JP2016052864A - タイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】操縦安定性能および転がり抵抗性能のみならずロードノイズを低減して静粛性能も向上させることが可能なタイヤを提供する。
【解決手段】トレッドゴムを有するタイヤであって、トレッドゴムは、接地面を有するキャップゴムと、キャップゴムの径方向内側に設けられるベースゴムとを備え、ベースゴムは、ショルダー部の厚さがセンター部の厚さよりも厚く、ショルダー部の厚さ/センター部の厚さの比率が4以下であり、ベースゴムのゴム特性を示す損失正接tanδ及び貯蔵弾性率E’がキャップゴムの損失正接tanδ及び貯蔵弾性率E’よりも小さく、ベースゴムの貯蔵弾性率E’/キャップゴムの貯蔵弾性率E’で得られる比率が0.17以上、かつベースゴムの損失正接tanδが0.1以下であり、ベースゴムの損失正接tanδ/キャップゴムの損失正接tanδで得られる比率が0.67以下であるように構成した。
【選択図】図2

Description

本発明は、タイヤに関し、特に操縦安定性能及び転がり抵抗性能とともに静粛性能を向上可能なタイヤに関する。
近年、タイヤには路面に対する転がり抵抗の低減が求められている。転がり抵抗を低減するためのタイヤの構成として、トレッドゴムを路面と接地するキャップゴム、及び当該キャップゴムの下に積層されるベースゴムから形成し、ベースゴムに柔らかいゴム、キャップゴムにベースゴムよりも剛性の高いゴムを使用することで、操縦安定性を高めつつ転がり抵抗を低減するように構成されたタイヤが開示されている(特許文献1)。
特開2012−17048号公報
しかしながら、上記のようにキャップゴムに剛性の高いゴムを使用した場合、操縦安定性を向上させることはできるものの、走行時のロードノイズが大きくなるという問題がある。そこで、本発明では、操縦安定性能および転がり抵抗性能のみならず、ロードノイズを低減させて静粛性能も向上可能なタイヤを提供する。
上記課題を解決するためのタイヤの構成として、トレッドゴムを有するタイヤであって、トレッドゴムは、接地面を有するキャップゴムと、キャップゴムの径方向内側に設けられるベースゴムとを備え、ベースゴムは、ショルダー部の厚さがセンター部の厚さよりも厚く、ショルダー部の厚さ/センター部の厚さの比率が4以下であり、ベースゴムのゴム特性を示す損失正接tanδ及び貯蔵弾性率E’がキャップゴムの損失正接tanδ及び貯蔵弾性率E’よりも小さく、ベースゴムの貯蔵弾性率E’/キャップゴムの貯蔵弾性率E’で得られる比率が0.17以上、かつベースゴムの損失正接tanδが0.1以下であり、ベースゴムの損失正接tanδ/キャップゴムの損失正接tanδで得られる比率が0.67以下であるので、転がり抵抗性能及び操縦安定性能のみならず走行時の静粛性能を向上させることができる。
また、上記課題を解決するためのタイヤの他の構成として、前記ベースゴムの貯蔵弾性率E’/前記キャップゴムの貯蔵弾性率E’で得られる比率を0.72以下としたので、タイヤの剛性を維持しつつ、路面からの振動を吸収を吸収できるため、操縦安定性能を低下させずに静粛性能を向上させることができる。
また、上記課題を解決するためのタイヤの他の構成として、ベースゴムの損失正接tanδ/前記キャップゴムの損失正接tanδで得られる比率が0.15以上であるので、確実に転がり抵抗を減少させ、転がり抵抗性能を向上させることができる。
また、上記課題を解決するためのタイヤの他の構成として、ベースゴムの損失正接tanδ/キャップゴムの損失正接tanδで得られる比率が0.35以上0.44以下であるので、確実に転がり抵抗を減少させ、転がり抵抗性能を向上させることができる。
また、上記課題を解決するためのタイヤの他の構成として、ベースゴムの損失正接tanδ/キャップゴムの損失正接tanδで得られる比率が0.35以上0.42以下であるので、確実に転がり抵抗を減少させ、転がり抵抗性能を向上させることができる。
また、上記課題を解決するためのタイヤの他の構成として、ベースゴムの貯蔵弾性率E’/キャップゴムの貯蔵弾性率E’で得られる比率が0.35以上0.62以下であるので、転がり抵抗性能及び静粛性能を向上させることができる。
また、上記課題を解決するためのタイヤの他の構成として、赤道位置におけるベースゴムの厚さ/キャップゴムの厚さで得られる比率が0.04以上0.35以下であるので、より確実に転がり抵抗性能及び操縦安定性能を確保できる。
また、上記課題を解決するためのタイヤの他の構成として、トレッドゴムは、幅方向両側部において周方向に延長するショルダー主溝を有し、ショルダー主溝の溝底中心よりも幅方向外側において、ベースゴムは、キャップゴムのゴム厚よりも厚い厚肉領域を有し、
ショルダー主溝間において、ベースゴムは、ショルダー主溝の溝底の位置よりも径方向内側に位置するので、転がり抵抗性能や静粛性能を向上させることができる。
また、上記課題を解決するためのタイヤの他の構成として、トレッドゴムは、ショルダー主溝よりも幅方向外側に形成されたショルダー陸部を有し、当該ショルダー陸部内にショルダー主溝に開口するラグ溝が無いので、ショルダー陸部の剛性が向上するため、ショルダー部におけるベースゴムの厚さを厚くして、路面から入力する振動をベースゴムに吸収させることにより、ロードノイズを低減させて静粛性能を向上させることができる。
また、上記課題を解決するためのタイヤの他の構成として、トレッドゴムの半径方向内側に設けられ、タイヤ円周方向に沿って延長するベルトと、ベルトに積層され、前記ベルトの全域を被うように設けられ、タイヤ円周方向に沿って延長するキャップベルトと、キャップベルトに積層され、一部の範囲がキャップベルトの端部と重複する端部ベルトとを備え、キャップベルトに使用されるコード部材の剛性が端部ベルトに使用されるコード部材の剛性よりも高いので、端部ベルトによるタガ効果を得ることにより、剛性を得ながらロードノイズを低減させることができるので、操縦安定性能及び静粛性能の両方を向上させることができる。
タイヤの断面図である。 トレッドパターンを示す図である。 タイヤの要部断面図である。 実施例の結果を纏めた表である。
以下、発明の実施形態を通じて本発明を詳説するが、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明される特徴の組合せのすべてが発明の解決手段に必須であるとは限らず、選択的に採用される構成を含むものである。
図1は、本発明の一実施形態を示すタイヤTの断面図である。同図に示すように、タイヤTは、コード部材を主体として構成されるビードコア11、カーカス12、複数のベルト13乃至16を有するベルト層17と、コード部材を主体として構成された部材により形成される骨格に肉付けする複数種類のゴム部材を主体として構成されるビードフィラー18、インナーライナー19、サイドゴム20、トレッドゴム21を備える。
ビードコア11は、ビードコードと呼ばれるスチールコードを束ねてリング状に形成された部材であって、タイヤTにおける両サイド部の内径部にそれぞれ設けられている。カーカス12は、一対のビードコア11に巻きつけられ、コード部材が半径方向(ラジアル方向)に配向されてトロイダル状に形成される。ベルト13乃至16は、カーカス12上に積層して設けられ、1のベルト層17を構成する。
ベルト13は、ベルト層17のうち最も半径方向内側に位置し、カーカス12に接するように設けられる。ベルト14は、ベルト13よりの幅よりも幅が狭く形成され、ベルト13上に積層される。ベルト14上には、ベルト13の幅よりも幅広に形成されたベルト15が積層される。ベルト15は、幅方向の端部が、ベルト14の外側端部よりも幅方向外側にはみ出してカーカス12に接し、すべてのベルト13及びベルト14を覆うように積層される所謂キャップベルトである。ベルト15の幅方向両端部にはベルト16が積層される。ベルト16は、一端側がベルト14と重複し、他端側がベルト15の端部よりも幅方向外側にはみ出てカーカス12に接するように積層される所謂端部ベルトである。ベルト13及びベルト14は、各ベルト13,14を構成するコード部材が、タイヤ円周方向に対して交差するように延長する。ベルト13のコード部材及びベルト14のコード部材は、互いに交錯するように設けられる。また、ベルト15及びベルト16は、各ベルト15,16を構成するコード部材が、タイヤ円周方向に沿って延長する。
上述の各ベルト13乃至16を構成するコード部材は、スチールやナイロンやアラミド、ポリエチレンテレフタレート等の非金属の素材が用いられる。例えば、下層側のベルト13及びベルト14にはスチールコード、上層側のベルト15及びベルト16にはナイロン、アラミド、ポリエチレンナフタレート等の非金属素材の有機繊維コードが適用される。特にベルト15のコード部材には、ベルト16のコード部材よりも引っ張り強度の大きい高剛性のものが採用され、タイヤTのショルダー部Sにおける剛性が高められている。
ビードフィラー18は、タイヤTにおけるビード部を補強するようにビードコア11の半径方向外側に隣接して設けられ、カーカス12の端部側によってビードコア11とともに巻き上げられている。インナーライナー19は、カーカス12の内周面全域を被覆するように設けられる。サイドゴム20は、ビード部の内周側からベルト層17の端部に到達するように、カーカス12の外側側面全域を覆いタイヤTにおける側面部を形成する。サイドゴム20の径方向外側は、トレッドゴム21と重複する。サイドゴム20において、トレッドゴム21が重複する位置は、赤道部Eにおけるタイヤ内周面の位置よりもタイヤ回転中心O側に位置する。トレッドゴム21は、上述のベルト層17の全域を覆い、サイドゴム20,20間に架け渡されるように設けられる。これにより、タイヤ外周及び内周を含むタイヤ表面がインナーライナー19、サイドゴム20、トレッドゴム21により保護される。
図2は、トレッドゴム21に形成されたトレッドパターンの一例を示す図である。以下、図1及び図2を用いてトレッドゴム21について説明する。図1及び図2に示すように、トレッドゴム21には、周方向に延長する複数の周方向溝25,26,27が形成される。このうち周方向溝25をセンター主溝、周方向溝26,27をショルダー主溝といい、トレッドゴム21に形成される溝のうち最も深い溝深さを有する溝である。周方向溝25乃至27は、同じ溝深さd(図3参照)で形成され、溝底にはタイヤTの使用限界を示す図外のウェアインジケータが形成される。
周方向溝25及び周方向溝26により区画された陸部28、及び周方向溝25及び周方向溝27により区画された陸部29がセンター陸部であり、周方向溝26及び周方向溝27よりもタイヤ幅方向外側に区画された陸部30,31がショルダー陸部である。陸部28及び陸部29には、ラグ溝33,34がそれぞれ形成されている。ラグ溝33は、周方向溝25,26に開口して接続され、ラグ溝34は、周方向溝25,27に開口して接続されている。また、陸部30,31にはそれぞれ、周方向溝26,27に開口しないラグ溝36や、周方向溝26,27に開口する細溝35が形成されている。ラグ溝33,34,36は、周方向溝25乃至周方向溝27と交差するタイヤ幅方向に延長し、周方向溝25乃至周方向溝27と同等の溝深さ及び溝幅を有する。陸部30,31にラグ溝を形成する場合には、上述のラグ溝36のように、周方向溝25乃至周方向溝27に端部が開口しないように形成することが肝要である。例えば、周方向溝26,27に開口する溝を陸部30,31に設ける場合には、ラグ溝36よりも溝幅が細く、かつ溝深さが浅いサイプのような細溝35であれば開口させても良い。細溝35は、例えば1.5mm程度の溝幅で形成するとよい。このような細溝35の周方向溝26,27への開口は、ラグ溝36が周方向溝26,27に開口したときの影響に比べれば十分小さく、陸部30,31の剛性に与える影響が少ない。なお、以下の説明において、周方向溝26と周方向溝27との間の領域をトレッドゴム21のセンター部Cといい、周方向溝26,27よりも幅方向外側の領域をトレッドゴム21のショルダー部Sとして説明する。
図3は、トレッドゴム21の構成を示す概念図である。トレッドゴム21は、路面と接地する接地面を有するキャップゴム23と、キャップゴム23の径方向内側に設けられるベースゴム22とで構成される。トレッドゴム21は、ベースゴム22がタイヤ表面に露出しないように、ベースゴム22を覆うように重複して設けられる。また、ベースゴム22及びキャップゴム23には、互いに組成の異なるゴム素材が用いられる。
ベースゴム22は、センター部Cの厚さA1よりもショルダー部Sの厚さA2の方が厚くなるように形成される。例えば、センター部Cは、周方向溝26,27の溝底26A,27Aの中心間において均等な厚さA1で形成される。また、ショルダー部Sは、溝底26A,27Aの中心よりも幅方向外側に向かって厚さA2まで厚さが厚くなり、トレッド幅TWの測定位置まで厚さA2を維持し、当該測定位置から幅方向外側に向かって漸次薄くなるように形成される。
ベースゴム22のショルダー部Sにおける厚さは、後述のキャップゴム23のショルダー部Sにおける厚さよりも厚い厚肉領域Rとして設定される。厚肉領域Rは、例えば、周方向溝26の幅方向中心26Bを始点として設定される。また、ベースゴム22のセンター部Cの厚さA1に対するショルダー部Sの厚さA2の比率(ショルダー部Sの厚さA2/センター部Cの厚さA1)は、例えば、4以下となるように形成される。なお、ここでベースゴム22のセンター部Cの厚さA1は、タイヤTの幅方向中心である赤道部Eにおいてタイヤ半径方向に沿って測定したものである。また、ベースゴム22のショルダー部Sの厚さA2とは、タイヤTの赤道部Eからタイヤ幅方向に、トレッド幅TWの半分の寸法の80%の位置(80%×(TW/2))において測定した値である。
キャップゴム23は、センター部Cの赤道部Eの厚さB1がベースゴム22のセンター部の厚さA1に比べて厚く、ショルダー部の厚さB2がベースゴム22のショルダー部の厚さA2よりも薄く形成される。なお、キャップゴム23のセンター部Cの厚さB1及びショルダー部Sの厚さB2もベースゴム22と同様の位置で測定している。キャップゴム23のセンター部Cにおける厚さB1は、少なくとも周方向溝25乃至27の溝深さdの寸法よりも厚く形成される。なお、本実施形態では赤道部Eに周方向溝25が設けられているため、このような場合にはキャップゴム23のセンター部Cの厚さB1は、周方向溝25がないものとし、陸部28,29の接地面を結ぶ仮想面Uからキャップゴム23とベースゴム22との境界面までの距離をいう。キャップゴム23の厚さB1,B2を上記のように設定しておくことで、タイヤTを使用限界まで使用してもセンター部Cにおいてベースゴム22が露出しないため、操縦安定性能を確保することができる。
上記ベースゴム22に用いられるゴム素材及びキャップゴム23に用いられるゴム素材には、ゴム特性に次のような関係がある。ベースゴム22の損失正接tanδ及び貯蔵弾性率E’は、キャップゴム23の損失正接tanδ及び貯蔵弾性率E’より小さい物性を有するゴム素材が適用される。また、ベースゴム22の損失正接tanδとキャップゴム23の損失正接tanδとの比率(ベースゴム22の損失正接tanδ/キャップゴム23の損失正接tanδ)が0.67以下であり、キャップゴム23の貯蔵弾性率E’とベースゴム22の貯蔵弾性率E’との比率(ベースゴム22の貯蔵弾性率E’/キャップゴム23の貯蔵弾性率E’)が0.17以上となるように設定される。このときのベースゴム22は損失正接tanδが0.1以下のゴム素材が使用される。
また、好ましくは、ベースゴム22の貯蔵弾性率E’とキャップゴム23の貯蔵弾性率E’との比率を0.72以下とすることにより、操縦安定性能を低下させずに転がり抵抗性能及び静粛性能を向上させることができる。
また、好ましくは、ベースゴム22の貯蔵弾性率E’とキャップゴム23の貯蔵弾性率E’との比率を0.35以上0.62以下とすることにより、操縦安定性能及び偏摩耗性能を低下させずに転がり抵抗性能及び静粛性能を向上させることができる。
また、好ましくは、ベースゴム22の損失正接tanδとキャップゴム23の損失正接tanδとの比率を0.15以上とすることにより、操縦安定性能を低下させずに転がり抵抗性能及び静粛性能を向上させることができる。
また、好ましくは、ベースゴム22の損失正接tanδとキャップゴム23の損失正接tanδとの比率を0.35以上0.44以下とすることにより、操縦安定性能及び偏摩耗性能を低下させずに転がり抵抗性能及び静粛性能を向上させることができる。
また、好ましくは、ベースゴム22の損失正接tanδとキャップゴム23の損失正接tanδとの比率を0.35以上0.42以下とすることにより、操縦安定性能及び偏摩耗性能を低下させずに転がり抵抗性能及び静粛性能を確実に向上させることができる。
また、好ましくは、赤道部Eにおけるベースゴム22の厚さA1/キャップゴム23の厚さB1の比率を0.04以上0.35以下とすることにより、転がり抵抗性能及び静粛性能を低下させることができる。
なお、上記貯蔵弾性率E’及び損失正接tanδの測定は、株式会社上島製作所製の粘弾性スペクトロメータを用い、雰囲気温度60±1℃、周波数50Hz、初期ひずみ率5.0%、動ひずみ率2.0%の条件で得られた値である。損失正接tanδは、材料が変形する際に材料がどのくらいエネルギーを吸収するか(熱に変わる)を示し、損失正接tanδの値が大きいほどエネルギーを吸収することを意味する。したがって、損失正接tanδがゼロに近くなるほど柔らかくなり、損失正接tanδが大きいほど硬くなる。
このようなタイヤTは、例えば次のように成形される。まず、円筒状の成形ドラムにインナーライナー19となる未加硫のシート状のインナーライナー部材が円周方向に沿って一周分巻き付けられる。次に、インナーライナー部材の外周にカーカス12となる未加硫のシート状のカーカス部材がコード部材を成形ドラムの軸線方向に向けて巻き回される。次に、ビードコア11とビードフィラー18となる部材を成形ドラムの両端側からカーカス部材の外周上にそれぞれ嵌装し、ビードコア11とビードフィラー18とをカーカス部材の端部で巻き上げてビード領域が形成される。次に、成形ドラムに内蔵される膨出手段のブラダーを膨出させることにより、上記積層された部材群が幅方向中央部分が膨出したトロイダル状に成形される。次に、膨出されたカーカス部材の外周上にベルト13乃至16となる複数のベルト部材を所定の位置に順次巻き回し、積層することでベルト層17が形成される。次に、タイヤTにおける側面部を形成するサイドゴム20となるサイドゴム部材をタイヤ内径側の端部からカーカス部材の外側表面上に貼り付ける。次に、ベルト層17の幅よりも幅広なトレッドゴム21となるトレッドゴム部材を上記ベルト層17を跨ぎ、左右のサイドゴム20,20の端部と重複するように巻き付けることでグリーンタイヤが成形される。このトレッドゴム部材は、上述したゴム特性及び厚さ関係を維持しつつ、ベルト層17側にベースゴム22となるベースゴム部材、ベースゴム部材を覆うようにキャップゴム23となるキャップゴム部材が一体に積層して成形された状態でベルト層及びサイドゴム部材上に巻き回される。そして、上記グリーンタイヤをモールドに投入し、加硫成型することで、製品としてのタイヤTが製造される。
[実施例]
図4(a),(b)は、本発明に係るタイヤTの効果を検証するため、センター部Cにおけるベースゴム22の厚さA1とキャップゴム23の厚さB1との比率、ベースゴム22におけるショルダー部Sの厚さA2とセンター部Cの厚さA1との比率、ベースゴム22の貯蔵弾性率E’とキャップゴム23の貯蔵弾性率E’との比率、ベースゴム22の損失正接tanδとキャップゴム23の損失正接tanδとの比率、ベースゴム22の損失正接tanδの各パラメータを変えて、転がり抵抗性能、静粛性能、操縦安定性能および偏摩耗性能を評価した試験結果をまとめた表である。なお性能の評価は、比較例1を基準とし、各項目の基準値を100、総合評価の基準値を400とした。また、各項目とも100より大きい値程性能に優れ、100より小さい値程性能が低下したことを示す。
まず、センター部Cにおけるベースゴム22とキャップゴム23との厚さの比率を変えたときの影響について、比較例1及び比較例2を用いて説明する。比較例2は、比較例1におけるベースゴム22のセンター部Cの厚さA1よりも、センター部Cの厚さA1を厚くしたものである。なお、トレッドゴム21全体としての厚さは、一定である。従って、キャップゴム23のセンター部Cの厚さB1は、比較例2では比較例1よりも薄くなっている。なお、比較例1及び比較例2では、ベースゴム22は、センター部Cからショルダー部Sにかけて同じ厚さに設定されている。比較例2に示すようにキャップゴム23に対するベースゴム22の相対的な厚さを厚く設定した場合、比較例1と比べて転がり抵抗性能及び静粛性能は向上するものの操縦安定性能については悪化している。
この要因として比較例2では、センター部Cにおいてキャップゴム23よりも柔らかいベースゴム22の厚さが厚くなったことによりセンター部Cにおける剛性が低下したため比較例1よりも操縦安定性能が悪化したものと言える。一方、センター部Cの剛性の低下により、走行時の路面からタイヤTに入力される振動をベースゴム22が吸収するため、転がり抵抗性能と静粛性能が向上したものと考えられる。
次に、ベースゴム22のショルダー部Sとセンター部Cとに厚さ差が設定されているときの、センター部Cにおけるベースゴム22とキャップゴム23との厚さの比率を変えたときの影響について、発明例1、発明例15及び発明例16を用いて説明する。なお、ベースゴム22のショルダー部Sとセンター部Cとの厚さ差は、ショルダー部Sの厚さA2とセンター部Cの厚さA1により比で示してある。発明例16がショルダー部Sとセンター部との厚さの比が最も大きく、次いで発明例1、発明例15の順に小さく設定されている。この場合、発明例15は、転がり抵抗性能、静粛性能、操縦安定性能、偏摩耗性能のいずれも向上が見られている。また、発明例1は、転がり抵抗性能、静粛性能が向上し、操縦安定性能、偏摩耗性能には低下が見られていない。また発明例16は、転がり抵抗性能、静粛性能が発明例1と同様に向上するものの、操縦安定性能、偏摩耗性能が低下している。このことから、センター部Cにおけるベースゴム22とキャップゴム23との厚さの比率が小さくなるように、例えば0.11以下となるように設定することで、操縦安定性能及び偏摩耗性能を低下させずに、転がり抵抗性能及び静粛性能を向上できることがわかる。
次に、発明例1及び比較例1を用いてベースゴム22のショルダー部Sとセンター部Cとの厚さの比(ショルダー部の厚さA2/センター部の厚さA1)の違いによる影響について説明する。発明例1は、比較例1と比べてショルダー部Sの厚さA2とセンター部Cの厚さA1の比を大きくしたものである。この場合、転がり抵抗性能および静粛性能が向上し、操縦安定性能や偏摩耗性能の低下は見られていない。発明例1では、センター部Cにおいて比較例1に比べてキャップゴム23よりも柔らかいベースゴム22の厚さが薄く、ショルダー部Sにおいてキャップゴム23よりも柔らかいベースゴム22の厚さが厚くなったことにより、センター部Cの剛性が向上したため、操縦安定性能および偏摩耗性能はそのままに、転がり抵抗性能が向上したものと言える。また、ショルダー部Sの剛性が相対的にセンター部Cの剛性よりも低くなったことにより、ベースゴム22のショルダー部Sが振動を吸収し、静粛性能が向上したものと考えられる。従って、ベースゴム22におけるショルダー部Sとセンター部Cの厚さの比(ショルダー部Sの厚さA2/センター部Cの厚さA1)を大きくすることで、転がり抵抗性能と静粛性能とを向上できることが分かる。
次に、比較例5,発明例1及び発明例14を用いて、ベースゴム22に使用するゴムの損失正接tanδの違いによる影響について説明する。比較例5,発明例1及び発明例14は、ベースゴム22の損失正接tanδが比較例5、発明例14、発明例1の順に小さく設定されている。比較例5では、転がり抵抗性能及び静粛性能が低下し、偏摩耗性能は維持されたまま操縦安定性能が向上している。また、発明例14では、やや転がり抵抗性能が低下しているものの静粛性能は維持されたまま操縦安定性能及び偏摩耗性能が向上している。また、発明例1では、転がり抵抗性能および静粛性能が向上し、操縦安定性能および偏摩耗性能の低下は見られていない。この場合、比較例5、発明例1及び発明例14のいずれもベースゴム22とキャップゴム23との損失正接tanδの比が同じであることから、比較例5のトレッドゴム21は、発明例1、発明例14よりも相対的に硬くなっている。このため、比較例5では操縦安定性能が大きく向上しているものの、その硬さゆえに転がり抵抗性能および静粛性能が低下したものと考えられる。総合評価値では、発明例1が最も大きく次いで発明例14、比較例5となっている。この結果からベースゴム22には損失正接tanδが0.1以下の特性を有するゴムを採用すると転がり抵抗性能及び静粛性能が向上することがわかる。
次に、発明例1、発明例4及び発明例5、発明例8乃至発明例13を用いてベースゴム22とキャップゴム23の損失正接tanδの比率(ベースゴム22のtanδ/キャップゴム23のtanδ)の影響について説明する。まず、ベースゴム22とキャップゴム23の貯蔵弾性率E’の比が同じ発明例1,発明例10乃至発明例13を用いてベースゴム22とキャップゴム23の損失正接tanδの比の影響について説明する。この場合、発明例1、発明例10乃至発明例13のいずれもが、転がり抵抗性能及び静粛性能が向上し、操縦安定性能及び偏摩耗性能に低下が見られていない。また、発明例1、発明例10乃至発明例13と貯蔵弾性率E’の比が小さい発明例4及び発明例8を用いて損失正接tanδの比が異なる影響について説明する。この場合、発明例4及び発明例8のいずれも操縦安定性能は低下せずに、転がり抵抗性能及び静粛性能が向上している。しかし、発明例4では偏摩耗性能が低下していないにも関わらず、発明例4よりも損失正接tanδの比が小さい発明例8では偏摩耗性能が低下している。これはキャップゴム23の損失正接tanδが、ベースゴム22に比べて硬すぎたため、偏摩耗が生じたものと考えられる。また、発明例1、発明例10乃至発明例13と貯蔵弾性率E’の比が小さい発明例5及び発明例9を用いて損失正接tanδの比が異なる影響について説明する。この場合、発明例5及び発明例9のいずれも操縦安定性能は低下せずに、転がり抵抗性能及び静粛性能が向上している。しかし、発明例5では偏摩耗性能が低下していないにも関わらず、発明例5よりも損失正接tanδの比が小さい発明例9では偏摩耗性能が低下している。これは、上述の発明例8と同様に、キャップゴム23の損失正接tanδが、ベースゴム22に比べて硬すぎたため、偏摩耗が生じたものと考えられる。したがって、貯蔵弾性率E’が同一の場合には、損失正接tanδの比を0.35以上0.44以下で設定することにより、操縦安定性能及び偏摩耗性能を低下させずに転がり抵抗性能及び静粛性能がより向上し、さらに、損失正接tanδの比を0.35以上0.42以下とすることにより、確実に転がり抵抗性能及び静粛性能を向上させることができる。
次に、発明例1乃至発明例7を用いて貯蔵弾性率E’の比率(ベースゴム22の貯蔵弾性率E’/キャップゴム23の貯蔵弾性率E’)を変化させたときの影響について説明する。発明例1乃至発明例7は、ベースゴム22とキャップゴム23の損失正接tanδが同一で、発明例2、発明例3、発明例4、発明例5、発明例1、発明例6、発明例7の順に貯蔵弾性率E’の比の値が大きくなっている。この場合、発明例1乃至発明例7のいずれも転がり抵抗性能および静粛性能が向上している。しかし、発明例2,発明例3及び発明例7では偏摩耗性能が低下している。発明例2、発明例3では、発明例1に比べてベースゴム22とキャップゴム23との貯蔵弾性率E’の差が大きくなり過ぎたため、偏摩耗性能が低下したものと考えられる。また、発明例7は、発明例1に比べてベースゴム22とキャップゴム23との貯蔵弾性率E’の差が小さくなり過ぎたため偏摩耗性能が低下したものと考えられる。一方、発明例1、発明例4乃至6では、操縦安定性能及び偏摩耗性能に低下は見られていない。
次に、発明例1乃至発明例7と損失正接tanδの値が異なる比較例3と発明例10とを用いて、貯蔵弾性率E’の比の影響について説明する。比較例3と発明例10とを比較すると、共に転がり抵抗性能および静粛性能が向上している。一方で、発明例10は操縦安定性能及び偏摩耗性能に低下が見られていないが、発明例10よりも貯蔵弾性率E’の比が小さい比較例3では、操縦安定性能及び偏摩耗性能が低下している。このことから、損失正接tanδが小さい場合には、貯蔵弾性率E’の比を大きくする必要があることがわかる。しかしながら、比較例4及び発明例6のように、貯蔵弾性率E’の比を大きく設定した場合、比較例4のようにベースゴム22の損失正接tanδを大きくするとともに、ベースゴム22とキャップゴム23との損失正接tanδも大きくすると、転がり抵抗性能や操縦安定性能が低下することになるが、発明例6のようにベースゴム22の損失正接tanδ及びベースゴム22とキャップゴム23との損失正接tanδを0.42程度にすることで、比較例4のように、転がり抵抗性能を低下させずに静粛性能も向上できることが分かった。
以上の実施例における結果をまとめると、トレッドゴム21をベースゴム22とキャップゴム23とで構成し、キャップゴム23の径方向内側に設けられるベースゴム22を、センター部Cの厚さA1よりもショルダー部Sの厚さA2の方を厚く形成し、ショルダー部Sの厚さA2/センター部Cの厚さA1で得られるショルダー部Sとセンター部Cとの厚さの比率を4以下とし、ベースゴム22のゴム特性を示す損失正接tanδ及び貯蔵弾性率E’をキャップゴム23の損失正接tanδ及び貯蔵弾性率E’よりも小さく、ベースゴム22の貯蔵弾性率E’/キャップゴム23の貯蔵弾性率E’で得られる比率を0.17以上、かつベースゴム22の損失正接tanδを0.1以下とするとともにベースゴム22の損失正接tanδ/キャップゴム23の損失正接tanδで得られる比率を0.67以下としたので、転がり抵抗性能及び操縦安定性能を向上できるとともに走行時の静粛性能を向上させることができる。また、ベースゴム22の貯蔵弾性率E’/キャップゴム23の貯蔵弾性率E’で得られる比率を0.72以下とすることで、路面からの振動を吸収してロードノイズを低減させ、静粛性能を向上させるとともに、操縦安定性能を向上させる剛性の両方の効果を得ることができる。また、ベースゴム22の損失正接tanδ/キャップゴム23の損失正接tanδで得られる比率を0.15以上としたので、確実に転がり抵抗を減少させ、転がり抵抗性能を向上させることができる。また、ベースゴム22の損失正接tanδ/キャップゴム23の損失正接tanδ出えられる比率を0.35以上0.44以下とすることで、確実に転がり抵抗を減少させ、転がり抵抗性能を向上させることができる。また、ベースゴム22の損失正接tanδ/キャップゴム23の損失正接tanδで得られる比率を0.35以上0.42以下とすることで、確実に転がり抵抗を減少させ、転がり抵抗性能を向上させることができる。また、ベースゴム22の貯蔵弾性率E’/キャップゴム23の貯蔵弾性率E’で得られる比率を0.35以上0.62以下とすることで、転がり抵抗性能及び静粛性能を向上させることができる。また、赤道部Eにおけるベースゴム22の厚さA1/キャップゴム23の厚さB1で得られる比率を0.04以上0.35以下とすることで、より確実に転がり抵抗性能及び操縦安定性能を確保できる。
なお、上記実施形態では、タイヤTは、モールドによりトレッドゴム21と、トレッドゴム21が一体になるタイヤにおける基台部(ケース)とを一体に加硫成型するものとして説明したが、トレッドゴム21とケースとを個別に加硫成型し、加硫後のトレッドゴムと、加硫後のケースとが接着して形成されたものであっても良い。
13乃至16 ベルト、17 ベルト層、21 トレッドゴム、22 ベースゴム、
23 キャップゴム、C センター部、S ショルダー部、T タイヤ。
上記課題を解決するためのタイヤの構成として、トレッドゴムを有するタイヤであって、トレッドゴムは、接地面を有するキャップゴムと、キャップゴムの径方向内側に設けられるベースゴムとを備え、ベースゴムは、ショルダー部の厚さがセンター部の厚さよりも厚く、ショルダー部の厚さ/センター部の厚さの比率が4以下であり、ベースゴムのゴム特性を示す損失正接tanδ及び貯蔵弾性率E’がキャップゴムの損失正接tanδ及び貯蔵弾性率E’よりも小さく、ベースゴムの貯蔵弾性率E’/キャップゴムの貯蔵弾性率E’で得られる比率が0.17以上、かつベースゴムの損失正接tanδが0.1以下であり、ベースゴムの損失正接tanδ/キャップゴムの損失正接tanδで得られる比率が0.67以下であるので、転がり抵抗性能及び操縦安定性能のみならず走行時の静粛性能を向上させることができる。
また、上記課題を解決するためのタイヤの他の構成として、前記ベースゴムの貯蔵弾性率E’/前記キャップゴムの貯蔵弾性率E’で得られる比率を0.72以下としたので、タイヤの剛性を維持しつつ、路面からの振動を吸収を吸収できるため、操縦安定性能を低下させずに静粛性能を向上させることができる。
また、上記課題を解決するためのタイヤの他の構成として、ベースゴムの損失正接tanδ/前記キャップゴムの損失正接tanδで得られる比率が0.15以上であるので、確実に転がり抵抗を減少させ、転がり抵抗性能を向上させることができる。
また、上記課題を解決するためのタイヤの他の構成として、ベースゴムの損失正接tanδ/キャップゴムの損失正接tanδで得られる比率が0.35以上0.44以下であるので、確実に転がり抵抗を減少させ、転がり抵抗性能を向上させることができる。
また、上記課題を解決するためのタイヤの他の構成として、ベースゴムの損失正接tanδ/キャップゴムの損失正接tanδで得られる比率が0.35以上0.42以下であるので、確実に転がり抵抗を減少させ、転がり抵抗性能を向上させることができる。
また、上記課題を解決するためのタイヤの他の構成として、ベースゴムの貯蔵弾性率E’/キャップゴムの貯蔵弾性率E’で得られる比率が0.35以上0.62以下であるので、転がり抵抗性能及び静粛性能を向上させることができる。
また、上記課題を解決するためのタイヤの他の構成として、赤道位置におけるベースゴムの厚さ/キャップゴムの厚さで得られる比率が0.04以上0.35以下であるので、より確実に転がり抵抗性能及び操縦安定性能を確保できる。
また、上記課題を解決するためのタイヤの他の構成として、トレッドゴムは、幅方向両側部において周方向に延長するショルダー主溝を有し、ショルダー主溝の溝底中心よりも幅方向外側において、ベースゴムは、キャップゴムのゴム厚よりも厚い厚肉領域を有し、
ショルダー主溝間において、ベースゴムは、ショルダー主溝の溝底の位置よりも径方向内側に位置するので、転がり抵抗性能や静粛性能を向上させることができる。
また、上記課題を解決するためのタイヤの他の構成として、トレッドゴムは、ショルダー主溝よりも幅方向外側に形成されたショルダー陸部を有し、当該ショルダー陸部内にショルダー主溝に開口するラグ溝が無いので、ショルダー陸部の剛性が向上するため、ショルダー部におけるベースゴムの厚さを厚くして、路面から入力する振動をベースゴムに吸収させることにより、ロードノイズを低減させて静粛性能を向上させることができる
上述の各ベルト13乃至16を構成するコード部材は、スチールやナイロンやアラミド、ポリエチレンテレフタレート等の非金属の素材が用いられる。例えば、下層側のベルト13及びベルト14にはスチールコード、上層側のベルト15及びベルト16にはナイロン、アラミド、ポリエチレンナフタレート等の非金属素材の有機繊維コードが適用される
なお、上記貯蔵弾性率E’及び損失正接tanδの測定は、株式会社上島製作所製の粘弾性スペクトロメータを用い、雰囲気温度60±1℃、周波数50Hz、初期ひずみ率5.0%、動ひずみ率2.0%の条件で得られた値である。損失正接tanδは、材料が変形する際に材料がどのくらいエネルギーを吸収するか(熱に変わる)を示し、損失正接tanδの値が大きいほどエネルギーを吸収することを意味する
次に、比較例5,発明例1及び発明例14を用いて、ベースゴム22に使用するゴムの損失正接tanδの違いによる影響について説明する。比較例5,発明例1及び発明例14は、ベースゴム22の損失正接tanδが比較例5、発明例14、発明例1の順に小さく設定されている。比較例5では、転がり抵抗性能及び静粛性能が低下し、偏摩耗性能は維持されたまま操縦安定性能が向上している。また、発明例14では、やや転がり抵抗性能が低下しているものの静粛性能は維持されたまま操縦安定性能及び偏摩耗性能が向上している。また、発明例1では、転がり抵抗性能および静粛性能が向上し、操縦安定性能および偏摩耗性能の低下は見られていない。総合評価値では、発明例1が最も大きく次いで発明例14、比較例5となっている。この結果からベースゴム22には損失正接tanδが0.1以下の特性を有するゴムを採用すると転がり抵抗性能及び静粛性能が向上することがわかる。
次に、発明例1、発明例4及び発明例5、発明例8乃至発明例13を用いてベースゴム22とキャップゴム23の損失正接tanδの比率(ベースゴム22のtanδ/キャップゴム23のtanδ)の影響について説明する。まず、ベースゴム22とキャップゴム23の貯蔵弾性率E’の比が同じ発明例1,発明例10乃至発明例13を用いてベースゴム22とキャップゴム23の損失正接tanδの比の影響について説明する。この場合、発明例1、発明例10乃至発明例13のいずれもが、転がり抵抗性能及び静粛性能が向上し、操縦安定性能及び偏摩耗性能に低下が見られていない。また、発明例1、発明例10乃至発明例13貯蔵弾性率E’の比よりも小さく、貯蔵弾性率E’の比が同じ発明例4及び発明例8を用いて損失正接tanδの比が異なる影響について説明する。この場合、発明例4及び発明例8のいずれも操縦安定性能は低下せずに、転がり抵抗性能及び静粛性能が向上している。しかし、発明例4では偏摩耗性能が低下していないにも関わらず、発明例4よりも損失正接tanδの比が小さい発明例8では偏摩耗性能が低下している。また、発明例1、発明例10乃至発明例13貯蔵弾性率E’の比よりも小さく、貯蔵弾性率E’の比が同じ発明例5及び発明例9を用いて損失正接tanδの比が異なる影響について説明する。この場合、発明例5及び発明例9のいずれも操縦安定性能は低下せずに、転がり抵抗性能及び静粛性能が向上している。しかし、発明例5では偏摩耗性能が低下していないにも関わらず、発明例5よりも損失正接tanδの比が小さい発明例9では偏摩耗性能が低下している。したがって、貯蔵弾性率E’が同一の場合には、損失正接tanδの比を0.35以上0.44以下で設定することにより、操縦安定性能及び偏摩耗性能を低下させずに転がり抵抗性能及び静粛性能がより向上し、さらに、損失正接tanδの比を0.35以上0.42以下とすることにより、確実に転がり抵抗性能及び静粛性能を向上させることができる。
上記課題を解決するためのタイヤの構成として、トレッドゴムを有するタイヤであって、トレッドゴムは、接地面を有するキャップゴムと、キャップゴムの径方向内側に設けられるベースゴムとを備え、ベースゴムは、ショルダー部の厚さがセンター部の厚さよりも厚く、ショルダー部の厚さ/センター部の厚さの比率が4以下であり、ベースゴムのゴム特性を示す損失正接tanδ及び貯蔵弾性率E’がキャップゴムの損失正接tanδ及び貯蔵弾性率E’よりも小さく、ベースゴムの貯蔵弾性率E’/キャップゴムの貯蔵弾性率E’で得られる比率が0.17以上、かつベースゴムの損失正接tanδが0.1以下であり、ベースゴムの損失正接tanδ/キャップゴムの損失正接tanδで得られる比率が0.67以下であるので、転がり抵抗性能及び操縦安定性能のみならず走行時の静粛性能を向上させることができる。また、トレッドゴムは、幅方向両側部において周方向に延長するショルダー主溝を有し、ショルダー主溝の溝底中心よりも幅方向外側において、ベースゴムは、キャップゴムのゴム厚よりも厚い厚肉領域を有し、ショルダー主溝間において、ベースゴムは、ショルダー主溝の溝底の位置よりも径方向内側に位置するので、転がり抵抗性能や静粛性能を向上させることができる。
また、上記課題を解決するためのタイヤの他の構成として、前記ベースゴムの貯蔵弾性率E’/前記キャップゴムの貯蔵弾性率E’で得られる比率を0.72以下としたので、タイヤの剛性を維持しつつ、路面からの振動を吸収を吸収できるため、操縦安定性能を低下させずに静粛性能を向上させることができる。
また、上記課題を解決するためのタイヤの他の構成として、ベースゴムの損失正接tanδ/前記キャップゴムの損失正接tanδで得られる比率が0.15以上であるので、確実に転がり抵抗を減少させ、転がり抵抗性能を向上させることができる。
また、上記課題を解決するためのタイヤの他の構成として、ベースゴムの損失正接tanδ/キャップゴムの損失正接tanδで得られる比率が0.35以上0.44以下であるので、確実に転がり抵抗を減少させ、転がり抵抗性能を向上させることができる。
また、上記課題を解決するためのタイヤの他の構成として、ベースゴムの損失正接tanδ/キャップゴムの損失正接tanδで得られる比率が0.35以上0.42以下であるので、確実に転がり抵抗を減少させ、転がり抵抗性能を向上させることができる。
また、上記課題を解決するためのタイヤの他の構成として、ベースゴムの貯蔵弾性率E’/キャップゴムの貯蔵弾性率E’で得られる比率が0.35以上0.62以下であるので、転がり抵抗性能及び静粛性能を向上させることができる。
また、上記課題を解決するためのタイヤの他の構成として、赤道位置におけるベースゴムの厚さ/キャップゴムの厚さで得られる比率が0.04以上0.35以下であるので、より確実に転がり抵抗性能及び操縦安定性能を確保できる
また、上記課題を解決するためのタイヤの他の構成として、トレッドゴムは、ショルダー主溝よりも幅方向外側に形成されたショルダー陸部を有し、当該ショルダー陸部内にショルダー主溝に開口するラグ溝が無いので、ショルダー陸部の剛性が向上するため、ショルダー部におけるベースゴムの厚さを厚くして、路面から入力する振動をベースゴムに吸収させることにより、ロードノイズを低減させて静粛性能を向上させることができる。

Claims (10)

  1. トレッドゴムを有するタイヤであって、
    前記トレッドゴムは、接地面を有するキャップゴムと、前記キャップゴムの径方向内側に設けられるベースゴムとを備え、
    前記ベースゴムは、ショルダー部の厚さがセンター部の厚さよりも厚く、ショルダー部の厚さ/センター部の厚さの比率が4以下であり、
    前記ベースゴムのゴム特性を示す損失正接tanδ及び貯蔵弾性率E’が前記キャップゴムの損失正接tanδ及び貯蔵弾性率E’よりも小さく、
    前記ベースゴムの貯蔵弾性率E’/前記キャップゴムの貯蔵弾性率E’で得られる比率が0.17以上、かつベースゴムの損失正接tanδが0.1以下であり、
    前記ベースゴムの損失正接tanδ/前記キャップゴムの損失正接tanδで得られる比率が0.67以下であることを特徴とするタイヤ。
  2. 前記ベースゴムの貯蔵弾性率E’/前記キャップゴムの貯蔵弾性率E’で得られる比率が0.72以下であることを特徴とする請求項1に記載のタイヤ。
  3. 前記ベースゴムの損失正接tanδ/前記キャップゴムの損失正接tanδで得られる比率が0.15以上であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のタイヤ。
  4. 前記ベースゴムの損失正接tanδ/前記キャップゴムの損失正接tanδで得られる比率が0.35以上0.44以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項3いずれかに記載のタイヤ。
  5. 前記ベースゴムの損失正接tanδ/前記キャップゴムの損失正接tanδで得られる比率が0.35以上0.42以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項3いずれかに記載のタイヤ。
  6. 前記ベースゴムの貯蔵弾性率E’/前記キャップゴムの貯蔵弾性率E’で得られる比率が0.35以上0.62以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項5いずれかに記載のタイヤ。
  7. 赤道位置におけるベースゴムの厚さ/キャップゴムの厚さで得られる比率が0.04以上0.35以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項6いずれかに記載のタイヤ。
  8. 前記トレッドゴムは、幅方向両側部において周方向に延長するショルダー主溝を有し、
    前記ショルダー主溝の溝底中心よりも幅方向外側において、前記ベースゴムは、前記キャップゴムのゴム厚よりも厚い厚肉領域を有し、
    前記ショルダー主溝間において、前記ベースゴムは、前記ショルダー主溝の溝底の位置よりも径方向内側に位置することを特徴とする請求項1乃至請求項7いずれかに記載のタイヤ。
  9. 前記トレッドゴムは、前記ショルダー主溝よりも幅方向外側に形成されたショルダー陸部を有し、当該ショルダー陸部内に前記ショルダー主溝に開口するラグ溝が無いことを特徴とする請求項8に記載のタイヤ。
  10. 前記トレッドゴムの半径方向内側に設けられ、タイヤ円周方向に沿って延長するベルトと、
    前記ベルトに積層され、前記ベルトの全域を被うように設けられ、タイヤ円周方向に沿って延長するキャップベルトと、
    前記キャップベルトに積層され、一部の範囲が前記キャップベルトの端部と重複する端部ベルトと、
    を備え、
    前記キャップベルトに使用されるコード部材の剛性が前記端部ベルトに使用されるコード部材の剛性よりも高いことを特徴とする請求項1乃至請求項9いずれかに記載のタイヤ。
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