JP2015231630A - プレス機械用の安全装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】プレス機械用の安全装置を異なる方式のものからレーザー式安全装置に低コストに取替ができるようにする。【解決手段】安全装置2が設けられるプレス機械1は、対をなす金型6の一方が取り付けられるスライド4と、スライド4の作動を制御する制御盤5と、ユーザによる操作に応じた信号を制御盤5に入力する操作部3とを有する。安全装置2は、所定領域への侵入物をレーザ光で検知する侵入センサ7と、対をなす金型6の間隔が所定の値以下になったことを検知する間隔センサ8と、操作部3と制御盤5との間に接続される判定処理部9とを備える。判定処理部9は、侵入センサ7及び間隔センサ8による検知結果が所定の停止条件を満たすとき、スライド閉信号S1を遮断することによってスライド4を停止させる。これにより、プレス機械の安全装置2を異なる方式のものから取り替える場合に、制御盤5の改修が不要となる。【選択図】図1
Description
本発明は、プレス作業における安全を確保するためのプレス機械用の安全装置に関する。
金属等のプレス加工において、プレス機械が一般的に用いられる。プレス機械とは、2個以上の対をなす工具を用い、それらの工具間に加工材を置いて工具に関係運動を行わせ、工具によって加工材に強い力を加えることによって加工材を成形加工する機械で、かつ、工具間に発生させる力の反力を機械自体で支えるように設計されている機械である(非特許文献1参照)。プレス機械は、定盤としてのボルスタと、ボルスタに対して往復運動するスライドとを有する。対をなす工具の一方は、ボルスタに取り付けられ、他方は、スライドに取り付けられる。プレス機械に取り付けられる工具は、主に、塑性加工等のための金型である。金型は、その名の通り金属製が一般的であるが、セラミック等の非金属製のものもある。上側の金型は上型、下側の金型は下型と呼ばれる。加工材は、ワークとも呼ばれる。
プレス機械は、作業者(ユーザ)の手指等が金型に挟まれることを防止するため、安全装置を有する。従来から、プレス機械の安全装置として、光線式安全装置が用いられてきた(例えば、特許文献1、2参照)。図6に示されるように、光線式安全装置は、金型6の前面から安全距離d手前に投光器によって光線カーテンL107を形成し、光線カーテンL107が遮られることによって、安全距離d内に侵入した手指等を受光器で検知する。光線カーテンL107は、複数の平行な光線L117で形成される。安全距離dは、手指等が金型6間(下型6aと上型6bの間)の領域に到達する前にスライド4を停止させることができる距離に設定され、例えば、30〜40cm程度である。なお、図6において、下型6aはスライド4に取り付けられ、上型6bはボルスタ11に取り付けられている(図7においても同様)。
しかし、このような光線式安全装置を有するプレス機械を用いると、ワークの前後方向長さが安全距離dよりも短い場合、ワークを保持する手が光線カーテンL107を越えるため、安全装置が働いてスライド4が作動せず、プレス加工の作業ができないという問題がある。
このような問題を解決するため、レーザー式安全装置が提案された(例えば、特許文献3、4参照)。図7に示されるように、レーザー式安全装置は、投光器によって金型6間(下型6aと上型6bの間)にレーザ光L7を出射し、レーザ光L7が遮られることによって、金型6間の所定領域に侵入した手指等を受光器で検知する。このようなレーザー式安全装置を有するプレス機械を用いると、ワークの前後方向長さが前述の安全距離よりも短い場合であっても、ワークを保持する手が金型6間の所定領域に侵入しなければ、スライド4が作動するので、プレス加工の作業が可能になる。レーザー式安全装置は、日本では、労働安全衛生規則において、2011年7月1日に施行された一部改正によって、プレス機械に取り付けることができる新たな安全装置として追加され(第131条)、「プレス機械又はシャーの安全装置構造規格」(非特許文献2)にも新たに規定された(第四章の三第22条の2)。レーザー式安全装置は、欧州規格に基づき、欧州でも使用されている。
プレス機械を用いて小物のワークを安全にプレス加工するため、レーザー式安全装置の導入が望まれる。しかしながら、光線式安全装置を有する既設のプレス機械において、投光器及び受光器だけをレーザー式のものに取り替えることはできない。図8に示されるように、スライド4の作動は、制御盤5によって制御される。制御盤5は、制御に必要なマグネット、スイッチ、リレー、タイマなどをケース内に組み込み配線した盤である(非特許文献1の番号4070参照)。光線式安全装置102を有するプレス機械の制御盤5は、光線式安全装置102を前提とした制御を行うので、光線式安全装置102の受光器の代わりにレーザー式安全装置の受光器を接続するためには、制御盤5のハードウェア改修や制御ソフトウェア改修が必要になる。この改修にコストがかかるため、レーザー式安全装置の導入は、高コストとなる。また、光線式安全装置102を有する既設のプレス機械101の制御盤5に対して、レーザー式安全装置用のハードウェア及び制御ソフトウェアを入手できない場合には、レーザー式安全装置を導入するためにプレス機械全体を取り替える必要が生じ、レーザー式安全装置の導入は、一層高コストとなる。
JIS B 0111:1997「プレス機械−用語」
「プレス機械又はシャーの安全装置構造規格」(厚生労働省)
本発明は、上記問題を解決するものであり、プレス機械用の安全装置を異なる方式のものからレーザー式安全装置に低コストに取替ができるようにすることを目的とする。
本発明の安全装置は、対をなす金型の一方が取り付けられるスライドと、前記スライドの作動を制御する制御盤と、ユーザによる操作に応じた信号を前記制御盤に入力する操作部とを有するプレス機械に設けられるものであって、所定領域への侵入物をレーザ光で検知する侵入センサと、対をなす前記金型の間隔が所定の値以下になったことを検知する間隔センサと、前記操作部と制御盤との間に接続される判定処理部とを備え、前記制御盤に入力される前記信号として、対をなす前記金型の間隔が閉じる方向に前記スライドが作動する閉じ工程において前記スライドを作動させるスライド閉信号があり、前記判定処理部は、前記侵入センサ及び間隔センサによる検知結果が所定の停止条件を満たすとき、前記スライド閉信号を遮断することによって前記スライドを停止させることを特徴とする。
この安全装置において、前記閉じ工程において、前記侵入センサが侵入物を検知している状態で前記間隔センサによる検知があった場合、前記停止条件が満たされることが好ましい。
この安全装置において、前記制御盤に入力される前記信号として、前記スライドの速度を指定するスライド速度信号がさらにあり、前記閉じ工程において、前記判定処理部は、前記侵入センサが侵入物を検知していない状態で前記間隔センサによる検知があった場合、前記スライドの速度を所定の速度以下にさせる低速信号を前記スライド速度信号として前記制御盤に入力することが好ましい。
本発明の安全装置によれば、安全装置の判定処理部が操作部と制御盤との間に接続され、スライド閉信号を遮断することによってスライドを停止させるので、プレス機械の安全装置を異なる方式のものからレーザー式安全装置に取り替える場合に、制御盤の改修が不要となり、低コストに取り替えることができる。判定処理部は、侵入センサ及び間隔センサによる検知結果が所定の停止条件を満たすときスライドを停止させるので、手指等を侵入センサで検知し、プレス作業における安全を確保することができる。
本発明の一実施形態に係る安全装置及びその安全装置を有するプレス機械を図1乃至図5及び図7を参照して説明する。図1に示されるように、安全装置2は、プレス機械1に設けられる。プレス機械1は、プレス機械本体10と、プレス機械本体10に接続される操作部3とを有する。プレス機械本体10は、スライド4と、制御盤5とを有する。制御盤5は、スライド4の作動を制御する。操作部3は、ユーザによる操作に応じた信号を制御盤5に入力する。
図7に示されるように、スライド4は、対をなす金型6の一方が取り付けられる。金型6は、下型6a及び上型6bで構成される。例えば、下型6aがスライド4に取り付けられ、上型6bがボルスタ11に取り付けられる。ボルスタ11(ベッドプレート)は、金型6を取り付ける定盤である(非特許文献1の番号4014参照)。
安全装置2は、侵入センサ7と、間隔センサ8と、判定処理部9とを備える(図1参照)。侵入センサ7は、所定領域への侵入物をレーザ光で検知する。間隔センサ8は、対をなす金型6の間隔が所定の値以下になったことを検知する。判定処理部9は、操作部3と制御盤5との間に接続される。
制御盤5に入力される信号として、閉じ工程においてスライド4を作動させるスライド閉信号S1がある。閉じ工程は、対をなす金型6の間隔が閉じる方向にスライド4が作動する工程である。判定処理部9は、侵入センサ7及び間隔センサ8による検知結果が所定の停止条件を満たすとき、スライド閉信号S1を遮断することによってスライド4を停止させる。
プレス機械1の各構成をさらに詳述する。プレス機械本体10は、一般的なプレス機械の本体と同様の構成を有し、前述したスライド4、ボルスタ11及び制御盤5以外に、スライド4を駆動する機構、ブレーキ、フレーム等を有する(図示せず)。スライド4を駆動する機構は、例えば、機械式機構である(非特許文献1の番号1000参照)。ブレーキは、スライド4の運動を停止するために設ける制動機である(非特許文献1の番号4023参照)。スライド4を駆動する機構及びブレーキは、制御盤5によって制御される。フレームは、スライド4等を支持するものであり、例えば、C形フレームである。C形フレームは、形状がC文字に似たフレームで、作業域の前と左右の三方が連続した空間を持つフレームである(非特許文献1の番号4001参照)。
制御盤5に入力される信号として、前述したスライド閉信号S1以外に、スライド速度信号S2及びスライド開信号S3がある。操作部3は、信号を出力させるためにユーザによって操作されるスイッチを有する。本実施形態では、操作部3のスイッチは、ユーザの足で操作される足踏みスイッチである。操作部3は、スイッチ操作に応じて、スライド閉信号S1、スライド速度信号S2、及びスライド開信号S3を出力する。操作部3のスイッチをオンにした場合、スライド閉信号S1が制御盤5に入力される。操作部3のスイッチをオフにした場合、スライド閉信号S1が制御盤5に入力されず、制御盤5はスライド4を停止させる。また、操作部3のスイッチの接点不良、操作部3と制御盤5間の断線、操作部3の電源消失等の場合も、スライド閉信号S1が制御盤5に入力されないので、制御盤5はスライド4を停止させる。このように、プレス機械1は、スライド閉信号S1に基づくスライド4の作動に関して、フェイルセーフになっている。スライド速度信号S2は、スライド4の速度を指定する信号である。操作部3は、スイッチの操作量(足踏み量)に比例した大きさの速度を指定するスライド速度信号S2を出力する。スライド開信号S3は、金型6を開く方向、すなわち、スライド4がボルスタ11から離れる方向にスライド4を作動させる信号である。スライド閉信号S1及びスライド速度信号S2は、安全装置2を介して制御盤5の判定処理部9に入力される。スライド開信号S3は、制御盤5に直接入力される。なお、スライド開信号S3が安全装置2に入力されるように構成しても構わない。この場合、安全装置2に入力されたスライド開信号S3は、安全装置2内を通過し、制御盤5に入力される。
侵入センサ7は、レーザ光で物体を検知するレーザセンサである。図3(a)に示されるように、侵入センサ7は、投光器7a及び受光器7bを有する。投光器7a及び受光器7bは、スライド4に支持され、スライド4が作動してもスライド4に対する相対位置は変わらない。投光器7aは、レーザ光L7を出射する。受光器7bは、投光器7aが出射したレーザ光L7を受光し、電気信号に変換する。図4(a)に示されるように、侵入センサ7は、レーザ光L7が遮られることによって、所定領域への侵入物を検知する。所定領域は、対をなす金型6の間の空間領域である。レーザ光L7の光軸は、対をなす金型6の間に配置される(図7参照)。侵入物は、ユーザの手指等である。したがって、ユーザの手指等が金型6の間に侵入すると、侵入センサ7によって検知される。なお、侵入センサ7は、技術的にはレーザセンサに限定されず、画像センサ等でもよいが、現行の法令及び規格に適合させるため、レーザセンサとしている。このように、安全装置2の侵入センサ7は、安全装置構造規格(非特許文献2の第22条の2第3項第1号)に規定されている「投光器及び受光器は身体の一部がスライドに挟まれるおそれのある場合に機能するよう設置でき、スライドが下降するプレスブレーキに用いるものにあっては、スライドの作動と連動して移動させることができる構造のものであること」に適合する。
本実施形態では、間隔センサ8は、レーザ光で物体を検知するレーザセンサであり、侵入センサ7とは別に設けられる。間隔センサ8は、投光器8a及び受光器8bを有する(図3(a)参照)。投光器8a及び受光器8bは、スライド4に支持され、スライド4が作動してもスライド4に対する相対位置は変わらない。投光器8aは、レーザ光L8を出射する。受光器8bは、投光器8aが出射したレーザ光L8を受光し、電気信号に変換する。図3(b)に示されるように、間隔センサ8は、レーザ光L8が金型6に遮られることによって、対をなす金型6の間隔が所定の値以下になったことを検知する。この所定の値は、閉じ工程において、スライド4の作動に伴って金型6の間隔が小さくなるとき、侵入センサ7が金型6を検知する前に、金型6の間隔が所定の値以下になったことを間隔センサ8が検知するように設定される。すなわち、投光器8a及び受光器8bは、投光器7a及び受光器7bよりもボルスタ11に近い位置に設けられる。
間隔センサ8をレーザセンサとすることにより、金型6の間隔が所定の値以下になったことを精度良く検知することができるとともに、既存のプレス機械に間隔センサ8を容易に取り付けることができる。なお、間隔センサ8は、レーザセンサに限定されず、例えば、スライド4が接近したことを非接触で検知する近接センサであってもよい。間隔センサ8を近接センサとしても、金型6の間隔が所定の値以下になったことを精度良く検知することができるとともに、既存のプレス機械に間隔センサ8を容易に取り付けることができる。また、間隔センサ8に、スライド4が所定の位置に到達したことを検知するリミットスイッチや、スライド4の位置を検知するエンコーダ等を用いてもよい。
判定処理部9は、判定回路91と、スイッチ92、93と、信号発生器94とを有する(図1参照)。判定回路91は、本実施形態では順序論理回路であり、侵入センサ7及び間隔センサ8の検知結果が入力され、スイッチ92、93を動作させる。スイッチ92は、操作部3から入力されたスライド閉信号S1を通過させる状態と、遮断する状態とを切り替える開閉器である。スイッチ93は、操作部3から入力されたスライド速度信号S2を通過させる状態と、低速信号S4を出力する状態とを切り替える切替器である。なお、判定回路91は、リレー回路又はプログラマブルコントローラであってもよい。スイッチ92、93は、例えばリレー(継電器)であり、半導体スイッチであってもよい。
信号発生器94は、低速信号S4を発生する。低速信号S4は、スライド4の速度を所定の速度以下にさせる信号である。所定の速度は、「低閉じ速度」と呼ばれ、安全装置構造規格(非特許文献2の第22条の2第1項第2号)に適合させるため、毎秒10ミリメートル以下とされる。この低速信号S4は、操作部3で指定する速度が「低閉じ速度」のときに操作部3が出力するスライド速度信号S2と同じ信号である。安全装置2は、安全装置構造規格(非特許文献2の第22条の2第2項第1号)に規定されている「閉じ行程におけるスライドの速度を低閉じ速度とすることができる構造のものであること」に適合する。
スイッチ92がリレーである場合、そのリレーコイルが励磁されたとき、接点が扛上し、スライド閉信号S1が制御盤5に入力される。スイッチ92のリレーコイルが消磁したとき、接点が落下し、スライド閉信号S1が遮断される。スイッチ93がリレーである場合、そのリレーコイルが励磁されたとき、接点が扛上し、操作部3から入力されたスライド速度信号S2を通過させる。スイッチ93のリレーコイルが消磁したとき、接点が落下し、操作部3から入力されたスライド速度信号S2を通過させず、信号発生器94によって発生された低速信号S4がスライド速度信号S2として制御盤5に入力される。したがって、スイッチ92のリレーは、リレーコイルが消磁する故障時に、スライド4が停止する安全側に故障する。スイッチ93のリレーは、リレーコイルが消磁する故障時に、スライド4の速度が低速になる安全側に故障する。すなわち、これらのリレーは、安全装置2がフェイルセーフになるように用いられる。
上記のように構成されたプレス機械1及び安全装置2の通常動作を説明する。通常動作は、金型6の間に手指等が侵入しない場合の動作である。
初期状態において、操作部3のスイッチSwはオフ、侵入センサ7は非検知、間隔センサ8は非検知であり、スライド4はボルスタ11の下方で停止している(図2の状態s0)。
操作部3のスイッチSwをオンにすると(図2のイベントe01)、操作部3からスライド閉信号S1が出力され、スライド4が作動し(図2の状態s1)、閉じ工程が開始される。侵入センサ7及び間隔センサ8は、スライド4と共に上昇する(図3(a)参照)。スライド4に取り付けられた下型6aは、次第に上型6bに接近する。
間隔センサ8の投光器8aから出射されるレーザ光L8が上型6bに遮られ(図3(b)参照)、金型6の間隔が所定の値以下になったことが間隔センサ8によって検知される(図2のイベントe12)。判定処理部9は、侵入センサ7が侵入物を検知していない状態(非検知)で間隔センサ8による検知があった場合、スイッチ93を切り替え、低速信号S4をスライド速度信号S2として制御盤5に入力する(図1参照)。スライド4は、低速で上昇する(図2の状態s2)。このとき、安全装置2は、警報として、ブザーやランプ等(図示せず)によって音や光を発生し、金型6の間隔が狭くなったことをユーザに報知する。このように、安全装置2は、安全装置構造規格(非特許文献2の第22条の2第1項第2号)に規定されている「スライドが設定した位置に達した後、引き続きスライドを作動させる場合は、その速度を毎秒十ミリメートル以下(以下「低閉じ速度」という。)とする構造のものであること」に適合する。
金型6の間隔がさらに狭くなり、侵入センサ7の投光器7aから出射されるレーザ光L7が上型6bに遮られ(図3(c)参照)、金型6が侵入センサ7によって検知される(図2のイベントe23)。スライド4が低速で作動しているとき(状態s2)、侵入センサ7による検知があっても(イベントe23)、安全装置2はスライド4を停止させず、プレス機械1はプレスを実行する(状態s3)。このように、侵入センサ7による検知があってもスライド4を停止させないことは、「安全装置無効」と呼ばれる(非特許文献1参照)。安全装置2にこのような安全装置無効があるので、金型6や加工材(ワーク)が侵入センサ7によって検知されても、プレス機械1は、プレスを実行することができる。すなわち、安全装置2は、安全装置構造規格(非特許文献2の第22条の2第3項第2号)に規定されている「スライドの閉じ行程の作動中(低閉じ速度による作動中に限る。)に検出を無効とすることができる構造のものであること」に適合する。
次に、侵入センサ7によって手指等の侵入物が検知される場合のプレス機械1及び安全装置2の動作を説明する。
初期状態(状態s0)において、侵入センサ7が侵入物を検知する(イベントe04)。操作部3のスイッチSwがオフであれば、操作部3はスライド閉信号S1を出力せず、スライド4は停止している(状態s4)。操作部3のスイッチSwをオンにすると(イベントe45)、操作部3からスライド閉信号S1が出力され、スライド4が作動し(状態s5)、閉じ工程が開始される。侵入センサ7及び間隔センサ8は、スライド4と共に上昇する(図4(a)参照)。
初期状態(状態s0)において、操作部3のスイッチSwをオンにすると(イベントe01)、操作部3からスライド閉信号S1が出力され、スライド4が作動し(状態s1)、閉じ工程が開始される。侵入センサ7及び間隔センサ8は、スライド4と共に上昇する。このとき、侵入センサ7が侵入物を検知しても(イベントe15)、スライド4は上昇を続ける(状態s5、図4(a)参照)。
間隔センサ8の投光器8aから出射されるレーザ光L8が上型6bに遮られ(図4(b)参照)、金型6の間隔が所定の値以下になったことが間隔センサ8によって検知される(図2のイベントe56)。判定処理部9は、停止条件が満たされたと判定し、スイッチ92を開き、スライド閉信号S1を遮断する(図1参照)。このように、侵入センサ7が侵入物を検知している状態で間隔センサ8による検知があった場合、停止条件が満たされる。スライド閉信号S1が遮断されると、スライド閉信号S1が制御盤5に入力されなくなり、スライド4は、停止する(図2の状態s6)。このように、安全装置2は、安全装置構造規格(非特許文献2の第22条の2第1項第1号)に規定されている「検出機構を有し、身体の一部がスライドに挟まれるおそれのある場合に、当該身体の一部が光線を遮断したことを検出することによりスライドの作動を停止させることができる構造のものであること」に適合する。
安全装置2では、停止条件が満たされてスライド4が停止した後に閉じ工程を再開する場合、プレス作業における安全を確保するため、所定の条件が満たされる必要がある。
操作部3のスイッチSwがオンのままで、侵入センサ7による侵入物の検知が解消した場合(イベントe67)、判定処理部9は、スライド閉信号S1の遮断を継続する。スライド4は、停止したままとなる(状態s7、図4(c)参照)。
侵入センサ7による侵入物の検知が解消せず(図4(b)参照)、操作部3に所定の操作がされた場合(図2のイベントe66)、判定処理部9は、スライド閉信号S1の遮断を継続する。本実施形態では、所定の操作は、操作部3のスイッチSwをオンからオフにした後、再度オンにする操作である。スライド4は、停止したままとなる(状態s6)。
侵入センサ7が侵入物を検知していない状態(検知解消)となり(イベントe67、図5(a)参照)、かつ、操作部3に所定の操作がされた場合(イベントe72)、判定処理部9は、スイッチ93を切り替え、低速信号S4を制御盤5に入力するとともに、スイッチ92を閉じ、スライド閉信号S1を通過させる(図1参照)。本実施形態では、所定の操作は、操作部3のスイッチSwをオンからオフにした後、再度オンにする操作である。本実施形態では操作部3が足踏みスイッチであるので、この操作は、「2段踏み」と呼ばれる。スライド閉信号S1及び低速信号S4が制御盤5に入力され、スライド4は、低速で上昇する(図2の状態s2、図5(b)参照)。安全装置2は、安全装置構造規格(非特許文献2の第22条の2第1項第2号)に規定されている「スライドの閉じ行程の作動中に身体の一部若しくは加工物が光線を遮断したことを検出し、引き続きスライドを作動させる場合は、その速度を毎秒十ミリメートル以下(以下「低閉じ速度」という。)とする構造のものであること」に適合するとともに、再作動するためには操作部3に所定の操作が必要であるので一層安全性が高い。
金型6の間隔がさらに狭くなり、侵入センサ7の投光器7aが出射するレーザ光L7が上型6bに遮られ(図5(c)参照)、金型6が侵入センサ7によって検知される(図2のイベントe23)。安全装置2はスライド4を停止させず、プレス機械1はプレスを実行する(状態s3)。
閉じ工程におけるいずれの状態においても(状態s1、s2、s3、s5)、操作部3のスイッチSwをオフにすると、操作部3がスライド閉信号S1を出力しないため、スライド閉信号S1が制御盤5に入力されず、スライド4が停止する(図1参照)。したがって、安全装置2は、安全装置構造規格(非特許文献2の第22条の2第2項第2号)に規定されている「低閉じ速度でスライドを作動するときは、スライドを作動させるための操作部を操作している間のみスライドが作動する構造のものであること」に適合する。
本実施形態の安全装置2を用いて、光線式安全装置を有する既存のプレス機械をレーザー式安全装置を有するプレス機械に改造する方法を説明する。既存のプレス機械101において(図8参照)、光線式安全装置102の投光器及び受光器が取り外され、光線式安全装置102からプレス機械本体10の制御盤5にスライド停止要求が入力されないようにされる。制御盤5の改修は、行われない。安全装置2の侵入センサ7及び間隔センサ8がプレス機械本体10に設置される。侵入センサ7及び間隔センサ8は、レーザー式のものである。操作部3が制御盤5から一旦取り外され、安全装置2の判定処理部9が制御盤5に接続される(図1参照)。操作部3からのスライド閉信号S1及びスライド速度信号S2が安全装置2に入力可能となるように操作部3が接続されるとともに、スライド開信号S3が制御盤5に入力可能となるように操作部3が接続される。
以上、本実施形態に係る安全装置2によれば、安全装置2の判定処理部9が操作部3と制御盤5との間に接続され、スライド閉信号S1を遮断することによってスライド4を停止させるので、プレス機械の安全装置を異なる方式のものからレーザー式安全装置に取り替える場合に、制御盤5の改修が不要となり、低コストに取り替えることができる。判定処理部9は、侵入センサ7及び間隔センサ8による検知結果が所定の停止条件を満たすときスライド4を停止させるので、手指等を侵入センサ7で検知し、プレス作業における安全を確保することができる。
閉じ工程において、侵入センサ7が金型6を検知する前に、金型6の間隔が所定の値以下になったことを間隔センサ8によって検知することにより、安全装置2は、侵入センサ7による金型6の検知によってプレスが実行されないことを回避する制御が可能になる。
判定処理部9において、侵入センサ7が侵入物を検知している状態で間隔センサ8による検知があった場合、停止条件が満たされるので、侵入センサ7が侵入物を検知している場合、金型6の間隔が所定の値より大きいときは、スライド4を作動させることができ、作業が効率化され、金型6の間隔が所定の値以下になったとき、スライド4を停止させるので、プレス作業における安全が確保される。
判定処理部9は、侵入センサ7が侵入物を検知していない状態で間隔センサ8による検知があった場合、低速信号S4を制御盤5に入力することにより、スライド4の速度が所定の速度以下になるので、その後に手指等が金型6の間に侵入しても、手指等を安全なところに移動する時間的余裕ができ、プレス作業における安全が確保される。
停止条件が満たされた後、侵入センサ7が侵入物を検知していない状態となるだけでなく、操作部3に所定の操作がされた場合に、判定処理部9がスライド閉信号S1を通過させることにより、スライド4が安全に再作動される。
本実施形態の安全装置2を用いることにより、光線式安全装置等、異なる方式の安全装置を有する既設のプレス機械を、レーザー式安全装置を有するプレス機械1に低コストで容易に改造することができる。このため、レーザー式安全装置を有するプレス機械の導入が促進され、プレス機械を用いる作業の安全性が向上する。本実施形態の安全装置2は、安全装置構造規格(非特許文献2)に適合するので、この安全装置2を設けることにより、プレス機械1を安全装置構造規格(非特許文献2)に適合させることができる。
なお、本発明は、上記の実施形態の構成に限られず、発明の要旨を変更しない範囲で種々の変形が可能である。例えば、スライド4がボルスタ11の上に位置し、スライド4が降下することによってプレス加工を行うプレス機械1に本発明の安全装置2を設けてもよい。このようなプレス機械1においては、上型6bがスライド4に取り付けられ、下型6aがボルスタ11に取り付けられる。
1 プレス機械
2 安全装置
3 操作部
4 スライド
5 制御盤
6 金型
7 侵入センサ
8 間隔センサ
9 判定処理部
L7 レーザ光
S1 スライド閉信号
S2 スライド速度信号
S4 低速信号
2 安全装置
3 操作部
4 スライド
5 制御盤
6 金型
7 侵入センサ
8 間隔センサ
9 判定処理部
L7 レーザ光
S1 スライド閉信号
S2 スライド速度信号
S4 低速信号
Claims (3)
- 対をなす金型の一方が取り付けられるスライドと、前記スライドの作動を制御する制御盤と、ユーザによる操作に応じた信号を前記制御盤に入力する操作部とを有するプレス機械に設けられる安全装置であって、
所定領域への侵入物をレーザ光で検知する侵入センサと、
対をなす前記金型の間隔が所定の値以下になったことを検知する間隔センサと、
前記操作部と制御盤との間に接続される判定処理部とを備え、
前記制御盤に入力される前記信号として、対をなす前記金型の間隔が閉じる方向に前記スライドが作動する閉じ工程において前記スライドを作動させるスライド閉信号があり、
前記判定処理部は、前記侵入センサ及び間隔センサによる検知結果が所定の停止条件を満たすとき、前記スライド閉信号を遮断することによって前記スライドを停止させることを特徴とする安全装置。 - 前記閉じ工程において、前記侵入センサが侵入物を検知している状態で前記間隔センサによる検知があった場合、前記停止条件が満たされることを特徴とする請求項1に記載の安全装置。
- 前記制御盤に入力される前記信号として、前記スライドの速度を指定するスライド速度信号がさらにあり、
前記閉じ工程において、前記判定処理部は、前記侵入センサが侵入物を検知していない状態で前記間隔センサによる検知があった場合、前記スライドの速度を所定の速度以下にさせる低速信号を前記スライド速度信号として前記制御盤に入力することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の安全装置。
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- 2014-06-09 JP JP2014119028A patent/JP2015231630A/ja active Pending
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