JP2016020049A - インサート成型用耐指紋性反射防止フィルム及びこれを用いた樹脂成型品 - Google Patents

インサート成型用耐指紋性反射防止フィルム及びこれを用いた樹脂成型品 Download PDF

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Abstract

【課題】ハードコート層を備えながら、反射防止性及び耐指紋性にも優れる、インサート成形用耐指紋性反射防止フィルムを提供する。
【解決手段】熱可塑性透明基材フィルムの一面に、ハードコート層と、高屈折率層と、低屈折率層とがこの順に積層されている。高屈折率層の屈折率は1.50〜1.65、膜厚は130〜180nmである。低屈折率層の屈折率は1.36〜1.42、膜厚は70〜100nmである。低屈折率層は防汚剤を含有することが好ましく、ハードコート層はアクリル変性不飽和ジカルボン酸(無水物)グラフト化ポリオレフィンを含むことが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、インサート成型に適したフィルムであって、反射防止性及び耐指紋性に優れるフィルムと、これを表面に備える樹脂成型品に関する。
自動車部品や携帯電話等の意匠付けにおいて、表面保護や加飾のためのフィルムを予め金型内に設置しておき、熱融着法により、射出成形と同時に樹脂成型品の表面にフィルムを付与するインサート成型が用いられている。このようなフィルムとして、例えば特許文献1には、熱可塑性透明基材フィルム上にハードコート層を積層した、インサート成型用のハードコートフィルムが開示されている。このハードコートフィルムは、基材フィルムがゴム成分を含有するアクリル系樹脂からなり、ハードコート層が電離放射線硬化型樹脂からなる。これにより、十分な表面硬度を有し、深絞りの形状でのインサート成型においてもハードコート層にクラックや白化、皺が生じないとされている。
特開2012−81628号公報
しかし近年では、タッチパネルの普及により、この種のインサート成型用ハードコートフィルムにおいて、反射防止性と耐指紋性をも備えるニーズが高まっている。しかし、特許文献1のインサート成型用フィルムでは、これらの要求に対する性能が付与されていない。
そこで、本発明の目的とするところは、インサート成型用のフィルムであって、ハードコート層を備えながら反射防止性及び耐指紋性にも優れる、耐指紋性反射防止フィルムを提供することにある。
本発明は、熱可塑性透明基材フィルムの一面に、ハードコート層と、高屈折率層と、低屈折率層とが、この順に積層されているインサート成型用耐指紋性反射防止フィルムであって、前記高屈折率層の屈折率が1.50〜1.65、膜厚が130〜180nmであり、前記低屈折率層の屈折率が1.36〜1.42、膜厚が70〜100nmであることを特徴とする。
前記低屈折率層には、防汚剤が含有されていることも好ましい。
前記ハードコート層は、アクリル変性不飽和ジカルボン酸(無水物)グラフト化ポリオレフィンを含む組成物を硬化してなることも好ましい。
当該インサート成型用耐指紋性反射防止フィルムは、インサート成型時に、前記熱可塑性透明基材フィルムが熱融着することで、樹脂成型品表面へ一体化される。
なお、本発明において数値範囲を示す「○○〜××」とは、特に明示しない限り「○○以上××以下」を意味する。
本発明によれば、ハードコート層を備えるインサート成形用フィルムにおいて、当該ハードコート層上に、さらに高屈折率層と低屈折率層とをこの順で所定の屈折率及び膜厚の相対関係となるように積層している。これにより、指紋等の皮脂汚れが付着する前の視感度反射率2.0%以下および反射彩度6.0未満となり、十分な反射防止性を達成できる。同時に、指紋付着前後のΔEが7.0以下となり、例え指紋が付着したとしてもこれが見え難く(目立たず)、耐指紋性も良好となる。
また、低屈折率層に防汚剤を含有させることにより、防汚性も付与することができる。これにより、そもそも指紋が付着しにくく、例え付着したとしても指紋を拭き取り易くすることができ、より優れた耐指紋性が得られる。
また、ハードコート層にアクリル変性不飽和ジカルボン酸(無水物)グラフト化ポリオレフィンを含む場合には、成形性がより向上する。具体的には、より複雑な形状の金型に追従させることができ、より複雑な形状の樹脂成型品に対してインサート成型によってフィルムを的確に付与することができる。
《耐指紋性反射防止フィルム》
本実施形態の耐指紋性反射防止フィルムは、インサート成型に適したフィルムであって、熱可塑性透明基材フィルムの一面に、当該熱可塑性透明基材フィルム側からハードコート層と、高屈折率層と、低屈折率層とが、この順に積層されている。以下に、このインサート成型に適した耐指紋性反射防止フィルムの構成要素について順に説明する。
〔熱可塑性透明基材フィルム〕
熱可塑性透明基材フィルムは、ポリカーボネート樹脂、及び/又はポリメチルメタクリレート樹脂からなるフィルムを使用できる。特に、ポリカーボネート層及びポリメチルメタクリレート層の二層構造からなるフィルムが好ましい。この場合、ポリメチルメタクリレート層上にハードコート層を積層するのが望ましい。後述のハードコート層形成用組成物を、熱可塑性透明基材フィルム上へ良好にウェットコーティングすることができるからである。また、ハードコート層のバインダー成分としてアクリル樹脂(アクリル基を有するモノマーの硬化物)を含む場合には、ハードコート層とポリメチルメタクリレート層の屈折率が近くなるため、両者が直に積層されていれば、反射光の干渉ムラも生じ難くなる。加えて、メチルメタクリレート層とハードコート層の材質が類似するため、熱可塑性透明基材フィルムとハードコート層との密着性も向上する。一方、ポリカーボネート層はポリメチルメタクリレート層に比べガラス転移点(Tg)が高いため、ポリカーボネート層に加飾印刷することで、インサート成型時にインク流れが生じにくくなる。熱可塑性透明基材フィルムの膜厚や屈折率は、この種のインサート成型用フィルムにおける従来から公知の一般的な範囲であればよく、特に制限されない。具体的には、熱可塑性透明基材フィルムの膜厚は通常30〜300μm、好ましくは125〜200μmである。また、熱可塑性透明基材フィルムの屈折率は、通常1.49〜1.59である。
〔ハードコート層〕
ハードコート層は、ハードコート層形成用組成物を硬化させることにより形成される。当該ハードコート層は、所要の強度及び硬度を有しており、樹脂成形品の表面硬度を向上するために積層する層である。ハードコート層の乾燥硬化後の膜厚は、1〜20μmが好ましい。膜厚が1μmより薄い場合は、十分な表面硬度が得られないため好ましくない。膜厚が20μmより厚い場合は、屈曲性の低下等の問題が生じるため好ましくない。なお、ハードコート層の屈折率は後述する材料を使用する限り特に限定されないが、そのような材料の屈折率としては1.49〜1.54程度である。
<ハードコート層形成用組成物>
ハードコート層形成用組成物は、基本的にはこの種のインサート成形用フィルムにおいて従来から公知の組成物を特に制限無く使用することができ、典型的には、紫外線硬化型樹脂(B)と光重合開始剤(C)とを含有してなる。
紫外線硬化型樹脂(B)としては、例えば、ウレタン(メタ)アクリレート(オリゴマー)、エポキシ(メタ)アクリレート(オリゴマー)、ポリエステル(メタ)アクリレート(オリゴマー)、ポリエーテル(メタ)アクリレート(オリゴマー)、(メタ)アクリレート(オリゴマー)等からなる群から選ばれる1種又は2種以上を使用できる。
光重合開始剤(C)は、紫外線(UV)によりハードコート層形成用組成物を硬化させて塗膜を形成する際の、重合開始剤として用いられる。光重合開始剤(C)としては、紫外線照射により重合を開始するものであれば特に限定されず、公知の化合物を使用できる。例えば、1−ヒドロキシシクロへキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフェリノプロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン等のアセトフェノン系重合開始剤、ベンゾイン、2,2−ジメトキシ1,2−ジフェニルエタン−1−オン等のベンゾイン系重合開始剤、ベンゾフェノン、[4−(メチルフェニルチオ)フェニル]フェニルメタノン、4−ヒドロキシベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン系重合開始剤、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン等のチオキサントン系重合開始剤等が挙げられる。これら光重合開始剤(C)は、1種のみを使用しても良いし、2種以上を混用することもできる。
ハードコート層形成用組成物が、紫外線硬化型樹脂(B)と光重合開始剤(C)とからなる基本的な組成である場合、紫外線硬化型樹脂(B)と光重合開始剤(C)との合計100質量部に対し、(B)成分は90〜99質量部、(C)成分は1〜10質量部とすればよい。光重合開始剤(C)がこの範囲より少ないと重合が不充分となり、密着性を発揮できなくなる。一方、この範囲より多くても不必要に多くなるだけであり、好ましくない。
また、ハードコート層形成用組成物には、上記(B),(C)成分に加えて、アクリル変性不飽和ジカルボン酸(無水物)グラフト化ポリオレフィン(A)も配合することが好ましい。これにより、熱可塑性透明基材フィルムとハードコート層との密着性を向上することができる。
アクリル変性不飽和ジカルボン酸(無水物)グラフト化ポリオレフィン(A)は、ポリオレフィン由来の構造単位と、不飽和ジカルボン酸(無水物)由来の構造単位と、アクリル由来の構造単位とからなるものであり、ポリオレフィン成分と不飽和ジカルボン酸(無水物)成分とアクリル成分とから得ることができる。なお、以下に説明するこれら各成分(ポリオレフィン成分、不飽和ジカルボン酸(無水物)成分、アクリル成分)は、それぞれ1種のみであってもよいし2種以上であってよい。
前記アクリル変性不飽和ジカルボン酸(無水物)グラフト化ポリオレフィン(A)を構成するポリオレフィン成分としては、例えば、炭素数4〜12のα−オレフィンの1種以上と、プロピレンとを必須構成単位とする共重合体が好ましく挙げられる。ここで、炭素数4〜12のα−オレフィンとしては、例えば、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、4−メチル−1−ペンテン等が挙げられ、中でも、1−ブテン、1−ペンテン、1−デセン、4−メチル−1−ペンテンが好ましく、1−ブテンが最も好ましい。これら炭素数4〜12のα−オレフィンがポリオレフィン成分中に占める割合は、15〜70モル%であることが好ましい。ただし、炭素数4〜12のα−オレフィンおよびプロピレン以外のオレフィンをも構成単位とする共重合体においては、例えばエチレンをも構成単位とする場合(例えば、プロピレン/1−ブテン/エチレン共重合体のような場合)には、ポリオレフィン成分中に占めるエチレンの割合は1モル%以下であるのが好ましく、0.5モル%以下であるのがより好ましく、0.1モル%以下であるのがさらに好ましい。
アクリル変性不飽和ジカルボン酸(無水物)グラフト化ポリオレフィン(A)を構成するポリオレフィン成分は、高分子ポリオレフィンからの熱減成ポリオレフィン、すなわち高分子ポリオレフィンを高温で熱分解して得られる低分子ポリオレフィンであることが好ましい。高分子ポリオレフィンからの熱減成ポリオレフィンは、末端や分子内に比較的多くの二重結合が均一に存在するものであり、不飽和ジカルボン酸(無水物)のグラフト化が容易であるので、一般には上げることが難しいと考えられている後述の不飽和ジカルボン酸(無水物)付加率を、後述する比較的高い範囲にまで向上させることができる。熱減成ポリオレフィンを得る方法としては、例えば、数平均分子量15000〜150000の高分子ポリオレフィンを、有機過酸化物の存在下では180〜300℃、有機過酸化物の非存在下では300〜450℃で、0.5〜1時間加熱するようにすればよい。好ましくは有機過酸化物の非存在下で加熱する方法が好ましい。
アクリル変性不飽和ジカルボン酸(無水物)グラフト化ポリオレフィン(A)を構成する不飽和ジカルボン酸(無水物)成分としては、例えば、マレイン酸、フマール酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、シクロヘキセンジカルボン酸、シクロヘプテンジカルボン酸、アコニット酸等の不飽和ジカルボン酸;無水マレイン酸、無水シトラコン酸、無水イタコン酸などの不飽和ジカルボン酸無水物や、前記不飽和ジカルボン酸無水物と炭素数1〜5のアルキルアルコールとのエステル化物等が挙げられる。
アクリル変性不飽和ジカルボン酸(無水物)グラフト化ポリオレフィン(A)を構成するアクリル成分としては、例えば4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどの水酸基含有(メタ)アクリレート等のような活性水素を有するアクリル成分や、例えば2−アクリロイルエチルイソシアネート等のようなイソシアナート基を含有するアクリル成分が挙げられ、さらには、メチル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸エステル等もアクリル成分として用いることができる。なお、本明細書では、「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート及びメタクリレートを指す。
ポリオレフィン成分と、不飽和ジカルボン酸(無水物)成分と、アクリル成分とから、アクリル変性不飽和ジカルボン酸(無水物)グラフト化ポリオレフィン(A)を得る方法は特に制限されないが、例えば、ポリオレフィン成分に不飽和ジカルボン酸(無水物)成分をグラフト付加したのち、アクリル成分を反応させる方法等により得ることができる。なお、上記方法における具体的な反応条件等については、通常の有機合成の手法に従い、適宜設定すればよい。例えば、アクリル成分を反応させる際に、(メタ)アクリル酸エステルをアクリル成分とする場合には、例えばジクミルパーオキサイド等の水素引き抜き能を有する有機過酸化物を用いればよい。
ハードコート層形成用組成物に、紫外線硬化型樹脂(B)と光重合開始剤(C)に加えて、アクリル変性不飽和ジカルボン酸(無水物)グラフト化ポリオレフィン(A)も配合する場合、アクリル変性不飽和ジカルボン酸(無水物)グラフト化ポリオレフィン(A)と紫外線硬化型樹脂(B)と光重合開始剤(C)との合計100質量部に対し、(A)成分は9〜45質量部、(B)成分は45〜90質量部、(C)成分は1〜10質量部とすればよい。(A)成分がこの範囲より少ないと、これによる効果を的確に得られない。一方、この範囲より多いと、ベース材料となる(B)成分の相対割合が低くなるので、表面硬度が低下してしまう。
ハードコート層形成用組成物には、必要に応じて、表面調製剤、レベリング剤、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、消泡剤等の従来公知の添加物を、本発明の効果を損なわない範囲で含有していても良い。
ハードコート層形成用組成物の調製に用いられる希釈溶剤は、ハードコート層形成用組成物の粘度を調整するために用いられ、非重合性のものであれば特に制限されない。係る希釈溶剤により、主にハードコート層形成用組成物を熱可塑性透明基材フィルム上に容易に塗布することができる。
希釈溶剤としては、例えばトルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、エチルセルソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、ジアセトンアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、3−メトキシブタノール等が挙げられる。
上記ハードコート層形成用組成物を熱可塑性透明基材フィルム上に塗布した後、紫外線を照射して硬化させることにより、熱可塑性透明基材フィルム上に、ハードコート層を積層することができる。ハードコート層形成用組成物を熱可塑性透明基材フィルム上に塗布する方法としては、ロールコート法、スピンコート法、ディップコート法、ハケ塗り法、スプレーコート法、バーコート法、ナイフコート法、ダイコート法、グラビアコート法、カーテンフローコート法、リバースコート法、キスコート法、コンマコート法等公知のいかなる方法も採用される。塗布に際しては、密着性を向上させるために、予め熱可塑性透明基材フィルム表面にコロナ放電処理等の前処理を施すことも好ましい。
紫外線の照射に用いられる紫外線源としては、例えば高圧水銀ランプ、ハロゲンランプ、キセノンランプ、窒素レーザ、電子線加速装置、放射性元素等の線源が使用される。紫外線の照射量は、紫外線の波長365nmでの積算光量として、50〜5000mJ/cmであることが好ましい。照射量が50mJ/cm未満のときには、ハードコート層形成用組成物の硬化が不十分となるため好ましくない。一方、5000mJ/cmを超えるときには、紫外線硬化型樹脂(B)が着色する傾向を示すため好ましくない。
〔高屈折率層〕
次に、高屈折率層について説明する。高屈折率層は、後述の低屈折率層よりも屈折率の高い層であって、低屈折率層との有意な屈折率及び膜厚の相対関係により反射防止効果及び耐指紋性(指紋を見え難くする効果)を発現させる層であり、低屈折率層と共に反射防止層及び耐指紋層を構成する層である。高屈折率層の屈折率は、1.50〜1.65である。高屈折率層の屈折率が1.50未満の場合は、低屈折率層との屈折率差が小さ過ぎて高屈折率層と低屈折率層との界面での反射が弱くなり、反射防止性能及び耐指紋性が十分に発揮されない場合がある。また、高屈折率層の屈折率が1.65を超える場合は、高屈折率層と低屈折率層との界面での反射が強くなり、反射光の着色が強くなる。また、高屈折率層の膜厚は、130〜180nmである。高屈折率層の膜厚が130未満の場合や180nmを超える場合は、低屈折率層との干渉バランスが崩れ、反射率、反射彩度C、及び皮脂汚れが付着した際の反射色差ΔEの上昇を引き起こしてしまい、十分な反射防止性や耐指紋性が得られなくなる。
<高屈折率層形成用組成物>
高屈折率層は、高屈折率層形成用組成物からなる塗布液をハードコート層上に塗布した後、紫外線照射により硬化することで形成される。その塗布方法や硬化条件、及び粘度調整用の希釈溶媒は、ハードコート層と同様であればよい。高屈折率層形成用組成物を構成する材料としては、高屈折率層の屈折率の範囲において、金属酸化物微粒子及び紫外線硬化型樹脂を任意に用いることができる。
金属酸化物微粒子は、屈折率を積極的に高めるために配合されるものである。金属酸化物微粒子としては、例えば酸化亜鉛、酸化チタン、酸化セリウム、酸化アルミニウム、酸化シラン、酸化アンチモン、酸化ジルコニウム、酸化錫、酸化珪素、ITO等の微粒子が挙げられる。特に、導電性や帯電防止能の観点より、酸化錫、酸化アンチモン及びITOが好ましく、高屈折率の観点より、酸化チタン、酸化セリウム、酸化亜鉛及び酸化ジルコニウムが好ましい。金属酸化物微粒子の平均粒子径は高屈折率層の厚みを大きく超えないことが好ましく、特に0.15μm以下であることが好ましい。金属酸化物微粒子の平均粒子径が高屈折率層の厚みを大きく超えると、光の散乱が生じる等、高屈折率層の光学性能が低下する傾向にある。紫外線硬化型樹脂としては、ハードコート層で使用する樹脂と同種のものを使用できる。
高屈折率層の屈折率は、ベース樹脂である紫外線硬化型樹脂と金属酸化物微粒子の配合割合を適宜調整することで設定できる。金属酸化物微粒子の含有量は、紫外線硬化型樹脂との合計100質量部に対して、90質量部以下に調整される。金属酸化物微粒子の含有量が90質量部を超えると、塗膜における紫外線硬化型樹脂の相対量が少なくなり、塗膜がもろくなるため好ましくない。
更に、高屈折率層形成用組成物には、紫外線により高屈折率層形成用組成物を硬化させて塗膜を形成するために、光重合開始剤が含まれる。光重合開始剤としては、ハードコート層で使用する光重合開始剤と同種のものを使用できる。光重合開始剤は、高屈折率層形成用組成物中に1.0〜10.0質量%含まれる。光重合開始剤の含有量が1.0質量%未満では、高屈折率層の硬化が不十分となる。一方、含有量が10.0質量%を超えると、光重合開始剤が不必要に多くなり好ましくない。紫外線照射の条件は、ハードコート層と同じでよい。
高屈折率層形成用組成物中には、必要に応じて、表面調整剤、レベリング剤、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、消泡剤等の従来公知の添加物を、本発明の効果を損なわない範囲で含有していても良い。
〔低屈折率層〕
次に、低屈折率層について説明する。低屈折率層は、高屈折率層よりも屈折率の低い層であって、高屈折率層との有意な屈折率及び膜厚の相対関係により反射防止効果及び耐指紋性(指紋を見え難くする効果)を発現させる層であり、高屈折率層と共に反射防止層及び耐指紋層を構成する層である。低屈折率層の屈折率は、1.36〜1.42の範囲である。該屈折率が1.36未満の場合には十分に硬い層を形成することが困難であり、屈折率が1.42を超える場合には、高屈折率層との屈折率差が小さ過ぎて高屈折率層と低屈折率層との界面での反射が弱くなり、反射防止性能及び耐指紋性が十分に発揮されない場合がある。
また、低屈折率層の膜厚は70〜100nmである。低屈折率層の膜厚が70nm未満の場合や100nmを超える場合は高屈折率層との干渉バランスが崩れ、反射率、反射彩度C、及び皮脂汚れが付着した際の反射色差ΔEの上昇を引き起こしてしまい、十分な反射防止性や耐指紋性が得られなくなる。
<低屈折率層形成用組成物>
低屈折率層は、低屈折率層形成用組成物からなる塗布液を高屈折率層上に塗布した後、紫外線照射により硬化することで形成される。その塗布方法や硬化条件、及び粘度調整用の希釈溶媒は、ハードコート層や高屈折率層と同様であればよい。低屈折率層形成用組成物は、紫外線硬化型樹脂と中空シリカ微粒子と光重合開始剤とを含有する。
低屈折率層を形成する紫外線硬化型樹脂としては、多官能(メタ)アクリレートであれば、その種類は特に制限されない。この種のフィルムにおいて低屈折率層を形成する樹脂としては、一般的には多官能(メタ)アクリレートのほかにγ―アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等の反応性珪素化合物等を出発原料とするものも用いられるが、生産性及び硬度を両立させる観点より、紫外線硬化性の多官能(メタ)アクリレートを主成分として含む組成物が好ましい。
多官能(メタ)アクリレートとしては特に制限されず、例えばジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ビス(3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)ヘキサン等の多官能アルコールの(メタ)アクリル誘導体や、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート及びポリウレタン(メタ)アクリレート等が挙げられる。
また、多官能(メタ)アクリレートは、含フッ素モノマーであってもよい。フッ素原子がフッ化メチレン基又はフッ化メチン基として分子中に導入された構造を有する含フッ素モノマーは、フッ素原子のほぼ全量がフッ化メチレン基又はフッ化メチン基として分子中に導入されたモノマーであり、多官能モノマーである限り、公知の全てのモノマーが使用可能である。すなわち、2個以上(多官能)のモノマーのいずれであってもよく、それらの混合物であってもよい。これらの含フッ素化合物は、硬化皮膜の強度及び硬度を高めることができ、硬化皮膜表面の耐擦傷性及び耐摩耗性を向上させることができる。含フッ素化合物の中では、架橋構造を形成でき、硬化皮膜の強度や硬度が高い点から、含フッ素多官能(メタ)アクリレートが好ましい。
中空シリカ微粒子は、シリカ(二酸化珪素、SiO)がほぼ球状に形成され、その外殻内に中空部を有する微粒子である。その平均粒子径は10〜100nm、外殻の厚みは1〜60nm程度、中空部の空隙率は40〜45%であり、屈折率は1.20〜1.29という低い屈折率である。中空部に屈折率が1.0の空気を含んでいることから、多官能(メタ)アクリレートの硬化により形成される硬化皮膜について低屈折率化及び低反射率化を図ることができると共に、シリカ微粒子という無機微粒子により硬化皮膜の耐擦傷性及び耐摩耗性を向上させることもできる。中空部の空隙率が40%未満の場合には、中空部の空気量が少なくなり、硬化皮膜の低屈折率化及び低反射率化を図ることができなくなる。その一方、中空部の空隙率が45%を超える場合には、空隙率を大きくするために外殻を薄くする必要があり、その製造が困難になる。
また、中空シリカ微粒子は、必要に応じてシランカップリング剤によって変性することが好ましい。これにより、従来の一般的な(非変性の)シリカ微粒子又は中空シリカ微粒子にはない優れた効果、すなわち多官能(メタ)アクリレートとの相溶性に優れるという効果を発現することができる。このため、変性中空シリカ微粒子を多官能(メタ)アクリレートと混合した場合、変性中空シリカ微粒子の凝集を抑制することができ、白化がなく、透明性に優れた硬化皮膜を得ることができる。さらに硬化皮膜中では、シランカップリング剤の重合性二重結合と多官能(メタ)アクリレートの重合性二重結合とが共重合(化学結合)して強固な硬化皮膜となるため、硬化皮膜の耐擦傷性及び耐摩耗性を飛躍的に向上させることができる。
この場合、変性による効果を高めるため、中空シリカ微粒子は下記の化学式(1)で示される重合性二重結合を有するシランカップリング剤によって変性することがより好ましい。
Z−R1−Si(OR2) ・・・(1)
〔式中、Zは(メタ)アクリロイルオキシ基であり、R1は炭素数1〜4のアルキレン基であり、R2は水素原子、メチル基又はエチル基である。〕
変性中空シリカ微粒子についてさらに説明すると、変性中空シリカ微粒子は、平均粒子径5〜100nm、比表面積50〜1000m/gである中空シリカ微粒子の表面をシランカップリング剤によって表面処理することにより製造される。具体的には、中空シリカ微粒子表面のシラノール基とシランカップリング剤との加水分解反応により、中空シリカ微粒子表面にオルガノシリル基(モノオルガノシリル基、ジオルガノシリル基又はトリオルガノシリル基)が結合すると共に、その表面に多数の珪素原子に直接結合した有機基を有する。
低屈折率層の屈折率は、ベース樹脂である紫外線硬化型樹脂と中空シリカ微粒子の配合割合を適宜調整することで設定できる。具体的には、中空シリカ微粒子の含有量は、紫外線硬化型樹脂との合計100質量部に対して、好ましくは30〜80質量部である。この含有量が30質量部を下回る場合には、中空シリカ微粒子の含有量が少なく、得られる硬化皮膜の低屈折率化及び低反射率化を図ることができなくなる。一方、80質量部を上回る場合には、過剰の中空シリカ微粒子が紫外線硬化型樹脂と反応できず、中空シリカ微粒子が残存し、かえって硬化皮膜表面の耐擦傷性及び耐摩耗性に欠ける。変性中空シリカ微粒子を使用する場合、当該変性中空シリカ微粒子のシランカップリング剤に含まれる(メタ)アクリロイルオキシ基と、多官能(メタ)アクリレートの重合性二重結合とが共重合して結合される結果、変性中空シリカ微粒子の機能と多官能(メタ)アクリレートの機能とが相乗的に、かつ持続して発現される。
光重合開始剤としては、ハードコート層や高屈折率層で使用する重合開始剤と同種のものを使用できる。光重合開始剤の含有量は、低屈折率層形成用組成物中に、0.1〜20質量%であることが好ましい。光重合開始剤の含有量が0.1質量%未満の場合には低屈折率層用塗布液の重合硬化が不十分となり、20質量%を超える場合には重合硬化後の硬化皮膜の屈折率が上昇するため好ましくない。紫外線照射の条件は、ハードコート層や高屈折率層と同じでよい。
(防汚剤)
なお、低屈折率層には防汚性(指紋を付着し難くし、且つ拭き取り易くする効果)を付与して耐指紋性を向上させることもできる。防汚剤としては、公知のポリシロキサン系あるいはフッ素系の防汚剤を適宜添加することが好ましい。ポリシロキサン系化合物の好ましい例としては、例えばアクリル基を有するポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン、ポリエーテル変性ジメチルシロキサン、アクリル基を有するポリエステル変性ジメチルシロキサン、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン、ポリエステル変性ポリジメチルシロキサン、アラルキル変性ポリメチルアルキルシロキサン、などが挙げられる。
一方、防汚剤として用いられるフッ素系化合物は、低屈折率層との結合形成あるいは相溶性に寄与する置換基を有していることが好ましい。該置換基は同一であっても異なっていても良く、複数個あっても良い。好ましい置換基の例としてはアクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基、アリール基、シンナモイル基、エポキシ基、オキセタニル基、水酸基、ポリオキシアルキレン基、カルボキシル基、アミノ基などが挙げられる。フッ素系化合物は、フッ素原子を含まない化合物とのポリマーであってもオリゴマーであってもよく、分子量に特に制限はない。
低屈折率層形成用組成物中には、必要に応じて、表面調整剤、レベリング剤、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、消泡剤等の従来公知の添加物を、本発明の効果を損なわない範囲で含有していても良い。
《耐指紋性反射防止フィルムを用いた樹脂成型品》
本実施形態の樹脂成形品は、インサート成型融着法にて、樹脂を成型すると同時に、その樹脂成形品の表面に耐指紋性反射防止フィルムを一体化して得られる。例えば、耐指紋性反射防止フィルムを射出成型金型内のキャビティに保持し、溶融した樹脂を金型内に注入することで、表面に耐指紋性反射防止フィルムが一体化された樹脂成形品を得ることができる。
以下に、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はそれら実施例の範囲に限定されるものではない。なお、各製造例で調製したハードコート層形成用組成物、高屈折率層形成用組成物及び低屈折率層形成用組成物を硬化して得られる各層の屈折率は、以下のように測定した。
[各層の屈折率]
(1)屈折率1.49のアクリル樹脂板(「デラグラスA」、旭化成ケミカルズ(株)製)上に、ディップコーター((株)杉山元医理器製)により、各層形成用組成物(塗液)をそれぞれ乾燥膜厚で光学膜厚が550nm程度になるように層の厚みを調整して塗布した。
(2)溶媒乾燥後、必要に応じて紫外線照射装置(岩崎電気(株)製)により窒素雰囲気下で120W高圧水銀灯を用いて、400mJの紫外線を照射して各塗液を硬化させた。
(3)アクリル樹脂板裏面をサンドペーパーで荒らし、黒色塗料で塗りつぶしたものを分光光度計(「U−Best V560」、日本分光(株)製)により、光の波長400〜650nmにおける5°、−5°正反射率を測定し、その反射率の極小値又は極大値を読み取った。
(4)反射率の極値より以下の式を用いて屈折率を計算した。
Figure 2016020049
〔ハードコート層形成用組成物〕
ハードコート層形成用組成物として、次の原料を使用し、各原料を下記表1に記載した組成にて混合し、ハードコート層形成用組成物HC1を調製した。ハードコート層形成用組成物の各原料は、以下の通りである。
アクリル変性不飽和ジカルボン酸(無水物)グラフト化ポリオレフィン(a):下記製造例1で合成した水酸基含有メタクリレート変性無水マレイン酸グラフト化ポリオレフィン
紫外線硬化型樹脂(b):
(b−1);ダイセル・サイテック(株)製「EBECRYL8402」
(b−2);日本化薬(株)製「KAYARAD DPCA−20」
(b−3);共栄社化学(株)製「ライトアクリレート1.9ND−A」
光重合開始剤(c):チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製「IRGACURE184(I−184)」
〔製造例1:アクリル変性不飽和ジカルボン酸(無水物)グラフト化ポリオレフィンの合成〕
高分子ポリオレフィン(プロピレンと1−ブテンとの共重合体:三井化学社製「タフマーXR110T」)を攪拌機および温度計を備えた反応容器に入れ、360℃まで昇温して溶融させ、窒素気流下で80分間加熱することにより、熱減成による低分子ポリオレフィンを得た。
次に、攪拌機、温度計および冷却管を備えた反応容器に、前記低分子ポリオレフィン160部を入れ、窒素気流下で180℃まで昇温して溶融させたのち、無水マレイン酸25部と1−ドデセン20部を加え、均一に混合した。次いで、あらかじめ調製したキシレン20部にジクミルパーオキサイド1部を溶解させた溶液を180℃を維持しながら2時間かけて滴下し、滴下後さらに180℃で2時間攪拌し、無水マレイン酸のグラフト化反応を行なった。その後、減圧下でキシレンおよび1−ドデセンを留去して、無水マレイン酸グラフト化ポリオレフィンを得た。
次に、攪拌機、温度計および冷却管を備えた反応容器に、前記無水マレイン酸グラフト化ポリオレフィン450部を入れ、窒素気流下で105℃まで昇温し、該温度を維持するようにしながらトルエン300部を攪拌下で徐々に滴下した。次いで、水酸基含有メタクリレート(ダイセル化学工業社製「プラクセルFM4:CH2=C(CH3)COO(CH2)2O[CO(CH2)5O]nH」)135部を添加し、攪拌しながら同温度で3時間反応させたのち、冷却し、水酸基含有メタクリレート変性無水マレイン酸グラフト化ポリオレフィンの溶液を得た。得られた溶液の固形分濃度は66.1%であった。
Figure 2016020049
(高屈折率層形成用組成物H−1の調製)
アンチモン酸亜鉛微粒子分散液(日産化学工業(株)製、セルナックスCX−603M−F2)を固形分換算で70質量部、ウレタンアクリレート(分子量1400、60℃における粘度が2500〜4500Pa・s、日本合成化学工業(株)製、紫光UV7600B)25質量部、光重合開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、イルガキュア184)を5質量部、及びイソプロピルアルコール500質量部を混合し、高屈折率層形成用組成物(含アンチモン酸亜鉛微粒子硬化性塗布液)を得た。H−1の屈折率は1.58であった。
(高屈折率層形成用組成物H−2の調製)
酸化チタン微粒子37質量部、ウレタンアクリレート(分子量1400、60℃における粘度が2500〜4500Pa・s、日本合成化学工業(株)製、紫光UV7600B)58質量部、光重合開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、イルガキュア184)を5質量部、及びイソプロピルアルコール500質量部を混合し、高屈折率層形成用組成物(含アンチモン酸亜鉛微粒子硬化性塗布液)を得た。H−2の屈折率は1.65であった。
(高屈折率層形成用組成物H−3の調製)
ウレタンアクリレート(分子量1400、60℃における粘度が2500〜4500Pa・s、日本合成化学工業(株)製、紫光UV7600B)95質量部、光重合開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、イルガキュア184)を5質量部、及びイソプロピルアルコール500質量部を混合し、高屈折率層形成用組成物(含アンチモン酸亜鉛微粒子硬化性塗布液)を得た。H−3の屈折率は1.50であった。
(高屈折率層形成用組成物H−4の調製)
酸化チタン微粒子40質量部、ウレタンアクリレート(分子量1400、60℃における粘度が2500〜4500Pa・s、日本合成化学工業(株)製、紫光UV7600B)55質量部、光重合開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、イルガキュア184)を5質量部、及びイソプロピルアルコール500質量部を混合し、高屈折率層形成用組成物(含アンチモン酸亜鉛微粒子硬化性塗布液)を得た。H−4の屈折率は1.66であった。
(高屈折率層形成用組成物H−5の調製)
粒子径が60nmの中空シリカ微粒子10質量部、ウレタンアクリレート(分子量1400、60℃における粘度が2500〜4500Pa・s、日本合成化学工業(株)製、紫光UV7600B)85質量部、光重合開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、イルガキュア184)を5質量部、及びイソプロピルアルコール500質量部を混合し、高屈折率層形成用組成物(含アンチモン酸亜鉛微粒子硬化性塗布液)を得た。H−5の屈折率は1.49であった。
(低屈折率層用組成物L−1の調製)
粒子径が60nmの中空シリカ微粒子40質量部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬(株)製、商品名「DPHA」)60質量部、光重合開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、イルガキュア907)5質量部、シリコン添加剤(ビックケミー・ジャパン(株)製、BYKUV−3570)8質量部、シリコン添加剤(信越化学工業(株)製、TIC2457)5質量部、アルミナ添加剤(ビックケミー・ジャパン(株)製、NANOBYKUV-3601)0.5質量部、及びイソプロピルアルコール2000質量部を混合し、低屈折率層用組成物(含シリカ硬化性塗布液)を得た。L−1の屈折率は1.39であった。
(低屈折率層用組成物L−2の調製)
粒子径が60nmの中空シリカ微粒子30質量部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬(株)製、商品名「DPHA」)70質量部、光重合開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、イルガキュア907)5質量部、シリコン添加剤(ビックケミー・ジャパン(株)製、BYKUV−3570)8質量部、シリコン添加剤(信越化学工業(株)製、TIC2457)5質量部、アルミナ添加剤(ビックケミー・ジャパン(株)製、NANOBYKUV-3601)0.5質量部、及びイソプロピルアルコール2000質量部を混合し、低屈折率層用組成物(含シリカ硬化性塗布液)を得た。L−2の屈折率は1.42であった。
(低屈折率層用組成物L−3の調製)
粒子径が60nmの中空シリカ微粒子60質量部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬(株)製、商品名「DPHA」)40質量部、光重合開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、イルガキュア907)5質量部、シリコン添加剤(ビックケミー・ジャパン(株)製、BYKUV−3570)8質量部、シリコン添加剤(信越化学工業(株)製、TIC2457)5質量部、アルミナ添加剤(ビックケミー・ジャパン(株)製、NANOBYKUV-3601)0.5質量部、及びイソプロピルアルコール2000質量部を混合し、低屈折率層用組成物(含シリカ硬化性塗布液)を得た。L−3の屈折率は1.36であった。
(低屈折率層用組成物L−4の調製)
粒子径が60nmの中空シリカ微粒子65質量部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬(株)製、商品名「DPHA」)35質量部、光重合開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、イルガキュア907)5質量部、シリコン添加剤(ビックケミー・ジャパン(株)製、BYKUV−3570)8質量部、シリコン添加剤(信越化学工業(株)製、TIC2457)5質量部、アルミナ添加剤(ビックケミー・ジャパン(株)製、NANOBYKUV-3601)0.5質量部、及びイソプロピルアルコール2000質量部を混合し、低屈折率層用組成物(含シリカ硬化性塗布液)を得た。L−4の屈折率は1.43であった。
(低屈折率層用組成物L−5の調製)
粒子径が60nmの中空シリカ微粒子25質量部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬(株)製、商品名「DPHA」)75質量部、光重合開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、イルガキュア907)5質量部、シリコン添加剤(ビックケミー・ジャパン(株)製、BYKUV−3570)8質量部、シリコン添加剤(信越化学工業(株)製、TIC2457)5質量部、アルミナ添加剤(ビックケミー・ジャパン(株)製、NANOBYKUV-3601)0.5質量部、を及びイソプロピルアルコール2000質量部を混合し、低屈折率層用組成物(含シリカ硬化性塗布液)を得た。L−5の屈折率は1.35であった。
(低屈折率層用組成物L−6の調製)
粒子径が60nmの中空シリカ微粒子55質量部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬(株)製、商品名「DPHA」)45質量部、光重合開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、イルガキュア907)5質量部、シリコン添加剤(ビックケミー・ジャパン(株)製、BYKUV−3570)8質量部、含フッ素アクリル化合物(信越化学工業(株)製、KY1203)10質量部、アルミナ添加剤(ビックケミー・ジャパン(株)製、NANOBYKUV-3601)0.5質量部、及びイソプロピルアルコール2000質量部を混合し、低屈折率層用組成物(含シリカ硬化性塗布液)を得た。L−6の屈折率は1.39であった。
<実施例1−1>
厚さ188μmのポリカーボネート層とポリメチルメタクリレート層との2層構造からなるフィルム(PC/PMMA):住友化学株式会社製「C001」のPMMA層上に、ハードコート層形成用組成物(HC−1)をロールコーターにて乾燥膜厚が7μmとなるように塗布し、80℃で2分間乾燥した。その後、窒素雰囲気下で120W高圧水銀灯(日本電池(株)製)により紫外線を照射し(積算光量300mJ/cm)、ハードコート層形成用組成物を硬化させてハードコート層を形成した。
次いで、このハードコート層上に高屈折率層形成用組成物H−1を、乾燥時の厚さが150nmとなるように塗布した後、窒素雰囲気下で紫外線照射装置(アイグラフィックス社製、120W高圧水銀灯)を用いて300mJ/cmの紫外線を照射し、高屈折率層形成用組成物を硬化させて高屈折率層を形成した。
最後に、この高屈折率層上に上記低屈折率層用組成物L−1を乾燥時の厚さが90nmとなるように塗布した後、窒素雰囲気下で紫外線照射装置(アイグラフィックス社製、120W高圧水銀灯)を用いて300mJ/cmの紫外線を照射し、低屈折率層用組成物を硬化させて低屈折率層を形成し、インサート成型用耐指紋性反射防止フィルムを作製した。
続いて、得られた耐指紋性反射防止フィルムを、熱可塑性透明基材フィルムにおけるポリカーボネート層側が溶融樹脂と接するように射出成型金型内のキャビティに保持し、360℃程度の温度で溶融させたポリカーボネート樹脂(成形品本体用)を、29400kPaの圧力にて金型内に注入し、放冷して、樹脂成型品を得た。すなわち、成型と同時に融着するインサート成型融着法にて耐指紋性反射防止フィルムの融着を行うことで、表面に耐指紋性反射防止フィルムを備える樹脂成型品を作製した。
<実施例1−2>
低屈折率層の膜厚を70nmにする以外は、実施例1−1と同様の方法でインサート成型用耐指紋性反射防止フィルム及び樹脂成形品を作製した。
<実施例1−3>
低屈折率層の膜厚を80nmにする以外は、実施例1−1と同様の方法でインサート成型用耐指紋性反射防止フィルム及び樹脂成形品を作製した。
<実施例1−4>
低屈折率層の膜厚を100nmにする以外は、実施例1−1と同様の方法でインサート成型用耐指紋性反射防止フィルム及び樹脂成形品を作製した。
<実施例1−5>
高屈折率層の膜厚を130nmにする以外は、実施例1−2と同様の方法でインサート成型用耐指紋性反射防止フィルム及び樹脂成形品を作製した。
<実施例1−6>
高屈折率層の膜厚を180nmにする以外は、実施例1−4と同様の方法でインサート成型用耐指紋性反射防止フィルム及び樹脂成形品を作製した。
<実施例1−7>
低屈折率層用組成物L−2を使用する以外は、実施例1−1と同様の方法でインサート成型用耐指紋性反射防止フィルム及び樹脂成形品を作製した。
<実施例1−8>
低屈折率層用組成物L−3を使用する以外は、実施例1−1と同様の方法でインサート成型用耐指紋性反射防止フィルム及び樹脂成形品を作製した。
<実施例1−9>
高屈折率層用組成物H−2を使用する以外は、実施例1−1と同様の方法でインサート成型用耐指紋性反射防止フィルム及び樹脂成形品を作製した。
<実施例1−10>
高屈折率層用組成物H−3を使用する以外は、実施例1−1と同様の方法でインサート成型用耐指紋性反射防止フィルム及び樹脂成形品を作製した。
<実施例1−11>
熱可塑性透明基材フィルムにポリカーボネートフィルム(PC):住友化学(株)製「C008」を使用する以外は、実施例1−1と同様の方法でインサート成型用耐指紋性反射防止フィルム及び樹脂成形品を作製した。
<実施例1−12>
熱可塑性透明基材フィルムにポリメチルメタクリレートフィルム(PMMA):住友化学株式会社製「S014G」を使用する以外は、実施例1−1と同様の方法でインサート成型用耐指紋性反射防止フィルム及び樹脂成形品を作製した。
<実施例2−1>
低屈折率層用組成物L−6を使用する以外は、実施例1−1と同様の方法でインサート成型用耐指紋性反射防止フィルム及び樹脂成形品を作製した。
<実施例3−1>
ハードコート層形成用組成物HC−2を使用する以外は、実施例1−1と同様の方法でインサート成型用耐指紋性反射防止フィルム及び樹脂成型品を作製した。
<実施例3−2>
ハードコート層形成用組成物HC−2を使用する以外は、実施例1−2と同様の方法でインサート成型用耐指紋性反射防止フィルム及び樹脂成型品を作製した。
<実施例3−3>
ハードコート層形成用組成物HC−2を使用する以外は、実施例1−3と同様の方法でインサート成型用耐指紋性反射防止フィルム及び樹脂成型品を作製した。
<実施例3−4>
ハードコート層形成用組成物HC−2を使用する以外は、実施例1−4と同様の方法でインサート成型用耐指紋性反射防止フィルム及び樹脂成型品を作製した。
<実施例3−5>
ハードコート層形成用組成物HC−2を使用する以外は、実施例1−5と同様の方法でインサート成型用耐指紋性反射防止フィルム及び樹脂成型品を作製した。
<実施例3−6>
ハードコート層形成用組成物HC−2を使用する以外は、実施例1−6と同様の方法でインサート成型用耐指紋性反射防止フィルム及び樹脂成型品を作製した。
<実施例3−7>
ハードコート層形成用組成物HC−2を使用する以外は、実施例1−7と同様の方法でインサート成型用耐指紋性反射防止フィルム及び樹脂成型品を作製した。
<実施例3−8>
ハードコート層形成用組成物HC−2を使用する以外は、実施例1−8と同様の方法でインサート成型用耐指紋性反射防止フィルム及び樹脂成型品を作製した。
<実施例3−9>
ハードコート層形成用組成物HC−2を使用する以外は、実施例1−9と同様の方法でインサート成型用耐指紋性反射防止フィルム及び樹脂成型品を作製した。
<実施例3−10>
ハードコート層形成用組成物HC−2を使用する以外は、実施例1−10と同様の方法でインサート成型用耐指紋性反射防止フィルム及び樹脂成型品を作製した。
<実施例3−11>
ハードコート層形成用組成物HC−2を使用する以外は、実施例1−11と同様の方法でインサート成型用耐指紋性反射防止フィルム及び樹脂成型品を作製した。
<実施例3−12>
ハードコート層形成用組成物HC−2を使用する以外は、実施例1−12と同様の方法でインサート成型用耐指紋性反射防止フィルム及び樹脂成型品を作製した。
<実施例3−13>
ハードコート層形成用組成物HC−3を使用する以外は、実施例1−1と同様の方法でインサート成型用耐指紋性反射防止フィルム及び樹脂成型品を作製した。
<実施例3−14>
ハードコート層形成用組成物HC−4を使用する以外は、実施例1−1と同様の方法でインサート成型用耐指紋性反射防止フィルム及び樹脂成型品を作製した。
<実施例2−2>
ハードコート層形成用組成物HC−2を使用する以外は、実施例2−1と同様の方法でインサート成型用耐指紋性反射防止フィルム及び樹脂成型品を作製した。
<比較例1−1>
低屈折率層の膜厚を60nmにする以外は、実施例1−1と同様の方法でインサート成型用耐指紋性反射防止フィルム及び樹脂成形品を作製した。
<比較例1−2>
低屈折率層の膜厚を110nmにする以外は、実施例1−1と同様の方法でインサート成型用耐指紋性反射防止フィルム及び樹脂成形品を作製した。
<比較例1−3>
高屈折率層の膜厚を120nmにする以外は、実施例1−1と同様の方法でインサート成型用耐指紋性反射防止フィルム及び樹脂成形品を作製した。
<比較例1−4>
高屈折率層の膜厚を190nmにする以外は、実施例1−1と同様の方法でインサート成型用耐指紋性反射防止フィルム及び樹脂成形品を作製した。
<比較例1−5>
低屈折率層用組成物L−4を使用する以外は、実施例1−1と同様の方法でインサート成型用耐指紋性反射防止フィルム及び樹脂成形品を作製した。
<比較例1−6>
低屈折率層用組成物L−5を使用する以外は、実施例1−1と同様の方法でインサート成型用耐指紋性反射防止フィルム及び樹脂成形品を作製した。
<比較例1−7>
高屈折率層用組成物H−4を使用する以外は、実施例1−1と同様の方法でインサート成型用耐指紋性反射防止フィルム及び樹脂成形品を作製した。
<比較例1−8>
高屈折率層用組成物H−5を使用する以外は、実施例1−1と同様の方法インサート成型用耐指紋性反射防止フィルム及び樹脂成形品を作製した。
<比較例1−9>
透明基材フィルムにPETを使用する以外は、実施例1−1と同様の方法でインサート成型用耐指紋性反射防止フィルム及び樹脂成形品を作製した。
<比較例1−10>
ハードコート層形成用組成物HC−2を使用する以外は、比較例1−1と同様の方法でインサート成型用耐指紋性反射防止フィルム及び樹脂成形品を作製した。
<比較例1−11>
ハードコート層形成用組成物HC−2を使用する以外は、比較例1−4と同様の方法でインサート成型用耐指紋性反射防止フィルム及び樹脂成形品を作製した。
作製した各インサート成型用耐指紋性反射防止フィルムについて、各種物性を下記の方法にて評価を行った。その結果を、各実施例及び比較例の構成と共に、表2〜4に示す。なお、表2〜4において「L層」は低屈折率層を、「L組成物」は低屈折率層形成用組成物の種類を、「H層」は高屈折率層を、「H組成物」は高屈折率層形成用組成物の種類を、「HC層」はハードコート層を、「HC組成物」はハードコート層形成用組成物の種類を、それぞれ意味する。
[視感度反射率]
測定面の裏面反射を除くため、裏面をサンドペーパーで粗し、黒色塗料で塗りつぶしたものを分光光度計(大塚電子(株)製、商品名:FE3000)により、光の波長380nm〜780nmの5°、−5°正反射スペクトルを測定した。得られる380nm〜780nmの分光反射率と、CIE標準イルミナントD65の相対分光分布を用いて、JIS Z8701で想定されているXYZ表色系における、反射による物体色の三刺激値Yを視感度反射率(%)とした。
[反射彩度C]
視感度反射率で測定した光の波長380〜780nmの分光反射率と、CIE標準イルミナントD65の相対分光分布を用いて、JISZ8729に規定される色空間CIE1976L*a*b*表色系を計算し、求めたa*、b*値からCab*={(a*)2+(b*)2}1/2を計算した。
[反射色差ΔE]
視感度反射率で測定した光の波長380〜780nmの分光反射率と、CIE標準イルミナントD65の相対分光分布を用いて、JISZ8729に規定される色空間CIE1976L*a*b*表色系を計算し、JIS Z8730に規定されるΔE*a* b*={(ΔL*)2+(Δa*)2+(Δb*)2}1/2を計算した。
[反射防止性]
視感度反射率が2.0%以下の場合を○、2.0%より高い場合を×とした。
[指紋の見え具合]
インサート成型用耐指紋性反射防止フィルムに指紋を付着させ、成分付着前後の外観変化を評価した。比較対象としてガラス板(日本板硝子(株)製FL2.0)を使用し、ガラス板に指紋が付着した場合よりも、指紋が見え難いものを○、さらに見え難いものを◎、同程度のものを×とした。
[指紋拭き取り性]
試験片に指紋の見え具合試験と同様の指紋を付着させ、ネル布(白ネル・金塊グレード)を使用して500gf/cm荷重で30往復摩擦して指紋を拭き取った。その後、指紋が見えなかったものを○、指紋が見えたものを×とした。
[成型性]
得られた各樹脂成型品について、JIS D0202−1998に準拠して碁盤目剥離テープ試験を行った。判定は100マスのうち、剥離が全く生じていない(0マス)ものを◎、剥離が殆ど生じていない(1〜5マス)ものを○、剥離が生じた(6マス以上)ものを×とした。

Figure 2016020049
Figure 2016020049
Figure 2016020049
実施例1−1〜1−12では、十分な反射防止機能が得られ、かつ、指紋が見え難く、指紋の拭き取り性が良好であり、成型性も良好であった。また、ハードコート層にアクリル変性不飽和ジカルボン酸(無水物)グラフト化ポリオレフィンを含む実施例3−1〜3−14では、密着性が向上していることで成形性に優れていた。さらに、実施例2−1〜2−2では、防汚剤の効果により実施例1や実施例3シリーズのインサート成型用耐指紋性反射防止フィルムよりも指紋の見え難さ、指紋の拭き取り性が優れていた。
これに対し、比較例1−1および1−5、1−10では指紋が見え難く、指紋の拭き取り性が良かったものの、反射率が高くなってしまった。また比較例1−2、1−3、1−7では彩度が高くなってしまったため指紋が着色して目立ってしまう結果となった。また、比較例1−4、1−6、1−8、1−11ではΔEが高くなってしまったため指紋拭き取り性試験後にも指紋が見える結果となった。比較例1−9では透明基材にPETを使用しているため成型性が不十分であった。

Claims (4)

  1. 熱可塑性透明基材フィルムの一面に、ハードコート層と、高屈折率層と、低屈折率層とが、この順に積層されており、
    前記高屈折率層の屈折率が1.50〜1.65、膜厚が130〜180nmであり、
    前記低屈折率層の屈折率が1.36〜1.42、膜厚が70〜100nmである、インサート成型用耐指紋性反射防止フィルム。
  2. 前記低屈折率層に防汚剤が含有されている、請求項1に記載のインサート成型用耐指紋性反射防止フィルム。
  3. 前記ハードコート層は、アクリル変性不飽和ジカルボン酸(無水物)グラフト化ポリオレフィンを含む組成物を硬化してなる、請求項1または請求項2のいずれか一項に記載のインサート成型用耐指紋性反射防止フィルム。
  4. 請求項1ないし請求項3のうちいずれか一項に記載のインサート成型用耐指紋性反射防止フィルムを表面に備える、樹脂成型品。

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