JP2016044513A - 建設機械の上部旋回体 - Google Patents

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貴宏 篠崎
Takahiro Shinozaki
貴宏 篠崎
辰宗 森
Tatsunori Mori
辰宗 森
山口 善三
Zenzo Yamaguchi
善三 山口
聖綱 朽木
Masatsuna Kuchiki
聖綱 朽木
木村 康正
Yasumasa Kimura
康正 木村
智徳 中下
Tomonori Nakashita
智徳 中下
英彰 細井
Hideaki Hosoi
英彰 細井
雅也 西澤
Masaya Nishizawa
雅也 西澤
恵理 渡辺
Eri Watanabe
恵理 渡辺
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Abstract

【課題】簡易な構成で、キャブデッキの低周波数域での振動を抑制し、エンジンデッキからキャブデッキへの高周波数域での振動伝達が大幅に増加することを抑制する。
【解決手段】キャブデッキ30は、旋回フレーム10に固定され、エンジンデッキ20との間に隙間Sをあけてエンジンデッキ20よりも前側Y1に配置される。板状部材40は、エンジンデッキ20とキャブデッキ30とを接続する。板状部材40の厚さ方向は、上下方向Zである。板状部材40のキャブ側固定位置43は、キャブデッキ30の後端部31rよりも前側Y1に配置される。
【選択図】図2

Description

本発明は、建設機械の上部旋回体に関する。
従来の建設機械の上部旋回体が、例えば特許文献1の図2などに記載されている。特許文献1には次の記載がある。「(12)は旋回フレーム(11)の中央部分を構成するセンタフレーム」(段落[0034])。「(17)はセンタフレーム(12)を挟んで左,右方向の一側(左側)に配置された左サイドフレーム」(段落[0038])。「キャブ支持枠(18)は・・・キャブ(8)を下側から支持するもの」(段落[0039])。なお、特許文献1に記載の符号には括弧を付した(他の文献についても同様)。
特許文献2の図3には、旋回フレーム(21)に搭載された運転室(6)(以下「キャブ」)が記載されている。同文献の[要約]には、「積層免震ゴム(41,42)により運転室本体(22)の前後方向、左右方向の振動を・・・規制」と記載されている。
特開2011−140854号公報 特開平5−255951号公報
特許文献1と同様の構造の上部旋回体では、キャブ支持枠(18)(以下「キャブデッキ」)よりも後側の左サイドフレーム(17)(以下「エンジンデッキ」)に、エンジンなどの振動源が搭載される場合がある。そのため、エンジンデッキからキャブデッキに振動が伝達し、キャブ内の振動(後述する高周波数域での振動)や騒音が問題となるおそれがある。
ここで、エンジンデッキからキャブデッキへの振動伝達を抑制するために、図10に示すように、エンジンデッキ120とキャブデッキ130とが切り離される(隙間Sが設けられる)場合がある。この場合、エンジンデッキ120とキャブデッキ130とが一体の場合に比べ、キャブデッキ130の水平方向の剛性が下がる。すると、キャブデッキ130が水平方向に変形しながら上下方向に変形するような振動モードが、他の振動モードに対して支配的となる。その結果、キャブデッキ130に取り付けられたキャブでの振動(後述する低周波数域での振動)が大きくなり、この振動がキャブ内での乗り心地に悪影響を与えるおそれがある。
また、特許文献2に記載の積層免震ゴム(41,42)が用いられる場合、構成が複雑になる。構成が複雑になる結果、例えば積層免震ゴムの配置スペースが必要となり、例えばコストが増大する。
そこで本発明は、簡易な構成で、キャブデッキの低周波数域での振動を抑制でき、エンジンデッキからキャブデッキへの高周波数域での振動伝達が大幅に増加することを抑制できる、建設機械の上部旋回体を提供することを目的とする。
本発明の建設機械の上部旋回体は、旋回フレームと、エンジンデッキと、キャブデッキと、板状部材と、を備える。前記エンジンデッキは、前記旋回フレームに固定され、前記旋回フレームよりも左右方向外側に配置される。前記キャブデッキは、前記旋回フレームに固定され、前記エンジンデッキとの間に隙間をあけて前記エンジンデッキよりも前側に配置される。前記板状部材は、前記エンジンデッキと前記キャブデッキとを接続する。前記板状部材は、前記エンジンデッキへの前記板状部材の固定位置であるエンジン側固定位置と、前記キャブデッキへの前記板状部材の固定位置であるキャブ側固定位置と、を備える。前記板状部材の厚さ方向は、上下方向である。前記キャブ側固定位置は、前記キャブデッキの後端部よりも前側に配置される。
上記構成により、簡易な構成で、キャブデッキの低周波数域での振動を抑制でき、エンジンデッキからキャブデッキへの高周波数域での振動伝達が大幅に増加することを抑制できる。
上部旋回体1の斜視図である。 図1に示す上部旋回体1を下から見た図である。 図2に示すキャブデッキ30の周辺を斜め下から見た斜視図である。 図2に示すキャブデッキ30の周辺を下から見た図であり、モデルM4などを示す図である。 モデルM1の図4相当図である。 モデルM2の図4相当図である。 モデルM3の図4相当図である。 モデルM5−bおよびM6−bの図4相当図である。 モデルM5−cの図4相当図である。 モデルM5−dの図4相当図である。 モデルM5−eの図4相当図である。 モデルM6−aの図4相当図である。 モデルM6−cの図4相当図である。 モデルM7−aの図4相当図である。 モデルM7−bの図4相当図である。 モデルM7−cの図4相当図である。 モデルM7−dの図4相当図である。 モデルM7−eの図4相当図である。 幅比Xb/Xaと、板厚比Zb/Xaと、振動が基準範囲内であるか否かと、の関係を示すグラフである。 従来の上部旋回体101のキャブデッキ130の振動モードを示す斜視図である。
図1〜図9を参照して、図1に示す上部旋回体1について説明する。
上部旋回体1は、建設機械に用いられる。上部旋回体1が用いられる建設機械は、例えばクレーンであり、例えば移動式クレーンである。上部旋回体1は、下部走行体(図示なし)に搭載され、下部走行体に対して旋回可能である。上部旋回体1は、旋回フレーム10と、エンジンデッキ20と、キャブデッキ30と、板状部材40と、を備える。
旋回フレーム10は、下部走行体(図示なし)に取り付けられる。旋回フレーム10には、ブーム(図示なし)などが取り付けられる。図2に示すように、旋回フレーム10の中心線であって、旋回フレーム10の長手方向に延びる中心線を、中心線10cとする。旋回フレーム10の長手方向に直交する方向、かつ、水平方向を、左右方向Xとする。左右方向Xにおいて、中心線10cに近づく側を左右方向内側X1とし、中心線10cから遠ざかる側を左右方向外側X2とする。旋回フレーム10の長手方向を、前後方向Yとする。前後方向Yにおいて、エンジンデッキ20に対するキャブデッキ30側を、前側Y1とする。前後方向Yにおいて、前側Y1とは逆側を後側Y2とする。前後方向Yおよび左右方向Xに直交する方向(鉛直方向)を、上下方向Zとする。上下方向Zには、上側Z1と下側Z2とがある。図1に示すように、旋回フレーム10は、接続部11を備える。
接続部11は、旋回フレーム10とキャブデッキ30とを接続する。接続部11は、キャブデッキ30に含まれず、接続部11の左右方向Xの幅は、後述するキャブデッキ幅Xa(図4参照)に含まれない。
エンジンデッキ20は、エンジン(図示なし)が搭載される構造物(フレーム)である。このエンジンは振動源である。エンジンデッキ20には、エンジン以外の振動源(図示しない油圧ポンプなど)が搭載されてもよい。エンジンデッキ20は、旋回フレーム10に固定(接続)される。エンジンデッキ20は、旋回フレーム10よりも左右方向外側X2に配置される。エンジンデッキ20は、エンジンデッキ枠21と、エンジンデッキ梁23と、図3に示すカバー取付部25と、配管通過部26と、を備える。
エンジンデッキ枠21は、図1に示すように、上下方向Zから見たエンジンデッキ20の外枠(外側)部分を構成する。エンジンデッキ枠21は、上下方向Zから見てC字状(矩形から1辺を取り除いた形状など)に構成される。エンジンデッキ枠21は、前端部21fと、後端部21rと、外側側面部21oと、を備える。前端部21fは、エンジンデッキ20の前側Y1の端部を構成する。後端部21rは、エンジンデッキ20の後側Y2の端部を構成する。後端部21rおよび前端部21fそれぞれは、旋回フレーム10から左右方向外側X2に延びる。外側側面部21oは、エンジンデッキ20の左右方向外側X2の端部を構成する。外側側面部21oは、前端部21fおよび後端部21rそれぞれの左右方向外側X2の端部どうしをつなぐ。
エンジンデッキ梁23は、上下方向Zから見たとき、エンジンデッキ枠21の内側に配置される。エンジンデッキ梁23は、旋回フレーム10から左右方向外側X2に延びる。エンジンデッキ梁23は、旋回フレーム10と外側側面部21oとをつなぐ(それぞれに固定される)。エンジンデッキ梁23は、複数設けられる。なお、図3および図4などでは、エンジンデッキ梁23を省略している。
カバー取付部25は、図3に示すように、アンダーカバー(図示なし)が取り付けられるブラケットである。上記アンダーカバーは、エンジンデッキ20の底面(下側Z2の面)を覆う。カバー取付部25は、前端部21fの下側Z2端部(底部)に配置される。カバー取付部25は、例えば前端部21fと一体的に構成される。カバー取付部25は、前端部21fと別体でもよい。例えば、カバー取付部25は、前端部21fよりも後側Y2に配置されてもよい。カバー取付部25は、フランジ状(つば状)である。カバー取付部25は、前端部21fの下側Z2端部から、後側Y2に突出する。カバー取付部25は、上下方向Zに直交する面を備える。カバー取付部25は、左右方向Xに延びる。カバー取付部25の左右方向Xの幅は、前端部21fの左右方向Xの幅よりも狭い。カバー取付部25の左右方向外側X2端部は、外側側面部21oよりも左右方向内側X1に配置される。
配管通過部26には、エンジンデッキ20内部とキャブデッキ30内部とを通る配管(図示なし)が通される。配管通過部26は、前端部21fがくりぬかれる(切り欠かれる)ことにより形成される。
キャブデッキ30は、図1に示すように、キャブ(図示なし、運転室)が搭載される構造物(フレーム)である。キャブデッキ30は、接続部11を介して、旋回フレーム10に固定される。キャブデッキ30は、旋回フレーム10よりも左右方向外側X2に配置される。キャブデッキ30は、エンジンデッキ20よりも前側Y1に配置される。キャブデッキ30は、エンジンデッキ20の前側Y1の位置(エンジンデッキ20の前部と前後方向Yに対向する位置)に配置される。キャブデッキ30とエンジンデッキ20との間には、前後方向Yの隙間Sがあけられる。隙間Sは、エンジンデッキ20からキャブデッキ30に振動が直接伝達されないようにするために設けられる。キャブデッキ30とエンジンデッキ20とは、直接にはつながっていない(いわば切り離されている)。なお、キャブデッキ30とエンジンデッキ20とは、板状部材40および旋回フレーム10を介して接続される。図4に示すように、左右方向Xにおけるキャブデッキ30の長さ(幅)を、キャブデッキ幅Xaとする。キャブデッキ幅Xaは、例えば900mm〜1000mmであり、例えば約950mmであり、例えば951mmなどである。前後方向Yにおけるキャブデッキ30の長さ(長手方向長さ)をキャブデッキ長さYaとする。図1に示すように、キャブデッキ30は、キャブデッキ枠31と、中間支持梁33(キャブデッキ梁)と、を備える。図8A〜図8Eに示すように、キャブデッキ30は、補強梁35(キャブデッキ梁)を備えてもよい。
キャブデッキ枠31は、図1に示すように、上下方向Zから見たキャブデッキ30の外周部分を構成する。キャブデッキ枠31は、上下方向Zから見て長方形に構成される。キャブデッキ枠31は、前端部31fと、後端部31rと、内側側面部31iと、外側側面部31oと、を備える。前端部31fは、キャブデッキ30の前側Y1の端部(先端部)を構成する。後端部31rは、キャブデッキ30の後側Y2の端部を構成する。内側側面部31iは、キャブデッキ30の左右方向内側X1の端部を構成する。外側側面部31oは、キャブデッキ30の左右方向外側X2の端部を構成する。内側側面部31iは、接続部11に固定される。前端部31fおよび後端部31rそれぞれは、内側側面部31iの前後方向Yの端部から左右方向外側X2に延びる。外側側面部31oは、前端部31fおよび後端部31rそれぞれの左右方向外側X2の端部どうしをつなぐ。内側側面部31iおよび外側側面部31oそれぞれは、前後方向Yに延びる。
中間支持梁33(キャブデッキ梁)は、キャブデッキ枠31に固定される梁である。中間支持梁33は、内側側面部31iと外側側面部31oとをつなぐ(接続する、それぞれに固定される)。中間支持梁33は、左右方向Xに延びる。中間支持梁33は、前端部31fと後端部31rとの間に配置される。中間支持梁33は、前端部31fよりも後側Y2、かつ、後端部31rよりも前側Y1に配置される。中間支持梁33は、例えば、前後方向Yにおけるキャブデッキ30の中央部(略中央を含む)に配置される。
補強梁35(キャブデッキ梁)は、図8A〜図8Eに示すように、中間支持梁33と同様にキャブデッキ枠31に固定される梁である。補強梁35は、中間支持梁33よりも前側Y1または後側Y2に配置される(詳細は後述)。図4に示すように、補強梁35は設けられなくてもよい。
板状部材40は、キャブデッキ30の振動を抑制するために設けられる。図3に示すように、板状部材40は、例えば直方体状であり(略直方体状でもよい)、例えば長方形(略長方形でもよい)の薄板状である。なお、図3では板状部材40を想像線(二点鎖線)で示した。図4に示すように、板状部材40は、1枚のみ設けられる。板状部材40は、複数枚設けられてもよい。板状部材40は、エンジンデッキ20とキャブデッキ30とを接続する。板状部材40は、エンジン側固定位置42でエンジンデッキ20に固定される。板状部材40は、キャブ側固定位置43でキャブデッキ30に固定される。上下方向Zから見た板状部材40の中心線であって、エンジン側固定位置42とキャブ側固定位置43とをつなぐ方向に延びる中心線を、中心線40cとする。中心線40cが延びる方向(以下「中心線40cの方向」)は、前後方向Yである。中心線40cの方向は、例えば前後方向Yと一致し(前後方向Yに対して傾かない)、例えば前後方向Yとほぼ一致してもよく、例えば前後方向Yに対して傾いてもよい。板状部材40の長手方向は、例えば中心線40cの方向である。板状部材40は、エンジンデッキ20およびキャブデッキ30に、締結部材(例えば図示しないボルト)により固定される。板状部材40は、エンジンデッキ20およびキャブデッキ30に、溶接により固定されてもよい。
この板状部材40の厚さ方向(板状部材40の表面に直交する方向)は、図3に示すように、上下方向Z(略上下方向Zを含む)である。板状部材40の、左右方向Xの長さ、前後方向Yの長さ、および上下方向Zの長さのうち、最も短いのは上下方向Zの長さである。板状部材40の厚さ方向が上下方向Zであることにより、板状部材40は上下方向Zに容易に弾性変形可能であるので、エンジンデッキ20からキャブデッキ30に振動が伝達しにくい。板状部材40は、水平方向(左右方向Xおよび前後方向Y)に延びる。板状部材40が水平方向に延びることにより、キャブデッキ30の水平方向の剛性が高まる。
エンジン側固定位置42は、エンジンデッキ20への板状部材40の固定位置である。エンジン側固定位置42は、エンジンデッキ20の底面に配置される。エンジン側固定位置42は、エンジンデッキ20の上面(上側Z1の面)などに配置されてもよい。図4に示すように、エンジン側固定位置42は、エンジンデッキ20の前端部21fに配置される。エンジン側固定位置42が前端部21fに配置されることにより、板状部材40の前後方向Yの長さを短くできる(エンジン側固定位置42が前端部21fよりも後側Y2に配置される場合と比べた場合)。エンジン側固定位置42は、前端部21fよりも後側Y2に配置されてもよい。エンジン側固定位置42は、エンジンデッキ20の左右方向外側X2部(左右方向Xにおけるエンジンデッキ20の中央よりも左右方向外側X2部分)に配置される。エンジン側固定位置42は、エンジンデッキ20の左右方向内側X1部(左右方向Xにおけるエンジンデッキ20の中央よりも左右方向内側X1部分)に配置されてもよい。エンジン側固定位置42の左右方向外側X2端部は、エンジンデッキ20の外側側面部21oよりも左右方向内側X1に配置される。エンジン側固定位置42の左右方向外側X2端部は、外側側面部21oに配置されてもよい(図5B参照)。
このエンジン側固定位置42は、図3に示すカバー取付部25に配置される。エンジンデッキ枠21の前端部21fとカバー取付部25とが一体の場合は、エンジン側固定位置42がカバー取付部25に配置される結果、エンジン側固定位置42が前端部21fに配置されることにもなる。エンジン側固定位置42がカバー取付部25に配置されることにより、アンダーパネル(図示なし)用の取付ブラケットと、板状部材40用の取付ブラケットと、を兼用させることができる。エンジン側固定位置42の左右方向外側X2端部は、カバー取付部25の左右方向外側X2端部に対し、例えば一致し、例えばほぼ一致し、例えばずれてもよい(図示なし)。エンジン側固定位置42では、板状部材40がカバー取付部25に直接固定される。エンジン側固定位置42では、板状部材40がアンダーパネル(図示なし)を介してカバー取付部25に固定されてもよい。エンジン側固定位置42は、カバー取付部25に配置されなくてもよい。エンジン側固定位置42は、例えばエンジンデッキ枠21に配置されてもよく、また例えばエンジンデッキ梁23(図2参照)などに配置されてもよい。
キャブ側固定位置43は、キャブデッキ30への板状部材40の固定位置である。キャブ側固定位置43は、キャブデッキ30の底面に配置される。キャブ側固定位置43は、キャブデッキ30の上面(上側Z1の面)などに配置されてもよい。キャブ側固定位置43は、キャブデッキ30の上面および底面のうち、エンジンデッキ20においてエンジン側固定位置42が配置される面(上面または底面)と同じ側の面に配置される。図4に示すように、キャブ側固定位置43は、キャブデッキ30の前端部31fよりも後側Y2に配置される。キャブ側固定位置43は、キャブデッキ30の後端部31rよりも前側Y1に配置される。キャブ側固定位置43は、キャブデッキ30の左右方向外側X2部(左右方向Xにおけるキャブデッキ30の中央よりも左右方向外側X2部分)に配置される。キャブ側固定位置43は、左右方向内側X1部(左右方向Xにおけるキャブデッキ30の中央よりも左右方向内側X1部分)に配置されてもよい。キャブ側固定位置43の左右方向内側X1端部は、左右方向Xにおけるキャブデッキ30の中央よりも左右方向外側X2に配置される。キャブ側固定位置43の左右方向内側X1端部は、例えば、左右方向Xにおけるキャブデッキ30の中央部(略中央を含む)に配置されてもよく、また例えば、この中央部よりも左右方向内側X1に配置されてもよい。キャブ側固定位置43の左右方向外側X2端部は、キャブデッキ30の外側側面部31oよりも左右方向内側X1に配置される。キャブ側固定位置43の左右方向外側X2端部は、キャブデッキ30の外側側面部31oに配置されてもよい(図5B参照)。
このキャブ側固定位置43は、中間支持梁33に配置される。キャブ側固定位置43が中間支持梁33に配置されることにより、板状部材40をキャブデッキ30に取り付けるためのブラケットを中間支持梁33とは別に設ける必要がない。キャブ側固定位置43は、補強梁35に配置されてもよい(図8A〜図8E参照)。
(板状部材40などの寸法について)
板状部材40の寸法には、図4に示すように、板幅Xbと、板長さYbと、板厚Zbと、がある。板幅Xbは、中心線40cの方向に直交する方向、かつ、板状部材40の厚さ方向に直交する方向における、板状部材40の長さである。ここで、中心線40cの方向が前後方向Yと一致し、かつ、板状部材40の厚さ方向が上下方向Zと一致する場合、板幅Xbは、左右方向Xにおける板状部材40の長さ(幅)である。板幅Xbをキャブデッキ幅Xaで割った値を、幅比Xb/Xaとする。板長さYbは、前後方向Yにおける、エンジン側固定位置42とキャブ側固定位置43との間隔(最短距離)である。例えば、板長さYbは、エンジン側固定位置42の締結部材(図示なし)と、キャブ側固定位置43の締結部材(図示なし)と、の間隔である。板長さYbは、前後方向Yにおける板状部材40の長さと等しい(図4参照)、またはほぼ等しい。板状部材40の長手方向が前後方向Yの場合、板長さYbは、板状部材40の長手方向長さと等しい、またはほぼ等しい。板長さYbをキャブデッキ長さYaで割った値を、長さ比Yb/Yaとする。板厚Zbは、上下方向Zにおける、板状部材40の長さ(厚さ)である。板厚Zbをキャブデッキ幅Xaで割った値を、板厚比Zb/Xaとする。
(比較)
様々な配置および寸法の板状部材40それぞれについて、キャブデッキ30の振動の大きさを比較した。以下では、板状部材40の中心線40cの方向が前後方向Yと一致する場合について説明する。
(取付箇所の比較:モデルM1〜M4)
図5A〜図5Cおよび図4に示すように、板状部材40の取付箇所が互いに異なるモデルM1〜M4について、キャブデッキ30の振動の大きさ(振動加速度、応答加速度)を比較した。モデルM1〜M4の条件および比較結果を表1に示す。表1中の「低周波数域」は、振動低減の対象とする周波数域(低減対象周波数域)であり、具体的には13〜20Hz付近である。キャブデッキ30の低周波数域での振動は、キャブデッキ30が水平方向に変形しながら上下方向Zに変形するような(ねじれるような)振動モード(図10参照)により生じる。この振動モードは0〜20Hz付近で生じる。表1中の「高周波数域」は、低減対象周波数域以外の周波数域であり、具体的には40Hz付近以上である。高周波数域での振動は、エンジンデッキ20からキャブデッキ30への振動伝達により生じる。表1中の「加速度低減率」(および「加速度増加率」)は、板状部材40が取り付けられていないキャブデッキ30の振動加速度に対する、各モデルM1〜M4のキャブデッキ30の振動加速度の低減率(および増加率)である。以下、各モデルM1〜M4についての、振動加速度(単に振動ともいう)の大きさの「増加」および「低減」は、板状部材40を備えないものと、各モデルM1〜M4(板状部材40を備えるもの)と、を比べたものである(後述するモデルM7−a〜M7−e以外のモデルについても同様)。表1の「低周波数域での加速度低減率」の列中の負の値は、振動加速度が低減したことを示し、正の値は、振動加速度が増加したことを示す(他の表についても同様)。
Figure 2016044513
(デッキ側面部:モデルM1)
図5Aに示すように、モデルM1は、上記実施形態の旋回フレーム10(図4参照)に似たモデル(参考例)である。モデルM1は、次のように構成される。板状部材40は、エンジンデッキ20の外側側面部21oとキャブデッキ30の外側側面部31oとに接続される。板状部材40の厚さ方向は、左右方向Xである。表1に示すように、モデルM1では、低周波数域での振動が低減した。これは、板状部材40によりキャブデッキ30の水平方向の剛性が増加したことによる。モデルM1では、高周波数域での振動(振動伝達)が大幅に増加した。「大幅に増加」とは、加速度増加率が100%を超えること(2倍よりも大きく増加すること)を意味する(以下同様)。高周波数域での振動が大幅に増加した理由は、板状部材40によりキャブデッキ30の上下方向Zの剛性が増加し、エンジンデッキ20からキャブデッキ30に振動が伝達されやすくなったからである。
(デッキ底面外側端部:モデルM2)
図5Bに示すモデルM2は、次のように構成される。板状部材40の厚さ方向は上下方向Zである(以下のモデルについて同様)。エンジン側固定位置42は、エンジンデッキ20の底面に配置される(以下のモデルについて同様)。エンジン側固定位置42は、エンジンデッキ20の前端部21fかつカバー取付部25に配置される(以下のモデルについて同様)。エンジン側固定位置42は、エンジンデッキ20の左右方向外側X2端部(外側側面部21o)に配置される。キャブ側固定位置43は、中間支持梁33に配置される(後述するモデルM3〜M6−eについても同様)。キャブ側固定位置43は、キャブデッキ30の底面に配置される(以下のモデルについて同様)。キャブ側固定位置43は、キャブデッキ30の左右方向外側X2端部(外側側面部31o)に配置される。表1に示すように、モデルM2では、低周波数域での振動が低減した。モデルM2では、高周波数域である40Hz付近の振動は増加しなかった。モデルM2では、高周波数域である90Hz付近の振動が大幅に増加した。
(デッキ底面内側部:モデルM3)
図5Cに示すモデルM3は、次のように構成される。エンジン側固定位置42およびキャブ側固定位置43それぞれは、左右方向Xにおけるキャブデッキ30の中央よりも左右方向内側X1のみに配置される。表1に示すように、モデルM3では、低周波数域での振動が低減した。モデルM3では、高周波数域である40Hz付近での振動が増加した。
(デッキ底面中央外側部:モデルM4)
図4に示すモデルM4は、次のように構成される。エンジン側固定位置42は、左右方向Xにおけるエンジンデッキ20の左右方向外側X2部に配置される。エンジン側固定位置42の左右方向外側X2端部は、外側側面部21oよりも左右方向内側X1に配置される。エンジン側固定位置42の左右方向外側X2端部は、カバー取付部25の左右方向外側X2端部と揃うように配置される(以下のモデルについて同様)。キャブ側固定位置43は、左右方向Xにおけるキャブデッキ30の中央外側部に配置される。さらに詳しくは、キャブ側固定位置43の(板状部材40の)左右方向外側X2端部は、キャブデッキ30の左右方向外側X2部(左右方向Xにおけるキャブデッキ30の中央よりも左右方向外側X2部分)に配置される。かつ、キャブ側固定位置43の左右方向外側X2端部は、外側側面部31oよりも左右方向内側X1に配置される。キャブ側固定位置43の左右方向外側X2端部と、外側側面部31oの左右方向外側X2端部と、の左右方向Xにおける距離(間隔)は、キャブデッキ幅Xaの約1/4倍である(以下のモデルについて同様)。
表1に示すように、モデルM4では、低周波数域での振動が低減した。モデルM4では、モデルM3(図5C参照)に比べ、キャブデッキ30の水平方向の変形が大きい位置にキャブ側固定位置43が配置される。その結果、モデルM4では、低周波数域での振動がモデルM3よりも低減した。モデルM4では、高周波数域である40Hzでの振動がわずかに増加し、118Hz付近での振動が増加した。
(幅比Xb/Xaの比較:モデルM5−a〜M5−e)
図4および図6A〜図6Dに示すように、板状部材40の幅比Xb/Xa(図4参照)が互いに異なるモデルM5−a〜M5−eについて、キャブデッキ30の振動の大きさを比較した。モデルM5−a〜M5−eの条件および比較結果を表2に示す。なお、図4に示すモデルM5−aは、モデルM4と同一のモデルである。
Figure 2016044513
表2に示すように、モデルM5−a〜M5−dのように、幅比Xb/Xaが1/3以下の場合、低周波数域での振動が低減した。モデルM5−b〜M5−dのように、幅比Xb/Xaが1/6以下の場合、低周波数域での振動が低減し、さらに、高周波数域での振動が増加しなかった。モデルM5−aのように、幅比Xb/Xaが1/3の場合、高周波数域での振動が増加した。モデルM5−eのように、幅比Xb/Xaが1/2の場合、低周波数域および高周波数域で振動が増加した。この比較から、幅比Xb/Xaは、1/6以下であることが望ましい。
(長さ比Yb/Yaの比較(補強梁35なし):モデルM6−a〜M6−e)
図7A、図6A、図7Bに示すように、板状部材40の長さ比Yb/Ya(図4参照)などが互いに異なるモデルM6−a〜M6−eについて、キャブデッキ30の振動の大きさを比較した。モデルM6−a〜M6−eの条件および比較結果を表3に示す。なお、図6Aに示すモデルM6−bは、モデルM5−bと同一のモデルである。また、図7Bに示すモデルM6−cに対して板幅Xbのみを変えたものが、モデルM6−dおよびモデルM6−eであるため、モデルM6−dおよびモデルM6−eの図示を省略した。
Figure 2016044513
(キャブデッキ後端部接続:モデルM6−a)
図7Aに示すように、モデルM6−aは、上部旋回体1に似たモデル(参考例)である。モデルM6−aでは、キャブ側固定位置43は、キャブデッキ30の後端部31rに配置される。表3に示すように、モデルM6−aでは、低周波数域で振動が増加し、高周波数域である40Hz付近で振動が大幅に増加した。
(中間支持梁接続:モデルM6−b)
図6Aに示すモデルM6−b(モデルM5−bと同様)では、キャブ側固定位置43は、中間支持梁33に配置される。このモデルM6−bでは、低周波数域での振動は低減し、高周波数域での振動は増加しなかった。
(キャブデッキ前端部接続:モデルM6−c〜M6−e)
図7Bに示すモデルM6−c、モデルM6−d(図示なし)、およびモデルM6−e(図示なし)では、キャブ側固定位置43は、キャブデッキ30の前端部31fに配置される。モデルM6−c、モデルM6−d、およびモデルM6−eでは、幅比Xb/Xa(図4参照)が互いに異なる(表3参照)。表3に示すように、このモデルM6−c、M6−d、およびM6−eそれぞれでは、低周波数域での振動は低減し、高周波数域である40Hz付近での振動は増加した。
(長さ比Yb/Yaの比較(補強梁35あり):モデルM7−a〜M7−e)
図8A〜図8Eに示すように、板状部材40の長さ比Yb/Ya(図4参照)などが互いに異なるモデルM7−a〜M7−eについて、キャブデッキ30の振動の大きさを比較した。モデルM7−a〜M7−eの条件および比較結果を表4に示す。モデルM7−a〜M7−eでは、キャブ側固定位置43は、補強梁35に配置される。モデルM7−a〜M7−eについての振動の大きさの「増加」および「低減」は、補強梁35を備えるとともに板状部材40を備えないものと、モデルM7−a〜M7−e(補強梁35および板状部材40を備えるもの)と、を比べたものである。
Figure 2016044513
表4に示すように、モデルM7−aおよびM7−bのように、長さ比Yb/Yaが6/9〜7/9の場合、低周波数域で振動が増加し、高周波数域である40Hz付近での振動が増加した。モデルM7−cおよびM7−dのように、長さ比Yb/Yaが2/9〜3/9の場合、低周波数域での振動は低減し、高周波数域での振動は増加しなかった。表3および表4に示すように、モデルM6−a〜6−eおよびモデルM7−a〜M7−eの比較から、長さ比Yb/Yaは、2/9以上8/13以下であることが望ましい。
(板厚比Zb/Xaの比較:モデルM8−a〜M8−m)
図9に示すように、図4に示す板状部材40の板厚比Zb/Xaおよび幅比Xb/Xaなどが互いに異なるモデルM8−a〜M8−m(図9参照)について、キャブデッキ30の振動の大きさを比較した。モデルM8−a〜M8−m(図9参照)の条件および比較結果を表4に示す。図9に、幅比Xb/Xa(横軸)と、板厚比Zb/Xa(縦軸)と、キャブデッキ30の振動が基準範囲内か否かと、の関係を示す。図9では、キャブデッキ30の振動が0〜350Hzの領域で増加しなかったものを「基準範囲内」として丸印で示した。また、上記周波数域で振動が増加したものを「基準範囲外」として三角印で示した。
Figure 2016044513
図9においてハッチングを付した領域A内で「基準範囲内」となった。領域Aの内と外との境界線Lの関係式は、次の式のように表せる。
y=0.0006x-0.55
ここで、yは板厚比Zb/Xaであり、xは幅比Xb/Xaである。
(振動抑制の効果について)
図4に示す上部旋回体1では、従来技術(キャブデッキ30に板状部材40が取り付けられていないもの、図10参照)と比べたとき、次の[条件a]および[条件b]を満たす必要がある。[条件a]キャブデッキ30の低周波数域(13〜20Hz付近)での振動が、低減される。すなわち、低周波数域での加速度低減率が0%未満である。なお、上記のように、加速度低減率が負の数であることは、振動が低減したことを示す。[条件b]キャブデッキ30の高周波数域(約40Hz以上)での振動(振動伝達)の、大幅な増加がない。具体的には、高周波数域での加速度増加率が100%以下(従来技術に対して2倍以下)である。ただし、この[条件b]は、高周波数域のうち、一部の周波数域でのみ満たされてもよい。
([条件a]について)
例えば、表2に示すように、モデルM5−eでは、キャブデッキ30の低周波数域での振動が増加したので、モデルM5−eは実施形態の上部旋回体1には含まれない(モデルM5−eは参考例である)。ただし、表2に示すモデルM5−eの条件(例えば幅比Xb/Xa=1/2)を満たす上部旋回体でも、上記[条件a]および[条件b]を満たすものは、実施形態の上部旋回体1に含まれる。例えば、表2に示す条件以外の条件がモデルM5−eと異なることにより、上記[条件a]が満たされる場合があり得る。
([条件b]について)
キャブデッキ30の高周波数域での振動の増加率は、小さいほど好ましい。キャブデッキ30の高周波数域での振動の増加率は、例えば、50%以下、40%以下、30%以下、20%以下、10%以下、または5%以下などである。キャブデッキ30の高周波数域での振動の増加率は、0%以下(増加なし)であることがより好ましい。この[条件b]は、高周波数域(約40Hz以上)のうち、一部の周波数域(例えば40Hz付近)でのみ満たされてもよい。例えば、表1に示すモデルM2は、90Hzでは振動が588%増加(大幅に増加)したが、40Hzで振動が増加しなかったので、一部の周波数域で[条件b]を満たす。上記[条件b]を満たす周波数域は、広いほど好ましい。上記[条件b]を満たす周波数域は、例えば約40Hz付近であり、約40Hz〜約90Hzが好ましく、約40Hz〜約120Hzがより好ましく、40Hz〜約350Hzがより好ましい。
表5に示すように、モデルM8−a〜M8−mは、上記[条件a]および[条件b]を満たすので、実施形態の上部旋回体1に含まれる。モデルM8−a〜M8−mは、「基準範囲内」のものだけでなく、「基準範囲外」のものも、上部旋回体1に含まれる。振動の大きさが「基準範囲内」であることが好ましい。
(効果1)
図2に示す上部旋回体1による効果を説明する。上部旋回体1は、旋回フレーム10と、エンジンデッキ20と、キャブデッキ30と、板状部材40と、を備える。エンジンデッキ20は、旋回フレーム10に固定され、旋回フレーム10よりも左右方向外側X2に配置される。キャブデッキ30は、旋回フレーム10に固定され、エンジンデッキ20との間に隙間Sをあけてエンジンデッキ20よりも前側Y1に配置される。板状部材40は、エンジンデッキ20とキャブデッキ30とを接続する。板状部材40は、エンジンデッキ20への板状部材40の固定位置であるエンジン側固定位置42と、キャブデッキ30への板状部材40の固定位置であるキャブ側固定位置43と、を備える。
[構成1−1]板状部材40の厚さ方向は、上下方向Zである。
[構成1−2]キャブ側固定位置43は、キャブデッキ30の後端部31rよりも前側Y1に配置される。
上記[構成1−1]の結果、板状部材40は、水平方向に延びる。よって、上記[構成1−1]を備えない場合に比べ、キャブデッキ30の水平方向の剛性が上がる。よって、キャブデッキ30が水平方向に変形しながら上下方向Zに変形するような(ねじれるような)振動モード(図10参照)を抑制できる。この振動モードは低周波数域(13〜20Hz付近)で生じる。よって、キャブデッキ30の低周波数域での振動を抑制できる。
また、上記[構成1−1]により、板状部材40の厚さ方向が上下方向Zでない場合に比べ、板状部材40は上下方向Zに容易に弾性変形できる。よって、エンジンデッキ20とキャブデッキ30とを板状部材40で接続するにもかかわらず、エンジンデッキ20からキャブデッキ30に振動が伝達されにくい。この振動には、高周波数域(約40Hz以上)の成分が含まれる。よって、エンジンデッキ20からキャブデッキ30への、高周波数域での振動伝達が大幅に増加することを抑制できる。さらに詳しくは、板状部材40を備えない場合と比べたとき、振動伝達の大幅な増加(増加率が100%を超える増加)を、高周波数域の少なくとも一部の領域で、抑制できる。
また、上記[構成1−2]により、キャブデッキ30の低周波数域および高周波数域での振動を確実に抑制できる(上記のモデルM6−a〜M6−eを参照)。
また、上記[構成1−1]および[構成1−2]を満たすように板状部材40設けることで、キャブデッキ30の振動を抑制できる。よって、簡易な構成でキャブデッキ30の振動を抑制できる。具体的には例えば、従来の建設機械に対して大幅な設計変更を行う必要がなく、また例えば積層免震ゴム(特許文献2参照)などを用いた複雑な構成を用いる必要もない。
(効果2)
[構成2]キャブ側固定位置43は、キャブデッキ30の左右方向外側X2部に配置される。
上部旋回体1は、上記[構成2]を備える。よって、キャブデッキ30の左右方向内側X1部に比べて水平方向に大きく振動する、キャブデッキ30の左右方向外側X2部に、板状部材40が固定される。よって、キャブデッキ30の水平方向の振動をより抑制できる。その結果、キャブデッキ30の低周波数域での振動をより抑制できる。
(効果3)
キャブデッキ30は、キャブデッキ30の前端部31fと後端部31rとの間に配置される中間支持梁33(キャブデッキ梁)を備える。
[構成3−1]エンジン側固定位置42は、エンジンデッキ20の前端部21fに配置される。
[構成3−2]キャブ側固定位置43は、中間支持梁33(または補強梁35(図8Aなど参照))に配置される。
通常、エンジンデッキ20の前端部21fには何らかの構造物がある(エンジンデッキ枠21やカバー取付部25など)。よって、上記[構成3−1]により、従来の建設機械に対して大幅な設計変更を行わなくても、板状部材40をエンジンデッキ20に固定できる。
通常、キャブデッキ30には梁が設けられる。よって、上記[構成3−2]により、従来の建設機械に対して大幅な設計変更を行わなくても、板状部材40をキャブデッキ30に固定できる。
(効果4)
[構成4]図3に示すように、エンジン側固定位置42は、エンジンデッキ20の底面に配置される。キャブ側固定位置43は、キャブデッキ30の底面に配置される。
上記[構成4]により、エンジンデッキ20またはキャブデッキ30に機器が搭載された後でも、エンジンデッキ20およびキャブデッキ30に容易に板状部材40を固定できる(後付け可能である)。
(効果5)
[構成5]図4に示すエンジン側固定位置42とキャブ側固定位置43との前後方向Yの間隔(板長さYb)は、キャブデッキ30の前後方向Yの長さ(キャブデッキ長さYa)の2/9倍以上かつ8/13倍以下である。
上記[構成5]により、キャブデッキ30の振動を確実に抑制できる。
(効果6)
[構成6]板状部材40の左右方向X長さ(板幅Xb)をキャブデッキ30の左右方向X長さ(キャブデッキ幅Xa)で割った値を幅比Xb/Xaとする。板状部材40の板厚Zbをキャブデッキ30の左右方向X長さ(キャブデッキ幅Xa)で割った値を板厚比Zb/Xaとする。幅比Xb/Xaをxとしたとき、板厚比Zb/Xaは、
0.0006x-0.55以下である。
上記[構成6]により、キャブデッキ30の振動を確実に抑制できる(図9参照)。
(変形例)
上記実施形態や各モデルは、様々に変形できる。例えば、図4に示す板状部材40の寸法や寸法比は、上記の各モデルの寸法や寸法比と同一でなくてもよい。具体的には例えば、上記のモデルには、例えば表3に示すように、幅比Xb/Xaが1/3のものと1/6のモデルとがあった。しかし、幅比Xb/Xaを、1/3と1/6との間の値(3/12など)に設定してもよい。また、異なるモデルどうしの寸法や寸法比どうしを組み合わせてもよい。具体的には例えば、表2に示すモデルM5−cの、幅比Xb/Xa=1/12という寸法比と、同モデルの長さ比Yb/Ya=8/13という寸法比と、モデルM8−aの板厚Zb=1.0という寸法と、を組み合わせてもよい。
1 上部旋回体
10 旋回フレーム
20 エンジンデッキ
30 キャブデッキ
33 中間支持梁(キャブデッキ梁)
35 補強梁(キャブデッキ梁)
40 板状部材
42 エンジン側固定位置
43 キャブ側固定位置

Claims (6)

  1. 旋回フレームと、
    前記旋回フレームに固定され、前記旋回フレームよりも左右方向外側に配置されるエンジンデッキと、
    前記旋回フレームに固定され、前記エンジンデッキとの間に隙間をあけて前記エンジンデッキよりも前側に配置されるキャブデッキと、
    前記エンジンデッキと前記キャブデッキとを接続する板状部材と、
    を備え、
    前記板状部材は、
    前記エンジンデッキへの前記板状部材の固定位置であるエンジン側固定位置と、
    前記キャブデッキへの前記板状部材の固定位置であるキャブ側固定位置と、
    を備え、
    前記板状部材の厚さ方向は、上下方向であり、
    前記キャブ側固定位置は、前記キャブデッキの後端部よりも前側に配置される、
    建設機械の上部旋回体。
  2. 請求項1に記載の建設機械の上部旋回体であって、
    前記キャブ側固定位置は、左右方向における前記キャブデッキの中央部よりも左右方向外側部に配置される、
    建設機械の上部旋回体。
  3. 請求項1または2に記載の建設機械の上部旋回体であって、
    前記キャブデッキは、前記キャブデッキの前端部と後端部との間に配置されるキャブデッキ梁を備え、
    前記エンジン側固定位置は、前記エンジンデッキの前端部に配置され、
    前記キャブ側固定位置は、前記キャブデッキ梁に配置される、
    建設機械の上部旋回体。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の建設機械の上部旋回体であって、
    前記エンジン側固定位置は、前記エンジンデッキの底面に配置され、
    前記キャブ側固定位置は、前記キャブデッキの底面に配置される、
    建設機械の上部旋回体。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の建設機械の上部旋回体であって、
    前記エンジン側固定位置と前記キャブ側固定位置との前後方向の間隔は、前記キャブデッキの前後方向の長さの2/9倍以上かつ8/13倍以下である、
    建設機械の上部旋回体。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の建設機械の上部旋回体であって、
    前記板状部材の左右方向長さを前記キャブデッキの左右方向長さで割った値である幅比をxとしたとき、前記板状部材の板厚を前記キャブデッキの左右方向長さで割った値である板厚比は、0.0006x-0.55以下である、
    建設機械の上部旋回体。
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