JP2015231797A - 動力伝達装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ノイズの発生を低減させつつ、燃費の悪化を抑制する。【解決手段】動力伝達装置100は、第1MG20に連結される回転軸と、エンジン10に連結される回転軸15と、第1カウンタドライブギヤ43に連結される回転軸とを連結する遊星歯車機構である動力分配機構41と、駆動輪に連結され、第1カウンタドライブギヤ43に噛み合う第1アイドラギヤ52が一体的に回転するように設けられるとともに、第2アイドラギヤ54が相対的な回転が可能になるように設けられる駆動軸51と、第2MG30に連結され、第1アイドラギヤ52に噛み合う第1カウンタドリブンギヤ64bと、第2アイドラギヤ54に噛み合う第2カウンタドリブンギヤ62とが一体的に回転するように設けられる連結軸64とを備える。エンジン10に連結される回転軸15には、第2アイドラギヤ54に噛み合う第2カウンタドライブギヤ45がクラッチ45aを介在して設けられる。【選択図】図1
Description
本発明は、エンジンと2つの回転電機とを連結する遊星歯車機構を有するハイブリッド車両の動力伝達装置に関するものである。
ハイブリッド車両として、たとえば、特開2004−254434号公報(特許文献1)に開示されているように、エンジンに連結される回転軸と第1回転電機に連結される回転軸と、第2回転電機に連結される回転軸とを連結する遊星歯車機構を有する動力伝達装置を備えた車両が公知である。また、このような動力伝達装置として、特開2001−260669号公報(特許文献2)には、駆動輪に連結される駆動軸に対して、エンジンと第1回転電機とを連結する遊星歯車機構と、第2回転電機とのうちの少なくともいずれかから動力が伝達される構成を有するものが開示されている。
このような動力伝達装置を備えるハイブリッド車両においては、高車速時に第1回転電機と第2回転電機との間で動力循環が発生して燃費が悪化する場合がある。このような問題に対して、たとえば、エンジンの回転速度と駆動軸の回転速度との速度比を機械的に制限して、第1回転電機および第2回転電機のトルクをゼロ近傍にして第1回転電機および第2回転機を空転状態にして動力循環の発生を抑制することが考えられる。
しかしながら、特に、第2回転電機のトルクがゼロ近傍である場合には、第2回転電機の回転軸と一体的に回転するギヤがフローティング状態となる場合がある。そのため、エンジンから遊星歯車機構を経由して駆動軸に伝達されるトルクが変動する場合に、第2回転電機と駆動軸との間で噛み合うギヤにおいて歯打ち音等のノイズや振動が発生する場合がある。このような場合には、ノイズや振動が発生する動作領域を回避した動作領域でエンジンを動作させることになるため、エンジンを比較的燃費の良い動作領域で動作させることができず、燃費が悪化する場合がある。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであって、その目的は、ノイズの発生を低減させつつ、燃費の悪化を抑制する動力伝達装置を提供することである。
この発明のある局面に係る動力伝達装置は、第1回転電機に連結される回転軸と、エンジンに連結される回転軸と、第1エンジンカウンタドライブギヤが設けられる回転軸とを連結する遊星歯車機構と、駆動輪に連結され、第1エンジンカウンタドライブギヤに噛み合う第1アイドラギヤが一体的に回転するように設けられるとともに、第2アイドラギヤが相対的な回転が可能になるように設けられる駆動軸と、第2回転電機に連結され、第1アイドラギヤに噛み合う第1カウンタドリブンギヤと、第2アイドラギヤに噛み合う第2カウンタドリブンギヤとが一体的に回転するように設けられる出力軸とを備える。エンジンに連結される回転軸には、第2アイドラギヤに噛み合う第2カウンタドライブギヤがクラッチを介在して設けられる。
この発明によると、エンジンに連結される回転軸には、第2アイドラギヤに噛み合う第2カウンタドライブギヤがクラッチを介在して設けられ、第2アイドラギヤは、駆動軸に対して相対的な回転が可能になるように設けられ、第2回転電機に連結される出力軸には、第2アイドラギヤに噛み合う第2カウンタドリブンギヤが設けられているので、第1回転電機および第2回転電機のトルクをゼロ近傍にして、クラッチを係合状態にする場合には、エンジンの動力を、第2カウンタドライブギヤから第2アイドラギヤ、第2カウンタドリブンギヤ、出力軸、第1カウンタドリブンギヤおよび第1アイドラギヤを経由して駆動軸に伝達させることができる。すなわち、エンジンの動力を、第2回転電機に連結される出力軸を経由して駆動軸に伝達させることができる。そのため、駆動軸と第2回転電機との間のギヤ間において、トルクが伝達された状態が維持されるため、フローティング状態になることを抑制することができる。これにより、これらのギヤにおいて歯打ち音等のノイズや振動の発生を抑制することができる。その結果、エンジンの動作領域を比較的燃費の良い動作領域まで拡大することができるため、燃費の悪化を抑制することができる。したがって、ノイズの発生を低減させつつ、燃費の悪化を抑制する動力伝達装置を提供することができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号が付されている。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰返されない。
<第1の実施の形態>
以下に、第1の実施の形態に係る動力伝達装置について説明する。
以下に、第1の実施の形態に係る動力伝達装置について説明する。
<動力伝達装置100を搭載する車両の主な構成>
図1に、本実施の形態に係る動力伝達装置100の構成を示す。動力伝達装置100は、車両1に搭載される。車両1は、動力伝達装置100のほかに、エンジン10と、ダンパ12と、第1モータジェネレータ(以下、第1MGと記載する)20と、第2モータジェネレータ(以下、第2MGと記載する)30とを含む。車両1は、たとえば、FF(フロントエンジン・フロントドライブ)方式のハイブリッド車両である。
図1に、本実施の形態に係る動力伝達装置100の構成を示す。動力伝達装置100は、車両1に搭載される。車両1は、動力伝達装置100のほかに、エンジン10と、ダンパ12と、第1モータジェネレータ(以下、第1MGと記載する)20と、第2モータジェネレータ(以下、第2MGと記載する)30とを含む。車両1は、たとえば、FF(フロントエンジン・フロントドライブ)方式のハイブリッド車両である。
エンジン10は、たとえば、ガソリンエンジンやディーゼルエンジン等の公知の内燃機関である。エンジン10は、図示しないECU(Electronic Control Unit)によって吸入空気量、燃料噴射量、および、点火時期等が電気的に制御されることにより、エンジン回転速度およびエンジントルクが変化するように構成される。ダンパ12は、エンジン10の出力軸(クランク軸)14に連結され、エンジン10のトルク変動を吸収する。
第1MG20および第2MG30は、たとえば、三相交流回転電機である。第1MG20は、ロータ20aと、ステータ20bとを含む。ロータ20aは、中空の円筒形状を有しており、その内周側は、回転中心が一致するように第1出力軸22に固定される。
第1MG20は、エンジン10の動力を用いて発電するジェネレータとしての機能を有する。また、第1MG20は、エンジン10のエンジン出力軸14を回転させて、エンジン10を始動するスタータとしての機能を有する。
第2MG30は、ロータ30aと、ステータ30bとを含む。ロータ30aは、中空の円筒形状を有しており、その内周側には、回転中心が一致するように中空の第2出力軸32に固定される。
第2MG30は、図示しないバッテリの電力あるいは第1MG20により発電された電力のうちの少なくともいずれか一方を用いて動力伝達装置100に連結される駆動輪(図示せず)に駆動力を与える駆動用モータとしての機能を有する。また、第2MG30は、回生制動によって発電された電力を用いてバッテリを充電するジェネレータとしての機能を有する。
第1MG20または第2MG30は、インバータ等のPCU(Power Control Unit)によって動作する。PCUの動作は、ECUによって制御される。
<動力伝達装置100の詳細な構成>
動力伝達装置100は、第1ギヤセット40と、第2ギヤセット50と、第3ギヤセット60とを含む。なお、図1に示される動力伝達装置100の内部に設けられる各種回転軸等の回転体は、所定の位置に設けられるベアリング等の軸受け部や他の軸や回転体と連結されることによって回転自在に支持されるものとする。
動力伝達装置100は、第1ギヤセット40と、第2ギヤセット50と、第3ギヤセット60とを含む。なお、図1に示される動力伝達装置100の内部に設けられる各種回転軸等の回転体は、所定の位置に設けられるベアリング等の軸受け部や他の軸や回転体と連結されることによって回転自在に支持されるものとする。
第1ギヤセット40は、エンジン10からの動力を第1MG20と第2ギヤセット50とに分配する動力分配機構41と、第1カウンタドライブギヤ43と、第2カウンタドライブギヤ45とを含む。動力分配機構41は、サンギヤ42とピニオンギヤ44とリングギヤ46とキャリア48とを含む遊星歯車機構である。
ピニオンギヤ44は、サンギヤ42とリングギヤ46の各々と噛み合う。ピニオンギヤ44は、たとえば、複数個設けられ、その各々がサンギヤ42とリングギヤ46に噛み合う。
キャリア48は、ピニオンギヤ44を自転可能に支持するとともに、エンジン出力軸14にダンパ12およびダンパ12と動力分配機構41のキャリア48とを接続する回転軸15を介在して連結される。
サンギヤ42は、第1MG20の第1出力軸22に連結される。リングギヤ46の内周側には、ピニオンギヤ44と噛み合うギヤが設けられる。リングギヤ46には、第2ギヤセット50の第1アイドラギヤ52と噛み合う第1カウンタドライブギヤ43と回転中心を一致させて連結される。第1MG20の第1出力軸22と、エンジン出力軸14とは、回転中心が一致するように設けられる。
この動力分配機構41と第1MG20とによって電気式変速部が形成される。電気式変速部は、第1MG20の運転状態を制御することによりエンジン出力軸14の回転速度を変速して第1カウンタドライブギヤ43から第2ギヤセット50の第1アイドラギヤ52に動力を伝達する。
また、回転軸15には、第2カウンタドライブギヤ45がC1クラッチ45aを介在して設けられる。C1クラッチ45aが係合状態になると、第2カウンタドライブギヤ45は、回転軸15と一体的に回転する。そのため、エンジン10の動力が第2カウンタドライブギヤ45に伝達される。C1クラッチ45aが解放状態になると、第2カウンタドライブギヤ45は、回転軸15と相対的な回転が可能な状態になる。そのため、エンジン10の動力は、第2カウンタドライブギヤ45に伝達されない。C1クラッチ45aは、油圧あるいは電動のアクチュエータを用いて作動される。アクチュエータの動作(すなわち、C1クラッチ45aの状態)は、図示しないECUによって制御される。C1クラッチ45aは、ドグクラッチであってもよいし、多板クラッチであってもよい。
第2ギヤセット50は、第1ギヤセット40から伝達される動力および第3ギヤセット60から伝達される動力のうちの少なくともいずれかの動力を駆動輪に伝達する。
第2ギヤセット50は、駆動軸51と、第1アイドラギヤ52と、第2アイドラギヤ54と、ファイナルドライブギヤ56とを含む。
駆動軸51は、第1MG20の第1出力軸22およびエンジン出力軸14と平行に配置される。駆動軸51には、ファイナルドライブギヤ56と、第1アイドラギヤ52とが一体的に回転するように設けられる。
第1アイドラギヤ52は、第1ギヤセット40の第1カウンタドライブギヤ43および第3ギヤセット60の第1カウンタドリブンギヤ64aの各々と噛み合う。
また、駆動軸51には、第2アイドラギヤ54が相対的な回転が可能になるように設けられる。具体的には、第2アイドラギヤ54は、駆動軸51の外周面に取り付けられた中空円筒形状のベアリング等の軸受け部54bを介在させて、回転中心が一致するように駆動軸51に支持されている。
第2アイドラギヤ54は、上述した第2カウンタドライブギヤ45、および、後述する第3ギヤセット60の第2カウンタドリブンギヤ62の各々と噛み合う。
ファイナルドライブギヤ56は、車両1の左右の駆動輪に連結される回転軸に設けられるギヤ(図示せず)と噛み合う。
第3ギヤセット60は、第2MG30の動力やエンジン10から第2カウンタドリブンギヤ62を経由して伝達される動力を駆動軸51に伝達する。第3ギヤセット60は、一方端が第2MG30のロータ30aに固定された中空の第2出力軸32と、内周軸61とが回転中心が一致するように連結された連結軸64を含む。第2出力軸32は、駆動軸51と平行に配置される。
内周軸61の一方端66は、第2出力軸32と回転中心が一致するようにスプライン嵌合により連結される。内周軸61の他方端側には、第2アイドラギヤ54と噛み合う第2カウンタドリブンギヤ62が一体的に回転するように設けられる。
第2出力軸32の他方端には、第1アイドラギヤ52と噛み合う第1カウンタドリブンギヤ64aが一体的に回転するように設けられる。
<動力伝達装置100における動力伝達経路>
以上のような構成を有する車両1において、C1クラッチ45aが解放状態である場合には、上述したとおり回転軸15と第2カウンタドライブギヤ45とが相対的な回転が可能な状態になる。これにより、第1動力伝達経路が形成される。
以上のような構成を有する車両1において、C1クラッチ45aが解放状態である場合には、上述したとおり回転軸15と第2カウンタドライブギヤ45とが相対的な回転が可能な状態になる。これにより、第1動力伝達経路が形成される。
第1動力伝達経路は、第1ギヤセット40から第3ギヤセット60の連結軸(第2出力軸32および内周軸61)を経由しないでファイナルドライブギヤ56に動力が伝達される経路を含む。
より詳細には、第1動力伝達経路は、エンジン10からの動力を動力分配機構41、第1カウンタドライブギヤ43、第1アイドラギヤ52を経由して駆動軸51に伝達する経路を含む。さらに、第1動力伝達経路は、第2MG30の動力が第1カウンタドリブンギヤ64aおよび第1アイドラギヤ52を経由して、駆動軸51に伝達される経路を含む。さらに、第1動力伝達経路は、エンジン10からまたは第2MG30から駆動軸51に伝達された動力をファイナルドライブギヤ56に伝達する経路を含む。
一方、C1クラッチ45aが係合状態である場合には、上述したとおり回転軸15と第2カウンタドライブギヤ45とが一体的な回転する。これにより、第2動力伝達経路が形成される。
第2動力伝達経路は、第1ギヤセット40から第3ギヤセット60を経由して第2ギヤセット50のファイナルドライブギヤ56にエンジン10の動力が伝達される経路を含む。
より詳細には、第2動力伝達経路は、エンジン10の動力が第2カウンタドライブギヤ45および第2アイドラギヤ54を経由して第2カウンタドリブンギヤ62に伝達される経路を含む。さらに、第2動力伝達経路は、第2カウンタドリブンギヤ62に伝達された動力が内周軸61、第2出力軸32を経由して第1カウンタドリブンギヤ64aに伝達される経路を含む。さらに、第2動力伝達経路は、第1カウンタドリブンギヤ64aに伝達された動力が、第1アイドラギヤ52、駆動軸51を経由してファイナルドライブギヤ56に伝達される経路を含む。
なお、第2動力伝達経路が形成される場合には、予め定められたギヤ比になるように第2カウンタドライブギヤ45と、第2カウンタドリブンギヤ62との間のギヤ比が設定される。予め定められたギヤ比は、たとえば、エンジン10の回転速度と駆動軸51との速度比が、所定の速度比よりも小さくなるように(ハイギヤ側のギヤ比になるように)設定される。所定の速度比とは、たとえば、第1MG20の回転速度をゼロに制限した状態でエンジン10の回転速度を、所定の要求パワーと所定の動作線とに基づいて決定されるエンジン10の回転速度とした場合における速度比である。所定の要求パワーとは、たとえば、高車速領域の運転時を想定して設定される車両の要求パワーである。
所定の動作線は、たとえば、エンジン10の回転速度の変化に対してエンジン10のトルク(エンジントルク)の変化を規定するものであって、エンジン10の回転速度とエンジントルクとにより特定される動作点が、比較的燃費効率が良く、かつ、振動やノイズの発生を回避した動作領域を通過するように予め設定される。
<C1クラッチの制御>
C1クラッチ45aを作動させるアクチュエータは、上述したとおり図示しないECUによって制御される。ECUは、たとえば、第2カウンタドライブギヤ45の回転速度がエンジン10の回転速度を超える場合に、C1クラッチ45aが係合状態になるようにC1クラッチ45aのアクチュエータを制御する。
C1クラッチ45aを作動させるアクチュエータは、上述したとおり図示しないECUによって制御される。ECUは、たとえば、第2カウンタドライブギヤ45の回転速度がエンジン10の回転速度を超える場合に、C1クラッチ45aが係合状態になるようにC1クラッチ45aのアクチュエータを制御する。
なお、ECUは、たとえば、第2カウンタドライブギヤ45の回転速度とエンジン10の回転速度との差の大きさが所定値以下になる場合(すなわち、第2カウンタドライブギヤ45の回転速度とエンジン10の回転速度とが同期する場合)に、C1クラッチ45aが係合状態になるようにアクチュエータを制御してもよい。なお、第2カウンタドライブギヤ45の回転速度は、たとえば、第2MG30の回転速度と、第2カウンタドリブンギヤ62と第2カウンタドライブギヤ45との間のギヤ比とに基づいて算出される。エンジン10の回転速度や第2MG30の回転速度は、図示しないセンサを用いて検出され、センサからECUに検出結果が送信されるようにすればよい。
あるいは、ECUは、たとえば、第2カウンタドライブギヤ45の回転速度とエンジン10の回転速度との差の大きさが所定値以下になる場合に、第1MG20またはエンジン10を制御して回転軸15の回転速度を第2カウンタドライブギヤ45の回転速度に同期させるとともに、C1クラッチ45aが係合状態になるようにアクチュエータを制御するようにしてもよい。
ECUは、C1クラッチ45aを係合状態にする場合には、第1MG20および第2MG30に対するトルク指令値をゼロにすることによって第1MG20および第2MG30を空転状態にする。
一方、ECUは、たとえば、第2カウンタドライブギヤ45の回転速度がエンジン10の回転速度よりも低い場合には、C1クラッチ45aが解放状態になるようにC1クラッチ45aのアクチュエータを制御する。
ECUは、C1クラッチ45aを解放状態にする場合には、車両に要求されるパワーやバッテリのSOC等に基づいてエンジン10の出力指令値や第1MG20および第2MG30に対するトルク指令値を決定し、決定された出力指令値に基づいてエンジン10を制御したり、決定されたトルク指令値に基づいて第1MG20および第2MG30を制御したりする。
<高車速時に第1動力伝達経路を維持する場合の動作>
以上のように説明した構成を有する動力伝達装置100において、たとえば、第2カウンタドライブギヤ45の回転速度がエンジン10の回転速度よりも高くなるような高車速時に、C1クラッチ45aが解放状態のまま、第1動力伝達経路が維持される場合を想定する。
以上のように説明した構成を有する動力伝達装置100において、たとえば、第2カウンタドライブギヤ45の回転速度がエンジン10の回転速度よりも高くなるような高車速時に、C1クラッチ45aが解放状態のまま、第1動力伝達経路が維持される場合を想定する。
第1動力伝達経路が形成される場合、エンジン10の動力は、第1ギヤセット40、第1アイドラギヤ52および駆動軸51を経由してファイナルドライブギヤ56に伝達される。一方、第2MG30の動力は、第2出力軸32から第1カウンタドリブンギヤ64a、第1アイドラギヤ52および駆動軸51を経由してファイナルドライブギヤ56に伝達される。
このとき、第1MG20の回転速度と、第2MG30の回転速度と、エンジン10の回転速度との関係は、図2に示すような動力分配機構41の共線図において直線で結ばれる関係(いずれか2つの回転速度が決まれば残りの回転速度も決まる関係)になる。
ここで、図2の破線に示すように、第1MG20の回転速度がゼロであって、エンジン10を所定の動作線に基づいて決定される回転速度NE(0)で動作している状態で、さらに高車速が要求される場合を想定する。
この場合、図2の矢印に示すように、第1MG20の回転速度は負方向に力行動作させることによって、第1MG20の回転速度と、第2MG30の回転速度と、エンジン10の回転速度との関係は、図2の破線に示す関係になる。この場合において、第1MG20において力行動作をさせているため、電力収支のバランスを保つために、第2MG30において回生動作が行なわれることとなる。そのため、第2MG30の回生動作により生じた電力が第1MG20に供給されることにより、いわゆる動力循環が発生する。
第1動力伝達経路が形成された状態で、上述した動力循環が発生する場合には、エンジンの動力と第1MG20の動力とが動力分配機構41において合流し、駆動軸51において、ファイナルドライブギヤ56への動力と第2MG30への動力とに分配されることとなる。すなわち、動力分配機構41から駆動軸51との間においては、駆動輪に出力されるエネルギーよりも大きなエネルギーが流れる。その結果、エネルギーの損失量が増加して、燃費が悪化する場合がある。
このような燃費の悪化に対して、たとえば、第1動力伝達経路を維持した状態で、エンジン10の回転速度と駆動軸51の回転速度との速度比を所定の速度比になるように機械的に制限するとともに、第1MG20および第2MG30のトルクをゼロ近傍とすることにより動力循環の発生を抑制することも考えられる。しかしながら、第1動力伝達経路が維持された状態で第2MG30のトルクがゼロ近傍である場合には、第2MG30の第2出力軸32と一体的に回転する第1カウンタドリブンギヤ64aがフローティング状態となり、エンジン10から動力分配機構41を経由して駆動軸51に伝達されるトルクが変動する場合に、第2MG30と駆動軸51との間で噛み合うギヤにおいて歯打ち音等のノイズや振動が発生する場合がある。このような場合には、ノイズや振動が発生する動作領域を回避したエンジン10の動作線を設定する必要があるため、エンジンを比較的燃費の良い動作領域で動作させることができず、やはり燃費が悪化する場合がある。
<本発明の作用および効果>
本実施の形態においては、ECUは、第2カウンタドライブギヤ45の回転速度がエンジン10の回転速度を超える場合に、C1クラッチ45aを係合状態にするとともに、第1MG20および第2MG30へのトルク指令値をゼロとする。第1MG20および第2MG30へのトルク指令値がゼロとなることにより、上述した動力循環の発生が抑制される。
本実施の形態においては、ECUは、第2カウンタドライブギヤ45の回転速度がエンジン10の回転速度を超える場合に、C1クラッチ45aを係合状態にするとともに、第1MG20および第2MG30へのトルク指令値をゼロとする。第1MG20および第2MG30へのトルク指令値がゼロとなることにより、上述した動力循環の発生が抑制される。
さらに、C1クラッチ45aが係合状態になることにより、第2カウンタドライブギヤ45が回転軸15と一体的に回転して第2動力伝達経路が形成される。第2動力伝達経路が形成されることにより、エンジン10の動力は、第2カウンタドライブギヤ45、第2アイドラギヤ54、第2カウンタドリブンギヤ62、内周軸61、第2出力軸32、第1カウンタドリブンギヤ、第1アイドラギヤ52および駆動軸51を経由してファイナルドライブギヤ56に伝達される。
このように、第2カウンタドライブギヤ45の回転速度がエンジン10の回転速度を超えるような高車速時に、第2動力伝達経路が形成されることによって、第3ギヤセット60を経由してエンジン10の動力を第2ギヤセット50のファイナルドライブギヤ56に伝達させることができる。
図3に第1動力伝達経路でエンジン10の回転速度と駆動軸51の回転速度との速度比を制限して動力循環を回避する場合(以下、この場合を単に「第1動力伝達経路で速度比が制限される場合」と記載する)と、第2動力伝達経路が形成される場合とにおけるエンジン10の回転速度と、駆動軸51におけるトルク変動伝達率との関係を示す。図3の横軸は、エンジン10の回転速度を示し、図3の縦軸は、トルク変動伝達率を示す。トルク変動伝達率は、振動振幅の出力と入力との比を示す。図3は、エンジン10の回転速度とトルク変動伝達率との関係を対数表記させたものであり、トルク変動伝達率が負値となるのは、振動の減衰効果があることを示す。
図3の実線に示すように、第1動力伝達経路で速度比が制限される場合(図3の破線)と比較して、たとえば、エンジン10の回転速度がNE(0)である場合におけるトルク変動伝達率を低く抑制することができる。そのため、第2MG30のトルクがゼロ付近であることに起因して発生する場合がある歯打ち音等のノイズや振動の発生を抑制することができる。
図4に、エンジン10の動作線を示す。図4の横軸は、エンジン10の回転速度を示し、図4の縦軸は、エンジントルクを示す。図4の実線は、エンジン10の比較的燃費の良い領域で動作させるための最適燃費動作線を示す。図4の一点鎖線は、第1動力伝達経路で速度比が制限される場合に、第2MG30のトルクがゼロ付近であることに起因して発生するノイズや振動を考慮して設定される第1動作線を示す。図4の二点鎖線は、第2動力伝達経路が形成される場合に設定される第2動作線を示す。図4の破線は、アクセルペダルの踏み込み量および車速等に基づいて算出される要求パワーの等出力線を示す。
第1動力伝達経路で速度比が制限される場合には、第1動作線と等出力線との交点Cに対応するエンジン10の回転速度およびエンジントルクを目標値として制御されるのに対して、第2動力伝達経路が形成される場合には、第2動作線と等出力線との交点Bに対応するエンジン10の回転速度およびエンジントルクを目標値として制御される。交点Bは、交点Cよりも最適燃費動作線と等出力線との交点Aに近いため、交点Bに基づいてエンジン10が制御されることにより、交点Cに基づいてエンジン10が制御される場合よりも燃費の悪化が抑制される。
以上のようにして、本実施の形態に係る動力伝達装置100によると、エンジン10に連結される回転軸15には、第2アイドラギヤ54に噛み合う第2カウンタドライブギヤ45がC1クラッチ45aを介在して設けられ、第2アイドラギヤ54は、駆動軸51に対して相対的な回転が可能になるように設けられ、第2MG30に連結される内周軸61には、第2アイドラギヤ54に噛み合う第2カウンタドリブンギヤ62が設けられているので、第1MG20および第2MG30のトルクをゼロ近傍にして、C1クラッチ45aを係合状態にする場合には、エンジン10の動力を、第2カウンタドライブギヤ45から第2アイドラギヤ54、第2カウンタドリブンギヤ62、内周軸61、第2出力軸32、第1カウンタドリブンギヤ64aおよび第1アイドラギヤ52を経由して駆動軸51に伝達させることができる。すなわち、エンジン10の動力を、第2MG30に連結される第2出力軸32を経由して駆動軸51に伝達させることができる。そのため、駆動軸51と第2MG30との間のギヤ間において、トルクが伝達された状態が維持されるため、フローティング状態になることを抑制することができる。これにより、これらのギヤにおいて歯打ち音等のノイズや振動の発生を抑制することができる。その結果、エンジン10の動作領域を比較的燃費の良い動作領域まで拡大することができるため、燃費の悪化を抑制することができる。したがって、ノイズの発生を低減させつつ、燃費の悪化を抑制する動力伝達装置を提供することができる。
さらに、第2カウンタドライブギヤ45と、第2アイドラギヤ54と、第2カウンタドリブンギヤ62とを、第1カウンタドライブギヤ43と、第1アイドラギヤ52と、第1カウンタドリブンギヤ64bとに対して平行に配置することができるため、たとえば、第1MG20の回転速度をゼロに制限するための遊星歯車機構等の構成を追加する場合と比較して、動力伝達装置100の軸方向の長さが増加することを抑制することができる。
さらに、第2カウンタドライブギヤ45の回転速度がエンジン10の回転速度とが同期するタイミングでC1クラッチ45aを係合状態にするため、C1クラッチ45aとしてはドグクラッチのような簡易な構造のクラッチを用いることができるため、コストの増加を抑制することができる。
<第2の実施の形態>
以下に、第2の実施の形態に係る動力伝達装置について説明する。本実施の形態に係る動力伝達装置100は、上述の第1の実施の形態に係る動力伝達装置100の構成と比較して、第2出力軸32と第1カウンタドリブンギヤ64aとの間にC2クラッチ64bが設けられる点と、ECUがC1クラッチ45aに加えてC2クラッチ64bの動作も制御する点とで異なる。それ以外の構成については、上述の第1の実施の形態に係る動力伝達装置100の構成と同じ構成である。それらについては同じ参照符号が付してある。それらの機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明はここでは繰り返さない。
以下に、第2の実施の形態に係る動力伝達装置について説明する。本実施の形態に係る動力伝達装置100は、上述の第1の実施の形態に係る動力伝達装置100の構成と比較して、第2出力軸32と第1カウンタドリブンギヤ64aとの間にC2クラッチ64bが設けられる点と、ECUがC1クラッチ45aに加えてC2クラッチ64bの動作も制御する点とで異なる。それ以外の構成については、上述の第1の実施の形態に係る動力伝達装置100の構成と同じ構成である。それらについては同じ参照符号が付してある。それらの機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明はここでは繰り返さない。
図5に示すように、本実施の形態において、第2出力軸32と第1カウンタドリブンギヤ64aとの間には、C2クラッチ64bが設けられる。C2クラッチ64bは、ドグクラッチであってもよいし、多板クラッチであってもよい。C2クラッチ64bが係合状態である場合には、第2出力軸32と、第1カウンタドリブンギヤ64aとが一体的に回転する。一方、C2クラッチ64bが解放状態である場合には、第2出力軸32と、第1カウンタドリブンギヤ64aとが相対的な回転が可能な状態になる。
<C1クラッチおよびC2クラッチの動作モード>
本実施の形態において、ECUは、複数の動作モードのうちのいずれか一つの動作モードに基づいてC1クラッチ45aとC2クラッチ64bを制御する。複数の動作モードは、図6に示すように、第1モードと、第2モードと、第3モードとを含む。
本実施の形態において、ECUは、複数の動作モードのうちのいずれか一つの動作モードに基づいてC1クラッチ45aとC2クラッチ64bを制御する。複数の動作モードは、図6に示すように、第1モードと、第2モードと、第3モードとを含む。
第1モードは、C1クラッチ45aを解放状態(オフ状態)とし、C2クラッチ64bを係合状態(オン状態)とする動作モードである。第2モードは、C1クラッチ45aを係合状態(オン状態)とし、C2クラッチ64bを解放状態(オフ状態)とする動作モードである。第3モードは、C1クラッチ45aおよびC2クラッチ64bをいずれも係合状態にする動作モードである。
ECUは、車両1の走行状態に応じて第1モードと、第2モードと、第3モードとのうちのいずれかの動作モードを選択する。ECUは、たとえば、車両が第2MG30の動力のみで走行する場合、あるいは、第1MG20が正方向に回転している場合に、第1モードを選択する。また、ECUは、たとえば、第1MG20が負方向に回転し、かつ、ギヤ比(エンジン10の回転速度と駆動軸51の回転速度との速度比)がしきい値A(0)よりも小さく、かつ、下限値A(1)よりも大きい場合には、第2モードを選択する。ECUは、ギヤ比と下限値A(1)との差の大きさが所定値以下になる場合に、第3モードを選択する。なお、ECUは、ギヤ比が下限値A(1)となる場合に、第3モードを選択してもよい。
しきい値A(0)は、たとえば、第1MG20の回転速度をゼロに制限した状態でエンジン10の回転速度を所定の要求パワーと所定の動作線とに基づいて決定されるエンジン10の回転速度とした場合における速度比である。下限値A(1)は、たとえば、第2動力伝達経路が形成される場合のギヤ比となる。
<動力伝達装置100における動力伝達経路>
動作モードとして第1モードが選択される場合には、上述の第1の実施の形態における第1動力伝達経路が選択されることとなる。第1動力伝達経路については、上述の第1の実施の形態において説明したとおりであるため、その詳細な説明は繰り返さない。
動作モードとして第1モードが選択される場合には、上述の第1の実施の形態における第1動力伝達経路が選択されることとなる。第1動力伝達経路については、上述の第1の実施の形態において説明したとおりであるため、その詳細な説明は繰り返さない。
動作モードとして第3モードが選択される場合には、上述の第1の実施の形態における第2動力伝達経路が選択されることとなる。第2動力伝達経路については、上述の第1の実施の形態において説明したとおりであるため、その詳細な説明は繰り返さない。
動作モードとして、第2モードが選択される場合には、C2クラッチ64bが解放状態となり、C1クラッチ45aが係合状態となることにより、第3動力伝達経路が形成される。第3動力伝達経路は、エンジン10の動力が第1ギヤセット40から第3ギヤセット60を経由せずに第2ギヤセット50のファイナルドライブギヤ56に伝達される経路を含む。さらに、第3動力伝達経路は、エンジン10の動力が第2MG30に伝達される経路を含む。
より詳細には、第3動力伝達経路は、エンジン10から動力分配機構41および第1カウンタドライブギヤ43を経由して伝達される動力が、第1アイドラギヤ52を経由して駆動軸51に伝達される経路を含む。さらに、第3動力伝達経路は、エンジン10の動力が第2カウンタドライブギヤ45、第2アイドラギヤ54、第2カウンタドリブンギヤ62、内周軸61、第2出力軸32を経由して第2MG30に伝達される経路を含む。第3動力伝達経路が形成される場合においても、第1MG20と動力分配機構41とを含む電気式変速部を用いた変速が可能となる。
<作用および効果>
たとえば、車両が第2MG30の動力のみで走行する場合、あるいは、第1MG20が正方向に回転している場合(すなわち、ギヤ比がしきい値A(0)よりも高い場合)には、第1モードが選択されるため、C1クラッチ45aが解放状態となり、C2クラッチ64bが係合状態になる。そのため、第2カウンタドライブギヤ45が回転軸15と相対的な回転が可能な状態になることにより、第1動力伝達経路が形成される。第1動力伝達経路が形成されることにより、エンジン10の動力は、第1ギヤセット40、第1アイドラギヤ52および駆動軸51を経由してファイナルドライブギヤ56に伝達される。また、第2MG30の動力は、第2出力軸32から第1カウンタドリブンギヤ64a、第1アイドラギヤ52および駆動軸51を経由してファイナルドライブギヤ56に伝達される。
たとえば、車両が第2MG30の動力のみで走行する場合、あるいは、第1MG20が正方向に回転している場合(すなわち、ギヤ比がしきい値A(0)よりも高い場合)には、第1モードが選択されるため、C1クラッチ45aが解放状態となり、C2クラッチ64bが係合状態になる。そのため、第2カウンタドライブギヤ45が回転軸15と相対的な回転が可能な状態になることにより、第1動力伝達経路が形成される。第1動力伝達経路が形成されることにより、エンジン10の動力は、第1ギヤセット40、第1アイドラギヤ52および駆動軸51を経由してファイナルドライブギヤ56に伝達される。また、第2MG30の動力は、第2出力軸32から第1カウンタドリブンギヤ64a、第1アイドラギヤ52および駆動軸51を経由してファイナルドライブギヤ56に伝達される。
図7に、ギヤ比とシステム伝達効率との関係を示す。システム伝達効率とは、駆動輪において出力されるエネルギーと、エンジン10から出力されるエネルギーとの比を示す。図7の横軸は、ギヤ比を示し、図7の縦軸はシステム伝達効率を示す。図7に示すように、第1モードが選択されている場合において、ギヤ比がしきい値A(0)に近づくにつれてシステム伝達効率が増加していく。ギヤ比がしきい値A(0)の場合に第1MG20の回転速度がゼロとなり、動力循環が発生しないため、システム伝達効率がピークとなる。
一方、たとえば、第1MG20の回転方向が負方向となり、ギヤ比がしきい値A(0)よりも低くかつ下限値A(1)よりも大きい場合においては、図2を用いて説明したように、第1MG20を負方向に力行動作させるため、第1動力伝達経路が維持されると、図7の破線に示すように、ギヤ比が低くなるほど上述したように動力循環の発生によりシステム伝達効率が低下し、燃費が悪化する場合がある。
本実施の形態においては、第1MG20の回転方向が負方向となり、ギヤ比がしきい値A(0)よりも低い場合には、第2モードが選択されるため、C1クラッチ45aが係合状態となり、C2クラッチ64bが解放状態になる。そのため、第2カウンタドライブギヤ45が回転軸と一体的に回転することにより、第3動力伝達経路が形成される。第3動力伝達経路が形成されることにより、エンジン10の動力の一部は、第1ギヤセット40、第1アイドラギヤ52および駆動軸51を経由してファイナルドライブギヤ56に伝達されるとともに、エンジン10の動力の残りの一部は、第2カウンタドライブギヤ45、第2アイドラギヤ54、第2カウンタドリブンギヤ、内周軸61および第2出力軸32を経由して第2MG30に伝達される。第1MG20においては、上述したとおり負方向の力行動作が行なわれるため、電力収支のバランスを保つために、第2MG30においては、回生動作が行なわれる。このように、第3動力伝達経路が形成される場合には、第1動力伝達経路が形成される場合と比較して、エンジン10から第2MG30に伝達される動力が、動力分配機構41とは別の経路で伝達されることとなるため、動力分配機構41から駆動軸51への動力伝達経路において、駆動輪に伝達される出力エネルギーを超えたエネルギーが伝達されることが抑制される。そのため、図7の実線に示すように、図7の破線と比較して、伝達効率の悪化を抑制することができる。
ギヤ比が下限値A(1)になる場合には、第3モードが選択されるため、C1クラッチ45aおよびC2クラッチ64bが係合状態となる。そのため、第2カウンタドライブギヤ45が回転軸15と一体的に回転し、第2出力軸32と第1カウンタドリブンギヤ64aとが一体的に回転して第2動力伝達経路が形成される。第2動力伝達経路が形成されることにより、エンジン10の動力は、第2カウンタドライブギヤ45、第2アイドラギヤ54、第2カウンタドリブンギヤ62、内周軸61、第2出力軸32、第1カウンタドリブンギヤ64a、第1アイドラギヤ52および駆動軸51を経由してファイナルドライブギヤ56に伝達される。
このとき、第1MG20および第2MG30のトルクがゼロ近傍になるように制御される。そのため、第1MG20と第2MG30との間における動力循環の発生が抑制されるため、システム伝達効率が、ギヤ比がA(0)である場合のシステム伝達効率と同程度となる。そのため、燃費の悪化を抑制することができる。
さらに、第2動力伝達経路が形成されることによって、第3ギヤセット60を経由してエンジン10の動力を第2ギヤセット50のファイナルドライブギヤ56に伝達することができる。そのため、第2MG30のトルクがゼロ付近であることに起因して発生する場合がある歯打ち音等のノイズや振動の発生を抑制することができる。このようにノイズや振動の発生を抑制することができるため、エンジン10の動作線を最適燃費ラインに近づけることができるため、燃費の悪化が抑制される。
以上のようにして、本実施の形態に係る動力伝達装置100によると、上述の第1の実施の形態に係る動力伝達装置100の動作による効果に加えて、ギヤ比がしきい値A(0)から下限値A(1)になるまでの間において第3動力伝達経路が選択されるため、動力循環の発生に起因した燃費の悪化を抑制することができる。したがって、ノイズの発生を低減させつつ、燃費の悪化を抑制する動力伝達装置を提供することができる。
さらに、第2MG20のトルクがゼロ近傍のときにC2クラッチ45aを係合状態にしたり解放状態にしたりするため、C2クラッチ45aとしてもドグクラッチのような簡易な構造のクラッチを用いることができるため、コストの増加を抑制することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 車両、10 エンジン、12 ダンパ、14 エンジン出力軸、15 回転軸、20,30 MG、20a,30a ロータ、20b,30b ステータ、22,32 出力軸、40,50,60 ギヤセット、41 動力分配機構、42 サンギヤ、43,45 カウンタドライブギヤ、44 ピニオンギヤ、45a,64b クラッチ、46 リングギヤ、48 キャリア、51 駆動軸、52,54 アイドラギヤ、54b 軸受け部、56 ファイナルドライブギヤ、61 内周軸、62,64b カウンタドリブンギヤ、64 連結軸、66 一方端、100 動力伝達装置。
Claims (1)
- 第1回転電機に連結される回転軸と、エンジンに連結される回転軸と、第1カウンタドライブギヤに連結される回転軸とを連結する遊星歯車機構と、
駆動輪に連結され、前記第1カウンタドライブギヤに噛み合う第1アイドラギヤが一体的に回転するように設けられるとともに、第2アイドラギヤが相対的な回転が可能になるように設けられる駆動軸と、
第2回転電機に連結され、前記第1アイドラギヤに噛み合う第1カウンタドリブンギヤと、前記第2アイドラギヤに噛み合う第2カウンタドリブンギヤとが一体的に回転するように設けられる出力軸とを備え、
前記エンジンに連結される回転軸には、前記第2アイドラギヤに噛み合う第2カウンタドライブギヤがクラッチを介在して設けられる、動力伝達装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014119600A JP2015231797A (ja) | 2014-06-10 | 2014-06-10 | 動力伝達装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2014119600A JP2015231797A (ja) | 2014-06-10 | 2014-06-10 | 動力伝達装置 |
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JP2014119600A Pending JP2015231797A (ja) | 2014-06-10 | 2014-06-10 | 動力伝達装置 |
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Country | Link |
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-
2014
- 2014-06-10 JP JP2014119600A patent/JP2015231797A/ja active Pending
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