JP2015536651A - インサイチュハイブリダイゼーションを行うための方法およびキット - Google Patents

インサイチュハイブリダイゼーションを行うための方法およびキット Download PDF

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Abstract

本発明は、乾燥繊維状マトリックスに埋め込まれるかまたは吸着される核酸プローブを使用して、固相表面上の生物学的試料上でインサイチュハイブリダイゼーションを行うための方法およびキットに関する。例えば、蛍光インサイチュハイブリダイゼーション(FISH)は、濾紙またはガラス繊維ディスク上に乾燥形態で提供される蛍光標識されたオリゴヌクレオチドプローブを使用して実施され得る。

Description

関連出願
本願は、2012年10月31日に出願された米国仮特許出願第61/720,665号の利益を主張する。上記出願の全教示は、参照により本明細書中に援用される。
ASCIIテキストファイルにおける物質の参照による援用
本願は、本明細書と同時に提出された以下のASCIIテキストファイル:
a) ファイル名:43731005002SEQLIST.txt;2013年9月27日に作成、3KBのサイズ
に含まれる配列表を、参照により援用する。
発明の背景
インサイチュハイブリダイゼーション法は、医学的状態、特に癌の患者のスクリーニングおよび試験に広く使用されている。成功裡のインサイチュハイブリダイゼーション法は、部分的に、適切で、かつ正確に計量された濃度のハイブリダイゼーションプローブの使用に依存する。ハイブリダイゼーションプローブを不正確に高いまたは低い濃度で使用する場合、患者の誤診などの不正確な結果が頻繁に起こる。
典型的に、標準的なインサイチュハイブリダイゼーション法は、所望の濃度のプローブを有するハイブリダイゼーション溶液の調製を含む。これを達成するために、ストック溶液から正確な量のプローブを計量し、マイクロピペットを使用して、特定の体積のハイブリダイゼーションバッファに添加する。そのため、マイクロピペット操作の誤りは、最適に及ばない濃度のプローブを有するハイブリダイゼーション溶液を生じ得、プローブ濃度が高すぎる場合は高レベルのバックグランドシグナルを生じるか、またはプローブ濃度が低すぎる場合は不十分に検出可能なシグナルを生じる。
したがって、特定のプローブ濃度を有するハイブリダイゼーション溶液の調製のためにマイクロピペットの使用を必要とせずに正確な量のプローブを計量する簡易で信頼性の高いインサイチュハイブリダイゼーション法を開発する必要がある。
発明の概要
一態様において、本発明は、固相表面上の生物学的試料中に標的核酸が存在するかどうかを決定する方法を提供する。この態様において、該方法は、a)固相表面上の試料を、乾燥繊維状マトリックスと接触させる工程、ここで、標的核酸を検出するための標識された核酸プローブは、該マトリックスに埋め込まれるかまたは吸着され、該標識された核酸プローブは、標的核酸中の1つ以上の異なるヌクレオチド配列に実質的に相補的なヌクレオチド配列を含む;b)該マトリックスを水和して、該マトリックスからプローブを放出させる工程;c)該試料と該プローブを、試料中に存在する場合に標的核酸へのプローブの特異的なハイブリダイゼーションを可能にするのに十分なストリンジェントな条件下でインキュベートする工程;d)該試料を洗浄して、ハイブリダイズしないプローブおよび非特異的にハイブリダイズしたプローブを除去する工程;ならびにe)標識された核酸プローブが該試料にハイブリダイズしたかどうかを決定することにより、標的核酸が該試料中に存在するかどうかを決定する工程を含む。
別の態様において、本発明は、スライド上に固定された細胞の試料中の染色体を数える方法に関する。この態様において、該方法は、a)スライド上の試料と、ガラス繊維を含む乾燥繊維状マトリックスを重ねる工程、ここで、該試料中の1つ以上の標的染色体配列を検出するための蛍光標識された合成DNAオリゴヌクレオチドプローブは、該マトリックス中に埋め込まれるかまたは吸着され、該プローブは、1つ以上の標的染色体配列中のヌクレオチド配列に実質的に相補的なヌクレオチド配列を含む;b)該マトリックスをハイブリダイゼーションバッファで水和して、該マトリックスからプローブを放出させる工程;c)試料中に存在する場合、標的染色体配列へのプローブの特異的なハイブリダイゼーションを可能にするのに十分なストリンジェントな条件下で、該試料と該プローブをインキュベートする工程;d)該試料を洗浄して、ハイブリダイズしないプローブおよび非特異的にハイブリダイズしたプローブを除去する工程;ならびにe)試料中の標的染色体配列にハイブリダイズした標識された核酸プローブを検出することにより、該試料中の標的染色体配列を有する染色体を数える工程を含む。
さらなる態様において、本発明は、試料中の標的核酸を検出するためのキットに関し、該キットは、標的核酸を検出するための標識された核酸プローブを含む乾燥繊維状マトリックスを含み、ここで、該標識された核酸プローブは、該マトリックス中に埋め込まれるかまたは吸着され、該標識された核酸プローブは、標的核酸中の1つ以上のヌクレオチド配列に実質的に相補的なヌクレオチド配列を含む。特定の態様において、該キットはさらに、該マトリックスからプローブを放出させるための水和バッファを含む。
本発明のインサイチュハイブリダイゼーション法は、マイクロピペット操作の誤りの可能性を低減し、適切な量および濃度のプローブが使用されることを確実にする。
図1Aおよび1Bは、濾紙ディスク上に埋め込まれた、第3(赤色)、第6(緑色)、第7(明緑青色(aqua))および第20(金色)染色体についてのOligoFISHプローブパネルで、室温でハイブリダイズされたヒト末梢血細胞の画像である。 図2は、カバーガラス下、高温ハイブリダイゼーション工程および埋め込まれたプローブなしを含む標準的なインサイチュハイブリダイゼーション法(青色、対照)または室温ハイブリダイゼーション工程および濾紙ディスク上に埋め込まれたプローブを含むインサイチュハイブリダイゼーション法(緑色、ディスク)のいずれかを使用して、第3(赤色)、第6(緑色)、第7(明緑青色)および第20(金色)染色体についてのOligoFISHプローブパネルについて得られた信号対雑音比を示す棒グラフである。エラーバーは平均の標準誤差である。
発明の詳細な説明
定義
そうではないと定義されない限り、本明細書中で使用される全ての科学技術的な用語は、本発明が属する分野の通常の技術を有する者により一般的に理解されるものと同じ意味を有する。
本明細書で使用される場合、用語「室温」または「RT」は、約18℃〜約25℃の範囲の温度をいう。
用語「ヌクレオチド」は、天然に存在するリボヌクレオチドまたはデオキシリボヌクレオチドの単量体、ならびにそれらの天然には存在しない誘導体およびアナログをいう。したがって、ヌクレオチドとしては、例えば天然に存在する塩基(例えば、A、G、CまたはT)を含むヌクレオチドおよび修飾された塩基(例えば、7-デアザグアノシンまたはイノシン)を含むヌクレオチドが挙げられ得る。
核酸に関して、用語「配列」は、共有結合(例えば、ホスホジエステル結合)により連結されたヌクレオチドの連続したシリーズをいう。
用語「核酸」は、複数のヌクレオチド単量体を有する重合体をいう。核酸は、一重鎖または二重鎖であり得、DNA(例えば、cDNAまたはゲノムDNA)、RNAまたはハイブリッド重合体(例えばDNA/RNA)であり得る。核酸は、化学的にもしくは生化学的に修飾され得るか、および/または天然に存在しないもしくは誘導体化されたヌクレオチド塩基を含み得る。例えば、核酸修飾としては、メチル化、アナログを用いた1つ以上の天然に存在するヌクレオチドの置換、非電荷結合(uncharged linkage)(例えば、ホスホン酸メチル、ホスホトリエステル、ホスホアミデート、カルバメート等)、電荷結合(charged linkage)(例えば、ホスホロチオエート、ホスホロジチオエート等)、張り出し部分(pendent moieties)(例えば、ポリペプチド)、インターカレーター(intercalator)(例えば、アクリジン、ソラレン等)、キレーター(chelator)、アルキル化剤、および改変された結合(例えば、αアノメリック核酸(alpha anomeric nucleic acid)等)などのヌクレオチド間修飾が挙げられる。核酸はまた、水素結合および他の化学的相互作用を介して、指定された配列に結合する核酸の能力を模倣する合成分子を含む。典型的に、ヌクレオチド単量体は、ホスホジエステル結合を介して連結されるが、核酸の合成形態は、他の連結(例えば、Nielsen et al., Science 254, 1497-1500, 1991に記載されるものなどのペプチド核酸(本明細書において「PNA」とも称される))を含み得る。また、核酸は、例えば立体配座的に制限された核酸(例えば、Nielsen et al., J. Biomol. Struct. Dyn. 17:175-91, 1999に記載されるものなどの「ロックト核酸」または「LNA」)、モルホリノ、グリコール核酸(GNA)およびトレオース核酸(TNA)を含み得る。「核酸」は、任意の特定の長さの重合体のことではなく、したがって、実質的に任意の長さ、典型的に約6ヌクレオチド〜約109ヌクレオチド以上であり得る。二本鎖重合体の場合、「核酸」は、いずれかの鎖または両方の鎖のことをいい得る。
用語「オリゴヌクレオチド」は、リン結合(例えば、ホスホジエステル、アルキルおよびアリールホスホネート、ホスホロチオエート、ホスホトリエステル)、および/または非リン結合(例えば、ペプチド、スルファメート(sulfamate)および他のもの)などの共有結合により連結された短い核酸、典型的に約6〜約100ヌクレオチド塩基長のことをいう。
用語「標的核酸」は、試料中の存在または非存在を検出することが望まれる核酸をいう。
用語「標的配列」は、オリゴヌクレオチドプローブ上の相補的配列(例えば、実質的に相補的な配列)と水素結合二重鎖を形成し得る、標的核酸中のヌクレオチド配列をいう。
本明細書で使用される場合、「相補的」は、二本の異なる核酸鎖の間または同一核酸鎖の2つの領域間の配列相補性をいう。2つの領域が逆平行の様式で整列される場合、第1の領域の少なくとも1つのヌクレオチド残基が、第2の領域の残基と塩基対を形成(すなわち、水素結合形成)して、水素結合二重鎖を形成し得るなら、核酸の第1の領域は、同一または異なる核酸の第2の領域と相補的である。
用語「実質的に相補的」は、本明細書に記載される等温ハイブリダイゼーション条件を含むストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で互いに塩基対を形成して安定な水素結合二重鎖を形成し得る二本の核酸鎖(例えば、標的核酸の鎖および相補的な一本鎖オリゴヌクレオチドプローブ)をいう。一般的に、「実質的に相補的」は、少なくとも70%、例えば約75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%、99%または100%相補性を有する二本の核酸をいう。
「反復(repeat)配列」または「反復性(repetitive)配列」は、ヒトゲノム中のノンコーディングタンデム反復ヌクレオチド配列をいい、α付随体(satellite)、付随体1、付随体2、付随体3、β付随体、γ付随体およびテロメア由来の反復配列を含む。反復配列は、当該技術分野において公知であり、例えば(Allshire et al., Nucleic Acids Res 17(12): 4611-27 (1989); Cho et al., Nucleic Acids Res 19(6): 1179-82 (1991); Fowler et al., Nucleic Acids Res 15(9): 3929 (1987); Haaf et al., Cell 70(4): 681-96 (1992); Lee et al., Chromosoma 109(6): 381-9 (2000); Maeda and Smithies, Annu Rev Genet 20: 81-108 (1986); Meyne and Goodwin, Chromosoma 103(2): 99-103 (1994); Miklos (1985). Localized highly repetitive DNA sequences in vertebrate genomes. Molecular evolutionary genetics. I. J. R. Macintyre. NY, Plenum Publishing Corp.: 241-321 (1985); Tagarro et al., Hum Genet 93(2): 125-8 (1994); Waye and Willard, PNAS USA 86(16): 6250-4 (1989); およびWillard and Waye, J Mol Evol 25(3): 207-14 (1987)に記載される。反復配列は、例えば染色体のセントロメア、セントロメア周辺、ヘテロクロマチンおよびテロメアの領域に局在する。コンセンサス反復配列が、例えば、Willard and Waye, J Mol Evol 25(3): 207-14 (1987) and Tagarro et al., Hum Genet 93(2): 125-8 (1994). Vissel and Choo, Nucleic Acids Res. 15(16): 6751-6752 (1987), Cho et al., Nucleic Acids Res 19(6): 1179-82 (1991)に記載される。
用語「染色体特異的核酸配列」または「染色体特異的ヌクレオチド配列」は、本明細書で使用される場合、細胞のゲノム中の特定の染色体に特異的な核酸配列をいう。
用語「プローブ」は、標的核酸中の標的配列に実質的に相補的であるため、標的核酸と共に水素結合二重鎖を形成し得る標的結合領域を含むオリゴヌクレオチドをいう。典型的に、該プローブは、相補的な標的へのハイブリダイゼーション後にプローブの検出を可能にする1つ以上の検出可能な標識を有する一本鎖プローブである。
本明細書で使用される場合、「標的結合領域」は、相補的な標的核酸と水素結合二重鎖を形成し得るオリゴヌクレオチドプローブの一部をいう。
本明細書で使用される場合、用語「検出可能な標識」は、該標識が結合している対応する分子(例えばプローブ)の存在を示す部分をいう。
「間接標識」は、該間接標識に特異的に結合する標識された第2の薬剤またはリガンド結合パートナーを使用して検出される部分またはリガンドをいう。
「直接標識」は、リガンド結合パートナー相互作用の非存在下で検出可能な部分をいう。
用語「生物学的試料」は、生物学的起源の物質(例えば、細胞、組織、器官、液体)をいう。
2つの分子(単量体または重合体のいずれにせよ)の結合に関して、「リンカー」は、結合する2つの分子間に隣接して挿入される分子(単量体または重合体のいずれにせよ)を意味する。「リンカー」は、例えば、オリゴヌクレオチドプローブ配列と標識(例えば、検出可能な標識)を結合するために使用され得る。リンカーは、ヌクレオチドリンカー(すなわち、隣接しない配列の間に隣接する核酸の配列)または非ヌクレオチドリンカーであり得る。
用語「ハイブリッド」は、相補的なヌクレオチドの間で水素結合形成により形成される二本鎖核酸分子をいう。
用語「ストリンジェンシー」は、例えば、温度、塩濃度、pH、ホルムアミド濃度等の、ハイブリッドの安定性に影響を及ぼすハイブリダイゼーション条件をいう。これらの条件は、標的核酸へのプローブの特異的結合を最大化し、非特異的結合を最小化するために、経験的に最適化される。
用語「フルオロフォア」は、蛍光特性を有する化学基をいう。
用語「任意(optionally)」は、記載された工程(例えば、本発明の方法の場合)または構成物(例えば、本発明のキットの場合)が含まれても含まれなくてもよいことを意味する。
標的核酸を検出するための方法
一態様において、本発明は、固相表面上の生物学的試料中に標的核酸が存在するかどうかを決定する方法を提供する。この態様において、該方法は、a)固相表面上の試料と、乾燥繊維状マトリックスを接触させる工程、ここで、標的核酸を検出するための標識された核酸プローブが、該マトリックスに埋め込まれるかまたは吸着され、該標識された核酸プローブが、標的核酸中の1つ以上の異なるヌクレオチド配列に実質的に相補的なヌクレオチド配列を含む;b)該マトリックスを水和して、該マトリックスからプローブを放出する工程;c)該試料とプローブを、試料中に存在する場合、標的核酸へのプローブの特異的なハイブリダイゼーションを可能にするのに十分なストリンジェントな条件下でインキュベートする工程;d)試料を洗浄して、ハイブリダイズしないプローブおよび非特異的にハイブリダイズしたプローブを除去する工程;ならびにe)該標識された核酸プローブが該試料にハイブリダイズしたかどうかを決定することにより、該試料中に標的核酸が存在するかどうかを決定する工程を含む。
生物学的試料は、固相表面上に存在し、該表面に固定または結合され得る。適切な固相表面としては、限定されないが、顕微鏡スライド(例えば、スライドガラス、プラスチックスライド、石英スライド)、カバーガラスおよびマルチウェル(multiwall)(例えば、マイクロタイター)プレートが挙げられる。好ましくは、該生物学的試料は、スライドガラスに固定または結合される。本発明の方法に適切な生物学的試料としては、例えば、染色体調製物、細胞(例えば、培養細胞)、組織、器官、血液、脊髄液、リンパ液、涙、唾液、喀痰、尿、***、羊膜液、頭髪、皮膚および腫瘍(例えば、生研)が挙げられる。好ましくは、生物学的試料としては、染色体DNAを含む細胞が挙げられる。好ましい細胞としては、表皮細胞、***細胞、卵母細胞、極体、割球および未分化胚芽細胞が挙げられる。特定の態様において、生物学的試料としては、尿路上皮(urothelial)細胞(例えば、ヒト尿路上皮細胞)が挙げられる。好ましくは、該生物学的試料は、動物(例えば、非ヒト哺乳動物、ヒト)から得られる。特定の態様において、該生物学的試料はヒトから得られる。
一態様において、生物学的試料は、単一の標的核酸、または代替的な態様においては複数の標的核酸(例えば、2つ以上の別個の標的核酸)を含み得る。標的核酸は、DNAまたはRNAであり得、遺伝子内、遺伝子間および/または経遺伝子(transgenic)ヌクレオチド配列を包含し得る。したがって標的核酸は、内因性ゲノムヌクレオチド配列または人工もしくは外来(例えば、トランスジェニック)ヌクレオチド配列であり得る。典型的に、標的核酸は、染色体特異的ヌクレオチド配列を含む。例示的な染色体特異的ヌクレオチド配列を表1に示す。
Figure 2015536651
標的核酸は、特有のまたは反復性のヌクレオチド配列を含み得る。好ましくは、標的核酸は、反復性のゲノム配列、例えば特定のヒト染色体(すなわち、第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9、第10、第11、第12、第13、第14、第15、第16、第17、第18、第19、第20、第21、第22染色体、X染色体またはY染色体)の反復配列を含む。適切な反復配列としては、限定されないが、セントロメア反復配列、セントロメア周辺反復配列、ヘテロクロマチン反復配列、テロメア反復配列、α付随体反復配列、β付随体反復配列、γ付随体反復配列および付随体1、2または3反復配列が挙げられる。いくつかの態様において、標的核酸は、特定の配列(例えば、特定の反復配列)中に約20〜約50の連続ヌクレオチドの標的配列を含む。
典型的に、本発明の方法に使用される生物学的試料は、固定された試料(例えば、固定された細胞試料、固定された組織試料、染色体を広げたもの(chromosome spread))である。種々の適切な固定液が当該技術分野で公知であり、例えば、酸性アセトン溶液、種々のアルデヒド溶液(例えば、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒドおよびグルタルアルデヒド)および酸性アルコール溶液が挙げられる。染色体調製物について特定の固定液の例は、例えばTrask et al. (Science 230:1401-1402, 1985)に詳述される。生物学的試料は、溶液中または固相上で調製(例えば固定)され得る。
任意に、生物学的試料を前処理して、試料中の核酸を、プローブに対して、より接触可能にし得る。例えば、かかる前処理は、生物学的試料の1つ以上のプロテイナーゼ(例えば、プロテイナーゼK、トリプシン、ペプシン、コラゲナーゼ)および/またはゆるやかな酸(例えば、0.02〜0.2N HCl、25%〜75%酢酸)での処理、生物学的試料の、残存RNAを除去するためのRNaseでの処理、界面活性剤浸透化、熱変性および試料の熟成(aging)を含み得る。他の前処理工程は、試料を化学的に変性させることを含む。一態様において、生物学的試料は、高温(例えば、72℃)で非アルカリ性変性バッファ(例えば、70%ホルムアミド)中で変性される。別の態様において、生物学的試料は、少なくとも1つの塩基(例えば、NaOH)および少なくとも1つのアルコール(例えば、エタノール)を含む溶液中、室温で変性される。好ましくは、塩基/アルコール溶液は、約0.07Nの塩基および約70%のエタノールを含む。
本発明によると、生物学的試料は、核酸プローブを含む乾燥繊維状マトリックスと接触される。該乾燥繊維状マトリックスは、天然に存在する繊維または合成繊維で構成され得る。該繊維は、編みこまれた繊維または不織繊維であり得る。例示的な繊維としては、限定されないが、ガラス繊維、羊毛繊維および植物繊維が挙げられる。好ましい態様において、該繊維はガラス繊維である。別の態様において、繊維状マトリックスは、セルロース系物質(例えば、セルロース繊維)を含む。適切なセルロース系物質としては、限定されないが、セルロース、ニトロセルロース、カルボキシメチルセルロース、レーヨンおよびビスコースが挙げられる。
特定の態様において、該乾燥繊維状マトリックスは、濾紙(例えば、セルロース系濾紙、ガラス繊維濾紙)である。適切な濾紙は市販されており、例えば、WhatmanTMセルロースおよびガラス微細繊維濾紙(GE Healthcare)が挙げられる。
乾燥繊維状マトリックスは、標的核酸を検出するための標識された核酸プローブを含む。好ましくは、該プローブは染色体特異的プローブである。該プローブは、該マトリックス上にあり得るか、結合、固定、沈積、埋め込みまたは吸着され得る。核酸を含む繊維状マトリックスを調製する方法は当該技術分野において公知である。
一態様において、核酸プローブは、マトリックスに埋め込まれるかまたは吸着された後に変性され、その後該マトリックスは試料上に設置される。例えば、繊維状マトリックスは、プローブをマトリックスに沈積させた後に適切な温度(例えば、100℃)に加熱され、プローブが変性され得る。同時に、該マトリックスを乾燥(例えば脱水)させ、プローブの再重合(renaturing)を防ぐ。いったんマトリックスを乾燥させると、変性したプローブは、マトリックスを再水和するまで再重合しない。
本発明の方法に有用なプローブは、試料中の標的核酸中のヌクレオチド配列(例えば、標的配列)に実質的に相補的なヌクレオチド配列(標的結合領域ともいう)を含む。一般的には望ましいが、プローブ中の標的結合領域は、標的核酸に対して100%の相補性を有する必要はない。例えば、いくつかの態様において、本発明の方法に有用なプローブは、標的核酸中のヌクレオチド配列に少なくとも約70%、約80%、約90%、約95%または約99%相補的なヌクレオチド配列を含み得る。
特定の態様において、本発明の方法に使用されるプローブは、オリゴヌクレオチドプローブ(例えば、一本鎖DNAオリゴヌクレオチドプローブ)である。典型的なオリゴヌクレオチドプローブは、直鎖で、約20〜約100ヌクレオチド、好ましくは約30〜約50ヌクレオチドの範囲のサイズである。特定の態様において、オリゴヌクレオチドプローブは、約30ヌクレオチド長である。
本発明の方法における使用に適したプローブとしては、限定されないが、DNAプローブ、RNAプローブ、ペプチド核酸(PNA)プローブ、ロックト核酸(LNA)プローブ、モルホリノプローブ、グリコール核酸(GNA)プローブおよびトレオース核酸(TNA)プローブが挙げられる。かかるプローブは、化学的もしくは生化学的に修飾され得るか、および/または天然に存在しないもしくは誘導体化されたヌクレオチド塩基を含み得る。例えば、プローブは、修飾された塩基(例えば、5-メチルシトシン)および/または修飾された糖基(例えば、2'O-メチルリボシル、2'O-メトキシエチルリボシル、2'-フルオロリボシル、2'-アミノリボシル)を有する修飾されたヌクレオチドを含み得る。直鎖のプローブが好ましいが、有用なプローブは環状もしくは分枝であり得、および/または安定な二次構造(例えば、ステム-および-ループおよびループ-ステム-ループヘアピン構造)を形成し得るドメインを含み得る。
本発明の方法に有用なプローブを作製する方法は当該技術分野において周知であり、例えば、生化学的、組み換え的、合成的(例えば、化学合成)および半合成的方法が挙げられる。一態様において、本発明の方法に使用されるオリゴヌクレオチドプローブは、化学合成により作製される。合成オリゴヌクレオチドプローブは、核酸合成について公知の方法(例えば、Glick and Pasternak, Molecular Biotechnology: Principles and Applications of Recombinant DNA (ASM Press 1998)参照)を使用して作製され得る。例えば、溶液技術または固相技術が使用され得る。典型的に、合成手順は自動化され、例えば、ホスホロアミダイト、ホスファイトトリエステル、H-ホスフェートまたはホスホトリエステル法が挙げられる。
本発明の方法に有用なプローブは、さらに1つ以上の検出可能な標識を含み得る。本発明による使用に適した標識は、当該技術分野において公知であり、一般的に、その化学的性質により、および直接または間接的な手段により、プローブの検出を可能にする同定可能なシグナルを提供する任意の分子が挙げられる。したがって、プローブは、例えば、特異的レポーター分子、フルオロフォア、放射性物質または酵素(例えば、ペルオキシダーゼ、ホスファターゼ)などの従来の様式で標識され得る。特定の態様において、本発明の方法に使用されるプローブは、検出可能な標識として1つ以上のフルオロフォアを含む。
プローブへの結合に適切な検出可能な標識は、間接標識または直接標識であり得る。例示的な間接標識としては、例えば、ハプテン、ビオチンまたは他の特異的に結合可能なリガンドが挙げられる。間接標識について、典型的に、リガンド結合パートナーは、直接標識を有するか、代替的には、間接的にも標識される。ハプテンである間接標識の例としては、ジニトロフェノール(DNP)、ジゴキシゲニン、ビオチンおよび種々のフルオロフォアまたは色素(例えば、フルオレセイン、DY490、DY590、Alexa 405/カスケードブルー、Alexa 488、Bodiby FL、ダンシル、オレゴングリーン、ルシファーイエロー、テトラメチルローダミン/ローダミンレッドおよびテキサスレッド)が挙げられる。間接標識としては、典型的に、リガンド結合パートナーとして抗ハプテン抗体を使用してハプテンが検出される。しかしながら、ハプテンは、代替的なリガンド結合パートナー(例えば、ビオチンの場合、抗ビオチン抗体またはストレプトアビジンを、例えばリガンド結合パートナーとして使用し得る)を使用しても検出され得る。さらに、ある態様において、ハプテンは、直接的にも検出され得る(例えば、フルオレセインの場合、抗フルオレセイン抗体またはフルオレセインの直接検出が使用され得る)。
例示的な「直接標識」としては、限定されないが、フルオロフォア(例えば、フルオレセイン、ローダミン、テキサスレッド、フィコエリトリン、Cy3、Cy5、DY蛍光体(fluor)(Dyomics GmbH, Jena, Germany) Alexa 532、Alexa 546、Alexa 568またはAlexa 594)が挙げられる。他の直接標識としては、例えば放射性核種(例えば、3H、35S、32P、125Iおよび14C)、例えばアルカリ性ホスフォターゼ、西洋ワサビペルオキシダーゼまたはβ-ガラクトシダーゼなどの酵素、発色団 (例えば、フィコビリタンパク質(phycobiliprotein))、発光体(luminescer)(例えば、化学発光体(chemiluminescer)および生物発光体(bioluminescer))、およびランタニドキレート(例えば、Eu3+またはTb3+の複合体)が挙げられ得る。蛍光標識の場合、フルオロフォアは、単一種の有機分子に限定されず、無機分子、有機分子および/または無機分子の多分子複合体、結晶、ヘテロ重合体等が挙げられる。例えば、ケイ素殻に封入されるCdSe-CdSコア-シェルナノ結晶は、生物学的分子へのカップリングのために容易に誘導体化され得る(Bruchez et al., Science, 281:2013-2016, 1998)。同様に、超高感度生物学的検出における使用のために高蛍光量子ドット(硫化亜鉛キャップ付加セレン化カドミウム)が、生体分子に共有結合されている(Warren and Nie, Science, 281: 2016-2018, 1998)。
プローブ標識化は、例えば合成の間になされ得るか、あるいは合成後に、例えば末端転移酵素を使用したプローブの5'末端への標識されたヌクレオチドの酵素付加を含む5'末端標識を使用してなされ得る。単一標識されたヌクレオチドは、「鎖終結」ヌクレオチドを使用して付加され得る。代替的に、非終結ヌクレオチドを使用して複数のヌクレオチドを付加し、「尾部」を形成し得る。合成標識のために、標識されたヌクレオチド(例えば、ホスホルアミダイトヌクレオチド)を化学合成の間にプローブに取り込ませ得る。標識を、プローブの5'、3'または両末端に付加し得る(例えば、米国特許第5,082,830号)か、またはODNの内側の塩基位置に付加し得る。
核酸を標識するための他の方法は、白金系標識を利用する。かかる方法は、Universal Linkage System (ULS, Kreatech Biotechnology B.V., Amsterdam, Netherlands)を含む。白金系標識法およびそれらの適用は、例えば米国特許第5,580,990号、5,714,327号および6,825,330号;国際特許公報WO 92/01699、WO 96/35696およびWO 98/15546;Hernandez-Santoset et al., Anal. Chem. 77:2868-2874, 2005;Raap et al., BioTechniques 37:1-6, 2004;Heetebrij et al., ChemBioChem 4:573-583, 2003;Van de Rijke et al., Analytical Biochemistry 321:71-78, 2003;Gupta et al., Nucleic Acids Research 31:e13, 2003;Van Gijlswijk et al., Clinical Chemistry 48:1352-1359, 2002;Alers et al., Genes, Chromosomes & Cancer 25:301-305, 1999;Wiegant et al., Cytogenetics and Cell Genetics 87:7-52, 1999;Jelsma et al., Journal of NIH Research 5:82, 1994;Van Belkum et al., BioTechniques 16:148-153, 1994;およびVan Belkum et al., Journal of Virological Methods 45:189-200, 1993に記載される。
標識されたヌクレオチド(1つまたは複数)はまた、架橋剤またはスペーサーを使用してプローブに結合され得る。架橋剤はホモ二官能性またはヘテロ二官能性であり得る。適切なホモ二官能性架橋剤としては、例えば、各末端にNHSエステルを有するアミン反応性架橋剤(例えば、ジチオビス(スクシンイミジルプロピオネート(proponate))(DSP)、3,3'-ジチオビス(スルホスクシンイミジルプロピオネート)(DTSSP)、ジスクシンイミジルスベレート(DSS)、ビス(スルホスクシンイミジル)スベレート(BS3)、エチレングリコールビス(スクシンイミジルスクシネート)(EGS)、エチレングリコールビス(スルホスクシンイミジルスクシネート)(SulfoEGS)を含む);両末端にイミドエステルを有するアミン反応性架橋剤(例えば、ジメチルアジピミデート(DMA)、ジメチルピメリミデート(DMP)、ジメチルスベリミデート(DMS)、ジメチル3,3'-ジチオビスプロピオンイミデート(DTBP)を含む);各末端にジチオピリジル基を有するスルフヒドリル反応性架橋剤(例えば、1,4-ジ-[3'-(2'-ピリジルジチオ)プロピオンアミド(propionamdo)]ブタン(DPDPB)を含む);各末端にマレイミド基を有するスルフヒドリル反応性架橋剤(例えば、ビスマレイミドヘキサン(BMH)を含む);各末端にヒドラジド基を有するカルボキシル反応性架橋剤(例えば、アジピン酸ジヒドラジドおよびカーボンヒドラジドを含む);各末端にエポキシド基を有する多官能基反応性架橋剤(例えば、1,2:3,4-ジエポキシブタン、1,2:5,6-ジエポキシヘキサン、ビス(2,3-エポキシプロピル)エーテル、1,4-(ブタンジオール)ジグリシジルエーテルを含む)が挙げられる。適切なヘテロ二官能性架橋剤としては、アミン反応性末端およびスルフヒドリル反応性末端を有する架橋剤(例えば、N-スクシンイミジル3-(2-ピリジルジチオ)プロピオネート(SPDP)、長鎖SPDP(SPDP)、スルホ-LC-SPDP、スクシンイミジルオキシカルボニル-α-メチル-α-(2-ピリジジチオ)トルエン(SMPT)、スルホ-LC-SMPT、スクシンイミジル-4-(N-マレイミドメチル(maleimidomehyl))シクロヘキサン(SMCC)、スルホ-SMCC、スクシンイミジル6-((ヨードアセチル)アミノ)ヘキサノエート(SIAX)、スクシンイミジル6-(6-(((4-ヨードアセチル)アミノ)ヘキサノイル)アミノ)ヘキサノエート(SIAXX)を含む);カルボニル反応性末端およびスルフヒドリル反応性末端を有する架橋剤(例えば、4-(4-N-マレイミドフェニル)酪酸ヒドラジド(MPBH)、4-(N-マレイミドメチル)シクロヘキサン-1-カルボキシル-ヒドラジド塩酸塩(M2C2H)、3-(2-ピリジルジチオ)プロピニルヒドラジド(PDPH)を含む);アミン反応性末端および光反応性末端を有する架橋剤(例えば、スルホスクシンイミジル-2-(p-アジドサリチリシル(azidosalicylicyl)アミド)エチル-1,3'-ジチオプロピオネート(SASD)、スルホスクシンイミジル2-(7-アジド-4-メチルクマリン-3-アセトアミド)エチル-1,3'-ジチオプロピオネート(SAED)を含む);スルフヒドリル反応性末端および光反応性末端を有する架橋剤(例えば、N-[4-p-アジドサリチルアミド)ブチル]-3'-(2'ピリジルジチオ)プロピオンアミド(APDP)を含む);カルボニル反応性末端および光反応性末端を有する架橋剤(例えば、4-(p-アジドサリチルアミド)ブチルアミン(ASBA)を含む)が挙げられる。適切なスペーサーとしては、dNTPなどの5' ODN修飾;および例えば、ブチルホスホルアミダイト、ペンチルホスホルアミダイト、ヘキシルホスホルアミダイト、ヘプチルホスホルアミダイト、オクチルホスホルアミダイト、ノニルホスホルアミダイト、デシルホスホルアミダイト、ウンデシルホスホルアミダイト、ドデシルホスホルアミダイト、ペンタデシルホスホルアミダイト、オクタデシルホスホルアミダイトを含むアミノ-またはスルホ-ホスホルアミダイトなどのアミン反応性スペーサーが挙げられる。他の適切なアミン反応性スペーサーとしては、例えば、(モノメトキシ)nグリコール(式中、n=3〜18単位の繰り返し)などの活性化ポリエチレングリコール(PEG)が挙げられる。さらなる適切な架橋剤およびスペーサーは、Herman. “Bioconjugate Chemistry”. Academic Press. New York, NY. 1996に記載される。
いくつかの態様において、繊維状マトリックスは、異なる標的核酸に対して特異性を有する複数の標識されたプローブを保有する。かかる態様において、各プローブは、試料中の特定の標的核酸に対して少なくとも実質的に相補的であり、試料中の他の標的核酸に対して特異性を有する他のプローブ上に存在する検出可能な標識とは識別可能な検出可能な標識を含む。例えば、各プローブは、スペクトル的に識別可能な発光波長を有するフルオロフォアを含み得る。複数の異なる標識されたプローブを有する本発明のキットにおける使用のための適切なフルオロフォアとしては、例えば、Alexa 488(492nmで励起最大および520nmで発光最大)およびAlexa 546(555nmで励起最大および570nmで発光最大))が挙げられる。
他の態様において、乾燥繊維状マトリックスは、該マトリックスに埋め込まれるかまたは吸着される1つ以上のさらなる試薬を含む。かかるさらなる試薬としては、例えば、サケ***DNA、ブロッキング試薬(例えば、ミルク(例えば、スキムミルク)、アルブミン、カゼイン)および抗菌剤(例えば、アジ化ナトリウム、チメロサール(thimerasol))、またはそれらの組み合わせが挙げられる。
本発明によると、繊維状マトリックスは、試料中に存在し得る標的核酸にプローブをハイブリダイズする前に、水和されて該マトリックスからプローブを放出する。該繊維状マトリックスは、マトリックスを生物学的試料と接触させる直前または直後に水和され得る。一態様において、該繊維状マトリックスは、該マトリックスに一滴以上の水和バッファを適用することにより水和される。特定の態様において、該水和バッファは、変性剤(例えば、ホルムアミド、NaOH)を含む。
特定の態様において、水和バッファは、ホルムアミド、硫酸デキストランおよび塩(例えば、クエン酸ナトリウム食塩水(SSC))を含む。ホルムアミドまたは例えば炭酸エチレン、DMSO)などの他の脱安定化分子を含む水和バッファは、ハイブリダイゼーションを高温(例えば、37〜45℃)で行う場合、特に有用である。水和バッファ中のホルムアミドの適切な濃度としては、例えば、約20体積%〜約90体積%の範囲、例えば約60体積%、約70体積%または約80体積%の濃度が挙げられる。水和バッファ中の硫酸デキストランの適切な濃度としては、例えば、約3体積%〜約20体積%が挙げられる。水和バッファ中の全塩の濃度は、好ましくは約0.03M〜約0.09Mの範囲である。例えば、水和バッファ中のSSCの濃度は、例えば約0.1X〜約4.0Xの範囲であり得る。好ましくは、水和バッファは、約30%のホルムアミド、約10%〜約20%の硫酸デキストランおよび約2XSSCを含む。
別の態様において、水和バッファは、塩基(例えば、NaOH)を含み、約10〜約13の範囲のpHを有する。かかる塩基性水和バッファは、ハイブリダイゼーションを室温で行う際に特に有用である。水和バッファにおける使用に適切な塩基としては、限定されないが、水酸化カリウム、水酸化バリウム、水酸化セシウム、水酸化ナトリウム、水酸化ストロンチウム、水酸化カルシウム、水酸化リチウム、水酸化ルビジウム、水酸化マグネシウム、ブチルリチウム、ジイソプロピルアミドリチウム、ジエチルアミドリチウム、アミドナトリウム、水素化ナトリウム、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド、炭酸ナトリウムおよびアンモニアまたはそれらの組み合わせが挙げられる。好ましくは、塩基はアルカリ塩基である。より好ましくは、塩基は水酸化ナトリウムである。水和バッファのための塩基の適切な濃度は、典型的に、約0.03規定(N)〜約0.17N、例えば約0.05N、約0.06N、約0.07N、約0.08N、約0.09Nまたは約0.1Nの範囲である。特定の態様において、該溶液は、約0.07NのNaOHを含み、これは0.07M NaOHと同等である。
特定の態様において、プローブは、マトリックスを試料上に設置して水和した後に、(例えばプローブ、マトリックスおよび試料を約75℃の温度まで5分間加熱して)変性される。
本発明の方法はさらに、試料とプローブを、試料中に存在する場合、標的核酸へのプローブの特異的なハイブリダイゼーションを可能にするのに十分なストリンジェントな条件下でインキュベートする工程を含む。一般的に、ハイブリダイゼーションは、プローブが、生物学的試料中の相補的な標的核酸とハイブリダイズするのに十分な条件(例えば、温度、インキュベーション時間、塩濃度等)下で行われる。インサイチュハイブリダイゼーション技術に適切なハイブリダイゼーションバッファおよび条件は、当該技術において一般的に公知である。(例えば、Sambrook and Russell, 上述; Ausubel et al., 上述参照。Tijssen, Laboratory Techniques in Biochemistry and Molecular Biology, Vol. 24: Hybridization with Nucleic Acid Probes (Elsevier, NY 1993)も参照)。例えば、ホルムアミド、硫酸デキストランおよびクエン酸ナトリウム食塩水(SSC)を含むハイブリダイゼーションバッファを、本発明の方法に使用し得る。ハイブリダイゼーションバッファ中のホルムアミドの適切な濃度としては、例えば約20体積%〜約90体積%の範囲、例えば約60体積%、約70体積%、または約80体積%の濃度が挙げられる。ハイブリダイゼーションバッファ中の硫酸デキストランの適切な濃度としては、例えば約3%〜約20%が挙げられる。ハイブリダイゼーションバッファ中のSSCの適切な濃度としては、例えば約0.1X〜約4.0Xが挙げられる。ハイブリダイゼーションバッファ中の全塩の濃度は、好ましくは、約0.03M〜約0.09Mの範囲である。特定の態様において、繊維状マトリックスを水和するために使用される水和バッファは、ハイブリダイゼーションバッファとしても使用される。所定の標的配列およびその相補的プローブについての最適なハイブリダイゼーション条件は、当業者に理解されるように、塩濃度、インキュベーション時間、ならびにプローブの濃度、組成および長さなどのいくつかの要因に依存する。これらおよび他の公知の要因に基づいて、適切な結合条件は、必要に応じて当業者により容易に決定され得、本発明の方法による使用のために最適化され得る。典型的に、ハイブリダイゼーションは、実質的に相補的なヌクレオチド配列の特異的な結合を可能にするストリンジェントな条件下で行われる。100%の相補性を有する標的核酸を特異的に検出するためまたは100%未満の相補性(例えば、約70%の相補性、約80%の相補性、約90%の相補性)を有する関連のあるヌクレオチド配列を検出するためにストリンジェンシーを上下し得る。ハイブリダイゼーションバッファ/溶液中のプローブ配列の長さおよび性質(DNA、RNA、塩基組成)、標的ヌクレオチド配列の性質(DNA、RNA、塩基組成、溶液または固定中の存在)ならびにハイブリダイゼーションバッファ中の塩および他の構成要素の濃度(例えば、ホルムアミド、硫酸デキストラン、ポリエチレングリコールおよび/または塩の濃度)などの要因を変化させて、低、中または高ストリンジェンシーのいずれかの条件を生じ得る。これらの条件は、ヌクレオチド塩基組成および長さならびに使用の状況に基づいて、経験的に、またはかかる変形を決定するための式に基づいて変化され得る(例えば、Sambrook et al., 上述;Ausubel et al., 上述)。好ましいハイブリダイゼーション条件としては、2xSSC、30%ホルムアミド、10%〜20%硫酸デキストランを含むハイブリダイゼーションバッファ中、37℃で、5〜10分ハイブリダイズさせることが挙げられる。他の好ましいハイブリダイゼーション条件は、6mM NaOH、30%ホルムアミド、20%硫酸デキストランを含むハイブリダイゼーションバッファ中、室温で5〜10分ハイブリダイズさせることである。
一態様において、ハイブリダイゼーションは、高温(例えば、37℃)で実施される。代替的な態様において、ハイブリダイゼーションは、室温で実施される。
本発明によると、ハイブリダイゼーション工程後に試料を洗浄して、ハイブリダイズしなかったプローブまたは非特異的にハイブリダイズしたプローブを除去する。適切なストリンジェンシーの溶液中で洗浄を行い、結合しなかったプローブおよび/または非特異的に結合したプローブを除去する。適切なストリンジェンシーは、連続的に増加するストリンジェンシー溶液中で試料を洗浄すること、およびそれぞれの洗浄の間のシグナル強度を読むことにより決定され得る。この様式でのデータセットの解析は、ハイブリダイゼーションパターンがはっきりとは変化せずに、特定の目的のプローブについて適切なシグナルを提供するものを超える洗浄ストリンジェンシーを明らかにし得る。
インサイチュハイブリダイゼーション法のための適切な洗浄バッファは、一般的に当該技術分野において公知である(例えば、Sambrook and Russell, 上述; Ausubel et al., 上述参照。Tijssen, Laboratory Techniques in Biochemistry and Molecular Biology, Vol. 24: Hybridization with Nucleic Acid Probes (Elsevier, NY 1993)も参照)。典型的に、洗浄バッファは、例えば1つ以上の塩(例えば、ナトリウム塩、リチウム塩、カリウム塩)および1つ以上の界面活性剤(例えば、イオン性界面活性剤、非イオン性面活性剤)を含む。洗浄バッファについての適切な界面活性剤としては、限定されないが、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、Triton(登録商標)X-100、Tween(登録商標)20、NP-40、またはIgepal CA-630が挙げられる。好ましくは、洗浄バッファは、約0.03M〜約0.09Mの総濃度を有する1つ以上の塩(例えばクエン酸ナトリウム)および約0.1% SDSを含む。特定の態様において、洗浄バッファは、1.864mM NaOHおよび2xSSCを含む。
洗浄の回数および各洗浄の時間は、当業者により容易に決定され得る。本発明の等温法についての例示的な洗浄条件は、例えば、2xSSC中、室温(例えば約21℃)、5分の最初のハイブリダイゼーション後洗浄、次いで0.03M〜0.09Mの一価の塩(例えばSSC)および0.1% SDS中、室温で、洗浄1回あたり少なくとも約2分、好ましくは洗浄1回当たり約2分〜約5分の範囲の1回以上のさらなる洗浄を含む。
試料をハイブリダイゼーション後洗浄に供した後、試料中の染色体DNAは、好ましくは例えば4',6-ジアミジノ-2-フェニルインドール(DAPI)、ヨウ化プロピジウム(PI)またはヘキスト試薬/色素などのスペクトル的に識別可能なDNA特異的染色で対比染色され、アンチフェード試薬を使用してマウントされる。DNA染色は、アンチフェード試薬に直接添加し得るか、または試料と共にインキュベートして、排水し、すすぎ得、その後アンチフェード試薬を添加する。試料の交差染色および封入についての試薬および技術は、一般的に当該技術分野において公知である。
本発明のインサイチュハイブリダイゼーション法は、さらに、試料中の1つ以上の標的核酸を検出する工程を含む。該標的核酸は、標的核酸にハイブリダイズした標識されたプローブを検出することにより検出される。プローブ標識の検出は、特定の標識に適したアプローチを使用してなされ得、該アプローチは、当業者により容易に決定され得る。例えば、フルオロフォア標識は、使用した特定のフルオロフォアの発光波長を検出することにより検出され得る。蛍光シグナルを検出するための典型的な方法としては、例えば、蛍光分光分析、落射蛍光顕微鏡法、共焦点顕微鏡法およびフローサイトメトリー分析が挙げられる。一般的に、蛍光標識は、非常に強いシグナルと低いバックグラウンドを提供するので、低レベルの標的の検出に好ましい。さらに、蛍光標識は、迅速走査手順により高解像度および高感度で光学的に検出可能であり、異なる発光波長を有するフルオロフォア(例えばフルオレセインおよびローダミン)を有する異なるハイブリダイゼーションプローブを、単一の試料に使用して、複数の標的核酸を検出し得る。
蛍光プローブを使用する蛍光インサイチュハイブリダイゼーション(FISH)法の特定の場合において、種々の異なる光学分析を使用してハイブリダイゼーション複合体を検出し得る。スペクトル検出法が、例えば米国特許第5,719,024号; Schroeck et al. (Science 273:494-497, 1996); およびSpeicher et al. (Nature Genetics 12:368-375, 1996)に記載される。一般的なFISH法に関するさらなる案内は、例えばGall and Pardue (Methods in Enzymology 21:470-480, 1981); Henderson (International Review of Cytology 76:1-46, 1982); およびAngerer et al. in Genetic Engineering: Principles and Methods (Setlow and Hollaender eds., Plenum Press, New York, 1985)に記載される。
典型的に、間接標識の検出は、結合パートナーまたは二次薬剤の検出を含む。例えば、ビオチンおよび他のハプテン(例えば、ジゴキシゲニン(DIG)、DNPまたはフルオレセイン)などの間接標識は、(ビオチンの場合)ストレプトアビジンとの相互作用または二次薬剤として抗体との相互作用により検出され得る。プローブと標的の結合後に、例えば直接標識されたストレプトアビジンまたは抗体を使用して、標的-プローブ複合体を検出し得る。代替的に、二次薬剤に特異的に結合する直接標識された「三次」薬剤と共に、未標識二次薬剤を使用し得る(例えば、一次抗体の種およびクラスに特異的な標識された二次抗体を使用して検出され得る未標識抗DIG抗体を使用し得る)。二次薬剤の標識は、典型的に非同位体標識であるが、放射性同位体標識を使用し得る。典型的な非同位体標識としては、例えば、二次薬剤または三次薬剤にコンジュゲートされ得る酵素およびフルオロフォアが挙げられる。DNA診断に共通して使用される酵素としては、例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼおよびアルカリ性ホスファターゼが挙げられる。
酵素標識の検出は、例えば、使用する酵素的標識の型に依存して、色または色素沈着(例えば、アルカリ性ホスファターゼについてp-ニトロフェニルホスフェートまたは5-ブロモ-4-クロロ-3-インドリルホスフェート/ニトロブルーテトラゾリウムおよび西洋ワサビペルオキシダーゼについて3,3'-ジアミノベンジジン-NiCI2)、蛍光(例えば、アルカリ性ホスファターゼについて4-メチルウンベリフェリルホスフェート)または化学発光(例えば、Lumigen Inc., Detroit Mich.のアルカリ性ホスファターゼジオキセタン基質LumiPhos 530またはTropix, Inc.のAMPPDおよびCSPD)を検出することにより達成され得る。化学発光検出は、X線もしくはポラロイドフィルムを使用して、または一光子計測ルミノメーター(例えばアルカリ性ホスファターゼ標識されたプローブについて)を使用して、なされ得る。
ある態様において、デジタル増強または統合を使用して、プローブ上の標識からのシグナルを検出する。例えば、標識の検出は、顕微鏡(例えば、双眼顕微鏡、単眼顕微鏡または実体顕微鏡)の接眼筒に取り付けられたCCDカメラを使用した顕微鏡画像化の使用を含み得る。いくつかの態様において、標識の検出は、画像走査顕微鏡法を使用してなされる。例えば、コンピューター画像走査顕微鏡法の最近の進歩により、蛍光顕微鏡法を使用したまれな細胞の検出能力は大きく高められ、約6x105個の陰性細胞環境中、1個の陽性細胞の検出が可能になった(例えば、Mehes et al., Cytometry 42:357-362, 2000参照)。例えばDNAレベルでの移動の検出に有用な、複数の色を検出するだけでなく、融合または共局在したシグナルも検出し得る進歩した画像走査ソフトウェアが開発された(MetaSystems Group, Inc.)。典型的に、走査速度は、1個の陽性細胞の信頼性のある検出に使用されるパラメーターの数に依存する。画像走査はまた、陽性とスコアリングされた細胞の画像を、確認のために手動で検査することも可能にする。例えば、DNAレベルでの移動の検出に有用な、複数の色を検出するだけでなく、融合または共局在したシグナルも検出し得る、自動化されたスライドベースの分析のための進歩した画像走査ソフトウェアが開発されている(MetaSystems Group, Inc.)。典型的に、走査速度は、1個の陽性細胞の信頼性のある検出に使用されるパラメーターの数に依存する。自動化されたスライドベース走査系は、高出力アッセイに特に適している。
一態様において、例えば、MetaCyte Automated Bio-Imaging System (Meta System Group, Inc.)を利用する走査スライド顕微鏡法を使用する。このシステムは、以下の構成要素:1) Carl Zeiss Axio Plan 2 MOT 蛍光顕微鏡、2)走査型8ヶ所ステージ、3) PC Pentium III Processor、4) Jaiカメラ、5)カメラインターフェース、6)ステージ調節、7)トラックボールおよびマウス、ならびに8)プリンターで構成される。顕微鏡上に取り付けられたスライド設定により焦点分析が開始される。ステージを動かしてスライドを走査し、画像を得る。スライド全体の走査後、ギャラリー(gallery)を作成する。陽性または陰性についての基準設定に基づいて、画像分析により陽性または陰性いずれかのシグナルが生じる。陰性の場合、まれな事象の分析のためにスライドを再度走査する。陽性の場合、適切な蛍光シグナルのためにフィルター交換があり、5〜7個の面を捕捉して分析する。8個のスライドについて一晩放置する(walk away/overnight)操作を行う(選択的トレイ交換機を用いて標準または100個のスライド)。適応検出アルゴリズムおよび自動露出調節機能により、均一に染色されない状態が補正される。いくつかのマーカーを同時に検出し得る。標準的な光源は、UVからIRまでの広いスペクトルをカバーする。細胞性蛍光強度が1/1000秒の検出を可能にする場合、まれな細胞の検出について1秒間に1000個の細胞までの走査速度を使用し得る。強いシグナルについて、低倍率を使用して、走査速度を増加し得る。
代替的に、デジタル増強または統合の非存在下でプローブの検出を行い得る。
染色体を数える方法
特定の態様において、本発明は、スライド上に固定された細胞の試料中の染色体を数える方法に関する。好ましくは、細胞は、上皮細胞(例えば、尿路上皮細胞、末梢血細胞)、***細胞、卵母細胞、極体、割球、未分化胚芽細胞またはそれらの組み合わせである。一態様において、該細胞は、顕微鏡スライドガラスに固定される。
該方法は、スライド上の試料と、ガラス繊維を含む乾燥繊維状マトリックスを重ねる工程を含み、試料中の1つ以上の標的染色体配列の検出のための蛍光標識された合成DNAオリゴヌクレオチドプローブが、該マトリックスに埋め込まれるかまたは吸着される。オリゴヌクレオチドプローブは、1つ以上の標的染色体配列中のヌクレオチド配列に実質的に相補的なヌクレオチド配列を含む。好ましくは、オリゴヌクレオチドプローブは、染色体特異的プローブである。一態様において、オリゴヌクレオチドプローブは、約20〜約50ヌクレオチド長の範囲、より好ましくは約30ヌクレオチド長である。
該方法はさらに、該マトリックスを水和バッファで水和して、該マトリックスからプローブを放出する工程を含む。特定の態様において、該水和バッファは、ホルムアミド、硫酸デキストランおよび塩(例えば、クエン酸ナトリウム食塩水(SSC))を含む。好ましくは、水和バッファは、約30%ホルムアミド、約10%〜約20%硫酸デキストランおよび約2XSSCを含む。別の態様において、水和バッファは、塩基(例えば、NaOH)を含み、約10〜約13の範囲のpHを有する。
該方法はさらに、該試料と該プローブを、試料中に存在する場合に、標的染色体配列へのプローブの特異的なハイブリダイゼーションを可能にするのに十分なストリンジェントな条件下でインキュベートする工程を含む。標的染色体配列へのプローブの特異的なハイブリダイゼーションに適切な条件は、当業者により決定され得、例えば2xSSC、30%ホルムアミドおよび10〜20%硫酸デキストランを含むハイブリダイゼーションバッファ中、37℃で5〜10分間ハイブリダイズすることが挙げられる。他の好ましいハイブリダイゼーション条件は、6mM NaOH、30%ホルムアミドおよび20%硫酸デキストランを含むハイブリダイゼーションバッファ中、室温で5〜10分間ハイブリダイズすることである。好ましくは、繊維状マトリックスを水和するために使用した水和バッファは、ハイブリダイゼーションバッファとしても使用される。一態様において、ハイブリダイゼーションは高温(例えば、37℃)で行われる。代替的な態様において、ハイブリダイゼーションは室温で行われる。
染色体を数える方法はさらに、試料を洗浄してハイブリダイズしないプローブおよび非特異的にハイブリダイズしたプローブを除去する工程、および試料中の標的染色体配列にハイブリダイズした標識された核酸プローブを検出することにより、試料中の標的染色体配列を有する染色体を数える工程を含む。洗浄および検出は、標的核酸が生物学的試料中に存在するかどうかを決定する方法について本明細書中に上述されたとおりに行い得る。
標的核酸を検出するためのキット
別の態様において、本発明は、試料中の標的核酸を検出するためのキットに関する。該キットは、標的核酸を検出するための標識された核酸プローブを含む乾燥繊維状マトリックス、および該マトリックスからプローブを放出するための水和バッファを含む。標識された核酸プローブは、該マトリックスに埋め込まれるかまたは吸着され、標的核酸中の1つ以上のヌクレオチド配列に実質的に相補的なヌクレオチド配列を含む。
乾燥繊維状マトリックスは、天然に存在する繊維または合成繊維で構成され得る。該繊維は、編みこまれた繊維または不織繊維であり得る。例示的な繊維としては、限定されないが、ガラス繊維、羊毛繊維および植物繊維が挙げられる。好ましい態様において、該繊維はガラス繊維である。別の態様において、該繊維状マトリックスは、セルロース系物質(例えば、セルロース繊維)を含む。適切なセルロース系物質としては、限定されないが、セルロース、ニトロセルロース、カルボキシメチルセルロース、レーヨンおよびビスコースが挙げられる。
特定の態様において、乾燥繊維状マトリックスは、濾紙(例えば、セルロース系濾紙、ガラス繊維濾紙)である。適切な濾紙は市販されており、例えばWhatmanTMセルロースおよびガラス微小繊維濾紙(GE Healthcare)が挙げられる。
該乾燥繊維状マトリックスは、標的核酸中の標的配列に実質的に相補的な標的結合領域を含む核酸(例えば、DNA、RNA)プローブを含む。核酸プローブは、乾燥繊維状マトリックスに埋め込まれるかまたは吸着される。好ましくは、プローブは、染色体特異的プローブである。
本発明の方法における使用のために適切なプローブとしては、限定されないが、DNAプローブ、RNAプローブ、ペプチド核酸(PNA)プローブ、ロックト核酸(LNA)プローブ、モルホリノプローブ、グリコール核酸(GNA)プローブおよびトレオース核酸(TNA)プローブが挙げられる。かかるプローブは、化学的もしくは生化学的に修飾され得るか、および/または天然に存在しないもしくは誘導体化されたヌクレオチド塩基を含み得る。例えば、プローブは、修飾された塩基(例えば、5-メチルシトシン)および/または修飾された糖基(例えば、2'O-メチルリボシル、2'O-メトキシエチルリボシル、2'-フルオロリボシル、2'-アミノリボシル)を有する修飾されたヌクレオチドを含み得る。直鎖のプローブが好ましいが、有用なプローブは環状もしくは分岐であり得、および/または安定な二次構造(例えば、ステム-およびループ-およびループ-ステム-ループヘアピン構造)を形成し得るドメインを含み得る。
好ましくは、該プローブはオリゴヌクレオチドプローブである。適切なオリゴヌクレオチドプローブは、典型的に、約20〜約100ヌクレオチド長、好ましくは約20〜約50ヌクレオチド長、より好ましくは約30ヌクレオチド長である。好ましくは、本発明のキットにおけるオリゴヌクレオチドプローブは、一本鎖DNAプローブである。
ある態様において、本発明のキットにおけるプローブは標識される(例えば、1つ以上の検出可能な標識を含む)。プローブについての例示的な検出可能な標識は本明細書に記載される。好ましくは、本発明のキットにおけるオリゴヌクレオチドプローブは、1つ以上のフルオロフォア(例えば、フルオレセイン、ローダミン、テキサスレッド、フィコエリトリン、Cy3、Cy5、Alexa 532、Alexa 546、Alexa 568またはAlexa 594)を含む。
いくつかの態様において、繊維状マトリックスは、複数の異なる標識されたプローブを有する。かかる態様において、それぞれのプローブは、特定の標的核酸に特異的であり、他の標的核酸に特異性を有する他のプローブ上に存在する検出可能な標識から識別可能な、検出可能な標識を含む。例えば、それぞれのプローブは、スペクトル的に識別可能な発光波長を有するフルオロフォアを含み得る。本発明のキットにおける使用に適切な、複数の異なる標識されたプローブを有するフルオロフォアとしては、例えば、Alexa 488(492nmで励起最大および520nmで発光最大)およびAlexa 546(555nmで励起最大および570nmで発光最大))が挙げられる。
いくつかの態様において、乾燥繊維状マトリックスは、該マトリックスに埋め込まれるかまたは吸着される1つ以上のさらなる試薬を含む。かかるさらなる試薬としては、例えば、サケ***DNA、ブロッキング試薬(例えば、ミルク(例えば、スキムミルク)、アルブミン、カゼイン)および抗菌剤(例えば、アジ化ナトリウム、チメロサール(thimerasol))またはそれらの組み合わせが挙げられる。
本発明のキットはまた、水和バッファを含む。いくつかの態様において、該水和バッファは、ハイブリダイゼーションバッファとしても機能する。特定の態様において、該水和バッファは、ホルムアミド、硫酸デキストランおよび塩(例えば、クエン酸ナトリウム食塩水(SSC))を含む。水和バッファ中のホルムアミドの適切な濃度としては、例えば、約20体積%〜約90体積%の範囲、例えば約60体積%、約70体積%または約80体積%の濃度が挙げられる。水和バッファ中の硫酸デキストランの適切な濃度としては、例えば約3%〜約20%が挙げられる。水和バッファ中の全塩の濃度は、好ましくは、約0.03M〜約0.09Mの範囲である。例えば、水和バッファ中のSSCの濃度は、例えば約0.1X〜約4.0Xの範囲であり得る。好ましくは、水和バッファは、約30%ホルムアミド、約10%〜約20%硫酸デキストランおよび2XSSCを含む。
別の態様において、水和バッファは、塩基(例えば、NaOH)を含み、約10〜約13の範囲のpHを有する。塩基を含む水和バッファは、ハイブリダイゼーションを室温で行う場合に特に有用である。水和バッファ中での使用のための適切な塩基としては、限定されないが、水酸化カリウム、水酸化バリウム、水酸化セシウム、水酸化ナトリウム、水酸化ストロンチウム、水酸化カルシウム、水酸化リチウム、水酸化ルビジウム、水酸化マグネシウム、ブチルリチウム、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムジエチルアミド、アミドナトリウム、水素化ナトリウム、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド、炭酸ナトリウムおよびアンモニアまたはそれらの組み合わせが挙げられる。好ましくは、該塩基はアルカリ塩基である。より好ましくは、該塩基は水酸化ナトリウムである。水和バッファのための塩基の適切な濃度は典型的に、約0.03規定(N)〜約0.17Nの範囲、例えば、約0.05N、約0.06N、約0.07N、約0.08N、約0.09Nまたは約0.1Nである。特定の態様において、該溶液は、約0.07NのNaOHを含み、これは0.07MのNaOHと同等である。
いくつかの態様において、該キットは、例えば、変性バッファ(例えば、NaOHおよびアルコールを含むバッファ)、洗浄バッファ、二次検出試薬、染色体DNAの染色剤、アンチフェード試薬、指示書、プロトコルまたはそれらの組み合わせなどのさらなる任意の構成要素を含み得る。典型的に、該キットは、使用の容易化のために区分けされ、試薬を有する1つ以上の容器を含み得る。一態様において、該キット構成要素の全ては一緒にパッケージ化される。代替的に、該キットの1つ以上の個々の構成要素は、他のキット構成要素とは別々のパッケージ中に提供され得る(例えば、水和バッファは、繊維状マトリックスとは別々にパッケージ化されてもよい)。
いくつかの態様において、本発明のキットは、塩基(例えば、NaOH)およびアルコールを含む変性バッファを含む。好ましくは、該変性バッファは、約0.03N〜約0.17Nの塩基、例えば約0.05N、約0.06N、約0.07N、約0.08N、約0.09Nまたは0.1Nの塩基を含む。好ましくは、変性バッファは、約0.07NのNaOH(すなわち0.07MのNaOH)を含む。変性バッファ中での使用のための例示的な塩基としては、例えば、水酸化カリウム、水酸化バリウム、水酸化セシウム、水酸化ナトリウム、水酸化ストロンチウム、水酸化カルシウム、水酸化リチウム、水酸化ルビジウム、水酸化マグネシウム、ブチルリチウム、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムジエチルアミド、アミドナトリウム、水素化ナトリウム、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド、炭酸ナトリウムおよびアンモニア、またはそれらの組み合わせが挙げられる。好ましくは、該塩基はアルカリ塩基である。より好ましくは、該塩基は水酸化ナトリウムである。変性バッファはさらに、約50体積%〜約90体積%、例えば約60体積%、約70体積%または約80体積%の濃度の少なくとも1つのアルコールを含む。好ましくは、アルコールは、約70体積%の濃度で存在する。変性バッファ中での使用のための例示的なアルコールとしては、例えば、とりわけエタノール、メタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノールおよびイソアミルアルコールまたはそれらの混合物が挙げられる。特定の態様において、該変性バッファは、約70%エタノールを含む。
本発明のキットは任意に、1つ以上の洗浄バッファを含み得る。典型的に、該1つ以上の洗浄バッファはそれぞれ、約0.03M〜約0.09Mの終濃度の1つ以上の塩(例えば、ナトリウム塩、リチウム塩またはカリウム塩)を含む。特定の態様において、洗浄バッファは、クエン酸ナトリウムおよび塩化ナトリウムを含む。洗浄バッファはさらに、限定されないが、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)などの界面活性剤を含み得る。洗浄バッファ中のSDSの適切な濃度は、典型的に約0.01%〜約1.0% SDSの範囲、好ましくは約0.1% SDSである。また、本発明のキット中の洗浄バッファは、任意にホルムアミドを含み得る。一態様において、該キットは、1.864mM NaOHおよび2xSSCを含む洗浄バッファを含む。
任意に、標識されたプローブを検出するための1つ以上の試薬が本発明のキットに含まれ得る。検出アッセイにおける使用のための、当業者に理解されるかかる試薬または他の因子は、プローブ上の標識の型に対応する。一態様において、該キットは、プローブ上の間接標識を検出するための二次薬剤(例えば、フルオロフォアで標識されたストレプトアビジン)を含む。
本発明の例示態様の記載を以下にする。
実施例:繊維状マトリックス上の核酸プローブを使用して実施されるインサイチュハイブリダイゼーション法
材料および方法
繊維状マトリックス上にプローブを含む組成物の調製
1/2インチ穴あけパンチを使用して、定性1(セルロース)およびGF/A(ガラス繊維)Whatmanフィルターディスクを切断した。第3、第6、第7および第20染色体に特異的な未希釈オリゴヌクレオチドプローブの混合物を、6〜9μLの体積で、それぞれの型のディスクの中心に沈積した。オーブン中でディスクを30分間、60℃で加熱した。ディスクを、光から離して室温で保存した。
インサイチュハイブリダイゼーション後の上皮細胞を含む生物学的試料中の標的核酸の検出
末梢血由来の細胞遺伝学的スライドを、等温変性溶液(Cellay, Inc., Cambridge, MA)を使用して、室温で10分間変性させ、その後、85%および100%のアルコールでそれぞれ1分間脱水し、風乾した。プローブが埋めこまれた濾紙のディスクを上述のように調製して、それぞれのスライドの所望のハイブリダイゼーション領域中の細胞上においた。埋め込まれたプローブなしで、ハイブリダイゼーション溶液(10%デキストラン、30%ホルムアミド、2xSSC)中、カバーガラス下、37℃、または20%デキストラン、30%ホルムアミド、6.0mM NaOHのハイブリダイゼーションバッファ中で水和した濾紙ディスク上に埋め込まれたプローブあり、室温のいずれかでハイブリダイゼーションを行った。室温法について、水に希釈した適切な体積のハイブリダイゼーションバッファを、Pasteurピペットを使用して、それぞれの濾紙ディスクの先端に添加した。次いで、スライドを、37℃、10分の加熱、または室温、10分の静置のいずれかに供した。ハイブリダイゼーション後、スライドを室温で5分間、撹拌しながら2xSSC中で洗浄して、ディスクを取り出し、次いで等温洗浄溶液(Cellay, Inc., Cambridge, MA)中、室温ハイブリダイゼーションで5分間洗浄し、ハイブリダイズしないプローブおよび非特異的にハイブリダイズしたプローブを除去した。スライドを、2xSSC中で簡単にすすぎ、乾燥後、アンチフェード試薬、DAPIおよびカバーガラスで封入した。封入したスライドを少なくとも10分間スライドホルダーに入れ、その後分析した。
統計学
それぞれの蛍光(fluor)についての信号対雑音比を測定した後、信号対雑音比を平均化して、95%信頼での平均の標準誤差を、以下のように計算した:
Figure 2015536651
式中、95%信頼についてz=1.96、SD=標準偏差およびn=細胞数(200)。
結果
上述の手順を使用して、濾紙ディスクに埋め込まれた染色体特異的プローブのパネルを、ヒト末梢血細胞中の染色体特異的標的核酸の検出のために、インサイチュハイブリダイゼーション法において成功裡に使用した(図1Aおよび1B)。ハイブリダイゼーションを、埋め込まれたプローブなし、高温(37℃)または濾紙ディスク上に埋め込まれたプローブを使用して室温のいずれかで行った場合、これらの方法は同様の結果を生じた(図2; 高温(青色、対照) 対 室温(緑色、ディスク)の比較)。
本明細書に引用される全ての特許、公開公報および参考文献の関連のある教示は、それらの全体において参照により援用される。
本発明は、その例示態様を参照して具体的に示され、記載されたが、形態および詳細における種々の変更が、添付の特許請求の範囲に包含される本発明の範囲を逸脱することなく、本発明においてなされ得ることが、当業者には理解されよう。

Claims (35)

  1. 標的核酸が、固相表面上の生物学的試料中に存在するかどうかを決定する方法であって、該方法は、
    a) 固相表面上の該試料と、乾燥繊維状マトリックスを接触させる工程、ここで、標的核酸を検出するための標識された核酸プローブが、該マトリックスに埋め込まれるか、または吸着され、該標識された核酸プローブが、該標的核酸中の1つ以上の異なるヌクレオチド配列に実質的に相補的なヌクレオチド配列を含む;
    b) 該マトリックスを水和して、該マトリックスから該プローブを放出させる工程;
    c) 該試料と該プローブを、標的核酸が試料中に存在する場合、該標的核酸へのプローブの特異的なハイブリダイゼーションを可能にするのに十分なストリンジェントな条件下でインキュベートする工程;
    d) 該試料を洗浄して、ハイブリダイズしないプローブおよび非特異的にハイブリダイズしたプローブを除去する工程;ならびに
    e) 該標識された核酸プローブが該試料にハイブリダイズしたかどうかを決定することにより、該標的核酸が試料中に存在するかどうかを決定する工程
    を含む、方法。
  2. 該繊維状マトリックスが、ガラス繊維、羊毛繊維、合成繊維または植物繊維を含む、請求項1記載の方法。
  3. 該繊維状マトリックスが、セルロース系物質を含む、請求項1または2記載の方法。
  4. 該セルロース系物質が、セルロース、ニトロセルロース、カルボキシメチルセルロース、レーヨンおよびビスコースからなる群より選択される、請求項3記載の方法。
  5. サケ***DNA、ブロッキング試薬および抗菌剤またはそれらの組み合わせからなる群より選択される1つ以上のさらなる試薬が、該マトリックスに埋め込まれるかまたは吸着される、請求項1〜4いずれか記載の方法。
  6. 工程b)において該マトリックスを水和するために、約30%のホルムアミド、約10%〜約20%の硫酸デキストランおよび2XSSCを含む水性ハイブリダイゼーションバッファが、該マトリックスに添加される、請求項1〜5いずれか記載の方法。
  7. 該標識された核酸プローブが、DNAオリゴヌクレオチドプローブである、請求項1〜6いずれか記載の方法。
  8. 該DNAオリゴヌクレオチドプローブが、約20〜約50ヌクレオチドの長さを有する、請求項7記載の方法。
  9. 該DNAオリゴヌクレオチドプローブが、約30ヌクレオチドの長さを有する、請求項8記載の方法。
  10. 該DNAオリゴヌクレオチドプローブが、合成により生成される、請求項7、8または9記載の方法。
  11. 該標識された核酸プローブが、少なくとも1つの直接標識を含む、請求項1〜10いずれか記載の方法。
  12. 該直接標識が蛍光体(fluor)である、請求項11記載の方法。
  13. 該生物学的試料が、該固相支持体に結合されるかまたは固定される、請求項1〜12いずれか記載の方法。
  14. 該生物学的試料が表皮細胞を含む、請求項1〜13いずれか記載の方法。
  15. 該表皮細胞が、尿路上皮(urothelial)細胞および末梢血細胞またはそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項14記載の方法。
  16. 該生物学的試料が、***細胞、卵母細胞、極体、割球および未分化胚芽細胞またはそれらの組み合わせからなる群より選択される細胞を含む、請求項1〜13いずれか記載の方法。
  17. 該方法の工程c)が、約19℃〜約25℃の範囲の温度で行われる、請求項1〜5および7〜16のいずれか一項記載の方法。
  18. 工程b)においてマトリックスを水和するために、約1.0〜5.0mMのNaOHを含み、約10〜約13の範囲のpHを有するハイブリダイゼーションバッファが、該マトリックスに添加される、請求項17記載の方法。
  19. 該生物学的試料が、スライドガラス上に固定される、請求項1〜18いずれか記載の方法。
  20. スライド上に固定された細胞の試料中の染色体を数える方法であって、該方法が、
    a) 該スライド上の試料と、ガラス繊維を含む乾燥繊維状マトリックスを重ねる工程、ここで、該試料中の1つ以上の標的染色体配列を検出するための蛍光標識された合成DNAオリゴヌクレオチドプローブが、該マトリックスに埋め込まれるかまたは吸着され、該プローブが、1つ以上の標的染色体配列中のヌクレオチド配列に実質的に相補的なヌクレオチド配列を含む;
    b) 該マトリックスをハイブリダイゼーションバッファで水和して、該マトリックスから該プローブを放出させる工程;
    c) 該試料と該プローブを、標的染色体配列が試料中に存在する場合、該標的染色体配列へのプローブの特異的なハイブリダイゼーションを可能にするのに十分なストリンジェントな条件下でインキュベートする工程;
    d) 該試料を洗浄して、ハイブリダイズしなかったプローブおよび非特異的にハイブリダイズしたプローブを除去する工程;ならびに
    e) 該試料中の標的染色体配列にハイブリダイズした標識された核酸プローブを検出することにより、該試料中の標的染色体配列を有する染色体を数える工程
    を含む、方法。
  21. 該ストリンジェントな条件が、約19℃〜約25℃の範囲の温度で、該試料と該プローブをインキュベートすることを含む、請求項20記載の方法。
  22. サケ***DNA、ブロッキング試薬および抗菌剤またはそれらの組み合わせからなる群より選択される1つ以上のさらなる試薬が、該マトリックスに埋め込まれるかまたは吸着される、請求項20または21記載の方法。
  23. 該DNAオリゴヌクレオチドプローブが、約30ヌクレオチドの長さを有する、請求項20〜22いずれか記載の方法。
  24. 該試料中の細胞が、上皮細胞、***細胞、卵母細胞、極体、割球もしくは未分化胚芽細胞またはそれらの組み合わせである、請求項20〜23いずれか記載の方法。
  25. 試料中の標的核酸を検出するためのキットであって、該キットが
    a) 該標的核酸を検出するための標識された核酸プローブを含む乾燥繊維状マトリックス、ここで、該標識された核酸プローブが該マトリックスに埋め込まれるかまたは吸着され、該標識された核酸プローブが、該標的核酸中の1つ以上のヌクレオチド配列に実質的に相補的なヌクレオチド配列を含む;
    b) 該マトリックスから該プローブを放出させるための水和バッファ
    を含む、キット。
  26. 該繊維状マトリックスが、ガラス繊維、羊毛繊維、合成繊維または植物繊維を含む、請求項25記載のキット。
  27. 該繊維状マトリックスが、セルロース系物質を含む、請求項25または26記載のキット。
  28. 該セルロース系物質が、セルロース、ニトロセルロース、カルボキシメチルセルロース、レーヨンおよびビスコースからなる群より選択される、請求項25記載のキット。
  29. サケ***DNA、ブロッキング試薬および抗菌剤またはそれらの組み合わせからなる群より選択される1つ以上のさらなる試薬が、該マトリックスに埋め込まれるかまたは吸着される(sorbed)、請求項25〜28いずれか記載のキット。
  30. 該水和バッファが、約30%のホルムアミド、約10%〜約20%の硫酸デキストランおよび2XSSCを含む、請求項25〜29いずれか記載のキット。
  31. 該水和バッファが、約1.0〜5.0mMのNaOHを含み、約10〜約13の範囲のpHを有する、請求項25〜29いずれか記載の方法。
  32. 該標識された核酸プローブが、合成DNAオリゴヌクレオチドプローブである、請求項25〜31いずれか記載のキット。
  33. 該DNAオリゴヌクレオチドプローブが、約20〜約50ヌクレオチドの長さを有する、請求項32記載のキット。
  34. 該DNAオリゴヌクレオチドプローブが、約30ヌクレオチドの長さを有する、請求項33記載のキット。
  35. 該標識された核酸プローブが、少なくとも1つの蛍光標識を含む、請求項25〜34いずれか記載のキット。
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