JP2016014870A - 光学フィルム、偏光板、および液晶表示装置 - Google Patents
光学フィルム、偏光板、および液晶表示装置 Download PDFInfo
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Abstract
Description
具体的に、本発明は、以下の構成を有する。
式I MA≧MB×1.1
式II CA≧CB×1.1
式中、光学フィルムの一方の表面から2μmの厚さまでをA面、他方の表面から2μmの厚さまでをB面とし、MAは、A面のマンノースの含有量を表し、MBは、B面のマンノースの含有量を表す;CAは、A面の光学発現剤の含有量を表し、CBは、B面の光学発現剤の含有量を表す;MA、MB、CAおよびCBの単位は質量%である。
<2> さらに下記式IIIを満たす、<1>の光学フィルム;
式III Hv15(0°、90°)≦10×10-3
式中、Hv15(0°、90°)=(Hv15(0°)+Hv15(90°))/2であり、Hv15(0°)は、光学フィルムの遅相軸方向を方位角0°とした場合に、極角15°、方位角0°方向から光を入射した際に、吸収軸が直交する2枚の偏光板を透過してくる光量を表し、
Hv15(90°)は、光学フィルムの遅相軸方向を方位角0°とした場合に、極角15°、方位角90°方向から光を入射した際に、吸収軸が直交する2枚の偏光板を透過してくる光量を表す;Hv15(0°)及びHv15(90°)の単位は、cd/m2である。
ここで、偏光板/光学フィルム/偏光板の配置でHv15(0°)、Hv15(90°)を測定した。
<3> さらに下記式IVを満たす、<1>または<2>の光学フィルム;
式IV (Rth(60℃90%)−Rth(Fresh))/Rth(Fresh)≦0.05
式中、Rth(60℃90%)は、ガラスに貼合した光学フィルムを60℃、90%相対湿度環境下で24時間放置し、さらに25℃、60%相対湿度環境下で6時間放置した後の波長550nmにおける厚み方向のレターデーションを表し、Rth(Fresh)は、ガラスに貼合した光学フィルムを25℃、60%相対湿度環境下で6時間放置した後の波長550nmにおける厚み方向のレターデーションを表す。
<4> 光学フィルムの遅相軸方向および/又はそれに直交する方向における寸法変化率が下記式Vを満たす、<1>〜<3>のいずれかの光学フィルム;
式V −1.0%≦{(L’−L0)/L0}×100≦−0.5%
式中、L0は25℃、相対湿度60%の雰囲気下で2時間調湿後のフィルム長さを表し、L’は60℃相対湿度90%で24時間経過させ、さらに25℃、相対湿度60%の雰囲気下で2時間調湿した後のフィルム長さを表す。
<5> 下記式VIおよび式VIIを満たす、<1>〜<4>のいずれかの光学フィルム;
式VI 30nm≦Re(550)≦80nm
式VII 90nm≦Rth(550)≦300nm
Re(550)は、波長550nmにおける面内方向のレターデーションを表し、Rth
(550)は波長550nmにおける厚み方向のレターデーションを表す。
<6> <1>〜<5>のいずれかの光学フィルムと偏光子とを有する偏光板。
<7> <1>〜<5>のいずれかの光学フィルム、または<6>の偏光板を有する、液晶表示装置。
<8> 液晶表示装置が一対の偏光板に挟持された液晶セルを含み、偏光板が液晶セル側から光学フィルム、偏光子、保護フィルムの順に配置され、液晶セルを正面方向から観察した際の偏光解消度が0.02%以下であり、光学フィルムの少なくとも一つが<1>〜<5>のいずれかの光学フィルムである、<7>の液晶表示装置。
1ADH又はWRあるいはKOBRA CCDシリーズ(王子計測機器(株)製)において波長λnmの光をフィルム法線方向に入射させて測定される。
測定されるフィルムが1軸又は2軸の屈折率楕円体で表されるものである場合には、以下の方法によりRth(λ)は算出される。
Rth(λ)は上記Re(λ)を、面内の遅相軸(KOBRA 21ADH又はWRあるいはKOBRA CCDシリーズにより判断される)を傾斜軸(回転軸)として(遅相軸がない場合にはフィルム面内の任意の方向を回転軸とする)のフィルム法線方向に対して法線方向から片側50度まで10度ステップで各々その傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて全部で6点測定し、その測定されたレターデーション値と平均屈折率の仮定値及び入力された膜厚値を基にKOBRA 21ADH又はWRあるいはKOBRA CCDシリーズが算出する。
上記において、法線方向から面内の遅相軸を回転軸として、ある傾斜角度にレターデーションの値がゼロとなる方向をもつフィルムの場合には、その傾斜角度より大きい傾斜角度でのレターデーション値はその符号を負に変更した後、KOBRA 21ADH又はW
RあるいはKOBRA CCDシリーズが算出する。測定波長λnmの選択にあたっては、波長選択フィルターをマニュアルで交換するか、または測定値をプログラム等で変換して測定することができる。
尚、遅相軸を傾斜軸(回転軸)として(遅相軸がない場合にはフィルム面内の任意の方向を回転軸とする)、任意の傾斜した2方向からレターデーション値を測定し、その値と平均屈折率の仮定値及び入力された膜厚値を基に、以下の式(X)及び式(XI)よりRthを算出することもできる。
算出される。
Rth(λ)は上記Re(λ)を、面内の遅相軸(KOBRA 21ADH又はWRあ
るいはKOBRA CCDシリーズにより判断される)を傾斜軸(回転軸)としてフィルム法線方向に対して−50度から+50度まで10度ステップで各々その傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて11点測定し、その測定されたレターデーション値と平均屈折率の仮定値及び入力された膜厚値を基にKOBRA 21ADH又はWRが算出する。
上記の測定において、平均屈折率の仮定値は ポリマーハンドブック(JOHN WI
LEY&SONS,INC)、各種光学フィルムのカタログの値を使用することができる。平均屈折率の値が既知でないものについてはアッベ屈折計で測定することができる。主な光学フィルムの平均屈折率の値を以下に例示する:
セルロースアシレート(1.48)、シクロオレフィンポリマー(1.52)、ポリカーボネート(1.59)、ポリメチルメタクリレート(1.49)、ポリスチレン(1.59)である。
これら平均屈折率の仮定値と膜厚を入力することで、KOBRA 21ADH又はWR
あるいはKOBRA CCDシリーズはnx、ny、nzを算出する。この算出されたnx,ny,nzよりNz=(nx−nz)/(nx−ny)が更に算出される。
なお、レターデーションは、AxoScan(AXOMETRICS社)を用いて測定することもできる。
また、本明細書において、位相差膜及び液晶層等の各部材の光学特性を示す数値、数値範囲については、液晶表示装置やそれに用いられる部材について一般的に許容される誤差を含む数値、数値範囲及び性質を示していると解釈されるものとする。
本明細書において、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)測定によるポリスチレン換算値として定義される。本明細書において、重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)は、例えば、HLC−8220(東ソー(株)製)を用い、カラムとしてTSKgel Super AWM―H(東ソー(株)製、6.
0mmID×15.0cmを用いることによって求めることができる。溶離液は特に述べない限り、10mmol/L リチウムブロミドNMP(N−メチルピロリジノン)溶液を用いて測定したものとする。
本発明の光学フィルムは、アシル基の置換度が2.0〜2.6のセルロースアシレート及び少なくとも1種の光学発現剤を含む光学フィルムであって、膜厚が40μm以下であり、上記セルロースアシレート中のマンノース含有量が0.2質量%以下であり、下記式I及び下記式IIを満たすことを特徴とする。
式I MA≧MB×1.1
式II CA≧CB×1.1
式中、光学フィルムの一方の表面から2μmの厚さまでをA面、他方の表面から2μmの厚さまでをB面とし、MAは、A面のマンノースの含有量を表し、MBは、B面のマンノースの含有量を表す;CAは、A面の光学発現剤の含有量を表し、CBは、B面の光学発現剤の含有量を表す;MA、MB、CAおよびCBの単位は質量%である。
本発明の光学フィルムは、光学補償フィルムとして使用することができる。
(マンノースの含有量)
本発明の光学フィルムは、セルロースアシレート中のマンノースの含有量が0.2質量%以下であり、0.15質量%以下であることがより好ましく、0.1質量%以下であることがさらに好ましい。マンノースの含有量の下限値は特に限定されず、0質量%でもよい。
マンノースの含有量が0.2質量%以下であることにより、偏光解消を伴う散乱Hv値を抑制することができ、また輝点が少なくなり内部ヘイズが抑制できる。
高速液体クロマトグラフィ(HPLC,ダイオネクス社製DX−AQ型)
検出器:パルスドアンペロメトリー検出器(金電極)
カラム:ダイオネクス社製,CarboPacPA−1(250×4mm)
溶離液:2mM NaOH
流量:1.0ml/分
ポストカラム:ダイオネクス社製、AMMS−II型
なお、マンノースのモル比は、予め、マンノース標品を用いて作成した検量線から求めることができる。
本発明の光学フィルムは、下記式Iおよび式IIを満たし、下記式I−1および式II−1を満たすことが好ましく、下記式I−2および式II−2を満たすことがより好ましい。
式I MA≧MB×1.1
式II CA≧CB×1.1
式I−1 MA≧MB×1.14
式II−1 CA≧CB×1.11
式I−2 MA≧MB×1.17
式II−2 CA≧CB×1.12
式中、光学フィルムの一方の表面から2μmの厚さまでをA面、他方の表面から2μmの厚さまでをB面とし、MAは、A面のマンノースの含有量を表し、MBは、B面のマンノースの含有量を表す;CAは、A面の光学発現剤の含有量を表し、CBは、B面の光学発現剤の含有量を表す;MA、MB、CAおよびCBの単位は質量%である。
作製したフィルムの両面の各表面から2μmの厚さまでをカッター刃で削りとり、採取した粉末を、上記したセルロースアシレート中のマンノースの含有量の測定方法と同様の方法で、粉末中に含まれるマンノースの含有量を求めることができる。カッター刃で削りとられるフィルムの面積は特に限定されないが、例えば、100〜400cm2とすればよい。マンノースの含有量が多い方の面をA面、少ない方の面をB面とし、MAおよびMBを求めることができる。
MAおよびMBの求め方と同様の方法でフィルムの各表面を削り粉末を採取する。A面側から採取した粉末およびB面側から採取した粉末中に含有される光学発現剤量をそれぞれ以下のように定量し、CAおよびCBを求める。
装置:液体クロマトグラフィ(HPLC、アジレントテクノロジー社 Agilent HP1100)
カラム:Imtakt Cadenza CD−C18、2.0×150mm
流量:0.2ml/min
注入量:3μl
本発明の光学フィルムが2種以上の光学発現剤を含有する場合、各々の光学発現剤について上記式IIを満たすことが好ましい。
本発明の光学フィルムの膜厚は、40μm以下であり、38μm以下が好ましく、35μm以下がより好ましい。膜厚の下限については特に制限はないが、一般的には5μmである。本発明の光学フィルムは、膜厚が40μm以下であっても正面コントラストを向上させることができる。
本発明の光学フィルムのHv値は、下記式IIIを満たすことが好ましく、式III−1を満たすことがより好ましく、式III−2を満たすことがさらに好ましい。
式III Hv15(0°、90°)≦10×10-3
式III−1 Hv15(0°、90°)≦8.0×10-3
式III−2 Hv15(0°、90°)≦7.0×10-3
式中、Hv15(0°、90°)=(Hv15(0°)+Hv15(90°))/2であり、Hv15(0°)は、光学フィルムの遅相軸方向を方位角0°とした場合に、極角15°、方位角0°方向から光を入射した際に、吸収軸が直交する2枚の偏光板を透過してくる光量を表し、Hv15(90°)は、光学フィルムの遅相軸方向を方位角0°とした場合に、極角15°、方位角90°方向から光を入射した際に、吸収軸が直交する2枚の偏光板を透過してくる光量を表す;Hv15(0°)及びHv15(90°)の単位は、cd/m2である。
図3の左側の図は、吸収軸が直交する偏光板の間にフィルムを配置した構成を示す。図3の右側の上段の図は、光学フィルムの遅相軸方向を方位角0°とした場合に、極角15°、方位角0°方向から光を入射した場合を示し(極角を倒す方向は、灰色の面内であれば反対側でも可能)、図3の右側の下段の図は、光学フィルムの遅相軸方向を方位角0°とした場合に、極角15°、方位角90°方向から光を入射した場合を示す(極角を倒す方向は、灰色の面内であれば反対側でも可能)。ここで、光学フィルム(図3中102)を直交する2枚の偏光板(図3中101、及び103)の間に配置した。光学フィルムの遅相軸方向を偏光板101の吸収軸と平行になるように配置した。
フィルム斜め方向から入射する光が、画面正面方向に散乱される要因として、フィルムの内部ヘイズが知られている。例えば図1の符号2が示すように、フィルム内部に散乱因子が存在すると、フィルムに斜め方向(上下偏光板の吸収軸と異なる角度)から入射した光が正面方向に散乱される。散乱光は光学フィルムのレターデーションにより偏光状態が変わり、視認側偏光板を透過し光漏れの原因となり、正面コントラストを低下させる。フィルム中にクレーズや光学発現剤の凝集などが存在すると内部ヘイズ発生原因となりうる。
散乱が生じる原因は明らかになっていないが、複屈折を持つ微小な異物やフィルム中の光学発現剤の微小な濃度ムラ、ポリマーの微小な密度ゆらぎなども考えられる。
本発明の光学フィルムは、下記式IVを満たすことが好ましく、式IV−1を満たすことがより好ましく、式IV−2を満たすことがさらに好ましい。
式IV (Rth(60℃90%)−Rth(Fresh))/Rth(Fresh)≦0.05
式IV−1 (Rth(60℃90%)−Rth(Fresh))/Rth(Fresh)≦0.04
式IV−2 (Rth(60℃90%)−Rth(Fresh))/Rth(Fresh)≦0.03
式中、Rth(60℃90%)は、ガラスに貼合した光学フィルムを60℃、90%相対湿度環境下で24時間放置し、さらに25℃、60%相対湿度環境下で6時間放置した後の波長550nmにおける厚み方向のレターデーションを表し、Rth(Fresh)は、ガラスに貼合した光学フィルムを25℃、60%相対湿度環境下で6時間放置した後の波長550nmにおける厚み方向のレターデーションを表す。上記のガラスの厚さは特に限定されないが、好ましくは0.3mm〜3.0mmである。
Rth(Fresh)は、例えば、ガラス(コーニング社製、イーグルXG)に粘着剤(綜研化学社性、SK2057)を介して貼合した光学フィルムを、25℃60%相対湿度環境下で6時間放置した後、AxoScan(AXOMETRICS社)で測定することができる。
本発明の光学フィルムは、光学フィルムの遅相軸方向および/又はそれに直交する方向における寸法変化率が、下記式Vを満たすことが好ましく、式V−1を満たすことがより好ましく、式V−2を満たすことがさらに好ましい。
式V −1.0%≦{(L’−L0)/L0}×100≦−0.5%
式V−1 −0.95%≦{(L’−L0)/L0}×100≦−0.55%
式V−2 −0.9%≦{(L’−L0)/L0}×100≦−0.6%
式中、L0は25℃、相対湿度60%の雰囲気下で2時間調湿後のフィルム長さを表し、L’は60℃相対湿度90%で24時間経過させ、さらに25℃、相対湿度60%の雰囲気下で2時間調湿した後のフィルム長さを表す。
寸法変化率[%]=(L’−L0)/L0}×100
本発明の光学フィルムは、下記式VIおよび式VIIを満たすことが好ましく、式VI−1および式VII−1を満たすことがより好ましく、式VI−2および式VII−2を満たすことがさらに好ましい。
式VI 30nm≦Re(550)≦80nm
式VII 90nm≦Rth(550)≦300nm
式VI−1 40nm≦Re(550)≦70nm
式VII−1 100nm≦Rth(550)≦200nm
式VI−2 40nm≦Re(550)≦50nm
式VII−2 100nm≦Rth(550)≦150nm
Re(550)は、波長550nmにおける面内方向のレターデーションを表し、Rth(550)は波長550nmにおける厚み方向のレターデーションを表す。
本発明の光学フィルムは、アシル基の置換度が2.0〜2.6のセルロースアシレートを含む。
セルロースアシレートの原料のセルロースとしては、綿花リンタや木材パルプ(広葉樹パルプ,針葉樹パルプ)などがあり、何れの原料セルロースから得られるセルロースアシレートでも使用でき、場合により混合して使用してもよい。これらの原料セルロースについての詳細な記載は、例えば、丸澤、宇田著、「プラスチック材料講座(17)繊維素系樹脂」日刊工業新聞社(1970年発行)や発明協会公開技報公技番号2001−1745号(7頁〜8頁)に記載のセルロースを用いることができる。
使用するセルロースアシレートの90質量%以上が上記のアシル基の置換度の範囲を満たすことが好ましく、95質量%以上が上記のアシル基の置換度の範囲を満たすことがより好ましく、96質量%以上が上記のアシル基の置換度の範囲を満たすことがさらに好ましく、全てのセルロースアシレートが上記のアシル基の置換度の範囲を満たすことが特に好ましい。
本発明に用いるセルロースアシレートは、例えば、特開平10−45804号公報に記載されている方法により合成できる。
に対して70質量%以上が好ましく、75質量%以上がより好ましく、80質量%以上がさらに好ましく、85質量%以上が特に好ましい。セルロースアシレートの含有量の上限値は特に限定されないが、一般的には98質量%であり、好ましくは97質量%であり、より好ましくは95質量%である。
本発明の光学フィルムは、少なくとも1種の光学発現剤を含む。本発明における光学発現剤とは、光学フィルムにおいて使用されるセルロースアシレートに対して1質量%添加した際に、Rth(550)を0.1nm以上上昇させる添加剤を意味する。光学発現剤としては、糖エステル化合物、エステル系化合物、含窒素化合物等が挙げられる。
本発明の光学フィルムは、光学発現剤として糖エステル化合物を含んでいてもよい。糖エステル化合物としては、ピラノース構造又はフラノース構造の少なくとも一種を1〜12個有しその構造のOH基の一部がエステル化された化合物およびまたはその混合物を好ましく用いることができる。
グルコース、ガラクトース、マンノース、フルクトース、キシロース、あるいはアラビノース、ラクトース、スクロース、ニストース、1F−フラクトシルニストース、スタキオース、マルチトール、ラクチトール、ラクチュロース、セロビオース、マルトース、セロトリオース、マルトトリオース、ラフィノースあるいはケストースが挙げられる。
この他、ゲンチオビオース、ゲンチオトリオース、ゲンチオテトラオース、キシロトリオース、ガラクトシルスクロースなども挙げられる。
例としては、スクロース、ケストース、ニストース、1F−フラクトシルニストース、スタキオースなどが好ましく、更に好ましくは、スクロースである。
ピラノース構造又はフラノース構造中のOH基のすべてもしくは一部をエステル化するのに用いられるモノカルボン酸としては、特に制限はなく、公知の脂肪族モノカルボン酸、脂環族モノカルボン酸、芳香族モノカルボン酸等を用いることができる。用いられるカルボン酸は1種類でもよいし、2種以上の混合であってもよい。
好ましい芳香族モノカルボン酸の例としては、安息香酸、トルイル酸等の安息香酸のベンゼン環にアルキル基、アルコキシ基を導入した芳香族モノカルボン酸、ケイ皮酸、ベンジル酸、ビフェニルカルボン酸、ナフタリンカルボン酸、テトラリンカルボン酸等のベンゼン環を2個以上有する芳香族モノカルボン酸、又はそれらの誘導体を挙げることができ、具体的には、キシリル酸、ヘメリト酸、メシチレン酸、プレーニチル酸、γ−イソジュリル酸、ジュリル酸、メシト酸、α−イソジュリル酸、クミン酸、α−トルイル酸、ヒドロアトロパ酸、アトロパ酸、ヒドロケイ皮酸、サリチル酸、o−アニス酸、m−アニス酸、p−アニス酸、クレオソート酸、o−ホモサリチル酸、m−ホモサリチル酸、p−ホモサリチル酸、o−ピロカテク酸、β−レソルシル酸、バニリン酸、イソバニリン酸、ベラトルム酸、o−ベラトルム酸、没食子酸、アサロン酸、マンデル酸、ホモアニス酸、ホモバニリン酸、ホモベラトルム酸、o−ホモベラトルム酸、フタロン酸、p−クマル酸を挙げることができるが、特に安息香酸、ナフチル酸が好ましい。
オリゴ糖は、澱粉、ショ糖等にアミラーゼ等の酵素を作用させて製造されるもので、本発明に適用できるオリゴ糖としては、例えば、マルトオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、フラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、キシロオリゴ糖が挙げられる。
以下に、上記糖エステル化合物の具体例を挙げるが、これに限定されるものではない。
本発明の光学フィルムは、光学発現剤としてエステル系化合物を含んでいてもよく、具体的にはジカルボン酸とジオールとの重縮合エステルを含むことが好ましい。
重縮合エステルは、多価塩基酸と多価アルコールとの脱水縮合反応、又は、多価アルコールへの無水二塩基酸の付加及び脱水縮合反応などの公知の方法で得ることができ、好ましくは2塩基酸とジオールとから形成される重縮合エステル及びその誘導体である。
また、本発明における重縮合エステルは、分子量500以下の成分の比率(質量分率)が8%未満であることが好ましく、7%未満であることが更に好ましい。分子量500以下の成分の比率は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)から求めることができる。低分子量の成分の比率を8%未満とするには、通常の真空蒸留、薄膜(分子)蒸留などの蒸留やクロマトグラフィによる方法などを挙げることができるが、短時間で低分子量成分を除去可能な薄膜蒸留が好ましい。
ジカルボン酸としては、脂肪族ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸等が挙げられ、いずれのジカルボン酸であっても用いることができるが、特に、芳香族ジカルボン酸を好ましく用いることができる。このような重縮合エステルを配合するとレターデーションの発現性が高くなる。
本発明に用いる上記重縮合エステルは、少なくとも1種の芳香族ジカルボン酸残基を含むことが好ましい。
また、本発明に用いる重縮合エステル中の全てのジカルボン酸残基に対する芳香族ジカルボン酸残基の割合が50モル%以上であることが好ましい。
上記芳香族ジカルボン酸残基比率を50モル%以上とすることで、膜厚が薄くとも十分な光学発現性を示(特に、膜厚あたりのRthの値が大きく)すセルロースアシレートフィルムを得られる傾向にある。
その中でも、上記芳香族ジカルボン酸残基は、セルロースアシレートとの相溶性の観点から、−OC−Ar−CO−残基の構造であることが好ましい。
上記重縮合エステルには、混合に用いた芳香族ジカルボン酸により芳香族ジカルボン酸残基が形成される。
上記重縮合エステルが、芳香族ジカルボン酸残基としてテレフタル酸残基を含む場合、よりセルロースアシレートとの相溶性に優れ、セルロースアシレートフィルムの製造時及び加熱延伸時においてもブリードアウトを生じにくいセルロースアシレートフィルムとすることができる。
含まれる場合は、フタル酸残基とテレフタル酸残基が含まれていることが好ましい。
上記脂肪族ジカルボン酸残基の具体例としては、例えば、シュウ酸残基、マロン酸残基、コハク酸残基、マレイン酸残基、フマル酸残基、グルタル酸残基、アジピン酸残基、ピメリン酸残基、スベリン酸残基、アゼライン酸残基、セバシン酸残基、ドデカンジカルボン酸残基または1,4−シクロヘキサンジカルボン酸残基等が挙げられる。
上記重縮合エステルには、混合に用いた脂肪族ジカルボン酸より脂肪族ジカルボン酸残基が形成される。
上記脂肪族ジカルボン酸残基は、平均炭素数が5.5〜10.0であることが好ましく、5.5〜8.0であることがより好ましく、5.5〜7.0であることがさらに好ましい。脂肪族ジオールの平均炭素数が7.0以下であれば化合物の加熱減量が低減でき、セルロースアシレートウェブ乾燥時のブリードアウトによる工程汚染が原因と考えられる面状故障の発生を防ぐことができる。また、脂肪族ジオールの平均炭素数が2.5以上であれば相溶性に優れ、重縮合エステルの析出が起き難く好ましい。
具体的には、上記重合性エステルは、上記脂肪族ジカルボン酸残基を含む場合はコハク酸残基またはアジピン酸残基を含むことが好ましく、コハク酸残基を有することがより好ましい。
上記重縮合エステル中には、脂肪族ジカルボン酸残基が1種のみ含まれていても、2種以上を含まれていてもよい。上記重縮合エステル中に、脂肪族ジカルボン酸残基が2種含まれる場合は、コハク酸残基とアジピン酸残基が含まれていることが好ましい。上記重縮合エステル中に、脂肪族ジカルボン酸残基が1種含まれる場合は、コハク酸残基が含まれていることが好ましい。このような態様とすることで、ジオール残基の平均炭素数を上記好ましい範囲に調整することができ、セルロースアシレートとの相溶性が良好となる。
本発明に用いる上記重縮合エステルは、ジオール残基として、少なくとも1種の脂肪族ジオール残基を含む。
上記炭素数3以上の脂肪族ジオール比率は、30モル%以上であることがより好ましく、50〜80モル%であることが特に好ましい。
1,2−プロパンジオール残基、または1,3−プロパンジオール残基を用いることにより重縮合エステルの結晶化を防止することができる。
上記重縮合エステルには、混合に用いた脂肪族ジオールにより脂肪族ジオール残基が形成される。
上記芳香族ジオール残基の具体例としては、例えば、ビスフェノールA残基、1,2−ヒドロキシベンゼン残基、1,3−ヒドロキシベンゼン残基、1,4−ヒドロキシベンゼン残基、1,4−ベンゼンジメタノール残基等が挙げられる。
上記重縮合エステルには、混合に用いた芳香族ジオールより芳香族ジオール酸残基が形成される。
このとき、該重縮合エステルの両末端は脂肪族モノカルボン酸残基となっている。
その中でも上記R1〜R3の表す脂肪族基は、鎖状の飽和脂肪族基であることが好ましく、鎖状のアルキル基であることがより好ましく、直鎖アルキル基であることが特に好ましい。
この場合、封止に用いるモノカルボン酸類としては炭素数2〜22の脂肪族モノカルボン酸であることが好ましく、炭素数2〜6の脂肪族モノカルボン酸であることがより好ましく、炭素数2〜4の脂肪族モノカルボン酸であることが特に好ましく、炭素数2または3の脂肪族モノカルボン酸であることがより特に好ましく、炭素数2の脂肪族モノカルボン酸残基であることがよりさらに好ましいこととなる。
この場合、封止に用いるモノアルコール類としてはメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール等が好ましく、メタノールが最も好ましい。
上記重縮合エステルの両末端は、−OH基であること、あるいは、酢酸またはプロピオン酸により封止されていることがさらに好ましい。
基と称する場合がある)となることが、該重縮合エステルが常温での状態が固体形状となりにくく、セルロースアシレートフィルムのハンドリングが良好となり、また湿度安定性、偏光板耐久性に優れたセルロースアシレートフィルムを得ることができる観点から好ましい。
重縮合エステルの数平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィーによって測定、評価することができる。また、末端が封止のないポリエステルポリオールの場合、重量あたりの水酸基の量(以下、水酸基価)により算出することもできる。水酸基価は、ポリエステルポリオールをアセチル化した後、過剰の酢酸の中和に必要な水酸化カリウムの量(mg)を測定する。
本発明において重縮合エステルは、可塑剤として用いることができる。
端がアセチル基である分子量1800の重縮合エステルを使用することができる。
本発明の光学フィルムは、光学発現剤として含窒素化合物を含んでいてもよい。含窒素化合物としては、例えば下記一般式(1)又は一般式(2)で表される単環化合物を使用できる。単位膜厚あたりの光学特性の発現性をより一層向上させ、湿度依存性、及び湿熱下での光学安定性を向上させるという観点から、本発明の光学フィルムは、一般式(1)で表される単環化合物および/または一般式(2)で表される単環化合物を含有することが好ましい。
X11およびX12は炭素原子を表し、X13およびX14は、それぞれ独立に=CH−または窒素原子を表し;
L1およびL2は、それぞれ独立に、単結合、−CO−、−O−、−NR−、およびこれらの組み合わせからなる基を表し、Rは、水素原子、または炭素数1〜6のアルキル基を
表し、R1およびR2は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい炭素数5〜10のシクロアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数6〜20のアリール基、または置換基を有していてもよい炭素数3〜10の複素環基を表す;点線は、単結合、あるいは−X3(−L2−R2)=X1−NH−X2(−L1−R1)=X4−、または−X13=X11(−L2−R2)−NH−X12(−L1−R1)=X14−と一緒になって環を形成する原子団を表す。
Rは、水素原子、または炭素数1〜6のアルキル基を表す。炭素数1〜6のアルキル基としては、炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、炭素数1〜3のアルキル基が好ましい。炭素数1〜6のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。Rは、水素原子が好ましい
置換基を有していてもよい炭素数5〜10のシクロアルキル基としては、炭素数5〜8のシクロアルキル基が好ましく、炭素数5〜6のシクロアルキル基がより好ましい。炭素数5〜10のシクロアルキル基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基等が挙げられる。
アリール基が複数の環を有する場合は炭素数9〜18が好ましく、炭素数11〜16のアリール基がより好ましい。複数の環のうち一部に複素環を含むことが好ましい。
置換基を有していてもよい炭素数3〜10の複素環基としては、炭素数3〜7の複素環基が好ましく、炭素数3〜5の複素環基がより好ましい。炭素数3〜10の複素環基としては、芳香族性を有することが好ましい。芳香族性を有する複素環は、一般に不飽和複素環であり、好ましくは最多の二重結合を有する複素環である。複素環は5員環、6員環または7員環であることが好ましく、5員環または6員環であることがさらに好ましく、6員環であることが最も好ましい。複素環のヘテロ原子は、窒素原子、硫黄原子または酸素原子であることが好ましく、窒素原子であることが特に好ましい。芳香族性を有する複素環としては、ピリジン環(複素環基としては、2−ピリジルまたは4−ピリジル)が特に好ましい。
カルバモイル基、アミド基、アルキルチオ基、アルケニルチオ基、アリールチオ基、2−チオフェニル基、2−ピロリル基およびアシル基が含まれる。
原子団としては、−CH2−、−NH−、−CH(−L1−R1)−(式中、L1およびR1は、上記と同義であり、好ましい範囲も同様である)およびこれらの組み合わせからなる基が挙げられ、単結合、又は−CH2−が好ましく、単結合がより好ましい。
原子団としては、一般式(1)で表される化合物が5〜7員環となるように原子団が形成されていることが好ましく、5員環または6員環となるように原子団が形成されていることがより好ましく、5員環となるように原子団が形成されていることがさらに好ましい。5員環としては、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環又はトリアゾール環などが挙げられる。
一般式(2)において、L1およびL2は、それぞれ独立に、単結合、−CO−、−O−、−NR−、およびこれらの組み合わせからなる基を表し、一般式(1)におけるL1、L2、およびRと同義であり、好ましい範囲も同様である。
原子団としては、一般式(1)における点線の定義と同義であり、好ましい範囲も同様である。
原子団としては、一般式(2)で表される化合物が5〜7員環となるように原子団が形成されていることが好ましく、5員環または6員環となるように原子団が形成されていることがより好ましく、5員環となるように原子団が形成されていることがさらに好ましい。5員環としては、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環又はトリアゾール環などが挙げられる。
X11は炭素原子を表し、X14は=CH−または窒素原子を表し、X15は−CH2−又は−NH−を表し、
L1およびL2は、それぞれ独立に、単結合、−CO−O−、−CO−NH−、又は−NH−CO−を表し、R1およびR2は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい炭素数5〜10のシクロアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数6〜20のアリール基、または置換基を有していてもよい炭素数3〜10の複素環基を表し、nは0または1の整数を表す。
一般式(1−1)及び一般式(2−1)において、R1およびR2は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい炭素数5〜10のシクロアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数6〜20のアリール基、または置換基を有していてもよい炭素数3〜10の複素環基を表し、一般式(1)におけるR1およびR2と同義であり、好ましい範囲も同様である。
一般式(1−1)及び一般式(2−1)において、nは0または1の整数を表し、0が好ましい。
化合物1−aは、J. Chem. Soc., Perkin Trans. 1, 1997, 3189-3196に記載の合成方法により合成することができる。
化合物3−aは、文献 J. Am. Chem. Soc., 2003, 125, 10580-10585に記載の合成方法により合成することができる。
化合物6−aは、Bioorganic & Medicinal Chemistry, 2010, 18, 6184-6196に記載の合成方法により合成することができる。
本発明の光学フィルムは、マット剤として微粒子を含有することが好ましい。本発明に使用される微粒子としては、二酸化珪素、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、タルク、クレイ、焼成カオリン、焼成珪酸カルシウム、水和珪酸カルシウム、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム及びリン酸カルシウムを挙げることができる。微粒子は珪素を含むものが、濁度が低くなる点で好ましく、特に二酸化珪素が好ましい。二酸化珪素の微粒子は、例えば、アエロジルR972(日本アエロジル(株)製)などの市販品を使用することができる。二酸化珪素の微粒子は、1次平均粒子径が20nm以下であり、かつ見かけ比重が70g/L以上であるものが好ましい。1次粒子の平均径が5〜16nmと小さいものがフィルムのヘイズを下げることができより好ましい。見かけ比重は90〜200g/Lが好ましく、100〜200g/Lが更に好ましい。見かけ比重が大きい程、高濃度の分散液を作ることが可能になり、ヘイズ、凝集物が良化するため好ましい。望ましい実施態様は、発明協会公開技報(公技番号2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)35頁〜36頁に詳細に記載されており、本発明の光学フィルムにおいても好ましく用いることができる。マット剤の配合量は、セルロースアシレートに対して、好ましくは0.01〜0.30質量%であり、より好ましくは0.05〜0.20質量%である。
本発明の光学フィルムは、溶液流延によって製造することができる。溶液流延においては、セルロースアシレートを有機溶媒に溶解してドープを調製する。上記ドープ中に光学
発現剤も添加することができる。本発明におけるポリマー溶液の溶媒として好ましく用いられる有機溶媒の組み合せの例については、特開2009−262551号公報に挙げられている。
光学発現剤はセルロースアシレートとともに添加してドープを調製してもよいし、セルロースアシレートとは別に光学発現剤の溶液を別途調製し、この光学発現剤の溶液をセルロースアシレートと混合して、ドープを調製してもよい。上記のドープを、金属等からなる支持体(バンド)の表面にキャストして、乾燥して製造する。その後、膜を支持体面から剥ぎ取り、延伸処理することにより、本発明の光学フィルムを製造することができる。
乾燥風温度が30℃以上とすることで、光学発現剤の分布を大きくすることが可能となり、80℃以下とすることで、乾燥中の発泡を抑制することが可能となる。
バンドの温度は5〜30℃が好ましく、10〜25℃がより好ましく、10〜20℃がさらに好ましい。
バンドの温度を上記範囲内とすることで、支持体面側の溶媒が、空気界面側に移動する速度が遅くなり、溶媒の膜厚方向分布が大きくなり、結果として光学発現剤の膜厚方向分布が大きくなる。
延伸処理の方法及び条件については、例えば、特開昭62−115035号公報、特開平4−152125号公報、特開平4−284211号公報、特開平4−298310号公報、特開平11−48271号公報等に記載の例を参考にすることができる。
二軸延伸を行う際は、フィルムMD方向(搬送方向)に延伸した後にTD方向(搬送方向と直交方向)に延伸することが好ましい。延伸を行う際に、残留溶媒を含んでいてもよいし、残留溶媒を含まない状態で延伸しても良い。残留溶媒を含む場合は、溶媒量がフィルム固形分重量に対して0.1重量%〜50重量%の間で延伸することが好ましい。
延伸率(%)=100×{(延伸後の長さ)−(延伸前の長さ)}/延伸前の長さ
延伸開始時の膜面温度は100℃以上220℃以下であることが好ましく、120℃以上200℃以下であることがより好ましい。
なお、本発明においては、フィルムTD方向に延伸する方法として、テンター装置を用いて延伸することが好ましい。
本発明は、本発明の光学フィルムと偏光子とを有する偏光板にも関する。本発明の光学
フィルムの表裏面(A面、B面)は、光学発現剤の含有量に違いがある。A面、B面いずれを偏光子側に貼合しても良い。
波うちカールとは、プロテクトフィルム、保護フィルム、偏光子、光学フィルム、粘着剤、セパレートフィルムの順に積層された偏光板が、高湿の環境下に静置された際に、偏光板の端部が吸水する結果、偏光板端部が吸湿膨張により変形し、波状となる現象である。
本発明は、本発明の光学フィルム、または本発明の偏光板を有する液晶表示装置にも関する。本発明の液晶表示装置の一例は、本発明の偏光板を少なくとも一枚有する液晶表示装置である。本発明の光学フィルムは、液晶表示装置のモードに制限されることなく、種々のモードの液晶表示装置に対して、新たな光学補償作用により、表示特性の改善に寄与することが期待できる。具体的には、TN(Twisted Nematic)、IPS
(In−Plane Switching)、OCB(Optically Compensatory Bend)、VA(Vertically Aligned)、ECB(Electrically Controlled Birefringence)等の種々の表示モードの液晶表示装置において、新たな光学補償作用により、表示特性の改善に寄与するであろう。特に、垂直配向モード及び水平配向モードの液晶表示装置の光学補償に利用するのが好ましい。
また、ガラス板付き片面偏光板の間に液晶セルを挟まない状態で、ガラス板付き片面偏光板のみの状態でも同様に測定行う。このときの輝度の最小値をT(p)min、最大値をT(p)maxとする。
上記測定結果より、液晶セルのDI値を下記式に従って算出する。
<<セルロースアシレートの合成1>>
特開2008−56768号公報の実施例に記載の方法に準じて以下の通りセルロースアシレートを合成した。
シート状セルロース(コットンリンターパルプ)αセルロース含量97質量%をディスクリファイナーで処理し、綿状とした。100質量部の綿状セルロース(含水率8.0質量%)100質量部の綿状セルロース(含水率8.0質量%)に47.16質量部の酢酸を噴霧し、よく攪拌し、温度24℃で60分間静置した(第1の活性化工程)。さらに、第1の活性化工程を経たセルロースに、硫酸(0.94質量部)を含む酢酸(30.28質量部)を添加し、24℃で60分間静置した(第2の活性化工程)。
そして、第2の活性化工程を経て活性化されたセルロースに、酢酸(417.85質量部)、無水酢酸(282.98質量部)および硫酸(8.72質量部)を混合し、15℃以下で20分保持した後、昇温速度0.31℃/分で反応系の温度を35℃まで昇温して40分間保持し、アセチル化を行った。そして、酢酸(0.15質量部)、水(22.98質量部)および酢酸マグネシウム(7.30質量部)を混合し、温度61℃で95分間保持したのち、酢酸マグネシウム(7.48質量部)、酢酸(20.94質量部)および水(21.44質量部)を添加し熟成反応を停止した。反応浴を希酢酸中に攪拌下投入し、生成物を沈殿させ、希水酸化カルシウム水溶液に浸漬した後、濾別し乾燥することにより、セルロースアセテートを得た。
通常のセルロースアセテートの解砕機で解砕した。解砕したセルロース100質量部に対して3000質量部の水に浸漬して室温で90分攪拌膨潤させた。その後、ブフナー漏斗上でアスピレーターを用いて吸引脱液し、含水パルプ(含水セルロース)530質量部を得た。得られた含水パルプを1500質量部のメチルアルコールに浸漬し、室温で30分攪拌した。メチルアルコールを含んだパルプをブフナー漏斗上でアスピレーターを用いて吸引脱液し、含極性溶媒パルプ450質量部を得た。この含極性溶媒パルプをアセトン1500質量部に浸漬し、室温で30分攪拌した。アセトンを含んだパルプをブフナー漏
斗上でアスピレーターを用いて吸引脱液し、含両親媒性溶媒パルプ420質量部を得た。
した。その後、ブフナー漏斗上でアスピレーターを用いて吸引脱液した。得られたパラフィン炭化水素含有パルプを粉砕しながら、乾燥することで、解砕されたジクロルメタン抽出分が低減されたパルプを得た。抽出後のジクロルメタン抽出分の値は2.0ppmであった。
クラフト法溶解パルプ(α−セルロース含有率93質量%)を水解砕後、アセトン置換し乾燥した。このパルプ100質量部に対し、500質量部の酢酸を均一に散布し40℃にて30分間混合し、前処理活性化した。
得られたセルロースアシレートは、以下の比較例1及び2で使用した。
特開平10−45804号公報に記載の方法で、アセチル置換度2.43のセルロースアシレートを調製した。触媒として硫酸(セルロース100質量部に対し7.8質量部)を添加し、各カルボン酸を添加し40℃でアシル化反応を行った。その後、硫酸触媒量、水分量および熟成時間を調整することで全置換度と6位置換度を調整した。熟成温度は40℃で行った。さらにこのセルロースアシレートの低分子量成分をアセトンで洗浄し除去した。
得られたセルロースアシレートは、以下の比較例3で使用した。
<<ドープ調製>>
下記組成物をミキシングタンクに投入し、攪拌して各成分を溶解し、さらに90℃に約10分間加熱した後、平均孔径34μmのろ紙および平均孔径10μmの焼結金属フィルターでろ過した。
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セルロースアシレート溶液
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下記表に記載のセルロースアシレート 100.0質量部
下記表に記載の光学発現剤1(糖1) 13.0質量部
下記表に記載の光学発現剤2(N2) 2.5質量部
メチレンクロライド 403.0質量部
メタノール 60.2質量部
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マット剤分散液
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マット剤(アエロジルR972)(日本アエロジル(株)製) 0.2質量部
メチレンクロライド 72.4質量部
メタノール 10.8質量部
セルロースアシレート溶液 10.3質量部
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上記のドープを、バンド流延機を用いて流延した。なお、バンドはSUS製であった。
バンド上に流延後、50℃ 8m/分の乾燥風をフィルム搬送方向と同じ方向に当てた。また、バンドの温度を15℃とした。
流延されて得られたウェブ(フィルム)を、バンドから剥離後、クリップでウェブの両端をクリップして搬送するテンター装置を用いて上記テンター装置内で20分間乾燥した。なお、ここでいう乾燥温度とは、フィルムの膜面温度のことを意味する。
得られたウェブ(フィルム)をバンドから剥離し、クリップに挟み、フィルム全体の質量に対する残留溶媒量が30質量%の状態のときに固定端一軸延伸の条件で、延伸温度170℃および延伸率30%でテンターを用いてフィルム搬送方向に直交する方向(横方向)に延伸した。このとき、延伸後の膜厚が表に記載の膜厚(単位:μm)になるように、流延膜厚を調整した。
光学発現剤1の種類と含有量、光学発現剤2の種類と含有量、並びに膜厚を下記表に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして光学フィルム2〜8を作製した。
実施例1と同様の方法でドープを作製し、バンド流延機に流延し、乾燥を行いバンドから剥離した。バンドから剥離後、乾燥を施し残留溶媒量が1質量%の状態の時に固定端一軸延伸の条件で、延伸温度175℃および延伸率30%でテンターを用いてフィルム搬送方向と直交する方向(横方向)に延伸した。得られたフィルムを光学フィルム17とした。
実施例1と同様の方法でドープを作製し、バンド流延機に流延し、乾燥を行いバンドから剥離した。バンドから剥離後、乾燥を施し残留溶媒量が5質量%の状態の時にフィルムMD方向に延伸を行った。延伸温度は160℃であり、延伸率は30%とした。その後、残留溶媒量が1質量%の状態の時に固定端一軸延伸の条件で、延伸温度175℃および延伸率60%でテンターを用いてフィルム搬送方向と直交する方向(横方向)に延伸した。得られたフィルムを光学フィルム18とした。
セルロースアシレートの種類、光学発現剤1の種類と含有量、光学発現剤2の種類と含有量、並びに膜厚を下記表に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして光学フィルム9〜14を作製した。比較例6は、バンド(SUS製)から剥ぎ取ることが出来ず、
ハンドリングできなかった。
比較例7の光学フィルム15は、バンド上での乾燥時のバンド温度を35℃とすること以外は、実施例1と同様の方法により作製した。
比較例8の光学フィルム16は、バンド上の乾燥風温度を130℃とすること以外は、実施例1と同様の方法により作製した。フィルムが発泡してしまい評価ができなかった。
乾燥した光学フィルム200mgを精秤量し、72%硫酸3mlを加え、氷水で冷却しながら超音波を用い、2時間以上かけて光学フィルムを完全に溶解させた。得られた溶液に蒸留水39mlを加えて十分に振とうし、窒素気流下、110℃で3時間環流した後、30分間放置する。次いで、炭酸バリウム14gを加え、氷水で冷却しつつ超音波を作用させ中和する。30分後、さらに炭酸バリウム10gを加え、pH5.5〜6.5程度になるまで中和し、濾過した。濾液を超純水で100質量倍に稀釈し、試料を調製し。試料を、以下の条件でクロマトグラフィにより分析することで測定した。
高速液体クロマトグラフィ(HPLC,ダイオネクス社製DX−AQ型)
検出器:パルスドアンペロメトリー検出器(金電極)
カラム:ダイオネクス社製,CarboPacPA−1(250×4mm)
溶離液:2mM NaOH
流量:1.0ml/分
ポストカラム:ダイオネクス社製、AMMS−II型
上記方法で光学発現剤の含有量を定量できない場合は、以下の条件でHPLC(高速液体クロマトグラフィ)法で光学発現剤の含有量を算出した。
装置:液体クロマトグラフィ(HPLC、アジレントテクノロジー社 Agilent HP1100)
カラム:Imtakt Cadenza CD−C18、2.0×150mm
流量:0.2ml/min
注入量:3μl
KOBRA 21ADH(王子計測機器(株)製)で上記の方法によりReおよびRt
hを波長550nmで計測した。
光学フィルムの遅相軸方向を方位角0°とした場合に極角15°、方位角0°方向から光を入射した際に吸収軸が直交する偏光板を透過してくる光量をHv15(0°)とし、極角15°、方位角90°方向から光を入射した際に吸収軸が直交する偏光板を透過してくる偏光板を透過してくる光量をHv15(90°)とした。入射光の照度を10000(lxs)とした。単位は×10-2cd/m2である。
ガラス(コーニング社製、イーグルXG)に粘着剤(綜研化学社性、SK2057)を介して貼合した光学フィルムを、25℃60%相対湿度環境下で6時間放置した後、AxoScan(AXOMETRICS社)で厚み方向のレターデーションを測定し、Rth(Fresh)とした。
ガラス(コーニング社製、イーグルXG)に粘着剤(綜研化学社性、SK2057)を介して貼合した光学フィルムを60℃90%相対湿度で24時間放置し、さらに25℃60%相対湿度環境下で6時間放置し、AxoScan(AXOMETRICS社)で厚み方向のレターデーションを測定し、Rth(60℃90%)とした。
上記結果を用いて、(Rth(60℃90%)−Rth(Fresh))/Rth(Fresh)を求めた。
フィルムの遅相軸方向を長手方向として切り出した長さ12cm(測定方向)、幅3.5cmのフィルム試料、またはこれと直交する方向を長手方向として切り出したフィルム試料とを用意し、上記試料に10cmの間隔でピン孔を空け、25℃、相対湿度60%にて2時間調湿後、ピン孔の間隔をピンゲージで測長した(測定値をL0とする)。次いで、試料を60℃、相対湿度90%の湿熱環境下で24時間保持した後、25℃、相対湿度60%にて2時間調湿後、ピン孔の間隔をピンゲージで測長した(測定値をL’とする)。これらの測定値を用いて下記式により寸法変化率を算出した。
寸法変化率[%]=(L’−L0)/L0}×100
化合物N−2は、Bioorganic & Medicinal Chemistry, 2010, 18, 6184-6196に記載の合成方法に準じて以下の通り合成した。N2の雰囲気下において、安息香酸ヒドラジド(40kg, 293mol, 1当量)とベンゾニトリル(396kg,3840mol, 13.1当量)の混合物を、還流温度で14時間攪拌した。混合物を室温に冷却し、得られた沈殿を濾過により回収し、2−プロパノールで洗浄した。2−プロパノールからの再結晶により化合物6−a(37.7kg, 58%)を白色固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): d 7.41-7.59 (m,6H), 8.07-8.10 (m, 2H), 8.12 (1s, 1H); 13C NMR (100 MHz, DMSOd6):d 125.9, 126.1, 128.7, 129.1, 130.2, 131.3; HRMS (EI) [M]+ Calcdfor C14H11N3: 221.0953. Found: 221.0948.
上記で作製した各実施例および比較例の光学フィルムの表面をアルカリ鹸化処理した。1.5規定(1.5モル/L)の水酸化ナトリウム水溶液に55℃で2分間浸漬し、室温の水洗浴槽中で洗浄し、30℃で0.1規定(0.05モル/L)の硫酸を用いて中和した。再度、室温の水洗浴槽中で洗浄し、さらに100℃の温風で乾燥した。
偏光子の厚み、及び光学フィルムの種類を変え偏光板101〜104を作製した。
上記で作製した偏光板を長辺方向が1150mm、短辺方向が645mmの長方形に打ち抜いた。この際、偏光板の吸収軸が短辺に平行になるようにした。打ち抜いた偏光板を、セパレートフィルムが下になるように、23℃55%RH環境下で24時間、平らな面に静置した後、偏光板4辺において平らな面から浮いた箇所を波とし、波ごとにある平らな面からの浮き量の最高値を波の高さとして、直尺シルバー(シンワ測定(株)製)を用いて計測した。偏光板各辺において各波の高さの測定は、セパレートフィルムが下となるように静置した状態、及びセパレートフィルムが上となるように静置した状態で実施した。
VAモードの液晶TV(LC−46LV3、SHARP社製)の表裏の偏光板および位相差板を剥がして、液晶セルとして用いた。保護フィルム、偏光子、本発明の光学フィル
ム、液晶セル(VA液晶セル)、本発明の光学フィルム、偏光子および保護フィルムをこの順に粘着剤を用いて貼り合わせ、各実施例および比較例の液晶表示装置を作製した。この際、上下の偏光板の吸収軸が直交するように貼り合わせた。なお、偏光子の厚みは15μmであった。
(正面コントラストの評価)
作製した液晶表示装置を、測定機(EZ−Contrast XL88、ELDIM社製)を用いて、暗室内で黒表示および白表示の輝度および色度を評価し、以下の基準で評価した。
1:8000以上
2:5000以上8000未満
3:5000未満
液晶表示装置を、極角60度、方位角45度における色味(u’、v’)を測定機(EZ−Contrast XL88、ELDIM社製)を用いて、暗室内で黒表示および白表示の輝度および色度を測定し、暗室内で黒表示および白表示の輝度および色度を評価した。
液晶表示装置を60℃90%相対湿度環境下で48時間放置した後、液晶表示装置を取り出し、25℃60%相対湿度環境下で24時間連続点灯した。その後、再び測定機(EZ−Contrast XL88、ELDIM社製)を用いて、極角60度、方位角45度における色味(u’、v’)を測定し、暗室内で黒表示および白表示の輝度および色度を評価した。
2:0.02を超え0.05以下
3:0.05を超え0.08以下
4:0.08を超え0.10以下
5:0.10を超える
作製した液晶表示装置を40℃90%相対湿度環境下に96時間放置した後に取り出し、25℃60%環境下で24時間連続点灯した。その後、暗室環境下で液晶表示装置を正面方向から観察し、以下の基準で評価した。1〜3であれば、実用上問題ないレベルである。
1:ほとんどムラが視認されない(画面面積の5%以下)
2:ややムラが視認される(画面面積の5%を超え10%以下)
3:ムラが視認される(画面面積の10%を超え15%以下)
4:ムラが強く視認される(画面面積の15%を超え20%以下)
5:ムラが強く視認される(画面面積の20%以上)
暗室内で黒表示状態の液晶表示の、極角60度、方位角45度における黒輝度を測定機(EZ−Contrast XL88、ELDIM社製)を用いて計測した。
1:0.5cd/m2以下
2:0.5cd/m2を超え1.0cd/m2以下
3:1.0cd/m2を超え1.5cd/m2以下
4:1.5cd/m2を超え2.0cd/m2以下
5:2.0cd/m2を超える
2 フィルム内部に散乱因子が存在し、フィルムに斜め方向(上下偏光板の吸収軸と異なる角度)から入射した光が正面方向に散乱される場合
3 フィルム内部に散乱因子が存在する場合
10、11 偏光板
12 フィルム
13 拡散光源
14 面内分布
101 偏光板
102 フィルム
103 偏光板
Claims (8)
- アシル基の置換度が2.0〜2.6のセルロースアシレート及び少なくとも1種の光学発現剤を含む光学フィルムであって、膜厚が40μm以下であり、前記セルロースアシレート中のマンノース含有量が0.2質量%以下であり、下記式I及び下記式IIを満たす光学フィルム;
式I MA≧MB×1.1
式II CA≧CB×1.1
式中、光学フィルムの一方の表面から2μmの厚さまでをA面、他方の表面から2μmの厚さまでをB面とし、MAは、A面のマンノースの含有量を表し、MBは、B面のマンノースの含有量を表す;CAは、A面の光学発現剤の含有量を表し、CBは、B面の光学発現剤の含有量を表す;MA、MB、CAおよびCBの単位は質量%である。 - さらに下記式IIIを満たす、請求項1に記載の光学フィルム;
式III Hv15(0°、90°)≦10×10-3
式中、Hv15(0°、90°)=(Hv15(0°)+Hv15(90°))/2であり、
Hv15(0°)は、光学フィルムの遅相軸方向を方位角0°とした場合に、極角15°、方位角0°方向から光を入射した際に、吸収軸が直交する2枚の偏光板を透過してくる光量を表し、
Hv15(90°)は、光学フィルムの遅相軸方向を方位角0°とした場合に、極角15°、方位角90°方向から光を入射した際に、吸収軸が直交する2枚の偏光板を透過してくる光量を表す;Hv15(0°)及びHv15(90°)の単位は、cd/m2である。
ここで、偏光板/光学フィルム/偏光板の配置でHv15(0°)、Hv15(90°)を測定した。 - さらに下記式IVを満たす、請求項1または2に記載の光学フィルム;
式IV (Rth(60℃90%)−Rth(Fresh))/Rth(Fresh)≦0.05
式中、Rth(60℃90%)は、ガラスに貼合した光学フィルムを60℃、90%相対湿度環境下で24時間放置し、さらに25℃、60%相対湿度環境下で6時間放置した後の波長550nmにおける厚み方向のレターデーションを表し、Rth(Fresh)は、ガラスに貼合した光学フィルムを25℃、60%相対湿度環境下で6時間放置した後の波長550nmにおける厚み方向のレターデーションを表す。 - 光学フィルムの遅相軸方向および/又はそれに直交する方向における寸法変化率が下記式Vを満たす、請求項1〜3のいずれか1項に記載の光学フィルム;
式V −1.0%≦{(L’−L0)/L0}×100≦−0.5%
式中、L0は25℃、相対湿度60%の雰囲気下で2時間調湿後のフィルム長さを表し、L’は60℃相対湿度90%で24時間経過させ、さらに25℃、相対湿度60%の雰囲気下で2時間調湿した後のフィルム長さを表す。 - 下記式VIおよび式VIIを満たす、請求項1〜4のいずれか1項に記載の光学フィルム;
式VI 30nm≦Re(550)≦80nm
式VII 90nm≦Rth(550)≦300nm
Re(550)は、波長550nmにおける面内方向のレターデーションを表し、Rth(550)は波長550nmにおける厚み方向のレターデーションを表す。 - 請求項1〜5のいずれか1項に記載の光学フィルムと偏光子とを有する偏光板。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の光学フィルム、または請求項6に記載の偏光板を有
する、液晶表示装置。 - 前記液晶表示装置が一対の偏光板に挟持された液晶セルを含み、前記偏光板が液晶セル側から光学フィルム、偏光子、保護フィルムの順に配置され、前記液晶セルを正面方向から観察した際の偏光解消度が0.02%以下であり、前記光学フィルムの少なくとも一つが請求項1〜5のいずれか1項に記載の光学フィルムである、請求項7に記載の液晶表示装置。
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