JP2015230001A - 燃料噴射弁 - Google Patents

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Naoki Toda
直樹 戸田
伊藤 昌晴
Masaharu Ito
昌晴 伊藤
雅里 池本
Mari Ikemoto
雅里 池本
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Abstract

【課題】噴霧特性が改善された燃料噴射弁を提供する。
【解決手段】先端部に弁体部17を有するニードル2と、ニードルを昇降可能に収容するとともに、先端部に弁体部が当接可能なシート部5を有するノズルボディ1と、を備え、ニードルのリフトに応じて燃料噴射を制御する燃料噴射弁において、ノズルボディの最先端部にサック室13を設け、サック室を、内面半球形状の半球部13aと、シート部に接続される一端および半球部に接続される他端を有する管状部13bとで構成し、ノズルボディに、半球部に連通する噴孔4を設け、ニードルには、弁体部の先端側に形成され、先端方向に向けて収束する截頭円錐形状を有する部分17bを設ける。管状部の前記一端における直径Dsacを0.8mm以下とし、且つ弁体部とシート部との当接時における前記部分の截頭面9と前記半球部の最先端部10との距離hを0.15mm以下とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、内燃機関の燃料噴射装置に適用される燃料噴射弁に関するものである。
従来の燃料噴射弁としては、例えば特許文献1に開示されたものがある。燃料噴射弁のノズルボディにはニードルが昇降可能に収容され、それらの先端部にあるテーパ面同士の当接および離脱に応じて気筒内の燃焼室への燃料噴射を制御するよう構成されている。
特開平11−093805号公報
従来の燃料噴射弁では、低リフト状態として微少噴射量を得る際には燃料噴射が低貫徹となって噴霧が広がる一方、高リフト状態として大噴射量を得る際には高貫徹の噴射が行われる。この噴霧特性により、噴射量を微少としたパイロット噴射時には、噴霧燃料が、燃焼室に連通する噴孔の出口近傍で燃焼する。すると、続くメイン噴射時には、噴霧燃料の着火が噴孔の出口近傍の位置で生じることでスモークが発生するとともに、高貫徹に噴射された大量の燃料の火炎が燃焼室壁面に衝突することで冷却され、熱損失が発生して燃費が低下してしまう。
よって本発明は、噴霧特性が改善された燃料噴射弁を提供することを目的とする。
そのために、本発明は、先端部に弁体部を有するニードルと、該ニードルを昇降可能に収容するとともに、先端部に前記弁体部が当接可能なシート部を有するノズルボディと、を備え、前記ニードルのリフトに応じて燃料噴射を制御する燃料噴射弁であって、
前記ノズルボディは、その最先端部に設けられたサック室を有し、該サック室は、半球形状の内面を有する半球部と、前記シート部に接続される一端および前記半球部に接続される他端を有する管状部とを有し、前記ノズルボディは、前記半球部に連通する噴孔を有し、
前記ニードルは、前記弁体部の先端側に形成され、先端方向に向けて収束する截頭円錐形状を有する部分を有し、
前記管状部の前記一端における直径を0.8mm以下とし、且つ前記弁体部と前記シート部との当接時における前記部分の截頭面と前記半球部の最先端部との距離を0.15mm以下としたことを特徴とする。
本発明によれば、好ましい噴霧特性を有する燃料噴射弁、すなわちパイロット噴射にあたりニードルを低リフト状態として微少噴射量を得る際には高貫徹の噴射が行われ、メイン噴射にあたりニードルを高リフト状態として大噴射量を得る際には低貫徹の噴射が行われる燃料噴射弁を実現できる。
比較例に係る燃料噴射弁の主要部を示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る燃料噴射弁の主要部を示す断面図である。 (a)および(b)は図2の燃料噴射弁の動作を説明するための断面図である。 (a)および(b)は燃料噴射弁の主要部の好ましい寸法設定を説明するための断面図である。 いくつかの燃料噴射弁の、噴射開始からの時間に対する貫徹力の変化を示したグラフである。 本発明の規定に従って構成した燃料噴射弁の特性を示す図である。 リフト量が過大である場合に生じる問題を説明するための断面図である。 本発明の一実施形態に従ったパイロット噴射およびメイン噴射の概念を説明するためのタイミングチャートである。 本発明を適用可能なディーゼルエンジンおよびその制御系の概略構成を示す説明図である。 図2に示した主要部を適用可能な燃料噴射弁の全体的な構成を示す断面図である。 本発明に係る燃料噴射弁を制御するための制御手順の一例を示すフローチャートである。 最大リフト量を制限する構成を説明するための断面図である。 図2に示した燃料噴射弁の主要部の変形例を示す断面図である。
以下、図面を参照して本発明を詳細に説明する。
(比較例)
まず図1を用い、本発明の前提となった、比較例に係る燃料噴射弁の主要部を説明する。ノズルボディ1の先端部(図中下方を先端側とする)には、先端方向に向って収束するテーパ面を有するシート部5と、シート部5の先端側に接続された半球状のサック室3と、サック室3から燃焼室への燃料噴射通路をなす噴孔4と、が設けられている。一方、ニードル2の先端部には、シート部5のテーパ角度より僅かに小さい収束角を有するテーパ面が形成されたテーパ部分7aと、僅かに大きい収束角を有して先端側に位置するテーパ面が形成されたテーパ部分7bと、サック室3内に突入できるよう円錐形状を有して最先端部に形成された逃し部8と、を有する弁体部7が設けられている。
ノズルボディ1の内周面とニードル2の外周面との間隙部は、例えば、不図示の燃料供給ポンプから圧送されてくる燃料を高圧状態で蓄えるコモンレールに接続されている。燃料噴射を行わない場合にはニードル2は最下降位置にあり、このときテーパ部分7aおよび7bの接続部7cがシート部5に当接することで封止線が形成されて、サック室3への燃料の流入が阻止される。その状態からニードル2が上昇(リフト)すると、接続部7cがシート部5から離脱することで封止状態が解かれ、サック室3への燃料の流入ひいては噴孔4を介した燃焼室内への燃料噴射が行われる。また、燃料噴射量は、ニードル2のリフト量を調節し、ノズルボディ1の内周面とニードル2の外周面との間隙部がなす燃料流路の断面積を拡大/縮小することによって制御が可能であり、例えばパイロット噴射を行う場合にはリフト量を相対的に小(低リフト状態)とし、メイン噴射を行う場合にはリフト量を相対的に大(高リフト状態)とすることができる。
しかしながら、図1に示すような構造では、低リフト状態として微少噴射量を得る場合であっても、円錐形状の逃し部8がサック室3内に突入しており、当該突入部分を囲むサック室3の空間が大きい。このため当該突入部分の側面から剥離した流れによって噴孔4の入り口近傍に渦が発生し、サック室に連通する噴孔4にこの渦が流れ込むことによって燃料の流速が低下してしまう。従って、低リフト状態では燃焼室内への燃料噴霧が低貫徹となり、噴霧が広がることになる。一方、高リフト状態(図1に示すような状態)として大噴射量を得る際には渦が発生しないか、または噴孔4から離れた位置で発生するため、噴孔4を通る燃料の流速は低下せず、従って高貫徹の噴射が行われる。この噴霧特性により、噴射量を微少としたパイロット噴射時には、噴霧燃料が噴孔4の出口近傍で燃焼する。すると、続くメイン噴射時には、噴霧燃料の着火が噴孔4の出口近傍の位置で生じることでスモークが発生するとともに、高貫徹に噴射された大量の燃料の火炎が燃焼室壁面に衝突することで冷却され、熱損失が発生して燃費が低下してしまう。
本発明者は、以上のような知見を得て本発明をするに至ったものである。
(基本構成)
図2は、本発明の一実施形態に係る燃料噴射弁の主要部を示す断面図であり、図1に示したものと同等の機能を果たす各部には対応箇所に同一符号を付してある。
本実施形態が図1の構成と異なるのは、まずニードル2に関しては、円錐形状の逃し部8ではなく、テーパ部分7aから先端側に一様な収束角θndlを有して延在する截頭円錐形状のテーパ部分17bが形成され、その截頭面9がニードル2の終端となる弁体部17を採用した点である。また、本実施形態のノズルボディ1に関しては、その最先端部にサック室13が設けられ、サック室13は、半球形状の内面を有する半球部13aと、一端でシート部5に接続されるとともに他端で半球部13aに接続され、一定半径の円筒形状内面を有する管状部13bとを備える。ここでいう「半球形状」とは必ずしも完全な半球形状のみをいうのではなく、完全な半球形状と、これに類似する形状とを含めて「半球形状」という。すなわち「半球形状」とは略半球形状の意である。同様に「半球部」も、必ずしも完全な半球形状を有するものではなく、その意味で略半球部と言い換えることもできる。ここで、ニードル2のテーパ部分7aはシート部5の収束角より微小角度小さい収束角を有しているとともに、テーパ部分17bの収束角θndlはノズルボディ1のシート部5の収束角θnzlより大きく設定されている(例えばθndl=60゜、θnzl=59゜)。従って、図2において二点鎖線で示すように、ニードル2が最下降位置にある閉弁時には、弁体部17のテーパ部分7aとテーパ部分17bとの接続部17cがテーパ部5に当接することによって封止線が形成されるとともに、テーパ部分17bの截頭部付近がサック室13に突入した状態となる。
図3は、本実施形態の燃料噴射弁の動作を説明するための断面図であり、主要部をニードル中心軸Cndlに沿って破断した状態で示している。最下降位置にある閉弁時の状態からニードル2が上昇すると、弁体部17とシート部5との間の流路が形成され、すなわちノズルボディ1の内周面とニードル2の外周面との間隙部が形成され、この間隙部からサック室13への燃料の流入、ひいては噴孔4を介した燃焼室内への燃料噴射が行われる。この際、サック室13の入り口ではテーパ部分17bに沿った流れが生じ、その後剥離して噴孔4に流れ込む。
微小噴射量を得る低リフト時には、図3(a)に示すように、截頭面9と半球状半球部13aの最先端部10との間隙が狭くテーパ部分7bを囲むサック室13の空間が小さいため、剥離した流れによって渦が形成されにくくなるので、噴孔4内の燃料の流れは比較的乱れが少ない。従って噴霧Sの貫徹力は高く、噴霧Sは広がりが小さいものとなる。これに対し、リフトの増加に伴って截頭面9と半球部最先端部10との間の空間が拡張すると、図3(b)に示すように、ニードル2のテーパ部分17bから剥離した流れにより、截頭面9とテーパ部分17bとの稜線の近傍に渦が発生する。リフト量がある量に達すると渦中心Ecが噴孔4の入り口中心Ncに近い位置で発生し、この渦が噴孔内に流れ込むことで、噴孔4内には強い旋回流が発生する。これにより、噴孔4を出た噴霧Sは径方向の速度を持つために大きく広がり、貫徹力の増大が抑制される。
このように、本実施形態では、燃料噴射弁の構造、特にノズルボディおよびニードルの先端部の構造を適切に定めることで、サック室13内の渦形成を制御することが可能となり、所期の噴霧特性を実現することができる。すなわち、パイロット噴射のために微小噴射量を実現する低リフト時には、渦が発生し難く、噴孔内の流れの乱れが少ないので高貫徹の噴射が行われ、噴霧燃料は噴孔4の出口から離れた位置で燃焼する。一方、メイン噴射のために大噴射量を実現する高リフト時には、渦が発生するとともに、これが噴孔4内に導入されることで貫徹力の増大が抑制されるので、噴霧燃料の着火が噴孔4の出口から離れた位置で生じ、また火炎の燃焼室壁面への衝突が緩和される。これにより、噴霧特性を改善してスモークの発生や熱損失を抑制することができ、ひいては燃費低減の効果が得られる。
上述の噴霧特性が得られるよう、本発明では、図2に示すように、シート部5と接続されるサック室13の一端の直径Dsac(以下、サック径と称する。本実施形態の場合、管状部13bの内面の当該一端の径に等しい。)を0.8mm以下と規定し、ニードル2が最下降位置にあるときのニードル2の最先端部(すなわち截頭面9)からサック室13の最先端部10(すなわち半球部13aの半球状内面とニードル中心軸線との交点)までの距離すなわちクリアランスhを0.15mm以下と規定している。以下では、寸法をその規定に従って定めた理由について説明する。
図4(a)および(b)は、それぞれ、サック径Dsacが好ましく(すなわち0.8mm以下に)定められた構造および過大である(すなわち0.8mmより大である)構造について、高リフト時における燃料の流れを示している。まず、図4(a)の構造では、テーパ部分17bの内面とサック室13の内面との距離が比較的小さく、ノズルボディ1の内周面とニードル2の外周面との間隙部で形成される流路からサック室13に繋がる入り口での流路の断面積の変化が小さい。このため、サック室13に流入する燃料の速度の顕著な低下が生じない。従って、ニードル2のテーパ部分17bから剥離した流れにより発生する渦の旋回速度は大きくなり、この渦が噴孔4内に導入されることから貫徹力の増大を好ましく抑制することができる。これに対し、図4(b)の状態では、サック室13の入り口で流路断面積が大きく拡大され、流入速度の低下が生じる。従ってニードル2のテーパ部分17bから剥離した流れにより発生する渦の旋回速度が小さくなるため、この渦が噴孔4内に導入されても十分な旋回流を得ることができなくなり、貫徹力の増大を効果的に抑制することができなくなる。
図5は、サック径Dsacおよびクリアランスhを異ならせた先端部構造を有するいくつかの燃料噴射弁を用い、リフト量ゼロ(閉弁状態)から一定速度でニードル2をリフトさせたときの時間(すなわち噴射開始からの時間)に対する貫徹力の変化を示したグラフである。図5では、本発明の規定に従った燃料噴射弁、すなわち(i)Dsac=0.70mmとh=0.04mmの組み合わせ、(ii)Dsac=0.75mmとh=0.04mmの組み合わせ、および(iii)Dsac=0.70mmとh=0.11mmの組み合わせをそれぞれ有する3つの燃料噴射弁と、本発明の規定から外れた燃料噴射弁、すなわち(iv)Dsac=1.0mmとh=0.3mmの組み合わせを有する1つの燃料噴射弁の貫徹力の変化曲線を例示している。図5から明らかなように、噴射開始からの経過時間が0.2msまでの短い期間(微小噴射量に相当する)では、(i)〜(iv)のいずれの場合も概ね一様に貫徹力が増大して行く。しかしその期間を過ぎると、(i)〜(iii)の場合はいずれも(iv)の場合よりも貫徹力の増加率が小さくなり、(iv)の場合に比べて相対的に貫徹力が低くなることがわかる。従って、大噴射量となる例えば0.5ms以上の時間では、(i)〜(iii)の場合は(iv)の場合よりも貫徹力を低減したメイン噴射を行うことができる。
本発明者はこれらの場合を含む種々の組み合わせに対する検証を経て、本発明の規定、すなわちサック径Dsacを0.8mm以下且つクリアランスhを0.15mm以下とする規定に従って燃料噴射弁を構成すれば、所期の噴霧特性を実現することができることを確認した。
(リフト量の設定)
さて、図5の横軸は、閉弁状態から一定速度でニードル2をリフトさせたときの時間(噴射開始からの時間)を示しているので、その横軸は実質的にリフト量を表し、従って図5はリフト量に対する貫徹力の変化を表わしている。そして、サック径とクリアランスの組み合わせを有する(i)〜(iii)に着目すれば、本発明の規定に従った場合は、概して図6のような噴霧特性が得られる。ここで、図6の上側部分は噴射開始からの時間に対するリフト量の変化を示し、下側部分は噴射開始からの時間に対する貫徹力の変化を示している。図6の上側部分から分かるように、ニードル2は一定速度でリフトされている。従って、図6に示すような特性に基づき、パイロット噴射時とメイン噴射時とのそれぞれにおいて、好ましいリフト量の設定を行うことができる。
具体的には、噴射開始からの時間が0.2ms以下である場合に相当するリフト量を微少噴射量に対して設定すれば、所要の貫徹力が得られる。また、大噴射量に対しては、噴射開始からの時間が0.5ms以上である場合に相当するリフト量を設定することができる。
しかしながら、リフト量が過大となると、貫徹力が再び大きく増大し始めることが確認された。その理由は、図7に示すように、リフト量が大きくなるに従い、截頭面9と噴孔4の入口とのニードル中心軸Cndlの方向の位置ずれが大きくなり、渦中心Ecが噴孔入口中心Ncから遠ざかることで渦が噴孔内に流れ込みにくくなるため、噴孔4内の旋回流が弱化し、噴霧の径方向の速度が小さくなるからである。よって、図6に示すような特性に基づき、噴射開始からの時間が0.5〜1.1msである場合に相当するリフト量を大噴射量に対して設定すれば、噴孔4内の旋回流を維持し、貫徹力の増加を抑制することができる。なお、噴射開始からの時間が1.1ms超となる場合に相当するリフト量は設定しないこと、すなわち噴射開始からの時間が1.1msである場合に相当するリフト量が最大リフト量Lmaxとなるようにすることが好ましい。この点については後述する。
図8に示すように、例えば噴射開始から0.1ms経過時点に相当するリフト量Lpを定めてパイロット噴射Pを開始(燃料噴射弁をオン)し(時点tpon)、閉弁を指示する時点(燃料噴射弁をオフする時点、時点tpoff)までリフト量Lpを維持することができる。また、例えば噴射開始から0.75ms経過時点に相当するリフト量Lmを定めてメイン噴射Mを開始(燃料噴射弁をオン)し(時点tmon)、閉弁を指示する時点(燃料噴射弁をオフする時点、時点tmoff)までリフト量Lmを維持することができる。なお、パイロット噴射をオンとする期間(時点tponから時点tpoffまで)およびメイン噴射をオンとする期間(時点tmonからtmoffまでの時間)は、いずれも所要の燃料噴射量および噴射の立ち上り/立ち下がり時間を考慮して設定することが好ましい。
(内燃機関とその制御系の構成)
図9は、本発明を適用可能な内燃機関の一例としてのディーゼルエンジンと、その制御系の概略構成を示す説明図である。但し本発明はここで述べる以外の内燃機関や制御系にも適用可能である。エンジン101は、複数の気筒118を有するシリンダブロック119と、シリンダヘッド103とを備えて構成される。各気筒118内にはピストン102が収容され、各ピストン102はコネクティングロッド130を介しエンジンの出力軸であるクランクシャフト(不図示)に連結される。エンジン101には、気筒毎に燃焼室120が設けられている。各燃焼室120には吸気通路108および排気通路109が接続され、EGR弁122が介挿されたEGR通路123がそれらの通路を接続している。
シリンダヘッド103には、各気筒118の燃焼室120に燃料を噴射する燃料噴射弁110が取り付けられる。この燃料噴射弁110は、図2に示した主要部を備えるものであり、上述のようにニードル2のリフト量を変更することでパイロット噴射およびメイン噴射のオン/オフを行うことが可能なものである。気筒118ごとに設けられた燃料噴射弁110は、共通の蓄圧配管であるコモンレール111に接続され、コモンレール111がさらに供給配管を介してサプライポンプ(不図示)に接続されていることで、気筒118内への燃料の供給が可能である。一方、吸気通路108からは、スロットル弁121を介して空気が気筒118内に導入可能である。
制御ユニットをなす電子制御ユニット(以下、ECUという)106に対しては、コモンレール111内の燃料圧力を検出するレール圧センサ112、吸入する空気の温度を検出する吸気温センサ113、冷却水の温度を検出する水温センサ114、アクセルの開度を検出するアクセル開度センサ115、吸入空気量を検出する吸入空気量センサ116、クランク角を検出するクランク角センサ117、およびインテークマニフォールドの内圧を検出する吸気圧センサ128が接続され、それらの検出信号に基づいてエンジン101の運転が制御される。
図10は、図2に示した主要部を適用可能な燃料噴射弁110の全体的な構成を示す断面図である。なお、本発明の規定に従う構造および寸法を有する主要部は、図10に示した燃料噴射弁110をはじめとして、種々公知の構成を有する燃料噴射弁に適用が可能である。
図10の構成では、ノズルボディ1は締結部材202によってバルブボディ201に連結されている。バルブボディ201内には、上述したニードル2に対し、ニードルストッパ23およびバランスピストン24が順次基端側(図中上側を基端側とする)に連結された状態で収納され、これらは油密状態で摺動可能となっている。そして、バランスピストン24の上端面には、高圧通路28を介してコモンレール111から高圧燃料が供給される。また、ノズルボディ1の内周面とニードル2の外周面とによって形成される間隙には、高圧通路28に連通する高圧室204を介して高圧燃料が供給される。図に示すように、ニードル2はその基端側を拡径する段差部203を有しており、その段差部203が高圧室204に位置するようにノズルボディ1に収容されている。従って、ニードル2には、先端側にある弁体部17(特に部分7a)と高圧室204内に位置する段差部203とに作用する高圧によって、ニードル2を押し上げる押上力が作用している。一方、ニードルストッパ23の下方に隣接するニードルストッパ下部室31には、ピエゾアクチュエータ25に連結されてバルブボディ201内で油密状態で摺動可能なピエゾピストン26により加圧された燃料が供給される。
ニードルストッパ23の上方に隣接する上部室32はピエゾアクチュエータ25が収納される低圧室51に連通する。上部室32内には、バランスピストン24とともにニードルストッパ23をニードル2の閉弁方向に付勢するばね41が収納される。ピエゾピストン26内には、その下方に隣接する下部室61と低圧室51とを連通する連通路が形成され、その連通路内には下部室61から低圧室51ヘの流れを遮断する逆止弁62が配置される。また、ピエゾピストン26はばね63によりピエゾアクチュエータ25に向けて付勢されている。
ピエゾアクチュエータ25に通電されていない状態(開弁が指示されていない状態)では、上端面に常時高圧が作用しているバランスピストン24とばね41の付勢力との協働により、ニードル2が押下されて閉弁状態となっている。しかし開弁が指示されると、すなわちピエゾアクチュエータ25への通電がなされると、ピエゾアクチュエータ25が伸張してピエゾピストン26を図中下方に移動させ、これに伴ってばね63が圧縮される。ここで、ピエゾピストン26内に配置された逆止弁62により下部室61から低圧室51への燃料の流れは遮断されるため、ばね63の圧縮に伴って下部室61およびそれと連通したニードルストッパ下部室31の内圧が上昇する。この内圧の上昇によりニードルストッパ23が押し上げられ、ニードル2に作用している上述の押上力が押下力を超えた時にニードル2のリフトが開始されて開弁状態となり、上述したように噴孔4から燃焼室120へと燃料が噴射される。
以上の構成においては、ニードル2を押し下げて閉弁しようとする下向きの力(高圧燃料による圧力とばね41の付勢力に由来する)と、ニードル2を押し上げて開弁しようとする上向きの力との均衡関係に応じてニードル2のリフトのオン/オフを制御するとともに、ピエゾ素子の伸張量に応じてニードル2のリフト量を制御することができる。
図11は、図9に示した構成を用いて本発明に係る燃料噴射弁を制御するために、ECU106によって実行される制御手順の一例を示すフローチャートである。本手順では、パイロット噴射およびメイン噴射のそれぞれについて、アクセル開度センサ115によるアクセル開度の検出値とクランク角センサ117の検出値に基づいて計算されたエンジン回転数とに基づき、適切な燃料噴射量の設定および燃料噴射時期(ニードル2のリフト開始タイミング)の設定が行われる(ステップS1およびS2)。次に、同様の方法で、パイロット噴射およびメイン噴射を行う際のコモンレール圧が設定されるが(ステップS3)、この際レール圧センサ112の検出信号を用いたフィードバック制御が行われるようにする。またパイロット噴射およびメイン噴射を行う際のコモンレール圧は同一であってもよいし、異なっていてもよい。なお、これらの設定は、関数演算により実施されるものでもよいし、ECU106が有するROMに格納された所定のマップを参照することで実施されるものでもよい。
そして、ステップS4にて、ステップS1での設定に対応したピエゾアクチュエータ25の操作量すなわち伸張量(ニードル2のリフト量に対応)と、ピエゾアクチュエータ25のオン期間とを、パイロット噴射およびメイン噴射のそれぞれについて設定する。
その後、図外の制御手順に従って、ステップS2で設定したパイロット噴射の時期が来たら、図8に示したように、例えば噴射開始から0.1ms経過時点に相当するリフト量をニードル2のリフト量として設定してピエゾアクチュエータ25をオンとすることによりパイロット噴射Pを開始し(時点tpon)、所定時間が経過(時点tpoff)したらピエゾアクチュエータ25をオフとすることができる。そして、ステップS2で設定したメイン噴射の時期が来たら、図8に示したように、例えば噴射開始から0.75ms経過時点に相当するリフト量をニードル2のリフト量として設定してピエゾアクチュエータ25をオンとすることによりメイン噴射Mを開始し(時点tmon)、所定時間が経過(時点tmoff)したらピエゾアクチュエータ25をオフとすることができる。
(その他の実施形態)
なお、本発明は、以上説明した実施形態に限定されることなく、種々の変形または変更が可能である。例えば、上述の実施形態では、パイロット噴射およびメイン噴射のそれぞれについて固定されたリフト量を用いるようにしたが、適宜変更されるようにしてもよい。そして、リフト量を固定する場合であっても、また変更可能とする場合であっても、図6から明らかなように、パイロット噴射に際しては0ms超で0.2ms以下の期間内のどの時間に対応したリフト量でも使用可能であり、メイン噴射に際しては0.5ms以上で1.1ms以下の期間内のどの時間に対応したリフト量でも使用可能である。
また、メイン噴射に対しては、噴孔4内の旋回流を維持できる最大のリフト量を、上述したように図6の特性を考慮して設定するようにしてもよい。この場合は、図12に示すように、ニードル2が最大リフトしたときのニードル先端すなわち截頭面9の位置が、噴孔4の中心軸Cnzlとニードル2の中心軸Cndlとの交点Cpからリフト方向に噴孔4の半径d/2だけ離れた位置となるように、最大リフト量を設定する構成を採用することができる。これによれば、テーパ部分17bと截頭面9との稜部近傍で発生する渦の中心を、噴孔4の入り口の中心軸Cnzl方向の高さ範囲内にほぼ収める(オーバーラップさせる)ことで、渦を確実に噴孔に流れ込ませることができる。なお、図6に示すように、この最大リフト量Lmaxは、例えば噴射開始からの時間が1.1msである場合のリフト量に相当する。
さらに上述の実施形態においては、サック室13の管状部13bを半径一定の円筒形状の内面を有するものとした。しかし当該部分は、例えば図13に示すように、シート部5と繋がる部分から半球部13aに向うにつれて収束するテーパ面を有する管状部13b’であってもよい。この場合も、サック径Dsacは、シート部5に接続される管状部13b’の一端における内径である。また、管状部13b’のテーパ面の収束角θsacは、弁体部17の截頭円錐形状のテーパ部分17bの収束角θndl未満とすることができる。
1 ノズルボディ
2 ニードル
5 シート部
17 弁体部
13 サック室
4 噴孔
9 截頭面
10 半球部最先端部
13a 半球部
13b、13b’ 管状部
110 燃料噴射弁

Claims (1)

  1. 先端部に弁体部を有するニードルと、該ニードルを昇降可能に収容するとともに、先端部に前記弁体部が当接可能なシート部を有するノズルボディと、を備え、前記ニードルのリフトに応じて燃料噴射を制御する燃料噴射弁であって、
    前記ノズルボディは、その最先端部に設けられたサック室を有し、該サック室は、半球形状の内面を有する半球部と、前記シート部に接続される一端および前記半球部に接続される他端を有する管状部とを有し、前記ノズルボディは、前記半球部に連通する噴孔を有し、
    前記ニードルは、前記弁体部の先端側に形成され、先端方向に向けて収束する截頭円錐形状を有する部分を有し、
    前記管状部の前記一端における直径を0.8mm以下とし、且つ前記弁体部と前記シート部との当接時における前記部分の截頭面と前記半球部の最先端部との距離を0.15mm以下としたことを特徴とする燃料噴射弁。
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