JP2015222444A - ワイヤグリッド偏光板の製造方法 - Google Patents

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Yuji Tanaka
裕二 田中
大 杉山
Masaru Sugiyama
大 杉山
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Abstract

【課題】液晶表示装置等の表示装置に適用する場合に、表示装置の輝度を向上させると共に、輝度ムラを低減可能なワイヤグリッド偏光板の製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】ワイヤグリッド偏光板の製造方法は、表面に格子状凹凸形状を有する基材(101)に導電材料を成膜して格子状凹凸形状の凸部(102)の少なくとも一方の側面に導電体(103)を形成する工程と、エッチング処理により基材表面に形成された導電体の膜厚制御を行う工程とを有し、エッチング処理は、導電体が形成された基材表面にマスクを密着させ、アルカリ溶液に所定時間浸漬することにより、基材表面において導電体の膜厚が異なる領域を形成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、ワイヤグリッド偏光板の製造方法に関するものである。
偏光を利用する光学装置の一つとして、液晶表示素子を利用した液晶ディスプレイがある。多くの液晶ディスプレイは、光源として冷陰極管やLEDが用いられ、光源の配置から、直下型、エッジライト型がある。またエッジライト型には透明樹脂基板を用いた導光板型、コリメートLED光源を用いた中空型等がある。しかし、いずれの構造であっても光源光の強度ムラにより輝度ムラが発生するため、光源の配置、拡散性の部材を配置し輝度の均一化を図っている。しかし、輝度の均一化のために、拡散板に光散乱性の添加剤を添加することや、異なる拡散性を有するフィルム部材等を重ねて配置することが多く、このため光の利用効率の低下、コスト増加を余儀なくされている。
また、液晶ディスプレイにおいては、光の利用効率を改善するため、屈折率の異なる樹脂層を多層化した反射型偏光板を利用する方法が特許文献1等に開示されている。これは光源からの光を偏光分離し、ランダマイズされた反射光を再利用するものである。
しかし、押し出し成形で作られる反射型偏光板は面内均一性の高いものしか作製できず、光源の輝度ムラを低減するためには、拡散フィルム等の利用は避けられない。また、押し出し、延伸で作られる有機染料を用いる偏光板においても、部分的に透過率、反射率をコントロールすることはできず、光源光の強度ムラにより輝度ムラが発生してしまう。
特開2004−004700号公報
本発明は、液晶表示装置等の表示装置に適用する場合に、表示装置の輝度を向上させると共に、輝度ムラを低減可能なワイヤグリッド偏光板の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、液晶ディスプレイやプロジェクター等の液晶表示装置にワイヤグリッド偏光板を用い、特に、光源の配置とワイヤグリッド偏光板の部分での透過率を制御することで、輝度を高く保ち、輝度ムラを無くした液晶表示装置を作製できるという着想のもと、ワイヤグリッド偏光板の面内で、光源の輝度ムラに対応し面内で透過率、反射率の異なるワイヤグリッド偏光板を作製することで、液晶表示装置に適したワイヤグリッド偏光板を得ることに成功した。
より具体的には、ワイヤグリッド偏光板において、光源からの光の広がりによる輝度差に応じて、輝度の高い部分を低透過率、輝度の低い部分を高透過率とし、かつ低透過率、すなわち高反射率部分の反射光を再利用することで、輝度を高く保ち、輝度の均一性を発現させることに成功した。
本発明のワイヤグリッド偏光板の製造方法は、表面に格子状凹凸形状を有する基材に導電材料を成膜して前記格子状凹凸形状の凸部の少なくとも一方の側面に導電体を形成する工程と、エッチング処理により前記基材表面に形成された前記導電体の膜厚制御を行う工程とを有し、前記エッチング処理は、前記導電体が形成された前記基材表面にマスクを密着させ、アルカリ溶液に所定時間浸漬することにより、前記基材表面において前記導電体の膜厚が異なる領域を形成することを特徴とする。
本発明のワイヤグリッド偏光板の製造方法は、液晶表示装置に用いた場合に、輝度を高く保ったまま、輝度ムラを低減することが可能となるワイヤグリッド偏光板を提供できる。
本発明の実施の形態に係るワイヤグリッド偏光板の一例を示す図である。 本発明の実施の形態、実施例に係るワイヤグリッド偏光板を設けた光源ユニットを示す図である。 本発明の実施例に係るワイヤグリッド偏光板を示す図である。 本発明の実施例に係るワイヤグリッド偏光板を設けた光源ユニットの輝度、比較例のワイヤグリッド偏光板を設けた光源ユニットの輝度を示す図である。 本実施の形態に係るワイヤグリッド偏光板にディッピング法を用いる場合を説明する図である。 本実施の形態に係るエッジライト型の液晶表示装置にワイヤグリッド偏光板を設ける場合を説明する図である。 本発明の実施の形態に係るワイヤグリッド偏光板の製造方法におけるエッチング処理前後の導電体の膜厚変化を示す図である。
以下に、ワイヤグリッド偏光板の一例について説明する。
本実施の形態で示すワイヤグリッド偏光板は、格子状凹凸形状を有する基材と、基材の格子状凹凸形状の少なくとも一方の凸部の側面に接した金属ワイヤとを備え、基材表面において金属ワイヤを構成する導電体の膜厚(高さ)が異なる領域を有している。具体的には、ワイヤグリッド偏光板の面内で、高透過率(低反射率)とする領域110では基材101の凸部102に形成される金属ワイヤを構成する導電体103の膜厚(高さ)を小さくし、低透過率(高反射率)とする領域120では金属ワイヤを構成する導電体103の膜厚を低透過率とする領域110の導電体103より大きくする(図1参照)。なお、図1(A)はワイヤグリッド偏光板の上面の模式図であり、図1(B)は図1(A)のa−b間の断面模式図に相当する。また、導電体の膜厚(高さ)とは、基材101平面から垂直方向の導電体の厚みをいう。
基材の格子状凹凸形状の少なくとも一方の凸部の側面に金属ワイヤを設けるワイヤグリッド偏光板では、凸部に形成される導電体の膜厚に応じて透過率及び反射率が異なる。そのため、基材の凸部に形成される導電体の膜厚を場所毎に制御することによって、面内で透過率及び反射率の異なる領域を有するワイヤグリッド偏光板を製造することが可能となる。
面内で透過率及び反射率の異なる領域を有するワイヤグリッド偏光板を製造する方法は特に限定されないが、例えば、ワイヤグリッド偏光板の金属ワイヤをエッチングする方法や、金属ワイヤとなる金属を蒸着する際に、マスクを用いて領域毎に導電体の膜厚を変化させる方法がある。金属ワイヤをエッチングする方法を採用する場合には、後述する金属の蒸着工程における金属ワイヤの蒸着後の初期状態で透過率を20%前後としたものを、NaOHでエッチング(Alを溶解)することで透過率を上昇させることができる。ここで、透過率が40%を超えると、反射率は徐々に低下する。
また、液晶表示装置に偏光分離層として上述したワイヤグリッド偏光板を適用する場合に、光源との配置関係を考慮してワイヤグリッド偏光板の面内での透過率及び反射率を制御することにより、液晶表示装置の輝度を高く保ち、輝度ムラを低減することが可能となる。好適には、光源からの光の広がりによる輝度差に応じて、ワイヤグリッド偏光板において輝度の高い部分を低透過率、輝度の低い部分を高透過率とし、かつ低透過率、すなわち高反射率部分の反射光を再利用することで、輝度を高く保ち、輝度の均一性を図ることができる。
基材101は、出光面側の主面に一方向に向けて直線状の溝が形成される格子状凹凸形状を有する。格子状凹凸形状は、例えば、偏光分離層の延在方向に対する垂直方向の断面形状において、台形、矩形、方形、プリズム状や、半円状などの凹部と凸部とが繰り返される波形形状などが挙げられる。これらの中でも、格子状凹凸形状は光学対称性や偏光透過性能の観点から略矩形形状であることが好ましい。なお、波形形状の曲線部は、湾曲した曲線であればよく、例えば、凸部にくびれがある形状も波形形状に含める。なお、基材101の表面に紫外線硬化樹脂等の樹脂層を形成し、当該樹脂層に格子状凹凸形状を形成してもよい。
ワイヤグリッド偏光板(偏光分離層)の基材101としては、ガラスなどの無機材料や樹脂材料を用いることが出来る。樹脂材料としては、例えば、ポリメタクリル酸メチル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、シクロオレフィン樹脂(COP)、架橋ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂、ポリサルフォン樹脂、ポリエーテルケトン樹脂などの非晶性熱可塑性樹脂や、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、芳香族ポリエステル樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアミド樹脂などの熱可塑性樹脂や、アクリル系、エポキシ系、ウレタン系などの紫外線(UV)硬化性樹脂や熱硬化性樹脂が挙げられる。また、紫外線硬化性樹脂や熱硬化性樹脂と、ガラスなどの無機基板、熱可塑性樹脂、トリアセテート樹脂とを組合わせたり、単独で用いてもよい。これらの中でも、偏光変換素子の光学特性の観点から複屈折のない材料であることが好ましく、TAC(トリアセチルセルロース)樹脂、COP(シクロオレフィンポリマー)、PC(ポリカーボネート)、PMMA(ポリメタクリル酸メチル)などが好ましい。
金属ワイヤを構成する導電体103は、基材101の格子状凹凸形状と略平行に所定の間隔(周期)をとって直線状に形成される。この直線状の金属ワイヤの周期が可視光の波長よりも小さい場合、偏光分離層は、金属ワイヤに対して平行に振動する偏光成分を反射し、垂直な偏光成分は透過する偏光素子となる。
導電体103としては、アルミニウム、銀、銅、白金、金またはこれらの各金属を主成分とする合金を使用することができ、斜めスパッタリング法や斜め蒸着法により形成することができる。これら金属の中でも、生産性、コストなどの観点から、アルミニウムを用いることが好ましい。
偏光分離層は、基材101の格子状凹凸形状(直線状の溝)の延在方向を変えることにより、入射光の偏光成分の透過及び反射を調整することができる。例えば、光源と偏光分離層を組み合わせた構成(図2参照)において、格子状凹凸形状の延在方向が紙面手前側から紙面奥側である場合、入射光の一方の偏光成分は透過されて他方の偏光成分が反射される。一方、格子状凹凸形状の延在方向が紙面左側方向から右側方向である場合、入射光の一方の偏光成分は反射されて他方の偏光成分が透過される。
なお、本実施の形態においては、偏光分離層の格子状凹凸形状は、光源側の入光面に設けられているが、出光面側に設けられていてもよく、入光面側の主面及び出光面側の主面の双方に設けられていてもよい。
また、図2において、光源からの光の広がりによる輝度差に応じて、ワイヤグリッド偏光板において輝度の高い部分を低透過率、輝度の低い部分を高透過率とする。具体的には、ワイヤグリッド偏光板において光源の直上(直下)に位置する領域の金属ワイヤを構成する導電体に対するエッチングレベルを他の領域の導電体のエッチングレベルより低く抑えるか、あるいはエッチングをせずに低透過率(高反射率)とすればよい。
次に、ワイヤグリッド偏光板において、透過率が異なる領域を形成する方法について説明する。
金属ワイヤをスパッタ又は蒸着法を用いて導電材料(例えば、アルミニウム(Al))を成膜して形成する場合、該Alのスパッタ量もしくは蒸着量により、初期の透過率、反射率、偏光度の調整が可能である。Alの厚みにより初期透過率を数%(1−3%)から偏光光の透過率で80%の範囲で調整可能である。金属ワイヤの蒸着後、エッチング処理を行うことにより、ワイヤグリッド偏光板の領域毎にAlの膜厚を制御する(図7参照)。なお、図7において、実線は初期状態(蒸着後)のAlを示し、破線がエッチング後のAlを示している。
例えば、面内全体を初期透過率72%(P波の全光透過率Tp=100とした場合)で調整後、光源の輝度分布に応じた開口部を有するマスクを作製し、該マスクを金属ワイヤが形成された基材面に密着させる。これはマスク部に相当する領域を低透過率、高反射率とし、マスク開口部に相当する領域を高透過率にし、低透過率領域の反射光の利用効率を高め、輝度を高くするためである。
次に、マスクを密着したワイヤグリッド偏光板を、アルカリ溶液に所定時間浸漬することで、Alの一部を溶解して、透過率を向上させる。
マスクの数を多層化し、順にアルカリ溶液に異なる所定時間浸漬、Alを溶解することで、透過率が異なる複数の部位の形成が可能になる。
また、ディップ方式を用いると、アルカリ溶液からの引き上げ速度をコントロールすることで、引き上げ方向に対し、リニアに透過率を変化させたワイヤグリッド偏光板が得られる。また、引き上げを多段で行うことも可能である(図5参照)。この場合、引き上げ方向に沿って、透過率(反射率)が異なる領域を段階的に形成することができる。このように、スパッタ量、蒸着量、エッチング条件を制御することにより、ワイヤグリッド偏光板の面内において低透過、高反射率領域、高透過領域を任意の場所に形成することができる。
低透過率領域(高反射率領域)、高透過領域のデザインは、光源からの輝度ムラを考慮し設計できる。例えば、LEDや冷陰極管を光源とする直下型のバックライトユニットの場合、輝度が最も高くなる光源の直上部分を、導電体の膜厚を大きくして相対的に低透過率、高反射率にすることが好ましい。なお、複数の光源(例えば、LED)を配列させる直下型のバックライトユニットの場合には、複数の光源からの輝度を考慮して、ワイヤグリッド偏光板における導電体の膜厚を制御すればよい。また、ワイヤグリッド偏光板で反射した光は、反射板を介し、再度ワイヤグリッド偏光板に到達するが、この際、反射偏光光が透過光に変換されていることが好ましい。
エッジライト型の液晶表示装置においては、光源の入り口に位置するワイヤグリッド偏光板の導電体の膜厚を大きくして相対的に低い透過率に制御し、光源の入り口から遠くにいくほどワイヤグリッド偏光板の導電体の膜厚を小さくして相対的に高い透過率とすることができる(図6参照)。この場合、上述したディップ方式を用いることが好ましい。
反射偏光光を透過光に変換する方法としては、反射する光の偏光方向を1/4波長回転する1/4波長板(位相差フィルム)を用いることができる。図2に使用例を示す。位相差フィルムの材料としては、COP、TAC基材の延伸品を用いることができる。位相差フィルムはPC、COP、TAC基材を用い、位相差フィルムに偏光分離層が設けられていてもよい。
なお、位相差フィルムは、他方の偏光成分を一方の偏光成分に変換できればよく、位相差フィルムの数及び位相差フィルムの回転角度は限定されない。例えば、本実施の形態においては、1枚の1/4波長板を用いるが、変換効率がピークとなる波長を調整するために、1/4波長板1枚と、1/2波長板1枚と、を組み合わせて用いる構成としても良い。この場合、2枚の位相差フィルムを積層しても良く、2枚の位相差フィルム間に中間層を介在させてもよい。また、1/8波長板を2枚用いても良い。
また、位相差フィルムとしては、複数の複屈折結晶を組み合わせて構成され、位相差の波長依存性を抑えた広帯域波長板を用いることが好ましい。広帯域波長板を用いることにより、位相差の波長依存性が低下し、広帯域に亘って安定した光学特性を得ることができる。これらの広帯域波長板の中でも広帯域1/4波長板を用いることがより好ましい。
位相差フィルムの配置としては、ワイヤグリッド偏光板に入光する前、もしくは光源の後ろ側の反射面に置いてあっても良い。
また低透過領域すなわち高反射領域において、曲面や斜面形状を付加してもよい。形状の付加は加熱真空成形等で形成できる。
またワイヤグリッド偏光板と光源や液晶パネルの間に、拡散シートやプリズム形状等を有する各種レンズシートなどの光学シートを用いることができる。中でも、少なくとも面内XY方向、さらにZ方向(厚み方向)に複屈折率を有さず、基材面内の位相差が小さい(レタデーションが20nm以下の)光学シートが、偏光度の観点から、液晶表示装置などの用途に好適に用いられる。
本発明を実施例に基づいて説明する。
(実施例1)
(紫外線硬化樹脂を用いた格子状凹凸形状転写フィルムの作製)
格子状凹凸形状転写フィルムの作製には、Ni製金型(以下、「金型A」とする。)を用いた。金型Aはピッチ幅130nmの格子状凹凸形状を有し、格子の延在する方向に垂直な断面における凹凸形状が略正弦波状であった。基材は、厚み100μmのシクロオレフィンポリマー(COP)からなるフィルム(JSR株式会社製 アートンR50)とし、該COPフィルムにアクリル系紫外線硬化樹脂(屈折率1.52)を約3μm塗布し、塗布面を下に、COPフィルム上と金型Aの格子状凹凸形状に密着させ、COPフィルム側から中心波長365nmの紫外線ランプを用いて紫外線を1000mJ/cm照射し、金型Aの格子状凹凸形状を転写した。COPフィルムを金型から剥離し、縦300mm、横200mmの格子状凹凸形状を転写したフィルムを作製した。
(スパッタリング法を用いた誘電体層の形成)
次に、転写フィルムAの格子状凹凸形状転写表面に、スパッタリング法により誘電体層として二酸化珪素を成膜した。スパッタリング装置条件は、Arガス圧力0.2Pa、スパッタリングパワー770W/cm、被覆速度0.1nm/sとし、転写フィルム上の誘電体厚みが平膜換算で3nmとなるように成膜した。
(真空蒸着法を用いた金属の蒸着)
次に、誘電体層を成膜した転写フィルムAの格子状凹凸形状転写表面に、真空蒸着によりアルミニウム(Al)を成膜した。Alの蒸着条件は、常温下、真空度2.0×10−3Pa、蒸着速度40nm/sとした。Alの厚みを測定するため、表面が平滑なガラス基板を転写フィルムと同時に装置に挿入し、平滑ガラス基板上のAl厚みをAl平均厚みとした。基板のフィルム幅方向(TD方向)と垂直に交わる平面内において、格子状の凹凸形状を有した基材の法線に対して蒸着角を20度とし、Al平均厚みが120nmとなるよう、転写フィルムにAlを蒸着した。なお、ここでいう平均厚みとは、平滑ガラス基板上にガラス面に垂直方向から物質を蒸着させたと仮定した時の蒸着物の厚みのことを指し、蒸着量の目安として使用している。
この際の波長550nmでの透過軸方向の光の透過率はTp=72%(P波の全光透過率Tp=100とした場合)、直交方向の光S波の透過率Ts≒0%、直交方向の光の反射率Rs=90%、であった。
(透過率・反射率の測定方法)
なお、ワイヤグリッド偏光板に、偏光光を入射し、透過軸方向の透過率をTp、透過軸に対し直交方向の透過率をTsとした。透過率は、0度正面から測定した。一方で、反射率は、入射角8度で偏光光を入射、透過軸方向の偏光光の反射率をRp、透過軸に対し直交方向の偏光光の反射率をRsとした。本実施例では、島津製作所(株)製の分光光度計(UV3150)で測定を行った。
(不要Alの除去)
真空蒸着法を用いた金属の蒸着で得られた転写フィルムに、透過率を調整するためマスクを作製した。マスクは、マイクロプロジェクターのLED光源を想定し、微粘着性のフジコピアン(株)フィックスフィルム100ミクロンを光源の直上部直径約3mmを覆う形に加工した。次に、ワイヤグリッド面に微粘着のフィルムをLED直上位置をカバーするように貼り付け、該積層フィルムを0.1重量%水酸化ナトリウム水溶液に室温下で60秒間浸漬させた。その後すぐに水洗いし、フィルムを乾燥させた。
次に、作製したワイヤグリッド偏光板の反射率と透過率を再度測定したところ、微粘着フィルムでカバーされた部位は、波長550nmでの透過軸方向の光の透過率はTp=72%、直交方向の光の反射率Rs=90%であった。また周囲のエッチングされた部分の、波長550nmでの透過軸方向の光の透過率はTp=90%、直交方向の光の反射率Rs=72%であった(図3参照)。
次に、LED光源ルミレッズ(株)製(Luxeon Rebel)の発光部直径約3mmの白色LED光源を、約10mm角の筐体に収め、その上に上記ワイヤグリッド偏光板とレンチキュラーレンズを置いて光源ユニットを作製した(図2参照)。そして、光源ユニットの輝度測定を行った。輝度測定は、(株)トプコン社製の分光放射計(SR−3A)を用いて、測定距離500mm、測定角0.1度、測定径0.5mmとして行った。
(比較例1)
上記図2に示す構成において、透過率(反射率)が異なる領域を有する実施例1のワイヤグリッド偏光板に替えて、透過率Tp86%、直交方向の光の反射率Rs≒0の吸収型偏光板を用い、輝度を測定した。
(比較例2)
上記図2に示す構成において、透過率(反射率)が異なる領域を有する実施例1のワイヤグリッド偏光板に替えて、全面において波長550nmでの透過軸方向の光の透過率はTp=90%、直交方向の光の反射率Rs=72%に調整されたワイヤグリッド偏光板を用い、輝度を測定した。さらに、図2で示した筐体の内側にアルミニウムの反射膜を蒸着し反射性を持たせて輝度の測定を行った。つまり、ワイヤグリッド偏光板で反射された光を再利用する構成とした。
なお、比較例2におけるワイヤグリッド偏光板は、上記真空蒸着法を用いた金属の蒸着で得られた転写フィルムを、0.1重量%水酸化ナトリウム水溶液に室温下で60秒間浸漬させた後、すぐに水洗いし、フィルムを乾燥させることにより形成した。
(実施例2)
比較例2の輝度測定において、Tp90%の均一なワイヤグリッド偏光板に変え、実施例1で用いた中央部Tp72%、周囲Tp90%のワイヤグリッド偏光板を用い、輝度測定した。つまり、実施例1において、ワイヤグリッド偏光板で反射される光を再利用する構成とした。
(評価)
表1、図4に、上記実施例、比較例の輝度について示す。なお、表1、図4では、比較例1の中央部輝度を100とした場合の輝度について示している。輝度は光源中心から0.5mmずつオフセットして正面輝度を測定した。
Figure 2015222444
比較例1では、中央部の輝度を100としたとき、端部では45となり、55%の輝度分布差を有していた。実施例1では、比較例1の中央部輝度を100とした時、中央部は低透過率のため、中央部の輝度は93、端部の輝度は48となり、中央と端部での輝度差は48%となり、比較例にくらべ輝度分布が小さくなった。
比較例2では、比較例1の中央部輝度を100とした時、中央部の輝度は131、端部の輝度は59となり、中央と端部での輝度差は55%となった。透過率を向上させたことにより輝度は向上したものの輝度分布は55%と比較例1と変化なかった。実施例2では、比較例1の中央部輝度を100とした時、中央部の輝度は113、端部の輝度は70となり、中央と端部での輝度差は38%となった。輝度が向上し、かつ輝度分布を小さくすることができた。
本発明は上記実施の形態及び実施例に限定されず、種々変更して実施することが可能である。例えば、上記実施の形態及び実施例における部材の材質、配置、形状などは例示的なものであり、適宜変更して実施することが可能である。その他、本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施することが可能である。
本発明のワイヤグリッド偏光板は、光学機器等、偏光が有用な用途において、好適に用いられる。
本発明のワイヤグリッド偏光板の製造方法により作製したワイヤグリッド偏光板は、液晶表示装置、光学機器、携帯光学機器等に好適に用いることができる。
101 基材
102 凸部
103 導電体

Claims (1)

  1. 表面に格子状凹凸形状を有する基材に導電材料を成膜して前記格子状凹凸形状の凸部の少なくとも一方の側面に導電体を形成する工程と、エッチング処理により前記基材表面に形成された前記導電体の膜厚制御を行う工程とを有し、前記エッチング処理は、前記導電体が形成された前記基材表面にマスクを密着させ、アルカリ溶液に所定時間浸漬することにより、前記基材表面において前記導電体の膜厚が異なる領域を形成することを特徴とするワイヤグリッド偏光板の製造方法。
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