JP2016015708A - 多段電力増幅器 - Google Patents
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Abstract
【課題】低アイドル電流動作と高出力高線形性能とを両立した多段電力増幅器を得る。【解決手段】バイアス供給手段301,302は、前段電力増幅器107と後段電力増幅器108にベースバイアスを供給する。検波手段303は、後段電力増幅器108の出力信号を検波し且つ検波した信号振幅に応じて後段出力検波バイアスを発生する。減算手段304は、前段電力増幅器107に供給されるバイアスを後段出力検波バイアスに応じて減算する。加算手段305は、後段電力増幅器108に供給されるバイアスを後段出力検波バイアスに応じて加算する。【選択図】図2
Description
本発明は、送信機や送受信機に用いられる多段電力増幅器に関し、特に、地上マイクロ波通信、移動体通信等に使用される多段電力増幅器に関するものである。
一般に、衛星通信、地上マイクロ波通信、移動体通信等に使用される多段電力増幅器は、デジタル変調方式が用いられることや、他無線局への信号干渉を防止するために、低ひずみであることが求められている。また、同時に電力増幅器は、無線機器の中で最も消費電力が大きい機器に属するため、高効率で低消費電力であることが求められる。そのため、ひずみ補償回路を用いて電力増幅器のひずみ特性を改善することにより、飽和領域近くでの動作を可能にして、高効率で動作させる場合がある。
従来、このような多段電力増幅器として、例えば特許文献1に示すようなものがあった。図1は、このような従来の多段電力増幅器を示している。図示のように、多段電力増幅器は、前段電力増幅器101と後段電力増幅器102で構成され、利得特性201は前段電力増幅器101の利得特性、利得特性202は後段電力増幅器102の利得特性、利得特性203は多段電力増幅器全体の利得特性である。
このように構成された多段電力増幅器では、前段電力増幅器101に入力された入力信号RFinは、前段電力増幅器101の利得特性及び位相特性が非線形であることに起因してひずみを生じる。前段電力増幅器101の利得特性は、所定の入力レベルに応じて利得を増加させる利得特性201を有する。さらに、後段電力増幅器102に入力された信号は、後段電力増幅器102の利得特性及び位相特性が非線形であることに起因して、前段電力増幅器101と同様にひずみを生じる。後段電力増幅器102の利得特性は、所定の入力レベルに応じて利得を低下させる利得特性202を有する。一般的に、利得特性201を満たす電力増幅器はAB〜B級バイアスに設定されることによって、利得特性202を満たす電力増幅器はA〜AB級バイアスに設定されることによって実現される。図示例においては、前段電力増幅器101の利得特性201、及び後段電力増幅器102の利得特性202を組み合わせ、後段電力増幅器102の利得低下を前段電力増幅器101の利得増加で補償することにより、多段電力増幅器全体で入力信号RFinに対して平坦な利得特性203を実現している。
しかしながら、上記従来の多段電力増幅器では、後段電力増幅器102の利得低下を前段電力増幅器101の利得増加で補償することによって多段電力増幅器全体で低ひずみとなる利得特性203を実現していることから、前段電力増幅器101の利得特性201と後段電力増幅器102の利得特性202とで互いを補償するように電力増幅器のバイアスを調整する必要があるという課題があった。
さらに、その場合の電力増幅器のバイアスは、前段電力増幅器101をAB〜B級動作、後段電力増幅器102をA〜AB級動作させることが一般的であり、常に一定のアイドル電流を流し続ける必要があるために、多段電力増幅器全体の効率が低下するという課題もあった。
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、低アイドル電流動作と高出力高線形性能を両立した多段電力増幅器を得ることを目的とする。
この発明に係る多段電力増幅器は、縦続接続された少なくとも2段の電力増幅器を具備する多段電力増幅器において、各段の電力増幅器にベースバイアスまたはゲートバイアスを供給するバイアス供給手段と、多段電力増幅器の動作状態を検出する検出手段と、初段電力増幅器に供給されるバイアスを検出手段の検出信号に応じて減算する減算手段と、最終段電力増幅器に供給されるバイアスを検出手段の検出信号に応じて加算する加算手段とを備えたものである。
この発明の多段電力増幅器は、所定信号レベルに合わせて初段電力増幅器のバイアスを減算すると共に、最終段電力増幅器のバイアスを加算するようにしたので、低アイドル電流動作と高出力高線形性能とを両立した多段電力増幅器を得ることができる。
実施の形態1.
図2は、この発明の実施の形態1による多段電力増幅器を示す構成図である。
図示の多段電力増幅器は、前段電力増幅器107、後段電力増幅器108、検波手段303、減算手段304、加算手段305を備えている。前段電力増幅器107は、入力端子1に接続され、電源端子3,4、増幅素子103、結合容量105、バイアス供給手段301を備えている。電源端子3は、バイアス供給手段301に電源供給を行うための電源端子であり、電源端子4は、増幅素子103のドレインやコレクタに接続する電源端子である。結合容量105は、前段電力増幅器107における増幅素子103のベースと入力端子1間の結合容量である。バイアス供給手段301は、増幅素子103のベースバイアスやゲートバイアスを供給するバイアス供給手段である。また、後段電力増幅器108は、電源端子5,6、増幅素子104、結合容量106、バイアス供給手段302を備えている。電源端子5は、バイアス供給手段302に電源供給を行うための電源端子であり、電源端子6は、増幅素子104のドレインやコレクタに接続する電源端子である。結合容量106は、前段電力増幅器107と、後段電力増幅器108における増幅素子104のベースとの間の結合容量である。また、後段電力増幅器108における増幅素子104のコレクタが出力端子2に接続されている。バイアス供給手段302は、増幅素子104のベースバイアスやゲートバイアスを供給するバイアス供給手段である。
図2は、この発明の実施の形態1による多段電力増幅器を示す構成図である。
図示の多段電力増幅器は、前段電力増幅器107、後段電力増幅器108、検波手段303、減算手段304、加算手段305を備えている。前段電力増幅器107は、入力端子1に接続され、電源端子3,4、増幅素子103、結合容量105、バイアス供給手段301を備えている。電源端子3は、バイアス供給手段301に電源供給を行うための電源端子であり、電源端子4は、増幅素子103のドレインやコレクタに接続する電源端子である。結合容量105は、前段電力増幅器107における増幅素子103のベースと入力端子1間の結合容量である。バイアス供給手段301は、増幅素子103のベースバイアスやゲートバイアスを供給するバイアス供給手段である。また、後段電力増幅器108は、電源端子5,6、増幅素子104、結合容量106、バイアス供給手段302を備えている。電源端子5は、バイアス供給手段302に電源供給を行うための電源端子であり、電源端子6は、増幅素子104のドレインやコレクタに接続する電源端子である。結合容量106は、前段電力増幅器107と、後段電力増幅器108における増幅素子104のベースとの間の結合容量である。また、後段電力増幅器108における増幅素子104のコレクタが出力端子2に接続されている。バイアス供給手段302は、増幅素子104のベースバイアスやゲートバイアスを供給するバイアス供給手段である。
検波手段303は、多段電力増幅器の動作状態を検出する検出手段を構成し、後段電力増幅器108の出力信号を検波し且つ検波した信号振幅に応じて後段出力検波バイアスを発生させるよう構成されている。減算手段304は、検波手段303で生成した後段出力検波バイアスに応じて前段電力増幅器107に供給されるバイアスを減算する手段であり、端子7は、検波手段303から後段出力検波バイアスを供給するための端子、端子8は、減算手段304から前段電力増幅器107へ減算バイアスを出力するための端子である。加算手段305は、検波手段303で生成した後段出力検波バイアスに応じて後段電力増幅器108に供給されるバイアスを加算する手段であり、端子9は、検波手段303から後段出力検波バイアスを供給するための端子、端子10は、加算手段305から後段電力増幅器108へ加算バイアスを出力するための端子である。
次に、実施の形態1の多段電力増幅器の動作について説明する。
図3は、実施の形態1の多段電力増幅器を適用した場合の利得特性を示す説明図である。まず、入力端子1に入力された入力信号RFinは前段電力増幅器107である増幅素子103、及び後段電力増幅器108である増幅素子104により増幅され、出力端子2に出力信号RFoutが出力される。このとき、増幅素子103及び増幅素子104のベースバイアスやゲートバイアスは、バイアス供給手段301及びバイアス供給手段302により、図3に示す利得特性211及び利得特性212となるように調整される。検波手段303は、後段電力増幅器108の出力信号を検波し且つ検波した信号振幅に応じて後段出力検波バイアスを生成し、生成した後段出力検波バイアスを減算手段304及び加算手段305の端子7及び端子9へ出力する。端子7へ入力された後段出力検波バイアスに応じて減算手段304が動作し、前段電力増幅器107に供給されるバイアスを減少させ、また、端子9へ入力された後段出力検波バイアスに応じて加算手段305が動作し、後段電力増幅器108に供給されるバイアスを増加させる。すなわち、図2に示すように、減算手段304からバイアス減算分「−i1」により、バイアス供給手段301から出力されるバイアスI1が減算され「I1−i1」のバイアスが増幅素子103のベースに供給される。また、加算手段305からのバイアス加算分「+i2」が、バイアス供給手段302から出力されるバイアスI2に加算され「I2+i2」のバイアスが増幅素子104のベースに供給される。
図3は、実施の形態1の多段電力増幅器を適用した場合の利得特性を示す説明図である。まず、入力端子1に入力された入力信号RFinは前段電力増幅器107である増幅素子103、及び後段電力増幅器108である増幅素子104により増幅され、出力端子2に出力信号RFoutが出力される。このとき、増幅素子103及び増幅素子104のベースバイアスやゲートバイアスは、バイアス供給手段301及びバイアス供給手段302により、図3に示す利得特性211及び利得特性212となるように調整される。検波手段303は、後段電力増幅器108の出力信号を検波し且つ検波した信号振幅に応じて後段出力検波バイアスを生成し、生成した後段出力検波バイアスを減算手段304及び加算手段305の端子7及び端子9へ出力する。端子7へ入力された後段出力検波バイアスに応じて減算手段304が動作し、前段電力増幅器107に供給されるバイアスを減少させ、また、端子9へ入力された後段出力検波バイアスに応じて加算手段305が動作し、後段電力増幅器108に供給されるバイアスを増加させる。すなわち、図2に示すように、減算手段304からバイアス減算分「−i1」により、バイアス供給手段301から出力されるバイアスI1が減算され「I1−i1」のバイアスが増幅素子103のベースに供給される。また、加算手段305からのバイアス加算分「+i2」が、バイアス供給手段302から出力されるバイアスI2に加算され「I2+i2」のバイアスが増幅素子104のベースに供給される。
以上のように、所定信号レベルに合わせて前段電力増幅器107のバイアスを減算する減算手段304を動作させることによって、所定信号レベル付近の利得増加を抑圧した利得特性214を得ることができ、さらに、所定信号レベルに合わせて後段電力増幅器108のバイアスを加算する加算手段305を動作させることによって、後段電力増幅器108の飽和出力電力付近の利得低下を抑えた利得特性215を得ることができる。これにより、利得特性216に示すように、出力端子2の出力信号RFoutの線形性を向上させることができ、ひずみを低減することができる。
また、図3に示した通り、後段電力増幅器108のバイアスを加算することにより、飽和出力電力を高めることができる。
さらに、後段電力増幅器108のベースバイアスやゲートバイアスをAB級以下の浅めに設定し、所定信号レベルに応じて加算手段305でバイアスを加算することにより、低信号レベル時のアイドル電流を低減し、高効率動作をさせることができる。
なお、図示例では、増幅素子103及び増幅素子104として、バイポーラトランジスタを示したが、図3で示した利得特性211及び212を満たす増幅素子であれば良く、FET(Field Effect Transistor)、HEMT(High Electron Mobility Transistor)など、増幅素子に特に制限はない。
また、実施の形態1における前段電力増幅器107及び後段電力増幅器108へのバイアス供給手段301及びバイアス供給手段302の一例としてバイアス調整用抵抗を用いた自己バイアスがあるが、これに限定されるものではない。増幅素子103及び増幅素子104のバイアスを設定できる回路構成であれば良く、カレントミラーバイアス回路や固定バイアス回路などを用いても良い。
また、後段電力増幅器108の増幅素子104からの出力信号を検出する検波手段303の一例として方向性結合器があるが、これに限定されるものではない。検波手段303として、出力信号を分配もしくは低損失で検波できる手段であればよく、電力分配器などの回路を用いても良い。
以上説明したように、実施の形態1の多段電力増幅器によれば、縦続接続された少なくとも2段の電力増幅器を具備する多段電力増幅器において、各段の電力増幅器にベースバイアスまたはゲートバイアスを供給するバイアス供給手段と、多段電力増幅器の動作状態を検出する検出手段と、初段電力増幅器に供給されるバイアスを検出手段の検出信号に応じて減算する減算手段と、最終段電力増幅器に供給されるバイアスを検出手段の検出信号に応じて加算する加算手段とを備えたので、低アイドル電流動作と高出力高線形性能とを両立した多段電力増幅器を得ることができる。
以上説明したように、実施の形態1の多段電力増幅器によれば、縦続接続された少なくとも2段の電力増幅器を具備する多段電力増幅器において、各段の電力増幅器にベースバイアスまたはゲートバイアスを供給するバイアス供給手段と、最終段電力増幅器の出力信号を検波し且つ検波した信号振幅に応じて後段出力検波バイアスを発生する検波手段と、初段電力増幅器に供給されるバイアスを後段出力検波バイアスに応じて減算する減算手段と、最終段電力増幅器に供給されるバイアスを後段出力検波バイアスに応じて加算する加算手段とを備えたので、低アイドル電流動作と、高出力及び高線形性能すなわち低ひずみ及び高効率とを両立した多段電力増幅器を得ることができる。
実施の形態2.
図4は、実施の形態2による多段電力増幅器を示す構成図である。
実施の形態2の多段電力増幅器は、前段電力増幅器107、後段電力増幅器108、検波手段306、減算手段307、加算手段308を備えており、前段電力増幅器107及び後段電力増幅器108の構成は実施の形態1と同様であるため、対応する部分に同一符号を付してその説明を省略する。実施の形態2の検波手段306は、前段電力増幅器107の入力信号を検波し且つ検波した信号振幅に応じて前段入力検波バイアスを発生させる検出手段である。また、減算手段307及び加算手段308は、実施の形態1の減算手段304及び加算手段305に対応する構成であり、減算手段307は、検波手段306で生成した前段入力検波バイアスに応じて前段電力増幅器107に供給されるバイアスを減算し、加算手段308は、検波手段306で生成した前段入力検波バイアスに応じて後段電力増幅器108に供給されるバイアスを加算するよう構成されている。
図4は、実施の形態2による多段電力増幅器を示す構成図である。
実施の形態2の多段電力増幅器は、前段電力増幅器107、後段電力増幅器108、検波手段306、減算手段307、加算手段308を備えており、前段電力増幅器107及び後段電力増幅器108の構成は実施の形態1と同様であるため、対応する部分に同一符号を付してその説明を省略する。実施の形態2の検波手段306は、前段電力増幅器107の入力信号を検波し且つ検波した信号振幅に応じて前段入力検波バイアスを発生させる検出手段である。また、減算手段307及び加算手段308は、実施の形態1の減算手段304及び加算手段305に対応する構成であり、減算手段307は、検波手段306で生成した前段入力検波バイアスに応じて前段電力増幅器107に供給されるバイアスを減算し、加算手段308は、検波手段306で生成した前段入力検波バイアスに応じて後段電力増幅器108に供給されるバイアスを加算するよう構成されている。
また、端子11は、検波手段306からの前段入力検波バイアスを減算手段307に供給する端子、端子12は、減算手段307から前段電力増幅器107へ減算バイアスを出力する端子、端子13は、検波手段306からの前段入力検波バイアスを加算手段308に供給する端子、端子14は、加算手段308から後段電力増幅器108へ加算バイアスを出力する端子である。
このように、実施の形態2は、前段電力増幅器107の入力信号に応じて検波を行う検波手段306を用いて減算手段307及び加算手段308を動作するようにした形態である。
以下、実施の形態2の多段電力増幅器の動作について説明する。
検波手段306が前段電力増幅器107の入力信号を検波し且つ検波した信号振幅に応じて前段入力検波バイアスを生成し、生成した前段入力検波バイアスを減算手段307及び加算手段308の端子11及び端子13へ出力する。端子11へ入力された前段入力検波バイアスに応じて減算手段307が動作し前段電力増幅器107に供給されるバイアスを減少させ、また、端子13へ入力された前段入力検波バイアスに応じて加算手段308が動作し後段電力増幅器108に供給されるバイアスを増加させる。その他の回路動作は実施の形態1と同様である。
検波手段306が前段電力増幅器107の入力信号を検波し且つ検波した信号振幅に応じて前段入力検波バイアスを生成し、生成した前段入力検波バイアスを減算手段307及び加算手段308の端子11及び端子13へ出力する。端子11へ入力された前段入力検波バイアスに応じて減算手段307が動作し前段電力増幅器107に供給されるバイアスを減少させ、また、端子13へ入力された前段入力検波バイアスに応じて加算手段308が動作し後段電力増幅器108に供給されるバイアスを増加させる。その他の回路動作は実施の形態1と同様である。
実施の形態2の多段電力増幅器では、入力信号RFinを用いて検波手段306を動作させることにより、実施の形態1で示した効果に加え、検波手段306へ入力する信号レベルを小さくすることができ、検波手段を小形化することができる。
また、実施の形態2における検波手段306の一例として方向性結合器があるが、これに限定されない。検波手段306として、入力信号を分配もしくは低損失で検波できる手段であればよく、電力分配器などの回路を用いても良い。
以上説明したように、実施の形態2の多段電力増幅器によれば、縦続接続された少なくとも2段の電力増幅器を具備する多段電力増幅器において、各段の電力増幅器にベースバイアスまたはゲートバイアスを供給するバイアス供給手段と、初段電力増幅器の入力信号を検波し且つ検波した信号振幅に応じて前段入力検波バイアスを発生する検波手段と、初段電力増幅器に供給されるバイアスを前段入力検波バイアスに応じて減算する減算手段と、最終段電力増幅器に供給されるバイアスを前段入力検波バイアスに応じて加算する加算手段とを備えたので、実施の形態1の低アイドル電流動作と高出力高線形性能とを両立させることができるという効果に加えて検波手段を小形化することができる効果がある。また、初段電力増幅器の入力信号を検波して検波バイアスを発生しているので、出力信号の減衰を低減することができる。
実施の形態3.
図5は、実施の形態3による多段電力増幅器を示す構成図である。
実施の形態3の多段電力増幅器は、前段電力増幅器107、後段電力増幅器108、検波手段303,309、減算手段310、加算手段305を備えており、前段電力増幅器107の構成及び後段電力増幅器108と検波手段303と加算手段305の構成は実施の形態1と同様である。実施の形態3における検波手段309は、前段電力増幅器107の出力信号を検波し且つ検波した信号振幅に応じて前段出力検波バイアスを発生させる検出手段であり、減算手段310は、検波手段309で生成した前段出力検波バイアスに応じて前段電力増幅器107に供給されるバイアスを減算する手段である。また、端子15は、検波手段309からの前段出力検波バイアスを減算手段310に供給する端子、端子16は、減算手段310から前段電力増幅器107へ減算バイアスを出力する端子である。
図5は、実施の形態3による多段電力増幅器を示す構成図である。
実施の形態3の多段電力増幅器は、前段電力増幅器107、後段電力増幅器108、検波手段303,309、減算手段310、加算手段305を備えており、前段電力増幅器107の構成及び後段電力増幅器108と検波手段303と加算手段305の構成は実施の形態1と同様である。実施の形態3における検波手段309は、前段電力増幅器107の出力信号を検波し且つ検波した信号振幅に応じて前段出力検波バイアスを発生させる検出手段であり、減算手段310は、検波手段309で生成した前段出力検波バイアスに応じて前段電力増幅器107に供給されるバイアスを減算する手段である。また、端子15は、検波手段309からの前段出力検波バイアスを減算手段310に供給する端子、端子16は、減算手段310から前段電力増幅器107へ減算バイアスを出力する端子である。
すなわち、実施の形態3は、前段電力増幅器107の出力信号に応じて検波を行う検波手段(前段側検波手段)309を用いて動作させる減算手段310と、後段電力増幅器108の出力信号に応じて検波を行う検波手段(後段側検波手段)303を用いて動作させる加算手段305とを独立に動作するようにした形態である。
以下、実施の形態3の多段電力増幅器の動作について説明する。
検波手段309が前段電力増幅器107の出力信号を検波し且つ検波した信号振幅に応じて前段出力検波バイアスを生成する。生成した前段出力検波バイアスは減算手段310の端子15へ出力され、端子15へ入力された前段出力検波バイアスに応じて減算手段310が動作し、前段電力増幅器107に供給されるバイアスを減少させる。一方、検波手段303が後段電力増幅器108の出力信号を検波し且つ検波した信号振幅に応じて後段出力検波バイアスを生成する。生成した後段出力検波バイアスは加算手段305の端子9へ出力され、端子9へ入力された後段出力検波バイアスに応じて加算手段305が動作し、後段電力増幅器108に供給されるバイアスを増加させる。その他の回路動作は実施の形態1と同様である。
検波手段309が前段電力増幅器107の出力信号を検波し且つ検波した信号振幅に応じて前段出力検波バイアスを生成する。生成した前段出力検波バイアスは減算手段310の端子15へ出力され、端子15へ入力された前段出力検波バイアスに応じて減算手段310が動作し、前段電力増幅器107に供給されるバイアスを減少させる。一方、検波手段303が後段電力増幅器108の出力信号を検波し且つ検波した信号振幅に応じて後段出力検波バイアスを生成する。生成した後段出力検波バイアスは加算手段305の端子9へ出力され、端子9へ入力された後段出力検波バイアスに応じて加算手段305が動作し、後段電力増幅器108に供給されるバイアスを増加させる。その他の回路動作は実施の形態1と同様である。
実施の形態3の多段電力増幅器において、前段電力増幅器107の出力信号を検波する検波手段309と、後段電力増幅器108の出力信号を検波する検波手段303を独立に動作させることにより、実施の形態1で示した効果に加え、増幅素子103及び104のベースバイアス及びゲートバイアスを独立に制御することができ、増幅素子の線形性能を高めることができる。
また、実施の形態3における検波手段309の一例として方向性結合器があるが、これに限定されない。検波手段309として、出力信号を分配もしくは低損失で検波できる手段であればよく、電力分配器などの回路を用いても良い。
また、図5に示す構成において、検波手段303を設けず、検波手段309の前段出力検波バイアスを加算手段305にも供給するようにして、加算手段305がこの前段出力検波バイアスに基づいて後段電力増幅器108に供給されるバイアスを増加させるようにしてもよい。
以上説明したように、実施の形態3の多段電力増幅器によれば、縦続接続された少なくとも2段の電力増幅器を具備する多段電力増幅器において、各段の電力増幅器にベースバイアスまたはゲートバイアスを供給するバイアス供給手段と、初段電力増幅器の出力信号を検波し且つ検波した信号振幅に応じて前段出力検波バイアスを発生する前段側検波手段と、最終段電力増幅器の出力信号を検波し且つ検波した信号振幅に応じて後段出力検波バイアスを発生する後段側検波手段と、初段電力増幅器に供給されるバイアスを前段出力検波バイアスに応じて減算する減算手段と、最終段電力増幅器に供給されるバイアスを後段出力検波バイアスに応じて加算する加算手段とを備えたので、実施の形態1で示した効果に加え、増幅素子の線形性能を高めることができるという効果がある。
また、実施の形態3の多段電力増幅器によれば、縦続接続された少なくとも2段の電力増幅器を具備する多段電力増幅器において、各段の電力増幅器にベースバイアスまたはゲートバイアスを供給するバイアス供給手段と、初段電力増幅器の出力信号を検波し且つ検波した信号振幅に応じて前段出力検波バイアスを発生する検波手段と、初段電力増幅器に供給されるバイアスを前段出力検波バイアスに応じて減算する減算手段と、最終段電力増幅器に供給されるバイアスを前段出力検波バイアスに応じて加算する加算手段とを備えたので、実施の形態1で示した効果に加え、検波手段を小形化することができ、かつ、最終段増幅器の出力側に設けるより、電力増幅器の飽和出力電力の低下を抑えることができるという効果がある。
実施の形態4.
図6は、実施の形態4による多段電力増幅器を示す構成図である。
実施の形態4の多段電力増幅器は、前段電力増幅器107、後段電力増幅器108、検波手段303,306、減算手段311、加算手段312を備えており、前段電力増幅器107の構成及び後段電力増幅器108と検波手段303の構成は実施の形態1と同様である。また、実施の形態4における検波手段306の構成は、実施の形態2と同様である。減算手段311は、検波手段303で生成した最終段出力検波バイアスおよび検波手段306で生成した前段入力検波バイアスに応じて、その検波バイアスレベルを比較することで前段電力増幅器107に供給されるバイアスを減算する手段である。加算手段312は、検波手段303で生成した最終段出力検波バイアスおよび検波手段306で生成した前段入力検波バイアスに応じて、その検波バイアスレベルを比較することで後段電力増幅器108に供給されるバイアスを加算する手段である。端子21は検波手段306からの前段出力検波バイアスを減算手段311に供給する端子、端子22は検波手段306からの前段出力検波バイアスを加算手段312に供給する端子である。
図6は、実施の形態4による多段電力増幅器を示す構成図である。
実施の形態4の多段電力増幅器は、前段電力増幅器107、後段電力増幅器108、検波手段303,306、減算手段311、加算手段312を備えており、前段電力増幅器107の構成及び後段電力増幅器108と検波手段303の構成は実施の形態1と同様である。また、実施の形態4における検波手段306の構成は、実施の形態2と同様である。減算手段311は、検波手段303で生成した最終段出力検波バイアスおよび検波手段306で生成した前段入力検波バイアスに応じて、その検波バイアスレベルを比較することで前段電力増幅器107に供給されるバイアスを減算する手段である。加算手段312は、検波手段303で生成した最終段出力検波バイアスおよび検波手段306で生成した前段入力検波バイアスに応じて、その検波バイアスレベルを比較することで後段電力増幅器108に供給されるバイアスを加算する手段である。端子21は検波手段306からの前段出力検波バイアスを減算手段311に供給する端子、端子22は検波手段306からの前段出力検波バイアスを加算手段312に供給する端子である。
すなわち、実施の形態4は、前段電力増幅器107の入力信号に応じて検波を行う検波手段(前段側検波手段)306および後段電力増幅器108の出力信号に応じて検波を行う検波手段(後段側検波手段)303を用いて動作させる減算手段311と、前段電力増幅器107の入力信号に応じて検波を行う検波手段(前段側検波手段)306および後段電力増幅器108の出力信号に応じて検波を行う検波手段(後段側検波手段)303を用いて動作させる加算手段312とを独立に動作するようにした形態である。
以下、実施の形態4の多段電力増幅器の動作について説明する。
検波手段306が前段電力増幅器107の入力信号を検波し且つ検波した信号振幅に応じて前段出力検波バイアスを生成し、検波手段303が後段電力増幅器108の出力信号を検波し且つ検波した信号振幅に応じて後段出力検波バイアスを生成する。
生成した前段入力検波バイアスおよび後段出力検波バイアスは減算手段311の端子17および端子21へ出力され、端子17および端子21へ入力された2つの検波バイアスの信号レベルに応じて減算手段311が動作し、前段電力増幅器107に供給されるバイアスを減少させる。また、同様にして、生成した前段入力検波バイアスおよび後段出力検波バイアスは加算手段312の端子19および端子22へ出力され、端子19および端子22へ入力された2つの検波バイアスの信号レベルに応じて加算手段312が動作し、後段電力増幅器108に供給されるバイアスを増加させる。その他の回路動作は実施の形態1と同様である。
検波手段306が前段電力増幅器107の入力信号を検波し且つ検波した信号振幅に応じて前段出力検波バイアスを生成し、検波手段303が後段電力増幅器108の出力信号を検波し且つ検波した信号振幅に応じて後段出力検波バイアスを生成する。
生成した前段入力検波バイアスおよび後段出力検波バイアスは減算手段311の端子17および端子21へ出力され、端子17および端子21へ入力された2つの検波バイアスの信号レベルに応じて減算手段311が動作し、前段電力増幅器107に供給されるバイアスを減少させる。また、同様にして、生成した前段入力検波バイアスおよび後段出力検波バイアスは加算手段312の端子19および端子22へ出力され、端子19および端子22へ入力された2つの検波バイアスの信号レベルに応じて加算手段312が動作し、後段電力増幅器108に供給されるバイアスを増加させる。その他の回路動作は実施の形態1と同様である。
すなわち、実施の形態4では、前段入力検波バイアスと後段出力検波バイアスの信号レベルを比較することで、減算手段311及び加算手段312をフィードバック回路として動作させている。前段入力検波バイアスと後段出力検波バイアスの信号レベルを比較した結果、信号レベルが小さければ利得を上げるために加算手段312で加算し、信号レベルが高ければ利得を抑えるために減算手段311で減算する。
また、実施の形態4における検波手段306および検波手段303の一例として方向性結合器があるが、これに限定されない。検波手段306および検波手段303として、入力信号および出力信号を分配もしくは低損失で検波できる手段であればよく、電力分配器などの回路を用いても良い。
以上説明したように、実施の形態4の多段電力増幅器によれば、縦続接続された少なくとも2段の電力増幅器を具備する多段電力増幅器において、各段の電力増幅器にベースバイアスまたはゲートバイアスを供給するバイアス供給手段と、初段電力増幅器の入力信号を検波し且つ検波した信号振幅に応じて前段入力検波バイアスを発生する前段側検波手段と、最終段電力増幅器の出力信号を検波し且つ検波した信号振幅に応じて後段出力検波バイアスを発生する後段側検波手段と、前段入力検波バイアスと後段出力検波バイアスの信号レベルに応じて初段電力増幅器に供給されるバイアスを減算する減算手段と、前段入力検波バイアスと後段出力検波バイアスの信号レベルに応じて最終段電力増幅器に供給されるバイアスを加算する加算手段とを備えたので、実施の形態1で示した効果に加えて、検波バイアスのレベルに応じて増幅素子のベースバイアス及びゲートバイアスを制御することができ、多段電力器全体の線形性能を高めることができる効果がある。
実施の形態5.
図7は、実施の形態5による多段電力増幅器を示す構成図である。
実施の形態5の多段電力増幅器は、前段電力増幅器107、後段電力増幅器108、検波手段313、減算手段314、加算手段315を備えており、前段電力増幅器107及び後段電力増幅器108の構成は実施の形態1と同様であるため、対応する部分に同一符号を付してその説明を省略する。
実施の形態5における検波手段313は、後段電力増幅器108のコレクタバイアスまたはドレインバイアスを検波し且つ検波したバイアス振幅に応じて検波バイアスを発生させる検出手段である。また、減算手段314および加算手段315は、検波手段313で生成した検波バイアスに応じて前段電力増幅器107および後段電力増幅器108に供給されるバイアスを減算および加算する手段である。
図7は、実施の形態5による多段電力増幅器を示す構成図である。
実施の形態5の多段電力増幅器は、前段電力増幅器107、後段電力増幅器108、検波手段313、減算手段314、加算手段315を備えており、前段電力増幅器107及び後段電力増幅器108の構成は実施の形態1と同様であるため、対応する部分に同一符号を付してその説明を省略する。
実施の形態5における検波手段313は、後段電力増幅器108のコレクタバイアスまたはドレインバイアスを検波し且つ検波したバイアス振幅に応じて検波バイアスを発生させる検出手段である。また、減算手段314および加算手段315は、検波手段313で生成した検波バイアスに応じて前段電力増幅器107および後段電力増幅器108に供給されるバイアスを減算および加算する手段である。
また、端子23は、検波手段313からの検波バイアスを減算手段314に供給する端子、端子24は、減算手段314から前段電力増幅器107へ減算バイアスを出力する端子、端子25は、検波手段313からの検波バイアスを加算手段315に供給する端子、端子26は、加算手段315から後段電力増幅器108へ加算バイアスを出力する端子である。
このように、実施の形態5は、後段電力増幅器108のコレクタバイアスまたはドレインバイアスに応じて検波を行う検波手段313を用いて減算手段314及び加算手段315を動作するようにした形態である。
以下、実施の形態5の多段電力増幅器の動作について説明する。
検波手段313が後段電力増幅器108のベースバイアスまたはドレインバイアスを検波し且つ検波した信号振幅に応じて検波バイアスを生成する。生成した検波バイアスは減算手段314の端子23へ出力され、端子23へ入力された検波バイアスに応じて減算手段314が動作し、前段電力増幅器107に供給されるバイアスを減少させる。また、生成した検波バイアスは加算手段315の端子25へ出力され、端子25へ入力された検波バイアスに応じて加算手段315が動作し、後段電力増幅器108に供給されるバイアスを増加させる。その他の回路動作は実施の形態1と同様である。
検波手段313が後段電力増幅器108のベースバイアスまたはドレインバイアスを検波し且つ検波した信号振幅に応じて検波バイアスを生成する。生成した検波バイアスは減算手段314の端子23へ出力され、端子23へ入力された検波バイアスに応じて減算手段314が動作し、前段電力増幅器107に供給されるバイアスを減少させる。また、生成した検波バイアスは加算手段315の端子25へ出力され、端子25へ入力された検波バイアスに応じて加算手段315が動作し、後段電力増幅器108に供給されるバイアスを増加させる。その他の回路動作は実施の形態1と同様である。
実施の形態5の多段電力増幅器では、後段電力増幅器108のコレクタバイアスまたはドレインバイアスを用いて検波手段313を動作させることにより、検波手段313に出力信号を検出する方向性結合器もしくは電力分配器を用いる必要がなくなるため、出力信号の減衰を低減し、さらに、検波手段313を小形化することができる。
以上説明したように、実施の形態5の多段電力増幅器によれば、縦続接続された少なくとも2段の電力増幅器を具備する多段電力増幅器において、各段の電力増幅器にベースバイアスまたはゲートバイアスを供給するバイアス供給手段と、後段電力増幅器のコレクタバイアスまたはドレインバイアスを検波し且つ検波したバイアス振幅に応じて検波バイアスを発生する検波手段と、初段電力増幅器に供給されるバイアスを検波バイアスに応じて減算する減算手段と、最終段電力増幅器に供給されるバイアスを前記検波バイアスに応じて加算する加算手段とを備えたので、実施の形態1で示した効果に加え、出力信号の減衰を低減し、検波手段を小形化することができるという効果がある。
実施の形態6.
図8は、実施の形態6による多段電力増幅器を示す構成図である。
実施の形態6の多段電力増幅器は、前段電力増幅器107、後段電力増幅器108、検波手段316、減算手段317、加算手段318を備えており、前段電力増幅器107及び後段電力増幅器108の構成は実施の形態1と同様であるため、対応する部分に同一符号を付してその説明を省略する。
実施の形態6における検波手段316は、前段電力増幅器107のコレクタバイアスまたはドレインバイアスを検波し且つ検波したバイアス振幅に応じて検波バイアスを発生させる検出手段である。また、減算手段317および加算手段318は、検波手段316で生成した検波バイアスに応じて前段電力増幅器107および後段電力増幅器108に供給されるバイアスを減算および加算する手段である。
図8は、実施の形態6による多段電力増幅器を示す構成図である。
実施の形態6の多段電力増幅器は、前段電力増幅器107、後段電力増幅器108、検波手段316、減算手段317、加算手段318を備えており、前段電力増幅器107及び後段電力増幅器108の構成は実施の形態1と同様であるため、対応する部分に同一符号を付してその説明を省略する。
実施の形態6における検波手段316は、前段電力増幅器107のコレクタバイアスまたはドレインバイアスを検波し且つ検波したバイアス振幅に応じて検波バイアスを発生させる検出手段である。また、減算手段317および加算手段318は、検波手段316で生成した検波バイアスに応じて前段電力増幅器107および後段電力増幅器108に供給されるバイアスを減算および加算する手段である。
また、端子27は、検波手段316からの検波バイアスを減算手段317に供給する端子、端子28は、減算手段317から前段電力増幅器107へ減算バイアスを出力する端子、端子29は、検波手段316からの検波バイアスを加算手段318に供給する端子、端子30は、加算手段318から後段電力増幅器108へ加算バイアスを出力する端子である。
このように、実施の形態6は、前段電力増幅器107のコレクタバイアスまたはドレインバイアスに応じて検波を行う検波手段316を用いて減算手段317及び加算手段318を動作するようにした形態である。
実施の形態6の多段電力増幅器では、前段電力増幅器107のコレクタバイアスまたはドレインバイアスを用いて検波手段316を動作させることにより、実施の形態1で示した効果に加え、検波手段に出力信号を検出する方向性結合器もしくは電力分配器を用いる必要がなくなるため、出力信号の減衰を低減し、さらに、検波手段を小形化することができる。
以上説明したように、実施の形態6の多段電力増幅器によれば、縦続接続された少なくとも2段の電力増幅器を具備する多段電力増幅器において、各段の電力増幅器にベースバイアスまたはゲートバイアスを供給するバイアス供給手段と、前段電力増幅器のコレクタバイアスまたはドレインバイアスを検波し且つ検波したバイアス振幅に応じて検波バイアスを発生する検波手段と、初段電力増幅器に供給されるバイアスを検波バイアスに応じて減算する減算手段と、最終段電力増幅器に供給されるバイアスを検波バイアスに応じて加算する加算手段とを備えたので、実施の形態1で示した効果に加え、出力信号の減衰を低減し、さらに、検波手段を小形化することができる効果がある。
実施の形態7.
図9は、実施の形態7による多段電力増幅器を示す構成図である。
実施の形態7の多段電力増幅器は、前段電力増幅器107、後段電力増幅器108、検波手段313,316、減算手段317、加算手段315を備えており、前段電力増幅器107及び後段電力増幅器108の構成は実施の形態1と同様であるため、対応する部分に同一符号を付してその説明を省略する。
実施の形態7における検波手段316は、実施の形態6と同様に、前段電力増幅器107のコレクタバイアスまたはドレインバイアスを検波し且つ検波したバイアス振幅に応じて前段検波バイアスを発生させる検出手段であり、減算手段317は、検波手段316で生成した前段検波バイアスに応じて前段電力増幅器107に供給されるバイアスを減算する手段である。また、端子27は、検波手段316からの前段検波バイアスを減算手段317に供給する端子、端子28は、減算手段317から前段電力増幅器107へ減算バイアスを出力する端子である。また、検波手段313は、実施の形態5と同様に、後段電力増幅器108のコレクタバイアスまたはドレインバイアスを検波し且つ検波したバイアス振幅に応じて後段検波バイアスを発生させる検出手段であり、加算手段315は、検波手段313で生成した後段検波バイアスに応じて後段電力増幅器108に供給されるバイアスを加算する手段である。また、端子25は、検波手段313からの後段検波バイアスを加算手段315に供給する端子、端子26は、加算手段315から後段電力増幅器108へ加算バイアスを出力する端子である。
図9は、実施の形態7による多段電力増幅器を示す構成図である。
実施の形態7の多段電力増幅器は、前段電力増幅器107、後段電力増幅器108、検波手段313,316、減算手段317、加算手段315を備えており、前段電力増幅器107及び後段電力増幅器108の構成は実施の形態1と同様であるため、対応する部分に同一符号を付してその説明を省略する。
実施の形態7における検波手段316は、実施の形態6と同様に、前段電力増幅器107のコレクタバイアスまたはドレインバイアスを検波し且つ検波したバイアス振幅に応じて前段検波バイアスを発生させる検出手段であり、減算手段317は、検波手段316で生成した前段検波バイアスに応じて前段電力増幅器107に供給されるバイアスを減算する手段である。また、端子27は、検波手段316からの前段検波バイアスを減算手段317に供給する端子、端子28は、減算手段317から前段電力増幅器107へ減算バイアスを出力する端子である。また、検波手段313は、実施の形態5と同様に、後段電力増幅器108のコレクタバイアスまたはドレインバイアスを検波し且つ検波したバイアス振幅に応じて後段検波バイアスを発生させる検出手段であり、加算手段315は、検波手段313で生成した後段検波バイアスに応じて後段電力増幅器108に供給されるバイアスを加算する手段である。また、端子25は、検波手段313からの後段検波バイアスを加算手段315に供給する端子、端子26は、加算手段315から後段電力増幅器108へ加算バイアスを出力する端子である。
すなわち、実施の形態7は、前段電力増幅器107のコレクタバイアスまたはドレインバイアスに応じて検波を行う検波手段(前段側検波手段)316を用いて動作させる減算手段317と、後段電力増幅器108のコレクタバイアスまたはドレインバイアスに応じて検波を行う検波手段(後段側検波手段)313を用いて動作させる加算手段315とを独立に動作するようにした形態である。
以下、実施の形態7の多段電力増幅器の動作について説明する。
検波手段316が前段電力増幅器107のコレクタバイアスまたはドレインバイアスを検波し且つ検波したバイアス振幅に応じて前段検波バイアスを生成する。生成した前段検波バイアスは減算手段317の端子27へ出力され、端子27へ入力された前段検波バイアスに応じて減算手段317が動作し、前段電力増幅器107に供給されるバイアスを減少させる。
一方、検波手段313が後段電力増幅器108のコレクタバイアスまたはドレインバイアスを検波し且つ検波したバイアス振幅に応じて後段検波バイアスを生成する。生成した後段検波バイアスは加算手段315の端子25へ出力され、端子25へ入力された後段検波バイアスに応じて加算手段315が動作し、後段電力増幅器108に供給されるバイアスを増加させる。その他の回路動作は実施の形態1と同様である。
検波手段316が前段電力増幅器107のコレクタバイアスまたはドレインバイアスを検波し且つ検波したバイアス振幅に応じて前段検波バイアスを生成する。生成した前段検波バイアスは減算手段317の端子27へ出力され、端子27へ入力された前段検波バイアスに応じて減算手段317が動作し、前段電力増幅器107に供給されるバイアスを減少させる。
一方、検波手段313が後段電力増幅器108のコレクタバイアスまたはドレインバイアスを検波し且つ検波したバイアス振幅に応じて後段検波バイアスを生成する。生成した後段検波バイアスは加算手段315の端子25へ出力され、端子25へ入力された後段検波バイアスに応じて加算手段315が動作し、後段電力増幅器108に供給されるバイアスを増加させる。その他の回路動作は実施の形態1と同様である。
実施の形態7の多段電力増幅器において、前段電力増幅器107のコレクタバイアスまたはドレインバイアスを検波する検波手段316と、後段電力増幅器108のコレクタバイアスまたはドレインバイアスを検波する検波手段313を独立に動作させることにより、増幅素子103及び104のベースバイアス及びゲートバイアスを独立に制御することができ、増幅素子の線形性能を高めることができる。
以上説明したように、実施の形態7の多段電力増幅器によれば、縦続接続された少なくとも2段の電力増幅器を具備する多段電力増幅器において、各段の電力増幅器にベースバイアスまたはゲートバイアスを供給するバイアス供給手段と、初段電力増幅器のコレクタバイアスまたはドレインバイアスを検波し且つ検波したバイアス振幅に応じて前段検波バイアスを発生する前段側検波手段と、最終段電力増幅器のコレクタバイアスまたはドレインバイアスを検波し且つ検波したバイアス振幅に応じて後段検波バイアスを発生する後段側検波手段と、初段電力増幅器に供給されるバイアスを前段検波バイアスに応じて減算する減算手段と、最終段電力増幅器に供給されるバイアスを後段検波バイアスに応じて加算する加算手段とを備えたので、実施の形態1で示した効果に加え、増幅素子の線形性能を高めることができる効果がある。
また、実施の形態5〜7の多段電力増幅器によれば、検出手段は、初段電力増幅器及び最終段電力増幅器のうち少なくともいずれかの一方の電力増幅器のコレクタ電流またはドレイン電流を用いて動作状態を検出するようにしたので、検出手段として出力信号を検出する方向性結合器もしくは電力分配器を用いる必要がなくなるため、出力信号の減衰を低減することができる。
なお、上記各実施の形態では、多段電力増幅器の入力整合回路、段間整合回路、出力整合回路、バイアス供給手段等に具備されるインダクタやキャパシタを省略して記載しているが、これらのインダクタやキャパシタを具備しても同様の効果を有する。
また、上記各実施の形態では、多段電力増幅器として2段電力増幅器を例として説明したが、3段以上の多段電力増幅器であっても同様の効果を有する。なお、3段以上の多段電力増幅器の場合、初段電力増幅器に対してバイアスの減算を、最終段電力増幅器に対してバイアスの加算を行う。なお、中間に位置する段間の電力増幅器については、初段電力増幅器及び最終段電力増幅器の特性を考慮して適宜選択することとなる。
また、本願発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
1 入力端子、2 出力端子、3,4,5,6 電源端子、7〜30 端子、103,104 増幅素子、105,106 結合容量、107 前段電力増幅器、108 後段電力増幅器、301,302 バイアス供給手段、303,306,309,313,316 検波手段、304,307,310,311,314,317 減算手段、305,308,312,315,318 加算手段。
Claims (10)
- 縦続接続された少なくとも2段の電力増幅器を具備する多段電力増幅器において、
各段の電力増幅器にベースバイアスまたはゲートバイアスを供給するバイアス供給手段と、
前記多段電力増幅器の動作状態を検出する検出手段と、
初段電力増幅器に供給されるバイアスを前記検出手段の検出信号に応じて減算する減算手段と、
最終段電力増幅器に供給されるバイアスを前記検出手段の検出信号に応じて加算する加算手段とを備えたことを特徴とする多段電力増幅器。 - 縦続接続された少なくとも2段の電力増幅器を具備する多段電力増幅器において、
各段の電力増幅器にベースバイアスまたはゲートバイアスを供給するバイアス供給手段と、
最終段電力増幅器の出力信号を検波し且つ検波した信号振幅に応じて後段出力検波バイアスを発生する検波手段と、
初段電力増幅器に供給されるバイアスを前記後段出力検波バイアスに応じて減算する減算手段と、
前記最終段電力増幅器に供給されるバイアスを前記後段出力検波バイアスに応じて加算する加算手段とを備えたことを特徴とする多段電力増幅器。 - 縦続接続された少なくとも2段の電力増幅器を具備する多段電力増幅器において、
各段の電力増幅器にベースバイアスまたはゲートバイアスを供給するバイアス供給手段と、
初段電力増幅器の入力信号を検波し且つ検波した信号振幅に応じて前段入力検波バイアスを発生する検波手段と、
前記初段電力増幅器に供給されるバイアスを前記前段入力検波バイアスに応じて減算する減算手段と、
最終段電力増幅器に供給されるバイアスを前記前段入力検波バイアスに応じて加算する加算手段とを備えたことを特徴とする多段電力増幅器。 - 縦続接続された少なくとも2段の電力増幅器を具備する多段電力増幅器において、
各段の電力増幅器にベースバイアスまたはゲートバイアスを供給するバイアス供給手段と、
初段電力増幅器の出力信号を検波し且つ検波した信号振幅に応じて前段出力検波バイアスを発生する検波手段と、
前記初段電力増幅器に供給されるバイアスを前記前段出力検波バイアスに応じて減算する減算手段と、
最終段電力増幅器に供給されるバイアスを前記前段出力検波バイアスに応じて加算する加算手段とを備えたことを特徴とする多段電力増幅器。 - 縦続接続された少なくとも2段の電力増幅器を具備する多段電力増幅器において、
各段の電力増幅器にベースバイアスまたはゲートバイアスを供給するバイアス供給手段と、
初段電力増幅器の出力信号を検波し且つ検波した信号振幅に応じて前段出力検波バイアスを発生する前段側検波手段と、
最終段電力増幅器の出力信号を検波し且つ検波した信号振幅に応じて後段出力検波バイアスを発生する後段側検波手段と、
前記初段電力増幅器に供給されるバイアスを前記前段出力検波バイアスに応じて減算する減算手段と、
前記最終段電力増幅器に供給されるバイアスを前記後段出力検波バイアスに応じて加算する加算手段とを備えたことを特徴とする多段電力増幅器。 - 縦続接続された少なくとも2段の電力増幅器を具備する多段電力増幅器において、
各段の電力増幅器にベースバイアスまたはゲートバイアスを供給するバイアス供給手段と、
初段電力増幅器の入力信号を検波し且つ検波した信号振幅に応じて前段入力検波バイアスを発生する前段側検波手段と、
最終段電力増幅器の出力信号を検波し且つ検波した信号振幅に応じて後段出力検波バイアスを発生する後段側検波手段と、
前記前段入力検波バイアスと前記後段出力検波バイアスの信号レベルに応じて前記初段電力増幅器に供給されるバイアスを減算する減算手段と、
前記前段入力検波バイアスと前記後段出力検波バイアスの信号レベルに応じて前記最終段電力増幅器に供給されるバイアスを加算する加算手段とを備えたことを特徴とする多段電力増幅器。 - 前記検出手段は、前記初段電力増幅器及び前記最終段電力増幅器のうち少なくともいずれかの一方の電力増幅器のコレクタ電流またはドレイン電流を用いて動作状態を検出することを特徴とする請求項1記載の多段電力増幅器。
- 縦続接続された少なくとも2段の電力増幅器を具備する多段電力増幅器において、
各段の電力増幅器にベースバイアスまたはゲートバイアスを供給するバイアス供給手段と、
最終段電力増幅器のコレクタバイアスまたはドレインバイアスを検波し且つ検波したバイアス振幅に応じて検波バイアスを発生する検波手段と、
初段電力増幅器に供給されるバイアスを前記検波バイアスに応じて減算する減算手段と、
前記最終段電力増幅器に供給されるバイアスを前記検波バイアスに応じて加算する加算手段とを備えたことを特徴とする多段電力増幅器。 - 縦続接続された少なくとも2段の電力増幅器を具備する多段電力増幅器において、
各段の電力増幅器にベースバイアスまたはゲートバイアスを供給するバイアス供給手段と、
初段電力増幅器のコレクタバイアスまたはドレインバイアスを検波し且つ検波したバイアス振幅に応じて検波バイアスを発生する検波手段と、
初段電力増幅器に供給されるバイアスを前記検波バイアスに応じて減算する減算手段と、
前記最終段電力増幅器に供給されるバイアスを前記検波バイアスに応じて加算する加算手段とを備えたことを特徴とする多段電力増幅器。 - 縦続接続された少なくとも2段の電力増幅器を具備する多段電力増幅器において、
各段の電力増幅器にベースバイアスまたはゲートバイアスを供給するバイアス供給手段と、
初段電力増幅器のコレクタバイアスまたはドレインバイアスを検波し且つ検波したバイアス振幅に応じて前段側検波バイアスを発生する前段側検波手段と、
最終段電力増幅器のコレクタバイアスまたはドレインバイアスを検波し且つ検波したバイアス振幅に応じて後段側検波バイアスを発生する後段側検波手段と、
前記初段電力増幅器に供給されるバイアスを前記前段側検波バイアスに応じて減算する減算手段と、
前記最終段電力増幅器に供給されるバイアスを前記後段側検波バイアスに応じて加算する加算手段とを備えたことを特徴とする多段電力増幅器。
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- 2015-01-27 JP JP2015013348A patent/JP2016015708A/ja active Pending
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