JP2015529250A - フルオロアルキルジベンゾジアゼピノン化合物 - Google Patents

フルオロアルキルジベンゾジアゼピノン化合物 Download PDF

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Abstract

式(I);【化98】(I)(式中、R1は、−CH2CH2CF3または−CH2CH2CH3であり;R2は、−CH2CH2CF3、−CH2CH2CH3、−CH2(シクロプロピル)、フェニルまたは、【化99】であり;R3はHであり;Ra、Rb、y、およびzは本明細書において規定される)の化合物を開示する。また、Notch受容体を阻害するためにかかる化合物を用いる方法、ならびにかかる化合物を含有する医薬組成物も開示する。これらの化合物は、様々な治療領域(例えば癌)における、疾患もしくは障害の処置、予防、または進行の遅延において有用である。

Description

本発明は、概して、Notch阻害剤として有用なジベンゾジアゼピノン化合物に関する。本発明は、さらに、Notch経路に関連する症状、例えば、癌および他の増殖性疾患の治療に有用である、少なくとも1つの本発明の化合物を含有する医薬組成物に関する。
Notchシグナル伝達は、様々な細胞プロセス(例えば、細胞運命決定、分化、増殖、アポトーシス、および血管形成)に関与している(非特許文献1;非特許文献2)。Notchタンパク質は、1回貫通型ヘテロ二量体膜貫通分子である。Notchファミリーには、4つの受容体、NOTCH1〜4が含まれ、それらは、DSLファミリーに属するリガンド(Delta-like 1、3、4、ならびにJagged 1および2)に結合することによって活性化される。
NOTCHの活性化および成熟には、γセクレターゼ(プレセニリン1またはプレセニリン2、ニカストリン、APH1、およびPEN2を含む多タンパク質複合体)により仲介されるタンパク質分解性の切断工程を含む、一連のプロセシング工程が必要とされる。NOTCHが切断されると、NOTCH細胞内ドメイン(NICD)が膜から遊離される。遊離されたNICDは核へ移行し、そこでCSLファミリーメンバー(RBPSUH, ”suppressor of hairless”、およびLAG1)と協力して、転写活性化因子として機能する。NOTCH標的遺伝子には、HESファミリーメンバー(例えばHES-1)が含まれる。HES-1は、遺伝子の転写抑制因子(例えば、HERP1(HEY2としても知られる)、HERP2(HEY1としても知られる)、およびHATH1(ATOH1としても知られる))として機能する。
Notch経路の異常な活性化は腫瘍形成の一因である。Notchシグナル伝達の活性化は、様々な固形腫瘍(卵巣癌、膵癌、および乳癌を含む)、ならびに血液腫瘍(例えば、白血病、リンパ腫、および多発性骨髄腫)の病因に関与している。様々な固形腫瘍および血液腫瘍の治療におけるNotch阻害の役割およびその有用性が、非特許文献3;非特許文献4;非特許文献5;非特許文献6;非特許文献7;非特許文献8;非特許文献9;非特許文献10;および非特許文献11に記載されている。
Notch阻害剤として有用であって、かつ効果的な濃度の薬物曝露をもたらす十分な代謝安定性を有する化合物が、依然として必要とされている。さらに、患者に経口投与または静脈内投与することができるNotch阻害剤として有用な化合物が依然として必要とされている。
特許文献1は、神経障害(例えば、アルツハイマー病)を治療するために有用なスクシノイルアミノベンゾジアゼピン化合物を開示している。この文献には、これらスクシノイルアミノベンゾジアゼピン化合物が、γセクレターゼ活性およびアミロイドタンパク質の神経への沈着の形成に関連するアミロイド前駆体タンパク質のプロセシングを阻害することが開示されている。
出願人らは、Notch阻害剤として活性を有し、かつ静脈内投与または経口投与により効果的な濃度の薬物曝露をもたらす十分な代謝安定性を有する有望な化合物を見いだした。薬物としての性能にとって重要である、望ましい安定性、生物学的利用能、治療指数、および毒性値を有する医薬品として有用である、これらの化合物を提供する。
米国特許第7,053,084号明細書(B1)
Bray, Nature Reviews Molecular Cell Biology, 7:678-689 (2006). Fortini, Developmental Cell 16:633-647 (2009). Miele, L. et al., Current Cancer Drug Targets, 6:313-323 (2006). Bolos, V. et al., Endocrine Reviews, 28:339-363 (2007). Shih, I.-M. et al., Cancer Research, 67:1879-1882 (2007). Yamaguchi, N. et al., Cancer Research, 68:1881-1888 (2008). Miele, L., Expert Review Anti-cancer Therapy, 8:1197-1201 (2008). Purow, B., Current Pharmaceutical Biotechnology, 10:154-160 (2009). Nefedova, Y. et al., Drug Resistance Updates, 11:210-218 (2008). Dufraine, J. et al., Oncogene, 27:5132-5137 (2008). Jun, H.T. et al., Drug Development Research, 69:319-328 (2008).
(発明の概要)
本発明は、Notchシグナル伝達経路の選択的阻害剤として有用なフルオロアルキルジベンゾアゼピノン化合物を提供することにより、前述の要求を満たす。
本発明は、医薬的に許容される担体;および少なくとも1つの式(I)の化合物を含有する医薬組成物も提供する。
本発明は、少なくとも1つの式(I)の化合物を哺乳動物の患者に投与することを含む、Notch受容体の活性に関連する疾患または障害の治療方法も提供する。
本発明は、式(I)の化合物および/またはそのプロドラッグを製造するための方法および中間体も提供する。
本発明は、療法に用いるための式(I)の化合物も提供する。
本発明は、癌の治療のための医薬の製造における式(I)の化合物の使用も提供する。
式(I)の化合物および該化合物を含有する組成物は、様々なNotch受容体-関連症状の治療、予防または治癒において使用できるNotch阻害剤である。これらの化合物を含有する医薬組成物は、様々な治療領域(例えば癌)における、疾患もしくは障害の治療、予防、または進行の遅延において有用である。
本発明のこれらおよび他の特徴を、以下に続けて開示するように、拡充して記載する。
本発明の第一態様は、少なくとも1つの式(I):
Figure 2015529250
(I)
[式中、
R1は、-CH2CH2CF3または-CH2CH2CH3であり;
R2は、-CH2CH2CF3、-CH2CH2CH3、-CH2(シクロプロピル)、フェニル、または
Figure 2015529250
であり;
R3は、Hであり;
各Raは、独立してF、Cl、-CN、-OH、-CH3、-CH2OH、シクロプロピル、-CF3、-CH2CF3、-OCH3、-OCF3、および/または-O(シクロプロピル)であり;
各Rbは、独立してF、Cl、-CH3、-CF3、-CN、および/または-OCH3であり;
yは、0、1、または2であり;および
zは、0、1、または2である;
但し、R1およびR2は、各々が同時に-CH2CH2CH3ではない]
の化合物またはその少なくとも1つのプロドラッグを提供する。
一実施態様は、少なくとも1つの式(I)の化合物(式中、R1は、-CH2CH2CF3であり;ならびにR2、R3、Ra、Rb、y、およびzは、第一態様において規定される)を提供する。この実施態様には、yが0または1である化合物が含まれる。この実施態様には、RaがFであり、yが0または1である式(I)の化合物も含まれる。
一実施態様は、少なくとも1つの式(I)の化合物(式中、R1は、-CH2CH2CH3であり;R2は、-CH2CH2CF3、-CH2(シクロプロピル)、フェニル、または
Figure 2015529250
であり;ならびにR3、Ra、Rb、y、およびzは、第一態様において規定される)を提供する。この実施態様には、yが0または1である式(I)の化合物が含まれる。この実施態様には、RaがFであり、yが0または1である化合物も含まれる。
一実施態様は、少なくとも1つの式(I)の化合物(式中、R2は-CH2CH2CF3であり;ならびにR1、R3、Ra、Rb、y、およびzは、第一態様において規定される)を提供する。この実施態様には、yが0または1である式(I)の化合物が含まれる。この実施態様には、RaがFであり、yが0または1である化合物も含まれる。
一実施態様は、少なくとも1つの式(I)の化合物(式中、R2は-CH2CH2CH3であり;R1は-CH2CH2CF3であり;ならびにR3、Ra、Rb、y、およびzは、第一態様において規定される)を提供する。この実施態様には、yが0または1である化合物が含まれる。この実施態様には、RaがFであり、yが0または1である化合物も含まれる。
一実施態様は、少なくとも1つの式(I)の化合物(式中、R2は-CH2(シクロプロピル)であり;ならびにR1、R3、Ra、Rb、y、およびzは、第一態様において規定される)を提供する。この実施態様には、yが0または1である化合物が含まれる。この実施態様には、RaがFであり、yが0または1である化合物も含まれる。
一実施態様は、少なくとも1つの式(I)の化合物(式中、R2はフェニルであり;ならびにR1、R3、Ra、Rb、y、およびzは、第一態様において規定される)を提供する。この実施態様には、yが0または1である化合物が含まれる。この実施態様には、RaがFであり、yが0または1である化合物も含まれる。
一実施態様は、少なくとも1つの式(I)の化合物(式中、R2
Figure 2015529250
であり;ならびにR1、R3、Ra、Rb、y、およびzは、第一態様において規定される)を提供する。この実施態様には、yが0または1である式(I)の化合物が含まれる。この実施態様には、RaがFであり、yが0または1である化合物も含まれる。
一実施態様は、少なくとも1つの式(I)の化合物(式中、yが0または1であり;ならびにR1、R2、R3、Ra、Rb、zは、第一態様において規定される)を提供する。この実施態様には、Raが、F、Cl、-CH3、または-CH2OHである化合物が含まれる。RaがF、Cl、または-CH3である化合物もまた含まれる。
一実施態様は、下記構造:
Figure 2015529250
(式中、yは、0または1であり;ならびにR1、R2、R3、Ra、Rb、zは、第一態様において規定される)を有する少なくとも1つの式(I)の化合物を提供する。この実施態様には、RaがF、Cl、または-CH3である化合物が含まれる。Raが、F、Cl、または-CH3であり;およびRbがFである化合物も含まれる。
一実施態様は、下記構造:
Figure 2015529250
(式中、yが0または1であり;zが、0または1であり;およびR1、R2、R3、RaおよびRbは、第一態様において規定される)を有する少なくとも1つの式(I)の化合物を提供する。この実施態様には、RaがF、Cl、または-CH3である化合物が含まれる。RaがF、Cl、または-CH3であり;および、RbがFである化合物も含まれる。
一実施態様は、少なくとも1つの式(I)の化合物(式中、yは0であり;zは0であり;ならびに、R1、R2、R3、RaおよびRbは、第一態様において規定される)を提供する。
一実施態様は、少なくとも1つの式(I)の化合物(式中、R3はHであり;ならびに、R1、R2、Ra、Rb、y、およびzは、第一態様において規定される)を提供する。この実施態様には、R3が重水素(D)またはトリチウム(T)である式(I)の化合物が含まれる。
一実施態様は、(2R,3S)-N-((7S)-6-オキソ-6,7-ジヒドロ-5h-ジベンゾ[b,d]アゼピン-7-イル)-2,3-ビス(3,3,3-トリフルオロプロピル)スクシンアミド(1);(2R,3S)-N-((7S)-6-オキソ-6,7-ジヒドロ-5H-ジベンゾ[b,d]アゼピン-7-イル)-3-プロピル-2-(3,3,3-トリフルオロプロピル)スクシンアミド(2);(2R,3S)-3-(シクロプロピルメチル)-N-((7S)-6-オキソ-6,7-ジヒドロ-5H-ジベンゾ[b,d]アゼピン-7-イル)-2-(3,3,3-トリフルオロプロピル)スクシンアミド(3);(2R,3S)-N-((7S)-6-オキソ-6,7-ジヒドロ-5H-ジベンゾ[b,d]アゼピン-7-イル)-2-プロピル-3-(3,3,3-トリフルオロプロピル)スクシンアミド(4);(2R,3S)-3-(シクロプロピルメチル)-N-((7S)-4-フルオロ-6-オキソ-6,7-ジヒドロ-5H-ジベンゾ[b,d]アゼピン-7-イル)-2-(3,3,3-トリフルオロプロピル)スクシンアミド(5);(2R,3R)-N-((7S)-6-オキソ-6,7-ジヒドロ-5H-ジベンゾ[b,d]アゼピン-7-イル)-3-フェニル-2-(3,3,3-トリフルオロプロピル)スクシンアミド(6);(2R,3S)-3-((3,3-ジフルオロシクロブチル)メチル)-N-((7S)-6-オキソ-6,7-ジヒドロ-5H-ジベンゾ[b,d]アゼピン-7-イル)-2-(3,3,3-トリフルオロプロピル)スクシンアミド(7);(2R,3S)-N-(4-クロロ-6-オキソ-6,7-ジヒドロ-5H-ジベンゾ[b,d]アゼピン-7-イル)-2,3-ビス(3,3,3-トリフルオロプロピル)スクシンアミド(8);(2R,3S)-N-(4-フルオロ-6-オキソ-6,7-ジヒドロ-5H-ジベンゾ[b,d]アゼピン-7-イル)-3-プロピル-2-(3,3,3-トリフルオロプロピル)スクシンアミド(9);(2R,3S)-N-((7S)-9-フルオロ-4-メチル-6-オキソ-6,7-ジヒドロ-5H-ジベンゾ[b,d]アゼピン-7-イル)-2,3-ビス(3,3,3-トリフルオロプロピル)スクシンアミド(10);および(2R,3S)-3-(シクロプロピルメチル)-N-((7S)-9-フルオロ-4-メチル-6-オキソ-6,7-ジヒドロ-5H-ジベンゾ[b,d]アゼピン-7-イル)-2-(3,3,3-トリフルオロプロピル)スクシンアミド(11)から選択される式(I)の化合物を提供する。
一実施態様は、ヒト代謝安定性半減期アッセイにおいて測定されたとおり、少なくとも45分という代謝半減期値を有する少なくとも1つの式(I)の化合物を提供する。
一実施態様は、ヒト代謝安定性半減期アッセイにおいて測定されたとおり、少なくとも60分という代謝半減期値を有する少なくとも1つの式(I)の化合物を提供する。
本発明は、その精神または本質的特性から逸脱することなく、他の具体的な形態で具現化されうる。本発明は、本明細書に記載された本発明の態様および/または実施態様の全ての組み合わせを包含する。本発明のあらゆる実施態様はいずれの他の実施態様と組み合わされて、さらなる実施態様を説明しうると理解される。また、実施態様のそれぞれ個々の要素は、いずれの実施態様からのあらゆる他の要素と組み合わせてさらなる実施態様を説明するものであることも理解される。
(定義)
本発明の特徴および利点は、以下の詳細な説明を読むことで、当業者によってさらに容易に理解されうる。当然のことながら、上部および下部の別個の実施態様中に明確な根拠として記載された本発明のある特定の特徴を組み合わせて、単独の実施態様を形成してもよい。反対に、単独の実施態様中に簡潔な根拠として記載された本発明の様々な特徴を組み合わせて、それらのサブコンビネーションを形成してもよい。本明細書において、例として特定された実施態様または好ましい実施態様は、例示目的であって限定するものではないことが意図される。
本明細書において他に特に記載のない限り、単数形の言及には複数の言及もまた含まれうる。例えば、「a」および「an」は、1か、または1以上のいずれかを示しうる。
別段の記載がない限り、原子価が満たされていないいずれのヘテロ原子は、その原子価を満たすのに十分な水素原子を有すると考える。
本明細書に記載の定義は、引用により本明細書に援用されるいずれの特許、特許出願、および/または特許出願公開に記載された定義よりも優先される。
本発明を説明するために用いられる様々な用語の定義を以下に記載する。これらの定義は、本明細書の全体を通して(それらが他に特定の場合に限定されない限り)、個別に、またはより大きな基の一部としてのいずれかで用いられる用語に適用される。
本明細書の全体を通して、基およびそれらの置換基は、安定な部分および化合物をもたらすように、当業者により選択されうる。
該語句「医薬的に許容される」は本明細書において、適切な医学的判断の範囲内で、妥当な利益/リスク比に見合って、過度の毒性、刺激、アレルギー反応、または他の問題もしくは合併症を伴わずにヒトおよび動物の組織と接触して用いるのに適した、化合物、物質、組成物、および/または剤形を意味するように用いられる。
式(I)の化合物は、アモルファスな固形物または結晶性の固形物として提供され得る。凍結乾燥を用いて、固形物として式(I)の化合物を提供することができる。
式(I)の化合物の溶媒和物(例えば、水和物)は、本発明の範囲内であることもまた理解されるべきである。用語「溶媒和物」とは、式(I)の化合物と、1つ以上の溶媒分子(有機または無機であってもよい)との物理的会合を意味する。この物理的会合には、水素結合が含まれる。特定の例において、例えば、1つ以上の溶媒分子が結晶性固体の結晶格子内に組み込まれている場合には、溶媒和物を単離することができる。「溶媒和物」には、溶液相および単離可能な溶媒和物の両方が含まれる。例示的な溶媒和物には、水和物、エタノレート、メタノレート、イソプロパノレート、アセトニトリル溶媒和物、酢酸エチル溶媒和物が含まれる。溶媒和物化に関する方法は、当分野では既知である。
in vivoで変換されて生理活性剤(すなわち、式(I)の化合物)を提供することができるいずれの化合物も、本発明の範囲および精神の範囲内にあるプロドラッグである。
様々な形態のプロドラッグが当分野において周知であり、以下:
a)Wermuth, C.G. et al., The Practice of Medicinal Chemistry, Chapter 31, Academic Press (1996);
b)Bundgaard, H. ed., Design of Prodrugs, Elsevier (1985);
c)Bundgaard, H., Chapter 5, “Design and Application of Prodrugs,” Krosgaard-Larsen, P. et al., eds., A Textbook of Drug Design and Development, pp. 113-191, Harwood Academic Publishers (1991);および、
d)Testa, B. et al., Hydrolysis in Drug and Prodrug Metabolism, Wiley-VCH (2003)
に記載されている。
加えて、式(I)の化合物は、製造後に単離および精製して、重量で99%以上の式(I)の化合物(「実質的に純粋な」)を含む組成物を得て、次いでそれを本明細書に記載のとおり用いるか、または製剤化するのが好ましい。そのような「実質的に純粋な」式(I)の化合物も、本発明の一部として本明細書において意図される。
「安定な化合物」および「安定な構造」とは、反応混合物から有用な純度への単離、および有効な治療薬への製剤化に耐えるのに十分強い化合物を示すことを意図する。本発明は安定な化合物を具体化するものと意図される。
「治療上有効な量」は、NOTCH受容体の阻害剤として作用するか、または増殖性疾患(例えば癌)を治療もしくは予防するのに有効である、本発明の化合物単独の量か、特許請求された化合物の組み合わせの量か、または他の活性成分と組み合わされた本発明の化合物の量を包含することを意図する。
本明細書で用いる「治療すること」または「治療」には、哺乳動物、とりわけヒトにおける疾患状態の治療が含まれ、ならびに:(a)とりわけ、哺乳動物が疾患状態に罹りやすいが、まだ罹患していると診断されていない場合において、哺乳動物での疾患状態が生じるのを予防すること;(b)疾患状態の抑制、すなわち、その進行を抑止すること;および/または(c)疾患状態を軽減すること、すなわち、疾患状態の退行をもたらすこと、が含まれる。
本発明の化合物は、本発明の化合物に出現する原子の全ての同位体を含むことを意図する。同位体には、原子番号が同一であるが質量数が異なる原子が含まれる。一般的な例として、限定されることなく、水素の同位体には重水素(D)およびトリチウム(T)が含まれる。炭素の同位体としては13Cおよび14Cが挙げられる。同位体で標識された本発明の化合物は一般に、当業者に公知の通常の技法によるか、または本明細書に記載されたものと類似した方法によって、他で用いられる非標識試薬の代わりに適切な同位体-標識試薬を用いて、製造することができる。
式(I)で示される化合物は、治療する症状に適切ないずれの方法(部位特異的治療の必要性、または送達される式(I)の化合物の量に依存し得る)によっても投与されることができる。
また、本発明には、少なくとも1つの式(I)の化合物;ならびに1以上の無毒の医薬的に許容される担体および/または希釈剤および/またはアジュバント(本明細書においてまとめて「担体」物質と称される)、さらに、必要に応じて、他の活性成分を含有する医薬組成物の類が包含される。該式(I)の化合物は、いずれの適切な経路によって、好ましくはそのような経路に適応した医薬組成物の形態で、目的の治療に対して有効な量で投与されうる。本発明の化合物および組成物は、例えば、通常の医薬的に許容される担体、アジュバント、およびビヒクルを含む用量単位剤形で、経口、粘膜、または非経口(parentally)(血管内、静脈内、腹腔内、皮下、筋肉内、および胸骨内を含む)で投与されてもよい。例えば、該医薬担体は、マンニトールもしくはラクトースおよび微結晶セルロースの混合物を含んでよい。該混合物は、さらなる成分、例えば、滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム)および崩壊剤(例えばクロスポビドン)を含んでもよい。該担体混合物は、ゼラチンカプセルに詰められるか、または錠剤として圧縮されてもよい。該医薬組成物は、例えば、経口剤形または注入液として投与されてもよい。
経口投与の場合、該医薬組成物は、例えば、錠剤、カプセル剤、液体カプセル剤、懸濁剤、または液剤の形態であってもよい。該医薬組成物は、好ましくは、特定の量の活性成分を含む用量単位の形態で製造される。例えば、該医薬組成物は、約1〜2000 mg、好ましくは約1〜500 mg、およびさらに好ましくは約5〜150 mgの範囲の量の活性成分を含有する錠剤またはカプセル剤として提供されてもよい。ヒトまたは他の哺乳動物に対する適切な1日用量は、患者の症状および他の因子に応じて幅広く変化させてもよいが、ルーチンな方法を用いて決定することができる。
本明細書において意図されるいずれの医薬組成物も、例えば、いずれの許容可能で適切な経口製剤によって経口で送達され得る。経口製剤の例としては、限定はされないが、例えば、錠剤、トローチ剤、ドロップ剤(lozenge)、水性もしくは油性懸濁剤、分散性粉末剤もしくは顆粒剤、エマルジョン剤、硬もしくは軟カプセル剤、シロップ剤、およびエリキシル剤が挙げられる。経口投与用の医薬組成物は、経口投与用の医薬組成物の製造において当業者に公知のいずれの方法に従って製造され得る。医薬的に服用しやすい(palatable)製剤を提供するために、本発明による医薬組成物は、甘味剤、香味剤、着色剤、粘滑剤、抗酸化剤、または保存剤から選択される少なくとも1つの剤を含み得る。
錠剤は、例えば、少なくとも1つの式(I)の化合物と錠剤の製造に適した少なくとも1つの無毒の医薬的に許容される賦形剤を混合することによって製造され得る。賦形剤の例としては、限定はされないが、例えば、不活性希釈剤、例えば、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウム、およびリン酸ナトリウムなど;造粒および崩壊剤、例えば、微結晶セルロース、クロスカルメロースナトリウム、コーンスターチ、およびアルギン酸など;結合剤、例えば、デンプン、ゼラチン、ポリビニル-ピロリドン、およびアラビアガム(acacia)など;ならびに、滑沢剤、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、およびタルクなどが挙げられる。加えて、錠剤は、コーティングされないか、あるいは不快な味の薬剤の嫌な味をマスクするかまたは消化管での活性成分の崩壊および吸収を遅延させることによって活性成分の効果を長時間持続させるために公知の技法によってコーティングされ得る。水溶性矯味物質の例としては、限定はされないが、ヒドロキシプロピル-メチルセルロースおよびヒドロキシプロピルセルロースが挙げられる。時間遅延物質(time delay material)の例としては、限定はされないが、エチルセルロースおよび酢酸酪酸セルロースが挙げられる。
硬ゼラチンカプセル剤は、例えば、少なくとも1つの式(I)の化合物と少なくとも1つの不活性固形希釈剤(例えば炭酸カルシウム;リン酸カルシウム;およびカオリンなど)を混合することによって製造され得る。
軟ゼラチンカプセル剤は、例えば、少なくとも1つの式(I)の化合物を、少なくとも1つの水溶性担体(例えば、ポリエチレングリコールなど);および少なくとも1つの油媒体(例えば、ラッカセイ油、流動パラフィン、およびオリーブ油など)と混合することによって製造され得る。
水性懸濁剤は、例えば、少なくとも1つの式(I)の化合物を水性懸濁剤の製造に適した少なくとも1つの賦形剤と混合することによって製造され得る。水性懸濁剤の製造に適した賦形剤の例としては、限定はされないが、例えば、懸濁化剤(例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸、ポリビニルピロリドン、トラガカントガム(gum tragacanth)、およびアカシアガムなど);崩壊剤または湿潤剤(例えば、天然のリン脂質(例えばレシチン)など);アルキレンオキシドと脂肪酸との縮合生成物(例えば、ポリオキシエチレンステアレートなど);エチレンオキシドと長鎖脂肪族アルコールとの縮合生成物(例えば、ヘプタデカエチレン-オキシセタノール(oxycetanol)など);エチレンオキシドと部分エステル(脂肪酸およびヘキシトールに由来)との縮合生成物(例えば、ポリオキシエチレンソルビトールモノオレエートなど);および、エチレンオキシドと部分エステル(脂肪酸およびヘキシトール無水物に由来)との縮合生成物(例えば、ポリエチレンソルビタンモノオレエートなど)が挙げられる。水性懸濁剤はまた、少なくとも1つの保存剤(例えば、p-ヒドロキシ安息香酸エチルおよびp-ヒドロキシ安息香酸n-プロピルなど);少なくとも1つの着色剤;少なくとも1つの香味剤;および/または、少なくとも1つの甘味剤(限定はされないが、例えば、スクロース、サッカリン、およびアスパルテームを含む)を含むことができる。
油性懸濁剤は、例えば、少なくとも1つの式(I)の化合物を、植物油(例えば、ラッカセイ油;オリーブ油;ゴマ油;およびヤシ油など);または鉱物油(例えば、流動パラフィンなど)のいずれかの中に懸濁させることによって製造することができる。油性懸濁剤はまた、少なくとも1つの増粘剤、例えば、蜜ロウ;固形パラフィン;およびセチルアルコールなどを含むことができる。風味のよい(palatable)油性懸濁剤を提供するために、すでに上述した甘味剤のうちの少なくとも1つ、および/または少なくとも1つの香味剤を、該油性懸濁剤に加えることができる。油性懸濁剤は、限定はされないが、例えば、抗酸化剤(例えば、ブチルヒドロキシアニソール、およびα-トコフェロールなど)を含めた少なくとも1つの保存剤をさらに含むことができる。
分散性散剤および顆粒剤を、例えば、少なくとも1つの式(I)の化合物と、少なくとも1つの分散剤および/または湿潤剤;少なくとも1つの懸濁化剤;ならびに/あるいは少なくとも1つの保存剤とを混合することによって製造することができる。適切な分散剤、湿潤剤、および懸濁化剤は、すでに上述したものである。保存剤の例としては、限定はされないが、例えば、抗酸化剤(例えば、アスコルビン酸)が挙げられる。加えて、分散性散剤および顆粒剤は、少なくとも1つの賦形剤(限定はされないが、例えば、甘味剤;香味剤;および着色剤を含む)も含むことができる。
少なくとも1つの式(I)の化合物の乳剤は、例えば、水中油型乳剤として製造され得る。式(I)の化合物を含有する乳剤の油性相は、公知の方法で公知の成分から構成されうる。該油相は、限定はされないが、例えば、植物油(例えば、オリーブ油およびラッカセイ油など);鉱物油(例えば、流動パラフィンなど);およびそれらの混合物によって製造され得る。該相は、単に乳化剤のみを含有してもよいが、少なくとも1つの乳化剤と脂肪もしくは油または脂肪と油の両者との混合物を含有してもよい。適切な乳化剤としては、限定はされないが、例えば、天然のリン脂質(例えば、大豆レシチン);脂肪酸およびヘキシトール無水物由来のエステルまたは部分エステル(例えば、ソルビタンモノオレエートなど);および部分エステルとエチレンオキシドとの縮合生成物(例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートなど)が挙げられる。好ましくは、親水性乳化剤は、安定剤として作用する親油性乳化剤を一緒に含まれる。また、油および脂肪の両方が含まれることが好ましい。安定剤の有無にかかわらず乳化剤はいわゆる乳化ワックスを形成し、該ワックスは油および脂肪と一緒に、クリーム製剤の油性分散相を形成するいわゆる乳化軟膏基剤を形成する。乳剤はまた、甘味剤、香味剤、保存剤、および/または抗酸化剤を含むこともできる。本発明の製剤における使用に適切な乳化剤および乳化安定剤には、Tween 60、Span 80、セトステアリルアルコール、ミリスチルアルコール、グリセリルモノステアレート、ラウリル硫酸ナトリウム、グリセリルジステアレートが、単独かまたはワックスもしくは当分野で周知の他の物質と共に含まれる。
式(I)の化合物は、例えば、静脈内、皮下、および/または筋肉内に、いずれの医薬的に許容される適切な注射可能な形態によって投与されてもよい。注射可能な形態の例としては、限定はされないが、例えば、許容可能なビヒクルおよび溶媒(例えば、水、リンガー液、および生理食塩水など)を含有する無菌の水溶液;無菌の水中油型マイクロエマルション;および水性もしくは油性の懸濁液が挙げられる。
非経口投与用の製剤は、水性または非水性の等張で無菌の注射液剤または懸濁剤の形態であってもよい。これらの液剤および懸濁剤は、無菌の粉末または顆粒から、経口投与用の製剤での使用において言及した担体または希釈剤のうちの1つ以上を用いるか、または他の適切な分散剤もしくは湿潤剤および懸濁化剤を用いることによって製造されうる。該化合物は、水、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、エタノール、トウモロコシ油、綿実油、ラッカセイ油、ゴマ油、ベンジルアルコール、塩化ナトリウム、トラガカントガム(tragacanth gum)、および/または様々な緩衝剤中に溶解されうる。他のアジュバントおよび投与様式は、製薬分野において広く周知である。また、該活性成分を、適切な担体(生理食塩水、ブドウ糖(dextrose)、または水を含む)との組成物、あるいはシクロデキストリン(すなわち、CAPTISOL(登録商標))、共溶媒可溶化剤(すなわち、プロピレングリコール)またはミセル可溶化剤(すなわち、Tween 80)との組成物として、注射により投与してもよい。
無菌の注射製剤はまた、無毒の非経口的に許容される希釈剤または溶媒中の無菌の注射可能な溶液または懸濁液(例えば、1,3-ブタンジオール中の溶液)であってよい。許容されるビヒクルおよび溶媒の中で用いてもよいものは、水、リンガー液、および生理食塩水である。加えて、無菌の固定油が、溶媒または懸濁化媒質として通常用いられる。この目的のために、いずれの刺激の少ない固定油(合成モノ-またはジグリセリドが含まれる)を用いてもよい。さらに、脂肪酸(例えばオレイン酸など)が注射剤の製造で用いられる。
無菌の注射可能な水中油型マイクロエマルションは、例えば、1)少なくとも1つの式(I)の化合物を油性相(例えば、大豆油およびレシチンの混合物など)中に溶解させること;2)油相を含む式(I)を水とグリセロールの混合物と合わせること;そして、3)該混合物(combination)を処理してマイクロエマルションを形成させることによって、製造され得る。
無菌の水性もしくは油性の懸濁剤は、当分野で既に公知の方法に従って製造され得る。例えば、無菌の水性の液剤または懸濁剤は、無毒の非経口的に許容される希釈剤または溶媒(例えば、1,3-ブタンジオールなど)を用いて製造され得て;無菌の油性の懸濁剤は、無菌で無毒の許容される溶媒または懸濁化媒質[例えば、無菌の固定油(例えば、合成モノ-またはジグリセリド);および脂肪酸(例えばオレイン酸など)など]を用いて製造され得る。
本発明の医薬組成物で使用してもよい医薬的に許容される担体、アジュバント、およびビヒクルとしては、限定はされないが、イオン交換体、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、自己乳化型ドラッグデリバリーシステム(SEDDS)(例えば、d-α-トコフェロールポリエチレングリコール 1000 コハク酸塩)、医薬剤形で用いる界面活性剤(例えば、Tween、CREMOPHOR(登録商標)界面活性剤(BASF)を含むポリエトキシ(polyethoxylated)ヒマシ油、または他の同様のポリマーデリバリーマトリックス)、血清タンパク質(例えばヒト血清アルブミン)、緩衝物質(例えば、リン酸塩、グリシン、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム)、飽和植物性脂肪酸の部分グリセリド混合物、水、塩または電解質(例えば、プロタミン硫酸塩、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩、コロイドシリカ、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、セルロース系物質、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリル酸塩、ワックス、ポリエチレン-ポリオキシプロピレン-ブロック重合体、ポリエチレングリコール)および羊毛脂が挙げられる。シクロデキストリン(例えば、α-、β-、およびγ-シクロデキストリン)または化学修飾誘導体(例えば、2-および3-ヒドロキシプロピル-シクロデキストリンを含むヒドロキシアルキルシクロデキストリン)、あるいは他の可溶化誘導体もまた、本明細書に記載した式の化合物の送達を高めるために有利に用いられうる。
本発明の医薬的に活性な化合物は、ヒトおよび他の哺乳動物を含む患者に投与するための薬剤を製造する薬学の通常の方法に従って加工され得る。該医薬組成物は、通常の製薬工程(例えば、滅菌)で処理されてよく、ならびに/あるいは通常のアジュバント(例えば、保存剤、安定剤、湿潤剤、乳化剤、緩衝剤など)を含んでもよい。加えて、錠剤および丸薬は、腸溶コーティングを用いて製造され得る。そのような組成物はまた、アジュバント(例えば、湿潤剤、甘味剤、香味剤、および芳香剤)を含有してもよい。
投与する化合物の量、ならびに本発明の化合物および/または組成物を用いた疾患状態の治療のための投与レジメンは、対象の年齢、体重、性別および病状、疾患の種類、疾患の重篤性、投与経路および投与頻度、ならびに用いる特定の化合物を含む様々な因子に依存する。従って、該投与レジメンは大きく変化させてもよいが、標準的な方法を用いてルーチン的に決定することができる。1日用量は、約0.001〜100 mg/kg体重、好ましくは約0.005〜約50 mg/kg体重、最も好ましくは約0.01〜10 mg/kg体重が適切でありうる。1日用量を、1日あたり1〜4回で投与することができる。
治療目的で、本発明の活性化合物は、通常、指定された投与経路に適する1つ以上のアジュバントと組み合わされる。経口投与の場合、該化合物を、ラクトース、スクロース、デンプン粉末、アルカン酸のセルロースエステル、セルロースアルキルエステル、タルク、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、酸化マグネシウム、リン酸および硫酸のナトリウム塩およびカルシウム塩、ゼラチン、アカシアガム、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、および/またはポリビニルアルコールと混合した後、投与しやすいように錠剤化するかまたはカプセルに包んでもよい。そのようなカプセルまたは錠剤には、ヒドロキシプロピルメチルセルロース中に活性化合物が分散した状態で提供することができるような、徐放性製剤が含まれうる。
本発明の医薬組成物は、式(I)の化合物またはそのプロドラッグ、ならびに、適宜、いずれかの医薬的に許容される担体、アジュバント、またはビヒクルから選択されるさらなる物質(agent)を含有する。本発明の別の組成物は、本明細書に記載の式(I)の化合物またはそのプロドラッグ、ならびに医薬的に許容される担体、アジュバントまたはビヒクルを含有する。
(有用性)
式(I)の化合物は、癌、例えば、Notch活性化に依存した癌の治療に有用である。Notch活性化は、様々な固形腫瘍(卵巣、膵臓、ならびに乳癌を含む)および血液腫瘍(例えば、白血病、リンパ腫、および多発性骨髄腫)の病因と関係している。
一実施態様において、癌の治療のための方法であって、それを必要としている哺乳動物に式(I)の化合物を投与することを含む、該方法を提供する。本実施態様の方法は、限定はされないが、膀胱癌、乳癌、結腸直腸癌、胃癌、頭頚部癌、腎癌、肝癌、肺癌(非小細胞肺癌(NSCLC)を含む)、卵巣癌、膵臓癌、胆嚢癌、前立腺癌、甲状腺癌、骨肉腫、横紋筋肉腫、悪性線維性組織球腫(MFH)、線維肉腫、膠芽腫/星状細胞腫、神経芽腫、メラノーマ、T細胞急性リンパ性白血病(T-ALL)、および中皮腫を含む、様々な癌を治療するために用いることができる。例えば、実施態様の方法は、乳癌、大腸癌、または膵臓癌の治療に用いられる。好ましくは、該哺乳動物はヒトである。例えば、癌を治療するために治療上有効な量が、本実施態様の方法において投与されうる。本実施態様における投与経路には、非経口投与および経口投与が含まれる。
一実施態様において、癌を治療するための方法であって、それを必要としている哺乳動物に少なくとも1つの式(I)の化合物を投与することを含み、該癌が結腸直腸癌である方法を提供する。好ましくは、該哺乳動物はヒトである。例えば、癌を治療するために治療上有効な量が、本実施態様の方法において投与されうる。本実施態様における投与経路には、非経口投与および経口投与が含まれる。
一実施態様において、癌を治療するための方法であって、それを必要としている哺乳動物に少なくとも1つの式(I)の化合物を投与することを含み、該癌がトリプルネガティブの乳癌である方法を提供する。好ましくは、該哺乳動物はヒトである。例えば、癌を治療するために治療上有効な量が、本実施態様の方法において投与されうる。本実施態様における投与経路には、非経口投与および経口投与が含まれる。
一実施態様において、癌を治療するための方法であって、それを必要としている哺乳動物に少なくとも1つの式(I)の化合物を投与することを含み、該癌が非小細胞肺癌である方法を提供する。好ましくは、該哺乳動物はヒトである。例えば、癌を治療するために治療上有効な量が、本実施態様の方法において投与されうる。本実施態様における投与経路には、非経口投与および経口投与が含まれる。
一実施態様において、癌を治療するための方法であって、それを必要としている哺乳動物に少なくとも1つの式(I)の化合物を投与することを含み、該癌が膵臓癌である方法を提供する。好ましくは、該哺乳動物はヒトである。例えば、癌を治療するために治療上有効な量が、本実施態様の方法において投与されうる。本実施態様における投与経路には、非経口投与および経口投与が含まれる。
一実施態様において、癌を治療するための方法であって、それを必要としている哺乳動物に少なくとも1つの式(I)の化合物を投与することを含み、該癌が卵巣癌である方法を提供する。好ましくは、該哺乳動物はヒトである。例えば、癌を治療するために治療上有効な量が、本実施態様の方法において投与されうる。本実施態様における投与経路には、非経口投与および経口投与が含まれる。
一実施態様において、癌を治療するための方法であって、それを必要としている哺乳動物に少なくとも1つの式(I)の化合物を投与することを含み、該癌がメラノーマである方法を提供する。好ましくは、該哺乳動物はヒトである。例えば、癌を治療するために治療上有効な量が、本実施態様の方法において投与されうる。本実施態様における投与経路には、非経口投与および経口投与が含まれる。
一実施態様において、癌の治療のための医薬の製造における少なくとも1つの式(I)の化合物の使用を提供する。好ましくは、本実施態様において、治療される癌には、膀胱癌、乳癌、結腸直腸癌、胃癌、頭頚部癌、腎癌、肝癌、肺癌(非小細胞肺癌(NSCLC)を含む)、卵巣癌、膵臓癌、胆嚢癌、前立腺癌、甲状腺癌、骨肉腫、横紋筋肉腫、悪性線維性組織球腫(MFH)、線維肉腫、膠芽腫/星状細胞腫、神経芽腫、メラノーマ、T細胞急性リンパ性白血病(T-ALL)、および中皮腫のうちの1つ以上が含まれる。本実施態様の適切な医薬には、非経口投与用の医薬(例えば、液剤および懸濁剤など)および経口投与用の医薬(例えば、錠剤、カプセル剤、液剤、および懸濁剤など)が含まれる。
一実施態様は、癌の治療における療法で使用するための少なくとも1つの式(I)の化合物を提供する。本実施態様において、治療対象の癌には、膀胱癌、乳癌、結腸直腸癌、胃癌、頭頚部癌、腎癌、肝癌、肺癌(非小細胞肺癌(NSCLC)を含む)、卵巣癌、膵臓癌、胆嚢癌、前立腺癌、甲状腺癌、骨肉腫、横紋筋肉腫、悪性線維性組織球腫(MFH)、線維肉腫、膠芽腫/星状細胞腫、神経芽腫、メラノーマ、T細胞急性リンパ性白血病(T-ALL)、および中皮腫のうちの1つ以上が含まれる。
一実施態様において、哺乳動物におけるNotch活性化に依存している癌の治療のために、少なくとも1つの式(I)の化合物を患者に投与することを含む方法を提供する。この実施態様の方法はまた、限定はされないが、膀胱癌、乳癌、結腸直腸癌、胃癌、頭頚部癌、腎癌、肝癌、肺癌(非小細胞肺癌(NSCLC)を含む)、卵巣癌、膵臓癌、胆嚢癌、前立腺癌、甲状腺癌、骨肉腫、横紋筋肉腫、悪性線維性組織球腫(MFH)、線維肉腫、膠芽腫/星状細胞腫、神経芽腫、メラノーマ、T細胞急性リンパ性白血病(T-ALL)、および中皮腫を含む、様々な癌を治療するために用いられ得る。好ましくは、この実施態様の方法は、乳癌、大腸癌、または膵臓癌を治療するために用いられる。好ましくは、該哺乳動物はヒトである。例えば、癌を治療するために治療上有効な量が、本実施態様の方法において投与されうる。適切な投与経路には、非経口投与および経口投与が含まれる。
癌の治療において、化学療法薬および/または他の治療(例えば、放射線療法)の組み合わせが、多くの場合に有利である。第2(または第3)の薬剤は、第1の治療薬と同じかまたは異なる作用メカニズムを有していてよい。例えば、投与される2つ以上の薬剤が異なる様式または細胞周期の異なる段階で作用し、ならびに/あるいは、該2つ以上の薬剤が重複しない毒性または副作用を有し、ならびに/あるいは、組み合わされた該薬剤が各々、患者が呈する特定の病態の治療において実証済みの効果を有している、薬剤の組み合わせを用いてもよい。
一実施態様において、癌の治療のための方法であって、それを必要としている哺乳動物に少なくとも1つの式(I)の化合物を投与すること;ならびに、1つ以上の別の抗癌剤を投与することを含む、該方法を提供する。
該句「別の抗癌剤」とは、以下のうちのいずれか1つ以上から選択される薬剤を言う:アルキル化剤(ナイトロジェンマスタード、アルキルスルホネート、ニトロソウレア、エチレンイミン誘導体、およびトリアゼンを含む);抗血管新生剤(マトリックスメタロプロテアーゼ阻害剤を含む);代謝拮抗剤(アデノシンデアミナーゼ阻害剤、葉酸拮抗剤、プリン類似体、およびピリミジン類似体を含む);抗生物質または抗体(モノクローナル抗体、CTLA-4抗体、アントラサイクリンを含む);アロマターゼ阻害剤;細胞周期応答調節剤;酵素;ファルネシル-タンパク質トランスフェラーゼ阻害剤;ホルモン性および抗ホルモン性の薬剤およびステロイド(合成アナログ、グルココルチコイド、エストロゲン/抗エストロゲン[例えば、SERM]、アンドロゲン/抗アンドロゲン、プロゲスチン、プロゲステロン受容体アゴニスト、ならびに黄体形成ホルモン放出ホルモン[LHRH]アゴニストおよびアンタゴニストを含む);インスリン様増殖因子(IGF)/インスリン様増殖因子受容体(IGFR)系調節剤(system modulator)(IGFR1阻害剤を含む);インテグリン-シグナル伝達阻害剤;キナーゼ阻害剤(マルチキナーゼ阻害剤、および/または、SrcキナーゼまたはSrc/ablの阻害剤、サイクリン依存性キナーゼ[CDK]阻害剤、pan-Her、Her-1およびHer-2抗体、VEGF阻害剤(抗-VEGF抗体を含む)、EGFR阻害剤、マイトジェン活性化タンパク質[MAP]阻害剤、MET阻害剤、MEK阻害剤、オーロラキナーゼ阻害剤、PDGF阻害剤、ならびに他のチロシンキナーゼ阻害剤またはセリン/スレオニンキナーゼ阻害剤を含む);微小管撹乱物質(例えば、エクチナサイジンまたはそれらのアラログおよび誘導体);微小管安定化剤(例えば、タキサン、ならびに天然のエポチロンおよびそれらの合成および半合成アナログ);微小管結合の不安定化剤(ビンカアルカロイドを含む);トポイソメラーゼ阻害剤;プレニルタンパク質トランスフェラーゼ阻害剤;白金配位錯体(platinum coordination complex);シグナル伝達阻害剤;ならびに、抗癌および細胞傷害性薬物として用いられる他の薬剤(例えば、生物学的応答調節剤、増殖因子、および免疫調節剤)。
従って、本発明の化合物を、癌または他の増殖性疾患の治療において有用な他の抗癌治療と組み合わせて投与してもよい。本発明はさらに、癌の治療のための医薬の製造における式(I)の化合物の使用を包含し、ならびに/あるいは、該式(I)の化合物は他の抗癌剤もしくは細胞傷害性薬物および癌の治療のための治療法と組み合わせて用いられるとの説明書を付した、式(I)の化合物のパッケージを包含する。本発明は、キット形態(例えば、一緒にパッケージされるか、別個のパッケージに入れられてキットとして共に販売されるか、または共に処方されるようにパッケージされる)での少なくとも1つの式(I)の化合物と1つ以上のさらなる薬剤の組み合わせをさらに包含する。
一実施態様において、癌を治療するための方法であって、それを必要としている哺乳動物に、少なくとも1つの式(I)の化合物;ダサチニブ;および適宜、1つ以上の別の抗癌剤を投与することを含む、該方法を提供する。
一実施態様において、癌を治療するための方法であって、それを必要としている哺乳動物に、少なくとも1つの式(I)の化合物;パクリタキセル;および適宜、1つ以上の別の抗癌剤を投与することを含む、該方法を提供する。
一実施態様において、癌を治療するための方法であって、それを必要としている哺乳動物に、少なくとも1つの式(I)の化合物;タモキシフェン;および適宜、1つ以上の別の抗癌剤を投与することを含む、該方法を提供する。
一実施態様において、癌を治療するための方法であって、それを必要としている哺乳動物に、少なくとも1つの式(I)の化合物;グルココルチコイド;および適宜、1つ以上の別の抗癌剤を投与することを含む、該方法を提供する。適切なグルココルチコイドの例はデキサメタゾンである。
一実施態様において、癌を治療するための方法であって、それを必要としている哺乳動物に、少なくとも1つの式(I)の化合物;カルボプラチン;および適宜、1つ以上の別の抗癌剤を投与することを含む、該方法を提供する。
本発明の化合物は、前述の症状に関連した副作用への対処におけるそれらの特定の有用性について選択された他の治療薬と共に、製剤化されるかまたは同時投与され得る。例えば、本発明の化合物は、悪心、過敏症および胃刺激を防ぐための薬剤(例えば、制吐薬ならびにH1およびH2抗ヒスタミン薬)と共に製剤化されうる。
一実施態様において、少なくとも1つの式(I)の化合物;キナーゼ阻害剤(小分子、ポリペプチド、抗体など)、免疫抑制剤、抗癌剤、抗ウイルス剤、抗炎症剤、抗真菌剤、抗生物質、または抗血管過剰増殖化合物から選択される1つ以上の別の薬剤;ならびに、任意の医薬的に許容される担体、アジュバント、またはビヒクルを含有する医薬組成物を提供する。
上記の他の治療薬は、本発明の化合物と組み合わせて用いられる場合、例えば、Physicians' Desk Reference (PDR)に示されている量か、または他に当業者により決定される量で用いられてもよい。本発明の方法において、そのような他の治療薬は、本発明の化合物の投与よりも前、同時、または後で投与されうる。
しかしながら、いずれかの特定の対象に対する具体的な用量レベルおよび投与頻度は変化させてもよく、一般的には、限定はされないが、例えば、投与形態での特定の式(I)の化合物の生物学的利用能、該特定の式(I)の化合物の代謝安定性および作用期間、対象の種、体重、全般的な健康状態、性別、および食餌、投与の様式および時間、排出速度、薬剤の組み合わせ、ならびに特定の症状の重篤度を含む様々な因子に依存しうる。例えば、1日用量は、約0.001〜100 mg/kg体重、好ましくは約0.005〜約50 mg/kg体重、そして最も好ましくは約0.01〜10 mg/kg体重が適切でありうる。該1日用量を、1日当たり1〜4回で投与することができる。
該投与は継続的であることができる(すなわち、毎日、または間欠的)。本明細書で用いる用語「間欠的な」または「間欠的に」は、規則的または不規則な間隔のいずれかで休止および開始することを意味する。例えば、間欠投与には、1〜6日/週の投与;周期的な投与(例えば、連続2〜8週間の連日投与、その後、最大1週間の投与しない休止期間);または隔日投与が含まれる。
一実施態様において、少なくとも1つの式(I)の化合物を、それを必要としている患者に毎日1回以上、継続的に投与する。例えば、治療上有効な量の式(I)の化合物を、それを必要としている患者に、連日、毎日1回以上投与する。
一実施態様において、少なくとも1つの式(I)の化合物を、それを必要としている患者に、毎日1回以上、間欠的に投与する。例えば、治療上有効な量の式(I)の化合物を、それを必要としている患者に、間欠的スケジュールに従って毎日1回以上投与する。
一実施態様において、少なくとも1つの式(I)の化合物を、それを必要としている患者に、連日、毎日1回以上投与し、その後、1日以上投与を休止する。好ましくは、治療上有効な量の式(I)の化合物を投与する。休薬期間を伴う連続投与の例は、7日間の治療の後、7日の治療休止;14日間の治療の後、7日間の治療休止;および、7日間の治療の後、14日間の治療休止の周期である。治療/治療休止の周期を、患者を治療するために必要な複数回繰り返すことができる。
一実施態様において、少なくとも1つの式(I)の化合物を、それを必要としている患者に、間欠投与スケジュールに従って投与する。間欠投与スケジュールは、患者に式(I)の化合物を投与する日および患者に式(I)の化合物を投与しない日を含めた反復スケジュールである。間欠投与スケジュールの例は、次のようなものである:週に4日で連続3週間投与した後、1週投与休止し、4週間間隔で繰り返す;週に5日で連続2週間投与した後、1週投与休止し、3週間間隔で繰り返す;ならびに、週に4日で1週間投与した後、2週投与休止し、3週間間隔で繰り返す。好ましくは、治療上有効な量の式(I)の化合物を投与する。
一実施態様において、少なくとも1つの式(I)の化合物を、1日投与した後、6日休止し、1週間スケジュールで繰り返す。
一実施態様において、少なくとも1つの式(I)の化合物を、1日投与した後、6日休止し、1〜4週間スケジュールで繰り返して、その後1週間休止した。例えば、式(I)の化合物は、1日投与した後、6日間投与休止するスケジュールを3週間の間行ない、その後1週間休止した。この4週サイクルを、1回以上繰り返すことができる。
一実施態様において、少なくとも1つの式(I)の化合物を、連続2日投与した後、5日休止し、1週間スケジュールで繰り返す。
一実施態様において、少なくとも1つの式(I)の化合物を、連続3日投与した後、4日休止し、1週間スケジュールで繰り返す。
一実施態様において、少なくとも1つの式(I)の化合物を、1日投与した後、10〜13日休止する。
一実施態様において、少なくとも1つの式(I)の化合物は、各々1日に1回投与される(QD)。この実施態様には、1日に1回の経口投与が含まれる。
一実施態様において、少なくとも1つの式(I)の化合物は、各々1日に2回投与される(BID)。この実施態様には、1日に2回の経口投与が含まれる。
一実施態様において、少なくとも1つの式(I)の化合物は、隔日にて投与される:1日投与した後に、1日休止する。この2日サイクルを、1回以上繰り返すことができる。
(製造方法)
本発明の化合物は、有機合成の分野の当業者に周知の多くの方法で製造することができる。本発明の化合物は、以下に記載される方法、および有機合成化学の分野で公知の合成方法、あるいは当業者により認められているその改変方法を用いて合成することができる。好ましい方法としては、限定はされないが、以下に記載のものが挙げられる。本明細書中の全ての参照は、引用によりその全てが本明細書に援用される。
本発明の化合物は、この項に記載の反応および技法を用いて製造されうる。該反応は、用いる試薬および物質に適した溶媒中で実施され、もたらされる変換に対して適切なものである。また、以下に記載の合成方法の説明において、提示した反応条件(溶媒の選択、反応雰囲気、反応温度、実験時間およびワークアップ方法を含む)は全て、該反応の標準である条件となるように選択され、それは当業者によって容易に認識されるべきであると解される。分子の様々な部分に存在する官能基が、提示された試薬および反応に適合しなければならないことは、有機合成の分野の当業者により理解される。反応条件に適合する置換基に対するそのような制限は、当業者に容易に認識され得て、またその結果、代替方法を用いる必要があろう。これにより、本発明の目的の化合物を得るために、合成工程の順序を改変する判断か、またはさらに別の1つの特定のプロセススキームを選択する判断が、しばしば必要とされうる。また、この分野のいずれの合成経路の計画においても別の主流の判断が、本願に記載の化合物に存在する反応性官能基の保護のために用いられる保護基の賢明な選択であることが認識されるであろう。Greeneら(Protective Groups in Organic Synthesis, Third Edition, Wiley and Sons (1999))により、熟練した実践者のための多くの別法についての信頼できる説明が記載されている。
式(I)の化合物を、以下のスキームで説明される方法を参照して製造してもよい。そこに示される通り、最終生成物は式(I)と同一の構造式を示す化合物である。いずれの式(I)の化合物も、適切な置換基を用いて、試薬の適切な選択により、該スキームによって、製造されうることが理解されよう。溶媒、温度、圧力、および他の反応条件は、当業者によって容易に選択されうる。出発物質は、市販されているか、あるいは、当業者によって容易に製造される。化合物の構成要素は、本明細書のこの部分もしくは他の場所で定義される。
スキーム1〜7に要約される方法を用いて、式(I)の化合物を合成することができる。
Figure 2015529250
工程1:好適に保護された酸(i)を、塩基(例えば、KHMDS)の存在下で、適切な脱離基(例えばトリフレート(LG=OTf))を有する化合物(ii)でアルキル化して、化合物(iii)を優勢なジアステレオマーとして得ることができる。化合物(iii)を、ジアステレオマー混合液として、または適切な分離技術(例えば、キラル分取クロマトグラフィー)を用いて分離して、純粋なジアステレオマー化合物を得ることができる。
工程2:化合物(iii)の保護基を、当業者に公知の多くの方法で除去することができる。例えば、ベンジル基を、溶媒(例えばメタノール)中で、パラジウム触媒を用いる水素化条件下に付して、除去し、化合物(iv)を得てもよい。
Figure 2015529250
工程1:スキーム2の第1工程は、当業者に公知の複数の方法の1つを用いて、例えば、溶媒(例えばTHF)中において適切な温度で、試薬(例えば三フッ化ホウ素エーテラート)の存在下において置換アセトイミデート(例えば、化合物(vi))を用いる処理により、化合物(v)をエステル(vii)に変換することによって達成される。
工程2:酸(viii)を、当業者には公知の複数の方法で化合物(xi)に変換することができる。例えば、酸(viii)を、溶媒(例えばDCM)中において試薬(例えば塩化オキサリル)を用いて処理することにより、酸塩化物(ix, X=Cl)を得る。化合物(ix)、標準的な条件下で、オキサゾリジノン(x)を用いて処理して、化合物(xi)を得ることができる(Evans, D.A. et al., J. Am. Chem. Soc., 112:4011(1990))。
工程3:化合物(xi)を、複数の方法(Baran, P. et al., J. Am. Chem. Soc., 130(34):11546(2008))で化合物(xii)に変換することができる。例えば、化合物(vii)を、溶媒(例えばトルエン)中において、低温(例えば、-78℃)で、不活性雰囲気下(例えばN2)に、塩基(例えばLDA)を用いて処理した。得られる混合液を、溶媒(例えばトルエン)中で不活性雰囲気下(例えばN2)に、塩化リチウムおよび塩基(例えばLDA)で処理した化合物(xi)の溶液に加えた。得られる化合物(vii)および(xi)のエノラートの混合物に、低温(例えば、-78℃)で、不活性雰囲気下(例えばN2)にて、ビス(2-エチルヘキサノイルオキシ)銅を加えて、室温まで昇温させて、化合物(xii)を得た。
工程4:化合物(xii)の化合物(xiii)への変換は、適切な温度にて、溶媒の混合物(例えばTHF/水)を用いて、過酸化水素および水酸化リチウムで処理することによって達成されてもよい。必要であれば、この時点で、該ジアステレオマーを、シリカゲルクロマトグラフィーまたは分取HPLCによって分離してもよい。別法として、混合液を、エピマー化条件で処理した後(例えば、LDAおよび塩化ジエチルアルミニウムで処理することにより)、メタノールまたは酢酸でクエンチして、目的のジアステレオマーリッチにしてもよい。
工程5:必要に応じて、目的の(R,S)-ジアステレオマーを、カルボン酸の保護、ジアステレオマーの分離および脱保護を含めた一連の工程、当業者には公知の一般的方法により、純粋な形態で得てもよい。例えば、ジアステレオマーの混合物(xiii)を、溶媒(例えばDMF)中で塩基(例えば、炭酸カリウム)の存在下で、試薬(例えば臭化ベンジル)を用いる処理により、ベンジルエステルとして保護できる。このジアステレオマー混合物を、その後精製方法(例えば、分取HPLCまたはシリカゲルクロマトグラフィー)に供した。得られたジアステレオマー純粋な物質を、次いで脱保護条件(工程5b)に供することができる。例えば、R=Bnである場合、該物質を、水素雰囲気下にて、溶媒(例えばMeOH)中において触媒(例えばパラジウム炭素)を用いて、水素化条件下で処理して、酸(xvi)を得ることができる。
Figure 2015529250
スキーム4における化合物(xiii)を、スキーム3に概説した合成順により化合物(xi)からも製造してもよい。
工程1:スキーム3の第1工程は、不活性雰囲気下にて、溶媒(例えばTHF)中において、低い温度(例えば、-78℃)で、化合物(xi)を、塩基(例えばナトリウムビス(トリメチルシリル)-アミド)で処理することにより達成され得る。得られる(xi)のエノラートを、試薬、例えばtert-ブチルブロモアセテートを用いて処理して、化合物(xvii)を得る。
工程2:化合物(xvii)の(xviii)への変換は、適切な温度で、溶媒の混合液(例えばTHF/水)を用いて、過酸化水素および水酸化リチウムで化合物(xxiii)を処理することにより達成され得る。
工程3:化合物(xviii)を、不活性雰囲気下に、溶媒(例えばTHF)において、低い温度(例えば、-78℃)で、塩基(例えばLDA)を用いて、(xviii)のエノラートを生成させて、さらに適切な脱離基(例えば、LG=トリフレート)を有する試薬(R2-LG)を用いて処理することにより、化合物(xiii)に変換することができる。化合物(xiii)を、その後に、例えば、スキーム4の工程7において利用してもよい。別法として、該混合物を、エピマー化条件で処理した後(例えば、LDAおよび塩化ジエチルアルミニウムで処理することによって)、メタノールまたは酢酸によりクエンチして、目的のジアステレオマーリッチとしてもよい。さらに、好ましい実施態様は、他の置換基へと後に変換できる部分の導入を要する。例えば、様々な反応物質(R2-LG)、例えば臭化アリルを用いて、さらなる修飾のために適切な基を導入する。上記したとおりに、エピマー化条件を、必要に応じて、この化合物に対して用いてもよい。
工程4:スキーム4の第4工程は、スキーム3における工程5のものと同様であり、かつ化合物(xiii)が直接使用される場合、例えばスキーム4の工程7では、省略されてもよい。しかし、さらなる操作が必要であれば、例えば、化合物(xiii)のR2が必要であれば、化合物(xiii)のカルボン酸部分を、適切な保護基(例えばベンジル)により保護してもよい。こうして、化合物(xiii)を、適切な溶媒(例えばDMF)中で、塩基(例えば炭酸カリウム)の存在下で、反応物質(例えば臭化ベンジル)を用いて処理できる。ジアステレオアイソマーの得られる混合物を、必要に応じて、適切な条件を用いて、例えば分取HPLC、分取キラルHPLCまたはシリカゲルクロマトグラフィーを用いて分離してもよく、得られる純粋な目的とするジアステレオマー化合物(xv)をその後の工程において使用した。
工程5:化合物(xv)におけるR2基が目的の部分であれば、その後工程5を省略してもよい。しかし、R2基が、その部分にてさらなる修飾が望まれる基であるならば、この時点で修飾を行なってもよい。例えば、R2=アリルであれば、シクロプロパン化条件下において化合物(xv)を処理することにより、好ましい実施態様の官能基を得ることができる。故に、化合物(xv)(R2=アリルである)を、適切な溶媒(例えばジエチルエーテル)中で触媒(例えば酢酸パラジウム)の存在下に、適切な温度(例えば0℃)で、試薬(例えばジアゾメタン)により処理して、化合物(xix)を得てもよい。
工程6:スキーム3の最終工程は、スキーム2の工程5に類似した脱保護工程であり、当業者には公知の幾つかの方法により達成され得る。例えば、化合物(xix)においてRw=ベンジルについては、水素雰囲気下において溶媒(例えばMeOH)中で、触媒(例えばパラジウム炭素)を用いる、水素化条件下での処理により、その後の工程、例えばスキーム4の工程7に使用できる化合物(xvi)を得ることができる。
スキーム4
Figure 2015529250
スキーム4の工程1は、当業者には公知の様々な条件下で、適切に置換されたアミノビフェニル(xx)と、適切に置換されたアセテートまたはアセテート当量との反応により達成され得る。例えば、適切な溶媒(例えばDCM)中で、塩基(例えばトリエチルアミン)の存在下において、アミノビフェニル(xx)と塩化クロロアセチルとの反応により、中間体(xxi)(X=Cl)を得る。
スキーム4の工程2は、適切な温度で、適切な溶媒中において、中間体(xxi)を、適切なルイス酸と反応させることにより達成され得る。例えば、溶媒(例えば、1,2-ジクロロベンゼン)中において、中間体(xxi)(X=Cl)を、ルイス酸(例えば塩化アルミニウム)と共に、例えば170℃の温度に加熱して、中間体(xxii)を得る。
工程3:中間体(xxii)のさらなる操作のためには、ラクタムの窒素を保護することが必要であるか、または望まれ得る。これは、当業者には公知の多くの方法で達成されることができる。例えば、溶媒(例えばTHF)中に、塩基(例えば、水酸化カリウム)および触媒(例えば、テトラブチルアンモニウムブロミド)の存在下にて、中間体(xxii)を、4-メトキシベンジルクロリドと反応させて、中間体(xxiii)(ここで、PG=PMBである)を得ることができる。
工程4:化合物(xxiii)の化合物(xxiv)への変換は、適切な溶媒中で、適切な塩基による処理に続いて、アジド転移試薬を用いて処理することにより達成され得る。例えば、-78℃で、THF中において、中間体(xxiii)をLDAにより処理して、その後2,4,6-トリイソプロピルベンゼンスルホニルアジドを添加して処理して、中間体(xxiv)を得る。別法として、適切な脱離基の導入およびアジドによるこの脱離基の置換を含めた2工程方法において、化合物(xxiii)を化合物(xxiv)に変換してもよい。例えば、(xxiii)をTMSIおよびヨウ素により処理して、中間体のヨウ化物を得て、これをテトラブチルアンモニウムアジドによる処理により置換して、(xxiv)を得てもよい。
工程5:中間体(xxiv)中のアジド官能基の還元は、当業者には公知の多くの方法により達成され得る。適切な溶媒(例えば酢酸エチル)中にて、適切な触媒(例えば、水酸化パラジウム/炭素)の存在下において、アジド(xxiv)を水素で処理することにより、アミン(xxv)への還元を行なう。
工程6:中間体(xxv)からの保護基の除去により、当業者には明白な多くの方法により達成され得る。PG=PMBである場合には、この保護基の除去は、酸性条件下で達成され得る。例えば、適切な温度(例えば70℃)で、中間体(xxv)を、適切な酸または酸類混合液(例えば、メタンスルホン酸/トリフルオロ酢酸)で処理することにより、化合物(xxv)から化合物(xxvi)への転換がおこる。化合物(xxvi)を、エナンチオマーの混合液として使用するか、または該エナンチオマーを、当業者には公知の多くの手段(例えば、キラル分取クロマトグラフィー)により分割してもよい。
工程7:ジベンゾピノン(xxvi)を、溶媒(例えばDMF)中で、カップリング試薬(例えばTBTU)および塩基(例えばTEA)の存在下において、純粋なジアステレオマー化合物(xvi)またはジアステレオマー混合化合物(xiii)のいずれかとカップリングして、必要に応じて、ジアステレオマー純粋な化合物またはジアステレオアイソマーの混合液のいずれかとして化合物(xxvii)を得る。この混合液を、後の工程にそのまま使用するか、または適宜、適切な分離技術(例えば、キラル分取クロマトグラフィー)を用いて精製して、ジアステレオマー純粋化合物を得てもよい。
工程8:溶媒(例えばDCM)中において、適切な温度(例えば0℃)で、化合物(xxvii)を、酸(例えばTFA)で処理することにより、ジアステレオマー純粋な化合物またはジアステレオアイソマー混合液いずれかとして化合物(xxviii)を得る。この混合液を、後の工程においてそのまま使用するか、または適宜適切な分離技術(例えば、キラル分取クロマトグラフィー)を用いて精製して、ジアステレオマー純粋化合物を得てもよい。
工程9:化合物(xxviii)の化合物(xxix)への変換は、化合物(xxviii)と、溶媒(例えばDMF)中において、適切なアミン源(例えば塩化アンモニウム)、カルボジイミド(例えばEDC)、HOBTおよび塩基(例えばTEA)とのカップリングにより達成され得る。必要であれば、ジアステレオマー混合液を、適切な分離技術(例えば、キラル分取クロマトグラフィー)を用いて分離できる。
Figure 2015529250
別法として、中間体(xxiii)を、スキーム5に示したとおり、中間体(xxv)に変換してもよい。スキーム5の工程1において、中間体(xxiii)を、適切な塩基および亜硝酸アルキルで処理する。例えば、溶媒(例えばTHF)中で、例えば0℃の温度で、中間体(xxiii)を、カリウム tert-ブトキシドで処理した後に、亜硝酸イソペンチルで処理して、中間体(xxx)を得る。
工程2:中間体(xxx)中のオキシムの還元は、当業者には公知のいくつかの方法により達成され得る。例えば、溶媒(例えば、メタノール)中で、水素雰囲気下において、(xxx)を触媒(例えば、パラジウム炭素)で処理することにより、アミン(xxv)を得て、これを例えばスキーム4の工程7に使用してもよい。酸(例えば塩酸)が、この反応に含まれる場合には、その後にアミン(xxv)を、対応する塩として得る。
スキーム6
Figure 2015529250
スキーム4における中間体(xx)を、好適に置換された中間体(xxxi)および(xxxii)の遷移金属媒介性のカップリングにより得ることができる(この場合、基XおよびYは、カップリング反応のために適切な適合パートナーである)。例えば、適切な溶媒混合液(例えば、水およびポリ(エチレングリコール)2000)中において、適切な温度(例えば120℃)で、適切な触媒(例えば、パラジウム(II)アセテート)、および好適な塩基(例えば、炭酸ナトリウム)の存在下において、中間体(xxxi)(ここで、X=Brである)を、中間体(xxxii)(ここで、YはB(OH)2である)とカップリングさせて中間体(xx)を得てもよく、これを、例えばスキーム4の工程1において使用してもよい。
スキーム7
Figure 2015529250
またスキーム4の中間体(xx)を、スキーム7に示したような単純なアミノビフェニル(xxxiii)の官能化により製造できる。工程1で示したように、その他の操作の前に、配向基を導入することが必要であるか、または望ましい場合がある。この転換は、当業者には公知の様々な条件を用いて実施され得る。例えば、DG=Bocに対して、この転換は、適切な溶媒(例えばジクロロエタン)中において、適切な温度(例えば70℃)で、中間体(xxxiii)をジ-t-ブチルジカルボネートと反応させて、中間体(xxxiv)を得ることにより達成され得る。
工程2:中間体(xxxiv)に対する所望の官能基の導入は、当業者には公知の多くの方法により達成され得る。例えば、X=Bocである場合、中間体(xxxiv)の脱保護は、溶媒(例えばジエチルエーテル)中において、適切な温度(例えば-30℃)で、t-ブチルリチウムを使用して達成され得る。得られるアニオンと、当業者には公知の適切な求電子試薬との反応により、中間体(xxxv)を得る。例えば、室温で求電子試薬としてヘキサクロロエタンを使用して、中間体(xxxv)(DG=BocおよびX=Clである)を得る。
工程3:工程1において配向基を導入した場合、この時点で、当業者には公知の配向基の特性に適切な種々の条件を用いて、配向基を除去することが必要であるか、または望ましいであろう。例えば、DG=Bocである場合、中間体(xxxv)を、酸(例えば、トリフルオロ酢酸)に暴露して、例えば、スキーム4の工程1において使用され得る中間体(xxxvi)を得る。
(実施例)
本発明は以下の実施例においてさらに明確にされる。該実施例は例示のみを目的として提供されることが理解されるべきである。上記の考察および例から、当業者であれば、本発明の本質的特徴を確認することができ、そして、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、変更および改変を行って本発明を様々な使用および条件に適応させることができる。結果として本発明は、本明細書に記載の実例によって制限されるのではなく、むしろ添付の特許請求の範囲によって定義される。
(略語)
AcOH 酢酸
Bn ベンジル
Boc tert-ブトキシカルボニル
DAST (ジエチルアミノ)硫黄トリフルオリド
DCM ジクロロメタン
DMF ジメチルホルムアミド
DMSO ジメチルスルホキシド
EDC 1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩
Et2AlCl ジエチル塩化アルミニウム
Et3N トリエチルアミン
Et2O ジエチルエーテル
EtOH エタノール
EtOAc 酢酸エチル
equiv. 当量
g グラム
hまたはhr 時間(複数を含む)
HOBt ヒドロキシベンゾトリアゾール
HPLC 高速液体クロマトグラフィー
KHMDS カリウム ビス(トリメチルシリル)アミド
LCMS 液体クロマトグラフィー質量分析
LDA リチウムジイソプロピルアミド
MeCN アセトニトリル
MeOH メタノール
min 分(複数を含む)
mL ミリリットル
mmol ミリモル
MTBE メチル-tert-ブチルエーテル
NaHMDS ナトリウム ビス(トリメチルシリル)アミド
n-BuLi n-ブチルリチウム
NH4OAc 酢酸アンモニウム
PdCl2(dppf) [1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)
Pd(OAc)2 酢酸パラジウム
RT 保持時間
t-Bu 三級ブチル
tBuOAc 三級ブチル酢酸
tBuOH 三級ブチルアルコール
TBTU O-(1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N',N'-テトラメチルウロニウム
テトラフルオロボーレート
TEA トリエチルアミン
TFA トリフルオロ酢酸
Tf2O トリフルオロメチルスルホン酸・無水物
THF テトラヒドロフラン
TMS トリメチルシリル
実施例1
(2R,3S)-N-((7S)-6-オキソ-6,7-ジヒドロ-5h-ジベンゾ[b,d]アゼピン-7-イル)-2,3-ビス(3,3,3-トリフルオロプロピル)スクシンアミド
Figure 2015529250
(1)
製造物1A:3,3,3-トリフルオロプロピルトリフルオロメタンスルホネート
Figure 2015529250
(1A)
DCM(120 mL)中の2,6-ルチジン(18.38 mL, 158 mmol)の冷たい攪拌溶液(-25℃)に、3分間かけてTf2O(24.88 mL, 147 mmol)を加えて、該混合液を5分間攪拌した。該反応混合液に、3分の間隔をおいて3,3,3-トリフルオロプロパン-1-オール(12 g, 105 mmol)を加えた。2時間後に、該反応混合液を、室温へ昇温させて、1時間攪拌した。該反応混合液を、その体積の半分まで濃縮して、次いでシリカゲルカラムに直接流して精製した(330g ISCO)。生成物を、DCMで溶出して、製造物1A(13.74 g, 53%)を無色の油状物として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3)δ ppm 4.71(2 H, t, J=6.15 Hz), 2.49-2.86(2 H, m).
製造物1B:(4S)-4-ベンジル-3-(5,5,5-トリフルオロペンタノイル)-1,3-オキサゾリジン-2-オン
Figure 2015529250
(1B)
DCM(50 mL)中の5,5,5-トリフルオロペンタン酸(14.76 g, 95 mmol)およびDMF(0.146 mL)の攪拌溶液に、塩化オキサリル(8.27 mL, 95 mmol)をゆっくりと加えた。2時間後に、該混合液を、濃縮乾固させた。別のフラスコに、THF(100 mL)中の(S)-4-ベンジルオキサゾリジン-2-オン(16.75 g, 95 mmol)を入れて、次いで-78℃に冷却した。該溶液に、n-BuLi(2.5M, 37.8 mL, 95 mmol)を10分かけてゆっくりと加え、10分間攪拌して、次いで、THF(50 mL)中の上記酸塩化物の溶液を、ゆっくりと5分間かけて加えた。該混合液を、30分間攪拌して、次いで室温へと昇温させた。該混合液を、飽和NH4Cl水溶液でクエンチして、次いで10% LiCl水溶液を加え、該混合液をEt2Oで抽出した。該有機層を、飽和NaHCO3水溶液、その後塩水で洗浄して、次いでMgSO4で乾燥させて、濾過して、濃縮して、乾固させた。該残留物を、SiO2クロマトグラフィー(ISCO, 330 g カラム, 100% ヘキサン〜100% EtOAcのグラジエントにて溶出)により精製して、生成物である製造物1Bを得た;(25.25 g, 85%):1H NMR(400 MHz, CDCl3)δ ppm 7.32-7.39(2 H, m), 7.30(1 H, d, J=7.05 Hz), 7.18-7.25(2 H, m), 4.64-4.74(1 H, m), 4.17-4.27(2 H, m), 3.31(1 H, dd, J=13.35, 3.27 Hz), 3.00-3.11(2 H, m), 2.79(1 H, dd, J=13.35, 9.57 Hz), 2.16-2.28(2 H, m), 1.93-2.04(2 H, m).
製造物1C:tert-ブチル(3R)-3-(((4S)-4-ベンジル-2-オキソ-1,3-オキサゾリジン-3-イル)カルボニル)-6,6,6-トリフルオロヘキサノエート
Figure 2015529250
(1C)
THF(20 mL)中の製造物1B(3.03 g, 9.61 mmol)の冷たい攪拌溶液(-78℃)に、窒素雰囲気下でNaHMDS(THF中で1.0M)(10.6 mL, 10.60 mmol)を加えた。2時間後に、tert-ブチル 2-ブロモアセテート(5.62 g, 28.8 mmol)を、-78℃でシリンジから、希釈せずにそのまま加えて、攪拌を同じ温度で維持した。6時間後に、該反応混合液を、室温へ昇温させた。該反応混合液を、飽和NH4ClとEtOAcとの間に分配した。有機相を分けて、該水相をEtOAc(3x)で抽出した。有機相を合わせて、食塩水で洗浄して、Na2SO4で乾燥させて、濾過して、減圧濃縮した。該残留物を、フラッシュクロマトグラフィー(Teledyne ISCO CombiFlash Rf, 5%〜100% 溶媒 A/B=ヘキサン/EtOAc, REDISEP(登録商標)SiO2 120g)により精製した。適切な画分の濃縮により、製造物1C(2.79 g, 67.6%)を粘性の無色の油状物として得た:1H NMR(400 MHz, CDCl3)δ ppm 7.34(2 H, d, J=7.30 Hz), 7.24-7.32(3 H, m), 4.62-4.75(1 H, m, J=10.17, 6.89, 3.43, 3.43 Hz), 4.15-4.25(3 H, m), 3.35(1 H, dd, J=13.60, 3.27 Hz), 2.84(1 H, dd, J=16.62, 9.57 Hz), 2.75(1 H, dd, J=13.35, 10.07 Hz), 2.47(1 H, dd, J=16.62, 4.78 Hz), 2.11-2.23(2 H, m), 1.90-2.02(1 H, m), 1.72-1.84(1 H, m), 1.44(9 H, s).
製造物1D:(2R)-2-(2-tert-ブトキシ-2-オキソエチル)-5,5,5-トリフルオロペンタン酸
Figure 2015529250
(1D)
THF(50 mL)および水(15 mL)中の製造物1C(2.17 g, 5.05 mmol)の冷たい攪拌溶液(0℃)に、H2O(2 mL)中のLiOH(0.242 g, 10.11 mmol)およびH2O2(2.065 mL, 20.21 mmol)の溶液を加えた。10分後に、該反応混合液を、氷浴から外して、1時間攪拌して、次いで0℃に再冷却した。飽和NaHCO3水溶液(25mL)および飽和Na2SO3水溶液(25mL)を、該反応液に加えて、10分間攪拌した後に、部分濃縮した。得られる混合液を、DCM(2x)で抽出して、氷冷して、pH3に濃HClを用いて酸性とした。該混合液を、固体NaClで飽和させて、EtOAcで抽出して(3x)、次いでMgSO4上で乾燥させて、濾過して、濃縮し、製造物1D(1.2514g, 92%)を無色の油状物として得た:1H NMR(400 MHz, CDCl3)δ ppm 2.83-2.95(1 H, m), 2.62-2.74(1 H, m), 2.45(1 H, dd, J=16.62, 5.79 Hz), 2.15-2.27(2 H, m), 1.88-2.00(1 H, m), 1.75-1.88(1 H, m), 1.45(9 H, s).
製造物1E:(2R,3S)-3-(tert-ブトキシカルボニル)-6,6,6-トリフルオロ-2-(3,3,3-トリフルオロプロピル)ヘキサン酸、および
製造物1F:(2R,3R)-3-(tert-ブトキシカルボニル)-6,6,6-トリフルオロ-2-(3,3,3-トリフルオロプロピル)ヘキサン酸
Figure 2015529250
THF(60 mL)中の製造物1D(5 g, 18.50 mmol)の冷たい攪拌溶液(-78℃)に、7分かけてLDA(22.2 mL, 44.4 mmol, 2.0M)をゆっくりと加えた。2時間攪拌後、製造物1A(6.38 g, 25.9 mmol)を、該反応混合液に3分間かけて加えた。60分後、該反応混合液を、-25℃に温めて(氷/MeOH/ドライアイス)、さらに60分間攪拌して、この時点で飽和NH4Cl水溶液を加えた。この分離した水相を、pH3に1N HCl水溶液を用いて酸性とし、次いでEt2Oで抽出して、有機層を合わせて、食塩水(x2)で洗浄して、MgSO4上で乾燥させて、濾過して、濃縮し、1:4(1E:1F)の製造物1Eおよび製造物1Fの混合液(6.00 g, 89%)(1H NMRにより決定されたとおり)を、淡黄色の固形物として得た。1H NMR(500 MHz, CDCl3)δ ppm 2.81(1 H, ddd, J=10.17, 6.32, 3.85 Hz), 2.63-2.76(1 H, m), 2.02-2.33(4 H, m), 1.86-1.99(2 H, m), 1.68-1.85(2 H, m), 1.47(9 H, s).
製造物1E:(2R,3S)-3-(tert-ブトキシカルボニル)-6,6,6-トリフルオロ-2-(3,3,3-トリフルオロプロピル)ヘキサン酸、および
製造物1F:(2R,3R)-3-(tert-ブトキシカルボニル)-6,6,6-トリフルオロ-2-(3,3,3-トリフルオロプロピル)ヘキサン酸
Figure 2015529250
THF(91 mL)中の製造物1Eおよび製造物1Fの混合液(5.97 g, 16.30 mmol)の冷たい攪拌溶液(-78℃)に、LDA (19 mL, 38.0 mmol, THF/ヘキサン/エチルベンゼン中で2.0M)を、10分かけてシリンジから滴加した(内部温度は-65℃を決して超えない, 反応溶液中でJ-KEM(登録商標)probe)、15分間攪拌して、室温まで昇温させて(24℃水浴)、15分間攪拌して、15分間-78℃に冷却した。該反応混合液に、シリンジからEt2AlCl(41 mL, 41.0 mmol, ヘキサン中で1M)を加えた(内部温度は決して-55℃を超えない)。該反応混合液を、10分間攪拌して、15分間室温まで昇温させて(24℃浴)、次いで-78℃に15分間冷却した。一方で、MeOH(145 mL)を入れた1000 mLの丸底フラスコを、予め-78℃に冷却した。しっかりと攪拌しながら、該反応混合液を、5分間かけてカニューレによりこのMeOHに移し入れた。フラスコを浴から取り出して、氷を加えた後に、1N HCl(147 mL, 147 mmol)をゆっくりと加えた。注:HClの添加に従いガスの発生を観察した。該反応混合液を、ガスの発生が止んでいる間に室温まで昇温させた。該反応混合液を、EtOAc(750mL)で希釈して、該水層をNaClで飽和させた。該有機相を分離して、水(291 mL)中のフッ化カリウム(8.52 g, 147 mmol)および1N HCl(41 mL, 41.0 mmol)の溶液で洗浄して、次いで食塩水(100 mL)で洗浄して、Na2SO4で乾燥させて、濾過し、真空濃縮した。1H NMRにより、生成物が9:1の製造物1Eおよび製造物1Fの混合液であることが示された。製造物1Eおよび製造物1F(6.12 g, >99%収率)を多く含む混合液を、暗琥珀色の固形物として得た:1H NMR(400 MHz, CDCl3)δ ppm 2.64-2.76(2 H, m), 2.04-2.35(4 H, m), 1.88-2.00(2 H, m), 1.71-1.83(2 H, m), 1.48(9 H, s).
製造物1G:(2R,3S)-1-ベンジル 4-tert-ブチル 2,3-ビス(3,3,3-トリフルオロプロピル)スクシネート
Figure 2015529250
(1G)
DMF(63 ml)中の9:1の製造物1Eおよび製造物1Fを多く含む攪拌した混合液(5.98 g, 16.33 mmol)に、炭酸カリウム(4.06 g, 29.4 mmol)および臭化ベンジル(2.9 ml, 24.38 mmol)を加えて、次いで該反応混合液を終夜攪拌した。該反応混合液を、EtOAc (1000 mL)で希釈して、10% LiCl(3x200 mL)、食塩水(200 mL)で洗浄して、次いでNa2SO4で乾燥させて、濾過して、真空濃縮した。残留物を、トルエン:ヘキサンのグラジエントを用いるSiO2クロマトグラフィーにより精製した。ジアステレオマー純粋な製造物1G(4.81g, 65%)を無色固形物として得た:1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d)δ 7.32-7.43(m, 5H), 5.19(d, J=12.10 Hz, 1H), 5.15(d, J=12.10 Hz, 1H), 2.71(dt, J=3.52, 9.20 Hz, 1H), 2.61(dt, J=3.63, 9.63 Hz, 1H), 1.96-2.21(m, 4H), 1.69-1.96(m, 3H), 1.56-1.67(m, 1H), 1.45(s, 9H).
製造物1E:(2R,3S)-3-(tert-ブトキシカルボニル)-6,6,6-トリフルオロ-2-(3,3,3-トリフルオロプロピル)ヘキサン酸
Figure 2015529250
(1E)
MeOH(100 mL)中の製造物1G(4.81 g, 10.54 mmol)の溶液に、H2-圧力フラスコ内で10% パラジウム炭素(wet, Degussa type, 568.0 mg, 0.534 mmol)を加えた。容器を、N2(4x)に続いてH2(2x)でパージして、次いで50 psiまで加圧して、終夜振とうした。該反応混合液を脱気して、パージし、混合液を、CELITE(登録商標)を通して濾過して、MeOHで洗浄して、次いで濃縮して、真空下で乾燥させた。製造物1E(3.81 g, 99%収率)を無色の固形物として得た:1H NMR (400 MHz, CDCl3)δ 2.62-2.79(m, 2H), 2.02-2.40(m, 4H), 1.87-2.00(m, 2H), 1.67-1.84(m, 2H), 1.48(s, 9H).
製造物1F:(S)-7-アミノ-5H-ジベンゾ[b,d]アゼピン-6(7H)-オン
Figure 2015529250

(1H)
ラセミ体の7-アミノ-5H-ジベンゾ[b,d]アゼピン-6(7H)-オンを、WO 2008/145525 A2に開示した方法に従って製造した。エナンチオマーを、分取SFCクロマトグラフィー(Berger SFC MGIII カラム:OJ-H 5x25cm;移動相:15% MeOH+0.1% ジエチルアミン(CO2中);流速:270 mL/分;温度:35℃;検出器の波長:255 nm)により分離した。第二の溶出ピークを濃縮して、S-エナンチオマーの製造物1Hを、白色の固形物として得た。HPLC:RT= 1.428 min(H2O/MeOH(TFAを含む), CHROMOLITH(登録商標)SpeedROD, 4.6x50mm, グラジエント= 4 min, 波長 = 220 nm);MS(ES):m/z = 225 [M+H+];1H NMR(500MHz, DMSO-d6)δ 10.18(br. s., 1H), 7.69(d, J=7.8 Hz, 1H), 7.65(dd, J=7.8, 1.4 Hz, 1H), 7.53(dd, J=7.6, 1.2 Hz, 1H), 7.48(td, J=7.6, 1.2 Hz, 1H), 7.46-7.38(m, 2H), 7.29(td, J=7.6, 1.2 Hz, 1H), 7.20(dd, J=8.0, 1.1 Hz, 1H), 4.09(s, 1H), 2.28(br. s., 2H).
製造物1I:(2S,3R)-tert-ブチル 6,6,6-トリフルオロ-3-(((S)-6-オキソ-6,7-ジヒドロ-5H-ジベンゾ[b,d]アゼピン-7-イル)カルバモイル)-2-(3,3,3-トリフルオロプロピル)ヘキサノエート
Figure 2015529250

(1I)
10 mLのバイアル内で、DMF(1 mL)中の製造物1H(50 mg, 0.223 mmol)、Et3N(0.047 mL, 0.334 mmol)および製造物1E(82 mg, 0.223 mmol)の溶液を、O-ベンゾトリアゾール-1-イル-N,N,N',N'-テトラメチルウロニウム テトラフルオロボーレート(107 mg, 0.334 mmol)で処理して、室温で1時間攪拌した。該反応混合液を、水および飽和NaHCO3水溶液で希釈した。形成したオフホワイトの沈殿物を、濾過して、水で洗浄した。得られる固形物を、真空下で乾燥させて、製造物1I(124.8 g, 98%収率)を得て、精製せずに使用した;HPLC:RT = 3.651 min(H2O/MeOH(TFAを含む), CHROMOLITH(登録商標)ODS S5 4.6 x 50 mm, グラジエント= 4 min, 波長 = 220 nm).
製造物1J
Figure 2015529250
(1J)
5 mLバイアル内で、DCM(1.5 mL)中の製造物1I(124 mg, 0.217 mmol)の溶液を、TFA(1.5 mL)で処理して、得られる淡橙色の溶液を、室温で1.5時間攪拌した。該反応混合液を、濃縮して、製造物1Jを得た。これを、さらなる精製なしに次の反応に使用した。HPLC:RT = 3.016 min(H2O/MeOH(TFAを含む), CHROMOLITH(登録商標)ODS S5 4.6 x 50 mm, グラジエント= 4 min, 波長 = 220 nm).
実施例1
5mLのバイアル内のTHF(2 mL)中の製造物1J(112 mg, 5.86 mmol)の溶液に、HOBT(66.4 mg, 0.434 mmol)およびEDC(83 mg, 0.434 mmol)を加えて、次いでアンモニア(iPrOH中で2M, 0.976 mL, 1.952 mmol)で処理した。得られる白色懸濁液を、室温で終夜攪拌した。該反応混合液を濃縮して、粗製物質を分取HPLC上(Luna C18, 30x100, 12分にわたり40〜60% メタノール水溶液(0.1% TFAを含む)、60%でさらに12分間保持, 30 mL/分, 220 nmで検出およびモニタリング)で精製した。生成物を含有する画分を、濃縮して、得られる白色沈殿物を、濾過により集めて、10% MeOH/水で濯ぎ、真空下で乾燥させて、実施例1(18.7 mg, 15.9%収率)を得た。HPLC:RT= 8.859 min(H2O/CH3CN(TFAを含む), SunFire C18 3.5μm, 4.6x150mm, グラジエント= 15 min, 波長 = 220 および 254 nm);MS(ES):m/z = 516 [M+H+];1H NMR(500MHz, DMSO-d6)δ 10.39(s, 1H), 9.25(d, J=8.6 Hz, 1H), 7.72(dd, J=7.8, 1.1 Hz, 1H), 7.62(d, J=7.8 Hz, 2H), 7.55-7.41(m, 4H), 7.39-7.33(m, 1H), 7.26(d, J=8.0 Hz, 1H), 7.12(br. s., 1H), 5.26(d, J=8.6 Hz, 1H), 2.94(dt, J=10.2, 7.2 Hz, 1H), 2.47(br. s., 1H), 2.35-2.02(m, 4H), 1.79-1.67(m, 1H), 1.65-1.56(m, 2H), 1.50-1.39(m, 1H).
実施例2
(2R,3S)-N-((7S)-6-オキソ-6,7-ジヒドロ-5H-ジベンゾ[b,d]アゼピン-7-イル)-3-プロピル-2-(3,3,3-トリフルオロプロピル)スクシンアミド
Figure 2015529250
(2)
製造物2A:(2R,3S)-3-(tert-ブトキシカルボニル)-2-(3,3,3-トリフルオロプロピル)ヘキサン酸
Figure 2015529250
(2A)
製造物3N(0.8 g, 1.998 mmol)を、MeOH(15.37 ml)に溶解した。パラジウム炭素(Degussa, 10%)(0.053 g, 0.050 mmol)を加えて、次いで大気をH2で3回交換した。該反応混合液を、約6時間攪拌して、次いで濾過して、EtOAcで濯いだ。該濾液を濃縮して、製造物2A(627 mg, 100%)を得た:1H NMR(400MHz, CDCl3)δ 2.72-2.65(m, 1H), 2.64-2.56(m, 1H), 2.34-2.04(m, 2H), 1.98-1.86(m, 1H), 1.82-1.59(m, 2H), 1.47(s, 9H), 1.44-1.23(m, 3H), 0.99-0.86(m, 3H).
実施例2
実施例2を、実施例1について示された一般的な方法を用いて製造物1Hおよび製造物2Aから製造した。実施例2:HPLC:RT= 1.46 min(Warters Acquity UPLC BEH C18, 2.1 x 50 mm, 1.7-μm 粒子;移動相:A:5:95 アセトニトリル:水(10 mM 酢酸アンモニウムを含有);移動相 B:95:5 アセトニトリル:水(10 mM 酢酸アンモニウムを含有);温度:50℃;グラジエント:3分かけて0〜100% B、次いで100% Bで0.75分保持;流速:1.11 mL/分);MS(ES):m/z = 462 [M+H+];1H NMR(500MHz, 1:1 CDCl3:メタノール-d4)δ 7.74-7.65(m, 1H), 7.52-7.46(m, 1H), 7.46-7.40(m, 3H), 7.36-7.30(m, 1H), 7.22(d, J=7.9 Hz, 1H), 5.43(s, 1H), 4.29(s, 3H), 3.49-3.39(m, 1H), 2.75(td, J=10.0, 5.2 Hz, 1H), 2.43(td, J=10.8, 2.7 Hz, 1H), 2.24-2.06(m, 2H), 1.99-1.91(m, 2H), 1.81-1.67(m, 2H), 1.67-1.57(m, 1H), 1.34(dd, J=7.2, 3.7 Hz, 2H), 1.28-1.12(m, 1H), 0.85(t, J=6.9 Hz, 2H).
実施例3
(2R,3S)-3-(シクロプロピルメチル)-N-((7S)-6-オキソ-6,7-ジヒドロ-5H-ジベンゾ[b,d]アゼピン-7-イル)-2-(3,3,3-トリフルオロプロピル)スクシンアミド
Figure 2015529250

(3)
製造物3A:(4S)-4-(プロパン-2-イル)-3-(5,5,5-トリフルオロペンタノイル)-1,3-オキサゾリジン-2-オン
Figure 2015529250

(3A)
DCM(50 mL)およびDMF(3滴)中の5,5,5-トリフルオロペンタン酸(5.04 g, 32.3 mmol)の攪拌溶液に、5分かけて塩化オキサリル(3.4 mL, 38.8 mmol)を滴加した。該溶液を、全ての泡沸が止むまで攪拌した。該反応混合液を、減圧濃縮して、淡黄色の油状物を得た。THF(100 mL)中の(4S)-4-(プロパン-2-イル)-1,3-オキサゾリジン-2-オン(4.18 g, 32.4 mmol)の溶液を入れた別のフラスコに、-78℃で、n-BuLi(13.0 mL, 32.5 mmol, ヘキサン中で2.5M)を、5分間かけてシリンジから滴加した。10分間攪拌後に、THF(20 mL)に溶解した上記酸塩化物を、15分間かけてカニューレから加えた。該反応混合液を、0℃に昇温させて、浴が温まるにつれて室温まで昇温させて、終夜攪拌した。該反応混合液に、飽和NH4Clを加えて、次いでEtOAc(2x)で抽出した。有機相を合わせて、食塩水で洗浄して、乾燥させて(Na2SO4)、濾過して、減圧下で濃縮した。粗製物質を、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc)により精製して、製造物3A(7.39 g, 86%)を無色の油状物として得た:1H NMR (400 MHz, CDCl3)δ 4.44(1 H, dt, J=8.31, 3.53 Hz), 4.30(1 H, t, J=8.69 Hz), 4.23(1 H, dd, J=9.06, 3.02 Hz), 2.98-3.08(2 H, m), 2.32-2.44(1 H, m, J=13.91, 7.02, 7.02, 4.03 Hz), 2.13-2.25(2 H, m), 1.88-2.00(2 H, m), 0.93(3 H, d, J=7.05 Hz), 0.88(3 H, d, J=6.80 Hz).
製造物3B:tert-ブチル 3-シクロプロピルプロパノエート
Figure 2015529250
(3B)
N2下において、ヘキサン(30.0 mL)およびTHF(30 mL)中の3-シクロプロピルプロパン酸(5 g, 43.8 mmol)の冷たい攪拌溶液(0℃, 少なくとも15分間事前冷却した)に、tert-ブチル 2,2,2-トリクロロアセトイミデート(15.7 mL, 88 mmol)を、5分かけて、少量づつ滴加した。該反応混合液を、15分間攪拌した。三フッ化ホウ素エーテル錯体(0.555 mL, 4.38 mmol)を加えて、該反応混合液を、浴温が上がるにつれて終夜室温まで昇温させた。透明な反応混合液に、NaHCO3(5g)を加えて、60分間攪拌した。懸濁液を、MgSO4に通して濾過して、ヘキサン(300 mL)で洗浄した。該濾液を、静置させて、次いで形成した固形物を、同じMgSO4フィルターを通して濾過して、ヘキサン(100 mL)で洗浄した。水浴に入れずに、濾液を真空濃縮した。残留物を、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc)により精製して、製造物3B(6.05g, 81%)を透明な油状物として得た:1H NMR (400 MHz, CDCl3)δ 2.29(2 H, t, J=7.48 Hz), 1.35-1.54(11 H, m), 0.60-0.75(1 H, m), 0.29-0.46(2 H, m), -0.06-0.10(2 H, m).
製造物3C:(2S,3R)-tert-ブチル 2-(シクロプロピルメチル)-6,6,6-トリフルオロ-3-((S)-4-イソプロピル-2-オキソオキサゾリジン-3-カルボニル)ヘキサノエート、および
製造物3D:(2R,3R)-tert-ブチル 2-(シクロプロピルメチル)-6,6,6-トリフルオロ-3-((S)-4-イソプロピル-2-オキソオキサゾリジン-3-カルボニル)ヘキサノエート
Figure 2015529250

ジイソプロピルアミン(6.64 ml, 46.6 mmol)を、THF(71.7 mL)に溶解して、-78℃に冷却して、次いでn-BuLi(18.0 mL, 44.9 mmol, ヘキサン中で2.5M)を、5分間かけて滴加した。5分後に、得られる0.5 M LDA溶液を、0℃で維持した。
別のフラスコ内で、塩化リチウム(2.62 g, 61.7 mmol)を高真空下で加熱しながら乾燥させて、窒素下で冷却した。製造物3A(3.0 g, 11.23 mmol)を、トルエンで1回共沸混合させて、トルエン(15.0 mL)と共に、LiClを入れたフラスコ内に移して、-78℃に冷却した。この攪拌懸濁液に、シリンジから5分間かけてLDA(25.83 mL, 12.91 mmol, 1.15 equiv., 0.5M LDA)を滴加した。該反応混合液を、-78℃で15分間、次いで0℃で10分間攪拌して、-78℃に冷却した。
別のフラスコ内で、製造物3B(3.44 g, 20.21 mmol)を、N2下でトルエン(15.0 mL)に溶解して、-78℃に冷却した。この溶液に、LDA(46.48 mL, 23.24 mmol, 1.15 equiv., 0.5M LDA)を滴加して、-78℃で30分攪拌して、この時点で、この溶液を、カニューレから、-78℃で、LiCl/オキサゾリドン溶液に加えた(一定陰圧, 全てを30秒以内で加えた)。移行1分後に、固形物のビス(2-エチルヘキサノイルオキシ)銅(10.80 g, 30.9 mmol)を、-78℃で加えて、該フラスコを、40℃の水浴に移して、15分間激しく回して、5% NH4OH 溶液(20 mLの飽和NH4OHおよび100 mLの水)によりクエンチして、酢酸エチル(2x100 mL)で抽出した。このプールした有機相を、食塩水で洗浄して、乾燥させて(Na2SO4)、濾過して、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc)により精製して、製造物3Cおよび製造物3Dの混合液(1.58g, 32%収率)を油状物として得た:1H NMRにより、この物質が、t-Bu ピークの積分により1.5:1の製造物3C:製造物3Dの混合液であることが示された:ジアステレオマー混合液の1H NMR(400MHz, CDCl3)δ 4.53-4.41(m, 2H), 4.39-4.19(m, 5H), 4.10-4.01(m, 1H), 2.89-2.77(m, 2H), 2.47-2.26(m, 2H), 2.16-1.72(m, 8H), 1.47(s, 9H, 製造物3Cのt-Bu, 1.5の相対強度についての積分), 1.46(s, 9H, t-Bu of 製造物3D, 1の相対強度についての積分), 0.98-0.86(m, 16H), 0.78-0.64(m, 2H), 0.56-0.37(m, 4H), 0.14-0.01(m, 4H).
製造物3E:(R)-2-((S)-1-tert-ブトキシ-3-シクロプロピル-1-オキソプロパン-2-イル)-5,5,5-トリフルオロペンタン酸、および
製造物3F:(R)-2-((R)-1-tert-ブトキシ-3-シクロプロピル-1-オキソプロパン-2-イル)-5,5,5-トリフルオロペンタン酸
Figure 2015529250

THF(60mL)および水(20 mL)中の製造物3Cおよび3D(3.4g, 7.81 mmol)の混合液の冷たい攪拌溶液(0℃)に、30% H2O2(4.82 mL, 79 mmol)、続いてLiOH(0.567g, 23.66 mmol)を加えた。該反応混合液を、徐々に室温まで昇温させて、室温で3時間攪拌した。該反応混合液に、飽和Na2SO3(20 mL)および飽和NaHCO3(40 mL)を加えて、次いで5分間攪拌した。該反応混合液を、部分濃縮して、DCM(80mL)で抽出した。該水相を、pH〜2までの酸性として、NaClで飽和させて、EtOAc(2x)で抽出した。この抽出物を合わせて、乾燥させて(MgSO4)、濾過して、濃縮し、製造物3Eおよび製造物3Fの混合液(2.01g, 79%)を得た:1H NMRにより、この物質が、t-Bu ピークの積分により1.4:1の製造物3E:製造物3Fの混合物であることが示された:ジアステレオマー混合液の1H NMR(400MHz, CDCl3)δ 2.82-2.59(m, 4H), 2.31-2.03(m, 4H), 1.95-1.52(m, 7H), 1.44(s, 9H, 製造物3Fのt-Bu, 1.4の相対強度について積分), 1.42(s, 9H,製造物3Fのt-Bu, 1の相対強度について積分), 0.93(d, J=6.6 Hz, 1H), 0.88(d, J=6.8 Hz, 1H), 0.74-0.57(m, 2H), 0.43(t, J=6.8 Hz, 3H), 0.11- -0.04(m, 3H).
製造物3E:(R)-2-((S)-1-tert-ブトキシ-3-シクロプロピル-1-オキソプロパン-2-イル)-5,5,5-トリフルオロペンタン酸、および
製造物3F:(R)-2-((R)-1-tert-ブトキシ-3-シクロプロピル-1-オキソプロパン-2-イル)-5,5,5-トリフルオロペンタン酸を多く含む混合物
Figure 2015529250

N2下においてTHF(30 mL)中の製造物3Eおよび製造物3F(2.00 g, 6.17 mmol)の1.4:1の混合液の冷たい攪拌溶液(-78℃)に、5分かけてシリンジからLDA(7.54 mL, 13.57 mmol, 1.8M)を加えて、15分間攪拌して、室温まで昇温させて(24℃水浴)、15分間攪拌して、-78℃に15分間冷却した。該反応混合液に、塩化ジエチルアルミニウム(12.95 mL, 12.95 mmol, ヘキサン中で1M)をシリンジから加えた。該反応液を10分攪拌して、15分間室温まで昇温させて(24℃浴)、次いで25分間-78℃に再度冷却した。MeOH(38.9 mL, 962 mmol)を、迅速に加えて、該反応液、冷却浴から外して、次いで氷および1N HCl(55.5 mL, 55.5 mmol)をゆっくりと加えた。ガスの発生が止んでから、該混合液を、EtOAc(2x)で抽出して、有機相溶液を合わせて、水(106 mL, 5895 mmol)および1N HCl(15.72 mL, 15.72 mmol)中のフッ化カリウム溶液(3.26 g, 56.2 mmol)、食塩水で洗浄して、次いで乾燥させた(Na2SO4)。該混合液を、その後濾過して、濃縮して、〜2:1の製造物3Eおよび製造物3F(1.79 g, 90%)を多く含む混合物(3E:3F, 1H NMRにおけるt-Buピークの積分により決定したとおり)を得た:ジアステレオマー混合液の1H NMR(400MHz, CDCl3)δ 2.87-2.57(m, 2H), 2.36-2.06(m, 2H), 1.97-1.81(m, 2H), 1.81-1.70(m, 1H), 1.70-1.56(m, 1H), 1.47(s, 9H, 3Eのt-Bu, 2.0の相対強度についての積分), 1.45(s, 9H, 3Fのt-Bu, 1の相対強度についての積分), 0.99-0.87(m, 1H), 0.77-0.61(m, 1H), 0.54-0.38(m, 2H), 0.16- -0.01(m, 2H).
製造物3G:(2R,3S)-1-ベンジル 4-tert-ブチル 3-(シクロプロピルメチル)-2-(3,3,3-トリフルオロプロピル)スクシネート、および
製造物3H:(2R,3R)-1-ベンジル 4-tert-ブチル 3-(シクロプロピルメチル)-2-(3,3,3-トリフルオロプロピル)スクシネート
Figure 2015529250

DMF(25 ml)中の2.15:1の製造物3Eおよび製造物3Fの混合液(2.22 g, 6.84 mmol)ならびに臭化ベンジル(0.98 ml, 8.24 mmol)の攪拌溶液に、炭酸カリウム(1.41 g, 10.20 mmol)を加えた。該反応混合液を、次いで5.5時間攪拌した。該反応混合液を、EtOAc(300 mL)で希釈して、10% LiCl(3x100 mL)、飽和NaClで洗浄して、次いで乾燥させて(Na2SO4)、濾過して濃縮した。該残留物を、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:トルエン)により精製して、製造物3G(1.5 g, 53%)および製造物3H(0.778g, 27%)を得た:製造物3G:1H NMR(400MHz, CDCl3)δ 7.43-7.31(m, 29H), 5.17(d, J=11.9 Hz, 6H), 5.13(d, J=11.9 Hz, 6H), 2.75-2.64(m, 11H), 2.19-1.94(m, 12H), 1.93-1.81(m, 6H), 1.79-1.69(m, 6H), 1.63-1.56(m, 4H), 1.46(s, 47H), 1.14(ddd, J=13.8, 7.2, 3.5 Hz, 6H), 0.68-0.55(m, 6H), 0.45-0.37(m, 11H), -0.02- -0.11(m, 6H). 製造物3H:1H NMR(400MHz, CDCl3)δ 7.40-7.32(m, 5H), 5.16(d, J=12.3 Hz, 1H), 5.13(d, J=12.1 Hz, 1H), 2.88-2.79(m, 1H), 2.74(ddd, J=8.8, 7.3, 4.4 Hz, 1H), 2.18-1.93(m, 2H), 1.90-1.79(m, 2H), 1.70-1.59(m, 1H), 1.44(s, 9H), 1.31(ddd, J=14.1, 7.3, 4.5 Hz, 1H), 0.73-0.61(m, 1H), 0.49-0.38(m, 2H), 0.10-0.03(m, 1H), -0.01- -0.07(m, 1H).
製造物3E:(R)-2-((S)-1-tert-ブトキシ-3-シクロプロピル-1-オキソプロパン-2-イル)-5,5,5-トリフルオロペンタン酸
Figure 2015529250
(3E)
製造物3G(2.80 g, 6.76 mmol)を、酢酸エチル(26.0 mL)およびメタノール(26.0 mL)に溶解した。パラジウム炭素(10% wet Degussa, 0.539 g, 0.507 mmol)を加えて、次いで大気を3回H2に交換した。該反応混合液を、約2時間攪拌して、次いでMeOH洗液と共に濾過した。該濾液を濃縮して、製造物3E(2.19 g, 100%収率)を得た:1H NMR(400MHz, CDCl3)δ 2.79-2.67(m, 2H), 2.36-2.21(m, 1H), 2.18-2.03(m, 1H), 1.94(dtd, J=14.6, 9.8, 4.8 Hz, 1H), 1.78(ddd, J=11.1, 5.3, 3.0 Hz, 1H), 1.63(ddd, J=13.9, 9.2, 7.0 Hz, 1H), 1.49(s, 9H), 1.35(ddd, J=13.8, 7.0, 3.9 Hz, 1H), 0.77-0.63(m, 1H), 0.48(dq, J=8.1, 1.7 Hz, 2H), 0.15-0.02(m, 2H).
製造物3Gおよび製造物3Eを製造するための別法:
製造物3I:(S)-4-ベンジル-3-(5,5,5-トリフルオロペンタノイル)オキサゾリジン-2-オン
Figure 2015529250
(3I)
DCM(315 mL)およびDMF(5滴)中の5,5,5-トリフルオロペンタン酸(71.4 g, 457 mmol)の攪拌溶液に、塩化オキサリル(229 mL, 457 mmol)を加えた。次いでガスの発生が止むまで該反応混合液を攪拌した。該反応混合液を濃縮して、この物質を後記で使用した。
別のフラスコに、(S)-4-ベンジルオキサゾリジン-2-オン(60 g, 339 mmol)およびTHF(315 mL)を入れて、-78℃に冷却して、n-ブチルリチウム(183 mL, 2.5M, 457 mmol)を滴加した。大量の懸濁液が添加中に生じたので、追加のTHF(315 mL)を加えた。BuLiの添加が完了すると、該反応混合液に、THF(150 mL)中の上記酸塩化物の溶液を滴加し、-78℃で10分間攪拌して、次いで室温まで昇温させた。該反応液を、0〜5℃で飽和NH4Cl水溶液を用いてクエンチした。該反応混合液を、EtOAcで抽出して、水、食塩水で洗浄して、乾燥させ(Na2SO4)、濾過して、濃縮した。該残留物を、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc)により精製して、製造物3I(87 g, 81%)を得た:1H NMR (400 MHz, CDCl3)δ 7.32-7.39(2 H, m), 7.30(1 H, d, J=7.05 Hz), 7.18-7.25(2 H, m), 4.64-4.74(1 H, m), 4.17-4.27(2 H, m), 3.31(1 H, dd, J=13.35, 3.27 Hz), 3.00-3.11(2 H, m), 2.79(1 H, dd, J=13.35, 9.57 Hz), 2.16-2.28(2 H, m), 1.93-2.04(2 H, m).
製造物3J:tert-ブチル(3R)-3-(((4S)-4-ベンジル-2-オキソ-1,3-オキサゾリジン-3-イル)カルボニル)-6,6,6-トリフルオロヘキサノエート
Figure 2015529250
(3J)
THF(150 mL)中の製造物3I(43 g, 136 mmol)の冷たい攪拌溶液(-78℃)に、窒素雰囲気下において、NaHMDS(150 mL, THF中で1.0M, 150 mmol)を加えた。2時間後に、THF(100 mL)中のtert-ブチル 2-ブロモアセテート(53.2 g, 273 mmol)を-78℃で加えて、攪拌を同じ温度で維持した。6時間後に、該反応混合液を、室温へ昇温させた。該反応混合液を、飽和NH4ClとEtOAcとの間に分配した。該有機相を分離して、該水相をEtOAc(3x)で抽出した。有機相を合わせて、食塩水で洗浄して、乾燥させ(Na2SO4)、濾過して、減圧下で濃縮した。残留物を、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc)により精製して、製造物3J(37 g, 63%)を得た:1H NMR (400 MHz, CDCl3)δ 7.34(2 H, d, J=7.30 Hz), 7.24-7.32(3 H, m), 4.62-4.75(1 H, m, J=10.17, 6.89, 3.43, 3.43 Hz), 4.15-4.25(3 H, m), 3.35(1 H, dd, J=13.60, 3.27 Hz), 2.84(1 H, dd, J=16.62, 9.57 Hz), 2.75(1 H, dd, J=13.35, 10.07 Hz), 2.47(1 H, dd, J=16.62, 4.78 Hz), 2.11-2.23(2 H, m), 1.90-2.02(1 H, m), 1.72-1.84(1 H, m), 1.44(9 H, s).
製造物3K:(2R)-2-(2-tert-ブトキシ-2-オキソエチル)-5,5,5-トリフルオロペンタン酸
Figure 2015529250

(3K)
THF(390 mL)および水(104 mL)中の製造物3J(26g, 60.5mmol)の冷たい攪拌溶液(0℃)に、水(28 mL)中の溶液としてH2O2(24.1 mL, 236 mmol)に続いてLiOH(2.75g, 115 mmol)を加えた。該反応混合液を、徐々に室温まで昇温させて、室温で3時間攪拌した。該反応混合液を、0℃に冷却して、次いで飽和Na2SO3および飽和NaHCO3を加えた。該反応混合液を、5分間攪拌して、次いで部分濃縮して、DCM(20ml)で抽出した。該水相をpH〜3に酸性として、EtOAcで抽出した。該抽出物を乾燥させて(Na2SO4)、濾過して、濃縮し、製造物3K(15g, 92%)を得た:1H NMR (400 MHz, CDCl3)δ 2.83-2.95(1 H, m), 2.62-2.74(1 H, m), 2.45(1 H, dd, J=16.62, 5.79 Hz), 2.15-2.27(2 H, m), 1.88-2.00(1 H, m), 1.75-1.88(1 H, m), 1.45(9 H, s).
製造物3L:(2R,3S)-3-(tert-ブトキシカルボニル)-2-(3,3,3-トリフルオロプロピル)ヘキサ-5-エノイン酸、および
製造物3M:(2R,3R)-3-(tert-ブトキシカルボニル)-2-(3,3,3-トリフルオロプロピル)ヘキサ-5-エノイン酸
Figure 2015529250

フラスコに、THF(150 ml)を入れて、次いで-20℃に冷却して、次いで攪拌しながらn-ブチルリチウム(53.9 ml,ヘキサン中で2.5 M, 135 mmol)を加えて、その後内部温度を-8.5℃未満に維持しながら55分かけてジイソプロピルアミン(19.4 ml, 137 mmol)を加えた。添加が完了した後に、該溶液を、0℃で45分間攪拌して、次いで-78℃に冷却した。これに、内部温度を-72℃未満に維持しながら、20分かけてTHF(15.0 ml)中の製造物3K(14.56 g, 53.9 mmol)の溶液を加えた。添加が完了した後に、該混合液を、-78℃で100分攪拌した。これに、10分かけて3-ブロモプロパ-1-エン(6.38 ml, 75 mmol)を加えた。該反応混合液を、攪拌して、浴が温まるにつれて、ゆっくりと室温まで昇温させて、終夜攪拌した。該溶液に、氷を加えて、約pH1まで1N HCl(215 mL)を用いてクエンチして、NaClで飽和させた。該層を分離した。該水層を、EtOAc(1x250 mL, 1x150 mL)で抽出した。該有機相を合わせて、食塩水(1 x 300 mL)で洗浄して、乾燥させて(MgSO4)、濾過して、蒸発させた。該残留物を、ベンゼン(50 mL)で処理して、2回蒸発させて、真空で乾燥させて、製造物3Lおよび製造物3Mの混合液(16.8g, 100%)を得た:1H NMRにより、製造物3L:製造物3Mについて1:2の割合が示された:ジアステレオマー混合液の1H NMR(400MHz, CDCl3)δ 5.81-5.66(m, 1H), 5.17-5.04(m, 2H), 2.81-2.62(m, 2H), 2.45-2.38(m, 2H), 2.33-2.03(m, 3H), 1.96-1.83(m, 2H), 1.45(s, 9H, 製造物3Lのt-Bu, 1の相対強度についての積分), 1.44(s, 9H, 製造物3Mのt-Bu, 2の相対強度についての積分).
製造物3L:(2R,3S)-3-(tert-ブトキシカルボニル)-2-(3,3,3-トリフルオロプロピル)ヘキサ-5-エノイン酸、および
製造物3M:(2R,3R)-3-(tert-ブトキシカルボニル)-2-(3,3,3-トリフルオロプロピル)ヘキサ-5-エノイン酸を多く含む混合液
Figure 2015529250

THF(150 mL)中の製造物3Lおよび製造物3M(10g, 32.2 mmol)の混合液の冷たい攪拌溶液(-78℃)に、LDA(39.4 mL, 70.9 mmol, ヘプタン/THF/エチルベンゼン中で1.8M)をゆっくりと加えた。15分間攪拌の後に、該反応混合液を、室温で水浴においた。15分後に、該反応混合液を、-78℃の浴に静置し、15分間攪拌して、次いで塩化ジエチルアルミニウム(81 mL, 81 mmol, ヘキサン中で1M)を、滴下漏斗から加えた。該反応混合液を、-78℃で攪拌した。10分間後に、該反応混合液を、15分間、室温の水浴中に置き、次いで、15分間-78℃に再度冷却した。一方で、別のフラスコに、MeOH(300 mL)を入れて、-78℃に冷却した。該反応混合液を、次いで、冷却し、かつ急速に攪拌しているMeOHに、窒素圧によりカニューレから移し入れた。この移行が完了した後に、氷(86g)を、該反応混合液に加えて、その後1N HCl(300 mL)をゆっくりと加えた。該反応混合液を、全てのガスの発生が止むまで攪拌した。EtOAc(400 mL)を加えて、該相を分離して、該水相をEtOAc(300 mL)で抽出した。EtOAc層を合わせて、H2O(600 mL)および1N HCl(86 mL)中のフッ化カリウム(17g)の混合液で洗浄して、その後食塩水で洗浄した。該有機相を、乾燥させて(Na2SO4)、濾過して、減圧下で濃縮して、7:1(3L:3M)の製造物3Lおよび製造物3Mを多く含む混合液(10.0g, 100%)を得た:ジアステレオマー混合液の1H NMR (400MHz, CDCl3)δ 5.81-5.66(m, 1H), 5.17-5.04(m, 2H), 2.81-2.62(m, 2H), 2.45-2.38(m, 2H), 2.33-2.03(m, 3H), 1.96-1.83(m, 2H), 1.45(s, 9H, 3Lのt-Bu, 7の相対強度についての積分), 1.44(s, 9H, 3Mのt-Bu, 1の相対強度についての積分).
製造物3N:(2S,3R)-4-ベンジル 1-tert-ブチル 2-アリル-3-(3,3,3-トリフルオロプロピル)スクシネート
Figure 2015529250
(3N)
DMF(100 ml)中の7:1の製造物3Lおよび製造物3Mを多く含む混合液(10 g, 32.2 mmol)の攪拌溶液に、臭化ベンジル(4.6 ml, 38.7 mmol)および炭酸カリウム(6.68 g, 48.3 mmol)を加えた。該反応混合液を、2時間、室温で攪拌した。該反応混合液に、Et3N(9.0mL. 64.5 mmol)を加えて、その後60分間攪拌した。該反応混合液を、Et2Oで希釈して、10% LiCl(3x100 mL)、食塩水(100 mL)で洗浄して、次いで乾燥させ(Na2SO4)、濾過して、濃縮した。残留物を、シリカゲルクロマトグラフィーにより精製して(ヘキサン/トルエン)、製造物3N(8.7 g, 67%)を得た:1H NMR(400MHz, CDCl3)δ 7.40-7.31(m, 5H), 5.70(ddt, J=16.9, 10.2, 7.1 Hz, 1H), 5.19-5.11(m, 2H), 5.09-5.02(m, 2H), 2.83-2.68(m, 2H), 2.43-2.32(m, 2H), 2.19-1.94(m, 2H), 1.91-1.81(m, 2H), 1.42(s, 9H).
製造物3G:(2R,3S)-1-ベンジル 4-tert-ブチル 3-(シクロプロピルメチル)-2-(3,3,3-トリフルオロプロピル)スクシネート
Figure 2015529250
(3G)
40% KOH[KOH(6 g, 107 mmol)/水(9 mL)]およびEt2O(60 mL)の混合液に、0℃に冷却して、1-メチル-3-ニトロ-1-ニトロソグアニジン(1.5 g, 10.20 mmol)を少量づつ滴加した。得られた溶液を数回回した。エーテル層(黄色溶液)を、0℃で、製造物3N(450 mg, 1.124 mmol)およびPd(OAc)2(25 mg, 0.11 mmol)の混合液にピペットで移した。該混合液を、0℃で3時間攪拌して、次いで該反応を、酢酸を数滴用いてクエンチした。得られる混合液を、飽和NaHCO3および食塩水で洗浄して、MgSO4上で乾燥させて、濾過して、濃縮した。粗製物質を、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc)により精製して、製造物3G(377 mg, 81%)を無色の油状物として得た:HPLC:RT= 3.790 min(H2O/MeOH(TFAを含む), CHROMOLITH(登録商標)SpeedROD, 4.6x50mm, グラジエント= 4 min, 波長 = 220 nm);MS(ES):m/z = 415 [M+H+];1H NMR(400MHz, CDCl3)δ 7.43-7.31(m, 5H), 5.21-5.07(m, 2H), 2.76-2.62(m, 2H), 2.18-1.66(m, 4H), 1.58-1.54(m, 1H),1.46(s, 9H), 1.14(ddd, J=13.8, 7.1, 3.5 Hz, 1H), 0.71-0.53(m, 1H), 0.47-0.34(m, 2H), 0.05- -0.10(m, 2H).
実施例3
実施例3を、実施例1について示した一般的な方法を用いて、製造物1Hおよび製造物3Eから製造した。実施例3:HPLC:RT= 1.47 min(Warters Acquity UPLC BEH C18, 2.1 x 50 mm, 1.7-μm 粒子;移動相 A:5:95 アセトニトリル:水(10 mM 酢酸アンモニウムを含有);移動相 B:95:5 アセトニトリル:水(10 mM 酢酸アンモニウムを含有);温度:50℃;グラジエント:3分で0〜100% B、次いで100% Bにて0.75分で保持;流速:1.11 mL/分);MS(ES):m/z = 474 [M+H+];1H NMR(500MHz, DMSO-d6)δ 10.40(s, 1H), 9.14(d, J=8.4 Hz, 1H), 7.71(d, J=6.4 Hz, 1H), 7.63-7.59(m, 2H), 7.56-7.45(m, 4H), 7.38-7.33(m, 1H), 7.25(d, J=7.4 Hz, 1H), 6.99(br. s., 1H), 5.24-5.21(m, 1H), 2.87-2.79(m, 1H), 2.45(td, J=10.9, 3.0 Hz, 1H), 2.40-2.29(m, 1H), 2.26-2.14(m, 1H), 1.64-1.54(m, 3H), 0.86(ddd, J=13.5, 7.6, 3.2 Hz, 1H), 0.58-0.46(m, 1H), 0.37-0.21(m, 2H), -0.05 - -0.13(m, 1H), -0.22(dq, J=9.1, 4.6 Hz, 1H).
実施例4
(2R,3S)-N-((7S)-6-オキソ-6,7-ジヒドロ-5H-ジベンゾ[b,d]アゼピン-7-イル)-2-プロピル-3-(3,3,3-トリフルオロプロピル)スクシンアミド
Figure 2015529250
(4)
製造物4A:((S)-4-イソプロピル-3-ペンタノイルオキサゾリジン-2-オン
Figure 2015529250
(4A)
CH2Cl2(100 mL)およびDMF(10滴)中のペンタン酸(5.98 g, 58.6 mmol)の攪拌溶液に、塩化オキサリル(5.64 mL, 64.4 mmol)を5分間かけて滴加して、該溶液を、2.75時間攪拌し、この時点で全ての泡立ちが止んだ。該溶液を、真空濃縮した。別のフラスコ内で、THF(280 mL)中の(S)-4-イソプロピルオキサゾリジン-2-オン(7.56 g, 58.6 mmol)の冷たい攪拌溶液(-78℃)に、n-BuLi(ヘキサン中で2.5M, 23.42 mL, 58.6 mmol)を、20分かけて滴下漏斗から滴加した(温度は、決して-68℃を超えない)。10分間攪拌した後に、THF(50 mL)に溶解した上記酸塩化物を、25分間かけて滴下漏斗から加えた。添加が完了した後に、該反応混合液を、浴が温まるにつれて、室温まで昇温させて、終夜攪拌した。該反応を、水でクエンチして、EtOAc(2x)で抽出した。該有機層を合わせて、食塩水で洗浄して、乾燥させて(Na2SO4)、濾過して、濃縮して、琥珀色の油状物を得た。該残留物を、フラッシュクロマトグラフィー(Teledyne ISCO CombiFlash Rf, 0%〜60% 溶媒 A/B=hex/EtOAc, REDISEP(登録商標)SiO2 120g, DCM溶液として用いる)により精製して、製造物4A(6.51 g, 52%)を無色の油状物として得た:1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d)δ ppm 4.44(1 H, ddd, J=8.16, 3.51, 3.39 Hz), 4.27(1 H, t, J=9.00 Hz), 4.21(1 H, dd, J=9.00, 3.01 Hz), 2.99(1 H, ddd, J=16.60, 8.50, 6.50 Hz), 2.86(1 H, ddd, J=16.60, 8.50, 6.78 Hz), 2.31-2.44(1 H, m), 1.56-1.72(2 H, m), 1.39(2 H, sxt, J=7.43 Hz), 0.94(3 H, t, J=7.28 Hz), 0.92(3 H, d, J=7.03 Hz), 0.88(3 H, d, J=6.78 Hz);HPLC:RT=2.497 min(CHROMOLITH(登録商標)SpeedROD 4.6 x 50 mm(4 min grad), MeOH/H2O/0.1% TFAによる溶出, 4 mL/分, 220 nmでのモニタリング).
製造物4B:(2S,3R)-tert-ブチル 3-((S)-4-イソプロピル-2-オキソオキサゾリジン-3-カルボニル)-2-(3,3,3-トリフルオロプロピル)ヘキサノエート、および
製造物4C:(2R,3R)-tert-ブチル 3-((S)-4-イソプロピル-2-オキソオキサゾリジン-3-カルボニル)-2-(3,3,3-トリフルオロプロピル)ヘキサノエート
Figure 2015529250

窒素雰囲気下でTHF(60 mL)中のジイソプロピルアミン(5.4 mL, 37.9 mmol)の冷たい攪拌溶液(-78℃)に、n-BuLi(ヘキサン中で2.5M, 15 mL, 37.5 mmol)を加えて、次いで0℃に昇温させて、0.5M LDA溶液を得た。別の容器に、製造物4A(1.99g, 9.33mmol)を入れて、次いでトルエン(15.3 mL)を加えた。この溶液を、乾燥した塩化リチウム(2.05 g, 48.4 mmol)を含むフラスコに加えた。-78℃に冷却した得られる混合液に、LDA溶液(21.5 mL, 10.75 mmol)を加えた。該混合液を、-78℃で10分間攪拌して、0℃で10分間昇温させて、次いで再度-78℃に冷却した。tert-ブチル 5,5,5-トリフルオロペンタノエート(3.46 g, 16.30 mmol)を含む別の反応容器に、トルエン(15.3 mL)を加えた。該溶液を、-78℃に冷却して、LDA(37.5 mL, 18.75 mmol)を加えた。得られる溶液を、-78℃で25分間攪拌した。この時点で、エステルから得られたエノラートを、カニューレによりオキサゾリジノンエノラートの溶液に移し入れて、-78℃でさらに5分間攪拌した。セプタムを取り出して、固形粉末状のビス(2-エチルヘキサノイルオキシ)銅(9.04 g, 25.8 mmol)を、直ぐに反応容器に加えて、セプタムを元に戻した。この容器を、冷却浴から直ちにはずして、急速に回しながら温浴(40℃)に入れた。該反応混合液を、25分間攪拌して、次いで5%NH4OH水溶液(360 mL)に注ぎ入れて、EtOAc(2x)で抽出した。有機相を合わせて、食塩水で洗浄して、乾燥させて(Na2SO4)、濾過して、減圧下で濃縮した。残留物を、フラッシュクロマトグラフィーにより精製した(Teledyne ISCO CombiFlash Rf, 0%〜60% 溶媒 A/B=ヘキサン/EtOAc, REDISEP(登録商標)SiO2 120g)。適切な画分の濃縮により、製造物4Bおよび4Cの混合物(1.92 g, 49%)を、淡黄色の粘性油状物として得た:1H NMR(400MHz, CDCl3)δ 4.48(dt, J=7.8, 3.5 Hz, 1H), 4.44(dt, J=7.7, 3.4 Hz, 1H), 4.33-4.19(m, 3H), 4.06(ddd, J=10.3, 7.0, 3.5 Hz, 1H), 2.83(td, J=8.3, 4.4 Hz, 1H), 2.67(ddd, J=10.5, 7.0, 3.9 Hz, 1H), 2.49-1.93(m, 8H), 1.91-1.80(m, 2H), 1.79-1.55(m, 5H), 1.47(s, 9H, 主要なジアステレオマー), 1.44(s, 9H, 副ジアステレオマー), 0.98-0.85(m, 18H).
製造物4D:(2R,3S)-3-(tert-ブトキシカルボニル)-6,6,6-トリフルオロ-2-プロピルヘキサン酸、および
製造物4E:(2R,3R)-3-(tert-ブトキシカルボニル)-6,6,6-トリフルオロ-2-プロピルヘキサン酸
Figure 2015529250
THF(67 mL)および水(20 mL)中の製造物4Bおよび製造物4C(1.92 g, 4.53 mmol)の冷たい攪拌溶液(0℃)に、H2O2(水中で30%, 4.93 g, 43.5 mmol)、続いてLiOH(329 mg, 13.7 mmol)を加えた。60分後、該反応混合液を、室温まで昇温させた。さらに60分後に、該反応混合液に、氷を加えて(発熱を制御するために)、飽和NaHCO3水溶液(15 mL)および飽和Na2SO3水溶液(15 mL)を加えた。該混合液を、真空で部分濃縮して、DCM(2x100 mL)で抽出した。該有機層を廃棄した。該水相を1N HClを用いて酸性(pH〜1-2)とし、NaClで飽和させて、DCM(3x100)およびEtOAc(1x100)で抽出して、該有機抽出液を合わせて、乾燥させて(MgSO4)、濾過して、濃縮した。得られた製造物4Dおよび製造物4Eの混合物(666 mg, 47%)を無色の油状物として得た:1H NMR(400MHz, CDCl3)δ 2.78-2.54(m, 4H), 2.29-1.99(m, 4H), 1.97-1.79(m, 3H), 1.78-1.49(m, 5H), 1.47(s, 9H, 副ジアステレオマー), 1.45(s, 9H, 主要なジアステレオマー), 1.44-1.17(m, 4H), 0.98-0.85(m, 6H).
製造物4D:(2R,3S)-3-(tert-ブトキシカルボニル)-6,6,6-トリフルオロ-2-プロピルヘキサン酸、および
製造物4E:(2R,3R)-3-(tert-ブトキシカルボニル)-6,6,6-トリフルオロ-2-プロピルヘキサン酸を多く含む混合液
Figure 2015529250
THF(84 mL)中の製造物4Dおよび製造物4E(4.75 g, 15.21 mmol)の冷たい攪拌溶液(-78℃)に、N2下において、LDA(1.8M, 20.3 mL, 36.5 mmol)を、10分かけて滴加した(内部温度は-68℃を決して超えない)。該反応混合液を、15分間攪拌して、水浴中で室温まで昇温させて、15分間攪拌し、次いで-78℃に15分間冷却した。該反応混合液に、Et2AlCl(ヘキサン中で1M, 32.0 mL, 32.0 mmol)を、シリンジから加えた。該反応混合液を、10分間攪拌して、水浴中で15分間、室温まで昇温させて、次いで25分間-78℃に冷却した。一方で、MeOHを入れたフラスコ(140 mL)を、-78℃に冷却した。該反応溶液を、直ぐにカニューレを介してMeOHへと移した。フラスコを、冷却浴から取り出して、次いで氷および1N HCl(137 mL, 137 mmol)(注意:大量のガス発生/泡立ち/泡沫形成)をゆっくりと加えた。該反応混合液を、EtOAc(2x300 mL)で抽出して、有機相を合わせて、水(300 mL)中のフッ化カリウム(7.95 g, 137 mmol)溶液、1N HCl(38 mL, 38.0 mmol)、その後食塩水で連続的に洗浄した。該有機層を、乾燥させて(Na2SO4)、濾過して、濃縮し、黄金色の油状物を得た。1H NMRにより、該生成物が7.58:1の製造物4Dと製造物4Eの混合物であることが示された。製造物4Dおよび製造物4Eの混合物(4.70 g, 99%)を暗琥珀色の粘性油状物として得た:1H NMR(400MHz, CDCl3)δ 2.78-2.54(m, 4H), 2.29-1.99(m, 4H), 1.97-1.79(m, 3H), 1.78-1.49(m, 5H), 1.47(s, 9H, 副ジアステレオマー), 1.45(s, 9H, 主要なジアステレオマー), 1.44-1.17(m, 4H), 0.98-0.85(m, 6H).
製造物4F:(2R,3S)-1-ベンジル 4-tert-ブチル 2-プロピル-3-(3,3,3-トリフルオロプロピル)スクシネート
Figure 2015529250
(4F)
DMF(55 mL)中の製造物4Dおよび製造物4E(4.70 g, 15.05 mmol)および臭化ベンジル(2.2 mL, 18.50 mmol)の攪拌溶液に、炭酸カリウム(3.16 g, 22.86 mmol)を加えた。8.5時間後に、該反応混合液を、EtOAc(300 mL)で希釈して、次いで10% LiCl(3x100 mL)および食塩水で洗浄した。該有機層を、乾燥させ(Na2SO4)、濾過して、濃縮した。該残留物を、フラッシュクロマトグラフィー(Teledyne ISCO CombiFlash Rf, 50%〜80% 溶媒 A/B=ヘキサン/トルエン, REDISEP(登録商標)SiO2 330g Gold)により精製した。製造物4Fを得た(4.9g, 81%):1H NMR (400 MHz, CDCl3)δ 7.30-7.42(m, 5H), 5.17(d, J=12.10 Hz, 1H), 5.13(d, J=12.10 Hz, 1H), 2.65-2.73(m, 1H), 2.57(dt, J=3.52, 9.79 Hz, 1H), 1.93-2.17(m, 2H), 1.80(dtd, J=5.17, 10.51, 13.64 Hz, 1H), 1.58-1.73(m, 2H), 1.45(s, 9H), 1.16-1.43(m, 3H), 0.85-0.91(m, 3H).
製造物4D:(2R,3S)-3-(tert-ブトキシカルボニル)-6,6,6-トリフルオロ-2-プロピルヘキサン酸
Figure 2015529250
(4D)
MeOH(60 ml)中の製造物4F(4.9 g, 12.18 mmol)の溶液を、活性炭で処理して、CELITE(登録商標)を通して濾過し、MeOH(60 ml)で洗浄した。該反応混合液を、真空下に置いて、N2により3回交換して、次いで10% パラジウム炭素(wet, Degussa type, 328.1 mg, 0.308 mmol)を加えた。大気を3回以上N2に交換して、次いで3回H2で交換した。4.5時間後、該反応混合液を、N2(3x)でパージして、次いでCELITE(登録商標)を通して濾過し、MeOHで洗浄した。濾液を濃縮して、真空下で終夜乾燥させた。製造物4D(3.45 g, 91%)を無色の油状物として得た。:1H NMR(400MHz, クロロホルム-d)δ 2.71-2.64(m, 1H), 2.63-2.56(m, 1H), 2.26-2.00(m, 2H), 1.90(dtd, J=13.7, 10.3, 5.3 Hz, 1H), 1.78-1.61(m, 2H), 1.48(s, 9H), 1.46-1.38(m, 2H), 1.37-1.23(m, 1H), 0.93(t, J=7.0 Hz, 3H).
実施例4
実施例4を、実施例1に示した一般的な方法を用いて製造物1Hおよび製造物4Dから製造した。実施例4:HPLC:RT= 2.150 min(SUPELCO(登録商標)Ascentis Express C18, 4.6 x 50 mm, 2.7-μm 粒子;移動相 A:5:95 アセトニトリル:水(10 mM 酢酸アンモニウムを含有);移動相 B:95:5 アセトニトリル:水(10 mM 酢酸アンモニウムを含有);温度:35℃;グラジエント:4分で0〜100%B、次いで1分間 100% Bで保持;流速:4 mL/分);MS(ES):m/z = 462 [M+H+];1H NMR(500MHz, DMSO-d6)δ 10.36(s, 1H), 9.17(d, J=8.9 Hz, 1H), 7.72(d, J=7.4 Hz, 1H), 7.61(d, J=7.4 Hz, 1H), 7.55(d, J=2.0 Hz, 1H), 7.53-7.44(m, 3H), 7.43-7.38(m, 1H), 7.38-7.33(m, 1H), 7.25(d, J=7.9 Hz, 1H), 7.02(br. s., 1H), 5.26(d, J=8.4 Hz, 1H), 2.84(td, J=10.8, 3.2 Hz, 1H), 2.41-2.34(m, 1H), 2.23-1.99(m, 2H), 1.80-1.68(m, 1H), 1.47-1.16(m, 5H), 0.83(t, J=7.2 Hz, 3H).
実施例5
(2R,3S)-3-(シクロプロピルメチル)-N-((7S)-4-フルオロ-6-オキソ-6,7-ジヒドロ-5H-ジベンゾ[b,d]アゼピン-7-イル)-2-(3,3,3-トリフルオロプロピル)スクシンアミド
Figure 2015529250
(5)
製造物5A:3-フルオロ-[1,1'-ビフェニル]-2-アミン
Figure 2015529250
(5A)
水(15 ml)中のNa2CO3(1.116 g, 10.53 mmol)の溶液に、ポリ(エチレングリコール)2000(17 g, 5.26 mmol)、続いてパラジウム(II)アセテート(0.024 g, 0.105 mmol)を加えた。該懸濁液を、50℃に加熱した。混合液が透明になってから、フェニルボロン酸(0.963 g, 7.89 mmol)、続いて2-ブロモ-6-フルオロアニリン(1 g, 5.26 mmol)を加えて、120℃で30分間加熱した。混合液を冷却して、EtOAcで希釈して、水で洗浄し、乾燥させて、濃縮した。粗製物質を、ISCO(24g REDISEP(登録商標)シリカカラム, グラジエント溶出, 0〜15% 酢酸エチル/ヘキサン)により精製して、製造物5A(800mg, 81%)を得た:LCMS:HPLC:RT=2.016 min(MeCN/H2O(HCOONH4を含有), Ascentis Express C8 2.7 μm 5 x 2.1mm, グラジエント= 4 min, 波長 = 220 nm);MS(ES):m/z=188 [M+H]+1H NMR(CDCl3)δ 7.43-7.48(m, 4H), 7.35-7.40(m, 1H), 6.97-7.02(m, 1H), 6.92(dt, J = 7.6, 1.2 Hz, 1H), 6.71-6.77(m, 1H), 3.82(br s, 2H).
製造物5B:2-クロロ-N-(3-フルオロ-[1,1'-ビフェニル]-2-イル)アセトアミド
Figure 2015529250
(5B)
DCM(8 mL)およびEt3N(0.893 mL, 6.41 mmol)中の製造物5A(800 mg, 4.27 mmol)の溶液に、0℃で塩化クロロアセチル(0.359 mL, 4.49 mmol)を加えた。該反応混合液を、室温で48時間攪拌して、次いで混合液を、DCMで希釈して、10% NaHCO3、水、食塩水で連続的に希釈した。該有機層を、乾燥させて、濃縮した。粗製物質を、ISCO(24g REDISEP(登録商標)カラム, グラジエント溶出, 0〜25% 酢酸エチル/ヘキサン)により精製して、製造物5B(800mg, 71%)を得た:LCMS:HPLC:RT=1.908 min(MeCN/H2O(HCOONH4を含有), Ascentis Express C8 2.7 μm(5 x 2.1)mm, グラジエント= 4 min, 波長 = 220 nm);MS(ES):m/z=262 [M-H]+1H NMR(CDCl3)δ 7.72(br s, 1H), 7.33-7.41(m, 6H), 7.15-7.20(m, 2H), 4.08(s, 2H).
製造物5C:4-フルオロ-5H-ジベンゾ[b,d]アゼピン-6(7H)-オン
Figure 2015529250
(5C)
1,2-ジクロロベンゼン(7 mL)中の製造物5B(700 mg, 2.65 mmol)および塩化アルミニウム(1416 mg, 10.62 mmol)の溶液を、170℃で24時間加熱した。該混合液を、DCMで希釈して、水および食塩水で洗浄して、次いで乾燥させて、濃縮した。ISCO(24g REDISEP(登録商標)カラム, グラジエント溶出, 0〜30% 酢酸エチル/ヘキサン)の精製により、製造物5C(580mg, 96%)を得た:LCMS:RT= 1.501 min(H2O/MeOH(TFAを含む), ZORBAX(登録商標)C-18 5μm(4.6x50)mm, グラジエント= 3 min, 波長 = 220 nm);MS(ES):m/z = 228 [M+H+], 1H NMR(300 MHZ, CDCl3)δ 7.41-7.46(m, 6H), 7.18-7.30(m, 2H), 3.58(m, 2H).
製造物5D:4-フルオロ-5-(4-メトキシベンジル)-5H-ジベンゾ[b,d]アゼピン-6(7H)-オン
Figure 2015529250
(5D)
THF(5.4 mL)中の製造物5C(270 mg, 1.188 mmol)の溶液に、テトラブチルアンモニウムブロミド(38.3 mg, 0.119 mmol)、KOH(74.7 mg, 1.331 mmol)および4-メトキシベンジルクロリド(0.162 mL, 1.188 mmol)を加えた。該反応混合液を、室温で3時間攪拌して、次いでDCMおよび半飽和NaCl溶液で希釈した。該水層を、DCMで2回抽出した。この併せた抽出物を、乾燥させて、濃縮した。該残留物を、ISCO(12g REDISEP(登録商標)column, グラジエント溶出, 0〜15% 酢酸エチル/ヘキサン)により精製して、製造物5D(370mg, 90%)を得た:LCMS:HPLC:RT=2.105 min(MeCN/H2O(HCOONH4を含有, Ascentis Express C8 2.7 μm(5 x 2.1)mm, グラジエント= 4 min, 波長 = 220 nm);MS(ES):m/z=348 [M+H]+1H NMR(CDCl3)δ 7.36-7.46(m, 4H), 7.18-7.22(m, 2H), 7.07-7.12(m, 1H), 6.43-6.52(m, 4H), 5.59(d, J = 14.8 Hz, 1H), 4.33(dd, J = 14.8, 0.8 Hz, 1H), 3.65(s, 3H), 3.52(dd, J = 52.4, 12.4 Hz, 2H).
製造物5E:7-アジド-4-フルオロ-5-(4-メトキシベンジル)-5H-ジベンゾ[b,d]アゼピン-6(7H)-オン
Figure 2015529250

(5E)
LDA(THF/ヘプタン/エチルベンゼン中で2.0 M, 1.727 mL, 3.45 mmol)を、THF(10 mL)中の製造物5D(1 g, 2.88 mmol)の溶液に-78℃で加えて、1.5時間攪拌した。THF(10 mL)中の2,4,6-トリイソプロピルベンゼンスルホニルアジド(1.069 g, 3.45 mmol)の溶液を、該反応混合液に-78℃で加えて、1時間攪拌した。AcOH(3 mL)を加えて、攪拌を-78℃で継続した。60分後、該反応混合液を、ゆっくりと室温へと昇温させて、終夜攪拌した。該反応を、10% NaHCO3溶液でクエンチした。該反応混合液を、EtOAcで抽出して、乾燥して、濃縮した。該残留物を、ISCO(24g REDISEP(登録商標)カラム, グラジエント溶出, 0〜25% 酢酸エチル/ヘキサン)による精製により、製造物5E(1g, 80%)を得た:LCMS:RT= 1.17 min(H2O/(NH4OAcを含有), Xbridge BEH C18 2.5 μm(2.1x50)mm, グラジエント= 2.5 min, 波長 = 220 nm);MS(ES):m/z = 389 [M+H+], 1H NMR(CDCl3)δ 7.40-7.42(m, 4H), 7.12-7.25(m, 3H), 6.54(d, J = 9.2 Hz, 2H), 6.45(d, J = 9.2 Hz, 2H), 5.58(d, J = 14.8 Hz, 1H), 5.46(s, 1H), 4.44(d, J = 14.8 Hz, 1H), 3.65(s, 3H);19F NMR(CDCl3)δ -116.6 ppm.
製造物5F:7-アミノ-4-フルオロ-5-(4-メトキシベンジル)-5H-ジベンゾ[b,d]アゼピン-6(7H)-オン
Figure 2015529250
(5F)
酢酸エチル(12 mL)中の製造物5E(1g, 2.57 mmol)の溶液に、水酸化パラジウム/炭素(0.155 g, 1.107 mmol)を加えた。大気をH2に交換して、該反応混合液を、終夜攪拌した。該混合液を、CELITE(登録商標)を通して濾過して、濾液を濃縮した。該残留物を、ISCO(24g REDISEP(登録商標)カラム, グラジエント溶出, 0〜70% 酢酸エチル/ヘキサン)により精製して、製造物5F(600mg, 64%)を得た:LCMS:RT= 1.434 min(H2O/MeOH(TFAを含む), ZORBAX(登録商標)C-18 5μm(4.6x50)mm, グラジエント= 3 min, 波長 = 220 nm);MS(ES):m/z = 363 [M+H+];1H NMR(CDCl3)δ 7.36-7.39(m, 4H), 7.08-7.24(m, 3H), 6.45-6.57(m, 4H), 5.61(d, J = 14.8 Hz, 1H), 4.93(s, 1H), 4.42(d, J = 14.8 Hz, 1H), 3.64(s, 3H);19F NMR(CDCl3)δ -117.2 ppm.
製造物5G:7-アミノ-4-フルオロ-5H-ジベンゾ[b,d]アゼピン-6(7H)-オン
Figure 2015529250
(5G)
TFA(12 mL)中の製造物5F(600 mg, 1.656 mmol)の溶液に、メタンスルホン酸(0.1 mL, 1.540 mmol)を加えた。該反応混合液を、70℃に加熱して、終夜攪拌した。該反応混合液を蒸発させた。該残留物を、10% NaHCO3を用いて塩基性として、EtOAcで抽出した。この物質を、製造物5F(100 mg)を用いて行なった第二反応由来の物質と一緒に合わせた。この合わせた有機層を、蒸発させて、製造物5G(500mg, >99%)を得て、これをさらなる精製なしに後の工程で使用した:LCMS:RT= 0.969 min(H2O/MeOH(TFAを含む), ZORBAX(登録商標)C-18 5μm(4.6x50)mm, グラジエント= 3 min, 波長 = 220 nm);MS(ES):m/z = 243 [M+H+];1H NMR(DMSO-d6)δ 10.1(s, 1H), 7.71(d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.59(dd, J = 7.6, 1.2 Hz, 1H), 7.53(td, J = 7.6, 1.2 Hz, 1H), 7.49(m, 1H), 7.44(td, J = 7.2, 1.2 Hz, 1H), 7.33-7.41(m, 2H), 4.16(s, 1H), 2.35(br s, 2H).
実施例5
実施例5を、実施例1に示した一般的な方法を用いて製造物3Eおよび製造物5Gから製造した。HPLC:RT=1.847(MeOH/H2O/0.1%TFA, Waters SunFire C18 2.1x30mm, 2min グラジエント, 波長=254nm);MS(ES):m/z=492 [M+1]+;1H NMR(400MHz, DMSO-d6)δ 10.25(s, 1H), 9.12(d, J=8.4 Hz, 1H), 7.66(d, J=7.3 Hz, 1H), 7.59-7.54(m, 5H), 7.54-7.36(m, 4H), 6.95(br. s., 1H), 5.26(d, J=8.4 Hz, 1H), 2.90-2.81(m, 1H), 2.47-2.42(m, 1H), 2.39-2.13(m, 2H), 1.66-1.55(m, 2H), 0.93-0.82(m, 1H), 0.59-0.47(m, 1H), 0.38-0.22(m, 2H), -0.05--0.12(m, 1H), -0.18--0.25(m, 1H).
実施例6
(2R,3R)-N-((7S)-6-オキソ-6,7-ジヒドロ-5H-ジベンゾ[b,d]アゼピン-7-イル)-3-フェニル-2-(3,3,3-トリフルオロプロピル)スクシンアミド
Figure 2015529250
(6)
製造物6A:tert-ブチル 2-フェニルアセテート
Figure 2015529250
(6A)
tBuOAc(250 mL)中の2-フェニル酢酸(12 g, 88 mmol)溶液を、過塩素酸(70% 再蒸留, 0.212 mL, 3.53 mmol)で処理して、室温にて20時間攪拌した。該溶液を、飽和NaHCO3水溶液およびEt2Oの攪拌した混合液に非常にゆっくりと移し入れた[注意:多量の泡沸]。得られる層を、分離して、該有機層を、飽和NaHCO3水溶液で洗浄して、MgSO4上で乾燥させて、濾過して、濃縮して、製造物6A(11.6 g, 68%収率)を得た。1H NMR(500MHz, CDCl3)δ 7.34-7.29(m, 2H), 7.28-7.22(m, 3H), 3.52(s, 2H), 1.44(s, 9H).
製造物6B:(2R)-5,5,5-トリフルオロ-2-ヒドロキシペンタン酸
Figure 2015529250
(6B)
米国公開公報番号第2009/0111858号 A1に開示された方法に従って製造した(2R)-2-アミノ-5,5,5-トリフルオロペンタン酸(4.09 g, 23.90 mmol)および水(95 mL)中のH2SO4(2.8 mL, 52.5 mmol)の冷たい攪拌溶液(0℃)に、水(30 mL)中の硝酸ナトリウム(9.89 g, 143 mmol)溶液を加えて、60分間かけて滴下漏斗から滴加した。該反応混合液を、室温へとゆっくり昇温させて、終夜攪拌した。該反応混合液を、Et2Oで希釈して、該水相を分離して、Et2O(3x)で抽出した。有機相を合わせて、乾燥させて(Na2SO4)、濾過して、減圧濃縮して、製造物6B(4.1551 g, >99%)を琥珀色の油状物として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3)δ 4.33(1 H, dd, J=8.03, 4.27 Hz), 2.09-2.42(3 H, m), 1.88-2.02(1 H, m).
製造物6C:ベンジル(2R)-5,5,5-トリフルオロ-2-ヒドロキシペンタノエート
Figure 2015529250
(6C)
ベンゼン(40 mL)中の製造物6B(4.1551 g, 24.14 mmol)およびベンジルアルコール(3.2 mL, 30.8 mmol)の攪拌溶液に、H2SO4(0.28 mL, 5.25 mmol)を加えた。該反応混合液を、10時間50℃まで加熱した。該反応混合液を、氷/水浴中において室温まで冷却して、次いで0.5M NaOH(32 mL, 16.00 mmol)を加えた。該混合液を、数分間攪拌して、Et2Oで抽出して、食塩水で洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、濾過して、減圧下で濃縮した。該残留物を、フラッシュクロマトグラフィーにより精製した(Teledyne ISCO CombiFlash Rf, 0%〜100% 溶媒 CH2Cl2/EtOAc, REDISEP(登録商標)SiO2 120 g)。適切な画分の濃縮により、製造物6C(3.88 g, 61%)を無色の油状物として得た:1H NMR (400 MHz, CDCl3)δ 7.33-7.44(5 H, m), 5.25(2 H, s), 4.28(1 H, dt, J=8.09, 4.11 Hz), 2.85(1 H, d, J=4.77 Hz), 2.07-2.34(3 H, m), 1.84-1.96(1 H, m).
製造物6D:ベンジル(2R)-5,5,5-トリフルオロ-2-{[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ}ペンタノエート
Figure 2015529250
(6D)
CH2Cl2(30 mL)中の2,6-ルチジン(2.352 mL, 20.19 mmol)の冷たい攪拌溶液(-25℃)に、トリフルオロメタンスルホン酸無水物(3.18 mL, 18.85 mmol)を2分間かけてゆっくりと加えた。該反応混合液を、-25℃で攪拌すると、淡黄色/橙色となった。10分後に、製造物6C(3.53 g, 13.46 mmol)を5分間かけて滴加して、-25℃で30分間攪拌した。該反応混合液を、室温へ昇温させて、少量まで濃縮した。該残留物を、ヘプタンで希釈して、シリカゲルカラム(220 g)上に直接重層して、20% CH2Cl2/ヘプタン〜50% CH2Cl2/ヘプタンのグラジエントで溶出した。適切な画分の濃縮により、製造物6D(3.476g, 66%)を得た:1H NMR (400 MHz, CDCl3)δ 7.33-7.45(5 H, m), 5.29(2 H, d, J=5.50 Hz), 5.21(1 H, t, J=5.50 Hz), 2.04-2.37(4 H, m).
製造物6E:(2R,3R)-1-ベンジル 4-tert-ブチル 3-フェニル-2-(3,3,3-トリフルオロプロピル)スクシネート
Figure 2015529250
(6E)
THF(400 mL)中の製造物6A(8.5 g, 44.2 mmol)の溶液を、-78℃の浴において冷却して、10分かけてカニューレからKHMDS溶液(トルエン中で0.5M, 97 mL, 48.6 mmol)を用いて処理した。10分後に、該混合液を、-78℃の浴から取り出して、室温の水浴中に置いて、15分間攪拌して、次いで-78℃の浴にて再冷却した。
15分後に、THF(50 mL)中の製造物6D(19.18 g, 48.6 mmol)の溶液を、カニューレからTHF洗液(20mL)と共に10分かけて加えた。該反応混合液を、-78℃で1時間攪拌して、次いで飽和NH4Cl水溶液でクエンチした。該混合液を、-78℃浴から取り出して、10%LiCl水溶液で希釈して、Et2Oで抽出した。該有機層を、MgSO4上で乾燥させて、濾過して、濃縮した。得られる淡褐色残留物を、CH2Cl2(100mL)に溶解して、活性炭およびMgSO4で処理した。混合液を、濾過して、ほぼ無色の溶液を得た。CH2Cl2溶液を濃縮して、ヘキサンで希釈し、-20℃の冷凍庫で保存した。得られる固形物を、濾過して、5% MTBEを含有する冷ヘキサンで濯ぎ流して、窒素流下において、フリットフィルター漏斗上で乾燥させて、固形物を得た。該固形物を、ヘキサン(40mL)およびMTBE(4mL)で磨砕して、この白色懸濁液を室温で1時間攪拌して、次いで-20℃で3時間冷却した後に、白色固形物を濾過して、溶媒(10:1のヘキサン:MTBE)で洗浄して、製造物6E(7.16g, 37%収率)を白色固形物として得た。1H NMR(500MHz, クロロホルム-d)δ 7.32-7.23(m, 8H), 7.05-6.97(m, 2H), 4.89-4.76(m, 2H), 3.69(d, J=11.4 Hz, 1H), 3.23(ddd, J=11.2, 9.9, 3.9 Hz, 1H), 2.19-2.04(m, 2H), 2.03-1.88(m, 2H), 1.40(s, 9H).
製造物6F:(R)-2-((R)-2-(tert-ブトキシ)-2-オキソ-1-フェニルエチル)-5,5,5-トリフルオロペンタン酸:
Figure 2015529250

(6F)
酢酸エチル(35 mL)およびMeOH(35 mL)中の製造物6E(7.16 g, 16.40 mmol)および10%Pd/C(1.746 g, 1.640 mmol)の懸濁液を、室温で攪拌しながら水素充填バルーンを用いて水素化した。該反応が完了した場合に(HPLCにより)、該懸濁液を0.45μm膜を通して濾過して、MeOHおよびEtOAcで濯いだ。該濾液を濃縮して、真空下で乾燥させて、製造物6F(5.65 g, 99%収率)を得た。LCMS [M-H]- = 345. 1H NMR(500MHz, DMSO-d6)δ 7.37-7.26(m, 5H), 3.67(d, J=10.5 Hz, 1H), 3.04(td, J=10.3, 3.7 Hz, 1H), 2.38-2.20(m, 2H), 1.88-1.70(m, 2H), 1.37(s, 9H).
実施例6
実施例6を、実施例1に記載した一般的な方法に従って製造物6Fおよび製造物1Hから製造した。HPLC:RT= 9.55 min(H2O/CH3CN(TFAを含む), SunFire C18 3.5mm, 3.0x150mm, グラジエント= 15 min, 波長 = 220 および 254 nm);MS(ES):m/z = 496.15 [M+H+];1H NMR(400MHz, メタノール-d4)δ 7.69-7.56(m, 1H), 7.56-7.41(m, 4H), 7.41-7.28(m, 5H), 7.23(s, 1H), 7.14-6.93(m, 1H), 6.11-5.97(m, 1H), 5.09(s, 1H), 3.78-3.64(m, 1H), 3.62-3.46(m, 1H), 2.48-2.06(m, 2H), 2.06-1.68(m, 2H).
実施例7
(2R,3S)-3-((3,3-ジフルオロシクロブチル)メチル)-N-((7S)-6-オキソ-6,7-ジヒドロ-5H-ジベンゾ[b,d]アゼピン-7-イル)-2-(3,3,3-トリフルオロプロピル)スクシンアミド
Figure 2015529250
(7)
製造物7A:ジエチル 2-((2,2-ジクロロ-3-オキソシクロブチル)メチル)マロネート
Figure 2015529250
(7A)
無水Et2O(20 mL)中のCu.Zn(1.771 g, 13.73 mmol)およびジエチル 2-アリルマロネート(1.084 mL, 5.49 mmol)の攪拌懸濁液に、還流にて、Et2O(10 mL)中のオキシ塩化リン(1.127 mL, 12.09 mmol)および2,2,2-トリクロロアセチルクロリド(1.357 mL, 12.09 mmol)の溶液を、2時間かけて滴下漏斗から滴加した。得られる混合液を、次いで還流して終夜加熱した。室温に冷却した後に、該混合液を、CELITE(登録商標)を通して濾過して、EtOAcで洗浄した。該濾液を濃縮して、該残留物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して(80 g, EtOAc/ヘキサン=0-50%)、製造物7A(1.59 g, 93%)を得た。1H NMR(400MHz, CDCl3)δ 4.32-4.23(m, 4H), 3.58(dd, J=8.9, 6.1 Hz, 1H), 3.47-3.32(m, 1H), 3.16-2.92(m, 2H), 2.51(ddd, J=14.3, 7.2, 6.1 Hz, 1H), 2.40-2.25(m, 1H), 1.36-1.30(m, 6H).
製造物7B:ジエチル 2-((3-オキソシクロブチル)メチル)マロネート
Figure 2015529250
(7B)
激しく攪拌した酢酸(50 mL)中の亜鉛(10.42 g, 159 mmol)混合液に、0℃で、酢酸(50 mL)中の製造物7A(12.4 g, 39.9 mmol)を滴加した。該混合液を、次いで終夜60℃に加熱した。室温へ冷却した後に、該反応混合液を、氷-水に注ぎ入れて、EtOAcで抽出した。該有機層を、水、飽和NaHCO3水溶液および食塩水で洗浄して、次いで乾燥させて、濃縮した。該残留物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(220 g カラム, EtOAc/ヘキサン=0〜40%)により精製して、製造物7B(6.91 g, 71.6%)を得た。1H NMR(400MHz, CDCl3)δ 4.29-4.19(m, 4H), 3.35(t, J=7.5 Hz, 1H), 3.25-3.12(m, 2H), 2.82-2.71(m, 2H), 2.53-2.38(m, 1H), 2.24(t, J=7.6 Hz, 2H), 1.33-1.28(m, 6H).
製造物7C:ジエチル 2-((3,3-ジフルオロシクロブチル)メチル)マロネート
Figure 2015529250
(7C)
DCM(100 mL)中の製造物7B(6.9 g, 28.5 mmol)の溶液に、0℃でDAST(12 mL, 91 mmol)を滴加した。該混合液を、室温にて終夜攪拌した。0℃に冷却した後に、飽和NaHCO3水溶液を、注意深く加えた。該混合液を、泡沸が止むまで30分間攪拌した。該有機層を分けて、乾燥させて、濃縮した。該残留物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して(80 g カラム, EtOAc/ヘキサン=0〜20%)、製造物7C(6.48 g, 86%)を得た。1H NMR(400MHz, CDCl3)δ 4.27-4.16(m, 4H), 3.28(t, J=7.3 Hz, 1H), 2.79-2.61(m, 2H), 2.30-2.07(m, 5H), 1.33-1.26(m, 6H).
製造物7D:2-((3,3-ジフルオロシクロブチル)メチル)マロン酸
Figure 2015529250

(7D)
EtOH(25 mL)中の製造物7C(6.48 g, 24.52 mmol)の溶液に、4 N NaOH(25 mL, 100 mmol)を加えた。該混合液を、100℃で2時間加熱還流した。室温に冷却した後に、該混合液を約半量の体積まで濃縮した。該残留物を、次いでエーテルで抽出して、該エーテル層を少量の水により逆抽出した。水層を合わせて、濃HClで酸性化して、EtOAcで抽出した。この併せた抽出物を、MgSO4上で乾燥させて、濾過して、濃縮した。粗製残留物を、ヘキサンと共に超音波処理を行い、該固形沈殿物を、濾過により集めて、ヘキサンで濯いで、乾燥させて、製造物7D(4.86 g, 95%)を得た。1H NMR(400MHz, DMSO-d6)δ 12.75(br. s., 1H), 3.18(t, J=7.4 Hz, 1H), 2.69-2.53(m, 2H), 2.33-2.14(m, 2H), 2.14-1.99(m, 1H), 1.95-1.85(m, 2H).
製造物7E:3-(3,3-ジフルオロシクロブチル)プロパン酸
Figure 2015529250
(7E)
バルーンを備えた30 mLの密閉バイアル中の製造物7D(4.86 g, 23.35 mmol)を、160℃で1時間加熱した。該反応混合液を、室温に冷却して、製造物7E(3.8 g, 99%)を得た。MS(ES):m/z =163 [M-H+];1H NMR(400MHz, DMSO-d6)δ 12.10(br. s., 1H), 2.73-2.54(m, 2H), 2.29-2.00(m, 5H), 1.69(q, J=7.5 Hz, 2H).
製造物7F:tert-ブチル 3-(3,3-ジフルオロシクロブチル)プロパノエート
Figure 2015529250
(7F)
N2下において、ヘキサン(20 mL)およびTHF(20 mL)中の製造物7E(3.8 g, 23.15 mmol)の冷たい攪拌溶液(0℃)に、tert-ブチル 2,2,2-トリクロロアセトイミデート(8.29 mL, 46.3 mmol)を、5分かけて少量ずつ加えた。該反応混合液を、15分間攪拌した。三フッ化ホウ素エーテル錯体(0.293 mL, 2.315 mmol)を0℃で加えて、該反応混合液を、浴温が上がるにつれて室温まで昇温させて、終夜攪拌した。透明な反応混合液に、NaHCO3(5g)を加えて、攪拌を60分間継続した。該懸濁液を、MgSO4に通して濾過して、ヘキサン(300 mL)で洗浄して、得られる溶液を数時間静置した。得られる固形物を同じMgSO4フィルターを通して濾過して、ヘキサン(100 mL)で洗浄した。該濾液を濃縮して、粗製物質を、100% ヘキサン〜20% EtOAc/ヘキサンで溶出するISCO(120g)により精製して、製造物7F(4.4 g, 19.98 mmol, 86%収率)を得た。1H NMR(400MHz, CDCl3)δ 2.85-2.53(m, 2H), 2.31-2.08(m, 5H), 1.80(q, J=7.2 Hz, 2H), 1.47(s, 9H).
製造物7G:(S)-4-イソプロピル-3-(5,5,5-トリフルオロペンタノイル)オキサゾリジン-2-オン
Figure 2015529250
(7G)
DCM(50 mL)中の5,5,5-トリフルオロペンタン酸(5.04 g, 32.3 mmol)およびDMF(3滴)の攪拌溶液に、塩化オキサリル(3.4 mL, 38.8 mmol)を5分間かけて滴加した。該溶液を、全ての泡沸が止むまで攪拌した。該反応混合液を、減圧濃縮して、淡黄色の油状物を得た。-78℃で、THF(100 mL)中の(4S)-4-(プロパン-2-イル)-1,3-オキサゾリジン-2-オン(4.18 g, 32.4 mmol)の溶液を入れた別のフラスコに、5分かけてシリンジからn-BuLi(13.0 mL, 32.5 mmol, ヘキサン中で2.5M)を滴加した。10分間の攪拌後、THF(20 mL)に溶解した上記酸塩化物を、15分間かけてカニューレから加えた。該反応混合液を、0℃に昇温させ、浴が温まるにつれて室温まで昇温させて、終夜攪拌した。該反応混合液に、飽和NH4Clを加えて、次いでEtOAc(2x)で抽出した。該有機相を合わせて、食塩水で洗浄して、乾燥させて(Na2SO4)、濾過して、減圧下で濃縮した。該粗製物質を、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc)により精製して、製造物7G(7.39 g, 86%)を無色の油状物として得た:1H NMR (400 MHz, CDCl3)δ 4.44(1 H, dt, J=8.31, 3.53 Hz), 4.30(1 H, t, J=8.69 Hz), 4.23(1 H, dd, J=9.06, 3.02 Hz), 2.98-3.08(2 H, m), 2.32-2.44(1 H, m, J=13.91, 7.02, 7.02, 4.03 Hz), 2.13-2.25(2 H, m), 1.88-2.00(2 H, m), 0.93(3 H, d, J=7.05 Hz), 0.88(3 H, d, J=6.80 Hz).
製造物7H:(2S,3R)-tert-ブチル 2-((3,3-ジフルオロシクロブチル)メチル)-6,6,6-トリフルオロ-3-((S)-4-イソプロピル-2-オキソオキサゾリジン-3-カルボニル)ヘキサノエート、および
製造物7I:(2R,3R)-tert-ブチル 2-((3,3-ジフルオロシクロブチル)メチル)-6,6,6-トリフルオロ-3-((S)-4-イソプロピル-2-オキソオキサゾリジン-3-カルボニル)ヘキサノエート
Figure 2015529250

ジイソプロピルアミン(3.01 mL, 21.11 mmol)を、THF(28.8 mL)に溶解して、-78℃に冷却した。BuLi(ヘキサン中で1.6 M)(13.10 mL, 20.95 mmol)を、5分にわたり滴加した。5分後に、〜0.5 M LDA溶液を、0℃で維持した。別のフラスコ内で、塩化リチウム(1.221 g, 28.8 mmol)を、オーブン内で乾燥させて、次いで高真空下でヒートガンを用いて加熱しながら乾燥させて、次いで窒素下で冷却した。トルエンで1回共沸混合させた製造物7G(1.4 g, 5.24 mmol)を、LiClを入れたフラスコ(窒素下で)内にトルエン(10 mL)と共に移し入れて、次いで-78℃に冷却した。トルエンを用いて1回共沸混合させた製造物7F(2.077 g, 9.43 mmol)を、トルエン(10 mL)に溶解して、-78℃に冷却した。LDA溶液(0.5 M LDA溶液の13.1 mL)を、-78℃で、5分間かけてLiCl/オキサゾリジノン(1.4 g, 5.24 mmol)溶液に滴加した。該反応混合液を、-78℃で15分間、次いで0℃で10分間攪拌して、次いで-78℃に冷却した。LDA(0.5 M LDA溶液の23.6 mL)の溶液を、製造物7Fの溶液に滴加して、-78℃で30分間攪拌した。この溶液を、次いでカニューレから-78℃でLiCl/オキサゾリジノン溶液に加えた(一定陰圧, 全てを30秒以内で加えた)。移行1分後に、オーブン内で終夜乾燥させた固形のビス((2-エチルヘキサノイル)オキシ)銅(5.50 g, 15.72 mmol)を、-78℃で加えて、フラスコを、40℃の水浴に移して、15分間回した。該反応を、5% NH4OH 溶液(30 mL 飽和 NH4OH/150 mL 水)でクエンチして、酢酸エチル(2x100 mL)で抽出した。この抽出物を合わせて、食塩水で洗浄して、乾燥させて、濃縮した。粗製混合液を、ISCO(40g, EtOAc/ヘキサン, 0〜35%)により精製して、製造物7Hおよび製造物7Iの混合液(1.196 g, 47%, アイソマー混合液=1.3:1, 7H:7Iとして)を得た。
製造物7J:(R)-2-((S)-1-(tert-ブトキシ)-3-(3,3-ジフルオロシクロブチル)-1-オキソプロパン-2-イル)-5,5,5-トリフルオロペンタン酸、および
製造物7K:(R)-2-((R)-1-(tert-ブトキシ)-3-(3,3-ジフルオロシクロブチル)-1-オキソプロパン-2-イル)-5,5,5-トリフルオロペンタン酸
Figure 2015529250

水(7 mL)中のLiOH(0.176 g, 7.35 mmol)の氷水冷却した溶液に、50% H2O2(1.502 mL, 24.51 mmol)を滴加した。得られる溶液を、0℃でTHF(21 mL)中の1.3:1の製造物7Hおよび製造物7Iの混合溶液(1.85 g, 4.23 mmol)に滴加した。該混合液を、0℃で攪拌して、週末かけて室温まで昇温させた。得られる混合液を、飽和NaHCO3水溶液(10 mL)で処理して、その後Na2S2O3(20 mL)水溶液をゆっくりと添加した。該混合液を、1時間攪拌して、次いで濃縮して、THFを除去した。該水層に、1N NaOH(4 mL)を加えて、該混合液をDCMで抽出した。該水層を、氷水浴中で冷却して、濃HClでpH3までゆっくりと酸性化した。得られる混合液を、固形物のNaClで飽和させて、EtOAcで抽出した。抽出液を合わせて、飽和NaClで洗浄し、MgSO4で乾燥させて、濾過して、濃縮し、製造物7Jおよび製造物7K(1.19 g, 130%収率, 9K:9J=1:1.3のジアステレオマー混合液として)を得た。MS(ES):m/z = 373 [M-H+].
製造物7J:(R)-2-((S)-1-(tert-ブトキシ)-3-(3,3-ジフルオロシクロブチル)-1-オキソプロパン-2-イル)-5,5,5-トリフルオロペンタン酸、および
製造物7K:(R)-2-((R)-1-(tert-ブトキシ)-3-(3,3-ジフルオロシクロブチル)-1-オキソプロパン-2-イル)-5,5,5-トリフルオロペンタン酸
Figure 2015529250

THF(16 mL)中の製造物7J:製造物7K(1.08 g, 2.89 mmol)の1.3:1の混合液の冷たい攪拌溶液(-78℃)に、LDA (THF/ヘキサン/エチルベンゼン中で2.0M)(3.5 mL, 7.00 mmol) を、シリンジから5分かけて滴加した(内部温度は決して-64℃を超えない, 反応溶液中でJ-KEM(登録商標)probe)。該反応混合液を、15分間攪拌して、次いで室温へ昇温させて(24℃水浴)、15分間攪拌した。該混合液を、次いで-78℃に15分間冷却した。該反応混合液に、Et2AlCl(ヘキサン中で1M)(7.2 mL, 7.20 mmol)を、シリンジから加えて(内部温度は決して-55℃を超えない)、10分間攪拌して、次いで15分間室温(24℃浴)まで昇温させた。該混合液を、次いで冷却して、15分間-78℃に戻した。該反応混合液を、激しく攪拌しながら、-78℃に予め冷却したMeOH(26 mL, 643 mmol)を入れた250 mL丸底フラスコに、5分かけてカニューレから移し入れた。フラスコを、浴から外して、氷を加えて、その後1N HCl(26 mL, 26.0 mmol)をゆっくりと加えた。該反応混合液を室温まで昇温させると、この間にガスの発生が止んだ。該反応混合液を、EtOAc(250 mL)で希釈して、該有機相を分離した。該有機相を、フッ化カリウム(1.51 g, 26.0 mmol)溶液、水(50 mL, 2775 mmol)中の1N HCl(7.2 mL, 7.20 mmol)、続いて食塩水で洗浄し、次いで乾燥させて(Na2SO4)、濾過して、濃縮乾固させて、12.3:1(7J:7K)のジアステレオマー混合物を得た。粗製物質を、さらなる精製せずに次の工程で使用した。
製造物7L:(2R,3S)-1-ベンジル 4-tert-ブチル 3-((3,3-ジフルオロシクロブチル)メチル)-2-(3,3,3-トリフルオロプロピル)スクシネート
Figure 2015529250
(7L)
DMF(10 mL)中の製造物7Jおよび製造物7K(1.1 g, 2.94 mmol)の混合液の溶液に、K2CO3(0.690 g, 5.00 mmol)および臭化ベンジル(0.524 mL, 4.41 mmol)を加えた。該混合液を、室温で終夜攪拌した。水(100 mL)を加えて、該混合液を、EtOAc(2 x 100 mL)で抽出した。この抽出物を合わせて、10% LiCl(2 x 100 mL)、次いで食塩水(100 mL)で洗浄して、乾燥させて(Na2SO4)、濾過して、濃縮乾固させた。粗製ジアステレオマーの混合液を、シリカゲルクロマトグラフィー(SiO2, 120 g column, 0% トルエン/ヘキサン〜80% トルエン/ヘキサン, 15分間グラジエント)により分割して、製造物7L(0.89, 65%)を得た。1H NMR(400MHz, CDCl3)δ 7.43-7.35(m, 5H), 5.24-5.15(m, 2H), 2.72-2.55(m, 3H), 2.48(td, J=10.2, 3.5 Hz, 1H), 2.17-1.95(m, 5H), 1.93-1.81(m, 2H), 1.79-1.69(m, 1H), 1.46(s, 9H), 1.37-1.28(m, 1H).
製造物7J:(R)-2-((S)-1-(tert-ブトキシ)-3-(3,3-ジフルオロシクロブチル)-1-オキソプロパン-2-イル)-5,5,5-トリフルオロペンタン酸
Figure 2015529250
(7J)
MeOH(37.500 ml)中の製造物7L(870 mg, 1.873 mmol)の溶液を、窒素雰囲気下において10% パラジウム炭素(100 mg, 0.940 mmol)で処理した。該反応混合液を、窒素でパージした後に、H2ガスでパージした。該反応混合液を、水素雰囲気下で室温にて攪拌した。4時間後に、該反応混合液を、CELITE(登録商標)パッドを通して濾過し、ケーキを、MeOHで洗浄した。該濾液を、濃縮乾固させて、製造物7J(660 mg, 94%)を得た。1H NMR(400MHz, CDCl3)δ 2.77-2.63(m, 3H), 2.56(ddd, J=10.3, 8.6, 3.7 Hz, 1H), 2.36-2.06(m, 5H), 2.05-1.87(m, 2H), 1.84-1.72(m, 1H), 1.61-1.52(m, 1H), 1.49(s, 9H).
実施例7
実施例7を、実施例1に示した一般的な方法を用いて製造物1Hおよび製造物7Jから製造した。実施例7:HPLC:RT= 9.87 min(H2O/CH3CN(TFAを含む), SunFire C18 3.5mm, 4.6x150mm, グラジエント= 15 min, 波長 = 220 および 254 nm);MS(ES):m/z = 524.3 [M+H+];δ H NMR(400MHz, DMSO-d6)δ 10.40(s, 1H), 9.17(d, J=8.4 Hz, 1H), 7.73(d, J=6.6 Hz, 1H), 7.65-7.61(m, 1H), 7.58(br. s., 2H), 7.56-7.46(m, 4H), 7.40-7.34(m, 1H), 7.27(d, J=7.9 Hz, 1H), 7.02(br. s., 1H), 5.26(d, J=8.4 Hz, 1H), 2.95-2.84(m, 1H), 2.58(d, J=12.3 Hz, 2H), 2.41-2.30(m, 2H), 2.25(d, J=10.3 Hz, 1H), 2.14-1.87(m, 3H), 1.85-1.74(m, 1H), 1.66-1.55(m, 2H), 1.30(d, J=9.5 Hz, 1H).
実施例8
(2R,3S)-N-(4-クロロ-6-オキソ-6,7-ジヒドロ-5H-ジベンゾ[b,d]アゼピン-7-イル)-2,3-ビス(3,3,3-トリフルオロプロピル)スクシンアミド
Figure 2015529250
(8)
製造物8A:tert-ブチル(3-クロロ-[1,1'-ビフェニル]-2-イル)カルバメート
Figure 2015529250
(8A)
-30℃でジエチルエーテル(125 mL)中のtert-ブチル [1,1'-ビフェニル]-2-イルカルバメート(Tsang et al., J. Org. Chem., 7603(2008)に従って合成した)(12.5 g, 46.4 mmol)の溶液に、tert-ブチルリチウム(ペンタン中で1.6 M, 174 mL, 278 mmol)を15分かけてゆっくりと加えた。該反応混合液を、6時間攪拌して、次いでジエチルエーテル(125 mL)中の過クロロエタン(43.9 g, 186 mmol)の溶液を、10分かけて加えた。該反応混合液を、室温まで昇温させて、終夜攪拌した。該反応を、飽和塩化アンモニウム水溶液でクエンチして、EtOAcで2回抽出した。該有機層を、食塩水で洗浄して、硫酸ナトリウムを用いて乾燥させて、濃縮した。該残留物を、シリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc/石油エーテル)により精製して、製造物8A(8.5g, 60%)を得た。HPLC:RT= 2.432 min(H2O/MeCN(TFAを含む), SunFire C18 3.5 μm, 4.6x150mm, グラジエント= 30 min, 波長 = 220 および 254 nm).
製造物8B:3-クロロ-[1,1'-ビフェニル]-2-アミン
Figure 2015529250
(8B)
DCM(160 mL)中の製造物8A(16g, 52.7 mmol)の溶液に、0℃で、DCM(100 mL)中のトリフルオロ酢酸(28.4 mL, 369 mmol)を加えた。該反応混合液を、室温へ昇温させて、2時間攪拌した。該反応混合液を、10% 炭酸水素ナトリウム水溶液に注ぎ入れて、次いでDCMで2回抽出した。該有機層を合わせて、食塩水で洗浄して、硫酸ナトリウムで乾燥させて、蒸発させて、製造物8B(10.5g, 98%)を得た。1H NMR(400MHz, DMSO-d6)δ 7.51-7.38(m, 5H), 7.26(dd, J=8, 1.6 Hz, 1H), 6.99(dd, J=7.2, 1.6 Hz, 1H), 6.67(t, J=8 Hz, 1H), 4.77(br s, 2H).
製造物8C:2-クロロ-N-(3-クロロ-[1,1'-ビフェニル]-2-イル)アセトアミド
Figure 2015529250
(8C)
DCM(150 mL)中の製造物8B(11.0 g, 54.0 mmol)の溶液に、0℃で2-クロロアセチルクロリド(9.15g, 81 mmol)を加えた。該反応混合液を、室温へ昇温させて、3時間攪拌した。該反応混合液を、DCMで希釈した後に、飽和炭酸水素ナトリウム塩(2回)および食塩水で連続して洗浄した。該有機層を、硫酸ナトリウムで乾燥させて、濃縮して、製造物8C(14.5g, 96%)を得た。1H NMR(400MHz, クロロホルム-d)δ 9.94(s, 1H), 7.58(dd, J=8.0, 1.2 Hz, 1H), 7.46-7.35(m, 7H), 4.09(s, 2H).
製造物8D:4-クロロ-5H-ジベンゾ[b,d]アゼピン-6(7H)-オン
Figure 2015529250
(8D)
1,2-ジクロロベンゼン(10 mL)中の製造物8C(1.00 g, 3.57 mmol)の溶液に、塩化アルミニウム(1.90 g, 14.3 mmol)を加えた。該溶液を、24時間170℃で加熱して、次いで室温へ冷却して、DCMで希釈した。該反応混合液を、水および食塩水で洗浄し、次いで該有機層を、硫酸ナトリウムで乾燥させて、蒸発させた。該残留物を、シリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc/石油エーテル)により精製して、製造物8D(0.750 g, 86%)を得た。HPLC:RT = 0.87 min(H2O/MeCN(NH4OAcおよびHCOOHを含有), AQUITY登録商標BEH C18 1.7 μM, 2.1 x50mm, グラジエント= 2 min, 波長 = 220 nm);MS(GCMS):m/z= 243.
製造物8E:4-クロロ-5-(4-メトキシベンジル)-5H-ジベンゾ[b,d]アゼピン-6(7H)-オン
Figure 2015529250
(8E)
THF(15 mL)中の製造物8D(750 mg, 3.08 mmol)の溶液に、テトラブチルアンモニウムブロミド(99mg, 0.308 mmol)、水酸化カリウム(207 mg, 3.69 mmol)および4-メトキシベンジルクロリド(0.459 mL, 3.39 mmol)を加えた。該反応混合液を、12時間攪拌した後に、DCMで希釈して、食塩水で洗浄した。該有機層を、硫酸ナトリウムで乾燥させて、濃縮した。該残留物を、シリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc/石油エーテル)により精製して、製造物8E(1.5 g, 80%)を得た。1H NMR(400MHz, クロロホルム-d)δ 7.34(dd, J=14, 2.8 Hz, 1H), 7.31-7.27(m, 4H), 7.26-7.22(m, 2H), 6.44-6.37(m, 4H), 5.53(d, J=14 Hz, 1H), 4.41(d, J=14Hz, 1H), 3.65(s, 3H), 3.47(dd, J=51, 12 Hz, 2H).
製造物8F:7-アジド-4-クロロ-5-(4-メトキシベンジル)-5H-ジベンゾ[b,d]アゼピン-6(7H)-オン
Figure 2015529250
(8F)
THF(50 mL)中のジイソプロピルアミン(5.00 mL, 35.7 mmol)の溶液に、-78℃でn-ブチルリチウム(ジエチルエーテル中で2.5M, 10 mL, 25 mmol)を加えた。該溶液を、0℃で45分間攪拌して、次いで-78℃に冷却した。THF(50 mL)中の製造物8E(5.00 g, 13.7 mmol)の溶液を、-78℃に冷却して、次いで最初の溶液に移した。THF(50 mL)中の2,4,6-トリイソプロピルベンゼンスルホニルアジド(5.10 g, 16.5 mmol)の溶液を、5分かけて加えた。該反応混合液を、1時間攪拌して、次いで酢酸(15 mL)を加えた。該反応混合液を、0.5時間攪拌して、次いで徐々に室温まで昇温させて、13時間攪拌した。該反応を、飽和炭酸ナトリウム水溶液でクエンチして、EtOAcで2回抽出した。該有機層を合わせて、食塩水で洗浄して、硫酸ナトリウムで乾燥させて、濃縮した。該残留物を、シリカゲルクロマトグラフィーにより精製して(EtOAc/石油エーテル)、製造物8F(3.90 g, 70%)を得た。1H NMR(400MHz, クロロホルム-d)δ 7.41-7.22(m, 7H), 6.50-6.40(m, 4H), 5.53(d, J=19.2 Hz, 1H), 5.40(s, 1H), 4.49(d, J=19.6 Hz, 1H), 3.65(s, 3H).
製造物8G:7-アミノ-4-クロロ-5-(4-メトキシベンジル)-5H-ジベンゾ[b,d]アゼピン-6(7H)-オン
Figure 2015529250
(8G)
EtOAc(30 mL)中の製造物8F(1.50g, 2.59 mmol)の溶液に、パラジウム(II)ヒドロキシド/炭素(20%ローディング, 50%水を含有, 150 mg)を加えた。大気を、H2に交換して、反応混合液を、4時間攪拌した。該反応混合液を、濾過して、EtOAcで洗浄した後に、濾液を濃縮した。該残留物を、シリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc/石油エーテル)により精製して、製造物8G(800 mg, 81%)を得た。1H NMR(400MHz, クロロホルム-d)δ 7.37-7.36(m, 1H), 7.36-7.27(m, 4H), 7.22(d, J= 8 Hz, 1H), 6.50-6.38(m, 4H), 5.56(d, J=14.4 Hz, 1H), 4.88(s, 1H), 4.48(d, J=14.8 Hz, 1H), 3.65(s, 3H).
製造物8H:7-アミノ-4-クロロ-5H-ジベンゾ[b,d]アゼピン-6(7H)-オン
Figure 2015529250
(8H)
TFA(20 mL)中の製造物8G(900 mg, 2.38 mmol)の溶液に、メタンスルホン酸(0.154 mL, 2.38 mmol)を加えた。該反応混合液を、12時間70℃に加熱して、次いで室温まで冷却して、蒸発させた。得られる半固形物を、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に加えて、水層を、EtOAcで2回抽出した。該有機層を合わせて、水および食塩水で順次洗浄して、次いで硫酸ナトリウムで乾燥させて、濃縮した。該残留物を、シリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc/石油エーテル)により精製して、製造物8H(550 mg, 98%)を得た。1H NMR(400MHz, DMSO-d6)δ 9.74(s, 1H), 7.70(d, J=10.4 Hz, 1H), 7.64-7.51(m, 4H), 7.43(t, J=8 Hz, 1H), 7.35(t, J=10.6 Hz, 1H), 4.10(s, 1H), 2.28(br s, 2H).
実施例8
実施例8を、実施例1について示した一般方法により製造物8Hおよび製造物1Eから製造した。HPLC:RT= 8.81 min(H2O/CH3CN(TFAを含む), SunFire C18 3.5mm, 3.0x150mm, グラジエント= 15 min, 波長 = 220 および 254 nm);MS(ES):m/z = 550 [M+H+];1H NMR(400MHz, メタノール-d4)δ 7.74-7.58(m, 3H), 7.49(m, 3H), 7.43-7.32(m, 1H), 5.41(s, 1H), 2.91(dd, J=16.0, 8.9 Hz, 1H), 2.53(s, 1H), 2.28-2.01(m, 4H), 1.84-1.61(m, 4H).
実施例9
(2R,3S)-N-(4-フルオロ-6-オキソ-6,7-ジヒドロ-5H-ジベンゾ[b,d]アゼピン-7-イル)-3-プロピル-2-(3,3,3-トリフルオロプロピル)スクシンアミド
Figure 2015529250
(9)
実施例9を、実施例1に示した一般的な方法を用いて製造物2A(50.3 mg, 0.105 mmol)および製造物5Gから製造した。実施例9:HPLC:RT= 0.88 min(Warters Acquity UPLC BEH C18, 2.1 x 50 mm, 1.7 μm 粒子;移動相 A:5:95 アセトニトリル:水(10 mM 酢酸アンモニウムを含有);移動相 B:95:5 アセトニトリル:水(10 mM 酢酸アンモニウムを含有);温度:50℃;グラジエント:3分かけて0〜100% B、その後0.75分100% Bで保持;流速:1.11 mL/分);MS(ES):m/z = 480.3 [M+H+];1H NMR(400MHz, DMSO-d6)δ 10.24(br. s., 1H), 9.15(d, J=7.9 Hz, 1H), 7.67(d, J=6.6 Hz, 1H), 7.63-7.47(m, 5H), 7.46-7.35(m, 2H), 6.92(br. s., 1H), 5.29(d, J=7.9 Hz, 1H), 2.89(br. s., 1H), 2.35(d, J=12.5 Hz, 2H), 2.23(br. s., 1H), 1.60(d, J=8.6 Hz, 2H), 1.51(d, J=10.1 Hz, 1H), 1.24(br. s., 1H), 1.09(br. s., 2H), 0.79-0.71(m, 3H).
実施例10
(2R,3S)-N-((7S)-9-フルオロ-4-メチル-6-オキソ-6,7-ジヒドロ-5H-ジベンゾ[b,d]アゼピン-7-イル)-2,3-ビス(3,3,3-トリフルオロプロピル)スクシンアミド
Figure 2015529250
(10)
製造物10A:4'-フルオロ-3-メチル-[1,1'-ビフェニル]-2-アミン
Figure 2015529250
(10A)
ジオキサン(28 mL)および水(7.00 mL)中の2-ブロモ-6-メチルアニリン(2 g, 10.75 mmol)、(4-フルオロフェニル)ボロン酸(1.504 g, 10.75 mmol)、炭酸セシウム(5.25 g, 16.12 mmol)の混合液を入れたフラスコを、5分間窒素を用いて脱気した後に、PdCl2(dppf)-CH2Cl2付加物(0.439 g, 0.537 mmol)を加えた。フラスコを直ぐに密閉した。該溶液を、85℃で16時間加熱して、次いで室温まで冷却した。該反応混合液を、濾過して、CELITE(登録商標)パッドを通して、EtOAcで濯ぎ洗った。該層を分離した後に、該水層を、3回EtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物を、水、食塩水で洗浄して、Na2SO4上で乾燥させて、濾過して、濃縮した。粗製物質を、ISCO(80 g REDISEP(登録商標)シリカカラム, グラジエント溶出, 0〜30% 酢酸エチル/ヘキサン)により精製して、製造物10A(2 g, 92%収率)を得た。LCMS:HPLC:RT=0.94 min(MeCN/H2O(HCOONH4を含有), Ascentis Express C8 2.7 μm 5 x 2.1mm, グラジエント= 4 min, 波長 = 220 nm);MS(ES):m/z=202 [M+H]+1H NMR(400MHz, クロロホルム-d)δ 7.55-7.43(m, 2H), 7.25-7.12(m, 3H), 7.04(dd, J=7.5, 1.1 Hz, 1H), 6.92-6.76(m, 1H), 3.72(br. s., 2H), 2.29(s, 3H).
製造物10B:2-ブロモ-N-(4'-フルオロ-3-メチル-[1,1'-ビフェニル]-2-イル)アセトアミド
Figure 2015529250
(10B)
DCM(5 mL)中の製造物10A(1 g, 4.97 mmol)の溶液を、氷-水浴において冷却し、次いでトリエチルアミン(1.039 mL, 7.45 mmol)、その後2-ブロモアセチルブロミド(0.647 mL, 7.45 mmol)を加えた。冷却浴内で30分間攪拌した後に、該反応混合液を、DCMおよび水で希釈した。該層を分離した後に、該水層をDCMで抽出した。合わせた有機抽出物を、水および食塩水で連続的に洗浄して、次いでMgSO4上で乾燥させて、濾過して、濃縮した。粗製物質を、ISCO(40 g REDISEP(登録商標)カラム, グラジエント溶出, 0〜50% 酢酸エチル/ヘプタン)により精製して、製造物10B(1.3 g, 81%収率)を得た。LCMS:HPLC:RT=0.94 min(MeCN/(HCOONH4を含有), Ascentis Express C8 2.7 μm(5 x 2.1)mm, グラジエント= 4 min, 波長 = 220 nm);MS(ES):m/z=324 [M+2H]+1H NMR(400MHz, クロロホルム-d)δ 7.62(br. s., 1H), 7.39-7.24(m, 3H), 7.24-7.05(m, 3H), 3.87(s, 2H), 2.33(s, 3H).
製造物10C:9-フルオロ-4-メチル-5H-ジベンゾ[b,d]アゼピン-6(7H)-オン
Figure 2015529250
(10C)
1,2-ジクロロベンゼン(5 mL)中の製造物10B(0.25 g, 0.776 mmol)の溶液に、塩化アルミニウム(0.517 g, 3.88 mmol)を加えた。次いで、該反応混合液を、200℃で10分間マイクロウェーブ反応器内において加熱した。該反応を、水でクエンチして、該水相を、DCMで抽出した。有機抽出物を合わせて、水および食塩水で連続的に洗浄して、次いでNa2SO4上で乾燥させて、濃縮して、ISCO(80 g REDISEP(登録商標)column, グラジエント溶出, 0〜50% 酢酸エチル/ヘプタン)の精製により、製造物10C(75 mg, 40%収率)を得た。LCMS:HPLC:RT=0.90 min(MeCN/H2O(HCOONH4を含有), Ascentis Express C8 2.7 μm(5 x 2.1)mm, グラジエント= 4 min, 波長 = 220 nm);MS(ES):m/z=242 [M+H]+1H NMR(400MHz, クロロホルム-d)δ 7.78(br. s., 1H), 7.45(d, J=7.7 Hz, 1H), 7.36-7.27(m, 2H), 7.27-7.19(m, 1H), 7.10(td, J=8.4, 2.6 Hz, 1H), 3.60-3.50(m, 1H), 3.43-3.33(m, 1H), 2.40(s, 3H).
製造物10D:9-フルオロ-7-ヨード-4-メチル-5H-ジベンゾ[b,d]アゼピン-6(7H)-オン
Figure 2015529250
(10D)
-20℃でDCM(8 mL)中の製造物10C(200 mg, 0.829 mmol)およびトリエチルアミン(0.462 mL, 3.32 mmol)の溶液に、ヨードトリメチルシラン(0.226 mL, 1.658 mmol)を加えた。該反応混合液は、透明な黄色溶液に変わった。15分間攪拌後に、ヨウ素(316 mg, 1.243 mmol)を加えた。該反応混合液を、0.5時間かけて-10℃に昇温させた。該反応を、飽和NaS2O3水溶液でクエンチして、DCMで希釈した。該層を分離した後に、該水層を、DCMによりさらに2回抽出した。有機抽出物を合わせて、水および食塩水で連続的に洗浄して、次いでMgSO4上で乾燥させて、濾過して、濃縮した。該残留物を、ISCO(12 g REDISEP(登録商標)column, グラジエント溶出, 0〜60% 酢酸エチル/ヘキサン)で精製して、製造物10D(160 mg, 52.6%収率)を得た。LCMS:HPLC:RT=0.99 min(MeCN/H2O(HCOONH4を含有), Ascentis Express C8 2.7 μm(5 x 2.1)mm, グラジエント= 4 min, 波長 = 220 nm);MS(ES):m/z=368 [M+H]+1H NMR(400MHz, クロロホルム-d)δ 7.46(d, J=7.9 Hz, 1H), 7.43-7.37(m, 2H), 7.35-7.26(m, 2H), 7.10(td, J=8.3, 2.6 Hz, 1H), 5.79(d, J=2.0 Hz, 1H), 2.44(s, 3H).
製造物14E:7-アミノ-9-フルオロ-4-メチル-5H-ジベンゾ[b,d]アゼピン-6(7H)-オン
Figure 2015529250
(10E)
トルエン(20 mL)中の製造物10D(880 mg, 2.397 mmol)の溶液に、テトラブチルアンモニウムアジド(2046 mg, 7.19 mmol)を加えた。攪拌後、60℃で1時間、該反応混合液を、室温に冷却した。次いで、該反応を、水でクエンチして、該水相をEtOAcで抽出した。有機抽出物を合わせて、水および食塩水で連続的に洗浄して、次いでNa2SO4上で乾燥させて、濃縮した。該残留物を、ISCO(12 g REDISEP(登録商標)カラム, グラジエント溶出, 0〜80% 酢酸エチル/ヘキサン)で精製して、不純アジド生成物(220 mg)を得た。THF(3 mL)中の上記で得られたアジド(220 mg, 0.779 mmol)の溶液に、水(1.500 mL)およびトリフェニルホスフィン(409 mg, 1.559 mmol)を加えた。60℃で0.5時間攪拌した後に、該反応混合液を、EtOAcおよび水で希釈した。該層を分離した後に、該水層を、EtOAcでさらに抽出した。有機抽出物を合わせて、水および食塩水で連続的に洗浄した後に、MgSO4上で乾燥させて、濾過して、濃縮した。該残留物を、ISCO(12 g REDISEP(登録商標)カラム, グラジエント溶出, 0〜60% EtOAc/ヘキサン、次いで10% MeOH/DCM)で精製して、製造物10E(50 mg, 2工程全体で55%収率)を得た。LCMS:RT= 0.64 min(H2O/MeCN(NH4OAcを含有), Xbridge BEH C18 2.5 μm(2.1x50)mm, グラジエント= 2.5 min, 波長 = 220 nm);MS(ES):m/z = 257 [M+H+], 1H NMR(400MHz, クロロホルム-d)δ 7.69(dd, J=8.4, 5.7 Hz, 1H), 7.62(br. s., 1H), 7.46(dd, J=7.7, 1.1 Hz, 1H), 7.38-7.31(m, 1H), 7.30-7.16(m, 2H), 5.32(s, 1H), 4.35(br. s., 2H), 2.41(s, 3H).
実施例10
実施例10を、実施例1に記述した一般的な方法を用いて製造物1Eおよび製造物10Eから製造した。実施例10:LCMS:HPLC:RT=0.94 min(MeCN/(HCOONH4を含有), Ascentis Express C8 2.7 μm 5 x 2.1mm, グラジエント= 4 min, 波長 = 220 nm);MS(ES):m/z=548[M+H]+1H NMR(400MHz, DMSO-d6)δ 9.71(s, 1H), 9.23(d, J=8.6 Hz, 1H), 7.64(br. s., 1H), 7.57(d, J=7.9 Hz, 1H), 7.54-7.45(m, 2H), 7.41(d, J=7.5 Hz, 1H), 7.35-7.20(m, 2H), 7.12(br. s., 1H), 5.21(d, J=8.1 Hz, 1H), 3.03-2.83(m, 1H), 2.44(m, 1H), 2.40(s, 3H), 2.36-2.00(m, 4H), 1.81-1.54(m, 3H), 1.43(br. s., 1H).
実施例11
(2R,3S)-3-(シクロプロピルメチル)-N-((7S)-9-フルオロ-4-メチル-6-オキソ-6,7-ジヒドロ-5H-ジベンゾ[b,d]アゼピン-7-イル)-2-(3,3,3-トリフルオロプロピル)スクシンアミド
Figure 2015529250
(11)
実施例11を、実施例1に開示した一般的な方法を用いて製造物10Eおよび製造物3Eから製造した。実施例11:LCMS:HPLC:RT=0.93 min(MeCN/(HCOONH4を含有), Ascentis Express C8 2.7 μm 5 x 2.1mm, グラジエント= 4 min, 波長 = 220 nm);MS(ES):m/z=506[M+H]+1H NMR(400MHz, DMSO-d6)δ 9.71(s, 1H), 9.09(d, J=8.1 Hz, 1H), 7.70-7.22(m, 7H), 6.97(br. s., 1H), 5.19(d, J=8.1 Hz, 1H), 2.89-2.75(m, 1H), 2.44-2.33(m, 3H), 1.74-1.50(m, 3H), 1.36-1.06(m, 3H), 0.97-0.69(m, 3H), 0.61-0.43(m, 1H), 0.41-0.22(m, 2H).
比較化合物12〜15
比較化合物12〜15を、米国特許第7,053,084号(各々、実施例8、12a、34および45aについて)に記述した方法に従って製造できる。
Figure 2015529250
(生物学的アッセイ)
本発明の化合物の薬理学的特性は、多くの生物学的アッセイによって確認されうる。以下に例示される生物学的アッセイを本発明の化合物で実施した。
Notch-CBF1 トランス活性化アッセイ
Notch-CBF1(C-プロモーター結合因子I)細胞ベースのトランス活性化アッセイは、放出されたNotch細胞内ドメインフラグメント(NICD)の、CBF1および他の核因子との結合における転写因子として機能する能力に基づいている。ルシフェラーゼアッセイを用いてNotch-CBF1転写活性の拮抗作用を測定した。HeLa子宮頚癌細胞に、切断されたNotch 1、Notch 2、Notch 3、もしくはNotch 4受容体を含むpCDNA3.1/Hygroプラスミド、および4コピーのCBF1結合部位を含むPGL3ルシフェラーゼ受容体ベクターを一時的に同時トランスフェクトする。次いで該細胞を、試験化合物の非存在下または存在下でのNotch-CBF1活性について試験した。DMEM(高グルコース、HEPES含有)、1X グルタミン/ペニシリン/ストレプトマイシンおよび10%ウシ胎仔血清中で維持されているHeLa細胞を、製造元の仕様書に従って、Monster Transfection Kit(Mirus #MIR2906)を用いてT175フラスコ(4.5 x106 細胞/フラスコ)中において、一時的にトランスフェクトした。
表2は、トランスフェクションについての各DNA量を示す。
Figure 2015529250
トランスフェクションの6時間後、細胞をトリプシン処理し、384-ウェルの黒色のPoly-D-リジンコート組織培養プレートに、95 μL アッセイ培地(DMEM(高グルコース、HEPES含有)、1X グルタミン/ペニシリン/ストレプトマイシン、0.0125%BSA、1X 非必須アミノ酸)中、5x103細胞/ウェルの密度で、播種した。5 μM〜8.4x10-5 μM(3倍連続希釈)の最終濃度範囲で試験化合物を含むアッセイ培地(5 μL)を、該細胞に加えた後、該細胞プレートを、37℃および5%CO2で18時間インキュベートした。コントロールウェルには、DMSOビヒクル(総数)か、または0.5 μMの自製(in-house)小分子阻害剤を含めた(バックグラウンド数値)。各サンプルについて2連を用いた。ルシフェラーゼ活性を、製造者の仕様書(Promega, Cat. #: E2550)に従って、50 μl STEADY-GLO(登録商標)ルシフェラーゼ試薬を用いて20分間インキュベートした後に測定し、Envisionプレートリーダー(PerkinElmer, Boston, MA)により分析した。
化合物のアンタゴニスト効力を、100 x [1-(サンプルの平均-バックグラウンドの平均)/(全体の平均-バックグラウンドの平均)]として表し、ここで、サンプルとは試験化合物の存在下におけるルシフェラーゼ活性であり、バックグラウンドとは小分子阻害剤コントロールの存在下でのルシフェラーゼ活性に等しく、全体はDMSOウェルで誘導されたシグナルである。データを、4つのパラメータロジスティック適合方程式(fit equation)を用いてプロットし、IC50値を、ルシフェラーゼ活性の50%を阻害する化合物の濃度として定義した。
以下の表3は、上述のNotch-CBF1トランス活性化アッセイで測定した、本発明の実施例1〜11および比較化合物12〜15についてのNotch 1およびNotch 3のIC50値を列挙する。幾つかの例において、この値は、複数回の実験(Nは実施した実験の数である)の平均である。実施例1〜11により例示される本発明の化合物は、Notch 1のIC50値について25.9 nM以下、Notch 3のIC50値について43.3 nM以下を示した。
Figure 2015529250
ハイスループット(HT)代謝安定性パネル
非経口投与された化合物は、血流に入り、肝臓を通る1つ以上の経路を経る。肝臓によって容易に代謝されない化合物を、治療上有効な血漿中濃度で、治療上有効な期間、投与することができる。
経口投与された化合物は、典型的には、腸壁を通して血流中に吸収され、肝臓を通る第1の経路を経る。肝臓を通るこの第1の経路において容易に代謝されない化合物は、身体の他の部域に治療上有効な量で分配され得る。
代謝安定性アッセイによって、10分間インキュベートした後のヒト、ラット、マウス、イヌ、および/またはサルのミクロソームを用いた、in vitroでのCYP-媒介性代謝安定性を評価した。各化合物を2連で試験した。
これらのアッセイの結果を、10分間インキュベートした後の反応混合物中に残存する親化合物の割合として表した(残存率)。概して、これらの結果を用いて、試験化合物のCYP-媒介またはNADPH-依存性の代謝の程度のみを評価した。該化合物が著しく代謝(<40〜50%残存)された場合、このことにより、in vivoでの化合物の高いクリアランスはCYP-媒介性代謝に起因することが示唆された。しかしながら、これらのin vitroアッセイにおいて化合物が中程度(50〜80%)または低い(>85%)代謝を示した場合には、高いクリアランスは依然として、in vivoでの他の代謝および排出経路を介している可能性があった。
これらのアッセイの残存率の結果はin vivoでの化合物のクリアランスを予測するものであって、これらの結果からCYP-媒介性代謝が優位な排出経路であると仮定された。異なるミクロソーム種における、結果の範囲は、おおよそ表4に示される通りである。
Figure 2015529250
方法および材料
肝臓ミクロソームとのインキュベーション
試験化合物を、100%DMSO中の3.5 mMのストック溶液として得た。試験化合物を希釈して1.4%DMSOを含む50 μMアセトニトリル(ACN)溶液を作り、次いでそれをミクロソームとのインキュベーションのための100x ストックとして用いた。各化合物を、代謝安定性-ヒト、ラット、およびマウスアッセイ一式の3種をそれぞれ別々に、または代謝安定性-イヌ一式もしくは代謝安定性-サル一式を個々の種として、2連で試験した。化合物、NADPH、および肝臓ミクロソーム溶液を、インキュベーションのために、3つの工程で合わせた:
1. 100 mM NaPi, pH 7.4, 5 mM MgCl2緩衝液中の、肝臓ミクロソーム懸濁液(タンパク質濃度 1.1 mg/ml)(152 μlの)を、37℃にて予め温めた。
2. 50 μM 化合物(98.6%ACN, 1.4%DMSO)(1.7 μl)を同じチューブに加え、37℃で5分間、予めインキュベートした。
3. 予め温めた100 mM NaPi, pH 7.4中の10 mM NADPH溶液を17 μl加えることによって、該反応を開始させた。
反応成分をよく混合し、該反応混合液の75 μlをすぐに150 μlクエンチ/停止溶液に移し入れた(0-時点, T0)。反応液を、37℃で10分間インキュベートした後、さらなる75 μlのアリコートを150 μlのクエンチ溶液に移し入れた。100 μM DMN(注射剤品質管理のためのUV標準)を含むアセトニトリルを、クエンチ溶液として用いて、代謝反応を終了させた。
クエンチした混合液を、ALLEGRA(登録商標)X-12遠心機、SX4750ローター(Beckman Coulter Inc., Fullerton, CA)において、1500 rpm(〜500 X g)で15分間遠心分離して、変性したミクロソームのペレットを得た。次いで、親化合物とその代謝物の混合物を含む90 μlの体積の上清抽出物を、UV-LC/MS-MS分析のために別の96-ウェルプレートに移し、該混合物中に残存する親化合物の割合を決定した。
Figure 2015529250
サンプル分析 - 機器
HPLC:Pump - Thermo Surveyor;オートサンプラー - CTC/LEAP HTS;UV検出器 - Thermo Surveyor PDA plus;カラム- 0.5 μm インラインフィルターを備えたVARIAN(登録商標)C18, 3 μm, 2 x 20 mm;構造的完全性事前分析のための移動相:(A)98% 水, 2%アセトニトリル(10 mM 酢酸アンモニウム含有);(B)10% 水, 90% アセトニトリル(10 mM 酢酸アンモニウム含有);反応サンプル分析のための移動相:(A)98% 水, 2% アセトニトリル(0.1%ギ酸含有);(B)2% 水, 98% アセトニトリル(0.1%ギ酸含有);(C)0.1%水酸化アンモニウム/水;(D)0.1% 水酸化アンモニウム/アセトニトリル.
質量分析計:Thermo TSQ QUANTUM(登録商標)Ultraトリプル四重極質量分析計
サンプル分析: 構造的完全性事前分析
サンプル分析 - 構造的完全性事前分析
代謝安定性構造的完全性事前分析を用いて、アッセイした化合物の純度を評価した。化合物を、57 μlの3.5 mM DMSO溶液として96-ウェルプレート中に得た。該3.5 mM化合物DMSOストック溶液を、同じ体積のアセトニトリル、イソプロパノール、およびMilliQ-H2Oを含む溶液を用いて、18倍希釈した。得られた溶液(200 μM)を、Thermo LCQ Deca XP Plus イオントラップ質量分析計でのLC-UV/MS(Waters Sentry 2.1 mm ガードカラムを備えたWaters XBridge C18, 5 μm, 2 x 50 mm カラムおよび以下の表に記載のLC条件を用いて、5 μl注入および1 ml/分の流速で)により、構造的完全性について分析した。得られたデータは、220 nmでのUV吸光度による純度を反映していた。50%以上の純度を有する化合物の結果のみを報告した。
Figure 2015529250
サンプル分析 - インキュベートしたサンプル
MS/MS条件の最適化を、加熱エレクトロスプレー(H-ESI)源を備えたThermo TSQ QUANTUM(登録商標)トリプル四重極質量分析計において自動注入により実施し、SRMトランジションおよびそれらの対応する衝突エネルギー値を得た。1:1 メタノール:水中の20 μM濃度の化合物溶液を、流速90 μL/分で注入した後、流速50 μL/分で移動相を合わせ、その後供給源に導入した。全ての化合物を、まず移動相AおよびB(50%Aおよび50%B)を用い、必要であれば、移動相CおよびD(これもまた50:50の組成物である)を用いて、最適化した。最適化されたパラメーター(極性、SRMトランジションおよび衝突エネルギーを含む)を、Microsoft Access(登録商標)データベースに保存した。
自動注入から得られた質量分析条件を用いて、代謝安定性アッセイからのインキュベーションサンプルを分析した。注入量は5 μlであって、流速は0.8 ml/分であった。用いたグラジエントを、以下の表に示した。全てのサンプルを、まず移動相AおよびBを用いたグラジエントにて注入した。必要であれば(例えば、クロマトグラフ的理由のため)、サンプルを同一のグラジエントで再注入した(ただし、移動相CおよびDを用いる)。全てのLC-MS/MS分析パラメーターを、コンピューターを用いて生データファイルに保存した。
Figure 2015529250
データ解析
ピーク積分を、XCALIBUR(登録商標)ソフトウェアを用いて行った。残存率の算出を、各化合物についてのT10分サンプルからのLC-MS/MSピーク領域とT0分サンプルからのLC-MS/MSピーク領域を比較することによって実施した。
品質の管理
一連のこれらの化合物を、各アッセイプレートにおいて、試験化合物と一緒に試験した。これらコントロール化合物についての結果が以下に示す期待される範囲に該当した場合のみ、データを承認してアップロードした。
Figure 2015529250
代謝安定性半減期パネル
ヒトまたは動物の肝臓ミクロソームにおいて、in vitroで決定された代謝速度および半減期を用いて、化合物の固有クリアランス(CLint)および肝クリアランス(CLh,b)を決定した。これらのパラメーターは、in vivoヒトクリアランス(in vivoでの薬物曝露のレベルを定義する)を予測するために有用であった(Obach et al., 1997, 1999)。
代謝安定性半減期アッセイパネルは、ヒト、ラット、マウス、イヌおよびサルミクロソームにおける、in vitroでのCYP-媒介(NADPH-依存性)代謝のタイムコースおよび速度を評価する。該タイムコースは45分のインキュベーションに及び、0、5、10、15、30、および45分の時点が含まれ、その各々にて、混合物中の試験化合物残存量を測定した。
結果解釈ガイドライン
代謝安定性半減期アッセイの結果を半減期(T1/2, 分)として表した。一般に、これらの結果は、試験化合物のCYP-媒介またはNADPH-依存性の代謝の程度のみを評価するために用いられるべきである。該化合物が著しく代謝された(T1/2<14分)場合、これにより、in vivoでの高いクリアランスはCYP-媒介性代謝に起因することが示唆された。しかしながら、これらのin vitroアッセイにおいて該化合物が中程度(14〜70分)または低い(>70分)代謝を示した場合、高いクリアランスは依然としてin vivoでの他の代謝および排出経路を介している可能性があった。
これらのアッセイの結果はin vivoでの化合物のクリアランスを予測するものであって、これら結果からCYP-媒介性代謝が優位な排出経路であると仮定された。ヒトミクロソーム種において、結果の範囲は、おおよそ以下の表に示される通りであった。
Figure 2015529250
方法および材料
肝臓ミクロソームはBD-Biosciences(Woburn, MA)から購入し、NADPHはAppliChem Incから購入した;全ての他の試薬はSigmaから入手した。
肝臓ミクロソームとのインキュベーション
試験化合物を100%DMSO中の3.5 mMストック溶液として得た。該試験化合物を希釈して50 μM アセトニトリル(ACN)溶液(1.4%DMSO含有)を作り、その後、それをミクロソームとのインキュベーション用の100-倍ストックとして用いた。各化合物を、ヒト、ラット、マウス、イヌおよびサルの肝臓ミクロソームにおいて試験した。化合物、NADPHおよび肝臓ミクロソーム溶液を、インキュベーションのために3つの工程で合わせた:
1. 、100 mM NaPi(pH 7.4)、5 mM MgCl2緩衝液中の、肝臓ミクロソーム懸濁液(タンパク質濃度1.1 mg/ml)(450 μl)を、37℃にて予め温めた。
2. 50 μM 化合物(98.6%ACN, 1.4%DMSO)(5 μl)を同じチューブに加え、37℃で5分間、プレインキュベートした。
3. 予め温めた100 mM NaPi(pH 7.4)(50 μl)中の10 mM NADPH溶液を加えることによって、反応を開始させた。
反応液の成分をよく混合し、すぐに65 μlを130 μlクエンチ/停止溶液に移し入れた(0-時点, T0)。反応液を37℃で5、10、15、30および45分間インキュベートし、各時点で65 μlのアリコートを130 μlのクエンチ溶液に移し入れた。内部標準(100 ng/ml)を含むアセトニトリルをクエンチ溶液として用いて、代謝反応を終了させた。
クエンチした混合液を、ALLEGRA(登録商標)X-12遠心機, SX4750ローター(Beckman Coulter Inc., Fullerton, CA)において、1500 rpm(〜500 X g)にて15分間、遠心分離を行い、変性したミクロソームを沈殿させた。その後、親化合物とその代謝物の混合物を含む90 μlの体積の上清抽出物を、LC/MS-MS分析のための別の96-ウェルプレートに移し、該混合物中に残存している親化合物の割合を決定した。
Figure 2015529250
サンプル分析-機器
HPLC:ポンプ - 島津LC-20 ADシリーズ バイナリポンプ;オートサンプラー-CTC/LEAP HTS.
以下の表11は、ヒト代謝安定性半減期アッセイで測定した、本発明の実施例1〜11および比較化合物12〜15についてのCYP-媒介性の代謝半減値を列挙する。幾つかの例において、この値は、複数回の実験(Nは実施した実験の数である)の平均である。実施例1〜11により例示される本発明の化合物は、40分またはそれ以上長い代謝安定性半減値を示した。これに対して、比較化合物12〜15は、8分またはそれ以下の代謝安定性半減値を示した。
Figure 2015529250
例示した本発明の化合物は、ヒト代謝安定性半減期アッセイにおけるCYP-媒介性の代謝から、低いクリアランスという驚くべき利点を示した。実施例1〜9により例示される本発明の化合物は、ヒト代謝安定性半減期アッセイにおいて46分またはそれ以上長い代謝安定性半減値を示した。これに対して、比較化合物12〜15は、ヒト代謝安定性半減期アッセイにおいて8分またはそれ以下の代謝安定性半減値を示した。比較化合物12〜15は、ヒト代謝安定性半減期アッセイにおいて高いクリアランスを示しており、この化合物は肝ミクロソームにより排除されたことを示した。
本発明の化合物(実施例1〜9)は、米国特許第7,456,172号に開示の比較化合物12〜15と比較され、とりわけ有利であることが見いだされている。本発明の化合物(実施例1〜9)は、Notch 1およびNotch 3の阻害剤としての活性と肝臓ミクロソームについての優れた代謝安定性とを併せ持つ驚くべき利点を有していた。表3および11に示される通り、本発明の実施例1〜9は、Notch 1のIC50値が25.9 nM以下であって、Notch 3のIC50値が43.3 nM以下であり;および、ヒト代謝安定性半減期アッセイにおいて46分以上長いヒト代謝安定性半減期であった。対照的に、同様の試験において、比較化合物12〜15は、Notch 1のIC50値が5.1nM〜64.1nMの範囲であって、Notch 3のIC50値が12.5 nM〜74.5 nMであり;および、ヒト代謝安定性半減期が8分以下であった。

Claims (11)

  1. 式(I):
    Figure 2015529250

    (I)
    [式中、
    R1は、−CH2CH2CF3または−CH2CH2CH3であり;
    R2は、−CH2CH2CF3、−CH2CH2CH3、−CH2(シクロプロピル)、フェニル、または
    Figure 2015529250
    であり;
    R3は、Hであり;
    各Raは、独立してF、Cl、−CN、−OH、−CH3、−CH2OH、シクロプロピル、−CF3、−CH2CF3、−OCH3、−OCF3、および/または−O(シクロプロピル)であり;
    各Rbは、独立してF、Cl、−CH3、−CF3、−CN、および/または−OCH3であり;
    yは、0、1、または2であり;および
    zは、0、1、または2である;
    但し、R1およびR2は、各々が同時に−CH2CH2CH3ではない]
    の化合物。
  2. R2が−CH2CH2CF3である、請求項1に記載の化合物。
  3. R1およびR2のうちの1つが、−CH2CH2CH3である、請求項1に記載の化合物。
  4. R2が、−CH2(シクロプロピル)または
    Figure 2015529250
    である、請求項1に記載の化合物。
  5. R2がフェニルである、請求項1に記載の化合物。
  6. 下記構造:
    Figure 2015529250

    (式中、
    Raが、独立してF、Cl、−CH3、または−CH2OHであり;
    Rbが、Fであり;および
    zが、0または1である)
    である、請求項1に記載の化合物。
  7. (2R,3S)-N-((7S)-6−オキソ−6,7-ジヒドロ-5h-ジベンゾ[b,d]アゼピン-7−イル)-2,3-ビス(3,3,3-トリフルオロプロピル)スクシンアミド(1);(2R,3S)-N-((7S)-6−オキソ−6,7-ジヒドロ-5H-ジベンゾ[b,d]アゼピン-7−イル)-3-プロピル-2-(3,3,3-トリフルオロプロピル)スクシンアミド(2);(2R,3S)-3-(シクロプロピルメチル)-N-((7S)-6−オキソ−6,7-ジヒドロ-5H-ジベンゾ[b,d]アゼピン-7−イル)-2-(3,3,3-トリフルオロプロピル)スクシンアミド(3);(2R,3S)-N-((7S)-6−オキソ−6,7-ジヒドロ-5H-ジベンゾ[b,d]アゼピン-7−イル)-2-プロピル-3-(3,3,3-トリフルオロプロピル)スクシンアミド(4);(2R,3S)-3-(シクロプロピルメチル)-N-((7S)-4-フルオロ-6−オキソ−6,7-ジヒドロ-5H-ジベンゾ[b,d]アゼピン-7−イル)-2-(3,3,3-トリフルオロプロピル)スクシンアミド(5);(2R,3R)-N-((7S)-6−オキソ−6,7-ジヒドロ-5H-ジベンゾ[b,d]アゼピン-7−イル)-3-フェニル-2-(3,3,3-トリフルオロプロピル)スクシンアミド(6);(2R,3S)-3-((3,3-ジフルオロシクロブチル)メチル)-N-((7S)-6−オキソ−6,7-ジヒドロ-5H-ジベンゾ[b,d]アゼピン-7−イル)-2-(3,3,3-トリフルオロプロピル)スクシンアミド(7);(2R,3S)-N-(4-クロロ-6−オキソ−6,7-ジヒドロ-5H-ジベンゾ[b,d]アゼピン-7−イル)-2,3-ビス(3,3,3-トリフルオロプロピル)スクシンアミド(8);(2R,3S)-N-(4-フルオロ-6−オキソ−6,7-ジヒドロ-5H-ジベンゾ[b,d]アゼピン-7−イル)-3-プロピル-2-(3,3,3-トリフルオロプロピル)スクシンアミド(9);(2R,3S)-N-((7S)-9-フルオロ-4-メチル-6−オキソ−6,7-ジヒドロ-5H-ジベンゾ[b,d]アゼピン-7−イル)-2,3-ビス(3,3,3-トリフルオロプロピル)スクシンアミド(10);および(2R,3S)-3-(シクロプロピルメチル)-N-((7S)-9-フルオロ-4-メチル-6−オキソ−6,7-ジヒドロ-5H-ジベンゾ[b,d]アゼピン-7−イル)-2-(3,3,3-トリフルオロプロピル)スクシンアミド(11)、
    から選択される、請求項1に記載の化合物。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の少なくとも1つの化合物;および医薬的に許容される担体を含む、医薬組成物。
  9. 癌の治療における療法に使用するための、請求項1〜8のいずれか一項に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩。
  10. 癌の治療のために、前記治療が、更にダサチニブ、パクリタキセル、タモキシフェン、デキサメタゾンおよびカルボプラチンから選択される1つ以上の別の薬剤を含み、それらが連続してまたは同時に投与される、請求項9に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩。
  11. 癌の治療のための医薬の製造において用いるための、請求項1〜8のいずれか1項に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩。
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