JP2016002705A - タイヤ用モールドの洗浄方法及び洗浄装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】モールドの摩滅や傷、変形等を防止しつつ、キャビティ面に付着したゴム組成物を除去するモールドの洗浄方法及び装置の提供。【解決手段】本発明に係るタイヤ用モールド2の洗浄方法は、(1)タイヤ用モールド2を加熱することにより、このモールド2のキャビティ面10に付着したゴム組成物を劣化させる工程、及び(2)上記キャビティ面10に研磨剤26を吹き付けることで、このキャビティ面10から上記ゴム組成物を除去する工程を含む。好ましくは、上記モールド2の加熱温度は150℃以上さらには200℃以上であり、この加熱温度は360℃以下である。好ましくは、上記モールド2の加熱時間は2時間以上である。【選択図】図4
Description
本発明は、タイヤ用モールドの洗浄方法及び洗浄装置に関する。
タイヤの加硫工程では、モールドが用いられている。加硫工程では、予備成形されたローカバーが、モールドに投入される。このローカバーは、モールドとブラダーとに囲まれたキャビティにおいて、加圧されつつ加熱される。加圧と加熱とにより、ローカバーのゴム組成物がキャビティ内を流動する。加熱によりゴムが架橋反応を起こし、タイヤが得られる。
上述の加硫工程における架橋反応は、副生成物の生成を伴う。一のモールドで多数のタイヤが製造されるので、このキャビティ面には副生成物が堆積する。この堆積物を除去するために、モールドは定期的に洗浄される。
モールドの洗浄方法として、安価で取り扱いの容易な「ショットブラスト」が広く用いられている。この方法では、噴射機により研磨剤がモールドのキャビティ面に吹き付けられる。この研磨剤の吹き付けにより、キャビティ面の堆積物が削り落とされる。ショットブラストを用いた洗浄装置及び洗浄方法についての検討が、特開2009−119819公報で報告されている。
加硫工程において、ローカバーのゴム組成物が、何らかの不具合により、加硫の途中の状態で又は加硫済みの状態で、モールドのキャビティ面に付着することが起こりうる。このキャビティ面に付着したゴム組成物(付着ゴムと称される)は、タイヤの品質を大きく損ねる。この付着ゴムを取り除くことが必要となる。
付着ゴムは、弾性が高い。従来のショットブラストでこの付着ゴムを除去しようとした場合、付着ゴムの弾性により吹き付けられた研磨剤が跳ね返ってしまう。ショットブラストでは、付着ゴムがほとんど除去できない。付着ゴムを除去するために、より硬い研磨剤を使用する方法、もしくは研磨剤の吹き付け圧をより高くする方法が考えられる。しかし、これらは、モールドのキャビティ面の摩滅の原因となる。さらには、キャビティ面に「ピンホール」が発生しうる。キャビティ面の摩滅やピンホールはタイヤの品質を損ねる。タイヤの品質を保つために、モールドの作り直しが必要となる。
ペンチや鍵爪等の工具を用いて、この付着ゴムを人手で引き剥がす方法が考えられる。付着ゴムの弾性が高いため、付着ゴムは容易にちぎれる。このため、一度の引き剥がし動作では、付着ゴムの一部のみしか除去できない。作業者は、この動作を何度も繰り返す必要がある。この方法で付着ゴムの全てを引き剥がすには、膨大な時間がかかる。例えば、複数のトレッドセグメントから構成された割タイプのモールドの場合、一つのセグメントあたり、この引き剥がし作業に6時間程度の時間が必要となることがある。さらに、この作業は、モールドを傷つける。この作業により、モールドのプロファイルが変形しうる。この傷や変形により、モールドが使用できなくなることが起こりうる。
本発明の目的は、モールドの摩滅や傷、変形等を防止しつつ、キャビティ面に付着したゴム組成物を除去するモールドの洗浄方法及び装置を提供することである。
本発明に係るタイヤ用モールドの洗浄方法は、
(1)タイヤ用モールドを加熱することにより、このモールドのキャビティ面に付着したゴム組成物を劣化させる工程、
及び
(2)上記キャビティ面に研磨剤を吹き付けることで、このキャビティ面から上記ゴム組成物を除去する工程
を含む。
(1)タイヤ用モールドを加熱することにより、このモールドのキャビティ面に付着したゴム組成物を劣化させる工程、
及び
(2)上記キャビティ面に研磨剤を吹き付けることで、このキャビティ面から上記ゴム組成物を除去する工程
を含む。
好ましくは、上記モールドの加熱温度は150℃以上360℃以下である。
好ましくは、上記モールドの加熱温度は200℃以上である。
好ましくは、上記モールドの加熱時間は2時間以上である。
好ましくは、上記研磨剤を吹き付けるエアー圧力は1.0MPa以上9.0MPa以下である。
好ましくは、上記研磨剤のモース硬度は3以上5以下である。
好ましくは、上記研磨剤のビッカース硬度が2HV以上350HV以下である。
本発明に係るタイヤ用モールドの洗浄装置は、
(1)タイヤ用モールドを加熱することにより、このモールドのキャビティ面に付着したゴム組成物を劣化させる加熱器、
及び
(2)上記キャビティ面に研磨剤を吹き付けることで、このキャビティ面から上記ゴム組成物を除去するブラスト器
を含む。
(1)タイヤ用モールドを加熱することにより、このモールドのキャビティ面に付着したゴム組成物を劣化させる加熱器、
及び
(2)上記キャビティ面に研磨剤を吹き付けることで、このキャビティ面から上記ゴム組成物を除去するブラスト器
を含む。
本発明に係るタイヤ用モールドの洗浄方法は、モールドを加熱することにより、このモールドのキャビティ面に付着したゴム組成物を劣化させる工程を有している。この工程により、付着ゴムの弾性が低下する。この方法は、キャビティ面に研磨剤を吹き付けることで、このキャビティ面から付着ゴムを除去する工程を有している。弾性が低下した付着ゴムは、この工程で容易に除去されうる。この方法では、硬い研磨剤を使う必要がなく、研磨剤の吹き付け圧を高くする必要もない。この方法では、モールドの摩滅が抑えられている。この方法では、ペンチや鍵爪等の工具を用いて、付着ゴムを人手で引き剥がす必要はない。この方法では、モールドが傷付くことやモールドのプロファイルが変形することが抑えられている。この方法では、モールドの品質を維持したままで、付着ゴムを除去することができる。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
図1及び図2に本発明に係る洗浄方法に供されるタイヤ用モールド2が示されている。これは、割タイプのモールド2である。このモールド2は、多数のトレッドセグメント4と、上下一対のサイドプレート6と、上下一対のビードリング8とを備えている。セグメント4の平面形状は、実質的に円弧状である。多数のセグメント4が、リング状に配置されている。サイドプレート6及びビードリング8は、実質的にリング状である。図1において、紙面に対して垂直な方向が軸方向である。両矢印Aで示された方向が周方向である。図2において、Rで示されているのはローカバーである。
図3は、図1のモールド2のセグメント4が示された斜視図である。図3において、X方向は半径方向であり、Y方向は軸方向である。周方向は、X方向及びY方向に直交している。セグメント4は、キャビティ面10を備えている。このキャビティ面10は、このセグメント4の半径方向において内側の面に形成されている。キャビティ面10は、凸部12と凹部とを備えている。この凸部12は、タイヤのトレッドの溝に対応する。この凸部12及び凹部14により、タイヤにトレッドパターンが形成される。凸部12及び凹部14の形状は、トレッドパターンに応じて、適宜決定される。なお図2では、凸部12及び凹部14の図示が省略されている。
このモールド2が用いられたタイヤ製造方法では、予備成形によってローカバーR(未加硫タイヤ)が得られる。このローカバーRが、モールド2が開いておりブラダーが収縮している状態で、モールド2に投入される。モールド2が締められ、ブラダーが膨張する。ローカバーRはブラダーによってモールド2のキャビティ面10に押しつけられ、加圧される。この状態のローカバーRが、図2に示されている。同時にローカバーRは、加熱される。加圧と加熱とによりゴム組成物が流動する。加熱によりゴムが架橋反応を起こし、タイヤが得られる。ローカバーRが加圧及び加熱される工程は、加硫工程と称される。ブラダーに代えて、中子が用いられてもよい。
前述のとおり、加硫工程において、ローカバーのゴム組成物が、何らかの不具合により、加硫の途中の状態で又は加硫済みの状態で、モールド2のキャビティ面10に付着することが起こりうる。図3には付着したゴム組成物16(付着ゴム16と称される)の一部が示されている。このモールド2で製造したタイヤでは、トレッドパターンに欠陥が生じうる。付着ゴム16は、タイヤの品質を大きく損ねる。この付着ゴム16を取り除くため、モールド2の洗浄が必要となる。
本発明に係るモールド2の洗浄方法は、
(1)セグメント4を取り出す工程、
(2)セグメント4を加熱することにより、このセグメント4のキャビティ面10に付着したゴム組成物16を劣化させる工程(加熱工程と称される)、
及び
(3)キャビティ面10に研磨剤を吹き付けることで、このキャビティ面10からゴム組成物16を除去する工程(ブラスト工程と称される)
を備えている。
(1)セグメント4を取り出す工程、
(2)セグメント4を加熱することにより、このセグメント4のキャビティ面10に付着したゴム組成物16を劣化させる工程(加熱工程と称される)、
及び
(3)キャビティ面10に研磨剤を吹き付けることで、このキャビティ面10からゴム組成物16を除去する工程(ブラスト工程と称される)
を備えている。
セグメント4を取り出す工程では、モールド2が分解されて各セグメント4が取り出される。このセグメント4単位で付着ゴム16の除去が行われる。セグメント4単位に分解することにより、容易に付着ゴム16が除去できる。
加熱工程では、セグメント4が加熱用の槽18に入れられる。図4に示されるとおり、この槽18はヒーター20を有している。このヒーター20により、セグメント4が加熱される。この加熱により、キャビティ面10に付着した付着ゴム16は過加硫の状態となる。即ち、付着ゴム16は劣化する。この付着ゴム16の弾性は著しく低下する。
セグメント4の加熱手段はヒーター20に限られない。付着ゴム16が劣化するまで、セグメント4が加熱できればよい。この方法が、上記工程(1)と(2)との間に、複数のセグメント4を並べる工程をさらに備えていてもよい。この場合には、複数のセグメント4が一度に加熱される。加熱時間の短縮が可能である。また、セグメント4が取り出されずに、モールド2全体が加熱されてもよい。
ブラスト工程では、図5に示されるとおり、セグメント4はショットブラスト用の槽22に入れられる。この中で、噴射器24により研磨剤26がセグメント4のキャビティ面10に吹き付けられる。研磨剤26は、エアーとともにキャビティ面10に吹き付けられる。この研磨剤26によって、キャビティ面10の付着ゴム16が削り落とされる。これにより、キャビティ面10が洗浄される。
この洗浄方法が、上記工程(2)と(3)との間に、複数のセグメント4を並べる工程をさらに備えていてもよい。この場合は、複数のセグメント4が一度に洗浄される。洗浄時間の短縮が可能である。
また、セグメント4が取り出されずに、モールド2全体でキャビティ面10が洗浄されてもよい。この場合は、分解していないモールド2のキャビティ面10に、研磨剤26が吹き付けられる。加熱工程及びブラスト工程がモールド2全体で行われるときは、(1)のセグメント4を取り出す工程は省略される。
図4の加熱用の槽18及びヒーター20は、モールド2を加熱することによりこのモールド2のキャビティ面10に付着したゴム組成物16を劣化させる「加熱器」を構成する。図5のショットブラスト用の槽22及び噴射器24は、キャビティ面10に研磨剤26を吹き付けることでこのキャビティ面10からゴム組成物16を除去する「ブラスト器」を構成する。このタイヤ用モールド2の洗浄装置は、加熱器とブラスト器とを含む。
以下、本発明の作用効果が説明される。
加硫工程において、キュビティ面にゴム組成物が付着することがある。この付着ゴムは弾性が高い。従来のショットブラストでは、付着ゴムはほとんど除去できない。付着ゴムを除去するために、より硬い研磨剤を使用する方法、もしくは研磨剤の吹き付け圧をより高くする方法が考えられる。しかし、これらは、モールドのキャビティ面の摩滅の原因となる。さらには、キャビティ面に「ピンホール」が発生しうる。これらはタイヤの品質を損ねる。タイヤの品質を保つために、モールドの作り直しが必要となる。
ペンチや鍵爪等の工具を用いて、この付着ゴムを人手で引き剥がす方法が考えられる。この方法で付着ゴムの全てを引き剥がすには、膨大な時間がかかる。さらに、この作業は、モールドを傷つける。この作業により、モールドのプロファイルが変形しうる。この傷や変形により、モールド2が使用できなくなることが起こりうる。
本発明に係るタイヤ用モールド2の洗浄方法は、加熱工程及びブラスト工程を有している。加熱工程では、モールド2を加熱することにより、付着ゴム16の硫黄による架橋が切断される。換言すれば、付着ゴム16の劣化が促進される。この工程により、付着ゴム16の弾性が低下する。ブラスト工程では、キャビティ面10に研磨剤26を吹き付けることで、キャビティ面10から付着ゴム16が除去される。弾性が低下した付着ゴム16は、この工程で容易に除去されうる。これはタイヤの品質向上に寄与する。
この方法では、硬い研磨剤を使う必要がなく、研磨剤の吹き付け圧を高くする必要もない。この方法では、モールド2の摩滅が抑えられている。この方法では、ペンチや鍵爪等の工具を用いて、付着ゴム16を人手で引き剥がす必要はない。この方法では、モールド2が傷付くことやモールド2のプロファイルが変形することが抑えられている。これらは、タイヤの品質向上に寄与する。これらは、モールド2の作り直しの頻度を少なくし、生産コストの削減に寄与する。
加熱工程におけるセグメント4の加熱温度Tは150℃以上が好ましい。加熱温度Tを150℃以上にすることで、付着ゴム16の劣化が効果的に促進される。この付着ゴム16の弾性は低い。この付着ゴム16は、ブラスト工程において容易に除去できる。この観点から加熱温度Tは200℃以上がより好ましい。
タイヤを加硫する際の温度がTbとされたとき、加熱温度Tと加硫温度Tbの差(T−Tb)は、10℃以上が好ましい。差(T−Tb)を10℃以上にすることで、付着ゴム16の劣化が効果的に促進される。この付着ゴム16の弾性は低い。この付着ゴム16は、ブラスト工程において容易に除去できる。この観点から差(T−Tb)は20℃以上がより好ましい。
加熱工程におけるセグメント4の加熱温度Tは350℃以下が好ましい。加熱温度Tを350℃以下にすることで、熱によるセグメント4の変形が防止される。これは、タイヤの品質向上に寄与する。これは、モールド2の作り直しの頻度を少なくし、生産コストの削減に寄与する。この観点から加熱温度Tは340℃以下がより好ましい。
加熱工程におけるセグメント4の加熱時間Hは2時間以上が好ましい。加熱時間Hを4時間以上にすることで、付着ゴム16の劣化が効果的に促進される。この付着ゴム16は、ブラスト工程において容易に除去できる。この観点から加熱時間Hは3時間以上がより好ましい。
加熱時間Hは24時間以下が好ましい。加熱時間Hを24時間以下にすることで、効率よくモールド2が洗浄できる。この観点から加熱時間Hは12時間以下がより好ましい。
ブラスト工程における研磨剤26の吹き付け時間Bは2分以上が好ましい。吹き付け時間Bを2分以上にすることで、付着ゴム16が効果的に除去できる。これは、タイヤの品質向上に寄与する。この観点から吹き付け時間Bは6分以上がより好ましい。
吹き付け時間Bは18分以下が好ましい。吹き付け時間Bを18分以下にすることで、モールド2の摩滅が効果的に抑えられる。これは、タイヤの品質向上に寄与する。これは、モールド2の作り直しの頻度を少なくし、生産コストの削減に寄与する。この観点から吹き付け時間Bは15分以下がより好ましい。
ブラスト工程における研磨剤26の平均粒子径Dは0.1mm以上が好ましい。平均粒子径Dを0.1mm以上にすることで、付着ゴム16が効果的に除去できる。これは、タイヤの品質向上に寄与する。この観点から平均粒子径Dは0.3mm以上がより好ましい。
平均粒子径Dは1.0mm以下が好ましい。平均粒子径Dを0.1mm以下にすることで、モールド2の摩滅が効果的に抑えられる。これは、タイヤの品質向上に寄与する。これは、モールド2の作り直しの頻度を少なくし、生産コストの削減に寄与する。この観点から平均粒子径Dは0.8mm以下がより好ましい。
本明細書においては、平均粒子径とは、粒子径の分布の中心値(メジアン径)を意味している。これは、レーザー回折式粒度分布計により測定した粒子の体積分布から計算される。
ブラスト工程において、研磨剤26を吹き付けるエアーの圧力Pは1MPa以上が好ましい。エアー圧力Pを1MPa以上にすることで、付着ゴム16が効果的に除去できる。これは、タイヤの品質向上に寄与する。この観点からエアー圧力Pは3MPa以上がより好ましい。
エアー圧力Pは9MPa以下が好ましい。エアー圧力Pを9MPa以下にすることで、モールド2の摩滅が効果的に抑えられる。これは、タイヤの品質向上に寄与する。これは、モールド2の作り直しの頻度を少なくし、生産コストの削減に寄与する。この観点からエアー圧力Pは6MPa以下がより好ましい。
研磨剤26のモース硬度MHは1以上が好ましい。モース硬度を1以上にすることで、付着ゴム16が効果的に除去できる。これは、タイヤの品質向上に寄与する。この観点からモース硬度MHは3以上がより好ましい。
研磨剤26のモース硬度MHは5以下が好ましい。モース硬度MHを5以下にすることで、モールド2の摩滅が効果的に抑えられる。これは、タイヤの品質向上に寄与する。これは、モールド2の作り直しの頻度を少なくし、生産コストの削減に寄与する。この観点からモース硬度MHは4以下がより好ましい。
研磨剤26のビッカース硬度VHは2HV以上が好ましい。ビッカース硬度VHを2HV以上にすることで、付着ゴム16が効果的に除去できる。これは、タイヤの品質向上に寄与する。この観点からビッカース硬度VHは10HV以上がより好ましい。
研磨剤26のビッカース硬度VHは350HV以下が好ましい。ビッカース硬度VHを350HV以下にすることで、モールド2の摩滅が効果的に抑えられる。これは、タイヤの品質向上に寄与する。これは、モールド2の作り直しの頻度を少なくし、生産コストの削減に寄与する。この観点からビッカース硬度VHは300HV以下がより好ましい。
この実施形態では、割りタイプのモールド2について、本発明に係る洗浄方法が説明された。この洗浄方法が適用できるのは、割りタイプのモールド2に限られない。ツーピースのモールドにも適用できる。
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
[実施例1]
サイズが195/65R15のタイヤ用のモールドが用意された。このモールドのキャビティ面には、ローカバーのゴム組成物が付着しやすいように、細かい凹凸が設けられた。このモールドを使用して、ローカバーの加硫を実施した。このとき、加硫時間を短くして、ゴム組成物が加硫される途中の状態でモールドからローカバーを取り出した。これにより、モールドのキャビティ面にゴム組成物を付着させた。このモールドからセグメントを取り出して、加熱用の槽に入れて加熱を実施した。その後、このセグメントをショットブラスト用の槽に移し、研磨剤をキャビティ面に吹き付けた。表1にこの加熱工程の条件及びブラスト工程の条件が示されている。
サイズが195/65R15のタイヤ用のモールドが用意された。このモールドのキャビティ面には、ローカバーのゴム組成物が付着しやすいように、細かい凹凸が設けられた。このモールドを使用して、ローカバーの加硫を実施した。このとき、加硫時間を短くして、ゴム組成物が加硫される途中の状態でモールドからローカバーを取り出した。これにより、モールドのキャビティ面にゴム組成物を付着させた。このモールドからセグメントを取り出して、加熱用の槽に入れて加熱を実施した。その後、このセグメントをショットブラスト用の槽に移し、研磨剤をキャビティ面に吹き付けた。表1にこの加熱工程の条件及びブラスト工程の条件が示されている。
[比較例1]
加熱工程を実施しない他は実施例1と同様にしたのが、比較例1である。
加熱工程を実施しない他は実施例1と同様にしたのが、比較例1である。
[比較例2]
加熱工程を実施せずエアー圧力P及びモース硬度MHを表1に示される値にした他は実施例1と同様にしたのが、比較例2である。
加熱工程を実施せずエアー圧力P及びモース硬度MHを表1に示される値にした他は実施例1と同様にしたのが、比較例2である。
[実施例2−13]
加熱温度Tと加熱時間Hとを表2及び3に示される値にした他は実施例1と同様にしたのが、実施例2−13である。
加熱温度Tと加熱時間Hとを表2及び3に示される値にした他は実施例1と同様にしたのが、実施例2−13である。
[実施例14−19]
エアー圧力Pを表4に示される値にした他は実施例8と同様にしたのが、実施例14−19である。
エアー圧力Pを表4に示される値にした他は実施例8と同様にしたのが、実施例14−19である。
[実施例20−29]
モース硬度MH及びビッカース硬度VHを表5及び表6に示される値にした他は実施例8と同様にしたのが、実施例20−29である。
モース硬度MH及びビッカース硬度VHを表5及び表6に示される値にした他は実施例8と同様にしたのが、実施例20−29である。
[洗浄度]
ブラスト工程が終了した後のセグメントについて、残留したゴム組成物を目視で確認した。この結果が、比較例1の結果を0とし、全てのゴム組成物が除去された場合を5とした指数として、表1から6に示されている。数値が大きいほど好ましい。
ブラスト工程が終了した後のセグメントについて、残留したゴム組成物を目視で確認した。この結果が、比較例1の結果を0とし、全てのゴム組成物が除去された場合を5とした指数として、表1から6に示されている。数値が大きいほど好ましい。
[モールド品質]
ブラスト工程が終了した後のセグメントについて、摩滅やピンホールの発生及びその程度並びに変形の有無及びその程度が目視で確認された。その結果が、これらが発生していない場合を5とした指数として下記の表1から6に示されている。値が大きいほどモールドの品質の低下がない。数値が大きいほど好ましい。
ブラスト工程が終了した後のセグメントについて、摩滅やピンホールの発生及びその程度並びに変形の有無及びその程度が目視で確認された。その結果が、これらが発生していない場合を5とした指数として下記の表1から6に示されている。値が大きいほどモールドの品質の低下がない。数値が大きいほど好ましい。
表1−6に示されるように、本発明に係るモールドの洗浄方法では、モールドの品質を維持した上で、キャビティ面に付着したゴム組成物が除去されている。この評価結果から、本発明の優位性は明らかである。
以上説明された洗浄方法は、種々のモールドの洗浄に適用されうる。
2・・・モールド
4・・・セグメント
6・・・サイドプレート
8・・・ビードリング
10・・・キャビティ面
12・・・凸部
14・・・凹部
16・・・付着ゴム
18、22・・・槽
20・・・ヒーター
24・・・噴射器
26・・・研磨剤
4・・・セグメント
6・・・サイドプレート
8・・・ビードリング
10・・・キャビティ面
12・・・凸部
14・・・凹部
16・・・付着ゴム
18、22・・・槽
20・・・ヒーター
24・・・噴射器
26・・・研磨剤
Claims (8)
- (1)タイヤ用モールドを加熱することにより、このモールドのキャビティ面に付着したゴム組成物を劣化させる工程、
及び
(2)上記キャビティ面に研磨剤を吹き付けることで、このキャビティ面から上記ゴム組成物を除去する工程
を含むタイヤ用モールドの洗浄方法。 - 上記モールドの加熱温度が150℃以上360℃以下である請求項1に記載のタイヤ用モールドの洗浄方法。
- 上記モールドの加熱温度が200℃以上である請求項2に記載のタイヤ用モールドの洗浄方法。
- 上記モールドの加熱時間が2時間以上である請求項1から3のいずれかに記載のタイヤ用モールドの洗浄方法。
- 上記研磨剤を吹き付けるエアー圧力が1.0MPa以上9.0MPa以下である請求項1から4のいずれかに記載のタイヤ用モールドの洗浄方法。
- 上記研磨剤のモース硬度が3以上5以下である請求項1から5のいずれかに記載のタイヤ用モールドの洗浄方法。
- 上記研磨剤のビッカース硬度が2HV以上350HV以下である請求項1から6のいずれかに記載のタイヤ用モールドの洗浄方法。
- (1)タイヤ用モールドを加熱することにより、このモールドのキャビティ面に付着したゴム組成物を劣化させる加熱器、
及び
(2)上記キャビティ面に研磨剤を吹き付けることで、このキャビティ面から上記ゴム組成物を除去するブラスト器
を含むタイヤ用モールドの洗浄装置。
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---|---|---|---|---|
CN105944999A (zh) * | 2016-06-28 | 2016-09-21 | 广西长城矿山机械设备制造有限公司 | 一种铸件清洗装置 |
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