JP2016030776A - インクジェット用インクセット、及びインクジェット記録方法 - Google Patents

インクジェット用インクセット、及びインクジェット記録方法 Download PDF

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直博 戸田
古川 壽一
Juichi Furukawa
壽一 古川
小林 光
Hikaru Kobayashi
光 小林
英文 長島
Hidefumi Nagashima
英文 長島
智裕 中川
Tomohiro Nakagawa
智裕 中川
藤井 一郎
Ichiro Fujii
一郎 藤井
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Abstract

【課題】本発明は、白インク上に白インクとは異なる色の水性インクを印字した際に、滲みがなく光沢が高い画像を得ることが可能なインクジェット用インクセットを提供することを目的とする。【解決手段】白インク、及び白インクとは異なる色のインクからなる少なくとも2色以上のインクを含むインクジェット用インクセットにおいて、前記2色以上のインクの全てのインクは、少なくとも水、水溶性有機溶剤、顔料、樹脂粒子を含有し、かつ、白インクに含有される水溶性有機溶剤は、沸点200℃以上250℃以下のグリコールエーテルを含み、白インクに含有される樹脂粒子の含有率が全てのインクの中で最も少ないことを特徴とするインクジェット用インクセット。【選択図】なし

Description

本発明は、インクジェット用インクセットとそれを用いたインクジェット記録方法に関する。
インクジェットプリンターは低騒音、低ランニングコスト、カラー印刷が容易であるなどの利点を有することからデジタル信号の出力機器として一般家庭に広く普及している。
近年では、家庭用のみならず、例えばディスプレイ、ポスター、掲示板など産業用途にインクジェット技術が利用されてきている。
産業用途におけるインクジェット記録用のインクとしては、これまで、有機溶剤をビヒクルとし有機溶剤に溶解させた樹脂を含有する溶剤系インクジェットインクや、重合性モノマーを主成分とする紫外線硬化型インクジェットインクが広く用いられてきた。
しかし、溶剤系インクジェットインクは、溶剤を大量に大気中に蒸発させるため、環境負荷の観点から好ましくなく、紫外線硬化型インクジェットインクは、使用するモノマーによっては皮膚感さ性を有することがあり、また、高価な紫外線照射装置をプリンタ本体に組み込む必要があるため適用分野が限られてしまう。
こうした背景もあり、最近では、環境負荷が少なく、これまで家庭用インクジェットインクとして広く用いられてきた水性インクを産業用途に用いるインクジェット技術開発が行われてきている。(例えば、特許文献1〜2参照)
しかしながら、水性インクは、インク中の水分を乾燥させるため、溶剤系インクに比べ速乾性が劣り画像が滲みやすい問題を有していた。特に、高速で印字を行う必要がある場合、多くのインクを一度に吐出する必要があるため、特に滲みやすい傾向があり、印字の際に加熱する方法が提案されている。(例えば、特許文献3参照)
上記方法により、基材上での均一な画像形成や滲みを防止可能な水性インクにおいても、透明基材上に白インクを形成し、その後に白インク上に白インク以外の色のインクを塗布する、即ち多層塗りの際には、白インク上に塗布する白インク以外の色インクは、白インクの乾燥性が不十分の場合において、滲みが発生しやすくなる問題を有していた。
本発明は、上記従来技術の問題点の解決を目指すものであり、白インク上に白インクとは異なる色の水性インクを印字した際に、滲みがなく光沢が高い画像を得ることが可能なインクジェット用インクセットを提供することを目的とする。
本発明者らは、水性インク中の配合と、インクセットの構成について検討した結果、白インク、及び白インクとは異なる色のインクからなる少なくとも2色以上のインクを含む全てのインクは、少なくとも水、水溶性有機溶剤、顔料、樹脂粒子を含有し、かつ、白インクは、沸点200〜250℃のグリコールエーテルを含み、樹脂粒子の含有率が全てのインクの中で最も少ないことで、白インクを印字した箇所に白インク以外の色の画像を印字する場合も、滲みがなく光沢が高い画像が得られることを見出し、本発明に至った。上記効果が得られる詳細な理由は不明であるが、白インク中に含まれるグリコールエーテル系溶剤により、白インク上に異なる色のインクを吐出した際に、白インク上でインクの凝集、増粘が進み、結果としてインク流動性が下がるため、滲みが抑制されるものと推定される。
即ち、上記課題は、次の1)の発明によって解決される。
1) 白インク、及び白インクとは異なる色のインクからなる少なくとも2色以上のインクを含むインクジェット用インクセットにおいて、
前記2色以上のインクの全てのインクは、少なくとも水、水溶性有機溶剤、顔料、樹脂粒子を含有し、
かつ、白インクに含有される水溶性有機溶剤は、沸点200℃以上250℃以下のグリコールエーテルを含み、白インクに含有される樹脂粒子の含有率が全てのインクの中で最も少ないことを特徴とするインクセット。
本発明によれば、白インク上に印字した際に、滲みがなく光沢が高い画像を得ることが可能なインクジェット用インクセットを提供できる。
本発明のインクジェット記録装置の一例を示す概略図。 図1の装置本体101の内部構造の説明図。
以下、上記本発明1)について詳しく説明する。なお、本発明1)の実施の形態には、次の2)〜6)も含まれるので、これらについても併せて説明する。
2) 前記白インクが、白インクのみに含まれる水溶性有機溶剤を有することを特徴とする1)記載のインクジェット用インクセット。
3) 前記沸点200℃以上250℃以下のグリコールエーテルは、白インクのみに含有される水溶性有機溶剤であることを特徴とする1)又は2)に記載のインクジェット用インクセット。
4) 前記全てのインクは、水溶性有機溶剤の50質量%以上が2,3−ブタンジオール、及び/又はプロピレングリコールからなることを特徴とする1)〜3)のいずれかに記載のインクジェット用インクセット。
5) 前記全てのインクは、水溶性有機溶剤の50質量%以上が2,3−ブタンジオール、及び/又はプロピレングリコールからなり、更に3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノールを含むことを特徴とする4)記載のインクジェット用インクセット。
6) 基材上に白インクを吐出した後に、吐出した白インク上に、白インクとは異なる色のインクを吐出するインクジェット記録方法において、1)〜5)のいずれかに記載のインクジェット用インクセットを用いて印字することを特徴とするインクジェット記録方法。
本発明のインクジェット用インクセットは、白インク、及び白インクとは異なる色のインクからなる少なくとも2色以上のインクを含む。白インクとは異なる色のインクとしては、ブラックインク、マゼンタインク、シアンインク、イエローインク、ライトシアンインク、ライトマゼンタインク等が挙げられ、白インク、ブラックインク、マゼンタインク、シアンインク、及びイエローインクの組み合わせ、白インク、ブラックインク、マゼンタインク、シアンインク、イエローインク、ライトシアンインク、ライトマゼンタインクの組み合わせ等が好ましい。
本発明のインクジェット用インクセットの全てのインクは、少なくとも顔料、樹脂粒子、水、水溶性有機溶剤を含有する。以下に詳細に説明する。
<顔料>
顔料には有機顔料と無機顔料があり、用いる色によって適宜選択し用いることができる。
好ましい白色顔料としては、酸化チタン、酸化鉄、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウムなどを用いることができる。
また、黒色顔料としては、中でもカーボンブラック(Pigment Black 7)が特に好ましく、Regal(登録商標)、Black Pearls(登録商標)、Elftex(登録商標)、Monarch(登録商標)、Regal(登録商標)、Mogul(登録商標)及びVulcan(登録商標)の商標でCabot Corporation社から入手できるカーボンブラック(例えば、Black Pearls 2000、同1400、同1300、同1100、同1000、同900、同880、同800、同700、同570、Black Pearls L、Elftex 8、Monarch 1400、同1300、同1100、同1000、同900、同880、同800、同700、Mogul L、Regal 330、同400、同660、Vulcan P)、SENSIJET BlackSDP100(SENSIENT)、SENSIJET BlackSDP1000(SENSIENT)、SENSIJET BlackSDP2000(SENSIENT)等が挙げられる。
カラー顔料としては、C.I.ピグメントイエロー1、3、12、13、14、17、24、34、35、37、42(黄色酸化鉄)、53、55、74、81、83、95、97、98、100、101、104、108、109、110、117、120、128、139、150、151、155、153、180、183、185、213、C.I.ピグメントオレンジ5、13、16、17、36、43、51、C.I.ピグメントレッド1、2、3、5、17、22、23、31、38、48:2、48:2(パーマネントレッド2B(Ca))、48:3、48:4、49:1、52:2、53:1、57:1(ブリリアントカーミン6B)、60:1、63:1、63:2、64:1、81、83、88、101(べんがら)、104、105、106、108(カドミウムレッド)、112、114、122(キナクリドンマゼンタ)、123、146、149、166、168、170、172、177、178、179、185、190、193、209、219、C.I.ピグメントバイオレット1(ローダミンレーキ)、3、5:1、16、19、23、38、C.I.ピグメントブルー1、2、15(フタロシアニンブルー)、15:1、15:2、15:3(フタロシアニンブルー)、15:4、16、17:1、56、60、63;C.I.ピグメントグリーン1、4、7、8、10、17、18、36、などが挙げられる。
上記顔料をインク中に分散させるには、界面活性剤を用いて分散させる方法、分散性樹脂を用いて分散させる方法、顔料の表面を樹脂で被覆して分散させる方法、顔料表面に親水性官能基を導入して自己分散性顔料とする方法などが挙げられる。
顔料は、約10〜約1500m2/gの表面積を有するものが好ましく、より好ましくは約20〜約600m2/g、更に好ましくは約50〜約300m2/gである。
所望の表面積と合わない場合には、顔料を比較的小さい粒径にするために、サイズ減少又は粉砕処理(例えば、ボールミル粉砕、又はジェットミル粉砕、又は超音波処理)をすれば良い。
インクの顔料分散安定性、吐出安定性、画像濃度、インク生産性の点で、顔料のインク中での体積平均粒径(D50)は、10〜300nmが好ましく、より好ましくは20〜250nmである。
顔料のインク中の含有量は、画像濃度、定着性や吐出安定性の面で、0.1〜10質量%程度が好ましく、より好ましくは1〜10質量%程度である。
<樹脂粒子>
本発明では、インク中に樹脂を水中に分散した樹脂粒子を含有させる。
樹脂粒子の種類には特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレン系樹脂、ブタジエン系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリルスチレン系樹脂、アクリルシリコーン系樹脂などの樹脂粒子が挙げられる。これらの中でも、ウレタン樹脂やアクリル系樹脂のエマルジョンが、定着性やインク安定性に優れるので好ましい。また樹脂粒子中には必要に応じて界面活性剤のような分散剤を含有させても構わないが、より塗膜の性能が優れたインクが得やすいことから、いわゆる自己乳化型の樹脂粒子が好ましい。その場合、水分散性の観点から酸価が5〜100mgKOH/gとなる範囲でアニオン性基を含有することが好ましく、優れた耐擦過性や耐薬品性を付与する上で、5〜50mgKOH/mgであることが特に好ましい。また、前記アニオン性基としてカルボキシル基、スルホン酸基などを使用すると、良好な水分散安定性を得ることができる。これらのアニオン性基を樹脂中に導入するには、これらアニオン性基を持ったモノマーを使用すればよい。
樹脂粒子としては、適宜合成したものを使用しても市販品を使用してもよい。
該市販品としては、例えば、スーパーフレックス130(ポリエーテル系ウレタン樹脂粒子、第一工業製薬社製)、ジョンクリル537(アクリル樹脂粒子、BASF社製)、マイクロジェルE−1002、E−5002(スチレン−アクリル系樹脂粒子、日本ペイント社製)、ボンコート4001(アクリル系樹脂粒子、大日本インキ化学工業社製)、ボンコート5454(スチレン−アクリル系樹脂粒子、大日本インキ化学工業社製)、SAE−1014(スチレン−アクリル系樹脂粒子、日本ゼオン社製)、サイビノールSK−200(アクリル系樹脂粒子、サイデン化学社製)、プライマルAC−22、AC−61(アクリル系樹脂粒子、ローム・アンド・ハース社製)、ナノクリルSBCX−2821、3689(アクリルシリコーン系樹脂粒子、東洋インキ製造社製)、#3070(メタクリル酸メチル重合体樹脂粒子、御国色素社製)などが挙げられる。
樹脂粒子の粒径は、特にインクジェット記録装置に使用することを考慮すると、体積平均粒径10〜1,000nmが好ましく、20〜50nmがより好ましい。ここで、前記体積平均粒径は、例えば粒度分析装置(マイクロトラック MODEL UPA9340、日機装社製)を用いて測定することができる。
本発明において、白インクに含まれる樹脂粒子は、その他の色に含まれる樹脂粒子に比べ少ないことで、特に滲みが発生せず、優れた画像を形成することが可能となる。白インク以外のインクのうち、樹脂粒子の含有量が最も低い色のインクに比べ、白インクの樹脂粒子の含有量は0.1〜3質量%低いことが好ましい。全ての色のインクにおける樹脂粒子のインク中の含有量は、3〜10質量%の範囲が好ましく、高い光沢度とインク安定性が得られる。
<水溶性有機溶剤>
水性インク中に含まれる水溶性有機溶剤は、水溶性有機溶剤であれば、いかなるものも用いることができる。
その例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,2−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール等の多価アルコール類;ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコール−n−ブチルエーテル、プロピレングリコール−t−ブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、ジエチレングリコールベンジルエーテル、エチレングリコール−n−プロピルエーテル、エチレングリコール−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコール−n−プロピルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテル、トリプロピレングリコール−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールフェニルエーテル、トリエチレングリコールメチルエーテル、トリエチレングリコールメチルエーテル、トリエチレングリコールエチルエーテル、トリエチレングリコールブチルエーテル、ジエチレングリコール−n−ヘキシルエーテル、エチレングリコールフェニルエーテルなどの多価アルコールアルキルエーテル類;乳酸エチルなどのエステル類;N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、ε−カプロラクタムなどの含窒素複素環化合物類;ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミドなどのアミド類;モノエタノ−ルアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミンなどのアミン類;ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノール、チオジグリコールなどの含硫黄化合物類などが挙げられる。
これらは1種を単独で使用しても良いし、2種以上を併用しても良い。
このうち、白インクにおいては、少なくとも沸点が200〜250℃からなるグリコールエーテルを少なくとも1種含有することで、白インク上に形成される白インクと異なる色のインク中の粒子の凝集を促進させ、重ね塗りを行う印字においても、高速での印字が可能となる。200〜250℃のグリコールエーテルとしては、ジエチレングリコールエチルエーテル(bp202℃、分子量134.2)、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル(bp207℃、分子量148.2)、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル(bp220℃、分子量162.2)、トリエチレングリコールジメチルエーテル(bp216℃、分子量178.2)、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(bp230℃、分子量162.2)、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル(bp242℃、分子量206.3)、トリエチレングリコールモノメチルエーテル(bp249℃、分子量164.2)などが挙げられる。
更に上記グリコールエーテルのうち、分子量が170以上のものは特に白インク上に形成される白インクと異なる色のインク中の粒子の凝集を促進させる効果が高く、特に滲みのない画像を形成することが可能となる。
前記白インクに含まれるグリコールエーテルの含有量は1〜10質量%が好ましい。
白インクは、白インクのみに含まれる水溶性有機溶剤を有することが好ましい。
そして、前記少なくとも沸点が200〜250℃からなるグリコールエーテルは、白インクのみに含まれることが好ましい。白インクのみに含有されることにより、白インクと異なる色のインク中の粒子の凝集を促進させる効果が高くなる。
これは、白インク以外の色のインクは、白インクに比べグリコールエーテルによるインクの凝集が大きいことを利用しており、白インク上に着弾した際、白インクに含まれるグリコールエーテルが、白インク上の異なるインクを凝集させることによるものである。
インク中の前記水溶性有機溶剤の総量は、20〜70質量%の範囲が好ましく、30〜60質量%の範囲がより好ましい。総量が20質量%以上であればインクが乾燥しにくくなり、特に十分な吐出安定性が得やすくなる。また、70質量%以下であれば、インクの粘度が高くなりすぎず、吐出に有利である。
また、前記水溶性有機溶剤として、プロピレングリコール(bp188℃)、及び/又は2,3−ブタンジオール(bp183℃)を混合すると、高い光沢を得られるので好ましい。これらの水溶性有機溶剤のインク中の含有量は、10〜50質量%が好ましく、20〜40質量%がより好ましい。
更に、沸点が250℃を超える水溶性有機溶剤を含まない場合、乾燥性がさらに向上するため効果的である。
また、水性インクに含まれる水溶性有機溶剤の50質量%以上が、プロピレングリコール(bp188℃)、及び/又は2,3−ブタンジオール(bp183℃)からなることで、高い光沢が得られ、更に乾燥性が向上するためより好ましい。更に、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノールを含むことで、白インク上での滲みが抑制され、良好な画像形成を可能にする。3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノールのインク中の含有量は、2〜30質量%が好ましく、5〜20質量%がより好ましい。
<その他の添加剤>
インクに加えるその他の添加剤としては、界面活性剤、防腐防黴剤、防錆剤、pH調整剤等が挙げられる。
界面活性剤としては、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤のいずれも使用可能である。
シリコーン系界面活性剤としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。中でも高pHでも分解しないものが好ましく、例えば、側鎖変性ポリジメチルシロキサン、両末端変性ポリジメチルシロキサン、片末端変性ポリジメチルシロキサン、側鎖両末端変性ポリジメチルシロキサン等が挙げられ、変性基としてポリオキシエチレン基、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン基を有するものが、水系界面活性剤として良好な性質を示すので特に好ましい。
また、前記シリコーン系界面活性剤として、ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤を用いることもでき、例えば、ポリアルキレンオキシド構造をジメチルシロキサンのSi部側鎖に導入した化合物等が挙げられる。
フッ素系界面活性剤としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸化合物、パーフルオロアルキルカルボン酸化合物、パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物及びパーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物が、起泡性が小さいので特に好ましい。
前記パーフルオロアルキルスルホン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸、パーフルオロアルキルスルホン酸塩等が挙げられる。
パーフルオロアルキルカルボン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルカルボン酸塩等が挙げられる。
パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物としては、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの硫酸エステル塩、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの塩等が挙げられる。
これらフッ素系界面活性剤における塩の対イオンとしては、Li、Na、K、NH4、NH3CH2CH2OH、NH2(CH2CH2OH)2、NH(CH2CH2OH)3等が挙げられる。
防腐防黴剤としては、1、2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、安息香酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム等が挙げられる。
防錆剤としては、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオジグリコ−ル酸アンモン、ジイソプロピルアンモニイウムニトライト、四硝酸ペンタエリスリト−ル、ジシクロヘキシルアンモニウムニトライト等が挙げられる。
pH調整剤としては、調合されるインクに悪影響を及ぼさずにpHを所望の値に調整できるものであれば特に限定されない。その例としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属元素の水酸化物;炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩;第4級アンモニウム水酸化物やジエタノールアミン、トリエタノ−ルアミン等のアミン;水酸化アンモニウム、第4級ホスホニウム水酸化物等が挙げられる。
本発明のインクは、前記各成分に水を加え、必要に応じて攪拌混合することにより作製できる。攪拌混合は通常の攪拌羽を用いた攪拌機、マグネチックスターラー、高速の分散機等で行なうことができる。しかし、製造方法は特に限定されず、公知の方法を適宜採用すればよい。インク中の水の総量は、20〜70質量%の範囲が好ましく、30〜60質量%の範囲がより好ましい。
<インクジェット記録方法>
本発明のインクジェット記録方法は、少なくとも、基材上に白インクを吐出した後に、吐出した白インク上に、白インクとは異なる色のインクを吐出する工程を有する。
インク吐出工程は、インクに刺激を印加し飛翔させて印字する工程である。該インクを飛翔する手段としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、各種の記録ヘッド(インク吐出ヘッド)が挙げられる。特に複数のノズル列を有するヘッドと、インクカートリッジから供給されるインクを収容して前記ヘッドにインクを供給するサブタンクとを有するものが好ましい。前記サブタンクは、該サブタンク内に負圧を発生するための負圧発生手段と、該サブタンク内を大気開放するための大気開放手段と、電気抵抗の差によりインクの有無を検知する検知手段とを有するものが好ましい。
前記刺激は例えば刺激発生手段により発生させることができ、該刺激としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、熱(温度)、圧力、振動、光などが挙げられる。これらは1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、熱、圧力が好適に挙げられる。
なお、前記刺激発生手段としては、例えば加熱装置、加圧装置、圧電素子、振動発生装置、超音波発振器、ライトなどが挙げられる。具体的には、圧電素子等の圧電アクチュエータ、発熱抵抗体等の電気熱変換素子を用いて液体の膜沸騰による相変化を利用するサーマルアクチュエータ、温度変化による金属相変化を用いる形状記憶合金アクチュエータ、静電力を用いる静電アクチュエータ、などが挙げられる。
前記インクの飛翔の態様としては特に制限はなく、前記刺激の種類等に応じて異なり、例えば、前記刺激が「熱」の場合、記録ヘッド内のインクに対し、記録信号に対応した熱エネルギーを例えばサーマルヘッド等を用いて付与し、該熱エネルギーによりインクに気泡を発生させ、該気泡の圧力により、記録ヘッドのノズル孔からインクを液滴として吐出噴射させる方法、などが挙げられる。また、前記刺激が「圧力」の場合、例えば記録ヘッド内のインク流路内にある圧力室と呼ばれる位置に接着された圧電素子に電圧を印加することにより、圧電素子が撓み、圧力室の容積が縮小して、前記記録ヘッドのノズル孔からインクを液滴として吐出噴射させる方法、などが挙げられる。
中でも、ピエゾ素子に電圧を印加してインクを飛翔させる方法が好ましい。ピエゾ方式は発熱しないため、樹脂を含有するインクを飛翔させるのに有利であり、特に湿潤剤の含有量の少ないインクを用いた場合にノズル詰まりが少ない有効な方法である。また、ノズル抜けを防止するため、ピエゾ素子にインクを吐き出さない強さの電圧を印加して空スキャンを行うことが好ましい。更に、1ページ印刷分の空スキャンに達する前に、インク溜め部にインクを吐き出す動作を行うことが好ましい。また、空吐出受けに固着したインクを掻き落とす掻き落とし手段を有することが好ましい。該掻き落とし手段としては、ワイパー及びカッターのいずれかが好ましい。
また本発明においては、吐出した白インクや白インクとは異なる色のインクが基材上、及び白インク塗膜上で塗れ広がりを増加させるために、基材を加熱する加熱装置を設けることも可能である。
加熱手段としては、多くの既知の加熱装置の中から適宜選択して1つ又は複数を使用することができる。加熱装置としては、強制空気加熱、輻射加熱、伝導加熱、高周波乾燥、マイクロ波乾燥用の装置などが挙げられる。このような加熱装置は、既存のインクジェットプリンターに組込んだものであっても、また、既存のインクジェットプリンターに外付けされたものであってもよい。
図1は、本発明のインクジェット記録方法を用いたインクジェット記録装置の一例を示す概略図である。なお、以下の説明は、キャリッジが走査するシリアル型(シャトル型)インクジェット記録装置に対応するものであるが、本発明の装置は、ライン型ヘッドを備えたライン型インクジェット記録装置にも適用できる。
図1の装置は、装置本体101と、装置本体101に装着した基材を装填するための給紙トレイ102と、装置本体101に装着され印字された基材をストックするための排紙トレイ103と、インクカートリッジ装填部104とを有する。インクカートリッジ装填部104の上面には、操作キーや表示器などの操作部105が配置されている。インクカートリッジ装填部104は、インクカートリッジ200の脱着を行うための開閉可能な前カバー115を有している。111は上カバー、112は前カバーの前面である。
装置本体101内には、図2に示すように、左右の側板(不図示)に横架したガイド部材であるガイドロッド131とステー132とがあり、キャリッジ133を主走査方向に摺動自在に保持し、主走査モータ(不図示)によって移動走査する。
キャリッジ133には、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)、ホワイト(W)の各色のインク滴を吐出する5個のインクジェット記録用ヘッドからなる記録ヘッド134の複数のインク吐出口が、主走査方向と交叉する方向に配列した状態で、インク滴吐出方向が下方となるように装着されている。
記録ヘッド134を構成するインクジェット記録用ヘッドとしては、圧電素子などの圧電アクチュエータ、発熱抵抗体などの電気熱変換素子を用いて液体の膜沸騰による相変化を利用するサーマルアクチュエータ、温度変化による金属相変化を用いる形状記憶合金アクチュエータ、静電力を用いる静電アクチュエータなどを、インクを吐出するための刺激発生手段として備えたものなどが使用できる。また記録用ヘッド内でインクを加熱するためのヒーター機構を有してもよい。
また、キャリッジ133には、記録ヘッド134に各色のインクを供給するための各色のサブタンク135が搭載されている。サブタンク135には、インク供給チューブ(不図示)を介して、インクカートリッジ装填部104に装填されたインクカートリッジ200からインクが供給されて補充される。
一方、給紙トレイ102の基材積載部(圧板)141上に積載した基材142を給紙するための給紙部として、基材積載部141から基材142を1枚づつ分離給送する半月コロ〔給紙コロ143〕、及び給紙コロ143に対向し、摩擦係数の大きな材質からなる分離パッド144を備え、この分離パッド144は給紙コロ143側に付勢されている。
この給紙部から給紙された基材142を記録ヘッド134の下方側で搬送するための搬送部として、基材142を静電吸着して搬送するための搬送ベルト151と、給紙部からガイド145を介して送られる基材142を搬送ベルト151との間で挟んで搬送するためのカウンタローラ152と、略鉛直上方に送られる基材142を略90°方向転換させて搬送ベルト151上に倣わせるための搬送ガイド153と、押さえ部材154で搬送ベルト151側に付勢された先端加圧コロ155とが備えられ、また、搬送ベルト151表面を帯電させるための帯電手段である帯電ローラ156が備えられている。
搬送ベルト151は無端状ベルトであり、搬送ローラ157とテンションローラ158との間に張架されて、ベルト搬送方向に周回可能である。この搬送ベルト151は、例えば、抵抗制御を行っていない厚さ40μm程度の樹脂材〔例えば、テトラフルオロエチレンとエチレンの共重合体(ETFE)〕で形成した基材吸着面となる表層と、この表層と同材質でカーボンによる抵抗制御を行った裏層(中抵抗層、アース層)とを有している。搬送ベルト151の裏側には、記録ヘッド134による印写領域に対応してガイド部材161が配置されている。なお、記録ヘッド134で記録された基材142を排紙するための排紙部として、搬送ベルト151から基材142を分離するための分離爪171と、排紙ローラ172及び排紙コロ173とを備えており、基材142はファンヒータ174により熱風乾燥された後、排紙ローラ172の下方の排紙トレイ103に出力される。
装置本体101の背面部には、両面給紙ユニット181が着脱自在に装着されている。両面給紙ユニット181は、搬送ベルト151の逆方向回転で戻される基材142を取り込んで反転させて再度、カウンタローラ152と搬送ベルト151との間に給紙する。なお、両面給紙ユニット181の上面には手差し給紙部182が設けられている。
このインクジェット記録装置においては、給紙部から基材142が1枚ずつ分離給紙され、略鉛直上方に給紙された基材142は、ガイド145で案内され、搬送ベルト151とカウンタローラ152との間に挟まれて搬送される。更に先端を搬送ガイド153で案内されて先端加圧コロ155で搬送ベルト151に押し付けられ、略90°搬送方向を転換される。このとき、帯電ローラ156によって搬送ベルト151が帯電されており、基材142は、搬送ベルト151に静電吸着されて搬送される。そこで、キャリッジ133を移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド134を駆動することにより、停止している基材142にインク滴を吐出して1行分を記録し、基材142を所定量搬送後、次の行の記録を行う。また白インク上に異なる色のインクを記録する際は、停止している基材142に白インク滴を吐出して1行分を記録した後、引き続き、白インク以外の異なるインクを白インク上に1行分を記録した後に、基材142を所定量搬送することも可能である。記録終了信号又は基材142の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了して、基材142を排紙トレイ103に排紙する。
本発明のインクジェット記録方法で印字する対象となる基材は非多孔質基材である。ここで、非多孔質基材とは、透明又は有色のポリ塩化ビニルフィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、アクリルフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリイミドフィルム、ポリスチレンフィルム等の非多孔質素材からなる表面を有する樹脂フィルム、ラミネート紙、コート紙等であり、木材パルプ紙、和紙、合成パルプ紙、合成繊維紙などの紙成分を表面に含まないものからなる。
本発明のインクジェット記録方法は、インクジェット記録方式による各種記録に適用することができ、例えば、インクジェット記録用プリンタ、ファクシミリ装置、複写装置、プリンタ/ファックス/コピア複合機、などに特に好適に適用することができる。
以下、実施例及び比較例を示して本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。なお、例中の「%」は「質量%」である。
<ブラック顔料含有ポリマー微粒子分散体の調製>
−ポリマー溶液Aの調製−
機械式攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、還流管、及び滴下ロートを備えた1Lのフラスコ内を充分に窒素ガス置換した後、スチレン11.2g、アクリル酸2.8g、ラウリルメタクリレート12.0g、ポリエチレングリコールメタクリレート4.0g、スチレンマクロマー4.0g、及びメルカプトエタノール0.4gを混合し65℃に昇温した。次に、スチレン100.8g、アクリル酸25.2g、ラウリルメタクリレート108.0g、ポリエチレングリコールメタクリレート36.0g、ヒドロキシルエチルメタクリレート60.0g、スチレンマクロマー36.0g、メルカプトエタノール3.6g、アゾビスメチルバレロニトリル2.4g、及びメチルエチルケトン18gの混合溶液を、2.5時間かけて、フラスコ内に滴下した。滴下後、アゾビスメチルバレロニトリル0.8g及びメチルエチルケトン18gの混合溶液を0.5時間かけてフラスコ内に滴下した。65℃で1時間熟成した後、アゾビスメチルバレロニトリル0.8gを添加し、更に1時間熟成した。反応終了後、フラスコ内にメチルエチルケトン364gを添加し、濃度が50%のポリマー溶液Aを800g得た。
−ブラック顔料含有ポリマー微粒子分散体の調製−
ポリマー溶液Aを28gと、カーボンブラック(デグサ社製、FW100)を42g、1mol/Lの水酸化カリウム水溶液13.6g、メチルエチルケトン20g、及び水13.6gを十分に攪拌した後、ロールミルを用いて混練した。得られたペーストを純水200gに投入し、充分に攪拌した後、エバポレータでメチルエチルケトン及び水を留去し、更に粗大粒子を除くためにこの分散液を平均孔径5.0μmのポリビニリデンフロライドメンブランフィルターで加圧濾過し、顔料固形分15%、固形分濃度20%のブラック顔料含有ポリマー微粒子分散体を得た。
<マゼンタ、シアン、イエロー顔料含有ポリマー微粒子分散体の調製>
前記ブラック顔料含有ポリマー微粒子分散体の調整で用いたカーボンブラックを以下に変更した以外は同様にして、マゼンタ、シアン、イエロー顔料含有ポリマー微粒子分散体をそれぞれ得た。
マゼンタ:Sun Chemical社製 Pigment Red 122
シアン :東洋インキ株式会社製 銅フタロシアニン顔料
(C.I.ピグメントブルー15:4、商品名:LX4033)
イエロー:大日精化工業株式会社製 イエロー顔料
(ピグメントイエロー74、商品名:イエローNO.46)
<白色顔料分散体の調製>
酸化チタンSTR−100W(堺化学工業株式会社製)25g、顔料分散剤TEGO Dispers651(エボニック社製)5g、水70gを混合し、ビーズミル(リサーチラボ、株式会社シンマルエンタープライゼス製)にて、0.3mmΦのジルコニアビーズを充填率60%、8m/sにて5分間分散し、白色顔料分散体を得た。
[実施例1]
下記処方の材料を混合攪拌した後、0.2μmポリプロピレンフィルターで濾過し、インクを作製した。
(ブラック)
・ブラック顔料含有ポリマー微粒子分散体(固形分20%、溶媒:水) 20%
・ポリエーテル系ウレタン樹脂粒子 スーパーフレックス130
(第一工業製薬社製、固形分35%、溶媒:水) 20%
・界面活性剤CH3(CH2)12O(CH2CH2O)3CH2COOH 2%
・2,3−ブタンジオール 30%
・3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール 10%
・水 17.9%
・防腐防黴剤 プロキセルLV(アビシア社製) 0.1%
(マゼンタ)
・マゼンタ顔料含有ポリマー微粒子分散体(固形分20%、溶媒:水) 20%
・ポリエーテル系ウレタン樹脂粒子 スーパーフレックス130
(第一工業製薬社製、固形分35%、溶媒:水) 20%
・界面活性剤CH3(CH2)12O(CH2CH2O)3CH2COOH 2%
・2,3−ブタンジオール 30%
・3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール 10%
・水 17.9%
・防腐防黴剤 プロキセルLV(アビシア社製) 0.1%
(シアン)
・シアン顔料含有ポリマー微粒子分散体(固形分20%、溶媒:水) 20%
・ポリエーテル系ウレタン樹脂粒子 スーパーフレックス130
(第一工業製薬社製、固形分35%、溶媒:水) 20%
・界面活性剤CH3(CH2)12O(CH2CH2O)3CH2COOH 2%
・2,3−ブタンジオール 30%
・3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール 10%
・水 17.9%
・防腐防黴剤 プロキセルLV(アビシア社製) 0.1%
(イエロー)
・イエロー顔料含有ポリマー微粒子分散体(固形分20%、溶媒:水) 20%
・ポリエーテル系ウレタン樹脂粒子 スーパーフレックス130
(第一工業製薬社製、固形分35%、溶媒:水) 20%
・界面活性剤CH3(CH2)12O(CH2CH2O)3CH2COOH 2%
・2,3−ブタンジオール 30%
・3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール 10%
・水 17.9%
・防腐防黴剤 プロキセルLV(アビシア社製) 0.1%
(ホワイト)
・白色顔料分散体(固形分25%、溶媒:水) 25%
・ポリエーテル系ウレタン樹脂粒子 スーパーフレックス130
(第一工業製薬社製、固形分35%、溶媒:水) 15%
・界面活性剤CH3(CH2)12O(CH2CH2O)3CH2COOH 2%
・2,3−ブタンジオール 30%
・3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール 5%
・トリプロピレングリコールモノメチルエーテル(bp242℃) 5%
・水 17.9%
・防腐防黴剤 プロキセルLV(アビシア社製) 0.1%
上記ブラック、マゼンタ、シアン、イエローインクと白インクのインクセットを搭載可能なように改造したインクジェットプリンター(株式会社リコー製 IPSiO GXe5500改造機)に、インクを充填し、非多孔質基材の透明PETシートLLPET1223(桜井株式会社製)に、白インクのベタ画像上に4色のベタ画像が隣接しているテストパターンを印字した。
得られた画像の滲み、及び光沢について、以下の基準で評価を行った。結果を表3に示す。
<滲み評価>
テストパターンを目視観察した際の、滲みの程度により測定した。
評価A 滲み 未発生
評価B 黒と黄色の一部の箇所に、非常に僅かに滲みが確認される
評価C 黒と黄色の境界部全体に、滲みが確認される
評価D 帯状パターン全体に、滲みの発生が見られる
<光沢評価>
黒ベタ画像の60°光沢度を光沢度計(BYK Gardener社製、4501)により測定した。光沢度の数値が大きいほど光沢が優れている。
[実施例2〜15]
実施例1のブラック、マゼンタ、シアン、イエローインクと白インクについて、表1に示すインクセットに変更した以外は、実施例1と同様にしてインクジェットプリンターを用いて印字した。
尚、表1及び表2において処方に用いた各材料の数値は配合比「質量%」を示す。また樹脂エマルジョンは、実施例1で用いた「ポリエーテル系ウレタン樹脂粒子 スーパーフレックス130(第一工業製薬社製、固形分35%、溶媒:水)」である。
[実施例16]
下記処方の材料を混合攪拌した後、0.2μmポリプロピレンフィルターで濾過し、インクを作製した。
(ライトマゼンタ)
・マゼンタ顔料含有ポリマー微粒子分散体(固形分20%、溶媒:水) 8%
・ポリエーテル系ウレタン樹脂微粒子 スーパーフレックス130
(第一工業製薬社製、固形分35%、溶媒:水) 20%
・界面活性剤CH3(CH2)12O(CH2CH2O)3CH2COOH 2%
・2,3−ブタンジオール 30%
・3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール 10%
・水 29.9%
・防腐防黴剤 プロキセルLV(アビシア社製) 0.1%
(ライトシアン)
・シアン顔料含有ポリマー微粒子分散体(固形分20%、溶媒:水) 8%
・ポリエーテル系ウレタン樹脂微粒子 スーパーフレックス130
(第一工業製薬社製、固形分35%、溶媒:水) 20%
・界面活性剤CH3(CH2)12O(CH2CH2O)3CH2COOH 2%
・2,3−ブタンジオール 30%
・3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール 10%
・水 29.9%
・防腐防黴剤 プロキセルLV(アビシア社製) 0.1%
上記、ライトマゼンタ、ライトシアンインク、実施例1で作製したブラック、マゼンタ、シアン、イエローインクと白インクのインクセットを搭載可能なように改造したインクジェットプリンター(株式会社リコー製 IPSiO GXe5500改造機)に、インクを充填し、非多孔質基材の透明PETシートLLPET1223(桜井株式会社製)に、白インクのベタ画像上に6色のベタ画像が隣接しているテストパターンを印字した。
得られた画像の滲み、及び光沢について、実施例1と同様にして評価を行った。
[実施例17〜18]
実施例1のブラック、マゼンタ、シアン、イエローインクと白インクについて、表1に示すインクセットに変更した以外は、実施例1と同様にしてインクジェットプリンターを用いて印字した。
Figure 2016030776
Figure 2016030776
Figure 2016030776
Figure 2016030776
[比較例1〜4]
実施例1のブラック、マゼンタ、シアン、イエローインクと白インクについて、表2に示すインクセットに変更した以外は、実施例1と同様にしてインクジェットプリンターを用いて印字した。
Figure 2016030776
上記実施例1〜16及び比較例1〜4の各インクについて、以下の特性評価を行った。結果を表3に示す。
Figure 2016030776
上記表3の結果から分かるように、本発明のインクジェット用インクセットは、白インク塗膜上の何れにおいても、高い光沢と滲みのない画像を得られた。
101 装置本体
102 給紙トレイ
103 排紙トレイ
104 インクカートリッジ装填部
105 操作部
111 上カバー
112 前面
115 前カバー
131 ガイドロッド
132 ステー
133 キャリッジ
134 記録ヘッド
135 サブタンク
141 基材積載部
142 基材
143 給紙コロ
144 分離パッド
145 ガイド
151 搬送ベルト
152 カウンタローラ
153 搬送ガイド
154 押さえ部材
155 加圧コロ
156 帯電ローラ
157 搬送ローラ
158 デンションローラ
161 ガイド部材
171 分離爪
172 排紙ローラ
173 排紙コロ
174 ファンヒータ
181 両面給紙ユニット
182 手差し給紙部
200 インクカートリッジ
特開2005−220352号公報 特開2011−094082号公報 特開2011−201230号公報

Claims (6)

  1. 白インク、及び白インクとは異なる色のインクからなる少なくとも2色以上のインクを含むインクジェット用インクセットにおいて、
    前記2色以上のインクの全てのインクは、少なくとも水、水溶性有機溶剤、顔料、樹脂粒子を含有し、
    かつ、白インクに含有される水溶性有機溶剤は、沸点200℃以上250℃以下のグリコールエーテルを含み、白インクに含有される樹脂粒子の含有率が全てのインクの中で最も少ないことを特徴とするインクジェット用インクセット。
  2. 前記白インクが、白インクのみに含まれる水溶性有機溶剤を有することを特徴とする請求項1記載のインクジェット用インクセット。
  3. 前記沸点200℃以上250℃以下のグリコールエーテルは、白インクのみに含有される水溶性有機溶剤であることを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェット用インクセット。
  4. 前記全てのインクは、水溶性有機溶剤の50質量%以上が2,3−ブタンジオール、及び/又はプロピレングリコールからなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のインクジェット用インクセット。
  5. 前記全てのインクは、水溶性有機溶剤の50質量%以上が2,3−ブタンジオール、及び/又はプロピレングリコールからなり、更に3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノールを含むことを特徴とする請求項4記載のインクジェット用インクセット。
  6. 基材上に白インクを吐出した後に、吐出した白インク上に、白インクとは異なる色のインクを吐出するインクジェット記録方法において、請求項1〜5のいずれかに記載のインクジェット用インクセットを用いて印字することを特徴とするインクジェット記録方法。
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