JP2015230237A - 物理量センサー、高度計、電子機器および移動体 - Google Patents

物理量センサー、高度計、電子機器および移動体 Download PDF

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Abstract

【課題】受圧により圧力基準室が変形することを低減することができる物理量センサー、この物理量センサーを備えた信頼性の高い高度計、電子機器および移動体を提供すること。【解決手段】物理量センサー1は、圧力基準室8と、受圧面541を有し、撓み変形可能なダイヤフラム54と、を有する物理量センサーチップ3と、開口を有し、物理量センサーチップ3を収容している内部空間28を有するパッケージ2と、内部空間28内でダイヤフラム54に接続している圧力伝搬部11と、圧力伝搬部11よりも硬い材料で構成されており、圧力基準室8の外側に配置されている保護部12とを有している。【選択図】図1

Description

本発明は、物理量センサー、高度計、電子機器および移動体に関するものである。
従来から、物理量センサーとして、圧力を検出してその検出値に応じた電気信号を発生するセンサーチップと、開口部を有し、センサーチップを収納するパッケージと、パッケージ内でセンサーチップを囲み、センサーチップに圧力を伝搬する不活性液体と、を備える圧力センサーが知られている(例えば、特許文献1参照)。
このような圧力センサーでは、センサーチップが、受圧によって撓むダイヤフラムとダイヤフラム上に設けられた圧力基準室とを備えており、パッケージ外の圧力は、パッケージの開口および不活性液体を介して、センサーチップのダイヤフラムに作用する。そして、ダイヤフラムに圧力が加わることに起因するダイヤフラムの撓みをセンサーチップで検出し、その検出結果に基づいて圧力センサーに加わった圧力が検出される。
しかしながら、このような構成の圧力センサーでは、小型化、低背化を図るために圧力基準室のダイヤフラムとは反対側の壁部を薄くすると、受圧によってダイヤフラムだけでなく、当該壁部も圧力基準室内に向かって撓むように変形してしまうという問題があった。そのため、圧力センサーの基準の圧力が変わってしまい、圧力センサーにて受けた圧力を精度よく検出することができなかった。
特開平9−126920号公報
本発明の目的は、受圧により圧力基準室が変形することを低減することができる物理量センサー、この物理量センサーを備えた信頼性の高い高度計、電子機器および移動体を提供することにある。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の適用例として実現することが可能である。
[適用例1]
本適用例の物理量センサーは、圧力基準室と、受圧面を有し、撓み変形可能なダイヤフラムと、を有する物理量センサーチップと、
開口を有し、前記物理量センサーチップを収容している内部空間を有するパッケージと、
前記内部空間内で前記ダイヤフラムに接続している圧力伝搬部と、
前記圧力伝搬部よりも硬い材料で構成されており、前記圧力基準室の外側に配置されている保護部と、
を有していることを特徴とする。
これにより、壁部への圧力伝搬を阻止または低減することができ、受圧により圧力基準室が変形することを低減することができる。このため、物理量センサーの基準の圧力が変化することが抑制され、よって、優れた検出精度を有する物理量センサーを提供することができる。
[適用例2]
本適用例の物理量センサーでは、前記物理量センサーチップは、ワイヤーを介して前記パッケージと接続していることが好ましい。
ワイヤーは比較的弾性(柔軟性)に富むものであるため、パッケージの歪みに起因する応力を吸収することができる。そのため、前記応力が圧力基準室に作用することをより低減することができる。
[適用例3]
本適用例の物理量センサーでは、さらに、ICチップを有し、
前記センサーチップは、前記ICチップに固定されていることが好ましい。
このICチップにより、物理量センサーチップで発生した電気信号に基づいて、物理量センサーに加わった物理量(例えば、圧力)の大きさを演算することができる。さらには、物理量センサーチップがICチップに固定されていることで、物理量センサーチップおよびICチップの互いの相対的な位置関係を規制することができ、よって、物理量センサーチップとICチップの接触を防止または抑制することができる。
[適用例4]
本適用例の物理量センサーでは、前記開口と前記物理量センサーチップとが重なる方向の平面視で、前記保護部は、前記圧力伝搬部に囲まれていることが好ましい。
これにより、圧力基準室の壁部の側面側にある圧力伝搬部により、パッケージの歪みに起因する応力を吸収することができ、圧力基準室に前記応力が伝搬されることをより低減することができる。
[適用例5]
本適用例の物理量センサーでは、前記開口と前記物理量センサーチップとが重なる方向の断面視で、前記保護部は、前記圧力伝搬部に囲まれていることが好ましい。
これにより、圧力基準室の壁部の底面側にある圧力伝搬部により、パッケージの歪みに起因する応力を吸収することができ、圧力基準室に前記応力が伝搬されることをより低減することができる。
[適用例6]
本適用例の物理量センサーでは、前記保護部は、シリコン系樹脂、フッ素系樹脂、エポキシ樹脂およびポリイミド樹脂のうちの少なくとも一方を含むことが好ましい。
これにより、保護部は必要な剛性(硬度)を確保することができる。また、エポキシ樹脂およびポリイミド樹脂は、熱収縮率が比較的小さい。このため、保護部の熱収縮に起因する応力よって圧力基準室の壁部が変形することを抑制することができる。
[適用例7]
本適用例の物理量センサーでは、前記物理量センサーチップは、圧力に応じて信号を発生する圧力センサーチップであることが好ましい。
これにより、圧力を検出することができる。
[適用例8]
本適用例の高度計は、上記適用例の物理量センサーを備えることを特徴とする。
これにより、信頼性の高い高度計が得られる。
[適用例9]
本適用例の電子機器は、上記適用例の物理量センサーを備えることを特徴とする。
これにより、信頼性の高い電子機器が得られる。
[適用例10]
本適用例の移動体は、上記適用例の物理量センサーを備えることを特徴とする。
これにより、信頼性の高い移動体が得られる。
物理量センサーの第1実施形態を示す断面図である。 図1に示す物理量センサーが有する物理量センサーチップを示す断面図である。 図2に示す物理量センサーチップが有するセンサー素子を示す平面図である。 図3に示すセンサー素子を含むブリッジ回路を示す図である。 図1に示す物理量センサーが有するICチップおよび物理量センサーチップを示す断面図である。 物理量センサーの第2実施形態を示す断面図である。 物理量センサーの第3実施形態を示す断面図である。 物理量センサーの第4実施形態を示す断面図である。 物理量センサーの第5実施形態を示す断面図である。 図9に示す物理量センサーが備える可撓性配線基板の配線を示す平面図である。 物理量センサーの第6実施形態を示す断面図である。 第7実施形態の物理量センサーが備える物理量センサーチップを示す断面図である。 本発明の高度計の一例を示す斜視図である。 本発明の電子機器の一例を示す正面図である。 本発明の移動体の一例を示す斜視図である。
以下、本発明の物理量センサー、高度計、電子機器および移動体を添付図面に示す実施形態に基づいて詳細に説明する。
1.物理量センサー
図1は、物理量センサーの第1実施形態を示す断面図である。図2は、図1に示す物理量センサーが有する物理量センサーチップを示す断面図である。図3は、図2に示す物理量センサーチップが有するセンサー素子を示す平面図である。図4は、図3に示すセンサー素子を含むブリッジ回路を示す図である。図5は、図1に示す物理量センサーが有するICチップおよび物理量センサーチップを示す断面図である。なお、以下の説明では、図1、図2、図5中の上側を「上」、下側を「下」と言う。
図1に示す物理量センサー1は、圧力に応じて信号を発生する圧力センサーである。このように、物理量センサー1を圧力センサーとすることで、種々の電子機器に搭載することのできる物理量センサーとなる。
このような物理量センサー1は、図1に示すように、圧力を検出することのできるセンサーチップ(物理量センサーチップ)3と、ICチップ4と、センサーチップ3およびICチップ4を収納するパッケージ(容器)2と、パッケージ2内に設けられた圧力伝搬部11および保護部12とを有している。
以下、これら各部について順に説明する。
≪パッケージ≫
パッケージ2は、平面視形状が正方形の板状をなすベース21と、ベース21の上面の外縁部に設けられ、正方形の枠状をなす壁部22とを有している。これにより、パッケージ2は、その全体形状が箱状(枡状)をなし、その上側で開口(開放)する凹部(内部空間)28が形成されている。なお、図示では、ベース21と壁部22とは一体であるが、これらは別体で形成された後に接着剤等を介して接合されたものであってもよい。
図1に示すように、壁部22には、凹部28の開口面積が段階的に変化している段差部26が設けられている。この段差部26の上面には、ボンディングワイヤー81を介して、後述するICチップ4の接続端子410を電気的に接続する端子85が設けられている。端子85は、本実施形態では4つあり、4つの端子85は、それぞれパッケージ2の角部近傍に設けられている。そして、これら端子85は、それぞれ、壁部22およびベース21を貫通する貫通電極(図示せず)を介してベース21の下面に設けられた外部電極86に電気的に接続されている。外部電極86に、例えば、後述する電子機器または移動体のマザーボード等を電気的に接続することで、センサーチップ3やICチップ4からの電気信号をパッケージ2の外部に取り出すことができる。
なお、端子85、外部電極86および前記貫通電極の構成材料としては、導電性を有していれば特に限定されず、例えば、Ni、Pt、Li、Mg、Sr、Ag、Cu、Co、Al等の金属、これらを含むMgAg、AlLi、CuLi等の合金、ITO、SnO2等の酸化物等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
パッケージ2の構成材料としては、それぞれ、特に限定されないが、例えば、アルミナ、シリカ、チタニア、ジルコニア等の酸化物セラミックス、窒化珪素、窒化アルミ、窒化チタン等の窒化物セラミックスのような各種セラミックスや、ポリエチレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリカーボネート、アクリル系樹脂、ABS樹脂、エポキシ樹脂のような各種樹脂材料等の絶縁性材料が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、各種セラミックスであることが好ましい。これにより、優れた機械的強度を有するパッケージ2を得ることができる。なお、ベース21と壁部22とは、異なる材料で構成されていてもよいし、同一の材料で構成されていてもよい。
なお、パッケージ2の全体形状としては、平面視形状が正方形をなす箱状に限定されず、例えば、有底の円筒状等であってもよい。
≪センサーチップ≫
図2に示すように、センサーチップ3は、基板5と、センサー素子6と、素子周囲構造体7と、空洞部8と、半導体回路9と、を有している。以下、これら各部について順に説明する。
基板5は、板状をなし、SOI基板(第1のSi層511、SiO層512、第2のSi層513がこの順で積層している基板)で構成された半導体基板51上に、シリコン酸化膜(SiO膜)で構成された第1絶縁膜52と、シリコン窒化膜(SiN膜)で構成された第2絶縁膜53と、をこの順に積層することで構成されている。ただし、半導体基板51としては、SOI基板に限定されず、例えば、シリコン基板を用いることができる。
また、半導体基板51には、周囲の部分よりも薄肉であり、受圧によって撓み変形するダイヤフラム54が設けられている。このダイヤフラム54は、半導体基板51の下面に有底の凹部55を設けることで形成され、その下面(凹部55の底面)が受圧面541となっている。
このような半導体基板51上およびその上方には半導体回路(回路)9が作り込まれている。この半導体回路9には、必要に応じて形成されたMOSトランジスタ91等の能動素子、キャパシタ、インダクタ、抵抗、ダイオードおよび配線等の回路要素が含まれている。なお、図2では、説明の便宜上、半導体回路9のMOSトランジスタ91のみを図示している。
センサー素子6は、図3に示すように、ダイヤフラム54に設けられている4つのピエゾ抵抗素子(撓み量検出素子)61、62、63、64を有している。これら4つのピエゾ抵抗素子61、62、63、64は、それぞれ、平面視で四角形をなすダイヤフラム54の各辺に対応して設けられている。
ピエゾ抵抗素子61、62は、ダイヤフラム54の外縁部に設けられているピエゾ抵抗部611、621と、ピエゾ抵抗部611、621の両端部に接続されている配線613、623と、を有している。一方、ピエゾ抵抗素子63、64は、ダイヤフラム54の外縁部に設けられている1対のピエゾ抵抗部631、641と、1対のピエゾ抵抗部631、641同士を接続している接続部632、642と、1対のピエゾ抵抗部631、641の他端部に連結されている配線633、643と、を有している。
ピエゾ抵抗部611、621、631、641は、それぞれ、例えば、半導体基板51の第1のSi層511にリン、ボロン等の不純物をドープ(拡散または注入)することで構成されている。また、配線613、623、633、643および接続部632、642は、それぞれ、例えば、第1のSi層511に、ピエゾ抵抗部611、621、631、641よりも高濃度でリン、ボロン等の不純物をドープ(拡散または注入)することで構成されている。
また、ピエゾ抵抗素子61、62、63、64は、自然状態における抵抗値が互いに等しくなるように構成されている。そして、これらのピエゾ抵抗素子61、62、63、64は、配線613、623、633、643等を介して、互いに電気的に接続され、図4に示すように、ブリッジ回路60(ホイートストンブリッジ回路)を構成し、半導体回路9と接続されている。このブリッジ回路60には、駆動電圧AVDCを供給する駆動回路(図示せず)が接続されている。そして、ブリッジ回路60は、ピエゾ抵抗素子61、62、63、64の抵抗値に応じた信号(電圧)を出力する。
素子周囲構造体7は、空洞部8を画成するように形成されている。この素子周囲構造体7は、図2に示すように、層間絶縁膜71と、層間絶縁膜71上に形成された配線層72と、配線層72および層間絶縁膜71上に形成された層間絶縁膜73と、層間絶縁膜73上に形成された配線層74と、配線層74および層間絶縁膜73上に形成された表面保護膜75と、封止層76とを有している。配線層74は、空洞部8の内外を連通する複数の細孔742を備えた被覆層741を有しており、被覆層741上に配置されている封止層76が細孔742を封止している。なお、配線層72、74は、空洞部8を囲むように形成されている配線層72a、74aと、半導体回路9の配線を構成する配線層72b、74bと、を含んでいる。したがって、半導体回路9は、配線層72b、74bによって物理量センサー1の上面に引き出され、配線層74bの一部が接続端子74b’となっている。
層間絶縁膜71、73としては、特に限定されないが、例えば、シリコン酸化膜(SiO膜)等の絶縁膜を用いることができる。また、配線層72、74としては、特に限定されないが、例えば、アルミニウム膜等の金属膜を用いることができる。また、封止層76としては、特に限定されないが、Al、Cu、W、Ti、TiN等の金属膜を用いることができる。また、表面保護膜75としは、特に限定されないが、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜、ポリイミド膜、エポキシ樹脂膜など、素子を水分、ゴミ、傷などから保護するための耐性を有するものを用いることができる。
基板5と素子周囲構造体7とで画成された空洞部8は、密閉された空間であり、センサーチップ3が検出する圧力の基準値となる圧力基準室として機能する。また、空洞部8は、ダイヤフラム54と重なるように配置されており、ダイヤフラム54が空洞部8を画成する壁部の一部を構成している。空洞部8内の状態は、特に限定されないが、真空状態(例えば10Pa以下)であることが好ましい。これにより、センサーチップ3を、真空状態を基準として圧力を検出する所謂「絶対圧センサー素子」として用いることができる。ただし、空洞部8内の状態は、真空状態でなくてもよく、例えば、大気圧状態であってもよいし、大気圧よりも気圧が低い減圧状態であってもよいし、大気圧よりも気圧が高い加圧状態であってもよい。また、空洞部8内には窒素ガス、希ガス等の不活性ガスが封入されていてもよい。
このような構成のセンサーチップ3は、ダイヤフラム54の受圧面541が受ける圧力に応じてダイヤフラム54が変形し、これにより、ピエゾ抵抗素子61、62、63、64が歪み、その撓み量に応じてピエゾ抵抗素子61、62、63、64の抵抗値が変化する。それに伴って、ピエゾ抵抗素子61、62、63、64が構成するブリッジ回路60の出力が変化し、その出力に基づいて、受圧面541で受けた圧力(絶対圧)の大きさを求めることができる。
また、センサーチップ3では、空洞部8および半導体回路9が基板5の同じ面側に設けられているため、空洞部8を形成している素子周囲構造体7が基板5の半導体回路9とは反対側から張り出すことがなく、低背化を図ることができる。その上で、素子周囲構造体7は、層間絶縁膜71、73および配線層72、74のうちの少なくとも一方と同一の成膜により形成されている。これにより、CMOSプロセスを利用して、素子周囲構造体7を半導体回路9と一括して形成することができる。そのため、センサーチップ3の製造工程が簡略化され、その結果、センサーチップ3の低コスト化を図ることができる。また、本実施形態のように空洞部8を封止する場合であっても、成膜法を用いて空洞部8を封止することができ、従来のような基板を貼り合わせてキャビティを封止する必要がなく、この点でも、センサーチップ3の製造工程が簡略化され、その結果、センサーチップ3の低コスト化を図ることができる。
≪ICチップ≫
ICチップ4は、例えば、センサーチップ3で生成された電気信号に基づいて、センサーチップ3に加わった圧力の大きさを演算する機能を有するものである。
ICチップ4は、板状であり、平面視においてセンサーチップ3よりも大きい四角形状をなしている。このICチップ4は、センサーチップ3の下側にセンサーチップ3と離間して設けられている。このようにICチップ4が、センサーチップ3と平面視で重なるように配置(上下に重なって配置)されていることにより、物理量センサー1の幅方向での寸法を小さくし、物理量センサー1の小型化を図ることができる。
図5に示すように、ICチップ4は、多層配線基板であり、シリコン等の半導体で構成された半導体基板41上に、シリコン酸化膜(SiO膜)で構成されている絶縁膜42を積層してなり、半導体基板41上およびその上方に、例えばブリッジ回路60から得られる信号に基づいて受けた圧力の大きさを検出するための半導体回路(回路)40が作り込まれている。また、半導体回路40を保護するため、絶縁膜42上に、表面保護膜(パッシベーション膜)43が積層されている。表面保護膜43としては、特に限定されないが、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜、ポリイミド膜、エポキシ樹脂膜など、素子を水分、ゴミ、傷などから保護するための耐性を有するものを用いることができる。また、表面保護膜43の一部は除去されており、当該除去部分から、半導体回路40が有する4つの導電性を有する接続端子(接続部)410および4つの導電性を有する接続端子(接続部)420が露出している。
なお、半導体回路40には、例えば、センサーチップ3を駆動するための駆動回路(図示せず)や、ブリッジ回路60からの出力を温度センサーで検知した温度に基づいて温度補償するための温度補償回路(図示せず)等が形成されている。
以上説明したようなセンサーチップ3およびICチップ4は、センサーチップ3が備える接続端子74b’とICチップ4が備える接続端子420とが導電性を有する固定部材92を介して互いに接続されている。これにより、センサーチップ3とICチップ4とは、電気的に接続されている。このようにセンサーチップ3およびICチップ4を固定部材92を介して互いに接続することで、センサーチップ3およびICチップ4の互いの相対的な位置関係を規制することができ、よって、センサーチップ3とICチップ4の接触を防止することができる。また、センサーチップ3とICチップ4を予め組み立てて置くことができるため、物理量センサー1の製造(組立て)が容易となる。なお、固定部材92としては、導電性を有していれば、特に限定されず、例えば、半田等の金属ろう材、金バンプ等の金属バンプ、導電性接着剤等を用いることができる。
また、ICチップ4が備える接続端子410は、ボンディングワイヤー81を介してパッケージ2に設けられた端子85に電気的に接続されている。これにより、ICチップ4は、ボンディングワイヤー81を介してパッケージ2の下面に設けられた外部電極86に電気的に接続される。
このようにしてパッケージ2に接続されたセンサーチップ3およびICチップ4を含む構造体は、パッケージ2の内壁から離れた状態、すなわち非接触な状態でパッケージ2内に収容されている。このように、パッケージ2に対して非接触な状態であることで、パッケージ2に生じた歪みに起因する応力が前記構造体に伝搬されることを低減することができる。そのため、前記応力が構造体に作用することにより、センサーチップ3およびICチップ4の検出性能が低下することを低減することができる。
また、前記構造体は、センサーチップ3がパッケージ2の開口側に、ICチップ4がのベース21側に向くように設置されている。さらに、センサーチップ3は、ダイヤフラム54が形成されている面がパッケージ2の開口側を向くように配置されている。このような配置することで、受圧面541をパッケージ2の開口に向けるとともに、パッケージ2の開口に近づけることができるので、物理量センサー1に加わった圧力は、より効率的に受圧面541に作用する。これにより、センサーチップ3の圧力検出性能(感度)をより向上させることができる。
なお、ボンディングワイヤー81は、本実施形態の物理量センサー1では、4つ有しており、各ボンディングワイヤー81は、ICチップ4の4つの角部近傍に設けられている。このように各ボンディングワイヤー81を互いに対照的に配置することで、ICチップ4およびセンサーチップ3をパッケージ2の内壁に対して非接触な状態で、ベース21に対してほぼ水平に支持することが容易となる。
また、ボンディングワイヤー81は、その太さが、例えば、0.1μm以上、50μm以下であるのが好ましく、1μm以上、30μm以下であるのがより好ましい。これにより、ボンディングワイヤー81は、適度な剛性と柔軟性とを有することができる。また、ボンディングワイヤー81の構成材料としては、特に限定されず、金、アルミニウム、銅等の各種金属材料を用いることができる。
≪保護部≫
図1に示すように、保護部12は、凹部28の途中の深さまで充填されている。保護部12には、ICチップ4およびセンサーチップ3を含む構造体の下側部分が埋まっている。ここで、保護部12は、パッケージ2とICチップ4との間、パッケージ2とセンサーチップ3の一部との間、および、ICチップ4とセンサーチップ3との間にそれぞれ設けられている。また、図5に示すように、保護部12は、ICチップ4の外周面全体と、センサーチップ3の空洞部8を画成する素子周囲構造体7の外周面とにそれぞれ接触している。また、保護部12は、ボンディングワイヤー81にも接触している。
このように設けられた保護部12は、センサーチップ3およびICチップ4を含む構造体をパッケージ2に支持(固定)する支持部材として機能している。これにより、前記構造体をパッケージ2に安定して支持することができる。そのため、凹部28内での前記構造体の位置の変動を低減することができる。
また、保護部12は、圧力伝搬部11よりも硬い材料で構成されており、センサーチップ3の空洞部(圧力基準室)8を画成する素子周囲構造体7、特に封止層76の剛性を補う機能を有している。このような保護部12の存在によって、圧力伝搬部11から伝搬された圧力が素子周囲構造体7、特に封止層76に伝搬されること低減することができる。そのため、封止層(壁部)76が受圧により空洞部8側に向かって撓むことを低減し、圧力基準室として機能している空洞部8が受圧により変形することを低減することができる。これにより、物理量センサー1の基準の圧力が変化することを阻止または低減することができる。
このような保護部12の状態としては、例えばゲル状または固体状をなしている。このような状態であると、封止層76が空洞部8側に向かって撓むことがより確実に低減される。
特に、保護部12が固体状である場合には、保護部12は、例えば、ヤング率(縦弾性係数)が0.1GPa以上50GPa以下であることが好ましく、1GPa以上10GPa以下であることがより好ましい。また、保護部12がゲル状である場合には、保護部12は、圧力伝搬部11よりも針入度が小さければよいが、例えば、針入度が1以上200以下であることが好ましく、10以上100以下であることがより好ましい。なお、前記針入度は、JIS K 2207に規定の試験方法に準拠した方法で測定することによって求めることができる。ヤング率または針入度が前記範囲内であると、保護部12は、必要な剛性(硬度)を確保することができ、封止層76の剛性を補う機能をより顕著に発揮することができる。
また、保護部12は、絶縁性を有する。これにより、保護部12がボンディングワイヤー81および固定部材92に接続されていても、複数のボンディングワイヤー81間や、複数の固定部材92間での短絡をより確実に防ぐことができる。
さらに、保護部12は、前記圧力伝搬部11に密着している。このため、保護部12と圧力伝搬部11との間に気泡(ボイド)が発生することを低減することができ、前記気泡の発生により受圧面541への圧力の伝搬が阻害されることを抑えることができる。
このような保護部12は、樹脂を含む。具体的には、保護部12の構成材料としては、例えば、シリコン系樹脂、フッ素系樹脂、エポキシ系樹脂およびポリイミド系樹脂等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。これにより、保護部12は必要な剛性(硬度)をより容易に確保することができる。またシリコン系樹脂、フッ素系樹脂、エポキシ樹脂およびポリイミド樹脂は、熱収縮率が比較的小さい。このため、保護部12の熱収縮に起因する応力よって封止層76が変形する(撓む)ことを低減することができる。
保護部12は、樹脂に加え、フィラーを含んでいることが好ましい。フィラーとしては、例えば、金属や金属酸化物、セラミック等の無機物を含む無機フィラーや、グラファイト、カーボンブラックや、樹脂等の有機物を含む有機フィラー等が挙げられる。これらの中でも特に、無機フィラーを含むことが好ましい。これにより、保護部12の剛性を高めることができ、受圧により封止層76が撓むことをより一層低減することができる。また、フィラーとしては、無機フィラーの中でも特に、セラミック等の絶縁性を有するものがより好ましい。これにより、ボンディングワイヤー81や固定部材92に保護部12と接続していても、ボンディングワイヤー81や固定部材92の短絡をより確実に防ぐことができる。
≪圧力伝搬部≫
図1に示すように、圧力伝搬部11は、保護部12の上側で、パッケージ2内に充填されていて、圧力伝搬部11にはセンサーチップ3の上側部分が埋まっている。ここで、圧力伝搬部11は、パッケージ2とセンサーチップ3の一部との間に設けられ、かつ、パッケージ2の開口を塞ぐように設けられている。また、図5に示すように、圧力伝搬部11は、センサーチップ3の受圧面541と接触している。
このように設けられた圧力伝搬部11は、センサーチップ3およびICチップ4を保護(防塵および防水)するとともに、物理量センサー1に加わった圧力をパッケージ2の開口を介してセンサーチップ3の受圧面541に伝搬するものである。
圧力伝搬部11は、例えば、センサーチップ3、ICチップ4、およびパッケージ2よりも軟らかい特性(柔軟性)を有する。この柔軟性を有する圧力伝搬部11の状態としては、例えば、液状またはゲル状をなしている。特に、ゲル状の圧力伝搬部11は、流動性が低いため、凹部28内でのセンサーチップ3の位置の変動を低減することができる。そのため、物理量センサー1は、その姿勢の変化の影響を受けずに高精度な検出が可能となる。圧力伝搬部11がゲル状である場合には、圧力伝搬部11は、例えば、針入度が50以上250以下であることが好ましく、150以上250以下であることがより好ましい。これにより、圧力伝搬部11を十分に柔らかくすることができ、物理量センサー1に加わった圧力が受圧面541に効率的に作用する。また、凹部28内でのセンサーチップ3の位置の変動をより的確に抑制することができる。
このような圧力伝搬部11は、柔軟性(軟質性)を有する樹脂を含む。柔軟性を有する樹脂を含むことで、ゲル状をなす圧力伝搬部11を容易に得ることができる。
圧力伝搬部11の具体的な構成材料としては、例えば、フッ素系樹脂およびシリコーン樹脂等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。これにより、圧力伝搬部11が十分に柔らかくなり、物理量センサー1に加わった圧力を受圧面541により効率よく伝搬することができる。
以上説明したような圧力伝搬部11および保護部12は、前述したように、圧力伝搬部11が受圧面541に接触するように設けられており、保護部12が封止層76に接触するように設けられている。このように圧力伝搬部11および保護部12が設けられていることで、物理量センサー1に加えられた圧力を受圧面541に効率よく伝搬することができるとともに、受圧により封止層76が撓むことで空洞部8の圧力が変化することを回避することができる。このため、物理量センサー1の精度を高めることができる。
<第2実施形態>
次に物理量センサーの第2実施形態について説明する。
図6は、物理量センサーの第2実施形態を示す断面図である。
以下、物理量センサーの第2実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
第2実施形態の物理量センサー1では、ICチップ4が省略されており、センサーチップ3の構成が異なること以外は、前述した第1実施形態と同様である。
図6に示す物理量センサー1では、センサーチップ3内に設けられた半導体回路(IC回路)によっても、前述した第1実施形態の物理量センサー1が備えるICチップ4と同様に、センサー素子6で生成された電気信号に基づいて、センサーチップ3に加わった圧力の大きさを演算することができる。また、このようにICチップ4を省略することで、物理量センサー1の更なる小型化、低背化を図ることができる。
また、本実施形態の物理量センサー1では、センサーチップ3が備える接続端子74b’が、ボンディングワイヤー81を介してパッケージ2に設けられた端子85に電気的に接続されている。
また、本実施形態では、受圧面541がパッケージ2の開口側を向くようにセンサーチップ3を配置している関係で、接続端子74b’がベース21側に向いている。このため、ボンディングワイヤー81は、側方から見たとき、略S字状をなしている。
このような第2実施形態によっても、前述した第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
<第3実施形態>
次に物理量センサーの第3実施形態を示す断面図である。
図7は、物理量センサーの第3実施形態を示す断面図である。なお、以下の説明では、図7中の上側を「上」、下側を「下」と言う。
以下、物理量センサーの第3実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
第3実施形態の物理量センサー1では、保護部12および圧力伝搬部11の配置が異なる以外は、前述した第1実施形態と同様である。
図7に示すように、本実施形態の物理量センサー1では、保護部12が、センサーチップ3およびICチップ4の間に設けられている。また、センサーチップ3およびICチップ4からなる構造体全体の周りには圧力伝搬部11が設けられている。したがって、圧力伝搬部11は、パッケージ2の開口とセンサーチップ3とが重なる方向の断面視で、保護部12を囲むように設けられている。また、圧力伝搬部11は、パッケージ2の開口とセンサーチップ3とが重なる方向の平面視で、保護部12を囲むように設けられている。また、保護部12は、封止層76とICチップ4とに接続している。また、圧力伝搬部11は、受圧面541とICチップ4とに接続している。
受圧面541とICチップ4とが、共に、圧力伝搬部11に接続していることで、前述した第1実施形態とは異なり、受圧面541とICチップ4とが同一材料で覆われた状態となっている。このため、本実施形態の物理量センサー1では、受圧面541とICチップ4とでの熱伝導に違いがより一層生じ難く、よって、温度ヒステリシス等の問題がより一層生じ難い。
また、圧力伝搬部11が、前記構造体の上方側だけでなく側方側と下方側に設けられていることにより、パッケージ2の歪みに起因する応力を吸収することができ、前記応力が構造体に作用することにより、センサーチップ3およびICチップ4の検出性能が低下することを低減することができる。なお、圧力伝搬部11に側方側と下方側のどちらか一方にあっても同様な効果を得ることができるが、側方側にある圧力伝搬部11はパッケージ2の側面部近傍からの応力を効率よく吸収し、下方側にある圧力伝搬部11はパッケージ2の底面部近傍からの応力を効率よく吸収することができる。
また、前記構造体は、第1実施形態のように保護部12によってパッケージ2に固定されておらず、ボンディングワイヤー81単独でパッケージ2から吊り下げるようにして固定されている。ボンディングワイヤー81は、適度な剛性を有しているため、ボンディングワイヤー81単独でも、構造体をパッケージ2に対して固定することが可能である。また、ボンディングワイヤー81は、比較的細い長尺状をなし、かつ、湾曲状に撓んでいる部分を有していることで、適度な弾性(柔軟性)を有する。このため、パッケージ2に生じた歪みに起因した応力をボンディングワイヤー81にて吸収することができるため、前記応力が構造体に作用することをより一層低減することができる。
このような第3実施形態によっても、前述した第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
<第4実施形態>
次に物理量センサーの第4実施形態について説明する。
図8は、物理量センサーの第4実施形態を示す断面図である。
以下、物理量センサーの第4実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
第4実施形態は、保護部12および圧力伝搬部11の配置が異なる以外は、前述した第1実施形態と同様である。
図8に示すように、本実施形態の物理量センサー1では、保護部12が2つの圧力伝搬部11に挟まれたサンドイッチ構成となっている。すなわち、圧力伝搬部11は、保護部12に対してパッケージ2の開口側と、保護部12に対してパッケージ2の開口とは反対側とにそれぞれ設けられている。また、保護部12は、封止層76とICチップ4とに接続している。一方、圧力伝搬部11は、受圧面541とICチップ4とに接続している。
このような構成の物理量センサー1は、センサーチップ3とICチップ4とを含む構造体をボンディングワイヤー81によってパッケージ2から吊り下げるようにして固定した後、圧力伝搬部11、保護部12および圧力伝搬部11をこの順でパッケージ2内に充填することにより得ることができる。このため、前記第3実施形態に比べて製造が比較的簡単である。
このような第4実施形態によっても、前述した第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
<第5実施形態>
次に物理量センサーの第5実施形態について説明する。
図9は、物理量センサーの第5実施形態を示す断面図である。図10は、図9に示す物理量センサーが備える可撓性配線基板の配線を示す平面図である。なお、以下の説明では、図9中の上側を「上」、下側を「下」と言う。
以下、物理量センサーの第5実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
第5実施形態は、パッケージの構成が異なる以外は、前述した第1実施形態と同様である。
図9に示すように、パッケージ2は、ベース21と、壁部22に加え、さらに、可撓性配線基板25を有する。
可撓性配線基板25は、可撓性を有する基材23と、この基材23の下面側に形成された配線24とで構成されている。
図10に示すように、基材23は、その平面視形状が、正方形の枠状をなし、その中心部に、厚さ方向に開口する開口部233が形成されている。基材23の構成材料としては、可撓性を有するものであれば、特に限定されず、例えば、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルスルホン(PES)等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
配線24は、導電性を有し、センサーチップ3の電気信号をパッケージ2の外部に取り出す4つの配線部241を有している。4つの配線部241は、それぞれ、基材23の下面側に設けられ(引き回され)ており、その一端側が開口部233内に突出するように設けられている。そして、これら配線部241の開口部233内に突出している部分でフライングリード(タブテープ)27が構成されている。フライングリード27の先端部(配線部241の先端部)は、基材23から離間しており、フライングリード27の先端部に固定部材94を介してICチップ4の接続端子410が固定されている(図5参照)。このように、フライングリード27の先端部は、ICチップ4を固定する固定部を構成するとともに、ICチップ4の接続端子410を電気的に接続する端子を構成する。
配線24の構成材料としては、例えば、Ni、Pt、Li、Mg、Sr、Ag、Cu、Co、Al等の金属、これらを含むMgAg、AlLi、CuLi等の合金、ITO、SnO2等の酸化物等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
このような配線24は、導電性接着剤層82を介して、ベース21の上面に設けられた内部電極83に電気的に接続されている。なお、内部電極83は、壁部22およびベース21を貫通する貫通電極(図示せず)を介して外部電極86に電気的に接続されている。
このような第5実施形態によっても、前述した第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
<第6実施形態>
次に物理量センサーの第6実施形態について説明する。
図11は、物理量センサーの第6実施形態を示す断面図である。なお、以下の説明では、図11中の上側を「上」、下側を「下」と言う。
以下、物理量センサーの第6実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
第6実施形態は、ボンディングワイヤー81を有しておらず、代わりに接続端子95を有していることが異なる以外は、前述した第1、第3実施形態と同様である。
図11に示すように、本実施形態の物理量センサー1では、パッケージ2の凹部28の底面に、導電性を有する接続端子95が設けられている。接続端子95上には導電性接着剤96が設けられており、接続端子95は、導電性接着剤96を介してICチップ4の裏面側に露出した接続端子(図示せず)に接続されている。また、接続端子95下には導電性接着剤97が設けられており、接続端子95は、導電性接着剤97を介してベース21を貫通した貫通電極98に電気的に接続されている。これにより、ICチップ4は、接続端子95と貫通電極98とを介して外部電極86に電気的に接続されている。
なお、接続端子95および前記貫通電極98の構成材料としては、それぞれ、導電性を有していれば、特に限定されず、例えば、Cr、Ni、W、Au、Ag、Cu等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。また、導電性接着剤96、97としては、導電性および接着性を有していれば特に限定されず、例えば、エポキシ系、アクリル系、シリコン系、ビスマレイミド系、ポリエステル系、ポリウレタン系の樹脂に銀粒子等の導電性フィラーを混合した導電性接着剤や、金バンプ、銀バンプ、銅バンプ等の金属バンプ等を用いることができる
このような第6実施形態によっても、前述した第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
<第7実施形態>
次に物理量センサーの第7実施形態について説明する。
図12は、第7実施形態の物理量センサーが備える物理量センサーチップを示す断面図である。なお、以下の説明では、図12中の上側を「上」、下側を「下」と言う。
以下、物理量センサーの第7実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
第7実施形態は、センサーチップの構成が異なること以外は、前記第1実施形態と同様である。
図12に示すセンサーチップ3’は、基板35と、センサー素子6と、構造体(素子周囲構造体)37と、空洞部39と、を有している。
以下、これらの各部について順次説明する。
基板35は、板状をなしており、例えば単結晶シリコンで構成されている。この基板35の一方の面側には構造体37が設けられている。
構造体37は、SOI基板(第1のSi層361、SiO層362、第2のSi層363がこの順で積層している基板)で構成された半導体基板36と、半導体基板36上に設けられたパッシベーション膜371とを積層することで構成されている。
また、構造体37には、第2のSi層363の一部が除去されることより下側で開口する凹部391が形成されている。この凹部391によって薄肉化された部分が受圧によって撓み変形するダイヤフラム38を構成しており、構造体37の上面側が受圧面381となっている。また、構造体37の凹部391の開口を基板35で塞ぐことにより形成された空洞部39が、圧力基準室として機能する。
また、半導体基板36の第1のSi層361には、センサー素子6が形成されている。
このような構成の物理量センサー1では、受圧面381が受ける圧力に応じて、ダイヤフラム38が図12中下側(基板35側)に向かって撓み変形する。そして、このような物理量センサー1においても、第1実施形態と同様に、ダイヤフラム38の変形に伴って、ピエゾ抵抗素子61、62、63、64の抵抗値が変化することに基づき、受圧面381で受けた圧力の大きさを求めることができる。
このような第7実施形態によっても、前述した第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
2.高度計
次に、物理量センサーを備える高度計の一例について説明する。図13は、本発明の高度計の一例を示す斜視図である。
図13に示すように、高度計200は、腕時計のように、手首に装着することができる。また、高度計200の内部には、物理量センサー1が搭載されており、表示部201に現在地の海抜からの高度、または、現在地の気圧等を表示することができる。
なお、この表示部201には、現在時刻、使用者の心拍数、天候等、様々な情報を表示することができる。
3.電子機器
次に、物理量センサーを備える電子機器を適用したナビゲーションシステムについて説明する。図14は、本発明の電子機器の一例を示す正面図である。
図14に示すように、ナビゲーションシステム300には、図示しない地図情報と、GPS(全地球測位システム:Global Positioning System)からの位置情報取得手段と、ジャイロセンサーおよび加速度センサーと車速データとによる自立航法手段と、物理量センサー1と、所定の位置情報または進路情報を表示する表示部301とを備えている。
このナビゲーションシステムによれば、取得した位置情報に加えて高度情報を取得することができる。高度情報を得ることにより、例えば、一般道路と位置情報上は略同一の位置を示す高架道路を走行する場合、高度情報を持たない場合には、一般道路を走行しているのか高架道路を走行しているのかナビゲーションシステムでは判断できず、優先情報として一般道路の情報を使用者に提供してしまっていた。そこで、本実施形態に係るナビゲーションシステム300では、高度情報を物理量センサー1によって取得することができ、一般道路から高架道路へ進入することによる高度変化を検出し、高架道路の走行状態におけるナビゲーション情報を使用者に提供することができる。
なお、表示部301は、例えば液晶パネルディスプレイや、有機EL(Organic Electro-Luminescence)ディスプレイなど、小型かつ薄型化が可能な構成となっている。
なお、本発明の物理量センサーを備える電子機器は、上記のものに限定されず、例えば、パーソナルコンピューター、携帯電話、医療機器(例えば電子体温計、血圧計、血糖計、心電図計測装置、超音波診断装置、電子内視鏡)、各種測定機器、計器類(例えば、車両、航空機、船舶の計器類)、フライトシュミレーター等に適用することができる。
4.移動体
次いで、物理量センサーを備える移動体について説明する。図15は、本発明の移動体の一例を示す斜視図である。
図15に示すように、移動体400は、車体401と、4つの車輪402とを有しており、車体401に設けられた図示しない動力源(エンジン)によって車輪402を回転させるように構成されている。このような移動体400には、ナビゲーションシステム300(物理量センサー1)が内蔵されている。
以上、本発明の物理量センサー、高度計、電子機器および移動体を図示の各実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、他の任意の構成物や、工程が付加されていてもよい。また、各実施形態を適宜組み合わせてもよい。
また、前述した実施形態では、センサーチップが有するセンサー素子としてピエゾ抵抗素子を用いたものについて説明したが、圧力センサーとしては、これに限定されず、例えば、フラップ型の振動子を用いた構成や、櫛歯電極等の他のMEMS振動子や、水晶振動子等の振動素子を用いることもできる。
また、前述した実施形態では、センサーチップとICチップとがセンサーチップを上側にして重なっている構成について説明したが、反対に、ICチップを上側にして重なっていてもよい。また、センサーチップとICチップとが横方向に並んで配置されていてもよい。
1……物理量センサー
11……圧力伝搬部
12……保護部
2……パッケージ
21……ベース
22……壁部
23……基材
233……開口部
24……配線
25……可撓性配線基板
26……段差部
27……フライングリード
28……凹部(内部空間)
3、3’……センサーチップ(物理量センサーチップ)
35……基板
36……半導体基板
37……構造体
38……ダイヤフラム
39……空洞部
361……第1のSi層
362……SiO
363……第2のSi層
371……パッシベーション膜
381……:受圧面
391……:凹部
4……ICチップ
40……半導体回路
41……半導体基板
42……絶縁膜
43……表面保護膜
410、420……接続端子
5……基板
51……半導体基板
511……第1のSi層
512……SiO
513……第2のSi層
52……第1絶縁膜
53……第2絶縁膜
54……ダイヤフラム
541……受圧面
55……凹部
6……センサー素子
611、621、631、641……ピエゾ抵抗部
613、623、633、643……配線
632、642……接続部
7……素子周囲構造体
71……層間絶縁膜
72……配線層
72a、72b……配線層
73……層間絶縁膜
74……配線層
74a、74b……配線層
74b’……接続端子
741……被覆層
742……細孔
75……表面保護膜
76……封止層(壁部)
8……空洞部(圧力基準室)
9……半導体回路
91……MOSトランジスタ
60……ブリッジ回路
61、62、63、64……ピエゾ抵抗素子
81……ボンディングワイヤー
82……導電性接着剤層
83……内部電極
85……端子
86……外部電極
92、94……固定部材
95……接続端子
96、97……導電性接着剤
98……貫通電極
200……高度計
201……表示部
241……配線部
300……ナビゲーションシステム
301……表示部
400……移動体
401……車体
402……車輪

Claims (10)

  1. 圧力基準室と、受圧面を有し、撓み変形可能なダイヤフラムと、を有する物理量センサーチップと、
    開口を有し、前記物理量センサーチップを収容している内部空間を有するパッケージと、
    前記内部空間内で前記ダイヤフラムに接続している圧力伝搬部と、
    前記圧力伝搬部よりも硬い材料で構成されており、前記圧力基準室の外側に配置されている保護部と、
    を有していることを特徴とする物理量センサー。
  2. 前記物理量センサーチップは、ワイヤーを介して前記パッケージと接続している請求項1に記載の物理量センサー。
  3. さらに、ICチップを有し、
    前記センサーチップは、前記ICチップに固定されている請求項1または2に記載の物理量センサー。
  4. 前記開口と前記物理量センサーチップとが重なる方向の平面視で、前記保護部は、前記圧力伝搬部に囲まれている請求項1ないし3のいずれか1項に記載の物理量センサー。
  5. 前記開口と前記物理量センサーチップとが重なる方向の断面視で、前記保護部は、前記圧力伝搬部に囲まれている請求項1ないし4のいずれか1項に記載の物理量センサー。
  6. 前記保護部は、シリコン系樹脂、フッ素系樹脂、エポキシ樹脂およびポリイミド樹脂のうちの少なくとも一方を含む請求項1ないし5のいずれか1項に記載の物理量センサー。
  7. 前記物理量センサーチップは、圧力に応じて信号を発生する圧力センサーチップである請求項1ないし6のいずれか1項に記載の物理量センサー。
  8. 請求項1ないし7のいずれか1項に記載の物理量センサーを備えることを特徴とする高度計。
  9. 請求項1ないし7のいずれか1項に記載の物理量センサーを備えることを特徴とする電子機器。
  10. 請求項1ないし7のいずれか1項に記載の物理量センサーを備えることを特徴とする移動体。
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