JP2016039465A - 通信装置および処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数のキャリアで生成した各信号を同時に送信する場合における最大送信電力の低減許容値を少ない演算量で算出すること。【解決手段】通信装置100は、複数の物理チャネルを多重した信号を複数のキャリアで生成し、複数のキャリアで生成した各信号を同時に送信する。通信装置100の算出部102は、複数の物理チャネルの振幅の比を示す振幅比情報と、振幅比情報とは異なる複数の物理チャネルの変調パラメータを用いて導出された複数の物理チャネル間の相関の時間平均値と、複数の物理チャネルに含まれる振幅の基準チャネルの複数のキャリア間における振幅の比と、セル間のスクランブリングコードの相違と、に基づいて、複数のキャリアで生成した各信号を多重した信号の送信波形のべき乗の時間平均値を算出する。【選択図】図1

Description

本発明は、通信装置および処理方法に関する。
従来、3GPP(3rd Generation Partnership Project)では、HSUPA(High Speed Uplink Packet Access)方式が標準化されている。HSUPAでは、最大送信電力を低減するMPR(Maximum Power Reduction)が行われる。MPRは、例えば、Cubic Metric(CM)と呼ばれる送信波形から得られる値に基づいて算出される低減許容値に応じて最大送信電力を低減することによって行われる(例えば、下記非特許文献1参照。)。
また、HSUPAにおいて、送信するベースバンド信号を用いてCM値を算出する方法がある(例えば、下記特許文献1参照。)。また、SC(Single Cell)−HSUPAにおいて、CM値の算出のために、送信信号の送信電力に依存する変調パラメータを含む送信電力依存項と、送信信号の送信電力に依存しない変調パラメータのみを含む時間平均項と、の積和演算を行うことによって送信信号の振幅のべき乗の時間平均を計算する方法がある(例えば、下記特許文献2参照。)。
また、3GPPでは2キャリアで生成した各信号を同時に送信するDC(Dual Cell)−HSUPA方式も標準化されている。
国際公開第2007/132916号 国際公開第2010/109548号
「3rd Generation Partnership Project;Technical Specification Group Radio Access Network;User Equipment(UE)radio transmission and reception(FDD)(Release 11)」、3GPP TS 25.101 V11.9.2、2014年04月
しかしながら、従来技術では、複数のキャリアで生成した各信号を同時に送信する場合に、最大送信電力の低減許容値の算出にかかる演算量が多いという問題がある。
1つの側面では、本発明は、複数のキャリアで生成した各信号を同時に送信する場合における最大送信電力の低減許容値の算出にかかる演算量の低減を図ることを目的とする。
本発明の一側面によれば、複数の物理チャネルを多重した信号を複数のキャリアで生成し、前記複数のキャリアで生成した各信号を同時に送信する通信装置および通信装置の処理方法であって、前記複数の物理チャネルの振幅の比を示す振幅比情報と、前記振幅比情報とは異なる前記複数の物理チャネルの変調パラメータを用いて導出された前記複数の物理チャネル間の相関の時間平均値と、前記複数の物理チャネルに含まれる振幅の基準チャネルの前記複数のキャリア間における振幅の比と、に基づいて、前記複数のキャリアで生成した各信号を多重した信号の送信波形のべき乗の時間平均値を算出する、通信装置および処理方法が提案される。
本発明の一態様によれば、複数のキャリアで生成した各信号を同時に送信する場合における最大送信電力の低減許容値の算出にかかる演算量の低減を図ることができる。
図1は、実施の形態1にかかる通信装置の構成の一例を示す図である。 図2は、実施の形態1にかかる端末装置の構成の一例を示す図である。 図3は、実施の形態1にかかる変調部の構成の一例を示す図である。 図4は、実施の形態1にかかるMPR値算出部の構成の一例を示す図である。 図5は、各セルの送信フォーマットの一例を示す図である。 図6は、複数のセルを組合せた送信フォーマットの一例を示す図である。 図7は、各係数テーブルの一例を示す図である。 図8は、端末装置のハードウェア構成の一例を示す図である。 図9は、DPCCHの送信電力の更新処理の一例を示すシーケンス図である。 図10は、実施の形態1にかかる端末装置のMPR値の算出処理の一例を示すフローチャートである。 図11は、実施の形態2にかかるMPR値算出部の構成の一例を示す図である。 図12Aは、実施の形態2にかかる端末装置のMPR値の算出処理の一例を示すフローチャート(その1)である。 図12Bは、実施の形態2にかかる端末装置のMPR値の算出処理の一例を示すフローチャート(その2)である。
以下に図面を参照して、開示技術の好適な実施の形態1,2を詳細に説明する。
(実施の形態1)
(実施の形態1にかかる通信装置の構成の一例)
図1は、実施の形態1にかかる通信装置の構成の一例を示す図である。通信装置100は、送信部101と、算出部102と、記憶部103と、を有する。送信部101は、複数の物理チャネルを多重した信号を複数のキャリアについて生成し、複数のキャリアについて生成した各信号を同時に送信する。
複数の物理チャネルは、例えば拡散コードおよび時間によって多重される各伝送路である。複数のキャリアは、例えば周波数帯域の異なる複数の搬送波を送信する周波数である。一例としては、複数のキャリアは、DC−HSUPA(Dual Cell−High Speed Uplink Packet Access)における2つの送信周波数に対応する。
まず、送信部101は、キャリアごとに、複数の物理チャネルを多重した信号を生成する。そして、送信部101は、複数の物理チャネルを多重した信号を同時に送信する。例えば、送信部101は、キャリアごとに生成した各信号の少なくとも一部をキャリア間で時間的に重ねて送信する。また、送信部101は、例えば、複数のキャリアについて生成した各信号を、算出部102によって算出された低減許容値に基づいて制御した送信電力により送信する。低減許容値は、例えば後述するMPR値(Maximum Power Reduction値)である。
送信部101における送信電力の制御は、例えば送信する信号の最大送信電力を、算出部102によって算出された低減許容値に応じて低減させることによって行われる。例えば、送信部101における送信電力の制御は、送信する信号の最大送信電力を、算出部102によって算出された低減許容値の分だけ低減させることによって行われる。
算出部102は、送信部101における送信電力の制御に用いられる低減許容値を算出するための、送信部101によって送信される信号の送信波形のべき乗の時間平均値を算出する。送信波形は、例えば送信アンテナ端で観測される波形である。送信波形のべき乗の時間平均値は、送信波形に応じたCM(Cubic Metric)値を算出するための値であり、例えば後述する(1)式の(v_norm3rmsによって表される。
以下において、複数の物理チャネル間の相関の時間平均値を「相関時間平均値」と称する。また、複数のキャリア間における基準チャネルの振幅の比を「基準チャネルの振幅比」と称する。振幅比情報は、送信部101によって生成される信号における複数の物理チャネル間の振幅の比を示す情報である。また、振幅比情報は、キャリアごとに得られる情報である。例えば、振幅比情報は、送信部101によって信号の生成に用いられる変調パラメータのうちの、各チャネルの振幅を決定するための変調パラメータであり、一例としては、後述するゲインファクタβである。
相関時間平均値は、例えば、送信部101によって生成される信号における、振幅を1とした相関時間平均値である。相関時間平均値は、送信部101によって信号の生成に用いられる変調パラメータのうちの、振幅比情報とは異なる複数の物理チャネルの変調パラメータを用いて導出される。相関時間平均値を導出するための変調パラメータは、例えば、物理チャネルの振幅に影響を与えない変調パラメータである。例えば、相関時間平均値を導出するための変調パラメータは、送信部101によって信号の生成に用いられる変調パラメータのうちの、ゲインファクタβを除く変調パラメータである。また、相関時間平均値は、記憶された複数のキャリア間で使用されるスクランブルコードの組み合わせに応じた値である。
例えば、算出部102は、振幅比情報と、相関時間平均値と、基準チャネルの振幅の比と、に基づく演算により、各信号を多重した信号の送信波形のべき乗の時間平均値を算出する。具体的には、算出部102は、相関時間平均値と、基準チャネルの振幅の比で補正した振幅比情報と、に基づく演算により、各信号を多重した信号の送信波形のべき乗の時間平均値を算出する。算出部102による演算は、例えば、乗算の結果を順次加算する積和演算である。
また、算出部102は、算出した送信波形のべき乗の時間平均値を用いて低減許容値を算出し、算出した低減許容値を送信部101に出力する。低減許容値は、詳細については(1)式を用いて後述するが、例えば送信波形のべき乗の時間平均値から得られるCM値に基づいて算出される。
次に、送信波形のべき乗の時間平均値を算出するための各情報について説明する。振幅比情報と、相関時間平均値と、基準チャネルの振幅比とは、例えば、送信部101における信号の生成に用いられる変調パラメータを用いて算出される。
一例としては、相関時間平均値を導出するための変調パラメータは、コード数、拡散率、変調方式およびチャネライゼーションコードのうちの少なくとも一つを含む。このように、算出部102は、振幅比情報を除く変調パラメータを用いることにより、振幅比情報に依存しない相関時間平均値を導出することができる。
ここで、記憶部103は、例えば、複数の変調パラメータの組み合わせについて予め算出された相関時間平均値を、変調パラメータの組み合わせごとに記憶する。そして、算出部102は、記憶部103に記憶された相関時間平均値の中から、複数の物理チャネルの変調パラメータに対応する相関時間平均値を取得する。これにより、算出部102は、記憶部103に記憶された相関時間平均値の中から、変調パラメータを用いて対象とする物理チャネル間の相関時間平均値を導出することができる。
基準チャネルの振幅比は、キャリア間における基準チャネルの振幅の比である。基準チャネルの振幅比は、一例としては、後述するDPCCH(Dedicated Physical Control Channel:個別制御チャネル)のキャリア間の振幅比αである。
算出部102は、例えば、各キャリアの基準チャネルの振幅に基づいて基準チャネルの振幅比を算出する。算出部102が基準チャネルの振幅比を算出するための基準チャネルの振幅は、例えば、通信装置100の各信号の送信先の通信装置から通信装置100が受信した制御情報に基づいて設定される。通信装置100が受信する制御情報は、例えばリソースの割当てを示す情報である。
上述した振幅比情報は、例えば、各キャリアの基準チャネルの振幅を1とした場合のキャリアごとの振幅比である。このため、異なるキャリアにおける各振幅比情報は、基準となる振幅が各キャリアの電力配分に応じて異なっている。
これに対して、算出部102は、基準チャネルの振幅比を用いることにより、各キャリアの電力配分に応じた送信波形のべき乗の時間平均値を算出することができる。例えば、算出部102は、基準チャネルの振幅比を用いて振幅比情報を補正し、補正した振幅比情報と相関時間平均値との演算により、各キャリアの電力配分に応じた送信波形のべき乗の時間平均値を算出することができる。
ただし、基準チャネルの振幅比と、振幅比情報と、相関時間平均値と、を用いて送信波形のべき乗の時間平均値を算出する手順は、基準チャネルの振幅比を用いて振幅比情報を補正し、補正した振幅比情報と相関時間平均値との演算を行うという手順に限らない。例えば、算出部102は、基準チャネルの振幅比と、振幅比情報と、相関時間平均値とを変数に含む積和演算の数式(例えば後述の(6)式、(8)式および(9)式)によって送信波形のべき乗の時間平均値を算出してもよい。
このように、通信装置100は、予め複数の振幅比情報を除く変調パラメータの組み合わせを計算して記憶しておくので、送信波形のべき乗の時間平均値を算出するための相関時間平均値を導出することができる。そして、通信装置100は、導出した相関時間平均値および振幅比情報に加えて各キャリアの基準チャネルの振幅比を用いた積和演算により、各キャリアの電力配分に応じた送信波形のべき乗の時間平均値を算出することができる。このため、通信装置100は、複数のキャリアで生成した各信号を同時に送信する場合における最大送信電力の低減許容値を少ない演算量で算出することができる。
低減許容値を少ない演算量で算出することで、通信装置100は、例えば、低減許容値を短時間で算出し、送信波形の変動に対する低減許容値の応答速度を向上させることができる。これにより、通信装置100は、例えば、伝送特性を向上させることができる。また、低減許容値を少ない演算量で算出することで、通信装置100は、例えば、低減許容値の算出に要する消費電力を低減することができる。
また、記憶部103は、相関時間平均値を、複数のキャリア間におけるスクランブリングコードの組み合わせごとに記憶してもよい。スクランブリングコードは、キャリアごとの拡散変調に用いられる拡散コードである。スクランブリングコードの組み合わせは、例えば、複数のキャリアのうちスクランブリングコードが一致するキャリアの数に応じた状態である。一例として、スクランブリングコードの組み合わせは、キャリアが2つである場合は一致または相違のいずれかの状態をとり得る。
また、スクランブリングコードの組み合わせは、キャリアが3つである場合は、例えば、全て一致、2つが一致で且つ残り1つが不一致、3つとも全部相違のうちのいずれか一つの組み合わせをとり得る。ここでは、例として3つの場合を説明したが、4つ以上でもスクランブルコードの一致数に応じた組み合わせとなる。
算出部102は、記憶部103に記憶された相関時間平均値の中から、複数のキャリアのスクランブリングコードを用いて相関時間平均値を導出する。このため、算出部102は、送信波形のべき乗の時間平均値の算出において、スクランブリングコードの組み合わせに応じて変化する相関時間平均値を用いることができる。
上述した相関時間平均値は、スクランブリングコードの組み合わせに応じて変化する。このため、スクランブリングコードの組み合わせに応じた相関時間平均値を取得することにより、相関時間平均値を簡単に導出することができる。したがって、通信装置100は、記憶されたスクランブルコードの相違を考慮した相関時間平均値を導出することで、複数のキャリアにおける最大送信電力の低減許容値を少ない演算量で算出することができる。
なお、通信装置100の送信方式は、例えば1個のアンテナを用いて各信号を送信する方式としてもよいし、複数のアンテナを用いて各信号を送信する方式としてもよい。
(実施の形態1にかかる端末装置の構成の一例)
次に、図2を用いて、図1に示した通信装置100を端末装置によって実現する場合について説明する。ただし、通信装置100は、端末装置に限らず、基地局装置などの通信装置とすることもできる。一例として、通信方式にDC−HSUPA(Dual Cell−High Speed Uplink Packet Access)を用いる場合について説明する。
図2は、実施の形態1にかかる端末装置の構成の一例を示す図である。図2に示す端末装置200は、例えば、携帯電話やスマートフォンなどの端末装置である。端末装置200は、基地局装置などの通信装置と通信を行う。
端末装置200は、送信フォーマット決定部201と、送信データ処理部202と、符号化部203と、変調部204と、RF(Radio Frequency)部205と、MPR値算出部206と、電力制御部207と、アンテナ208と、を有する。また、端末装置200は、復調部209と、復号部210と、受信データ処理部211と、を有する。
送信フォーマット決定部201は、受信データ処理部211から出力されたHSUPA制御情報を用いて端末装置200における送信フォーマットを決定する。HSUPA制御情報は、例えばHSUPA方式における送信を行う際のリソースの割当てを示す情報を含む。
そして、送信フォーマット決定部201は、決定した送信フォーマットを示す送信フォーマットの情報を送信データ処理部202、符号化部203、変調部204およびMPR値算出部206へ出力する。送信フォーマットの情報は、例えば、トランスポートのブロックサイズ、各物理チャネルの拡散率、変調方式の情報、および、振幅比情報(ゲインファクタβ)、などを含む。この送信フォーマットの情報には、前に述べた変調パラメータを含んでいる。
また、送信フォーマットの情報は、例えば、E−DPDCH(Enhanced−Dedicated Physical Data Channel:エンハンスト個別物理データチャネル)のコード多重数を含む。また、送信フォーマットの情報は、例えば、ゲインファクタβの振幅の基準となる基準チャネル(DPCCH)の振幅値を含む。
変調方式は、例えば、BPSK(Binary Phase Shift Keying)や、4PAM(Pulse Amplitude Modulation)などである。BPSKは、位相偏移変調方式の一種であり、例えば1bitデータを1symbolに変調する方式である。4PAMは、パルスの振幅を変調信号に応じて変化させる方式であり、例えば2bitデータを1symbolに変調する方式である。
また、変調方式は、このほかにも、例えば、QPSK(Quadrature Phase Shift Keying)や、16QAM(Quadrature Amplitude Modulation)や、64QAM、などであってもよい。
送信データ処理部202は、送信フォーマット決定部201によって指定された送信フォーマットの情報に含まれるトランスポートのブロックサイズの送信データを生成し、生成した送信データを符号化部203へ出力する。
符号化部203は、送信フォーマット決定部201から出力された送信フォーマットの情報が示す送信フォーマットにより、送信データ処理部202から出力された送信データを符号化し、符号化したデータを変調部204へ出力する。
変調部204は、送信フォーマット決定部201から出力された送信フォーマットの情報を用いて、符号化部203から出力された符号化データを変調し、変調によって得られたベースバンド送信信号をRF部205へ出力する。RF部205は、変調部204から出力されたベースバンド送信信号を無線周波数帯域の信号に変換し、変換した信号を、アンテナ208を介して送信する。
MPR値算出部206は、送信フォーマット決定部201から出力された送信フォーマットの情報を用いて、例えば下記(1)式によって定義されるMPR値を演算し、演算結果を電力制御部207へ出力する。下記(1)式は、3GPP(3rd Generation Partnership Project)の仕様で定義されているMPR値算出式の一例である。
Figure 2016039465
上記(1)式において、v_normは正規化した送信信号の電圧値(振幅)を示す。rms(root mean square)は2乗平均平方根を示す。v_norm_refはリファレンス信号の電圧値を示す。20×log10(v_norm_ref3rmsはリファレンス信号振幅の2乗平均値(定数:1.52dB)を示す。kは送信フォーマットから決定される定数を示す。CEIL(X,0.5)はXを0.5dB単位で切り上げる演算である。
電力制御部207は、MPR値算出部206から出力されたMPR値の演算結果を用いて、変調部204において物理チャネル(以下「チャネル」と称する)に乗じるゲインファクタβを制御する。変調部204は、電力制御部207によって制御されるゲインファクタβを用いて、符号化部203から出力された符号化データを変調する。このようにβを制御することで、RF部205が送信する信号の送信電力を制御することが可能となる。
また、RF部205は、アンテナ208を介して受信されたHSUPA無線通信を行うための制御信号を無線周波数帯域からベースバンド帯域に変換して、変換した制御信号を復調部209へ出力する。復調部209は、RF部205から出力された制御信号を復調して、復調した制御信号を復号部210へ出力する。
復号部210は、復調部209から出力された制御信号を復号し、復号により得られた制御データを受信データ処理部211へ出力する。受信データ処理部211は、復号部210で復号された制御データからHSUPA制御情報を抽出し、抽出したHSUPA制御情報を送信フォーマット決定部201へ出力する。
(実施の形態1にかかる変調部の構成の一例)
図3は、実施の形態1にかかる変調部の構成の一例を示す図である。図3に示すように、変調部204には、複数のチャネルの信号が入力される。複数のチャネルは、例えば、DPCCH(個別物理制御チャネル)、E−DPCCH(Enhanced−DPCCH:エンハンスト個別物理制御チャネル)を含む。また、複数のチャネルは、例えば、E−DPDCH(エンハンスト個別物理データチャネル)、HS−DPCCH(High Speed−Dedicated Physical Control Channel:高速専用物理制御チャネル)を含む。
変調部204は、P(Primary)セルおよびS(Secondary)セルに対応するキャリアごとに各チャネルの信号を変調する。変調部204は、拡散部301a〜301gと、乗算部302a〜302gと、IQマッピング部303a〜303gと、加算部304a,304bと、乗算部305a,305bと、を有する。また、変調部204は、RRC(Root Raised Cosine)フィルタ306a,306bと、周波数シフト部307a,307bと、加算部308と、を有する。
拡散部301a〜301gと、乗算部302a〜302gと、IQマッピング部303a〜303gとは、複数のチャネルに対応して設けられる。拡散部301a〜301gは、各チャネルの入力信号を、送信フォーマット決定部201によって決定された拡散コードによって拡散し、拡散した信号をそれぞれ対応する乗算部302a〜302gへ出力する。拡散コードは、例えば、各チャネルを拡散変調するためのチャネライゼーションコードである。
乗算部302a〜302gは、拡散部301a〜301gから出力された信号に、送信フォーマット決定部201によって決定されたゲインファクタβを乗じることによって、拡散信号の振幅を調整する。乗算部302a〜302gは、振幅調整した拡散信号をそれぞれ対応するIQマッピング部303a〜303gへ出力する。
PセルにおけるIQマッピング部303a〜303dは、乗算部302a〜302dから出力された拡散信号を予め各チャネルで規定されているとおり、I(Inphase)成分またはQ(Quadrature)成分にマッピングし、マッピングした拡散信号を加算部304aへ出力する。加算部304aは、IQマッピング部303a〜303dから出力された拡散信号に対して、I成分、Q成分ごとに拡散信号を加算してIQ複素信号を生成し、乗算部305aへ出力する。
乗算部305aは、加算部304aから出力された信号にPセルのスクランブリングコード(Scrambling Code)#1を乗じて、スクランブリングコード#1を乗じた信号をRRCフィルタ306aへ出力する。スクランブリングコードは、例えば、チャネルをセットアップするときに、基地局装置によって指定されるコードである。スクランブリングコードは、セルごとに異なっていてもよい。
RRCフィルタ306aは、乗算部305aから出力された信号の波形を補正し、波形を補正した信号(I1+jQ1)を周波数シフト部307aへ出力する。周波数シフト部307aは、RRCフィルタ306aから出力された信号の周波数を、例えば+2.5MHzシフトさせ、周波数をシフトさせた信号を加算部308へ出力する。
SセルにおけるIQマッピング部303e〜303gは、乗算部302e〜302gから出力された拡散信号を予め各チャネルで規定されているとおり、I成分またはQ成分にマッピングし、マッピングした拡散信号を加算部304bへ出力する。加算部304bは、IQマッピング部303e〜303gから出力された拡散信号に対して、I成分、Q成分ごとに拡散信号を加算してIQ複素信号を生成し、乗算部305bへ出力する。
乗算部305bは、加算部304bから出力された信号にSセルのスクランブリングコード#2を乗じて、スクランブリングコード#2を乗じた信号をRRCフィルタ306bへ出力する。RRCフィルタ306bは、乗算部305bから出力された信号の波形を補正し、波形を補正した信号(I2+jQ2)を周波数シフト部307bへ出力する。
周波数シフト部307bは、RRCフィルタ306bから出力された信号の周波数を、例えば−2.5MHzシフトさせ、周波数をシフトさせた信号を加算部308へ出力する。なお、周波数シフト部307a,307bがシフトさせる周波数は、相対的に所定量(例えば5MHz)あればよく、上述した値に限らず、それぞれ別の値であってもよい。また、例えば、周波数シフト部307a,307bのうちの一方のみを+5MHzまたは−5MHzシフトさせ、他方についてはシフトさせないでもよい。
加算部308は、周波数シフト部307aから出力された信号と、周波数シフト部307bから出力された信号とを加算し、加算した信号(I+jQ)をRF部205(図2参照)へ出力する。
(送信波形のべき乗の時間平均値の算出)
MPR値算出部206は、MPR値を算出するために、送信波形のべき乗の時間平均値である上記(1)式の(v_norm3rmsを算出することを要する。まず、SC(Single Cell)−HSUPAにおける送信波形のべき乗の時間平均値の算出について説明する。加算部308を通過した後の信号をI+jQとし、2つのチャネルx,yが含まれているとした場合、I成分およびQ成分は、下記(2)式のように表すことができる。なお、図3はDC−HSUPAの構成を示しているが、SC−HSUPAの場合、Sセルがないため、I+jQはI1+jQ1と等価である。
Figure 2016039465
上記(2)式において、βx,βyはチャネルx,yのゲインファクタ、axI,ayI,axQ,ayQはゲインファクタβを除く変調パラメータから算出されるチャネルx,yのI成分、Q成分を示している。上記(1)式のCMの定義式に着目すると、rmsは2乗平均平方根を意味するので、後述の(17)式を利用したCM値の算出において(v_norm32 rmsは、振幅の6乗平均つまり電力の3乗平均を求めればよいことになる。(v_norm32 rmsと電力の3乗との関係については、下記(3)式のように表すことができる。
Figure 2016039465
上記(3)式において、〈X〉は、Xの時間平均演算を示す。一例として、〈I24〉に上記(2)式を代入して展開すると、〈I24〉は下記(4)式のように表すことができる。
Figure 2016039465
上記(4)式の計算の過程において、axI,ayI,axQ,ayQの奇数乗を含む項は、axI,ayI,axQ,ayQのランダム性から時間平均すると0になる。一方、axI,ayI,axQ,ayQの全てを含み且ついずれか一つの要素のみが3乗となる項は、HPSK変調(Hybrid Phase Shift Keying)の制約から平均値が0にならない。
上記(4)式の右辺の〈 〉に示す各相関時間平均値は、相関を取るチャネルの拡散コード、変調方式、拡散率、などから一意に決まる。そのため、送信フォーマットに応じて係数テーブル(図4の係数テーブル400a,400b参照)の係数値データとして相関時間平均値を事前に算出して保持しておくことが可能である。
上記(4)式に示した相関時間平均値に限らず、上記(3)式に上記(2)式を代入して展開した他の全ての相関時間平均値についても、同様に計算して整理した結果を係数テーブルの係数値データとして保持しておく。MPR値算出部206は、送信フォーマットと対象チャネルの組合せに応じて選択した係数値データを読み込み、対象チャネルのゲインファクタβとの積和演算を行うことにより、(v_norm32 rmsを算出する。
DC−HSUPAにおいては、キャリア間のチャネルの相関とキャリア間の電力配分とを考慮してMPR値を算出する。DC−HSUPAにおいて、加算部308から出力される信号(I+jQ)は、下記(5)式のように表すことができる。
Figure 2016039465
上記(5)式において、w=2π×(2.5×106)である。e±jwtは±2.5MHzの周波数シフトを示す。これにより、(v_norm32 rmsは、下記(6)式のように表すことができる。
Figure 2016039465
〈{(I+jQ)32〉を展開することによって表れるI1,Q1,I2,Q2の奇数乗を含む項や、キャリア周波数を含む項は時間平均を行うと0になる。その結果、キャリア間でのキャリア周波数の相違に関係なく、I成分、Q成分ごとにチャネルを多重して、電力値の3乗を計算する上記(3)式と同じ形式になることがわかった。
ここで、上記(2)式のように、送信信号に2つのチャネルx,yが含まれるものとする。一例として上記(3)式の一要素である〈I24〉を挙げると、〈I24〉は、上記(4)式のように表すことができる。この中のβ4 xβ2 yの係数の一要素〈axIyI3 xQyQ〉は、上述したSC−HSUPAの場合には相関が現れる。SC−HSUPAの場合、I成分、Q成分は、それぞれで同じスクランブリングコードが掛け合わされて、1となるため、スクランブリングコードの影響を受けない。
DC−HSUPAにおいては、チャネルxおよびチャネルyがそれぞれ別のセルから送信される場合において、PセルとSセルとで同じスクランブリングコードが適用されるときは、同様に相関が現れる。一方、チャネルxおよびチャネルyがそれぞれ別のセルから送信される場合において、2つのセルでスクランブリングコードが異なる場合は、相関がなくなり、〈axIyI3 xQyQ〉=0となる。同様に、〈axIyIxQ3 yQ〉についても0となる。
このように、DC−HSUPAの場合、axI,ayI,axQ,ayQの全てを含み且ついずれか一つの要素のみが3乗となる項については、スクランブリングコードが同じか否かの組み合わせに応じて値が異なる。
また、DC−HSUPAにおいても、偶数乗の成分は、同じ値が掛け合わされるため、スクランブリングコードの影響を受けない。このため、スクランブリングコードに相違がある場合、DC−HSUPAにおける〈I24〉は、下記(7)式のように表すことができる。
Figure 2016039465
また、スクランブリングコードに相違がない場合、DC−HSUPAにおける〈I24〉は、上記(4)式のように表すことができる。このように、DC−HSUPAの場合は、各セルで使用されるスクランブリングコードの組み合わせにより、係数値データが異なる。このため、端末装置200は、スクランブリングコードの組み合わせに応じた2つの係数テーブル(図4の係数テーブル400a,400b参照)を予め用意しておく。これにより、端末装置200は、スクランブリングコードの組み合わせに応じた係数テーブルを選択して係数値データを得ることができる。
また、送信時には各キャリアに割当てる電力が異なるため、DC−HSUPAにおける送信時のIQ成分は、下記(8)式のように表すことができる。
Figure 2016039465
ここで、αは、複数のキャリア間における振幅の基準チャネルの振幅の比であり、例えば、PセルにおけるDPCCHと、SセルにおけるDPCCHとの振幅比である。また、各チャネルのゲインファクタβは、それぞれのキャリアにおいて、DPCCHを基準として表される。例えば、各セルにおいてDPCCHのゲインファクタβは、1として表される。異なるキャリアにおける各DPCCHは、基準となる振幅が各キャリアの電力配分に応じて異なっている。そのため、PセルおよびSセル間のDPCCHの振幅比αを乗じることにより、例えば、各セルのゲインファクタβをPセルのDPCCHを基準とした相対値に補正することができる。
各キャリアのDPCCHの振幅は、例えば送信フォーマット決定部201(図2参照)によって算出されるため、MPR値算出部206は、DPCCHの振幅比αを得ることができる。ここで、αを考慮して(v_norm32 rmsを算出するには、上記(7)式のβyをα×βyに置き換える。これにより、上記(7)式は、下記(9)式のように、キャリア間の電力比を考慮したチャネルの相関を示す式として表すことができる。
Figure 2016039465
また、スクランブリングコードに相違がない場合は、MPR値算出部206は、上記(4)式に示すβyをα×βyに置き換えた上記(4)式の変形式を用いる。このように、MPR値算出部206は、ゲインファクタβを各セルのDPCCHの振幅比αで補正する。そして、MPR値算出部206は、スクランブリングコードの組み合わせに応じて選択した係数テーブルの係数値と、補正済みのゲインファクタβとの積和演算を行うことによって、DC−HSUPAのMPR値を少ない演算量で算出することができる。
このようにして算出されたMPR値は、電力制御部207へ出力される。そして、電力制御部207によって、E−DPDCHのゲインファクタβedは、MPR値に応じた電力に補正される。
上述した説明では、説明を簡略化するため、2つのチャネルx,yを用いた場合について説明したが、(v_norm32 rmsは、送信信号を3回掛け合わせているため、最大で3チャネルの相関の計算を要する。例えば、3つのチャネルをx,y,zとすると、ゲインファクタβの組合せとしては、以下の組合せがある。
β6 x,β6 y,β6 z
β4 xβ2 y,β4 xβ2 z,β4 yβ2 x,β4 yβ2 z,β4 zβ2 x,β4 zβ2 y
β2 xβ2 yβ2 z
MPR値算出部206は、上記のゲインファクタβの各組合せについて、係数値を予め計算しておけばよい。
ここで、上記(2)式を3つのチャネルに拡張した場合の式については、下記(10)式のように表すことができる。
Figure 2016039465
上記(3)式に上記(10)式を代入して展開すると、下記(11)式を得る。
Figure 2016039465
上記(11)式において、k(x,y,z)は、チャネルx,y,zの組合せに対する相関時間平均値の総和を示す。チャネルx,y,zは、重複可能であり、例えば図3において、異なるセルを示す#1,#2によって表すと、下記(12)式に示すチャネルに該当する。
Figure 2016039465
チャネルx,y,zが重複した場合、k(x,x,x)はβ6 x、k(x,x,y)はβ4 xβ2 yの項の係数となる。
チャネル数が3の場合、上記(11)式にキャリア間のDPCCHの振幅比αを考慮すると、下記(13)式を得る。
Figure 2016039465
ただし、DPCCHの振幅の基準をPセル(セル#1)として、n∈{x,y,z}に対して、下記(14)式を得る。
Figure 2016039465
係数k(x,y,z)には、スクランブリングコードの組み合わせに応じて選択された第1係数テーブル400aまたは第2係数テーブル400bの中から、送信フォーマットとチャネルの組合せに応じた値が取得される。3つのチャネルを用いた場合、スクランブリングコードの組み合わせは、例えば、全て同じ、2つ同じ、全て異なる、の3通りとなる。上記(14)式のαnの番号nは、セルの番号を示すNから1を減じた値であり、例えば、後述する実施の形態2のα1,α2(図11参照)の番号に対応する。
(実施の形態1にかかるMPR値算出部の構成の一例)
図4は、実施の形態1にかかるMPR値算出部の構成の一例を示す図である。図4に示すように、MPR値算出部206は、テーブル記憶部400と、MPR値演算部401と、係数テーブルセレクタ402と、振幅補正部403と、を有する。
テーブル記憶部400は、第1係数テーブル400aと、第2係数テーブル400bと、を記憶する。第1係数テーブル400aは、2つのセル#1(Pセル)およびセル#2(Sセル)のスクランブリングコードが同じ場合の係数値データを記憶する。第2係数テーブル400bは、2つのセル#1,#2のスクランブリングコードが異なる場合の係数値データを記憶する。
係数テーブルセレクタ402は、変調部204から各セル#1,#2のスクランブリングコードを取得する。係数テーブルセレクタ402は、各セル#1,#2のスクランブリングコードの相違の有無を判別し、判別結果に応じて、第1係数テーブル400aおよび第2係数テーブル400bのいずれかを選択する。そして、テーブル記憶部400は、選択した係数テーブル400a,400bの中から係数値データを取得する。
係数テーブルセレクタ402は、例えば、各セル#1,#2のスクランブリングコードが相違しない場合、第1係数テーブル400aを選択する。また、係数テーブルセレクタ402は、例えば、各セル#1,#2のスクランブリングコードが相違する場合、第2係数テーブル400bを選択する。係数テーブルセレクタ402は、選択した第1係数テーブル400aまたは第2係数テーブル400bの中から取得した係数値データをMPR値演算部401へ出力する。
振幅補正部403には、MPR値算出部206が算出した、セル#1およびセル#2の各セル#1,#2間のDPCCHの振幅比αが入力される。また、振幅補正部403には、送信フォーマット決定部201から出力された、セル#2のゲインファクタβが入力される。例えば、2つのセル#1,#2のうちの一方のセル#1のDPCCHを1として基準とするため、振幅補正部403は、もう一方のセル#2のゲインファクタβに、各セルのDPCCHの振幅比αを乗じることによりゲインファクタβを補正する。また、振幅補正部403は、DPCCHの振幅比αを乗じたゲインファクタβをMPR値演算部401へ出力する。
MPR値演算部401には、係数テーブルセレクタ402によって取得された係数値データが入力される。また、MPR値演算部401には、送信フォーマット決定部201から出力された、セル#1のゲインファクタβが入力される。また、MPR値演算部401には、振幅補正部403から出力された、各セル#1,#2のDPCCHの振幅比αによって補正されたセル#2のゲインファクタβが入力される。
MPR値演算部401は、係数テーブルセレクタ402からの係数値データと、送信フォーマット決定部201からのゲインファクタβと、振幅補正部403からの補正済みのゲインファクタβと、を用いて、積和演算を実行する。これにより、MPR値算出部206は、(v_norm32 rmsを算出することができ、MPR値を算出することができる。
(各セルの送信フォーマットの一例)
図5は、各セルの送信フォーマットの一例を示す図である。図5に示す送信フォーマット500は、送信フォーマット決定部201によって決定されて出力される各セルの送信フォーマットである。図5に示すように、送信フォーマット500は、Case Noフィールドと、E−DPDCHコード数フィールドと、E−DPDCH SF(Spreading Factor:拡散率)フィールドと、変調方式フィールドと、を有する。
Case Noは、フォーマットデータ501を識別する番号である。E−DPDCHコード数は、E−DPDCHの多重コード数である。E−DPDCH拡散率は、データを拡散する際の倍率である。変調方式は、BPSKや、4PAMなどの変調方式である。
各フィールドに情報を設定することにより、Case Noと、E−DPDCHのコード数と、E−DPDCHの拡散率と、変調方式と、の組合せごとのフォーマットデータ501が送信フォーマット500に記憶される。
(複数のセルを組合せた送信フォーマットの一例)
図6は、複数のセルを組合せた送信フォーマットの一例を示す図である。図6に示す送信フォーマット600は、送信フォーマット決定部201によって決定されて出力される複数のセルを組合せた送信フォーマットである。送信フォーマット600は、送信フォーマット500(図5参照)をセル数分(2つ分)組合せたフォーマットである。送信フォーマット600は、送信フォーマット500に示した各セルのCase Noが対応付けられたフォーマットである。
送信フォーマット600は、Case No(DC−HSUPA)フィールドと、Case No(セル#1)フィールドと、Case No(セル#2)フィールドと、を有する。Case No(DC−HSUPA)は、Case No(セル#1)と、Case No(セル#2)との組合せを示すフォーマットデータ601を識別する番号である。Case No(セル#1)は、セル#1のフォーマットデータ501(図5参照)を識別するための番号である。また、Case No(セル#2)は、セル#2のフォーマットデータ501(図5参照)を識別するための番号である。
各フィールドに情報を設定することにより、Case No(DC−HSUPA)と、Case No(セル#1)と、Case No(セル#2)と、の組合せごとのフォーマットデータ601が送信フォーマット600に記憶される。
(各係数テーブルの一例)
図7は、各係数テーブルの一例を示す図である。第1係数テーブル400aは、送信フォーマット600(図6参照)に示した各Case No(DC−HSUPA)に対応する係数項ごとの係数値データ701を記憶する。具体的には、図7に示すように、第1係数テーブル400aは、係数項と、Case No(DC−HSUPA)と、を有する。
係数項k(x,y,z)は、(v_norm32 rmsにおけるチャネルの相関を計算する際のゲインファクタβの組合せを示す。例えば、同じチャネルであっても、セルが異なる場合は、別チャネルとして扱われる。係数項kのうちの#1は、セル#1(Pセル)に属するチャネルを示す。係数項kのうちの#2は、セル#2(Sセル)に属するチャネルを示す。
例えば、k(c#1,c#1,c#1)は、β2 DPCCH#1β2 DPCCH#1β2 DPCCH#1(=β6 DPCCH#1)を示す。また、k(ed#1,ed#1,c#1)は、β2 E-DPDCH#1β2 E-DPDCH#1β2 DPCCH#1(=β4 E-DPDCH#1β2 DPCCH#1)示す。また、k(c#1,ed#2,c#2)は、β2 DPCCH#1β2 E-DPDCH#2β2 DPCCH#2を示す。また、k(c#2,c#2,c#2)は、β2 DPCCH#2β2 DPCCH#2β2 DPCCH#2(=β6 DPCCH#2)を示す。
Case No(DC−HSUPA)は、Case No(セル#1)と、Case No(セル#2)との組合せを示すフォーマットデータ601(図6参照)を識別する番号である。係数値データ701−2を例に挙げると、Case No(DC−HSUPA)がDC_1の場合、β4 E-DPDCH#1β2 DPCCH#1の係数値には「42」が選択される。また、係数値データ701−2において、Case No(DC−HSUPA)がDC_2の場合、β4 E-DPDCH#1β2 DPCCH#1の係数値には「120」が選択される。
各フィールドに情報を設定することにより、係数項と、Case No(DC−HSUPA)と、の組合せごとの相関時間平均値を示す係数値データ701が第1係数テーブル400aに記憶される。第1係数テーブル400aは、チャネルx,yの組合せに応じて係数項が拡張され、また、送信フォーマットの組合せに応じてCase No(DC−HSUPA)が拡張される。
図7においては、第2係数テーブル400bの説明を省略するが、第2係数テーブル400bも、例えば、第1係数テーブル400aと同様のテーブル構成であり、第1係数テーブル400aとは異なる係数値データが記憶されている。このように、端末装置200は、係数テーブル400a,400bの中から、複数の物理チャネルの変調パラメータの組合せに対応し且つスクランブリングコードの相違の有無に対応する係数値データ701を取得することができる。
(端末装置のハードウェア構成の一例)
図8は、端末装置のハードウェア構成の一例を示す図である。端末装置200は、プロセッサ801と、ROM(Read Only Memory)802と、RAM(Random Access Memory)803と、ユーザインタフェース804と、TX−HW(Transmit eXchange−Hard Ware)805と、RX(Received eXchange)−HW806と、RF−HW807と、アンテナ208と、を有する。
プロセッサ801は、端末装置200全体の制御を司る。プロセッサ801は、例えば、CPU(Central Processing Unit)や、DSP(Digital Signal Processor)などによって実現される。ROM802は、ブートプログラムなどのプログラムなどを記憶する。RAM803は、プロセッサ801のワークエリアとして使用される。
ユーザインタフェース804は、例えば、ユーザからの操作入力を受け付ける入力デバイスや、ユーザへ情報を出力する出力デバイスなどを含む。入力デバイスは、例えば、タッチパネルやキー(例えばキーボード)やリモコンなどによって実現することができる。出力デバイスは、例えば、タッチパネルやディスプレイやスピーカなどによって実現することができる。
TX−HW805は、送信データを符号化したり、符号化データを変調したりするハードウェアである。RX−HW806は、ベースバンド帯域の制御信号を復調したり、復調した信号を復号したりするハードウェアである。RF−HW807は、アンテナ208を介して受信した高周波信号をベースバンド信号へ変換し、また、変調した信号を高周波信号へ変換してアンテナ208を介して送信するハードウェアである。
図2に示した、送信フォーマット決定部201と、送信データ処理部202と、MPR値算出部206とは、例えばROM802に記憶されたプログラムをプロセッサ801に実行させることにより、その機能を実現する。また、電力制御部207と、受信データ処理部211とは、例えばROM802に記憶されたプログラムをプロセッサ801に実行させることにより、その機能を実現する。
また、図2に示した、符号化部203と、変調部204とは、例えばTX−HW805によって実現される。また、図2に示した、復調部209と、復号部210とは、RX−HW806によって実現される。また、図2に示したRF部205は、RF−HW807によって実現される。
(DPCCH(個別制御チャネル)の送信電力の更新処理の一例)
図9は、DPCCHの送信電力の更新処理の一例を示すシーケンス図である。図9に示すように、端末装置200は、通信開始時にDPCCHの初期送信電力(PowDPCCH)を設定する(ステップS901)。次に、端末装置200は、DPCCHまたはDPDCH(個別物理データチャネル)を基地局900に送信する(ステップS902)。
基地局900は、端末装置200からDPCCHまたはDPDCHを受信すると、無線伝送路の品質を推定するための信号電力対干渉電力比(SIR:Signal to Interference Ratio)を測定する(ステップS903)。次に、基地局900は、SIRが一定に保たれるように端末装置200の送信電力の増減の判定を行う(ステップS904)。
基地局900は、送信電力の増減の判定結果に基づいて、端末装置200へTPC(Transmit Power Control)コマンドを送信し(ステップS905)、一連の処理を終了する。TPCコマンドは、制御情報であり、DPCCHの送信電力の増減を指示する情報を含む。送信電力の増減の幅は、例えば±1dBであり、予め通信の開始時に基地局900によって指定される。
端末装置200は、基地局900から受信したTPCコマンドにしたがって、DPCCHの送信電力を更新し(ステップS906)、一連の処理を終了する。ステップS902〜S906の処理は、一定周期ごとに繰り返し行われる。
DC−HSUPAの場合、図9に示した送信電力の更新をキャリアごとに行う。セル#1(Pセル)のDPCCHの送信電力[dB]をPowDPCCH1とし、セル#2(Sセル)のDPCCHの送信電力[dB]をPowDPCCH2とすると、セル#1を基準にしたDPCCHの振幅比αは、下記(15)式のように表すことができる。
Figure 2016039465
端末装置200は、MPR値を算出する際には、最新のDPCCHの送信電力PowDPCCH1,PowDPCCH2から得られるDPCCHの振幅比αを用いる。
(実施の形態1にかかる端末装置のMPR値の算出処理の一例)
図10は、実施の形態1にかかる端末装置のMPR値の算出処理の一例を示すフローチャートである。図10に示すように、端末装置200は、送信フォーマット500(図5参照)の変調パラメータを取得する(ステップS1001)。送信フォーマット500の変調パラメータは、E−DPDCHコード数、E−DPDCH拡散率、変調方式、などである。
次に、端末装置200は、取得した変調パラメータを用いて、送信フォーマット500および送信フォーマット600(図6参照)のうちのいずれのCase Noに該当するかを判定する(ステップS1002)。次に、端末装置200は、各セルの全チャネルのゲインファクタβを取得する(ステップS1003)。
次に、端末装置200は、セル間のDPCCHの振幅比αを算出する(ステップS1004)。次に、端末装置200は、各チャネルが属するセルにおいて用いられる、各セルのスクランブリングコードを取得する(ステップS1005)。次に、端末装置200は、(v_norm3rms=0とする初期化を行う(ステップS1006)。
次に、端末装置200は、チャネルの組合せのうちの未選択のチャネルの組合せを選択する(ステップS1007)。次に、端末装置200は、ステップS1005において取得した各セルのスクランブリングコードの組み合わせの判定として、スクランブリングコードが同じであるか否かを判定する(ステップS1008)。
スクランブリングコードが同じである場合(ステップS1008:Yes)、端末装置200は、第1係数テーブル400a(図7参照)を選択し(ステップS1009)、ステップS1011に移行する。スクランブリングコードが異なる場合(ステップS1008:No)、端末装置200は、第2係数テーブル400b(図7参照)を選択する(ステップS1010)。
次に、端末装置200は、選択した第1係数テーブル400aまたは第2係数テーブル400bの中から、Case No(DC−HSUPA)に対応する係数項k(x,y,z)の係数値データ701(図7参照)を取得する(ステップS1011)。次に、端末装置200は、ステップS1003で取得したゲインファクタβと、ステップS1004で算出したDPCCHの振幅比αと、ステップS1011で取得した係数値データ701と、を用いてチャネル相関値vを算出する(ステップS1012)。チャネル相関値vは、例えば、下記(16)式のように表すことができる。
Figure 2016039465
次に、端末装置200は、(v_norm3rmsにチャネル相関値vを加算して代入する(ステップS1013)。次に、端末装置200は、チャネル相関値vの算出および加算が全ての組合せについて完了したか否かを判定する(ステップS1014)。
チャネル相関値vの算出および加算が全ての組合せについて完了していない場合(ステップS1014:No)、端末装置200は、ステップS1007に移行する。チャネル相関値vの算出および加算が全ての組合せについて完了した場合(ステップS1014:Yes)、端末装置200は、ステップS1013において得た(v_norm3rmsおよび上記(1)式を用いてMPR値を算出し(ステップS1015)、一連の処理を終了する。端末装置200は、ステップS1015において算出したMPR値に基づいて制御した送信電力により、複数のセルで生成した各信号を送信する。
以上説明したように、実施の形態1にかかる端末装置200では、予めスクランブルコードの相違を考慮した振幅比情報を除く複数の変調パラメータの組み合わせを計算して記憶しておくので、送信波形のべき乗の時間平均値を算出するための相関時間平均値を導出することができる。そして、端末装置200は、導出した相関時間平均値およびゲインファクタβに加えて各キャリアのDPCCHの振幅比αを用いた積和演算により、各キャリアの電力配分に応じた送信波形のべき乗の時間平均値を算出することができる。このため、端末装置200は、複数のキャリアで生成した各信号を同時に送信する場合における最大送信電力のMPR値を、例えば変調した送信信号の振幅から算出する場合に比べて少ない演算量で算出することができる。
また、端末装置200は、MPR値の算出において、係数テーブル400a,400bに記憶した相関の時間平均値を取得することにより、相関時間平均値を算出しなくても導出することができる。このため、端末装置200は、複数のキャリアで生成した各信号を同時に送信する場合における最大送信電力のMPR値を少ない演算量で算出することができる。
また、端末装置200は、スクランブリングコードの組み合わせに応じた相関時間平均値を取得するため、相関時間平均値を簡単に導出することができる。したがって、端末装置200は、複数のキャリアにおける最大送信電力のMPR値を少ない演算量で算出することができる。
また、端末装置200は、基地局900から受信した制御情報に基づいてキャリア間のDPCCHの振幅比αを算出できる。これにより、端末装置200は、送信波形のべき乗の時間平均値を算出することができる。
また、端末装置200は、算出した送信波形のべき乗の時間平均値に基づいて送信電力を制御した多重信号を送信する。このため、端末装置200は、デュアルセルにおいて少ない演算量で算出したMPR値を用いて最大送信電力の低減を行った多重信号を送信することができる。
(実施の形態2)
次に、端末装置の実施の形態2について説明する。実施の形態1では、2つのセルによるDC−HSUPAについて説明したが、実施の形態2では3つ以上のセルによるHSUPAについて説明する。実施の形態2においては、実施の形態1と異なる部分について説明を行う。実施の形態2では3つのセルによるHSUPAについて説明するが、4つ以上のセルによるHSUPAについても同様である。
(実施の形態2にかかるMPR値算出部の構成の一例)
図11は、実施の形態2にかかるMPR値算出部の構成の一例を示す図である。図11において、テーブル記憶部400は、第1係数テーブル400aと、第2係数テーブル400bと、第3係数テーブル1100と、を記憶する。第1係数テーブル400aは、セル#1,#2,#3のスクランブリングコードが全て同じ場合の係数値データを記憶する。第2係数テーブル400bは、セル#1,#2,#3のスクランブリングコードの組合せのうちの2つが同じの場合の係数値データを記憶する。第3係数テーブル1100は、3つのセル#1,#2,#3のスクランブリングコードが全て異なる場合の係数値データを記憶する。
係数テーブルセレクタ402は、変調部204から各セル#1,#2,#3のスクランブリングコードを取得する。係数テーブルセレクタ402は、各セル#1,#2,#3のスクランブリングコードの組み合わせを判別し、判別結果に応じて、第1係数テーブル400a、第2係数テーブル400bおよび第3係数テーブル1100のうちのいずれかを選択する。そして、係数テーブルセレクタ402は、選択したテーブル400a,400b,1100の中から係数値データを取得する。
係数テーブルセレクタ402は、例えば、各セル#1,#2,#3のスクランブリングコードが全て同じ場合、第1係数テーブル400aを選択する。また、係数テーブルセレクタ402は、各セル#1,#2,#3のスクランブリングコードのうちの2つが同じ場合、第2係数テーブル400bを選択する。また、係数テーブルセレクタ402は、各セル#1,#2,#3のスクランブリングコードが全て異なる場合、第3係数テーブル1100を選択する。係数テーブルセレクタ402は、選択した、第1係数テーブル400a、第2係数テーブル400bまたは第3係数テーブル1100、の中から取得した係数値データをMPR値演算部401へ出力する。
第1振幅補正部403aには、MPR値算出部206が算出した、セル#1およびセル#2の各セル間のDPCCHの振幅比α1が入力される。また、第1振幅補正部403aには、送信フォーマット決定部201から出力された、セル#2のゲインファクタβが入力される。例えば、セル#1,#2のうち、セル#1のDPCCHを1として基準とするため、第1振幅補正部403aは、セル#2のゲインファクタβに、セル#1,#2間のDPCCHの振幅比α1を乗じることによりゲインファクタβを補正する。第1振幅補正部403aは、DPCCHの振幅比α1を乗じたゲインファクタβをMPR値演算部401へ出力する。
第2振幅補正部403bには、MPR値算出部206が算出した、セル#1およびセル#3の各セル間のDPCCHの振幅比α2が入力される。また、第2振幅補正部403bには、送信フォーマット決定部201から出力された、セル#3のゲインファクタβが入力される。例えば、セル#1,#3のうち、セル#1のDPCCHを1として基準とするため、第2振幅補正部403bは、セル#3のゲインファクタβに、セル#1,#3間のDPCCHの振幅比α2を乗じることによりゲインファクタβを補正する。第2振幅補正部403bは、DPCCHの振幅比α2を乗じたゲインファクタβをMPR値演算部401へ出力する。
MPR値演算部401には、係数テーブルセレクタ402によって取得された係数値データが入力される。また、MPR値演算部401には、送信フォーマット決定部201から出力された、セル#1のゲインファクタβが入力される。また、MPR値演算部401には、第1振幅補正部403aから、セル#1,#2間のDPCCHの振幅比α1によって補正されたセル#2のゲインファクタβが入力される。また、MPR値演算部401には、第2振幅補正部403bから、セル#1,#3間のDPCCHの振幅比α2によって補正されたセル#3のゲインファクタβが入力される。
MPR値演算部401は、係数テーブルセレクタ402からの係数値データと、送信フォーマット決定部201、第1振幅補正部403aおよび第2振幅補正部403bからのゲインファクタβと、を用いて、積和演算を実行する。これにより、MPR値算出部206は、送信波形のべき乗の時間平均値を算出して、MPR値を算出することができる。
(実施の形態2にかかる端末装置のMPR値の算出処理の一例)
図12Aは、実施の形態2にかかる端末装置のMPR値の算出処理の一例を示すフローチャート(その1)である。図12Bは、実施の形態2にかかる端末装置のMPR値の算出処理の一例を示すフローチャート(その2)である。図12Aおよび図12Bに示す処理において、図10に示した処理とは異なるステップS1201〜S1206について説明する。
端末装置200は、各セル#1,#2,#3の全チャネルのゲインファクタβを取得した後(ステップS1003)、各セル#1,#2,#3間のDPCCHの振幅比α1,α2を算出し(ステップS1201)、ステップS1005に移行する。
また、端末装置200は、チャネルの組合せのうちの未選択のチャネルの組合せを選択した後(ステップS1007)、各チャネルが属するセル#1,#2,#3で使用する3つのスクランブリングコードが全て同じであるか否かを判定する(ステップS1202)。ステップS1202においては、ステップS1005において取得したスクランブリングコードを用いて判定が行われる。
スクランブリングコードが全て同じである場合(ステップS1202:Yes)、端末装置200は、第1係数テーブル400aを選択し(ステップS1203)、ステップS1011に移行する。3つのスクランブリングコードが全て同じではない場合(ステップS1202:No)、端末装置200は、3つのスクランブリングコードのうちの2つが同じであるか否かを判定する(ステップS1204)。
3つのスクランブリングコードのうちの2つが同じである場合(ステップS1204:Yes)、端末装置200は、第2係数テーブル400bを選択し(ステップS1205)、ステップS1011に移行する。
3つのスクランブリングコードのうちの2つが同じではない場合(ステップS1204:No)、つまりスクランブリングコードが全て異なる場合、端末装置200は、第3係数テーブル1100を選択し(ステップS1206)、ステップS1011に移行する。
また、ステップS1012のチャネル相関値vを算出においては、ステップS1003で取得したゲインファクタβと、ステップS1201で算出したDPCCHの振幅比α1,α2と、ステップS1011で取得した係数値データ701と、が用いられる。
以上説明したように、実施の形態2にかかる端末装置200は、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。また、実施の形態2にかかる端末装置200は、予め計算され、記憶されたスクランブルコードの相違を考慮した相関時間平均値と、ゲインファクタβとに加えて、キャリア#1を基準としたキャリア#2,#3のDPCCHの振幅比α1,a2を用いた積和演算を行う。これにより、キャリア#1を基準としたキャリア#2,#3の電力配分に応じた送信波形のべき乗の時間平均値を算出することができる。このため、端末装置200は、キャリアが3つ以上の場合における各キャリアで生成した各信号を同時に送信する場合における最大送信電力のMPR値を少ない演算量で算出することができる。
ここで、例えば、(v_norm32 rmsを、上述した特許文献1のように変調した送信信号から規格通りに算出する方法がある。特許文献1の方法によって(v_norm32 rmsを算出する場合は、下記(17)式のようにCM算出式の一部を変形した式が用いられる。
Figure 2016039465
特許文献1のようにベースバンド信号から(v_norm32 rmsを算出する方法では、例えば、誤差0.1dBの精度でCM値を算出するには、100シンボル程度の変調処理および時間平均処理を要するため演算量が多くなってしまう。1シンボルは256チップの複素信号で構成されるので、時間平均処理では各チップのIQ信号から電力値の3乗値を算出するのに(乗算4回+加算1回)×256チップ×100シンボル分の演算が必要で、100シンボル分の平均(加算)を行うのに、加算256×100回が必要となる。さらにデータの変調処理演算も必要である。
また、上述した特許文献2の方法では、送信信号に多重される各チャネル間の振幅比であるゲインファクタβと、予め算出されたゲインファクタ以外の変調パラメータで決定されたチャネル間の相関値と、が用いられる。特許文献2の方法では、全てのチャネルの組合せについてゲインファクタとチャネル間の相関値とを掛け合わせた値の総和から、(v_norm32 rmsが算出される。
特許文献2の方法では、DC−HSUPAにおけるMPR値の算出については考慮されていない。DC−HSUPAでは、キャリア間で割当てた電力の違いにより相関の大きさが変化する。また、セル間のスクランブリングコードの相違により相関の値が変化する。このため、SC−HSUPAにおけるMPR値の算出方法をDC−HSUPAに適用するとセル間のスクランブルコードの相違を考慮した相関時間平均値の演算がその都度必要となり、SC−HSUPAにおけるMPR値の算出に比べて演算量が多くなってしまう。
これに対して、実施の形態1,2の端末装置200は、送信信号を生成しなくても、予め計算しておいた相関時間平均値を用いて、送信波形のべき乗の時間平均値を算出することができる。また、端末装置200は、スクランブリングコードの相違を考慮した相関時間平均値およびゲインファクタβに加えて各キャリアのDPCCHの振幅比αを用いた積和演算により、各キャリアのスクランブリングコード、および、電力配分に応じた送信波形のべき乗の時間平均値を算出することができる。
このため、端末装置200は、複数のキャリアにおける各キャリアで生成した各信号を同時に送信する場合における最大送信電力のMPR値を少ない演算量で算出することができる。例えば図3のように、2つのキャリアで計7チャネルの送信を行う場合、チャネル間の相関組み合わせパターンは84通りある。各チャネル相関は、上記(16)式より計9回の乗算で算出でき、それらの総和を計算するには、乗算9回×84 +加算1回×(84−1)の演算量で(v_norm32 rmsを算出可能である。
上述した実施の形態1,2に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)複数の物理チャネルを多重した信号を複数のキャリアで生成し、前記複数のキャリアで生成した各信号を同時に送信する通信装置であって、
記憶された複数のキャリア間で使用されるスクランブルコードの組み合わせに応じた前記複数の物理チャネルの変調パラメータを用いて導出された前記複数の物理チャネル間の相関の時間平均値と、前記複数のキャリア間の基準チャネルの振幅の比で補正した前記複数の物理チャネルの振幅の比を示す振幅比情報と、に基づいて、前記複数のキャリアで生成した各信号を多重した信号の送信波形のべき乗の時間平均値を算出する算出部を有することを特徴とする通信装置。
(付記2)前記相関の時間平均値を前記複数の物理チャネルの変調パラメータの組み合わせごとに記憶する記憶部を有し、
前記算出部は、前記記憶部に記憶された前記相関の時間平均値の中から前記複数の物理チャネルの変調パラメータを用いて選択した相関の時間平均値に基づいて前記送信波形のべき乗の時間平均値を算出することを特徴とする付記1に記載の通信装置。
(付記3)前記相関の時間平均値を、前記複数のキャリア間におけるスクランブリングコードの組み合わせに応じて記憶する記憶部を有し、
前記算出部は、前記記憶部に記憶された前記相関の時間平均値の中から前記複数のキャリアのスクランブリングコードを用いて選択した相関の時間平均値に基づいて前記送信波形のべき乗の時間平均値を算出することを特徴とする付記1または2に記載の通信装置。
(付記4)前記各信号を、前記算出部によって算出された前記送信波形のべき乗の時間平均値に基づく送信電力によって送信する送信部を有することを特徴とする付記1〜3のいずれか一つに記載の通信装置。
(付記5)前記基準チャネルの振幅は、前記各信号の送信先の通信装置から受信した制御情報に基づいて設定される振幅であり、
前記算出部は、前記基準チャネルの振幅に基づいて前記複数のキャリア間における振幅の比を算出し、算出した振幅の比に基づいて前記送信波形のべき乗の時間平均値を算出することを特徴とする付記1〜4のいずれか一つに記載の通信装置。
(付記6)前記変調パラメータは、コード数、拡散率、変調方式およびチャネライゼーションコードのうちの少なくとも一つを含むことを特徴とする付記1〜5のいずれか一つに記載の通信装置。
(付記7)複数の物理チャネルを多重した信号を複数のキャリアで生成し、前記複数のキャリアで生成した各信号を同時に送信する通信装置の処理方法であって、
前記複数の物理チャネルの振幅の比を示す振幅比情報と、前記振幅比情報とは異なる前記複数の物理チャネルの変調パラメータを用いて導出された前記複数の物理チャネル間の相関の時間平均値と、前記複数の物理チャネルに含まれる振幅の基準チャネルの前記複数のキャリア間における振幅の比と、セル間のスクランブリングコードの相違と、に基づいて、前記複数のキャリアで生成した各信号を多重した信号の送信波形のべき乗の時間平均値を算出することを特徴とする処理方法。
(付記8)前記相関の時間平均値を前記複数の物理チャネルの変調パラメータの組み合わせごとに予め計算しておき、
前記相関の時間平均値の中から前記複数の物理チャネルの変調パラメータを用いて選択した相関の時間平均値に基づいて前記送信波形のべき乗の時間平均値を算出することを特徴とする付記7に記載の処理方法。
(付記9)前記相関の時間平均値を、前記複数のキャリア間におけるスクランブリングコードの組み合わせごとに予め計算しておき、
前記相関の時間平均値の中から前記複数のキャリアのスクランブリングコードを用いて選択した相関の時間平均値に基づいて前記送信波形のべき乗の時間平均値を算出することを特徴とする付記7または8に記載の処理方法。
100 通信装置
101 送信部
102 算出部
103 記憶部
200 端末装置
201 送信フォーマット決定部
202 送信データ処理部
203 符号化部
204 変調部
205 RF部
206 MPR値算出部
207 電力制御部
208 アンテナ
209 復調部
210 復号部
211 受信データ処理部
301a〜301g 拡散部
302a〜302g,305a,305b 乗算部
303a〜303g IQマッピング部
304a,304b,308 加算部
306a,306b RRCフィルタ
307a,307b 周波数シフト部
400 テーブル記憶部
400a 第1係数テーブル
400b 第2係数テーブル
401 MPR値演算部
402 係数テーブルセレクタ
403 振幅補正部
403a 第1振幅補正部
403b 第2振幅補正部
500,600 送信フォーマット
801 プロセッサ
802 ROM
803 RAM
1100 第3係数テーブル

Claims (6)

  1. 複数の物理チャネルを多重した信号を複数のキャリアで生成し、前記複数のキャリアで生成した各信号を同時に送信する通信装置であって、
    記憶された複数のキャリア間で使用されるスクランブルコードの組み合わせに応じた前記複数の物理チャネルの変調パラメータを用いて導出された前記複数の物理チャネル間の相関の時間平均値と、前記複数のキャリア間の基準チャネルの振幅の比で補正した前記複数の物理チャネルの振幅の比を示す振幅比情報と、に基づいて、前記複数のキャリアで生成した各信号を多重した信号の送信波形のべき乗の時間平均値を算出する算出部を有することを特徴とする通信装置。
  2. 前記相関の時間平均値を前記複数の物理チャネルの変調パラメータの組み合わせごとに記憶する記憶部を有し、
    前記算出部は、前記記憶部に記憶された前記相関の時間平均値の中から前記複数の物理チャネルの変調パラメータを用いて選択した相関の時間平均値に基づいて前記送信波形のべき乗の時間平均値を算出することを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
  3. 前記相関の時間平均値を、前記複数のキャリア間におけるスクランブリングコードの組み合わせに応じて記憶する記憶部を有し、
    前記算出部は、前記記憶部に記憶された前記相関の時間平均値の中から前記複数のキャリアのスクランブリングコードを用いて選択した相関の時間平均値に基づいて前記送信波形のべき乗の時間平均値を算出することを特徴とする請求項1または2に記載の通信装置。
  4. 複数の物理チャネルを多重した信号を複数のキャリアで生成し、前記複数のキャリアで生成した各信号を同時に送信する通信装置の処理方法であって、
    前記複数の物理チャネルの振幅の比を示す振幅比情報と、前記振幅比情報とは異なる前記複数の物理チャネルの変調パラメータを用いて導出された前記複数の物理チャネル間の相関の時間平均値と、前記複数の物理チャネルに含まれる振幅の基準チャネルの前記複数のキャリア間における振幅の比と、セル間のスクランブリングコードの相違と、に基づいて、前記複数のキャリアで生成した各信号を多重した信号の送信波形のべき乗の時間平均値を算出することを特徴とする処理方法。
  5. 前記相関の時間平均値を前記複数の物理チャネルの変調パラメータの組み合わせごとに予め計算しておき、
    前記相関の時間平均値の中から前記複数の物理チャネルの変調パラメータを用いて選択した相関の時間平均値に基づいて前記送信波形のべき乗の時間平均値を算出することを特徴とする請求項4に記載の処理方法。
  6. 前記相関の時間平均値を、前記複数のキャリア間におけるスクランブリングコードの組み合わせごとに予め計算しておき、
    前記相関の時間平均値の中から前記複数のキャリアのスクランブリングコードを用いて選択した相関の時間平均値に基づいて前記送信波形のべき乗の時間平均値を算出することを特徴とする請求項4または5に記載の処理方法。
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