JP2016038508A - 液晶シール剤及びそれを用いた液晶表示セル - Google Patents

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Abstract

【課題】高粘度でありながら脱泡性に優れる液晶滴下工法用液晶シール剤を提供する。この液晶シール剤は、短時間での脱泡が可能であり、脱泡工程で液晶シール剤の粘度等に影響をほとんど与えない為、安定したディスペンス性を確保でき、液晶への汚染性が非常に低い為、液晶滴下工法に好適である。【解決手段】(A)硬化性化合物、及び(B)反応性基をもつ消泡剤を含有し、E型粘度計を用いて測定した25℃、10rpmにおける粘度が200Pa・s以上である液晶滴下工法用液晶シール剤。【選択図】なし

Description

本発明は、液晶滴下工法に使用される液晶シール剤に関する。より詳細には、高粘度でありながら脱泡性に優れる為、作業性に非常に優れる液晶滴下工法用液晶シール剤に関する。
近年の液晶表示セルの大型化に伴い、液晶表示セルの製造法として、より量産性の高い、いわゆる液晶滴下工法が提案されている(特許文献1、特許文献2参照)。具体的には、一方の基板に形成された液晶シール剤の堰の内側に液晶を滴下した後、もう一方の基板を貼り合わせることにより液晶が封止される液晶表示セルの製造方法である。
液晶滴下工法では、液晶シール剤が硬化する前に、液晶と液晶シール剤が接触する為、液晶による圧力によって液晶シール剤に差込現象が発生し、また決壊してしまうこともあり、問題とされている。この問題は、光と熱を併用する液晶滴下工法においても配線等の影になって充分な紫外線が照射されない部分が存在する液晶表示セルの製造では問題であり、また紫外線照射を行わず、熱のみで液晶シール剤を硬化する方法の液晶滴下工法においては、特に大きな問題である。この問題を解決する最も簡単な方法は、使用する液晶シール剤の粘度を高くし、液晶の差込への耐性を高めることである。
しかし、液晶シール剤の粘度を高くすれば、作業性を著しく低下させる。特に液晶シール剤を脱泡する工程においては大きな問題である。粘度が高くなればそれだけ気泡が抜け難くなり、残存する気泡によってディスペンス時の線切が引き起こされる。
気泡を十分に抜く為には、脱泡工程の条件を厳しくしたり、時間を延ばしたりすることになるが、これは脱泡時の液晶シール剤温度を高くさせ、増粘させたり、場合によってはゲル化を引き起こす。
従って、高粘度でありながら脱泡性に優れる液晶シール剤は、液晶の差込への耐性にも優れ、かつディスペンス性にも優れるといった液晶シール剤であり、液晶表示セルの製造現場から望まれるものである。
上記課題を解決する為に、パーフルオロアルキル基含有シリコーンオイルの添加が提案されている(特許文献3)。しかし、この方法では、液晶汚染性を悪化させてしまい、液晶滴下工法用の液晶シール剤としては、十分ではない。
以上述べたように、液晶シール剤の開発は非常に精力的に行われているにも拘わらず、高粘度でありながら脱泡性に優れ、かつ低液晶汚染性である液晶滴下工法用液晶シール剤は未だ実現していない。
特開昭63−179323号公報 特開平10−239694号公報 特開2004−177737公報
本発明は、加熱のみ、又は光熱併用によって硬化する液晶滴下工法用液晶シール剤に関するものであり、高粘度でありながら脱泡性に優れ、かつ低液晶汚染性である液晶滴下工法用液晶シール剤を提案するものである。この液晶滴下工法用液晶シール剤は、液晶の差込への耐性、およびディスペンス性といった作業性に優れ、また低液晶汚染性、高接着強度である為、液晶表示セルの長期信頼性にも貢献するものである。
本発明者らは、鋭意検討の結果、(A)(メタ)アクリル化合物、及び(B)反応性基をもつ消泡剤を含有し、E型粘度計を用いて測定した25℃ 10rpmにおける粘度が200Pa・s以上である液晶滴下工法用液晶シール剤が特に脱泡性に優れ、かつ低液晶汚染性であることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち本発明は、次の1)〜15)に関するものである。
本明細書において「(メタ)アクリル」とは「アクリル」及び/又は「メタクリル」を意味する。また、「液晶滴下工法用液晶シール剤」を単に「液晶シール剤」と記載する場合もある。
1)
(A)硬化性化合物、及び(B)反応性基をもつ消泡剤を含有し、E型粘度計を用いて測定した25℃ 10rpmにおける粘度が200Pa・s以上である液晶滴下工法用液晶シール剤。
2)
上記成分(B)が分子内に(a)ケイ素、(b)フッ素をもつ消泡剤である上記1)に記載の液晶滴下工法用シール剤。
3)
上記成分(B)における反応性基が、エポキシ基、(メタ)アクリル基及びアミノ基の群から選択させる1又は2以上の反応性基である上記1)又は2)に記載の液晶滴下工法用シール剤。
4)
上記成分(B)が、下記式(1)で表される化合物と下記式(2)で表される化合物を反応させて得られる消泡剤である上記1)乃至3)のいずれか一項に記載の液晶滴下工法用シール剤。
Figure 2016038508
(式中Rは反応性基を有する置換基を表し、RはC〜Cのアルキル基を示す。)
Figure 2016038508
(式中Rはフッ素原子を1〜20個有する置換基を表し、RはC〜Cのアルキル基を表す。)
5)
上記成分(A)が、エポキシ(メタ)アクリレートである、上記1)乃至4)のいずれか一項に記載の液晶滴下工法用液晶シール剤。
6)
上記成分(A)が、レゾルシン骨格を有する(メタ)アクリル化合物である上記1)乃至5)のいずれか一項に記載の液晶滴下工法用液晶シール剤。
7)
更に、(C)有機フィラーを含有する上記1)乃至6)のいずれか一項に記載の液晶滴下工法用液晶シール剤。
8)
上記成分(C)が、ウレタン微粒子、アクリル微粒子、スチレン微粒子、スチレンオレフィン微粒子、及びシリコーン微粒子からなる群より選択される1又は2以上の有機フィラーである上記7)に記載の液晶滴下工法用液晶シール剤。
9)
更に、(D)光ラジカル重合開始剤及び/又は熱ラジカル重合開始剤を含有する上記1)乃至8)のいずれか一項に記載の液晶滴下工法用液晶シール剤。
10)
更に、(E)無機フィラーを含有する上記1)及至9)のいずれか一項に記載の液晶滴下工法用液晶シール剤。
11)
更に、(F)シランカップリング剤を含有する上記1)及至10)のいずれか一項に記載の液晶滴下工法用液晶シール剤。
12)
更に、(G)熱硬化剤を含有する上記1)乃至11)のいずれか一項に記載の液晶滴下工法用液晶シール剤。
13)
2枚の基板により構成される液晶表示セルにおいて、一方の基板に形成された上記1)乃至12)のいずれか一項に記載の液晶滴下工法用液晶シール剤の堰の内側に液晶を滴下した後、もう一方の基板を貼り合わせ、その後熱により硬化することを特徴とする液晶表示セルの製造方法。
14)
上記1)乃至12)のいずれか一項に記載の液晶シール剤を硬化して得られる硬化物でシールされた液晶表示セル。
本発明の液晶シール剤は、高粘度でありながら脱泡性に優れるものである。従って、短時間での脱泡が可能であり、脱泡工程で液晶シール剤の粘度等に影響をほとんど与えない。従って、安定したディスペンス性を確保できる。
また、本発明の液晶シール剤は、液晶への汚染性が非常に低い為、液晶滴下工法に好適である。
本発明の液晶シール剤は、(A)硬化性化合物を含有する。
成分(A)は、光又は熱によって重合反応するものであれば特に限定されず、例えば(メタ)アクリロイル基を有する硬化性化合物、エポキシ基を有する硬化性化合物等を挙げることができる。
(メタ)アクリロイル基を有する硬化性化合物は、例えば(メタ)アクリルエステル、エポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。(メタ)アクリルエステルとしては、ベンジルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、グリセロールジメタクリレート、グリセロールトリアクリレート、EO変性グリセロールトリアクリレート、ペンタエリスリトールアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、フロログリシノールトリアクリレート等が挙げられる。エポキシ(メタ)アクリレートは、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸との反応により公知の方法で得られる。原料となるエポキシ樹脂としては、特に限定されるものではないが、2官能以上のエポキシ樹脂が好ましく、例えばビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールFノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族鎖状エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、ヒダントイン型エポキシ樹脂、イソシアヌレート型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン骨格を有するフェノールノボラック型エポキシ樹脂、その他、カテコール、レゾルシノール等の二官能フェノール類のジグリシジルエーテル化物、二官能アルコール類のジグリシジルエーテル化物、およびそれらのハロゲン化物、水素添加物などが挙げられる。これらのうち液晶汚染性の観点から、レゾルシン骨格を有するエポキシ樹脂が好ましく、例えばレゾルシンジグリシジルエーテル等である。また、エポキシ基と(メタ)アクリロイル基との比率は限定されるものではなく、工程適合性及び液晶汚染性の観点から適切に選択される。
したがって、好ましい(メタ)アクリロイル基を有する硬化性化合物は、(メタ)アクリロイル基を有し、さらにレゾルシン骨格を有する硬化性化合物であり、例えば、レゾルシンジグリシジルエーテルのアクリル酸エステルやレゾルシンジグリシジルエーテルのメタクリル酸エステルである。
エポキシ基を有する硬化性化合物としては、エポキシ樹脂が挙げられる。該エポキシ樹脂としては特に限定されるものではないが、2官能以上のエポキシ樹脂が好ましく、例えばビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールFノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族鎖状エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、ヒダントイン型エポキシ樹脂、イソシアヌレート型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン骨格を有するフェノールノボラック型エポキシ樹脂、その他、二官能フェノール類のジグリシジルエーテル化物、二官能アルコール類のジグリシジルエーテル化物、およびそれらのハロゲン化物、水素添加物などが挙げられる。これらのうち液晶汚染性の観点より好ましいのはビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂である。
(メタ)アクリロイル基を有する硬化性化合物、エポキシ基を有する硬化性化合物は2種以上を混合して用いることもでき、(メタ)アクリル化エポキシ樹脂とエポキシ樹脂を混合して用いることが、本願発明の特に好ましい態様の一つである。
本発明の液晶シール剤中における成分(A)の含有量は、通常30〜75質量%、好ましくは40〜65質量%である また、特にエポキシ樹脂と(メタ)アクリル化エポキシ樹脂を併用する場合において、成分(A)中のエポキシ樹脂の含有量は、通常3〜30質量%、好ましくは5〜20質量%、さらに好ましくは8〜15質量%である。
本発明の液晶シール剤は、(B)反応性基をもつ消泡剤を含有する。
消泡剤とは、微量の添加で効率よく消泡するものであり、例えば、エマルジョンタイプ、高級アルコールタイプ、シリコーンタイプ等の分類が可能である。
また本発明の(B)成分は消泡剤でありながら、分子内に反応性基を有する。この反応性基は、上記成分(A)と反応し、高分子量体となることで、液晶への溶出が抑えられる。これによって、十分な低液晶汚染性を実現することが可能である。
また更に、高接着強度を実現することもできる。消泡剤にはシリコーン系消泡剤と界面活性剤、ポリエーテル、高級アルコール等の有機消泡剤がある。中でも、速効性に優れることからシリコーン系消泡剤が広く使用されている。光学部材においてもシリコーン系消泡剤が使用されており、一般的に400〜2000mPa・s/25℃程度の粘度を有する分子量の大きい変性シリコーンが選択されている。しかしながら、十分な消泡効果が得られる量を配合すると接着強度が低下し、問題を引き起こすことがある。本発明の反応性基を有する消泡剤は、十分な消泡効果を発現する量の添加を行っても接着強度への影響が無い。即ち、本発明の消泡剤を使用することで、シリコーン系消泡剤と同等の速効性を有しながら接着強度にも影響を及ぼさない優れた液晶シール剤を得ることができる。
また、上記成分(B)は、分子内に(a)ケイ素、(b)フッ素をもつ消泡剤である場合が好ましい。すなわち、フッ素を有するシリコーンタイプの消泡剤である。
更に、上記成分(B)の反応性基は、上記(A)の好ましいものとの反応性の観点からエポキシ基、(メタ)アクリル基及びアミノ基の群から選択させる1又は2以上の反応性基である場合が好ましい。
上記成分(B)は、上記式(1)で表される化合物と上記式(2)で表される化合物を反応させて得られる消泡剤である場合が特に好ましい。この化合物は非常に少量の添加であっても、十分な消泡性を有する上、反応性基は成分(A)と効率良く反応し、また分子量も大きい為、硬化前であっても液晶への溶出性は低い為である。
成分(B)の分子量は、重量平均分子量で400〜50000のものが好ましく、750〜30000のものがより好ましい。重量平均分子量で400未満の場合、組成物にした添加した場合の相分離や組成物の粘度低下が生じ易く、50000より大きい場合、組成物にした添加した場合、急激な粘度の上昇といった、組成物に対する固有物性が低下する場合がある。
[式(1)で表される化合物について]
基Rとしては、反応性基を有する基であれば特に制限はないが、エポキシ基、(メタ)アクリル基又はアミノ基である場合が好ましい。また、エポキシ基を有する置換基である場合が特に好ましく、グリシドオキシ基で置換された炭素数3以下のアルキル基、オキシラン基を持った炭素数5〜8のシクロアルキル基で置換された炭素数5以下のアルキル基が挙げられる。それらの具体例としては、β−グリシドキシエチル基、γ−グリシドキシプロピル基、γ−グリシドキシブチル基等の炭素数4以下、好ましくは3以下のグリシドキシアルキル基、グリシジル基、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル基、γ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピル基、β−(3,4−エポキシシクロヘプチル)エチル基、β−(3,4エポキシシクロヘキシル)プロピル基、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)ブチル基、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)ペンチル基等が挙げられる。これらの中でβ−グリシドキシエチル基、γ−グリシドキシプロピル基、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル基が好ましい。これらエポキシ基を有するアルコキシケイ素化合物中のRbとしては、炭素数4以下のアルキル基、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基等が挙げられるが、反応条件の点でメトキシ基又はエトキシ基が好ましい。
基Rは、炭素数4以下のアルキル基を表す。
式(1)で表される化合物の具体例としては、β−グリシドキシエチルトリメトキシシラン、β−グリシドキシエチルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、グリシジルトリメトキシシラン、グリシジルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、γ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピルトリメトキシシラン、γ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘプチル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘプチル)エチルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)ブチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)ブチルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)ペンチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)ペンチルトリエトキシシラン等が挙げられる。これらのうちでより好ましいものとしてはβ−グリシドキシエチルトリメトキシシラン、β−グリシドキシエチルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン等が挙げられる。
[式(2)で表される化合物について]
基Rはフッ素原子を1〜20個有する置換基であり、好ましくはフッ素原子を3〜15個有するC1〜C8アルキル基である。
基Rは炭素数4以下のアルキル基である。
式(2)で表される化合物の具体例としては、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、トリフルオロプロピルトリエトキシシラン、ノナフルオロヘキシルトリメトキシシラン、ノナフルオロヘキシルトリエトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリエトキシシラン、(3−メトキシシリル)プロピルペンタデカフルオロオクテート、(3−エトキシシリル)プロピルペンタデカフルオロオクテート、(3−メトキシシリル)プロピルペンタデカフルオロヘプシルアミド、(3−エトキシシリル)プロピルペンタデカフルオロヘプシルアミド、(2−メトキシシリル)エチルヘプタデカフルオロプロピルスルフィド、(2−エトキシシリル)エチルヘプタデカフルオロプロピルスルフィド等が挙げられる。これらの中でより好ましいものとしてはトリフルオロプロピルトリメトキシシラン、トリフルオロプロピルトリエトキシシラン、ノナフルオロヘキシルトリメトキシシラン、ノナフルオロヘキシルトリエトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリエトキシシラン等が挙げられる。
[式(1)で表される化合物と式(2)で表される化合物の反応について]
成分(B)を得る縮合反応は、式(1)で表されるエポキシ基を有するアルコキシケイ素化合物と式(2)で表されるフッ素原子を有するアルコキシケイ素化合物を塩基性触媒存在下、(共)縮合させる反応である。式(2)の化合物の(共)縮合比率としては、硬化性や屈折率の観点から原料となるアルコキシケイ素化合物中3〜95モル%。好ましくは5〜90モル%である。95モル%より多い場合、組成物とした場合の硬化性が低下することがある。
この縮合反応には触媒を用いるのが好ましい。触媒としては、塩基性であれば特に限定されないが、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化セシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムなどの無機塩基、アンモニア、トリエチルアミン、ジエチレントリアミン、n−ブチルアミン、ジメチルアミノエタノール、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイドなどの有機塩基を使用することができる。これらの中でも、特に生成物からの触媒除去が容易である点で無機塩基又はアンモニアが好ましい。触媒の添加量としては、エポキシ基を有するアルコキシケイ素化合物とフッ素原子を有するアルコキシケイ素化合物の合計に対し、5×10−4〜7.5質量%が好ましく、1×10−3〜5質量%がより好ましい。この縮合反応における反応温度は、触媒量にもよるが、通常20〜160℃、好ましくは40〜140℃である。又、反応時間は通常1〜12時間である。
上記縮合反応は、無溶剤または溶剤中で行うことができる。溶剤としては、エポキシ基を有するアルコキシケイ素化合物及びフッ素原子を有するアルコキシケイ素化合物を溶解する溶剤であれば特に制限はない。このような溶剤としては、例えばジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、テトラヒドロフラン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどの非プロトン性極性溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素が例示できる。
また、成分(B)は、上記記載の方法で得られたエポキシ化物へ(メタ)アクリル酸を付加することにより得られるエポキシ(メタ)アクリレート化合物であっても良い。エポキシ(メタ)アクリレート型反応性消泡剤は、前記エポキシ化合物のエポキシ基に等量未満の(メタ)アクリル酸成分を反応させ意図的にエポキシ基を残した部分エポキシ(メタ)アクリレートも含まれる。
本発明の液晶シール剤中、成分(B)の含有量は、本発明の液晶シール剤の総量に対して、0.05〜5質量%が好ましく、0.1〜3質量%が更に好ましく、1〜2質量%が特に好ましい。
本願発明の液晶シール剤は、成分(C)として有機フィラーを含有する。有機フィラーを含有することによって、硬化物に柔軟性を与え、液晶シール剤の接着強度を向上することができる
上記有機フィラーとしては、例えばウレタン微粒子、アクリル微粒子、スチレン微粒子、スチレンオレフィン微粒子及びシリコーン微粒子が挙げられる。なおシリコーン微粒子としてはKMP−594、KMP−597、KMP−598(信越化学工業製)、トレフィルRTME−5500、9701、EP−2001(東レダウコーニング社製)が好ましく、ウレタン微粒子としてはJB−800T、HB−800BK(根上工業株式会社)、スチレン微粒子としてはラバロンRTMT320C、T331C、SJ4400、SJ5400、SJ6400、SJ4300C、SJ5300C、SJ6300C(三菱化学製)が好ましく、スチレンオレフィン微粒子としてはセプトンRTMSEPS2004、SEPS2063が好ましい。
これら有機フィラーは単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。また2種以上を用いてコアシェル構造としても良い。これらのうち、好ましくは、アクリル微粒子、シリコーン微粒子である。
上記アクリル微粒子を使用する場合、2種類のアクリルゴムからなるコアシェル構造のアクリルゴムである場合が好ましく、特に好ましくはコア層がn−ブチルアクリレートであり、シェル層がメチルメタクリレートであるものが好ましい。これはゼフィアックRTMF−351としてアイカ工業株式会社から販売されている。
また、上記シリコーン微粒子としては、オルガノポリシロキサン架橋物粉体、直鎖のジメチルポリシロキサン架橋物粉体等があげられる。また、複合シリコーンゴムとしては、上記シリコーンゴムの表面にシリコーン樹脂(例えば、ポリオルガノシルセスキオキサン樹脂)を被覆したものがあげられる。これらの微粒子のうち、特に好ましいのは、直鎖のジメチルポリシロキサン架橋粉末のシリコーンゴム又はシリコーン樹脂被覆直鎖ジメチルポリシロキサン架橋粉末の複合シリコーンゴム微粒子である。これらのものは、単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。また、好ましくは、ゴム粉末の形状は、添加後の粘度の増粘が少ない球状が良い。本発明の液晶シール剤において、成分(C)を使用する場合には、液晶シール剤の総量中、通常5〜50質量%、好ましくは5〜40質量%である。
本発明の液晶シール剤は、更に成分(D)として光ラジカル重合開始剤及び/又は熱ラジカル重合開始剤を含有する場合が好ましい。
成分(D)における光ラジカル重合開始剤とは、紫外線や可視光の照射によって、ラジカルを発生し、連鎖重合反応を開始させる化合物であれば特に限定されないが、例えば、ベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ジエチルチオキサントン、ベンゾフェノン、2−エチルアンスラキノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、2−メチル−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノ−1−プロパン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスヒンオキサイド、カンファーキノン、9−フルオレノン、ジフェニルジスルヒド等を挙げることができる。具体的には、IRGACURERTM 651、184、2959、127、907、369、379EG、819、784、754、500、OXE01、OXE02、DAROCURERTM1173、LUCIRINRTM TPO(いずれもBASF社製)、セイクオールRTMZ、BZ、BEE、BIP、BBI(いずれも精工化学株式会社製)等を挙げることができる。なお、本明細書中、上付きのRTMは登録商標を意味する。
また、液晶汚染性の観点から、分子内に(メタ)アクリル基を有するものを使用する事が好ましく、例えば2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートと1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2メチル−1−プロパン−1−オンとの反応生成物が好適に用いられる。この化合物は国際公開第2006/027982号記載の方法にて製造して得ることができる。
光重合開始剤を用いる場合の液晶シール剤総量中の含有率は、通常0.001〜3質量%、好ましくは0.002〜2質量%である。
成分(D)における熱ラジカル重合開始剤とは、加熱によりラジカルを生じ、連鎖重合反応を開始させる化合物であれば特に限定されないが、有機過酸化物、アゾ化合物、ベンゾイン化合物、ベンゾインエーテル化合物、アセトフェノン化合物、ベンゾピナコール等が挙げられ、ベンゾピナコールが好適に用いられる。例えば、有機過酸化物としては、カヤメックRTMA、M、R、L、LH、SP-30C、パーカドックスCH−50L、BC−FF、カドックスB−40ES、パーカドックス14、トリゴノックスRTM22−70E、23−C70、121、121−50E、121−LS50E、21−LS50E、42、42LS、カヤエステルRTMP−70、TMPO−70、CND−C70、OO−50E、AN、カヤブチルRTMB、パーカドックス16、カヤカルボンRTMBIC−75、AIC−75(化薬アクゾ株式会社製)、パーメックRTMN、H、S、F、D、G、パーヘキサRTMH、HC、パTMH、C、V、22、MC、パーキュアーRTMAH、AL、HB、パーブチルRTMH、C、ND、L、パークミルRTMH、D、パーロイルRTMIB、IPP、パーオクタRTMND、(日油株式会社製)などが市販品として入手可能である。また、アゾ化合物としては、VA−044、V−070、VPE−0201、VSP−1001(和光純薬工業株式会社製)等が市販品として入手可能である。
上記熱ラジカル重合開始剤として、好ましいものは、分子内に酸素−酸素結合(−O−O−)又は窒素−窒素結合(−N=N−)を有さない熱ラジカル重合開始剤である。分子内に酸素−酸素結合(−O−O−)や窒素−窒素結合(−N=N−)を有する熱ラジカル重合開始剤は、ラジカル発生時に多量の酸素や窒素を発するため、液晶シール剤中に気泡を残した状態で硬化し、接着強度等の特性を低下させる虞がある。ベンゾピナコール系の熱ラジカル重合開始剤(ベンゾピナコールを化学的に修飾したものを含む)が特に好適である。具体的には、ベンゾピナコール、1,2−ジメトキシ−1,1,2,2−テトラフェニルエタン、1,2−ジエトキシ−1,1,2,2−テトラフェニルエタン、1,2−ジフェノキシ−1,1,2,2−テトラフェニルエタン、1,2−ジメトキシ−1,1,2,2−テトラ(4−メチルフェニル)エタン、1,2−ジフェノキシ−1,1,2,2−テトラ(4−メトキシフェニル)エタン、1,2−ビス(トリメチルシロキシ)−1,1,2,2−テトラフェニルエタン、1,2−ビス(トリエチルシロキシ)−1,1,2,2−テトラフェニルエタン、1,2−ビス(t−ブチルジメチルシロキシ)−1,1,2,2−テトラフェニルエタン、1−ヒドロキシ−2−トリメチルシロキシ−1,1,2,2−テトラフェニルエタン、1−ヒドロキシ−2−トリエチルシロキシ−1,1,2,2−テトラフェニルエタン、1−ヒドロキシ−2−t−ブチルジメチルシロキシ−1,1,2,2−テトラフェニルエタン等、が挙げられ、好ましくは1−ヒドロキシ−2−トリメチルシロキシ−1,1,2,2−テトラフェニルエタン、1−ヒドロキシ−2−トリエチルシロキシ−1,1,2,2−テトラフェニルエタン、1−ヒドロキシ−2−t−ブチルジメチルシロキシ−1,1,2,2−テトラフェニルエタン、1,2−ビス(トリメチルシロキシ)−1,1,2,2−テトラフェニルエタンであり、さらに好ましくは1−ヒドロキシ−2−トリメチルシロキシ−1,1,2,2−テトラフェニルエタン、1,2−ビス(トリメチルシロキシ)−1,1,2,2−テトラフェニルエタンであり、特に好ましくは1,2−ビス(トリメチルシロキシ)−1,1,2,2−テトラフェニルエタンである。
上記ベンゾピナコールは東京化成工業株式会社、和光純薬工業株式会社等から市販されている。また、ベンゾピナコールのヒドロキシ基をエーテル化することは、周知の方法によって容易に合成可能である。また、ベンゾピナコールのヒドロキシ基をシリルエーテル化することは、対応するベンゾピナコールと各種シリル化剤をピリジン等の塩基性触媒下で加熱させる方法により合成して得ることができる。シリル化剤としては、一般に知られているトリメチルシリル化剤であるトリメチルクロロシラン(TMCS)、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)、N,O−ビス(トリメチルシリル)トリフルオロアセトアミド(BSTFA)やトリエチルシリル化剤としてトリエチルクロロシラン(TECS)、t−ブチルジメチルシリル化剤としてt−ブチルメチルシラン(TBMS)等が挙げられる。これらの試薬はシリコン誘導体メーカー等の市場から容易に入手することが出来る。シリル化剤の反応量としては対象化合物の水酸基1モルに対して1.0〜5.0倍モルが好ましい。さらに好ましくは1.5〜3.0倍モルである。1.0倍モルより少ないと反応効率が悪く、反応時間が長くなるため熱分解を促進してしまう。5.0倍モルより多いと回収の際に分離が悪くなったり、精製が困難になったりしてしまう。
熱ラジカル重合開始剤は粒径を細かくし、均一に分散することが好ましい。その平均粒径は、大きすぎると狭ギャップの液晶表示セル製造時に上下ガラス基板を貼り合わせる際のギャップ形成が上手くできない等の不良要因となるため、5μm以下が好ましく、より好ましくは3μm以下である。また、際限なく細かくしても差し支えないが、通常下限は0.1μm程度である。粒径はレーザー回折・散乱式粒度分布測定器(乾式)(株式会社セイシン企業製;LMS−30)により測定できる。
熱ラジカル重合開始剤の含有量としては、液晶シール剤の総量中、0.0001〜10質量%であることが好ましく、さらに好ましくは0.0005〜5質量%であり、0.001〜3質量%が特に好ましい。
本発明の液晶シール剤は、成分(E)として無機フィラーを含有してもよい。成分(E)としては、シリカ、シリコンカーバイド、窒化珪素、窒化ホウ素、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、マイカ、タルク、クレー、アルミナ、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、珪酸カルシウム、珪酸アルミニウム、珪酸リチウムアルミニウム、珪酸ジルコニウム、チタン酸バリウム、硝子繊維、炭素繊維、二硫化モリブデン、アスベスト等が挙げられ、好ましくは溶融シリカ、結晶シリカ、窒化珪素、窒化ホウ素、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、マイカ、タルク、クレー、アルミナ、水酸化アルミニウム、珪酸カルシウム、珪酸アルミニウムであり、更に好ましくはシリカ、アルミナ、タルクである。これら無機フィラーは2種以上を混合して用いても良い。
成分(E)の平均粒子径は、大きすぎると狭ギャップの液晶セル製造時に上下ガラス基板の貼り合わせ時のギャップ形成がうまくできない等の不良要因となるため、2000nm以下が適当であり、好ましくは1000nm以下である。また好ましい下限は10nm程度であり、さらに好ましくは20nm程度である。粒子径はレーザー回折・散乱式粒度分布測定器(乾式)(株式会社セイシン企業製;LMS−30)により測定することができる。
本発明の液晶シール剤において、成分(E)を使用する場合には、液晶シール剤の総量中、通常1〜50質量%、好ましくは3〜40質量%である。無機フィラーの含有量が1質量%より低い場合、ガラス基板に対する接着強度が低下し、また耐湿信頼性も劣るために、吸湿後の接着強度の低下も大きくなる場合がある。又、無機フィラーの含有量が50質量%より多い場合、フィラー含有量が多すぎるため、つぶれにくく液晶セルのギャップ形成ができなくなってしまう場合がある。
本発明の液晶シール剤は、成分(F)としてシランカップリング剤を添加して、接着強度や耐湿性の向上を図ることができる。
成分(F)としては、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルメチルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、N−(2−(ビニルベンジルアミノ)エチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。これらのシランカップリング剤はKBMシリーズ、KBEシリーズ等として信越化学工業株式会社等によって販売されている為、市場から容易に入手可能である。本発明の液晶シール剤において、成分(F)を使用する場合には、液晶シール剤総量中、0.05〜3質量%が好適である。
本発明の液晶シール剤は、成分(G)として熱硬化剤を含有する。成分(H)は、上記成分(D)熱ラジカル重合開始剤とは異なり、加熱によってラジカルを発生しない熱硬化剤を意味する。具体的には、非共有電子対や分子内のアニオンによって、求核的に反応するものであって、例えば多価アミン類、多価フェノール類、有機酸ヒドラジド化合物等を挙げる事ができる。ただしこれらに限定されるものではない。これらのうち有機酸ヒドラジド化合物が特に好適に用いられる。例えば、芳香族ヒドラジドであるテレフタル酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、2,6−ナフトエ酸ジヒドラジド、2,6−ピリジンジヒドラジド、1,2,4−ベンゼントリヒドラジド、1,4,5,8−ナフトエ酸テトラヒドラジド、ピロメリット酸テトラヒドラジド等をあげることが出来る。また、脂肪族ヒドラジド化合物であれば、例えば、ホルムヒドラジド、アセトヒドラジド、プロピオン酸ヒドラジド、シュウ酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、ピメリン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、1,4−シクロヘキサンジヒドラジド、酒石酸ジヒドラジド、リンゴ酸ジヒドラジド、イミノジ酢酸ジヒドラジド、N,N’−ヘキサメチレンビスセミカルバジド、クエン酸トリヒドラジド、ニトリロ酢酸トリヒドラジド、シクロヘキサントリカルボン酸トリヒドラジド、1,3−ビス(ヒドラジノカルボノエチル)−5−イソプロピルヒダントイン等のヒダントイン骨格、好ましくはバリンヒダントイン骨格(ヒダントイン環の炭素原子がイソプロピル基で置換された骨格)を有するジヒドラジド化合物、トリス(1−ヒドラジノカルボニルメチル)イソシアヌレート、トリス(2−ヒドラジノカルボニルエチル)イソシアヌレート、トリス(1−ヒドラジノカルボニルエチル)イソシアヌレート、トリス(3−ヒドラジノカルボニルプロピル)イソシアヌレート、ビス(2−ヒドラジノカルボニルエチル)イソシアヌレート等をあげることができる。硬化反応性と潜在性のバランスから好ましくは、イソフタル酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、トリス(1−ヒドラジノカルボニルメチル)イソシアヌレート、トリス(1−ヒドラジノカルボニルエチル)イソシアヌレート、トリス(2−ヒドラジノカルボニルエチル)イソシアヌレート、トリス(3−ヒドラジノカルボニルプロピル)イソシアヌレートであり、特に好ましくはトリス(2−ヒドラジノカルボニルエチル)イソシアヌレートである。
成分(G)は単独で用いても良いし、2種類以上を混合しても良い。本発明の液晶シール剤において、成分(H)を使用する場合には、液晶シール剤総量中、通常0.1〜10質量%、好ましくは1〜5質量%である。
本発明の液晶シール剤には、さらに必要に応じて、有機酸やイミダゾール等の硬化促進剤、ラジカル重合防止剤、顔料、レベリング剤、消泡剤、溶剤などの添加剤を配合することができる。
上記硬化促進剤としては、有機酸やイミダゾール等を挙げることができる。
有機酸としては、有機カルボン酸や有機リン酸等が挙げられるが、有機カルボン酸である場合が好ましい。具体的には、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、フランジカルボン酸等の芳香族カルボン酸、コハク酸、アジピン酸、ドデカン二酸、セバシン酸、チオジプロピオン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、トリス(2−カルボキシメチル)イソシアヌレート、トリス(2−カルボキシエチル)イソシアヌレート、トリス(2−カルボキシプロピル)イソシアヌレート、ビス(2−カルボキシエチル)イソシアヌレート等を挙げることができる。
また、イミダゾール化合物としては、2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、2,4−ジアミノ−6(2’−メチルイミダゾール(1’))エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6(2’−ウンデシルイミダゾール(1’))エチル−s−トリアジン、2 ,4−ジアミノ−6(2 ’−エチル−4−メチルイミダゾール(1’))エチル−s−トリアジン、2,4− ジアミノ−6(2’−メチルイミダゾール(1 ’))エチル−s−トリアジン・イソシアヌル酸付加物、2−メチルイミダゾールイソシアヌル酸の2:3付加物、2−フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2−フェニル−3,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−ヒドロキシメチル−5−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニル−3,5−ジシアノエトキシメチルイミダゾール等が挙げられる。
本発明の液晶シール剤において、硬化促進剤を使用する場合には、液晶シール剤の総量中、通常0.1〜10質量%、好ましくは1〜5質量%である。
上記ラジカル重合防止剤としては、光重合開始剤や熱ラジカル重合開始剤等から発生するラジカルと反応して重合を防止する化合物であれば特に限定されるものではなく、キノン系、ピペリジン系、ヒンダードフェノール系、ニトロソ系等を用いることができる。具体的には、ナフトキノン、2−ヒドロキシナフトキノン、2−メチルナフトキノン、2−メトキシナフトキノン、2,2,6,6,−テトラメチルピペリジン−1−オキシル、2,2,6,6,−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジン−1−オキシル、2,2,6,6,−テトラメチル−4−メトキシピペリジン−1−オキシル、2,2,6,6,−テトラメチル−4−フェノキシピペリジン−1−オキシル、ハイドロキノン、2−メチルハイドロキノン、2−メトキシハイドロキノン、パラベンゾキノン、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチルクレゾール、ステアリルβ−(3,5−ジt−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス−3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、3,9−ビス[1,1−ジメチル−2−[β―(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]エチル]、2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、テトラキス−[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニルプロピオネート)メタン、1,3,5−トリス(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシベンジル)−sec−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)トリオン、パラメトキシフェノール、4−メトキシ−1−ナフトール、チオジフェニルアミン、N−ニトロソフェニルヒドロキシアミンのアルミニウム塩、商品名アデカスタブLA−81、商品名アデカスタブLA−82(株式会社アデカ製)等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらのうちナフトキノン系、ハイドロキノン系、ニトロソ系ピペラジン系のラジカル重合防止剤が好ましく、ナフトキノン、2−ヒドロキシナフトキノン、ハイドロキノン、2,6−ジ−tert−ブチル−P−クレゾール、ポリストップ7300P(伯東株式会社製)が更に好ましく、ポリストップ7300P(伯東株式会社製)が最も好ましい。
ラジカル重合防止剤の含有量としては本発明の液晶シール剤総量中、0.0001〜1質量%が好ましく、0.001〜0.5質量%が更に好ましく、0.01〜0.2質量%が特に好ましい。
本発明の液晶シール剤を得る方法の一例としては、次に示す方法がある。まず、(A)成分と、(B)成分を混合し、更に必要に応じ、(C)成分、(D)成分、(E)成分、(F)成分、(G)成分、レベリング剤、及び溶剤等を添加し、公知の混合装置、例えば3本ロール、サンドミル、ボールミル等により均一に混合し、金属メッシュにて濾過することにより本発明の液晶シール剤を製造することができる。
本発明の液晶表示セルは、基板に所定の電極を形成した一対の基板を所定の間隔に対向配置し、周囲を本発明の液晶シール剤でシールし、その間隙に液晶が封入されたものである。封入される液晶の種類は特に限定されない。ここで、基板とはガラス、石英、プラスチック、シリコン等からなる少なくとも一方に光透過性がある組み合わせの基板から構成される。その製法としては、本発明の液晶シール剤に、グラスファイバー等のスペーサ(間隙制御材)を添加後、該一対の基板の一方にディスペンサー、またはスクリーン印刷装置等を用いて該液晶シール剤を塗布した後、必要に応じて、80〜120℃で仮硬化を行う。その後、該液晶シール剤の堰の内側に液晶を滴下し、真空中にてもう一方のガラス基板を重ね合わせ、ギャップ出しを行う。ギャップ形成後、90〜130℃で1〜2時間硬化することにより本発明の液晶表示セルを得ることができる。また光熱併用型として使用する場合は、紫外線照射機により液晶シール剤部に紫外線を照射させて光硬化させる。紫外線照射量は、好ましくは500〜6000mJ/cm、より好ましくは1000〜4000mJ/cmの照射量が好ましい。その後必要に応じて、90〜130℃で1〜2時間硬化することにより本発明の液晶表示セルを得ることができる。このようにして得られた本発明の液晶表示セルは、液晶汚染による表示不良が無く、接着性、耐湿信頼性に優れたものである。スペーサとしては、例えばグラスファイバー、シリカビーズ、ポリマービーズ等があげられる。その直径は、目的に応じ異なるが、通常2〜8μm、好ましくは4〜7μmである。その使用量は、本発明の液晶シール剤100質量部に対し通常0.1〜4質量部、好ましくは0.5〜2質量部、更に、好ましくは0.9〜1.5質量部程度である。
本発明の液晶シール剤は、高粘度でありながら脱泡性に優れ、かつ低液晶汚染性である。従って、この液晶シール剤は、液晶の差込への耐性、およびディスペンス性といった作業性に優れ、また低液晶汚染性であり、高接着強度である為、液晶表示セルの長期信頼性にも貢献するものである。
また、本発明の液晶シール剤を用いて作成した液晶表示セルは、電圧保持率が高く、イオン密度が低いという液晶表示セルとして必要な特性も充足される。
さらに保存安定性にも優れる為、作業効率が良く、優れた液晶表示セルの製造を容易にすることができるものである。
以下合成例、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。尚、特別の記載のない限り、本文中「部」及び「%」とあるのは質量基準である。
実施例中の各物性は以下の方法で測定した。
(1)重量平均分子量:GPC法
(2)エポキシ当量:JIS K−7236に準じた方法で測定。
(3)屈折率:アッベ屈折率計にて25℃で測定。
[合成例1]
γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン47.2部、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン43.6部、メチルイソブチルケトン90.8部を反応容器に仕込み、80℃に昇温した。昇温後、0.1重量%水酸化カリウム水溶液12.6部を30分間かけて連続的に滴下した。滴下終了後、生成するメタノールを除去しながら80℃にて5時間反応させた。反応終了後、洗浄液が中性になるまで水洗を繰り返した。次いで減圧下で溶媒を除去することにより本発明のエポキシ基を有するケイ素化合物(A−1)63部を得た。得られた化合物のエポキシ当量は319g/eq、重量平均分子量3500、屈折率1.433であった。本エポキシ化合物(A−1)のH−NMR(CDCl溶液)におけるエポキシ環のメチンピーク(3.2ppm付近)より、エポキシ環が保持されていること、及びメトキシ基のピーク(3.6ppm付近)が消失していることが確認できた。
[合成例2]
β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン49.3部、ヘプタデカトリフルオロデシルトリメトキシシラン113.7部、メチルイソブチルケトン163部を反応容器に仕込み、80℃に昇温した。昇温後、0.1重量%水酸化カリウム水溶液12.6部を30分間かけて連続的に滴下した。滴下終了後、生成するメタノールを除去しながら80℃にて5時間反応させた。反応終了後、洗浄液が中性になるまで水洗を繰り返した。次いで減圧下で溶媒を除去することにより本発明のエポキシ基を有するケイ素化合物(A−2)112部を得た。得られた化合物のエポキシ当量は679g/eq、重量平均分子量3800、屈折率1.392であった。本エポキシ化合物(A−1)の1H−NMR(CDCl溶液)におけるエポキシ環のメチンピーク(3.2ppm付近)より、エポキシ環が保持されていること、及びメトキシ基のピーク(3.6ppm付近)が消失していることが確認できた。
[合成例3]
合成例1で得られたエポキシ化合物(A−1)326.4部をトルエン266.8gに溶解し、これに重合禁止剤としてジブチルヒドロキシトルエン0.8gを加え、60℃まで昇温した。その後、エポキシ基の100%当量のアクリル酸73.6gを加え更に80℃まで昇温し、これに反応触媒であるトリメチルアンモニウムクロライド1.2gを添加して、98℃で約30時間攪拌し、反応液を得た。この反応液を水洗し、トルエンを留去することにより、目的とするエポキシアクリレート基を有するケイ素化合物(A−3)395gを得た。
[参考合成例1]
[エチレンオキサイド付加ビスフェノールS型エポキシ樹脂の合成]
温度計、滴下ロート、冷却管、攪拌器を取り付けたフラスコにエチレンオキサイド付加ビスフェノールS(日華化学製;商品名SEO−2、融点183℃、純度99.5%)169g、エピクロルヒドリン370g、ジメチルスルホキシド185g、テトラメチルアンモニウムクロライド5gを加え撹拌下で溶解し、50℃にまで昇温した。次いでフレーク状の水酸化ナトリウム60gを100分かけて分割添加した後、更に50℃ で3時間、後反応を行った。反応終了後水400gを加えて水洗を行った。ロータリーエバポレーターを用いて130℃で減圧下、油層から過剰のエピクロルヒドリンなどを留去した。残留物にメチルイソブチルケトン450部を加え溶解し、70℃にまで昇温した。撹拌下で30重量%の水酸化ナトリウム水溶液10gを加え、1 時間反応を行った後、水洗を3回行い、ロータリーエバポレーターを用いて180℃で減圧下メチルイソブチルケトンを留去し、下記式(3)で表される液状エポキシ樹脂C212gを得た。得られたエポキシ樹脂のエポキシ当量は238g/eq、25℃における粘度は113400mPa・sであった( 室温に放置すると結晶化した)
[参考合成例2]
[ビスフェノールA型エポキシ樹脂のエポキシアクリレートの合成]
ビスフェノールA型エポキシ樹脂282.5g(製品名:YD−8125、新日鉄化学株式会社製)をトルエン266.8gに溶解し、これに重合禁止剤としてジブチルヒドロキシトルエン0.8gを加え、60℃まで昇温した。その後、エポキシ基の100%当量のアクリル酸117.5gを加え更に80℃まで昇温し、これに反応触媒であるトリメチルアンモニウムクロライド0.6gを添加して、98℃で約30時間攪拌し、反応液を得た。この反応液を水洗し、トルエンを留去することにより、目的とするビスフェノールA型のエポキシアクリレート(アクリル化ビスフェノールA型エポキシ樹脂)395gを得た。
[参考合成例3]
[レゾルシンジグリシジルエーテルのエポキシアクリレートの合成]
レゾルシンジグリシジルエーテル樹脂58.4gをトルエン67.0gに溶解し、これに重合禁止剤としてジブチルヒドロキシトルエン1500ppmを加え、60℃まで昇温した。その後、アクリル酸41.6gを加え更に80℃まで昇温し、これに反応触媒であるトリメチルアンモニウムクロライド1500ppmを添加して、98℃で約50時間攪拌した。得られた反応液を水洗し、トルエンを留去することにより、目的とするレゾルシンエポキシアクリレートを得た。
[実施例1〜4、比較例1〜2]
表1に記載された配合比に従い、各材料を、遊星式撹拌機(シンキー社製「あわとり練太郎」)を用いて混合した後、更に3本ロールを用いて混合することにより実施例1〜4、比較例1〜2の液晶滴下工法用液晶シール剤を調製した。
Figure 2016038508
実施例1〜4及び比較例1〜2の樹脂組成物について、粘度、チクソ比、脱泡性、接着強度を測定した。なお、各試験は下記の方法で実施した。結果を表2に示す。
[粘度]
25℃における粘度をR型粘度計(東機産業(株)製)で測定した。
[チクソ比]
R型粘度計(東機産業(株)製)で測定した、25℃における0.5rpmの粘度を5rpmの粘度で除した値を記載した。チクソ比が1より大きくなると、組成物の流動性はチキソトロピック性を呈し、脱泡が不利となる。
[脱泡性]
得られた液晶シール剤10gにスペーサーとして5μmのグラスファイバー0.1gを添加して混合撹拌した。混合撹拌したサンプルを真空ベルジャー内に静置し、5分間真空脱泡を行った。真空暴露から5分間および20分後の状態を目視で観察した。5分到達前に、シール剤の泡立ちがほとんど見られなかった場合を「◎」、5分到達前には、泡立ちが見られたが、5分後には泡立ちがほとんど見られなかった場合を「○」、5分後に泡立ちが見られたが、20分後には泡立ちがほとんど見られなかった場合を「△」、20分後にも泡立ちが見られた場合を「×」として脱泡性能を評価した。
[接着強度]
得られた液晶シール剤100gにスペーサーとして5μmのグラスファイバー1gを添加して混合撹拌した。この液晶シール剤を50mm×50mmのガラス基板上に塗布し、その液晶シール剤上に1.5mm×1.5mmのガラス片を貼り合わせUV照射機により3000mJ/cmの紫外線を照射後、オーブンに投入して120℃1時間熱硬化させた。ガラス片のせん断接着強度をボンドテスター(SS−30WD:西進商事株式会社製)にて測定した。
Figure 2016038508
表2から明らかなように、実施例1〜4に示される本発明の液晶シール剤と比較例1〜2に示される液晶シール剤とを対比すると、実施例1〜4の液晶シール剤は高粘度、高チクソ比であるにもかかわらず、脱泡性に優れ、なお且つ接着強度においても優れ、液晶汚染性も低いことが分かる。すなわち、本発明の液晶シール剤は、液晶滴下工法用に好適であることがわかる。
本発明の液晶シール剤は、高粘度でありながら脱泡性に優れ、かつ低液晶汚染性、高接着強度である。従って、この液晶シール剤は、液晶の差込への耐性、およびディスペンス性といった作業性に優れ、また低液晶汚染性である為、液晶表示セルの長期信頼性にも貢献するものである。

Claims (14)

  1. (A)硬化性化合物、及び(B)反応性基をもつ消泡剤を含有し、E型粘度計を用いて測定した25℃ 10rpmにおける粘度が200Pa・s以上である液晶滴下工法用液晶シール剤。
  2. 前記成分(B)が分子内に(a)ケイ素、(b)フッ素をもつ消泡剤である請求項1に記載の液晶滴下工法用シール剤。
  3. 前記成分(B)における反応性基が、エポキシ基、(メタ)アクリル基及びアミノ基の群から選択させる1又は2以上の反応性基である請求項1又は2に記載の液晶滴下工法用シール剤。
  4. 前記成分(B)が、下記式(1)で表される化合物と下記式(2)で表される化合物を反応させて得られる消泡剤である請求項1乃至3のいずれか一項に記載の液晶滴下工法用シール剤。
    Figure 2016038508
    (式中Rは反応性基を有する置換基を表し、RはC〜Cのアルキル基を示す。)
    Figure 2016038508
    (式中Rはフッ素原子を1〜20個有する置換基を表し、RはC〜Cのアルキル基を表す。)
  5. 前記成分(A)が、エポキシ(メタ)アクリレートである、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の液晶滴下工法用液晶シール剤。
  6. 前記成分(A)が、レゾルシン骨格を有する(メタ)アクリル化合物である請求項1乃至5のいずれか一項に記載の液晶滴下工法用液晶シール剤。
  7. 更に、(C)有機フィラーを含有する請求項1乃至6のいずれか一項に記載の液晶滴下工法用液晶シール剤。
  8. 前記成分(C)が、ウレタン微粒子、アクリル微粒子、スチレン微粒子、スチレンオレフィン微粒子、及びシリコーン微粒子からなる群より選択される1又は2以上の有機フィラーである請求項7に記載の液晶滴下工法用液晶シール剤。
  9. 更に、(D)光ラジカル重合開始剤及び/又は熱ラジカル重合開始剤を含有する請求項1乃至8のいずれか一項に記載の液晶滴下工法用液晶シール剤。
  10. 更に、(E)無機フィラーを含有する請求項1及至9のいずれか一項に記載の液晶滴下工法用液晶シール剤。
  11. 更に、(F)シランカップリング剤を含有する請求項1及至10のいずれか一項に記載の液晶滴下工法用液晶シール剤。
  12. 更に、(G)熱硬化剤を含有する請求項1乃至11のいずれか一項に記載の液晶滴下工法用液晶シール剤。
  13. 2枚の基板により構成される液晶表示セルにおいて、一方の基板に形成された請求項1乃至12のいずれか一項に記載の液晶滴下工法用液晶シール剤の堰の内側に液晶を滴下した後、もう一方の基板を貼り合わせ、その後熱により硬化することを特徴とする液晶表示セルの製造方法。
  14. 請求項1乃至12のいずれか一項に記載の液晶シール剤を硬化して得られる硬化物でシールされた液晶表示セル。
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