JP2016040226A - 断熱材及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】1150℃起える高温での耐熱性が向上した断熱材及びその製造方法の提供。
【解決手段】平均粒径100nm以下のアルミナ粒子52〜93重量%と、シリカ粒子、珪石、タルク、ムライト及びシリカフュームから選択される1以上の結晶転移抑制材1〜45重量%と、炭化珪素、ジルコニア、チタニア、酸化鉄、酸化クロム、硫化亜鉛及びチタン酸バリウムから選択される1種以上である輻射散乱材0〜40重量%と、補強繊維1〜20重量%と、を含む原料を混合して混合物とし、該混合物を加圧成形して加圧成形体とし、該加圧成形体を焼結した断熱材。1200℃で24時間加熱したとき加熱線収縮率が5%以である断熱材。
【選択図】なし

Description

本発明は、断熱材及びその製造方法に関し、特に、断熱材の耐熱性の向上に関する。
従来、シリカ粒子又はアルミナ粒子、輻射散乱材、補強繊維を含む加圧成形体からなる断熱材が知られている(例えば、特許文献1)。シリカ粒子からなる断熱材は、1100℃を超える環境で用いると収縮が大きく、1100℃を超える温度で耐熱性を有する断熱材が求められていた。さらに、シリカ粒子を含む断熱材と同等の強度、熱伝導率を備えることが望まれる。
特開2012−149658号公報
本発明は、上記課題に鑑みて為されたものであって、高温での耐熱性が向上した断熱材及びその製造方法を提供することをその目的の一つとする。
上記課題を解決するために、本発明者らは、シリカ粒子ではなくアルミナ粒子を用いた。しかしながら、アルミナ粒子を主体とする断熱材であっても、シリカ粒子を主体とする断熱材よりは耐熱性に優れるが、1150℃を超えると収縮が大きく、耐熱性が不十分であった。本発明者らは、収縮の一因が、アルミナのコランダム化(結晶転移)であることを見出し、コランダム化率を抑制できる化合物を探求し、本発明を完成させた。
本発明によれば、以下の断熱材及びその製造方法が提供される。
1.平均粒径100nm以下のアルミナ粒子52〜93重量%と、
シリカ粒子、珪石、タルク、ムライト、窒化珪素、シリカフューム、ウォラストナイト、ベントナイト、カオリン、セピオライト及びマイカ粒子から選択される1以上の結晶転移抑制材1〜45重量%と、
輻射散乱材0〜40重量%と、
繊維1〜20重量%と、
を含む原料を焼結して得られた断熱材。
2.前記アルミナ粒子、前記結晶転移抑制材、前記繊維、前記輻射散乱材の合計が95重量%以上である1記載の断熱材。
3.前記結晶転移抑制材が、平均粒径100nm以下のシリカ粒子である1又は2記載の断熱材。
4.前記アルミナ粒子60〜80重量%と、
前記結晶転移抑制材4〜10重量%と、
前記輻射散乱材10〜30重量%と、
前記繊維2〜10重量%と、
を含む1〜3のいずれか記載の断熱材。
5.前記輻射散乱材が、炭化珪素、ジルコニア、ジルコン、珪酸ジルコニウム、チタニア、酸化鉄、酸化クロム、硫化亜鉛及びチタン酸バリウムからなる群より選択される1種以上である1〜4のいずれかに記載の断熱材。
6.前記繊維が、ガラス繊維、シリカ−アルミナ繊維、シリカ−アルミナ−マグネシア繊維、シリカ繊維、アルミナ繊維、ジルコニア繊維、生体溶解性無機繊維、ロックウール及びバサルト繊維からなる群より選択される1種以上である1〜5のいずれかに記載の断熱材。
7.前記アルミナ粒子52〜70重量%と、
前記結晶転移抑制材2〜10重量%と、
ジルコニア20〜40重量%と、
アルミナ繊維2〜10重量%と、
を含む1〜3のいずれか記載の断熱材。
8.平均粒径100nm以下のアルミナ粒子、
シリカ粒子、珪石、タルク、ムライト、窒化珪素、シリカフューム、ウォラストナイト、ベントナイト、カオリン、セピオライト及びマイカ粒子から選択される1以上の結晶転移抑制材及び
繊維と、任意に輻射散乱材とを混合して混合物を得る工程と、
前記混合物を加圧成形して加圧成形体を得る工程と、
前記加圧成形体を焼結する工程とを
備える1に記載の断熱材の製造方法。
9.前記焼結工程の加熱温度が1000℃を超える8に記載の断熱材の製造方法。
本発明によれば、高温での耐熱性が向上した断熱材及びその製造方法を提供することができる。
実施例3,4で得られた断熱材の長さ方向の収縮率を示すグラフである。
本発明の断熱材は、アルミナ粒子と、アルミナのコランダム化の抑制材(結晶転移抑制材又は転移抑制材という)及び繊維とを含む。
アルミナ粒子は、α−アルミナ(コランダム)以外のアルミナ(Al)を主成分として含む粒子(例えば、当該アルミナを95重量%以上含む粒子)であって、断熱材の原料として使用されるものであれば特に限られない。なお、このアルミナ粒子は、α−アルミナを含まない(例えば、XRD測定において、コランダムのピークが検出されない)こととしてもよい。
アルミナ粒子は、例えば、一次粒子の平均粒径が100nm以下である。アルミナ粒子の一次粒子の平均粒径は、50nm以下でよく、30nm以下でもよい。アルミナ粒子の一次粒子の平均粒径の下限値は、特に限られないが、例えば、2nm以上である。
平均粒径は、ランダムに約100個の粒子について、透過型電子顕微鏡(Transmission Electron Microscope;TEM)又は電界放出形走査電子顕微鏡(Field Emission Scanning Electron Microscope;FE−SEM)で粒子径を観察して求める。
アルミナ粒子は、例えば、気相法で製造されたもの及び/又は湿式法で製造されたものである。すなわち、アルミナ粒子は、例えば、気相法で製造された乾式アルミナ粒子でよく、湿式法で製造された湿式アルミナ粒子でもよい。より具体的に、アルミナ粒子は、例えば、気相法で製造されたフュームドアルミナ粒子である。
結晶転移抑制材は、シリカ粒子、珪石、タルク、ムライト、窒化珪素、シリカフューム、ウォラストナイト、ベントナイト、カオリン、セピオライト、マイカ粒子から選択される1以上を使用する。好ましくは、シリカ粒子であり、より好ましくは、平均粒径100nm以下のシリカ粒子である。
シリカ粒子の一次粒子の平均粒径は、50nm以下でよく、30nm以下でもよい。シリカ粒子の一次粒子の平均粒径の下限値は、特に限られないが、例えば、2nm以上である。
シリカ粒子は、例えば、気相法で製造されたもの及び/又は湿式法で製造されたものである。すなわち、シリカ粒子は、例えば、気相法で製造された乾式シリカ粒子でよく、湿式法で製造された湿式シリカ粒子でもよい。より具体的に、シリカ粒子は、例えば、気相法で製造されたフュームドシリカ粒子である。
断熱材の原料に含まれるアルミナ粒子の量は、所望の特性を実現する範囲であれば特に限られない。断熱材は、例えば、52〜93重量%、53〜92重量%、56〜90重量%、好ましくは60〜80重量%、より好ましくは65〜75重量%のアルミナ粒子を含む。
断熱材の原料に含まれる結晶転移抑制材の量は、所望の特性を実現する範囲であれば特に限られない。断熱材に占める転移抑制材の量は、例えば、0.5〜45重量%、好ましくは1〜35重量%、より好ましくは2〜25重量%、さらに好ましくは3〜10重量%である。結晶転移抑制材の量が少なすぎると効果を十分に発揮できない恐れがある。結晶転移抑制材の量が多すぎると収縮が大きくなったり断熱性が低下する恐れがある。シリカ粒子を用いるとき、最も好ましい量は5〜8重量%である。
また、本発明で用いる転移抑制材は、シリカ元素を含むが、Alに対するSiの比、Si/Alは、本発明の効果を奏する範囲で調整できる。例えば、0.008〜1.0、0.01〜0.9又は0.02〜0.8とすることができる。
断熱材は、繊維として好ましくは無機繊維を含む。繊維は、成形体を補強できるものであれば特に限られない。尚、本発明では、有機繊維は含まない。本発明の断熱材は、高温で製造又は使用されるため、有機繊維は焼失してしまうためである。
無機繊維は、例えば、シリカ−アルミナ繊維、シリカ−アルミナ−マグネシア繊維、シリカ繊維、アルミナ繊維、ジルコニア繊維及び生体溶解性無機繊維からなる群より選択される1種以上である。好ましくはシリカ−アルミナ−マグネシア繊維、アルミナ繊維である。
生体溶解性繊維として、SiO、AlとZrOとの合計が50〜82重量%、CaOとMgOとの合計が18〜50重量%の組成の無機繊維を例示できる。また、SiOが50〜82重量%、CaOとMgOとの合計が10〜43重量%の組成の無機繊維も例示できる。
繊維の平均繊維長は、例えば、0.5mm以上、20mm以下でよく、1mm以上、10mm以下である。繊維の平均繊維径は、例えば、1μm以上、20μm以下でよく、2μm以上、15μm以下である。
繊維の量は、例えば、1〜20重量%、好ましくは1.5〜10重量%、より好ましくは2〜9重量%である。
また、断熱材は、輻射散乱材を含むことができる。輻射散乱材は、輻射による伝熱を低減するものであれば特に限られない。輻射散乱材は、例えば、炭化珪素、ジルコニア、珪酸ジルコニウム(ジルコン)、チタニア、酸化鉄、酸化クロム、硫化亜鉛、チタン酸バリウムからなる群より選択される1種以上である。
輻射散乱材の平均粒径は、例えば、1μm以上、50μm以下でよく、1μm以上、20μm以下である。輻射散乱材は、遠赤外線反射性のものが好ましく、例えば、1μm以上の波長の光に対する比屈折率が1.25以上であるものが好ましい。
本発明の断熱材の好適な一態様として、アルミナ粒子、結晶転移抑制材(フュームドシリカ等)、ジルコニア、アルミナ繊維の組み合わせが挙げられる。ジルコニアとアルミナ繊維の組み合わせ、特にアルミナ繊維を用いることにより、収縮率が低くなる。また熱伝導率も改善される。配合量として、例えば、アルミナ粒子52〜70重量%、結晶転移抑制材2〜10重量%、ジルコニア20〜40重量%、アルミナ繊維2〜10重量%が挙げられる。また、アルミナ粒子52〜65重量%、結晶転移抑制材3〜8重量%、ジルコニア25〜35重量%、アルミナ繊維3〜8重量%が挙げられる。
輻射散乱材の量は、例えば、1〜40重量%、好ましくは5〜35重量%、より好ましくは10〜30重量%である。
また、断熱材は、他の金属酸化物粒子をさらに含んでもよいし、含まなくてもよい。
また、断熱材は、結合剤(例えば、水ガラス接着剤等の無機結合剤や、樹脂等の有機結合剤)を含まないとしてもよい。
断熱材の原料は、アルミナ粒子、結晶転移抑制材、繊維、輻射散乱材の合計を95重量%以上、98重量%以上、又は99重量%以上とすることができる。また、不可避不純物を含んでもよく、100重量%としてもよい。
本発明の断熱材は、アルミナ粒子、転移抑制材等を含む混合粉体を成形することにより得られる。より具体的には、上記の成分を含んで調製された混合粉体を所定の成形型に充填し、乾式プレス成形することにより、当該成形型に対応する形状の乾式加圧成形体を製造する。
成形体の形状は、特に限られないが、例えば、ボード状、板状又は円筒状である。乾式プレス成形を行う温度は、特に限られないが、例えば、0℃以上、100℃以下の温度で行うこととしてもよく、0℃以上、50℃以下の温度で行うこととしてもよい。
こうして得られる成形体は、そのまま断熱材として、又は断熱材の一部として(他の断熱材と組み合わせて)使用してもよい。成形体が断熱材の一部として使用される場合、当該断熱材は、例えば、当該成形体と、耐熱性が当該成形体とは異なる1つ以上の他の断熱部材とを有することとしてもよい。すなわち、この場合、断熱材は、例えば、成形体と、当該成形体の高温側に積層された、より耐熱性の高い断熱部材、及び/又は当該成形体の低温側に積層された、より安価でより耐熱性の低い断熱部材と、を有することとしてもよい。
また、本発明の方法は、混合粉体を例えば700℃以上の温度で加熱する。混合粉体の加熱は、成形体の成形前に行ってもよく、成形体の成形後に行ってもよい。
加熱温度は、好ましくは900℃超1300℃以下、より好ましくは1000〜1200℃、さらに好ましくは1050〜1150℃である。
ここで、本発明の発明者らは、アルミナ粒子を含む成形体の耐熱性を向上させる技術的手段について鋭意検討を重ねた結果、転移抑制材を含まない当該成形体は、1100℃超の温度で加熱されると、その耐熱性や断熱性等の特性が損なわれるのに対し、転移抑制材を含む当該成形体は、1100℃超の温度で加熱されても、その特性を効果的に維持することを独自に見出した。
より具体的に、本発明の発明者らは、まず、アルミナ粒子を含み転移抑制材を含まない成形体を1100℃超の温度で加熱すると、コランダム(corundum)の生成(結晶の転移)が起こり、且つ当該成形体を1100℃以下の温度で加熱する場合に比べて、細孔容積の減少及び比表面積の減少が顕著に起こることを見出した。
そこで、本発明の発明者らは、このような高温下での成形体の劣化を抑制する技術的手段について鋭意検討を重ねた結果、アルミナ粒子と転移抑制材とを混合して調製された混合粉体を使用することにより、当該混合粉体の乾式プレス成形により得られた成形体は、1100℃超の温度で加熱されても、コランダムの生成や、細孔容積及び比表面積の減少が効果的に抑制され、高温(例えば、1200℃)においても小さい加熱線収縮率を示すことを見出した。
アルミナ粒子に転移抑制材を添加することによって1100℃超の温度での加熱による成形体の劣化が防止されるメカニズムは、明らかではないが、その一つとしては、例えば、アルミナと転移抑制材が反応して複合化合物が生成し、これがアルミナの結晶転移(コランダムの生成)を抑制することが考えられる。
また、本発明の方法においては、アルミナ粒子と転移抑制材とを含む混合粉体を上述した加熱温度で加熱することにより、上記アルミニウム及び転移抑制材の反応物又は転移抑制材を、当該アルミナ粒子の表面に形成するようにしてもよい。この場合、アルミナ粒子の表面において、アルミニウム及び転移抑制材の反応物又は転移抑制材が被膜のように機能し得る。
本発明の断熱材は、優れた断熱性を有する。例えば、断熱材の1000℃における熱伝導率は、0.20W/(m・K)以下、0.15W/(m・K)以下、0.13W/(m・K)以下、0.10W/(m・K)以下、又は0.04W/(m・K)以下である。また、例えば、断熱材の25℃における熱伝導率は、0.045W/(m・K)以下、又は0.040W/(m・K)以下である。
断熱材を1200℃で24時間加熱した場合における加熱線収縮率は、好ましくは15%以下である。より好ましくは、10%以下、8%以下、6%以下、又は5%以下である。加熱線収縮率は、加熱前の成形体の長さ(X)及び1200℃で24時間加熱後の当該成形体の長さ(Y)に基づき次の式により算出される:加熱線収縮率(%)={(X−Y)/X}×100。
断熱材のBET法による比表面積は、20m/g以上、又は30m/g以上である。断熱材のBJH法により測定される細孔容積は、0.3cm/g以上、又は0.5cm/g以上である。断熱材の嵩密度は、特に限られないが、例えば、100〜800kg/m、又は200〜500kg/mとしてもよい。
本発明の断熱材は、その優れた耐熱性を利用して、高温での耐熱性が要求される環境で使用できる。すなわち、本発明の断熱材は、例えば、1100℃超(例えば、1200℃以上)の耐熱性が要求される環境で使用される断熱材(例えば、最高使用温度が1100℃超(例えば、1200℃以上)の断熱材)として使用できる。
以下に、本発明の実施例について説明するが、本発明は、これら実施例に限られるものではない。
実施例1
[断熱材の製造]
アルミナ粒子、表1〜4に示す転移抑制材及びS2繊維(シリカ−アルミナ−マグネシア繊維、AGY社製)を含む混合粉末を、成形して成形体を製造した。アルミナ粒子としては、一次粒子の平均粒径が約13nmのアルミナ粒子(フュームドアルミナ粒子、日本アエロジル株式会社製)を使用した。配合量は、アルミナ粒子と転移抑制材を合わせて95重量%として、S2繊維は5重量%とした。転移抑制材の配合量を表1〜4に示す。
具体的には、アルミナ粒子、転移抑制材、繊維を混合装置に投入し、乾式混合することにより、混合粉末を調製した。
次いで、この混合粉末を所定の脱気機構が付属した成形型に充填した。そして、製造される乾式加圧成形体の嵩密度が270kg/mとなるようにプレス圧を調節して、乾式プレス成形を行った。その後、成形された板状の乾式加圧成形体を型から取り出した。
さらに、乾式加圧成形体を焼成した。すなわち、乾式加圧成形体を1200℃で24時間加熱した。
[断熱材の評価]
加熱の前後で測定した乾式加圧成形体の長さの変化に基づき、1200℃で24時間加熱した場合における当該乾式加圧成形体の加熱線収縮率を算出した。すなわち、各乾式加圧成形体から、長さ100mm、幅30mm、厚さ15mmの板状の試験体を作製した。次いで、この試験体を電気炉中1200℃で所定時間加熱した。なお、1200℃までの昇温速度は200℃/時間であった。さらに、加熱後の試験体の長さを測定した。そして、次式により加熱線収縮率を算出した。
加熱線収縮率(%)={(X−Y)/X}×100
(式中、Xは加熱前の試験体の長さ(mm)であり、Yは加熱後の当該試験体の長さ(mm)である。)
また、加熱後の乾式加圧成形体について、XRD測定を行い、コランダム化強度を測定した。
測定結果を表1〜4に示す。
比較例1
転移抑制材を含まず、アルミナ粒子95重量%と繊維5重量%とを含む混合粉末を使用した以外は実施例1と同様にして、断熱材を製造し、評価した。結果を表5に示す。
Figure 2016040226
Figure 2016040226
Figure 2016040226
Figure 2016040226
Figure 2016040226
実施例2
[断熱材の製造]
表6に示す配合量(重量%)で、アルミナ粒子、シリカ粒子(転移抑制材)、ジルコン(輻射散乱材)及びS2繊維を含む混合粉末を、実施例1と同様に成形して成形体を製造した。シリカ粒子としては、一次粒子の平均粒径が約12nmのシリカ粒子(フュームドシリカ粒子、株式会社トクヤマ製)を使用した。
さらに、得られた成形体を、1100℃で24時間加熱した。
[断熱材の評価]
実施例1と同様にして、1200℃で48時間、120時間及び192時間加熱した場合における加熱線収縮率(%)を算出した。結果を表7に示す。
Figure 2016040226
Figure 2016040226
実施例3
[断熱材の製造]
アルミナ粒子60重量%、シリカ粒子(転移抑制材)5重量%、ジルコニア(輻射散乱材)30重量%及びアルミナ繊維5重量%重量%を含む混合粉末を、実施例2と同様に成形、加熱して断熱材を製造した。尚、実施例3では嵩密度が370kg/mとなるようにプレス圧を調節して成形した。
[断熱材の評価]
実施例1と同様にして、1200℃で24時間加熱した場合における加熱線収縮率(%)を算出した結果、0.1%であった。
さらに、1200℃で48時間、120時間、192時間及び264時間加熱した場合における加熱線収縮率(%)を算出し、結果を図1に示す。図中、正方形が実施例4の断熱材のデータである。
また、以下の方法で、熱伝導率を測定した結果、600℃で0.047W/(m・K)、800℃で0.058W/(m・K)、1000℃で0.071W/(m・K)であった。
周期加熱法により測定した熱拡散率と、投下法により測定した比熱、および試験体の密度の3者を掛け合わせて、熱伝導率を求めた。ここで、周期加熱法とは、試験体に温度の波(周期約1時間、振幅約4K)を伝播させ、試験体内部における波の時間的遅れ、すなわち位相差から熱拡散率を測定する方法である。具体的には、矩形上の試験体の片面に温度波をかけ、その波が試験体内部を伝播し、試験体の厚さ方向(温度波進行方向)に於ける中央付近で測定された温度波との位相差から、熱拡散率を求めた。また、投下法とは、高温に過熱した試料を銅(比熱が既知)の容器に落とし、銅容器の温度上昇から比熱を求める方法である。
実施例4
[断熱材の製造]
アルミナ繊維の代わりにS2繊維を用いた他は実施例3と同様にして断熱材を製造した。
[断熱材の評価]
実施例1と同様にして、得られた断熱材について、1200℃で48時間、120時間、192時間及び264時間加熱した場合における加熱線収縮率(%)を算出した。結果を図1に示す。図中、菱形が実施例4の断熱材のデータである。
実験例
転移抑制材を含まず、アルミナ粒子100重量%を含む粉末材料(アルミナ粒子からなる粉末材料)を使用した。すなわち、この粉末材料を、800℃〜1200℃の範囲内の5種類の温度(800℃、1000℃、1100℃、1150℃又は1200℃)で24時間加熱した。
異なる温度で加熱した5種類の粉末材料、及び加熱していない粉末材料の各々について、細孔容積及び比表面積の測定と、XRD測定とを行った。
尚、比表面積はBET法により測定した。細孔容積はBJH法により測定した。すなわち、加熱後の乾式加圧成形体を試験体として使用するガス吸着法により、相対圧と吸着量との相関関係を示す脱着等温線を取得し、当該脱着等温線から乾式加圧成形体の細孔径を求め、当該細孔径から当該乾式加圧成形体の細孔容積を算出した。
その結果、未加熱の粉末材料及び800℃〜1100℃で加熱された粉末材料については、比表面積が100〜119(m/g)、細孔容積が0.51〜0.70(cm/g)であり、XRDチャートにおいてコランダムのピークは検出されなかった。
これに対し、1150℃で加熱された粉末材料については、比表面積が69(m/g)であり、細孔容積が0.49(cm/g)であり、XRDチャートではコランダムのピークが僅かに検出された。
さらに、1200℃で加熱された粉末材料については、比表面積が13(m/g)であり、細孔容積が0.05(cm/g)であり、XRDチャートではコランダムのみが検出された。
すなわち、アルミナ粒子からなる粉末材料は、1100℃超の温度で加熱されることにより、その特性が損なわれることが確認されるとともに、このような特性の劣化にはコランダムの生成(結晶転移)が関与している可能性が示された。

Claims (9)

  1. 平均粒径100nm以下のアルミナ粒子52〜93重量%と、
    シリカ粒子、珪石、タルク、ムライト及びシリカフュームから選択される1以上の結晶転移抑制材1〜45重量%と、
    炭化珪素、ジルコニア、チタニア、酸化鉄、酸化クロム、硫化亜鉛及びチタン酸バリウムからなる群より選択される1種以上である輻射散乱材0〜40重量%と、
    補強繊維1〜20重量%と、
    を含む原料を焼結して得られた、1200℃で24時間加熱したときの加熱線収縮率が%以下である、1200℃の耐熱性が要求される環境でも使用できる断熱材。
  2. 前記原料における前記アルミナ粒子、前記結晶転移抑制材、前記補強繊維、及び前記輻射散乱材の合計が95重量%以上である請求項1記載の断熱材。
  3. 前記結晶転移抑制材が、平均粒径100nm以下のシリカ粒子である請求項1又は2記載の断熱材。
  4. 前記アルミナ粒子60〜80重量%と、
    前記結晶転移抑制材4〜10重量%と、
    前記輻射散乱材10〜30重量%と、
    前記補強繊維2〜10重量%と、
    を含む請求項1〜3のいずれか記載の断熱材。
  5. 前記補強繊維が、シリカ−アルミナ繊維、シリカ−アルミナ−マグネシア繊維、シリカ繊維、アルミナ繊維、ジルコニア繊維及び生体溶解性無機繊維からなる群より選択される1種以上である請求項1〜のいずれか記載の断熱材。
  6. 前記アルミナ粒子52〜70重量%と、
    前記結晶転移抑制材2〜10重量%と、
    ジルコニア20〜40重量%と、
    アルミナ繊維2〜10重量%と、
    を含む請求項1〜3のいずれか記載の断熱材。
  7. 平均粒径100nm以下のアルミナ粒子60〜80重量%と、
    シリカ粒子、珪石、タルク、ムライト及びシリカフュームから選択される1以上の結晶転移抑制材2〜10重量%と、
    珪酸ジルコニウムである輻射散乱材10〜30重量%と、
    補強繊維2〜10重量%と、
    を含む原料を焼結して得られた、1200℃で24時間加熱したときの加熱線収縮率が5%以下である、1200℃の耐熱性が要求される環境でも使用できる断熱材。
  8. 平均粒径100nm以下のアルミナ粒子、
    シリカ粒子、珪石、タルク、ムライト及びシリカフュームから選択される1以上の結晶転移抑制材及び
    補強繊維と、任意に輻射散乱材とを混合して混合物を得る工程と、
    前記混合物を加圧成形して加圧成形体を得る工程と、
    前記加圧成形体を焼結する工程とを
    備える請求項1又は7記載の断熱材の製造方法。
  9. 前記焼結工程の加熱温度が1000℃を超える請求項記載の断熱材の製造方法。
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