JP2016035122A - ギャザー部材 - Google Patents

ギャザー部材 Download PDF

Info

Publication number
JP2016035122A
JP2016035122A JP2014158581A JP2014158581A JP2016035122A JP 2016035122 A JP2016035122 A JP 2016035122A JP 2014158581 A JP2014158581 A JP 2014158581A JP 2014158581 A JP2014158581 A JP 2014158581A JP 2016035122 A JP2016035122 A JP 2016035122A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
elastic fiber
less
gather
gather member
stress
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2014158581A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5853065B1 (ja
Inventor
俊也 吉岩
Toshinari Yoshiiwa
俊也 吉岩
三崎 陽子
Yoko Misaki
陽子 三崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Kasei Corp
Original Assignee
Asahi Kasei Fibers Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Family has litigation
First worldwide family litigation filed litigation Critical https://patents.darts-ip.com/?family=55269115&utm_source=***_patent&utm_medium=platform_link&utm_campaign=public_patent_search&patent=JP2016035122(A) "Global patent litigation dataset” by Darts-ip is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
Application filed by Asahi Kasei Fibers Corp filed Critical Asahi Kasei Fibers Corp
Priority to JP2014158581A priority Critical patent/JP5853065B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5853065B1 publication Critical patent/JP5853065B1/ja
Publication of JP2016035122A publication Critical patent/JP2016035122A/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Absorbent Articles And Supports Therefor (AREA)
  • Artificial Filaments (AREA)

Abstract

【課題】生理用品や使い捨て紙おむつに代表される吸収性物品、マスク、包帯等の医療用資材の基材として好適なギャザー部材の提供。
【解決手段】弾性繊維が含有されたギャザー部材であって、該ギャザー部材を構成する該弾性繊維は、300%伸張回復繰り返し試験における繰り返し3回目の300%伸長時の応力(cN/dT)が0.050以上0.150以下であり、300%伸張回復繰り返し試験における繰り返し3回目の200%応力保持率(%)が65以上95以下であり、かつ、300%伸張回復繰り返し試験における繰り返し3回目後の残留歪み(%)が42以下であるものである前記ギャザー部材。
【選択図】なし

Description

本発明は、生理用品や使い捨て紙おむつに代表される吸収性物品、マスク、包帯等の医療用資材の基材として好適な、特定の弾性繊維が含有されたギャザー部材に関する。
従来、紙おむつの腰部や脚部等は、フィット感を向上し、尿などの漏れを防ぐために伸縮性を有するギャザー部が配置されている。このようなギャザー部には、伸縮性を得るためにゴムやポリウレタン弾性繊維が使用され、通常、ゴムやポリウレタン弾性繊維を伸長した状態で、ホットメルト接着剤等により不織布に接着され、ギャザー部を構成している。
このため、ホットメルト接着剤等により不織布に接着された後のゴムやポリウレタン弾性繊維の伸縮材料としての特性が、紙おむつ等のフィット感や尿漏れ等に大きく影響する。
こうした紙おむつ等のギャザー部は、従来から各種の提案がなされている。
例えば、以下の特許文献1には、特定のポリアルキレンエーテルジオールからなるポリウレタン弾性繊維に特定の処理剤を付着させることにより、着脱しやすく快適なフィット感を有するポリウレタン弾性糸が提案されている。しかし、おむつの製造工程において弾性繊維は延伸工程やホットメルトによる接着工程等を経ることから、工程中に物性が変化し、使用方法によっては効果の程度が変動する。
また、以下の特許文献2には、弾性繊維を2枚のシート間に一定間隔に配置したギャザー部の物性を特定することにより、装着時のズレが発生しにくく、ゴムの跡付きが抑制できるパンツ型おむつが提案されているが、これらの効果を得るための弾性繊維については開示されていない。
特開2005−344214号公報 特開2004−81365号公報
本発明は、ギャザー部材中の弾性繊維を特定することにより、着脱しやすく、フィット感が良好であり、ずれ落ち難い衛生製品、医療品等を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討し実験を重ねた結果、ギャザー部材を構成する弾性繊維が、特定の伸長時応力、回復力、残留歪み物性を有することで上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
すなわち、本発明は以下のとおりのものである。
[1]弾性繊維が含有されたギャザー部材であって、該ギャザー部材を構成する該弾性繊維は、300%伸張回復繰り返し試験における繰り返し3回目の300%伸長時の応力(cN/dT)が0.050以上0.150以下であり、300%伸張回復繰り返し試験における繰り返し3回目の200%応力保持率(%)が65以上95以下であり、かつ、300%伸張回復繰り返し試験における繰り返し3回目後の残留歪み(%)が42以下であるものである前記ギャザー部材。
[2]前記ギャザー部材を構成する弾性繊維が、ポリアルキレンエーテルジオール、有機ジイソシアネート化合物、並びにイソシアネート基と反応する活性水素原子含有化合物から得られるポリウレタン弾性繊維であり、該弾性繊維を構成するポリマーのソフトセグメント部分に含まれるポリアルキレンエーテルジオールの側鎖メチル基の平均個数Nmmsが、下記式(1):
3≦Nmms≦35 …式(1)
を満たす、前記[1]に記載のギャザー部材。
[3]前記ギャザー部材を構成するポリウレタン弾性繊維のソフトセグメント部分の数平均分子量Msが4800以上11000以下である、前記[2]に記載のギャザー部材。
[4]前記[1]〜[3]のいずれかに記載のギャザー部材を含む吸収性物品。
[5]前記[1]〜[3]のいずれかに記載のギャザー部材を含む医療用資材。
本発明のギャザー部材を使用した衛生製品、医療品等は着脱しやすく、フィット感が良好であり、ずれ落ち難い。
本発明のギャザー部材を構成するポリウレタン弾性繊維のソフトセグメント部分及びハードセグメント部分の構造式の一例の化学構造式。 本発明のギャザー部材を構成するポリウレタン弾性繊維の原料のポリアルキレンエーテルジオールの構造式の一例の化学構造式。 本発明のギャザー部材を構成するポリウレタン弾性繊維のNMRスペクトル図(例示)。 弾性繊維の走行応力を測定する装置の概略図。 糸切れ評価装置の概略図。
以下、本発明を詳細に説明する。
本実施形態のギャザー部材には、少なくとも構成材料の一部に弾性繊維が用いられる。本実施形態における弾性繊維としては、ポリウレタン弾性繊維、ポリエステル弾性繊維、ポリアミド弾性繊維、ポリオレフィン弾性繊維、天然ゴム、合成ゴムから成るゴム糸、これらを主体とした他の有機合成樹脂との複合又は混合によって得られるものが用いられる。
ポリウレタン弾性繊維とは、ポリエーテルジオールと有機ジイソシアネートから成るソフトセグメント部分と、有機ジイソシアネートとジアミン若しくはジオールから成るハードセグメント部分とから構成される。図1に、本実施形態に用いるポリウレタン弾性繊維のポリウレタンウレアのソフトセグメント部分とハードセグメント部分の構造式の一例を示す。図1中、Rはポリアルキレンエーテルジオールの残基、Rは有機ジイソシアネートの残基、そしてRはジアミンの残基を表す。本実施形態においては、特定の伸長時応力、回復力、残留歪みを発現させる観点から、ポリウレタン弾性繊維を用いるのが好ましい。
本実施形態に用いるポリウレタン弾性繊維中のポリアルキレエーテルジオールとしては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリヘキサメチレンエーテルグリコール等の炭素数2〜6のアルキレン基が直鎖状にエーテル結合したものを用いてもよいし、エチレン、プロピレン、テトラメチレン、ヘキサメチレン等の炭素数2〜6の直鎖状のものと、1,2−プロピレン、3−メチルテトラメチレン、3−メチルペンタメチレン、2,2−ジメチルプロピレン等の炭素数2〜10の分岐状のアルキレン基の2種以上がエーテル結合した、側鎖にメチル基を有している共重合ポリアルキレンエーテルジオールを用いてもよい。
得られるギャザー部材のストレッチ性能、耐水性、耐光性、耐摩耗性の観点から、アルキレン基の1つがテトラメチレン基であり、他のアルキレン基として3−メチルテトラメチレン、又は2,2−ジメチルプロピレン基がエーテル結合した共重合ポリアルキレンエーテルジオールが好ましい。
本実施形態に用いるポリウレタン弾性繊維中の有機ジイソシアネート化合物としては、例えば、脂肪族、脂環族及び芳香族のジイソシアネートの中で、反応条件下で溶解又は液状を示すものを全て適用することができる。例えば、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、メチレン−ビス(3−メチル−4−フェニルイソシアネート)、2,4−トリレンジイソシアネート、2、6−トリレンジイソシアネート、m−及びp−キシリレンジイソシアネート、α,α,α’,α’−テトラメチル−p−キシリレンジイソシアネート、m−及びp−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジメチル−1,3−キシリレンジイソシアネート、1−アルキルフェニレン−2,4及び2,6−ジイソシアネート、3−(α−イソシアネートエチル)フェニルイソシアネート、2,6−ジエチルフェニレン−1,4−ジイソシアネート、ジフェニル−ジメチルメタン−4,4−ジイソシアネート、ジフェニルエーテル−4,4’−ジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、メチレン−ビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)、1,3−及び1,4−シクロヘキシレンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソフォロンジイソシアネート等が挙げられる。これらのジイソシアネートは単独で使用されてもよいし、2種以上が併用されてもよい。反応性や伸長時応力から好ましくは、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートである。
本実施形態に用いるポリウレタン弾性繊維中のイソシアネート基と反応する鎖延長剤である多官能性活性水素原子含有化合物としては、例えば、ヒドラジン、ポリヒドラジン、炭素原子数2〜10の直鎖または分岐した脂肪族、脂環族又は芳香族の活性水素を有するアミノ基若しくはヒドロキシル基を持つ化合物、例えば、エチレンジアミン、1,3−プロピレンジアミン、1,5−ジアミノペンタン、1,6−ジアミノヘキサン、N−メチルエチレンジアミン、N,N’−ジメチルエチレンジアミン、N−エチルエチレンジアミン、N,N’−ジエチルエチレンジアミン、N−イソプロピルエチレンジアミン、1,2−ジアミノプロパン、2−メチル−1,3−プロパンジアミン、3−メチル−1,5−ペンタンジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、フェニレンジアミン、キシリレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、ピペラジン、特開平5−155841号公報に記載されているウレア基を有するジアミン類等のジアミン、ヒドロキシルアミン、水、低分子量のグリコール、例えば、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、ヘキサメチレングリコール、ジエチレングリコール、1,10−デカンジオール、1,3−ジメチロールシクロヘキサンおよび1,4−ジメチロールシクロヘキサン等を用いることができる。エチレンジアミン又は1,2−プロピレンジアミンが好ましい。
本実施形態に用いるポリウレタン弾性繊維中のイソシアネート基と反応する末端停止剤である単官能性活性水素原子としては、例えば、ジエチルアミンのようなジアルキルアミン等やエタノールのようなアルキルアルコール等が用いられる。これらの鎖延長剤や末端停止剤は、単独又は、2種以上混合して用いてもよい。
ポリウレタン弾性繊維のポリウレタン化の反応操作に関しては、無溶媒、又はジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド等の溶剤を用いてもよい。
本実施形態に用いるポリウレタン弾性繊維のポリウレタン系重合体は、ポリアルキレエーテルジオールとモル過剰の有機ジイソシアネートを反応させてソフトセグメントとなるウレタン中間重合体を合成後、鎖延長剤でハードセグメントを重合し、末端停止剤で末端封鎖するといった公知の技術を用いて製造することができる。
本実施形態に用いるポリウレタン弾性繊維のソフトセグメント部分に含まれる、ポリアルキレンエーテルジオールの側鎖メチル基の平均個数を制御するためには、ポリアルキレンエーテルジオールの種類、ポリアルキレンエーテルジオールの数平均分子量Mdo、ポリアルキレンエーテルジオールの共重合比、ソフトセグメント数平均分子量Msを調整する必要がある。図2に、ポリアルキレンエーテルジオールの一例を示す。o、pはそれぞれ側鎖メチル基を持たないエーテルユニット部Aと側鎖メチル基を持つエーテルユニット部Bの平均繰り返し数を表し、q、r、sは各メチレン基の繰り返し数を、R、RはH、又はCHを表す。側鎖メチル基を持たないエーテルユニット部Aの1ユニットの分子量をMnm、側鎖メチル基を持つエーテルユニット部Bの1ユニットの分子量をMm、AとBの共重合比をAr:Br、側鎖メチル基を持つエーテルユニット部Bの1ユニット中の側鎖メチル基の個数をNMとしたときの、ポリアルキレンエーテルジオール1分子に含まれる側鎖メチル基の平均個数Nmdは、下記式(2):
Nmd=Mdo/[Mnm×{Ar/(Ar+Br)}+Mm×{Br/(Ar+Br)}]×Ar/(Ar+Br)×NM …式(2)
{式中、Nmd:ポリアルキレンエーテルジオール1分子に含まれる側鎖メチル基の平均個数、Mdo:ポリアルキレンエーテルジオールの数平均分子量、Mnm:側鎖メチル基を持たないエーテルユニット部Aの1ユニットの分子量、Mm:側鎖メチル基を持つエーテルユニット部Bの1ユニットの分子量、Ar:側鎖メチル基を持たないエーテルユニット部Aの共重合比、Br:側鎖メチル基を持つエーテルユニット部Bの共重合比、NM:側鎖メチル基を持つエーテルユニット部Bの1ユニット中の側鎖メチル基の個数である。}により計算することができる。
また、ソフトセグメント数平均分子量Msを制御するためには、ポリアルキレンエーテルジオールの数平均分子量Mdoと、ポリアルキレンエーテルジオールに対する有機ジイソシアネートのモル比Nを調整する必要がある。ここで、ソフトセグメント数平均分子量Msは、下記式(3):
Ms={Mdo+Mdi(N−N)}/(N−N−1)−2Mdi …式(3)
{式中、Ms:ソフトセグメント部分の数平均分子量、Mdo:ポリアルキレンエーテルジオールの数平均分子量、Mdi:有機ジイソシアネートの分子量、N:有機ジイソシアネートのポリアルキレンエーテルジオールに対するモル比、N:下記式(4):
=aN +bN +cN +dN+e …式(4)
(式中、定数a=0.03806、定数b=−0.3997、定数c=1.617、定数d=−2.144、定数e=0.8795である。)により求められるウレタンプレポリマー反応後に存在する未反応の有機ジイソシアネートのポリアルキレンエーテルジオールに対するモル比である。}により計算することができる。
つまり、ソフトセグメント部分の数平均分子量Msを制御するためには、使用するポリアルキレンエーテルジオールの分子量Mdoを決定した上で、上記式(3)のMsが所定の値となるように、ポリアルキレンエーテルジオールに対する有機ジイソシアネートのモル比Nを設計すればよい。さらに、ソフトセグメント数平均分子量Ms中に含まれるポリアルキレンエーテルジオールの平均個数は(Ms−Mdo)/(Mdo+Mdi)+1から計算できることから、ソフトセグメント部分に含まれるポリアルキレンエーテルジオールの側鎖メチル基の平均個数Nmmsは、下記式(5):
Nmms=Nmd×{(Ms−Mdo)/(Mdo+Mdi)+1} …式(5)
{式中、Nmd:ポリアルキレンエーテルジオール1分子に含まれる側鎖メチル基の平均個数、Ms:ソフトセグメント部分の数平均分子量、Mdo:ポリアルキレンエーテルジオールの数平均分子量、Mdi:有機ジイソシアネートの分子量である。}により計算することができる。
このソフトセグメント部分に含まれる、ポリアルキレンエーテルジオールの側鎖メチル基の平均個数Nmmsは、ギャザー部材を構成する弾性繊維の応力、回復性、残留歪み、さらにはおむつ製造工程における糸切れの諸物性の観点から、3以上35以下の範囲であることが好ましく、より好ましくは3以上18以下である。
また、ポリウレタン弾性繊維におけるソフトセグメント部分の数平均分子量Msは4800以上11000以下であることが好ましい。4800未満では、ポリウレタン全体におけるハードセグメント部分の占める割合が増加し、ポリウレタン重合体の粘度安定性の低下、さらには紡糸工程での糸切れを引き起こす。11000を超える場合では、ポリウレタン全体におけるハードセグメント部分の占める割合が低下し、ポリウレタン弾性繊維の耐熱性が低下し、さらにはポリウレタン弾性繊維の弾性性能が大きく低下する。
ポリウレタン重合体組成物には、各種安定剤や顔料などが含有されていてもよい。例えば、耐光剤、ヒンダードフェノール系薬剤やベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、リン系及び各種ヒンダードアミン系の酸化防止剤、酸化鉄、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化マグネシウム等の無機物、カーボンブラック及び各種顔料、銀や亜鉛やこれらの化合物などを含む抗菌剤や消臭剤、帯電防止剤、酸化窒素捕捉剤、熱酸化安定剤、光安定剤等を併用して添加してもよい。
このようにして得られたポリウレタン重合体は、公知の乾式紡糸、溶融紡糸又は湿式紡糸法等で繊維状に成形し、ポリウレタン弾性繊維を得ることができる。また、異なる原料を用いて重合したポリウレタン重合体を紡糸の前段階で混合して紡糸してもよい。
ポリウレタン弾性繊維の単糸数は限定されず、モノフィラメント及びマルチフィラメントのいずれでもよいが、接着性の観点から、単糸繊度が5〜25dt(デシテックス)であるマルチフィラメントが好ましい。弾性繊維の総繊度は10〜3000dtが好ましい。得られたポリウレタン弾性繊維は、通常、紙管パッケージに巻き取る前又は後に、ロールオイリング、ガイドオイリング、スプレーオイリング等の公知の方法によって処理剤を付与されるが、処理剤を付与しないで巻き取ってもよい。
本実施形態に使用する処理剤は特に限定されないが、ポリジメチルシロキサン、ポリエステル変性シリコン、ポリエーテル変性シリコン、アミノ変性シリコン、鉱物油、鉱物性微粒子、例えば、シリカ、コロイダルアルミナ、タルク等、高級脂肪酸金属塩粉末、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム等、高級脂肪族カルボン酸、高級脂肪族アルコール、パラフィン、ポリエチレン等の常温で固形状ワックス等の油剤を単独、又は必要に応じて任意に組合せて付与してもよい。また、ホットメルトを介した不織布との接着性及び巻糸体からの解舒性、おむつ製造工程中の摩擦性向上を目的として、ホモまたは共重合ポリアルキレンエーテルジオールと末端にOH基を有する炭素数が8〜25の高級アルコールの混合物に鉱物油、ジメチルシリコン、又は鉱物油とジメチルシリコンとの混合物を添加した処理剤を使用してもよい。
ギャザー部材に使用する弾性繊維の走行応力は0.060g/dt以上であることが好ましい。走行応力が0.060g/dt未満では、ギャザー製造時にガイドやローラー間で弾性繊維の弛み、又はばたつきが発生し、弾性繊維の糸切れに繋がりやすい。
通常、ギャザー部材に使用する弾性繊維は、ギャザー部に配置される際に巻糸体から解舒された後、ガイドやローラーを介してドラフト率2.0〜4.0の範囲で延伸され、その状態でホットメルトを直接弾性繊維に塗布し不織布に接着する、あるいはホットメルトを塗布した不織布に弾性繊維を接着する工程を経る。その工程を経ることにより、弾性繊維に軽微なセットがなされ、所望の物性を発現する弾性繊維を得ることができる。
本実施形態のギャザー部材を構成する弾性繊維は、300%伸張回復繰り返し試験における繰り返し3回目の300%伸長時の応力(cN/dT)が0.050以上0.150以下であり、300%伸張回復繰り返し試験における繰り返し3回目の200%応力保持率(%)が65以上95以下であり、かつ、300%伸張回復繰り返し試験における繰り返し3回目後の残留歪み(%)が42以下である。300%伸張回復繰返し試験における繰り返し3回目の300%伸長時の応力(cN/dT)は0.050以上0.150以下である。0.050未満では応力が低すぎて本来の弾性体としての機能を発現することができず、0.150を超えると紙おむつを着用する場合に伸張する力が大きいためにスムーズに着用することができない。
300%伸張回復繰返し試験における繰り返し3回目の300%伸長時の応力(cN/dT)は、好ましくは0.060以上0.145以下である。また、300%伸張回復繰り返し試験における繰り返し3回目の200%応力保持率(%)は65以上95以下である。65未満では、着用時の締め付け力が弱くなりずれ落ちる等の不具合が生じ、95を超える弾性繊維は物理的に生産が困難である。
さらに300%伸張回復繰返し試験における繰り返し3回目後の残留歪み(%)は42以下である。42を超えると着用時に弾性繊維が歪むことで締め付け力が弱くなりずれ落ちる等の不具合が生じる。
本実施形態に用いるギャザー部材中の弾性繊維は、裸糸であっても他の弾性繊維又は非弾性繊維によって被覆、カバリングされたものであってもよい。
本実施形態のギャザー部材は、生理用品や使い捨て紙おむつに代表される吸収性物品や、マスク、包帯等の医療用資材の基材として好適に使用される。紙おむつにおいては、ウエスト部や脚回り部に不織布にホットメルトを介して弾性繊維を接着された部位があるが、本実施形態のギャザー部材は、こうした部位に特に好適に用いられる。ギャザー部材は、弾性糸が伸長された状態でホットメルト等を介して不織布等に接着される方法を含む、紙おむつ、生理用品、マスク、包帯の製造工程における通常の方法により作製することができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。尚、実施例には以下の方法を用いた。
(1)粘度安定性評価方法
重合によって得られたポリウレタン溶液を溶媒が飛散しないように密閉容器に入れ、50℃のセーフティーオーブン(タバイエスペック社製SPH−200型)内に15日間、放置した。50℃で15日間放置する前後のポリウレタン溶液の粘度を、回転粘度計(東京計器製BH型)を用いて測定し、その粘度上昇幅Δη(poise)を粘度安定性の指標とした。Δηが小さいほど、紡糸工程での糸切れ等がなく安定生産可能なポリウレタン溶液である。
(2)弾性繊維の走行応力測定方法
紡糸によって得られた弾性繊維の巻糸体1を、図4の装置にかけ、弾性繊維送り出しロール2を速度10m/分、巻き取りロール3を速度30m/分の延伸倍率3倍で走行させ、テンションメーター4で糸走行時の応力(g)を測定した。得られた応力値を、弾性繊維の繊度で除した値を走行応力(g/dt)とした。
(3)おむつ製造工程における糸切れ評価方法
紡糸によって得られた弾性繊維の巻糸体1を、図5の装置にかけ、弾性繊維送り出しロール5を速度50m/分、弾性繊維を3回巻きつけたプレドラフトロール6を速度80m/分、巻き取りロール7を速度85m/分の条件で走行させた。観察部位8での弾性繊維の挙動を3分間目視観察し、次の評価基準:
◎:糸揺れ幅が0mm以上〜2mm未満
○:糸揺れ幅が2mm以上〜5mm未満
△:糸揺れ幅が5mm以上
×:糸切れ
を用いて評価した。
(4)ギャザー部材の作製方法
弾性繊維を5mmの間隔で平行に3本並べ、弾性繊維の元の長さに対して3倍になるように伸長し、160℃で溶融させたヘンケルジャパン(社)製ディスポメルト5434を伸張させた弾性繊維に、繊維1本当たり0.03g/mとなるようにサンツール(社)製のコームガンで塗布し、幅方向5cm、目付17g/mの旭化成せんい(社)製不織布、エルタスガード(登録商標)2枚で挟み込み、その上からローラーにて圧着し、ギャザー部材を作製した。
(5)ギャザー部材の着脱性、フィット性評価方法
前記(4)の方法で作製したギャザー部材を無伸長状態で1日放置し、弾性繊維の応力を十分緩和させた。その後、緩和させた状態でギャザー長42cmを測りとり、この末端同士をヒートシーラーで熱接着し、ギャザー部材から成る周囲42cmの輪を作製した。この輪をウエスト長75cm〜80cmの被験者10人がウエスト部位に着用し、その際の着用感の官能評価を、下記評価基準で実施した。
・着脱性
◎:着脱性が良いと判断した人が8〜10人の場合
○:着脱性が良いと判断した人が6〜7人の場合
△:着脱性が良いと判断した人が4〜5人の場合
×:着脱性が良いと判断した人が3人以下の場合
・フィット性
◎:締め付けが適度と判断した人が8〜10人の場合
○:締め付けが適度と判断した人が6〜7人の場合
△:締め付けが適度と判断した人が4〜5人の場合
×:締め付けが適度と判断した人が3人以下の場合
(6)300%伸張回復繰り返し試験における繰り返し3回目の300%伸長時の応力(cN/dT)、200%保持率(%)、残留歪み(%)の測定方法
前記(4)の方法で作製したギャザー部材を有機溶媒のシクロヘキサンに10分浸漬し、撹拌した。撹拌後、不織布から剥離した弾性繊維を取り出し、1日風乾させた。風乾後、弾性繊維の長さ(m)と重量(g)から繊度(dt)を下記式(6):
繊度(dt)=10000/弾性繊維の長さ(m)×弾性繊維の重量(g) …式(6)
により求めた。
引張試験機(オリエンテック(株)製RTG−1210型テンシロン)を使用し、20℃、相対湿度65%の条件下で、試料長10mmの風乾後の弾性繊維を100mm/分の速度で伸度0%〜300%の伸長回復繰り返し試験を3回実施した。その際、繰り返し3回目の300%伸長時の応力(cN)を測定した。得られた応力値を前記式(6)により求めた弾性繊維の繊度(dt)で除した値を300%伸長時の応力(cN/dt)とした。
また、300%伸長回復繰り返し試験の伸長時の応力をSM、回復時の応力をRMとし、繰り返し3回目の200%伸度の時のSM(cN)とRM(cN)を測定した。この200%伸度の時のSMに対するRMの比率を200%応力保持率(%)と呼び、下記式(7):
200%応力保持率(%)=200%RM/200%SM×100 …式(7)
{式中、200%RM:300%伸長回復繰り返し試験における繰り返し3回目の200%伸度の時のRM(cN)、200%SM:300%伸長回復繰り返し試験における繰り返し3回目の200%伸度の時のSM(cN)である。}により求めた。
さらに300%伸長回復繰り返し試験を3回実施後のRMが0となる歪み量RS(mm)を測定した。この時の残留歪み(%)は下記式(8):
残留歪み(%)=RS/10×100 …式(8)
{式中、RS:300%伸長回復繰り返し試験を3回実施後のRMが0となる歪み量(mm)である。}により求めた。
(7)NMRによるソフトセグメント部分の数平均分子量Msの測定方法
前記(4)の方法で作製したギャザー部材を有機溶媒のシクロヘキサンに10分浸漬し、撹拌した。撹拌後、不織布から剥離した弾性繊維を取り出し、1日風乾させた。その後、クロロホルムを溶媒としてソックスレー抽出を行い、有機系添加剤を除去した。クロロホルムを乾燥除去し、以下の装置と条件で測定を行った。
測定装置 :JEOL社製 ECS400
測定核 :1H
共鳴周波数 :400MHz
積算回数 :256回
測定温度 :室温
溶媒 :重水素化ジメチルホルムアミド
測定濃度 :1.5重量%
化学シフト基準:ジメチルホルムアミド(8.023ppm)
この測定条件で測定したポリアルキレンエーテルジオールと4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートからなるポリウレタン弾性繊維のNMRスペクトルの例を図3に示す。図3中の線PがNMRスペクトルであり、Iがその積分曲線である。両端がウレタン結合である4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートのメチレン基(f1)のピークが3.87ppmに、一方がウレタン結合でもう一方がウレア結合である4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートのメチレン基のピーク(f2)が3.84ppmに見られた。ピークf1、f2の積分曲線の高さをそれぞれF1、F2とした。
図1の構造式中のソフトセグメント部分の平均繰り返し数mは、下記式(9):
m=2×(F1/F2) …式(9)
により求めた。
さらに、ソフトセグメント部分の数平均分子量Msは下記式(10):
Ms=(Mdo+Mdi)×m+Mdo …式(10)
{式中、Mdo:ポリアルキレンエーテルジオールの数平均分子量、Mdi:有機ジイソシアネートの分子量、m:前記式(9)により求めた、図1の構造式中のソフトセグメント部分の平均繰り返し数mである。}により求めた。
また、ポリアルキレンエーテルジオールの構造やポリアルキレンエーテルジオールの数平均分子量MdoはNMRスペクトルによって確認することもできる。
ソフトセグメント部分に含まれるポリアルキレンエーテルジオールの側鎖メチル基の平均個数Nmmsは、前記式(10)によって求められるソフトセグメント部分の数平均分子量Ms値を用い、前記式(5)より求めた。
[実施例1]
テトラメチレン基と2,2−ジメチルプロピレン基からなる、数平均分子量1800で2,2ジメチルプロピレン基の共重合率が10モル%である共重合ポリアルキレンエーテルジオール1800g(1.00モル)と、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート335g(1.34モル)を乾燥窒素雰囲気下、60℃で3時間攪拌することで反応させて、末端がイソシアネートであるウレタンプレポリマーを得た。これを室温まで冷却した後、ジメチルアセトアミド2610gを追加して室温で攪拌することにより、均一なプレポリマー溶液とした。
一方、ジアミンとしてエチレンジアミンを20.1g(0.335モル)、末端停止剤としてジエチルアミンを3.29g(0.0450モル)、ジメチルアセトアミド2545gに溶解した溶液を、上記プレポリマー溶液に高速攪拌下で一気に加え、さらに室温下で1時間反応させ、ポリウレタン溶液を得た。このポリウレタン溶液の原液安定性を評価したところ、Δηが210poiseであった。
さらに重合直後のポリウレタン溶液に、添加剤としてp−クレゾールとジシクロペンタジエンとイソブチレンの縮合物をポリウレタンポリマー固形分に対して1重量%、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾールをポリウレタンポリマー固形分に対して0.2重量%、ハイドロタルサイトをポリウレタンポリマー固形分に対して0.3重量%添加して、均一な溶液とした。添加剤を加えたポリウレタン溶液は室温減圧下で脱泡し、紡糸原液を得た。
この紡糸原液を、紡口口金を使用して紡口直下の加熱窒素ガス温度270℃の雰囲気下に吐出し、ゴデッドローラーと巻き取りボビン間のドラフト1.15の条件下で、巻き取り速度400m/分で、ジメチルシリコンを主成分とする油剤を付与した後、ボビンに巻き取り、620デシテックス(72フィラメント)のポリウレタン弾性繊維を得た。
紡糸によって得られたポリウレタン弾性繊維の走行応力を測定したところ、0.055g/dtであり、おむつ製造工程における糸切れ評価は〇であった。
このポリウレタン弾性繊維からなるギャザー部材を作製し、ギャザー部材の着用感を評価したところ、着脱性は◎、フィット性は○であった。また、ギャザー部材から抜き出したポリウレタン弾性繊維の物性を測定したところ、300%伸長回復繰り返し試験の繰り返し3回目の300%伸長時の応力が0.059cN/dt、200%応力保持率が89%、残留歪みが31%であった。
また、このポリウレタン弾性繊維のMdoは1800、Mnmは72、Mmは86、Ar:Brは90:10、NMは2であることから、前記式(2)よりNmdは4.9となる。さらに、ギャザー部材から抜き出したポリウレタン弾性繊維のNMR測定の結果、図3のスペクトルが得られた。図1中のf1、f2に対応する積分曲線の高さF1、F2は、各々7.99、5.73であった。これらから求めたソフトセグメント部分の平均繰り返し数mは、前記式(9)より2.79であった。つまり、このポリウレタンウレアのソフトセグメント部分の数平均分子量Msは、前記式(10)より7520であった。これは原料仕込み量から前記式(3)及び前記式(4)より求めたMsが7550であることから、NMR測定によって得られた値は原料仕込み量から計算された値と良い一致を示した。さらに、ソフトセグメント部分に含まれるポリアルキレンエーテルジオールの側鎖メチル基の平均個数Nmmsは、前記式(5)より、18.6であった。
[実施例2〜5、比較例1〜3]
実施例1と同様の方法で以下の表1に示す原料及び仕込み比で製造したポリウレタン溶液を、実施例1と同様の方法で紡糸を行い、620デシテックス(72フィラメント)のポリウレタン弾性繊維を得た。さらに実施例1と同様に、ギャザー部材を作製し、ギャザー部材の着脱性、フィット性、ギャザーを構成する弾性繊維の物性評価、NMRによる分析を行った。結果を以下の表1、表2に示す。
Figure 2016035122
Figure 2016035122
本発明のギャザー部材は、生理用品や使い捨て紙おむつに代表される吸収性物品、マスク、包帯等の医療用資材の基材として使用されることで、着脱しやすく、フィット感が良好であり、ずれ落ち難い製品を得ることができる。
1 弾性繊維の巻糸体
2 送り出しロール
3 巻き取りロール
4 テンションメーター
5 送り出しロール
6 プレドラフトロール
7 巻き取りロール
8 観察部位
9 セラミックフックガイド
10 セラミックフックガイド
11 セラミックフックガイド
12 ベアリングフリーローラー
13 ベアリングフリーローラー
14 ベアリングフリーローラー
15 セラミックフックガイドにかかる糸条がなす角度=120°
16 セラミックフックガイドにかかる糸条がなす角度=120°
[1]ポリアルキレンエーテルジオール、有機ジイソシアネート化合物、及びイソシアネート基と反応する活性水素原子含有化合物から得られるポリウレタン弾性繊維が含有されたギャザー部材であって、該ギャザー部材から取り出した該弾性繊維のソフトセグメント部分の数平均分子量Msが4800以上11000以下であり、該弾性繊維300%伸張回復繰り返し試験における繰り返し3回目の300%伸長時の応力(cN/dT)が0.050以上0.150以下であり、300%伸張回復繰り返し試験における繰り返し3回目の200%応力保持率(%)が65以上95以下であり、かつ、300%伸張回復繰り返し試験における繰り返し3回目後の残留歪み(%)が42以下である、前記ギャザー部材。
[2]前記弾性繊維を構成するポリマーのソフトセグメント部分に含まれるポリアルキレンエーテルジオールの側鎖メチル基の平均個数Nmmsが、下記式(1):
3≦Nmms≦35 …式(1)
を満たす、前記[1]に記載のギャザー部材。
]前記[1]又は[2]に記載のギャザー部材を含む吸収性物品。
]前記[1]又は[2]に記載のギャザー部材を含む医療用資材。
[実施例2〜4、参考例5、比較例1〜3]
実施例1と同様の方法で以下の表1に示す原料及び仕込み比で製造したポリウレタン溶液を、実施例1と同様の方法で紡糸を行い、620デシテックス(72フィラメント)のポリウレタン弾性繊維を得た。さらに実施例1と同様に、ギャザー部材を作製し、ギャザー部材の着脱性、フィット性、ギャザーを構成する弾性繊維の物性評価、NMRによる分析を行った。結果を以下の表1、表2に示す。
Figure 2016035122
Figure 2016035122
[1]ポリアルキレンエーテルジオール、有機ジイソシアネート化合物、及びイソシアネート基と反応する活性水素原子含有化合物から得られるポリウレタン弾性繊維が含有されたギャザー部材であって、該ギャザー部材から取り出した該弾性繊維のソフトセグメント部分の数平均分子量Msが4800以上11000以下であり、該弾性繊維の300%伸張回復繰り返し試験における繰り返し3回目の300%伸長時の応力(cN/dT)が0.050以上0.150以下であり、300%伸張回復繰り返し試験における繰り返し3回目の200%応力保持率(%)が65以上95以下であり、300%伸張回復繰り返し試験における繰り返し3回目後の残留歪み(%)が42以下であり、かつ、前記弾性繊維を構成するポリマーのソフトセグメント部分に含まれるポリアルキレンエーテルジオールの側鎖メチル基の平均個数Nmmsが、下記式(1):
3.8≦Nmms≦35 …式(1)
を満たす、前記ギャザー部材。但し、前記弾性繊維のソフトセグメント部分の数平均分子量Msは、前記ポリアルキレンエーテルジオールと前記有機ジイソシアネートからなるポリウレタン弾性繊維のNMRスペクトル図において、両端がウレタン結合である有機ジイソシアネートのメチレン基のピーク(f1)と、一方がウレタン結合でもう一方がウレア結合である有機ジイソシアネートのメチレン基のピーク(f2)の積分曲線の高さをそれぞれF1、F2としたとき、以下の構造式:
Figure 2016035122
{式中、R 〜R は有機基である。}中のソフトセグメント部分の平均繰り返し数mを、下記式(9):
m=2×(F1/F2) …式(9)
により求め、さらに、ソフトセグメント部分の数平均分子量Msとして下記式(10):
Ms=(Mdo+Mdi)×m+Mdo …式(10)
{式中、Mdo:ポリアルキレンエーテルジオールの数平均分子量、Mdi:有機ジイソシアネートの分子量、m:前記式(9)により求めた、前記構造式中のソフトセグメント部分の平均繰り返し数mである。}により求めたものであり、かつ、前記弾性繊維を構成するポリマーのソフトセグメント部分に含まれるポリアルキレンエーテルジオールの側鎖メチル基の平均個数Nmmsは、前記式(10)により求めたソフトセグメント部分の数平均分子量Msを、下記式(5):
Nmms=Nmd×{(Ms−Mdo)/(Mdo+Mdi)+1} …式(5)
{式中、Nmd:ポリアルキレンエーテルジオール1分子に含まれる側鎖メチル基の平均個数、Ms:ソフトセグメント部分の数平均分子量、Mdo:ポリアルキレンエーテルジオールの数平均分子量、Mdi:有機ジイソシアネートの分子量である。}に代入して求めたものである。
]前記[1]に記載のギャザー部材を含む吸収性物品。
]前記[1]に記載のギャザー部材を含む医療用資材。

Claims (5)

  1. 弾性繊維が含有されたギャザー部材であって、該ギャザー部材を構成する該弾性繊維は、300%伸張回復繰り返し試験における繰り返し3回目の300%伸長時の応力(cN/dT)が0.050以上0.150以下であり、300%伸張回復繰り返し試験における繰り返し3回目の200%応力保持率(%)が65以上95以下であり、かつ、300%伸張回復繰り返し試験における繰り返し3回目後の残留歪み(%)が42以下であるものである前記ギャザー部材。
  2. 前記ギャザー部材を構成する弾性繊維が、ポリアルキレンエーテルジオール、有機ジイソシアネート化合物、並びにイソシアネート基と反応する活性水素原子含有化合物から得られるポリウレタン弾性繊維であり、該弾性繊維を構成するポリマーのソフトセグメント部分に含まれるポリアルキレンエーテルジオールの側鎖メチル基の平均個数Nmmsが、下記式(1):
    3≦Nmms≦35 …式(1)
    を満たす、請求項1に記載のギャザー部材。
  3. 前記ギャザー部材を構成するポリウレタン弾性繊維のソフトセグメント部分の数平均分子量Msが4800以上11000以下である、請求項2に記載のギャザー部材。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のギャザー部材を含む吸収性物品。
  5. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のギャザー部材を含む医療用資材。
JP2014158581A 2014-08-04 2014-08-04 ギャザー部材 Active JP5853065B1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014158581A JP5853065B1 (ja) 2014-08-04 2014-08-04 ギャザー部材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014158581A JP5853065B1 (ja) 2014-08-04 2014-08-04 ギャザー部材

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP5853065B1 JP5853065B1 (ja) 2016-02-09
JP2016035122A true JP2016035122A (ja) 2016-03-17

Family

ID=55269115

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014158581A Active JP5853065B1 (ja) 2014-08-04 2014-08-04 ギャザー部材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5853065B1 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2019078170A1 (ja) * 2017-10-18 2019-04-25 旭化成株式会社 ポリウレタン弾性繊維、その巻糸体、及びそれを含む製品
WO2022054811A1 (ja) * 2020-09-11 2022-03-17 旭化成株式会社 ポリウレタン弾性繊維、並びにそれを含むギャザー部材、及び衛生材料

Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1181045A (ja) * 1997-07-14 1999-03-26 Du Pont Toray Co Ltd ポリウレタン糸およびその製法
JP2002348730A (ja) * 2001-05-28 2002-12-04 Du Pont Toray Co Ltd サニタリー用ポリウレタン弾性繊維
JP2006144192A (ja) * 2004-11-24 2006-06-08 Opelontex Co Ltd ソフトストレッチ性ポリウレタン弾性糸およびその製造方法
JP2007177359A (ja) * 2005-12-27 2007-07-12 Asahi Kasei Fibers Corp ポリウレタン弾性繊維
JP2008179908A (ja) * 2007-01-24 2008-08-07 Opelontex Co Ltd ポリウレタン弾性繊維を含む先染め織物およびその製造方法
JP2008190104A (ja) * 2007-01-11 2008-08-21 Nisshinbo Ind Inc 細幅テープ及び細幅テープを用いた衣類
WO2009025305A1 (ja) * 2007-08-21 2009-02-26 Asahi Kasei Fibers Corporation 熱可塑性ポリウレタンテープ
WO2012124691A1 (ja) * 2011-03-14 2012-09-20 旭化成せんい株式会社 ポリウレタン弾性繊維
JP2013067924A (ja) * 2011-09-26 2013-04-18 Asahi Kasei Fibers Corp ストレッチ布帛

Patent Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1181045A (ja) * 1997-07-14 1999-03-26 Du Pont Toray Co Ltd ポリウレタン糸およびその製法
JP2002348730A (ja) * 2001-05-28 2002-12-04 Du Pont Toray Co Ltd サニタリー用ポリウレタン弾性繊維
JP2006144192A (ja) * 2004-11-24 2006-06-08 Opelontex Co Ltd ソフトストレッチ性ポリウレタン弾性糸およびその製造方法
JP2007177359A (ja) * 2005-12-27 2007-07-12 Asahi Kasei Fibers Corp ポリウレタン弾性繊維
JP2008190104A (ja) * 2007-01-11 2008-08-21 Nisshinbo Ind Inc 細幅テープ及び細幅テープを用いた衣類
JP2008179908A (ja) * 2007-01-24 2008-08-07 Opelontex Co Ltd ポリウレタン弾性繊維を含む先染め織物およびその製造方法
WO2009025305A1 (ja) * 2007-08-21 2009-02-26 Asahi Kasei Fibers Corporation 熱可塑性ポリウレタンテープ
WO2012124691A1 (ja) * 2011-03-14 2012-09-20 旭化成せんい株式会社 ポリウレタン弾性繊維
JP2013067924A (ja) * 2011-09-26 2013-04-18 Asahi Kasei Fibers Corp ストレッチ布帛

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2019078170A1 (ja) * 2017-10-18 2019-04-25 旭化成株式会社 ポリウレタン弾性繊維、その巻糸体、及びそれを含む製品
US11781249B2 (en) 2017-10-18 2023-10-10 Asahi Kasei Kabushiki Kaisha Polyurethane elastic fiber, yarn package of same, and product including same
WO2022054811A1 (ja) * 2020-09-11 2022-03-17 旭化成株式会社 ポリウレタン弾性繊維、並びにそれを含むギャザー部材、及び衛生材料
JP7467648B2 (ja) 2020-09-11 2024-04-15 旭化成株式会社 ポリウレタン弾性繊維、並びにそれを含むギャザー部材、及び衛生材料

Also Published As

Publication number Publication date
JP5853065B1 (ja) 2016-02-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101328827B1 (ko) 중합체 글리콜과 혼합된폴리(테트라메틸렌코-에틸렌에테르)글리콜로부터 제조된스판덱스
JP2006176772A (ja) 低いヒートセット温度を有するスパンデックスおよびその製造のための物質
JP5271085B2 (ja) 高分子量ポリ(テトラメチレン−コ−エチレンエーテル)グリコールからのスパンデックス
WO1997000982A1 (fr) Fibres de polyurethane elastiques et procede de production de ces dernieres
WO2021060292A1 (ja) リサイクルポリウレタン弾性繊維、その製法、該リサイクルポリウレタン弾性繊維を含む繊維構造物、ギャザー部材、及び衛生材料
CN111194364B (zh) 聚氨酯弹性纤维、其绕纱体、及包含其的制品
CN113939618B (zh) 聚氨酯弹性纤维及含有其的产品、以及聚氨酯弹性纤维用表面处理剂
JP7467648B2 (ja) ポリウレタン弾性繊維、並びにそれを含むギャザー部材、及び衛生材料
JP5853065B1 (ja) ギャザー部材
EP4198180A1 (en) Polyurethane elastic fiber, winding body therefor, gather member, and sanitary material
JP6758089B2 (ja) ギャザー部材、並びにこれを用いた吸収性物品及び医療用品
CN110249084B (zh) 聚氨酯弹性纤维、其制造方法、及包含其的褶裥构件
JP4449011B2 (ja) サニタリー用品
EP4372132A1 (en) Thermoplastic polyurethane elastic fiber, wound body of same, gather and sanitary materials containing said thermoplastic polyurethane elastic fiber, and method for producing said polyurethane elastic fiber
JP4030375B2 (ja) 接着性良好な紙おむつ用ポリウレタン弾性繊維
JP2002348730A (ja) サニタリー用ポリウレタン弾性繊維
US20230157905A1 (en) Elasticized nonwoven laminates
JP2005344215A (ja) 紙おむつ用ポリウレタン弾性繊維
JP2002363823A (ja) 吸湿性ポリウレタン弾性繊維およびその製造方法
TW200400288A (en) Elastic polyurethane fiber
JP2005344214A (ja) 紙おむつ用ポリウレタン弾性繊維

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20151124

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20151207

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5853065

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R157 Certificate of patent or utility model (correction)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R157

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350