JP2016055317A - 伝熱板の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】蓋板の変形を抑制することができる伝熱板の製造方法を提供することを課題とする。
【解決手段】ベース部材2の表面2a側に開口する蓋溝11に蓋板3を配置して、蓋溝11の底面11aに形成された凹溝12を覆う蓋板配置工程と、蓋溝11の側壁11b,11bと蓋板3の側面との突合せ部J1に沿って接合用回転ツールGを相対移動させて摩擦攪拌を行う接合工程と、を含む伝熱板の製造方法において、接合工程では、蓋板3が接合用回転ツールGの進行方向に対して右側に位置する場合には、接合用回転ツールGの回転方向を右回りに設定し、蓋板3が接合用回転ツールGの進行方向に対して左側に位置する場合には、接合用回転ツールGの回転方向を左回りに設定し、接合用回転ツールGの回転中心軸Cを突合せ部J1よりもベース部材2側に偏移させた状態で摩擦攪拌を行うことを特徴とする。
【選択図】図4

Description

本発明は、伝熱板の製造方法に関する。
金属部材同士を接合する方法として、摩擦攪拌接合(FSW=Friction Stir Welding)が知られている。摩擦攪拌接合とは、回転ツールを回転させつつ金属部材同士の突合せ部に沿って移動させ、回転ツールと金属部材との摩擦熱により突合せ部の金属を塑性流動させることで、金属部材同士を固相接合させるものである。
例えば、特許文献1に示す伝熱板は、蓋溝とこの蓋溝の底面に形成された凹溝を備えたベース部材と、前記蓋溝に配置される蓋板とからなり、蓋板とベース部材とは摩擦攪拌接合されている。
特許第3818084号公報
蓋板はベース部材に対して薄く形成されているため、摩擦攪拌を行うと摩擦熱によって蓋板が変形しやすいという問題がある。
そこで、本発明は、蓋板の変形を抑制することができる伝熱板の製造方法を提供することを課題とする。
前記課題を解決するための手段として、本発明は、ベース部材の表面側に開口する凹溝の周囲に形成された蓋溝に、蓋板を配置する蓋板配置工程と、前記蓋溝の側壁と前記蓋板の側面との突合せ部に沿って接合用回転ツールを相対移動させて摩擦攪拌を行う接合工程と、を含む伝熱板の製造方法において、前記接合工程では、前記蓋板が前記接合用回転ツールの進行方向に対して右側に位置する場合には、前記接合用回転ツールの回転方向を右回りに設定し、前記蓋板が前記接合用回転ツールの進行方向に対して左側に位置する場合には、前記接合用回転ツールの回転方向を左回りに設定し、前記接合用回転ツールの回転中心軸を前記突合せ部よりも前記ベース部材側に偏移させた状態で摩擦攪拌を行うことを特徴とする。
かかる製造方法によれば、突合せ部よりもベース部材側に偏移させた状態で摩擦攪拌を行うことで、蓋板への入熱量を小さくすることができるため、蓋板の変形を抑制するこができる。また、接合用回転ツールのシアー側(被接合部に対する接合用回転ツールの外周の相対速さが、接合用回転ツールの外周における接線速度の大きさに移動速度の大きさを加算した値となる側)は、フロー側(被接合部に対する接合用回転ツールの外周の相対速さが、接合用回転ツールの外周における接線速度の大きさから移動速度の大きさを減算した値となる側)よりも摩擦熱が大きくなる傾向がある。そのため、シアー側がベース部材側となるように接合用回転ツールの進行方向及び回転方向を設定することで、蓋板の変形をより抑制することができる。
また、前記蓋板の厚さを前記蓋溝の深さよりも小さく設定することが好ましい。かかる製造方法によれば、蓋板の厚さを小さくしても蓋板の変形を抑制することができる。
また、前記接合用回転ツールのショルダ部の下端面と前記ベース部材及び前記蓋板とを接触させた状態で摩擦攪拌を行うことが好ましい。
ショルダ部の下端面とベース部材及び蓋板との間に隙間があると金属部材が外部に溢れやすくなり金属不足となるおそれがあるが、かかる製造方法によれば、ベース部材及び蓋板とショルダ部との間に隙間がなく、塑性流動化した金属をショルダ部の下端面で押さえることができるため、好適に摩擦攪拌を行うことができる。
また、前記接合工程では、前記接合用回転ツールの軌跡の始端と終端とをオーバーラップさせ、摩擦攪拌によって形成される塑性化領域の一部を重複させることが好ましい。かかる製造方法によれば、凹溝の周囲を確実に密閉することができる。
また、前記接合工程では、前記蓋板の全周囲に亘って塑性化領域を形成した後、前記接合用回転ツールを前記蓋板から離間する方向に移動させ、前記蓋板から離れた位置で前記接合用回転ツールの攪拌ピンを離脱させることが好ましい。
攪拌ピンの抜け穴が、突合せ部よりも蓋板側に形成されると水密性及び気密性が低下する可能性があるが、かかる製造方法によれば、接合用回転ツールの離脱位置を蓋板から離れた位置に設けることにより、水密性及び気密性の低下を防ぐことができる。
また、前記接合工程では、前記接合用回転ツールの攪拌ピンの長さを、前記蓋溝の深さの60%〜100%の範囲に設定することが好ましい。かかる製造方法によれば、突合せ部の深い位置まで摩擦攪拌接合を行うことができる。
また、前記接合工程では、前記接合用回転ツールよりも小型の回転ツールを用いて前記突合せ部に対して仮接合を行うことが好ましい。
かかる製造方法によれば、蓋板をベース部材に仮付けした後、突合せ部を本格的に摩擦攪拌接合することができるため、蓋板の位置決め精度を高めることができる。
また、回転ツールを用いて前記ベース部材の裏面に摩擦攪拌を行う矯正工程をさらに含むことが好ましい。また、前記矯正工程では、前記矯正工程によって形成される塑性化領域の体積量を、前記接合工程によって形成された塑性化領域の体積量よりも少なく設定することが好ましい。
かかる製造方法によれば、接合工程による熱収縮によって伝熱板が反ってしまったとしても、矯正工程で伝熱板を平坦にすることができる。
本発明によれば、蓋板の変形を抑制することができる伝熱板の製造方法を提供することができる。
本発明の実施形態に係る伝熱板を示した図であって、(a)は分解斜視図で あり、(b)は凹溝を示した断面図である。 本実施形態に係るベース部材に蓋板を配置した状態を示した断面図である。 (a)は小型回転ツールを示した側面図であり、(b)は接合用回転ツール を示した側面図である。 本実施形態に係る接合工程を示した図であって、(a)は平面図、(b)は (a)のI−I線断面図である。 実施形態に係る接合工程を示した平面図である。 本実施形態に係る変形例を示した斜視図である。 本実施形態に係る接合工程後の伝熱板を示した図であって、(a)は斜視図 であり、(b)は(a)のII−II線断面図である。 本実施形態に係る矯正工程を示した平面図である。
本発明の伝熱板及び伝熱板の製造方法に係る実施形態について図面を適宜参照して詳細に説明する。まず、本発明に係る伝熱板の製造方法によって形成される伝熱板1について説明する。
伝熱板1は、図1の(a)及び(b)に示すように、ベース部材2と、蓋板3とを有し、ベース部材2と蓋板3とが摩擦攪拌接合により一体形成される。伝熱板1は、内部に形成された流路に熱輸送流体を流通させて、コールドプレート又はヒートプレート等として利用される。
ベース部材2は、この内部に流れる熱輸送流体の熱を外部に伝達させる役割、あるいは、外部の熱を熱輸送流体に伝達させる役割を果たすものである。ベース部材2は、蓋溝11と、蓋溝11の底面11aに形成された凹溝12と、凹溝12とベース部材2の外部とを連通する貫通孔4,4とを有する。
ベース部材2の材料は、摩擦攪拌可能な金属であれば特に制限されないが、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金、チタン、チタン合金、 マグネシウム、マグネシウム合金等から適宜選択すればよい。ベース部材2の形状は、本実施形態では外観視略直方体としたが、多角柱体、円柱体等であってもよい。
蓋溝11は、平面視略蛇行状を呈し、ベース部材2の表面2aに凹設されている。蓋溝11は、蓋板3が配置される部位である。蓋溝11は、図1の(b)に示すように、底面11aと、底面11aに立設する側壁11b,11bとを有する。側壁11bの高さは、本実施形態では蓋板3の厚さよりも大きくなっている。
凹溝12は、平面視略蛇行状を呈し、蓋溝11の底面11aの中央に凹設されている。凹溝12の溝幅は、蓋溝11の溝幅よりも小さくなっている。凹溝12は、熱を外部に輸送する熱輸送流体(本実施形態では冷却水)が流れる部位である。凹溝12は、図1の(b)に示すように、底面12aと、底面12aに立設する壁面12b,12bとを有する。凹溝12の深さは、伝熱板1の用途に応じて適宜設定すればよい。
貫通孔4は、図1の(a)に示すように、ベース部材2の外部と凹溝12とを連通し、熱輸送流体を流通させる孔である。貫通孔4は、ベース部材2の左側の側面2cと凹溝12を連通するとともに、ベース部材2の右側の側面2cと凹溝12とを連通する。これにより、ベース部材2の一方の側面2cから流入した冷却水は、ベース部材2内をジグザグに流れて他方の側面2cから流出する。貫通孔4の形状、数及び設置位置は、冷却水の種類や流量に応じて適宜変更可能である。
蓋板3は、図1の(a)及び(b)に示すように、ベース部材2と同等の材料からなる板状形材である。蓋板3は、断面矩形状を呈するとともに、蓋溝11の平面形状と同等の平面形状を呈する。蓋板3は、表面3aと、裏面3bと、側面3c,3dとを備えている。蓋板3は、蓋溝11に配置される。
図2は、本実施形態に係るベース部材に蓋板を配置した状態を示した断面図である。図2に示すように、蓋板3の板厚は、蓋溝11の深さよりも小さく形成されている。ベース部材2の表面2aから蓋板3の表面3aまでの距離H1は、適宜設定すればよいが、例えば0.3mm〜1.0mmに設定する。蓋溝11の側壁11bと、蓋板3の側面3cとが対向する部分には突合せ部J1が形成される。また、蓋溝11の側壁11bと、蓋板3の側面3dとが対向する部分には突合せ部J1が形成される。
次に、小型の回転ツール(以下、「小型回転ツールF」という。)及び小型回転ツールFよりも大型の回転ツール(以下、「接合用回転ツールG」という。)について図3を用いて説明する。
図3の(a)に示す小型回転ツールFは、主に後記する仮接合工程や矯正工程で使用する。小型回転ツールFは、工具鋼などベース部材2よりも硬質の金属材料からなり、円柱状を呈するショルダ部F1と、このショルダ部F1の下端面F11に突設された攪拌ピン(プローブ)F2とを備えて構成されている。
小型回転ツールFの寸法・形状は、ベース部材2の材質や厚さ等に応じて設定すればよいが、少なくとも、接合用回転ツールG(図3の(b)参照)よりも小型にする。このようにすると、接合用回転ツールGを用いる場合よりも小さな負荷で摩擦攪拌接合を行うことが可能となるので、摩擦攪拌装置に掛かる負荷を低減することが可能となり、さらには、小型回転ツールFの移動速度(送り速度)を接合用回転ツールGの移動速度よりも高速にすることも可能になるので、摩擦攪拌接合に要する作業時間やコストを低減することが可能となる。ショルダ部F1の下端面F11は、塑性流動化した金属を押えて周囲への飛散を防止する役割を担う部位である。
攪拌ピンF2は、ショルダ部F1の下端面F11の中央から垂下しており、本実施形態では、先細りの円錐台状に成形されている。また、攪拌ピンF2の周面には、螺旋状に刻設された攪拌翼が形成されている。
図3の(b)に示す接合用回転ツールGは、主に後記する接合工程で使用する。接合用回転ツールGは、工具鋼などベース部材2よりも硬質の金属材料からなり、円柱状を呈するショルダ部G1と、このショルダ部G1の下端面G11に突設された攪拌ピン(プローブ)G2とを備えて構成されている。
攪拌ピンG2は、ショルダ部G1の下端面G11の中央から垂下しており、本実施形態では、先細りの円錐台状に成形されている。また、攪拌ピンF2の周面には、螺旋状に刻設された攪拌翼が形成されている。攪拌ピンG2の長さは、蓋溝11の側壁11bの高さ(蓋溝11の深さ)の60%〜100%の長さで形成されている。ショルダ部G1の下端面G11は、塑性流動化した金属を押えて周囲への飛散を防止する役割を担う部位である。
次に、伝熱板の製造方法について説明する。本実施形態に係る伝熱板の製造方法では、(1)蓋溝形成工程、(2)凹溝形成工程、(3)蓋板配置工程、(4)接合工程、(5)矯正工程を実行する。
(1)蓋溝形成工程・(2)凹溝形成工程
蓋溝形成工程は、図1の(a)及び(b)に示すように、ベース部材2の表面2aに蓋溝11を形成する工程である。また、凹溝形成工程は、蓋溝11の底面11aに凹溝12を形成する工程である。蓋溝形成工程及び凹溝形成工程では、例えば、エンドミル等を用いて形成する。また、ベース部材2の側面2c,2cに貫通孔4,4を形成する。
(3)蓋板配置工程
蓋板配置工程では、図2に示すように、ベース部材2の表面2a側に開口する蓋溝11に蓋板3を配置する。蓋板3を配置すると、蓋溝11の側壁11b,11bと、蓋板3の側面3c,3dとで突合せ部J1が形成される。
(4)接合工程
接合工程では、突合せ部J1に対して摩擦攪拌接合を行う。接合工程では、図4の(a)に示すように、接合用回転ツールGをベース部材2の表面2aに設定した開始位置SM1に挿入した後、突合せ部J1に沿って接合用回転ツールGを相対移動させる。接合用回転ツールGの移動軌跡には塑性化領域W1が形成される。
図4の(b)に示すように、接合工程では、接合用回転ツールGの進行方向右側に蓋板3を位置させるとともに、接合用回転ツールGの回転方向を右回転に設定する。これにより、接合用回転ツールGに対してベース部材2側がシアー側となり、蓋板3側がフロー側となる。また、接合工程では、回転中心軸Cを突合せ部J1よりもベース部材2側、つまり、蓋板3から離間する側に偏移させた状態で摩擦攪拌を行う。回転中心軸Cから突合せ部J1までの距離は、突合せ部J1の少なくとも一部が摩擦攪拌される範囲で適宜設定すればよい。
接合用回転ツールGの挿入深さは、適宜設定すればよいが、ショルダ部G1の下端面G11がベース部材2及び蓋板3に接触するように設定することが好ましい。本実施形態では、ショルダ部G1の下端面G11と蓋板3の表面3aとを同じ高さ位置となるように設定しているが、下端面G11を蓋板3に数ミリ程度押し込むように設定してもよい。また、本実施形態のように、突合せ部J1の深さ方向の全体が摩擦攪拌されるように設定することが好ましい。
図5に示すように、接合用回転ツールGの回転中心軸Cを突合せ部J1よりもベース部材2側に偏移させた状態を維持しつつ、接合用回転ツールGを蓋板3の周りに一周させる。接合用回転ツールGを蓋板3の周りで一周させたら、既存の塑性化領域W1上に再度ルートを設定して移動させた後、接合用回転ツールGを外側(蓋板3から離間する側)に偏移させ、ベース部材2の表面2a上に設定した終了位置EM1で接合用回転ツールGを離脱させる。
なお、接合工程の開始位置SM1及び終了位置EM1は、本実施形態では前記したように設定したが、他の位置であっても構わない。また、蓋板3が比較的大きい部材である場合は、接合用回転ツールGよりも小さい小型回転ツールFを用いて蓋板3をベース部材2に仮接合する仮接合工程を行った後に、接合工程を行ってもよい。これにより、接合工程の際に蓋板3が移動しないため、蓋板3の位置決め精度を高めることができる。
また、図6に示すように、接合工程では、接合用回転ツールGの進行方向左側に蓋板3を位置させるとともに、接合用回転ツールGの回転方向を左回転に設定してもよい。このようにしても、接合用回転ツールGに対してベース部材2側がシアー側となり、蓋板3側がフロー側となる。
(5)矯正工程
矯正工程は、接合工程で発生したベース部材2及び蓋板3の反りを矯正し、伝熱板1を平坦に形成する工程である。前記した接合工程では、図7の(a)及び(b)に示すように、摩擦攪拌によってベース部材2の表面2a側に塑性化領域W1が形成されるが、当該塑性化領域W1が熱収縮によって縮むため、ベース部材2の表面2a側が凹状(裏面2b側が凸状)となるように反ってしまう。図7の(a)及び(b)のうち、地点jは、ベース部材2の中心地点を示し、地点a,c,f,hは、ベース部材2の四隅を示す。また、地点b,d,e,gは、ベース部材2の各辺の中間地点を示す。さらに、ベース部材2の表面2aに示す地点a〜地点jに対応する裏面2bの各点を地点a’〜j’(図8参照)とする。
図7の(b)に示すように、接合工程後は、ベース部材2の裏面2bのうち地点a’〜h’は架台Kの設置面から浮いた状態となる。したがって、矯正工程を行って反りを矯正し伝熱板1(ベース部材2及び蓋板3)を平坦にする。
本実施形態に係る矯正工程では、ベース部材2の裏面2bに摩擦攪拌を行って反りを矯正する。矯正工程では、本実施形態では小型回転ツールFを用いる。矯正工程では、まず、ベース部材2を裏返して裏面2bが上方を向くようにして架台Kに固定する。ベース部材2は表面2aが凹状に反っているため、架台Kの設置面はベース部材2の四隅と接触した状態となる。そして、矯正工程では、ベース部材2の裏面2bに小型回転ツールFを用いて摩擦攪拌を行い、ベース部材2の表面2a側に引張応力が発生するような曲げモーメントを作用させて反りを矯正する。
図8に示すように、矯正工程では、小型回転ツールFの移動軌跡をベース部材2の表面2a側と同等となるように設定する。これにより、矯正工程によって形成される塑性化領域W2の体積量は、接合工程によって形成された塑性化領域W1の体積量よりも少なくなる。つまり、ベース部材2の裏面2bに対する入熱量は、ベース部材2及び蓋板3の表面2a,3aに対する入熱量よりも少なくなる。矯正工程を行うことで、ベース部材2の裏面2b側にも熱収縮が発生するため、ベース部材2及び蓋板3の反りを矯正することができる。これにより、伝熱板1が平坦となる。
なお、矯正工程が終了したら、伝熱板1の表裏に発生したバリを切除するバリ切除工程を行ってもよい。
以上説明した本実施形態に係る伝熱板の製造方法によれば、突合せ部J1よりもベース部材2側に偏移させた状態で摩擦攪拌を行うことで、蓋板3への入熱量を小さくすることができるため、蓋板3の変形を抑制するこができる。摩擦攪拌におけるシアー側は、フロー側に比べて摩擦熱が大きくなる傾向にある。また、シアー側は、フロー側よりも接合欠陥が発生する傾向にある。本実施形態では、接合用回転ツールGの進行方向及び回転方向を、ベース部材2側がシアー側、蓋板3側がフロー側となるように設定することにより、蓋板の変形をより抑制することができる。
また、仮に接合欠陥が発生したとしても蓋板3から離れた位置に形成されるため、伝熱板1の水密性及び気密性を高めることができる。
また、接合工程では、接合用回転ツールGのショルダ部G1の下端面G11とベース部材2及び蓋板3とを接触させた状態で摩擦攪拌を行うため、塑性流動化した金属をショルダ部G1の下端面G11で押さえることができる。これにより、接合部の金属不足を防ぐことができる。
また、接合工程では、接合用回転ツールGの軌跡の始端と終端とをオーバーラップさせ、摩擦攪拌によって形成される塑性化領域W1の一部を重複させることで、凹溝12の周囲を確実に密閉することができる。
また、接合工程では、蓋板3の全周囲に亘って塑性化領域W1を形成した後、接合用回転ツールGを突合せ部J1からベース部材2側(蓋板3から離間する側)に偏移させ、蓋板3から離れた位置で接合用回転ツールGの攪拌ピンG2を離脱させている。これにより、伝熱板1の水密性及び気密性の低下を防ぐことができる。
また、矯正工程を行うことで、伝熱板1の反りが矯正され、伝熱板の平坦性を高めることができる。ここで、接合工程では、架台Kの設置面とベース部材2の裏面2bとが面接触した状態で摩擦攪拌を行うため、ベース部材2の裏面2b全体から抜熱される。一方、矯正工程では、ベース部材2の表面2aが凹状に反っているため、架台Kの設置面とベース部材2とが4点(四隅)のみと接触する。これにより、矯正工程では、摩擦熱が外部に抜熱されにくくなる。そこで、本実施形態では、矯正工程におけるベース部材2への入熱量を、接合工程におけるベース部材2及び蓋板3への入熱量よりも少なく設定することにより、熱収縮(反り)のバランスを図ることができ、伝熱板1の平坦性を高めることができる。
なお、本実施形態では、小型回転ツールFを用いることで接合工程よりも矯正工程の入熱量(塑性化領域の体積量)が小さくなるように設定したがこれに限定されるものではない。例えば、接合工程よりも矯正工程の摩擦攪拌の長さを短く設定したり、接合工程よりも矯正工程の回転ツールの移動速度を速く設定したりしてもよい。また、矯正工程の摩擦攪拌のルートは、伝熱板1の反りが矯正されるように適宜設定すればよい。
以上、本発明の伝熱板の製造方法について説明したが、本発明の趣旨に反しない範囲において適宜設計変更が可能である。例えば、本実施形態では、蓋板3の厚さを、蓋溝11の深さよりも小さく設定したが、蓋溝11の深さよりも大きくしてもよいし、蓋溝11の深さと同一にしてもよい。
また、本実施形態に係る矯正工程では、ベース部材2の裏面2bに摩擦攪拌を行ったが、ベース部材2の表面2aに引張応力が発生するような曲げモーメントを作用させて反りを矯正させてもよい。例えば、ベース部材2の裏面2bからプレス装置で押圧してもよいし、ハンマー等の衝打具で衝打して反りを矯正してもよい。
また、蓋板3、蓋溝11及び凹溝12の形状は前記した形状に制限されるものではなく、伝熱板1の用途に応じて適宜設定すればよい。
1 伝熱板
2 ベース部材
3 蓋板
4 貫通孔
11 蓋溝
12 凹溝
F 小型回転ツール
F1 ショルダ部
F2 攪拌ピン
G 接合用回転ツール
G1 ショルダ部
G2 攪拌ピン
SM1 開始位置
EM1 終了位置
W1,W2 塑性化領域

Claims (9)

  1. ベース部材の表面側に開口する蓋溝に蓋板を配置して、前記蓋溝の底面に形成された凹溝を覆う蓋板配置工程と、
    前記蓋溝の側壁と前記蓋板の側面との突合せ部に沿って接合用回転ツールを相対移動させて摩擦攪拌を行う接合工程と、を含む伝熱板の製造方法において、
    前記接合工程では、
    前記蓋板が前記接合用回転ツールの進行方向に対して右側に位置する場合には、前記接合用回転ツールの回転方向を右回りに設定し、
    前記蓋板が前記接合用回転ツールの進行方向に対して左側に位置する場合には、前記接合用回転ツールの回転方向を左回りに設定し、
    前記接合用回転ツールの回転中心軸を前記突合せ部よりも前記ベース部材側に偏移させた状態で摩擦攪拌を行うことを特徴とする伝熱板の製造方法。
  2. 前記蓋板の厚さを前記蓋溝の深さよりも小さく設定することを特徴とする請求項1に記載の伝熱板の製造方法。
  3. 前記接合用回転ツールのショルダ部の下端面と前記ベース部材及び前記蓋板とを接触させた状態で摩擦攪拌を行うことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の伝熱板の製造方法。
  4. 前記接合工程では、前記接合用回転ツールの軌跡の始端と終端とをオーバーラップさせ、摩擦攪拌によって形成される塑性化領域の一部を重複させることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の伝熱板の製造方法。
  5. 前記接合工程では、前記蓋板の全周囲に亘って塑性化領域を形成した後、前記接合用回転ツールを前記蓋板から離間する方向に移動させ、前記蓋板から離れた位置で前記接合用回転ツールの攪拌ピンを離脱させることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の伝熱板の製造方法。
  6. 前記接合工程では、前記接合用回転ツールの攪拌ピンの長さを、前記蓋溝の深さの60%〜100%の範囲に設定することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の伝熱板の製造方法。
  7. 前記接合工程では、前記接合用回転ツールよりも小型の回転ツールを用いて前記突合せ部に対して仮接合を行うことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の伝熱板の製造方法。
  8. 回転ツールを用いて前記ベース部材の裏面に摩擦攪拌を行う矯正工程をさらに含むことを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の伝熱板の製造方法。
  9. 前記矯正工程では、前記矯正工程によって形成される塑性化領域の体積量を、前記接合工程によって形成された塑性化領域の体積量よりも少なく設定することを特徴とする請求項8に記載の伝熱板の製造方法。
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