JP2016003749A - 車輪支持用転がり軸受ユニット - Google Patents

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宮川 貴之
Takayuki Miyagawa
貴之 宮川
尚 坂口
Takashi Sakaguchi
尚 坂口
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Abstract

【課題】外輪が係止環を介してナックル内面に嵌合される車輪支持用転がり軸受ユニットにおいて、組付作業に支障を来すことなく、軸受内への泥水の浸入を有効に防止する。【解決手段】外輪1の外径3が係止環11を介してナックルに嵌合され、ハブ輪17は径方向に突出するハブフランジを有するとともに、リップ摺接面33とハブフランジとの間で軸方向に設けられた軸方向円筒面35を有し、シール47の外径側嵌合部51の内径53は、ハブ輪17の軸方向円筒面35の外径37よりも小径とするとともに、ハブフランジ21に対向する外径側嵌合部51の軸方向端面55は、リップ摺接面33よりも軸受内方に位置することにより、外径側嵌合部51の軸方向端面55とリップ摺接面33との間に径方向のラビリンス65を形成し、ラビリンス65は、係止環11と径方向で重なり合う位置に配設されている。【選択図】図1

Description

本発明は、自動車の車輪を懸架装置に対して回転自在に支持する車輪支持用転がり軸受ユニットに関する。
図8は、自動車の懸架装置(サスペンション)に対して車輪を回転自在に支持するために用いられる車輪支持用転がり軸受ユニットの一例を示し、外輪100の内径側に、複数個の転動体200を介してハブ輪300を回転自在に支持するとともに、外輪100とハブ輪300との間に密封装置(シール装置)400を組み込んで軸受内部500を密閉している(特許文献1。)。
このような部位は、泥水や砂・埃などが舞う環境であることから、このような部位に組み込まれる密封装置(シール装置)400は特に密封性が要求されている。
密封装置(シール装置)400は、環状の外径側嵌合部401を外輪100の内径に嵌合させ、軸方向(図中矢印Wで示す方向 以下同じ。)に突出する環状の第一のシールリップ402と、該第一のシールリップ402と径方向(図中矢印Hで示す方向 以下同じ。)で所定間隔をあけて配設した同じく軸方向に突出した環状の第二のシールリップ403を、ハブ輪300のリップ摺接面301に弾性によりそれぞれ摺接させている。そして、内径側にて径方向に突出する第三のシールリップ404をハブ輪300のリップ摺接面301に弾性により摺接させている。また、外輪端面とハブ輪の反パイロット面との間を狭めたりもしている。
そして、さらに、シールリップ(第一のシールリップ402等)が摺接するハブ輪300のリップ摺接面301の外方にて、外輪100及び外輪100の内径に嵌合させて配する密封装置400の外径側嵌合部401が、所定間隔をあけて径方向Hで重なり合うようにして配設されていると共に、前記外径側嵌合部401の内径面とハブ輪300の段差面(ハブフランジ302から連続して軸方向Wに設けられている軸方向円筒面)303を径方向Hで近接させることにより軸方向のラビリンス隙間600を形成している。
この様な構造を採用することにより、例えば、タイヤによって跳ね上げられた泥水が、ハブ輪300のハブフランジ302に沿って径方向からハブ輪300の段差面(軸方向円筒面)303に流れ込み、そしてリップ摺接面301へと到達する事を防止し得るため、シール性の向上に寄与することができるものである。
ところで、車輪支持用転がり軸受ユニットには、図8に示すような形式の他に、例えば図9に示すような形式のものが知られており、この種の形式の車輪支持用転がり軸受ユニットは、外輪外径部101が円筒形状で、係止環700をナックル800に設けられた溝801に係合させて、ナックル内側の肩部802との間に挟みこむことで外輪100を固定している。
この様な形式の車輪支持用転がり軸受ユニットは、軸受内輪900と図示しないハブ輪を先に組み付け(あるいはハブ輪300と軸受内輪900が一体)、その後、図示しない所定の圧入冶具(例えば半月冶具)を、外輪端面(あるいは係止環700またはナックル800の端面)とハブ輪の反パイロット面との間に挿入してナックル800に外輪100を嵌合する必要がある。
しかし、図9の形式の車輪支持用転がり軸受において、図8の形式のように、例えば、外輪端面102(あるいは係止環700またはナックル800の端面)とハブ輪300の反パイロット面との間を狭めたり、ハブ輪のリップ摺接面と外輪100の内径面(シール嵌合面)やシールの外径側嵌合部を径方向に重ね合わせたりして、径方向から来る泥水の浸入を防止しようとした場合、圧入治具が干渉してしまい、組み付け作業に支障をきたす虞があったため、上述の図8の先行例のようにして泥水の浸入を防止することが困難であった。
特開2006‐200628号公報 ドイツ国特許第19713333号公報
本発明は、従来技術の有するこのような問題点に鑑みなされたものであり、その課題とするところは、外輪が係止環を介してナックル内面に嵌合される車輪支持用転がり軸受ユニットにおいて、組付作業に支障を来すことなく、軸受内への泥水の浸入を有効に防止することである。
この目的を達成するために、本発明の第1の発明は、外輪の外径側が係止環を介して懸架装置のナックルに嵌合され、前記外輪の内径側に複数個の転動体を介してハブ輪を回転自在に支持するとともに、前記外輪と前記ハブ輪との間に密封装置を組み込んで軸受内部を密閉している車輪支持用転がり軸受ユニットであって、
前記密封装置は、前記外輪の内径に嵌合可能な環状の外径側嵌合部と、
前記外径側嵌合部から径方向に連続して設けられる円板部と、
前記円板部から一体に突出して設けられ、前記ハブ輪のリップ摺接面に弾性により摺接するシールリップとで構成されており、
前記ハブ輪は径方向に突出するハブフランジを有するとともに、前記リップ摺接面と前記ハブフランジとの間で軸方向に設けられた軸方向円筒面を有し、
前記外径側嵌合部の内径は、前記ハブ輪の軸方向円筒面の外径よりも小径とするとともに、
前記ハブフランジに対向する前記外径側嵌合部の軸方向端面は、前記リップ摺接面よりも軸受内方に位置することにより、
前記外径側嵌合部の軸方向端面と前記リップ摺接面との間に径方向のラビリンスを形成し、
前記ラビリンスは、前記係止環と径方向で重なり合う位置に配設されていることを特徴とする車輪支持用転がり軸受ユニットとしたことである。
本発明によれば、前記外径側嵌合部の内径は、前記ハブ輪の軸方向円筒面の外径よりも小径とするとともに、前記ハブフランジに対向する前記外径側嵌合部の軸方向端面(この端面は、シール嵌合時に押圧する面であることからシール押圧面ともいう。)は、前記リップ摺接面よりも軸受内方に位置する構成としたため、例えば、軸受内輪と前記ハブ輪を先に組み付け、その後、所定の圧入冶具(例えば半月冶具)を外輪端面と前記ハブ輪の反パイロット面との間に挿入してナックルに前記外輪を嵌合する際に、前記圧入治具が干渉して組み付け作業に支障をきたすという虞もない。
また、前記外径側嵌合部の軸方向端面と前記リップ摺接面との間に径方向のラビリンスを形成し、前記ラビリンスは、前記係止環と径方向で重なり合う位置に配設されているものとしたため、例えば、タイヤによって跳ね上げられた泥水(跳ね掛け泥水ともいう。)が、前記ハブ輪のフランジ部に沿って径方向から前記ハブ輪の段差面に流れ込み、そして前記リップ摺接面へと到達する事を防止し得るため、シール性の向上に寄与することができる。
第2の発明は、第1の発明において、前記シールリップは、前記ハブ輪のシール摺接面に軸方向で摺接する軸方向シールリップであって、
前記軸方向シールリップは、径方向で所定間隔をあけて前記円板部から突出して複数個形成されており、
径方向で最も外側の軸方向シールリップは、その先端に2つの傾斜面を有し、
その外側の傾斜面は、前記ハブ輪のリップ摺接面に弾性に抗して接した時に、軸受内方側が小径の傾斜面になることを特徴とする車輪支持用転がり軸受ユニットとしたことである。
本発明によれば、ハブ輪のリップ摺接面に弾性に抗して接している径方向で最も外側の軸方向シールリップは、外側の傾斜面における軸受内方側が小径の傾斜面となるようにハブ輪のリップ摺接面に接しているため、ハブ輪の段差面とシール摺接面との間のコーナ面から軸方向に向けて傾斜状に連続して配されることとなる。
従って、タイヤによって跳ね上げられた泥水が、ハブ輪のフランジに沿って径方向から流れ込み、ハブフランジとハブ輪の段差面との間のコーナ面で軸方向に向きを変えて勢い良く流れ込んできたとしても、その泥水は、前記傾斜面に沿って流れるため、軸方向シールリップの先端を捲りあげてしまうという不具合もない。
そして、その泥水は、径方向で最も外側の軸方向シールリップの根元に誘導され、該軸方向シールリップの緊迫力を高めつつ下方へと導いて排出できるので、シールの耐泥水性能を向上させることができる。
第3の発明は、第1の発明又は第2の発明において、前記密封装置は、芯金を有しており、
前記芯金は、円環状に形成されて前記外径側嵌合部に一体に備えられる芯金外径部を有し、
前記外径側嵌合部の軸方向端面には、前記係止環より軸方向外側に突出せず、かつ前記芯金外径部の内径よりも小径の庇リップが設けられており、
前記庇リップは、前記ハブ輪との間に第二ラビリンスを形成していることを特徴とする車輪支持用転がり軸受ユニットとしたことである。
本発明によれば、さらにラビリンスの追加によって泥水の侵入防止を向上させ、かつ庇リップは係止環よりも軸方向外側に突出していないので、シール嵌合(圧入)作業では、庇リップを避けて圧入冶具を外径側嵌合部の軸方向端面(シール押圧面)に当てて行なうことができる。あるいは、圧入冶具内径と庇リップを軽く係合させ、庇リップを芯出しガイド(案内)として利用することができる。
第4の発明は、第1の発明乃至第3の発明のいずれかにおいて、前記外径側嵌合部には、軸方向端面から軸受内方に向けて泥水貯留空間が設けられていることを特徴とする車輪支持用転がり軸受ユニットとしたことである。
本発明によれば、タイヤによって跳ね上げられた泥水が、ハブ輪のフランジ部に沿って径方向からハブ輪の段差面に流れ込んできても、泥水は、径方向のラビリンスの外径側を通過させることができるため、シールの耐久性向上が図れる。
本発明は、外輪が係止環を介してナックル内面に嵌合される車輪支持用転がり軸受ユニットにおいて、組付作業に支障を来すことなく、泥水の軸受内への浸入を有効に防止することができた。
本発明車輪支持用転がり軸受ユニットの第一実施形態を示す概略縦断面図である。 図1に示す第一実施形態の要部を拡大して示す概略断面図である。 第二実施形態の要部を拡大して示す概略断面図である。 第三実施形態の要部を拡大して示す概略断面図である。 第四実施形態の要部を拡大して示す概略断面図である。 第五実施形態の要部を拡大して示す概略断面図である。 第六実施形態の要部を拡大して示す概略断面図である。 先行技術文献1の一部拡大断面図である。 先行技術文献2の一部拡大断面図である。
以下、本発明の一実施形態について、添付図面を参照して説明する。図1乃至図2は第一実施形態、図3は第二実施形態、図4は第三実施形態、図5は第四実施形態、図6は第五実施形態、図7は第六実施形態をそれぞれ示す。
なお、本実施形態は、本発明の一実施形態であって、何等これらに限定解釈されるものではなく本発明の範囲内で設計変更可能である。
「第一実施形態」
本実施形態では、図1〜図2に示すように、外輪1の外径3側が係止環11を介して図示しない懸架装置のナックルに嵌合され、外輪1の内径9側に複数個の転動体45を介してハブ輪17を回転自在に支持するとともに、外輪1とハブ輪17との間に密封装置47を組み込んで軸受内部を密閉している車輪支持用転がり軸受ユニットが該当する。
本実施形態では、ハブ輪17のハブフランジ21側(車両の外側)の密封装置47とともに、加締め側(車両の内側)にも密封装置49を組み込んでいるが、本実施形態では、ハブフランジ21側に組み込まれる密封装置47について説明し、加締め側に組み込まれる密封装置49にあっては説明を省略する。なお、加締め側に組み込まれる密封装置49は周知形態の密封装置が本発明の範囲内で適宜設計変更可能である。
本実施形態では外径3が円筒面を有する円筒状に形成された外輪1が想定され、その内径9には複列の軌道5を有している。
係止環11は、円環状に形成し、外輪1の外径3に嵌合される嵌合部13と、嵌合部13の一端に設け、外輪1の軸方向端部7に係合させる内方折り曲げ係合片15と、嵌合部13の所定位置に形成され、図示しないナックルの内周面に設けた係合溝に係合させる外方折り曲げ係合片16を備えたもので、従来周知の形態である。
ハブ輪17は、外周面の外側(自動車への組み付け状態で車両の幅方向外側で、図1の左側)にパイロット面19を設けるとともに、前記パイロット面19よりも内側(軸受内方)に、径方向Hに突出するハブフランジ21を設けている。
また、パイロット面19と前記ハブフランジ21を挟んで反対側の反パイロット面側で、ハブ輪17の外周面の中間部位に周方向に連続した第一の内輪軌道23を形成し、そして、その第一の内輪軌道23位置から連続し、かつ第一の内輪軌道23よりも一段下がった位置(第一の内輪軌道23の外径よりも小径とした外周位置)に、内輪嵌合面27を周方向に連続して形成し、この内輪嵌合面27に、周方向に連続した第二の内輪軌道31を有する別体の内輪構成部材29を嵌合するとともに、端部を加締め固定している。
そして、前記第一の内輪軌道23の溝肩25から軸方向Wで軸受外方に連続して形成した第一リップ摺接面33aと、該第一リップ摺接面33aから径方向Hに連続して形成された第二リップ摺接面33bとで構成された段差状のリップ摺接面33を設けている。
そして、前記リップ摺接面33の上縁(コーナー部)41からハブフランジ21方向に向けて軸方向Wに連続して形成される軸方向円筒面35を設けている。
本実施形態において、リップ摺接面33を構成する第二リップ摺接面33bは、軸受組み込み状態において、外輪1におけるハブフランジ21と対向する軸方向端部7と径方向Hで同一面上に重なり合うか、または軸方向端部7が軸受内側方向になるように位置している。すなわち、外輪1の軸方向端部7がハブフランジ21の軸方向円筒面35上に突出していない形態としている。
密封装置(シール装置)は、外輪1の内径9に嵌合可能な環状の外径側嵌合部51と、前記外径側嵌合部51から径方向Hに連続して設けられる円板部57と、前記円板部57から一体に突出して設けられ、前記ハブ輪17のリップ摺接面33(第二リップ摺接面33b)に弾性により摺接する環状の第一のシールリップ59と、該第一のシールリップ59から径方向Hで内方に所定間隔をあけて前記円板部57から軸方向Wに一体に突出して設けられ、前記ハブ輪17のリップ摺接面33(第二リップ摺接面33b)に弾性により摺接する環状の第二のシールリップ61と、円板部57の内径側にて径方向Hに一体に突出し、ハブ輪17のリップ摺接面33(第一リップ摺接面33a)に弾性により摺接する環状の第三のシールリップ63で構成されている。
本実施形態では、所定形状を有する芯金67と、該芯金67を覆うゴムや合成樹脂材などの被覆部69で一体に形成されており、芯金67は、円環状に形成された芯金外径部67aと、該芯金外径部67aの一端から、芯金外径部67aの円環中心に向けて径方向に連続して形成された円板状の芯金円板部67bとで形成されており、芯金円板部67bの中心には芯金内径67cが形成されている。
また、本実施形態において、芯金円板部67bは、芯金外径部67aから径方向に連続して設けられた第一の垂直面部67dと、該第一の垂直面部67dから芯金外径部67aの突出方向に傾斜状に連続して設けられた円錐面部67eと、該円錐面部67eから径方向に連続して設けられた第二の垂直面部67fとで構成されている。
外径側嵌合部51は、径方向Hの厚みを幅広に形成してその内径53が、ハブ輪17の軸方向円筒面35の外径37よりも小径となるように形成され、かつ前記ハブフランジ21に対向する前記外径側嵌合部51の軸方向端面(シール押圧面)55が、前記ハブ輪17の第二リップ摺接面33bよりも軸受内方に位置するように形成する。すなわち、本実施形態によれば、外輪1の内径9とハブ輪17のリップ摺接面の上縁(軸方向円筒面35とリップ摺接面33の境界のコーナ部)41との間に形成される空間領域の径方向Hの幅は、外径側嵌合部51の軸方向端面55の径方向Hの幅よりも狭く形成されている。
このように構成することにより、前記外径側嵌合部51の軸方向端面55とリップ摺接面33との間には、径方向ラビリンス65が形成される。
また、前記ラビリンス65は、前記係止環11と径方向Hで重なり合う位置に配設されているため、係止環11の方向まで延びた径方向のラビリンス65としても機能している。
第一のシールリップ59と第二のシールリップ61は、円板部57に連続する基端59b,61bから、先端のリップ部59a,61aに向けて径方向Hに傾斜状に形成するとともに、それぞれリップ部59a,61aを軸受外方に向けてハブ輪17のリップ摺接面33(第二リップ摺接面33b)に弾性変形させて摺接させることにより、外部からの泥水や砂・埃などの異物が侵入しないようにするダストシールとして機能させている。
第一のシールリップ59と第二のシールリップ61は、それぞれ外径側嵌合部51の軸方向端面55よりも突出する長さに形成され、それぞれのリップ部59a,61aは、平坦状で環状に連続する面部(外側の面部)75と、傾斜状で環状に連続する面部(内側の面部)77で形成されている。
そして、第一のシールリップ59は、ハブ輪17のリップ摺接面33(第二リップ摺接面33b)に弾性変形して摺接した際に、そのリップ部59aの面部(外側の面部)75が、ハブ輪17の軸方向円筒面35よりも径方向Hで小径で、前記軸方向円筒面35から落ち込んだ位置に配されている。
第三のシールリップ63は、円板部57の内径に連続する基端(第二のシールリップ61の基端61bが連続している位置と同じ)63bから、先端のリップ部63aに向けて軸受内部方向に狭まるように形成するとともに、リップ部63aを軸受内方に向けてハブ輪17のリップ摺接面33(第一リップ摺接面33a)に弾性変形させて摺接させることにより、軸受内部の潤滑油・グリースなどが外部へ漏洩しないようにするオイルシールとして機能させている。
本実施形態によれば、ハブ輪17のハブフランジ21に沿って径方向から流れ込み、反パイロット面側のコーナ面43で軸方向Wに向きを変えて軸方向円筒面35に流れ込んできた跳ね掛け泥水は、径方向Hに幅広状に形成した軸方向端面(シール押圧面)55に衝突してその勢いが弱まる。そして、上記径方向Hのラビリンス65を形成していることにより、泥水が径方向Hからリップ摺接面33へと直接到達することを防止している。このような構成及び作用効果を有することから、シールの耐泥水性能を良好に保つことが出来る。
次に、本発明の他の実施形態である第二実施形態−第六実施形態について説明する。なお、各実施形態では、第一実施形態と密封装置(シール装置)において異なるため、それぞれ密封装置について説明に重点を置き、その他の箇所においては第一実施形態と同一であるため、第一実施形態の説明を援用し、ここでの説明を省略する。
「第二実施形態」
図3は本発明の第二実施形態を示す。
本実施形態の密封装置は、第一実施形態と同様、第一のシールリップ59、第二のシールリップ61、第三のシールリップ63を有するが、そのうち最も外側の第一のシールリップ59における面部(外側の面部)75が第一実施形態で平坦状の面部であるのに対し、本実施形態では傾斜状の面部とし、外側の面部(傾斜状の面部)75は、軸方向Wで軸受外方側(図3にて左側)が大径で内方側が小径の傾斜面としている。
そして、前記外側の面部(傾斜状の面部)75の大径側のリップ部59a(縁部79)を、ハブ輪17の軸方向円筒面35と、リップ摺接面33との境界のコーナ部41付近に弾性により摺接している。
本実施形態において、第一のシールリップ59をこのように構成したことにより、タイヤによって跳ね上げられた泥水が、ハブ輪17のハブフランジ21に沿って径方向Hから流れ込み、ハブフランジ21とハブ輪17の軸方向円筒面35(段差面)との間のコーナ面43で軸方向Wに向きを変えて勢い良く流れ込んできたとしても、その泥水は、前記第一のシールリップ59の外側の面部(傾斜状の面部)75の傾斜面に沿って淀みなく流れることができるため、第一のシールリップ59のリップ部59a(縁部79)を捲りあげてしまうという不具合もない。
さらに、泥水は第一のシールリップ59の根元(基端59a)に誘導され、第一のシールリップ59の緊迫力を高めつつ、下方へ導かれて排出されるので、シールの耐泥水性能を向上させる事が可能である。
「第三実施形態」
図4は本発明の第三実施形態を示す。
本実施形態の密封装置は、外径側嵌合部51の軸方向端面(シール押圧面)55に、芯金67の芯金外径部67aの内径より小径で、かつ係止環11よりも軸方向Wで外側(軸受外方)に突出しない環状の庇リップ81が設けられている。
庇リップ81は、主として径方向Hからの跳ね掛け泥水の浸入を防止する為、及び第一のシールリップ59の根元(基端59a)に浸入してきた泥水の排水を促す為、リップ断面をシールの先端部83が大径の傾斜形状としている。
本実施形態によれば、ハブ輪17の軸方向円筒面35との間に軸方向Wの第二ラビリンス85が形成され、さらなるラビリンス隙間の追加によって泥水の侵入防止をより向上させることが出来る。
また、庇リップ81は係止環11よりも軸方向Wで外側に突出していないので、シール嵌合(圧入)作業では、庇リップ81を避けて圧入冶具(図示省略)を外径側嵌合部51の軸方向端面(シール押圧面)55に当てて行なうことができる。あるいは、図示しない圧入冶具内径と庇リップ81を軽く係合させ、庇リップ81を芯出しガイド(案内)として利用することができる。
なお、本実施形態では、径方向Hからの跳ね掛け泥水の浸入を防止する為、リップ断面をシールの先端部83が大径の傾斜形状としたが、軸方向Wからの泥水の浸入を防止する為に、リップ断面をシールの先端部83が小径の傾斜形状とすることも可能で本発明の範囲内である。
「第四実施形態」
図5は本発明の第四実施形態を示す。
本実施形態の密封装置は、外径側嵌合部51の軸方向端面(シール押圧面)55を、径方向Hで傾斜状に形成している。
軸方向端面55の傾斜形態は、外径側嵌合部51の内径端87を外径端89よりも軸方向Wで外側に向けて突出させ、前記内径端87から外径端89に向けて傾斜状に形成している。
本実施形態によれば、泥水を径方向ラビリンス65の外径側を通過させることができ、泥水をシールリップ(第一のシールリップ59等)方向へと行かないようにして(シールリップとは反対の方向に導いて)密封装置の耐久性向上を図ることができる。
「第五実施形態」
図6は本発明の第五実施形態を示す。
本実施形態の密封装置は、外径側嵌合部51の軸方向端面(シール押圧面)55の外径寄り側の一部を軸受内方に向けて切り欠いて(後退させて)凹状面部97を形成している。
本実施形態によれば、前記凹状面部97によって泥水を径方向ラビリンス65の外径側を通過させることができ、泥水をシールリップ(第一のシールリップ59等)方向へと行かないようにして密封装置の耐久性向上を図ることができる。
また、凹状面部97よりも内径寄りに突出して存する環状突部99は、リップ摺接面33に向けて庇状に突出し、リップ摺接面33との間にラビリンス73を形成しているため、さらに泥水をシールリップ(第一のシールリップ59等)方向へと行かないようにして密封装置の耐久性向上を図ることができる。
本実施形態では、凹状面部97が周方向に連続して形成されているが、断続的に形成されているものであっても本発明の範囲内であって適宜設計変更可能である。
また、本実施形態は凹状面部97を外輪1の内径9に対して垂直に交差するように形成されているが、この面部97の傾斜状態を適宜変更することも可能で本発明の範囲内で適宜傾斜角度を設計変更可能である。
「第六実施形態」
図7は本発明の第六実施形態を示す。
本実施形態の密封装置は、外径側嵌合部51の軸方向端面(シール押圧面)55に、該軸方向端面55の面部から軸方向内方に向けて貫通しないポケット空間71を設けている。
ポケット空間71は、例えば、円筒形状で、外径側嵌合部51の軸方向端面55の周方向に間隔をあけて断続して設けられている。
本実施形態によれば、径方向ラビリンス65の内側に空間を創出し、泥水を径方向ラビリンス65の外径側を通過させることができ、泥水をシールリップ(第一のシールリップ59等)方向へと行かないようにして密封装置の耐久性向上を図ることができる。
なお、ポケット空間71は、周方向に連続して設けられているものであっても本発明の範囲内である。ポケットの貫通形状も任意である。
なお、第一実施形態乃至第六実施形態の各構成要素は相互に組み合わせることも可能で本発明の範囲内で適宜設計変更可能である。
本実施形態では、転がり玉軸受について一例を挙げて説明したが、本発明はころ軸受であっても可能で、本発明の範囲内で適宜他の周知軸受形態に利用可能である。
1 外輪
3 外径
9 内径
11 係止環
17 ハブ輪
21 ハブフランジ
35 軸方向円筒面
45 転動体
47 密封装置
51 外径側嵌合部
55 軸方向端面
57 円板部
33 リップ摺接面
59 第一のシールリップ
61 第二のシールリップ
63 第三のシールリップ
65 径方向ラビリンス

Claims (4)

  1. 外輪の外径側が係止環を介して懸架装置のナックルに嵌合され、前記外輪の内径側に複数個の転動体を介してハブ輪を回転自在に支持するとともに、前記外輪と前記ハブ輪との間に密封装置を組み込んで軸受内部を密閉している車輪支持用転がり軸受ユニットであって、
    前記密封装置は、前記外輪の内径に嵌合可能な環状の外径側嵌合部と、
    前記外径側嵌合部から径方向に連続して設けられる円板部と、
    前記円板部から一体に突出して設けられ、前記ハブ輪のリップ摺接面に弾性により摺接するシールリップとで構成されており、
    前記ハブ輪は径方向に突出するハブフランジを有するとともに、前記リップ摺接面と前記ハブフランジとの間で軸方向に設けられた軸方向円筒面を有し、
    前記外径側嵌合部の内径は、前記ハブ輪の軸方向円筒面の外径よりも小径とするとともに、
    前記ハブフランジに対向する前記外径側嵌合部の軸方向端面は、前記リップ摺接面よりも軸受内方に位置することにより、
    前記外径側嵌合部の軸方向端面と前記リップ摺接面との間に径方向のラビリンスを形成し、
    前記ラビリンスは、前記係止環と径方向で重なり合う位置に配設されていることを特徴とする車輪支持用転がり軸受ユニット。
  2. 前記シールリップは、前記ハブ輪のシール摺接面に軸方向で摺接する軸方向シールリップであって、
    前記軸方向シールリップは、径方向で所定間隔をあけて前記円板部から突出して複数個形成されており、
    径方向で最も外側の軸方向シールリップは、その先端に2つの傾斜面を有し、
    その外側の傾斜面は、前記ハブ輪のリップ摺接面に弾性に抗して接した時に、軸受内方側が小径の傾斜面になることを特徴とする請求項1に記載の車輪支持用転がり軸受ユニット。
  3. 前記密封装置は、芯金を有しており、
    前記芯金は、円環状に形成されて前記外径側嵌合部に一体に備えられる芯金外径部を有し、
    前記外径側嵌合部の軸方向端面には、前記係止環より軸方向外側に突出せず、かつ前記芯金外径部の内径よりも小径の庇リップが設けられており、
    前記庇リップは、前記ハブ輪との間に第二ラビリンスを形成していることを特徴とする請求項1又は2に記載の車輪支持用転がり軸受ユニット。
  4. 前記外径側嵌合部には、軸方向端面から軸受内方に向けて泥水貯留空間が設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の車輪支持用転がり軸受ユニット。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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