JP2016067234A - カット野菜又はカット果物 - Google Patents
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Abstract
【課題】 少なくとも10日間鮮度を維持できるカット野菜又はカット果物を提供することである。【解決手段】 カットした野菜又はカット果物に、天然物由来アルカリ剤処理をし、機能性包装材で包装した、カット野菜又は果物によって達成される。【選択図】 無し
Description
本発明は、長期鮮度保持可能なカット野菜又はカット果物(カット野菜・果物)、その長期保存方法及び装置に関する。とりわけ、本発明は、一般に使用されている次亜塩素酸ナトリウム等の塩素系殺菌剤を使用することなく、カット野菜・果物の鮮度を少なくとも10日間程度の長期間に亘って鮮度を保持したカット野菜・果物の長期鮮度保存方法及び装置に関するものである。
最近、生活様式の多様化、流通形態の変化等に伴って、野菜・果物を洗浄し、予備処理をし、適切な形状に切断(カット)したカット野菜・果物が、百貨店、スーパーマーケット、コンビニエンスストアー等で販売され、最終消費者によく利用されている。また、カット野菜・果物は、一次処理済原材料として、飲食店、食堂、弁当及び総菜類等を製造し販売する店舗、ファミリーレストラン等のセントラルキッチン、給食センター等の調理現場に納入されている。
実際、このようなカット野菜・果物は、家庭においてそのまま食することができ、また、一次処理(洗浄、皮剥き、カット等の処理)を講じることなく、煮炊き等の調理を直ちに行うことができるので、調理の効率化と原材料の入手管理の簡易化、調理及び料理の配給等の計画を簡易客観的に立てることができることから、その需要は極めて伸びている。
一般に、カットされた野菜・果物は、内外細胞組織が切断されることにより、内部細胞組織から水栄養分が流出し、また、予備処理及びカット処理により損傷した部位またカット切断面等が露出することから、短時間で、カット野菜・果物の鮮度が劣化し、細菌、黴及びウィルス等の増殖、及び、変質、腐敗(臭)、変色(黒色化)等が生じ易い。このため、従来にあっては、カット野菜・果物は、冷蔵庫で保存した場合であっても、24時間経過後には、鮮度が著しく劣化し、腐敗臭及び損傷部と切断面における黒色変色が発生し、野菜・果物本来の鮮度、外観、食味、風味が失われることが殆どであった。
このような問題に対して、従来では、細菌、黴及びウィルスの増殖を防止しカット野菜・果物の鮮度を保持する手段として、カット野菜・果物に、次亜塩素酸ナトリウム、塩酸系薬剤、さらし粉等の塩素系の殺菌剤を用いて殺菌処理した後に、オレフィン系フィルムに格納することが提案され、実際よく行われていた(特許文献1:特開2000−109887号公報)。また、塩素系の殺菌剤以外に、アルコール類又はオゾンを用いて除菌及び殺菌する方法が提案されている(特許文献2:特開2009−171889号公報)。
しかし、塩素系殺菌剤を用いる場合、殺菌効果を高めるために、通常、高濃度の水溶液を使用することが一般的であるが、この水溶液の使用は、野菜・果物本来の食味、味、外観等の品質劣化を招き、また、残留の塩素系殺菌剤による特有の不快臭を商品に与える伴に、人動物に対する健康被害が懸念されている。また、カット野菜・果物製造において、塩素系殺菌剤の不快臭による作業環境悪化及び健康被害、殺菌処理後の塩素系殺菌剤の残留物を洗浄する為に過剰な水が必要になること等の理由から、製造効率及びコスト面で問題となり、さらには、塩素系殺菌剤による調理器具等の腐食問題が存在する。
また、アルコール類を用いた殺菌の場合、その性質及び独特のアルコール臭による作業環境の悪化及び残留不快臭がある。オゾンを用いる場合には、オゾン発生装置及びそれを用いた処理装置が必要となり、コスト及び作業効率の面で好ましくなく、オゾン及びその匂いによる健康被害が懸念される。しかも、アルコール類又はオゾンは、処理時の殺菌性は認められるが、その後の細菌等の増殖を十分に抑制することは困難である。
従って、今なお、細菌、黴及びウィルス等の増殖を抑制し、及び、変質、腐敗(臭)、変色(黒色化)等を抑止して、カット野菜・果物の鮮度保持期間を長期間(10日間程度)達成し、カット野菜・果物本来の鮮度、外観、食味、風味が喪失しない方法及び装置の開発要求さされている。
本発明者等は、本発明時において、従来汎用されてきた殺菌剤(塩素系殺菌剤、アルコール類、オゾン)を使用することなく、殺菌剤そのもの自体の残臭、健康被害、作業効率等に全く影響を及ぼすこともなく、少なくとも10日間以上鮮度を保持することができるカット野菜・果物、及びカット野菜・果物の鮮度維持方法及び製造方法を提供することができるとの知見を得た。本発明はかかる知見に基づいてなされたものである。
従って、本発明は、カット野菜又はカット果物を天然物由来アルカリ剤を付与し、そのカット野菜又はカット果物を機能性包装剤に充填してなる、少なくとも7日間鮮度保持されるカット野菜又はカット果物を提案する。
本発明の別の好ましい態様では、カット野菜又はカット果物を長期間鮮度保持する方法を提案することができ、該方法は、
野菜又は果物を用意し、必要に応じて予め洗浄処理し、
前記野菜又は果物をカットし、
前記カット野菜又は前記カット果物を天然物由来アルカリ剤で処理し、必要に応じて水洗処理し、
前記処理したカット野菜又は前記カット果物を機能性包装剤に充填することを含んでなる、長期間鮮度保持する方法である。
野菜又は果物を用意し、必要に応じて予め洗浄処理し、
前記野菜又は果物をカットし、
前記カット野菜又は前記カット果物を天然物由来アルカリ剤で処理し、必要に応じて水洗処理し、
前記処理したカット野菜又は前記カット果物を機能性包装剤に充填することを含んでなる、長期間鮮度保持する方法である。
本発明の別の好ましい態様では、カット野菜又はカット果物を長期間鮮度保持する装置を提案することができ、該装置は、
用意した野菜又はカット果物を供給する供給器と、
必要に応じて前記野菜又は果物を洗浄する洗浄処理器と、
前記野菜又は果物をカットする切断器と、
前記カット野菜又は前記カット果物を天然物由来アルカリ剤で処理する処理器と、
必要に応じて前記天然物由来アルカリ剤及びその処理物を洗浄する水洗処理器と、
前記処理したカット野菜又は前記カット果物を機能性包装剤に充填する充填器とを備えてなる、長期間鮮度保持装置である。
用意した野菜又はカット果物を供給する供給器と、
必要に応じて前記野菜又は果物を洗浄する洗浄処理器と、
前記野菜又は果物をカットする切断器と、
前記カット野菜又は前記カット果物を天然物由来アルカリ剤で処理する処理器と、
必要に応じて前記天然物由来アルカリ剤及びその処理物を洗浄する水洗処理器と、
前記処理したカット野菜又は前記カット果物を機能性包装剤に充填する充填器とを備えてなる、長期間鮮度保持装置である。
本発明によれば、天然素材の焼成アルカリ剤と、機能性包装材とを組み合わせることにより、カット野菜・果物の滅菌効果とその維持を図ることができ、腐敗臭及び蒸れ臭、変色、腐敗、細菌、黴、ウィルスの増殖等を抑制することができ、かつ、保存期間中、カット野菜・果物の外観、食味及び鮮度劣化、水分保有率を可能な限り抑制し維持することができる。特に、本発明によれば、少なくとも10日間という長期期間において、カット野菜・果物を正にカットした当初と同等の外観、食味、水分保有率を保持実現することができるカット野菜・果物を提供することを実現することが可能となる。また、本発明によれば、細菌、黴等の繁殖を抑える一方で、野菜・果物の熟成が進行し、ブリックス値(糖度)のみが上昇し、美味しい状態の野菜・果物を消費者に提供することができるとの効果をも発揮する。
〔定 義〕
(野菜・果物)
「野菜・果物」は、農園園芸栽培及び自然発生するものが包含され、葉菜類、果菜類、花菜類、根菜類、キノコ類、自然発生する山菜等を意味する。「果実」には、食用に適する実を意味し、核果類、仁果類、殻果類、柑橘類、熱帯果実類、野菜的果実等を意味する。
(野菜・果物)
「野菜・果物」は、農園園芸栽培及び自然発生するものが包含され、葉菜類、果菜類、花菜類、根菜類、キノコ類、自然発生する山菜等を意味する。「果実」には、食用に適する実を意味し、核果類、仁果類、殻果類、柑橘類、熱帯果実類、野菜的果実等を意味する。
(一般生菌数)
一般生菌数は、食品衛生検査指針に従い、カット野菜から採取した試料液を、標準寒天培地を用いて35℃で48時間培養したときの菌数である。
一般生菌数は、食品衛生検査指針に従い、カット野菜から採取した試料液を、標準寒天培地を用いて35℃で48時間培養したときの菌数である。
〔カット野菜・果物〕
本発明によるカット野菜・果物は、天然物由来アルカリ剤で処理し、機能性包装材に包装されてなるものでる。
本発明によるカット野菜・果物は、天然物由来アルカリ剤で処理し、機能性包装材に包装されてなるものでる。
(野菜)
原材料として本発明が使用する野菜は、例えば、葉菜類(好ましい)の具体例としては、キャベツ、レタス、グリーンリーフ、サニーレタス、セロリ、ハクサイ、パセリ、カラシナ、キョウナ、グリーンカール、クレソン、ケール、コマツナ、コルニッション、サイシン、サラダ菜、サンチュ、三葉、シュンギク、スイスチャード、セリ、タアサイ、大葉、チシャ、チンゲンサイ、ツルムラサキ、菜花、ニラ、ニンニク、ネギ、根三葉、フキ、フダンソウ、ホウレンソウ、ミズナ、ミツバ、山東菜、ヨウサイ、ヨモギ、ルッコラ、レタス、ワケギ等を例示することができる。果菜類の具体例としては、キュウリ、トマト、ナス、カボチャ、オクラ、パプリカ、ピーマン、インゲン等を例示することができ、花菜類の具体例としては、ブロッコリー、カリフラワー、アスパラガス等をなどのカットしたものを挙げることができる。根菜類の具体例としては、ニンジン、長いイモ、大根、カブ、じゃがいも、サツマイモ、タマネギ等を例示することができる。キノコ類の具体例としては、キクラゲ、ヒラタケ、シイタケ、エノキダケ、シメジ、マイタケ、等を例示することができる。山菜の具体例としては、タケノコ、ゼンマイ、ワラビ、タラノ芽、自然薯、マツタケ等を例示することができる。
原材料として本発明が使用する野菜は、例えば、葉菜類(好ましい)の具体例としては、キャベツ、レタス、グリーンリーフ、サニーレタス、セロリ、ハクサイ、パセリ、カラシナ、キョウナ、グリーンカール、クレソン、ケール、コマツナ、コルニッション、サイシン、サラダ菜、サンチュ、三葉、シュンギク、スイスチャード、セリ、タアサイ、大葉、チシャ、チンゲンサイ、ツルムラサキ、菜花、ニラ、ニンニク、ネギ、根三葉、フキ、フダンソウ、ホウレンソウ、ミズナ、ミツバ、山東菜、ヨウサイ、ヨモギ、ルッコラ、レタス、ワケギ等を例示することができる。果菜類の具体例としては、キュウリ、トマト、ナス、カボチャ、オクラ、パプリカ、ピーマン、インゲン等を例示することができ、花菜類の具体例としては、ブロッコリー、カリフラワー、アスパラガス等をなどのカットしたものを挙げることができる。根菜類の具体例としては、ニンジン、長いイモ、大根、カブ、じゃがいも、サツマイモ、タマネギ等を例示することができる。キノコ類の具体例としては、キクラゲ、ヒラタケ、シイタケ、エノキダケ、シメジ、マイタケ、等を例示することができる。山菜の具体例としては、タケノコ、ゼンマイ、ワラビ、タラノ芽、自然薯、マツタケ等を例示することができる。
(果物)
本原材料として発明が使用する果物は、例えば、核果類の具体例としては、アメリカンチェリー、アンズ、ウメ、クランボ、スミミザクラ、スピノサスモモ、スモモ、モモ等を例示することができる。仁果類の具体例としては、カリン、チュウゴクナシ、ナシ、マルメロ、セイヨウカリン、ジューンベリー、シポーバ、リンゴ等を例示することができる。殻果類の具体例としては、アーモンド、イチョウ、クリ、クルミ、ペカン等を例示することができる。柑橘類の具体例としては、バレンシアオレンジ、ネーブルオレンジ、ブラッドオレンジ、ジャッファ・オレンジ、ベルガモット、キノット 、美娘、天草、グレープフルーツ、オランジェロ、甘平、紅マドンナ、ユズ、ダイダイ、カボス、スダチ、ユコウ、ゆうこう、シークヮーサー、三宝柑、レモン、ライム、シトロン、ブッシュカン、ナツミカン、ハッサク、ヒュウガナツ、ジャバラ、スウィーティー、カクテルフルーツ、湘南ゴールド、黄蜜柑、タンゴール、イヨカン、清見、はるみ、タンカン、マーコット、シラヌヒ、せとか、せとみ、セミノール、サマーフレッシュ、スイートスプリング、アグリフルーツ、タンジェロ 、ブンタン、晩白柚 、土佐文旦、河内晩柑、安政柑、マンダリンオレンジ、ウンシュウミカン、ポンカン、タチバナ、紀州ミカン、サクラジマミカン、カラマンシー 、カラーマンダリン、カラタチ、ヒリュウ、ウンリュウ 、キンカン等を例示することができる。熱帯果実類の具体例としては、バナナ、パイナップル、ラスプーチン、ドラゴンフルーツ、ライチ等を例示することができる。野菜的果実の具体例としては、イチゴ、メロン、ウリ等を例示することができる。その他の果実として、アケビ、イチジク、カキ、カシス、キイチゴ、キウイフルーツ、グミ、クワ、クランベリー、コケモモ、ザクロ、サルナシ、シーバックソーン、スグリ、ナツメ、ニワウメ、ハスカップ、ビルベリー、フサスグリ、ブドウ、ブラックベリー、ブルーベリー、ポーポー、マツブサ、ラズベリー、ユスラウメ等を例示することができる。
本原材料として発明が使用する果物は、例えば、核果類の具体例としては、アメリカンチェリー、アンズ、ウメ、クランボ、スミミザクラ、スピノサスモモ、スモモ、モモ等を例示することができる。仁果類の具体例としては、カリン、チュウゴクナシ、ナシ、マルメロ、セイヨウカリン、ジューンベリー、シポーバ、リンゴ等を例示することができる。殻果類の具体例としては、アーモンド、イチョウ、クリ、クルミ、ペカン等を例示することができる。柑橘類の具体例としては、バレンシアオレンジ、ネーブルオレンジ、ブラッドオレンジ、ジャッファ・オレンジ、ベルガモット、キノット 、美娘、天草、グレープフルーツ、オランジェロ、甘平、紅マドンナ、ユズ、ダイダイ、カボス、スダチ、ユコウ、ゆうこう、シークヮーサー、三宝柑、レモン、ライム、シトロン、ブッシュカン、ナツミカン、ハッサク、ヒュウガナツ、ジャバラ、スウィーティー、カクテルフルーツ、湘南ゴールド、黄蜜柑、タンゴール、イヨカン、清見、はるみ、タンカン、マーコット、シラヌヒ、せとか、せとみ、セミノール、サマーフレッシュ、スイートスプリング、アグリフルーツ、タンジェロ 、ブンタン、晩白柚 、土佐文旦、河内晩柑、安政柑、マンダリンオレンジ、ウンシュウミカン、ポンカン、タチバナ、紀州ミカン、サクラジマミカン、カラマンシー 、カラーマンダリン、カラタチ、ヒリュウ、ウンリュウ 、キンカン等を例示することができる。熱帯果実類の具体例としては、バナナ、パイナップル、ラスプーチン、ドラゴンフルーツ、ライチ等を例示することができる。野菜的果実の具体例としては、イチゴ、メロン、ウリ等を例示することができる。その他の果実として、アケビ、イチジク、カキ、カシス、キイチゴ、キウイフルーツ、グミ、クワ、クランベリー、コケモモ、ザクロ、サルナシ、シーバックソーン、スグリ、ナツメ、ニワウメ、ハスカップ、ビルベリー、フサスグリ、ブドウ、ブラックベリー、ブルーベリー、ポーポー、マツブサ、ラズベリー、ユスラウメ等を例示することができる。
本発明にあっては、野菜・果物は、その栽培方法を問うものではないが、土壌を使用せず、また、外部と遮断した管理された内部空間で育成したものを使用することが、細菌等の繁殖を抑制し、かつ、洗浄等の予備工程をより簡易にすることが可能となるので好ましい。
(天然物由来アルカリ剤)
本発明における天然物由来アルカリ剤は、水酸化カルシウム又は酸化カルシウムを有意量包含する鉱物、動植物を用いることができる。本発明にあっては、から得られる水の調製に用いる水酸化カルシウム(消石灰)は、水酸化カルシウム100%からなるものであっても、または水酸化カルシウムを主体とし他の成分を少量成分として含むものであってもいずれでもよい。酸化カルシウムは、水和して水酸化カルシウムとなる。
酸化カルシウムとしては、例えば、石灰石を焼いて製造した酸化カルシウム;炭酸カルシウム、硝酸カルシウム、クエン酸カルシウム等のカルシウム塩;水酸化カルシウムを焼成して製造した酸化カルシウム;貝殻、骨、雲丹、サンゴ、乳清、卵殻等のカルシウム含有天然物を焼成して製造した酸化カルシウム等が例示され、好ましくは、カルシウム含有天然物を焼成して製造した酸化カルシウムの一種又は二種以上の混合物を用いることができる。
本発明にあっては、安全性が高く及び健康被害が生じる恐れがない、貝殻(ホタテ、牡蠣、ハマグリ、浅利等)、骨、雲丹、サンゴ、乳清、卵殻等のカルシウム含有天然物を焼成して製造した酸化カルシウムを用いることが好ましい。
特に、本発明にあっては、ホタテ、牡蠣の貝殻を高温焼成し、粉砕した天然物由来アルカリ剤を使用することが最も好ましい。カルシウム純度が極めて高く、pHが高く(水溶液のpHは12以上)、水溶液中においてラジカルを発生し、強い酸化力を発揮するものである。その一方で、天然成分由来のものであることから、安全であり、健康阻害の極めて少ないものである。一般に、貝殻焼成カルシウムという商品名で入手可能である。
本発明にあっては、安全性が高く及び健康被害が生じる恐れがない、貝殻(ホタテ、牡蠣、ハマグリ、浅利等)、骨、雲丹、サンゴ、乳清、卵殻等のカルシウム含有天然物を焼成して製造した酸化カルシウムを用いることが好ましい。
特に、本発明にあっては、ホタテ、牡蠣の貝殻を高温焼成し、粉砕した天然物由来アルカリ剤を使用することが最も好ましい。カルシウム純度が極めて高く、pHが高く(水溶液のpHは12以上)、水溶液中においてラジカルを発生し、強い酸化力を発揮するものである。その一方で、天然成分由来のものであることから、安全であり、健康阻害の極めて少ないものである。一般に、貝殻焼成カルシウムという商品名で入手可能である。
<任意の剤>
天然物由来アルカリ剤水には、必要に応じて更に乳化剤(界面活性剤)を添加してもよい。乳化剤を添加することによってカット野菜の除菌効果が一層向上する。乳化剤としては、食品に対して使用可能な乳化剤であればいずれでもよく、例えば、グリセリン高級脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、酢酸モノグリセリド、乳酸モノグリセリド、クエン酸モノグリセリド、ジアセチル酒石酸モノグリセリド、コハク酸モノグリセリド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノール酸エステル、キラヤ抽出物、ダイズサポニン、チャ種子サポニン、レシチン(植物レシチン、卵黄レシチン)などを挙げることができ、これらの1種または2種以上の混合物を用いることができる。
また、天然物由来アルカリ剤に、必要に応じて、酢酸、クエン酸、フマル酸、アジピン酸、乳酸などの有機酸やそれらの塩、アルコール類、蛋白分解酵素、澱粉分解酵素、難消化性多糖類分解酵素、脂質分解酵素などを添加してもよい。
天然物由来アルカリ剤水には、必要に応じて更に乳化剤(界面活性剤)を添加してもよい。乳化剤を添加することによってカット野菜の除菌効果が一層向上する。乳化剤としては、食品に対して使用可能な乳化剤であればいずれでもよく、例えば、グリセリン高級脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、酢酸モノグリセリド、乳酸モノグリセリド、クエン酸モノグリセリド、ジアセチル酒石酸モノグリセリド、コハク酸モノグリセリド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノール酸エステル、キラヤ抽出物、ダイズサポニン、チャ種子サポニン、レシチン(植物レシチン、卵黄レシチン)などを挙げることができ、これらの1種または2種以上の混合物を用いることができる。
また、天然物由来アルカリ剤に、必要に応じて、酢酸、クエン酸、フマル酸、アジピン酸、乳酸などの有機酸やそれらの塩、アルコール類、蛋白分解酵素、澱粉分解酵素、難消化性多糖類分解酵素、脂質分解酵素などを添加してもよい。
天然物由来アルカリ剤に、任意の剤を添加する場合の添加量は、微量であれば足り、例えば、天然物由来アルカリ剤水の総質量に基づいて、下限値が0.0005質量%以上であり上限値が0.5質量%であり、下限値が0.001以上であり上限値が0.075質量%以下であることがより好ましい。
(機能性包装材)
機能性包装材は、基本基材と、該基本基材の表面又は裏面に、機能性剤(層)を形成し、必要に応じて、水蒸気又は生成ガス逃散等のための細孔を設けたものを好ましくは用いる。むろん、機能性剤が形成された箇所に、この細孔を設けたものであってもよい。
機能性包装材は、基本基材と、該基本基材の表面又は裏面に、機能性剤(層)を形成し、必要に応じて、水蒸気又は生成ガス逃散等のための細孔を設けたものを好ましくは用いる。むろん、機能性剤が形成された箇所に、この細孔を設けたものであってもよい。
機能性包装材は、カット野菜・果実を包装し、その保存性促進させ、カット野菜・果物における細菌の繁殖、増殖を抑制すると共に、水分調整を図り保水性と腐敗を抑制し、カット野菜・果実類の鮮度を長期間保持することが可能となる。
[基本基材]
本発明にあっては、基本基材は、紙、布、不織布、樹脂フィルム、スポンジ、その他の透水性基材であってよく、具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂、塩化ビニル樹脂等で形成されたものであってよい。複数の透水孔は、基材シートの全体に設けられていても、部分的に設けられていてもよい。
具体的には、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリスチレンフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルム、その他のプラスチックフィルム、紙、不織布等の布帛が挙げられ、通気度を有する袋、ポリエチレン、ポリプロピレン、プラスチック製成形容器などを挙げることができる。本発明にあっては、フィルムの厚みがμmオーダーである合成樹脂フィルム(例えば延伸配向ナイロンポリエチレン積層フィルム、ポリエチレンテレフタレートポリエチレン積層フィルム、延伸配向ナイロンエチレン−酢酸ビニル共重合体積層フィルムなど)から作製した袋が好ましくは用いられる。
本発明にあっては、基本基材は、紙、布、不織布、樹脂フィルム、スポンジ、その他の透水性基材であってよく、具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂、塩化ビニル樹脂等で形成されたものであってよい。複数の透水孔は、基材シートの全体に設けられていても、部分的に設けられていてもよい。
具体的には、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリスチレンフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルム、その他のプラスチックフィルム、紙、不織布等の布帛が挙げられ、通気度を有する袋、ポリエチレン、ポリプロピレン、プラスチック製成形容器などを挙げることができる。本発明にあっては、フィルムの厚みがμmオーダーである合成樹脂フィルム(例えば延伸配向ナイロンポリエチレン積層フィルム、ポリエチレンテレフタレートポリエチレン積層フィルム、延伸配向ナイロンエチレン−酢酸ビニル共重合体積層フィルムなど)から作製した袋が好ましくは用いられる。
[機能性剤]
機能性剤としては、保存促進剤、保水剤、抗菌剤、酸素透過・防止剤、酸化防止剤、エチレンガス等のガス逃散剤等を例示することができる。
機能性剤としては、保存促進剤、保水剤、抗菌剤、酸素透過・防止剤、酸化防止剤、エチレンガス等のガス逃散剤等を例示することができる。
<保存促進剤及び保水剤>
本発明は、本発明にあっては、保存促進剤及び保水剤を必須剤として包含してなるものである。保存促進剤及び保水剤としては、オリゴ糖(好ましくは2〜4糖)又は糖アルコールを用いることができ、具体的には、グルコース、マルトース、ラクトース、フラクトース等の還元糖;スクロース、トレハロース等の非還元糖;ソルビトール、マンニット、ラクチトール、マルチトール等の糖アルコールを例示することができる。
本発明は、本発明にあっては、保存促進剤及び保水剤を必須剤として包含してなるものである。保存促進剤及び保水剤としては、オリゴ糖(好ましくは2〜4糖)又は糖アルコールを用いることができ、具体的には、グルコース、マルトース、ラクトース、フラクトース等の還元糖;スクロース、トレハロース等の非還元糖;ソルビトール、マンニット、ラクチトール、マルチトール等の糖アルコールを例示することができる。
本発明にあってはトレハロースを用いることが好ましい。トレハロースは、三種類の異性体、α,α体、α,β体およびβ,β体のいずれであってもよいが、α,α体を好適には用いる。また、保水剤としてソルビトールを好適には用いることができる。
<抗菌剤>
抗菌剤としては、上記した天然物由来アルカリ剤、抗菌性ポリフェノール等が使用することができる。抗菌性ポリフェノールとしては、カテキン、レステロール、アントシアニン、タンニン、ルチン、イソフラボンなどのフラボノイド、フェノール酸、クロロゲン酸、エラグ酸、リグナン、クルクミン、クマリンであってもよい。
抗菌剤としては、上記した天然物由来アルカリ剤、抗菌性ポリフェノール等が使用することができる。抗菌性ポリフェノールとしては、カテキン、レステロール、アントシアニン、タンニン、ルチン、イソフラボンなどのフラボノイド、フェノール酸、クロロゲン酸、エラグ酸、リグナン、クルクミン、クマリンであってもよい。
<その他の剤>
本発明にあっては、食品の安全性を確保することができる範囲で、他の機能性剤(着色剤、指標剤等)を用いてもよい。
本発明にあっては、食品の安全性を確保することができる範囲で、他の機能性剤(着色剤、指標剤等)を用いてもよい。
[細孔]
細孔は、機能性包装材に形成されることで、水蒸気、生成ガス等を調整する役割を主として担う。細孔の大きさは、平均直径がナノサイズ以上ミリサイズ以下程度で形成してよいが、好ましくは下限値が2nm以上であり上限値が3mm以下程度が好ましい。細孔の数は、適宜定めてよい。
細孔は、機能性包装材に形成されることで、水蒸気、生成ガス等を調整する役割を主として担う。細孔の大きさは、平均直径がナノサイズ以上ミリサイズ以下程度で形成してよいが、好ましくは下限値が2nm以上であり上限値が3mm以下程度が好ましい。細孔の数は、適宜定めてよい。
[構成]
機能性包装材は、基本基材の表面又は裏面に機能性剤を塗布し、必要に応じて内部に包含させて形成されてよく、又は機能性剤を包含する機能性層として存在してなるものであってよい。被覆及び層形成は、全体でも一部(好ましい)であってもよい。形成方法は、混合、噴射等、周知の方法で行うことできる。また、基本基材の表面に、保存促進剤及び保水剤を形成し、基本基材の裏面に抗菌剤を形成し、又はこの逆であってもよい。さらに、本発明にあっては、細孔の周辺に機能性剤(層)が形成されてなるものが好ましい。
機能性包装材は、基本基材の表面又は裏面に機能性剤を塗布し、必要に応じて内部に包含させて形成されてよく、又は機能性剤を包含する機能性層として存在してなるものであってよい。被覆及び層形成は、全体でも一部(好ましい)であってもよい。形成方法は、混合、噴射等、周知の方法で行うことできる。また、基本基材の表面に、保存促進剤及び保水剤を形成し、基本基材の裏面に抗菌剤を形成し、又はこの逆であってもよい。さらに、本発明にあっては、細孔の周辺に機能性剤(層)が形成されてなるものが好ましい。
本発明にあっては、機能性包装材は、市販品を入手することが可能であり、例えば、ポレハ(株式会社 エーゼット社製)を用いることができる。
〔カット野菜又は果物の長期鮮度保存方法〕
(原料用意)
(原料用意)
本発明においては、原料として、野菜、果物を用意する。野菜、果物は、圃場又は果樹園等から収穫したものをそのまま、又は、譲り受けたもののいずれであってよい。
本発明の好ましい態様によれば、野菜、果物をカット処理する前に、予備処理(洗浄処理、除去処理)、例えば、水道水、井戸水による洗浄処理をして、ゴミ、泥、雑菌、その他の汚れを予め除去しておくことが好ましい。また、例えば、野菜、果物の種類及びその使用用途に応じて、カット前、前記予備処理の前後において、皮剥き、不要部分(例えば、根、ヘタ、萼、芽、スジ、ワタ、タネ、イボ、傷んだ部分)の除去処理を行うことが好ましい。
本発明の好ましい態様によれば、野菜、果物をカット処理する前に、予備処理(洗浄処理、除去処理)、例えば、水道水、井戸水による洗浄処理をして、ゴミ、泥、雑菌、その他の汚れを予め除去しておくことが好ましい。また、例えば、野菜、果物の種類及びその使用用途に応じて、カット前、前記予備処理の前後において、皮剥き、不要部分(例えば、根、ヘタ、萼、芽、スジ、ワタ、タネ、イボ、傷んだ部分)の除去処理を行うことが好ましい。
(カット処理)
野菜、果物のカットは、カット形態、サイズは特に制限されず、カット野菜・果物の使用形態、使用目的、調理方法等に応じて、所定のカット形態、カットサイズにすればよく、当然にカットの仕方も適宜定めてよい。よって、カット形態としては、例えば、千切り、角切り、みじん切り、輪切り、半月切り、イチョウ切り、拍子木切り、短冊切り、さいの目切り、あられ切り、そぎ切り、乱切り、斜め切り、小口切り、ぶつ切り、くし形切り、ささがき、かつらむき、飾り切りなどを挙げることができる。
従って、サラダ用であれば、一辺が0cm超過10cm以下程度の多角形(3〜10角形程度)にカット処理してもよく、好ましい。
野菜、果物のカットは、カット形態、サイズは特に制限されず、カット野菜・果物の使用形態、使用目的、調理方法等に応じて、所定のカット形態、カットサイズにすればよく、当然にカットの仕方も適宜定めてよい。よって、カット形態としては、例えば、千切り、角切り、みじん切り、輪切り、半月切り、イチョウ切り、拍子木切り、短冊切り、さいの目切り、あられ切り、そぎ切り、乱切り、斜め切り、小口切り、ぶつ切り、くし形切り、ささがき、かつらむき、飾り切りなどを挙げることができる。
従って、サラダ用であれば、一辺が0cm超過10cm以下程度の多角形(3〜10角形程度)にカット処理してもよく、好ましい。
(天然物由来アルカリ剤処理)
本発明においては、カット野菜・果物を天然物由来アルカリ剤を添加した水(以下、単に、天然物由来アルカリ剤水と云う)で処理する。
天然物由来アルカリ剤の添加量は、天然物由来アルカリ剤水の総重量に対して、下限値が0.03質量%以上であり上限値が0.13質量%以下であることが好ましく、下限値0.05質量%であり上限値が0.15質量%以下程度であることがより好ましい。
天然物由来アルカリ剤の添加量が上記数値範囲内にあることにより、カット野菜・果物の除菌が十分に行うことができ、また、水中における天然物由来アルカリ剤の飽和による沈殿量を抑制することが可能となることから、天然物由来アルカリ剤水処理後の水洗に要する洗浄水の量を抑制することができ、かつ、洗浄時間を短時間にすることが可能となることから、作業効率を向上させ、作業コストを廉価とすることが可能となる。
天然物由来アルカリ剤水のpHはアルカリ側であり、好ましくは、下限値が10以上であり上限値が13以下程度であり、好ましくは下限値が11以上であり上限値が12以下程度であることがより好ましい。
本発明にあっては、カット野菜を予め水洗する予備洗浄を行ってから、天然物由来アルカリ剤水処理をおこなうことが好ましい。カット野菜・果物をより除菌し、鮮度保持、水分保持を良好に行うことができるからである。
本発明においては、カット野菜・果物を天然物由来アルカリ剤を添加した水(以下、単に、天然物由来アルカリ剤水と云う)で処理する。
天然物由来アルカリ剤の添加量は、天然物由来アルカリ剤水の総重量に対して、下限値が0.03質量%以上であり上限値が0.13質量%以下であることが好ましく、下限値0.05質量%であり上限値が0.15質量%以下程度であることがより好ましい。
天然物由来アルカリ剤の添加量が上記数値範囲内にあることにより、カット野菜・果物の除菌が十分に行うことができ、また、水中における天然物由来アルカリ剤の飽和による沈殿量を抑制することが可能となることから、天然物由来アルカリ剤水処理後の水洗に要する洗浄水の量を抑制することができ、かつ、洗浄時間を短時間にすることが可能となることから、作業効率を向上させ、作業コストを廉価とすることが可能となる。
天然物由来アルカリ剤水のpHはアルカリ側であり、好ましくは、下限値が10以上であり上限値が13以下程度であり、好ましくは下限値が11以上であり上限値が12以下程度であることがより好ましい。
本発明にあっては、カット野菜を予め水洗する予備洗浄を行ってから、天然物由来アルカリ剤水処理をおこなうことが好ましい。カット野菜・果物をより除菌し、鮮度保持、水分保持を良好に行うことができるからである。
予備洗浄及び天然物由来アルカリ剤水処理においては、水等の温度は、0℃以上30度以下程度、好ましくは下限値が10度以上であり、上限値が室温(25℃前後)以下程度で行うことが好ましい。細菌、黴、ウィルスの繁殖を有効に抑制し、カット野菜の鮮度、食感、味、風味、外観を維持することができるとともに、冷却等の温度管理及び設備を使用することが作業コストの面で好ましいからである。
天然物由来アルカリ剤水による処理時間は、カット野菜の種類、カット形態、サイズ、天然物由来アルカリ剤水で処理する際の処理の仕方等(浸漬、シャワー、流下等)に応じて適宜調整することができるが、一般的に、処理時間は、30秒以上10分以下が好ましく、60秒以上5分以下がより好ましく、90秒以上3分以下程度が更に好ましい。
天然物由来アルカリ剤水処理は、カット野菜・果物を天然物由来アルカリ剤水中に浸漬する方法、天然物由来アルカリ剤水をカット野菜・果物にシャワー状に噴射する方法、天然物由来アルカリ剤水を蛇口などから流水させながらカット野菜・果物を洗う方法、それらの2つ以上の組み合わせなどのいずれの方法で行ってもよい。本発明の好ましい態様によれば、カット野菜・果物を天然物由来アルカリ剤水中で循環流水処理する方法が、除菌効果が高く且つ操作が簡単であることから好ましい。
(天然物由来アルカリ剤処理後の水洗処理)
本発明の好ましい態様によれは、天然物由来アルカリ剤水処理したカット野菜・果物を、好ましくは、水洗することが好ましい。水洗処理は、カット野菜・果物を、洗浄水中に浸漬する方法、洗浄水をシャワー状に噴射する方法、洗浄水の流水に曝す方法、又はこれらの二種以上の組み合わせなどのいずれの方法で行ってもよい。洗浄水は、水道水、井戸水、蒸留水、保存促進剤等を溶存させた蒸留水等を用いることができる。
本発明の好ましい態様によれは、天然物由来アルカリ剤水処理したカット野菜・果物を、好ましくは、水洗することが好ましい。水洗処理は、カット野菜・果物を、洗浄水中に浸漬する方法、洗浄水をシャワー状に噴射する方法、洗浄水の流水に曝す方法、又はこれらの二種以上の組み合わせなどのいずれの方法で行ってもよい。洗浄水は、水道水、井戸水、蒸留水、保存促進剤等を溶存させた蒸留水等を用いることができる。
洗浄処理は、カット野菜・果物の種類、量、カット形態、サイズなどに応じて、洗浄方法を選択し、洗浄水の量、洗浄時間等を適宜調整することができる。
また、本発明の好ましいに態様によれば、天然物由来アルカリ剤水処理又は水洗処理後に、カット野菜・果物を十分に水切りすることが好ましい。除菌を完全なものとし、かつ、細菌等の増殖を抑制することができるからである。水切り(乾燥)処理は、振とう、遠心、風、吸収剤による吸収等の方法、又はこれら二種以上の組み合わせが挙げられる。
また、本発明の好ましいに態様によれば、天然物由来アルカリ剤水処理又は水洗処理後に、カット野菜・果物を十分に水切りすることが好ましい。除菌を完全なものとし、かつ、細菌等の増殖を抑制することができるからである。水切り(乾燥)処理は、振とう、遠心、風、吸収剤による吸収等の方法、又はこれら二種以上の組み合わせが挙げられる。
(機能性包装材への包装処理)
水洗処理等を終えたカット野菜・果物を機能性包装材に充填し、密封する。
機能性包装材に充填する際には、不活性ガス(CO2、N2)を充填してもよいし、又は、真空パックとしてもよい。
水洗処理等を終えたカット野菜・果物を機能性包装材に充填し、密封する。
機能性包装材に充填する際には、不活性ガス(CO2、N2)を充填してもよいし、又は、真空パックとしてもよい。
本発明にあっては、カット野菜・果物の製造後、1日間から10日間において、いずれも一般生菌数が0以下であり、大腸菌群に対しても陰性であることが可能となる。
〔カット野菜又はカット果物を長期間鮮度保持する装置〕
本発明の好ましい態様によれば、カット野菜又はカット果物を長期間鮮度保持する装置を提案することができる。供給器、洗浄処理器、切断器、処理器、水洗処理器、充填器とは、一般に市販されているものを使用することが可能である。各機器の処理内容等は、〔カット野菜又はカット果物〕の項、〔カット野菜又は果物の長期鮮度保存方法〕の項で説明したのと同様である。機器間の搬送は、ベルトコンベヤー等を用いて自動的に行われてよい。
本発明の好ましい態様によれば、カット野菜又はカット果物を長期間鮮度保持する装置を提案することができる。供給器、洗浄処理器、切断器、処理器、水洗処理器、充填器とは、一般に市販されているものを使用することが可能である。各機器の処理内容等は、〔カット野菜又はカット果物〕の項、〔カット野菜又は果物の長期鮮度保存方法〕の項で説明したのと同様である。機器間の搬送は、ベルトコンベヤー等を用いて自動的に行われてよい。
以下に、実施例及び比較例を用いて本願発明の発明内容を詳細に説明するが、これら実施例の存在は、本願発明の範囲を限定して解釈するものではない。
〔調製等〕
野菜等:実施例、比較例に記載した。
天然物由来アルカリ剤水:オホーツクカルシウムS(ナチュラルジャパン株式会社製)を水で希釈した。水に対して0.1質量%となるように、天然物由来アルカリ剤を水に溶解させて、不溶解な沈殿物が僅かに確認できる程度に水溶液を得た。
次亜塩素ナトリウム水溶液:200ppmのものを用意した。
水道水:実験室に配管されている水道局の水を使用した。
機能性包装材:スーパーフレッシュ P.Poleha(株式会社 エーゼット社製)
野菜等:実施例、比較例に記載した。
天然物由来アルカリ剤水:オホーツクカルシウムS(ナチュラルジャパン株式会社製)を水で希釈した。水に対して0.1質量%となるように、天然物由来アルカリ剤を水に溶解させて、不溶解な沈殿物が僅かに確認できる程度に水溶液を得た。
次亜塩素ナトリウム水溶液:200ppmのものを用意した。
水道水:実験室に配管されている水道局の水を使用した。
機能性包装材:スーパーフレッシュ P.Poleha(株式会社 エーゼット社製)
〔実施例1〕
キャベツを用意し、予備水洗(水道水)し、カットした後、天然物由来アルカリ剤水に5分間浸漬し、その後、遠心脱水をし、機能性包装材に充填し、可能な限り空気を除去して、常時5℃の温度で暗所保管した。
キャベツを用意し、予備水洗(水道水)し、カットした後、天然物由来アルカリ剤水に5分間浸漬し、その後、遠心脱水をし、機能性包装材に充填し、可能な限り空気を除去して、常時5℃の温度で暗所保管した。
〔実施例2〕
大根とした以外は、実施例1と同様に行った。
大根とした以外は、実施例1と同様に行った。
〔実施例3〕
レタスとした以外は、実施例1と同様に行った。
レタスとした以外は、実施例1と同様に行った。
〔実施例4〕
キュウリとした以外は、実施例1と同様に行った。
キュウリとした以外は、実施例1と同様に行った。
〔実施例5〕
長ネギとした以外は、実施例1と同様に行った。
長ネギとした以外は、実施例1と同様に行った。
〔比較例1乃至比較例5〕
実施例1〜実施例5において、天然物由来アルカリ剤を次亜塩素ナトリウム水溶液とし、機能性包装材をポリオレフィンフィルムとした以外は、同じにして比較例とした。
〔比較例6乃至比較例10〕
実施例1〜実施例5において、天然物由来アルカリ剤水処理をせず、機能性包装材をポリエチレンフィルムとした以外は、同じにして比較例とした。
〔実施例6〕
バナナを用意し、予備水洗(水道水)し、カットした後、天然物由来アルカリ剤水に5分間浸漬し、その後、水分を不織布で除去し、機能性包装材に充填し、可能な限り空気を除去して、常時5℃の温度で暗所保管した。
〔比較例11〕
実施例6において、天然物由来アルカリ剤水処理をせず、機能性包装材をポリエチレンフィルムとした以外は、同じにして比較例とした。
実施例1〜実施例5において、天然物由来アルカリ剤を次亜塩素ナトリウム水溶液とし、機能性包装材をポリオレフィンフィルムとした以外は、同じにして比較例とした。
〔比較例6乃至比較例10〕
実施例1〜実施例5において、天然物由来アルカリ剤水処理をせず、機能性包装材をポリエチレンフィルムとした以外は、同じにして比較例とした。
〔実施例6〕
バナナを用意し、予備水洗(水道水)し、カットした後、天然物由来アルカリ剤水に5分間浸漬し、その後、水分を不織布で除去し、機能性包装材に充填し、可能な限り空気を除去して、常時5℃の温度で暗所保管した。
〔比較例11〕
実施例6において、天然物由来アルカリ剤水処理をせず、機能性包装材をポリエチレンフィルムとした以外は、同じにして比較例とした。
〔評価試験〕
(評価試験1)
実施例と比較例について、微生物試験を行って、一般生菌数と大腸菌群数を測定し、その結果を下記表1に記載した。表1にある通り、本願発明によるカット野菜は、7日間経っても、一般生菌数が少なく、長期間、鮮度を保持できることが理解された。
また、実施例についてのみ大腸菌群の測定(Most Probable Number Method:MPN算出法)を行った所、1日から10日経過後の全てにおいて、『陰性』であった。
(評価試験1)
実施例と比較例について、微生物試験を行って、一般生菌数と大腸菌群数を測定し、その結果を下記表1に記載した。表1にある通り、本願発明によるカット野菜は、7日間経っても、一般生菌数が少なく、長期間、鮮度を保持できることが理解された。
また、実施例についてのみ大腸菌群の測定(Most Probable Number Method:MPN算出法)を行った所、1日から10日経過後の全てにおいて、『陰性』であった。
(評価試験2)
実施例1と比較例1と比較例6について、黴発生試験を行って、シャーレー内における黴のコロニーを目視し、その結果を下記表2に記載した。表2にある通り、本願発明によるカット野菜は、7日間及び10日間経っても、黴の発生が認められず、長期間、鮮度を保持できることが理解された。
実施例1と比較例1と比較例6について、黴発生試験を行って、シャーレー内における黴のコロニーを目視し、その結果を下記表2に記載した。表2にある通り、本願発明によるカット野菜は、7日間及び10日間経っても、黴の発生が認められず、長期間、鮮度を保持できることが理解された。
(評価試験3)
実施例と比較例とについて、評価試験1における7日間経過後の試料について、臭い及び変色等を観察し、その結果を下記表3に記載した。表3にある通り、本願発明によるカット野菜は、7日間経っても、無為無臭であり、変色、取り分け、カット面の変色が殆ど見られず、長期間、鮮度を保持できることが理解された。他方、比較例は、野菜特有の腐敗臭が発生し、開封後極めて不快な気分となり、また、野菜の所々に黒色及び灰色の分布が認められ、特に、カット面は殆ど黒色に変化していた。このことから、比較例は決して食することができるものではないことが、目視、臭覚によっても明らかに理解された。また、実施例についてのみ10日経過後について試験した結果、『臭い無し』及び『変色無し』との結果を呈した。
実施例と比較例とについて、評価試験1における7日間経過後の試料について、臭い及び変色等を観察し、その結果を下記表3に記載した。表3にある通り、本願発明によるカット野菜は、7日間経っても、無為無臭であり、変色、取り分け、カット面の変色が殆ど見られず、長期間、鮮度を保持できることが理解された。他方、比較例は、野菜特有の腐敗臭が発生し、開封後極めて不快な気分となり、また、野菜の所々に黒色及び灰色の分布が認められ、特に、カット面は殆ど黒色に変化していた。このことから、比較例は決して食することができるものではないことが、目視、臭覚によっても明らかに理解された。また、実施例についてのみ10日経過後について試験した結果、『臭い無し』及び『変色無し』との結果を呈した。
(評価試験4)
実施例6と比較例11とについて、評価試験1と同様に7日間経過後におけるブリックス数値評価を行った。実施例6のカットバナナは、腐敗臭がなく、かつ、黒色変化が殆ど見られず、鮮度を維持していることから視覚、臭覚から明らかに理解された。また、ブリックス数値は、試験前後において約2〜3倍程度の数値を呈し、優れた熟成効果を有することが理解された。他方、比較例は、腐敗し、黒色に変化しており、視覚、臭覚においても食品として食することができるものとは認識することができるものではなかったことが明らかに理解された。
実施例6と比較例11とについて、評価試験1と同様に7日間経過後におけるブリックス数値評価を行った。実施例6のカットバナナは、腐敗臭がなく、かつ、黒色変化が殆ど見られず、鮮度を維持していることから視覚、臭覚から明らかに理解された。また、ブリックス数値は、試験前後において約2〜3倍程度の数値を呈し、優れた熟成効果を有することが理解された。他方、比較例は、腐敗し、黒色に変化しており、視覚、臭覚においても食品として食することができるものとは認識することができるものではなかったことが明らかに理解された。
Claims (3)
- カットした野菜又はカット果物に、天然物由来アルカリ剤処理をし、機能性包装材で包装した、カット野菜又は果物。
- カット野菜又はカット果物を長期間鮮度保持する方法であって、
野菜又は果物を用意し、必要に応じて予め洗浄処理し、
前記野菜又は前記果物をカットし、
前記カット野菜又は前記カット果物を天然物由来アルカリ剤で処理し、必要に応じて水洗処理し、
前記処理したカット野菜又は前記カット果物を機能性包装剤に充填することを含んでなる、長期間鮮度保持方法。 - カット野菜又はカット果物を長期間鮮度保持する装置であって、
用意した野菜又は果物を供給する供給器と、
必要に応じて前記野菜又は果物を洗浄する洗浄処理器と、
前記野菜又は果物をカットする切断器と、
前記カット野菜又は前記カット果物を天然物由来アルカリ剤で処理する処理器と、
必要に応じて前記天然物由来アルカリ剤及びその処理物を洗浄する水洗処理器と、
前記処理したカット野菜又は前記カット果物を機能性包装剤に充填する充填器とを備えてなる、長期間鮮度保持装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014197516A JP2016067234A (ja) | 2014-09-26 | 2014-09-26 | カット野菜又はカット果物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014197516A JP2016067234A (ja) | 2014-09-26 | 2014-09-26 | カット野菜又はカット果物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
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Family
ID=55863295
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2014197516A Pending JP2016067234A (ja) | 2014-09-26 | 2014-09-26 | カット野菜又はカット果物 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2016067234A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2021061830A (ja) * | 2019-10-16 | 2021-04-22 | カゴメ株式会社 | 洗浄済みベビーリーフの製造方法、及び洗浄済みベビーリーフの菌数低減方法、容器詰めサラダの製造方法 |
JP2021191293A (ja) * | 2019-10-16 | 2021-12-16 | カゴメ株式会社 | 洗浄済みベビーリーフの製造方法、及び洗浄済みベビーリーフの菌数低減方法、容器詰めサラダの製造方法 |
-
2014
- 2014-09-26 JP JP2014197516A patent/JP2016067234A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2021061830A (ja) * | 2019-10-16 | 2021-04-22 | カゴメ株式会社 | 洗浄済みベビーリーフの製造方法、及び洗浄済みベビーリーフの菌数低減方法、容器詰めサラダの製造方法 |
JP2021191293A (ja) * | 2019-10-16 | 2021-12-16 | カゴメ株式会社 | 洗浄済みベビーリーフの製造方法、及び洗浄済みベビーリーフの菌数低減方法、容器詰めサラダの製造方法 |
JP7438641B2 (ja) | 2019-10-16 | 2024-02-27 | カゴメ株式会社 | 洗浄済みベビーリーフの製造方法、及び洗浄済みベビーリーフの菌数低減方法、容器詰めサラダの製造方法 |
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Legal Events
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