JP2015504411A - ガラス成形工程における成形体からの輻射熱損失を低減するための装置 - Google Patents

ガラス成形工程における成形体からの輻射熱損失を低減するための装置 Download PDF

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Abstract

ガラス板を生成するための装置が開示され、これは、冷却ドアの下に位置付けられて、ガラス板がそこから切り出される溶融ガラスのリボンを成形するために使用される成形体からの輻射熱損失を極小化するための下側熱シールドと、冷却ドアと成形体の根元との間に位置付けられ、成形体からの輻射熱損失を極小化するための上側熱シールドと、を含む。熱シールドは一般に、ペアとして配置され、成形体から連続するリボンとして降下する溶融ガラスの流れの、水平方向に両側に位置付けられる。下側及び上側熱シールドペアの各熱シールドは、複数のセグメントを含んでいてもよく、これには端セグメントと中央セグメントが含まれ、端セグメントは中央セグメントに対して別々に移動可能であってもよく、それによって熱シールドの、リボンに隣接する縁辺を変化させることができる。

Description

関連出願の相互参照
本願は、2011年11月28日に出願された米国仮特許出願第61/564062号の米国特許法第119条に基づく優先権の利益を主張するものであり、それに依拠し、その全体を参照によって本願に援用する。
本発明は、ガラス製造工程における輻射熱損失を低減する方法、特にフュージョンダウンドロー法における楔形成形体からの輻射熱損失を低減する方法に関する。
フュージョンダウンドロー法は、ガラス製造技術分野で板ガラスを生成するために用いられる一方法である。他の工程、例えばフロート法やスロットドロー法と比較して、フュージョン法により生成されるガラス板の表面は、成形後処理(研削、研磨等)を行わなくても優れた平坦度と平滑度を有する。その結果、フュージョン法は、表面品質の厳密な制御を必要とする、液晶表示体(LCD)の製造に使用されるような薄膜ガラス基板の製造において特に重要となっている。
フュージョン法、特にオーバーフローダウンドローフュージョン法は、本願と同じ譲受人に譲渡されているStuart M.Dockertyの特許文献1と特許文献2の主題である。その中に記載されているように、ガラス板は耐火物成形体から溶融ガラスを溢れさせることによって成形される。
例示的なフュージョンダウンドロー法では、ガラス融液が耐火物成形体の中に形成された溝に供給される。溶融ガラスはこの溝の上から成形体の両側に溢れ、別々のガラス流となり、それらは下方に、その後、成形体の外面に沿って内側に流れる。2つの流れは成形体の底、すなわち根元で合流し、融合して1本のリボン状の溶融ガラスとなる。1本のリボン状の溶融ガラスは次に、引出し装置に供給され、冷却されて、根元での粘性液体から弾性固体となる。(硬化ゾーンで)リボンが最終的な厚さに到達する地点でのリボンの厚さはとりわけ、リボンが引出し装置によって根元から引き出される速度とガラスの温度(粘度)の制御によって制御される。引出し工程中に、最終的なガラス板の外側の、外に向かう面は成形体の外面と接触しない。むしろ、これらの表面は周辺雰囲気のみに曝される。リボンを形成する2つの別々の流れの内面は成形体と接触はするが、成形体の根元で融合し、それゆえ、最終的な板の本体の中に埋伏される。その結果、最終的な板の外面の優れた特性が実現される。
フュージョン法で用いられる成形体は、ガラス融液がその溝の中とその外面上を流れる際に、高温と実質的な機械的負荷に曝される。このような厳しい条件に耐えるために、成形体は一般に、耐火性材料の等方加工焼結ブロックから製造される。特に、成形体は等方加工プレスジルコン耐火物、すなわち主としてZrOとSiOからなる耐火物から製造されていてもよい。例えば、成形体はジルコン耐火物から製造でき、その場合、ZrOとSiO2が合わせてこの材料の少なくとも95重量%を占め、この材料の理論的組成はZrO・SiO又は、これと均等なZrSiOである。しかしながら、留意すべき点として、ジルコンに対して本明細書内で説明されるものと同様の効果は、他の耐火性材料でも、その化学的性質に応じて得られる。
米国特許第3,338,696号明細書 米国特許第3,682,609号明細書
上述のようなダウンドロー法による、特にLCD用基板として用いられる板ガラスの製造中の損失の原因は、ガラスがジルコン製成形体の中と表面を通過することによってガラス中に取り込まれるジルコン結晶(本明細書では、「二次ジルコン結晶」又は「二次ジルコン欠陥」又は単純に「二次ジルコン」と呼ぶ)の存在である。二次ジルコン結晶の問題は、より高温での成形が必要な、失透劣化が起こりやすいガラスの場合、より顕著となる。すなわち、液相温度の高いガラスは二次ジルコンをより形成させやすいこともある。
完成したガラス板の中に見られる二次ジルコン結晶の元になるジルコンは、ジルコン製成形体の上側部分が源であることがわかっている。特に、これらの欠陥は結局、ジルコニア(すなわち、ZrO及び/又はZr+4+2O−2)が、成形体の溝の中及び成形体の外側の上側壁に沿って存在する温度と粘度のガラス融液に溶け込むことによって発生する。ガラスの温度は、成形体のこのような上側部分において成形体の下側部分より高く、粘度が低いが、これは、ガラスが成形面を下方に移動するにつれて冷却され、より高粘度となるからである。このような冷却は、成形装置の性質によって増進させることができる。一般的な構成では、成形体は5つの面を持つ箱体の中に収容され、成形体は上面と側面が箱体の壁により取り囲まれる。しかしながら、箱体の底面は少なくとも部分的に開放して、ガラス板が成形体から(すなわち、成形体の根元から)降下できるようになっている。その結果、この開口部を通じて根元と根元付近の領域により熱が放出され、その結果、根元が冷却される。
ガラス融液中へのジルコニアの溶解性と拡散性は、ガラスの温度と粘度に依存する(すなわち、ガラスの温度が低く、粘度が高くなるほど、溶解状態に保持できるジルコニアが少なく、拡散速度が遅くなる)。ガラスは、成形体の底部(根元)に近づくにつれて、上記の冷却の結果としてジルコニアが過飽和となりうる。したがって、ジルコニア結晶(すなわち、二次ジルコン結晶)が核となり、ジルコン製成形体の根元で成長する。最終的に、これらの結晶はガラスの流れの中に入り込むほど長く成長して、欠陥となる。
ガラス板の製造に使用される成形体からの輻射熱損失を制御するために、筐体の外部から成形体の底部までの「視野(view)」を極小化することによって成形体の根元の温度を制御するように機能する熱シールドが説明される。すなわち、筐体の外部から筐体内までの見通し線(line of sight)の範囲を低減することにより、成形体と、成形体の上を流れる溶融ガラスが外部へと熱を放射し、それによって成形体と溶融ガラスを冷却する能力を大幅に低下させることができる。
より詳しくは、フュージョンダウンドロー法の例示的な成形体は、成形体の底部で収束する面を含む。成形体の側面を流れる溶融ガラスは、成形面に沿って流れる。成形面に沿って降下する別々の流れが収束線で合流し、ガラス板を成形する。熱シールドは一般にペアで配置され、1つの熱シールドペアの一方の熱シールドは、ガラス板の一方の面の付近に位置付けられ、もう一方のシールドはガラス板の反対面の付近に位置付けられ、その結果、狭い開口部又はスリットが形成され、そこを通ってガラスが流れる。熱シールドは、輻射熱損失を大幅に極小化するのに十分にガラス板の表面に近付けて設置されるが、溶融ガラスの流れと接触するほどの近さではない。
したがって、一実施形態において、ガラス板の成形装置が開示され、これは、成形体の周囲に配置された筐体であって、成形体の下方にあって溶融ガラスの流れが成形体から降下して筐体から出られるようにする開口部を含む筐体と、成形体の下方に位置付けられた冷却ドアと、を含む。この装置は、冷却ドアの下方に位置付けられて成形体からの輻射熱損失を極小化する第一の熱シールドペアであって、第一の熱シールドペアの各熱シールドが、少なくとも1つのセグメントを含み、溶融ガラスの流れに対して移動可能であり、第一の熱シールドペアの各熱シールドが端部と中央部を含み、端部と中央部の各々が溶融ガラスの流れに対して前端を含み、第一の熱シールドペアの各熱シールドの端部の前端が第一の熱シールドペアの各熱シールドの中央部の前端よりも、溶融ガラスの流れの面の近くまで延びていない第一の熱シールドペアと、冷却ドアの上方に位置付けられた第二の熱シールドペアであって、第二の熱シールドペアの各熱シールドが少なくとも1つのセグメントを含み、溶融ガラスの流れに対して移動可能であり、第二の熱シールドペアの各熱シールドが端部と中央部を含み、端部と中央部の各々が溶融ガラスの流れに対して前端を含み、第二の熱シールドペアの各熱シールドの端部の前端が第二の熱シールドペアの各熱シールドの中央部の前端よりも、溶融ガラスの流れの面の近くまで延びていない第二の熱シールドペアと、をさらに含む。
冷却ドアは、溶融ガラスの流れと対向する関係に配置された面部材を含む。いくつかの実施形態において、面部材は垂直である。他の実施形態において、面部材は垂直に対して傾斜している。面部材のうち、溶融ガラスの流れの隣接面に最も近い部分は、好ましくはその隣接面から10cm未満にある。
他の実施形態において、ガラス板の成形装置が説明され、これは、成形体の周囲に配置された筐体であって、成形体の下方にあって溶融ガラスの流れが成形体から降下して筐体から出られるようにする開口部を含む筐体と、成形体の下方に位置付けられた冷却ドアと、を含む。この装置は、冷却ドアの下方に位置付けられて、成形体からの輻射熱損失を極小化する第一の熱シールドペアであって、第一の熱シールドペアの各熱シールドが、少なくとも1つのセグメントを含み、溶融ガラスの流れに対して移動可能であり、第一の熱シールドペアの各熱シールドが端部と中央部を含み、端部と中央部の各々が溶融ガラスの流れに対して前端を含み、第一の熱シールドペアの各熱シールドの端部の前端が第一の熱シールドペアの各熱シールドの中央部の前端よりも、溶融ガラスの流れの面の近くまで延びていない第一の熱シールドペアと、冷却ドアの上方に位置付けられた第二の熱シールドペアであって、第二の熱シールドペアの各熱シールドが少なくとも1つのセグメントを含み、溶融ガラスの流れに対して移動可能であり、第二の熱シールドペアの各熱シールドが端部と中央部を含み、端部と中央部の各々が溶融ガラスの流れに対して前端を含み、第二の熱シールドペアの各熱シールドの端部の前端が第二の熱シールドペアの各熱シールドの中央部の前端よりも、溶融ガラスの流れの面の近くまで延びていない第二の熱シールドペアと、をさらに含む。第一の熱シールドペアの一方の熱シールドの中央部の前端と溶融ガラスの流れの隣接面との間の第一の距離は約3cm〜約9cmの範囲であり、第二の熱シールドペアの一方の熱シールドの中央部の前端と溶融ガラスの流れの隣接面との間の第二の距離は約3cm〜約23cmの範囲である。
一実施形態において、端部の前縁の少なくとも一部が、中央部の前縁に対して後退している。
冷却ドアは、溶融ガラスの流れと対向する関係に配置された面部材を含む。いくつかの実施形態において、面部材は垂直である。他の実施形態において、面部材は垂直に対して傾斜している。面部材のうち、溶融ガラスの流れの隣接面に最も近い部分は好ましくは、隣接面から10cm未満にある。
また別の実施形態において、ダウンドロー法によるガラスの成形方法が開示され、これは、溶融ガラスを成形体へと流すステップを含み、溶融ガラスは成形体から降下して連続するリボンとなり、成形体の下方に位置付けられた対向する1つのペアの冷却ドアがあり、各冷却ドアが、冷却ガスを冷却ドアの面部材に向かわせる複数のガス出口を含む。この方法は、成形体からの輻射熱損失を極小化するための、冷却ドアの下方に位置付けられる第一の熱シールドペアを設置するステップをさらに含み、第一の熱シールドペアの各熱シールドが、少なくとも1つのセグメントを含み、溶融ガラスの流れに対して移動可能であり、第一の熱シールドペアの各熱シールドが端部と中央部を含み、端部と中央部の各々が溶融ガラスの流れに対して前端を含み、第一の熱シールドペアの端部の前端が第一の熱シールドペアの各熱シールドの中央部の前端よりも、溶融ガラスの流れの面の近くまで延びていない。
この方法はまた、冷却ドアの上方に位置付けられる第二の熱シールドペアを設置するステップをさらに含み、第二の熱シールドペアの各熱シールドが、少なくとも1つのセグメントを含み、溶融ガラスの流れに対して移動可能であり、第二の熱シールドペアの各熱シールドが端部と中央部を含み、端部と中央部の各々が溶融ガラスの流れに対して前端を含み、第二の熱シールドペアの各熱シールドの端部の前端が第二の熱シールドペアの中央部の前端よりも、溶融ガラスの流れの面の近くまで延びていない。第一と第二の熱シールドペアを設置した後、第一の熱シールドペアの一方の熱シールドの中央部の前端と溶融ガラスの流れの隣接面との間の第一の距離は約3cm〜約9cmの範囲であり、第二の熱シールドペアの一方の熱シールドの中央部の前端と溶融ガラスの流れの隣接面との間の第二の距離は約3cm〜約23cmの範囲である。
この方法は、面部材のうち、溶融ガラスの流れの隣接面に最も近い部分を隣接面から10cm未満に位置付けるステップをさらに含んでいてもよい。
また別の実施形態において、ガラス引出し装置からガラスを引き出す方法が開示され、これは、成形体の収束する成形面へと溶融ガラスの別々の流れを流すステップであって、溶融ガラスの別々の流れは成形体の底部で合流して、溶融ガラスのリボンを成形するステップと、ガラス引出し装置の長さに沿って、所定の温度分布を選択するステップと、を含む。所定の温度分布は、モデリング又は実験的分析によって決定してもよい。温度分布は例えば応力と圧縮等の要素に基づく所望のガラス特性群を得るために必要な分布を表し、ガラスの種類、溶融ガラスの流速、ガラスの組成等によって異なっていてもよい。
この方法は、第一の熱シールドを設置するステップであって、この熱シールドの前端が溶融ガラスのリボンの表面から約3cm〜約9cmの範囲であるステップと、第二の熱シールドを設置するステップであって、この熱シールドの前端が成形体の底部から約3cm〜約23cmの範囲であるステップと、第一と第二の熱シールドとの間に配置される冷却ドアを設置するステップであって、冷却ドアの面が、溶融ガラスのリボンに最も近い地点で、溶融ガラスのリボンの隣接面から約10cm未満にあるステップと、をさらに含んでいてもよい。
添付の図面に関して行われるが、いかなる限定も暗示しない以下の説明的な記述において、上記及びその他の実施形態がより容易に理解され、それらのその他の目的、特徴、詳細、利点がより明瞭になるであろう。そのような他のシステム、方法、特徴、利点は、この説明の中に含められ、本発明の範囲内であり、付属の特許請求の範囲によって保護されるものとする。
本発明のある実施形態による、フュージョンダウンドローガラス溶融法における例示的な成形体の斜視図兼部分的側方断面図である。 熱シールドが冷却部材の下方に設置された、図1の成形体を含む本発明のある実施形態による例示的なフュージョン式成形装置の側方断面図である。 図2の成形装置の一部の断面図である。 本発明のある実施形態による、1つのセグメントを有する熱シールドの上面図である。 図4Aの熱シールドのペアの、それらの間に設置されたガラス板の断面を含む上面図である。 本発明の他の実施形態による、1つのセグメントを有する熱シールドの上面図である。 図5Aの熱シールドのペアの、それらの間に設置されたガラス板の断面を含む上面図である。 本発明の他の実施形態による、1つのセグメントを有する熱シールドの上面図である。 図6Aの熱シールドのペアの、それらの間に設置されたガラス板の断面を含む上面図である。 本発明のある実施形態による、複数のセグメントを有する熱シールドの上面図である。 図7Aの熱シールドのペアの、それらの間に設置されたガラス板の断面を含む上面図である。 本発明の他の実施形態による、複数のセグメントを有する熱シールドの上面図である。 図8Aの熱シールドのペアの、それらの間に設置されたガラス板の断面を含む上面図である。 熱シールドのセグメントの一部の側方断面図であり、層状の構成を示す。 熱シールドのセグメントの一部の上面図であり、膨張用スロットを示す。 1つの熱シールドが成形体の根元の温度に与える影響の概略図である。 1つの熱シールドが成形体の根元の温度に与える影響の概略図である。 下側熱シールド(LTS)の中央部の前端と、ガラスリボンの隣接面からの間の距離に対する成形体の根元の温度を示すグラフである。 下側熱シールド(LTS)の中央部の前端と、ガラスリボンの隣接面からの間の距離に対する力係数を示すグラフである。 下側熱シールド(LTS)と上側熱シールド(UTS)の両方の中央部の前端とガラスリボンの隣接面からの間の距離に対する成形体の根元の温度を示すグラフである。 下側熱シールド(LTS)と上側熱シールド(UTS)の両方の中央部の前端とガラスリボンの隣接面からの間の距離に対する力係数を示すグラフである。 1つの熱シールドペアと2つの熱シールドペアを使用した場合の相対的動作空間を比較するグラフである。 溶融ガラスリボンの実際の厚さデータ、修正後の計算による厚さ、及び1つの熱シールドペアのみを使用した厚さの均一性を示すスライドウィンドウ平均を表す曲線を示すグラフである。 溶融ガラスリボンの実際の厚さデータ、修正後の計算による厚さ、及び2つの熱シールドペアを使用した厚さの均一性を示すスライドウィンドウ平均厚さを表す曲線を示すグラフである。
以下の詳細な説明の中では、限定ではなく説明を目的として、具体的な詳細部を開示する例示的な実施形態が、本発明をよく理解できるように記載されている。しかしながら、当業者にとっては明らかであるように、本発明を利用することにより、本発明は本明細書の中で開示されている具体的な詳細部とは別の他の実施形態においても実施できる。さらに、よく知られている装置、方法、材料の説明は、本発明の説明を曖昧にしないために割愛される場合がある。最後に、可能な限り、同様の参照番号は同様の要素を示す。
本明細書の中で開示される実施形態によるガラス板製造のためのある例示的なフュージョンダウンドロー法においては、ガラス成形前駆体(バッチ)を炉内で溶融して、溶融原材料、すなわちガラス融液を形成し、その後これを成形体へと流し、ガラス板を成形する。一般に、このような成形体は外側成形面を含み、それに沿って融液が流れる。例えば、フュージョンダウンドローガラス板成形法では、融液は、成形体の底部で交差する成形面の上を流れる。成形面は傾斜又は収束成形面を含み、これらは成形体の底部(すなわち、根元)で収束し、楔形状を形成する。上側成形面が存在する場合、これは相互に実質的に垂直でも平行でもよい。
成形体の設計には、多くの利益相反を考慮に入れなければならない。溶融原材料(すなわち、溶融ガラス)は、成形体の、その側面がダム(堰)により画定される溝の中に導入される。溶融原材料を成形体に導入する際、ガラス融液が堰(溝を画定する上壁)の最上部へと均一に流れるのに十分に低い粘度、すなわち十分に高い温度でなければならない。溶融原材料はその後、収束成形面を含む成形体の外部成形面を成形体の底部へと流れ落ちる。
これに対して、成形体の根元を離れた溶融原材料は、溶融原材料をうまく引き出すことができるように十分に高い粘度、すなわち十分に低い温度でなければならないが、溶融原材料の粘度は溶融原材料の液相粘度以下になるほど低くはなく、そのように低いとガラス融液の結晶化が発生しうる。
成形体から溢れるガラス融液が、成形面を降下する際に高温のままでいる時間が長すぎると、成形体を構成する材料が溶解し、成形体のより下側の、より低温の部分、例えば根元において「二次ジルコン」として再結晶化する場合がある。二次ジルコン結晶は、ガラス流の中に入り込み、取り込まれるのに十分な長さに成長し、完成したガラス製品の中の欠陥となりうる。
取り込まれた結晶は特に問題となる可能性があり、それは、根元が、成形体を格納する筐体の底部の、溶融ガラスが筐体を出る際に通る開口部に近いからである。溶融ガラスは、開口部を通じて輻射により継続的に熱を失う。開口部は必要であるため、成形体から、特に成形体の根元からの輻射熱損失を低減させる対策を講じなければならない。一方法は、根元を加熱して熱損失を補償するものであるが、これは部分的な効果しかない。さらに、根元に加えられる追加の熱エネルギーが対流によって上昇し、成形体の上側部分の温度を高くする場合がある。成形体の最上部の温度が上昇すると、実際には、高くなった上側温度によって成形体そのものが溶解する量が増大し、二次ジルコンの問題がさらに悪化する場合があるため、逆効果となることもある。これはまた、高品質のガラスを引き出すのに必要なガラス粘度の高低の微妙なバランス(成形体の最上部での粘度と成形体の底部での粘度)を変化させることがある。二次ジルコンの形成の機序は、その他の成形体材料の溶解と凝縮にも当てはまり、ジルコニアに限定されない点に留意するべきである。
図1は、一実施形態による例示的な成形体10を示している。成形体10は、供給部(図示せず)からの溶融ガラス14を受ける溝12を含む。成形体10は、入口16と、堰18、20と、上側成形面22、24と、下側収束成形面26、28と、をさらに含む。下側収束成形面26、28は、成形体の底部、すなわち根元30で交差する。根元30は、引出しライン、すなわちそこを通ってガラス板が成形体から引き出されるラインを形成する。
成形体10に供給される溶融ガラス14は堰18、20から溢れ、2つの異なる流れとして成形面22、24と26、28を下方に流れ、1つずつの流れが成形体のそれぞれの側を降下する。それゆえ、一方の流れは成形面22及び26に沿って降下し、他方の流れは収束する成形面24と28に沿って降下する。溶融ガラスの2つの流れは根元30で合流して、ガラスリボン32を形成し、これは引張ローラ34として示されている引張装置により下方に引き出される。表面張力によって、ガラスリボンの縁辺部分36はガラスリボンの内側部分38より厚くなる。より厚い縁辺部分、すなわちビードが成形体の下流に設置された引張ローラによって把持され、引張ローラはガラス板に下方の引張力を加える。ガラスリボンの、ビードの内側の内側部分38は、後に販売可能なガラスとなる領域であり、これに対して、縁辺部分36は一般に、ガラスから切り取られて廃棄されるか、カレットとして使用され、溶融工程でバッチ材料に加えられる。降下するガラスリボン32は最終的に切断線37で分離されて、個々の窓ガラス39となる。
成形体10は一般に、セラミック耐火材料、例えばジルコン又はアルミナで構成され、筐体40に格納される(図2参照)。筐体40は、内壁(マッフル44)の背後に配された加熱素子42を含む。加熱素子は、成形体の成形面上の溶融ガラスの温度、及びしたがって溶融ガラスの粘度を制御するために使用され、必要に応じて、筐体全体に配置されてもよい。一般に、加熱素子は垂直に配置された土手部の中にあり、それによって筐体内の温度を、筐体内の垂直方向の位置に応じて制御できる。
冷却ドア46が筐体40の下に位置付けられ、これらは移動可能であってもよく、それによって冷却ドアを降下するガラスリボン32から適当な距離に位置付けることができ、これは、図2の中の破線の円で囲まれた部分を示す図3を参照することによって最もよくわかる。破線33は、成形体を二等分し、根元30と溶融ガラスリボン32の流れを通過する垂直面を示す。冷却ドア46は冷却装置を含み、これは冷却ドアの表面及び特に冷却ドアの面48を冷却する。冷却ドア面48を冷却すると、今度はガラスの幅に沿って(例えば水平に)成形体から降下するガラスの温度、及びしたがって粘度が制御される。例えば、冷却ドアは、1つ又は複数の冷媒供給ライン50と、冷却ドアの長さに沿って延びる出口を含んでいてもよい。各出口は冷媒(一般には空気)を排出し、これは各冷却ドア面48のうち、出口付近の部分を冷却する。各出口から排出される冷媒の量は、冷却ドア面の温度がその面上の位置(例えば水平方向の位置)に応じて制御できるように個別に制御されてもよい。いくつかの実施形態において、1つの供給ラインから、複数の出口を含むヘッダに供給されてもよく、各出口は遠隔操作される弁により制御される。
上の記載から、冷却ドアの動作が熱拡散に依存することが明らかであるはずである。すなわち、個々の冷却出口の効果が、冷却ドア面の範囲全体にわたって平滑化される。これは、ガラスリボンの幅に沿った1カ所から隣接する他の場所との間で粘度が大幅に離散的に変化するのを防止することによって利点となりうるが、装置の空間分解能を限定する場合もある。換言すれば、冷却ドア面により生じる熱的平滑化効果によって、短い距離でガラスリボンの粘度を小さく変化させることができない。従来のフュージョンダウンドロー装置では、冷却ドア面とガラスリボンの隣接面との間の距離が非常に短いため、十分な空間分解能が得られないことは、より大きな問題となる。
上述のような冷却のための構成によって、冷却ドア面48は、成形体から降下するガラスの温度と粘度を、ガラス板の幅に沿った位置に応じて変化させることができ、これは例えばガラスの板幅方向の厚さを制御するために使用できる。冷却ドアを水平移動(矢印52により示される)させて、冷却ドアをガラスリボンの主要面に相対させて位置付けることができるが、最適な位置が設定された後は、冷却ドアは引出し工程中、ほとんど移動されず、これは、そのような移動がリボンの属性(例えば、形状、厚さ等)に影響を与えるからである。むしろ、冷却ドアの機能の大部分は、冷却ドアまでの冷媒の流れ、及びひいては冷却ドア面の温度を制御することから得られる。最適な位置は、具体的な引出しの設定に依存し、引出しごとに異なっていてもよい。しかしながら、従来のフュージョンダウンドロー法では、冷却ドアはガラスリボンの隣接面まで4インチ(10.16cm)より近くには延びないようにして、成形体の上に流れる溶融ガラス本体から分離することもある溶融ガラスと接触しないようになっている。冷却ドア面が溶融ガラスで覆われると、冷却ドアが溶融ガラスリボンを局所的に冷却する効力が低下する。
筐体40内の熱環境及び、特に成形体の根元30の温度をより細かく制御するために、熱シールド54を冷却ドア46に隣接して、特に冷却ドアの下方に設置して、成形体からの輻射熱損失、特に成形体の根元領域からの輻射熱損失を制御する。同様に、熱シールド55を冷却ドア46の上方に設置する。熱シールド54と55は、ペアとして配置され、熱シールド54が冷却ドア46の下方の、ガラスリボン32の両側にそれぞれ設置された2つの対向する熱シールドを含む。同様に、熱シールド55もまた、冷却ドア46の上方のガラスリボン32の両側にそれぞれ設置された2つの対向する熱シールドを含む。熱シールド54と55は、個別に移動可能であってもよい。すなわち、いくつかの実施形態において、熱シールドペア(すなわち、熱シールド54又は55)のうちの一方の熱シールドは、(リボンの反対側にある)対向する熱シールドとは独立して移動可能であり、冷却ドアのように水平移動が可能であり、ガラスリボンに向かって伸展可能で、かつガラスリボンから遠ざかるように引き戻し可能である。リボンに近づく、又はそこから遠ざかる移動は、いくつかの方法で提供できる。熱シールド54は、熱シールド54の平面が成形体の根元30から少なくとも約10cmの位置になるように位置付けてもよい。熱シールド55は、閉じたときに熱シールド55が根元30をちょうど避けるように位置付けてもよい。すなわち、熱シールド55の水平面は成形体の根元から下に約1cm以下である。
上記の説明からわかるように、冷却と加熱の両方を、相互にかなり近い領域で同時に行うことが可能である。熱シールド54と55は、成形体の底部からの輻射熱損失を極小化して、成形体の根元での溶融ガラスの冷却を防止し、それに対し、冷却ドア46は、厚さ制御の一助として、降下するリボンの幅にわたってガラスを積極的に冷却するために使用される。実際に、冷却ドア46と熱シールド54と55の動作は、成形体の付近の特定の熱環境を保持するように調整できる。以下により詳しく説明するように、2つの熱シールドペア、すなわち冷却ドア46の上方の1つのペアと冷却ドア46の下方の1つのペアを利用することによって、成形体の根元の上下の熱環境を柔軟に管理できる。これに加えて、冷却ドアの上方に熱シールドを位置付けることにより、冷却ドアの面が保護され、それによって冷却ドアを溶融ガラスリボンにより近付けることができ、その際、溶融ガラスや上からのその他のデブリに遭遇せず、その結果、ガラスリボンに対する冷却ドアの空間分解能が増大する。
図2に示され、上で説明されたように、熱シールドの移動は水平に行うことができ、熱シールドはガラスリボンに向かって、又はそこから遠ざかるように直線移動して、熱シールド間のギャップを増減させる。熱シールド54と55のこのような水平移動は、それぞれ矢印56と57によって示されている。
各熱シールドは、1つのセグメント、又は複数のセグメントを含んでいてもよい。以下の図4A〜10では、熱シールド54を参照する。しかしながら、以下の説明は熱シールド55にも等しく当てはまる。
図4Aに示される一実施形態において、各熱シールド54は、端部54a、54bと中央部54cを含む1つのセグメントを含む。端部の前縁76a、76bは、中央部54cの前縁76cと位置がそろっていてもよいが、後退して、端部の前縁が中央部の前縁より、溶融ガラスの流れの面から遠くてもよい。図4Bは、図4Aの熱シールドペアと、熱シールド間を通過するガラスリボンの断面図を示している。
図5Aと6Aは、1つのセグメントでなる熱シールドの別の実施形態を示しており、後退した端部が描かれている。例えば、図5Aは、端部54a、54bの各々の前縁部76a、76bが中央部54cの前縁部76cより距離δだけ後退している実施形態を示す。この実施形態において、前縁部76a〜76cは各々、他の前縁部と平行である。
図6Aは、端部54a、54bの前縁76a、76bがそれぞれ、中央部54cの前縁76cに対して後退し、かつ傾斜している実施形態を示す。それ以外にも、例えば端部の前縁が湾曲縁を含む構成等も利用できる。
図5Bと6Bは、それぞれ図5Aと6Aの熱シールドペアと、熱シールド間を通過するガラスリボンの断面を示す。
他の実施形態では、各熱シールドは複数のセグメント又はブレードを含んでいてもよい。各熱シールドの各セグメントは、隣接するセグメントとは独立して移動可能であってもよい。各熱シールドは他方の(反対の)シールドと基本的に構成が同じであるため、1つの熱シールドのみ参照し、その説明が、対応する反対の熱シールド(降下するリボンの反対側に位置付けられる熱シールド)にも当てはまることを理解する。
図7Aは、例示的なセグメント式熱シールド54のある実施形態を示す。セグメント式熱シールド54は、1つ又は複数のセグメント、例えば端部材58a、58bと中央部材58cを含む。端部材58a、58bは、中央部材58cに対して別々に移動可能であってもよい。これに加えて、端部材58aは端部材58bとは別に移動可能であってもよいが、一般的に、端部材58a、58bは一体に移動され、中央部材58cとも一体に移動されてよい。移動は、多数の方法によって実現できる。例えば、熱シールドの各セグメントは適当な連結手段62(例えば、シャフト62)及び/又は歯車64を介してアクチュエータ66に接続されてもよく、これを操作すると、セクションを内側にガラスリボンに向かって展開し、又は外側にカラスリボンから遠ざかるように引き戻すことができる(図3参照)。例えば、アクチュエータ66は単純なハンドクランク若しくはレバーであってもよく、又はアクチュエータは電気モータ若しくはサーボであってもよく、また、所望に応じて、コンピュータ又はその他の電子プロセッサを介して制御されてもよい。図7Bは、図7Aの熱シールドペアの、シールドが展開している状態と、熱シールド間を通過するガラスリボンの断面図を示す。
図8Aは、図7Aの熱シールドと同様の複数セグメントでなる熱シールド54を示しているが、端部材58a、58bが、中央部材58cの前縁76cに対して傾斜し、かつ後退している前縁76a、76bを含む点が異なる。図8Bは、図8Aの熱シールドペアと、熱シールドとの間を通過するガラスリボンの断面を示す。
上で簡単に説明したように、フュージョンダウンドロー法によるガラスリボンの引出しは、ガラスが成形体から降下する際のその周辺の熱環境の精密な制御を利用する。そのために、各熱シールドは、熱シールドの寸法上の完全性を保持する機能を含んでいてもよい。熱シールドの形状又は位置が変化すると、本来は、加工温度も変化する。例えば、熱シールドの何れかの部分が歪むと熱環境が乱れる可能性がある。
熱シールドセグメントの一部の断面を示す図9に示されているように、熱シールド54の各セグメントは、1つのセグメントのシールドでも複数セグメントのシールドでも、それ自体が複数の部材、すなわち上側部材70、絶縁中間層(絶縁部材72)、下側部材74によって形成されていてもよい。上側及び下側部材70、74は、それぞれ上側及び下側部材の中に形成された嵌合曲げ部78、80を介して先又は前縁76(すなわち、流れるガラスに最も近い縁)に沿って連結される。嵌合曲げ部には複数の目的がある。第一に、これらは上側及び下側セグメントを結合する。しかしながら、これらはまた、各部分又はセグメントの前端76を硬くして、縁辺が歪むのを防止するのを助ける。少しでも歪むと、熱シールドの縁辺のガラスリボンに関する位置が若干変化することにより、工程に悪影響を与えることがある。しかしながら、各実施形態の中央部材はまっすぐの(線形の)前縁を含む。
図10に示されるように、端セグメントと中央セグメントの上側部材70と下側部材74の各々は膨張用スロット79を有していてもよく、それによって、個々の部分又はセグメントを歪めずに、上側及び下側部材が拡張しやすくなる。各膨張用スロットはまた、終端に切欠き81、例えば円形の切欠きを有し、スロットの端における部材の応力破壊を防止してもよい。
上側及び下側部材70、74はまた、後縁82に沿って接続することもできる。図9に示されるように、後縁82に沿った接続は、ボルト等、縁辺に沿って配置された固定手段84を介して行われてもよい。しかしながら、上側及び下側部材を後縁に沿って固定するために、その他の方法、例えば溶接を利用してもよい。熱シールドは高温環境下で利用されるため(上側部材の温度は約1000℃となることもあり、下側部材の温度は約900℃となることもある)、上側及び下側部材は、十分な寿命が確保されるように、高温と酸化に対する耐性を有する材料から構成するべきである。例えば、上側部材70と下側部材74は、1つ又は複数の高温金属合金、例えばHaynes(登録商標)Alloy No.214又はHaynes(登録商標)Alloy No.230を含んでいてもよい。絶縁材料、例えばFiberfrax(登録商標)Durablanket(登録商標)2600が絶縁層72用に適した絶縁材料である。上側部材は一般に下側部材より高い温度に曝されるため、上側部材は、下側部材より熱と酸化に対する体制が高い材料で形成してもよい。熱シールドの厚さを通じた一般的な温度差は約100℃であるが、温度差は100℃より大きいこともある。
成形面22、24を下方に流れるガラス融液の温度は実質的に一定である。これに対して、成形面26、28は成形体より低い温度に曝される。すなわち、成形面26、28はその向きに対して水平な構成部分と垂直の構成部品を有する。それゆえ、成形面26、28に沿って流れる溶融ガラスは、それが成形面を降下する際に冷却される。成形体の最も低い部分、例えば根元と根元に隣接する領域は、筐体の底面の開口部に至る「視野」を有し、熱を開口部から放射し、それによって、好ましくない点として、根元と根元部分の溶融ガラスが冷却される。すなわち、これらは開口部を通じた直接的な見通し線を有する。
前述のように、ガラスリボンの高品質領域(前述の販売可能部分)を取り囲む熱環境の乱れを防止するために、熱シールドの各種の構成の中央部材54c、58cの前縁76は、まっすぐで平坦な縁辺である。中央セグメント(又は部分)の前端は少なくともガラスリボンの高品質部分にわたって延び、リボンの幅全体で熱環境が一定となるようにすることが好ましい。動作時には、端部材54a、54b又は58a、58bの前縁76a又は76bは一般に、それぞれ中央セグメント54c又は58cの前縁76c又は77cの後方に距離δだけ後退している。端部材54a、54b又は58a、58bとそれぞれの前縁を、中央セグメントよりガラスリボンから遠くに位置付けることによって、ガラスリボンのビード領域のより厚い部分を収容し、また、成形体そのものにとってのクリアランスも大きくできる。距離δは、特定の設計、成形体と引出し装置の構成、及び引き出されるガラスの組成に応じて、引出しごとに別々に決定できる。同様に、中央セクションの前縁76c又は77cとガラスリボンの面との間の距離dは、筐体からの熱損失を極小化し、同時に、ガラスリボンの流れの中断を防止するように選択するべきであり、一般に、個々の成形体の各々の具体的な動作条件、関連する引出し装置、ガラス組成に依存する。
下側熱シールド54と上側熱シールド55の両方を使用することにより、1つの下側の熱シールドセット又は1つの上側の熱シールドセットだけを利用する同様の装置には欠けている広い多用途性がフュージョン成形装置に付与される。図11Aは、例示的なフュージョン成形装置のための温度、特に成形体の根元付近の収束成形面26に沿って流れるガラスの温度モデルを示している。図11Aに示される構成によれば、1つの熱シールド54が冷却ドア46の下方に位置付けられ、熱シールドの前縁が溶融ガラスの流れの隣接面から約3.2cmだけ離れている成形体の根元部の温度は約1180℃である。下側熱シールドを以前の位置に保持したまま、第二の熱シールド55を冷却ドア46より上の位置(例えば、冷却ドア面48の上方)に、熱シールド55の前縁が溶融ガラスの流れの隣接面から約5.7cmだけ離れるようにして追加することにより、根元の温度は約1220℃に上昇し、図11Bに示されるように、根元の温度が約40℃上昇したことになる。
冷却ドア46の一態様は、ガラスリボンの幅方向のガラスリボンの厚さを、リボンの1つの領域をリボンの別の領域と異なるように局所的に冷却することによって制御することである。すなわち、粘性のリボンの幅方向に温度分布の差がありうる。この温度差の結果として、リボンの厚さが不均一となる可能性がある。この影響を軽減するために、ガラスリボンの各種の領域を局所的に冷却して、局所的な厚さに影響を与え、それによって厚さの不均一性に対抗することができる。もちろん、粘性のガラスリボンのうちの、成形体の根元に非常に近い部分を冷却すると、成形体の根元と、成形体の収束成形面26、28の根元に隣接する領域が冷却されるという望ましくない効果が生じる。それは、ひいては成形動作にも望ましくない影響を与える。
フュージョン式成形工程において一般に目指されることは、成形体上のいずれの種類の結晶体(又は失透原因物(devitrification))の形成も回避することである。失透原因物が堆積する可能性があるのは、固体ガラス界面付近でのガラス滞留時間が比較的長い固体面上を流れる間に、ガラス温度がその液相温度より十分に下がるときである。単純に根元温度を(その付近に設置された電源を通じて、又は下側熱シールドをさらに閉じることによって)液相温度より高くすることは、根元温度の上昇により、根元30においてガラス層をその最終的な所望の厚さまで延ばすのに必要な力係数Fが小さくなりすぎるため、選択肢とならないことが多い。Fが小さすぎると、根元と引張ローラとの間のリボンの重量によって、所望の引き延ばしを実現するのに必要な力が余分に大きくなるという状況が発生する。その結果、リボンが平坦でなくなる、バギーワープと呼ばれる状態となる。
例えば、特定のガラス組成、特にディスプレイ用として適当なガラス組成は液相温度が高い。ガラスの温度が液相温度より下がると、ガラスの失透が発生して、それによってガラスに結晶の種がまかれる危険性がある。それゆえ、リボンの根元付近を優先的に冷却することによるガラスリボンの厚さの制御は、根元温度を低下させることと引き換えに行われる。冷却ドアと根元との間に第二の熱シールドペアを使用することにより、この根元及び隣接する収束成形面に対する冷却効果を低減させることができる。したがって、根元付近のガラスの流れの温度は上昇し、その一方で、根元より下のガラスの流れの温度は低下する。
フュージョン法の引出しに適した一般的なガラスの場合、ガラスリボンをその最終的な所望の厚さまで引き延ばしやすくするために根元において必要となる力Fは、次式により得られる。
Figure 2015504411
式中、Fは任意の機械的な力(一般に、アイソパイプの根元より下に位置付けられる引張ローラによって供給される)に、根元と引張ローラとの間のガラスリボンの重量によりかかる力の合計である。同じ容積流量(Q)で流れる同じガラスを、同じ最終厚さ(t)まで、ただし根元(すなわちy)から始まり、最終厚さが設定される地点(y)で終了する異なる温度分布で引き延ばすのに必要な力Fは、上記の分母の積分項と、初期厚さ(t)を含む自然対数項のみに依存する。初期厚さtは温度の弱関数であり、これらの目的のためには無視できる。したがって、力係数Fは以下のように得ることができる。
Figure 2015504411
図12Aと12Bが示すように、Fは、粘度(μ)の温度への強い依存性によって、温度の継ぎ目のないわずかな変化に伴い大きく変化する可能性がある。図12Aは、下側熱シールド54(LTS)と上側熱シールド55(UTS)の位置に関する計算による根元温度のグラフを示し、星マーク100、102、104が、それぞれ溶融ガラスの流れの隣接面から1.25インチ(3.18cm)、2.25インチ(5.72cm)、3.25インチ(8.26cm)のLTSについて示されている。これら3つのケースのすべてにおいて、UTSは9.2インチ(23.368cm)にあり、これは上側熱シールド55がない状態を示している。すなわち、このデータは、上側熱シールドの影響を受けていない、下側熱シールドの効果を示している。図12Aは、下側熱シールド54が粘性のガラスリボンの付近から引き離されると、根元の温度が低下することを示している。これが発生するのは、少なくとも部分的には、温度を下側熱シールドより低い温度まで下げる根元の「視野」が大きくなり、これによって根元が冷却されるからである。図12Bは、図12Aと同じ条件下での計算された力係数Fを示し、(データポイント、すなわち星マーク106、108、110を通じて)下側熱シールドの位置が変化すると、Fもまた変化することを示している。実際に、このデータは、根元温度が約40℃変化することによって、力係数が約2倍変化することを示している。力係数Fは少なくとも部分的には、ガラスリボンの厚さに影響を与えるため、下側熱シールドの水平位置(ガラスの流れからの距離)が変化すると、ガラスリボンの厚さが変化すると結論することができる。
図12A〜12Bに示されるデータに対して、図13Aと13Bは、上側熱シールド55を追加した場合の影響を示す。図13Aは、下側(LTS)と上側(UTS)熱シールド54と55の位置に関する計算による根元温度を示す。前述のように、データポイント(星マーク)100、102、104は、上側熱シールドがガラスの流れから十分に遠く、したがってその影響が無視できる場合を示している。したがって、図13Aは、下側熱シールド54が3つの水平位置にあるときの上側熱シールド55の複数の位置の影響を示している。ここでも、水平位置とは熱シールドの前縁からガラスの流れまでの距離を意味する。
第一の条件の下では、下側熱シールド54は、溶融ガラスの流れの隣接面から1.25インチ(3.18cm)の距離に位置付けられる。三角は上側熱シールド55の位置に関する根元の温度を示しており、これらは左から右に、溶融ガラスの流れの隣接面から2.2インチ(5.6cm)、溶融ガラスの流れの隣接面から3.2インチ(8.1cm)、溶融ガラスの流れの隣接面から4.2インチ(10.7cm)、5.2(13.2cm)、6.2インチ(15.7cm)、最後に、星マーク100で示されるように、上側熱シールドが完全に引き戻された状態まで段階を追っている。このデータは、上側熱シールドが引き戻されると、根元の温度が低下し、上側熱シールドが全くない場合の影響が最後に示される。
同じ分析結果は、丸と星マーク102により表される第二の条件(下側熱シールドが溶融ガラスの流れの隣接面から2.25インチ(5.72cm)の位置にある)にも当てはまるが、根元温度の低下が第一の条件下で見られる低下と比較して、より大きい点が異なる。
四角と星マーク104により示される第三の条件(下側熱シールドが溶融ガラスの流れの隣接面から3.25インチ(8.26cm)の位置にある)では、根元の温度の低下はその前の第二の条件下よりさらに大きくなる。
図13Bは、図13Aと同様の状況を示すが、異なるのは、根元の温度ではなく、計算による力係数Fが、溶融ガラスの流れの隣接面に関する下側及び上側熱シールドの位置に対して表示されていることである。図13Aと同様に、下側熱シールド54の3つの位置、すなわち左から右に、溶融ガラスの流れの隣接面から1.25インチ(3.18cm)、溶融ガスの流れの隣接から2.25インチ(5.72cm)、及び溶融ガラスの流れの隣接面から3.25インチ(8.26cm)でのFを示している。星マーク106、108、110は、上側熱シールドが完全に引き戻されたときのFを示す。図13Bのデータは、下側熱シールド54が中心線Cから1.25インチ(3.18cm)である第一の条件下では、上側熱シールド55の位置を、Fにそれほど影響を与えずに、大きく変化できることを示している。図13Aに戻り、Fの変化をリボンの厚さの変化に変換できることを再び考えると、これは、必要に応じて上側熱シールド55を使って根元の温度を変化させることができ、その際、F、及び従ってリボンの厚さは大きく変化しないことを意味する。
下側熱シールド54の位置が引き戻されると、丸と、次に四角で示されているように、Fの変化量は、溶融ガラスの隣接面からの下側熱シールドの距離の増大に伴って大きくなることがわかる。しかしながら、変化の度合いは、星マーク106、108、110間の全体的な変化量と比較すると小さい。さらに、このデータは、根元の温度が比較的大きく変化しても、力係数Fは比較的安定した状態のままであることをさらに示している。例えば、図13Aの三角は約25℃の温度変化を示している。それでも、図13Aの条件を表す力係数は温度変化全体を通じて実質的に一定のままである。力係数が星マーク106によって示されるように大きく変化するのは、上側熱シールドが完全に引き戻されたときだけである。それゆえ、熱シールド54と55をそれぞれ冷却ドアの下と冷却ドアの上に使用することによって、力係数、及びしたがってリボンの厚さに対する影響を小さくしつつ、根元温度を変化させることができる。
図14は、下側及び上側熱シールド54、55の両方を使用することによって可能となる動作空間(水平位置xに関する根元の温度と力係数F)の拡張を図表によって示しており、星マーク、丸、三角、四角は図13Aと13Bの条件に対応する。下側熱シールド54だけ動作する場合、枠112で示される動作空間が得られ、下側熱シールド54と上側熱シールド55の両方を使用することによって、その動作空間は、空間112と空間114の両方を含むように拡張される。
下側及び上側熱シールドの両方を使用することにより、さらに、冷却ドア46を、そうでなければ可能な場合より溶融ガラスの流れの隣接面の近くに設置することができる。上側熱シールド55がない場合、各冷却ドア46と溶融ガラスの流れの隣接面との間の距離(たとえば、面48とガラスの流れとの間の距離)は、冷却ドアからの成形体の根元の冷却作用によって限定される。各冷却ドアは、リボンの厚さに影響を与えるのに十分に近くすることができるが、根元の温度に許容できない影響を与えるほどは近付けられない。根元の温度を上昇させる役割を果たす上側熱シールド55を含めることにより、冷却ドア55をガラスの流れにより近付けることができる。冷却ドア55を粘性のガラスの流れに近付けることによる効果は劇的となりうる。
図15を参照すると、曲線140は、ガラスリボンのリボンの幅方向の厚さの実測値を表す。厚さの平均値を厚さデータから差し引き、その結果が偏差として表示されている。曲線142は、厚さの偏差を補正した後のガラスリボンの厚さモデルを示しており、冷却ドア面はガラスリボンの面まで約4インチ(10.6cm)より近付けられない。曲線144は、厚さの均一性を示しており、曲線上の各点は、その点の周囲25mmの水平範囲に見られる最大厚さ偏差範囲である。
比較のために、図16は同様のデータを示しているが、冷却ドアをガラスリボンの面により近付けることができた場合の利点を示している。すなわち、図16に対して、データは、図15に示されるものより、ガラスリボンの面から約2.5インチ(6.35cm)に位置付けられた冷却ドアについてモデル化したものである。したがって、曲線146は、ガラスリボンのリボンの幅方向の厚さの実測値を示す。厚さの平均値を厚さデータから差し引き、その結果が偏差として表示されている。曲線148は、厚さ偏差を補正した後のガラスリボンの厚さモデルを示し、曲線150はリボンの厚さの均一性を示し、曲線上の各点は、その点の周囲25mmの水平範囲に見られる最大厚さ偏差範囲である。曲線144と曲線150を比較するとすぐにわかるように、上側及び下側熱シールドを使用すると可能になる、冷却ドア面を溶融ガラスの流れにさらに1.5インチ(3.8cm)近付けることによる効果は、厚さ偏差を大きく減少させることができる(厚さの均一性が増大する)。
他の態様において、第二の熱シールドペア(熱シールド55)の導入により、冷却ドア面48が保護される。図3に示されるように、冷却ドア46の面48は一般に、水平面152に対して傾斜している。そのため、これらの面は、面上に堆積して、冷却ドアの冷却効果の障害となる可能性のあるデブリ(例えば、落下するガラス等)の影響を受けやすい。上側熱シールド55を含めることによって、(遮蔽効果が提供されるため)どちらも面をデブリから保護するが、その面と水平との角度を大きくすることができる。例えば、各面48は垂直に位置付けることができ、その結果、冷却ドアの面のうちのより大きな表面積をガラスリボンの面に近づけることができる。
ガラス板のフュージョン成形の一般的な課題は、成形体の成形面上のいずれの種類の結晶体(失透原因物)の形成も回避したいということである。失透原因物は、表面ガラス界面でのガラスの滞留時間が比較的長いときに、成形面上を流れる際のガラス温度がその液相温度より大幅に低くなったときに堆積する可能性がある。下側熱シールドの各々の前(先)縁がガラスリボンの隣接面から2.25インチ(5.72cm)に位置付けられ、上側熱シールドが存在しない(図13A〜13Bの基準の下ではガラスから9.2インチ−23.4cm−離れて位置付けられる)が、成形体上に失透原因物の堆積が急速に形成され、製造上の問題を発生させていると仮定する。さらに、この形成を減少させるために、根元の温度を20℃高める必要があると仮定する。下側熱シールド54だけがある場合、複数の選択肢が利用可能である。すなわち、電源を通じて根元の温度を高めるか、水平の対向する下側熱シールド間のギャップを狭めるかのいずれか、又はその両方である。単純に根元の温度を溶融ガラスの液相温度より高くすることは、温度上昇によって力係数が大きく変化しすぎる場合は有益な選択肢ではない。力係数が低すぎると、根元と引張ローラとの間のリボンの重量により、ガラスを所望の程度に引っ張るために必要な力より大きな力が加わる原因となりうる。この状態は「バギーワープ」と呼ばれ、リボンが袋又は帆のようになり、その結果としてガラスリボンが歪むことから、このように呼ばれる。
したがって、根元の温度を20℃上昇させると、Fが約40%減少するため、バギーワーブの状態が生じる場合は現実的ではないであろう。しかしながら、下側熱シールドと上側熱シールドの両方を使用すると、根元の温度を約20℃高めることは、LTSの位置を隣接するガラスリボン表面から約3.25インチ(8.26cm)に、UTSの位置を隣接するガラスリボン表面から約3.0インチ(7.62cm)にすれば実現可能であり、Fは実質的に変化しないままである。ここで、下側熱シールドが流れているガラスリボンの面から約1.25インチ(3.18cm)〜約2.25インチ(5.72cm)の範囲内となる可能性が回避されて、下側熱シールドが流れているガラスから約3.25インチ(8.26cm)離れ、上側熱シールドが約3.0インチ(7.62cm)離れていることにも留意されたい。水平方向に対向する熱シールド間の最小ギャップ距離は、小さすぎると、流れているガラスが熱シールドの片側に付着して、引出し装置が高温のガラスでいっぱいになる可能性が大幅に増大する可能性があり、これは大惨事である。
本発明の上述の実施形態、特にどの「好ましい」実施形態も、単に可能性のある実施例にすぎず、本発明の原理を明瞭に理解するために紹介されているにすぎない点を強調するべきである。本発明の主題と原理から実質的に逸脱することなく、数多くの変更や改良を上記の実施形態に加えてもよい。このような改良形態と変更形態はすべて、本明細書の中でこの開示及び本発明の範囲内に含められ、後述の特許請求の範囲によって保護されるものとする。

Claims (10)

  1. ガラス板の成形装置において、
    成形体の周囲に配置された筐体であって、前記成形体の下方にあって溶融ガラスの流れが前記成形体から降下して前記筐体から出られるようにする開口部を含む筐体と、
    前記成形体の下方に位置付けられた冷却ドアと、
    前記冷却ドアの下方に位置付けられて前記成形体からの輻射熱損失を極小化する第一の熱シールドペアであって、前記第一の熱シールドペアの各熱シールドが、少なくとも1つのセグメントを含み、前記溶融ガラスの流れに対して移動可能であり、前記第一の熱シールドペアの各熱シールドが端部と中央部を含み、前記端部と前記中央部の各々が前記溶融ガラスの流れに対して前端を含み、前記第一の熱シールドペアの各熱シールドの前記端部の前記前端が前記第一の熱シールドペアの各熱シールドの前記中央部の前記前端よりも、前記溶融ガラスの流れの面の近くまで延びていない第一の熱シールドペアと、
    前記冷却ドアの上方に位置付けられた第二の熱シールドペアであって、前記第二の熱シールドペアの各熱シールドが少なくとも1つのセグメントを含み、前記溶融ガラスの流れに対して移動可能であり、前記第二の熱シールドペアの各熱シールドが端部と中央部を含み、前記端部と前記中央部の各々が前記溶融ガラスの流れに対して前端を含み、前記第二の熱シールドペアの各熱シールドの前記端部の前記前端が前記第二の熱シールドペアの各熱シールドの前記中央部の前記前端よりも、前記溶融ガラスの流れの面の近くまで延びていない第二の熱シールドペアと、
    を含むことを特徴とする装置。
  2. 前記冷却ドアが、前記溶融ガラスの流れと対向する関係に配置された面部材を含むことを特徴とする、請求項1に記載の装置。
  3. 前記面部材が垂直であることを特徴とする、請求項2に記載の装置。
  4. 前記面部材のうち、前記溶融ガラスの流れの隣接面に最も近い部分が前記隣接面から10cm未満にあることを特徴とする、請求項2に記載の装置。
  5. ガラス板の成形装置において、
    成形体の周囲に配置された筐体であって、前記成形体の下方にあって溶融ガラスの流れが前記成形体から降下して前記筐体から出られるようにする開口部を含む筐体と、
    前記成形体の下方に位置付けられた冷却ドアと、
    前記冷却ドアの下方に位置付けられて前記成形体からの輻射熱損失を極小化する第一の熱シールドペアであって、前記第一の熱シールドペアの各熱シールドが、少なくとも1つのセグメントを含み、前記溶融ガラスの流れに対して移動可能であり、前記第一の熱シールドペアの各熱シールドが端部と中央部を含み、前記端部と前記中央部の各々が前記溶融ガラスの流れに対して前端を含み、前記第一の熱シールドペアの各熱シールドの前記端部の前記前端が前記第一の熱シールドペアの各熱シールドの前記中央部の前記前端よりも、前記溶融ガラスの流れの面の近くまで延びていない第一の熱シールドペアと、
    前記冷却ドアの上方に位置付けられた第二の熱シールドペアであって、前記第二の熱シールドペアの各熱シールドが少なくとも1つのセグメントを含み、前記溶融ガラスの流れに対して移動可能であり、前記第二の熱シールドペアの各熱シールドが端部と中央部を含み、前記端部と前記中央部の各々が前記溶融ガラスの流れに対して前端を含み、前記第二の熱シールドペアの各熱シールドの前記端部の前記前端が前記第二の熱シールドペアの各熱シールドの前記中央部の前記前端よりも、前記溶融ガラスの流れの面の近くまで延びていない第二の熱シールドペアと、
    を含み、
    前記第一の熱シールドペアの一方の熱シールドの前記中央部の前記前端と前記溶融ガラスの流れの隣接面の間の第一の距離が約3cm〜約9cmの範囲であり、前記第二の熱シールドペアの一方の熱シールドの前記中央部の前記前端と前記溶融ガラスの流れの前記隣接面との間の第二の距離が約3cm〜約23cmの範囲である
    ことを特徴とする装置。
  6. 前記端部の前記前縁の少なくとも一部が前記中央部の前記前縁に対して後退していることを特徴とする、請求項5に記載の装置。
  7. 前記冷却ドアが、前記溶融ガラスの流れと対向する関係に配置された面部材を含むことを特徴とする、請求項5又は6に記載の装置。
  8. 前記面部材が垂直であることを特徴とする、請求項7に記載の装置。
  9. 前記面部材のうち、前記溶融ガラスの流れの隣接面に最も近い部分が前記隣接面から10cm未満にあることを特徴とする、請求項7に記載の装置。
  10. ダウンドロー法によるガラスの成形方法において、
    溶融ガラスを成形体へと流すステップであって、前記溶融ガラスは前記成形体から降下して連続するリボンとなり、前記成形体の下方に位置付けられた対向する1つのペアの冷却ドアがあり、各冷却ドアが、冷却ガスを前記冷却ドアの面部材に向かわせる複数のガス出口を含むステップと、
    前記成形体からの輻射熱損失を極小化するために、前記冷却ドアの下方に位置付けられる第一の熱シールドペアを設置するステップであって、前記第一の熱シールドペアの各熱シールドが、少なくとも1つのセグメントを含み、前記溶融ガラスの流れに対して移動可能であり、前記第一の熱シールドペアの各熱シールドが端部と中央部を含み、前記端部と前記中央部の各々が前記溶融ガラスの流れに対して前端を含み、前記第一の熱シールドペアの各熱シールドの前記端部の前記前端が前記第一の熱シールドペアの前記中央部の前記前端よりも、前記溶融ガラスの流れの面の近くまで延びていないステップと、
    前記冷却ドアの上方に位置付けられる第二の熱シールドペアを設置するステップであって、前記第二の熱シールドペアの各熱シールドが、少なくとも1つのセグメントを含み、前記溶融ガラスの流れに対して移動可能であり、前記第二の熱シールドペアの各熱シールドが端部と中央部を含み、前記端部と前記中央部の各々が前記溶融ガラスの流れに対して前端を含み、前記第二の熱シールドペアの各熱シールドの前記端部の前記前端が前記第二の熱シールドペアの各熱シールドの前記中央部の前記前端よりも、前記溶融ガラスの流れの面の近くまで延びていないステップと、
    を含み、
    前記第一と第二の熱シールドペアを設置した後、前記第一の熱シールドペアの一方の熱シールドの前記中央部の前記前端と前記溶融ガラスの流れの隣接面との間の第一の距離が約3cm〜約9cmの範囲であり、前記第二の熱シールドペアの一方の熱シールドの前記中央部の前記前端と前記溶融ガラスの流れの前記隣接面との間の第二の距離が約3cm〜約23cmの範囲であることを特徴とする方法。
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