JP2015529261A - カルボキシ官能化アルテルナン - Google Patents

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Abstract

官能基としてカルボキシ基を含む官能化アルテルナン。このアルテルナンは、式によって表すことができ、式中、R1は、1個〜約100個の炭素原子を有し、任意選択で1個又は複数個のヘテロ原子を特徴とする炭化水素基であり、式(I)において「アルテルナン」とR1の間の酸素は、エーテル基の酸素である。また、このような官能化アルテルナンを、水性媒体中で、又は反応媒体としてアルコール若しくはアルコール−水の混合物を使用して生成する手順。また、この官能化アルテルナンの使用法。

Description

本発明は、カルボキシ基を使用して官能化されているアルテルナン、その製造方法、及びその用途に関する。
アルテルナン(CAS登録番号136510−13−9)は、α−1,3−及びα−1,6−グリコシド結合を交互にすることによって主に連結されているアンヒドログルコース単位で構成されたサッカリドである。従って、アルテルナンは、αグルカンのグループに属する。アルテルナン及びアルテルナンの製造方法は従来技術で知られており、例えば非特許文献1〜4及び特許文献1〜4中に記載されている。
最新技術は、誘導体化アルテルナンを記載している。アルテルナンカルボン酸エステル及びそれらの乳化剤としての使用については、特許文献5から分かる。
国際公開第00/47727号パンフレット 米国特許第5,702,942号明細書 米国特許出願公開第2006127328号明細書 国際出願PCT/EP2008/051760号 国際公開第2010043423A1号パンフレット
Jeanes等著(1954)J.Am.Chem.Soc.76:5041〜5052 Misaki等著(1980)Carbohydr.Res.,84:273〜285 Cote及びRobyt著(1982)Carbohydr.Res.,101:57〜74 Coteの論文(1992)Carbohydrate Polymers 19,249〜252
本明細書の課題は、新規な特性を有するアルテルナンを提供することである。アルテルナンを特定の用途に適したものにする新規な特性が得られることとなる。
この課題は、特許請求の範囲の請求項1で述べるカルボキシ官能化アルテルナンによって解決される。請求項1の従属請求項は、この官能化アルテルナンの特殊な実施形態について述べる。
本発明の官能化アルテルナンは、官能基としてカルボキシ基を含み、その官能化アルテルナンは、式
によって記述される。式中、R1は、1個〜約100個の炭素原子を有する炭化水素基であり、この炭化水素基には、1個又は複数個のヘテロ原子が含まれていてもよい。式(I)によるアルテルナンは、この1個又は複数個の−R1−COOH基を含むことができる。式(I)は、そのような基の一つを例として示しているに過ぎないことを理解されたい。従って、1個又は複数個のこれら−R1−COOH基で官能化されているアルテルナンが示される。それら−R1−COOH基のうちの1個又は複数個は、脱プロトン化されて−R1−COO-となることができる。
式(I)において「アルテルナン」とR1の間の酸素は、エーテル基の酸素である。換言すればR1はエーテル架橋を介して「アルテルナン」と結合しており、そしてそのアルテルナン−O−R1構造は、エーテル構造である。式(I)は、カルボキシ基で官能化されているアルテルナンエーテルを表す。「アルテルナン」と−R1−COOH基の間の酸素は、まだヒドロキシ基のところで官能化も化学的な修飾もされていないアルテルナンのヒドロキシ基に由来する。従って、その−R1−COOH基は、この型の酸素を介してアルテルナン骨格と、換言すればアルテルナン多糖の骨格と結合している。官能化アルテルナンにおいては、上記ヒドロキシ−酸素は、エーテル基の酸素に変えられる。アルテルナン骨格は、主としてα−1,3−及びα−1,6−グリコシド結合を交互にすることによって連結されているアンヒドログルコース単位で構成されている。このアンヒドログルコース単位は、ヒドロキシ単位を含む。
アルテルナンのカルボキシル化のための本発明の方法は、次の利点を有する:
−モル質量の低下が低レベルであること、
−広範な置換度(DS)及び高度の置換が得られること、
−低い置換レベルでさえ水溶性生成物が得られること(これに対し、水溶性カルボキシルメチルセルロースを得るためにはずっと高い置換レベルが必要である)。
驚くべきことに、このカルボキシ官能化アルテルナン又はその特定の実施形態は、次の特性を特徴とすることが分かった:
−きわめて良好な水溶解性、
−修飾されていないアルテルナンと比べて向上した透明度、
−修飾されていないアルテルナンよりも数桁高い粘度を有する濃厚な水溶液の生成能、
−高度に透明なヒドロゲルの生成能、
−単体(simplex)構造体(これはカチオン性ポリマーとの複合体を指す)の生成能、
−低pHにおいてさえその官能化された基の安定性が高いこと、
−分子量が低下する可能性があること、及びその結果オリゴマー又はモノマー単位でその官能基を保持すること。
用語「アルテルナン」は、すでに上記で定義した物質を表す。本発明では用語「アルテルナン」は、アルテルナン多糖を指す。従って、より短い用語「アルテルナン」は、以後「アルテルナン多糖」の代わりに使用され、本発明の下記の説明の目的ではこの多糖を指すことになる。用語「多糖」は、平均モル質量(重量平均分子量)Mwが少なくとも3000g/モル、好ましくは少なくとも5000g/モルである多糖を指す。
アルテルナンは、好ましくは細菌酵素によって、具体的にはアルテルナンスクラーゼによって産生され、この用語は、本発明の目的では天然供給源由来のアルテルナンスクラーゼ又は修飾アルテルナンスクラーゼを包含する。用語「修飾アルテルナンスクラーゼ」は、例えば化学的に修飾されたアルテルナンスクラーゼ、及び遺伝子操作されたアルテルナンスクラーゼを包含する。考えられるアルテルナンスクラーゼの修飾は、アミノ酸の突然変異、挿入、欠失、及び/又は切り詰めである。天然及び修飾アルテルナンスクラーゼ酵素は、とりわけ国際特許出願公開第200047727号及び同第2008098975号パンフレットに記載されている。
本発明において用語「カルボキシ官能化アルテルナン」は、官能性カルボキシ基が化学的プロセスを経て結合されているアルテルナンを指す。用語「カルボキシ官能化アルテルナン」の代わりに、より短い用語「官能化アルテルナン」もまた、同じ意味で使用することにする。「官能化アルテルナン」の別の表現は、用語「誘導体化アルテルナン」である。
用語「カルボキシ基」はまた「カルボキシル基」としても知られ、式−COOHを有する官能基を指す。用語「カルボキシ基」はまた、本発明の意味では関連する陰イオン−COO-(カルボキシラート)も含む。環境条件、例えば環境のpH値に応じて、この官能基は−COOH又は−COO-として存在することができる。
式(I)において、及び他の下記の式において用語「アルテルナン」は、アルテルナン多糖分子を指す。「アルテルナン」と結合している酸素は、まだヒドロキシ基のところで官能化も化学的な修飾もされていないアルテルナン、例えばアルテルナン前駆体のこのヒドロキシ基由来の酸素である。換言すれば、上記酸素は、まだヒドロキシ基のところで官能化も化学的な修飾もされていないアルテルナンのそのヒドロキシ基に由来する。アルテルナン中のアンヒドログルコース単位を、そのC−2、C−3、C−4、及び/又はC−6位における遊離OH基のところで官能化することができる。このアルテルナンの交互する結合の型によって、モノマーを構築しているブロックのC−2及びC−4位におけるOH基のすべて、並びにC−3及びC−6位におけるOH基の約50%とが、官能化に利用可能である。したがって、本発明のカルボキシ官能化アルテルナンは、そのポリマーのアンヒドログルコース単位のC−2、C−3、C−4、及び/又はC−6位のところで主に官能化された基を含有する。
1は、炭素及び水素に加え、1個又は複数個のヘテロ原子を含むことができる炭化水素基を表す。好ましいヘテロ原子は、限定されないが、O、N、S、P、F、Cl、Br、及びIである。ヘテロ原子は、炭素鎖又は炭素骨格にそのヘテロ原子が割り込むような方法でその炭素鎖中に組み込むことができる。例えば、そのR1基は、−CH2−O−CH2のようなエーテル単位、−CH2−S−CH2のようなチオエーテル単位、又は−CH2−NH−CH2単位を含有することができる。別のバージョンでは、そのヘテロ原子は、例えばオキソ、ヒドロキシ、メルカプト、ハロゲン、アミノ、又はニトロ基などの置換基の形で炭素骨格に結合されている。本発明にはまた、そのR1基が、式(I)で表したカルボキシ基に加え、1個又は複数個のカルボキシ基を含む実施形態が含まれる。
特別な実施形態において炭化水素R1基は、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、シクロアルキレン基、ヘテロ−シクロアルキレン基、アリーレン基、又はヘテロ−アリーレン基から選択される。これらの混合物もまた、任意の組合せで、例えば下記の組合せで含まれる:
−1個又は複数個のアルキレン基及び1個又は複数個のアリーレン基からなる炭化水素基、
−1個又は複数個のアルキレン基及び1個又は複数個のシクロアルキレン基からなる炭化水素基。
本発明において用語「アルキル基」は、一価の線状の又は分岐している飽和炭化水素基を指す。アルキル基は、オキソ、ヒドロキシ、アルコキシ、カルボキシ、アルデヒド、アミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ニトロ、フルオロ、クロロ、ブロモ、及び/又はヨードから選択される1個又は複数個の官能基で置換することができる。好ましいアルキル基としては、特にメチル(−CH3)、エチル(−CH2CH3)、プロピル(−CH2CH2CH3)、イソプロピル(−CH(−CH32)、ブチル(−CH2CH2CH2CH3)、イソブチル(−CH2CH(−CH3)CH3)、及びtert−ブチルが挙げられる。
本発明において、用語「アルキレン基」は、二価の線状の又は分岐している飽和炭化水素基を指す。アルキレン基は、オキソ、ヒドロキシ、アルコキシ、カルボキシ、アルデヒド、アミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ニトロ、フルオロ、クロロ、ブロモ、及び/及びヨードから選択される1個又は複数個の官能基で置換することができる。更に、R1については、好ましいアルキレン基は、メチレン(−CH2−)、エチレン(−CH2CH2−)、プロピレン(−CH2CH2CH2−)、イソプロピレン(−CH2CH(−CH3)−)、ブチレン(−CH2CH2CH2CH2−)、及びイソブチレン(−CH2CH(−CH3)CH2−)であり、メチレンが最も好ましい。
本発明において、用語「アルケニレン基」は、1個又は複数個のC−C二重結合を特徴とする、二価の線状の又は分岐している炭化水素基を指す。アルケニレン基は、アルキレン基について上記で述べたような1個又は複数個の置換基を特徴とすることができる。
本発明において、用語「アルキニレン基」は、1個又は複数個のC−C三重結合を特徴とする、二価の線状の又は分岐している炭化水素基を指す。アルキニレン基は、アルキレン基について上記で述べたような1個又は複数個の置換基を特徴とすることができる。
本発明において、用語「シクロアルキレン基」は、単環式、二環式、又は三環式炭素環から好ましくは構成されている、二価の飽和又は部分不飽和非芳香族炭素環基を指す。これら環は、縮合させること、又は別の方法で連結させることができる。シクロアルキレン基は、アルキレン基について上記で述べたような1個又は複数個の置換基を含むことができる。
本発明において用語「ヘテロ−シクロアルキレン基」は、単環式、二環式、又は三環式炭素環から好ましくは構成されている、二価の飽和又は部分不飽和非芳香族炭素環基を指す。これら環は、縮合させること、又は別の方法で連結させることができ、また環系中の1個又は複数個の炭素原子が、ヘテロ原子、特に窒素、酸素、又は硫黄によって置き換えられる。ヘテロ−シクロアルキレン基は、アルキレン基について上記で述べたような1個又は複数個の置換基を含むことができる。
本発明において、用語「アリーレン基」は、好ましくは単環式、二環式、又は三環式である二価の環状芳香族基を指す。これら環は、縮合させること、又は別の方法でC−C結合により連結させることができる。幾つかの例は、フェニレン、ナフチレン、ビフェニレン、アントラシレン(anthracylene)、及びフェナントリレン(phenantrylene)である。アリーレン基は、アルキレン基について上記で述べたような1個又は複数個の置換基を有することができる。
本発明において用語「ヘテロ−アリーレン基」は、好ましくは単環式、二環式、又は三環式である二価の環状芳香族基を指す。これら環は、縮合させること、又はそうではなくてC−C結合により連結させることができ、また環系中の1個又は複数個の炭素原子が、ヘテロ原子、特に窒素、酸素、又は硫黄によって置き換えられる。ヘテロ−アリーレン基は、アルキレン基について上記で述べたような1個又は複数個の置換基を有することができる。
一実施形態において本発明は、式(II)
によって表される官能化アルテルナンに関し、式中、
nが、1と約30の間、好ましくは1と約20の間、さらに一層好ましくは1と約10の間の整数であり、
2及びR3が、H、又は1個〜約6個の炭素原子を有する炭化水素基から選択され、
2及びR3は、その−(CHR2−CHR3O)−単位中で同一でも異なっていてもよく、また−(CHR2−CHR3O)−単位中の各R2及びR3は、別の−(CHR2−CHR3O)−単位中の各R2及びR3とは無関係に選択することができ、
4が、1個〜約10個の炭素原子を有する炭化水素基であり、かつ
アルテルナンは、−[CHR2−CHR3O]n4COOH基を1個又は複数個含むことができ、また「アルテルナン」と−[CHR2−CHR3O]n4COOHとの間の酸素原子がエーテル基の酸素であり、換言すれば−[CHR2−CHR3O]n4COOH基が、エーテル架橋を介して「アルテルナン」と結合している。
この実施形態では上記の式(I)で定義したR1基が、−[CHR2−CHR3O]n4−基に対応する。
この「アルテルナン」と−[CHR2−CHR3O]n4COOH基の間の酸素は、まだヒドロキシ基のところで官能化も化学的な修飾もされていないアルテルナン、例えばアルテルナン前駆体のそのヒドロキシ基由来の酸素である。したがって−[CHR2−CHR3O]n4COOH基は、この酸素を介してアルテルナン骨格と、換言すればアルテルナン多糖の骨格と結合している。
2は、特に水素、アルキル基、又はフェニル基から選択することができる。好ましくは、R2はC1〜C4アルキル又は水素であり、更に一層好ましくはメチル基、エチル基、又は水素であり、そして最も好ましくはメチル基又は水素である。これらのR2を、任意のnの値と組み合わせることができる。
3は、特に水素、アルキル基、又はフェニル基から選択することができる。好ましくはR3は、C1〜C4アルキル又は水素であり、更に一層好ましくはメチル基、エチル基、又は水素であり、そして最も好ましくはメチル基又は水素である。これらのR3を、任意のnの値と組み合わせることができる。
任意のnの値と組み合わせることができる実施形態では、R2は水素であり、かつR3は水素、メチル、又はエチル、最も好ましくは水素又はメチルである。
任意のnの値と組み合わせることができる実施形態では、R3は水素であり、かつR2はメチル、又はエチル、最も好ましくはメチルである。
2およびR3の任意の上記別形と組み合わせることができる実施形態ではR4は、アルキレン基、好ましくはメチレン(−CH2−)、エチレン(−CH2CH2−)、プロピレン(−CH2CH2CH2−)、イソプロピレン(−CH2CH(−CH3)−)、ブチレン(−CH2CH2CH2CH2−)、又はイソブチレン(−CH2CH(−CH3)CH2−)であり、メチレンが最も好ましい。
別の実施形態では、追加として、換言すれば式(I)及び式(II)に示すカルボキシ官能化された基に加えて、式(III)
の1個又は複数個の基を含む官能化アルテルナンを提供する。式中、
式(III)の基が、エーテル架橋を介してアルテルナン多糖と結合しており、
nが、1〜約30、好ましくは1〜約20、更に一層好ましくは1〜約10の整数であり、
2及びR3が、H、又は1個〜約6個の炭素原子を有する炭化水素基から選択され、
2及びR3は、その−(CHR2−CHR3O)−単位中で同一でも異なっていてもよく、また−(CHR2−CHR3O)−単位中の各R2及びR3は、別の−(CHR2−CHR3O)−単位中の各R2及びR3とは無関係に選択することができる。
エーテル架橋を介する接合とは、式(III)の基がアルテルナンの酸素と結合することを意味する。この酸素は、まだヒドロキシ基のところで官能化されていないアルテルナン、例えばアルテルナン前駆体のそのヒドロキシ基に由来する。従って、式(III)の基は、この酸素を介してアルテルナン骨格と、換言すればアルテルナン多糖の骨格と結合している。従って、式(III)の基の「アルテルナン」との接合は、式(II)の構造に類似している。
式(III)中の基R2及びR3はまた、特別な実施形態に関するものを含めて、具体的には式(II)中で先に述べたものと同じ意味を有する。
一実施形態は、分子の重合度(DP)が、主として又は排他的に、少なくとも10、好ましくは少なくとも100、又は少なくとも1000、又は少なくとも1000、又は少なくとも10000、又は少なくとも100000、更に一層好ましくは少なくとも150000である官能化アルテルナンを提供する。好ましい定義では、用語「主として」とは、指定された最小DPを有するアルテルナン分子の割合が、全アルテルナン分子の総重量を基準にして95重量%を超える濃度、又はより好ましくは97重量%を超える、又は一層好ましくは99重量%を超える濃度を有することを意味する。
以前の及び更なる実施形態と組み合わせることができる特別な実施形態において、官能化アルテルナンの平均モル質量Mwは、3,000g/モル〜60,000,000g/モル、又はより好ましくは5,000g/モル〜60,000,000g/モル、10,000g/モル〜60,000,000g/モル、若しくは20,000g/モル〜60,000,000g/モル、又は最も好ましくは50,000g/モル〜60,000,000g/モル、100,000g/モル〜60,000,000g/モル、若しくは500,000g/モル〜60,000,000g/モルの範囲である。他の範囲は、1,000,000g/モル〜60,000,000g/モル、5,000,000g/モル〜60,000,000g/モル、及び10,000,000g/モル〜60,000,000g/モルである。
別の好ましい実施形態では、その官能化アルテルナンの平均モル質量Mwは、12,000,000g/モル〜30,000,000g/モル、より好ましくは14,000,000g/モル〜28,000,000g/モル、更に一層好ましくは16,000,000g/モル〜26,000,000g/モルg/モル、最も好ましくは19,000,000g/モル〜23,000,000g/モルの範囲である。このMwを有する非官能化アルテルナン前駆体は、切り詰められたアルテルナンスクラーゼを使用して生成させることができる。切り詰められたアルテルナンスクラーゼ、この型の特殊アルテルナンの生産方法、及びアルテルナン自体は、国際出願PCT/EP2008/051760号パンフレット(これは本明細書に明示的に参照される)中に記載されている。
平均モル質量(Mw)の決定方法は当業者に知られており、例えばGPC(ゲル透過クロマトグラフィー)を示差屈折計及びMALLS(多角度光散乱検出器)等の対応する検出方法と組み合わせて使用する測定方法が挙げられる。本発明と関連してGPC−MALLSを使用してモル質量分布(MMD)及び平均モル質量(Mw)を決定するための好ましい方法については「一般的方法」の章で述べる。
本発明の更なる実施形態は、アルテルナン中のカルボキシ官能化ヒドロキシル基の平均数が、各アンヒドログルコース単位について0.01〜3、又は0.02〜3、好ましくは0.04〜3である官能化アルテルナンについて述べる。
別の実施形態ではアルテルナン中のカルボキシ官能化ヒドロキシル基の平均数が、各アンヒドログルコース単位について0.05〜3、好ましくは0.05〜2、より好ましくは0.05〜1、若しくは0.05〜0.5、又は最も好ましくは0.05〜0.4、若しくは0.05〜0.3、若しくは0.05〜0.2、若しくは0.05〜0.1である。このような値は、例えばカルボキシ官能化アルテルナンを、反応媒体としてアルコールを使用して下記に述べる手順に従って生成する場合に達成される。特に、その場合には0.055〜3、好ましくは0.055〜2、更に一層好ましくは0.055〜1、又は0.055〜0.5、最も好ましくは0.055〜0.3、又は0.055〜0.2、又は0.055〜0.1の範囲の値が得られる。
別の実施形態ではアルテルナン中のカルボキシ官能化ヒドロキシル基の平均数は、各アンヒドログルコース単位について0.5超3以下、好ましくは0.55〜3、又は0.6超3以下、特に0.65〜3である。
まだ官能化されていないアルテルナンのヒドロキシル基におけるカルボキシ官能化の型を、式(I)及び(II)を使用し、例によって記述する。式(I)では、「アルテルナン」と、「R1COOH」として表される基との間の酸素は、まだヒドロキシル基のところで官能化されていないアルテルナン(例えばアルテルナン前駆体)のそのヒドロキシル基に由来する。式(II)では、「アルテルナン」と、−[CHR2−CHR3O]n4COOH基として表される基との間の酸素は、まだヒドロキシ基のところで官能化されていないアルテルナンのそのヒドロキシル基由来の酸素である。式(I)及び(II)を用いて示される官能化の場合、アルテルナンのヒドロキシ基が、エーテル架橋−O−に変わり、そして官能性カルボキシル基が、式(I)及び(II)で示されるように様々な中間構造体を用いてそれと結合する。これは、「ヒドロキシル基におけるカルボキシ官能化」として表される。式(I)及び(II)の構造から外れたカルボキシ官能化の更なる型も可能である。
アンヒドログルコース単位当たりのアルテルナンの官能化ヒドロキシル基の平均数はまた、「置換度」として知られ、「DS」と省略される。各アンヒドログルコース単位は、最大3個の利用できる遊離ヒドロキシル基を有し、従って、そのDSは、3個すべてのヒドロキシル基が置換され、かつ鎖に沿ってモノマー間で違いがない場合、3の最高値であることができる。前述のDS範囲のすべてを、官能化アルテルナンの前述のモル質量範囲及びDP範囲のすべてと、いろいろ違った方法で組み合わせることができる。
前述のDS範囲のすべてを、官能化アルテルナンの前述のモル重量範囲及びDP範囲のすべてと、いろいろ違った方法で組み合わせることができる。
本発明では、上記で示したような高いMwと、様々な指定された上限までの高いDS、特に0.05以上のDSとの組合せを特徴とするカルボキシ官能化アルテルナンを生産することができる。そのような製品は、液体反応媒体がアルコールであることを主に特徴とする方法によって得ることができる。
一実施形態では官能化アルテルナンは架橋されている。架橋は、可逆的又は不可逆的、例えば物理的又は化学的架橋、好ましくは化学的架橋であることができる。一連の薬品及び方法が、アルテルナンにおけるヒドロキシル基の可逆的又は不可逆的架橋に適している。架橋剤は、官能化され架橋されたアルテルナンの生産方法を使用して下記で説明する。
好ましくは、この官能化アルテルナンは水溶性である。具体的には、用語「水溶性」とは、5重量%まで、好ましくは7重量%まで、又はそれ以上の水溶性を意味する。驚くべきことに、上記で得られる置換度の場合、その製品はそのDS値及び濃度に応じて一定の粘度を有する水溶液又はゲルを形成することが分かった。国際公開第0047628号パンフレットは、これらの置換度を有する誘導体化多糖が不溶性であると記載しているので、この特性は驚くべきである。自由流動性溶液に適用可能な濃度を制限するほどの比較的高いDS値でヒドロゲルを作り出すことができる。
更に、この得られた官能化アルテルナンは、好ましくはミクロ構造でない。特に、この官能化アルテルナンはミクロフィブリルではない、換言すればそれはミクロフィブリルを特徴としない。用語「ミクロフィブリル」は、セルロース及び誘導体化セルロースを使用する国際公開第0047628号パンフレットに記載されている構造を指す。国際公開第0047628号パンフレットのp.11、I.5〜15では、ミクロフィブリルを、小さな直径、及び長さの直径に対する高い比を有し、かつ天然セルロースのミクロフィブリルと同等の寸法を有する部分構造と定義している。例として、それは約20〜約100nmの直径、及び100、500、又は1000を超えるような高い長さの直径に対する比を有するミクロフィブリルについて述べている。天然セルロースのミクロフィブリルは、国際公開第0047628号パンフレット中ではアモルファス構造のマトリックス内で平行に伸びている束として記述されている(国際公開第0047628号パンフレットのp.10、I.25〜p.11、I.4.これは本明細書に明示的に参照される)。
また、国際公開第0047628号パンフレットのp.11に記載されているような以前から知られているセルロースの紡糸技術を使用して、本発明の官能化アルテルナンをミクロフィブリル又は繊維の状態にすることはできない。実験は、溶解した官能化アルテルナンが紡糸ノズルから現れて沈殿槽に入るとき、それがフィラメントに凝固しないことを示した。
別の実施形態では、官能化アルテルナンは、環状アルテルナン分子でなく、非環状アルテルナン分子のみであること、換言すれば自己完結的でない鎖のみであることを特徴とする。
さらに別の実施形態では官能化アルテルナンは、非環状アルテルナン分子を主に特徴とする。
別の態様において本発明は、カルボキシ基でアルテルナンを官能化する方法に関する。この方法は、主に若しくは専ら水を含むか、又は主に若しくは専らアルコールを含む液体反応媒体中で、アルテルナンを、アルカリ成分を加えることによって、カルボキシ基を含む官能化剤と反応させる。
主に又は専らアルコールのみを含む、液体反応媒体を使用することが特に好ましい。このような方法、又はその特殊な実施形態は、特に次の利益をもたらす。すなわち、純粋に水性のアルカリ性反応媒体を使用する系と比べて、より高い置換度及び試薬収率が得られる。必要な官能化剤の量を制限することができる。換言すれば、比較的高いDS値を達成するために比較的少ない官能化剤が必要である。高いDSは、その官能化アルテルナンを金属錯体又は単体を形成するために使用することになる場合に有利である。
純粋に水性の媒体では、温度60℃における24時間の長い反応時間によってもなお、得られた試薬収率は10%未満であり、したがって試薬過剰分を増やさない場合、0.05未満のDS値が得られるに過ぎなかった。
液体反応媒体が主にアルコールを含む場合、それは50体積%超、より好ましくは60体積%超、又は70体積%超、又は80体積%超、最も好ましくは90体積%超の体積比を意味する。追加の液体成分としては、、特に下記に述べるように触媒として働く水性アルカリがアルカリ成分として加えられる場合には、例えば一部の水が存在してもよい。特に、反応媒体は、上記体積%のアルコールを含むアルコール−水混合物である。
この脈絡での用語「アルテルナン」は、本発明の脈絡において「アルテルナン前駆体」とも呼ばれる、まだ官能化されていないアルテルナンを指す。好ましくは、まだ官能化されていないアルテルナンのモル質量は、官能化アルテルナンの説明において上記で特定したような平均モル質量Mwを有する官能化アルテルナンが得られるように選択される。
実施形態におけるアルコールは、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、若しくはイソブタノール、又はこれらの任意の組合せから選択される。
本発明の脈絡における触媒としてのアルカリ成分は、水酸化物イオン(OH−)を含有するか、又はそれを反応混合物に加えるとすぐに水酸化物イオンを生成する物質であることを理解されたい。塩基、炭酸塩、及びアルカリ土類酸化物が含まれる。触媒は、液体、固体、又は気体状であることができる。好ましくは液体アルカリ成分が使用される。
一実施形態では、アルカリ成分は、アルカリ若しくはアルカリ土類水酸化物の水溶液若しくは水懸濁液、又はアルカリ土類酸化物の水溶液若しくは水懸濁液である。水酸化物は、好ましくは水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム、及び水酸化カルシウムから選択され、そのアルカリ成分は、好ましくは水性水酸化ナトリウム若しくは水性水酸化カリウム、又は水に溶かした酸化カルシウムである。
この方法は、
a)アルカリ性水性媒体中にアルテルナンを溶解し、かつ/又は懸濁させる工程(アルテルナンは膨潤し、一部溶解する)、
b)アルコール、例えばエタノールを、好ましくは撹拌しながら加えて、アルカリ化したアルテルナンの膨潤を逆行させる工程、
c)又はa)及びb)の別法として、アルテルナンをアルカリ性のアルコール、例えばエタノール中に直接懸濁させる工程、
d)又はa)、b)、及びc)の別法として、アルテルナンをアルコール、例えばエタノール中に懸濁させ、そしてアルカリを、例えば液体若しくは乾燥形態で加える工程、
e)官能化剤を、好ましくは撹拌しながら加える工程、
f)反応温度まで加熱し、そして好ましくはその合成温度を一定に保ちながら、好ましくは撹拌しながら反応を遂行させる工程
で行うことができる。
次に、
g)冷却によって、そして好ましくは追加のアルコール、例えばエタノールを加えることによって合成を終わらせる工程、
h)このアルテルナンを分離する工程
を行うことができる。
さらに、再処理及び洗浄の工程、すなわち
i)このアルテルナン生成物を、好ましくはアルコール/水混合物、例えばMeOH/水(例えば8:2v/v)中に懸濁させる工程、
j)中性又は中性に近いpH値を、例えば氷酢酸で設定する工程、
k)その生成物を、例えばアルコール/水混合物及び/又はアルコール中で、特にMeOH/水(例えば8:2v/v)、次いでメタノールで洗浄する工程、
l)乾燥、例えば真空乾燥する工程
を行うことができる。
工程a)が溶液を生成するか、又は懸濁液を生成するかは、その非官能化アルテルナンの濃度によって決まり、これはとりわけそのモル質量によって決まる。好ましくは膨潤懸濁液が生成される。
この方法は、好ましくは標準圧、換言すれば周囲圧力下で行われる。
この方法を行うための設備は、専用装置に限定されない。一般には、カルボキシメチルセルロースの生産にもまた使用される反応器を使用することができる。幾つかの例は、撹拌槽反応器、栓流反応器、及びニーダーである。
この方法は、好ましくは10℃と80℃の間の温度、特にアルコール、特にエタノール又は(イソ)プロパノールが使用される場合には、好ましくは20〜70℃で行われる。エタノールについては、その好ましい温度は20℃〜70℃、さらに一層好ましくは20℃〜40℃である。標準圧における最高温度は、使用されるアルコールの沸騰温度によって決められ、選択される最高温度は、好ましくはこの沸騰温度よりも低い。
式(I)の化合物を得るためには非官能化アルテルナンを、式(IV)
(式中、R1は上記で式(I)において述べたものと同じ意味を有し、かつXはハロゲン原子、特に塩素、臭素、又はヨウ素である)を有する官能化剤と反応させることができる。特に好ましい官能化剤は、モノクロル酢酸及びブロモ酢酸(bromine aceticacid)、又はこれらの塩、例えばアルカリ金属塩である。これらの薬品との反応により、式(I)の場合と同様に、R1がメチレンである官能化アルテルナンを生成することができる。
下記は、非官能化アルテルナン又はカルボキシ基で官能化されているアルテルナンを、1種又は複数種のエポキシ化合物と反応させる別形の方法について述べる。
別形の第一の方法では、非官能化アルテルナンをまず、好ましくは式(V)
(式中、R2及びR3は、式(II)で上記に示したのと同様に定義される)を有する1種又は複数種のエポキシ化合物と反応させる。式(V)の好ましい化合物は、エチレンオキシド及びプロピレンオキシドである。その結果は、官能化された基として式(III)
(式中、nは1〜30、好ましくは1〜約20、さらに一層好ましくは1〜約10の整数である)の1個又は複数個の基を含むアルテルナンである。その後、この生成物を、式(VI)
(式中、R4は、1〜約10個の炭素原子を有する炭化水素基、好ましくはメチレン基であり、かつXはハロゲン原子、特に塩素、臭素、又はヨウ素である)の化合物と反応させることができる。この生成物は、式(II)
(式中、アルテルナンには1個又は複数個の−[CHR2−CHR3O]n4COOH基が存在することができる)の構造を含む化合物である。
式(VI)の化合物は、式(III)の基中に存在する末端OH基と反応することができる。この転換は完全である必要はない。不完全転換の場合、その結果は、式(II)の構造及び式(III)の基を特徴とする官能化アルテルナンである。転換度は、試薬量及び反応条件を使用して調整することができる。
更に、式(VI)の化合物はまた、アルテルナン骨格で直接見つけることができる、遊離の官能化されていないOH基、換言すれば式(III)の基で以前に官能化されなかったOH基と反応することができる。この場合、式(VII)
の構造もまた得られる。
この方法の第二のバージョンでは、式(I)
の構造を有する、すでにカルボキシ基官能化されているアルテルナンを、1種のエポキシ化合物又は複数種の異なるエポキシ化合物、好ましくは式(V)
を有するエポキシ化合物と反応させる。その結果は、式(I)の構造及び上記式(III)の基を特徴とするカルボキシ官能化アルテルナンである。
異なる順序の反応工程を使用する追加の別形の方法もまた可能である。
この方法で使用する物質のモル比は、所望の結果に応じて選択される。特に、アルテルナンモノマー(アンヒドログルコース)及び官能化剤のモル比を所望の置換度に調整する。
例えば下記のモル比、すなわち、1:0.01〜1:5、好ましくは1:0.1〜1:2のアルテルナンモノマー(アンヒドログルコース):官能化剤の比を使用することができる。アルテルナンモノマー(アンヒドログルコース):アルカリ成分中の水酸化物イオンの比は、カルボキシメチルセルロースの生産ですでに知られているように選択することができる。典型的な範囲は1:0.1〜1:2である。
この方法では、官能化アルテルナンを架橋することもでき、又はアルテルナンをまず架橋し、次いで官能化することもできる。第一の選択肢が好ましい。従って、この方法は、一実施形態において架橋のステップを含む。
架橋は、例えば下記の架橋剤、すなわち
(i)低分子量のアルデヒド、ケトン、及び酸化体、例えばホルムアルデヒド、グリオキサ−ル、ピルビン酸、又はグルタルアルデヒド、
(ii)有機多塩基酸の塩化物、例えばコハク酸、グルタル酸、クエン酸、アジピン酸、リンゴ酸、マロン酸、酒石酸の塩化物及びそれらの誘導体、
(iii)無機架橋剤、例えば無機多塩基酸、次亜塩素酸アルカリ(アルカリ性環境中でCl2を含む)、塩化カルボニル、オキシ塩化リン、ポリリン酸塩、トリメタリン酸アルカリ、多官能シラン、
(iv)エポキシ化合物、それらの誘導体並びに反応性オリゴマー及びポリマー、例えばエピクロルヒドリン、エピクロルヒドリン誘導体、例えば単官能性及び多官能性グリシジルエーテル、ハロゲン化エポキシ、置換エポキシ、ポリエポキシド、ジハロゲン化脂肪族、置換ポリエチレングリコール、例えばジグリコールジクロリド、
(v)さらに反応して、例えばラジカル結合により、又は二重結合による重合により架橋部位を形成することができるグラフト剤(幾つかの例は、アクリル酸化合物、置換アクリラート、ビニル基を含有する化合物、アルデヒド−アミド縮合物である)
を使用する化学的架橋であることができる。
別形では、架橋は物理的に、例えば
(i)融解を含めた(水なしの)熱プロセス、
(ii)熱水プロセス(熱/水分による処理)、
(iii)混合、
(iv)凍結/解凍プロセス
により作り出される。
別の態様において、本発明は、前述の官能化アルテルナンを含む組成物、特に化粧組成物、医薬組成物、創傷保護剤、超音波ゲル、コーティング剤、清浄若しくは洗濯用添加剤、紡織繊維用サイズ剤、単体生成剤(simplex creator)、紙処理剤若しくは紙製造剤、水処理剤、掘削液食品、食品添加剤、吸着剤、生物致死剤、カプセル材料、農業用組成物、錯化剤、乳化剤、界面活性剤、粘度調整剤、結合剤、接着剤、保護コロイド、分散剤、イオン交換剤、水軟化剤、凝固剤、乾燥添加剤、結露防止添加剤、又は掘削添加剤に関する。更に、本発明は、このような組成物における、又はこのような組成物の製造のための官能化アルテルナンの使用法に関する。これはまた、前述の用途における主成分又は単独物質としての官能化アルテルナン多糖の使用法を含む。
乾燥添加剤及び結露防止添加剤という用語は、官能化アルテルナン多糖を乾燥剤又は結露防止剤に追加成分として加えることを意味する。この混合物において官能化アルテルナン多糖はまた、例えば水を吸収した乾燥剤を増粘させるための粘度調整剤としても働くことができる。
好ましくは、本明細書中で「食品」とも呼ばれる本発明の食料品は、本発明の官能化アルテルナンと、栄養のために人々が摂取する(少なくとも)1種の物質とを含有する組成物である。人々が栄養のために摂取する物質としては、繊維、ミネラル、水、炭水化物、タンパク質、脂質、ビタミン類、植物の二次代謝物質(secondary plant materials)、微量元素、芳香剤、香味料、及び/又は食品添加物が挙げられる。
本発明の化粧組成物は、好ましくは、本発明のアルテルナンと、INCIの命名(INCI:化粧品原料の国際命名法)の中に列挙されている成分の1種又は複数種とを含有する組成物であるべきである。このINCIの命名による成分については、他にもあるが「International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook」(第11版、2006年1月、出版社:CTFA、ISBN:1882621360)で出版されている。化粧組成物は、具体的にはクリーム、ジェル、セッケン、及びペースト等の製品、液体洗剤及び介護用品、泡安定剤、並びに衛生用製品における吸収剤のための増粘剤と関係がある。
本発明の医薬組成物は、好ましくは、本発明の官能化アルテルナンと、液体、ジェル、ペースト、フィルム、錠剤、又は徐放性システムの状態の(少なくとも)1種の薬理学的に有効な物質とを含有する組成物である。
医薬組成物における官能化アルテルナンの一つの特殊な用途は、1種又は複数種の治療有効成分用のカプセル材料として使用である。
医薬組成物において、官能化アルテルナンはまた、治療有効成分として存在することもできる。
カプセル材料として、官能化アルテルナンは、一般に他の物質又は生体を構成する物質、特に生細胞のカプセル化のために使用することができる。
特に、本発明の官能化アルテルナンは、比較的低濃度で粘度を与え、そしてゲルを形成することによって、確かな増粘性能を必要とする食品/食品組成物に使用するのに適していることができる。したがって、これらを、(例えば、乳製品、焼き菓子、飲料、デザート、ジャム、ソース、プディング、腸詰製品、キャンデー、半調理済みおよび完全調理済み食品等における)製造及び生産処理において粘度調整剤又はゲル化剤として使用することができる。本発明の官能化アルテルナンは濁りをほとんど又は全く示さないので、それらは透明に見えるはずの、又は透明に見えなければならない食品に使用するのに特に適している。本発明の官能化アルテルナンの安定化効果及び/又は乳化活性は、それらを親水性成分だけでなく親油性成分(例えば脂質)を含む食品に使用するのに特に適したものにする。
化粧及び医薬組成物の場合、本発明の官能化アルテルナンの粘度付与特性並びにそれらのエマルション安定化及び/又は乳化特性は、特に重要である。従って、それらは、チンキ剤、クリーム、ローション、軟膏、日焼け止め剤、化粧品、練り歯磨き、ボディケア製品及び頭髪用化粧品等の成分であることができる。本発明の官能化アルテルナンは、様々なゲルを形成することができるので、それらはまたヒドロゲルの製造に特によく適している。医薬化合物の場合、本発明の官能化アルテルナンは崩壊剤として、例えば錠剤において使用することができる。
更に別の態様において、本発明は、上記官能化アルテルナンを、化粧組成物、医薬組成物、創傷保護剤、超音波ゲル、コーティング剤、清浄若しくは洗濯用添加剤、紡織繊維用サイズ剤、単体生成剤、紙製造若しくは紙処理剤、水処理剤、掘削液、食料品、食品添加剤、吸着剤、生物致死剤、カプセル材料、農業用組成物、錯化剤、乳化剤、界面活性剤、粘度調整剤、結合剤、接着剤、保護コロイド、分散剤、イオン交換剤、水軟化剤、凝固剤、乾燥添加剤、結露防止添加剤、若しくは掘削添加剤における単独成分として、又は任意選択で更なる成分と併せて使用することにも関する。
これらの用途において官能化アルテルナンは、単独で、又は他の成分と組み合わせて使用することができる。例えば、官能化アルテルナンはそれ自体、創傷保護剤、食品添加剤、コーティング剤、結合剤、紙製造剤若しくは紙処理剤、水処理剤、生物致死剤、カプセル材料、錯化剤、乳化剤、界面活性剤、粘度調整剤、結合剤、接着剤、保護コロイド、分散剤、イオン交換剤、水軟化剤、凝固剤、乾燥添加剤、結露防止添加剤、紡織繊維用サイズ剤、単体生成剤、又は掘削添加剤として使用することができる。
様々なDS値を有するカルボキシメチルアルテルナンのモル質量分布を示す図である。 水溶液の状態のカルボキシメチルアルテルナンの流動挙動を、対応する水溶液の状態の非官能化アルテルナン前駆体と比較した図である。 水溶液の状態のカルボキシメチルアルテルナンの動的レオロジーに関する周波数掃引を、対応する非官能化アルテルナン前駆体と比較した図である。
本発明を下記の実施例を使用して記述する。
a.一般的方法
(1)アルテルナンの生成
アルテルナンは、アルテルナンスクラーゼ酵素を使用して生成することができる。アルテルナンスクラーゼ酵素は、当業者に知られている手順を使用する様々な方法で生成することができる。リゥコノストック・メゼンテロイデス(Leuconostoc mesenteroides)種由来の細菌株を使用するアルテルナンスクラーゼ及びアルテルナンの産生については、とりわけReamakers等の論文(1997、J.Chem.Tech.Biotechnol.69,470〜478)及び国際公開第2006 088884号パンフレット(特に実施例1参照)に記載されている。しかしながら、アルテルナンスクラーゼ酵素の産生のためにリゥコノストック・メゼンテロイデス(Leuconostoc mesenteroides)細菌株を使用する方法は、これらの株が他のスクラーゼ、特にデキストランスクラーゼもまた産生するという欠点を有する。これまでは、これらの他のスクラーゼをアルテルナンスクラーゼから分離することはできなかった。従って、それらは様々な酵素の混合物である。従って、この型の酵素混合物を使用して生成されるアルテルナンもまた、アルテルナンに加えて少量のデキストランを含有する。従って、純粋のアルテルナンを生成させるためには、組換え生物を使用してアルテルナンスクラーゼを産生させる方法が好ましい。
組換え生物を使用してアルテルナンスクラーゼを産生させる方法、及びこの方法で産生される酵素を使用してアルテルナン生成する方法については、中でも国際公開第2000 47727号パンフレット、米国特許出願公開第2003 229923号明細書(特に実施例2、5、及び8参照)、及びJoucla等の論文(2006、FEBS Letters 580,763〜768)に記載されている。
(2)置換度(DS)の決定
DS値は、アルテルナンのカルボキシメチル基の対イオンナトリウム+に基づいて決定される。濃硝酸を加え、そしてマイクロ波で壊変してからカルボキシメチル化アルテルナンを希薄水溶液に変えた。誘導結合プラズマを用いた発光分析(ICP−OES)を使用してNa+を同定し、定量化した。
(3)GPC−MALLSを用いたモル質量分布の決定
多角度光散乱検出器とゲル透過クロマトグラフィとを組み合わせて用いてモル質量分布を決定するため、下記の装置及び条件を使用した。
1.装置
Polymer Laboratoriesから入手したGel chromatograph PL120
Waters Autosampler 717
Wyatt Technology Santa Barbaraから入手したDAWN EOS光散乱検出器(λ0=690nm及び14.9〜162.9oの角度範囲内の16個の検出器、並びにK5フロースルーセルを有する)
Watersから入手した屈折率検出器410
2.カラム
PSS Mainzから入手したSUPREMAゲル
プレカラム
Column S100(分離範囲300〜104を有する)
Column S1000(分離範囲5×104〜2×106を有する)
Column S30000(分離範囲106〜108を有する)
これらを直列に連結した。
3.溶離
溶離液0.2m NaNO3、流量0.8mL/分、温度35℃、注入量100μL
4.溶液
試料を、水に室温で24時間、そして95℃で1時間溶解して0.2%水溶液にし、そして5μm膜フィルターを使用して濾過した。
5.分析
光散乱データをASTRA Software 4.90.08を使用して分析した。
(4)レオロジーの特性評価
1.レオメーター
使用したレオメーターは、Malvernから入手したKinexusであった。この装置は下記の仕様を有する。
測定システム:プレート−プレート、コーンプレート、共軸円筒、ダブルギャップ
トルク範囲:0.05μNm〜200mNm(0.1nNmのトルク刻み)
周波数領域:1μHz〜150Hz
温度範囲:−40〜200℃(0.01℃刻み)
2.溶液の生成
カルボキシメチルアルテルナン水溶液を、その濃度のためのそれぞれの量比で脱イオン水中に室温で60分間撹拌した。
3.流動挙動の測定
粘度は、溶液が生成された直後にコーンプレート測定システムで、せん断速度に基づいて測定した。
4.動的レオロジー
周波数又は歪みに基づいて貯蔵弾性率(G’)と損失弾性率(G”)、及び/又は弾性と粘性の比を測定することによって、溶液若しくは分散液、ゲル、又は固形物の構造を測定するため、動的レオロジーが使用される。この方法を使用して周波数に応じたG’及びG”を測定し、そしてその測定データの結果に基づいて非置換アルテルナンと比較したそれぞれの濃度における水中でのカルボキシメチルアルテルナンの構造を評価した。選択された周波数範囲は、0.1〜10Hzの間であった。
5.レオロジー測定の実行
測定システム:コーンプレート測定システム
水溶液の濃度:3〜10%
温度:25℃
レオロジー特性評価の方法は、
(i)1秒と100秒-1の間のせん断速度範囲の流動挙動
(ii)1〜10Hzの周波数掃引
であった。
b.実施例
(1)アルテルナンのカルボキシメチル化
緒言:アルテルナンとセルロース又はデンプンの間の物理的特徴の主な違いは、アルテルナンが水溶性であること、及びアルカリ中でセルロース又はデンプンよりも高い膨潤能力を有することである。これは、反応媒体における適用できる材料密度に影響を与えた。予備実験では、純粋な水性環境での合成条件が所望の置換度を生み出さないこと、並びにアルテルナンの溶液構造の変更、及び温度及び時間の観点からの誘導体化の設計に加えて、アルテルナンの試薬に対する濃度比及びアルカリ化量を検討しなければならないことが示された。
(1.1)DS 0.01を有するカルボキシメチルアルテルナンの合成
化学薬品:
(i)3.875mLの50%NaOH
(ii)3.5gのモノクロル酢酸
手順:
(i)アルテルナン水溶液を作製する、すなわちアンカー型攪拌装置を備えた反応器に447.4gのH2Oを入れ、52.6gのアルテルナンを加えて150回転/分でゆっくり撹拌し、その分散液を撹拌しながら90℃に加熱し、90℃で2時間撹拌し、
(ii)500mLのParr反応器に300gのアルテルナン溶液を入れ、
(iii)撹拌しながら3.875mLの50%NaOHを一滴ずつ加え、
(iv)撹拌しながら3.5gのモノクロル酢酸を室温で一滴ずつ加え、
(v)撹拌しながら60℃に加熱し、150回転/分で60℃で24時間撹拌し、
(vi)撹拌しながら冷却し、
(vii)HClで中和し、
(viii)エタノールで沈殿させ、吸込フィルターにより取り出し、
(ix)エタノール/水(40:20v/v)で洗浄し、
(x)真空乾燥する。
(1.2)0.27超のDSを有するカルボキシメチルアルテルナンの合成
化学薬品:
(i)300mLのエタノール
(ii)27.04mLの11.5m NaOH(100mLのエタノールに溶解させた)
(iii)16.07gのモノクロル酢酸
手順:
(i)42.04g(乾燥状態で40.0g)のアルテルナンを180mLのエタノール中に懸濁させ、
(ii)撹拌しながらエタノールにNaOHを加え、
(iii)撹拌しながらモノクロル酢酸を室温で一滴ずつ加え、
(iv)撹拌しながら70℃に加熱し、70℃で1時間撹拌し、
(v)撹拌しながら冷却し、
(vi)HClで中和し、
(vii)エタノール/水(4:1v/v)で洗浄し、
(viii)真空乾燥する。
(2)水溶液の作製
このカルボキシメチル化アルテルナンを使用して、室温及び95℃で1%水溶液を生成した。これら溶液は均質であり、沈降をほとんど示さなかったが、それらは透明度の点で異なっていた。透明度の違いは、波長650nmにおける分光測定を使用して初期試料との比較で測定した。下記の表は、測定データの概要を示す。透明度は、置換によって顕著に向上した。
(3)分子特性評価
図1は、様々なカルボキシル化アルテルナンのモル質量分布を示す。0.1超のDS範囲のカルボキシルメチル化で多量の試薬及びアルカリ化剤を使用した場合、明白な分子の分解が生じた。
(4)レオロジー特性評価
カルボキシル化アルテルナンは、せん断速度に基づく、また溶液構造の動的レオロジーを用いた流動挙動の点で特徴付けられた。
カルボキシルメチル化は、10%水溶液を生成させて測定することがもはや不可能であり、かつその濃度を3%まで下げなければならないような強い粘度を作るアルテルナン誘導体を生じさせた。それら粘度は10%アルテルナン溶液の数倍高かった(図2)。G’(貯蔵弾性率)及びG”(損失弾性率)の値もまた増加した。G’(貯蔵弾性率)及びG”(損失弾性率)は、周波数依存性をほとんど示さなかった。貯蔵弾性率は、損失弾性率よりもずっと高い値を示しており(図3)、このことは、ゲル状態の証拠である。高いモル質量を有するイオン性アルテルナンエーテルは、比較的低い置換度でヒドロゲル形成の特徴を示し、これは驚くべきことであった。ゲルは、分子間のH架橋を介する立体規則性結合帯域ではなく、巨大分子の絡み合いにより形成される。
(5)紡糸実験
下記は、アルテルナンの10%及び12.5%水溶液によるフィラメント形成の検討結果である。
これら溶液は、ノズルを通して変性エタノールを入れた凝固浴中に押し出すことができた。その凝固能を0℃、室温、及び70℃で調べた。アルテルナン溶液がノズルから現れる時、それらは紐を形成するのではなくて、むしろ滴を形成し、それらは検討されたすべての温度において、凝固浴中で細かい白色の沈殿を形成した。
更なる実験において濃厚アルテルナン溶液を押し出した。この方法では、溶液は、まず凝固浴中に直接導入される無色の紐を形成した。この紐は、脱水によって白色に変わり、そして崩壊して小さな粒子になった。この紐は機械的安定性を有しなかった。凝固媒体の温度は、紐の安定性に有意な影響を与えなかった。
アルテルナンでフィブリル構造を作り出すことはできなかった。

Claims (15)

  1. 官能基としてカルボキシ基を具備しており、式(I)
    の構造を具備しており、式中、
    1は、1個〜約100個の炭素原子を有する炭化水素基であり、前記基が1個又は複数個のヘテロ原子を含むことができ、かつ前記アルテルナンが、1個又は複数個の前記−R1−COOH基を含むことができ、かつ前記−R1−COOH基のうちの1個又は複数個が、脱プロトン化して−R1−COO-となることができ、かつ式(I)中の「アルテルナン」とR1の間の酸素が、エーテル基の酸素である、
    官能化アルテルナン多糖。
  2. 式(II)
    の構造を具備しており、式中、
    nが、1と約30の間の整数であり、
    2及びR3が、H、又は1個〜約6個の炭素原子を有する炭化水素基から選択され、R2及びR3が、前記−(CHR2−CHR3O)−単位中で同一又は異なる意味を有することができ、かつ−(CHR2−CHR3O)−単位中の各R2及びR3が、別の−(CHR2−CHR3O)−単位中の各R2及びR3とは無関係に選択することができ、
    4が、1個〜約10個の炭素原子を有する炭化水素基であり、
    前記アルテルナンが、前記−[CHR2−CHR3O]n4COOH基を1個又は複数個含むことができ、1個又は複数個の前記基が様々なnの数を示すことができ、かつ前記−[CHR2−CHR3O]n4COOH基のうちの1個又は複数個を脱プロトン化して−[CHR2−CHR3O]n4COO-にすることができる、
    請求項1に記載の官能化アルテルナン多糖。
  3. 1及び/又はR4が、アルキレン基、好ましくはメチレン基である、請求項1又は2に記載の官能化アルテルナン多糖。
  4. 式(III)
    の基を1個又は複数個更に含み、
    式(III)の前記基が、エーテル架橋を介して前記アルテルナン多糖と結合しており、
    式中、nが、1〜約30の整数であり、
    2及びR3が、H、又は1個〜約6個の炭素原子を有する炭化水素基から選択され、R2及びR3は、前記−(CHR2−CHR3O)−単位中で同一又は異なる意味を有することができ、かつ−(CHR2−CHR3O)−単位中の各R2及びR3は、別の−(CHR2−CHR3O)−単位中の各R2及びR3とは無関係に選択することができる、
    請求項1〜3の一項に記載の官能化アルテルナン多糖。
  5. 3,000g/モル〜60,000,000g/モルの範囲の重量平均モル重量Mwを有する、請求項1〜4の一項に記載の官能化アルテルナン多糖。
  6. 前記アルテルナン中のカルボキシ官能化ヒドロキシル基の平均数が、アンヒドログルコース単位当たり0.02〜3、好ましくは0.05〜2である、請求項1〜5の一項に記載の官能化アルテルナン多糖。
  7. 架橋されている、請求項1〜6の一項に記載の官能化アルテルナン多糖。
  8. 水溶性である、請求項1〜7の一項に記載の官能化アルテルナン多糖。
  9. ミクロ構造を持たない、特にミクロフィブリルでない、請求項1〜8の一項に記載の官能化アルテルナン多糖。
  10. 主として水を含有しているか、又は主としてアルコールを含有している液体反応媒体中で、アルテルナン多糖を、アルカリ成分の添加を伴ってカルボキシ基を含む官能化剤と反応させる、カルボキシ基によりアルテルナン多糖を官能化する方法。
  11. 更なる工程において、前記アルテルナン多糖又はカルボキシ基で官能化された前記アルテルナン多糖を、1種又は複数種のエポキシ化合物と反応させる、請求項10に記載の方法。
  12. 前記液体反応媒体が主としてアルコールを含み、かつ前記アルコールが、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、又はこれらの混合物から選択される、請求項10又は11に記載の方法。
  13. 架橋の工程を含む、請求項10〜12の一項に記載の方法。
  14. 請求項1〜9の一項に記載の官能化アルテルナン多糖を含有しているか、又は前記官能化アルテルナン多糖で構成されている、組成物、特に化粧組成物、医薬組成物、創傷保護剤、超音波ゲル、コーティング剤、清浄若しくは洗濯用添加剤、紡織繊維用サイズ剤、単体生成剤、紙処理剤若しくは紙製造剤、水処理剤、掘削液、食料品、食品添加剤、吸着剤、生物致死剤、カプセル材料、農業用組成物、錯化剤、乳化剤、界面活性剤、粘度調整剤、結合剤、接着剤、保護コロイド、分散剤、イオン交換剤、水軟化剤、凝固剤、乾燥添加剤、結露防止添加剤、又は掘削添加剤。
  15. 化粧組成物、医薬組成物、超音波ゲル、コーティング剤、清浄若しくは洗濯用添加剤、紡織繊維用サイズ剤、単体生成剤、紙処理剤若しくは紙製造剤、水処理剤、掘削液、食料品、食品添加剤、吸着剤、カプセル材料、農業用組成物、錯化剤、乳化剤、界面活性剤、粘度調整剤、結合剤、接着剤、保護コロイド、分散剤、イオン交換剤、水軟化剤、凝固剤、乾燥添加剤、結露防止添加剤、又は掘削添加剤において、単独成分として、又は任意選択で更なる成分と併せて、請求項1〜9の一項に記載の官能化アルテルナン多糖を使用すること。
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