JP2016046522A - コイル用線材 - Google Patents

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Akira Tanji
亮 丹治
和宏 後藤
Kazuhiro Goto
和宏 後藤
鉄也 桑原
Tetsuya Kuwabara
鉄也 桑原
有吉 剛
Takeshi Ariyoshi
剛 有吉
慎一 飯塚
Shinichi Iizuka
慎一 飯塚
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Miki Kitajima
未規 北島
勝彦 佐野
Katsuhiko Sano
勝彦 佐野
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Abstract

【課題】外部からの交番磁界によって発生する導体の損失を低減できるコイル用線材を提供する。【解決手段】銅、銅合金、アルミニウム及びアルミニウム合金から選択される少なくとも1種の金属を有し、断面積が0.4mm2以上である導体11と、Feを含む鉄系材料を有し、導体11の外周に形成された磁性体層12と、を備え、導体11と磁性体層12とを合わせた断面積に対する磁性体層12の断面積の比率が3%以上40%以下であるコイル用線材10。【選択図】図1

Description

本発明は、コイル用線材に関する。特に、外部からの交番磁界によって発生する導体の損失を低減できるコイル用線材に関する。
各種電気機器にコイルが使用されている。コイルを備える電気機器としては、例えばモータ、リアクトル、トランス(変圧器)、IHヒータ(誘導加熱装置)などが挙げられる。
一般に、コイルは、電気導体(導線)を有するコイル用線材(巻線)を螺旋状に巻回することによって形成されている。例えば特許文献1には、銅線の外表面上に被覆層を有する線材を芯材とし、この被覆層の外表面上に密着層を形成し、更に、この密着層の上に絶縁層を形成した絶縁電線が記載されている。特許文献1では、芯材として、例えばニッケルめっき銅線などを使用することが記載されている。
特開平07−296643号公報
電気機器の交流損失を低減する観点から、外部からの交番磁界(変動磁場)による導体の損失を低減できるコイル用線材の開発が望まれる。
近年、各種電気機器(例、モータなど)の高性能化・高効率化に伴い大電流化が進み、それに使用されるコイルに用いられるコイル用線材において、大電流が通電可能なように導体の大径化(断面積の大型化)が図られている。コイルに交流電流が通電される場合、コイル用線材同士が近接する箇所では、交流電流によって一方のコイル用線材から発生する交番磁界(変動磁場)の磁束がもう一方のコイル用線材に鎖交することにより、もう一方のコイル用線材の導体に渦電流が発生し、渦電流損が生じることがある。また、コイルが配置された磁性コアからの漏れ磁束によって、コイル用線材の導体に渦電流損が生じることがある。大電流化に伴い発生する交番磁界が増大すると、コイル用線材(コイル)の導体に発生する渦電流損が増え、電気機器における交流損失の増加も顕著になる。
そこで、本発明の目的の一つは、外部からの交番磁界によって発生する導体の損失を低減できるコイル用線材を提供することにある。
本発明の一態様に係るコイル用線材は、銅、銅合金、アルミニウム及びアルミニウム合金から選択される少なくとも1種の金属を有し、断面積が0.4mm以上である導体と、Feを含む鉄系材料を有し、前記導体の外周に形成された磁性体層と、を備え、前記導体と前記磁性体層とを合わせた断面積に対する前記磁性体層の断面積の比率が3%以上40%以下である。
上記コイル用線材は、外部からの交番磁界によって導体に発生する損失を低減できる。
実施形態に係るコイル用線材の構成の一例を示す概略断面図である。 実施形態に係るコイル用線材の構成の別の一例(磁性体層の外周に絶縁層が形成された形態)を示す概略断面図である。 実施形態に係るコイル用線材の構成の別の一例(導体と磁性体層との間に絶縁層が形成された形態)を示す概略断面図である。 実施形態に係るコイル用線材の構成の別の一例(導体と磁性体層との間、及び磁性体層の外周に絶縁層が形成された形態)を示す概略断面図である。 実施形態に係るコイル用線材の構成の更に別の一例(導体の外周に磁性体層、絶縁層、磁性体層、絶縁層が順に形成された形態)を示す概略断面図である。 実施形態に係るコイル用線材の構成の更に別の一例(導体の外周に絶縁層、磁性体層、絶縁層、磁性体層が順に形成された形態)を示す概略断面図である。 実施形態に係るコイル用線材の構成の更に別の一例(導体の外周に磁性体層、絶縁層、磁性体層、絶縁層、磁性体層が順に形成された形態)を示す概略断面図である。 コイル用線材の損失の測定に用いた測定回路を示す概略構成図である。 実施例1のコイル用線材におけるBs×(t/w)と損失との関係をプロットしたグラフを示す図である。
[本発明の実施形態の説明]
最初に本発明の実施態様を列記して説明する。
(1)本発明の一態様に係るコイル用線材は、銅、銅合金、アルミニウム及びアルミニウム合金から選択される少なくとも1種の金属を有し、断面積が0.4mm以上である導体と、Feを含む鉄系材料を有し、上記導体の外周に形成された磁性体層と、を備え、上記導体と上記磁性体層とを合わせた断面積に対する上記磁性体層の断面積の比率が3%以上40%以下である。
上記コイル用線材は、導体の外周に磁性体層を備えることで、外部からの交番磁界の磁束が磁性体層を流れることにより、導体に鎖交する磁束を減らすことができる。つまり、磁性体層が、導体への外部磁界を遮蔽する磁気シールドとして機能する。そのため、外部からの交番磁界によって導体に発生する渦電流を抑制でき、導体に発生する渦電流損を低減できる。特に、磁性体層がFeを含む鉄系材料を有することで、磁性体層の比透磁率、飽和磁束密度が高く、磁性体層に磁束が集中して流れ易いため、導体に鎖交しようとする磁束を効果的に遮蔽できる。また、導体と磁性体層とを合わせた断面積に対する磁性体層の断面積の比率が3%以上であることで、磁性体層において磁束の流れる断面積(磁路断面積)を確保できるので、磁性体層に磁束を十分に流すことができ、導体に鎖交する磁束を十分に低減できる。一方、磁性体層の断面積の比率が40%以下であることで、コイル用線材の大径化を抑制しつつ、必要な導体の断面積を確保できる。更に、磁性体層の断面積の比率が40%以下であることで、磁性体層が厚くなり過ぎることによるコイル用線材の曲げ加工性の低下を抑制できるので、曲げ加工性を維持し易い。したがって、上記コイル用線材は、磁性体層が高い磁気シールド効果を有しており、外部からの交番磁界によって導体に発生する損失を低減できる。
上記コイル用線材は、導体が銅又は銅合金、アルミニウム又はアルミニウム合金を有し、かつ、その断面積が0.4mm以上であることで、導体の導電率が高く、導体の電気抵抗を小さくできる。そのため、大きな電流(例えば2A以上)を低損失で流すことができ、十分な電流容量を確保できる。
(2)上記コイル用線材の一形態としては、上記磁性体層の飽和磁束密度をBs、上記コイル用線材の最大幅をw、上記磁性体層の厚さをtとするとき、Bs×(t/w)≧0.01Tを満たすことが挙げられる。
Bs×(t/w)が0.01T以上を満たすことで、外部からの交番磁界に対して十分な磁気シールド効果が得られ、導体に発生する損失をより低減できる。この値が大きいほど、導体の損失を抑制する効果が高くなる傾向がある。
(3)上記コイル用線材の一形態としては、上記導体の平均結晶粒径が200μm以下であることが挙げられる。
導体を構成する銅又は銅合金、アルミニウム又はアルミニウム合金の平均結晶粒径が200μm以下であることで、強度(降伏応力や0.2%耐力)や伸びがより向上し、より優れた機械的特性が得られる。
(4)上記コイル用線材の一形態としては、降伏応力が60MPa以上で、破断伸びが5%以上であることが挙げられる。
降伏応力が60MPa以上で、破断伸びが5%以上を満たすことで、耐へたり性が高く、加工性にも優れ、優れた機械的特性を有する。
(5)上記コイル用線材の一形態としては、上記鉄系材料がSiを0.5質量%以上含む又はCoを40質量%以上含むことが挙げられる。
Siを0.5質量%以上含む鉄系材料(例えば珪素鋼)や、Coを40質量%以上含む鉄系材料(例えばパーメンジュール)は比抵抗が比較的大きく、磁性体層自体に発生する渦電流を低減できる。そのため、このコイル用線材は、導体だけでなく、線材全体における外部からの交番磁界に起因する損失を低減できる。
(6)上記コイル用線材の一形態としては、上記磁性体層の飽和磁束密度が1.5T以上、かつ上記磁性体層の比抵抗が20μΩ・cm以上であることが挙げられる。
磁性体層の飽和磁束密度が1.5T以上と高いことで、磁性体層に磁束が集中して流れても磁気飽和し難く、導体に鎖交し得る磁束を効果的に低減できる。比抵抗が20μΩ・cm以上と大きいことで、磁性体層自体に発生する渦電流を低減できる。従って、このコイル用線材は、導体だけでなく、線材全体における外部からの交番磁界に起因する損失を低減できる。
[本発明の実施形態の詳細]
本発明の実施形態に係るコイル用線材の具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本発明は、これらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
《コイル用線材の構成》
図1は、コイル用線材を線材の軸方向に直交する方向に切断した横断面を示す。コイル用線材10は、導体11と、導体11を覆うように導体11の外周に形成された磁性体層12と、を備える。
〈導体〉
導体11は、コイル用線材10において主として電流が流れる部分である。
(組成)
導体11は、銅、銅合金、アルミニウム及びアルミニウム合金から選択される少なくとも1種の金属を有する。導体11が銅又は銅合金、或いは、アルミニウム又はアルミニウム合金を有することで、導体11の導電率を高くできる。そのため、導体11の電気抵抗を小さくでき、電流を低損失で流すことができる。低損失化の観点からは銅又は銅合金が好ましく、軽量化の観点からはアルミニウム又はアルミニウム合金が好ましい。
ここでいう「銅」は、Cuを99.9質量%以上含有する純銅のことであり、具体的には、タフピッチ銅、脱酸銅(例、リン脱酸銅)、無酸素銅(OFC)が挙げられる。
「アルミニウム」は、Alを99質量%以上含有する純アルミニウムのことである。
「銅合金」は、Cuを50質量%以上、好ましくは90質量%以上含有し、Cu以外の添加元素を含有する銅基合金のことである。銅合金の添加元素は、例えばSn,Zr,Fe,Zn,Ag,Cr,P,Si,Mn,Ti,Mg,Niなどが挙げられる。
「アルミニウム合金」は、Alを50質量%以上、好ましくは90質量%以上含有し、Al以外の添加元素を含有するアルミニウム基合金のことである。アルミニウム合金の添加元素は、例えばSi,Cu,Mg,Zn,Fe,Mn,Ni,Ti,Cr,Ca,Zr,Liなどが挙げられる。
添加元素の含有量は、所望の導電率が得られる範囲で、添加元素の種類に応じて適宜設定することが好ましい。添加元素の合計含有量は、例えば0.1質量%以上30質量%以下、好ましくは0.1質量%以上5.0質量%以下である。導電率を高くする観点からすれば、添加元素の含有量は少ない方が好ましく、必要な導電率が得られる範囲で最小限の含有量とすることが望ましい。添加元素の含有量が多いと、強度などに優れる。
導体11の導電率は、例えば70%IACS以上、好ましくは80%IACS以上、より好ましくは90%IACS以上である。
導体11は、より高い導電率を確保する観点から、銅(純銅)からなることが好ましい。
導体11を構成する銅又は銅合金、アルミニウム又はアルミニウム合金の酸素含有量及び水素含有量は、少ない方が好ましい。導体11の外周直上に磁性体層12が形成され、導体11と磁性体層12が直接接触している場合、導体11中に酸素や水素を多く含有していると、磁性体層12中に酸素や水素が拡散して、磁性体層12の延性や磁気的特性が損なわれる虞がある。導体11の酸素含有量は、質量割合で例えば50ppm以下、10ppm以下が好ましい。導体11の水素含有量は、質量割合で例えば10ppm以下、5ppm以下が好ましい。酸素含有量は、例えば、赤外分光法で測定することが挙げられる。水素含有量は、例えば、不活性ガス融解法で測定することが挙げられる。その他、不活性ガス融解−赤外線吸収法などが挙げられる。
以上の観点を考慮して、導体11は、純銅の中でも、酸素や水素などの不純物をほとんど含まず、最も純度が高い無酸素銅からなることが好ましい。
(断面積)
導体11の断面積は、0.4mm以上である。コイル用線材10の横断面における導体11の断面積が0.4mm以上であることで、導体11の電気抵抗を小さくできる。したがって、導体11は、銅又は銅合金、或いは、アルミニウム又はアルミニウム合金を有し、かつ、その断面積が0.4mm以上であることから、大きな電流(例えば2A以上)を低損失で流すことができ、十分な電流容量を確保できる。導体11の好ましい断面積は、例えば0.5mm以上、より好ましくは0.8mm以上である。導体11の断面積の上限は特に問わないが、導体11(コイル用線材10)の過度な大径化を避ける観点から、導体11の断面積は、例えば50mm以下が好ましい。
(形状)
導体11の形状は、特に限定されない。コイル用線材10の横断面における導体11の断面形状としては、例えば円形状、楕円形状、レーストラック形状、六角形状・三角形状・四角形状といった多角形状など種々の形状を採用できる。代表的には、導体11の断面形状とコイル用線材10の断面形状とは相似である。
(結晶粒径)
導体11は微細結晶組織から構成されると、機械的特性に優れて好ましい。例えば、導体11の平均結晶粒径は、200μm以下であることが好ましい。導体11を構成する銅又は銅合金、アルミニウム又はアルミニウム合金の平均結晶粒径が200μm以下であることで、強度(降伏応力や0.2%耐力)や伸びがより向上し、より優れた機械的特性が得られる。ここでいう「導体11の平均結晶粒径」は、JIS H 0501(1986年)に規定された「伸銅品結晶粒度試験方法」に記載の切断法に準拠して測定した平均結晶粒度である。平均結晶粒径の測定は、コイル用線材10の横断面における導体11の断面の結晶組織を顕微鏡で観察することにより行う。導体11のより好ましい平均結晶粒径は、例えば100μm以下、更に50μm以下である。導体11の平均結晶粒径の下限は特に問わないが、製造上の観点から、導体11の平均結晶粒径は、例えば1μm以上である。
〈磁性体層〉
磁性体層12は、主として導体11への外部磁界を遮蔽する磁気シールドとして機能する。具体的には、磁性体層12は、コイル用線材10に外部から交番磁界が印加された際に交番磁界による磁束が流れることにより、導体11に鎖交する磁束を減らす効果がある。
(組成)
磁性体層12は、Feを含む鉄系材料を有する。磁性体層12がFeを含む鉄系材料を有することで、磁性体層12の比透磁率、飽和磁束密度を高くできる。その結果として、交番磁界の磁束が磁性体層12に集中して流れ易いため、導体11に鎖交しようとする磁束を効果的に遮蔽できる。また、鉄系材料は、添加元素などによっては比抵抗が高いものがあり、磁性体層12の電気抵抗が高いことで、磁性体層12自体に発生する渦電流を低減できる。その結果、磁性体層12の渦電流損を低減できるため、導体11に加えてコイル用線材10全体の損失を低減できる。
ここでいう「Feを含む鉄系材料」は、Feを含有する金属や化合物のことであり、具体的には、鉄、鉄系合金、及び鉄系化合物から選択される少なくとも1種の軟磁性材料が挙げられる。
ここでは、Feを99.8質量%以上含有するものを「鉄」という。具体的な鉄系合金としては、例えば炭素鋼(Fe−C合金)、パーマロイ(Fe−Ni合金)、珪素鋼(Fe−Si合金)、パーメンジュール(Fe−Co合金)、鉄系アモルファス合金、センダスト(Fe−Si−Al合金)などが挙げられる。具体的な鉄系化合物としては、フェライト(Fe)やFeO,Feといった鉄酸化物(酸化鉄)などが挙げられる。
比抵抗が大きい鉄系材料として、例えば、Siの含有量が0.5質量%以上であるもの、具体的には珪素鋼、鉄系アモルファス合金、超強靭鋼などが挙げられる。Siの含有量が多いほど比抵抗が大きい傾向にあり、例えば1.0質量%以上、更に1.5質量%以上、2.0質量%以上の鉄系材料とすることができる。このような鉄系材料から構成される磁性体層12は、例えば、比抵抗が15μΩ・cm以上、更に20μΩ・cm以上を満たすことができる。Siの含有量が多過ぎると、加工性が低下するため、10質量%以下、更に8質量%以下が好ましい。
又は、比抵抗が大きい鉄系材料として、例えば、Coの含有量が40質量%以上であるもの、具体的には、パーメンジュールなどが挙げられる。Coの含有量が65質量%付近で飽和磁束密度が最大となるため、Coの含有量が45質量%以上、更に50質量%以上、60質量%以上の鉄系材料とすることができる。このような鉄系材料から構成される磁性体層12は、例えば、比抵抗が20μΩ・cm以上を満たすことができる。Coの含有量が多過ぎると飽和磁束密度が低下するため、80質量%未満、更に70質量%以下が好ましい。
磁性体層12を構成する鉄系材料の酸素含有量及び水素含有量も少ない方が好ましい。酸素や水素の含有量が多過ぎると、上述のように磁性体層12の延性や磁気的特性が損なわれたりする他、後述するように磁性体層12の形成にあたり、鉄系材料からなるテープ材などを用いて溶接する場合にブローホールやその他の溶接不良などが生じたりする虞があるからである。磁性体層12を構成する鉄系材料の酸素含有量は、質量割合で例えば50ppm以下、10ppm以下が好ましい。磁性体層12を構成する鉄系材料の水素含有量は、質量割合で例えば10ppm以下、5ppm以下が好ましい。酸素含有量、水素含有量の測定方法は、導体11で述べた方法を利用できる。
(断面積)
導体11と磁性体層12とを合わせた断面積に対する磁性体層12(後述する複数層備える場合には合計)の断面積の比率(以下、「面積比」と呼ぶ場合がある)は、3%以上40%以下である。コイル用線材10の横断面における磁性体層12の占める面積の割合が3%以上40%以下であることで、磁性体層12における磁路断面積を確保しつつ、コイル用線材10の大径化を抑制できる。具体的には、磁性体層12の面積比が3%以上であることで、十分な磁路断面積を確保することにより、磁性体層12の磁気飽和を抑制できる。そのため、磁性体層12に磁束を十分に流すことができ、導体11に鎖交する磁束を十分に低減できる。一方、磁性体層12の面積比が40%以下であることで、コイル用線材10の大径化を抑制できる。また、磁性体層12の過度な厚肉化は、コイル用線材10の曲げ加工性の低下や伸びの低下などを招いたり、磁性体層12で発生する渦電流損による損失の増加を招いたりする虞がある。磁性体層12の面積比を40%以下とすることで、コイル用線材10の曲げ加工性の低下を抑制して曲げ加工性を維持し易い上に、磁性体層12で発生する渦電流損による損失の増加を抑制することが期待できる。磁性体層12の好ましい面積比は、例えば5%以上であり、より好ましくは10%以上20%以下である。磁性体層12の厚さは、例えば10μm超300μm以下、好ましくは30μm以上200μm以下とすることが挙げられる。
(磁気的特性)
磁性体層12の飽和磁束密度は、例えば0.5T以上が好ましい。この飽和磁束密度が高いほど、磁性体層12の磁気飽和を抑制し易く、磁性体層12の磁気シールド効果を高めることができるので、導体11に鎖交する磁束を効果的に低減できる。そのため、磁性体層12の飽和磁束密度は、1.0T以上、更に1.5T以上、1.8T以上、2.0T以上がより好ましい。
(電気的特性)
磁性体層12は、電気抵抗が大きいほど磁性体層12自体に渦電流が発生し難く、渦電流損を低減できて好ましい。特に磁性体層12の比抵抗が20μΩ・cm以上であれば、磁性体層12における渦電流の発生をより効果的に低減できる。比抵抗が大きいほど磁性体層12における渦電流を低減できるため、25μΩ・cm以上、更に30μΩ・cm以上、50μΩ・cm以上が好ましい。
磁気シールド効果と損失の低減効果との観点を考慮すると、磁性体層12は、飽和磁束密度が1.5T以上、及び比抵抗が20μΩ・cm以上の双方を満たすことが好ましい。
(構造)
磁性体層12は、単層構造であってもよいし、2層以上の多層構造であってもよい。多層構造の場合、各層の材質を異ならせることも可能である。多層構造の磁性体層12の一例としては、例えば、磁性体層12の径方向内側(中心側)の領域が鉄で形成され、磁性体層12の径方向外側(表面側)の領域が鉄の酸化物(酸化鉄)で形成されていることが挙げられる。後述の絶縁層を介して複数の磁性体層12を備える場合にも各層の材質を異ならせることが可能である。
〈コイル用線材の効果〉
コイル用線材10は、導体11の外周に磁性体層12を備えることで、外部からの交番磁界の磁束が磁性体層12を流れることにより、導体11に鎖交する磁束を減らすことができる。コイル用線材10は、磁性体層12が高い磁気シールド効果を有し、導体11に鎖交する磁束を十分に低減できることから、外部からの交番磁界によって導体11に発生する渦電流を抑制でき、導体11に発生する損失を低減できる。コイル用線材10は、例えばモータなどの各種電気機器に使用されるコイルに好適に利用できる。
〈コイル用線材のその他の構成〉
(Bs×(t/w))
コイル用線材10において、磁性体層12の飽和磁束密度をBs、コイル用線材10の最大幅をw、磁性体層12の厚さをtとするとき、Bs×(t/w)≧0.01Tを満たすことが好ましい。本発明者らは鋭意研究した結果、Bs×(t/w)が0.01T以上を満たすことで、導体11に発生する損失を大幅に低減できることを見出した。コイル用線材10の最大幅wが大きいと、導体11の最大幅も大きくなる傾向にあり、導体11において磁束が鎖交し得る領域が大きくなり易い。しかし、飽和磁束密度Bsがある程度大きければ磁気飽和し難いため、磁性体層12に磁束を十分に流せて、厚さtがある程度小さくても、導体11に鎖交し得る磁束を低減できる。この場合、コイル用線材10の小径化、薄肉化を図ることができる。又は、厚さtがある程度大きければ、飽和磁束密度Bsがある程度小さくても、磁性体層12に磁束を十分に流せて、導体11に鎖交し得る磁束を低減できる。この場合、磁性体層12を構成する鉄系材料の選択の自由度を高められる。飽和磁束密度Bs及び厚さtの双方が大きければ、導体11に鎖交し得る磁束を更に低減でき、より低損失なコイル用線材10とすることができる。Bs×(t/w)の値が大きいほど、導体11の損失を抑制する効果が高くなる傾向があり、例えばBs×(t/w)が0.02T以上、更には0.05T以上であることがより好ましい。
「コイル用線材の最大幅」は、例えばコイル用線材10の横断面形状が円形(丸線)の場合は直径、楕円の場合は長径、矩形(平角線など)の場合は長辺の長さである。
「磁性体層の厚さ」は、磁性体層12の全周に亘って測定した厚さの平均値である。具体的には、磁性体層12の周方向に等間隔に少なくとも10点以上測定した厚さの平均値とする。磁性体層12が多層構造の場合は各層の厚さを合計した総厚とする。この場合の飽和磁束密度Bsは最小値をとる層の値とする。コイル用線材10の最大幅及び磁性体層12の厚さは、コイル用線材10の横断面から測定する。
(機械的特性)
コイル用線材10は、降伏応力が60MPa以上で、破断伸びが5%以上であることが好ましい。降伏応力が60MPa以上で、破断伸びが5%以上を満たすことで、耐へたり性が高く、加工性にも優れ、優れた機械的特性を有する。降伏応力は、例えば70MPa以上、80MPa以上であることがより好ましく、破断伸びは、例えば10%以上、15%以上であることがより好ましい。
(形状)
コイル用線材10の形状は、特に限定されない。コイル用線材10の形状として、例えば断面形状が、円形状、楕円形状、レーストラック形状、六角形状、三角形状や四角形状といった多角形状など種々の形状を採用できる。コイル用線材10の形状は、代表的には、断面円形状の丸線や断面矩形状の平角線が挙げられる。図1に示すコイル用線材10は、断面形状が円形の丸線である。
(絶縁層)
コイル用線材10は、導体11の外周に、磁性体層12以外に絶縁層13(図2A〜図2C,図3A〜図3C参照)を更に備えてもよい。絶縁層13は、例えばポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエステルイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリテトラフルオロエチレン樹脂などの絶縁性樹脂で形成することが挙げられるが、その限りではない。絶縁層13は、単層構造であってもよいし、2層以上の多層構造であってもよい。多層構造の場合は、各層の材質を異ならせることも可能である。絶縁層13の厚さは、導体11に流れる電流の大きさに応じて適宜決定すればよく、例えば5μm以上500μm以下である。
絶縁層13の配置形態としては、例えば図2A〜図2Cに示すように、磁性体層12の外周(径方向外側)、及び、導体11と磁性体層12との間のいずれか一方又は双方に配置することが挙げられる。図2Aは、磁性体層12の外周に絶縁層13が形成された形態、図2Bは、導体11と磁性体層12との間に絶縁層13が形成された形態、図2Cは、導体11と磁性体層12との間に絶縁層13Aが形成され、更に磁性体層12の外周に絶縁層13Bが形成された形態を示す。その他、例えば図3A〜図3Cに示すように、磁性体層12及び絶縁層13が多層構造の場合は、磁性体層12と絶縁層13とを交互に配置することが挙げられる。図3Aは、導体11の外周に磁性体層12A、絶縁層13A、磁性体層12B、絶縁層13Bが順に形成された形態、図3Bは、導体11の外周に絶縁層13A、磁性体層12A、絶縁層13B、磁性体層12Bが順に形成された形態、図3Cは、導体11の外周に磁性体層12A、絶縁層13A、磁性体層12B、絶縁層13B、磁性体層12Cが順に形成された形態を示す。
(その他の構成層)
コイル用線材10は、最外層に潤滑性向上剤などの添加剤を配合した潤滑層(図示せず)を備えてもよい。また、コイル用線材10は、導体11又は磁性体層12と絶縁層13との間に密着性向上剤などの添加剤を配合した密着層(図示せず)を備えてもよい。或いは、絶縁層13のうち、コイル用線材10の最外層に位置する絶縁層において、潤滑性向上剤などの添加剤を配合して潤滑性を高めてもよい。また、絶縁層13において、密着性向上剤などの添加剤を配合して密着性を高めてもよい。
潤滑性向上剤としては、例えば、流動パラフィン、固形パラフィンなどのパラフィン類、各種ワックスや、ポリエチレン樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂などの潤滑剤が挙げられる。潤滑層としては、このような潤滑剤をバインダ樹脂で結着したものが挙げられ、バインダ樹脂には、例えば絶縁層13の形成材料である、上述の絶縁性樹脂を使用することが可能である。好ましくは、潤滑層は、パラフィン又はワックスを添加することで潤滑性を付与したアミドイミド樹脂で形成することが挙げられる。密着性向上剤としては、例えば、アセチレン類(1−ヘキシンなど)、アルキノール類(プロパルギルアルコール、1−ヘキシン−3−オールなど)、アルデヒド類(ベンズアルデヒド、桂皮アルデヒドなど)、アミン類(ラウリルアミン、N,N´−ジメチルセチルアミン、トリメチルセチルアンモニウムプロミドなど)、メルカプタン類(セチルメルカプタン、2−メルカプトイミダゾール、5−アミノ−1,3,4−チアジアゾール−2−チオールなど)、チオ尿素類(チオ尿素、フェニルチオ尿素など)、メラミンなどが挙げられる。これらの中でも、密着性向上の効果が大きいものは、メルカプタン類のうち、2−メルカプトイミダゾールである。
《コイル用線材の製造方法》
コイル用線材10は、銅又は銅合金、或いは、アルミニウム又はアルミニウム合金を有する導体11の外周に、Feを含む鉄系材料を被覆して磁性体層12を形成することによって、製造することができる。コイル用線材の製造方法の具体例を、以下に説明する。
〈嵌合法〉
コイル用線材10の製造方法の一例としては、銅又は銅合金、アルミニウム又はアルミニウム合金を有する導体11の線材の外周に、Feを含む鉄系材料を嵌合によって被覆して磁性体層12を形成する方法が挙げられる。この嵌合法による製造方法を第1の製造方法とし、第1の製造方法の具体的な工程を以下に示す。
(A1)銅、銅合金、アルミニウム及びアルミニウム合金から選択される少なくとも1種の金属を有する導体の素材線材の周囲にFeを含む鉄系材料を配置して、素材線材の外周を鉄系材料で覆った準備材を作製する配置工程。
(A2)準備材を伸線又は圧延加工により締め付けて、素材線材の外周に鉄系材料を嵌合した複合材を作製する嵌合工程。
(A3)複合材を伸線又は圧延加工により所定の線径となるまで加工して、導体の外周に磁性体層を形成する加工工程。
配置工程において、導体の素材線材の外周に鉄系材料を配置する方法としては、例えば、鉄系材料のパイプの中に素材線材を挿通したり、鉄系材料のシートやテープを素材線材の周囲に巻いたり、鉄系材料の線材を素材線材の周囲に軸方向に沿って縦添えしたりすることが挙げられる。素材線材の外周に鉄系材料を配置した後、配置した鉄系材料を溶接やロウ付けによって素材線材に接合してもよい。コイル用線材における最終的な磁性体層の厚さ(磁性体層の面積比)は、例えば、準備材における素材線材の外周に配置する鉄系材料の厚さを変更することによって変えることができる。また、磁性体層の厚さ(磁性体層の面積比)は、加工工程での加工度(減面率)によっても変化する。従って、所望の厚さの磁性体層が得られるように、加工度を考慮して、準備するパイプやシート、線材などの大きさを選択するとよい。導体の素材線材は、加工工程を経て導体11を構成する。
嵌合工程では、鉄系材料を径方向外方から締め付けることにより、導体の素材線材と鉄系材料とを嵌合して一体化する。
加工工程では、所定の線径となるまで加工を繰り返し行ってもよい。繰り返し加工を行う場合は、必要に応じて、加工と加工との間に熱処理する中間熱処理工程を備えてもよい。熱処理によって、材料を軟化させることができ、加工し易くなる。また、加工工程の後、熱処理する最終熱処理工程を更に備えてもよい。軟化による加工性の改善を図りつつ、導体の結晶粒径の粗大化を抑制するなどの観点から、熱処理の温度は例えば150℃以上900℃以下、熱処理の時間は例えば1秒以上10時間以下とすることが挙げられる。導体11の組成や加工度などを考慮して、上記の範囲から選択するとよい。後述するめっき法を用いた第2の製造方法でも同様である。導体11を銅線とする場合には、最終熱処理の温度を500℃以下とすると平均結晶粒径を200μm以下にし易い。
〈めっき法〉
コイル用線材10の製造方法の別の一例としては、銅又は銅合金、アルミニウム又はアルミニウム合金を有する導体11の線材の外周に、Feを含む鉄系材料をめっきによって被覆して磁性体層12を形成する方法が挙げられる。このめっき法による製造方法を第2の製造方法とし、第2の製造方法の具体的な工程を以下に示す。
(B1)銅、銅合金、アルミニウム及びアルミニウム合金から選択される少なくとも1種の金属を有する導体の素材線材を伸線又は圧延加工により所定の線径となるまで加工する加工工程。
(B2)上記金属を有する線材にFeを含む鉄系材料をめっきして、この線材の外周に磁性体層を形成するめっき工程。
第2の製造方法では、加工工程とめっき工程の順序は問わない。つまり、導体の素材線材を所定の線径となるまで加工した後、加工された線材(導体)に鉄系材料をめっきしてもよいし、導体の素材線材に鉄系材料をめっきした後、導体の素材線材を所定の線径となるまで加工してもよい。
加工工程において、所定の線径となるまで加工を繰り返し行う場合は、必要に応じて、加工と加工の間に熱処理する中間熱処理工程を備えてもよい。また、加工工程の後、熱処理する最終熱処理工程を更に備えてもよい。熱処理の温度は例えば150℃以上900℃以下、熱処理の時間は例えば1秒以上10時間以下とすることが挙げられる。
めっき工程では、Feを含むめっき液に導体や素材線材といっためっき対象線材を浸漬して電着することにより、めっき対象線材の外周に鉄系材料をめっきする。例えばめっき液には、鉄をめっきする場合は、硫酸第1鉄を含有するめっき液、パーマロイをめっきする場合は、硫酸第1鉄及びスルファミン酸ニッケルを含有するめっき液を用いることが挙げられる。磁性体層の厚さ(磁性体層の面積比)は、例えば、めっき時間や電流密度を制御することにより、めっき対象線材の外周に形成する鉄系材料のめっき厚を変更したり、めっき後に加工する場合には更に加工度を調整したりすることで変えることができる。めっき工程の前には、前処理として、めっき対象線材の表面を酸洗浄したり、脱脂処理したりすることが好ましい。脱脂処理は、例えば、水酸化ナトリウムや炭酸ナトリウムなどを含有するアルカリ性の脱脂液に浸漬することにより行う。
上述の第1及び第2の製造方法において、絶縁層を形成する絶縁層形成工程を更に備えてもよい。絶縁層形成工程によって、上述したような、導体の外周に絶縁層を備えるコイル用線材を製造できる。絶縁層の形成は、例えば、絶縁性樹脂を塗布した後、焼き付けることにより行う。
[実施例1]
無酸素銅からなる銅線を用意し、銅線の外周表面に嵌合法又はめっき法により鉄系材料を被覆した表1に示すコイル用線材の試料No.1−1〜1−16及び111,112を作製した。
(嵌合法)
試料No.1−1〜1−7,1−15及び111は、無酸素銅からなる銅線の表面に表1に示す材質の鉄系材料を嵌合によって被覆して磁性体層を形成した。用意した鉄系材料(以下のパイプ)はいずれも、酸素含有量が10ppm以下、水素含有量が5ppm以下である。各含有量の測定には、不活性ガス融解−赤外線吸収法を用いる(後述するめっき法、実施例2も同様)。具体的には、次のようにしてコイル用線材を作製した。まず、直径φ11.5mmの銅線と内径が12mmの鉄系材料のパイプとを用意し、銅線を鉄系材料のパイプの中に挿通して配置し、準備材を作製した。次に、この準備材を孔径が11mmの伸線ダイスに通して伸線加工することにより締め付けて、複合材を作製した。次いで、この複合材を伸線や圧延加工により、表1に示す形状・寸法となるまで加工した。加工工程では、所定の形状・寸法となるまで伸線又は圧延を繰り返す場合は、伸線又は圧延後に中間熱処理を行い、加工と熱処理とを繰り返し行った。そして、表1に示す丸線や平角線のコイル用線材に加工した後、最終熱処理を行い、更に、線材の表面にポリアミドイミド樹脂の絶縁塗料を塗布、焼き付けして、最外周に厚さ50μmの絶縁層を形成した。以上のようにして、導体(銅線)の外周表面に鉄系材料からなる磁性体層を備え、更に磁性体層の外周に絶縁層を備えるコイル用線材を作製した。表1に示す珪素鋼のSiの含有量は6質量%、パーメンジュールのCoの含有量は49質量%である。
各試料のコイル用線材において、用意する各鉄系材料のパイプの肉厚を異ならせて、磁性体層の厚さ及び面積比を調整した。パイプの肉厚は、0.07mm〜1.0mm程度である。各試料のコイル用線材の作製に際し、用意したパイプの肉厚を表1に示す。
(めっき法)
試料No.1−8〜1−14,1−16及び112は、無酸素銅からなる銅線の表面に表1に示す材質の鉄系材料をめっきによって被覆して磁性体層を形成した。具体的には、次のようにしてコイル用線材を作製した。まず、直径φ8mmの銅線を用意し、この銅線を伸線や圧延加工により、所定の形状・寸法となるまで加工した。加工工程では、所定の形状・寸法となるまで伸線又は圧延を繰り返す場合は、伸線又は圧延後に中間熱処理を行い、加工と熱処理とを繰り返し行った。銅線を丸線や平角線に加工した後、脱脂処理と酸洗浄とを行い、その後、銅線の表面に表1に示す材質の鉄系材料をめっきして磁性体層を形成することで、表1に示す形状・寸法を有するコイル用線材を作製した。形成した鉄系材料(めっき層)はいずれも、酸素含有量が10ppm以下、水素含有量が5ppm以下である。更に、表1に示す丸線や平角線のコイル用線材に最終熱処理を施した後、線材の表面にポリアミドイミド樹脂の絶縁塗料を塗布、焼き付けして、最外周に厚さ50μmの絶縁層を形成した。以上のようにして、導体(銅線)の外周表面に鉄系材料からなる磁性体層を備え、更に磁性体層の外周に絶縁層を備えるコイル用線材を作製した。
脱脂処理では、水酸化ナトリウム及び炭酸ナトリウムを含有し、界面活性剤を添加したアルカリ性の脱脂液中に銅線を浸漬し、通電することにより電解脱脂を行った。酸洗浄には、硫酸水溶液を使用した。めっき工程では、鉄をめっきする場合は、硫酸水溶液に硫酸第1鉄を溶解しためっき液を用い、パーマロイをめっきする場合は、硫酸水溶液に硫酸第1鉄及びスルファミン酸ニッケルを溶解しためっき液を用いた。各試料のコイル用線材において、めっき時間を変えることで、磁性体層の厚さ及び面積比を調整した。
試料No.1−15及び1−16では、最終熱処理の温度を600℃以上とし、その他の試料では、最終熱処理の温度を200℃〜500℃として、導体の平均結晶粒径を調整した。
試料No.1−1〜1−16及び111,112について、以下の評価を行った。
(形状の測定)
各試料のコイル用線材の横断面を光学顕微鏡で観察し、撮影した顕微鏡写真から、コイル用線材(但し、絶縁層は除く)の寸法や磁性体層の厚さtを測定した。コイル用線材の寸法は、丸線については直径φ、平角線については短辺の長さ(厚さ)×長辺の長さ(幅)で表す。そして、コイル用線材の寸法からコイル用線材の断面積を求めた。磁性体層の厚さtは、磁性体層の全周に亘って測定した厚さの平均値とした。ここでは、磁性体層の周方向に等間隔に16点以上測定した厚さの平均値とした。また、コイル用線材の断面積(絶縁層は除く)に対する磁性体層の断面積の比率(面積比)を求めた。コイル用線材の形状、寸法及び断面積、並びに、磁性体層の材質、厚さ及び面積比を表1に示す。なお、導体(銅線)の寸法は、コイル用線材から磁性体層の厚さ分を差し引いて求めることができる。面積比は、例えば、顕微鏡写真を画像処理して、材質に基づいて導体及び磁性体層を抽出し、合計断面積と、磁性体層の断面積とをそれぞれ求めて算出することができる。画像処理には市販の処理装置を利用できる。
(飽和磁束密度の測定)
振動試料型磁力計(理研電子株式会社製,BHV−5)を用いて磁束密度−磁場曲線を測定し、各試料のコイル用線材の飽和磁束密度を求め、測定した値を用いて磁性体層の飽和磁束密度を求める。飽和磁束密度は、測定した磁化Mを、磁性体層の体積で除することで求められる。そして、求めた飽和磁束密度Bs、コイル用線材の最大幅w、磁性体層の厚さtを用いて、Bs×(t/w)を求めた。コイル用線材の最大幅wは、丸線の場合は直径、平角線の場合は長辺の長さ(幅)とした。飽和磁束密度及びBs×(t/w)を表1に示す。
(損失の測定)
図4に示す測定回路を構成し、この測定回路を用いて各試料のコイル用線材における損失を調べた。図4に示す測定回路100は、ギャップ111が形成されたC字状の磁性コア110と、磁性コア110に巻回された1次コイル121及び2次コイル122と、信号発生器131を有するB−Hアナライザ130とを備える。コイル用線材の損失の測定は、次のようにして行った。コイル用線材を短く切断した測定試料S(図4では、長径:短径=2:1の横断面楕円状のコイル用線材を例示する)を磁性コア110のギャップ111に挿入する。B−Hアナライザ130の信号発生器131から励磁信号を発生させ、増幅器132を介して1次コイル121に励磁電流iを流し、ギャップ111に交流磁界を発生させる。交流磁界の測定周波数、磁束密度を変えたときに抵抗133に流れる励磁電流iと2次コイル122の両端に生じた誘起電圧Vとを測定して得られる交流抵抗成分から、測定系の損失を求める。ここでは、各試料のコイル用線材における導体と材質・形状・サイズが同じで、磁性体層を有さない銅線のみからなる比較試料を用意し、同様にして各比較試料の損失も測定しておく。そして、各試料のコイル用線材の損失は、比較試料における損失を100として、これに対する相対値(%)で評価した。その結果を表1に示す。
(平均結晶粒径の測定)
各試料のコイル用線材の横断面をエッチングして導体断面の結晶組織を露出させ、結晶組織を光学顕微鏡で観察した。撮影した顕微鏡写真(倍率:25倍〜200倍)から、JIS H 0501(1986年)に規定された「伸銅品結晶粒度試験方法」に記載の切断法に基づいて平均結晶粒度を測定し、これを導体の平均結晶粒径とした。その結果を表1に示す。
(引張試験)
各試料のコイル用線材について、引張試験機(株式会社島津製作所製,AG−5000D)を用いて、チャック間距離250mm、クロスヘッド速度50mm/minの試験条件で引張試験を行い、応力−ひずみ曲線を測定して、降伏応力と破断伸び(伸び)とを求めた。但し、降伏応力は、降伏が顕著であった試料については降伏点の応力とし、明確な降伏点を示さない試料については0.2%耐力とした。その結果を表1に示す。
(密着性試験)
各試料のコイル用線材について、90°曲げ試験を行い、導体と磁性体層との密着性を調べた。具体的には、曲げた部分の縦断面(線材の中心を通り、曲げ部を平面で切断した断面)を光学顕微鏡で観察し、導体と磁性体層との境界での剥離の有無を調べた。曲げ試験の条件は、丸線については、曲げの曲率を直径の5倍とした。平角線については、幅方向に曲げる所謂エッジワイズ曲げとし、曲げの曲率を幅(長辺の長さ)の5倍とした。そして、剥離が認められなかった場合を「A」、剥離が認められた場合を「B」とした。その結果を表1に示す。
Figure 2016046522
表1の結果から、磁性体層の面積比が3%以上を満たす試料No.1−1〜1−16は、損失が80%以下であり、外部からの交流磁界によって導体に発生する損失を大幅に低減できていることが分かる。特に、Bs×(t/w)≧0.01Tを満たすと、上記損失を十分に低減できて好ましい。これに対し、磁性体層の面積比及びBs×(t/w)が上記要件を満たさない試料No.111,112は、損失が80%超であり、導体に発生する損失を十分に低減できていない。
図5は、表1の結果に基づいて、横軸に「Bs×(t/w)(T)」、縦軸に「損失(%)」をとり、Bs×(t/w)と損失との関係をプロットしたグラフである。図5に示すグラフから、Bs×(t/w)の値が大きいほど、導体の損失を抑制する効果が高くなる傾向が見られる。
更に、試料No.1−1〜1−14と試料No.1−15及び1−16との比較結果から、導体の平均結晶粒径が200μm以下の試料は、降伏応力が70MPa以上で、破断伸びが10%以上であり、より優れた機械的特性を有していることが分かる。
試料No.111の密着性試験の結果から、磁性体層の材質にもよるが、磁性体層の厚さが薄い(磁性体層の面積比が小さい)場合は、磁性体層の密着性が劣り、磁性体層が剥離し易いと考えられる。
[実施例2]
上述の実施例1と同様にし、無酸素銅からなる銅線に、嵌合法により種々の組成の鉄系材料を被覆したコイル用線材を作製し、実施例1と同様にして、組織観察、損失の測定、機械的特性の測定などを行った。その結果を表2に示す。
ここでは、鉄系材料として、表2に示す炭素鋼、珪素鋼、パーマロイ、鉄系アモルファス合金、パーメンジュールを用いた。珪素鋼、鉄系アモルファス合金についてはSiの含有量、パーメンジュールについてはCoの含有量を表2に示す(いずれも質量%)。炭素鋼とパーマロイとはいずれも、実質的にSi及びCoを含んでおらず、Si及びCoは不可避的不純物レベルである。これらの鉄系材料(以下のパイプ)はいずれも、酸素含有量が10ppm以下、水素含有量が5ppm以下である。
試料の作製手順の概略は以下の通りである。直径φ11.5mmの銅線と、上述の鉄系材料からなり、内径12mm、適宜な肉厚のパイプとを用いて作製した準備材を伸線して複合材とし、複合材に伸線や圧延加工、適宜中間熱処理を行って、表2に示す形状、大きさ(長径、短径)の線材を得た。形状が楕円である線材は、楕円用の伸線ダイスを用いて伸線加工を行うことで作製した。得られた線材に最終熱処理を施した後、ポリアミドイミド樹脂からなる絶縁層(厚さ50μm)を形成した。以上のようにして、導体(銅線)の外周表面に鉄系材料からなる磁性体層を備え、更に磁性体層の外周に絶縁層を備えるコイル用線材を作製した。
得られた各試料のコイル用線材について、実施例1と同様にして、各線材の長辺の長さ(最大幅w、mm)及び短辺の長さ(mm)、磁性体層の平均厚さt、飽和磁束密度Bs(T)、損失(%)、平均結晶粒径(μm)、降伏応力(又は0.2%耐力、MPa)、破断伸び(%)を測定した。また、測定値を利用して、コイル用線材の断面積(絶縁層を除く)、この断面積に対する磁性体層の断面積の比率(面積比、%)、Bs×(t×w)を求めた。表1に示す長辺の長さ及び短辺の長さは絶縁層を除く値である。
ここでは、損失の測定の測定にあたり、実施例1(図4に示す横長配置)とは測定試料Sの配置状態を異ならせた。詳しくは、測定試料Sの長辺が、磁性コア110に流れる磁束方向(図4では上下方向)に平行して縦長に配置されるように、測定試料Sをギャップ111に挿入して測定した。
更に、得られた各試料のコイル用線材について、磁性体層の比抵抗(μΩ・cm)を測定した。比抵抗の測定は、四端子法を利用した。測定用の試験片は、上述の鉄系材料からなるパイプから切り出した長さ150mmのリボンを用いた。コイル用線材の磁性体層から試験片を切り出してもよい。
Figure 2016046522
表2に示すように、試料No.2−1〜2−11,2−31〜2−42はいずれも、磁性体層の面積比が3%以上40%以下を満たすことで、低損失であることが分かる。ここでは、いずれの試料もBs×(t/w)≧0.01Tを満たしていることからも、低損失である。具体的には、上記の試料はいずれも、磁性体層を有さない比較試料に比べて、損失が50%程度以下であり、多くの試料は25%程度以下である。また、いずれの試料も導体の平均結晶粒径が200μm以下、降伏応力が60MPa以上であり(多くの試料は70MPa以上)、破断伸びが5%以上であり(多くの試料は10%以上)、機械的特性にも優れることが分かる。
そして、表2に示すように磁性体層を構成する鉄系材料がSiを多めに含む又はCoを多めに含むという条件を満たすことで、双方の条件を満たさない場合に比較して、より低損失であることが分かる。具体的には、鉄系材料がSiを0.5質量%以上含む珪素鋼では、損失が20%以下、更に15%程度以下であり、鉄系材料がCoを40質量%以上含むパーメンジュールでは、損失が10%以下である。
また、表2に示すように磁性体層の比抵抗が高く、かつ飽和磁束密度Bsが高いことで、少なくとも一方が低い場合よりも、より低損失であることが分かる。具体的には、磁性体層の比抵抗が20μΩ・cm以上、かつ飽和磁束密度Bsが1.5T以上を満たす試料No.2−2,2−4〜2−10,2−32〜2−36,2−42はいずれも、損失が20%以下である。比抵抗が大きいほど、また飽和磁束密度が高いほど、損失が小さく、15%以下、更には10%以下を満たす試料がある。
このことから、鉄系材料の組成を調整して、比抵抗及び飽和磁束密度が高いもので磁性体層を構成することで、外部からの交流磁界によって発生する損失を大幅に低減できることが分かる。この理由は、磁性体層に磁束が集中して流れるものの、飽和磁束密度が高いことで磁性体層の磁気飽和を抑制して、導体に鎖交し得る磁束を効果的に遮蔽できて、導体の損失を低減できたため、かつ磁性体層の比抵抗が高いことで、磁性体層自体に渦電流を生じ難くでき、磁性体層の損失をも低減できたため、と考えられる。
本発明のコイル用線材は、モータ、リアクトル、トランス(変圧器)、IHヒータ(誘導加熱装置)などのコイルに好適に利用できる。
10 コイル用線材
11 導体
12,12A,12B,12C 磁性体層
13,13A,13B 絶縁層
100 測定回路
S 測定試料(コイル用線材)
110 磁性コア 111 ギャップ
121 1次コイル 122 2次コイル
130 B−Hアナライザ
131 信号発生器 132 増幅器
133 抵抗

Claims (6)

  1. 銅、銅合金、アルミニウム及びアルミニウム合金から選択される少なくとも1種の金属を有し、断面積が0.4mm以上である導体と、
    Feを含む鉄系材料を有し、前記導体の外周に形成された磁性体層と、を備え、
    前記導体と前記磁性体層とを合わせた断面積に対する前記磁性体層の断面積の比率が3%以上40%以下であるコイル用線材。
  2. 前記磁性体層の飽和磁束密度をBs、前記コイル用線材の最大幅をw、前記磁性体層の厚さをtとするとき、Bs×(t/w)≧0.01Tを満たす請求項1に記載のコイル用線材。
  3. 前記導体の平均結晶粒径が200μm以下である請求項1又は請求項2に記載のコイル用線材。
  4. 降伏応力が60MPa以上で、破断伸びが5%以上である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のコイル用線材。
  5. 前記鉄系材料は、Siを0.5質量%以上含む又はCoを40質量%以上含む請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のコイル用線材。
  6. 前記磁性体層の飽和磁束密度が1.5T以上、かつ前記磁性体層の比抵抗が20μΩ・cm以上である請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のコイル用線材。
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