JP2016028856A - 積層体 - Google Patents
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Abstract
【課題】 高い層間接着強度を有し、エタノール等のアルコールを含む内容物に対して、優れた耐性を有する積層体およびそれよりなる耐アルコール性自立性袋を提供すること。【解決手段】 少なくとも、基材層、バリア層、接着層およびシーラント層を有する積層体であって、該バリア層と該シーラント層との間に位置する接着層は、耐アルコール性を有し、且つ、アルケン−(メタ)アクリル酸エステル−不飽和カルボン酸の三元共重合体およびアルケン−不飽和カルボン酸の二元共重合体の少なくとも1種を含む接着性樹脂組成物からなることを特徴とする、上記積層体およびそれよりなる耐アルコール性自立性袋。【選択図】 図1
Description
本発明は、新たな積層体およびそれよりなる耐アルコール性自立性袋に関し、より詳細には、高い層間接着強度を有し、エタノール等のアルコールを含む内容物に対して、優れた耐性を有する積層体およびそれよりなる耐アルコール性自立性袋に関するものである。
アルコールを含む物質を密封包装する包装袋として、基材層、バリア層およびシーラント層を、それぞれ接着層を介して積層した積層体からなる包装袋が使用されている。しかし、内容物中のアルコール成分は、シーラント層に浸透し、特にバリア層とシーラント層との間の接着層を浸食し、ここで層間剥離を起こすという問題があった。
この層間剥離の発生は、スタンドパウチ等の自立性袋において特に大きな問題であり、内容物の重量に耐え得る強度が失われ、自立性形状が維持できず、また破袋が生じる。
この問題に対し、バリア層にシーラント層を積層する方法として、二液硬化型ウレタン系接着剤等のドライラミネート用接着剤を用いて、ドライラミネート法により積層する方法等が知られている(特許文献1)。
この問題に対し、バリア層にシーラント層を積層する方法として、二液硬化型ウレタン系接着剤等のドライラミネート用接着剤を用いて、ドライラミネート法により積層する方法等が知られている(特許文献1)。
しかし、この方法により得られる積層体は、耐アルコール性が不十分であり、長期の保存により、内容物中のアルコール成分がシーラント層を経て接着層まで浸透し、接着剤の結合が分解して層間接着強度が低下するという問題があった。また、接着剤中の未反応モノマーや分解物等の低分子量物質が内容物中に溶出するという問題があった。
本発明は、かかる問題を解決すべくなされたものであり、高い層間接着強度を有し、発酵エタノール等のアルコールを含む内容物に対して、優れた耐性を有する耐アルコール性積層体およびそれよりなる耐アルコール性自立性袋を提供することを目的とする。
本発明者らは、種々研究の結果、少なくとも、基材層、バリア層、接着層およびシーラント層を有する積層体であって、該バリア層と該シーラント層との間に位置する接着層は、耐アルコール性を有し、且つ、アルケン−(メタ)アクリル酸エステル−不飽和カルボン酸の三元共重合体およびアルケン−不飽和カルボン酸の二元共重合体の少なくとも1種を含む接着性樹脂組成物からなることを特徴とする、上記積層体およびそれよりなる自立性袋が、上記の目的を達成することを見出した。
そして、本発明は、以下の点を特徴とする。
(1)少なくとも、基材層、バリア層、接着層およびシーラント層を有する積層体であって、該バリア層と該シーラント層との間に位置する接着層は、耐アルコール性を有し、且つ、アルケン−(メタ)アクリル酸エステル−不飽和カルボン酸の三元共重合体およびアルケン−不飽和カルボン酸の二元共重合体の少なくとも1種を含む接着性樹脂組成物からなることを特徴とする、上記積層体。
(2)前記基材層と前記バリア層との間に、さらに中間層を有することを特徴とする、上
記(1)に記載の積層体。
(3)前記バリア層と前記シーラント層との間の任意の位置に、さらに補強層を有し、該バリア層と該シーラント層との間に位置する全ての接着層が、耐アルコール性を有し、且つ、アルケン−(メタ)アクリル酸エステル−不飽和カルボン酸の三元共重合体およびアルケン−不飽和カルボン酸の二元共重合体の少なくとも1種を含む接着性樹脂組成物からなることを特徴とする、上記(1)または(2)に記載の積層体。
(4)前記接着性樹脂組成物における不飽和カルボン酸成分量が、0.05質量%以上1.0質量%未満であることを特徴とする、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の積層体。(5)上記(1)〜(4)のいずれかに記載の積層体からなる、耐アルコール性自立性袋。
(6)上記(1)〜(4)のいずれかに記載の積層体の製造方法であって、バリア層とシーラント層とを、または、バリア層と補強層および補強層とシーラント層とを、アルケン−(メタ)アクリル酸エステル−不飽和カルボン酸の三元共重合体およびアルケン−不飽和カルボン酸の二元共重合体の少なくとも1種を含む接着性樹脂組成物を介して、サンドイッチラミネートすることを特徴とする、上記製造方法。
(1)少なくとも、基材層、バリア層、接着層およびシーラント層を有する積層体であって、該バリア層と該シーラント層との間に位置する接着層は、耐アルコール性を有し、且つ、アルケン−(メタ)アクリル酸エステル−不飽和カルボン酸の三元共重合体およびアルケン−不飽和カルボン酸の二元共重合体の少なくとも1種を含む接着性樹脂組成物からなることを特徴とする、上記積層体。
(2)前記基材層と前記バリア層との間に、さらに中間層を有することを特徴とする、上
記(1)に記載の積層体。
(3)前記バリア層と前記シーラント層との間の任意の位置に、さらに補強層を有し、該バリア層と該シーラント層との間に位置する全ての接着層が、耐アルコール性を有し、且つ、アルケン−(メタ)アクリル酸エステル−不飽和カルボン酸の三元共重合体およびアルケン−不飽和カルボン酸の二元共重合体の少なくとも1種を含む接着性樹脂組成物からなることを特徴とする、上記(1)または(2)に記載の積層体。
(4)前記接着性樹脂組成物における不飽和カルボン酸成分量が、0.05質量%以上1.0質量%未満であることを特徴とする、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の積層体。(5)上記(1)〜(4)のいずれかに記載の積層体からなる、耐アルコール性自立性袋。
(6)上記(1)〜(4)のいずれかに記載の積層体の製造方法であって、バリア層とシーラント層とを、または、バリア層と補強層および補強層とシーラント層とを、アルケン−(メタ)アクリル酸エステル−不飽和カルボン酸の三元共重合体およびアルケン−不飽和カルボン酸の二元共重合体の少なくとも1種を含む接着性樹脂組成物を介して、サンドイッチラミネートすることを特徴とする、上記製造方法。
本発明の積層体は、ドライラミネート接着剤を用いることなく、バリア層とシーラント層との間の、極めて高い層間接着強度を達成することができる。したがって、残留溶媒や低分子量物質の溶出に関する懸念や、接着層の経時劣化によるラミネート強度の低下という問題がなく、多種多様な用途に適用することができる。
特に、本発明の積層体は耐アルコール性に優れ、内容物中のアルコール成分がシーラント層に浸透しても、接着層が浸食されず、高いラミネート強度を長期にわたって維持することができる。
したがって、本発明の耐アルコール性積層体は、スタンドパウチ等の極めて高いラミネート強度が要求される自立性袋にも適用することができ、さらには耐アルコール性自立性袋として好適に用いることができる。
本発明の積層体について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1〜3は、本発明の積層体の層構成の一例を示す概略的断面図である。
図1〜3は、本発明の積層体の層構成の一例を示す概略的断面図である。
本発明の積層体は、図1に示すように、基材層1と、バリア層3と、シーラント層5とを、接着層2および4を介して積層してなる構成を基本構造とするものである。ここで、接着層2は、ドライラミネート接着剤や接着性樹脂等の任意の接着剤を使用して、ドライラミネート法やサンドイッチラミネート法等の任意の方法により、基材層1とバリア層3とを接着するものであってよい。または、バリア層3が蒸着膜である場合は、接着層2を設けず、基材層1上にバリア層3を直接設けてもよい。一方、接着層4は、耐アルコール性を有し、且つ、アルケン−(メタ)アクリル酸エステル−不飽和カルボン酸の三元共重合体およびアルケン−不飽和カルボン酸の二元共重合体の少なくとも1種を含む接着性樹脂組成物(以下「本発明の接着性樹脂組成物」とも呼ぶ)を溶融押出して、バリア層とシーラント層とをサンドイッチラミネートにより接着するものである。
本発明の積層体の他の態様としては、図2に示すように、基材層1とバリア層3との間に、任意の接着剤からなる接着層2aおよび2bを介して、中間層6を積層した構成であってもよい。
本発明の積層体のさらに別の態様としては、図3に示すように、バリア層3とシーラント層5との間に、本発明の接着性樹脂組成物からなる接着層4aおよび4bを介して、補強層7を積層した構成であってもよい。
次に、本発明の積層体を構成する材料、その製造方法等について説明する。また、本発明において使用される樹脂名は、業界において慣用されるものを用いることとする。
A.基材層
本発明の積層体において、基材層としては、単層フィルムまたは多層積層フィルムが用いられるが、特に限定されず、各種包装袋に用いられる任意のフィルムを使用することができる。これらの中から、包装する内容物の種類や充填後の加熱処理の有無等の使用条件に応じて、適するものを自由に選択して使用する。基材層として好ましく使用されるフィルムの具体例としては、紙、セロファン、ポリアミド系樹脂フィルム、ポリエステル系樹脂フィルム、オレフィン系樹脂フィルム、酸変性ポリオレフィン系樹脂フィルム、ポリスチレン系樹脂フィルム、これらを一軸または二軸延伸したフィルム、Kコートフィルム、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリビニルアルコール、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、メチルペンテン、ポリアクリロニトリル、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等からなる樹脂フィルム、Kコート延伸ポリプロピレンフィルム、Kコート延伸ナイロンフィルム、これらの2以上のフィルムを積層した複合フィルム等が挙げられる。自立性袋として適用する場合は、特にPETフィルム等のポリエステル系樹脂フィルムや、2軸延伸ナイロンフィルム等を好適に使用することができる。
本発明の積層体において、基材層としては、単層フィルムまたは多層積層フィルムが用いられるが、特に限定されず、各種包装袋に用いられる任意のフィルムを使用することができる。これらの中から、包装する内容物の種類や充填後の加熱処理の有無等の使用条件に応じて、適するものを自由に選択して使用する。基材層として好ましく使用されるフィルムの具体例としては、紙、セロファン、ポリアミド系樹脂フィルム、ポリエステル系樹脂フィルム、オレフィン系樹脂フィルム、酸変性ポリオレフィン系樹脂フィルム、ポリスチレン系樹脂フィルム、これらを一軸または二軸延伸したフィルム、Kコートフィルム、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリビニルアルコール、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、メチルペンテン、ポリアクリロニトリル、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等からなる樹脂フィルム、Kコート延伸ポリプロピレンフィルム、Kコート延伸ナイロンフィルム、これらの2以上のフィルムを積層した複合フィルム等が挙げられる。自立性袋として適用する場合は、特にPETフィルム等のポリエステル系樹脂フィルムや、2軸延伸ナイロンフィルム等を好適に使用することができる。
基材層の厚さは、好ましくは5〜300μmであり、より好ましくは10〜100μmである。基材層は、シーラント層側にコロナ処理、オゾン処理、フレーム処理等の濡れ性を向上させる表面処理を施してもよい。
B.バリア層
本発明の積層体において、バリア層としては、酸素ガスおよび水蒸気等の透過を防ぐガスバリア性を有し、且つ、内容物中のアルコール成分の透過を防ぐ任意のバリア膜またはバリアフィルムを使用することができる。
本発明の積層体において、バリア層としては、酸素ガスおよび水蒸気等の透過を防ぐガスバリア性を有し、且つ、内容物中のアルコール成分の透過を防ぐ任意のバリア膜またはバリアフィルムを使用することができる。
このようなバリア膜またはバリアフィルムとしては、無機物または無機酸化物からなる蒸着膜、金属箔、バリア性樹脂フィルム、樹脂フィルム上に前記蒸着膜を設けた蒸着フィルム等が挙げられる。
具体的には、アルミニウム蒸着膜、アルミナ蒸着膜、シリカ蒸着膜、アルミニウム箔、アルミニウム蒸着ポリエステル系樹脂フィルム、アルミニウム蒸着ポリプロピレンフィルム、シリカ蒸着ポリエステル系樹脂フィルム、シリカ蒸着ポリアミド系樹脂フィルム、アルミナ蒸着ポリエステル系樹脂フィルム、エチレン−ビニルアルコール共重合体フィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、MXD6フィルム等か
らなるバリア膜またはバリアフィルムが挙げられる。
バリア層として、蒸着膜を設ける場合は、基材層上に直接、接着剤等の接着層を介さずに設けることができる。
らなるバリア膜またはバリアフィルムが挙げられる。
バリア層として、蒸着膜を設ける場合は、基材層上に直接、接着剤等の接着層を介さずに設けることができる。
必要に応じて、可視光および紫外線等の透過を阻止する遮光性を付与することもできる。また、バリア層を2層以上有してもよい。バリア層を2層以上有する場合は、それぞれが同一の組成であってもよいし、異なる組成であってもよい。通常、バリアフィルムの厚さは、好ましくは0.01〜500μmであり、より好ましくは1〜300μmの範囲である。また蒸着膜の厚さとしては、例えば、10〜2000Å位であり、好ましくは10〜1000Å位の範囲内で任意に選択して形成することが望ましい。具体的に説明すると、アルミニウムの蒸着膜の場合には、膜厚は、好ましくは10〜600Å位であり、より好ましくは10〜400Å位である。また、ケイ素酸化物またはアルミニウム酸化物の蒸着膜の場合には、膜厚は、好ましくは10〜500Å位であり、より好ましくは10〜300Åである。
また、バリア層は、そのいずれか一方または両方の面に、コロナ処理、オゾン処理、フレーム処理等の濡れ性を高める処理を施してもよい。
無機物または無機酸化物からなる金属箔としては、従来公知の金属箔を用いることができる。酸素ガスおよび水蒸気等の透過を阻止するガスバリア性や、可視光および紫外線等の透過を阻止する遮光性の点からは、アルミニウム箔等が好ましい。
無機物または無機酸化物からなる金属箔としては、従来公知の金属箔を用いることができる。酸素ガスおよび水蒸気等の透過を阻止するガスバリア性や、可視光および紫外線等の透過を阻止する遮光性の点からは、アルミニウム箔等が好ましい。
蒸着膜は、従来公知の無機物または無機酸化物を用いて、従来公知の方法により形成することができ、その組成および形成方法は特に限定されない。蒸着膜の形成方法としては、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、およびイオンプレーティング法等の物理気相成長法(Physical Vapor Deposition法、PVD法)、あるいは、プラズマ化学気相成長法、熱化学気相成長法、および光化学気相成長法等の化学気相成長法(Chemical Vapor Deposition法、CVD法)等を挙げることができる。
蒸着膜としては、例えば、ケイ素(Si)、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、カリウム(K)、スズ(Sn)、ナトリウム(Na)、ホウ素(B)、チタン(Ti)、鉛(Pb)、ジルコニウム(Zr)、イットリウム(Y)等の無機物または無機酸化物の蒸着膜を使用することができる。特に、包装材に適するものとしては、アルミニウム金属の蒸着膜またはケイ素酸化物もしくはアルミニウム酸化物の蒸着膜を用いるのがよい。
蒸着膜として酸化珪素の蒸着膜を設ける場合について、さらに詳細に説明する。酸化珪素の蒸着膜(薄膜)は、一般式:SiOx(式中、xは、0〜2の数を表す)で表され、xの値は1.3〜1.9が好ましい。また、酸化珪素薄膜は、酸化珪素を主体とし、さらに、炭素、水素、珪素または酸素の1種類、または2種類以上の元素からなる化合物の少なくとも1種類を化学結合等により含有してもよい。例えば、C−H結合を有する化合物、Si−H結合を有する化合物、または、炭素単位がグラファイト状、ダイヤモンド状、フラーレン状等になっている場合、更に、原料の有機珪素化合物やそれらの誘導体を化学結合等によって含有する場合があるものである。例えば、CH3部位を持つハイドロカーボン、SiH3シリル、SiH2シリレン等のハイドロシリカ、SiH2OHシラノール等の水酸基誘導体等を挙げることができる。上記の化合物が酸化珪素の蒸着膜中に含有する含有量としては、0.1〜50質量%、好ましくは5〜20質量%である。また、酸化珪素薄膜が上記化合物を含有する場合、化合物の含有量が酸化珪素の蒸着膜の表面から深さ方向に向かって減少していることが好ましい。これにより、酸化珪素の蒸着膜の表面では上記化合物等により耐衝撃性等が高められ、他方、基材層との界面では、上記化合物の含有
量が少ないために基材層と酸化珪素の蒸着膜との密接着性が強固なものとなる。
量が少ないために基材層と酸化珪素の蒸着膜との密接着性が強固なものとなる。
蒸着膜上に、ガスバリア性を高めるために、ガスバリア性塗布膜をさらに設けてもよい。
本発明において、ガスバリア性塗布膜とは、アルコキシドと水溶性高分子とを、ゾルゲル法触媒、酸、水及び有機溶剤の存在下で、ゾルゲル法によって重縮合して得られるアルコキシドの加水分解物またはアルコキシドの加水分解縮合物からなる膜である。ガスバリア性組成物は、場合により、さらにシランカップリング剤を含有してもよい。
本発明において、ガスバリア性塗布膜とは、アルコキシドと水溶性高分子とを、ゾルゲル法触媒、酸、水及び有機溶剤の存在下で、ゾルゲル法によって重縮合して得られるアルコキシドの加水分解物またはアルコキシドの加水分解縮合物からなる膜である。ガスバリア性組成物は、場合により、さらにシランカップリング剤を含有してもよい。
該ガスバリア性組成物において用いることができるアルコキシドとしては、一般式R1 nM(OR2)m(ただし、式中、R1、R2は、炭素数1〜8の有機基を表し、Mは、金属原子を表し、nは、0以上の整数を表し、mは、1以上の整数を表し、n+mは、Mの原子価を表す。)で表される少なくとも1種以上のアルコキシドを好ましく用いることができる。ここで、金属原子Mとして、珪素、ジルコニウム、チタン、アルミニウムその他を使用することができる。また、R1及びR2で表される有機基の具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基等のアルキル基を挙げることができる。同一分子中において、これらのアルキル基は同一であっても、異なってもよい。このようなアルコキシドとしては、例えば、テトラメトキシシラン Si(OCH3)4、テトラエトキシシラン Si(OC2H5)4、テトラプロポキシシラン Si(OC3H7)4、テトラブトキシシラン Si(OC4H9)4等が挙げられる。
また、ガスバリア性組成物において用いることができる水溶性高分子としては、ポリビニルアルコール系樹脂若しくはエチレン・ビニルアルコール共重合体のいずれか又はその両方を好ましく用いることができる。これら樹脂は市販のものを使用してもよく、例えば、エチレン・ビニルアルコール共重合体として、株式会社クラレ製、エバールEP−F101(エチレン含量;32モル%)、日本合成化学工業株式会社製、ソアノールD2908(エチレン含量;29モル%)等を使用することができる。また、ポリビニルアルコールとして、株式会社クラレ製のRSポリマーであるRS−110(ケン化度=99%、重合度=1,000)、同社製のクラレポバールLM−20SO(ケン化度=40%、重合度=2,000)、日本合成化学工業株式会社製のゴーセノールNM−14(ケン化度=99%、重合度=1,400)等を使用することができる。
上記ゾルゲル法触媒としては、水に実質的に不要であり、且つ有機溶媒に可溶な第3級アミンが用いられる。具体的には、例えば、N,N−ジメチルベンジルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン等を使用することができる。特に、N,N−ジメチルべンジルアミンが好適であり、アルコキシシランおよびシランカップリング剤の合計量100質量部当り、例えば、0.01〜1.0質量部、特に約0.03質量部程度を使用することが好ましい。
ガスバリア性組成物において用いられる酸としては、例えば、硫酸、塩酸、硝酸などの鉱酸、ならびに、酢酸、酒石酸な等の有機酸、その他を使用することができる。酸の使用量は、アルコキシドおよびシランカップリング剤のアルコキシシラン分(例えば、シリケート部分)の総モル量に対して、好ましくは0.001〜0.05モルであり、より好ましくは0.01〜0.03モルである。
また有機溶媒としては、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール等を用いることができる。
また有機溶媒としては、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール等を用いることができる。
シランカップリング剤としては、既知の有機反応性基含有オルガノアルコキシシランを用いることができるが、特に、エポキシ基を有するオルガノアルコキシシランが好適であり、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピル
メチルジエトキシシラン、あるいは、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等を使用することができる。上記のようなシランカップリング剤は、1種ないし2種以上を混合して用いてもよい。本発明において、上記のようなシランカップリング剤の使用量は、上記のアルコキシド100質量部に対して1〜20質量部程度の範囲内で使用することができる。
メチルジエトキシシラン、あるいは、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等を使用することができる。上記のようなシランカップリング剤は、1種ないし2種以上を混合して用いてもよい。本発明において、上記のようなシランカップリング剤の使用量は、上記のアルコキシド100質量部に対して1〜20質量部程度の範囲内で使用することができる。
ガスバリア性組成物中の水溶性高分子の含有量は、上記のアルコキシドの合計量100重量部に対して5〜500重量部の範囲であることが好ましい。上記において、500重量部を越えると、形成されるガスバリア性塗布膜の脆性が大きくなり、その耐侯性等も低下することから好ましくない。
ガスバリア性塗布膜の形成方法の具体例について以下に説明する。
まず、アルコキシド、ポリビニルアルコール系樹脂及び/又はエチレン・ビニルアルコール共重合体、ゾルゲル法触媒、水、有機溶媒、および、必要に応じてシランカップリング剤等を混合してガスバリア性塗工液を調製する。ガスバリア性塗工液中では次第に重縮合反応が進行する。
まず、アルコキシド、ポリビニルアルコール系樹脂及び/又はエチレン・ビニルアルコール共重合体、ゾルゲル法触媒、水、有機溶媒、および、必要に応じてシランカップリング剤等を混合してガスバリア性塗工液を調製する。ガスバリア性塗工液中では次第に重縮合反応が進行する。
次いで、蒸着膜の上に、常法により、上記のガスバリア性塗工液を通常の方法で塗布し、乾燥する。乾燥により、上記アルコキシドおよびビニルアルコールポリマー(およびシランカップリング剤)の重縮合がさらに進行し、複合ポリマーの層が形成される。好適には、上記の操作を繰り返して、複数の複合ポリマー層を積層することもできる。
最後に、上記塗工液を塗布した積層体を20〜250℃、好ましくは50〜220℃の温度で、1秒〜10分間加熱する。これにより、蒸着膜上にガスバリア性塗布膜を形成することができる。
ガスバリア性塗布膜は、1層または2層以上を重層した複合ポリマー層であってよい。また、その厚さは、乾燥膜厚が0.01〜100μm、好ましくは0.01〜50μmであってよい。乾燥後の厚さが100μm以下であれば、クラックの発生を抑制することができる。
また、本発明の態様においては、蒸着膜上にガスバリア性塗布膜を設けた後、さらに蒸着膜を設け、その蒸着膜上にガスバリア性塗布膜を上記と同様にして形成してもよい。このように積層数を増やすことにより、より一層ガスバリア性に優れる積層体を実現できる。
C.接着層
本発明において、バリア層とシーラント層との間に位置する接着層は、耐アルコール性を有し、且つ、アルケン−(メタ)アクリル酸エステル−不飽和カルボン酸の三元共重合体およびアルケン−不飽和カルボン酸の二元共重合体の少なくとも1種を含む本発明の接着性樹脂組成物からなる。
本発明において、バリア層とシーラント層との間に位置する接着層は、耐アルコール性を有し、且つ、アルケン−(メタ)アクリル酸エステル−不飽和カルボン酸の三元共重合体およびアルケン−不飽和カルボン酸の二元共重合体の少なくとも1種を含む本発明の接着性樹脂組成物からなる。
また、バリア層とシーラント層との間に、補強層等のさらなる層を有する場合は、該さらなる層との接着に際しても、上記本発明の接着性樹脂組成物を用いることが好ましい。すなわち、バリア層とシーラント層との間に位置する全ての接着層が、上記本発明の接着性樹脂組成物からなることが好ましい。
本発明の接着性樹脂組成物は、カルボキシル基等の官能基を有することにより、バリア層およびシーラント層の表面と反応基と化学的に結合し、層間のラミネート強度を向上させることができる。このため、通常の溶融押出の際に使用されるアンカーコート剤を使用
する必要がなく、極めて高い層間接着強度を達成することができる。また、本発明の接着性樹脂組成物は、有機溶媒を含有しない。したがって、本願発明は、アンカーコート剤や樹脂組成物中に含まれる有機溶媒に由来する、残留溶媒や低分子量物質の溶出に関する懸念がない。また、接着層の経時劣化によるラミネート強度の低下という問題がなく、多種多様な用途に適用することができる。特に、本発明の接着性樹脂組成物は耐アルコール性に優れ、内容物中のアルコール成分がシーラント層に浸透しても、接着層が浸食されず、高いラミネート強度を長期にわたって維持することができる。
する必要がなく、極めて高い層間接着強度を達成することができる。また、本発明の接着性樹脂組成物は、有機溶媒を含有しない。したがって、本願発明は、アンカーコート剤や樹脂組成物中に含まれる有機溶媒に由来する、残留溶媒や低分子量物質の溶出に関する懸念がない。また、接着層の経時劣化によるラミネート強度の低下という問題がなく、多種多様な用途に適用することができる。特に、本発明の接着性樹脂組成物は耐アルコール性に優れ、内容物中のアルコール成分がシーラント層に浸透しても、接着層が浸食されず、高いラミネート強度を長期にわたって維持することができる。
本発明の接着性樹脂組成物は、アルケン−(メタ)アクリル酸エステル−不飽和カルボン酸の三元共重合体のみからなるものであってよい。
別の態様において、本発明の接着性樹脂組成物は、アルケン−不飽和カルボン酸の二元共重合体のみからなるものであってよい。
また別の態様において、本発明の接着性樹脂組成物は、上記三元共重合体と二元共重合体との任意の混合比からなるブレンド樹脂であってよい。
別の態様において、本発明の接着性樹脂組成物は、アルケン−不飽和カルボン酸の二元共重合体のみからなるものであってよい。
また別の態様において、本発明の接着性樹脂組成物は、上記三元共重合体と二元共重合体との任意の混合比からなるブレンド樹脂であってよい。
さらに別の態様において、本発明の接着性樹脂組成物は、上記三元共重合体および/または二元共重合体に加えてさらに、所望に応じて、ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等の改質用樹脂等を含むことができる。
なお、本発明の接着性樹脂組成物は、例えば、加工性、耐熱性、耐候性、機械的性質、寸法安定性、抗酸化性、滑り性、離形性、難燃性、抗カビ性、電気的特性、強度等を改良、改質する目的で、種々のプラスチック配合剤や添加剤等を添加することができ、その添加量としては、極く微量から数十%まで、その目的に応じて、任意に添加することができる。一般的な添加剤としては、例えば、滑剤、架橋剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、充填剤、補強剤、帯電防止剤、顔料等を使用することができる。
上記三元共重合体および二元共重合体の製造において、コモノマーとなるアルケンとしては、エチレン、プロピレン、ブテン、イソブテン、ペンテン、ヘキセン等が挙げられ、特に、エチレンおよびプロピレン等のαオレフィンが好適に使用される。
また、コモノマーとなる(メタ)アクリル酸エステルとしては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸tert−ブチル、(メタ)アクリル酸エチル−2−ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル等が挙げられ、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチルが好ましく、より好ましくはアクリル酸メチルである。
また、コモノマーとなる不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸、これらの誘導体、例えば、これらの酸無水物、エステル、アミド、イミド等、例えば、マレイン酸モノメチル、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、無水イタコン酸等が挙げられる。特に、不飽和ジカルボン酸、無水マレイン酸等を好適に使用することができる。これらは1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
本発明の三元共重合体は、上記アルケン、(メタ)アクリル酸エステル、および不飽和カルボン酸がグラフト重合または三元共重合されているものである。三元共重合体は、本発明の目的を損なわない範囲で、上記以外のコモノマーを含んでいてもよい。例えば、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル−無水マレイン酸の三元共重合体樹脂を好適に使用することができる。
本発明の二元共重合体は、上記アルケンおよび不飽和カルボン酸がグラフト重合されているものである。上記アルケンからなるポリマー、例えば、エチレン・αオレフィン共重合体やポリプロピレン等に、上記不飽和カルボン酸またはその誘導体がグラフト重合した二元共重合体を、特に好適に使用することができる。
本発明において、重合反応は、原料となるコモノマーを用いて、種々の慣用の方法により製造することができる。
本発明において、重合反応は、原料となるコモノマーを用いて、種々の慣用の方法により製造することができる。
例えば、アルケンからなるポリマーに、不飽和カルボン酸、及び必要により有機過酸化物、ラジカル開始剤を所定の配合比でヘンシェルミキサーなどでドライブレンドし、この配合物を、系内を窒素ガス置換された混練機、例えば、バンバリーミキサー、ダブリュスクリューミキサー等に投入し、120〜300℃の温度で、0.1〜30分溶融混練することにより得られる。グラフト反応時には、慣用のラジカル発生剤を添加することにより、反応を効率よく行わせることができる。
ラジカル発生剤としては、特に限定されないが、例えば、ジイソプロピルベンゼンヒドロパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ヒドロパーオキシ)ヘキサン等のヒドロパーオキサイド類;ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン等のジアルキルパーオキサイド類;ベンゾイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド類等の有機過酸化物、またはアゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物などが挙げられる。これらのラジカル発生剤は、1種類のみを単体として用いてもよく、また2種類以上を混合して用いてもよい。ラジカル発生剤の添加量としては、上記コモノマー成分の合計量100質量部に対して、0.001〜5質量部の範囲が好ましい。
本発明の一態様において、本発明の接着性樹脂組成物が、上記三元共重合体のみからなるかまたは上記三元共重合体を含む場合、特に、吸湿性を抑えて良好なハンドリングを得るために、各成分の好適な配合比としては、接着性樹脂組成物の全質量に対して、(メタ)アクリル酸エステル由来成分(残基)が5〜40質量%であることが好ましく、より好ましくは10〜30質量%である。
また、不飽和カルボン酸由来成分(残基)が0.05〜3.0質量%、より好ましくは0.05質量%〜1.0質量%未満含まれているものであり、残りがアルケン由来成分(残基)、改質用樹脂、および添加剤等となっているものである。
本発明の三元共重合体を含む接着性樹脂組成物における不飽和カルボン酸成分量が上記範囲より多いと、積層体の酸含有量が多くなるため、吸湿性が高くなり、共押出し時に発泡する可能性がある。また、接着層から不飽和カルボン酸の残留モノマーが溶出するため、衛生性が懸念される。
また、不飽和カルボン酸成分量が少なすぎると、バリア層や補強層を構成する樹脂フィルムとの化学的相互作用が発生しにくくなるため、層間接着強度の低下を引き起こし得る。
また、不飽和カルボン酸成分量が少なすぎると、バリア層や補強層を構成する樹脂フィルムとの化学的相互作用が発生しにくくなるため、層間接着強度の低下を引き起こし得る。
(メタ)アクリル酸エステル由来成分の含有量が上記範囲より多い場合は、樹脂自体が液状化しやすく、ハンドリングが悪くなる。また、(メタ)アクリル酸エステル由来成分の含有量が上記範囲より少ない場合は、アクリレートの反応による接着が発生しにくくなる。
上記の、三元共重合体を含む場合に関する態様において、三元共重合体に加えてさらに、本発明の接着性樹脂組成物は、不飽和カルボン酸由来成分の割合が上記に規定される濃
度となる範囲で、具体的には0〜90質量%の範囲で、好ましくは60質量%までの範囲で、アルケン−(メタ)アクリル酸エステルまたはアルケン−不飽和カルボン酸の二元共重合体を含むことができる。二元共重合体を添加することにより、比較的高価な三元共重合体樹脂を削減することができ、かつコモノマーを添加することにより、加工性を向上させることができる。
度となる範囲で、具体的には0〜90質量%の範囲で、好ましくは60質量%までの範囲で、アルケン−(メタ)アクリル酸エステルまたはアルケン−不飽和カルボン酸の二元共重合体を含むことができる。二元共重合体を添加することにより、比較的高価な三元共重合体樹脂を削減することができ、かつコモノマーを添加することにより、加工性を向上させることができる。
本発明の別の態様において、本発明の接着性樹脂組成物が、三元共重合体を有意な量で含まず、主に二元共重合体からなる場合、各成分の好適な配合比としては、接着性樹脂組成物の全質量に対して、不飽和カルボン酸由来成分(残基)が0.01〜25質量%、より好ましくは0.05〜15質量%含まれているものであり、残りが全てアルケン由来成分(残基)、改質用樹脂、および添加剤等となっているものである。
本発明の接着性樹脂組成物における不飽和カルボン酸成分量が上記範囲より少ないと、バリア層およびシーラント層との強固な接着界面を得ることができず、耐熱性も得られない。また、25.0質量%を超えると、重合時に望まない架橋が形成され、成形性が悪くなる。
本発明の接着性樹脂組成物のMFRは、190℃において3〜100g/10minであることが好ましく、より好ましくは5〜20g/10minである。MFRが上記範囲外では、押出が困難になる問題がある。
また、接着性樹脂組成物からなる接着層の厚みは、0.1〜200μmであることが好ましく、より好ましくは1〜100μmである。上記、範囲以下の膜厚では容易に押し出すことが困難であり、かつ接着力が発揮されない。範囲以上の膜厚である場合は、接着強度などの問題は解決されるが過剰に樹脂を使用することによる包材コストの上昇をまねく。
本発明の接着性樹脂組成物からなる接着層の接着機構としては、接着性樹脂組成物の柔軟性で接着する機構、樹脂との相溶化で接着する機構、相手基材表面と不飽和カルボン酸との化学的相互作用で接着する機構、相手基材表面に対する不飽和カルボン酸とアクリレートの化学的相互作用により接着する機構、及び、高温で押出することによるラジカル発生により接着する機構がある。
本発明の接着性樹脂組成物からなる接着層は、必ずしも一つの接着機構で接着しているわけではなく、上記反応を少なくとも2つ以上利用して接着をしている。
本発明の接着性樹脂組成物からなる接着層は、必ずしも一つの接着機構で接着しているわけではなく、上記反応を少なくとも2つ以上利用して接着をしている。
D.シーラント層
本発明のシーラント層は、熱によって溶融し相互に融着し得るヒートシール性樹脂からなる層である。
本発明において好適に使用されるヒートシール性樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン−(メタ)アクリル酸エチル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、メチルペンテンポリマー、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂をアクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、フマル酸その他等の不飽和カルボン酸で変性したポリオレフィン系樹脂、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル−不飽和カルボン酸の三元共重合体樹脂、環状ポリオレフィン樹脂、環状オレフィンコポリマー、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアクリロニトリル(PAN)等の1種ないしそれ以上からなる樹脂を挙げることができる。これらの樹脂からなるフィルムないしシートを使用し、所望に応じて、その表面にコロナ処理、フレーム処理、オゾン処理等を施してもよい。
本発明のシーラント層は、熱によって溶融し相互に融着し得るヒートシール性樹脂からなる層である。
本発明において好適に使用されるヒートシール性樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン−(メタ)アクリル酸エチル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、メチルペンテンポリマー、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂をアクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、フマル酸その他等の不飽和カルボン酸で変性したポリオレフィン系樹脂、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル−不飽和カルボン酸の三元共重合体樹脂、環状ポリオレフィン樹脂、環状オレフィンコポリマー、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアクリロニトリル(PAN)等の1種ないしそれ以上からなる樹脂を挙げることができる。これらの樹脂からなるフィルムないしシートを使用し、所望に応じて、その表面にコロナ処理、フレーム処理、オゾン処理等を施してもよい。
また、ヒートシール性樹脂層の厚みは特に限定されないが、好ましくは5〜500μm、より好ましくは10〜250μmである。5μmより薄いと、ヒートシールしても充分なラミネート強度が得られず、包装容器として機能しない。500μmより厚いと、コスト高になるとともに、フィルムが硬くなり作業性が悪くなる。
E.中間層および補強層
本発明の積層体において、基材層とバリア層との間に、所望に応じて中間層を設けることができる。
同様に、バリア層とシーラント層との間に、所望に応じて補強層を設けることができる。
本発明の積層体において、基材層とバリア層との間に、所望に応じて中間層を設けることができる。
同様に、バリア層とシーラント層との間に、所望に応じて補強層を設けることができる。
中間層および補強層は、所望の物理的および化学的特性を付与する任意の機能層であってよい。例えば、積層体の柔軟性、強靭性、屈曲性および耐突き刺し性を向上させるために、2軸延伸ナイロンフィルムやポリアミド系樹脂からなる層を中間層または補強層として設けることができる。ここで好適に使用されるポリアミド系樹脂としては、メタキシリデンジアジパミド(MXD−6)系ナイロン、6−ナイロン、6,6−ナイロン等が挙げられる。
中間層は、バリア性をさらに高めるために、バリア性を有する層、例えば、蒸着フィルムまたは金属箔等であってもよい。
中間層は、バリア性をさらに高めるために、バリア性を有する層、例えば、蒸着フィルムまたは金属箔等であってもよい。
F.積層
上記基材層、(中間層、)バリア層、(補強層、)シーラント層を積層することにより、本発明の積層体が得られる。
基材層、中間層およびバリア層の間は、慣用の接着性樹脂等を用いて、任意の方法で積層することができる。所望に応じて、本発明の接着性樹脂組成物を介して、サンドイッチラミネートすることにより積層されてもよい。また、基材層のバリア層と反対側の面上に、さらなる層を積層してもよい。
上記基材層、(中間層、)バリア層、(補強層、)シーラント層を積層することにより、本発明の積層体が得られる。
基材層、中間層およびバリア層の間は、慣用の接着性樹脂等を用いて、任意の方法で積層することができる。所望に応じて、本発明の接着性樹脂組成物を介して、サンドイッチラミネートすることにより積層されてもよい。また、基材層のバリア層と反対側の面上に、さらなる層を積層してもよい。
一方、バリア層とシーラント層は、本発明の接着性樹脂組成物を介して、サンドイッチラミネートすることにより積層される。同様に、補強層を設ける場合は、バリア層と補強層との間および補強層とシーラント層との間は、本発明の接着性樹脂組成物を介して、サンドイッチラミネートすることにより積層される。
本発明の接着性樹脂組成物を介するサンドイッチラミネートは、ラミネートするフィルムのそれぞれを一定速度で繰り出し、繰り出されるフィルムの間に、加熱溶融された本発明の接着性樹脂組成物を薄膜状に押し出して、冷却ロールや圧着ロール等を用いてフィルムを貼り合わせることにより行われる。
本発明の接着性樹脂組成物は、フィルムの積層面に対して高い結合力を発揮するため、積層面に予めアンカーコート剤を塗布する必要がない。必要に応じて、フィルムの積層面に予め表面処理、例えば、コロナ処理等を施してもよい。
本発明の接着性樹脂組成物の押出温度は、280〜330℃、より好ましくは290〜320℃の範囲である。樹脂温度が280℃以下であると、接着層においてラジカルの発生が起きづらく、バリア層、補強層およびシーラント層との十分な層間接着強度が発揮されない。また、330℃以上であると、三元共重合体および二元共重合体の熱分解が発生してくるために、十分な層間接着強度が得られないため好ましくない。
G.包装袋
本発明の積層体を、シーラント層が最内層となるように折り曲げるかあるいは重ね合わせて、その周辺端部を、例えば、側面シール型、二方シール型、三方シール型、四方シール型、封筒貼りシール型、合掌貼りシール型(ピローシール型)、ひだ付シール型、平底シール型、角底シール型、ガゼット型等のヒートシール形態によりヒートシールして、種々の形態の包装袋を製造することができる。特に、本発明の積層体は、高い層間接着強度を有し、さらに優れた耐内容物性、特に耐アルコール性を示し、長期にわたって層間剥離の発生が防がれるため、使用フィルム面積に対して内容量が大きい重量袋や詰め替え用スタンドパウチ等の自立性袋として、好適に使用することができる。
本発明の積層体を、シーラント層が最内層となるように折り曲げるかあるいは重ね合わせて、その周辺端部を、例えば、側面シール型、二方シール型、三方シール型、四方シール型、封筒貼りシール型、合掌貼りシール型(ピローシール型)、ひだ付シール型、平底シール型、角底シール型、ガゼット型等のヒートシール形態によりヒートシールして、種々の形態の包装袋を製造することができる。特に、本発明の積層体は、高い層間接着強度を有し、さらに優れた耐内容物性、特に耐アルコール性を示し、長期にわたって層間剥離の発生が防がれるため、使用フィルム面積に対して内容量が大きい重量袋や詰め替え用スタンドパウチ等の自立性袋として、好適に使用することができる。
スタンドパウチの製造方法としては、袋の胴部、すなわち側面を形成する胴材用積層体、及び底部を形成する底材用積層体として本発明の積層体を使用し、これらのシーラント層の面同士を対向させて配置し、スタンドパウチ型にヒートシールすることによって得られる。
また、胴材用積層体として本発明の積層体を使用し、底材用積層体としては別の積層体を用いることもできる。
また、胴材用積層体として本発明の積層体を使用し、底材用積層体としては別の積層体を用いることもできる。
スタンドパウチのより具体的な製造方法としては、例えば、胴材用積層体2枚を用意し、そのシーラント層の面同士を対向させて配置する。次いで、これらの下端部に、シーラント面を外側に向けて中央で山折りにした底材用積層体を挿入し、ガゼット部を設けて周縁部をヒートシールする。ガゼット部を舟底シール型にヒートシールすることにより、自立性の底部を形成することができる。また、注出口部を形成するヒートシール部、及びその両側を切り欠くための打ち抜き部を備えた製袋機を使用して、パウチ上部のコーナー部分に注出口部を設けてもよい。
内容物を充填して包装体を製造するには、シールせずに残しておいた充填口から内容物を充填した後、充填口を、例えば、脱気シール等によりヒートシールして密封する。
上記において、ヒートシールの方法としては、例えば、バーシール、回転ロールシール、ベルトシール、インパルスシール、高周波シール、超音波シール等の公知の方法で行うことができる。
上記において、ヒートシールの方法としては、例えば、バーシール、回転ロールシール、ベルトシール、インパルスシール、高周波シール、超音波シール等の公知の方法で行うことができる。
本発明の積層体は、長期保存中に接着層がアルコール等の内容物の浸食を受けて、層間剥離が生じるといった問題がない。また、分解物や未反応モノマー等の低分子量物質が溶出するという問題がない。そのため、本発明の積層体は、食品、医薬品、化粧品やトイレタリー業界等の種々の包装袋として利用することができる。
次に本発明について、実施例を挙げて具体的に説明する。
次に本発明について、実施例を挙げて具体的に説明する。
[実施例1]
基材層として厚さ12μmの2軸延伸PETフィルム(東洋紡(株)製T−4102)を使用し、そのコロナ処理面に、2液硬化型ウレタン接着剤(主剤RU−40/硬化剤H4 ロックペイント(株))を介して、二軸延伸ナイロン(ONY)フィルム(ユニチカ(株)製ONBRT)をドライラミネートし、さらに、そのONYフィルムの面上に、2液硬化型ウレタン接着剤(主剤RU−40/硬化剤H4 ロックペイント(株))を介して、厚さ7μmのアルミニウム箔(1N30、東洋アルミ(株))をドライラミネートして、積層フィルムを得た。
基材層として厚さ12μmの2軸延伸PETフィルム(東洋紡(株)製T−4102)を使用し、そのコロナ処理面に、2液硬化型ウレタン接着剤(主剤RU−40/硬化剤H4 ロックペイント(株))を介して、二軸延伸ナイロン(ONY)フィルム(ユニチカ(株)製ONBRT)をドライラミネートし、さらに、そのONYフィルムの面上に、2液硬化型ウレタン接着剤(主剤RU−40/硬化剤H4 ロックペイント(株))を介して、厚さ7μmのアルミニウム箔(1N30、東洋アルミ(株))をドライラミネートして、積層フィルムを得た。
上記で得られた積層フィルムと、厚さ100μmのポリエチレンフィルム(PEF)(東洋紡(株)製L−4102)とを、押出ラミネート機にセットし、Tダイスから、エチレン−アクリル酸メチル−マレイン酸三元共重合体からなる接着性樹脂組成物(アルケマ(株)製Lotader(R)4503、無水マレイン酸成分量:0.3質量%、アクリル酸メチル
成分量:19質量%)を310℃で厚さ10μmとなるように溶融押出し、上記積層フィルムのアルミニウム箔の面(オゾン処理を施した)と、PEFとをサンドイッチラミネートし、55℃で3日間エージングして本発明の積層体を得た。
上記で得られた本発明の積層体を胴材用および底材用積層体として用いて、180mm×240mmのスタンドパウチを製造した。
成分量:19質量%)を310℃で厚さ10μmとなるように溶融押出し、上記積層フィルムのアルミニウム箔の面(オゾン処理を施した)と、PEFとをサンドイッチラミネートし、55℃で3日間エージングして本発明の積層体を得た。
上記で得られた本発明の積層体を胴材用および底材用積層体として用いて、180mm×240mmのスタンドパウチを製造した。
[実施例2]
三元共重合体からなる接着性樹脂組成物の代わりに、ポリオレフィン系樹脂にマレイン酸をグラフト重合した二元共重合体からなる接着性樹脂組成物(三井化学(株)製アドマー(R)SF731)を使用した以外は、実施例1と同様にして、本発明の積層体およびスタンドパウチを製造した。
三元共重合体からなる接着性樹脂組成物の代わりに、ポリオレフィン系樹脂にマレイン酸をグラフト重合した二元共重合体からなる接着性樹脂組成物(三井化学(株)製アドマー(R)SF731)を使用した以外は、実施例1と同様にして、本発明の積層体およびスタンドパウチを製造した。
[実施例3]
三元共重合体からなる接着性樹脂の代わりに、エチレン−アクリル酸メチル−マレイン酸三元共重合体からなる接着性樹脂(アルケマ(株)製Lotader(R)4503)とポリオレフィン系樹脂にマレイン酸をグラフト重合した二元共重合体からなる接着性樹脂(アドマー(R)SF731、三井化学(株))とを1:1の混合比でブレンドした接着性樹脂組成物を使用した以外は、実施例1と同様にして、本発明の積層体およびスタンドパウチを製造した。
三元共重合体からなる接着性樹脂の代わりに、エチレン−アクリル酸メチル−マレイン酸三元共重合体からなる接着性樹脂(アルケマ(株)製Lotader(R)4503)とポリオレフィン系樹脂にマレイン酸をグラフト重合した二元共重合体からなる接着性樹脂(アドマー(R)SF731、三井化学(株))とを1:1の混合比でブレンドした接着性樹脂組成物を使用した以外は、実施例1と同様にして、本発明の積層体およびスタンドパウチを製造した。
[比較例1]
実施例1と同様にして、積層体およびスタンドパウチを製造した。ただし、三元共重合体からなる接着性樹脂を用いてサンドイッチラミネートする代わりに、2液硬化型ウレタン接着剤を使用して、ドライラミネートにより、積層フィルムのアルミニウム箔の面とPEFとを貼り合わせた。
実施例1と同様にして、積層体およびスタンドパウチを製造した。ただし、三元共重合体からなる接着性樹脂を用いてサンドイッチラミネートする代わりに、2液硬化型ウレタン接着剤を使用して、ドライラミネートにより、積層フィルムのアルミニウム箔の面とPEFとを貼り合わせた。
[耐アルコール性評価]
(層間接着強度試験)
実施例1〜3および比較例1の積層体を、幅15mmの短冊状に切り出し、JISK6854に従って、テンシロン引張試験機を用いて、アルミニウム箔とPEFとの接着部を、25℃雰囲気下、引張速度を50mm/分として90度方向に剥がし、層間接着強度(初期)を測定した。
(層間接着強度試験)
実施例1〜3および比較例1の積層体を、幅15mmの短冊状に切り出し、JISK6854に従って、テンシロン引張試験機を用いて、アルミニウム箔とPEFとの接着部を、25℃雰囲気下、引張速度を50mm/分として90度方向に剥がし、層間接着強度(初期)を測定した。
また、実施例1〜3および比較例1のスタンドパウチを70%エタノールで充填し、密封後、60℃、30日間保存した。保存後のパウチを、幅15mmの短冊状に切り出し、上記と同様にして、アルミニウム箔とPEFとの接着部における層間接着強度(保存30日後)を測定した。
30日間保存した後の層間接着強度が、3N/15mm幅以上であれば、実用的に十分な耐久性があり、層間剥離を生じず、すなわち耐アルコール性であるものと判定した。結果を表1に示す。表中の○は、耐アルコール性良好を意味し、×は、耐アルコール性不良を意味する。
(落下試験)
実施例1〜3および比較例1のスタンドパウチに、水500mlを充填し、密封後、高さ120cmから、床と水平に(胴部が床に当たるように)30回、およびさらに床と垂直に(底部が床に当たるように)30回落下させて、破袋の有無を確認した。
実施例1〜3および比較例1のスタンドパウチに、水500mlを充填し、密封後、高さ120cmから、床と水平に(胴部が床に当たるように)30回、およびさらに床と垂直に(底部が床に当たるように)30回落下させて、破袋の有無を確認した。
また、実施例1〜3および比較例1のスタンドパウチに、70%エタノール500mlを充填し、密封後、60℃、30日間保存した。保存後のパウチについて、上記と同様に
落下試験を行い、破袋の有無を確認した。
結果を表2に示す。表中の○は破袋が無いことを意味し、×は破袋があったことを意味する。
落下試験を行い、破袋の有無を確認した。
結果を表2に示す。表中の○は破袋が無いことを意味し、×は破袋があったことを意味する。
(耐圧試験)
実施例1〜3および比較例1のスタンドパウチに、水500mlを充填し、密封後、100kg×1分間圧力を加え、破袋の有無を確認した。
また、実施例1〜3および比較例1のスタンドパウチに、70%エタノール500mlを充填し、密封後、上記と同様にして圧力を加え、破袋の有無を確認した。
結果を表2に示す。表中の○は破袋が無いことを意味し、×は破袋があったことを意味する。
実施例1〜3および比較例1のスタンドパウチに、水500mlを充填し、密封後、100kg×1分間圧力を加え、破袋の有無を確認した。
また、実施例1〜3および比較例1のスタンドパウチに、70%エタノール500mlを充填し、密封後、上記と同様にして圧力を加え、破袋の有無を確認した。
結果を表2に示す。表中の○は破袋が無いことを意味し、×は破袋があったことを意味する。
表1に示すとおり、実施例1〜3の積層体は、エタノールを充填して保存後も、十分に高い層間接着強度を維持しており、耐アルコール性に優れたものであった。これに対し、比較例1の積層体は、エタノールを充填して保存中に、エタノールがアルミニウム箔とPEFとの間の接着部に溜まり、接着剤が劣化し、30日後には層間接着強度が大幅に低下した。
また、表2に示すとおり、実施例1〜3のスタンドパウチは、エタノールを充填して保存後も、落下衝撃に強く、耐圧性に優れるものであった。これに対し、比較例1の積層体は、アルミニウム箔とPEFとの間の接着部の劣化に伴い、落下衝撃により破袋が生じ、また耐圧性も低下した。
1.基材層
2、2a、2b.任意の接着剤からなる接着層
3.バリア層
4、4a、4b.本発明の接着性樹脂組成物からなる接着層
5.シーラント層
6.中間層
7.補強層
2、2a、2b.任意の接着剤からなる接着層
3.バリア層
4、4a、4b.本発明の接着性樹脂組成物からなる接着層
5.シーラント層
6.中間層
7.補強層
Claims (6)
- 少なくとも、基材層、バリア層、接着層およびシーラント層を有する積層体であって、
該バリア層と該シーラント層との間に位置する接着層は、耐アルコール性を有し、且つ、アルケン−(メタ)アクリル酸エステル−不飽和カルボン酸の三元共重合体およびアルケン−不飽和カルボン酸の二元共重合体の少なくとも1種を含む接着性樹脂組成物からなることを特徴とする、上記積層体。 - 前記基材層と前記バリア層との間に、さらに中間層を有することを特徴とする、請求項1に記載の積層体。
- 前記バリア層と前記シーラント層との間の任意の位置に、さらに補強層を有し、
該バリア層と該シーラント層との間に位置する全ての接着層が、耐アルコール性を有し、且つ、アルケン−(メタ)アクリル酸エステル−不飽和カルボン酸の三元共重合体およびアルケン−不飽和カルボン酸の二元共重合体の少なくとも1種を含む接着性樹脂組成物からなることを特徴とする、請求項1または2に記載の積層体。 - 前記接着性樹脂組成物における不飽和カルボン酸成分量が、0.05質量%以上1.0質量%未満であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の積層体。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の積層体からなる、耐アルコール性自立性袋。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の積層体の製造方法であって、バリア層とシーラント層とを、または、バリア層と補強層および補強層とシーラント層とを、アルケン−(メタ)アクリル酸エステル−不飽和カルボン酸の三元共重合体およびアルケン−不飽和カルボン酸の二元共重合体の少なくとも1種を含む接着性樹脂組成物を介して、サンドイッチラミネートすることを特徴とする、上記製造方法。
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-
2014
- 2014-07-25 JP JP2014151455A patent/JP2016028856A/ja active Pending
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