JP2016000008A - 接着細胞の培養装置および培養方法 - Google Patents

接着細胞の培養装置および培養方法 Download PDF

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村 明 威 田
Akitake Tamura
村 明 威 田
味 慎 一 五
Shinichi Gomi
味 慎 一 五
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Abstract

【課題】接着細胞を接着培養するための培養容器において、継代が必ずしも必要とされない培養装置および培養方法の提供。【解決手段】細胞を接着させる底面と、上方が開口する側面とを備え、前記底面は細胞接着性である1または複数の第一の領域10aと、細胞剥離時に細胞非接着性である第二の領域10bと有する培養容器10。第二の領域が光照射により、または温度変化により、細胞接着性の表面から細胞非接着性の表面に変化する表面を有する培養容器。【選択図】図1

Description

本発明は、接着細胞の培養装置および培養方法に関する。
接着培養では、細胞は、酵素処理またはセルスクレイパーなどを用いて培養容器の接着面から剥離し、新鮮な培地を含む培養容器に継代される。
再生医療の発展に伴って大量の細胞を培養することが求められるが、酵素処理法には、高価な細胞剥離酵素が大量に必要となる問題と、酵素が細胞に損傷を与える可能性を排除するために酵素による細胞処理時間を制御しなければならないという問題がある。また、セルスクレイパーを用いる方法には、セルスクレイパーを介した雑菌の培養液への混入(コンタミネーション)のリスクがある。
特許文献1は、幹細胞の大量培養の方法とそのための微粒子状キャリアを開示する。また、特許文献2は、幹細胞の大量培養の方法とそのための微粒子状キャリアを開示する。しかし、特許文献1および2に記載された方法は、大量培養に適した方法として記載されるものの、継代とその後の新たなキャリアへの播種を必要とするものであり、継代時の上記問題を解消するものではない。
WO2009/116951 WO2010/107392
本発明は、接着細胞の培養装置および培養方法であって、継代が必ずしも必要とされない培養装置および培養方法を提供する。
本発明では以下の発明が提供される。
(1)接着細胞を接着培養するための培養容器において、
細胞を接着させる底面と、上方が開口する側面とを備え、
前記底面は、
細胞接着性である1または複数の第一の領域と、
細胞剥離時に細胞非接着性である第二の領域と有することを特徴とする、
培養容器。
(2)第二の領域が、培養条件下で細胞非接着性である、上記(1)に記載の培養容器。
(3)第二の領域が、培養条件下では細胞接着性であるが、所望により細胞非接着性の表面に変化させることができる表面を有する、上記(1)に記載の培養容器。
(4)第二の領域が、光照射により、または温度変化により、細胞接着性の表面から細胞非接着性の表面に変化させることができる表面を有する、上記(3)に記載の培養容器。
(5)各第一の領域が、それぞれ2000μm〜4mmである、上記(1)〜(4)のいずれかに記載の培養容器。
(6)各第一の領域が、それぞれ2000μm〜30000μmである、上記(3)または(4)に記載の培養容器。
(7)各第一の領域が、縁から中心部に向かうに従って細胞接着性が高められている、上記(1)〜(6)のいずれかに記載の培養容器。
(8)各第一の領域が、同一形状であり、等間隔で整列した、上記(1)〜(7)のいずれかに記載の培養容器。
(9)各第一の領域が、0.5mm以上の間隔で整列した、上記(8)に記載の培養容器。
(10)各第一の領域が、整列して複数の直線状に延びる第一の領域列を形成し、各第一の領域列は0.5mm以上の間隔で平行に並び、第一の領域列内の第一の領域は0.1mm〜0.5mmの間隔で配置されている、上記(8)に記載の培養容器。
(11)培地の供給口と培地の排出口とをさらに備え、閉鎖系培養容器を構成する、上記(1)〜(10)のいずれかに記載の培養容器。
(12)上記(11)に記載の培養容器と、
培養容器を保温するためのインキュベーターと、
培養容器の培地の供給口を介して培養容器に培地を供給する培地の供給手段と、
培養容器の培地の排出口を介して培養容器から培地を排出する培地の排出手段と、
培地を排出する際に培地と共に排出される細胞を回収する細胞回収手段と
を備えた、細胞培養装置。
(13)上記(11)に記載の培養容器であって、第二の領域が、培養条件下で接着性であり、光照射により細胞非接着性に変化し、かつ、光透過性の容器壁を備えた、培養容器と、
培養容器を保温するためのインキュベーターと、
培養容器の培地の供給口を介して培養容器に培地を供給する培地の供給手段と、
培養容器の培地の排出口を介して培養容器から培地を排出する培地の排出手段と、
培地を排出する際に培地と共に排出される細胞を回収する細胞回収手段と、
光透過性の容器壁を介して培養容器の細胞接着面に光を照射する光照射手段と
を備えた、細胞培養装置。
(14)上記(11)に記載の培養容器であって、第二の領域が、培養条件下で接着性であり、培養温度よりも低温の条件下で細胞非接着性に変化する、培養容器と、
培養容器を保温するためのインキュベーターと、
培養容器の培地の供給口を介して培養室内に培地を供給する培地の供給手段と、
培養容器の培地の排出口を介して培養室から培地を排出する培地の排出手段と、
培地を排出する際に培地と共に排出される細胞を回収する細胞回収手段と、
培養容器の第二の領域を容器壁を介して冷却する冷却手段と
を備えた、細胞培養装置。
(15)細胞培養用の細胞の支持体であって、
支持体の表面は、細胞接着性の1以上の第一の領域と、第一の領域を区画する細胞非接着性の第二の領域とを有する、
細胞の支持体。
(16)第一の領域は、それぞれ2000μm〜4mmである、上記(15)に記載の細胞の支持体。
(17)支持体が、
筒形状部を備え、
筒形状部は、その内面に第一の領域を有する、
上記(15)または(16)に記載の細胞の支持体。
(18)支持体が、円筒である、上記(15)または(16)に記載の細胞の支持体。
(19)細胞を支持体に接着させて培養するための細胞培養装置であって、
細胞を培養するための細胞培養タンクと、
細胞培養タンク内の培養液を撹拌する撹拌手段と、
撹拌手段を駆動する駆動手段と、
細胞培養タンク内に培養液を供給する培地供給手段と、
細胞培養タンクから培養液を排出する培地排出手段と、
細胞が接着する支持体を細胞培養タンク内に保持するための保持手段と、
培養液と共に排出される細胞を回収する細胞回収手段と、
細胞回収後の培養液を廃棄する培養液の廃棄手段と
を備える、細胞培養装置。
(20)接着細胞を培養する方法であって、
細胞接着性の第一の領域と、少なくとも細胞剥離時には細胞非接着性である第二の領域とを有する細胞培養面を提供することと、
該細胞培養面に細胞を播種して、少なくとも第一の領域に細胞を接着させることと、
細胞を培養することと、
培養後、第一の領域からはみ出した細胞を回収することと、
を含んでなる、方法。
(21)第二の領域が、培養条件下で細胞非接着性である、上記(20)に記載の方法。
(22)第二の領域が、培養条件下では細胞接着性であるが、光照射により、または培養温度よりも低温にすると細胞非接着性に変化する、上記(20)に記載の方法。
(23)上記(20)〜(22)のいずれかに記載の方法であって、
細胞接着性の第一の領域と、少なくとも細胞剥離時には細胞非接着性である第二の領域とを有する細胞培養面が、上記(1)〜(11)のいずれかに記載の培養容器の底面である、方法。
本発明によれば、細胞回収後も第一の領域には接着細胞が接着しつづけることができる。また、第一の領域に接着し続ける細胞を元として細胞をさらに培養して増殖させることが可能である。従って、本発明では、必ずしも細胞の継代は必要ではない。
図1は、第一の実施形態の細胞培養容器を示す図である。 図2は、第一の実施形態の細胞培養容器のA−A断面図である。 図3は、第一の実施形態の細胞培養容器の平面図である。 図4は、第一の実施形態の細胞培養容器の変形例の平面図である。 図5は、第一の実施形態の閉鎖系培養容器を示す図である。 図6は、第一の実施形態の細胞培養装置の模式図である。 図7は、第二の実施形態の細胞培養装置の模式図である。 図8は、第三の実施形態の細胞培養装置の模式図である。 図9は、第四の実施形態の支持体を示す図である。 図10は、第四の実施形態の支持体の変形例を示す図である。 図11は、第四の実施形態の細胞培養装置を示す模式図である。 図12は、第一の実施形態の細胞培養容器を用いた細胞培養の一連の工程を示す模式図である。 図13は、第一の実施形態の細胞培養容器を用いた細胞培養工程のフローチャートである。 図14は、第二の実施形態または第三の実施形態の細胞培養容器を用いた細胞培養の一連の工程を示す模式図である。 図15は、第二の実施形態または第三の実施形態の細胞培養容器を用いた細胞培養の一連の工程を示す模式図である。 図16は、第二の実施形態または第三の実施形態の細胞培養容器を用いた細胞培養工程のフローチャートである。 図17は、第一の実施形態の培養容器において第一の領域10aから細胞がシート状に突出するようすを示す顕微鏡画像である。
本発明者らは、細胞接着性である第一の領域と、細胞非接着性である第二の領域を有する細胞培養面に細胞を播種すると、第一の領域にのみ細胞が接着し増殖を開始すること、および、増殖した細胞は第一の領域からはみ出してシートを形成することを見出した。本発明者らはまた、第一の領域からはみ出したシート部分の細胞は、水流や振動により容易に第一の領域から解離させて回収することができることを見出した。本発明者らはさらに、細胞回収後、第一の領域に接着し続ける細胞をさらに培養することができ、その後、上記のように細胞をさらに回収することができることを見出した。
本明細書では、「接着細胞」とは、支持体に接着して増殖する細胞を意味する。接着精細胞としては、特に限定されないが例えば、多能性幹細胞(pluripotent stem cell)、上皮細胞、内皮細胞および繊維芽細胞などの細胞が挙げられ、多能性幹細胞が好ましく用いられ得る。細胞が由来する種(species)は特に限定されないが、哺乳類(例えばヒト)の細胞を用いることができる。本発明では、接着細胞として多能性幹細胞、好ましくはヒト多能性幹細胞を用いることができる。
以下の実施形態においては、矛盾のない範囲ですべてのあらゆる組み合わせが可能である。
第一の実施形態
以下、図1、図2および図6に基づいて、第一の実施形態について説明する。
(細胞培養容器)
まず、図1および図2により第一の実施形態における細胞培養容器を説明する。本実施形態における細胞培養容器10は、図1に示されるように、細胞を接着させる底面と、上方が開口する側面とを備えている。
細胞培養容器10の底面は、細胞接着性である1または複数の第一の領域10aと、細胞剥離時に細胞非接着性である第二の領域10bとを有する。第一の領域10aは第二の領域10bにより区画されている。
第一の領域10aは、細胞接着性であり、10a上では細胞の増殖が可能である。
細胞接着性を付与する方法は、当業者に周知であり、例えば、細胞接着性コーティングを施す様々な方法が知られている。細胞は、適度な疎水性表面または正電荷を有する表面に付着し易いことが知られており、第一の領域10aは、正電荷ポリマーでコーティングした表面とすることができる。本実施形態で用いられる正電荷ポリマーとしては、ポリL−リジンやポリL−オルニチンが挙げられる。また、多能性幹細胞の培養では、特に限定されないが例えば、細胞外基質を接着面に塗布することにより良質な細胞接着性の表面を得ることができる。従って、第一の領域10aは、細胞外基質を塗布した表面とすることができる。本実施形態で用いられ得る多能性幹細胞を培養するための細胞外基質は、当業者に周知であり、特に限定されないが例えば、マトリゲル(商標)、ヒアルロン酸、ラミニン、フィブロネクチン、ビトロネクチンおよびコラーゲンなどの細胞外基質が挙げられる。
各第一の領域10aは、ある態様では、約2000μm〜約4mmの面積を有し、好ましくは、約2000μm〜約30000μmの面積を有する。ある態様では、各第一の領域10aは、直径約25μm〜約2mm、例えば、直径約50μm〜約1mm、例えば、直径100μm〜500μmの円の概形を有する。第一の領域10aと、隣接する他の第一の領域10aとの間隔は、ある態様では、0.5mm以上であるが、別の態様では、1mm以上、1.5mm以上または2mm以上である。各第一の領域10aは、別の態様では、25μm〜2mm、例えば、50μm〜1mm、例えば、100μm〜500μmの幅を有する。
ある態様では、各第一の領域10aは、縁から中心部に向かうに従って細胞接着性が高められている。
第一の実施形態では、第二の領域10bは、培養条件下でも細胞剥離時にも細胞非接着性である。すなわち、第二の領域10bは、細胞の継代培養の全工程において細胞非接着性である。細胞の継代培養の全工程において細胞非接着性であることを、単に「細胞非接着性」ということができる。
従って、第二の領域10bは、特に限定されないが、例えば、細胞接着性の表面処理をしない表面としてもよいし、周知の細胞非接着性コーティングを施すことにより形成してもよい。細胞非接着性コーティングとしては、アルブミンコーティングおよびポリエチレングリコール(PEG)コーティングが挙げられる。
第一の実施形態の細胞培養容器10は、開放系培養容器であってもよいし、閉鎖系培養容器であってもよい。図5に示されるように、閉鎖系培養容器である細胞培養容器20は、培地の供給口と培地の排出口とをさらに備え、閉鎖系培養容器を構成すること以外は、図1に示される第一の実施形態の細胞培養容器10と同一である。
ある態様では、細胞培養容器10の第一の領域10aには、多能性幹細胞が接着している。ある態様では、第一の領域10aに接着した多能性幹細胞は、第一の領域10aから突出するシート構造を有する。
(細胞培養装置)
次に、図6により第一の実施形態における細胞培養装置100を説明する。
図6に示されるように、本実施形態における細胞培養装置100は、培養容器を保温するためのインキュベーター30と、培養容器20の培地の供給口11を介して培養容器20に培地を供給する培地の供給手段40と、培養容器10の培地の排出口12を介して培養容器10から培地を排出する培地の排出手段50とを備える。
インキュベーター30は、その内部を細胞の培養に必要な温度、湿度およびガス環境に保つことができる。
培地供給手段40は、培地を培養容器10内に流し込むことができる。培地供給手段40は、好ましくは、ポンプなどの培地の送液手段である。
培地の排出手段50は、培地供給手段40により培地が培養容器10内に流し込まれると、培養容器10から同量の培地を排出することができる。培養容器10から排出される培地に含まれる細胞を回収するために、培地の排出手段50は、培地を排出する際に培地と共に排出される細胞を回収する細胞回収手段51をさらに備える。細胞回収手段51としては、細胞を回収するためのフィルターや細胞を沈降させるための遠心分離器が挙げられる。培地の排出手段50は、培養容器10の培地の排出口12を介して培養容器10から排出される培地を回収する培地回収手段52をさらに備えていてもよい。培地回収手段52は、例えば、廃液回収タンクである。
本実施形態における細胞培養装置100は、第一の領域10aに対して容器壁を介して振動を与える振動発生手段25を備えていてもよい。
(第一の実施形態における作用)
次に、図12および図13により、第一の実施形態における細胞培養装置100の作動方法を説明する。
図12には、細胞培養容器20のみを図示し、細胞培養装置100の他の構成要素は省略する。図13は、細胞培養工程のフローチャートである。
まず、図12(A)に示されるように、細胞培養容器20は、細胞接着性の第一の領域10aと、細胞非接着性の第二の領域10bとを有する底面を有する。
ステップS1において細胞培養容器20に細胞懸濁液を流し込み、ステップS2においてしばらくインキュベートすると、図12(B)に示されるように細胞は細胞接着性である第一の領域10aにのみ接着する。なお、第一の実施形態の細胞培養容器では、第二の領域10bは細胞非接着性である。その後、ステップS3において、第一の領域に接着しなかった細胞を培地交換により除去する。
その後、ステップS4において細胞を培養すると細胞は第一の領域10a上で増殖する。さらにその後、ステップS5においてさらに培養を継続すると、図12(C)に示されるように、細胞は、第一の領域10a上でシート状の構造体を形成し、かつ、細胞シートの辺縁部は第一の領域10aの外に向かって延びる、または第一の領域10aの外に突出する。
その後、ステップS6において細胞を回収する。具体的には、細胞シートの辺縁部は、第一の領域10aにも第二の領域10bにも接着しておらず、培養液中に浮遊しているため、振動や水流により容易に第一の領域10aから解離させることができる。水流は、例えば、培地供給手段40により培養容器に培地を流し込むことにより発生させることができる。また、振動は、第一の領域10aに対して容器壁を介して振動を与える振動発生手段25により発生させることができる。振動発生手段25としては、高周波発生装置および超音波発生装置が挙げられる。
図12(D)に示されるように、第一の領域10aの外に突出した細胞2は、第一の領域10aに水流または振動などを加えることで、第一の領域10aおよび第二の領域10bに接着した細胞2から解離させることができる。その後、第一の領域10aおよび第二の領域10bに接着した細胞2から解離させた細胞を回収することができる。細胞の回収は、例えば、培地交換により行なうことができる。第一の領域10aが縁から中心部に向かうに従って細胞接着性が高められている場合には、第一の領域10aの縁の領域からも細胞2が剥離することがあるため、より多くの細胞を回収し得る。
図12(E)に示されるように、細胞回収後、細胞2は、細胞接着性である第一の領域10a上にのみ残存する。
図13に示されるように、その後、ステップS4、S5およびS6を繰り返し実施することができる。残存した細胞をさらに培養すると、図12(C)に示されるように、細胞は、再び、第一の領域10a上でシート状の構造体を形成し、かつ、細胞シートの辺縁部は第一の領域10aの外に向かって延びる。その後、上述のように、第一の領域10aおよび第二の領域10bからの細胞の解離とその後の細胞の回収の行程を繰り返すことができる。細胞は、例えば、1日〜3日に1回の頻度で回収することができる。
通常の細胞は、細胞は、細胞剥離液により生理学的に細胞接着面から剥離され、その後、新しい培養容器に得られた細胞を播種することにより継代される。しかしながら、本実施形態では、回収される細胞は、細胞接着面には付着していない。回収される細胞は、第一の領域10aから外に向かって延びるシート部分であり、第一の領域10a上に接着する細胞を剥離させずに、水流や振動により培養液中に遊離させることができる。そのため、本実施形態では、細胞回収後も培地を交換してそのまま培養を継続することができる。そして、これにより、細胞の培養と回収を繰り返すことが可能となる。また、本実施形態の方法により回収される細胞は、接着面に接着していないため、接着面からの剥離の際に通常であれば加わっていたはずの損傷をほとんど受けない。従って、本実施形態の方法により回収された細胞は、様々なアプリケーションに好適に利用できる。また、細胞を容器壁から回収する際には、高価な酵素液を必須としない。
第一の実施形態の変形例
以下、図4に基づき、第一の実施形態の変形例を説明する。第一の実施形態の細胞培養容器の変形例10Aは、第一の領域10aの配置が異なるのみであり、その他の構成は、図1〜3に示される第一の実施形態の細胞培養容器10と同一である。従って、図4において、図1〜3に示される第一の実施形態の細胞培養容器10と同一の部分には同一符号を付して説明は省略する。
第一の実施形態の細胞培養容器の変形例10Aでは、各第一の領域10aが整列して複数の直線状に延びる第一の領域列を形成し、各第一の領域列は0.5mm以上、1mm以上、1.5mm以上または2mm以上の間隔で平行に並び、第一の領域列内の第一の領域10aは0.1mm〜0.5mmの間隔で配置されている。
第一の実施形態の細胞培養容器の変形例10Aは、開放系培養容器であってもよいし、培地の供給口と培地の排出口とをさらに備え、閉鎖系培養容器20Aを構成してもよい(図5参照)。
第一の実施形態の変形例における細胞培養装置は、細胞培養容器が閉鎖系培養容器20Aまたは20Bである点で異なるのみであり、その他の部分の構成は、図6に示される第一の実施形態の細胞培養装置100と同一である。また、その作用も図12に示される第一の実施形態の細胞培養装置100の作用と同一である。従って、第一の実施形態の変形例における細胞培養装置およびその作用の説明は省略する。
第二の実施形態
(細胞培養容器)
以下、図1〜3に基づいて、第二の実施形態について説明する。第二の実施形態の細胞培養容器10は、第二の領域10bの表面コーティングの種類が異なるのみであり、それ以外の構成は、図1〜3に示される第一の実施形態の細胞培養容器10と同一である。従って、第二の領域10b以外の構成についての説明は省略する。
第二の実施形態の細胞培養容器10の第二の領域10bは、培養条件下では細胞接着性であるが、細胞剥離時には細胞非接着性である表面である。すなわち、細胞培養容器10の第二の領域10bは細胞接着性から細胞非接着性に変化する表面であり、このような表面は特に限定されないが、温度応答性高分子でコーティングされた表面である。
本実施形態で用いられる温度応答性高分子は、特定条件下で細胞接着性から細胞非接着性に変化する表面であれば特に限定されないが、例えば、細胞培養温度では適度な疎水性を有するが、培養温度よりも低温になると可逆的に疎水性から親水性に変化して細胞接着性を低下させる温度応答性高分子が挙げられる。そのような温度応答性高分子としては、例えば、ポリ−N−イソプロピルアクリルアミドが挙げられる。温度応答性高分子を用いると、温度を変化させることにより第二の領域10bから細胞を解離させることができる。なお、第二の実施形態の細胞培養容器10の第一の領域10aは、上記温度変化によらず、常に細胞接着性であるので、第二の領域10bから細胞を解離させた後でも、第一の領域10aには細胞が付着し続ける。
第二の実施形態の細胞培養容器10において、ある態様では、各第一の領域10aは、約2000μm〜約30000μmの面積を有し、特定の態様では、約2000μm〜約10000μmの面積を有する。
第二の実施形態の細胞培養容器20は、第二の実施形態の細胞培養容器10に、培地の供給口と培地の排出口とをさらに備え、閉鎖系培養容器20を構成してもよい(図5参照)。
(細胞培養装置)
以下、図7に基づいて、第二の実施形態の細胞培養装置100Aを説明する。第二の実施形態の細胞培養装置100Aは、細胞培養容器が第二の実施形態の細胞培養容器20である点と閉鎖系培養容器の第二の領域を容器壁を介して冷却する冷却手段60をさらに備える点で異なるのみであり、その他の構成は、図6に示される第一の実施形態の細胞培養装置100と同一である。従って、図7において第一の実施形態の細胞培養装置100と同一部分には同一符号を付して説明は省略する。
第二の実施形態の細胞培養装置100Aにおいては、細胞培養容器が第二の実施形態の細胞培養容器20である。従って、上述のように、細胞培養容器20の第二の領域10bは、培養温度よりも低温になると親水性に変化して細胞接着性を低下させる表面を有する。そして、第二の実施形態の細胞培養装置100Aでは、細胞培養容器20の第二の領域10bを容器壁を介して冷却する冷却手段60を有し、第二の領域10bを冷却することにより、第二の領域10bから細胞を剥離することができる。
(第二の実施形態における作用)
次に図14〜16により、第二の実施形態の細胞培養装置100Aの作用を説明する。
図14および15には、細胞培養容器20のみを図示し、細胞培養装置100Aの他の構成要素は省略する。図16は、第二の実施形態における培養工程を示すフローチャートである。
まず、図14(A)に示されるように、細胞培養容器20は、例えば、細胞接着性の第一の領域10aと、細胞培養温度では適度な疎水性を有するが、培養温度よりも低温になると親水性に変化して細胞接着性を低下させる第二の領域10bとを有する底面を有する。
ステップS11において細胞培養容器20に細胞懸濁液を流し込み、その後、ステップS12においてしばらくインキュベートすると、図14(B)に示されるように、細胞は細胞接着性である第一の領域10aおよび第二の領域10bの両方に接着する。なお、第二の実施形態の細胞培養容器20では、第二の領域10bは細胞培養温度で細胞接着性である。その後、第一の領域10aおよび第二の領域10bに接着しなかった細胞は必要に応じて培地交換により除去することができる。細胞接着後、ステップS13において、冷却手段60により第二の領域10bを細胞培養容器の容器壁を介して冷却すると、第二の領域10bが細胞非接着性に変わり、第二の領域10bから細胞が剥離して、図14(C)に示されるように、第一の領域10aに接着した細胞のみが残る。
その後、ステップS14において細胞を培養すると、細胞は第一の領域10a上および第二の領域10b上で増殖する。さらにその後、ステップS15において、培養を継続すると、図14(D)に示されるように、細胞は、第一の領域10a上でシート状の構造体を形成し、かつ、細胞シートの辺縁部は第二の領域10bに向かってに突出する。細胞シートの辺縁部は、培養温度で細胞接着性である第二の領域10bに接着している。
その後、ステップS15において細胞を回収する。具体的には、図14(D)の状態で、冷却手段60により第二の領域10bを細胞培養容器の容器壁を介して冷却すると、第二の領域10bが細胞非接着性に変わり、図15(A)に示されるように第二の領域10bから細胞が剥離する。剥離した細胞は、図15(B)に示されるように、振動や水流により容易に第一の領域10aから解離させることができる。その後、解離させた細胞を回収することができる(ステップS16)。細胞の回収は、例えば、培地交換により行なうことができる。
図15(C)に示されるように、細胞回収後、細胞2は、細胞接着性である第一の領域10a上にのみ残存する。その後、第二の領域10bの温度を培養温度に戻してその表面を細胞非接着性から細胞接着性に変化させることができる。
図16に示されるように、ステップS14、ステップS15およびステップS16は繰り返し実施することができる。すなわち、残存した細胞をさらに培養すると、図14(D)に示されるように、細胞は、第一の領域10a上でシート状の構造体を形成し、かつ、細胞シートの辺縁部は第二の領域10bに向かってに突出する。その後、上述のように、第一の領域10aおよび第二の領域10bからの細胞の解離とその後の細胞の回収の行程を繰り返すことができる。細胞は、例えば、1日〜3日に1回の頻度で回収することができる。
第三の実施形態
(細胞培養容器)
以下、図1〜3に基づいて、第三の実施形態について説明する。第三の実施形態の細胞培養容器10は、第二の領域10bの表面コーティングの種類と光透過性の容器壁を有する点が異なるのみであり、それ以外の構成は、図1〜3に示される第二の実施形態の細胞培養容器10と同一である。従って、第二の領域10b以外の構成についての説明は省略する。
第三の実施形態の細胞培養容器10の第二の領域10bは、培養条件下では細胞接着性であるが、細胞剥離時には細胞非接着性である表面である。すなわち、細胞培養容器10の第二の領域10bは細胞接着性から細胞非接着性に変化する表面であり、このような表面は特に限定されないが、光応答性高分子でコーティングされた表面である。
本実施形態で用いられる光応答性高分子は、特定条件下で細胞接着性から細胞非接着性に変化する表面であれば特に限定されないが、例えば、光照射により可逆的に疎水性から親水性に変化することにより細胞接着性を低下させる光応答性高分子が挙げられる。このような光応答性高分子としては、例えば、光照射により疎水性から親水性に変化するフォトクロミック基を有する高分子が挙げられる(特開2006−8975号公報)。光応答性高分子を用いると、光照射により第二の領域10bから細胞を解離させることができる。ある態様では、第二の領域10bに対応する容器壁が光透過性である。なお、第二の実施形態の細胞培養容器10の第一の領域10aは、上記光照射によらず、常に細胞接着性であるので、第二の領域10bから細胞を解離させた後でも、第一の領域10aには細胞が付着し続ける。
第三の実施形態の培養容器10において、ある態様では、各第一の領域10aは、約2000μm〜約30000μmの面積を有し、特定の態様では、約2000μm〜約10000μmの面積を有する。
第三の実施形態の細胞培養容器20は、第三の実施形態の細胞培養容器10に、培地の供給口と培地の排出口とをさらに備え、閉鎖系培養容器20を構成するものとしてもよい(図5参照)。
(細胞培養装置)
以下、図8に基づいて、第三の実施形態の細胞培養装置100Bを説明する。第三の実施形態の細胞培養装置100Bは、細胞培養容器が第三の実施形態の細胞培養容器20である点と光透過性の容器壁を介して閉鎖系培養容器の第二の領域10bを光照射する光照射手段70をさらに備える点で異なるのみであり、その他の構成は、図6に示される第一の実施形態の細胞培養装置100と同一である。従って、図8において第一の実施形態の細胞培養装置100と同一部分には同一符号を付して説明は省略する。
第三の実施形態の細胞培養装置100Bにおいては、細胞培養容器が第三の実施形態の細胞培養容器20である。従って、上述のように、細胞培養容器20の第二の領域10bは、光照射により可逆的に疎水性から親水性に変化して細胞接着性を低下させる光応答性の高分子によりコーティングされた表面を有する。そして、第三の実施形態の細胞培養装置100Bでは、細胞培養容器20の第二の領域10bを光透過性の容器壁を介して光照射する光照射手段70を有し、第二の領域10bに光を照射することにより、第二の領域10bから細胞を剥離させることができる。
(第三の実施形態における作用)
次に、図14〜16により、第三の実施形態の細胞培養装置100Bの作用を説明する。第三の実施形態の細胞培養装置100Bの作用は、第二の領域10bを冷却する代わりに光照射して細胞を第二の領域10bから解離させる点が異なるのみであり、それ以外の作用は第二の実施形態の細胞培養装置100Aと同一である。従って、第三の実施形態の細胞培養装置100Bの作用は、図14および16を参照しながら説明する(図14中の100Aを100Bと読み替える)。
すなわち、まず、図14(A)に示されるように、細胞培養容器20は、細胞接着性の第一の領域10aと、光照射により可逆的に疎水性から親水性に変化して細胞接着性を低下させる第二の領域10bとを有する底面を有する。
ステップS11において細胞培養容器20に細胞懸濁液を流し込み、その後、ステップS12においてしばらくインキュベートすると、図14(B)に示されるように、細胞は細胞接着性である第一の領域10aおよび第二の領域10bの両方に接着する。なお、第二の実施形態の細胞培養容器20では、第二の領域10bは細胞培養温度で細胞接着性である。その後、第一の領域10aおよび第二の領域10bに接着しなかった細胞は必要に応じて培地交換により除去することができる。細胞接着後、ステップS13において、光照射手段70により第二の領域10bを光透過性の容器壁を介して光照射すると、第二の領域10bが細胞非接着性に変わり、第二の領域10bから細胞が剥離して、図14(C)に示されるように、第一の領域10aに接着した細胞のみが残る(ステップS13)。
その後、ステップS14において細胞を培養すると、細胞は第一の領域10a上および第二の領域10b上で増殖する。さらにその後、ステップS15において、培養を継続すると、図14(D)に示されるように、細胞は、第一の領域10a上でシート状の構造体を形成し、かつ、細胞シートの辺縁部は第二の領域10bに向かってに突出する。細胞シートの辺縁部は、培養温度で細胞接着性である第二の領域10bに接着している。
その後、ステップS15において細胞を回収する。具体的には、図14(D)の状態で、光照射手段70により第二の領域10bを細胞培養容器の光透過性の容器壁を介して光照射すると、第二の領域10bが細胞非接着性に変わり、図15(A)に示されるように第二の領域10bから細胞が剥離する。剥離した細胞は、図15(B)に示されるように、振動や水流により容易に第一の領域10aから解離させることができる。その後、解離させた細胞を回収することができる。細胞の回収は、例えば、培地交換により行なうことができる。
図15(C)に示されるように、細胞回収後、細胞2は、細胞接着性である第一の領域10a上にのみ残存する。その後、第二の領域10bには、別の波長の光を照射してその表面を細胞非接着性から細胞接着性に変化させることができる。
図16に示されるように、その後、さらにステップS14、ステップS15およびステップS16を繰り返し実施することができる。すなわち、残存した細胞をさらに培養すると、図14(D)に示されるように、細胞は、第一の領域10a上でシート状の構造体を形成し、かつ、細胞シートの辺縁部は第二の領域10bに向かってに突出する。その後、上述のように、第一の領域10aおよび第二の領域10bからの細胞の解離とその後の細胞の回収の行程を繰り返すことができる。細胞は、例えば、1日〜3日に1回の頻度で回収することができる。
第四の実施形態
次に、図9〜11により、第四の実施形態について説明する。
図9に示されるように、第四の実施形態の支持体15Aは、細胞培養用の細胞の支持体であって、支持体の表面は、細胞接着性の1以上の第一の領域10aと、第一の領域を区画する細胞非接着性の第二の領域10bとを有する。第一の領域10aは第二の領域10bにより区画されている。
第四の実施形態の支持体15Aは、図11に示されるように培養中は撹拌手段120により培養液中で浮遊させることができるものである。第四の実施形態の支持体15Aは、特に限定されないが、例えば、約8mm以下の体積を有する。第四の実施形態の支持体15Aは、特に限定されないが、例えば、1g/mm〜2g/mmの比重を有し、撹拌手段120により培養液中で浮遊させることができるものから選択される。
第一の領域10aは、細胞接着性であり、10a上では細胞の増殖が可能である。細胞接着性を付与する方法は、当業者に周知であり、例えば、プラズマ処理などの細胞接着性の表面処理を施す方法や細胞接着性コーティングを施す方法などの様々な方法が知られている。細胞は、適度な親水性を有する表面および正電荷を有する表面に付着し易いことが知られており、プラズマ処理や、ポリL−リジンやポリL−オルニチンなどの正電荷ポリマーで表面をコーティングすることにより、細胞接着性の表面を得ることができる。従って、第一の領域10aは、正電荷ポリマーでコーティングした表面とすることができる。また、細胞培養では、特に限定されないが、細胞外基質を接着面に塗布することにより良質な細胞接着性の表面を得ることができる。従って、第一の領域10aは、細胞外基質を塗布した表面とすることができる。本実施形態で用いられ得る多能性幹細胞を培養するための細胞外基質は、当業者に周知であり、特に限定されないが例えば、マトリゲル(商標)、ヒアルロン酸、ラミニン−511などのラミニン、フィブロネクチン、ビトロネクチン、ゼラチンおよびコラーゲンなどの細胞外基質が挙げられる。
各第一の領域10aは、約2000μm〜約4mmの面積を有し、ある態様では、約2000μm〜約2mmの面積を有し、更なる態様では、約2000μm〜約1mmの面積を有する。
ある態様では、各第一の領域10aは、縁から中心部に向かうに従って細胞接着性が高められている。
第二の領域10bは、培養条件下でも細胞剥離時にも細胞非接着性である。すなわち、第二の領域10bは、細胞の継代培養の全工程において、常に細胞非接着性である。
第二の領域10bは、特に限定されないが、親水性表面または負電荷を有する表面とすることができ、例えば、周知の細胞非接着コーティングを施すことにより形成することができる。
(細胞培養装置)
次に、図11により第四の実施形態の細胞培養装置200を説明する。
第四の実施形態の細胞培養装置200は、細胞を培養するための細胞培養タンク110と、細胞培養タンク110内の培地1を撹拌する撹拌手段120と、撹拌手段を駆動する駆動手段120Aと、細胞培養タンク110内に培地1を供給する培地供給手段130と、細胞培養タンクから培地1を排出する培地排出手段140と、細胞が接着する支持体15Aを細胞培養タンク110内に保持するための保持手段180と、培地1と共に排出される細胞2を回収する細胞回収手段150と、細胞回収後の培地1を廃棄する培地の廃棄手段160とを備える。
第四の実施形態の細胞培養装置200は、細胞培養タンク内の培養液の温度を培養温度に調節する温度調節手段170をさらに備える。
細胞培養タンク110は、その内部が無菌的に保たれるタンクである。撹拌手段120は、例えば、回転により撹拌する撹拌装置である。駆動手段120Aは、例えば、回転式のモーターである。培地供給手段130は、培地1を細胞培養タンク110内に流し込むことができる。培地供給手段130は、好ましくは、ポンプなどの培地の送液手段である。培地の排出手段140は、培地供給手段130により培地1が細胞培養タンク110内に流し込まれると、細胞培養タンク110から同量の培地を排出することができる。
保持手段180は、細胞2を通過させることができるが、支持体15Aを通過させない。保持手段180は、例えば、支持体15Aよりも小さなポアを有するフィルターとすることができる。細胞2は、支持体15Aよりも培地1中を浮遊しやすく、保持手段180は、細胞培養タンクの中央から上部にかけて設置することができる。
細胞回収手段150としては、細胞を回収するためのフィルターや細胞を沈降させるための遠心分離器が挙げられる。
培地の廃棄手段160は、例えば、廃液回収タンクである。
第四の実施形態における細胞培養装置200は、支持体15Aをさらに備えていてもよい。
(第四の実施形態における作用)
次に、図11により第四の実施形態における細胞培養装置200の作動方法を説明する。
まず、細胞培養タンク110に培地供給手段130により培地1を供給する。次に、撹拌手段120を駆動手段120Aにより駆動させて培地を撹拌しながら、第一の領域10aに細胞を付着させた支持体15Aを細胞培養タンク110内に導入する。これにより、支持体15Aは、細胞培養タンク110内で培地1中を浮遊する。必要に応じて細胞培養タンク110内の培地1を温度調節手段170により培養に適した温度に調節する。
細胞2は支持体15Aの第一の領域10aに接着し増殖するが、第二の領域10bには接着できない。結果として、細胞2は、支持体15Aの第一の領域10aからはみ出るように突出したシート部分を形成する。突出したシート部分は、撹拌手段120により生じる水流によって支持体15Aから解離し、その後、培地1を浮遊する。一方で、支持体15Aの第一の領域10aに接着していた細胞は、支持体15Aから解離しない。このようにして、支持体15Aの第一の領域10a上に細胞が残存する一方で、第一の領域10aからはみ出た細胞を回収することが可能となる。
支持体15Aから解離した細胞2は、撹拌される培地1中を浮遊するが、培地排出手段140により、培地1と共に保持手段180を通過して細胞回収手段150へ到達する。これにより、支持体15Aから細胞が回収される。保持手段180は、支持体15Aを細胞培養タンク110内に保持する。細胞培養タンク110からの培地の排出は、培地供給手段130により細胞培養タンク110に培地1を供給してタンク110内の培地1を押し出すことにより受動的に行なってもよく、培地排出手段140による培地1の能動的な排出により行なってもよい。また、細胞を回収する際には、細胞培養タンク110内の培地1の量は、かならずしも一定に保つ必要は無い。例えば、細胞培養タンク110内の培地1の量を一定に保つように培地供給手段130と培地排出手段140を協働させて、培地1を細胞培養タンク110内に供給しながら、同量を培地排出手段140により排出してもよい。代わりに、培地排出手段140による細胞培養タンク110からの培地1の排出を優性にして、場合によっては培地供給手段130による細胞培養タンク110への培地1の供給を停止させて、培地と共に排出される細胞を回収してもよく、この場合は、細胞回収後に、培地供給手段130により細胞培養タンク110に培地1を供給することができる。細胞培養タンク110から排出され、細胞回収後の培地は、培地の廃棄手段160により廃棄される。
このようにして、細胞は、支持体15Aの第一の領域10a上で増殖し続ける一方で、第一の領域10aをはみ出してシート状の突出を形成した細胞は、水流により支持体15Aから解離し、培地と共に回収され、その後のアプリケーションに利用される。
第四の実施形態の変形例
次に、図10により第四の実施形態の支持体の変形例を説明する。第四の実施形態の支持体の変形例は、図10に示されるように、第四の実施形態の変形例における支持体15Bは、筒状部を備える。
図10に示されるように、支持体15Bは、筒状部の内面に第一の領域10aを有し、これにより、物理的な損傷から第一の領域10aを保護することができる。また、ある態様では、支持体15Bの筒上部の外面は第二の領域10bを有する。支持体15Bは、その内面が第一の領域10aからなり、外面が第二の領域10bからなるものとしてもよい。
ある態様では、筒状部は円筒である。
第一の領域10aは、細胞接着性であり、10a上では細胞の増殖が可能である。細胞接着性を付与する方法は、当業者に周知であり、例えば、細胞接着性コーティングを施す様々な方法が知られている。細胞は、適度な疎水性表面または正電荷を有する表面に付着し易いことが知られており、ポリL−リジンやポリL−オルニチンなどの正電荷ポリマーで表面をコーティングすることにより、細胞接着性の表面を得ることができる。従って、第一の領域10aは、正電荷ポリマーでコーティングした表面とすることができる。また、多能性幹細胞の培養では、特に限定されないが、細胞外基質を接着面に塗布することにより良質な細胞接着性の表面を得ることができる。従って、第一の領域10aは、細胞外基質を塗布した表面とすることができる。本実施形態で多能性幹細胞の培養に用いられ得る細胞外基質は、当業者に周知であり、特に限定されないが例えば、マトリゲル(商標)、ヒアルロン酸、ラミニン、フィブロネクチン、ビトロネクチンおよびコラーゲンなどの細胞外基質が挙げられる。
各第一の領域10aは、約2000μm〜約4mmの面積を有し、ある態様では、約2000μm〜約2mmの面積を有し、更なる態様では、約2000μm〜約1mmの面積を有する。
ある態様では、各第一の領域10aは、縁から中心部に向かうに従って細胞接着性が高められている。
第二の領域10bは、特に限定されないが、親水性表面または負電荷を有する表面とすることができる。第二の領域10bは、例えば、周知の細胞非接着コーティングを施すことにより形成することができる。
(細胞培養装置)
第四の実施形態の細胞培養装置の変形例(図11参照)は、支持体として支持体15Bを用いる点で異なるのみであり、その他の部分は、第四の実施形態の細胞培養装置200と同一である。従って、細胞培養装置の説明は省略する。
(作用)
第四の実施形態細胞培養装置の変形例の動作方法(図11参照)は、第四の実施形態の細胞培養装置の動作方法と同一である。従って、動作方法の説明は省略する。
さらに上記の第四の実施形態および第四の実施形態の変形例では、第二の領域10bは、第二の実施形態または第三の実施形態の培養容器の第二の領域10bとすることもできる。これにより、温度や光に応答して細胞を第二の領域10bから剥離させ、回収することができる。
本発明の方法
次に、本発明による細胞の培養方法について説明する。
第一の実施形態、第二の実施形態、第三の実施形態および第四の実施形態並びにそれぞれの変形例において説明したように、本発明によれば、細胞接着性の第一の領域10aからはみ出した細胞を回収する一方で、第一の領域10aに接着している細胞は回収されず、更なる培養に供することができる。
従って、本発明によれば、
細胞を培養する方法であって、
細胞接着性の第一の領域と、少なくとも細胞剥離時には細胞非接着性である第二の領域とを有する細胞培養面を提供することと、
該細胞培養面に細胞を播種して、少なくとも第一の領域に細胞を接着させることと、
細胞を培養することと、
培養後、第一の領域からはみ出した細胞を回収することと、
を含んでなる、方法が提供される。
本発明の方法のある態様では、第二の領域は、培養条件下および細胞剥離時に細胞非接着性である。従って、細胞は、第一の領域のみに接着して増殖し、その後、第一の領域からはみ出した細胞が回収される。第一の領域からはみ出した細胞の回収は、例えば、水流や振動を第一の領域または第一の領域からはみ出した細胞に加えることにより可能となる。一方で、第一の領域に接着した細胞は、細胞回収後も第一の領域上に残存し、更なる培養に供することができる。従って、本発明の方法は、第一の領域からはみ出した細胞を回収した後に、第一の領域に接着した細胞を培養することをさらに含んでいてもよい。
本発明の方法のある態様では、第二の領域は、培養条件下では細胞接着性であるが、光照射により、または温度を培養温度よりも低下させると細胞非接着性に変化する。この態様では、細胞培養時には、細胞は第一の領域と第二の領域の両方に接着することができるが、少なくとも第二の領域に光照射をするか、その温度を培養温度よりも低下させることにより、細胞を第二の領域から剥離させることが可能となる。第二の領域からの細胞剥離後も、第一の領域に接着する細胞は第一の領域上に残存する。第一の領域に接着した細胞は更なる培養に供することが可能であり、細胞は第一の領域から第二の領域にはみ出すように増殖するので、さらに、細胞を第二の領域から剥離させ、剥離した細胞を回収することができる。
従って、ある態様では、
細胞を培養する方法であって、
細胞接着性の第一の領域と、少なくとも細胞剥離時には細胞非接着性である第二の領域とを有する細胞培養面を提供することと、
該細胞培養面に細胞を播種して、少なくとも第一の領域に細胞を接着させることと、
細胞を培養することと、
培養後、第一の領域からはみ出した細胞を回収することと、
を含んでなり、
第二の領域は、光照射により細胞接着性から細胞非接着性に変化する高分子によりコーティングされている、方法が提供される。本発明の方法は、第一の領域からはみ出した細胞を回収した後に、第二の領域に光を照射してその表面を細胞非接着性から細胞接着性に変化させることと、第一の領域に接着した細胞を培養することとをさらに含んでいてもよい。
また、別の態様では、
細胞を培養する方法であって、
細胞接着性の第一の領域と、少なくとも細胞剥離時には細胞非接着性である第二の領域とを有する細胞培養面を提供することと、
該細胞培養面に細胞を播種して、少なくとも第一の領域に細胞を接着させることと、
細胞を培養することと、
培養後、第一の領域からはみ出した細胞を回収することと、
を含んでなり、
第二の領域は、培養温度よりも低温で細胞非接着性に変化する高分子によりコーティングされている、方法が提供される。本発明の方法は、第一の領域からはみ出した細胞を回収した後に、第二の領域の温度を培養温度に戻してその表面を細胞非接着性から細胞接着性に変化させることと、第一の領域に接着した細胞を培養することとをさらに含んでいてもよい。
本発明の方法によれば、細胞回収後、第一の領域上に接着し続ける細胞をさらに培養することにより、第一の領域からはみ出した細胞をさらに回収することができる。しかも、この細胞の培養と回収のサイクルは繰り返すことが可能である。
細胞の回収は、特に限定されないが例えば、1〜3日に1回の頻度で行なうことができる。
第二の領域のコーティングは、第一の実施形態の培養容器、第二の実施形態の培養容器または第三の実施形態の培養容器の第二の領域のコーティングとすることができる。
本発明の方法のある実施態様では、本発明の方法は、第一の実施形態の培養容器、第二の実施形態の培養容器若しくは第三の実施形態の培養容器またはこれらの変形例を用いて実施することができる。
細胞は、Y−27632などのROCK阻害剤存在下で培養してもよい。
実施例1:接着細胞の培養
第一の実施形態の培養容器を試作し、細胞を培養した。
細胞は、ヒトiPS細胞(公益財団法人 先端医療振興財団 細胞評価グループ 川真田研究室による樹立株)を用いた。培地としては、ReproFF2培地(ReproCell社製、製品番号:RCHEMD006)にbFGF(和光純薬工業社製、製品番号:064−04541)最終濃度5ng/mLを添加した培地を用いた。
培養ディッシュの前面をブロックマスター試薬(JSR社製)で処理し、細胞非接着面を形成し、その後、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)試薬(JSR社製)をスポッターで半径1mmの円形に滴下し、さらにビトロネクチンXF溶液でコートしてスポットに細胞接着面を形成し、ディッシュ表面をパターニングした。
得られた培養ディッシュにiPS細胞を播種してインキュベートしたところ、図17に示されるように、円形の細胞接着面から細胞がシート状に突出することが確認できた(図17の矢印)。
この突出部は、水流により容易に培養液中に回収することが可能であった。

Claims (23)

  1. 接着細胞を接着培養するための培養容器において、
    細胞を接着させる底面と、上方が開口する側面とを備え、
    前記底面は、
    細胞接着性である1または複数の第一の領域と、
    細胞剥離時に細胞非接着性である第二の領域と有することを特徴とする、
    培養容器。
  2. 第二の領域が、培養条件下で細胞非接着性である、請求項1に記載の培養容器。
  3. 第二の領域が、培養条件下では細胞接着性であるが、所望により細胞非接着性の表面に変化させることができる表面を有する、請求項1に記載の培養容器。
  4. 第二の領域が、光照射により、または温度変化により、細胞接着性の表面から細胞非接着性の表面に変化させることができる表面を有する、請求項3に記載の培養容器。
  5. 各第一の領域が、それぞれ2000μm〜4mmである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の培養容器。
  6. 各第一の領域が、それぞれ2000μm〜30000μmである、請求項3または4に記載の培養容器。
  7. 各第一の領域が、縁から中心部に向かうに従って細胞接着性が高められている、請求項1〜6のいずれか一項に記載の培養容器。
  8. 各第一の領域が、同一形状であり、等間隔で整列した、請求項1〜7のいずれか一項に記載の培養容器。
  9. 各第一の領域が、0.5mm以上の間隔で整列した、請求項8に記載の培養容器。
  10. 各第一の領域が、整列して複数の直線状に延びる第一の領域列を形成し、各第一の領域列は0.5mm以上の間隔で平行に並び、第一の領域列内の第一の領域は0.1mm〜0.5mmの間隔で配置されている、請求項8に記載の培養容器。
  11. 培地の供給口と培地の排出口とをさらに備え、閉鎖系培養容器を構成する、請求項1〜10のいずれか一項に記載の培養容器。
  12. 請求項11に記載の培養容器と、
    培養容器を保温するためのインキュベーターと、
    培養容器の培地の供給口を介して培養容器に培地を供給する培地の供給手段と、
    培養容器の培地の排出口を介して培養容器から培地を排出する培地の排出手段と、
    培地を排出する際に培地と共に排出される細胞を回収する細胞回収手段と
    を備えた、細胞培養装置。
  13. 請求項11に記載の培養容器であって、第二の領域が、培養条件下で接着性であり、光照射により細胞非接着性に変化し、かつ、光透過性の容器壁を備えた培養容器と、
    培養容器を保温するためのインキュベーターと、
    培養容器の培地の供給口を介して培養容器に培地を供給する培地の供給手段と、
    培養容器の培地の排出口を介して培養容器から培地を排出する培地の排出手段と、
    培地を排出する際に培地と共に排出される細胞を回収する細胞回収手段と、
    光透過性の容器壁を介して培養容器の細胞接着面に光を照射する光照射手段と
    を備えた、細胞培養装置。
  14. 請求項11に記載の培養容器であって、第二の領域が、培養条件下で接着性であり、培養温度よりも低温の条件下で細胞非接着性に変化する、培養容器と、
    培養容器を保温するためのインキュベーターと、
    培養容器の培地の供給口を介して培養室内に培地を供給する培地の供給手段と、
    培養容器の培地の排出口を介して培養室から培地を排出する培地の排出手段と、
    培地を排出する際に培地と共に排出される細胞を回収する細胞回収手段と、
    培養容器の第二の領域を容器壁を介して冷却する冷却手段と
    を備えた、細胞培養装置。
  15. 細胞培養用の細胞の支持体であって、
    支持体の表面は、細胞接着性の1以上の第一の領域と、第一の領域を区画する細胞非接着性の第二の領域とを有する、
    細胞の支持体。
  16. 第一の領域は、それぞれ2000μm〜4mmである、請求項15に記載の細胞の支持体。
  17. 支持体が、
    筒形状部を備え、
    筒形状部は、その内面に第一の領域を有する、
    請求項15または16に記載の細胞の支持体。
  18. 支持体が、円筒である、請求項15または16に記載の細胞の支持体。
  19. 細胞を支持体に接着させて培養するための細胞培養装置であって、
    細胞を培養するための細胞培養タンクと、
    細胞培養タンク内の培養液を撹拌する撹拌手段と、
    撹拌手段を駆動する駆動手段と、
    細胞培養タンク内に培養液を供給する培地供給手段と、
    細胞培養タンクから培養液を排出する培地排出手段と、
    細胞が接着する支持体を細胞培養タンク内に保持するための保持手段と、
    培養液と共に排出される細胞を回収する細胞回収手段と、
    細胞回収後の培養液を廃棄する培養液の廃棄手段と
    を備える、細胞培養装置。
  20. 接着細胞を培養する方法であって、
    細胞接着性の第一の領域と、少なくとも細胞剥離時には細胞非接着性である第二の領域とを有する細胞培養面を提供することと、
    該細胞培養面に細胞を播種して、少なくとも第一の領域に細胞を接着させることと、
    細胞を培養することと、
    培養後、第一の領域からはみ出した細胞を回収することと、
    を含んでなる、方法。
  21. 第二の領域が、培養条件下で細胞非接着性である、請求項20に記載の方法。
  22. 第二の領域が、培養条件下では細胞接着性であるが、光照射により、または培養温度よりも低温にすると細胞非接着性に変化する、請求項20に記載の方法。
  23. 請求項20〜22のいずれか一項に記載の方法であって、
    細胞接着性の第一の領域と、少なくとも細胞剥離時には細胞非接着性である第二の領域とを有する細胞培養面が、請求項1〜11のいずれか一項に記載の培養容器の底面である、方法。
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