JP2016046946A - 系統連系インバータ装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 本発明に係る系統連系インバータ装置100は、分散型電力発生源10の発電時においてLCフィルタ回路120における電流位相及び電圧位相に基づいてインバータ回路110を制御するとともに、第1電流検出センサ123で検出された電流値に関する情報と第2電流検出センサ124で検出された電流値に関する情報との双方に基づいてLCフィルタ回路120のフィルタ定数を算出する制御部130を備える。
【選択図】 図1
Description
ところが、上記のような制御はLCフィルタ回路のフィルタ定数(リアクトルのインダクタンス、コンデンサの静電容量等)に依存した数値を用いて行われるため、インバータ回路の制御時にLCフィルタ回路のフィルタ定数を正確に把握する必要がある。一方で、フィルタ定数は製品のバラツキによって異なっておりフィルタ定数を予め正確に把握するのが難しい。従って、フィルタ定数を正確に把握できない場合には、LCフィルタ回路を用いたとしても系統連系インバータ装置から出力される電流波形の波形歪みを低く抑えることができないという問題が生じ得る。また、LCフィルタ回路が故障したことが検出されることなくその故障状態のままで放置された場合には、電流波形の波形歪みの大きいままの出力電流が商用電力系統に継続的に供給されるおそれがある。
上記目的を達成するため、本発明に係る系統連系インバータ装置は、分散型電力発生源と商用電力系統との間に介装される装置であり、インバータ回路、LCフィルタ回路、第1電流検出センサ、第2電流検出センサ及び制御部を備える。インバータ回路は、分散型電力発生源の発電時の出力電力を交流電力に変換して出力する。LCフィルタ回路は、互いに並列配置されたリアクトル及びコンデンサを含み、インバータ回路から出力された交流電力を平滑化して商用電力系統に供給する。LCフィルタ回路の出力側領域に第1電流検出センサが設けられ、LCフィルタ回路の入力側領域に第2電流検出センサが設けられる。制御部は、分散型電力発生源の発電時においてLCフィルタ回路における電流位相及び電圧位相に基づいてインバータ回路を制御するとともに、第1電流検出センサで検出された電流値に関する情報と第2電流検出センサで検出された電流値に関する情報との双方に基づいてLCフィルタ回路のフィルタ定数を算出する。
系統連系インバータ装置100において規定された系統連系規定に基づいた場合、電流波形のゼロクロス領域における電流歪みを所定値以下に抑え、且つ交流電力の所望の力率(90〜95%)を満足するためには、図2に示されるように第1電流検出センサ123で検出される電流値i1と商用電力系統20の電圧値Vacとの位相差を0°にするのが好ましい。そこで、制御部130は、第1電流検出センサ123で計測される電流値i1による正弦波W1の電流位相と電圧値Vacによる正弦波W2の電圧位相との位相差が0°になるように、インバータ回路110のスイッチング素子S1〜S4をオンオフ制御することができる。このオンオフ制御の際、正弦波W1の電流位相と第2電流検出センサ124で計測される電流値i2による正弦波W3の電流位相との間に位相差θが生じる。制御部130は、この位相差θに基づいて図3が参照される故障検出処理を実行することができる。
コンデンサ122における電流値icは、第2電流検出センサ124で検出される電流値i2から第1電流検出センサ123で検出される電流値i1を差し引いた値(=i2−i1)である。更に、コンデンサ122における電流値icと、コンデンサ122の静電容量cと、角周波数ωと、商用電力系統20の電圧Vacとの関係式である次式(3)を用いれば、コンデンサ122の静電容量cは次式(4)で算出(推定)される。
「分散型電力発生源の発電時の出力電力を交流電力に変換して出力するインバータ回路と、
並列配置されたリアクトル及びコンデンサを含み、前記インバータ回路から出力された交流電力を平滑化して商用電力系統に供給するLCフィルタ回路と、
を備える系統連系インバータ装置において、
前記分散型電力発生源の発電時において前記LCフィルタ回路における電流位相及び電圧位相に基づいて前記インバータ回路を制御するとともに、前記LCフィルタ回路の出力側領域を流れる電流値に関する情報と前記LCフィルタ回路の入力側領域を流れる電流値に関する情報との双方に基づいて前記LCフィルタ回路のフィルタ定数を算出するステップを有する、系統連系インバータ装置の制御方法。」
という態様(態様1)を採用することができる。
この態様1によれば、インバータ回路の制御時におけるLCフィルタ回路のフィルタ定数を精度良く算出することができ、算出したフィルタ定数をインバータ回路の制御に反映させることができる。
「前記態様1に記載の、系統連系インバータ装置の制御方法であって、
前記LCフィルタ回路の前記フィルタ定数のうち前記リアクトルのインダクタンスについて算出した算出インダクタンスに対して制御インダクタンスを設定し、設定した前記制御インダクタンスを用いて前記インバータ回路を制御したときに前記LCフィルタ回路から出力される電流波形の電流歪み率に応じて当該制御インダクタンスを補正するステップを有する、系統連系インバータ装置の制御方法。」
という態様(態様2)を採用することができる。
この態様2によれば、算出した算出インダクタンスをそのままインバータ回路の制御に用いる場合に生じ得る出力電流の発振等の不具合によって電流波形が歪むのを抑えることができる。
「前記態様2に記載の、系統連系インバータ装置の制御方法であって、
前記算出インダクタンスを補正するステップでは、暫定的に定められた暫定インダクタンスを用い、前記LCフィルタ回路から出力される電流波形の電流歪み率が最小値に収束するまで前記制御インダクタンスを前記暫定インダクタンスから所定の補正値ずつ段階的に前記算出インダクタンスに近づける、系統連系インバータ装置の制御方法。」
という態様(態様3)を採用することができる。
この態様3によれば、比較的簡便な処理によって電流波形の電流歪みが低く抑えられるように制御インダクタンスを補正することができる。
「前記態様1〜3のうちのいずれかに記載の、系統連系インバータ装置の制御方法であって、
前記商用電力系統の電圧値と前記第1電流検出センサで検出された電流値とを用いて前記インバータ回路の合成インピーダンスを算出し、算出した前記合成インピーダンスに基づいて前記LCフィルタ回路の故障を検出するステップを有する、系統連系インバータ装置の制御方法。」
という態様(態様4)を採用することができる。
この態様4によれば、LCフィルタ回路の故障を早期に検出できるため、電流波形の電流歪みの大きいままの出力電流が商用電力系統に継続的に供給されるのを阻止できる。
Claims (4)
- 分散型電力発生源と商用電力系統との間に介装される系統連系インバータ装置であって、
前記分散型電力発生源の発電時の出力電力を交流電力に変換して出力するインバータ回路と、
互いに並列配置されたリアクトル及びコンデンサを含み、前記インバータ回路から出力された交流電力を平滑化して前記商用電力系統に供給するLCフィルタ回路と、
前記LCフィルタ回路の出力側領域に設けられた第1電流検出センサと、
前記LCフィルタ回路の入力側領域に設けられた第2電流検出センサと、
前記分散型電力発生源の発電時において前記LCフィルタ回路における電流位相及び電圧位相に基づいて前記インバータ回路を制御するとともに、前記第1電流検出センサで検出された電流値に関する情報と前記第2電流検出センサで検出された電流値に関する情報との双方に基づいて前記LCフィルタ回路のフィルタ定数を算出する制御部と、
を備える、系統連系インバータ装置。 - 請求項1に記載の系統連系インバータ装置であって、
前記制御部は、前記LCフィルタ回路の前記フィルタ定数のうち前記リアクトルのインダクタンスについて算出した算出インダクタンスに対して制御インダクタンスを設定し、設定した前記制御インダクタンスを用いて前記インバータ回路を制御したときに前記LCフィルタ回路から出力される電流波形の電流歪み率に応じて当該制御インダクタンスを補正する、系統連系インバータ装置。 - 請求項2に記載の系統連系インバータ装置であって、
前記制御部は、前記制御インダクタンスの補正の際、暫定的に定められた暫定インダクタンスを用い、前記LCフィルタ回路から出力される電流波形の電流歪み率が最小値に収束するまで前記制御インダクタンスを前記暫定インダクタンスから所定の補正値ずつ段階的に前記算出インダクタンスに近づける、系統連系インバータ装置。 - 請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の系統連系インバータ装置であって、
前記制御部は、前記商用電力系統の電圧値と前記第1電流検出センサで検出された電流値とを用いて前記インバータ回路の合成インピーダンスを算出し、算出した前記合成インピーダンスに基づいて前記LCフィルタ回路の故障を検出する、系統連系インバータ装置。
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