JP2016046239A - バックライトユニットおよび液晶表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】波長変換層を備えるローカルディミング制御可能なバックライトユニットを有する液晶表示装置において、暗く表示すべき部分の色味付きを低減するための手段を提供すること。
【解決手段】反射部材および光源を少なくとも含む発光部と、拡散部材および導光部材からなる群から選ばれる少なくとも一つの部材と、波長変換層と、を含み、発光部と波長変換層との間に、波長変換層側斜め方向から入射する斜め入射光の直線透過率を低減する機能を有する光制御層を更に含むローカルディミング制御可能なバックライトユニット。このバックライトユニットを含む液晶表示装置。
【選択図】なし

Description

本発明は、バックライトユニット、およびこのバックライトユニットを備えた液晶表示装置に関する。
液晶表示装置(以下、LCD(Liquid Crystal Display)とも言う)などのフラットパネルディスプレイは、消費電力が小さく、省スペースの画像表示装置として年々その用途が広がっている。液晶表示装置は、少なくともバックライトユニットと液晶セルとから構成され、通常、更に、バックライト側偏光板、視認側偏光板、等の部材が含まれる。
バックライトユニットとしては、光源として、白色LED(Light-Emitting Diode)等の白色光源を含むものが広く用いられている。これに対し近年、白色光源に代えて、例えば青色LEDのような光源から発光された光と、光源から出射された光により励起され蛍光を発光する蛍光体を含む、光源とは別部材として配置された波長変換層からの発光とにより、白色光を具現化する新たなバックライトユニットが提案されている(特許文献1参照)。
また、バックライトユニットの駆動制御に関しては、表示面に表示する画像に応じて出射光を局所的に消光または減光する、ローカルディミング(Local dimming)制御と呼ばれる技術が提案されている(特許文献2、3参照)。
特開2008−41706号公報 特開2004−212503号公報 特開2012−199041号公報
特許文献1に記載されているバックライトユニットでは、より詳しくは、例えば、以下のように白色光が具現化される。
光源から出射された光が、この光の光路上に配置された波長変換層に入射する。波長変換層に入射した光の中で、蛍光体に当たった光は蛍光体を励起させ、蛍光体に当たらずに波長変換層を通過した光は波長変換層の外に出射される(光源由来の出射光)。
また、励起された蛍光体は、入射光とは異なる波長の光(蛍光)を発光する。蛍光体として、例えば黄色光を発光する蛍光体(黄色蛍光体)を用いれば黄色光が波長変換層から出射し、緑色光を発光する蛍光体(緑色蛍光体)を用いれば緑色光が出射し、赤色光を発光する蛍光体(赤色蛍光体)を用いれば赤色光が出射する。こうして波長変換層から、光源由来の出射光とは波長の異なる出射光(更なる出射光)を得ることができる。例えば、光源由来の出射光と更なる出射光とが混色されることにより、白色光が具現化される。各色光の混色に関して、例えば特許文献1の段落0033には、光源由来の出射光としての青色光と、更なる出射光としての黄色光、更なる出射光としての黄色光および赤色光、または更なる出射光としての緑色光および赤色光と、を混色することにより白色光を具現化することが提案されている。このように波長変換層に含まれる蛍光体からの発光を含む各色光を混色して白色光を具現化することは、液晶表示装置の表示面における輝度(単位面積当たりの明るさの程度)の向上および色再現域の拡大に有効である。
一方、特許文献2、3に記載されているローカルディミング制御によれば、バックライトユニットから出射される光の中で、黒表示部分のように他の部分よりも暗く表示すべき部分に向けて出射される光を局所的に消光または減光すること(局所的な光量制御)により、暗く表示すべき部分の輝度を低下させることができる。これにより、暗く表示すべき部分と明るく表示すべき部分との明暗差を広げることができるため、液晶表示装置の表示面に表示される画像のコントラストを高める(鮮明な画像を表示する)ことが可能になる。また、局所的に消光または減光することにより、バックライトユニットの消費電力を低減することもできる。
以上説明した通り、波長変換層を備えるバックライトユニット、ローカルディミング制御可能なバックライトユニットは、それぞれ各種の利点を有する。
そこで本発明者らが、これら2つの技術を組み合わせてバックライトユニットを構成することを検討したところ、かかるバックライトユニットを備えた液晶表示装置では、暗く表示すべき部分が色味付く(例えば、暗く表示すべき部分の色座標が、明るく表示される部分の色座標から外れ、色味付きが生じる)現象が発生することが明らかとなった。このように意図せぬ色味付きは、表示される画像の画質低下の原因になるため、低減すべきである。
そこで本発明の目的は、波長変換層を備えるローカルディミング制御可能なバックライトユニットを有する液晶表示装置において、暗く表示すべき部分の色味付きを低減するための手段を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、以下のバックライトユニット:
反射部材および光源を少なくとも含む発光部と、
拡散部材および導光部材からなる群から選ばれる少なくとも一つの部材と、
波長変換層と、
を含み、
発光部と波長変換層との間に、波長変換層側斜め方向から入射する斜め入射光の直線透過率を低減する機能を有する光制御層を更に含む、ローカルディミング制御可能なバックライトユニット、
を新たに見出し、本発明を完成させた。
波長変換層とは、この層に入射した光とは波長の異なる光を出射する(波長変換する)ことができる層である。
上記の波長変換層側斜め方向とは、光制御層の波長変換層側表面に対して鉛直方向以外の方向を意味する。かかる方向から光制御層に入射した光の、この方向と平行な方向における透過率を、上記の直線透過率(以下、「斜め入射光直線透過率」ともいう。)と定義する。そして、斜め入射光直線透過率を低減する機能(以下、「斜め入射光直線透過率低減機能」とも記載する。)とは、光制御層があることにより、光制御層がない場合と比べて、斜め入射光直線透過率を5%以上低減する機能をいう。斜め入射光直線透過率を低減することができれば、光制御層の光源側表面に対して鉛直方向以外の方向に出射する出射光(以下、「斜め出射光」とも記載する。)の光量を低減することができる。この点については、更に後述する。斜め入射光直線透過率は、一般的な分光光度計により測定することができる。分光光度計の一例としては、例えば、島津製作所製UV−3150を挙げることができる。斜め入射光直線透過率低減機能を測定する波長は、任意の波長であり、好ましくは430〜680nmの青色光〜赤色光の波長帯域にある1つ以上の波長である。この点についても、更に後述する。
また、ローカルディミング制御可能なバックライトユニットとは、このバックライトユニットが液晶表示装置に組み込まれたときに、液晶表示装置の表示面に表示する画像に応じて、バックライトユニットから液晶セルに向かって出射される出射光を局所的に消光または減光することが可能な制御機構(ローカルディミング制御機構)を有するバックライトユニットを意味するものとする。上記制御機構は、例えば、表示面において黒表示される部分の後方に位置する光源(例えばLED)を消灯するか、またはこの光源からの発光光量を他の光源の発光光量より下げることにより、ローカルディミング制御を行うことができる。詳細は後述する。
一態様では、光制御層は、光の干渉、散乱、屈折および反射からなる群から選ばれる1つ以上の作用により上記機能を示す層である。
一態様では、光制御層は、反射偏光子である。ここで反射偏光子とは、あらゆる方向に振動しながら入射する光のうち、特定の偏光方向に振動する光のみ透過させ、他の偏光方向に振動する光は反射する偏光子をいうものとする。
一態様では、反射偏光子は、コレステリック液晶性を有するポリマー層である。
一態様では、反射偏光子は、屈折率の異なる層が複数積層された多層膜である。
一態様では、光制御層は、光散乱層である。
一態様では、光散乱層は、異方性光散乱層である。
一態様では、光制御層は、発光部側の表面に凹凸形状を有するプリズム層である。
一態様では、光源は、単一ピークの光を発光する光源である。
一態様では、光源は、青色光を発光する青色光源である。
一態様では、波長変換層は、励起光により励起され蛍光を発光する蛍光体を含む。
一態様では、波長変換層は、少なくとも、励起光により励起され赤色光を発光する蛍光体および励起光により励起され緑色光を発光する蛍光体を含む。
一態様では、上記蛍光体は、量子ドットである。
一態様では、上記バックライトユニットは、拡散部材および導光部材からなる群から選ばれる少なくとも一つの部材として、少なくとも拡散部材を含み、拡散部材と波長変換層との間に、光制御層を有する。
一態様では、上記バックライトユニットは、拡散部材および導光部材からなる群から選ばれる少なくとも一つの部材として、少なくとも拡散部材を含み、拡散部材と発光部との間に、光制御層を有する。
一態様では、上記バックライトユニットは、直下型バックライトユニットである。
本発明の更なる態様は、上記バックライトユニットと、液晶セルと、を少なくとも含む液晶表示装置に関する。
本発明によれば、波長変換層を備えるローカルディミング制御可能なバックライトユニットを有する液晶表示装置において、黒表示部分のように暗く表示すべき部分の色味付きを低減することが可能となる。
図1は、本発明の一態様にかかるバックライトユニットを含む液晶表示装置の一部構成を示す説明図である。 色味付きの発生原因に関する本発明者らによる推察の説明図である。 図3は、波長変換部材の製造装置の一例の概略構成図である。 図4は、図3に示す製造装置の部分拡大図である。 図5は、本発明の一態様にかかる液晶表示装置の一例を示す。
以下の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。なお、本発明および本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
また、本発明および本明細書中、ピークの「半値幅」とは、ピーク高さ1/2でのピークの幅のことを言う。また、430〜480nmの波長帯域に発光中心波長を有する光を青色光と呼び、520〜560nmの波長帯域に発光中心波長を有する光を緑色光と呼び、600〜680nmの波長帯域に発光中心波長を有する光を赤色光と呼ぶ。
また、角度(例えば「90°」等の角度)、およびその関係(例えば「直交」、「平行」等)については、本発明が属する技術分野において許容される誤差の範囲を含むものとする。例えば、厳密な角度±10°未満の範囲内であることなどを意味し、厳密な角度との誤差は、5°以下であることが好ましく、3°以下であることがより好ましい。
[バックライトユニット]
本発明の一態様は、
反射部材および光源を少なくとも含む発光部と、
拡散部材および導光部材からなる群から選ばれる少なくとも一つの部材と、
波長変換層と、
を含み、
発光部と波長変換層との間に、波長変換層側斜め方向から入射する斜め入射光の直線透過率を低減する機能を有する光制御層を更に含む、ローカルディミング制御可能なバックライトユニット、
に関する。
以下は、本発明を何ら限定するものではないが、上記バックライトユニットにより、先に記載した、暗く表示すべき部分における色味付きの低減が可能となる理由について、以下のように推察している。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、色味付きの発生原因は、下記(1)、(2)の一方または両方にあるのではないかと考えるに至った。
(1)波長変換層は、好ましくは蛍光体を含む。蛍光体は、通常、等方的に光を発光する性質を有する。そのため、波長変換層から発光された光の一部は、液晶表示装置の表示面側ではなく、発光部側にも出射される。こうして波長変換層から発光部側に向けて出射された光は、発光部に含まれる反射部材により反射され、戻り光として表示面側に戻される。例えば、光源から出射される青色光と波長変換層において発光される緑色光および赤色光との混色により白色光を具現化するバックライトユニットを有する液晶表示装置では、こうして表示面側に戻される戻り光は、例えば波長変換層における発光による緑色光と赤色光とが混色された黄色光である。このような戻り光が表示面の暗く表示すべき部分に入射することが、暗く表示すべき部分が色味付く(例えば黄色に色味付く)ことの原因になり得ると、本発明者らは考えている。
以上の発生原因に関する本発明者らによる推察の説明図を、図2に示す。図2には、反射板(反射部材)111、光源112a、112bを含む発光部101および波長変換層113を含むバックライトユニット100、液晶パネル114が示されている。明るく表示すべき部分は114a、暗く表示すべき部分は114bである。波長変換層113には、蛍光体1000が含まれている。なお図2では、明るく表示すべき部分、暗く表示すべき部分、および蛍光体を、それぞれ1つのみ、光源は2つのみ示しているが、あくまでも説明の便宜のためであり、本発明を何ら限定するものではない。各層や構成部材の厚みや形状についても同様であり、図2に示す態様に本発明は何ら限定されるものではない。また、図2には、液晶表示装置に通常含まれる各種部材(例えば、液晶セル、偏光板、拡散板(拡散部材)、導光板(導光部材)等)は省略し示していない。光源112a、112bのうち、光源112bは、暗く表示すべき部分114bの背面に位置する光源であり、ローカルディミング制御機構(図示せず)により消灯されているか、または光源112aよりも発光光量が低減されている。蛍光体1000は、光源112aからの発光により励起され蛍光を発光する。模式的に、蛍光体1000が等方的に発光することが細矢印で、発光部側に出射される出射光および反射板111により反射される戻り光が太矢印で示されている。図2に示すように、蛍光体1000が発光し発光部101側に出射された光1001が反射板111により反射された戻り光1002が、液晶パネル114の暗く表示すべき部分114bに入射することが、先に記載したように暗く表示すべき部分における色味付きの発生原因であると考えられる。なお図2には、説明の便宜のために蛍光体は1つのみ示しているが、異なる発光特性を有する2種の蛍光体(例えば緑色蛍光体、赤色蛍光体)を含む波長変換層113を有する態様でも、先に説明したように、混色による色味付きが発生すると、本発明者らは推察している。
(2)光源から出射された光(例えば青色光)は、波長変換層や、波長変換層の出射側に任意に輝度向上等のために設けられる各種の部材(例えばプリズムシート)によって発光部側に反射または後方散乱され得る。このような光が、上記(1)と同様に発光部に含まれる反射部材により反射されて戻り光として(換言すると、いわゆる迷光(stray light)となり)波長変換層に入射し、表示面の暗く表示すべき部分の後方で波長変換層の蛍光体を励起させ蛍光を発光させることも、暗く表示すべき部分が色味付く(例えば、上記迷光により励起された緑色蛍光体および赤色蛍光体が発光した蛍光の混色による黄色に色味付く)ことの原因になり得ると、本発明者らは考えている。
そこで本発明者らは更に鋭意検討を重ねた結果、発光部と波長変換層との間に、光制御層を設けた上記バックライトユニットを新たに見出した。かかるバックライトユニットにより、先に記載した、暗く表示すべき部分における色味付きの低減が可能になる理由は、光制御層により上述の戻り光の光量を低減することが可能になるためであると、本発明者らは考えている。より詳しくは、一例に関して、図面に基づき以下に説明する。
図1は、本発明の一態様にかかるバックライトユニットを含む液晶表示装置の一部構成を示す説明図である。図中の符号および各構成要素については、特記しない限り、図2と同様である。
図2と図1との違いは、光制御層120の有無である。蛍光体1000から発光された蛍光の中で、発光部101側に出射された光(斜め入射光)1001は、光制御層120なしでは、図2に示すように、戻り光1002をもたらすが、先に記載した機能を有する光制御層120により、斜め出射光2001の光量が、光制御層120がない場合と比べ低減される。したがって、戻り光1002の光量も低減することができる。このことが、上記(1)を発生原因として暗く表示すべき部分において色味付きが発生することを抑制できる理由と、本発明者らは考えている。
また、本発明者らは、光制御層が、光源から出射された光が波長変換層側から発光部側に向かって斜め方向に反射または後方散乱する光量を低減することが、上記の迷光の光量を低減することに寄与すると推察している。そしてその結果、上記(2)を発生原因として暗く表示すべき部分において色味付きが発生することを抑制することが可能になると、本発明者らは考えている。
ただし、以上の記載は本発明者らによる推察を含むものであり、本発明を何ら限定するものではない。
以下、上記バックライトユニットについて、更に詳細に説明する。
<1.発光部、拡散部材、導光部材>
発光部は、反射部材および光源を少なくとも含む。また、バックライトユニットでは、通常、発光部の出射側(液晶パネル側)に、拡散部材および導光部材からなる群から選択される一つ以上の部材が配置される。バックライトユニットは、発光部の構成により、直下型とエッジライト型とに分類される。直下型バックライトユニットは、通常、反射部材と、反射部材上に配置された複数の光源と、光源から発光された光を拡散し出射する拡散部材(通常、拡散板、拡散シート等と呼ばれる。)と、を少なくとも含む。一方、エッジライト型バックライトユニットでは、通常、導光部材(通常、導光板と呼ばれる。)の側面側に光源が配置され、導光部材の出射面側とは反対に反射部材が配置される。更に、導光部材の出射面側に、拡散部材が配置されることもある。
上記バックライトユニットにおける発光部、拡散部材、導光部材については、例えば、特許3416302号、特許3363565号、特許4091978号、特許3448626号に記載の構成等、公知の構成を何ら制限なく採用することができる。光源については、詳細は後述する。
<2.ローカルディミング制御機構>
上記バックライトユニットは、ローカルディミング制御可能なものであり、そのための制御機構(ローカルディミング制御機構)を含む。ローカルディミング制御機構は、例えば、表示面に表示される画像に関する情報を受信し、受信した情報に応じたローカルディミング信号を生成するローカルディミング信号生成手段、ローカルディング信号生成手段からのローカルディミング信号を受信し、受信したローカルディング信号に基づき光源の局所的な光量制御(例えば、直下型バックライトユニットにおいて一部の光源を消灯)する局所的光量制御手段等、公知のローカルディミング制御機構に含まれる各種構成を備えることができる。それらについて、例えば直下型バックライトユニットにおけるローカルディミング制御機構については、特許第4914481号、特開2004−212503号公報等、エッジライト型バックライトユニットにおけるローカルディミング制御機構については、特開2012−199041号公報等の、公知技術を参照することができる。ローカルディミング制御の容易性の観点からは、複数の光源の一部を消灯または光量低減することによりローカルディミング制御が可能となるため、直下型バックライトユニットが好ましい。
<3.波長変換層>
(3−1.蛍光体)
波長変換層は、好ましくは、蛍光体を少なくとも一種含む。蛍光体は、励起光により励起され蛍光を発光することができ、例えば、光源から発光され波長変換層に入射する光により励起され蛍光を発光する。蛍光体は、励起光とは異なる波長の蛍光を発光する(波長変換する)ことができるため、波長変換層は、入射光とは異なる波長の光を出射することができる。
上記発光部に含まれる光源は、一態様では、単一ピークの光を発光する光源である。ここで単一ピークの光を発光するとは、発光スペクトルに、白色光源のように2つ以上のピークが出現するのではなく、発光中心波長を発光極大とするピークが1つのみ存在することを意味する。一態様では、そのような光源から出射される単色光を、波長変換層の蛍光体から発光される他の色の光と混色することにより、白色光を具現化することができる。具体的な一態様では、光源として、430nm〜480nmの波長帯域に発光中心波長を有する青色光を発光するもの、例えば、青色光を発光する青色発光ダイオード(青色LED)を用いることができる。青色光を発光する光源を用いる場合、波長変換層に、少なくとも、励起光により励起され緑色光を発光する蛍光体と、赤色光を発光する蛍光体が含まれることが好ましい。これにより、光源から発光され波長変換層を通過した青色光と、波長変換層から発光される緑色光および赤色光により、白色光を具現化することができる。
または他の態様では、光源として、300nm〜430nmの波長帯域に発光中心波長を有する紫外光を発光するもの、例えば、紫外線発光ダイオードを用いることができる。この場合、波長変換部材には、励起光により励起され緑色光を発光する蛍光体、励起光により励起され赤色光を発光する蛍光体とともに、励起光により励起され青色光を発光する蛍光体が含まれることが好ましい。これにより、波長変換層から発光される青色光、緑色光および赤色光により、白色光を具現化することができる。
また他の態様では、発光ダイオードに替えてレーザー光源を使用することもできる。
また、別の一態様では、発光スペクトルに2つ以上のピークが出現する光源が用いられる場合もある。そのような光源としては、例えば、上述した単一ピークの光を発光する光源に、付随的に蛍燐光体を加えてより長波域の発光帯を付与した光源が挙げられる。具体例としては、青色光を発光する発光素子に微量の黄色蛍光体を組合せることにより青色光と黄色光とを発光する光源(例えばLED)等が例示される。
このように各色光を混色することにより白色光を具現化するバックライトユニットにおいて、ローカルディミング制御を行うと暗く表示すべき部分が色味付く点に関する本発明者らによる推察は、先に記載した通りである。このような色味付きを、発光部と波長変換層との間に光制御層を配置することにより、低減することができる。光制御層の詳細については、後述する。
蛍光体としては、励起光により励起され蛍光を発光するものであれば、何ら制限なく用いることができる。蛍光体は、有機蛍光体であっても無機蛍光体であってもよく、これらの一種以上を用いることができる。無機蛍光体としては、酸化物蛍光体、硫化物蛍光体、希土類蛍光体、量子ドット蛍光体、量子ロッド蛍光体等を挙げることができる。各種蛍光体の中で、量子ドットは、色再現性の向上等の点で優れると言われており、上記波長変換層に含まれる蛍光体として好ましい。量子ドット(Quantum Dot、QD、量子点とも呼ばれる。)は、例えば、ナノオーダーのサイズを有する半導体結晶(半導体ナノ結晶)粒子、または半導体ナノ結晶表面が有機リガンドで修飾された粒子、もしくは半導体ナノ結晶表面がポリマー層で被覆された粒子である。量子ドットの発光波長は、通常、粒子の組成、サイズ、ならびに組成およびサイズにより調整することができる。量子ドットは、公知の方法で合成することができ、また市販品としても入手可能である。詳細については、例えばUS2010/123155A1、特表2012−509604号公報、米国特許第8425803号、特開2013−136754号公報、WO2005/022120、特表2006−521278号公報、特表2010−535262号公報、特表2010−540709号公報等を参照できる。
(3−2.波長変換層の作製方法)
以上記載した蛍光体は、波長変換層において、通常、マトリックス中に含まれる。マトリックスは、通常、重合性組成物を光照射等により重合させた重合体(有機マトリックス)である。波長変換部材の形状は特に限定されるものではない。例えば、波長変換層は、そのままでバックライトユニットに含まれていてもよく、後述するバリアフィルム等の一層以上の他の層との積層体(波長変換部材)として、上記バックライトユニットに含まれていてもよい。具体的には、蛍光体を含む重合性組成物(硬化性組成物)を適当な基材上に塗布し、次いで光照射等により硬化処理を施すことにより、波長変換層を得ることができる。
蛍光体は、波長変換層を形成するための重合性組成物(塗布液)に粒子の状態で添加してもよく、溶媒に分散した分散液の状態で添加してもよい。分散液の状態で添加することが、蛍光体の粒子の凝集を抑制する観点から、好ましい。ここで使用される溶媒は、特に限定されるものではない。蛍光体は、上記塗布液の全量100質量部に対して、例えば0.01〜10質量部程度添加することができる。
重合性組成物の調製に用いる重合性化合物は特に限定されるものではない。重合性化合物は、一種用いてもよく、二種以上を混合して用いてもよい。重合性組成物全量に占める全重合性化合物の含有量は、10〜99.99質量%程度とすることが好ましい。好ましい重合性化合物の一例としては、硬化後の硬化被膜の透明性、密着性等の観点からは、単官能または多官能(メタ)アクリレートモノマー、そのポリマー、プレポリマー等の単官能または多官能(メタ)アクリレート化合物を挙げることができる。なお本発明および本明細書において、「(メタ)アクリレート」との記載は、アクリレートとメタクリレートとの少なくとも一方、または、いずれかの意味で用いるものとする。「(メタ)アクリロイル」等も同様である。
単官能(メタ)アクリレートモノマーとしては、アクリル酸およびメタクリル酸、それらの誘導体、より詳しくは、(メタ)アクリル酸の重合性不飽和結合((メタ)アクリロイル基)を分子内に1個有するモノマーを挙げることができる。それらの具体例については、WO2012/077807A1段落0022を参照できる。
上記(メタ)アクリル酸の重合性不飽和結合((メタ)アクリロイル基)を1分子内に1個有するモノマーと共に、(メタ)アクリロイル基を分子内に2個以上有する多官能(メタ)アクリレートモノマーを併用することもできる。その詳細については、WO2012/077807A1段落0024を参照できる。また、多官能(メタ)アクリレート化合物として、特開2013−043382号公報段落0023〜0036に記載のものを用いることもできる。更に、特許第5129458号明細書段落0014〜0017に記載の一般式(4)〜(6)で表されるアルキル鎖含有(メタ)アクリレートモノマーを使用することも可能である。
多官能(メタ)アクリレートモノマーの使用量は、重合性組成物に含まれる重合性化合物の全量100質量部に対して、塗膜強度の観点からは、5質量部以上とすることが好ましく、組成物のゲル化抑制の観点からは、95質量部以下とすることが好ましい。また、同様の観点から、単官能(メタ)アクリレートモノマーの使用量は、重合性組成物に含まれる重合性化合物の全量100質量部に対して、5質量部以上、95質量部以下とすることが好ましい。
好ましい重合性化合物としては、エポキシ基、オキセタニル基等の開環重合可能な環状エーテル基等の環状基を有する化合物も挙げることができる。そのような化合物としてより好ましくは、エポキシ基を有する化合物(エポキシ化合物)を有する化合物を挙げることができる。エポキシ化合物については、特開2011−159924号公報段落0029〜0033を参照できる。
上記重合性組成物は、重合開始剤として、公知のラジカル重合開始剤やカチオン重合開始剤を含むことができる。重合開始剤については、例えば、特開2013−043382号公報段落0037、特開2011−159924号公報段落0040〜0042を参照できる。重合開始剤は、重合性組成物に含まれる重合性化合物の全量の0.1モル%以上であることが好ましく、0.5〜5モル%であることがより好ましい。
波長変換層は、以上記載した成分、および任意に添加可能な公知の添加剤を含む層であれば、形成方法は特に限定されるものではない。以上説明した成分、および必要に応じて添加される一種以上の公知の添加剤を、同時または順次混合して調製した組成物を、適当な基材上に塗布した後に光照射、加熱等の重合処理を施し重合硬化させることにより、マトリックス中に蛍光体を含む波長変換層を形成することができる。添加剤の使用量は特に限定されるものではなく、適宜設定可能である。また、組成物の粘度等のために、必要に応じて溶媒を添加してもよい。この場合に使用される溶媒の種類および添加量は、特に限定されるものではない。例えば溶媒として、有機溶媒を一種または二種以上混合して用いることができる。
上記重合性組成物を、適当な基材上に塗布し、必要に応じて乾燥させ溶媒を除去するとともに、その後、光照射等により重合硬化させて、波長変換層を得ることができる。塗布方法としてはカーテンコーティング法、ディップコーティング法、スピンコーティング法、印刷コーティング法、スプレーコーティング法、スロットコーティング法、ロールコーティング法、スライドコーテティング法、ブレードコーティング法、グラビアコーティング法、ワイヤーバー法等の公知の塗布方法が挙げられる。また、硬化条件は、使用する重合性化合物の種類や重合性組成物の組成に応じて、適宜設定することができる。
上記重合性組成物の重合処理は、どのような方法により行ってもよいが、一態様として、重合性組成物を2枚の基材間に挟持した状態で行うことができる。かかる重合処理を含む波長変換部材の製造工程の一態様を、図面を参照し以下に説明する。ただし、本発明は、下記態様に限定されるものではない。
図3は、波長変換部材の製造装置100の一例の概略構成図であり、図4は、図3に示す製造装置の部分拡大図である。図3、4に示す製造装置100を用いる波長変換部材の製造工程は、
連続搬送される第一の基材(以下、「第一のフィルム」とも記載する。)の表面に、蛍光体を含有する重合性組成物を塗布し塗膜を形成する工程と、
塗膜の上に、連続搬送される第二の基材(以下、「第二のフィルム」とも記載する。)をラミネートし(重ねあわせ)、第一のフィルムと第二のフィルムとで塗膜を挟持する工程と、
第一のフィルムと第二のフィルムとで塗膜を挟持した状態で、第一のフィルム、および第二のフィルムの何れかをバックアップローラに巻きかけて、連続搬送しながら光照射し、塗膜を重合硬化させて波長変換層(硬化層)を形成する工程と、
を少なくとも含む。第一の基材、第二の基材のいずれか一方として酸素や水分に対するバリア性を有するバリアフィルムを用いることにより、片面がバリアフィルムにより保護された波長変換部材を得ることができる。また、第一の基材および第二の基材として、それぞれバリアフィルムを用いることにより、波長変換層の両面がバリアフィルムにより保護された波長変換部材を得ることができる。
より詳しくは、まず、図示しない送出機から第一のフィルム10が塗布部20へと連続搬送される。送出機から、例えば、第一のフィルム10が1〜50m/分の搬送速度で送り出される。但し、この搬送速度に限定されない。送出される際、例えば、第一のフィルム10には、20〜150N/mの張力、好ましくは30〜100N/mの張力が加えられる。
塗布部20では、連続搬送される第一のフィルム10の表面に蛍光体を含有する重合性組成物(以下、「塗布液」とも記載する。)が塗布され、塗膜22(図4参照)が形成される。塗布部20では、例えば、ダイコーター24と、ダイコーター24に対向配置されたバックアップローラ26とが設置されている。第一のフィルム10の塗膜22の形成される表面と反対の表面をバックアップローラ26に巻きかけて、連続搬送される第一のフィルム10の表面にダイコーター24の吐出口から塗布液が塗布され、塗膜22が形成される。ここで塗膜22とは、第一のフィルム10上に塗布された重合処理前の塗布液をいう。
本実施の形態では、塗布装置としてエクストルージョンコーティング法を適用したダイコーター24を示したが、これに限定されない。例えば、カーテンコーティング法、エクストルージョンコーティング法、ロッドコーティング法またはロールコーティング法等、種々の方法を適用した塗布装置を用いることができる。
塗布部20を通過し、その上に塗膜22が形成された第一のフィルム10は、ラミネート部30に連続搬送される。ラミネート部30では、塗膜22の上に、連続搬送される第二のフィルム50がラミネートされ、第一のフィルム10と第二のフィルム50とで塗膜22が挟持される。
ラミネート部30には、ラミネートローラ32と、ラミネートローラ32を囲う加熱チャンバー34とが設置されている。加熱チャンバー34には第一のフィルム10を通過させるための開口部36、および第二のフィルム50を通過させるための開口部38が設けられている。
ラミネートローラ32に対向する位置には、バックアップローラ62が配置されている。塗膜22の形成された第一のフィルム10は、塗膜22の形成面と反対の表面がバックアップローラ62に巻きかけられ、ラミネート位置Pへと連続搬送される。ラミネート位置Pは第二のフィルム50と塗膜22との接触が開始する位置を意味する。第一のフィルム10はラミネート位置Pに到達する前にバックアップローラ62に巻きかけられることが好ましい。仮に第一のフィルム10にシワが発生した場合でも、バックアップローラ62によりシワがラミネート位置Pに達するまでに矯正され、除去できるからである。したがって、第一のフィルム10がバックアップローラ62に巻きかけられた位置(接触位置)と、ラミネート位置Pまでの距離L1は長い方が好ましく、例えば、30mm以上が好ましく、その上限値は、通常、バックアップローラ62の直径とパスラインとにより決定される。
本実施の形態では重合処理部60で使用されるバックアップローラ62とラミネートローラ32とにより第二のフィルム50のラミネートが行われる。即ち、重合処理部60で使用されるバックアップローラ62が、ラミネート部30で使用するローラとして兼用される。ただし、上記形態に限定されるものではなく、ラミネート部30に、バックアップローラ62と別に、ラミネート用のローラを設置し、バックアップローラ62を兼用しないようにすることもできる。
重合処理部60で使用されるバックアップローラ62をラミネート部30で使用することで、ローラの数を減らすことができる。また、バックアップローラ62は、第一のフィルム10に対するヒートローラとしても使用できる。
図示しない送出機から送出された第二のフィルム50は、ラミネートローラ32に巻きかけられ、ラミネートローラ32とバックアップローラ62との間に連続搬送される。第二のフィルム50は、ラミネート位置Pで、第一のフィルム10に形成された塗膜22の上にラミネートされる。これにより、第一のフィルム10と第二のフィルム50とにより塗膜22が挟持される。ラミネートとは、第二のフィルム50を塗膜22の上に重ねあわせ、積層することをいう。
ラミネートローラ32とバックアップローラ62との距離L2は、第一のフィルム10と、塗膜22を重合硬化させた波長変換層(硬化層)28と、第二のフィルム50と、の合計厚みの値以上であることが好ましい。また、L2は第一のフィルム10と塗膜22と第二のフィルム50との合計厚みに5mmを加えた長さ以下であることが好ましい。距離L2を合計厚みに5mmを加えた長さ以下にすることより、第二のフィルム50と塗膜22との間に泡が侵入することを防止することができる。ここでラミネートローラ32とバックアップローラ62との距離L2とは、ラミネートローラ32の外周面とバックアップローラ62の外周面との最短距離をいう。
ラミネートローラ32とバックアップローラ62の回転精度は、ラジアル振れで0.05mm以下、好ましくは0.01mm以下である。ラジアル振れが小さいほど、塗膜22の厚み分布を小さくすることができる。
また、第一のフィルム10と第二のフィルム50とで塗膜22を挟持した後の熱変形を抑制するため、重合処理部60のバックアップローラ62の温度と第一のフィルム10の温度との差、およびバックアップローラ62の温度と第二のフィルム50の温度との差は30℃以下であることが好ましく、より好ましくは15℃以下、最も好ましくは同じである。
バックアップローラ62の温度との差を小さくするため、加熱チャンバー34が設けられている場合には、第一のフィルム10、および第二のフィルム50を加熱チャンバー34内で加熱することが好ましい。例えば、加熱チャンバー34には、図示しない熱風発生装置により熱風が供給され、第一のフィルム10、および第二のフィルム50を加熱することができる。
第一のフィルム10が、温度調整されたバックアップローラ62に巻きかけられることにより、バックアップローラ62によって第一のフィルム10を加熱してもよい。
一方、第二のフィルム50については、ラミネートローラ32をヒートローラとすることにより、第二のフィルム50をラミネートローラ32で加熱することができる。
ただし、加熱チャンバー34、およびヒートローラは必須ではなく、必要に応じで設けることができる。
次に、第一のフィルム10と第二のフィルム50とにより塗膜22が挟持された状態で、重合処理部60に連続搬送される。図面に示す態様では、重合処理部60における重合処理は光照射により行われるが、塗布液に含まれる重合性化合物が加熱により重合するものである場合には、温風の吹き付け等の加熱により、重合処理を行うことができる。
バックアップローラ62と、バックアップローラ62に対向する位置には、光照射装置64が設けられている。バックアップローラ62と光照射装置64と間を、塗膜22を挟持した第一のフィルム10と第二のフィルム50とが連続搬送される。光照射装置により照射される光は、塗布液に含まれる光重合性化合物の種類に応じて決定すればよく、一例としては、紫外線が挙げられる。紫外線を発生する光源として、例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ等を用いることができる。光照射量は塗膜の重合硬化を進行させ得る範囲に設定すればよく、例えば、一例として100〜10000mJ/cmの照射量の紫外線を塗膜22に向けて照射することができる。
重合処理部60では、第一のフィルム10と第二のフィルム50とにより塗膜22を挟持した状態で、第一のフィルム10をバックアップローラ62に巻きかけて、連続搬送しながら光照射装置64から光照射を行い、塗膜22を硬化させて波長変換層(硬化層)28を形成することができる。
本実施の形態では、第一のフィルム10側をバックアップローラ62に巻きかけて、連続搬送したが、第二のフィルム50をバックアップローラ62に巻きかけて、連続搬送させることもできる。
バックアップローラ62に巻きかけるとは、第一のフィルム10および第二のフィルム50の何れかが、あるラップ角でバックアップローラ62の表面に接触している状態をいう。したがって、連続搬送される間、第一のフィルム10および第二のフィルム50はバックアップローラ62の回転と同期して移動する。バックアップローラ62へ巻きかけは、少なくとも紫外線が照射されている間であればよい。
バックアップローラ62は、円柱状の形状の本体と、本体の両端部に配置された回転軸とを備えている。バックアップローラ62の本体は、例えば、φ200〜1000mmの直径を有している。バックアップローラ62の直径φについて制限はない。カール変形と、設備コストと、回転精度とを考慮すると直径φ300〜500mmであることが好ましい。バックアップローラ62の本体に温度調節器を取り付けることにより、バックアップローラ62の温度を調整することができる。
バックアップローラ62の温度は、光照射時の発熱と、塗膜22の硬化効率と、第一のフィルム10と第二のフィルム50のバックアップローラ62上でのシワ変形の発生と、を考慮して、決定することができる。バックアップローラ62は、例えば、10〜95℃の温度範囲に設定することが好ましく、15〜85℃であることがより好ましい。ここでローラに関する温度とは、ローラの表面温度をいうものとする。
ラミネート位置Pと光照射装置64との距離L3は、例えば30mm以上とすることができる。
光照射により塗膜22は硬化層28となり、第一のフィルム10と硬化層28と第二のフィルム50とを含む波長変換部材70が製造される。波長変換部材70は、剥離ローラ80によりバックアップローラ62から剥離される。波長変換部材70は、図示しない巻取機に連続搬送され、次いで巻取機により波長変換部材70はロール状に巻き取られる。
以上、波長変換部材の製造工程の一態様について説明したが、本発明は上記態様に限定されるものではない。例えば、蛍光体を含む重合性組成物を基材上に塗布し、その上に更なる基材をラミネートすることなく、必要に応じて行われる乾燥処理の後、重合処理を施すことにより波長変換層(硬化層)を作製してもよい。作製された波長変換層には、一層以上の他の層を、公知の方法により積層することもできる。また、詳細を後述する光制御層を基材とすることも可能である。
波長変換層の総厚は、好ましくは1〜500μmの範囲であり、より好ましくは10〜120μmの範囲である。また、波長変換層は、二層以上の異なる発光特性を示す蛍光体を異なる層に含む積層構造であってもよく、二種以上の異なる発光特性を示す蛍光体を同一の層に含んでいてもよい。
(3−3.波長変換層と積層され得る層、支持体)
上記波長変換層は、波長変換層のみ、または波長変換層に加えて後述する支持体を有する積層体としてバックライトユニットに含まれていてもよい。または、波長変換層の少なくとも一方の主表面に、無機層および有機層からなる群から選ばれる少なくとも一層を有することもできる。そのような無機層および有機層としては、後述のバリアフィルムを構成する無機層および有機層を挙げることができる。
−支持体−
波長変換層を含む積層体(波長変換部材)は、強度向上、成膜の容易性等のため、支持体を有していてもよい。支持体は、波長変換層に隣接してまたは直接接する層として含まれていてもよく、後述のバリアフィルムの基材フィルムとして含まれていてもよい。波長変換部材において、支持体は、後述の無機層、および支持体がこの順となるように含まれていてもよく、波長変換層、後述の無機層、後述の有機層、および支持体がこの順となるように含まれていてもよい。有機層と無機層との間、二層の有機層の間、または二層の無機層の間に、支持体を配してもよい。また、支持体は、波長変換部材中に1つまたは2つ以上含まれていてもよく、波長変換部材は、支持体、波長変換層、支持体がこの順で積層された構造を有していてもよい。支持体としては、可視光に対して透明である透明支持体であることが好ましい。ここで可視光に対して透明とは、可視光領域における光線透過率が、80%以上、好ましくは85%以上であることをいう。透明の尺度として用いられる光線透過率は、JIS−K7105に記載された方法、すなわち積分球式光線透過率測定装置を用いて全光線透過率および散乱光量を測定し、全光線透過率から拡散透過率を引いて算出することができる。支持体については、特開2007−290369号公報段落0046〜0052、特開2005−096108号公報段落0040〜0055を参照できる。支持体の厚さは、ガスバリア性、耐衝撃性等の観点から、10〜500μmの範囲内、中でも20〜400μmの範囲内、特に25〜150μmの範囲内であることが好ましい。
支持体は上述の基材として用いることもできる。また、支持体は上述の第一のフィルムおよび第二のフィルムのいずれか、または双方に用いることもできる。第一のフィルムおよび第二のフィルムの双方が支持体であるとき、同一であっても異なっていてもよい。
−バリアフィルム−
波長変換部材は、バリアフィルムを含むことが好ましい。バリアフィルムとは、酸素を遮断するガスバリア機能を有するフィルムである。バリアフィルムが、水蒸気を遮断する機能を有していることも好ましい。
バリアフィルムは、波長変換層に隣接してまたは直接接する層として波長変換部材に含まれていることが好ましい。また、バリアフィルムは、波長変換部材中に1つまたは2つ以上含まれていてもよく、波長変換部材は、バリアフィルム、波長変換層、バリアフィルムがこの順で積層された構造を有していることが好ましい。
波長変換部材において、波長変換層はバリアフィルムを基材として形成されていてもよい。また、バリアフィルムは上述の第一のフィルムおよび第二のフィルムのいずれか、または双方に用いることもできる。第一のフィルムおよび第二のフィルムの双方がバリアフィルムであるとき、同一であっても異なっていてもよい。
バリアフィルムとしては、公知のいずれのバリアフィルムであってもよく、例えば以下に説明するバリアフィルムであってもよい。
バリアフィルムは、通常、少なくとも無機層を含んでいればよく、基材フィルムおよび無機層を含むフィルムであってもよい。基材フィルムについては、上記の支持体の記載を参照できる。バリアフィルムは、基材フィルム上に少なくとも一層の無機層1層と少なくとも一層の有機層を含むバリア積層体を含むものであってもよい。このように複数の層を積層することにより、より一層バリア性を高めることができる。他方、積層する層の数が増えるほど、波長変換部材の光透過率は低下する傾向があるため、良好な光透過率を維持し得る範囲で、積層数を増やすことが望ましい。具体的には、バリアフィルムは、可視光領域における全光線透過率が80%以上であり、かつ酸素透過度が1cm/(m・day・atm)以下であることが好ましい。ここで、上記酸素透過度は、測定温度23℃、相対湿度90%の条件下で、酸素ガス透過率測定装置(MOCON社製、OX−TRAN 2/20:商品名)を用いて測定した値である。また、可視光領域とは、380〜780nmの波長領域をいうものとし、全光線透過率とは、可視光領域にわたる光透過率の平均値を示す。
バリアフィルムの酸素透過度は、より好ましくは、0.1cm/(m・day・atm)以下、より好ましくは、0.01cm/(m・day・atm)以下である。可視光領域における全光線透過率は、より好ましくは90%以上である。酸素透過度は低いほど好ましく、可視光領域における全光線透過率は高いほど好ましい。
−無機層−
「無機層」とは、無機材料を主成分とする層であり、好ましくは無機材料のみから形成される層である。これに対し、有機層とは、有機材料を主成分とする層であって、好ましくは有機材料が50質量%以上、更には80質量%以上、特に90質量%以上を占める層を言うものとする。
無機層を構成する無機材料としては、特に限定されるものではなく、例えば、金属、または無機酸化物、窒化物、酸化窒化物等の各種無機化合物を用いることができる。無機材料を構成する元素としては、ケイ素、アルミニウム、マグネシウム、チタン、スズ、インジウムおよびセリウムが好ましく、これらを一種または二種以上含んでいてもよい。無機化合物の具体例としては、酸化ケイ素、酸化窒化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化スズ、酸化インジウム合金、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化チタンを挙げることができる。また、無機層として、金属膜、例えば、アルミニウム膜、銀膜、錫膜、クロム膜、ニッケル膜、チタン膜を設けてもよい。
上記の材料の中でも、窒化ケイ素、酸化ケイ素、または酸化窒化ケイ素が特に好ましい。これらの材料からなる無機層は、有機層との密着性が良好であることから、バリア性をより一層高くすることができるからである。
無機層の形成方法としては、特に限定されず、例えば成膜材料を蒸発ないし飛散させ被蒸着面に堆積させることができる各種成膜方法を用いることができる。
無機層の形成方法の例としては、無機酸化物、無機窒化物、無機酸化窒化物、金属等の無機材料を、加熱して蒸着させる真空蒸着法;無機材料を原料として用い、酸素ガスを導入することにより酸化させて、蒸着させる酸化反応蒸着法;無機材料をターゲット原料として用い、アルゴンガス、酸素ガスを導入して、スパッタリングすることにより、蒸着させるスパッタリング法;無機材料にプラズマガンで発生させたプラズマビームにより加熱させて、蒸着させるイオンプレーティング法等の物理気相成長法(Physical Vapor Deposition法)、酸化ケイ素の蒸着膜を成膜させる場合は、有機ケイ素化合物を原料とするプラズマ化学気相成長法(Chemical Vapor Deposition法)等が挙げられる。蒸着は、支持体、基材フィルム、波長変換層、有機層などを基板としてその表面に行えばよい。
無機層の厚さは、例えば1nm〜500nmであり、5nm〜300nmであることが好ましく、10nm〜150nmの範囲であることがより好ましい。無機層の膜厚が、上述した範囲内であることにより、良好なバリア性を実現しつつ、無機層における反射を抑制することができ、光透過率がより高い波長変換部材を提供することができるからである。
波長変換部材において、波長変換層に隣接している、好ましくは波長変換層に直接接している無機層が少なくとも一層含まれていることが好ましい。波長変換層の両面に無機層が直接接していることも好ましい。
−有機層−
有機層としては、特開2007−290369号公報段落0020〜0042、特開2005−096108号公報段落0074〜0105を参照できる。なお有機層は、カルドポリマーを含むことが好ましい。これにより、有機層と隣接する層との密着性、特に、無機層とも密着性が良好になり、より一層優れたガスバリア性を実現することができるからである。カルドポリマーの詳細については、特開2005−096108号公報段落0085〜0095を参照できる。有機層の膜厚は、0.05μm〜10μmの範囲内であることが好ましく、中でも0.5〜10μmの範囲内であることが好ましい。有機層がウェットコーティング法により形成される場合には、有機層の膜厚は、0.5〜10μmの範囲内、中でも1μm〜5μmの範囲内であることが好ましい。また、ドライコーティング法により形成される場合には、0.05μm〜5μmの範囲内、中でも0.05μm〜1μmの範囲内であることが好ましい。ウェットコーティング法またはドライコーティング法により形成される有機層の膜厚が上述した範囲内であることにより、無機層との密着性をより良好なものとすることができるからである。
無機層、有機層のその他詳細については、特開2007−290369号公報、特開2005−096108号公報、更にUS2012/0113672A1の記載を参照できる。
有機層と無機層との間、二層の有機層の間、または二層の無機層の間を、公知の接着層により貼り合わせてもよい。光透過率向上の観点からは、接着層は少ないほど好ましく、接着層が存在しないことがより好ましい。
<4.光制御層>
次に、以上説明した発光部と波長変換層との間に配置される光制御層の詳細を記載する。
光制御層が示す斜め入射光直線透過率低減機能については、先に記載した通りである。なお光制御層は、斜め入射光直線透過率低減機能とともに、全光線透過率を低減する機能を有していてもよい。斜め入射光直線透過率低減機能は、光制御層による光の干渉、散乱、屈折および反射からなる群から選ばれる1つ以上の作用により実現されることが好ましい。
上記作用からなる群から選ばれる1つ以上により斜め入射光直線透過率低減機能を示すことができる光制御層の具体的態様について、以下に説明する。ただし、本発明は下記具体的態様に限定されるものではなく、斜め入射光直線透過率低減機能を有する各種態様の光制御層が、上記バックライトユニットに含まれ得る。
一態様では、上記バックライトユニットは、拡散部材および導光部材からなる群から選ばれる少なくとも一つの部材として、少なくとも拡散部材を含み、拡散部材と波長変換層との間に、光制御層を有する。
また、他の一態様では、上記バックライトユニットは、拡散部材および導光部材からなる群から選ばれる少なくとも一つの部材として、少なくとも拡散部材を含み、拡散部材と発光部との間に、光制御層を有する。
光制御層、波長変換層等の配置の態様については、更に後述する。
(4−1.主に光の干渉を利用する光制御層)
光制御層の一態様は、主に、光の干渉により斜め入射光直線透過率低減機能を示すことができる層を挙げることができる。そのような光制御層としては、例えば、規則性を持って設けられた屈折率分布や誘電率分布によって、複数の光線同士を互いに干渉させるものを利用することができる。また、干渉作用は、通常、作用する光の波長に依存性があることを利用し、公知の光学設計により、特定の波長帯域の光のみに対して選択的に干渉作用を示す層を、光制御層として用いることもできる。
上記光制御層は、一態様では、反射偏光子である。なお、反射偏光子に対し、液晶パネルに通常配置される偏光子(視認側偏光子、バックライト側偏光子)は、液晶セルを透過する光のON、OFFを行うための偏光子であって、通過しない光を吸収する性質を有する偏光子(吸収偏光子)である。以下において、特記しない限り、偏光子とは、吸収偏光子をいうものとする。また、偏光板とは、反射偏光子または吸収偏光子を含み、その他に保護フィルム等の他の構成要素を含み得る部材をいうものとする。特記しない限り、偏光板とは、吸収偏光子を含む偏光板をいうものとする。
(4−1−1.コレステリック液晶性を有するポリマー層)
主に光の干渉を利用する光制御層の一態様としては、コレステリック液晶性を有するポリマー層(以下コレステリック液晶層とも呼ぶ)を挙げることができる。コレステリック液晶化合物は、この化合物に対して光が垂直に入射するときと入射角を傾けて入射するときとでは波長選択性が異なることを利用して、その螺旋方向と螺旋ピッチを適切に調整することにより、特定の円偏光成分のみを反射し、他方の円偏光成分を透過する特性を示すことができる。このような特性を有するコレステリック液晶化合物を含むコレステリック液晶層は、光制御層として好適である。コレステリック液晶層の形成のためには、例えば富士フイルム研究報告研究報告No.50(2005年)pp.60に記載されたコレステリック液晶化合物などを好適に用いることができる。また、例えば螺旋ピッチは、キラル剤の添加量を変えることによって容易に調整可能である。具体的には富士フイルム研究報告No.50(2005年)pp.60−63に詳細な記載がある。また、コレステリック液晶層を位相差フィルムやその他の光学フィルム等と組み合わせることにより、特定範囲の入射角で入射した光には高い直線透過率を示し、それ以外の入射角では反射性を発現するような機能を付与することもできる。
キラル剤としては、例えば、「液晶デバイスハンドブック」第3章4−3項、TN、STN用カイラル剤、199頁、日本学術振興会第一42委員会編(1989)に記載のキラル剤等の公知のキラル剤を用いることができる。また、キラル剤については、特開2014−119605公報段落0054〜0055の記載も参照できる。
−コレステリック液晶化合物−
コレステリック液晶化合物は、一態様では、棒状液晶化合物であることができる。また他の一態様では、円盤状液晶化合物であることができる。また、コレステリック液晶化合物は、重合性コレステリック液晶化合物であってもよい。重合性コレステリック液晶化合物とは、一分子中に1つ以上の重合性基を有するコレステリック液晶化合物であって、一分子中に重合性基を2つ以上有する多官能性化合物であってもよく、一分子中に重合性基を1つ有する単官能性化合物であってもよい。重合性コレステリック液晶化合物が有する重合性基は、重合反応し得る基であればよく、特に限定されるものではない。
棒状液晶化合物としては、アゾメチン類、アゾキシ類、シアノビフェニル類、シアノフェニルエステル類、安息香酸エステル類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキサン類、シアノ置換フェニルピリミジン類、アルコキシ置換フェニルピリミジン類、フェニルジオキサン類、トラン類およびアルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル類が好ましく用いられる。
重合性棒状液晶化合物としては、例えば、Makromol. Chem., 190巻、2255頁(1989年)、Advanced Materials 5巻、107頁(1993年)、米国特許4683327号、同5622648号、同5770107号、WO95/22586号、同95/24455号、同97/00600号、同98/23580号、同98/52905号、特開平1−272551号公報、同6−16616号公報、同7−110469号公報、同11−80081号公報、および特開2001−328973号公報等に記載の化合物を用いることができる。
棒状液晶化合物としては、例えば、特表平11−513019号公報や特開2007−279688号公報に記載のものも好ましく用いることができる。
円盤状液晶化合物は、特に限定されるものではないが、例えば、特開2007−108732号公報や特開2010−244038号公報に記載の化合物を好ましい化合物として挙げることができる。
以下に、円盤状液晶化合物の好ましい例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
また、コレステリック液晶化合物としては、液晶ポリマーを使用することもできる。 液晶ポリマーとしては、例えばポリエステル等の主鎖型液晶ポリマー、アクリル主鎖やメタクリル主鎖、シロキサン主鎖等からなる側鎖型液晶ポリマー、低分子カイラル剤含有のネマチック液晶ポリマー、キラル成分導入の液晶ポリマー、ネマチック系とコレステリック系の混合液晶ポリマーなどの適宜なものを用いることができる。取扱性等の点よりは、ガラス転移温度が30〜150℃のものが好ましい。
コレステリック液晶層の形成は、偏光分離板に必要に応じポリイミドやポリビニルアルコール、SiOの斜方蒸着層等の適宜な配向膜を介して直接塗布する方式、透明フィルムなどからなる液晶ポリマーの配向温度で変質しない支持体に必要に応じ配向膜を介して塗布する方式などの適宜な方式で行うことができる。支持体としては、偏光の状態変化を防止する点などより位相差が可及的に小さいものを用いることが好ましい。また配向膜を介したコレステリック液晶層の重畳方式なども採用することができる。
液晶ポリマーの塗布は、溶剤による溶液や加熱による溶融液等の液状物としたものを、ロールコーティング方式やグラビア印刷方式、スピンコート方式などの適宜な方式で展開する方法などにより行うことができる。
−その他の成分−
コレステリック液晶層を形成するために用いられる組成物は、コレステリック液晶化合物の他、キラル剤、配向制御剤、重合開始剤、配向助剤等のその他の成分を含有していてもよい。
配向制御剤としては、例えば、特開2005−99248号公報の段落0092および段落0093に例示されている化合物、特開2002−129162号公報の段落0076〜0078および段落0082〜0085に例示されている化合物、特開2005−99248号公報の段落0094および段落0095に例示されている化合物、特開2005−99248号公報の段落0096に例示されている化合物を挙げることができる。
また、配向制御剤としては、フッ素系配向制御剤を用いることもできる。フッ素系配向制御剤としては、例えば、特開2013−203827号公報段落0100に示されている一般式(I)で表される化合物を好ましいものとして挙げることができる。かかる化合物の詳細については、特開2013−203827号公報段落0101〜0108を参照できる。
光重合開始剤の例には、α−カルボニル化合物(米国特許第2367661号、同2367670号の各明細書記載)、アシロインエーテル(米国特許第2448828号明細書記載)、α−炭化水素置換芳香族アシロイン化合物(米国特許第2722512号明細書記載)、多核キノン化合物(米国特許第3046127号、同2951758号の各明細書記載)、トリアリールイミダゾールダイマーとp−アミノフェニルケトンとの組み合わせ(米国特許第3549367号明細書記載)、アクリジンおよびフェナジン化合物(特開昭60−105667号公報、米国特許第4239850号明細書記載)およびオキサジアゾール化合物(米国特許第4212970号明細書記載)、アシルフォスフィンオキシド化合物(特公昭63−40799号公報、特公平5−29234号公報、特開平10−95788号公報、特開平10−29997号公報記載)等が挙げられる。
コレステリック液晶層の作製方法については、公知技術を何ら制限なく適用することができる。例えば、コレステリック液晶層は、特開平1−133003号、特許3416302号、特許3363565号、特開平8−271731号の各公報に記載の方法により作製することができる。一例として、例えば、特開平8−271731号公報段落0012〜0015を参照できる。
以上記載したコレステリック液晶層は、一態様では、反射偏光子として機能することができる。反射偏光子は、ある波長帯域の光に対して選択的に反射偏光子としての機能を発揮する選択反射偏光子(狭帯域反射偏光子)であることができる。
これに対し、通常の反射偏光子は、選択反射偏光子と比べ幅広い波長域の光に対して反射偏光子として機能することができる反射偏光子(広帯域反射偏光子)である。光制御層としては、そのような反射偏光子(広帯域反射偏光子)を使用することもできる。広帯域反射偏光子も、波長変換層またはこの層を含む波長変換部材に、発光部側で最も近い位置に配置される部材として用いることが、色味付きの低減の観点からは、より好ましい。
なお本発明および本明細書中、広帯域反射偏光子とは、430〜680nmの波長帯域全域にわたって15%以上の反射率を示す反射偏光子をいう。これに対し、狭帯域反射偏光子とは、430〜680nmの波長帯域において反射率が15%を下回る波長ないし波長域を有する反射偏光子をいう。
選択反射偏光子としては、例えば、青色光の波長帯域に反射極大波長を有する選択反射偏光子(青色光選択反射偏光子)、緑色光の波長帯域に反射極大波長を有する選択反射偏光子(緑色光選択反射偏光子)、赤色光の波長帯域に反射極大波長を有する選択反射偏光子(赤色光選択反射偏光子)を挙げることができる。また、二種以上の選択反射偏光子を積層して光制御層として用いることもできる。
一態様では、波長変換層に含まれる蛍光体が発光する光を選択的に反射することができる選択反射偏光子を光制御層として用いることが、色味付き低減の観点からは、好ましい。更に、そのような選択反射偏光子は、波長変換層またはこの層を含む波長変換部材の光源側で、波長変換部材に最も近い位置に配置される部材として用いることが、色味付きの低減の観点からは、より好ましい。
また他の一態様では、選択反射偏光子は、反射スペクトルにおいて、430〜560nmの青色光〜緑色光の波長帯域に反射極大波長を有する反射ピークを少なくとも1つ有することが好ましい。なお本発明および本明細書において、反射特性は、特記しない限り、直入射光(正面から入射する光)に対して規定される反射特性とする。これに対し、選択反射偏光子は、一般に、斜め入射光に対する反射ピークは、直入射光に対する反射ピークより短波長側にシフトする傾向がある。したがって、例えば青色光を出射する光源を用いる場合に前述の(2)を発生原因とする色味付きを低減するためには、直入射光に対して青色光〜緑色光の波長帯域に反射極大波長を有する反射ピークを少なくとも1つ有する選択反射偏光子により、先に記載した迷光の光量を低減することができると考えられる。
ところで、前述の(1)、(2)の発生原因による色味付きの両方を低減するためには、一態様では、広帯域で光制御作用を有する光制御層が有効であるとも考えられる。他方、暗く表示すべき部分の輝度抑制と明るく表示すべき部分の正面輝度との両立の観点からは、狭帯域で光制御作用を有する光制御層の光制御作用の波長依存性を適切に設定することが好ましいことが、本発明者らにより新たに見出された。この点を考慮すると、光制御層として、選択反射偏光子を用いることは好ましい。一例として、選択反射偏光子は、430〜680nmの青色光〜赤色光の波長帯域に単一の反射ピークを有し、この反射ピークの反射極大波長が520〜560nmの緑色光の波長帯域にあることが好ましい。かかる反射偏光子は、上述の理由から、青色光の迷光の光量を低減できると考えられるからである。
以上記載した反射偏光子および選択反射偏光子の詳細は、反射偏光子および選択反射偏光子がコレステリック液晶層以外の態様にも適用されるものとする。例えば、反射偏光子および選択反射偏光子が、後述する屈折率の異なる層が複数積層された多層膜である態様にも適用される。
(4−1−2.屈折率の異なる層が複数積層された多層膜)
主に光の干渉を利用する光制御層の一態様としては、屈折率の異なる層が複数積層された多層膜を挙げることができる。かかる多層膜は、一態様では、反射偏光子として機能することができる。層間屈折率差に面内異方性がある組み合わせで複数の層を積層することにより、反射偏光子としての機能を有する多層膜を得ることができる。なお、かかる多層膜に含まれる複数の層は、少なくとも隣接する二層の屈折率が異なればよく、屈折率が同じ層が、他の一層以上を介して複数含まれていてもよく、そのような態様も好ましい。なお本発明において屈折率とは、フラウンホーファーのe線(546.1nm)に対する屈折率をいうものとする。
多層膜を構成する層は、無機層であっても、有機層であってもよい。例えば、屈折率の異なる材料(高屈折率材料、低屈折率材料)を順次積層して構成された誘電体多層膜を好適に利用できる。更に、誘電体多層膜の層構成に金属膜を追加した金属/誘電体多層膜としてもよい。なお、上記多層膜は、EB(Electron Beam)蒸着(電子ビーム共蒸着)、スパッタ等の公知の成膜方法により基材上に複数の成膜材料を堆積することにより形成可能である。
また、有機層を含む多層膜は、塗布、ラミネート等の公知の成膜方法により形成可能である。有機層としては、例えば延伸フィルムを用いることができる。
二層以上の延伸フィルムの積層体(多層膜)については、例えば、米国特許第5,882,774号、特開2012−237853号公報等を参照できる。また、そのような積層体としては、例えば住友スリーエム社製DBEF(登録商標)等の市販品を用いてもよい。屈折率に異方性を持つ延伸フィルムを用いることにより、反射偏光子として機能することができる多層膜を得ることができる。特に、屈折率異方性の異なる二層の延伸フィルムを重畳した多層膜は、それら二層の延伸フィルムの厚み方向屈折率差を制御することによって、斜め入射光直線透過率低減機能を発揮するように設計することができる。
また、例えば、屈折率の異なる二層の無機層を交互に重畳した多層膜が、バンドパスフィルターやコールドミラーとして知られている。また、屈折率の異なる二層の有機層を交互に重畳した多層膜も知られている。これら多層膜も、光制御層として好適である。そのような多層膜としては、特開2011−39277号公報に視野角制御フィルムとして開示されているもの、特開平8−332450号公報にマルチカラー干渉コーティングとして開示されているもの等が例示される。特に、屈折率の異なる二層の有機層を交互に重畳した多層膜は、それら二層の有機層の厚み方向屈折率差を制御することによって、斜め入射光直線透過率低減機能を発揮するように設計することができる。
選択反射偏光子を多層膜として作製する場合には、反射すべき波長帯域が決定すれば、かかる波長帯域の光を選択的に反射する多層膜の層構成(成膜材料の組み合わせ、各層の膜厚)は公知の膜設計法により定めることができる。
(4−1−3.主に光の干渉を利用する光制御層の他の具体的態様)
主に光の干渉を利用する光制御層の他の具体的態様としては、基材(好ましくは可視光に対して透明な基材)の上または内部に、基材とは異なる屈折率を有する材料または金属等の反射性材料を微細化して配置し、それらを整列させることによって光干渉作用を発揮することができる反射性の偏光分離素子を設けることもできる。そのような反射性の偏光分子素子としては、例えば、特表2002−502503号公報に方向制御偏光子として開示されているもの、特開2011−53705号公報に方向制御偏光子として開示されているもの等を挙げることができる。そのような反射性の偏光分離素子には、ワイヤーグリッド偏光子と呼ばれるものも包含される。ワイヤーグリッド偏光子として市販されているものを、光制御層として用いることもできる。
(4−2.主に光の散乱を利用する光制御層)
光制御層の他の一態様としては、光散乱層を挙げることもできる。光散乱層は、主に光の散乱により、斜め入射光直線透過率低減機能を示すことができる層である。
光散乱層の一態様は、入射した光をランダムな方向に方向転換してある分布を持った散乱光として出射する機能を有する光散乱性フィルム、またはそのようなフィルムの2層以上の積層体である。そのような光散乱性フィルムとしては、公知のものが種々使用できる。例えば、光散乱性粒子をバインダーと混合したものを基材上(好ましくは可視光に対して透明な基材上)に塗設したフィルムや、光散乱性粒子を基材内(好ましくは可視光に対して透明な基材内)に含有させたフィルム、基材(好ましくは可視光に対して透明な基材)の表面をブラスト法や転写法などで粗面化して光散乱性を付与したフィルム、層分離などを用いて自己生成的に層分離構造を形成して光散乱性を付与したフィルムなどである。光散乱性フィルムは、入射光に対する、鏡面反射、拡散反射、直線透過、拡散透過、および吸収の成分を定義できるフィルムである。上記各成分は、日本工業規格に定められている鏡面反射率、拡散反射率、直線透過率、拡散透過率(直線透過率と拡散透過率との和を全光線透過率と言う)、吸収率により規定されるものであり、斜め入射光直線透過率低減機能を示すことができるように、これらの値を適宜設定すればよい。光散乱層の具体的態様としては、公知の光散乱性フィルム(光拡散(性)フィルムまたはシート、光拡散体等とも呼ばれる)、例えば、特開2003−107214号公報に光拡散性シートとして開示されているもの、特開2007−249185号公報に光拡散体として開示されているもの、特開2009−223135号公報に光拡散フィルムとして開示されているもの、特開平7−216328号公報に記載の光拡散性粘着剤組成物から形成される層、WO2011/074648号公報に光拡散性シートとして開示されているもの、等を例示できる。
また、光散乱層としては、特定の入射角または出射角に対してのみ特異的な散乱特性や出射光特性を有する光散乱層も好ましい。そのような光散乱層を、異方性光散乱層と呼ぶ。例えば、層の表面に垂直に入射する光に対しては散乱性が無く、入射角を傾けて入射した光には強い散乱性を示す光散乱層は、光制御層として好ましい異方性光散乱層である。このような異方性光散乱層としては、例えば、上述した公知の光散乱性フィルムにおいて光散乱性粒子や層分離構造を異方性とし、かつ、それらが適度に配向するように作製したフィルムや、基材(好ましくは可視光に対して透明な基材)の内部に光散乱性の樹脂をパターン状に設けたフィルムが例示される。具体例としては、例えば、特開昭64−77001号公に光制御板として開示されているもの、特開2013−242550号公報に視野角制限シートとして開示されているもの等を例示できる。
異方性散乱層としては、この層の表面に鉛直に入射する光と比べて斜めに入射する光を強く散乱するものが好ましい。
また、光散乱層としては、散乱特性が入射光の波長に依存するものも好ましい。例えば、一例として、光源由来の蛍光体励起光である青色光の光散乱層における散乱特性と、蛍光体が発光した緑色光および赤色光の光散乱層における散乱特性とが、異なることが好ましい。そのような散乱特性の波長依存性は、例えば、光散乱性粒子の粒径を調整することによって制御することができる。
(4−3.主に光の屈折、反射、または屈折および反射を利用する光制御層)
主に光の屈折、反射、または屈折および反射を利用する光制御層としては、発光部側表面、波長変換層側表面の少なくとも一方の表面構造により、光を屈折、反射、または屈折および反射することができる層、層内の構造により光を屈折、反射、または屈折および反射することができる層を挙げることができる。例えば、層の表面に設けられた凹凸構造等の規則的な構造による屈折と反射の組合せによって特異な光線制御作用を発するもの、層内に設けられた規則的な構造による屈折・反射作用によって特異な光線制御作用を発するもの、およびそれらの組合せを、光制御層として用いることができる。
表面構造によって光を屈折、反射、または屈折および反射することができる層としては、表面凹凸形状を有するプリズム層を挙げることができる。そのようなプリズム層(一般に、プリズムシートと呼ばれる。)は、単層では一般に方向性を有するが、プリズム層を、プリズム列が直交するように2層重ねることにより方向性を打ち消すことも可能である。また、プリズム列の凸部の頂角やプリズム層の屈折率、プリズム層を構成する材料の光散乱特性やプリズム形状の調整、表面凹凸構造を発光部側表面に配置するか波長変換層側表面に配置するか等によって、この層による光の屈折や反射を制御することができる。表面凹凸構造を有するプリズム層としては、例えば、特表2008−530346号公報に輝度向上フィルムとして開示されているもの、特表2001−524225号公報に輝度向上物品として開示されているもの、特表平11−500071にミクロ構造含有製品または輝度増強フィルムとして開示されているもの等を例示することができる。
プリズムシートおよびその複数の使用と同様の機能、またはより改良された機能を有する層としては、例えば、特開2012−103495号公報に光線制御ユニットとして開示されているもの(三角錐状の表面構造を有するもの)、特開平6−235804号公報に光線制御板として開示されているもの(円錐状の表面構造を有するもの)、特開2002−116307号公報に視野角制御光学部材として開示されているもの(マイクロレンズ状の表面構造を有するもの)等の、表面構造を適宜設計したものを例示することができる。
ただし、光制御層として利用可能な表面構造は、上述の形状に限られず、光制御層として機能することができる限り、角柱状や半球状等の形状、および異なる複数の形状の組合せや、フラクタル構造などの複雑な形状であってもよい。
表面構造によって光を屈折、反射、または屈折および反射することができる層としては、基材(好ましくは可視光に対して透明な基材)の上に基材の平面方向(面内方向)への光伝播を制限する隔壁状の構造を有する層を挙げることができる。また、層内の構造によって光を屈折、反射、または屈折および反射することができる層としては、基材(好ましくは可視光に対して透明な基材)の内部に、基材の平面方向(面内方向)への光伝播を制限する隔壁状の構造を有する層を挙げることができる。そのような隔壁を有する層は、隔壁が有する屈折・反射作用によって、特定の入射角・出射角のみを透過させ、それ以外の成分を反射する作用を示すことができる。上記隔壁を有する層の具体例としては、特開2007−279424号公報に視野角制御シートとして開示されているもの(いわゆるストライプ上に隔壁を設けた層)、特開2005−338270号公報に視野角制御シートとして開示されているもの(凹凸構造の凹部を隔壁とした層)、また、吸収作用と併用したものとしては特開2006−84876号公報に視野角制御シートとして開示されているものや特開2013−68855号公報に光路制御フィルタとして開示されているものが例示できる。
主に光の屈折、反射、または屈折および反射を利用する光制御層としては、一方の面から入射した光を他方の面側に集光する機能を有するものがある。例えば上記プリズム層は、表面凹凸構造を有する面と反対の面から入射した光を、表面凹凸構造を有する面側に集光する機能を有することができる。色味付きの更なる低減の観点からは、かかる光制御層は、このように光が集光される側の表面を、発光部側に向けて配置することが好ましい。
また、コレステリック液晶層や多層膜として、反射偏光子としては機能しない反射層を、光制御層として用いることもできる。例えば、層間屈折率差に面内異方性のない組み合わせで複数の層を積層することにより、反射偏光子としては機能しない(偏光選択性のない)選択反射層を作製することができる。または、右円偏光または左円偏光の一方を透過し他方を反射するコレステリック液晶層と、この逆の透過・反射特性を示すコレステリック液晶層とを積層することにより、偏光選択性のない選択反射層を作製することができる。
そのような選択反射層としては、例えば、青色光の波長帯域に反射極大波長を有する選択反射層(青色光選択反射層)、緑色光の波長帯域に反射極大波長を有する選択反射層(緑色光選択反射層)、赤色光の波長帯域に反射極大波長を有する選択反射層(赤色光選択反射層)を挙げることができる。また、二種以上の選択反射層を積層して光制御層として用いることもできる。
中でも、波長変換層に含まれる蛍光体が発する光を選択的に反射することができる選択反射層を光制御層として用いることが、色味付き低減の観点からは、好ましい。更に、そのような選択反射層は、波長変換層またはこの層を含む波長変換部材の光源側で、波長変換部材に最も近い位置に配置される部材として用いることが、色味付きの低減の観点からは、より好ましい。
なお、選択反射層は、反射率のピークの半値幅は、100nm以下であることが好ましく、80nm以下であることがより好ましく、70nm以下であることが更に好ましい。
これに対し、通常の反射層は、選択反射層と比べ幅広い波長域の光に対して反射層として機能し得る。光制御層としては、そのような反射層も、もちろん好ましい。そのような反射層も、波長変換層またはこの層を含む波長変換部材の光源側で、波長変換部材に最も近い位置に配置される部材として用いることが、色味付きの低減の観点からは、より好ましい。
また、異なる屈折率を有する層の積層体を光制御層として用いることもできる。そのような光制御層としては、例えば、特開2005−283730公報に反射防止フィルムとして開示されているものを用いることができる。
(4−4.光の干渉、散乱、屈折および反射の2つ以上の作用を利用する光制御層)
上記各態様の光制御層は、主に、上述の作用により斜め入射光直線透過率低減機能を発現することができる層であるが、斜め入射光直線透過率低減機能を示すことに、他の作用の1つ以上が寄与してもよい。
また、例えば、光の屈折、反射または屈折および反射と、干渉と、により再帰反射性を示す層を、光制御層として用いることもできる。再帰反射性を示す層としては、例えば、特表2002−538485公報に再帰反射性物品として開示されているもの等を例示できる。
または、上記以外の層、例えば、位相差フィルムや偏光フィルム、カラーフィルター等として知られているものを用いて、斜め入射光直線透過率低減機能を有する層(光制御層)を得ることもできる。
以上説明した光制御層の厚さは、例えば1〜500μmであるが、光制御層としての機能を示すことができればよく、特に限定されるものではない。また、上記バックライトユニットは、記載した構成部材に加えて、任意の位置に、バックライトユニットに通常含まれる各種部材の1つ以上を含むこともできる。
[液晶表示装置]
本発明の一態様にかかる液晶表示装置は、上述のバックライトユニットと、液晶パネルと、を少なくとも含む。
液晶パネルは、通常、視認側偏光子、液晶セルおよびバックライト側偏光子を少なくとも含む。液晶セルの駆動モードについては特に制限はなく、ツイステットネマチック(TN)、スーパーツイステットネマチック(STN)、バーティカルアライメント(VA)、インプレインスイッチング(IPS)、オプティカリーコンペンセイテットベンドセル(OCB)等の種々のモードを利用することができる。液晶セルは、VAモード、OCBモード、IPSモード、またはTNモードであることが好ましいが、これらに限定されるものではない。VAモードの液晶表示装置の構成としては、特開2008−262161号公報の図2に示す構成が一例として挙げられる。ただし、液晶表示装置の具体的構成には特に制限はなく、公知の構成を採用することができる。
液晶表示装置の一実施形態では、対向する少なくとも一方に電極を設けた基板間に液晶層を挟持した液晶セルを有し、この液晶セルは2枚の偏光子の間に配置して構成される。液晶表示装置は、上下基板間に液晶が封入された液晶セルを備え、電圧印加により液晶の配向状態を変化させて画像の表示を行う。さらに必要に応じて偏光板保護フィルムや光学補償を行う光学補償部材、接着層などの付随する機能層を有する。また、カラーフィルター基板、薄層トランジスタ基板、レンズフィルム、拡散シート、ハードコート層、反射防止層、低反射層、アンチグレア層等とともに(またはそれに替えて)、前方散乱層、プライマー層、帯電防止層、下塗り層等の表面層が配置されていてもよい。
図5に、本発明の一態様にかかる液晶表示装置の一例を示す。図5に示す液晶表示装置51は、液晶セル21のバックライト側の面にバックライト側偏光板14を有する。バックライト側偏光板14は、バックライト側偏光子12のバックライト側の表面に、偏光板保護フィルム11を含んでいても、含んでいなくてもよいが、含んでいることが好ましい。
バックライト側偏光板14は、偏光子12が、2枚の偏光板保護フィルム11および13で挟まれた構成であることが好ましい。
本明細書中、偏光子に対して液晶セルに近い側の偏光板保護フィルムをインナー側偏光板保護フィルムと言い、偏光子に対して液晶セルから遠い側の偏光板保護フィルムをアウター側偏光板保護フィルムと言う。図5に示す例では、偏光板保護フィルム13がインナー側偏光板保護フィルムであり、偏光板保護フィルム11がアウター側偏光板保護フィルムである。
バックライト側偏光板は、液晶セル側のインナー側偏光板保護フィルムとして、位相差フィルムを有していてもよい。このような位相差フィルムとしては、公知のセルロースアシレートフィルム等を用いることができる。
液晶表示装置51は、液晶セル21のバックライト側の面とは反対側の面に、表示側偏光板44を有する。表示側偏光板44は、偏光子42が、2枚の偏光板保護フィルム41および43で挟まれた構成である。偏光板保護フィルム43がインナー側偏光板保護フィルムであり、偏光板保護フィルム41がアウター側偏光板保護フィルムである。
液晶表示装置51が有するバックライトユニット1については、先に記載した通りである。
本発明の一態様にかかる液晶表示装置を構成する液晶セル、偏光板、偏光板保護フィルム等については特に限定はなく、公知の方法で作製されるものや市販品を、何ら制限なく用いることができる。また、各層の間に、接着層等の公知の中間層を設けることも、もちろん可能である。
以下に実施例に基づき本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。なお特記しない限り、以下に記載の温度は、処理を行う雰囲気温度である。
以下に記載の発光中心波長(発光極大)は、分光光度計((株)島津製作所製UV−3150)により求めた。
下記の平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)による測定値をポリスチレン換算して求めた平均分子量をいうものとする。測定条件は、以下の通りである。
GPC装置:HLC−8120(東ソー製):
カラム:TSK gel Multipore HXL−M(東ソー製、7.8mmID(内径)×30.0cm)
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
1.バリアフィルム10の作製
ポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム、東洋紡社製、商品名:コスモシャイン(登録商標)A4300、厚さ50μm)の片面側に以下の手順で有機層および無機層を順次形成した。
トリメチロールプロパントリアクリレート(ダイセルサイテック社製TMPTA)および光重合開始剤(ランベルティ社製、ESACURE KTO46)を用意し、質量比率として、前者:後者=95:5となるように秤量し、これらをメチルエチルケトンに溶解させ、固形分濃度15%の塗布液とした。この塗布液を、ダイコーターを用いてロールトウロールにて上記PETフィルム上に塗布し、50℃の乾燥ゾーンを3分間通過させた。その後、窒素雰囲気下で紫外線を照射(積算照射量約600mJ/cm)し、紫外線硬化にて硬化させ、巻き取った。支持体上に形成された第一有機層の厚さは、1μmであった。
次に、ロールトウロールのCVD(Chemical Vapor Deposition)装置を用いて、第一有機層の表面に無機層(窒化ケイ素層)を形成した。原料ガスとして、シランガス(流量160sccm)、アンモニアガス(流量370sccm)、水素ガス(流量590sccm)、および窒素ガス(流量240sccm)を用いた。電源として、周波数13.56MHzの高周波電源を用いた。成膜圧力は40Pa、到達膜厚は50nmであった。このようにして第一有機層の表面に無機層が積層されたバリアフィルム10を作製した。
2.量子ドット含有重合性組成物の調製
量子ドット含有重合性組成物として、下記の量子ドット分散液Aを調製し、孔径0.2μmのポリプロピレン製フィルタでろ過した後、30分間減圧乾燥して塗布液として用いた。以下のトルエン分散液中の量子ドット濃度は、1質量%であった。
──────────────────────────────────────
量子ドット分散液A
──────────────────────────────────────
量子ドット1のトルエン分散液(発光極大:520nm) 10.0質量部
量子ドット2のトルエン分散液(発光極大:630nm) 1.0質量部
ラウリルメタクリレート 80.8質量部
トリメチロールプロパントリアクリレート 18.2質量部
光重合開始剤 1.0質量部
(イルガキュア819(BASF社製))
──────────────────────────────────────
3.波長変換部材Aの作製
上述した手順で作製したバリアフィルム10を第一、第二のフィルムとして使用し、図3および図4を参照し説明した製造工程により、波長変換部材Aを得た。具体的には、第一のフィルムとしてバリアフィルム10を用意し、1m/分、60N/mの張力で連続搬送しながら、無機層面上に量子ドット含有重合性組成物をダイコーターにて塗布し、50μmの厚さの塗膜を形成した。次いで、塗膜の形成されたバリアフィルム10をバックアップローラに巻きかけ、塗膜の上に第2のバリアフィルムとして別のバリアフィルム10を無機層面が塗膜に接する向きでラミネートし、その後、2枚のバリアフィルム10(第一、第二のフィルム)で塗膜を挟持した状態でバックアップローラに巻きかけ、連続搬送しながら紫外線を照射した。バックアップローラの直径はφ300mmであり、バックアップローラの温度は50℃であった。紫外線の照射量は2000mJ/cmであった。また、L1は50mm、L2は1mm、L3は50mmであった。
上記紫外線の照射により塗膜を硬化させて硬化層(波長変換層)を形成し、波長変換部材Aを製造した。波長変換部材の硬化層の厚みは約50μmであった。こうして、波長変換層の両表面上にそれぞれバリアフィルム10を有し、かつ波長変換層の両主表面がバリアフィルムの無機層と直接接している波長変換部材Aを得た。
4.光制御層の作製、準備
(1)コレステリック液晶層A(反射偏光子)の作製
まず、特許4570377号公報段落0065に記載の手順で光学活性部位を有する末端フッ化アルキル基含有重合体(化合物A)を得た。具体的には、以下のように化合物Aを得た。
コンデンサー、温度計、攪拌機及び滴下ロートを備えた四つ口フラスコに、フッ素系溶媒AK−225(旭硝子社製、1,1,1,2,2‐ペンタフルオロ‐3,3‐ジクロロプロパン:1,1,2,2,3‐ペンタフルオロ‐1,3‐ジクロロプロパン=1:1.35(モル比)の混合溶媒))50質量部、下記構造の光学活性を有する反応性キラル剤(化合物7、式中*は光学活性部位を示す)5.22質量部を仕込み、反応容器を45℃に調温し、次いで過酸化ジペルフルオロ−2−メチル−3−オキサヘキサノイル/AK225の10質量%溶液6.58質量部を5分かけて滴下した。滴下終了後、45℃、5時間、窒素気流中で反応させ、その後生成物を5mlに濃縮し、ヘキサンで再沈澱を行い、乾燥することにより光学活性部位を有する末端フッ化アルキル基含有重合体(化合物A)3.5質量部(収率60%)を得た。
得られた重合体の分子量をゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を用いテトラヒドロフラン(THF)を展開溶剤として測定したところ、Mn=4,000(Mw/Mn=1.77)であり、フッ素含有量を測定したところフッ素含有量は5.89質量%であった。
コーニング社製ガラス7059に、ポリビニルアルコール10質量部、水371質量部からなる配向膜塗布液をこのガラスの片面に塗布、乾燥し、厚さ1μmの配向膜を形成した。次いで、このガラスの長手方向に対し平行方向に連続的に配向膜上にラビング処理を実施した。
配向膜の上に、下記組成の組成物をバーコーターを用いて塗布し、10秒間室温にて乾燥後、100℃のオーブン中で2分間加熱(配向熟成)し、さらに30秒間紫外線照射し、厚さ5.0μmのコレステリック液晶層Aを形成した。
<コレステリック液晶層A形成のための組成物>
化合物8 8.2質量部
化合物9 0.3質量部
先に作製した光学活性部位を有する末端フッ化アルキル基含有重合体(化合物A)
1.9質量部
メチルエチルケトン 24.0質量部
このコレステリック液晶層Aの断面を走査型電子顕微鏡で観察したところ、層法線方向に螺旋軸を有し、コレステリックピッチが連続的に変化した構造を有していた。ここで、コレステリックピッチについて、コレステリック液晶層の断面を走査型電子顕微鏡で観察した際に、明部と暗部の繰り返し二回分(明暗明暗)の層法線方向の幅を1ピッチとカウントする。
また、コレステリックピッチの厚さ方向に短波長側をx面、長波長側をy面と定義すると、AXOMETRIX社のAXOSCANを用いてコレステリックの透過スペクトルを測定し反射極大波長を求めた。x面側付近のコレステリックの反射極大波長は410nm、y面側近傍のコレステリックの反射極大波長は700nmであった。
(2)コレステリック液晶層B(選択反射偏光子)の作製
配向層としてサンエバーSE−130(日産化学社製)をN−メチルピロリドンに溶解して溶液を作製した。
作製した溶液を、濃度および塗布量を乾燥膜厚が0.5μmになるように調整して、コーニング社製ガラス7059上にバー塗布して得た塗布膜を100℃で5分間加熱し、さらに250℃で1時間加熱した。その後、塗布膜表面をラビング処理して配向層を得た。
続いて下記の組成の溶質を、メチルエチルケトン(MEK)に溶解し、円盤状液晶化合物を含む第一のコレステリック液晶層形成用の塗布液を調製した。この塗布液を、濃度および塗布量を下記膜厚となるように調整して、上記の配向層上にバー塗布して、70℃、2分間保持して溶媒を気化させた後に100℃で4分間加熱熟成を行って、均一な配向状態を得た。
その後この塗布膜を、45℃に保持した後に窒素雰囲気下で高圧水銀灯を用いて紫外線照射して、コレステリック液晶層Bを形成した。コレステリック液晶層Bの膜厚は、2.4μmであった。
AXOMETRIX社のAXOSCANを用いてコレステリックのピッチを計測した結果、反射極大波長は600nmであった。
<コレステリック液晶層B形成用の塗布液の溶質組成>
円盤状液晶化合物1 56.0質量部
円盤状液晶化合物2 14.0質量部
配向助剤(化合物3) 1.0質量部
配向助剤(化合物4) 1.0質量部
重合開始剤(化合物5) 3.0質量部
キラル剤(化合物6) 3.0質量部
なお、コーニング社製ガラス7059の代わりに、例えばセルロースアシレートフィルム等のフィルム(例えば富士フイルム社製TD80UL)、好ましくは全長100メートル以上の長尺(long)フィルムを使用してもよい。このようにフィルムを使用することは、いわゆるロールトゥロールでの製造を可能にするため、製造適性の観点からより好ましい。使用するフィルムは、コレステリック液晶層を転写することが可能であれば、セルロースアシレートフィルムに限定されるものではなく、各種フィルムを使用することができる。
(3)屈折率の異なる層が複数積層された多層膜C(反射偏光子)の作製
二種の異なる熱可塑性樹脂フィルムを交互に合計256層積層し多層共押し出しすることにより積層フィルムを成形した。下記のポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムは、後述する延伸を行う延伸方向の屈折率は1.84、延伸方向と面内で直交する方向の屈折率は1.57、厚さ方向の屈折率は1.57であった。一方、下記のナフタリンジカルボン酸とテレフタル酸またはイソフタル酸の共ポリエステル(coPEN)フィルムの屈折率は、等方的に1.57であった。具体的には、PETフィルムを第1層として、この第1層の上にcoPENフィルムを第2層として積層し、以降、PETフィルム(奇数層)とcoPENフィルム(偶数層)を交互に積層した。
多層共押出しにおいて積層フィルムを合計8つの領域(膜ユニット)に分けて、共押し出しのスロットの間隔を調整することにより、各膜ユニットの奇数層の厚さ、偶数層の厚さ、総厚をそれぞれ制御した。
その後、作製した積層フィルムを、90℃の雰囲気下でフィルム長手方向に搬送しながら延伸倍率4.0倍で、長手方向のみに延伸した。こうして得られた積層フィルム(多層膜C)における各膜ユニットにおける奇数層(PETフィルム)、偶数層(coPEN)の層数および1層の膜厚、膜厚合計を、下記表1に示す。表中、膜ユニットは、積層の際に最下層であった層から最表層に向かって膜ユニット1、2、…と番号を付した。
(4)屈折率の異なる層が複数積層された多層膜D(選択反射偏光子)の作製
奇数層をポリエチレンテレフタレート(PEN)フィルム、偶数層をポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムとし、層構成を下記表2に示すように変更した点以外は多層膜Cの作製と同様に多層共押し出しを行い積層フィルムを得た。
その後、作製した積層フィルムを、90℃の雰囲気下でフィルム長手方向に搬送しながら延伸倍率4.0倍で、長手方向のみに延伸することで多層膜Dを得た。
(5)光散乱層Eの準備
光散乱層Eとして、市販の光拡散性シート(きもと社製ライトアップ100SXE)を準備した。
(6)異方性光散乱層Fの準備
異方性光散乱層Fとして、市販の光拡散性シート(住友化学社製ルミスティ型番MFZ−2555)を準備した。
(7)プリズム層Gの準備
市販の液晶テレビ(LGE社製42LA7400)から抜き取ったプリズムシートを、プリズム層Gとして用いた。
(8)コレステリック液晶層H(選択反射偏光子)の作製
コーニング社製ガラス7059の代わりにセルロースアシレートフィルム(富士フイルム社製TD80UL)を使用し、また塗布液の溶質組成におけるキラル剤(化合物6)の量を、3.5質量部とした以外は、コレステリック液晶層Bの作製と同様にして、記載のコレステリック液晶層Hを作製した。
AXOMETRIX社のAXOSCANを用いてコレステリックのピッチを計測した結果、反射極大波長は450nmであった。
(9)コレステリック液晶層I(選択反射偏光子)の作製
塗布液の溶質組成におけるキラル剤(化合物6)の量を、3.2質量部とした以外は、コレステリック液晶層Cの作製と同様にして、コレステリック液晶層Iを作製した。
AXOMETRIX社のAXOSCANを用いてコレステリックのピッチを計測した結果、反射極大波長は530nmであった。
コレステリック液晶層Hおよびコレステリック液晶層Iは、反射スペクトルにおいて、430〜680nmの波長帯域に単一の反射ピーク(反射極大波長:上記参照)を有する選択反射偏光子である。
(10)コレステリック液晶層J(反射偏光子)の作製
コーニング社製ガラス7059の代わりにセルロースアシレートフィルム(富士フイルム社製TD80UL)を使用し、また紫外線照射後のコレステリック液晶層の厚みを2.9μmとした以外は、コレステリック液晶層Aの作製と同様にして、コレステリック液晶層Jを作製した。
コレステリック液晶層Aについて行った測定方法と同様の方法で求めたコレステリック液晶層Jのx面側付近のコレステリックの反射極大波長は410nm、y面側近傍のコレステリックの反射極大波長は580nmであった。
(11)コレステリック液晶層の積層体Lの作製
基材としてポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東洋紡社製コスモシャインA4100)を用いて、このPETフィルムの易接着層が塗布されていない面にラビング処理を実施した。
コレステリック液晶層Jの形成に用いた組成物を用意し、基材のラビング処理済みの面の上にバーコーターにて塗布を行い塗布膜を作製した。この塗布膜を、45℃に保持した後に窒素雰囲気下で高圧水銀灯を用いて紫外線照射することで、コレステリック液晶層Kを作製した。
AXOMETRIX社のAXOSCANを用いてコレステリックのピッチを計測した結果、反射極大波長は450nmであった。
粘着剤(総研化学社製SK2057)を用いて、コレステリック液晶層Iよびコレステリック液晶層Kを貼り合せた。その際、コレステリック液晶層IおよびKがそれぞれ粘着剤と接する向きとして貼り合せを行った。その後、コレステリック液晶層Kの基材であるPETフィルムを剥離し、セルロースアシレートフィルム上にコレステリック層IおよびKの2層が積層された積層体Lを得た。
上記の光制御層のうち、コレステリック液晶層Aは広帯域反射偏光子であり、コレステリック液晶層B、H、I、J、積層体Lは狭帯域反射偏光子であることを、反射スペクトルから確認した。
5.実施例、比較例のバックライトユニットの組み立て
[比較例1]
直下型バックライトユニットを備える市販の液晶テレビ(東芝製 REGZA(登録商標) 50Z9X)を分解し、バックライトユニットを取り出した。取り出したバックライトユニットには、光源として白色LEDが搭載され、光源の出射側(液晶パネル側)には拡散板、その反対側には反射板が備えられている。
取り出したバックライトユニットの白色LEDをすべて青色LEDに交換した後、上記市販のテレビと同様に、液晶パネル側に向かって、反射板、光源、拡散板の順に配置されるように組み立てた後、拡散板の上に上記3.で作製した波長変換部材Aを配置し、波長変換部材A上に上記市販のテレビに含まれていた2枚のプリズムシートおよび輝度向上フィルム(スリーエム社製DBEF(登録商標))を、プリズムシート、プリズムシート、輝度向上フィルムの順に配置することで、比較例1のバックライトユニットを作製した。
[実施例1〜11]
上記4.で作製した各光制御層を含む構成部材を、下記表3に示すように配置した点以外、比較例1と同様に実施例1〜11のバックライトユニットを作製した。
6.実施例1〜7、比較例1の黒表示部分の色味付きの評価
上記各バックライトユニットを、市販の液晶テレビ(東芝製 REGZA(登録商標)50Z9X)に組み込んだ。この市販の液晶テレビは、液晶テレビの表示面において黒表示される部分の後方に位置する光源を減光するローカルディミング制御機構を備えている。
液晶テレビの表示面に、全面が黒色で、かつ中央に3cm角の白色正方形を表示した際の、周縁部分(黒表示部分)の色味を輝度計(TOPCON社製SR3)を用いて測定した。同様に、中心部(白表示部分)の色味を測定し、色度空間における中心部分と周縁部の色味差(Δu’v’)を暗部の色味変化と定義し、以下の基準で評価した。結果を表3に示す。
A:Δu’v’<0.01
B:0.01≦Δu’v’<0.02
C:0.02≦Δu’v’<0.03
D:0.03≦Δu’v’
表3に示す結果から、実施例において、黒表示部分の色味付きが低減されたことが確認できる。
7.実施例1、2、8〜11、比較例1の評価
(1)黒表示部分の色味付きの評価
上記6.の評価で用いた市販の液晶テレビに、各バックライトユニットを組み込んだ。
液晶テレビの表示面に、全面が黒色で、かつ中央に3cm角の白色正方形を表示し、白色正方形の上に黒紙を貼り、白色光を遮った。この状態で、暗室および明室にて周囲の黒表示部の色味付きを目視で観察し、以下の官能評点を付けた。
A:暗室においても黒色部は十分に暗く、色味付きは感じられなかった。
B:暗室では、僅かに色味付きが視認できたが、明室では視認できなかった。
C:暗室にて、黒色部の色味付きが視認できたが、明室では視認できなかった。
D:暗室および明室にて、黒色部の色味付きが視認できた。
(2)暗部の輝度測定
上記液晶テレビの表示面に、全面が黒色で、かつ中央に3cm角の白色正方形を表示した際の、周縁部分(黒表示部分)の輝度を輝度計(TOPCON社製SR3)にて測定し、以下の評点を付けた。なお、測定の際には、白色正方形の縁から3cm離れた点を測定点とした。
A:比較例1に対して、輝度が95%未満であった。
B:比較例1に対して、輝度が95%以上100%未満であった。
C:比較例1に対して、輝度が100%以上であった。
(3)明部の輝度測定
上記(2)と同様に白色正方形を表示した状態で、白色正方形の中心の輝度を輝度計(TOPCON社製SR3)にて測定し、以下の評点を付けた。
A:比較例1に対して、輝度が101%以上であった。
B:比較例1に対して、輝度が95%以上101%未満であった。
C:比較例1に対して、輝度が95%未満であった。
以上の結果を、表4に示す。
8.光制御層の斜め入射光直線透過率低減機能の確認
分光光度計(島津製作所製UV−3150)を用いて、光制御層を含む構成部材の極角45°入射光に対する波長550nm、450nmの入射光に対する直線透過率を測定した。
基材上に設けられた光制御層については、基材のみをブランクとし、基材なしの光制御層および基材と一体化している光制御層についてはサンプルなし(空気)をブランクとし、斜め入射光直線透過率がブランクより5%以上低減しているものをA、5%未満であるものをBとして、表5に示す。具体的には、コレステリック液晶層A、Bについてはガラスを、多層膜C、Dについてはサンプルなしを、光散乱層E、異方性光散乱層Fおよびプリズム層Gは、サンプルなしを、コレステリック液晶層H、I、Jおよび積層体Lは、セルロースアシレートフィルムをブランクとして用いた。
実施例1と実施例2とを対比すると、表4に示す黒表示部分の色味付きの評価結果については、青色光の波長帯域において斜め入射光直線透過率低減機能を有する実施例1において、より良好な暗部輝度の低減効果が得られている。これは、青色光の迷光の光量が低減されたことにより、暗く表示すべき部分への光漏れが抑制されたことによるものと本発明者らは考えている。
反射極大波長の異なるコレステリック液晶層を用いた実施例2、実施例8、実施例9では、表4に示す黒表示部分の色味付きの評価結果については、反射極大波長が緑色光の波長帯域にあるもの(実施例9)が最も良好な結果を示した。一方、暗部輝度に関しては、反射極大波長が短波長側にあるほど良好な結果を示した。これは、コレステリック液晶層は、直入射光に対する反射特性と斜め方向から入射する光に対する反射特性が異なり、斜め方向から入射する光は直入射光に対して反射帯域が短波長側へシフトする現象(いわゆるブルーシフト現象)に起因するものと本発明者らは推定している。
また、青色光と緑色光に対して斜め入射光直線透過率低減機能を示すコレステリック液晶層(狭帯域反射偏光子)を用いた実施例10、実施例11は、広帯域反射偏光子を用いた実施例1に対して、より良好な色味付き低減効果を示した。特に、実施例10と実施例11を比較すると、円盤状コレステリック液晶化合物と棒状コレステリック液晶化合物反射層という2種の材料を併用して、上述の多層膜のブルーシフト現象を調整した光制御層(積層体L)を有する実施例11は、明部の輝度の向上も見られており、特に好ましい態様であると考えられる。
本発明は、液晶表示装置の製造分野において有用である。

Claims (17)

  1. 反射部材および光源を少なくとも含む発光部と、
    拡散部材および導光部材からなる群から選ばれる少なくとも一つの部材と、
    波長変換層と、
    を含み、
    前記発光部と波長変換層との間に、波長変換層側斜め方向から入射する斜め入射光の直線透過率を低減する機能を有する光制御層を更に含むローカルディミング制御可能なバックライトユニット。
  2. 前記光制御層は、光の干渉、散乱、屈折および反射からなる群から選ばれる1つ以上の作用により前記機能を示す層である請求項1に記載のバックライトユニット。
  3. 前記光制御層は、反射偏光子である請求項1または2に記載のバックライトユニット。
  4. 前記反射偏光子は、コレステリック液晶性を有するポリマー層である請求項3に記載のバックライトユニット。
  5. 前記反射偏光子は、屈折率の異なる層が複数積層された多層膜である請求項3に記載のバックライトユニット。
  6. 前記光制御層は、光散乱層である請求項1または2に記載のバックライトユニット。
  7. 前記光散乱層は、異方性光散乱層である請求項6に記載のバックライトユニット。
  8. 前記光制御層は、前記発光部側の表面に凹凸形状を有するプリズム層である請求項1または2に記載のバックライトユニット。
  9. 前記光源は、単一ピークの光を発光する光源である請求項1〜8のいずれか1項に記載のバックライトユニット。
  10. 前記光源は、青色光を発光する青色光源である請求項9に記載のバックライトユニット。
  11. 前記波長変換層は、励起光により励起され蛍光を発光する蛍光体を含む請求項1〜10のいずれか1項に記載のバックライトユニット。
  12. 前記波長変換層は、少なくとも、励起光により励起され赤色光を発光する蛍光体および励起光により励起され緑色光を発光する蛍光体を含む請求項1〜11のいずれか1項に記載のバックライトユニット。
  13. 前記蛍光体は、量子ドットである請求項11または12に記載のバックライトユニット。
  14. 前記拡散部材および導光部材からなる群から選ばれる少なくとも一つの部材として、少なくとも拡散部材を含み、該拡散部材と波長変換層との間に、前記光制御層を有する請求項1〜13のいずれか1項に記載のバックライトユニット。
  15. 前記拡散部材および導光部材からなる群から選ばれる少なくとも一つの部材として、少なくとも拡散部材を含み、該拡散部材と発光部との間に、前記光制御層を有する請求項1〜13のいずれか1項に記載のバックライトユニット。
  16. 直下型バックライトユニットである請求項1〜15のいずれか1項に記載のバックライトユニット。
  17. 請求項1〜16のいずれか1項に記載のバックライトユニットと、液晶パネルと、を少なくとも含む液晶表示装置。
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