化培養液は特に間葉系幹細胞の軟骨分化を促進することができる。
軟骨分化培養液中のこれらの成分の含有量についても特に限定されるものではなく、任意にその含有量を選択することができる。
例えば、軟骨分化培養液中の脂肪酸濃縮液の含有量は、体積比で0.01%以上10%以下であることが好ましく、0.1%以上5%以下であることがより好ましい。
軟骨分化培養液中のビタミン液の含有量は、体積比で0.01%以上10%以下であることが好ましく、0.1%以上5%以下であることがより好ましい。
軟骨分化培養液中のEAAの含有量は、体積比で0.01%以上10%以下であることが好ましく、0.1%以上5%以下であることがより好ましい。
軟骨分化培養液中のエリスロポエチンの含有量は、0.1IU/mL以上1000IU/mL以下であることが好ましく、1IU/mL以上100IU/mL以下であることがより好ましい。
軟骨分化培養液中のコンドロイチン硫酸の含有量は、0.1μg/mL以上1000μg/mL以下であることが好ましく、1μg/mL以上100μg/mL以下であることがより好ましい。
軟骨分化培養液中のヒアルロン酸の含有量は、0.01μg/mL以上100μg/mL以下であることが好ましく、0.1μg/mL以上10μg/mL以下であることがより好ましい。
軟骨分化培養液中の活性型ビタミンDの含有量は、0.01ng/mL以上100ng/mL以下であることが好ましく、0.1ng/mL以上10ng/mL以下であることがより好ましい。
本実施形態の軟骨分化培養液は、上述の成分以外にも任意の成分を含有することができる。
本実施形態の軟骨分化培養液は例えば、さらにヘパリンと、bFGF(basic Fibroblast Growth Factor:塩基性線維芽細胞増殖因子)とを含有することができる。
本発明の発明者らの検討によると、bFGFは、間葉系幹細胞の軟骨分化を促進する働きを有している。しかしながら、bFGFは短期間に分解してしまうため、軟骨分化培養液がbFGFを含有するのみでは、間葉系幹細胞の軟骨分化を促進する観点では十分な効果を発揮することができなかった。
そこで、本発明の発明者らがさらに検討をおこなったところ、ヘパリンは、bFGFを安定化する働きを有することが見出された。このため、ヘパリンとbFGFとを併せて含有する軟骨分化培養液は、bFGFによる間葉系幹細胞の軟骨分化促進の効果を継続させることができ、特に間葉系幹細胞の軟骨分化を促進する機能を高めることができる。従って、上述のように本実施形態の軟骨分化培養液がbFGFを含有する場合には、同時にヘパリンも含有していることが好ましい。
軟骨分化培養液中のヘパリン、及びbFGFの含有量は特に限定されるものではなく、任意に選択することができる。例えば、軟骨分化培養液中のヘパリンの含有量は1Unit/mL以上10000Unit/mL以下であることが好ましく、10Unit/mL以上1000Unit/mL以下であることがより好ましい。
また、軟骨分化培養液中のbFGFの含有量は1ng/mL以上10000ng/mL以下であること好ましく、10ng/mL以上1000ng/mL以下であることがより好ましい。
本実施形態の軟骨培養液は、さらに任意の成分を含有することができる。
本実施形態の軟骨分化培養液は、例えばさらに、TGF−β3(transforming growth factor−β3)と、インスリンと、ITS+(Insulin−Transferrin−Selenite)と、を含むことが好ましい。
TGF−β3、インスリン、及びITS+についても間葉系幹細胞の軟骨分化を促進する働きを有している。このため、これらの成分を含有する軟骨分化培養液は間葉系幹細胞の軟骨分化を促進することができる。
従来の培養液において、インスリン、またはITS+のいずれか一方を添加することは知られていたが、両成分を同時に添加することは行われていなかった。ところが、本発明の発明者らの検討によると、インスリンと、ITS+と、を同時に添加することにより、間葉系幹細胞の軟骨分化を特に促進することができる。
軟骨分化培養液中のTGF−β3、インスリン、及びITS+の含有量は特に限定されるものではなく、任意にその含有量を選択することができる。
例えば軟骨分化培養液中のTGF−β3の含有量は0.1ng/mL以上1000ng/mL以下であることが好ましく、1ng/mL以上100ng/mL以下であることがより好ましい。
また、軟骨分化培養液中のインスリンの含有量は、1μg/mL以上10000μg/mL以下であることが好ましく、10μg/mL以上1000μg/mL以下であることがより好ましい。
軟骨分化培養液中のITS+の含有量は、体積比で0.1%以上10%以下であることが好ましく、0.5%以上5%以下であることがより好ましい。
また、さらにここまで説明した成分以外にも、本実施形態の軟骨分化培養液は、抗生物質等も含有することができる。
軟骨分化培養液の基材としては例えば基礎培地を用いることができ、基材に上記成分を添加、混合することにより軟骨分化培養液とすることができる。この際用いる基礎培地の種類は特に限定されるものではなく、一般的に市販されている各種基礎培地を用いることができる。特に基礎培地としては例えばDMEM等を好ましく用いることができる。また基礎培地は、市販品に依らなくとも、水にアミノ酸、ビタミン、pH調整剤等の各種成分を添加して作製することもできる。このとき用いる水は、微粒子、イオン微粒金属や有機物を除去した超純水であることが好ましい。勿論、水に基礎培地の成分及び、上記成分を混合することによっても本実施形態の軟骨分化培養液を作製することができる。
そして、上述の軟骨分化培養液を用いた培地中で、分化した軟骨細胞からなる軟骨組織を生成することができる。
上述の軟骨分化培養液を用いた培地中で、間葉系幹細胞を分化した軟骨細胞からなる軟骨組織を生成する場合、従来の培養液を用いた培地により間葉系幹細胞を分化した軟骨細胞からなる軟骨組織を生成する場合と比較して、軟骨基質の産生量を多くすることができる。
まず、以下の各実験例において調製した軟骨分化培養液の評価手順について説明する。
(移植細胞の準備)
移植細胞としては、以下の手順によりヒト腸骨骨髄液から採取した間葉系幹細胞を用いた。
ヒト腸骨骨髄液を採取し、αMEM培地(10%FBS、32単位/ml ペンシリン、50μg/ml ストレプトマイシン)でよく懸濁し,骨髄液をほぐした後、300g、5分間遠心分離して、細胞を分離した。
前記骨髄液から約7×10個の有核細胞を得た。骨髄液から採取した細胞を有核細胞数3.75×10細胞個/75cmとなるように培養フラスコへ播種し、37℃にて5%炭酸ガス存在下で培養した。3日目で培地を交換し、以後3日に1回培地を交換した。bFGFは5日目から3ng/mlで培地に添加した。10日前後でほぼ集密的にまで増殖した。これらの培養皿をトリプシン(0.05%)+EDTA(0.2mM)で5分間インキュベートして、細胞を単離した。細胞数をCoulterカウンター(Z1シングル,コールター社製)で計測し、5,000細胞個/cmの密度で細胞を播種した。この操作を繰り返して、ほぼ集密的(コンフルエント)になった二代目の継代培養皿から得た三代目の細胞を試験に用いた。
(軟骨への分化誘導)
増殖させた細胞を2×10細胞個/1mlの密度で、各実験例で調製した軟骨分化培養液を用いた軟骨分化培地に懸濁させ、15ml遠枕管に移し、500Gで遠心し、ペレット(細胞塊)を得た。
遠枕管のフタをゆるめ、37℃、5%炭酸ガス存在下で培養した。2日目で軟骨分化培地を交換し、以後2日に1回培地を交換し、4週間培養して軟骨へと分化誘導した。
なお、培地を交換する際には、各実験例で調製した軟骨分化培養液を用いている。
(評価方法)
上述のように各実験例の軟骨分化培養液を用いて軟骨へと分化誘導した後、以下の2つの手法により評価を行った。
<病理組織学的評価>
各実験例の軟骨分化培養液により培養した組織を10%ホルマリン中性緩衝溶液で2日間固定した後にパラフィン包埋し、ミクロトームにて厚さ5μmに切り出し、トルイジンブルー染色を行った。そして、光学顕微鏡下にて観察を行い染色の有無を確認した。
後述する表に示した各実験例の評価結果のうち×は染色が無かったことを、すなわち軟骨組織が確認されなかったことを示している。
そして、後述する表に示した各実験例の評価結果のうち、〇については染色があったことを、すなわち軟骨組織が確認されたことを示している。染色があった試料については、トルイジンブルー染色にて赤紫色に染まるメタクロマジー(異調性)陽性の軟骨基質が多く沈着した成熟した軟骨組織である事を確認した。
<生物学的評価>
培養した組織をパパイン水溶液で消化したサンプルをGAG定量キットおよびDNA定量キットで定量し、単位DNAあたりのグリコサミノグリカン量を算定し、別途細胞数とDNA量の関係を計測した結果より単位細胞あたりのグリコサミノグリカン量を定量した。II型コラーゲン、I型コラーゲンはELISAにより定量し、同様に単位細胞あたりの数値として算出した。
なお、評価は以下の表1に示す成分からなる培養液を軟骨分化培養液として用いて、上述の手順と同様にして軟骨組織を培養し、培養した軟骨組織について同様にして分析した結果を基準として、後述する評価式に基づいて行った。なお、表1に示す成分からなる培養液は、既述の非特許文献1(より具体的には非特許文献1の参考文献19も参照)に開示された培養液の組成を示している。また、表1中DMEMの添加量を残部としているが、これはDMEMが軟骨分化培養液を1ml調製した場合の残部であることを示している。
評価は具体的には、(1)単位細胞あたりのグリコサミノグリカン量、及び(2)II型コラーゲン比率(II/(I+II)×100(%))を算出し、その結果について、以下の評価式に基づいて基準値と、各実験例の結果とを比較して〇〜××で評価している。
なお、単位細胞あたりのグリコサミノグリカン量、及びII型コラーゲン比率は数値が大きいほど軟骨分化が促進されていることを意味する。
以下の評価式中Ctrlが表1に示した培養液を用いて培養した軟骨組織についての評価結果を、Exが各実験例で調製した培養液を用いて培養した軟骨組織についての評価結果を示している。
○ : Ctrl <<< Ex (実験結果(Ex)がコントロール(Ctrl)の1.2倍以上)
△ : Ctrl < Ex (実験結果(Ex)がコントロール(Ctrl)の1.05倍以上1.2倍未満)
× : Ctrl = Ex (実験結果(Ex)がコントロール(Ctrl)の1倍以上1.05倍未満)
×× : Ctrl > Ex (実験結果(Ex)がコントロール(Ctrl)未満)
いずれの実験例においても(1)単位細胞あたりのグリコサミノグリカン量についての評価と、(2)II型コラーゲン比率(II/(I+II)×100(%))についての評価とは同じ評価となった。このため、表7、表8の生物学的評価の欄で1つの結果として示している。
Figure 2016067312
次に、各実験例における軟骨分化培養液の調製手順について説明する。例1、例10〜例37が実施例、例2〜例9が比較例となる。
なお、以下の各実験例においてITS+、脂肪酸濃縮液、ビタミン液、EAAとしては表2〜表5に示した成分を含有する試薬を用いている。表2がITS+、表3が脂肪酸濃縮液、表4がビタミン液、表5がEAAの組成をそれぞれ示している。
Figure 2016067312
Figure 2016067312
Figure 2016067312
Figure 2016067312
[例1〜例9]
以下の表6に示した共通成分と、各実験例について表7に示した各成分とを混合することにより軟骨分化培養液を調製した。
すなわち、例えば例1の場合には、表6に示した共通成分と、表7に示した脂肪酸濃縮液1%と、ビタミン液0.5%と、EAA1%と、エリスロポエチン15IU/mLと、コンドロイチン硫酸20μg/mLと、ヒアルロン酸1μg/mLと、活性型ビタミンDを0.5ng/mLとの割合で混合して軟骨分化培養液を調製した。
なお、脂肪酸濃縮液、ビタミン液、EAAの単位は体積比での百分率を示しており、共通成分を含む軟骨分化培養液全体に対する比率を示している。
また、表6においてDMEMの添加量を残部としているが、これはDMEMが、軟骨分化培養液を1ml調製した場合の残部であることを示している。
得られた軟骨分化培養液を用いて上述の手順により軟骨への分化誘導を行った後、培養した軟骨組織について上述の評価を行った。結果を表7に示す。
Figure 2016067312
Figure 2016067312
以上に示した実験例のうち、例1と、例2〜例8と、を比較すると例1では生物学的評価が〇になっているのに対して、例2〜8では×になっていた。この結果から、例1では間葉系幹細胞の軟骨分化が特に促進されていることが確認できた。
表7に示すように、例1の軟骨分化培養液は、脂肪酸濃縮液と、ビタミン液と、EAAと、エリスロポエチンと、コンドロイチン硫酸と、ヒアルロン酸と、活性型ビタミンDとを同時に含んでいる。これに対して。例2〜例8の軟骨分化培養液は、上述の成分のうち、いずれか1つの成分を含んでいない。
これらの結果から、上述の成分をすべて含む例1の軟骨分化培養液を用いた培地を使用することにより、各成分が相乗的に働き、間葉系幹細胞の軟骨分化を特に促進できることを確認できた。
また、特に上述の成分をいずれも含んでいない例9は、生物学的評価が××となっており、例2〜例8よりもさらに間葉系幹細胞の軟骨分化を促進する効果が大きく劣ることを確認できた。
[例10〜例37]
上述の表6に示した共通成分と、各実験例について表8に示した各成分とを混合した点以外は、例1と同様にして軟骨分化培養液を調製した。そして、得られた軟骨分化培養液を用いて上述の手順により軟骨への分化誘導を行った後、培養した軟骨組織について上述の評価を行った。結果を表8に示す。
Figure 2016067312
例10、例11と、例2とを比較すると、例2は生物学的評価が×となっているのに対して、例10、例11は△となっており、例10、例11の方が軟骨分化を促進する効果が優れていることを確認できた。ただし、例1と例10、例11とを比較すると、例1の生物学的評価は〇であることから、例1の方がより軟骨分化を促進する効果に優れていること確認できた。
また、例24〜例37においては生物学的評価が〇になることを確認できた。
これらの結果から軟骨分化培養液は、脂肪酸濃縮液を体積比で0.01%以上10%以下含有することが好ましいことを確認できた。
例12、例13と、例3とを比較すると、例3は生物学的評価が×となっているのに対して、例12、例13は△となっており、例12、例13の方が軟骨分化を促進する効果が優れていることを確認できた。ただし、例1と例12、例13とを比較すると、例1の生物学的評価は〇であることから、例1の方がより軟骨分化を促進する効果に優れていること確認できた。
また、例24〜例37においては生物学的評価が〇になることを確認できた。
これらの結果から軟骨分化培養液は、ビタミン液を体積比で0.01%以上10%以下含有することが好ましいことを確認できた。
例14、例15と、例4とを比較すると、例4は生物学的評価が×となっているのに対して、例14、例15は△となっており、例14、例15の方が軟骨分化を促進する効果が優れていることを確認できた。ただし、例1と例14、例15とを比較すると、例1の生物学的評価は〇であることから、例1の方がより軟骨分化を促進する効果に優れていること確認できた。
また、例24〜例37においては生物学的評価が〇になることを確認できた。
これらの結果から軟骨分化培養液は、EAAを体積比で0.01%以上10%以下含有することが好ましいことを確認できた。
例16、例17と、例5とを比較すると、例5は生物学的評価が×となっているのに対して、例16、例17は△となっており、例16、例17の方が軟骨分化を促進する効果が優れていることを確認できた。ただし、例1と例16、例17とを比較すると、例1の生物学的評価は〇であることから、例1の方がより軟骨分化を促進する効果に優れていること確認できた。
また、例24〜例37においては生物学的評価が〇になることを確認できた。
これらの結果から軟骨分化培養液は、エリスロポエチンを0.1IU/mL以上1000IU/mL以下含有することが好ましいことを確認できた。
例18、例19と、例6とを比較すると、例6は生物学的評価が×となっているのに対して、例18、例19は△となっており、例18、例19の方が軟骨分化を促進する効果が優れていることを確認できた。ただし、例1と例18、例19とを比較すると、例1の生物学的評価は〇であることから、例1の方がより軟骨分化を促進する効果に優れていること確認できた。
また、例24〜例37においては生物学的評価が〇になることを確認できた。
これらの結果から軟骨分化培養液は、コンドロイチン硫酸を0.1μg/mL以上1000μg/mL以下含有することが好ましいことを確認できた。
例20、例21と、例7とを比較すると、例7は生物学的評価が×となっているのに対して、例20、例21は△となっており、例20、例21の方が軟骨分化を促進する効果が優れていることを確認できた。ただし、例1と例20、例21とを比較すると、例1の生物学的評価は〇であることから、例1の方がより軟骨分化を促進する効果に優れていること確認できた。
また、例24〜例37においては生物学的評価が〇になることを確認できた。
これらの結果から軟骨分化培養液は、ヒアルロン酸を0.01μg/mL以上100μg/mL以下含有することが好ましいことを確認できた。
例22、例23と、例8とを比較すると、例8は生物学的評価が×となっているのに対して、例22、例23は△となっており、例22、例23の方が軟骨分化を促進する効果が優れていることを確認できた。ただし、例1と例22、例23とを比較すると、例1の生物学的評価は〇であることから、例1の方がより軟骨分化を促進する効果に優れていること確認できた。
また、例24〜例37においては生物学的評価が〇になることを確認できた。
これらの結果から軟骨分化培養液は、活性型ビタミンDを0.01ng/mL以上100ng/mL以下含有することが好ましいことを確認できた。

Claims (3)

  1. 脂肪酸濃縮液と、
    ビタミン液と、
    EAA(Essential Amino Acids)と、
    エリスロポエチンと、
    コンドロイチン硫酸と、
    ヒアルロン酸と、
    活性型ビタミンDと、を含む軟骨分化培養液。
  2. 前記脂肪酸濃縮液の含有量が体積比で0.01%以上10%以下、
    前記ビタミン液の含有量が体積比で0.01%以上10%以下、
    前記EAAの含有量が体積比で0.01%以上10%以下、
    前記エリスロポエチンの含有量が0.1IU/mL以上1000IU/mL以下、
    前記コンドロイチン硫酸の含有量が0.1μg/mL以上1000μg/mL以下、
    前記ヒアルロン酸の含有量が0.01μg/mL以上100μg/mL以下、
    前記活性型ビタミンDの含有量が0.01ng/mL以上100ng/mL以下である請求項1に記載の軟骨分化培養液。
  3. 請求項1または2に記載された軟骨分化培養液を用いた培地中で、分化した軟骨細胞からなる軟骨組織。
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