JP2016055983A - 高所作業車用上部衝突防止装置及びこれを用いた衝突防止方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】昇降自在になるバスケット2を備えた高所作業車3において、バスケット2に着脱自在に取り付けられる近接センサ4と、検出されたバスケット2と上部障害物UOの距離が所定値よりも接近している際に、その近接について作業者と周囲の者に報知させるように制御するコントローラ5と、この信号によりバスケット2が上部障害物UOに接近していることを作業者に報知する報知手段とを備えた。コントローラ5からの信号により、操作装置7における緊急停止スイッチを作動させ、昇降装置1の上昇を停止させる。
【選択図】図1
Description
上部衝突防止に関しても高所作業車自体に近接センサ等の種々計測するセンサを取り付け、イネーブルスイッチに連動させる構成も提案されている。しかし、このような種々の安全装置が最初から備えられた高所作業車は高価である。
前記報知手段(6)は、前記バスケット(2)と上部障害物(UO)の距離を数段階に設定し、その検知した設定距離に応じて異なる形態で報知するように構成されたものである。
前記操作装置(7)に、足で踏み込みながら操作するときのみ前記昇降装置(1)と前記コントローラ(5)の各機能が連動して動作させることができる連動フットスイッチ(9)を備えることができる。
前記コントローラ(5)からの緊急停止信号により、前記操作装置(7)における緊急停止スイッチ(8)には干渉せず、該緊急停止スイッチ(8)を自動で押すように構成された緊急停止操作具(30)を備えることができる。
上下動器具(29)を介してバスケット(2)に取り付けられる近接センサ(4)により、平坦でない凹凸を有する上部障害物(UO)に対しても、片方の近接センサ(4)をバスケット(2)の上縁位置より上方へ移動させ、上昇中の昇降装置(1)が上部障害物(UO)に接近したことを最初に報知することができる。
<上部衝突防止装置の構成>
図1は本発明の上部衝突防止装置を備えた高所作業車を示す正面図である。図2は高所作業車の操作装置を示す平面図である。図3は高所作業車の操作装置とフットスイッチを示す側面図である。
実施例1の高所作業車用上部衝突防止装置は、昇降装置1により昇降自在になるバスケット2を備えた高所作業車3において、このバスケット2がその上方の天井、橋梁、高速道路の下部等の上部障害物UOへ衝突することを防止する装置である。
なお、図示していないが、電源は車載したバッテリ又はシガレットライター等を利用するようになっている。
高所作業車3は、図1に示すように、走行自在な車体10と、この車体10上に配設された昇降装置1と、この昇降装置1の上端部に水平に支持された作業床11と、作業者が乗るバスケット2とから構成されている作業車である。車体10横にアウトリガー12が設けられている。このアウトリガー12を張り出して接地させることで車体10を安定させるようになっている。更に、図2に示すような、車体10の移動と昇降装置1の昇降を作動制御する操作装置7を備えている。
このような構成の高所作業車3は、図2に示すような操作装置7により操作する。操作装置7の電源スイッチ13を投入すると、高所作業車3を操作することができる。操作装置7の左側の「前と後」のレバー14は車体10を移動させる操作レバーである。この右側の「上と下」のスイッチ15は昇降装置1の昇降制御を行うスイッチである。その右側の「高速と低速」のスイッチ16は昇降装置1の昇降速度を制御するスイッチである。「ホーン」は注意音を発生させるボタン17である。「ストップ」は昇降装置1の昇降動作を停止させる緊急停止スイッチ8である。なお、この操作装置7は一例であって、この構成に限定されない。
操作装置7には図3に示すように、連動フットスイッチ9を備えている。この連動フットスイッチ9は単なる足踏みスイッチではない。操作装置7を操作する際に、この連動フットスイッチ9を踏み込みながら操作すると昇降装置1等の各機能が連動して動作し、足を外すと各動作が停止する構成の連動スイッチである。作業者はバスケット2内において手と足の両方を使用しなければ、昇降装置1等を動作できないようにして、作業者による操作装置7の誤操作を防止するようになっている。
上部衝突防止装置の近接センサ4としては、超音波を利用した検知器がある。この超音波センサは、送波器により超音波を対象物となる上部障害物UOに向け発信し、その反射波を受波器で受信することにより、超音波の発信から受信までに要した時間と音速との関係を演算することで、近接センサ4が取り付けられたバスケット2の上縁位置から対象物の上部障害物UOまでの距離を検出する。この近接センサ4は、既存のバスケット2の手すりに簡単に取り付けられるようにクリップ等を備えている。高所作業が終了したら容易に取り外すことができる。なお、近接センサ4を常時取り付けておくときは、ねじ止め、ボルト止めすることも可能である。
近接センサ4は、数段階に分けて対象物となる上部障害物UOの存在を検知する。図示例で近接センサ4の測定範囲を3段階に分けた状態を示す。バスケット2を昇降装置1で上昇させていき、上部障害物UOの下方2m近くまで上昇したときに、1回目の検知をし、そのことを報知する。次に、上部障害物UOの下方1.5m近くまで上昇したときに、2回目の検知をし、そのことを報知する。更に、危険領域である対象物の下方1m近くまで上昇したときに、3回目の検知をし、そのことを報知する。このように3段階の近接を検知して作業者に注意を喚起するようになっている。なお、この3段階は、一例であって2段階又は4段階と分けて報知することができる。なお、1回のみの検知と報知では作業者があわてたときに適切な処置がとれないことがあるので複数回のほうが好ましい。また、2m、1.5mと1mの組み合わせも一例であって、この数値に限定されない。
図5は上部衝突防止装置のコントローラを示すブロック図である。
上部衝突防止装置のコントローラ5の入力側には、図示するように、検知距離設定入力部18、増幅処理部19(AMP)及び制御信号入力部20が接続されている。増幅処理部19(AMP)は近接センサ4の検知信号を増幅処理する。検知距離設定入力部18は近接センサ4の上部障害物UOと近接距離を設定する。例えば図4に示したように、上部障害物UOの下方2m、1.5m又は1mまでの検知距離を設定する。
操作装置7の緊急停止スイッチ8にはセイフティ・リレーユニット27が組み込まれている。セイフティ・リレーユニット27は、安全を確認できた場合だけ機械を運転制御する回路である。例えば緊急停止スイッチ8はNC(ノーマル・クローズ)接点を使い、通常は閉じて(オン状態)安全状態を意味する信号(安全信号)を出力する。一方、何らかの異常が起きて緊急停止スイッチ8が押されると、接点が開いて(オフ状態)安全信号を出力しなくなる。また、接点が溶着する場合もあり、制御信号は、NO(ノーマル・オープン)の場合でもよい。
図7は近接センサの検知距離と報知手段のブザーの報知音との組み合わせを示す表であり、(a)は設定最大検知距離2mの場合、(b)は設定最大検知距離1.5mの場合、(c)は設定最大検知距離1mの場合である。
近接センサ4の検知距離を最大検知距離2mに設定した場合は、近接センサ4が上部障害物UOに2m〜0.8mの範囲において検知したときは、報知手段6のブザーは電子音を長い間隔の断続で鳴動させる。
次に、0.8m〜0.6mの範囲において検知したときは、報知手段6のブザーは電子音を短い間隔の断続での鳴動に変える。上部障害物UOにより接近してきたことを作業者に知らせるためである。
更に、0.6m〜0.1mの範囲において検知したときは、報知手段6のブザー音は連続鳴動に変える。直ぐに、昇降装置1を停止させる緊急停止スイッチ8を作動させることを知らせるためである。更に、コントローラ5から緊急停止信号が発信して昇降装置1の駆動モータ28を停止させ、バスケット2の上昇を停止させる。
なお、この最大検知距離の設定値とブザー音はそれぞれ一例であって、この数値とブザー音の種類に限定されないことは勿論である。
図8は近接センサの位置を可変させる上下動器具を示す正面図である。図9は上下動器具を備えた高所作業車を示す正面図である。
近接センサ4は、上下動器具29と共にバスケット2に取り付けることができる。この上下動器具29はカメラの三脚におけるエレベータ機構に類する構造のものである。ハンドルを回転させ、ギヤ駆動により棒状部材の上部に取り付けられた近接センサ4を上方へ移動させる器具である。これは近接センサ4が検知した位置と、バスケット2内で作業者が操作装置7で昇降操作している位置と上部障害物UOとの距離が相違する場合に使用する。上部障害物UOの天井、橋梁の下面は平坦な形状のものばかりではなく、凹凸を有することが多いからである。
なお、図示例の上下動器具29は一例であって、このような構成に限定されない。例えば、バスケット2に取り付けられる棒状部材に長手方向に所定の間隔で穴を開け、これに近接センサ4をクリップ等を着脱自在に取り付ける構成のもでもよい。
図10は緊急停止操作具の動作状態を示し、(a)は動作前の状態、(b)は指で停止している状態、(c)は自動停止している状態である。
操作装置7における緊急停止スイッチ8を作動させるために、上述したセイフティ・リレーユニット27ではなく、この緊急停止スイッチ8を直接押圧することも可能である。緊急停止操作具30は、より汎用性が高めるために、操作装置7の操作盤に着脱自在に取り付けて使用するようになっている。緊急停止操作具30は、コントローラ5からの信号により、操作装置7における緊急停止スイッチ8を作動させることができる。
舌片部33は棒状連結部材35が、緊急停止スイッチ8の押圧方向と同方向へは可動するので緊急停止スイッチ8を手動で押すときは、この舌片部33の上から該緊急停止スイッチ8を押すことができる。
2 バスケット
3 高所作業車
4 近接センサ
5 コントローラ
6 報知手段
7 操作装置
8 緊急停止スイッチ
9 連動フットスイッチ
10 車体
23 動作停止信号出力部
27 セイフティ・リレーユニット
29 上下動器具
30 緊急停止操作具
31 吸着部
32 緊急停止操作本体
33 舌片部
34 押圧機構
UO 上部障害物
Claims (9)
- 車体(10)上に、昇降装置(1)により昇降自在になるバスケット(2)と、該昇降装置(1)を作動制御する操作装置(7)を備えた高所作業車(3)において、該バスケット(2)が上部障害物(UO)に衝突することを防止する上部衝突防止装置であって、
前記バスケット(2)に着脱自在に取り付けられる、該バスケット(2)と上部障害物(UO)の距離を検出する近接センサ(4)と、
前記近接センサ(4)により検出された前記バスケット(2)と前記上部障害物(UO)の距離が所定値よりも接近している際に、その近接について作業者と周囲の者に報知させるように制御するコントローラ(5)と、
前記コントローラ(5)からの信号により、前記バスケット(2)が上部障害物(UO)に接近していることを作業者に報知する報知手段(6)と、を備え、
前記コントローラ(5)からの緊急停止信号により、前記操作装置(7)における緊急停止スイッチ(8)を作動させ、前記昇降装置(1)の動作を停止させるように構成した、ことを特徴とする高所作業車用上部衝突防止装置。 - 前記コントローラ(5)に、該コントローラ(5)の動作停止信号出力部(23)から緊急停止信号が発信されたときに、前記緊急停止スイッチ(8)を作動させるセイフティ・リレーユニット(27)を備えた、ことを特徴とする請求項1の高所作業車用上部衝突防止装置。
- 前記報知手段(6)は、前記バスケット(2)と上部障害物(UO)の距離を数段階に設定し、その検知した設定距離に応じて異なる形態で報知するように構成された、ことを特徴とする請求項1又は2の高所作業車用上部衝突防止装置。
- 前記操作装置(7)に、足で踏み込みながら操作するときのみ前記昇降装置(1)と前記コントローラ(5)の各機能が連動して動作させることができる連動フットスイッチ(9)を備えた、ことを特徴とする請求項1、2又は3の高所作業車用上部衝突防止装置。
- 前記バスケット(2)に取り付けられる前記近接センサ(4)を、該バスケット(2)の上縁位置より上方へ移動させることができる上下動器具(29)を更に備えた、ことを特徴とする請求項1、2,3又は4の高所作業車用上部衝突防止装置。
- 前記コントローラ(5)からの緊急停止信号により、前記操作装置(7)における緊急停止スイッチ(8)には干渉せず、該緊急停止スイッチ(8)を自動で押すように構成された緊急停止操作具(30)を備えた、ことを特徴とする請求項1の高所作業車用上部衝突防止装置。
- 高所作業車(3)に備えられたバスケット(2)を昇降装置(1)により昇降させる際に、該バスケット(2)が上部障害物(UO)に衝突することを防止する上部衝突防止方法であって、
前記バスケット(2)に着脱自在に取り付けられる近接センサ(4)により、該バスケット(2)と上部障害物(UO)の距離を検出し、
前記近接センサ(4)により検出された、前記バスケット(2)と上部障害物(UO)の距離が所定値よりも接近しているときに、コントローラ(5)によりその近接について作業者と周囲の者に報知手段(6)で報知し、
前記コントローラ(5)からの緊急停止信号により緊急停止スイッチ(8)を作動させ、前記昇降装置(1)の上昇を停止させる、ことを特徴とする高所作業車用上部衝突防止方法。 - 前記報知手段(6)は、前記近接センサ(4)が前記バスケット(2)と上部障害物(UO)の距離を数段階に設定し、その検知した設定距離に応じて異なる報知を発すると共に、
所定の設定距離まで接近したときに前記コントローラ(5)から緊急停止信号を発信して前記操作装置(7)における緊急停止スイッチ(8)を作動させる、ことを特徴とする請求項7の高所作業車用上部衝突防止方法。 - 各近接センサ(4)にそれぞれ異なる検知距離を設定し、作業者が操作する前記操作装置(7)側に取り付けた近接センサ(4)の検知距離が、その反対側に取り付けた近接センサ(4)の検知距離より長く設定し、
長い検知距離の近接センサ(4)が前記昇降装置(1)の上昇中に上部障害物(UO)に接近したことを最初に報知する、ことを特徴とする請求項7の高所作業車用上部衝突防止方法。
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