JP2015225236A - 投影部材、ヘッドアップディスプレイ装置、及び偏光サングラス - Google Patents

投影部材、ヘッドアップディスプレイ装置、及び偏光サングラス Download PDF

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Abstract

【課題】虚像の視認性を高める投影部材を提供する。
【解決手段】車両に搭載され、光源光を利用して画像を乗員により視認可能に虚像表示するヘッドアップディスプレイ装置10において、画像が投影される投影部材40は、乗員を向く表側において第1面42aを有し、偏光状態を維持する第1透光板42と、表側に対して反対の裏側において第2面44aを有し、偏光状態を維持する第2透光板44と、第1透光板42と第2透光板44との間に挟まれ、進相軸及び進相軸に対して位相を遅らせる遅相軸を有する位相差板46とを備える。光源光は、入射断面に沿って第1面42aに斜めに入射し、かつ、s偏光成分及びp偏光成分の両方を含み、位相差板46の遅相軸は、入射断面に対して傾いている。
【選択図】図4

Description

本発明は、投影部材、ヘッドアップディスプレイ装置(以下、HUD装置を略称とする)、及び偏光サングラスに関する。
従来、移動体に搭載され、光源光を利用して画像を乗員により視認可能に虚像表示するHUD装置において、虚像が投影される投影部材が知られている。特許文献1に開示の投影部材では、乗員を向く表側において第1面を有し、偏光状態を維持する第1透光板と、表側に対して反対の裏側において第2面を有し、偏光状態を維持する第2透光板と、第1透光板と第2透光板との間に挟まれ、進相軸及び進相軸に対して位相を遅らせる遅相軸を有する位相差板とを備えている。そして、光源光は、入射断面に沿って第1面に斜めにs偏光の光が入射する。そして、位相差板は、偏光方向を90°回転させる1/2波長板である。
特開平10−96874号公報
特許文献1に開示の投影部材では、位相差板を透過する光源光は、p偏光成分となることで、表側の第1面での反射率に対し、裏側の第2面での反射率が小さくなることで、2重像を抑制することが可能となっている。しかしながら、裏側の第2面での反射率が小さくなることで、虚像の輝度が低下するため、虚像の視認性を十分高めることができなかった。
また、乗員が、一般的に遮断軸が水平方向に固定されている偏光サングラスを装用している場合には、s偏光の光源光だけでは、虚像を十分視認することができなかった。
本発明は、以上説明した問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、虚像の視認性を高める投影部材、HUD装置、及び偏光サングラスを提供することにある。
開示される発明のひとつとしての投影部材は、移動体(1)に搭載され、光源光を利用して画像を乗員により視認可能に虚像表示するヘッドアップディスプレイ装置(10)において、画像が投影される投影部材であって、乗員を向く表側において第1面(42a,242a)を有し、偏光状態を維持する第1透光板(42,242)と、表側に対して反対の裏側において第2面(44a,244a)を有し、偏光状態を維持する第2透光板(44,244)と、第1透光板と第2透光板との間に挟まれ、進相軸(46a)及び進相軸に対して位相を遅らせる遅相軸(46b)を有する位相差板(46)とを備え、光源光は、入射断面(PI)に沿って第1面に斜めに入射し、かつ、s偏光成分及びp偏光成分の両方を含み、位相差板の遅相軸は、入射断面に対して傾いていることを特徴とする。
このような発明によると、偏光状態を維持する第1透光板のうち表側の第1面に、入射断面に沿って斜めに入射し、かつ、s偏光成分及びp偏光成分の両方を含む光源光は、表側の第1面において、s偏光成分を中心に反射され、p偏光成分を中心に第1透光板を透過する。ここで、位相差板は、入射断面に対して遅相軸が傾いている状態で第1透光板と第2透光板との間に挟まれている。この位相差板の作用により、第1透光板を透過したp偏光成分を中心とする光源光の偏光方向は、s偏光側に回転される。さらに、裏側の第2面を有し、偏光状態を維持する第2透光板によれば、位相差板を透過してs偏光側に回転した光源光は、当該第2面で反射率が高い状態で表側に反射されるので、乗員により視認される虚像の輝度を高めることができる。したがって、虚像の視認性を高めることができる。
さらに、裏側の第2面で反射された光源光は、再び位相差板を透過し、当該光源光の偏光方向は、p偏光の方向である入射断面に対して傾いている遅相軸を有する位相差板の作用により、再びp偏光の方向側に回転される。これによれば、特に乗員が一般的な偏光サングラスを装用している場合であっても、表側の第1面を反射しs偏光成分を中心とする光源光と、裏側の第2面を反射しp偏光成分を中心とする光源光の両方が一般的な偏光サングラスに入射するので、虚像を視認することができる。
開示される発明の他のひとつとしてのヘッドアップディスプレイ装置は、移動体(1)に搭載され、投影部材(40,240)に画像を投影することにより、画像を乗員により視認可能に虚像表示するヘッドアップディスプレイ装置であって、光源光を発する光源(12)と、光源光を投影部材に入射させる光学系(14)とを設けてなり、投影部材は、乗員を向く表側において第1面(42a,242a)を有し、偏光状態を維持する第1透光板(42,242)と、表側に対して反対の裏側において第2面(44a,244a)を有し、偏光状態を維持する第2透光板(44,244)と、第1透光板と第2透光板との間に挟まれ、進相軸(46a)及び進相軸に対して位相を遅らせる遅相軸(46b)を有する位相差板(46,246)とを備え、光学系は、遅相軸に対して傾く入射断面(PI)に沿って、光源光を第1面に斜めに入射させ、かつ、s偏光成分及びp偏光成分の両方を含むように入射させることを特徴とする。
このような発明によると、光源により発せられた光源光を、光学系により、入射断面に沿って第1面に斜めに入射させ、かつ、s偏光成分及びp偏光成分の両方を含むように入射させる。このような光源光は、表側の第1面において、s偏光成分を中心に反射され、p偏光成分を中心に第1透光板を透過する。ここで、位相差板は、入射断面に対して遅相軸が傾いている状態で第1透光板と第2透光板との間に挟まれている。この位相差板の作用により、第1透光板を透過したp偏光成分を中心とする光源光の偏光方向は、s偏光側に回転される。さらに、裏側の第2面を有し、偏光状態を維持する第2透光板によれば、位相差板を透過してs偏光側に回転した光源光は、当該第2面で反射率が高い状態で表側に反射されるので、乗員により視認される虚像の輝度を高めることができる。したがって、虚像の視認性を高めることができる。
さらに、裏側の第2面で反射された光源光は、再び位相差板を透過し、当該光源光の偏光方向は、p偏光の方向である入射断面に対して傾いている遅相軸を有する位相差板の作用により、再びp偏光の方向側に回転される。これによれば、特に乗員が一般的な偏光サングラスを装用している場合であっても、表側の第1面を反射しs偏光成分を中心とする光源光と、裏側の第2面を反射しp偏光成分を中心とする光源光の両方が一般的な偏光サングラスに入射するので、虚像を視認することができる。
開示される発明の他のひとつとしての偏光サングラスは、移動体(1)に搭載され、光源光を用いて投影部材(240)に画像を投影することにより、画像を乗員により視認可能に虚像表示するヘッドアップディスプレイ装置(10)に利用される偏光サングラスであって、乗員の眼(4)に向かって入射しようとする入射光の偏光方向(DPS)に応じて入射光を透過させる透過軸(274c)及び入射光を遮断する遮断軸(274d)を有する偏光子(274b)を設けてなり、投影部材は、乗員を向く表側において第1面(242a)を有し、偏光状態を維持する第1透光板(242)と、表側に対して反対の裏側において第2面(244a)を有し、偏光状態を維持する第2透光板(244)と、第1透光板と第2透光板との間に挟まれ、進相軸(46a)及び進相軸に対して位相を遅らせる遅相軸(46b)を有する位相差板(246)とを備え、遮断軸は、位相差板のリタデーション値(R)に応じて設定されることを特徴とする。
移動体に搭載され、一般的に遮断軸が水平方向に固定されている偏光サングラスを装用しても、移動体前方の景色において水面や雪面に反射された太陽光等の外光が、投影部材を透過するときに位相差板によって偏光方向が変わるため、偏光サングラスとしての機能を十分に発揮できない。ここで、位相差板のリタデーション値に応じて遮断軸が設定される偏光サングラスでは、水面や雪面に反射された太陽光等の眩しい外光を十分に遮断することができるので、虚像のコントラストが高まり、視認性を高めることができる。
なお、括弧内の符号は、記載内容の理解を容易にすべく、後述する実施形態において対応する構成を例示するものに留まり、発明の内容を限定するものではない。
第1実施形態におけるHUD装置及び投影部材の車両への搭載状態を示す模式図である。 第1実施形態におけるHUD装置の構成を示す斜視図である。 第1実施形態における投射器の構成を示す斜視図である。 第1実施形態における入射断面に沿った投影部材の断面を部分的に示す図であって、光源光の第1面への入射及び第1面及び第2面での反射を説明するための模式図である。 第1実施形態における光源光の第1面への入射を説明するための模式図である。 比較例におけるシミュレーション結果を示すグラフである。 比較例におけるシミュレーション結果を示すグラフである。 第1実施形態におけるシミュレーション結果を示すグラフである。 第1実施形態におけるシミュレーション結果を示すグラフである。 第1実施形態における追加シミュレーション結果を示すグラフである。 第1実施形態における追加シミュレーション結果を示すグラフである。 第2実施形態における図1に対応する図である。 第2実施形態における図4に対応する図である。 第2実施形態における偏光サングラスを示す斜視図である。 変形例1における図1に対応する図である。
以下、本発明の複数の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各実施形態において対応する構成要素には同一の符号を付すことにより、重複する説明を省略する場合がある。各実施形態において構成の一部分のみを説明している場合、当該構成の他の部分については、先行して説明した他の実施形態の構成を適用することができる。また、各実施形態の説明において明示している構成の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示していなくても複数の実施形態の構成同士を部分的に組み合せることができる。
(第1実施形態)
図1に示すように、本発明の第1実施形態によるHUD装置10は、移動体の一種である車両1に搭載され、インストルメントパネル2内に収容されている。HUD装置10は、光源光を利用して、画像を投影部材40に投影することにより、当該画像を乗員により視認可能に虚像表示する。すなわち、投影部材40に反射される画像としての光源光が、車両1の室内において乗員の眼4に到達し、乗員が当該光源光を知覚する。そして、乗員は、虚像表示される各種情報を認識することができる。虚像3として表示される各種情報としては、例えば、車速、燃料残量等の車両状態値、又は道路情報、視界補助情報等の車両情報が挙げられる。
HUD装置10は、図2,3に示すように、光源12、及び光学系14等を設けてなる。光源12は、図3に示すように、例えば発光ダイオードからなる発光素子であり、光源用回路基板13上に配置されている。光源は、光源用回路基板13上の配線パターン(図示しない)を通じて、制御回路及び電源(図示しない)と電気的に接続されている。光源12は、通電により電流量に応じた発光量にて光源光を発する。これにより、光源12は、光源光を光学系14に向けて投射する。より詳細には、光源12は、例えば青色発光ダイオードを蛍光体で覆うことにより、疑似白色での発光が実現されている。
光学系14は、図2,3に示すように、集光レンズ20、拡散板22、投射レンズ24、液晶パネル26、平面鏡28、及び凹面鏡30を有している。光学系14は、光源12からの光源光を投影部材40に入射させる。
ここで、光源12、集光レンズ20、拡散板22、投射レンズ24、及び液晶パネル26は、箱状の投射器ケース16aに収容され、図3に示す投射器16を構成している。
集光レンズ20は、合成樹脂ないしはガラス等からなる透光性の凸レンズであり、投射器16において光源12と拡散板22との間に配置されている。集光レンズ20は、光源12からの光源光を集光して拡散板22に向けて射出する。
拡散板22は、光拡散材が練り込まれたポリカーボネイト等の合成樹脂により形成された半透明又は乳白色の板であり、集光レンズ20と投射レンズ24との間に配置されている。拡散板22は、拡散により輝度の均一性を調整した光源光を投射レンズ24に向けて射出する。
投射レンズ24は、合成樹脂ないしはガラス等からなる透光性の凸レンズであり、拡散板22と液晶パネル26との間に配置されている。投射レンズ24は、拡散板22からの光源光を集光して液晶パネル26に向けて投射する。
液晶パネル26は、光源12側の面に入射した光源光の一部を透過することにより画像を形成し、当該画像を平面鏡28側の面から発光表示する透過型液晶パネルである。具体的に、2次元方向に配された複数の液晶画素から形成されるドットマトリクス型のTFT(Thin Film Transistor)液晶パネルである。投射レンズ24からの光源光は、液晶パネル26中の偏光板(図示しない)を透過することにより、所定の偏光方向を有する直線偏光に変換される。特に本実施形態における所定の偏光方向は、画像の水平方向に対して45°の角度をなす方向となっている。ここで、本実施形態における偏光方向とは、直線偏光の光においては電場の振動方向、楕円偏光の光においては電場の振幅が最大となる楕円の長軸方向を意味するものとする。
このようにして、投射器16は、直線偏光の光源光を、平面鏡28へ向けて投射する。
図2に示すように、平面鏡28は、合成樹脂ないしはガラス等からなる基材の表面に、反射面28aとしてアルミニウムを蒸着させること等により形成されている。反射面28aは、滑らかな平面上に形成されている。そして、平面鏡28は、液晶パネル26からの光源光を、凹面鏡30に向けて反射する。
凹面鏡30は、合成樹脂ないしはガラス等からなる基材の表面に、反射面30aとしてアルミニウムを蒸着させること等により形成されている。反射面30aは、凹面鏡30の中心が凹む凹面として、滑らかな曲面状に形成されている。そして、凹面鏡30は、平面鏡28からの光源光を投影部材40に向けて反射する。
第1実施形態の投影部材40は、車両1のウインドシールドとして合わせガラス状の板状に、車両1と一体に形成されている。図4に拡大して示すように、投影部材40は、表側の第1透光板42、裏側の第2透光板44、及び第1透光板42と第2透光板44との間に挟まれている位相差板46を備えている。ここで、投影部材40における表側とは、乗員を向く側であり、また裏側とは、表側に対して反対側である。
第1透光板42は、例えばガラスにより透光性の板状に形成され、投影部材40において、位相差板46に対して表側に配置されている。第1透光板42において表側は、車両1室内の空間との界面としての第1面42aを形成している。特に第1実施形態では、第1面42aにおいて画像が投影される箇所は、滑らかな平面状に形成されている。一方、第1透光板42において裏側は、位相差板46と接合されている平面状の接合面42bを形成している。このような第1透光板42は、媒質中において光源光の偏光状態を実質的に維持するようになっている。
第2透光板44は、例えばガラスにより透光性の板状に形成され、投影部材40において、位相差板46に対して裏側に配置されている。第2透光板44において裏側は、車両1室外の空間との界面としての第2面44aを形成している。特に第1実施形態では、第2面44aにおいて画像が投影される箇所は、滑らかな平面状に形成されている。一方、第2透光板44において表側は、位相差板46と接合されている平面状の接合面44bを形成している。このような第2透光板44は、媒質中において光源光の偏光状態を実質的に維持するようになっている。
位相差板46は、例えば合成樹脂により透光性の板状ないしはフィルム状に形成され、両接合面42b,44bにおいて第1透光板42及び第2透光板44と接合されている。位相差板46は、接合面42b,44bの接線方向に沿って、進相軸46a及び当該進相軸46aに対して位相を遅らせる遅相軸46bを有している。すなわち、進相軸46aに沿った方向の屈折率ηFに対し、遅相軸46bに沿った方向の屈折率ηSが大きくなっている。
また、投影部材40では、第1透光板42の屈折率η1と空間の屈折率η0との差は、屈折率η1と屈折率ηF及びηSとの差よりも大きく設定されている。同様に、第1透光板42の屈折率η1と空間の屈折率η0との差は、屈折率η1と屈折率ηF及びηSとの差よりも大きく設定されている。
なお、第1実施形態では、第1面42aと第2面44aとは、実質平行に形成されており、互いの間隔DSTは任意の箇所において実質一定となっている。また、位相差板46の板厚TRは、実質一定となっている。
図4,5に示すように、このような投影部材40の第1面42aに、光学系14は、入射断面PIに沿って斜めに入射させるようになっている。ここで、本実施形態における入射断面PIとは、第1面42aに入射する光源光の光線と、当該光線が第1面42aに入射する箇所における第1面42aの法線NIを含む平面である。そして、特に本実施形態では、光源光における電場の振動する成分のうち、入射断面PIに垂直な成分をs偏光成分とし、入射断面PIに平行な成分をp偏光成分とする。このとき、光源光は、光学系14により、s偏光成分とp偏光成分との両方を含むように第1面42aに入射するようになっている。
そして、位相差板46の遅相軸46bは、入射断面PIに対して傾いて配置されている。
本実施形態のように車両1に搭載されるHUD装置10及び投影部材40においては、光学系14からの光源光が車両1の上下方向D1に対して車両1の左右方向D2に角度β傾いた方向から、投影部材40の第1面42aに入射する。すなわち、入射断面PIは、車両1の上下方向D1に対して角度β傾いている。また、光学系14からの光源光は、入射断面PI内において、入射角αで投影部材40の第1面42aに入射する。
ここで、投影部材が位相差板46を含まず、ガラス単板である場合を、比較例とする。比較例のシミュレーションについて図6,7を用いて以下に説明する。
比較例に対して、第1実施形態に係るHUD装置10及び投影部材40のシミュレーションについて図8,9を用いて以下に説明する。
第1実施形態に係るシミュレーションの条件を説明する。入射角αは、65°である。また、光学系14から第1面42aに入射する光源光は、入射断面PIに対する角度φとして45°傾く偏光方向DP0を有する直線偏光である。光学系14から第1面42aに入射する光源光の波長λは、550nmである。なお、本シミュレーションにおける入射断面PIの傾き角度βは、−5°である。ここで、角度βが負の値の場合、入射断面PIは、上下方向D1に対して、図5のβを示す矢印とは逆方向に傾くものとする(すなわち、図5における光学系14と眼4との位置を左右入れ替えた配置となる)。
また、投影部材40において、第1透光板42は、板厚T1が5mm、波長λに対する屈折率η1が1.51633である。また、第2透光板44は、板厚T2が5mm、波長λに対する屈折率η2が1.51633である。位相差板46の板厚TRは、0.2mmである。位相差板46のリタデーション値Rは、λ/2である。位相差板46の遅相軸46bの入射断面PIに対する角度θは、45°である。
なお、比較例のシミュレーションでは、HUD装置に対する投影部材の配置は、第1実施形態に係るシミュレーションと同様である。比較例の投影部材では、ガラス単板の板厚はT1+T2+TRとする。比較例のシミュレーションにおいてHUD装置10の内部の構成は、第1実施形態に係るシミュレーションと同条件となっている。
図6,図8に示すグラフは、各投影部材と乗員の眼4との間に偏光サングラスを想定した偏光板60(図1の破線参照)を配置し、当該偏光板60を透過して乗員の眼4に入射する光源光の輝度をcd/m単位で示す。円周方向の軸は、偏光板60の透過軸60aの方向を角度として示す。具体的に、図6における0°方向とは、透過軸60aが車両1の上下方向D1と一致する方向を示し、90°方向とは、透過軸60aが車両1の左右方向D2と一致する方向を示す。なお、一般的な偏光サングラスでは、透過軸60aの方向が90°となる。また、径方向の軸は、透過軸60aが各方向である場合の輝度を示している。
比較例では、図6に示すように、偏光板60を透過して乗員の眼4に入射する光源光の輝度は、透過軸60aを回転させると、90°に近い角度において輝度大きく変動すると共に極小値Lminをとる。一般的な偏光サングラスに対応する90°では、輝度はピーク方向の1/5程度しか得られない。また、乗員が一般的な偏光サングラスを装用した場合に、首を横に傾げる等して透過軸60aが回転すると、輝度の極小値Lminを跨ぐことが想定され、輝度の変動により視認性が悪化することが懸念される。
一方、第1実施形態に係るシミュレーションでは、図8に示すように、偏光板60を透過して乗員の眼4に入射する光源光の輝度は、偏光板60の透過軸60aを回転させても、全方向において比較例より高く、かつ極小値Lminはあるものの変動が少ない。したがって、乗員が一般的な偏光サングラスを装用した場合に、首を横に振る等して透過軸60aが回転しても、比較例よりも虚像3の輝度の変動が少ないことが想定される。偏光板60の透過軸60aの方向が90°である場合であっても、輝度はピーク方向の1/2以上の輝度を得られている。
さらなる理解を得るため、図7,9に示すグラフを用いて各面を反射する光源光の偏光方向DP1,DP2について説明する。なお、図7,9における偏光は、車両1の上下方向D1に沿って電場が振動する光源光をp偏光、また、車両1の左右方向D2に沿って電場が振動する光源光をs偏光としているので、注意されたい。
比較例では、図7に示すように、表側の第1面に反射された光源光の偏光方向DP1、及び裏側の第2面に反射された光源光の偏光方向DP2は共に、表側の第1面に入射する光源光の偏光方向DP0よりもs偏光側となる。
一方、第1実施形態に係るシミュレーションでは、図9に示すように、第1面42aに反射された光源光の偏光方向DP1は比較例と同様に、第1面42aに入射する光源光の偏光方向DP0よりもs偏光側となっている。ところが、第2面44aに反射された光源光の偏光方向DP2は比較例と異なり、第1面42aに入射する光源光の偏光方向DP0よりもp偏光側となる。
本発明者は、第1実施形態に係るHUD装置10及び投影部材40について、裸眼輝度、さらにサングラス輝度を十分に得るための位相差板46の条件についてさらに追加シミュレーションを実施した。すなわち、位相差板46のリタデーション値Rを変え、また、遅相軸46bの方向を変えた場合の、乗員の眼4に入射する光源光の輝度を調べた。これについて図10,11を用いて説明する。ここで、本実施形態における裸眼輝度とは、裸眼の乗員により視認される虚像3の輝度であり、またサングラス輝度とは、前述の一般的な偏光サングラスを装用した乗員により視認される虚像3の輝度である。
追加シミュレーションの条件を説明する。入射角αは、65°である。また、光学系14から第1面42aに入射する光源光は、入射断面PIに対する角度φとして45°傾く偏光方向DP0を有する直線偏光である。光学系14から第1面42aに入射する光源光の波長λは、550nmである。なお、本シミュレーションにおける入射断面PIの傾き角度βは、5°である。
また、投影部材40において、第1透光板42は、板厚T1が5mm、波長λに対する屈折率η1が1.51633である。また、第2透光板44は、板厚T2が5mm、波長λに対する屈折率η2が1.51633である。位相差板46の板厚TRは、0.2mmである。
また、HUD装置10における光源12の発光量は、上述の図8,9に対応するシミュレーションとは異なる。
このような条件において、位相差板46のリタデーション値Rを0〜λまで変え、遅相軸46bの方向として角度θを0〜90°まで変えた。
図10,11に示すグラフは、x軸にリタデーション値Rを取り、y軸に遅相軸46bの角度θを取り、また、z軸に輝度(図10では裸眼輝度、図11ではサングラス輝度)を取っている。
図10に示すように、裸眼輝度は、リタデーション値Rが略λ/2である位置において2つの極値L1,L2を取る。一方の極値である極小値L1周辺では、特許文献1のように位相差板46を透過する光源光の偏光方向がp偏光側に回転していると推測され、第2面44aの反射率が低くなり、裸眼輝度が5,000cd/mを下回る。他方の極値である極大値L2周辺では、反対に裸眼輝度が7,000cd/mを超える。
図11に示すように、サングラス輝度は、リタデーション値Rが略λ/2である位置において極大値L3を有する。極大値L3周辺では、サングラス輝度が1,000cd/mを超える。なお、追加シミュレーションにおいても、遅相軸46bの角度θは、入射断面PIに対する角度である。例えば遅相軸46bの角度θが0°であれば遅相軸46bが入射断面PIに沿って配置されていることとなり、遅相軸46bの角度θが45°であれば、遅相軸46bが本実施形態における第1面42aに入射する光源光の偏光方向DP0と一致して配置されることとなり、また、遅相軸46bの角度が90°であれば、遅相軸46bが入射断面PIと直交して配置されることとなる。
したがって、裸眼輝度がリタデーション値Rが0の場合よりも高くなるような位相差板46の条件として、遅相軸46bは、入射断面PIに対して40〜80°をなすことが好ましい。また、リタデーション値Rについては、2/7・λ≦R≦5/7・λが成立することが好ましい。なお、これらの条件において、サングラス輝度が1,000cd/mを超えることも考慮されている。
(作用効果)
以上説明した第1実施形態の作用効果を以下に説明する。
第1実施形態による投影部材40において、偏光状態を維持する第1透光板42のうち表側の第1面42aに、入射断面PIに沿って斜めに入射し、かつ、s偏光成分及びp偏光成分の両方を含む光源光は、表側の第1面42aにおいて、s偏光成分を中心に反射され、p偏光成分を中心に第1透光板42を透過する。ここで、位相差板46は、入射断面PIに対して遅相軸46bが傾いている状態で第1透光板42と第2透光板44との間に挟まれている。この位相差板46の作用により、第1透光板42を透過したp偏光成分を中心とする光源光の偏光方向は、s偏光側に回転される。さらに、裏側の第2面44aを有し、偏光状態を維持する第2透光板44によれば、位相差板46を透過してs偏光側に回転した光源光は、当該第2面44aで反射率が高い状態で表側に反射されるので、乗員により視認される虚像3の輝度を高めることができる。したがって、虚像3の視認性を高めることができる。
さらに、裏側の第2面44aで反射された光源光は、再び位相差板46を透過し、当該光源光の偏光方向は、p偏光の方向である入射断面PIに対して傾いている遅相軸46bを有する位相差板46の作用により、再びp偏光の方向側に回転される。これによれば、特に乗員が一般的な偏光サングラスを装用している場合であっても、表側の第1面42aを反射しs偏光成分を中心とする光源光と、裏側の第2面44aを反射しp偏光成分を中心とする光源光の両方が一般的な偏光サングラスに入射するので、虚像3を視認することができる。
また、第1実施形態によると、入射断面PIに対して40〜80°をなす遅相軸46bによれば、光源光の偏光方向が確実にs偏光側に回転するので、乗員により視認される虚像3の輝度を高めることができる。
また、第1実施形態によると、2/7・λ≦R≦5/7・λが成立する。これによれば、第1透光板42を透過した光源光がp偏光成分を中心としたままになること回避できるので、虚像3の視認性を高めることができる。
また、第1実施形態によるHUD装置10は、光源により発せられた光源光を、光学系14により、入射断面PIに沿って第1面42aに斜めに入射させ、かつ、s偏光成分及びp偏光成分の両方を含むように入射させる。このような光源光は、表側の第1面42aにおいて、s偏光成分を中心に反射され、p偏光成分を中心に第1透光板42を透過する。ここで、位相差板46は、入射断面PIに対して遅相軸46bが傾いている状態で第1透光板42と第2透光板44との間に挟まれている。この位相差板46の作用により、第1透光板42を透過したp偏光成分を中心とする光源光の偏光方向は、s偏光側に回転される。さらに、裏側の第2面44aを有し、偏光状態を維持する第2透光板44によれば、位相差板46を透過してs偏光側に回転した光源光は、当該第2面44aで反射率が高い状態で表側に反射されるので、乗員により視認される虚像3の輝度を高めることができる。したがって、虚像3の視認性を高めることができる。
さらに、裏側の第2面44aで反射された光源光は、再び位相差板46を透過し、当該光源光の偏光方向は、p偏光の方向である入射断面PIに対して傾いている遅相軸46bを有する位相差板46の作用により、再びp偏光の方向側に回転される。これによれば、特に乗員が一般的な偏光サングラスを装用している場合であっても、表側の第1面42aを反射しs偏光成分を中心とする光源光と、裏側の第2面44aを反射しp偏光成分を中心とする光源光の両方が一般的な偏光サングラスに入射するので、虚像3を視認することができる。
(第2実施形態)
図12〜14に示すように、本発明の第2実施形態は第1実施形態の変形例である。
第2実施形態の投影部材240において、第1透光板242、第2透光板244、及び位相差板246は共同して、図12,13に示すように、投影部材240のうち画像が投影される箇所において間隔変化部248を形成している。間隔変化部248においては、第1面242aと第2面244aとの間隔DSTが入射側から反射側に向かう程増大変化している。ここで、本実施形態における入射側とは、入射断面PIにおける第1面242aに入射する箇所に対して光源光が入射する側であり、反射側とは、入射断面PIにおける第1面242aに入射する箇所に対して光源光が第1面242aにより反射される側である。換言すると、入射する箇所の法線NIを挟んで、光源光が入射する側が入射側であり、光源光が反射される側が反射側である。
このような間隔変化部248において、位相差板246の板厚TRは、実質一定に形成されている。すなわち第2実施形態では、間隔変化部248において、第1透光板242及び第2透光板244の板厚T1,T2が入射側から反射側に向かう程増大変化するように形成されている。
このような投影部材240に画像を投影することにより、画像を乗員により視認可能に虚像表示するHUD装置10において、第2実施形態では、図12に示すように、乗員によって偏光サングラス270が利用されている。
偏光サングラス270は、図14に示すように、フレーム部272、及び一対の偏光フィルタ部274を備えている。フレーム部272は、乗員の耳に引っ掛けることで偏光サングラス270を保持する一対のテンプル部272a、一対の偏光フィルタ部274を保持する一対のリム部272b、及び一対のリム部272bを接続するブリッジ部272c等を有している。そして、フレーム部272は、実質的に左右対称に形成されている。
一対の偏光フィルタ部274は、それぞれ乗員の左眼又は右眼に入射する入射光を制御する。各偏光フィルタ部274は、例えばポリカーボネイト等の合成樹脂からなる基材274aにおいて、乗員の眼4とは反対側に偏光子としての偏光フィルム274bが貼り付けられて形成されている。このような偏光フィルタ部274は、例えば、乗員の眼4とは反対側の表面が凸となり、かつ、乗員の眼4の側の表面が凹となるメニスカス形状に形成されている。なお、偏光フィルタ部274は、実質的に屈折力を有していなくてもよく、屈折力が与えられることにより乗員により視認される像(虚像3を含む)の結像状態を補正するものであってもよい。
偏光フィルム274bは、例えばポリビニルアルコールにヨウ素を添加して形成されている。ヨウ素分子の配向方向によって、偏光フィルム274bは、乗員の眼4に向かって入射しようとする入射光の偏光方向DPSに応じて当該入射光を透過させる透過軸274c、及び当該入射光を遮断する遮断軸274dを有している。特に本実施形態では、透過軸274cと遮断軸274dとは、実質直交しており、また、遮断軸274dは、入射光を吸収するようになっている。
遮断軸274dは、その方向を、投影部材240の位相差板246のリタデーション値Rに応じて設定されている。例えば、特に第2実施形態において、R=λ/2、遅相軸46bの角度θが移動体である車両1の上下方向D1に対して45°をなす場合では、遮断軸274dは、垂直方向に沿って設定されている。すなわち、遮断軸274dは、偏光サングラス270のフレーム部272において、ボクシング方式に基づいて規定された垂直中心線HCに沿って設定されている。ここで、ボクシング方式(JIS B7281:2003参照)とは、偏光フィルタ部274に外接する長方形を基準とする寸法測定方式である。なお、λは、HUD装置10が用いる光源光の波長である。
以上説明した第2実施形態においても、投影部材240は、乗員を向く表側において第1面242aを有し、偏光状態を維持する第1透光板242と、表側に対して反対の裏側において第2面244aを有し、偏光状態を維持する第2透光板244と、第1透光板242と第2透光板244との間に挟まれ、進相軸46a及び進相軸46aに対して位相を遅らせる遅相軸46bを有する位相差板246とを備える。そして、HUD装置10が利用する光源光は、入射断面PIに沿って第1面242aに斜めに入射し、かつ、s偏光成分及びp偏光成分の両方を含む。さらに、位相差板246の遅相軸46bは、入射断面PIに対して傾いている。したがって、第1実施形態に準じた作用効果を奏することが可能となる。
また、第2実施形態によると、第1面242aと第2面244aとの間隔DSTが入射側から反射側に向かう程増大変化する間隔変化部248が形成されている。これによれば、表側の第1面242aを反射する光源光の反射方向と、裏側の第2面244aを反射する光源光の反射方向とが近づくので、第1面242aを反射してできる虚像3と第2面244aを反射してできる虚像3とによる2重像を抑制することができる。このように間隔DSTが変化する間隔変化部248において、位相差板246の板厚は、一定である。これによれば、位相差板246の作用が、画像の広い範囲にわたって一定に作用するので、虚像3の輝度ムラを抑制することができる。以上により、2重像及び輝度ムラの抑制を両立することができるので、さらに虚像3の視認性が高まる。
また、車両1に搭載され、一般的に遮断軸が水平方向に固定されている偏光サングラスを装用しても、車両1前方の景色において水面や雪面に反射された太陽光等の外光が、投影部材240を透過するときに位相差板246によって偏光方向が変わるため、偏光サングラスとしての機能を十分に発揮できない。ここで、位相差板246のリタデーション値Rに応じて遮断軸274dが設定される第2実施形態の偏光サングラス270では、水面や雪面に反射された太陽光等の眩しい外光を十分に遮断することができるので、虚像3のコントラストが高まり、視認性を高めることができる。
また、第2実施形態によると、遮断軸274dは、垂直方向に沿って設定される。これによれば、位相差板246のリタデーション値がR=1/2・λであり、遅相軸46bの方向が車両1の上下方向に対して45°の場合に、水面や雪面SRに反射された太陽光等の眩しい外光を十分に遮断することができるので、虚像3のコントラストが高まり、視認性を高めることができる。
(他の実施形態)
以上、本発明の複数の実施形態について説明したが、本発明は、それらの実施形態に限定して解釈されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の実施形態及び組み合わせに適用することができる。
具体的に、第1〜第2実施形態に関する変形例1としては、投影部材40は、車両1のウインドシールドとして車両1と一体に形成されていなくてもよい。この例として、図15に示すように、投影部材40は、車両1に設置され、ウインドシールドとは別に設けられたコンバイナであってもよい。
第1〜第2実施形態に関する変形例2としては、遅相軸46bの入射断面PIに対する角度θは、40〜80°に限られない。一方、遅相軸46bの入射断面PIに対する角度を50〜60°に設定するとさらによい。
第1〜第2実施形態に関する変形例3としては、位相差板46のリタデーション値Rは、2/7・λ≦R≦5/7・λの範囲に限られない。この例として、位相差板46のリタデーション値Rは、光源光の波長をλと定義し、nを0以上の任意の整数と定義すると、(2/7+n)・λ≦R≦(5/7+n)・λが成立するようにしてもよい。さらには、位相差板46のリタデーション値Rは、(2/7+n)・λ≦R≦(5/7+n)・λの範囲でなくてもよい。
第1〜第2実施形態に関する変形例4としては、光源光は、波長λとして、複数波長を含んでいてもよい。例えば、液晶パネル26に配置されるカラーフィルタ(図示しない)により、画像を形成する光源光の波長λは、例えば赤色に対応するλ1、緑色に対応するλ2、及び青色に対応するλ3となるようにしてもよい。複数波長を含む場合、全ての波長λに対して(2/7+n)・λ≦R≦(5/7+n)・λが成立することが好ましいが、波長λのうち少なくとも1つの波長に対して(2/7+n)・λ≦R≦(5/7+n)・λが成立するようにしてもよい。
第1〜第2実施形態に関する変形例5としては、HUD装置10の光学系14は、直線偏光及び楕円偏光に限らず、円偏光又はランダム偏光の光源光を第1面42aに入射させるようにしてもよい。
第1〜第2実施形態に関する変形例6としては、投影部材40は、車両1のデザインに合わせて全体が湾曲しているものであってもよい。
変形例7としては、第1実施形態の構成における投影部材40に投影される画像を、第2実施形態の構成における偏光サングラス270を装用した乗員が視認するようにしてもよい。また、第2実施形態の構成における投影部材240に投影される画像を、裸眼の乗員又は一般的な偏光サングラスを装用した乗員が視認してもよい。
第2実施形態に関する変形例8としては、遮断軸274dは、位相差板246のリタデーション値Rに応じて設定されていれば、垂直方向に沿って設定されていなくてもよい。ここで、位相差板246のリタデーション値Rに応じた設定とは、投影部材240を透過するときに位相差板246によって変わった外光の偏光方向DPSに、遮断軸274dを合わせることを意味する。
第1〜第2実施形態に関する変形例9としては、車両1以外の船舶ないしは飛行機等の各種移動体(輸送機器)に、本発明を適用してもよい。
1 車両(移動体)、10 HUD装置、12 光源、14 光学系、40,240 投影部材、42,242 第1透光板、42a,242a 第1面、44,244 第2透光板、44a、244a 第2面、46,246 位相差板、46a 進相軸、46b 遅相軸、248 間隔変化部、270 偏光サングラス、274b 偏光フィルム(偏光子)、274c 透過軸、274d 遮断軸、DPS 偏光方向、DST 間隔、D1 上下方向、PI 入射断面、R リタデーション値、TR 板厚、λ 波長

Claims (10)

  1. 移動体(1)に搭載され、光源光を利用して画像を乗員により視認可能に虚像表示するヘッドアップディスプレイ装置(10)において、前記画像が投影される投影部材であって、
    乗員を向く表側において第1面(42a,242a)を有し、偏光状態を維持する第1透光板(42,242)と、
    表側に対して反対の裏側において第2面(44a,244a)を有し、偏光状態を維持する第2透光板(44,244)と、
    前記第1透光板と前記第2透光板との間に挟まれ、進相軸(46a)及び前記進相軸に対して位相を遅らせる遅相軸(46b)を有する位相差板(46,246)とを備え、
    前記光源光は、入射断面(PI)に沿って前記第1面に斜めに入射し、かつ、s偏光成分及びp偏光成分の両方を含み、
    前記位相差板の前記遅相軸は、前記入射断面に対して傾いていることを特徴とする投影部材。
  2. 前記第1面(242a)に前記光源光が入射してくる側を入射側と定義し、反射する側を反射側と定義すると、
    前記第1透光板(242)、前記第2透光板(244)、及び前記位相差板(246)が共同して形成する間隔変化部(248)では、前記第1面と前記第2面(244a)との間隔(DST)が入射側から反射側に向かう程増大変化し、
    前記間隔変化部において、前記位相差板の板厚(TR)は、一定であることを特徴とする請求項1に記載の投影部材。
  3. 前記遅相軸(46b)は、前記入射断面に対して40〜80°をなすことを特徴とする請求項1又は2のいずれか1項に記載の投影部材。
  4. 前記位相差板(46)のリタデーション値をRと定義し、前記光源光の波長をλと定義し、nを0以上の任意の整数と定義すると、
    (2/7+n)・λ≦R≦(5/7+n)・λ
    が成立することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の投影部材。
  5. 移動体(1)に搭載され、投影部材(40,240)に画像を投影することにより、前記画像を乗員により視認可能に虚像表示するヘッドアップディスプレイ装置であって、
    光源光を発する光源(12)と、
    前記光源光を前記投影部材に入射させる光学系(14)とを設けてなり、
    前記投影部材は、乗員を向く表側において第1面(42a,242a)を有し、偏光状態を維持する第1透光板(42,242)と、表側に対して反対の裏側において第2面(44a,244a)を有し、偏光状態を維持する第2透光板(44,244)と、前記第1透光板と前記第2透光板との間に挟まれ、進相軸(46a)及び前記進相軸に対して位相を遅らせる遅相軸(46b)を有する位相差板(46,246)とを備え、
    前記光学系は、前記遅相軸に対して傾く入射断面(PI)に沿って、前記光源光を前記第1面に斜めに入射させ、かつ、s偏光成分及びp偏光成分の両方を含むように入射させることを特徴とするヘッドアップディスプレイ装置。
  6. 前記第1面(242a)に前記光源光が入射してくる側を入射側と定義し、反射する側を反射側と定義すると、
    前記第1透光板(242)、前記第2透光板(244)、及び前記位相差板(246)が共同して形成する間隔変化部(248)では、前記第1面と前記第2面(244a)との間隔(DST)が入射側から反射側に向かう程増大変化し、
    前記間隔変化部において、前記位相差板の板厚(TR)は、一定であることを特徴とする請求項5に記載のヘッドアップディスプレイ装置。
  7. 前記遅相軸(46b)は、前記入射断面に対して40〜80°をなすことを特徴とする請求項5又は6のいずれか1項に記載のヘッドアップディスプレイ装置。
  8. 前記位相差板(46)のリタデーション値をRと定義し、前記光源光の波長をλと定義し、nを0以上の任意の整数と定義すると、
    (2/7+n)・λ≦R≦(5/7+n)・λ
    が成立することを特徴とする請求項5から7のいずれか1項に記載のヘッドアップディスプレイ装置。
  9. 移動体(1)に搭載され、光源光を用いて投影部材(240)に画像を投影することにより、前記画像を乗員により視認可能に虚像表示するヘッドアップディスプレイ装置(10)に利用される偏光サングラスであって、
    乗員の眼(4)に向かって入射しようとする入射光の偏光方向(DPS)に応じて前記入射光を透過させる透過軸(274c)及び前記入射光を遮断する遮断軸(274d)を有する偏光子(274b)を設けてなり、
    前記投影部材は、乗員を向く表側において第1面(242a)を有し、偏光状態を維持する第1透光板(242)と、表側に対して反対の裏側において第2面(244a)を有し、偏光状態を維持する第2透光板(244)と、前記第1透光板と前記第2透光板との間に挟まれ、進相軸(46a)及び前記進相軸に対して位相を遅らせる遅相軸(46b)を有する位相差板(246)とを備え、
    前記遮断軸は、前記位相差板のリタデーション値(R)に応じて設定されることを特徴とする偏光サングラス。
  10. 前記リタデーション値をRと定義し、前記光源光の波長をλと定義し、nを0以上の任意の整数と定義すると、
    R=(1/2+n)・λであり、前記遅相軸の方向が前記移動体の上下方向(D1)に対して45°をなし、
    前記遮断軸は、垂直方向に沿って設定されることを特徴とする請求項9に記載の偏光サングラス。
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