JP2016042138A - エレクトロクロミック表示パネル - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の課題は、表示デバイスの材料の劣化や消費電力を増加させることなく、従来のエレクトロクロミック表示パネルに比べ視認される色相の種類が多いエレクトロクロミック方式表示パネルを提供することである。【解決手段】電解質層を背面電極基板と前面電極基板によりサンドイッチすることによって構成したエレクトロクロミック表示パネルであって、前記背面電極基板は、支持体である背面基板上に形成された背面電極層と、その上に形成された電荷蓄積層と、を備えてなり、前記前面電極基板は、透明基板上に形成された透明電極層と、その上に形成されたエレクトロクロミック表示層と、を備えてなり、前記電解質層は、温度により色相が変化する示温材料を含んでいることを特徴とするエレクトロクロミック表示パネルを提供することである。【選択図】図2

Description

本発明は、エレクトロクロミック表示パネルに関するものであり、特に示温材料を含む電解質層を有したエレクトロクロミック表示パネルに関する。
近年、情報表示パネルとしてバックライトを使用した液晶表示パネルが主流である。しかし、このようなディスプレイは目の負担が大きく、長時間見続ける用途としては適していない。
そこで現在目に対する負担が小さい表示装置として、紙代替の電子媒体として反射型表示素子を用いた電子ペーパーの開発が盛んに行われている。電子ペーパーは、白反射率やコントラスト比が高い、表示にメモリ効果がある、低電圧で駆動できる、薄くて軽いなどの利点が挙げられる。
電子ペーパーの表示方式のひとつとして、電界印加することによって可逆的に酸化還元反応が起こる発色と消色の現象を利用したエレクトロクロミック表示素子を用いた表示方式がある。電気的に着色変化できるエレクトロクロミック表示素子は、低電圧で駆動することができ、簡便な構造であるため、高い反射率を期待することができるので電子ペーパーの表示方式として注目が集まっている。
エレクトロクロミック表示パネルでは、電極間に電圧を印加し、電解質中のイオンが移動すると、表示層にあるエレクトロクロミック材料が酸化または還元反応し、その材料が発色することで画像が表示される。
このエレクトロクロミック表示方式は、紙と同様の反射型表示媒体であるが、一般的に無色状態または有色状態の2色の表示しかできないため、表示できる色相が制限されるという課題がある。そのため、情報の表示に制限があり、情報を表示する表現力が低いという欠点がある。
これに対し、表示可能な色相を増やすため、異なる色に変化する多種類のエレクトロクロミック材料を塗り分けることで多色表示とする提案がある(例えば特許文献1参照)。しかし、エレクトロクロミック表示材料を塗り分けることは製造プロセス上困難であり、現実的ではない。
上記の通り、エレクトロクロミック材料を用いた表示パネルには、表示できる色相が限定的であるという短所がある。この短所に対し、多種類のエレクトロクロミック材料を並べることで多色表示をする提案があるが、加工上の難易度が高いことから生産性が低い。
特開2001−170364号公報
本発明の課題は、製造が容易で、表示デバイスの材料の劣化や消費電力を増加させることなく、従来のエレクトロクロミック表示パネルに比べ視認される色相の種類が多いエレクトロクロミック方式表示パネルを提供することである。
上記の課題を解決するための手段として、請求項1に記載の発明は、電解質層を背面電極基板と前面電極基板によりサンドイッチした構成のエレクトロクロミック表示パネルであって、
前記背面電極基板は、背面基板上に形成された背面電極層と、その上に形成された電荷蓄積層と、を備えてなり、
前記前面電極基板は、透明基板上に形成された透明電極層と、その上に形成されたエレクトロクロミック表示層と、を備えてなり、
前記電解質層は、反射材料と温度により色相が変化する示温材料とを含んでいることを特徴とするエレクトロクロミック表示パネルである。
また請求項2に記載の発明は、前記電解質層が前記背面電極基板側の電解質層と前記前面電極基板側の電解質層の2層から構成されており、前記背面電極基板側の電解質層には、前記示温材料が含まれていないことを特徴とする請求項1に記載のエレクトロクロミック表示パネルである。
また請求項3に記載の発明は、電解質層を背面電極基板と前面電極基板によりサンドイッチすることによって構成したエレクトロクロミック表示パネルであって、
前記背面電極基板は、支持体である背面基板上に形成された背面電極層と、その上に形成された電荷蓄積層と、その上に示温材料が無添加の電解質を含む多孔質の反射材料からなる反射電解質層と、を備えてなり、
前記前面電極基板は、透明基板上に形成された透明電極層と、その上に形成されたエレクトロクロミック表示層と、を備えてなり、
前記電解質層は、温度により色相が変化する示温材料を含んでいることを特徴とするエレクトロクロミック表示パネルである。
本発明のエレクトロクロミック表示パネルにおいては、容易に製造でき、且つ使用する電解質中に温度により色相の変化する示温材料を加えることで、従来のエレクトロクロミック表示パネルよりも容易にカラー表示することが可能となり、表現できる情報量を増やすことができるため、アイキャッチ効果を高めることができる。
従来の一般的なエレクトロクロミック表示パネルの一例を示す概略断面図である。 本発明のエレクトロクロミック表示パネルの一例を示す概略断面図である。 本発明のエレクトロクロミック表示パネルの一例を示す概略断面図である。
本発明を、図面を用いて説明する。
図2は、本発明のエレクトロクロミック表示パネル16であり、電解質層10に温度で色相の変化する示温材料12を混合したエレクトロクロミック表示パネル12の概略断面図であり、図1の従来のエレクトロクロミック表示パネル15の電解質層10に、反射材料5と示温材料12が添加された構成となっていて、示温材料が電解質層に分散している状態である。
図3は本発明による2層の電解質層を有するエレクトロクロミック表示パネル17の概略断面図であり、図1の電解質層10が、反射材5を含有した反射電解質層14と、前面電極基板9側が示温材料12を含有した示温材料含有電解質層13の、2層になった構成
となっている。
以下に、本発明の、エレクトロクロミック材料を用いた表示パネルの表示原理の概略を、図2を用いて説明する。
背面基板8上に設置された多数の背面電極層7は、アクティブマトリクス型駆動方式の回路構成の電源に接続される。これにより、背面電極層7は各々の画素電極スイッチング素子に接続されていて、透明電極層2との間に正負の電圧を印加することができる。背面電極層7の電圧を変動させると、電解質層10中のイオンがエレクトロクロミック表示層3または電荷蓄積層6へと移動し、エレクトロクロミック表示層3または電荷蓄積層6の物質を介して、電気回路と表示デバイス間で電子の授受が行われる。
背面電極層7が正極のとき、電荷蓄積層6は電子を失い酸化され、対極となる透明電極層2上のエレクトロクロミック表示層3には電子が供与され還元される。反対に、背面電極層7が負極のとき、電荷蓄積層6には電子が供与されため還元され、エレクトロクロミック表示層3は電子を失い酸化される。
このエレクトロクロミック表示層3の酸化還元反応に伴い、可視光に吸収波長域が現われ、または移動することでエレクトロクロミック表示層3の色相が変化する。エレクトロクロミック表示層3に可視光吸収がなく無色透明な場合は、電解質層10に分散されている反射材料5による発色が観察される。
図1に示すように、従来のエレクトロクロミック方式の表示パネルは、前面電極基板9の透明電極層2に電圧を印加し、電解質中のイオンを移動させ、エレクトロクロミック表示層3にあるエレクトロクロミック材料を酸化または還元反応させることでその色相を変化させて画像を表示する。ここで視認される色相は、エレクトロクロミック材料を含むエレクトロクロミック表示層3及び電解質層10の混色した色相である。一般的には電解質層10の色は変化せずエレクトロクロミック表示層3のエレクトロクロミック材料に色相のみが着色状態、消色状態に変化するため、2色表示のみとなる。
一方、図2に示すように、本発明のエレクトロクロミック方式の表示パネルでは、温度によって色相が可逆的または不可逆的に変化する示温材料12が電解質層中に含まれている反射型のエレクトロクロミック表示パネル16であるため、示温材料含有電解質層13は温度変化によって色相が変化することから、表示パネルを使用する環境温度や使用状況により表示パネルの色が変化するので、表示パネルに付加価値を与えることができ、さらにはアイキャッチ効果を高めることができる。
以下に本発明に使用する材料、部材とその構成について説明する。
エレクトロクロミック表示層3の形成にはエレクトロクロミック材料単体もしくはバインダーとしての樹脂を用いる。
エレクトロクロミック材料は、一般的な有機、無機化合物を用いることができる。具体的には、ビオロゲン類、フェノチアジン類、アントラキノン類、スチリルスピロピラン類、ピラゾリン類、フルオラン類、スチリルスピロピラン色素、フタロシアニン類等の低分子系有機エレクトロクロミック化合物、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロール等の導電性高分子化合物。酸化チタン、酸化モリブデン、酸化ニオブ、酸化イリジウム、酸化バナジウム、酸化タングステン、酸化インジウム、酸化イリジウム、酸化ニッケル、プルシアンブルー、また配位金属を鉄以外に置換したプルシアンブルー類似体等の無機系エレクトロクロミック化合物が挙げられる。さらに、一般に電気供与性有機物であるロイコ染料も電気的に発色、消色が可能であることが分かっている。例えば、ロイコオーラミン類、ジアリールフタリド類、ポリアリールカルビノール類、アシルオーラミン類、アリールオーラミン類、ローダミンBラクタム類、インドリン類、スピロピラン類、及びフルオラン類等の電子供与性染料前駆体が挙げられる。
低分子の材料については、電極層上に酸化チタンなどの鉱物で多孔質構造の層を形成し、吸着させてもよい。
バインダーとしては、ウレタン樹脂やアクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリプロピレン樹脂などが挙げられるが、イオン伝導性の良いポリエチレンオキサイドやパーフルオロスルホン酸を含む高分子樹脂などが好ましい。
またバインダーを使用せず、エレクトロクロミック材料単体を透明基板1上に塗布し、焼結によってエレクトロクロミック表示層3を形成してもよい。
エレクトロクロミック表示層3の形成方法としては、前記に挙げたエレクトロクロミック材料を直接、またはバインダーを混ぜて塗料にして、スクリーン印刷、マイクログラビアコーター、キスコーター、コンマコーター、ダイコーター、バーコーター、スピンコーターなどの一般的な塗布手法を用いることができる。
背面電極層7上に形成された電荷蓄積層6には、前記エレクトロクロミック表示材料と同じ材料を使用することが出来る。ただし、プルシアンブルーやフェロセンのような酸化体、還元体の両状態で他化合物と反応しにくい安定している材料が好ましい。
示温材料含有電解質層13を形成する材料には、電解質材料、反射材料、示温材料、溶媒さらに粘度調整のための増粘剤が挙げられる。
電解質材料としては、例えば、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩等の無機イオン塩、4級アンモニウム塩や酸類、アルカリ類等が挙げられる。電解質材料の更なる具体的な例としては、LiClO4、LiBF4、LiAsF6、LiPF6、LiCF3SO3、LiCF3COO、KCl、NaClO3、NaCl、NaBF4、NaSCN、KBF4、Mg(ClO42、Mg(BF42等が挙げられる。
示温材料含有電解質層13に分散する反射材料5として、白色材料には例えば酸化マグネシウム、硫酸バリウム、酸化チタンなどが挙げられる。また黒色材料には、例えば、ランプブラックやボーンブラックなどの炭素からなるカーボンブラックや無機材料によるチタンブラック粉末などが挙げられる。さらに、青色であれば、アルミ酸コバルト、コバルトクロム青、フタロシアニン類、赤色であればアントラキノンやアゾ化合物などが挙げられる。反射材料5を示温材料含有電解質層13に分散させるため、示温材料含有電解質層13にアクリル樹脂やウレタン樹脂などの高分子材料を溶解させることで示温材料含有電解質層13の粘度を高めても良い。または、分散剤や界面活性剤を添加しても良い。
示温材料12としては金属錯塩系インクとして、銅アミン錯体やコバルト錯体、鉄トリアゾール錯化合物など、色彩や変色温度の調整が可能な染料系としてロイコ染料インク、また変色に連続性のある液晶インクなどが挙げられる。
示温材料12は示温材料含有電解質層13に用いられる極性または非極性分散媒中へ分散するため、それに応じ材料保護の観点や特にロイコ染料などは呈色濃度を調整する発色剤、色相を選択する電子供与呈色性化合物さらに変色温度を制御する溶剤性化合物を隣接させるためにもマイクロカプセル等で孤立化処理をすることが好ましい。
示温材料含有電解質層13は前記の通り電解質材料、反射材料、示温材料、溶媒さらに粘度調整のための増粘剤などを混合した電解質液を作製し、前記の表示層の塗布手法と同
様の方法を用いて形成することが出来る。ただし、反射材料5と示温材料12の混合が不十分であると材料の偏りによって、示温材料12がエレクトロクロミック表示層3付近にあまり存在しないことがある。これにより、示温材料12の色相の変化が表示色へ影響を与えにくいことがある。
そこで、図3に示すように電解質層を2層に分けることで、示温材料12の色相の変化を表示色への変化に反映させ易くすることが出来る。
前記の2層の電解質層は、電荷蓄積層6上に示温材料が無添加で反射材料を含む電解質液を作製し、塗布して反射電解質層14を形成、さらに重ねるように示温材料が添加された反射材料を含まない電解質液である示温材料含有電解質層13を塗布することで形成することが出来る。または、多孔質な反射材料層を電荷蓄積層6上に形成し、示温材料が無添加の電解質液を塗布することで、多孔質の空隙に電解質が含浸された反射電解質層14を形成することが出来る。このような構造にすることにより、多孔質の反射電解質層14の中をイオンが通ることが可能となり、エレクトロクロミック表示パネルとして動作可能となる。
前面電極基板9は透明基材1上に透明電極層2が形成され、さらにその上にエレクトロクロミック表示層3が形成された構造である。透明基材1としてはポリエチレンテレフタレート(PET)やポリカーボネート、ポリイミド、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルスルホン、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル等のプラスチックフィルム、あるいはガラス等を使用することができる。透明電極層2の材料として使用することができるものは、例えばITO等の酸化インジウム系、酸化スズ系、酸化亜鉛系のような透明性を有する導電性酸化物等である。この透明電極層2の形成には蒸着法、スパッタ法、CVD法などの従来技術を用いることができる。
背面電極基板11は、背面基板8の上に背面電極層7が形成され、さらにその上に電荷蓄積層6が形成された構造である。一般に液晶パネルの駆動に採用されているアモルファスシリコンまたは多結晶シリコンを用いた薄型トランジスタを配置したアクティブマトリックス型の電極板を用いることができる。または、プリント基板の前面に格子状に多数の電極を配置して電極ごとに貫通孔を通して裏面に配線を敷くことにより大型のアクティブマトリックス駆動が可能な背面電極基板を用いてもよい。また、エレクトロクロミック表示パネル16にペルチェ素子などの温度を変化させることができる温度調整機構を取り付けることで、任意の箇所または色相変化を制御することも可能である。さらに、温度変化に対して不可逆的に色相の変化する材料を示温材料含有電解質層13中に添加すると、製造プロセス上の温度管理や表示パネル動作の保証環境温度での使用有無について確認することも可能である。
次に本発明を、実施例を用いて更に詳しく説明する。
<実施例1>
酸化インジウム錫電極がガラス上に蒸着された100mm×100mm透明電極基板上に、エレクトロクロミック材料として水溶性プルシアンブルー分散液1.0mol/lをスピンコータで塗布し、100℃5分間の乾燥により約0.5μmの塗膜を有する前面電極基板を得た。
背面基板として、解像度102ppi(画素250μm□)で電極間距離15μmのTFT基板を準備し、前記準備したプルシアンブルー分散液を前面電極基板と同様にスピンコーターにより塗布し、プルシアンブルーを電荷蓄積層とする背面電極基板を得た。
さらに、炭酸プロピレンに対し電解質として0.1Mのヘキサフルオロ燐酸カリウムおよびPMMA10wt%(和光純薬)、酸化チタン20wt%(R−830、石原産業製)さらに示温材料としてテトラヨード水銀(II)銀10wt%を溶解、分散させて電解質液を調合した。
テトラヨード水銀(II)銀は、ヨウ化水銀(II)(関東化学)11gを50mlの純水に溶解した溶解液に、0.1mol/lヨウ化カリウム水溶液50mlおよび0.06mol/l硝酸銀水溶液30mlを順番に攪拌しながら加えることで、黄色沈殿物として得ることができる。
背面電極基板の端部に、直径約100μmのビーズを混合した紫外線硬化型樹脂(TB3026E、スリーボンド製)をディスペンサーにより塗布し、ダムを形成した。次に、前記調合した電解質液でダムを満たし、前面電極基板を貼り合わせ、500mJ/cm(420nm)の光を照射し接着することで、セルAを得た。
セルAの前面電極をグランドに取り、背面電極の画素へ2秒間、+1.5Vを印加したところ、青色であった前面電極基板は透明へと変化し、電解質液中の酸化チタンおよび示温材料に由来する薄黄色の画素として観察された。
その後、セルAの周辺温度を60℃まで上昇させたところ、示温材料の色相が赤橙色へと変化し、温度により画素の着色が変化することが観察された。その後、室温25℃付近にセルAを放置したところ、薄黄色の画素へと色相が戻った。
色相の変化する温度は示温材料の選択により調整可能である。よって、例えば温度計の表示パネルとして使用する際には、高温ほど赤みを帯び、低温ほど青みを帯びるなど、情報が表示される表示パネルに、従来のエレクトロクロミック方式の表示パネルよりも付加価値を与えることが可能である。
<実施例2>
酸化インジウム錫電極が積層された100mm×100mmガラス製透明電極基板上に、ポリアニリン20wt%のポリアニリン水分散液(Aqua−Pass、三菱レイヨン製)をスピンコータにより塗布し、約0.5μmの塗膜を有する前面電極基板を得た。
背面基板として、10mm×10mm画素に9.5mm×9.5mmの電極板が敷き詰められた150mm×150mm配線基板を準備し、0.5Mプルシアンブルーを含むカーボン系導電ペースト(藤倉化成)をスクリーン印刷により塗布し電荷蓄積層を形成した背面電極基板を得た。
さらに酢酸に分散した酸化チタンペーストを背面電極基板に印刷し、400℃で乾燥することで多孔質な酸化チタンによる反射層付背面電極基板を形成した。
電解質液は、炭酸プロピレンに対し電解質として0.1Mのヘキサフルオロ燐酸カリウムおよびPMMA(和光純薬)、示温材料として10wt%のNR−500(不可逆性示温材料、寺田薬泉工業株式会社製)を分散させて調合した。また、示温材料のみを添加しない電解質液も用意した。
反射層付背面電極基板の端部に紫外線硬化型樹脂(TB3026E、スリーボンド製)をディスペンサーにより塗布し、ダムを形成した。次に、示温材料のみを添加しない電解質液を反射層付背面電極基板に塗布し、多孔質の酸化チタン層に電解質液を含浸させた後、前記調合した示温材料が添加された電解質液でダムを満たし、前面電極基板を貼り合わせ、500mJ/cm(420nm)の光を照射し接着し、セルBを得た。
完成したセルBの背面電極の一つの画素に1.0V印加して薄黄色から紺色に着色変化を促したところ、電解質液中の酸化チタンと示温材料により薄ピンク白色であった表示パネル上に約10mmの反射率約35%の紺色画素が現われた。
次に、セルBを60℃の環境に放置したところ、電解質層が青色へと変化した。再度、セルBを室温環境へ放置しても、電解質層の色相は青色を呈したままであった。
このように電解質層の色相の変化を制御することで、情報表現力を高めることができる。さらにセルBが保証温度内の環境にあったか否かを事後においても確認できるため、セルの品質保証上においても有用な手段であることが確認できた。
1 透明基材
2 透明電極層
3 エレクトロクロミック表示層
4 溶媒
5 反射材料
6 電荷蓄積層
7 背面電極層
8 背面基板
9 前面電極基板
10 電解質層
11 背面電極基板
12 示温材料
13 示温材料含有電解質層
14 反射電解質層
15、16、17 エレクトロクロミック表示パネル

Claims (3)

  1. 電解質層を背面電極基板と前面電極基板によりサンドイッチした構成のエレクトロクロミック表示パネルであって、
    前記背面電極基板は、背面基板上に形成された背面電極層と、その上に形成された電荷蓄積層と、を備えてなり、
    前記前面電極基板は、透明基板上に形成された透明電極層と、その上に形成されたエレクトロクロミック表示層と、を備えてなり、
    前記電解質層は、反射材料と温度により色相が変化する示温材料とを含んでいることを特徴とするエレクトロクロミック表示パネル。
  2. 前記電解質層が前記背面電極基板側の電解質層と前記前面電極基板側の電解質層の2層から構成されており、前記背面電極基板側の電解質層には、前記示温材料が含まれていないことを特徴とする請求項1に記載のエレクトロクロミック表示パネル。
  3. 電解質層を背面電極基板と前面電極基板によりサンドイッチすることによって構成したエレクトロクロミック表示パネルであって、
    前記背面電極基板は、支持体である背面基板上に形成された背面電極層と、その上に形成された電荷蓄積層と、その上に示温材料が無添加の電解質を含む多孔質の反射材料からなる反射電解質層と、を備えてなり、
    前記前面電極基板は、透明基板上に形成された透明電極層と、その上に形成されたエレクトロクロミック表示層と、を備えてなり、
    前記電解質層は、温度により色相が変化する示温材料を含んでいることを特徴とするエレクトロクロミック表示パネル。
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