JP2016002931A - 軌道回路用送信器及びその故障検知方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】健全性の高い軌道回路用送信器を提供する。
【解決手段】軌道回路用送信器1は、ATC信号出力制御部3、ATC信号波生成器4、ATC信号か未出力かを選択する選択器5と、選択器出力の電力増幅器6と、トランス出力電圧及び出力電流のノイズを除去するATC信号用帯域フィルタ12,14と、ATC信号用電圧検知部13及びATC信号用電流検知部15と、TD信号用帯域フィルタ16,18を介しTD信号の電圧を検知するTD信号用電圧検知部17及びTD信号用電流検知部19と、加算回路20,21と、加算結果でレベル監視を行うレベル監視部22と、レベル監視部22の制御指示で電力増幅器6の信号の軌道回路26への出力を制御する切換スイッチ9とを備え、ATC信号帯域ないしTD信号帯域のレベル監視で、異常レベルと判断された場合、軌道回路26への信号送信を停止する。
【選択図】図1
【解決手段】軌道回路用送信器1は、ATC信号出力制御部3、ATC信号波生成器4、ATC信号か未出力かを選択する選択器5と、選択器出力の電力増幅器6と、トランス出力電圧及び出力電流のノイズを除去するATC信号用帯域フィルタ12,14と、ATC信号用電圧検知部13及びATC信号用電流検知部15と、TD信号用帯域フィルタ16,18を介しTD信号の電圧を検知するTD信号用電圧検知部17及びTD信号用電流検知部19と、加算回路20,21と、加算結果でレベル監視を行うレベル監視部22と、レベル監視部22の制御指示で電力増幅器6の信号の軌道回路26への出力を制御する切換スイッチ9とを備え、ATC信号帯域ないしTD信号帯域のレベル監視で、異常レベルと判断された場合、軌道回路26への信号送信を停止する。
【選択図】図1
Description
本発明は、鉄道用保安装置である自動列車制御装置に用いて適した軌道回路用送信器及びその故障検知方法に関する。
一般に自動列車制御装置(以下、ATC(Automatic Train Control)装置と称す。)は、地上装置が先行列車との間隔、進路の開通状況に応じて列車の停止限界位置を決定し、当該情報を列車制御信号(以下、ATC信号と呼ぶ)として軌道回路に送信し、車上装置が軌道回路から受信したATC信号に示される停止限界位置に停止可能な速度制御を自動的に行うシステムである。
上記ATC装置の地上装置における列車在線位置の検知は、論理部が軌道回路の列車進出端に接続された送信器を介して列車検知信号(以下、TD信号と呼ぶ)を軌道回路に送信し、列車進入端に接続された受信器よりTD信号を受信することにより軌道回路内に列車が在線するか否かを判断する。在線検知については、論理部は受信器から受信したTD信号の信号レベルが規定値未満の場合に在線と判断する。非在線検知については安全性を確保するため、論理部は信号レベルが規定値以上であることに加え、送信器に送信したTD信号の内容と受信器より受信したTD信号の内容が一致した場合に非在線と判断する。
本技術分野の背景技術として、特開平3−61166号公報(特許文献1)及び特開2011−57051号公報(特許文献2)がある。特許文献1には、出力インピーダンスを一定値に保つ送信器における故障検出手段における課題として、定電流型及び定電圧型の送信器のいずれも、列車検知特性の向上を図る目的で電圧および電流特性を改善するために設けられた抵抗によって電流効率が低下するという問題点を挙げ、解決手段として、電圧フィードバッグと電流フィードバッグの加算値が基準信号値の範囲外のとき、故障として出力を停止する構成を開示している。また、特許文献2では、ATC信号に加え、TD信号の送受信を行う構成を開示している。
ATC装置では、軌道回路(レール)にTD信号を送出し、列車の車軸短絡で信号電圧が低下することを検出して、列車の在線を検知している。当該ATC装置は高い安全性が要求されるシステムであり、フェールセーフなシステムとしなければならない。この場合のフェールセーフとは、該当軌道回路の送受信器が故障した場合に、列車が在線・非在線に関わらず、列車在線と判定することである。
特許文献1記載の技術には、送信器の構成及び動作を示されている。その構成は、ATC信号生成器から出力された信号をATC信号出力制御部からの指示に従い、選択器にてATC信号生成期の出力を選択し、電力増幅回路で増幅し、トランスで出力電圧・電流を取り込み、ATC信号用帯域制限フィルタにて信号を抽出し、ATC電圧検知部及びATC電流検知部にて電圧、電流値を検出するとともに、検出した値が一定となるよう、ATC信号制御部において、レベル調整を行う構成である。
本構成では、ATC信号帯域内において、異常なレベルの出力となった場合は、検知できる。しかしながら、ATC信号帯域外の信号、いわゆるノイズ成分が異常な出力となった場合は、ATC帯域制限フィルタでノイズ成分が減衰されるので、検知できない。
また、特許文献2における軌道回路の構成では、ATC信号送信器の送信端とTD信号受信器の受信端が共用している箇所が存在する。この場合、ATC信号送信器が、部品の故障など何らかの異常があるとTD信号受信側に影響を与える可能性がある。
そこで、本発明は、軌道回路へATC信号を送信する送信器について、ATC信号と共にTD信号の帯域についても、出力レベルを監視し、いずれかの出力レベルが異常と判断した場合は、故障として信号の出力を停止する軌道回路用送信器を提供する。
上述した課題解決のために、本発明の軌道回路用送信器は、ATC信号用の電圧フィードバック信号と電流フィードバック信号を入力するATC信号用帯域制限フィルタに加え、TD信号用の電圧フィードバッグ信号と電流フィードバッグ信号を入力するTD信号用帯域制限フィルタの入力する手段を有する。そして、TD信号帯域についても、レベル監視を行う。レベルが判定値範囲内の場合は正常と判断し、判定値範囲外であれば軌道回路用送信器の故障と判断し、信号の出力を停止することを特徴とする。
本発明によれば、ATC信号のレベルを監視すると共に、TD信号レベル監視も行うことで、安全に列車制御の継続が可能となる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して、説明する。なお、各要素、例えば、プロセッサは番号などで識別可能であるが、各要素を識別可能な情報であれば、名前など他種の識別情報が用いられても良い。本実施例の図及び説明において同一部分には同一符号を付与しているが、本発明が本実施例に制限されることは無く、本発明の思想に合致するあらゆる応用例が本発明の技術的範囲に含まれる。また、特に限定しない限り、各構成要素は複数でも単数でも構わない。
図1は、本発明の一実施形態によるATC装置におけるATC信号送信器(軌道回路用送信器)の第1の構成図である。ATC信号送信器1は、ATC論理部2からの制御情報(制御信号)25に従いATC信号出力制御を実施するATC信号出力制御部3と、ATC信号波を生成するATC信号波生成器4と、ATC信号波生成器4からの入力信号を出力するか、或いは未出力とするかをATC信号出力制御部3からの選択信号10及び加算器20からの加算結果201に従い選択する選択器5と、選択器5の出力をATC信号出力制御部3からのゲイン制御信号11に従い電力増幅する増幅器6と、トランス7(出力電圧)及びトランス8(出力電流)から出力電圧、出力電流を取り込んでATC信号用帯域フィルタ(ATC用BPF(Band−pass filter))12、14を介してATC信号の電圧を検知するATC電圧検知部13と、ATC電流検知部15と、TD信号用帯域フィルタ(TD用BPF)16、18を介してTD信号の電圧を検知するTD電圧検知部17及びTD信号の電流を検知するTD電流検知部19と、ATC電圧検知部13とATC電流検知部15の出力を加算して加算結果をレベル監視部22に出力する加算回路20と、TD電圧検知部17とTD電流検知部19を加算して加算結果をレベル監視部22に出力する加算回路21と、レベル監視部22と、レベル監視部22からの制御信号(切換信号)24でATC信号送信器1と軌道回路26との接続を制御する切換リレーであるCOR(コアスイッチ(core−switch))9とを備える。なお、COR9は、図示はしていないがTD信号を軌道回路26に送信する、またはTD信号を軌道回路26から受信する機能を合わせ持っている。また、図示はしていないが、ATC信号送信器1をもう一つ設けて、待機2重系構成とすることもできる。
レベル監視部22は、ATC信号での加算結果201及びTD信号での加算結果211をもとに、レベル監視を行い、ATC信号出力制御部3への制御信号(レベル監視結果)23を出力する。レベル監視部22には、ATC信号成分の正常範囲(上限閾値及び下限閾値)、TD信号成分の正常範囲(上限閾値及び下限閾値)を予め設定しておく。そして、レベル監視部22は、前述の加算結果201、211と、上限閾値及び下限閾値とを比較し、ATC信号ないしTD信号の健全性を判定する。
ATC論理部2からATC信号出力指示(制御信号25)を受けたATC信号出力制御部3は、ATC信号波生成器4からの出力を選択する選択信号10を選択器5へ出力する。増幅器6では、選択器5より受けた信号をATC信号出力制御部3からのゲイン制御信号11に従い、電力増幅し、COR9を介して、軌道回路26へ出力する。
ATC信号出力制御部3は、トランス7、8から出力電圧、及び出力電流を取り込み、ATC信号用帯域制限フィルタ12、14を介して、ATC電圧検知部13、及びATC電流検知部15で、ATC信号帯域における出力電圧、出力電流を検出するとともに、その検出信号を加算し、かつその加算信号が一定となるようフィードバッグ制御して、増幅器6へのゲイン制御11を制御している。また、合わせて、検出信号の加算値が正常なレベルの範囲内であるかをレベル監視部22が監視し、その判定結果をATC信号出力制御部3、COR9又はATC論理部2へ伝達する。
また、トランス7、8経由で取り込んだ出力電圧及び出力電流を、TD信号用帯域制限フィルタ16、18を介してTD電圧検知部17及びTD電流検知部19で、TD信号帯域における出力電圧、出力電流を検出するとともに、その検出信号を加算した結果が一定レベル以内であるかをレベル監視部22で監視し、その判定結果をATC信号出力制御部3、COR9又はATC論理部2へ伝達する。
図1に示した実施例での送信器の構成は、図2に示す従来のATC装置における送信器に比べ、ATC信号用の電圧フィードバック信号と電流フィードバック信号を入力するATC信号用帯域制限フィルタに加え、TD信号用の電圧フィードバッグ信号と電流フィードバッグ信号を入力するTD信号用帯域制限フィルタの入力する手段を有する。そして、TD信号帯域についても、レベル監視を行う。レベルが判定値範囲内の場合は正常と判断し、判定値範囲外であればATC信号送信器1(軌道回路用送信器)の故障と判断し、信号の出力を停止することを特徴とする。
次に、従来の軌道回路の構成図の一例を図3に示す。図3で示す軌道回路構成においては、軌道回路26へのATC信号送信器1の送信端と、軌道回路26からのTD信号受信器56の受信端が共用している箇所がある。また、軌道回路26にはATC信号送信器1の送信端と、TD信号送信器55の受信端が共用している箇所が存在する。なお、TD信号送信器55はATC論理部2からのTD信号送信器制御信号57で、TD信号受信器56はATC論理部2からのTD信号受信器制御信号58で制御される。ATC信号29は、ATC信号送信器1から軌道回路26を介し列車30に対して送信される。また、TD信号28は、TD信号送信器55より軌道回路26を介しTD信号受信器56に送信される。従来技術では、ATC信号送信器1が、部品の故障など何らかの異常でTD信号帯域である信号を含んで出力してしまうと、列車30が在線しているにも関わらず非在線と判断して、結果フェールアウトとなってしまう可能性が排除し切れない。
そこで、本実施例のATC信号送信器1を図3の構成におけるATC信号送信器に適用することで、例えばATC信号波生成器4の故障により、TD信号帯域成分を含んだ信号を出力した場合でも、レベル監視部22でTD電圧検知部17、TD電流検知部19での出力レベルが一定以上であるかを検出することが出来る。その検出結果をレベル監視部22からATC信号出力制御部3に制御信号23として送りATC信号出力制御部3からの選択信号10により、選択器5を未入力に切り換えて出力しないことが可能となる。また、レベル監視部22から制御信号24をCOR9に送り、ATC信号送信器1と軌道回路26との接続を切断する。これにより、TD信号帯域成分を誤って軌道回路26に出力したとしても、ATC信号送信器1は誤信号送信を検知ができ、軌道回路26への送信信号の出力を停止することが可能となる。選択器5からの出力を停止、或いは軌道回路26との接続の切断のいずれかを行っても良いが、信頼性を高めるために両方行うことが望ましい。
実施例では、ATC信号送信器1におけるTD信号のレベル監視を挙げたが、例えばATC信号、TD信号以外の用途で使用する周波数成分についても、同様に使用でき、軌道回路への不要なノイズ成分の出力を防ぐことができる。その実施形態について、図4を用いて説明する。
図4は、本発明の一実施形態によるATC信号送信器1の第2の構成図である。図1(ないし図2)との相違点は、TD用BPF16の代わりに電圧信号に対して異なる周波数成分を透過させるBPFを2つ(BPF−a31、BPF−b32)を、TD用BPF18の代わりに電流信号に対して異なる周波数成分を透過させるBPFを2つ(BPF−c33、BPF−d34)を設けた点がある。更に、ATC論理部2からの制御信号39により、電圧検知部37への出力信号をBPF−a31の出力信号またはBPF−b32の出力信号から選択する切換器35を設けた点がある。同じく、制御信号39により、電流検知部38への出力信号をBPF−c33の出力信号と、BPF−d34の出力信号とから選択する切換器36を設けた点がある。
例えば、BPF−a31及びBPF−c33をTD信号用とし、BPF−b32及びBPF−d34をATC信号及びTD信号以外の用途で使用する周波数成分用として使用できるので、他の周波数帯域での故障検知を行うことができる。この他の周波数帯域での故障検知は、図5のような構成でもできる。なお、BPF−a31及びBPF−c33をTD信号用とし、BPF−b32及びBPF−d34をATC信号として、本来のATC信号用帯域制限フィルタ12、14、ATC信号用電圧検知部13、ATC信号用電流検知部15、加算回路20を削減し、回路の共用化を図ることもできる。その場合、加算器21の加算結果211を、加算回路20の加算結果201の代わりにATC信号出力制御部の制御信号として入力すればよい。以上のように、各検知部の前段に、各検知部へ通過させる信号の周波数帯域を変更する手段を備えることがポイントである。
図5は、本発明の一実施形態によるATC信号送信器1の第3の構成図である。図5と図4との相違点は、ATC論理部2からの制御信号45により、透過周波数(遮断周波数)帯域を可変にできるBPF−g41及びBPF−h42を設けた点である。例えば、BPF−g41及びBPF−h42は、図示していないが静電容量Cを可変にできるコンデンサと抵抗値Rを可変にできる可変抵抗を用いて、CR回路またはRC回路を構成する。そして、静電容量Cと抵抗値Rを制御信号45で変えることで、高域と低域の遮断周波数を可変とできるフィルタを構成する。また、レベル監視部22では、ATC論理部2からの制御信号48により、レベル閾値(上限閾値及び下限閾値)が設定される。この制御信号48は、CPU(Central Processing Unit)301により生成され、設定されるレベル閾値は予めメモリ302に格納されている。また、タイマ303は、定期的にATC信号送信器1全体の健全性を確認する診断プログラム(メモリ302に格納)の起動をCPU301に実行させるためのタイマである。
この構成及び動作で図4と同等の効果を得られ、BPFを4つ設ける必要がなく2つ設けるだけでよく、更に切換器が不要となるので、回路全体を簡素化できるという効果もある。また、図5のATC信号送信器1は、高域と低域の遮断周波数を可変とできるので、用途・目的に応じた故障検知を実現できる。
なお、TD信号のレベル監視については、一定以上のレベル出力を検知すればよいので、出力電圧のみ、又は出力電流のみの監視を行う構成することもできる。そのため、機器の簡素化を図ることができ、機器の小型化及びコスト低減を達成できる。
TD信号のレベル監視について、軌道回路26からの信号の回りこみが影響する場合は、COR9で切断し、監視を行うことも可能である。例えば、列車非在線時や又は待機2重系構成における待機系において実施することが可能である。
また、信号処理を実装したDSP(ディジタル・シグナル・プロセッサ)を使用し、ATC信号波生成器、選択器、ATC信号用帯域制限フィルタ、TD信号用帯域制限フィルタ、電圧検知部、電流検知部、加算回路を実現してもよい。これにより構成が簡素化でき、コスト低減が可能となる。
また、ATC信号の監視とTD信号の監視の時間を分けて、実施することも可能である。例えば、列車在線時には、ATC信号の監視を、列車非在線時には、TD信号の監視を行うことができ、電圧検知部、電流検知部が共用化でき、構成を簡素にすることできる。つまり、図5でATC信号用BPF12、14、ATC電圧検知部13、ATC電流検知部14を設けない。幅広い周波数帯域での故障検知をBPF−g41及びBPF−h42、電圧検知部37、電流検知部38、加算器21とレベル監視22で行う構成とする。
列車在線時にはATC信号の監視を行うため、制御信号45でBPF−g41及びBPF−h42をATC信号の周波数成分が透過するよう制御する。同じく、列車非在線時にはTD信号の監視を行うため、制御信号45でBPF−g41及びBPF−h42をTD信号の周波数成分が透過するよう制御する。
また、レベル監視部22でのレベル監視動作では、制御信号48により監視するレベルを可変にできるようにしている。こうすることで、電圧検知部37の出力信号と電流検知部38の出力信号との加算結果231に対して、適切なレベル検知を行うことができる。すなわち、制御信号45で制御した所定の透過周波数に対する適切なレベル閾値(上限閾値及び下限閾値)を設定できる。
以上の動作を図6で詳細に説明する。図6は、ATC信号送信器1の故障を検知する処理を示すフローチャート図である。本処理は、タイマ303により定期的に実行することも、常時実行することも可能である。本例では、定期的(例えば、1分毎)に実行するものとする。
S601で、ATC論理部2のCPU301は、故障検知回数nを0に初期化する。次にCPU301は、初期化した故障検知回数n、故障閾値をメモリ302に格納する。また、CPU301は、レベル監視部22に、ATC信号29及びTD信号28のレベル閾値を送信する。レベル監視部22は受信したレベル閾値を内部に格納しておく。なお、故障検知回数n及び故障閾値もレベル監視部22で格納することができる。
S602で、CPU301は、列車30が所定の軌道回路26に在線しているかをレベル監視部22からの在線情報で判断する。列車30が在線していれば(Yes:在線)、CPU301はS603を実行する。列車30が在線していなければ(No:非在線)、CPU301はS605を実行する。
S603で、CPU301は、レベル監視部22がATC信号29の検知を制御信号48で、実行できるよう切り換える。同じく、制御信号45でBPF−g41及びBPF−g45を制御し、レベル監視部22にATC信号波が入力されるよう制御する。S604で、レベル監視部22は、ATC信号29の検知値(加算結果201)を加算器20から取得する。
S605で、CPU301は、レベル監視部22がTD信号28の検知を実行できるよう制御信号48で、切り換える。同じく、制御信号45でBPF−g41及びBPF−g45を制御し、レベル監視部22にTD信号波が入力されるよう制御する。S606で、レベル監視部22は、TD信号28の検知値(加算結果211)を加算器21から取得する。
S607で、レベル監視部22は、検知値が上限閾値以下かを判断する。ATC信号29の検知値の場合はATC信号上限閾値で、TD信号28の検知値の場合はTD信号上限閾値で判断する。検知値が上限閾値以下であれば(Yes)、レベル監視部22は正常と判断しS608を実行する。検知値が上限閾値を超えるのであれば(No)、レベル監視部22は故障(異常)と判断しS611を実行する。
S608で、レベル監視部22は、検知値が下限閾値以上かを判断する。ATC信号29の検知値の場合はATC信号下限閾値で、TD信号28の検知値の場合はTD信号下限閾値で判断する。検知値が下限閾値以上であれば(Yes)、レベル監視部22は正常と判断しS608を実行する。検知値が下限閾値を超えるのであれば(No)、レベル監視部22は故障(異常)と判断しS611を実行する。
S609で、レベル監視部22は検知信号が正常と判断し、その旨の情報を制御信号23でATC信号出力制御部3に、制御信号48でATC論理部2に報告する。S610で、CPU301は、タイマ303の時刻情報を取得し検知時刻になっているかを判断する。現時刻が次回の検知時刻(例えば、前回の検知時刻から1分後)からであれば(Yes)、CPU301は再びS601以降の処理を実行する。検知時刻でなければ、検知時刻まで待機するためS610の処理をCPU301は繰り返す。なお、S610の処理を省いて、常時検知を実行することもできる。
S607ないしS608の処理で、レベル監視部22が故障(異常)と判断した場合、S611で、CPU302ないしレベル監視部22は、故障検知回数nを1つ増加(n=n+1)する。S612で、CPU302ないしレベル監視部22は、故障検知回数nが故障閾値以下であるかを判断する。故障閾値以下であれば(Yes)、CPU302ないしレベル監視部22は再びS601以降の処理を実行する。故障閾値を超える場合(No)、レベル監視部22(ないしCPU302)は、故障と判断し待機系への切換を行い、軌道回路への信号の出力を停止する(S613)。
以上のように、ATC信号の監視とTD信号の監視の時間を分けて、列車在線時にはATC信号の監視を、列車非在線時にはTD信号の監視を行うことができるので、電圧検知部及び電流検知部が共用化でき、ATC信号送信器1の構成を簡素にすることができる。なお、図示はしていないが、ATC論理部2に液晶モニタなどの表示部を設け、レベル監視部22での監視結果を表示して、ATC信号やTD信号の状態を表示することもできる。
以上、第1から第3のATC信号送信器に示すように、本実施形態では、ATC信号のレベルを監視すると共に、TD信号レベル監視も行うことで、安全に列車制御の継続が可能となる。また、ATC信号、TD信号以外の用途で使用する周波数成分についても、同様に使用でき、軌道回路への不要なノイズ成分の出力を防ぐことができるので、ATC信号送信器の健全性を向上でき、安全な列車運行を図ることができる。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。また、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。
各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、または、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に置いてもよい。また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
1:ATC信号送信器(軌道回路用送信器)、2:ATC論理部、3:ATC信号出力制御部、4:ATC信号波生成器、5:選択器、6:増幅器、7、8:トランス、9:切換リレー(COR)、10:選択信号、11:ゲイン制御信号、12、14:ATC信号用帯域制限フィルタ、13:ATC信号用電圧検知部、15:ATC信号用電流検知部、16、18:TD信号用帯域制限フィルタ、17:TD信号用電圧検知部、19:TD信号用電流検知部、20、21:加算回路、22:レベル監視部、23、24、25:制御信号、28:TD信号、29:ATC信号、30:列車、48:制御信号、55:TD信号送信器、56:TD信号受信器、57:TD信号送信器制御信号、58:TD信号受信器制御信号、201、211:加算結果
Claims (12)
- 生成したATC信号波を増幅器にて増幅して軌道回路経由で列車に送信する軌道回路用送信器であって、
前記軌道回路用送信器は、
ATC信号波を生成するATC信号波生成器と、
前記ATC信号波を出力するか未出力とするかを選択する選択器と、
前記選択器の出力信号を増幅する増幅器と、
前記増幅器からの信号を前記軌道回路へ接続するか否かと、前記軌道回路からのTD信号波を受信するか否かを制御する切換リレーと、
前記選択器から送出した信号をフィードバックして受信し、前記送出した信号におけるATC信号成分を検出するATC信号用電圧検出部及びATC信号用電流検出部と、
TD信号成分を検出するTD信号用電圧検出部及びTD信号用電流検出部と、
前記ATC信号用電圧検出部と前記ATC信号用電流検出部との第1の加算結果と、前記TD信号用電圧検出部と前記TD信号用電流検出部との第2の加算結果をもとにレベル監視を行うレベル監視部とを備え、
前記第1の加算結果が予め設定された第1の上限閾値を上回るか、予め設定された第1の下限閾値を下回る場合に、前記ATC信号が異常であると判断し、
前記第2の加算結果が予め設定された第2の上限閾値を上回るか、予め設定された第2の下限閾値を下回る場合に、前記TD信号が異常であると判断し、
前記ATC信号ないしTD信号が異常と判断された場合は、前記軌道回路用送信器からの信号の出力を停止する
ことを特徴とする軌道回路用送信器。 - 請求項1に記載の軌道回路用送信器において、前記切換リレーをオフした時に、前記第2の加算結果が予め設定された第2の上限閾値を上回るか、予め設定された第2の下限閾値を下回る場合に、前記TD信号が異常であると判断し、前記軌道回路用送信器からの信号の出力を停止する
ことを特徴とする軌道回路用送信器。 - 請求項1に記載の軌道回路用送信器において、前記列車が非在線時に、前記第2の加算結果が予め設定された第2の上限閾値を上回るか、予め設定された第2の下限閾値を下回る場合に、前記TD信号が異常であると判断し、前記軌道回路用送信器からの信号の出力を停止する
ことを特徴とする軌道回路用送信器。 - 請求項1に記載の軌道回路用送信器において、前記列車が在線時に、前記第1の加算結果が予め設定された第1の上限閾値を上回るか、予め設定された第1の下限閾値を下回る場合に、前記ATC信号が異常であると判断し、前記軌道回路用送信器からの信号の出力を停止する
ことを特徴とする軌道回路用送信器。 - 請求項1に記載の軌道回路用送信器において、前記ATC信号成分を検出するATC信号用電圧検出部及びATC信号用電流検出部と、前記TD信号成分を検出するTD信号用電圧検出部及びTD信号用電流検出部とを、電圧検出部及び電流検出部として共用する
ことを特徴とする軌道回路用送信器。 - 請求項5に記載の軌道回路用送信器において、前記電圧検出部及び電流検出部での検出する信号の帯域を可変にできる
ことを特徴とする軌道回路用送信器。 - 請求項1に記載の軌道回路用送信器において、少なくとも2回以上異常であるとの判断された場合に前記軌道回路用送信器からの信号の出力を停止する
ことを特徴とする軌道回路用送信器。 - ATC信号を軌道回路を介して列車へ送信し、前記軌道回路を介してTD信号を受信可能な軌道回路用送信器であって、
前記ATC信号を生成するATC信号波生成器と、
生成される前記ATC信号を出力するか否かを選択する選択器と、
前記選択器からの出力を受け、かつ前記軌道回路と前記軌道回路用送信器との接続を制御する切換リレーと、
前記選択器から出力される信号を受信し、該信号のATC信号成分の電圧を検出するATC信号用電圧検出部及び前記ATC信号成分の電流を検出するATC信号用電流検出部と、
前記TD信号を受信し、該TD信号の電圧を検出するTD信号用電圧検出部及び前記TD信号の電流を検出するTD信号用電流検出部と、
前記ATC信号用電圧検出部と前記ATC信号用電流検出部との第1の加算結果、及び前記TD信号用電圧検出部と前記TD信号用電流検出部との第2の加算結果とに基づいてレベル監視を行うレベル監視部とを有し、
前記レベル監視部は、前記第1の加算結果が所定の範囲外である場合、或いは前記第2の加算結果が所定の範囲外である場合に、前記ATC信号の前記軌道回路への出力を停止する
ことを特徴とする軌道回路用送信器。 - 請求項8に記載の軌道回路用送信器において、
前記第1の加算結果が所定の範囲外である場合、或いは前記第2の加算結果が所定の範囲外である場合に、
前記選択器は前記ATC信号の出力を停止させること、或いは前記切換えリレーは前記軌道回路用送信器との接続を切断すること、或いはいずれも行う
ことを特徴とする軌道回路用送信器。 - 請求項8または請求項9に記載の軌道回路用送信器において、
前記TD信号用電圧検出部及び前記TD信号用電流検出部に信号が入力される前段に、通過させる信号の周波数帯域を変更する手段を各々有する
ことを特徴とする軌道回路用送信器。 - 請求項10に記載の軌道回路用送信器において、
前記ATC信号用電圧検出部と前記TD信号用電圧検出部、及び前記TD信号用電流検出部と前記ATC信号用電流検出部を、電圧検出部及び電流検出部として各々共用し、
時間を分けて前記ATC信号の検出と前記TD信号の検出を行う
ことを特徴とする軌道回路用送信器。 - 生成したATC信号波を増幅器にて増幅して軌道回路経由で列車に送信する軌道回路用送信器の故障検知方法であって、
前記軌道回路用送信器は、
ATC信号波を生成するATC信号波生成器と、
前記ATC信号波を出力するか未出力とするかを選択する選択器と、
前記選択器の出力信号を増幅する増幅器と、
前記増幅器からの信号を前記軌道回路へ接続するか否かと、前記軌道回路からのTD信号波を受信するか否かを制御する切換リレーと、
前記選択器から送出した信号をフィードバックして受信し、前記送出した信号におけるATC信号成分を検出するATC信号用電圧検出部及びATC信号用電流検出部と、
TD信号成分を検出するTD信号用電圧検出部及びTD信号用電流検出部と、
前記ATC信号用電圧検出部と前記ATC信号用電流検出部との第1の加算結果と、前記TD信号用電圧検出部と前記TD信号用電流検出部との第2の加算結果をもとにレベル監視を行うレベル監視部とを備え、
前記第1の加算結果が予め設定された第1の上限閾値を上回るか、予め設定された第1の下限閾値を下回る場合に、前記ATC信号が異常であると判断するステップと、
前記第2の加算結果が予め設定された第2の上限閾値を上回るか、予め設定された第2の下限閾値を下回る場合に、前記TD信号が異常であると判断するステップと、
前記ATC信号ないしTD信号が異常と判断された場合は、前記軌道回路用送信器からの信号の出力を停止するステップとを有する
ことを特徴とする軌道回路用送信器の故障検知方法。
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Cited By (3)
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CN107380207A (zh) * | 2017-07-19 | 2017-11-24 | 郑州盛源万通科技有限公司 | 防跳方法、装置及轨道电路 |
JPWO2021220447A1 (ja) * | 2020-04-30 | 2021-11-04 | ||
KR20220159832A (ko) * | 2021-05-26 | 2022-12-05 | 주식회사 에스알 | 자동 절체를 제공하는 송신기 및 이를 포함하는 궤도 회로 장치 |
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2014
- 2014-06-18 JP JP2014125480A patent/JP2016002931A/ja active Pending
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