JP2016032313A - インバータ機器およびその制御方法 - Google Patents

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修 石岡
Osamu Ishioka
修 石岡
善一郎 長沢
Zenichiro Nagasawa
善一郎 長沢
宏尚 畠山
Hironao Hatakeyama
宏尚 畠山
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Abstract

【課題】電力系統に接続されるインバータ機器の系統電圧に対する負荷特性を変更することにより、系統電圧の変動を抑えることの可能なインバータ機器およびその制御方法を提供する。【解決手段】インバータ機器10は、電力系統60に接続されたインバータ11と、このインバータに接続された負荷機器12と、電力系統60とインバータ11との接続点の電圧値を計測する計測部13と、負荷特性制御部14を備えている。負荷特性制御部は、計測部13で計測した電圧値が所定範囲内にある際に負荷機器12が定電力負荷となるようにインバータ11を駆動させ、電圧値が所定範囲より小さくなった際に負荷機器12を電圧の減少に応じて消費電力が単調減少するようにインバータ11を駆動させている。【選択図】図1

Description

本発明は、インバータ機器およびインバータ機器の制御方法に関し、より詳細には、電力系統に接続されるインバータ機器およびその制御方法に関する。
空調機や給水ポンプなどの動力を必要とする電気機器の多くは電動機によって駆動されており、電動機の負荷が一定であれば問題がないが、実際には負荷が大きく変化したり低負荷状態が続いたりすることがある。このような負荷変動に対して、単に電動機を商用電力周波数による定速運転を行っている場合には、負荷に合わせて風量や流量を合わせる必要があり、例えば、ダンパーやバルブ等で流路を塞ぐことにより余剰分のエネルギーを捨てたり、頻繁にモータを起動停止することにより起動に大きなエネルギーを使いながら調節したりすることが行われていた。
このため、従来から、空調機や給水ポンプなどの負荷変動が大きな負荷に対しては、特許文献1、2に開示されているようなインバータを用いて、電動機を可変速運転することにより流量を制御し、必要な流量を供給することによって無駄な電力消費を抑え、大幅な省エネ効果を得ていた。また、インバータを接続すると、電圧と周波数を可変できるようになるため、照明器具や電気調理器などにもインバータの普及が進んでいる。
インバータは、電源電圧が変動したとしても負荷が変化しない限り、負荷に見合った電力を供給しようとするため、インバータを用いた機器の電圧対有効電力特性は、電源電圧の変動に対して定電力特性を示すようになる。このため、家庭電化製品へのインバータの普及によって、家庭全体の負荷電力特性は定電力特性に近づきつつある。
一方、地球環境を考慮した低炭素社会の実現に向けて、太陽光発電(以下、単にPVという)等を用いた大量の再生可能エネルギーの導入が開始されている。導入目標としては、2020年に2800万kW、2030年に5300万kWが示されている。このような再生可能エネルギーは、天候などの自然条件に応じて、その発電量が刻々と変動するため、電力系統において再生可能エネルギーが多く利用されるほど、電力系統における電圧変動や周波数変動を引き起こす可能性が高くなる。このため、電力系統の電圧状態、周波数状態に応じて、適切な発電量制御あるいは負荷制御が行えないと、電力品質が低下してしまう。すなわち、基準系統電圧からの逸脱、あるいは、基準系統周波数からの逸脱が生じることになる。
特開2003−348892号公報 特開2013−207925号公報
インバータの周波数・電圧変動許容値は大きく、周波数は±5%(例えば定格50Hzに対して±2.5Hz)、電圧は+6%〜−10%(例えば定格101Vに対して107.0〜90.1V)程度となっている。一方、現状の日本では再生可能エネルギーの系統連系では、周波数±0.1〜0.3Hz、電圧は101±6Vの範囲に止める必要があるため、需要機器のインバータ化によりこれらの機器の許容範囲が拡大されれば、再生可能エネルギーの系統連系可能量は大幅に増大できる。このため、機器のインバータ化は、再生可能エネルギー導入に有効である。
しかし、上述のように、PV等の導入により電力系統の電圧変動が引き起こされる一方で、家庭全体での電圧電力特性は定電力負荷特性に近づきつつある。このため、系統電圧が低下した場合に、例えば、家庭用機器の負荷特性がインピーダンス性のものであれば、系統電圧の低下とともに電力消費(有効電力)が少なくなることから、系統に対する電圧復帰への負担は小さいが、定電力負荷特性の機器が多い状況では、系統電圧が低下したとしても負荷電力を減少させるようにユーザが操作しない限り電力消費が変わらないため、系統電圧復帰への負担が大きくなり、基準系統電圧からの逸脱の可能性が増大することになる。
本発明は、これらの実情に鑑みてなされたものであり、電力系統に接続されるインバータ機器の系統電圧に対する負荷特性を変更することにより、系統電圧の変動を抑えることおよび負荷が安定運転を継続できることの可能なインバータ機器およびその制御方法を提供することをその目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の第1の技術手段は、電力系統に接続されたインバータと該インバータに接続された負荷機器を有するインバータ機器であって、前記電力系統と前記インバータとの接続点の電圧値を計測する計測部と、前記電圧値が所定範囲内にある際に前記負荷機器が定電力負荷となるように前記インバータを駆動させ、前記電圧値が前記所定範囲より小さくなった際に前記電圧値の減少に応じて前記負荷機器の消費電力が単調減少するように前記インバータを駆動させる負荷特性制御部を備えたことを特徴としたものである。
第2の技術手段は、第1の技術手段において、前記負荷特性制御部は、前記電圧値が前記所定範囲より小さくなった際に前記負荷機器が定電流負荷または定インピーダンス負荷となるようにインバータを駆動させることを特徴としたものである。
第3の技術手段は、第1または第2の技術手段において、前記負荷特性制御部は、前記電圧値が前記所定範囲より大きくなった際に前記電圧値の増加に応じて前記負荷機器の定格電力の範囲内で前記負荷機器の消費電力が単調増加するように前記インバータを駆動させることを特徴としたものである。
第4の技術手段は、第1〜第3のいずれか1の技術手段において、前記インバータが接続される前記電力系統に、自然エネルギー発電システムが連結点を介して接続されていることを特徴としたものである。
第5の技術手段は、第1〜第4のいずれか1の技術手段において、前記所定範囲は前記電力系統の許容電圧変動範囲よりも狭いことを特徴としたものである。
第6の技術手段は、第1〜第5のいずれか1の技術手段において、前記インバータは、前記負荷機器が電動機の場合に出力周波数を変更することによって、前記負荷機器の消費電力を変更することを特徴としたものである。
第7の技術手段は、電力系統に接続されたインバータと該インバータに接続された負荷機器からなるインバータ機器の制御方法であって、前記電力系統と前記インバータとの接続点の電圧値が所定の範囲にある際に前記負荷機器が定電力負荷となるように前記インバータを駆動し、前記電圧値が前記所定範囲より小さくなった際に前記電圧値の減少に応じて前記負荷機器の消費電力が単調減少するように前記インバータを駆動することを特徴としたものである。
本発明によれば、系統電圧の変動に対してインバータ機器の負荷特性を変更することにより、系統電圧の変動を効果的に抑制することができるとともに負荷の安定運転が継続でき、さらに、電力系統の基準系統電圧からの逸脱の可能性を小さくすることができる。
本発明に係るインバータ機器の一例を含む系統システムの構成例を示す図である。 本発明に係るインバータ機器の電圧負荷電力特性の一例を示す図である。 本発明に係るインバータ機器における、系統電圧からインバータの目標出力値を求める関係を説明するための図である。 系統電圧電力特性と負荷電圧電力特性との関係を模式的に説明するための図である。 本発明のインバータ機器を含む系統システムの検討に用いたモデル回路を示す図である。 図5に示すモデル回路による系統電圧電力特性と負荷電圧電力特性との関係を説明するための図である。 図5に示すモデル回路をシミュレータで作成し系統への電力供給および引き出しをステップ状に行った場合の応答結果を示す図である。
以下、図面を参照しながら、本発明のインバータ機器およびその制御方法に係る好適な実施の形態について説明する。以下の説明において、異なる図面においても同じ符号を付した構成は同様のものであるとして、その説明を省略する場合がある。
図1は、本発明に係るインバータ機器の一例を含む系統システムの構成例を示す図である。系統システム100は変電所20から変圧器30を介して商用の電力系統60に電力を供給しており、電力系統60には、太陽光発電(PV)などの自然エネルギー発電システム40、本発明に係るインバータ機器10、その他の負荷機器50が接続されている。また、自然エネルギー発電システム40で発電された電力は、電力系統60に出力される。なお、自然エネルギー発電システム40の出力値は、図示しない安定化制御装置によって系統電圧の大きさに応じて制御される。
本発明に係るインバータ機器10は、インバータ11とこのインバータ11によって駆動される負荷機器12を備えており、さらに、電力系統60とインバータ11との接続点の電圧値を計測する計測部13と、計測部13で計測した電圧値に基づいてインバータ機器10の負荷特性を変更する負荷特性制御部14を有している。より具体的には、負荷特性制御部14は、電力系統60とインバータ11との接続点の電圧値が所定範囲内にある場合には負荷機器12が定電力負荷となるようにインバータ11を駆動させ、電圧値が所定範囲より小さくなった際には電圧の減少に応じて負荷機器12の消費電力が単調減少する可変負荷特性となるように前記インバータを駆動させている。
図2は、本発明に係るインバータ機器の電圧負荷電力特性の一例を示す図であり、横軸が電圧、縦軸が負荷電力を示している。インバータ機器10は、電圧が下限値V1から上限値V2の範囲内にある場合は、負荷電力が一定の定負荷電力Prの定電力負荷特性となるようにしており、電圧が下限値V1未満となった場合は、消費電力が電圧値に応じて点bを通り比例定数kの直線上で低下する負荷特性となるようにしている。なお、電圧が上限値V2を超えた場合は、図2のF1(実線)で示すように、消費電力が電圧値の増大に応じて点dを通り単調増加する可変負荷特性となるように構成してもよく、あるいは、電圧の増加に伴って消費電力が増大することを避けたい場合は、図2のF2(破線)で示すように定電力特性を維持するように構成してもよい。
なお、電圧が上限値V2を超えた場合に、図2のF1(実線)で示す可変負荷特性となるようにする場合であっても、負荷機器の定格電力を超えないようにすることが望ましい。すなわち、電圧が増加し、消費電力が負荷機器の定格電力を超える場合は、F3(一点鎖線)で示すように定格電力値Pmaxでの定電力特性となるようにし、負荷機器が定格電力を超えて運転されないようにすることが望ましい。
図2に示したインバータ機器では、電圧がV1未満となった場合に比例定数(傾き)kの直線に沿って減少するようにしているが、電圧が所定範囲の電圧の下限値V1未満となった場合に、インバータ機器が電圧の減少に応じて消費電力が単調減少するようにインバータを駆動すればよく、例えば、定電流負荷特性あるいは定インピーダンス負荷特性となるように構成してもよい。また、電圧が所定範囲の電圧の上限値V2を超えた場合も同様に、インバータ機器が電圧の増加に応じて消費電力が単調増加するようにインバータを駆動すればよい。後述するように、これによって系統電圧の変動を効果的に抑制することができる。
所定範囲の電圧の下限値V1と上限値V2とは、電力系統の許容電圧範囲内であれば、任意に設定できるようにしておけばよいが、例えば、系統電圧が101±6Vの範囲内で許容されている場合は、所定範囲の中心電圧値を基準電圧Vrとして101Vに設定し、下限値V1と上限値V2はそれぞれ基準電圧Vrから6V以内の値となるように設定するようにしておけばよい。以下の説明では、説明を簡単にするために、図2において電圧消費電力特性がF1の特性を示す場合、すなわち、電圧が所定範囲内から外れた場合に、インバータ機器10が可変負荷特性を有する場合について説明する。
図3は、本発明に係るインバータ機器における、系統電圧からインバータの目標出力値を求める関係を説明するための図である。計測部13によって計測された電力系統60とインバータ11との接続点の電圧値である系統電圧Vは、比較器14aに入力され、基準電圧Vrと比較される。ここで基準電圧Vrは、図2で示すインバータ機器10が定負荷電力Prをとる所定の電圧範囲の中心値(下限値V1と上限値V2との中心値)である。次に、比較器14aから出力された系統電圧Vと基準電圧Vrとの電圧差分ΔVは、関数演算器14bに入力される。
関数演算器14bでは、入力された電圧差分ΔVに対して電力差分ΔPを算出するためのものであり、電圧差分ΔVが電圧値V1’と電圧値V2’との範囲内にある場合は、電力差分ΔPとして零を出力し、電圧差分ΔVが電圧値V1’と電圧値V2’との範囲から外れた場合は、電圧差分ΔVに対して点(V1’,0)あるいは(V2’,0)を通り勾配a(ΔP/ΔV)の直線上の値ΔPを出力する。ここで、電圧値V1’および電圧値V2’と図2に示す下限値V1および上限値との関係は、V1’=V1−Vr、V2’=V2−Vrの関係となっている。
関数演算器14bからの出力された電力差分ΔPは加算器14Cに入力され、基準電力Prと加算されて、加算器14Cから目標電力制御値Pとして出力される。基準電力Prは、図2で示す下限値V1と上限値V2間の所定の電圧範囲における定負荷電力Prである。そして、目標電力制御値Pはインバータ11に与えられ、インバータ11は負荷機器12への出力電力が目標電力制御値Pになるように動作する。インバータを目標電力制御値で駆動することは、既存の技術を用いることで実現可能である。
例えば、負荷機器が電動機の場合、インバータ11は、目標電力制御値Pに応じて出力周波数を変更することによって、電動機の回転速度を制御し、電動機への出力電力が目標電力制御値Pとなるようにすることができる。より具体的には、インバータ11は、電力系統からの交流を直流に変換する交流−直流変換部(インバータ部)と、得られた直流を交流に変換する直流−交流変換部(コンバータ部)を有しており、目標電力制御値Pに応じて直流−交流変換部でのPWM制御によって出力周波数を変更することが可能である。そして、電動機の回転速度は、誘導電動機の場合は入力周波数にほぼ比例し、電力は回転速度に比例することから、インバータ11の出力周波数制御によって電動機の消費電力を制御することができる。
次に、本発明に係るインバータ機器10が系統電圧の変動を抑制することについて説明する。図4は、系統電圧電力特性と負荷電圧電力特性との関係を模式的に説明するための図である。図4に示す線L0,L1,L2はそれぞれ図1に示す系統システム100の系統電圧電力特性を示す線であり、線L0は通常時を示し、線L1は系統電圧が所定の値だけ上昇した時、線L2は系統電圧が所定の値だけ下降した時を示している。系統電圧の上昇または下降は、電力系統60に供給される自然エネルギー発電システム40からの電力の増減や変電所20から電力供給の変動によってもたらされる。
図4に示す線R0, R1,R2はそれぞれインバータ機器10の電圧電力負荷特性を示す線であり、線R0は定電力負荷特性を示す場合、線R1,R2は消費電力が電圧値に応じてそれぞれ点b、点dを通り傾きkの直線に沿って増減する可変負荷特性を示す場合を示している。本実施形態では、インバータ機器10の負荷電圧電力特性は、系統電圧Vが所定の電圧範囲内(図4で示す下限値V1と上限値V2の範囲A内)にある場合は、線R0で示す定電力負荷特性を有し、下限値V1より小さい場合は線R1で示す特性を有し、下限値V2より小さい場合は線R2で示す特性を有している。
まず、系統システム100が通常時の場合、系統電圧Vは系統電圧電力特性の線L0と負荷電圧電力特性の線R0との交点aの電圧V0で平衡している。そして、系統電圧が下降し系統電圧電力特性の線L1まで下降した場合、系統電圧Vは点aから線R0に沿って点bの下限値V1まで低下し、さらに系統電圧電力特性の線L1と負荷電圧電力特性の線R1との交点cの電圧V3で平衡するまで線R1に沿って低下する。これとは反対に、系統電圧が上昇し系統電圧電力特性の線L2まで上昇した場合、系統電圧Vは点aから線R0に沿って点dの上限値V2まで上昇し、さらに系統電圧電力特性の線L2と負荷電圧電力特性の線R2との交点eの電圧V4で平衡するまで線R2に沿って上昇する。このように、本実施形態のインバータ機器10では、系統電圧電力特性が線L1から線L2まで変化した場合、系統電圧Vは図4で示す系統電圧V3からV4の範囲Bの変動幅を持つことになる。
ちなみに、インバータ機器が従来のように定電力負荷特性を示す場合、系統電圧電力特性が線L1から線L2まで変化すれば、線L1、L2と定電力負荷特性を示す線R0とのそれぞれの交点f、gの電圧V5、V6がなす範囲Cの変動幅を持つことになる。このように、本実施形態のインバータ機器10は、従来の定電力負荷特性を有するインバータ機器に比べて、系統電圧の変動を小さく抑えることができる。
次に、図1に示す系統システム100のモデル回路を作成して検討を行ったのでその結果について説明する。図5は、本発明のインバータ機器を含む系統システムの検討に用いたモデル回路を示す図である。モデル回路200は、発電機101、線路抵抗102、分散電源103、インバータ機器10、負荷機器50からなる集中定数回路とした。分散電源103は図1の自然エネルギー発電システム40に相当するものであるが、本モデル回路では、後述するように系統電圧の変動に影響を与える要素として電力系統に電力を供給したり電力系統から電力を受給したりするものとして取り扱っている。
図5のモデル回路において、簡単化のために、インバータ機器10の消費電力(負荷電力)Pinは、定電力負荷特性となる電圧範囲を設定せず、系統電圧が基準電圧Vrの際に定負荷電力Prとなりかつ電圧に対する電力が比例係数kで変化する負荷特性を有するものとした。この条件下でインバータ機器10の消費電力Pinは、系統電圧をVlineとすると式1で表すことができる。式1は、インバータ機器10の負荷電圧電流特性を示している。
Pin=k×(Vline−Vr)+Pr …式1
また、発電機101による電源電圧をVg、線路抵抗をRline、分散電源103から線路に投入される分散電流をIpv、負荷機器50へ流入する負荷電流をIload、インバータ機器10へ流入する電流をIinとすると、系統電圧Vlineと消費電力Pinはそれぞれ式2、式3で表すことができる。
Vline=Vg−Rline×(Iload−Ipv+Iin) …式2
Pin=Vline×Iin …式3
式2から求めたIinを式3に代入すると、式4が得られる。式4は系統システムのモデル回路における電圧電力特性を示している。
Pin=(−1/Rline)×Vline2+(Vg/Rline−Iload+Ipv)×Vline
…式4
図6は、図5に示すモデル回路による系統電圧電力特性と負荷電圧電力特性との関係を説明するための図である。式1の比例係数kを1.2(W/V)とし、基準電圧Vrが97.7(v)、定負荷電力Prが6(W)とした場合、インバータ機器10の負荷電圧電力特性は図6の線R3で示す負荷特性となる。次に、式4の各パラメータの設定値として、電源電圧Vgを109.7(V)、線路抵抗Rlineを54(Ω)、負荷電流Iloadを0.161(A)、分散電流Ipvを0(A)とした場合の電圧電力の関係は曲線L0で示す特性となる。さらに、分散電流Ipvの値を−0.02(A)とした場合、および+0.02(A)とした場合の電圧電力の関係はそれぞれ特性曲線L1およびL2となる。
ここで、分散電流Ipvの値を0、マイナス値、プラス値に変更しているのは、系統電圧Vlineの変動要素として分散電源を機能させてモデル回路の電圧電力特性の変化をシミュレーションするためであり、分散電流Ipvとして0.02(A)を系統に加えることは、系統に対して約2(W)の電力を供給することに相当する。また、分散電流Ipvとして0.02(A)を系統から引き去る加えることは、系統から約2(W)の電力を消費することに相当する。
図6に示すように、分散電源103から系統へ分散電流Ipvを加えない場合、系統電圧Vlineは、特性曲線L0と線R3との交点aの電圧である97.7Vとなり、また、分散電源103が系統から分散電流Ipvとして0.02(A)の電流を減じた場合は、系統電圧Vlineは、特性曲線L1と線R3との交点cの電圧97.1Vとなり、さらに、分散電源103が系統から分散電流Ipvとして0.02(A)の電流を加えた場合は、系統電圧Vlineは、特性曲線L2と線R3との交点eの電圧98.4Vとなった。可変負荷特性の線R3上での系統電圧Vlineの変化幅は、ほぼ1.3Vであった。
また、インバータ機器10が系統電圧Vlineの変化によっても消費電力が変わらない定電力負荷であるとすれば、分散電源103から系統へ分散電流Ipvを加えない場合、系統電圧Vlineは、特性曲線L0と線R0との交点aの電圧である97.7Vで変わらないが、分散電源103が系統から分散電流Ipvとして0.02(A)の電流を減じた場合は、系統電圧Vlineは、特性曲線L1と線R0との交点fの電圧96.6Vとなり、さらに、分散電源103が系統から分散電流Ipvとして0.02(A)の電流を加えた場合は、系統電圧Vlineは、特性曲線L2と線R0との交点eの電圧98.8Vとなった。定電力負荷特性の線R0上での系統電圧Vlineの変化幅は、ほぼ2.2Vであった。
次に、シミュレータを用いて図5に示すモデル回路を作成し、系統への電力供給を変化させた際のシミュレーション結果について説明する。図7は、図5に示すモデル回路をシミュレータで作成し、分散電源103からの電力を系統に対してステップ状に供給および引き出した際の系統電圧の応答結果を示す図である。図7(A)は系統電圧が97.7Vで安定した状態において、t0のタイミングで系統から電力2Wをステップ状に引き出した場合の系統電圧の応答結果を示し、細い実線が可変負荷特性の場合を示すとともに、太い実線が定電力特性の場合を示している。図7(B)は系統電圧が97.7Vで安定した状態において、t0のタイミングで系統へ電力2Wをステップ状に供給した場合の系統電圧の応答結果を示し、細い実線が可変負荷特性の場合を示すとともに、太い実線が定電力特性の場合を示している。
図7で示すシミュレーションの結果は図6での計算結果とも一致しており、本実施形態によれば、インバータ機器を定電力負荷特性で駆動するよりも、系統電圧の変化に応じて可変負荷特性となるように制御することで、系統電圧の変動を効果的に抑えることができる。
10…インバータ機器、11…インバータ、12…負荷機器、13…計測部、14…負荷特性制御部、20…変電所、30…変圧器、40…自然エネルギー発電システム、50…負荷機器、60…電力系統、100…系統システム、101…発電機、102…線路抵抗、103…分散電源、200…モデル回路。

Claims (7)

  1. 電力系統に接続されたインバータと該インバータに接続された負荷機器を有するインバータ機器であって、前記電力系統と前記インバータとの接続点の電圧値を計測する計測部と、前記電圧値が所定範囲内にある際に前記負荷機器が定電力負荷となるように前記インバータを駆動させ、前記電圧値が前記所定範囲より小さくなった際に前記電圧値の減少に応じて前記負荷機器の消費電力が単調減少するように前記インバータを駆動させる負荷特性制御部を備えたことを特徴とするインバータ機器。
  2. 前記負荷特性制御部は、前記電圧値が前記所定範囲より小さくなった際に前記負荷機器が定電流負荷または定インピーダンス負荷となるようにインバータを駆動させることを特徴とする請求項1に記載のインバータ機器。
  3. 前記負荷特性制御部は、前記電圧値が前記所定範囲より大きくなった際に前記電圧値の増加に応じて前記負荷機器の定格電力の範囲内で前記負荷機器の消費電力が単調増加するように前記インバータを駆動させることを特徴とする請求項1または2に記載のインバータ機器。
  4. 前記インバータが接続される前記電力系統に、自然エネルギー発電システムが連結点を介して接続されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1に記載のインバータ機器。
  5. 前記所定範囲は前記電力系統の許容電圧変動範囲よりも狭いことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1に記載のインバータ機器。
  6. 前記インバータは、前記負荷機器が電動機の場合に出力周波数を変更することによって、前記負荷機器の消費電力を変更することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1に記載のインバータ機器。
  7. 電力系統に接続されたインバータと該インバータに接続された負荷機器からなるインバータ機器の制御方法であって、前記電力系統と前記インバータとの接続点の電圧値が所定範囲内にある際に前記負荷機器が定電力負荷となるように前記インバータを駆動し、前記電圧値が前記所定範囲より小さくなった際に前記電圧値の減少に応じて前記負荷機器の消費電力が単調減少するように前記インバータを駆動することを特徴とするインバータ機器の制御方法。
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