JP2016024006A - 測色用チャート、測色方法、測色装置及び記録装置 - Google Patents

測色用チャート、測色方法、測色装置及び記録装置 Download PDF

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Abstract

【課題】測色用チャートの搬送誤差に起因する測色エラーの発生を抑制することができる測色用チャート、測色方法、測色装置及び記録装置を提供する。
【解決手段】搬送方向Yへの搬送と、搬送方向Yと交差する走査方向Xへの測色と、が交互に行われる測色用チャート62は、走査方向Xに並ぶ複数のパッチ63を有するパッチ列Rnを一行とするときに、搬送方向Yに並ぶ複数行のパッチ列Rnを有するチェックパターン61と、パッチ列Rnの走査方向Xにおける端部位置を示す端部マーク65と、を備える。搬送方向Yにおいて、端部マーク65の長さはパッチ列Rnの長さよりも短く、第1の端部マーク65Fの中心は搬送方向Yに隣り合う二行のパッチ列Rn1,Rn2のうちの一方であるパッチ列Rn1の中心に対して搬送方向Yの上流にずれており、第2の端部マーク65Sの中心は他方のパッチ列Rnの中心に対して搬送方向Yの下流にずれている。
【選択図】図2

Description

本発明は、測色用チャート、測色方法、測色装置及び記録装置に関する。
記録装置の一例として、用紙などの記録媒体に測色のためのチェックパターンを記録することで測色用のチャートを形成する記録部と、チャートを搬送する搬送ローラーと、チャートの測色を行う測色部と、を備えるインクジェット式のプリンターがある。こうしたプリンターにおいては、チェックパターンと搬送方向に並ぶ位置に位置検出パターンを記録し、この位置検出パターンを測色部が検出することによって搬送方向におけるチェックパターンの位置を検知し、チャートの搬送を行うことがある(例えば、特許文献1)。
また、こうしたチャートのスキャン方向の両端に位置判定パッチを設け、この位置判定パッチを測色部が検知することによって、測色の開始位置と終了位置とを判定することがある(例えば、特許文献2)。
特開2011−26045号公報 特開2013−241003号公報
ところで、チャートの測色を行う場合には、チャートの搬送方向への搬送と、搬送方向と交差するスキャン方向(走査方向)への測色センサーによるスキャン(測色)とが交互に行われる。そのため、チャートの搬送量に誤差があると、測色センサーの検出位置が対象となるパッチから搬送方向にずれて、誤った測色値を取得してしまうなどの測色エラーが発生してしまう、という課題がある。
なお、このような課題は、測色部を備えるプリンターに限らず、測色に用いられる測色用チャート、測色方法、測色装置及び記録装置においては、概ね共通したものとなっている。
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、測色用チャートの搬送誤差に起因する測色エラーの発生を抑制することができる測色用チャート、測色方法、測色装置及び記録装置を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
上記課題を解決する測色用チャートは、搬送方向への搬送と、前記搬送方向と交差する走査方向への測色と、が交互に行われる測色用チャートであって、前記走査方向に並ぶ複数のパッチを有するパッチ列を一行とするときに、前記搬送方向に並ぶ複数行の前記パッチ列を有するチェックパターンと、前記パッチ列の前記走査方向における端部位置を示す端部マークと、を備え、前記搬送方向において、前記端部マークの長さは前記パッチ列の長さよりも短く、前記搬送方向に隣り合う二行の前記パッチ列のうち、一方のパッチ列に設けられた前記端部マークを第1の端部マークとし、前記二行のパッチ列のうち他方のパッチ列に設けられた前記端部マークを第2の端部マークとすると、前記搬送方向において、前記第1の端部マークの中心は前記一方のパッチ列の中心に対して前記搬送方向の上流にずれており、前記第2の端部マークの中心は前記他方のパッチ列の中心に対して前記搬送方向の下流にずれている。
この構成によれば、測色用チャートの搬送量が不足している場合には、走査方向への測色時に、パッチ列の中心に対して搬送方向の上流にずれた端部マークが検出されなくなる。また、測色用チャートの搬送量が過多である場合には、走査方向への測色時に、パッチ列の中心に対して搬送方向の下流にずれた端部マークが検出されなくなる。したがって、測色用チャートの搬送後に端部マークが検出されない場合には、測色用チャートの位置を調整することによって、パッチ列の中心を検出位置に近づけることが可能になる。そして、このように測色用チャートの位置を調整することによって、測色用チャートの搬送誤差に起因する測色エラーの発生を抑制することができる。
上記測色用チャートでは、前記搬送方向において、前記端部マークは前記パッチ列の端部位置から離れている。
搬送方向において端部マークがパッチ列の端部位置まで延びていると、端部マークの検出に基づいて測色を行う結果、検出対象となるパッチ列の近くに隣のパッチ列が存在することがある。そして、隣のパッチ列に近い位置で測色を行うと、その隣のパッチ列の影響を受けて測色値に誤差が含まれるおそれがある。その点、上記構成によれば、搬送方向において、端部マークはパッチ列の端部位置から離れているので、第1の端部マークと第2の端部マークとがパッチ列の中心から互いに近づく方向にずれていたとしても、両端部マークの間には隙間が生じる。したがって、端部マークの検出に基づいて測色を開始すれば、搬送方向に並ぶ隣のパッチ列から離れた位置で測色を行うことができる。これにより、搬送方向に隣り合うパッチ列の影響を受けることによる測色値の誤差を低減することができる。
上記測色用チャートにおいて、前記第1の端部マークと前記第2の端部マークは、前記搬送方向に隣り合う前記二行のパッチ列の境界線が対象軸となるように線対称をなす。
この構成によれば、搬送量の不足による測色用チャートの位置のずれと、搬送量の過多による測色用チャートの位置のずれとを、同程度の精度で検知することができる。
上記測色用チャートにおいて、前記第1の端部マークは奇数行の前記パッチ列に設けられ、前記第2の端部マークは偶数行の前記パッチ列に設けられる。
この構成によれば、奇数行のパッチ列に設けられた第1の端部マークの不検出によって搬送量が不足していることを検出することができるとともに、偶数行のパッチ列に設けられた第2の端部マークの不検出によって搬送量が過多であることを検出することができる。
上記測色用チャートは、前記端部マークとして、前記パッチ列の前記走査方向における始端位置を示す始端マークと、前記パッチ列の前記走査方向における終端位置を示す終端マークと、を備え、前記搬送方向において、前記始端マークの中心と前記終端マークの中心とは、前記パッチ列の中心に対して異なる方向にずれている。
この構成によれば、一のパッチ列の始端マークによって搬送量の不足または過多のうち一方を検知するとともに、同じパッチ列の終端マークによって搬送量の不足または過多のうち他方を検知することができる。すなわち、始端マーク及び終端マークの中心がパッチ列の中心に対して同じ方向にずれている場合、一方向への搬送誤差が検出されるのが一行おきであるのに対して、上記構成によれば、各行において搬送方向における上流及び下流に対する搬送誤差を検出することができる。したがって、より精度よく搬送誤差を検出して、測色用チャートの位置を調整することができる。
上記課題を解決する測色方法は、上記測色用チャートの測色方法であって、前記端部マークを検出する検出工程と、前記パッチ列の測色を行う測色工程と、前記端部マークの検出結果に基づいて、前記測色用チャートの前記搬送方向における位置を調整する調整工程と、を備える。
この構成によれば、上記測色用チャートと同様の作用効果を得ることができる。
上記課題を解決する測色装置は、上記測色用チャートを測色する測色装置であって、前記端部マークを検出する検出部と、前記パッチ列の測色を行う測色部と、を備える。
この構成によれば、上記測色用チャートと同様の作用効果を得ることができる。
上記課題を解決する記録装置は、上記媒体を搬送する搬送部と、前記媒体に記録を行うことによって上記測色用チャートを形成する記録部と、を備える。
この構成によれば、上記測色用チャートと同様の作用効果を得ることができる。
記録装置の一実施形態を示す概略構成図。 測色装置及び測色用チャートの一実施形態を示す平面図。 第1の端部マークの作用を説明する平面図。 第2の端部マークの作用を説明する平面図。 測色用チャートが一方向に斜行した場合の第1の端部マークの作用を説明する平面図。 測色用チャートが他方向に斜行した場合の第1の端部マークの作用を説明する平面図。 測色用チャートが一方向に斜行した場合の第2の端部マークの作用を説明する平面図。 測色用チャートが他方向に斜行した場合の第2の端部マークの作用を説明する平面図。 記録装置及びホスト装置の電気的構成を示すブロック図。 測色用チャートの測色を行う場合に制御装置が実行する処理ルーチンを説明するフローチャート。 測色用チャートの変更例を示す平面図。
以下、記録装置の一実施形態について、図を参照して説明する。記録装置は、例えば、用紙などの媒体に液体の一例であるインクを噴射することによって記録(印刷)を行うインクジェット式のプリンターである。
図1に示すように、記録装置11は、本体部12と、本体部12を支持する脚部13と、本体部12に向けて媒体Sを給送する給送部14とを備える。本体部12内には、給送部14が給送する媒体Sに記録領域で印刷を行う記録部15と、記録領域において媒体Sを支持する支持部16と、支持部16に沿って媒体Sを搬送方向Yに搬送する搬送部17と、が収容されている。
また、記録装置11は、記録領域よりも搬送方向Y下流に配置された測色装置18と、記録部15と測色装置18との間に配置された切断部19と、を備える。本実施形態の媒体Sは搬送方向Yが長手方向となる連続紙であり、切断部19は印刷が行われた媒体Sを搬送方向Yと交差する走査方向X(幅方向)に切断する。
記録部15は、複数のノズル21から液体を噴射する液体噴射部22と、液体噴射部22を保持して走査方向Xに沿って往復走査する記録キャリッジ23とを有する。なお、液体噴射部22が液体を噴射する噴射方向Zは、搬送方向Y及び走査方向Xと交差(好ましくは、直交)する方向である。そして、搬送部17による媒体Sの搬送と、記録部15による液体の噴射とを交互に行うことによって、媒体Sにチェックパターンが印刷される。記録部15は、媒体Sの幅方向に対応する長さ(幅)を有するいわゆるラインヘッドであってもよく、この場合には記録キャリッジ23を備えなくてもよい。
液体噴射部22は、例えばシアン、マゼンタ、イエロー及びブラックなど、複数色のインクにそれぞれ対応して設けられた複数のノズル21を有するノズル列を有する。そして、チェックパターンは、これら複数色のインクの組み合わせで表現される色で塗りつぶされる複数のパッチを含む。媒体Sにおいてチェックパターンが印刷された部分を測色用チャート62という。
搬送部17は、回転により媒体Sを搬送する複数の搬送ローラー対24,25,26,27と、搬送ローラー対24,25,26,27を回転させる駆動源である搬送モーター28とを有する。そして、測色用チャート62となった媒体Sは、搬送部17によって記録領域から測色装置18に向けて搬送方向Yに搬送される。なお、搬送ローラー対24,25,26,27を回転させるための駆動源は、1つの搬送モーター28に限らず、例えば搬送ローラー対毎に駆動源を設けるようにしてもよい。
測色装置18は、乾燥領域において測色用チャート62を乾燥させる乾燥部31と、乾燥領域より搬送方向Y下流に設定される検出位置でチェックパターンの測色を行う測色部32と、検出位置において測色用チャート62を支持する基準板33と、を備える。
乾燥部31は、測色用チャート62に向けて送風することで媒体Sに付着した液体(インク)の乾燥を促進する送風ファン36と、送風ファン36を収容するファンケース37と、を備える。測色用チャート62が記録領域から検出位置に搬送されるまでに、測色用チャート62が十分に自然乾燥される場合には、測色装置18が乾燥部31を備えなくてもよい。
測色部32は、例えば反射型の光学式センサーである検出部41と、検出部41を保持して走査方向Xに往復走査する測色キャリッジ42と、測色キャリッジ42を走査させるための駆動源であるキャリッジモーター43と、を備える。また、基準板33は、基準色(例えば、白色または黒色)の支持面を有する。
検出部41は、投光部及び受光部を有して、投光部から光を照射し、基準板33に支持された測色用チャート62に反射した光を受光部が受光することによって、色校正用の補正値等を得るための測色値を検出する。検出部41が検出する測色値は、例えば、ホワイトバランス、色度、明度(L*)によってカラー値を定義するLabカラーモードに基づく色情報である。
記録装置11は、記録部15、搬送部17、乾燥部31及び測色部32の制御を行う制御装置35を備える。制御装置35には、無線または有線の通信によって、コンピューター等からなるホスト装置100から、印刷データや各種処理の実行指令であるコマンドが送られる。そして、制御装置35は、ホスト装置100から送られたデータ及びコマンドに基づいて、記録部15、搬送部17、乾燥部31及び測色部32を制御する。なお、記録装置11に図示しない操作部を設け、操作部の操作によって制御装置35に実行指令等を与えるようにしてもよい。
次に、測色用チャート62の構成について説明する。
図2に示すように、測色用チャート62に記録されるチェックパターン61は、走査方向X(図2では右方向)に並ぶ複数のパッチ63を有するパッチ列Rnを一行とすると、搬送方向Yに並ぶ複数行のパッチ列Rnを有する。なお、図2においては、各パッチ63の着色を省略している。また、パッチ列Rnの行数及び一行のパッチ列Rnを構成するパッチ63の数は、任意に変更することができる。
本実施形態において、チェックパターン61の搬送方向Y下流端をチェックパターン61の先端といい、チェックパターン61において搬送方向下流端のパッチ列R1を先頭行という。
測色用チャート62には、チェックパターン61とともに、チェックパターン61の先端位置を検出するための位置検出パターン64と、パッチ列Rnの走査方向Xにおける端部位置を示す端部マーク65と、が記録される。位置検出パターン64と端部マーク65は、媒体Sの地の色と反射率の差が大きい色で記録することが好ましい。例えば、媒体Sが白色の用紙である場合、位置検出パターン64と端部マーク65は黒色のインクで印刷することが好ましい。なお、端部マーク65はトリガーバーともいい、搬送方向Y及び走査方向Xに所定の長さを有する矩形状をなすことが好ましい。
位置検出パターン64においては、互いに繋がった複数の矩形状の単位ブロックが、搬送方向Y及び走査方向Xに隣り合いつつ徐々にずれて階段状をなすように配置されている。そして、位置検出パターン64が検出位置Pcにあるときに、検出部41が走査方向Xに走査しつつ検出を行うと、単位ブロックを検出したときの走査方向Xへの走査距離から、検出位置Pcと位置検出パターン64との搬送方向Yにおける位置関係が判明する。これにより、検出位置Pcからチェックパターン61の先端位置までの距離を算出することができる。
測色用チャート62は、端部マーク65として、パッチ列Rnの走査方向Xにおける始端位置(図2では左端位置)を示す始端マーク65Lを少なくとも備え、さらに、端部マーク65としてパッチ列Rnの走査方向Xにおける終端位置(図2では右端位置)を示す終端マーク65Rを備えることが好ましい。なお、始端マーク65Lはスタートバーともいい、終端マーク65Rはエンドバーともいう。
次に、測色部32による測色用チャート62の測色について説明する。
測色部32がチェックパターン61の先端位置を検出すると、搬送部17は、チェックパターン61の先頭行を検出位置Pcまで搬送する。また、チェックパターン61の先頭行が検出位置Pcに配置されると、検出部41が検出位置Pcにおいて走査方向X(図2では右方向)に往路走査しながら検出を行う。
検出部41が光を照射しながら走査方向Xに移動し、その光が始端マーク65Lに反射すると、インクが付着していない媒体Sの余白部分よりも反射率が低下する。この反射率の変化に基づいて検出部41が始端マーク65Lを検出することによって、制御装置35はパッチ列Rnの始端位置(走査方向Xにおける一端の位置)を取得する。
測色部32は、取得した始端位置を基準として、パッチ列Rnを構成するパッチ63を一つずつ測色する。そして、検出部41が光を照射しながら走査方向Xに移動し、その光が終端マーク65Rを通過すると、インクが付着していない媒体Sの余白部分の反射光を受光することによって反射率が上昇する。この反射率の変化に基づいて検出部41が終端マーク65Rを検出することによって、制御装置35はパッチ列Rnの終端位置(走査方向Xにおける他端の位置)を取得する。
チェックパターン61の終端位置を検出すると、測色部32はパッチ列Rn一行分の測色を終了して、走査方向Xの反対方向(図2では左方向)に復路走査して元の位置に戻る。こうして一行分のパッチ63の測色が終了すると、搬送部17が測色用チャート62を一行分搬送した後、測色部32が走査方向Xに走査しながら次のパッチ列Rnの測色を行う。
このように、パッチ列Rnの測色を先頭行(一行目)から順に一行ずつ行い、搬送方向Yへの搬送と、搬送方向Yと交差する走査方向Xへの測色とを交互に行うことによって、チェックパターン61全体の測色が完了する。
図3に示すように、パッチ63の搬送方向Yにおける長さをLpとすると、検出部41が検出を行うことができる検出範囲は、直径がLpよりも小さい円形状をなす。そして、検出部41がパッチ63の搬送方向Yにおける端部付近での反射光を受光すると、隣接するパッチ63の色の影響を受けて、測色値が誤差を含むおそれがある。そのため、搬送部17は、各パッチ63の搬送方向Yにおける中心(図3に一点鎖線で示す)が検出位置Pcに配置されるように、測色用チャート62の搬送を行う。
しかし、測色用チャート62の搬送を行う際には、媒体Sの厚さや表面祖度のばらつき、さらに搬送部17の設計誤差等によって、搬送量に誤差が生じることがある。こうした搬送誤差は、測色用チャート62の搬送距離が増すに連れて積算されていくため、特にチェックパターン61の搬送方向Y上流側のパッチ列Rnでは、検出位置Pcがパッチ63の搬送方向Yにおける中心からずれてしまうおそれがある。
そこで、本実施形態の測色用チャート62では、搬送方向Yにおいて、端部マーク65の長さをパッチ列Rnの長さよりも短くしてある。また、搬送方向Yにおいて、端部マーク65はパッチ列Rnの端部位置から離れていることが好ましい。このようにすれば、測色用チャート62の搬送量に誤差が生じて、検出位置Pcがパッチ63の搬送方向Yにおける中心からずれた場合には、検出部41が端部マーク65を検出しなくなる。そのため、検出部41が端部マーク65を検出した場合にパッチ63の測色を行うようにすれば、各パッチ63の搬送方向Yにおける中心付近において適切に測色を行うことができる。
また、測色用チャート62の搬送量に誤差が生じて検出部41が端部マーク65を検出しない不検出エラーが生じた場合、本実施形態の記録装置11では、測色用チャート62を搬送方向Yの上流または下流に向けて所定量搬送することによって、測色用チャート62の搬送方向Yにおける位置を調整する。
このとき、測色用チャート62を搬送方向Yの上流または下流のいずれに搬送すべきかを判別するために、本実施形態の測色用チャート62においては、搬送方向Yにおいて端部マーク65の位置がパッチ列Rnの中心位置からずれている。
すなわち、搬送方向Yに隣り合う二行のパッチ列Rnのうち、一方のパッチ列Rn(本実施形態では奇数行のパッチ列Rn1)に設けられた端部マーク65を第1の端部マーク65Fとし、同二行のパッチ列Rnのうち他方のパッチ列Rn(本実施形態では偶数行のパッチ列Rn2)に設けられた端部マーク65を第2の端部マーク65Sとする。そして、搬送方向Yにおいて、第1の端部マーク65Fの中心は奇数行のパッチ列Rn1の中心に対して搬送方向Yの上流にずれており、第2の端部マーク65Sの中心は偶数行のパッチ列Rn2の中心に対して搬送方向Yの下流にずれている。
搬送方向Yにおいて、パッチ列Rn1の搬送方向Y下流端から第1の端部マーク65Fの搬送方向Y下流端までの距離をDf、パッチ列Rn1の搬送方向Y上流端から第1の端部マーク65Fの搬送方向Y上流端までの距離をDcとすると、Df>Dcである。また、パッチ列Rn2の搬送方向Y下流端から第2の端部マーク65Sの搬送方向Y下流端までの距離をDc、パッチ列Rn2の搬送方向Y上流端から第2の端部マーク65Sの搬送方向Y上流端までの距離をDfとするとDf>Dcである。そして、DfとDcとの差(Df−Dc)は、測色用チャート62をパッチ列一行分搬送するときに発生する最大送り誤差以上である。
このようにすれば、搬送方向Yにおいて端部マーク65の中心がパッチ列Rnの中心と一致している場合と比較して、搬送量が不足した場合には奇数行のパッチ列Rn1において第1の端部マーク65Fがより早い段階で検出されなくなる。また、搬送方向Yにおいて端部マーク65の中心がパッチ列Rnの中心と一致している場合と比較して、搬送量が過多になった場合には、偶数行のパッチ列Rn2において第2の端部マーク65Sがより早い段階で検出されなくなる。すなわち、パッチ列Rn1の検出を行う都度、搬送量の不足が所定の閾値を超えたか否かを判別することができるとともに、パッチ列Rn2の検出を行う都度、搬送量の過多が所定の閾値を超えたか否かを判別することができる。
そして、記録装置11においては、端部マーク65の不検出エラーが生じたときに、その不検出エラーが生じたパッチ列Rnが奇数行であった場合には測色用チャート62を搬送方向Y下流に搬送してパッチ列Rn1の中心を検出位置Pcに近づける、という調整を行う。また、端部マーク65の不検出エラーが生じたときに、その不検出エラーが生じたパッチ列Rnが偶数行であった場合には測色用チャート62を搬送方向Y上流に搬送して、パッチ列Rn2の中心を検出位置Pcに近づける、という調整を行う。
なお、第1の端部マーク65Fと第2の端部マーク65Sは、搬送方向Yに隣り合う二行のパッチ列Rn1,Rn2の境界線が対象軸となるように線対称をなすことが好ましい。このようにすれば、搬送誤差の生じた測色用チャート62の位置を調整するための搬送量の補正値Cnを、測色用チャート62をいずれの方向に搬送するかにかかわらず、一定とすることができる。ただし、例えば搬送方向Yの上流と下流とで、搬送誤差の生じ方に差がある場合には、第1の端部マーク65Fと第2の端部マーク65Sとで中心からのずれ量を変えたり、補正値Cnを変えたりしてもよい。
ただし、補正値Cnを大きくしすぎると、調整によって端部マーク65が検出位置Pcを通過してしまったり、隣のパッチ列Rnが検出位置Pcに配置されたりしてしまうおそれがある。そのため、補正値Cnは、搬送方向Yにおける端部マーク65の長さLeよりも小さくすることが好ましい。例えば、搬送方向Yにおいて、パッチ63の長さをLp=12.1mm、端部マーク65の長さLe=7.6mm、Df=2.4mm、Dc=2.1mmとすると、補正値Cn=C1=2.1mmとする。なお、搬送方向Yにおける端部マーク65の長さLeは、検出部41が検出を行うことができる検出範囲よりも大きい方が好ましい。
そして、測色部32が奇数行のパッチ列Rn1を測色する際に第1の端部マーク65Fを検出しなかった場合には、搬送量が不足する方向に搬送誤差が生じているとして、測色用チャート62を搬送方向Y下流に補正値Cnの分追加送りする。すると、図3に二点鎖線で示すように検出位置Pcが第1の端部マーク65Fと重なり、第1の端部マーク65Fが検出部41によって検出されるようになる。
あるいは、図4に示すように、測色部32が偶数行のパッチ列Rn2を測色する際に第2の端部マーク65Sを検出しなかった場合には、搬送量が過多になる方向に搬送誤差が生じているとして、測色用チャート62を搬送方向Y上流に補正値Cnの分送り戻す。すると、図4に二点鎖線で示すように検出位置Pcが第2の端部マーク65Sと重なり、第2の端部マーク65Sが検出部41によって検出されるようになる。
また、搬送誤差が走査方向Xの一端(図4では左端)と他端(図4では右端)とで異なっている場合には、測色用チャート62が搬送方向Yに対して傾斜した状態で搬送される斜行が生じることがある。
例えば、図5に実線で示すように、ある奇数行のパッチ列Rn1において、走査方向Xの一端(図5では左端)が他端(図5では右端)より遅れた状態で斜行が生じた場合、始端マーク65Lは検出位置Pcから外れる一方で、終端マーク65Rは検出位置Pcから外れないことがある。
また、図6に示すように、ある奇数行のパッチ列Rn1において、走査方向Xの一端(図6では左端)が他端(図6では右端)より進んだ状態で斜行が生じた場合、始端マーク65Lは検出位置Pcから外れない一方で、終端マーク65Rは検出位置Pcから外れることがある。
同様に、図7に示すように、ある偶数行のパッチ列Rn2において、走査方向Xの一端(図7では左端)が他端(図7では右端)より進んだ状態で斜行が生じた場合、始端マーク65Lは検出位置Pcから外れる一方で、終端マーク65Rは検出位置Pcから外れないことがある。
また、図8に示すように、ある偶数行のパッチ列Rn2において、走査方向Xの一端(図8では左端)が他端(図8では右端)より遅れた状態で斜行が生じた場合、始端マーク65Lは検出位置Pcから外れない一方で、終端マーク65Rは検出位置Pcから外れることがある。
このように、測色用チャート62の斜行によって、始端マーク65Lまたは終端マーク65Rのいずれか一方が検出位置Pcから外れている場合、始端マーク65L及び終端マーク65Rの両方が検出位置Pcから外れている場合よりも、搬送誤差は小さいと考えられる。そのため、始端マーク65L及び終端マーク65Rの両方が検出位置Pcから外れた場合の補正値Cn=C1よりも、始端マーク65Lまたは終端マーク65Rのいずれか一方が検出位置Pcから外れた場合の補正値Cn=C2を小さくすることが好ましい(C1>C2)。
ここで、パッチ列Rnを構成するパッチ63のうち、走査方向Xにおける両端にあるパッチ63の色が端部マーク65と同じ色または近い色である場合には、検出位置Pcから端部マーク65が外れているにもかかわらず、終端位置にあるパッチ63を端部マーク65として誤検出してしまうおそれがある。
そこで、搬送誤差がほぼないと考えられる先頭行のパッチ列R1の端部マーク65の位置情報を保存しておき、二行目以降のパッチ列Rnにおいて検出された端部マーク65の位置が、先頭行の端部マーク65の位置と所定距離以上離れていた場合には、端部マーク65は検出されなかったもの(不検出エラー)として処理を進めることが好ましい。
次に、ホスト装置100と記録装置11の電気的構成について説明する。
図9に示すように、ホスト装置100は、中央処理装置であるCPU101及びメモリー102を有するコンピューター103と、アプリケーション104と、通信のためのホスト側I/F105と、を備えている。コンピューター103のメモリー102には、アプリケーションプログラム及びプリンタードライバープログラムが記憶されている。アプリケーション104は、CPU101がメモリー102に記憶されたアプリケーションプログラムを実行することによってホスト装置100内に構築される。
ホスト装置100は、チェックパターン61を印刷するための印刷データを、記録装置11に対する各種指示(記録コマンド、乾燥コマンド、搬送コマンド、測色コマンド等)とともに、ホスト側I/F105を介して記録装置11に転送する。
制御装置35は、ソフトウェア及びハードウェアの少なくとも一方により実現される機能部として、主制御部51、記録制御部52、搬送制御部53、乾燥制御部54及び測色制御部55を有している。また、制御装置35は、ホスト装置100と通信するための通信I/F56を備えている。
主制御部51は、ホスト装置100から送られた各種コマンドに基づいて搬送処理、記録処理、乾燥処理及び測色処理の開始タイミング等を決定し、記録制御部52、搬送制御部53、乾燥制御部54及び測色制御部55に出力する。
例えば、ホスト装置100から記録コマンドが送られると、主制御部51からの出力に基づいて記録制御部52が記録部15を制御することによって、記録処理が行われる。また、ホスト装置100から搬送コマンドが送られると、主制御部51からの出力に基づいて搬送制御部53が搬送モーター28を制御することによって、媒体S及び測色用チャート62の搬送処理が行われる。
また、ホスト装置100から乾燥コマンドが送られると、主制御部51からの出力に基づいて乾燥制御部54が送風ファン36を制御することによって、測色用チャート62の乾燥処理が行われる。
また、ホスト装置100から測色コマンドが送られると、主制御部51からの出力に基づいて測色制御部55がキャリッジモーター43及び検出部41を制御することによって、測色用チャート62の測色処理が行われる。また、測色制御部55は、検出部41によって取得された測色値を、通信I/F56を介してホスト装置100に送信する。
次に、測色用チャート62の測色を行う場合に制御装置35が実行する処理ルーチンについて説明する。
まず、図10に示すように、主制御部51が位置検出パターン64を読み込んで(ステップS11)、その結果に基づいてチェックパターン61の先端位置を検出する。続いて、搬送制御部53が測色用チャート62の一行目を検出位置Pcまで搬送させる(ステップS12)。
測色用チャート62の一行目が検出位置Pcに配置されると、測色制御部55がキャリッジモーター43を駆動させて測色部32を往路走査させるとともに、検出部41が反射光を受光して検出(測色)を実行する(ステップS13)。
具体的には、まず、検出部41が始端マーク65Lを検出することによってパッチ列R1の始端位置を取得する(検出工程)。また、パッチ列R1の始端位置を基準として、検出部41がパッチ列R1を構成する各パッチ63の測色値を取得する(測色工程)。さらに、検出部41が終端マーク65Rを検出することによってパッチ列R1の終端位置を取得する(検出工程)。
続いて、主制御部51は、検出対象となるパッチ列Rnが一行目であるか否かを判定する(ステップS14)。そして、検出対象が一行目である場合(ステップS14:YES)、主制御部51が取得したパッチ列R1の両端位置(始端位置及び終端位置)を保存し(ステップS15)、さらに、取得した各パッチ63の測色値を保存する(ステップS16)。
一方、検出対象が一行目でない場合(ステップS14:NO)、すなわち検出対象が二行目以降である場合には、主制御部51が検出を行ったパッチ列Rnの両端位置が正常であるか否かを判定する(ステップS19)。具体的には、検出部41が始端マーク65L及び終端マーク65Rを検出し、さらにそれらの位置が先頭行の端部マーク65の位置と所定距離以上離れていなかった場合には、両端位置が正常であると判定する。
パッチ列Rnの両端位置が正常である場合(ステップS19:YES)、主制御部51が取得した各パッチ63の測色値を保存する(ステップS16)。測色値の保存により、パッチ列一行分の測色が終了する。そして、パッチ列一行分の測色が終了すると、測色制御部55がキャリッジモーター43を駆動させて測色部32を復路移動させる。
測色値が保存された後、チェックパターン61の全行の測色が終了したか否かを主制御部51が判定し(ステップS17)、全行の測色が終了した場合(ステップS17:YES)には、処理を終了する。一方、全行の測色が終了していない場合(ステップS17:NO)、搬送制御部53が測色用チャート62を一行分搬送させて(ステップS18)、ステップS13に戻る。そして、次の行の検出(測色)を実行する。
ところで、ステップS19でパッチ列Rnの両端位置が正常でなかった場合(ステップS19:NO)、すなわち、端部マーク65の不検出エラーが生じた場合には、主制御部51が端部位置の両方(始端位置及び終端位置)が異常であったか否かを判定する(ステップS20)。
そして、端部位置の両方が異常であった場合(ステップS20:YES)、すなわち、検出部41が始端マーク65L及び終端マーク65Rの両方を検出しなかった場合には、主制御部51が補正値CnとしてC1を設定する(ステップS21)。一方、端部位置の一方(始端位置または終端位置)が異常であった場合(ステップS20:NO)、すなわち、検出部41が始端マーク65L及び終端マーク65Rのうちいずれか一方を検出しなかった場合には、主制御部51が補正値CnとしてC1より小さいC2を設定する(ステップS22)。
補正値CnとしてC1またはC2が設定されると、検出対象が奇数行であるか否かを主制御部51が判定する(ステップS23)。そして、パッチ列Rnが奇数行である場合(ステップS23:YES)、搬送制御部53が測色用チャート62を補正値Cnの分搬送方向下流に搬送させる(ステップS34)。一方、パッチ列Rnが偶数行である場合(ステップS23:NO)には、搬送制御部53が測色用チャート62を補正値Cnの分搬送方向上流に搬送させる(ステップS25)。すなわち、端部マーク65の検出結果に基づいて、測色用チャート62の搬送方向Yにおける位置を調整する(調整工程)。
このように、測色用チャート62を追加で搬送することによって測色用チャート62の位置を調整すると、検出部41は測色用チャート62の現在位置を再計算して、ステップS13に戻る。これにより、測色用チャート62の位置を調整した上で、パッチ列Rnの測色がやり直される。
次に、以上のように構成された測色用チャート62、測色方法、測色装置18及び記録装置11の作用について説明する。
測色装置18による測色用チャート62の測色を行う際には、まず、位置検出パターン64の読み込みによって検出したチェックパターン61の先端位置を基準に測色用チャート62の搬送を行う。これにより、搬送方向Yにおけるチェックパターン61の先頭行の位置を検出位置Pcに正確に合わせて測色が実行される。また、搬送誤差の影響が小さい先頭行の端部マーク65の位置情報を保存しておき、二行目以降の端部マーク65の位置と比較することによって、端部マーク65と隣接するパッチ63の色にかかわらず、二行目以降の端部マーク65が正しく検出されたか否かを判定することができる。
そして、検出部41が端部マーク65を検出したときにパッチ63の測色値を保存するようにするので、測色をパッチ63の搬送方向Yにおける中心付近で行い、搬送方向Yに隣接するパッチ63の色の影響を受けて測色値が誤差を含む測色エラーの発生を低減することが可能になる。
一方、検出部41が端部マーク65を検出しなかった場合には、追加で測色用チャート62を搬送することにより、パッチ列Rn単位で測色をやり直すことができるので、チェックパターン61全体の測色をやり直す場合よりも、測色を速やかに完了させることができる。
また、搬送方向Yに隣り合うパッチ列Rn1とパッチ列Rn2とで、端部マーク65の位置を異なる方向にずらしておくことにより、検出対象となっているパッチ列Rnに応じて、搬送方向Yの上流または下流のいずれに搬送誤差が生じているかを容易に判別することができるので、より確実に測色用チャート62の位置を調整することが可能になる。
さらに、本実施形態では、図5〜図8に実線で示すように測色用チャート62が斜行して、始端マーク65L及び終端マーク65Rのうちいずれか一方が検出されなかった場合に、追加で行う搬送の補正値CnをC2とする。そのため、測色用チャート62が斜行した場合にも、図5〜図8に二点鎖線で示すように測色用チャート62の位置を調整して、始端マーク65L及び終端マーク65Rが検出位置Pcと重なるようにすることができる。
上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)測色用チャート62の搬送量が不足している場合には、走査方向Xへの測色時に、パッチ列Rnの中心に対して搬送方向Yの上流にずれた端部マーク65が検出されなくなる。また、測色用チャート62の搬送量が過多である場合には、走査方向Xへの測色時に、パッチ列Rnの中心に対して搬送方向Yの下流にずれた端部マーク65が検出されなくなる。したがって、測色用チャート62の搬送後に端部マーク65が検出されない場合には、測色用チャート62の位置を調整することによって、パッチ列Rnの中心を検出位置Pcに近づけることが可能になる。そして、このように測色用チャート62の位置を調整することによって、測色用チャート62の搬送誤差に起因する測色エラーの発生を抑制することができる。
(2)搬送方向Yにおいて端部マーク65がパッチ列Rnの端部位置まで延びていると、端部マーク65の検出に基づいて測色を行う結果、検出対象となるパッチ列Rnの近くに隣のパッチ列Rnが存在することがある。そして、隣のパッチ列Rnに近い位置で測色を行うと、その隣のパッチ列Rnの影響を受けて測色値に誤差が含まれるおそれがある。その点、上記実施形態によれば、搬送方向Yにおいて、端部マーク65はパッチ列Rnの端部位置から離れているので、第1の端部マーク65Fと第2の端部マーク65Sとがパッチ列Rnの中心から互いに近づく方向にずれていたとしても、両端部マーク65の間には隙間が生じる。したがって、端部マーク65の検出に基づいて測色を開始すれば、搬送方向Yに並ぶ隣のパッチ列Rnから離れた位置で測色を行うことができる。これにより、搬送方向Yに隣り合うパッチ列Rnの影響を受けることによる測色値の誤差を低減することができる。
(3)第1の端部マーク65Fと第2の端部マーク65Sは、搬送方向Yに隣り合う二行のパッチ列Rnの境界線が対象軸となるように線対称をなすので、搬送量の不足による測色用チャート62の位置のずれと、搬送量の過多による測色用チャート62の位置のずれとを、同程度の精度で検知することができる。
(4)奇数行のパッチ列Rn1に設けられた第1の端部マーク65Fの不検出によって搬送量が不足していることを検出することができるとともに、偶数行のパッチ列Rn2に設けられた第2の端部マーク65Sの不検出によって搬送量が過多であることを検出することができる。
なお、上記実施形態は以下に示す変形例のように変更してもよい。
・図11に示すように、測色用チャート62が位置検出パターン64を備えなくてもよい。この場合にも、例えば記録領域からの搬送量等に基づいて、チェックパターン61の各パッチ列Rnを検出位置Pcに配置することができる。
・図11に示すように、搬送方向Yにおいて、一のパッチ列Rnに設けられる始端マーク65Lの中心と終端マーク65Rの中心とが、同パッチ列Rnの中心に対して異なる方向にずれていてもよい。例えば、奇数行のパッチ列Rn1に設けられる第1の端部マーク65Fのうち、始端マーク65Lを搬送方向Y上流にずらす一方で終端マーク65Rを搬送方向Y下流にずらし、偶数行のパッチ列Rn2に設けられる第2の端部マーク65Sのうち、始端マーク65Lを搬送方向Y下流にずらす一方で終端マーク65Rを搬送方向Y上流にずらす。
この場合には、例えば図11に実線で示すように奇数行のパッチ列Rn1において始端マーク65Lが検出位置Pcからずれる不検出エラーが生じた場合には搬送量が不足していると判定することができる。また、図11に二点鎖線で示すように、同じ奇数行のパッチ列Rn1において終端マーク65Rが検出位置Pcからずれる不検出エラーが生じた場合には搬送量が過多であると判定することができる。
このように、一のパッチ列Rnの始端マーク65Lによって搬送量の不足または過多のうち一方を検知するとともに、同じパッチ列Rnの終端マーク65Rによって搬送量の不足または過多のうち他方を検知することができる。すなわち、始端マーク65L及び終端マーク65Rの中心がパッチ列Rnの中心に対して同じ方向にずれている場合、一方向への搬送誤差が検出されるのが一行おきであるのに対して、この構成によれば、各行において搬送方向Yにおける上流及び下流に対する搬送誤差を検出することができる。したがって、より精度よく搬送誤差を検出して、測色用チャート62の位置を調整することができる。
・第1の端部マーク65Fの中心を奇数行のパッチ列Rn1の中心に対して搬送方向Yの下流にずらし、第2の端部マーク65Sの中心を偶数行のパッチ列Rn2の中心に対して搬送方向Yの上流にずらすようにしてもよい。
・端部マーク65は必ずしも全てのパッチ列Rnに設けなくてもよい。例えば、チェックパターン61のうち、搬送誤差が蓄積しやすい搬送方向Y上流側のパッチ列Rnのみに端部マーク65を設けてもよいし、数行おきに端部マーク65を設けてもよい。この場合には、第1の端部マーク65Fが奇数行と偶数行に設けられるようにしてもよい。
・走査方向Xに隣り合う二つのパッチ63の間に隙間(余白)があってもよいし、搬送方向Yに隣り合う二行のパッチ列Rnの間に隙間(余白)があってもよい。
・搬送方向Yに隣り合うパッチ列Rnのうちの一方に端部マーク65を設けない場合には、他方のパッチ列Rnに設けた端部マーク65が、端部マーク65がない一方のパッチ列Rnの搬送方向Yにおける端部位置まで延びていてもよい。また、搬送方向Yに隣り合うパッチ列Rnの間に隙間が設けてある場合にも、端部マーク65がパッチ列Rnの搬送方向Yにおける端部位置まで延びていてもよい。
・始端マーク65Lの不検出エラーが生じた場合に、そのパッチ列Rnを構成するパッチ63の測色を行わないようにしてもよい。このようにすれば、そのパッチ列Rnの測色をやり直すまでの時間を短縮することができる。
・測色用チャート62が終端マーク65Rを備えなくてもよい。この場合にも、予め設定されたパッチ列Rnの走査方向Xにおける長さに基づいてパッチ列Rnの終端位置を定めたり、着色されたパッチ63と媒体Sの余白との反射率の差に基づいて終端位置を定めたりすることもできる。ただし、湿度等の環境条件に応じて媒体Sが膨張した場合などには、予め定められたパッチ列Rnの長さと実際のパッチ列Rnの長さとに誤差が生じたり、色の薄いパッチ63が終端位置にある場合に終端位置を誤検出したりするおそれがある。そのため、測色用チャート62は、端部マーク65として、始端マーク65Lに加えて終端マーク65Rを備えることが好ましい。
・チェックパターン61のパッチ列Rnを構成するパッチ63は矩形状に限らず、例えば円形など、任意の形状にすることができる。また、パッチ列Rnの走査方向Xにおける長さまたはパッチ列Rnを構成するパッチ63の数が行毎に異なっていてもよい。
・パッチ列Rnを走査方向Xに延びる一のパッチ63(検出領域)によって構成し、このパッチ63の色または濃度の走査方向Xにおける変化(グラデーション)を測色部32が検出するようにしてもよい。
・検出部41は走査方向Xと反対方向に往路走査しながら検出を行ってもよいし、走査方向Xへの往路走査とその反対方向への復路走査の両方で検出を行うようにしてもよい。
・媒体Sは用紙に限らず、プラスチックフィルムや薄い板材などでもよいし、捺染装置などに用いられる布帛であってもよい。
・媒体Sは予め所定のサイズに切断された単票紙であってもよい。この場合には、記録装置11が切断部19を備えなくてもよい。
・パッチ63の測色を行う測色部32とは別に端部マーク65を検出するための検出部を備えるようにしてもよい。
・測色装置18は記録装置11とは別体であってもよい。
・液体噴射部22が噴射する液体はインクに限らず、例えば機能材料の粒子が液体に分散又は混合されてなる液状体などであってもよい。例えば、液晶ディスプレイ、EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ及び面発光ディスプレイの製造などに用いられる電極材や色材(画素材料)などの材料を分散または溶解のかたちで含む液状体を噴射して記録を行う構成にしてもよい。また、端部マーク65をパッチ63とは種類が異なる液体によって記録してもよい。
さらに、上記実施形態及び各変更例から把握される技術的思想を以下に記載する。
(イ)搬送方向への搬送と、前記搬送方向と交差する走査方向への検出と、が交互に行われる検出用チャートであって、
前記走査方向に延びる検出領域が前記搬送方向に複数並んだ検出パターンと、
前記検出領域の前記走査方向における端部位置を示す端部マークと、
を備え、
前記搬送方向において、前記端部マークの長さは前記検出領域の長さよりも短く、
前記搬送方向に隣り合う二つの前記検出領域のうち、一方の検出領域に設けられた前記端部マークを第1の端部マークとし、前記二つの検出領域のうち他方の検出領域に設けられた前記端部マークを第2の端部マークとすると、
前記搬送方向において、前記第1の端部マークの中心は前記一方の検出領域の中心に対して前記搬送方向の上流にずれており、前記第2の端部マークの中心は前記他方の検出領域の中心に対して前記搬送方向の下流にずれていることを特徴とする検出用チャート。
この構成によれば、検出用チャート(測色用チャート)の搬送量が不足している場合には、走査方向への検出(測色)時に、検出領域(パッチ列)の中心に対して搬送方向の上流にずれた端部マークが検出されなくなる。また、検出用チャート(測色用チャート)の搬送量が過多である場合には、走査方向への検出(測色)時に、検出領域(パッチ列)の中心に対して搬送方向の下流にずれた端部マークが検出されなくなる。したがって、検出用チャートの搬送後に端部マークが検出されない場合には、搬送量を調整することによって、検出領域の中心を検出位置に近づけることが可能になる。そして、このように搬送量を調整することによって、検出用チャートの搬送誤差に起因する検出(測色)エラーの発生を抑制することができる。
11…記録装置、15…記録部、17…搬送部、18…測色装置、32…測色部、41…検出部、61…チェックパターン、62…測色用チャート、63…パッチ、65…端部マーク、65F…第1の端部マーク、65S…第2の端部マーク、65L…始端マーク、65R…終端マーク、S…媒体、X…走査方向、Y…搬送方向、Le…長さ、R1,Rn,Rn1,Rn2…パッチ列。

Claims (8)

  1. 搬送方向への搬送と、前記搬送方向と交差する走査方向への測色と、が交互に行われる測色用チャートであって、
    前記走査方向に並ぶ複数のパッチを有するパッチ列を一行とするときに、前記搬送方向に並ぶ複数行の前記パッチ列を有するチェックパターンと、
    前記パッチ列の前記走査方向における端部位置を示す端部マークと、
    を備え、
    前記搬送方向において、前記端部マークの長さは前記パッチ列の長さよりも短く、
    前記搬送方向に隣り合う二行の前記パッチ列のうち、一方のパッチ列に設けられた前記端部マークを第1の端部マークとし、前記二行のパッチ列のうち他方のパッチ列に設けられた前記端部マークを第2の端部マークとすると、
    前記搬送方向において、前記第1の端部マークの中心は前記一方のパッチ列の中心に対して前記搬送方向の上流にずれており、前記第2の端部マークの中心は前記他方のパッチ列の中心に対して前記搬送方向の下流にずれている
    ことを特徴とする測色用チャート。
  2. 前記搬送方向において、前記端部マークは前記パッチ列の端部位置から離れている
    請求項1に記載の測色用チャート。
  3. 前記第1の端部マークと前記第2の端部マークは、前記搬送方向に隣り合う前記二行のパッチ列の境界線が対象軸となるように線対称をなす
    請求項1または請求項2に記載の測色用チャート。
  4. 前記第1の端部マークは奇数行の前記パッチ列に設けられ、前記第2の端部マークは偶数行の前記パッチ列に設けられる
    請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の測色用チャート。
  5. 前記端部マークとして、前記パッチ列の前記走査方向における始端位置を示す始端マークと、前記パッチ列の前記走査方向における終端位置を示す終端マークと、を備え、
    前記搬送方向において、前記始端マークの中心と前記終端マークの中心とは、前記パッチ列の中心に対して異なる方向にずれている
    請求項1〜請求項4のうちいずれか一項に記載の測色用チャート。
  6. 請求項1〜請求項5のうちいずれか一項に記載の測色用チャートの測色方法であって、
    前記端部マークを検出する検出工程と、
    前記パッチ列の測色を行う測色工程と、
    前記端部マークの検出結果に基づいて、前記測色用チャートの前記搬送方向における位置を調整する調整工程と、
    を備える測色方法。
  7. 請求項1〜請求項5のうちいずれか一項に記載の測色用チャートを測色する測色装置であって、
    前記端部マークを検出する検出部と、
    前記パッチ列の測色を行う測色部と、
    を備える測色装置。
  8. 媒体を搬送する搬送部と、
    前記媒体に記録を行うことによって請求項1〜請求項5のうちいずれか一項に記載の測色用チャートを形成する記録部と、
    を備える記録装置。
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