JP2015221443A - スピニング加工装置、タンク鏡部の製造方法、タンク胴部の製造方法、タンクの製造方法、及びタンク - Google Patents

スピニング加工装置、タンク鏡部の製造方法、タンク胴部の製造方法、タンクの製造方法、及びタンク Download PDF

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Abstract

【課題】ローラの熱膨張等に起因する製品形状の不具合を防止し、かつ低コストで高精度な製品を製造することができるスピニング加工装置を提供する。【解決手段】ワーク301を回転させながら、ワーク301の内面と外面を成形用ローラ205及び成形受け用ローラ206で挟み込んで成形し、ワーク301の被加工部の形状を光学式プロファイル測定器100で測定し、ワーク301の被加工部の寸法と両ローラ205、206の隙間の寸法の関係に基づいて、両ローラ205、206間の隙間が被加工部の目標となる形状に対応する値になるように両ローラ205、206の軌道を補正して、両ローラ205、206を駆動する。【選択図】図1

Description

この発明は、ワークの継手を成形するスピニング加工装置、タンク鏡部の製造方法、タンク胴部の製造方法、及びタンクに関するものである。
内部に流体を蓄える圧力容器として、金属薄板や複合材で製造されたものが知られている。このうち、貯湯式給湯器用タンクとして、ステンレス薄板からなる複数の部材を溶接などの手段で接合したものが多用されている。この種のタンクの製造方法としては、平板をロール曲げ成形した後に向かい合う二辺を溶接することで円筒状の胴部を形成し、一方、平板を絞りあるいは張り出しなどのプレス加工で椀状に成形したものを鏡部とし、胴部の両端の開口部に鏡部の周縁部を全周にわたって溶接する方法がある。ここで、胴部の開口部と鏡部の周縁部の全周に渡って溶接することを周溶接と呼び、胴部と鏡部の接合部には、周溶接のために、スピニング加工などによって断面形状がL字状あるいはZ字状の継手が成形されている(例えば、特許文献1)。
給湯器用タンクの薄肉化や長寿命化のためには、隙間を持たない突合せ継手とすることが望ましいが、一般に、薄板の突合せ継手は、溶接される2枚の薄板の隙間や板厚方向の変位を厳密に管理しなければ良好な突合せ継手を得られない。給湯器用タンクの周溶接で良好な突合せ継手を得るために、胴部と鏡部の直径および溶接前の継手寸法を厳密に管理する必要がある。このような継手のスピニング成形では、胴部または鏡部を回転させながら、当該部材の内面または外面からローラを押し当てたり、あるいは二つのローラで当該部材の加工部位を内面及び外面から挟み込んで任意の形状に成形する方法が知られている。
しかしながら、スピニング加工では、雰囲気温度や加工による発熱などにより、ローラと加工部材の相対位置関係や内外面から加工部材を挟むローラ間の隙間が変化し、その影響で成形された継手形状に不具合を生じるという問題があった。これらの対策としては、これまでも様々な方法が検討されており、部材の開口端部を切削加工したり(例えば、特許文献2)、スピニング加工機の金型やローラの温度、あるいはローラ寸法、あるいは加工力をモニタすることによってローラの軌跡を補正する方法(例えば、特許文献3)などが提案されている。
特開2012−148304号公報 特開2003−214539号公報 特開2000−126826号公報
しかしながら、前記特許文献2に記載された継手の成形方法では、切削屑が発生するため、切削屑や加工油を除去するための洗浄工程が必要になるという問題がある。
また、特許文献3に記載されたスピニング加工方法は、熱膨張による金型やローラの変位を様々な手法で計測し、その計測情報から製品の形状変化を間接的に予測してローラの軌道を補正する方法であるため、計測誤差に加えて予測誤差が重なるため、補正誤差が大きくなるという問題がある。
例えば、大量の製品を連続的に加工する場合は、ローラだけでなくローラを支持する構造部材も温度変化してローラの位置に影響を与える。特許文献3の第1の方法では、金型及びローラの回転面を非接触で温度計測し、計測値に基づきローラの軌跡を補正している。しかし、ローラの温度変化しか測定していないため、連続生産数が多くなるとローラ温度は一定温度まで上昇して平衡に達しているが、ローラよりも熱容量の大きいローラを支持する構造部材が遅れて温度上昇し、それに伴いローラ位置が変化しても、その変化に対する補正が働かないという問題があった。
また、特許文献3の第2の方法は、金型の変位量および加工ローラの半径の変位を変位センサで計測し、その計測結果をもとにローラの軌道を補正するものである。しかし、ローラ先端形状が鋭角であったり先端のアール(R)が小さい場合、変位の測定誤差が大きいという問題があった。
また、特許文献3の第3の方法は、ローラに加わる力を計測用ロードセルで計測し、その計測値にもとづいてローラの軌跡データを自動補正し、補正された軌道で加工ローラを駆動する。しかし、ローラに加わる力は材料の変形抵抗のばらつきに影響されるため、補正誤差を生じやすいという問題があった。
さらには、特許文献3に記載されたスピニング加工方法では、補正量の算出を事前に実験より求めるとしているが、ローラおよび金型の熱膨張変化は平衡に達するまで時間を要するうえ季節や朝夕によって変化率が異なるため、適切な補正量を算出するには多大な事前実験が必要になり、多くの実験時間や実験費用が必要になるという問題があった。
この発明は、前記のような問題点を解決するためになされたものであり、ローラの熱膨張などに起因する製品形状の不具合を防止し、かつ低コストで高精度なスピニング加工が可能なスピニング加工装置を提供するものである。
この発明の第1のスピニング加工装置は、ワークを治具に搭載した状態で前記ワークを回転させる回転機構と、前記ワークの被加工部を内面と外面から挟み込んで前記被加工部を成形する成形用ローラ及び成形受け用ローラと、前記被加工部の形状を測定する光学式プロファイル測定器と、前記光学式プロファイル測定器の測定値を入力し、予め入力されている前記被加工部の寸法と前記両ローラ間の隙間の寸法の関係に基づいて、前記両ローラ間の隙間が前記被加工部の目標となる形状に対応する値になるように前記両ローラの軌道を補正し、前記補正した軌道で前記両ローラを駆動する制御部を備えたものである。
この発明の第2のスピニング加工装置は、ワークを治具に搭載した状態で前記ワークを回転させる回転機構と、前記ワークの被加工部を内面と外面から挟み込んで前記被加工部を成形する成形用ローラ及び成形受け用ローラと、前記両ローラの隙間を測定する透過式レーザセンサと、前記透過式レーザセンサにより測定された前記両ローラの隙間の測定値と、予め設定されている前記両ローラの隙間との差異に応じて前記両ローラの加工軌道を補正し、前記補正した加工軌道で前記両ローラを駆動する制御部を備えたものである。
この発明の第3のスピニング加工装置は、ワークを治具に搭載した状態で前記ワークを回転させる回転機構と、前記ワークの被加工部を内面と外面から挟み込んで前記被加工部を成形する成形用ローラ及び成形受け用ローラと、前記治具の位置を測定する光学式プロファイル測定器と、前記両ローラの位置を測定する透過式レーザセンサとを備え、前記測定した治具の位置と前記測定した両ローラの位置に基づいて前記治具及び前記両ローラの位置決めを行うものである。
この発明の第1のタンク鏡部の製造方法は、椀形状に成形されたワークを回転させながら前記ワークの内面から成形用ローラを押し当てて前記ワークの開口部周縁の直径を拡大する工程と、
前記ワークを回転させながら前記ワークの開口縁部を内面と外面から成形用ローラ及び成形受け用ローラで挟み込んで成形し、前記ワークの被加工部の形状を光学式プロファイル測定器で測定し、前記被加工部の寸法と前記両ローラ間の隙間の寸法の関係に基づいて、前記両ローラ間の隙間が前記被加工部の目標となる形状に対応する値になるように前記両ローラの軌道を補正し、前記補正した軌道で前記両ローラを駆動することにより、前記ワークの開口縁部にL字状継手又はZ字状継手を成形する工程と、を備えたものである。
この発明の第1のタンク胴部の製造方法は、円筒形状に成形されたワークを回転させながら前記ワークの開口縁部を内面と外面から成形用ローラ及び成形受け用ローラで挟み込んで成形し、前記ワークの被加工部の形状を光学式プロファイル測定器で測定し、前記被加工部の寸法と前記両ローラ間の隙間の寸法の関係に基づいて、前記両ローラ間の隙間が前記被加工部の目標となる形状に対応する値になるように前記両ローラの軌道を補正し、前記補正した軌道で前記両ローラを駆動することにより、前記ワークの開口縁部にZ字状継手又はL字状継手を成形する工程、を備えたものである。
この発明の第2のタンク鏡部の製造方法は、椀形状に成形されたワークを回転させながら前記ワークの内面から成形用ローラを押し当てて前記ワークの開口部周縁の直径を拡大する工程と、
前記ワークを回転させながら前記ワークの開口縁部を内面と外面から成形用ローラ及び成形受け用ローラで挟み込んで成形し、前記両ローラの隙間を透過式レーザセンサで測定し、前記透過式レーザセンサにより測定された前記両ローラの隙間の測定値と、予め設定されている前記両ローラの隙間との差異に応じて前記両ローラの加工軌道を補正し、前記補正した加工軌道で前記両ローラを駆動することにより前記ワークの開口縁部にL字状継手又はZ字状継手を成形する工程と、を備えたものである。
この発明の第2のタンク胴部の製造方法は、円筒形状に成形されたワークを回転させながら前記ワークの開口縁部を内面と外面から成形用ローラ及び成形受け用ローラで挟み込んで成形し、前記両ローラの隙間を透過式レーザセンサで測定し、前記透過式レーザセンサにより測定された前記両ローラの隙間の測定値と、予め設定されている前記両ローラの隙間との差異に応じて前記両ローラの加工軌道を補正し、前記補正した加工軌道で前記両ローラを駆動することにより前記ワークの開口縁部にZ字状継手又はL字状継手を成形する工程、を備えたものである。
この発明のタンクは、椀形状の鏡部の開口部と円筒形状の胴部の開口部とを接合したタンクであって、前記鏡部の開口部周縁には、その直径が拡大している直径拡大範囲を有し、前記直径拡大範囲の円筒断面の直径は前記直径拡大範囲に隣接する円筒断面の直径よりも0.5%〜1.3%大きいものである。
この発明の第1のスピニング加工装置によれば、被加工部の形状を光学的に直接測定した結果から両ローラの軌道を補正するようにしたので、ワークの製品寸法を高精度に補正することができる。また、ローラ軌道の変位に対する被加工部寸法の変化率のみ事前に把握しておけば、ローラの補正軌道を求めることができ、補正量を把握するための事前実験を簡略化できる効果がある。
この発明の第2のスピニング加工装置によれば、被加工部を挟む両ローラの隙間の直接測定結果から両ローラの軌道を補正するようにしたので、ワークの製品寸法を高精度に補正することができる。
この発明の第3のスピニング加工装置によれば、両ローラの位置決めを被接触で行うことができるので、両ローラを位置決め治具に接触する際に強く当てすぎるなどして生じる圧痕や作業者による位置決め誤差を防止できるという効果がある。
この発明のタンク鏡部及びタンク胴部の製造方法によれば、被加工部の形状を光学的に直接測定した結果又は被加工部を挟む両ローラの隙間の直接測定結果に基づき、両ローラの軌道を補正するようにしたので、ワークの製品寸法を高精度に補正することができる。
この発明のタンクによれば、鏡部と胴部の接合部周縁の真円度が向上し、寸法精度の良好なタンクを提供することができる。
実施の形態1によるスピニング加工装置を示す平面図である。 図1のスピニング加工装置にワークを装着した状態を示す平面図である。 図1のスピニング加工装置のローラユニットを示す側面図である。 実施の形態1によるワークの成形工程を示す全体概略図である。 実施の形態1によるスピニング加工装置の別構成例を示す側面図である。 実施の形態1によるワークの直径拡大加工の工程を説明するための断面図である。 実施の形態1によるワークの真円度と直径拡大率の関係を表すグラフである。 実施の形態1によるワークの直径拡大加工の詳細を説明するための図である。 実施の形態1によるワークの直径拡大加工における成形用ローラの座標を示す概略図である。 実施の形態1によるワークのフランジ切断工程を説明するための断面図である。 実施の形態1によるワークの継手成形工程を説明するための断面図である。 実施の形態1によるワークの継手成形工程を説明するための拡大断面図である。 実施の形態1によるワークの継手寸法とローラ隙間寸法の関係を示す図である。 実施の形態1によるワークの継手成形工程を示すフローチャートである。 実施の形態1の光学式プロファイル測定器による継手高さの測定原理を示す図である。 実施の形態1の光学式プロファイル測定器による継手高さの測定を示す図である。 実施の形態1の光学式プロファイル測定器の設置位置を示す図である。 実施の形態2によるスピニング加工装置を示す平面図である。 図18のスピニング加工装置にワークを装着した状態を示す平面図である。 図18のスピニング加工装置の胴内治具及び把持治具の構成を示す図である。 実施の形態2によるワークの成形工程を示す全体概略図である。 実施の形態2によるワークの端部切断工程を示す部分断面図である。 実施の形態2によるワークの継手成形工程を説明するための拡大断面図である。 実施の形態2の光学式プロファイル測定器による継手幅及び継手高さの測定を示す図である。 実施の形態2によるワークの継手成形工程を示すフローチャートである。 実施の形態3による透過式レーザセンサのローラ間隔測定原理を示す概略図である。 実施の形態3によるローラの軌道修正を示すフローチャートである。 実施の形態3による透過式レーザセンサのローラ間隔測定原理を示す概略図である。 実施の形態4による治具及びローラの位置決めを示すフローチャートである。 実施の形態5によるタンクの鏡部と胴部の溶接を示す概略図である。 実施の形態5によるタンクの概略図である。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1によるスピニング加工装置を示す平面図、図2は図1のスピニング加工装置にワークを装着した状態を示す平面図、図3は図1のスピニング加工装置のローラユニットを示す側面図である。
図1〜図3に示すように、実施の形態1によるスピニング加工装置201は、モータ213と、モータ213の回転力を伝達する回転主軸202と、回転主軸202に連結されると共にワーク301が装着される鏡内治具203を備えている。実施の形態1において加工されるワーク301は、例えば給湯器用タンクの鏡部である。このワーク301は、図4に示す成形工程を経て加工される。すなわち、例えば肉厚0.5〜1.0mm程度のステンレス材の平板を用意し(図4(a))、この平板を深絞り等のプレス成形によって椀形状に成形する(図4(b))。椀形状の最外径はφ200mm〜φ700mm程度である。これらの寸法は給湯器用タンクの設計寸法によって決定される。図4(b)で成形された椀形状のワークは、図4(c)の直径拡大加工、図4(d)のフランジ切断、図4(e)の継手成形の工程を経る。図4(c)〜図4(e)の工程は、本実施の形態1のスピニング加工装置201により成形される工程である。
スピニング加工装置201において、鏡内治具203は加工されるワーク301に少なくとも一部が内接するような形状をしている。鏡内治具203に対向する位置には、ワーク301の外面側を押し込むための芯押し治具204が配置され、この芯押し治具204は芯押し軸212に接続されている。芯押し軸212は回転主軸202と同軸で回転できるとともにシリンダ207により軸方向にも移動可能となっている。加工されるワーク301は、芯押し治具204によって鏡内治具203に押し込まれ、ワーク301の加工が完了した後に芯押し治具204が後退することで開放される。
なお、特許請求の範囲における「ワークを治具に搭載した状態で前記ワークを回転させる回転機構」は、実施の形態1においては、モータ213、回転主軸202、鏡内治具203、芯押し治具204、芯押し軸212、シリンダ207を示している。
また、スピニング加工装置201は、ローラユニット404a、404bを備えている。ローラユニット404aは、支持アーム211aを介してワーク301の内面側よりワーク301を加工する成形用ローラ205と、支持アーム211aを介してワーク301の内面側よりワーク301を加工する切断用ローラ401とを備えている。なお、切断用ローラ401とその支持アーム211aは、成形用ローラ205と支持アーム211aの下方に配置されているので図1及び図2の平面図では表示されない。ローラユニット404bは、支持アーム211bを介してワーク301の外面側よりワーク301に接する成形受け用ローラ206と、支持アーム211bを介してワーク301の外面側よりワーク301に接する切断用受けローラ402を備えている。なお、切断用受けローラ402とその支持アーム211bは、成形受け用ローラ206とその支持アーム211bの下方に配置されているので図1及び図2の平面図では表示されない。
図3はローラユニット404aをスピニング加工装置の側面方向から視た図である。ローラユニット404aの高さ方向(Z方向)に2段に設置された成形用ローラ205及び切断用ローラ401は、駆動用リニアモータ403aにより上下方向に移動する。図3(a)は成形用ローラ205が加工高さに位置された状態を示し、このとき成形用ローラ205によりワーク301の加工が行われる。図3(b)は切断用ローラ401が加工高さに位置された状態を示し、このとき切断用ローラ401によりワーク301の加工が行われる。なお、501はスピニング加工装置201の土台を示している。
図1〜図3に示すように、ローラユニット404aは、駆動用サーボモータ210aによりレール209aに沿ってスピニング加工装置の土台501上を水平方向(XY方向)に移動する。同じく、ローラユニット404bは、駆動用サーボモータ210bによりレール209bに沿ってスピニング加工装置の土台501上を水平方向(XY方向)に移動する。
図1〜図3のスピニング加工装置201では、回転主軸202が地面と平行な構成となっているが、これに限定される必要は無く、回転主軸202が地面と鉛直方向に設置されてもかまわない。また、図1〜図3では、ローラユニットの成形用ローラ205と切断用ローラ401は高さ方向(Z方向)に加工位置が切り替えられるようになっているが、各ローラの配置はこの構成に限定されるものではない。例えば、図5に示すように、スピニング加工装置201の回転主軸202を鉛直方向とし、同じく鉛直方向に装着したワーク301を加工できるように、ローラユニット404a、404bの成形用ローラ205、成形受け用ローラ206を配置してもよい。
なお、図1及び図2において、制御部208は、スピニング加工装置201全体の駆動制御を行うものであり、モータ213の回転制御、シリンダ207の駆動制御、成形用ローラ205及び成形受け用ローラ206の駆動制御、切断用ローラ401及び切断受け用ローラ402の駆動制御、ローラユニット404aの駆動用サーボモータ210aの駆動制御、ローラユニット404bの駆動用サーボモータ210bの駆動制御を行うものである。また、光学式プロファイル測定器100は、後述するようにワーク301の継手形状を測定するものであり、その測定結果は制御部208に入力される。
次に、実施の形態1のスピニング加工装置によるワークの成形工程を説明する。
まず、第1の工程は、図2に示すように、スピニング加工装置201の鏡内治具203にワーク301を装着すると共にワーク301を芯押し治具204で所定の荷重で押し付けることよってワークを固定する工程である。これはワーク301が鏡内治具203や芯押し治具204との間で空転することを防止するためである。
第2の工程は、図4(c)に示したワークの直径拡大加工の工程である。
図6は、ワークの直径拡大加工の工程を説明するためのワーク付近を示す断面図である。図6に示すように、給湯器用タンクの鏡部であるワーク301をモータの回転主軸202周りに回転させながら成形用ローラ205を用いてワーク301の開口部周縁を半径方向外側に押し広げ、ワーク301の開口部周縁の直径が拡大するように塑性加工する。この塑性加工によって、以下に説明する理由によりワーク301の開口部周縁の真円度を向上することができるとともに、給湯器用タンクとして組み立てる際の相手方すなわち給湯器用タンクの胴部との直径差を修正することができる。
図7はワークの真円度の直径比と直径拡大率(塑性加工量)の関係を表すグラフであり、図8はワークの直径拡大加工から継手成形後までの工程におけるワーク(給湯器用タンクの鏡部)の形状を説明するための図である。ここで、図8(a)は絞り成形後のワーク301の形状、図8(b)は直径拡大加工後のワーク301の形状、図8(c)は絞りフランジ切断後のワーク301の形状、図8(d)は継手成形後のワーク301の形状をそれぞれ示している。
図7の縦軸の真円度の直径比は、ワークの開口縁部に外接及び内接する最大及び最小の2つの同心円の直径の比率を示す。図7の横軸の直径拡大率は、絞り成形後のワーク開口縁部の直径D0と直径拡大・継手成形後のワーク開口縁部の直径D1の比率を示し、{(D1−D0)/D0}×100(%)で表される。
図7に示すように、ワークの開口縁部の真円度の直径比と直径拡大率(塑性加工量)には略線形関係が成り立ち、組立工程で求められる真円度と貯湯量等の設計で求められる給湯器用タンクの直径とを勘案して直径拡大率(塑性加工量)が決められる。直径拡大率(塑性加工量)が小さ過ぎるとワーク301の円周で加工ムラが発生し、直径拡大率(塑性加工量)が大き過ぎると次工程で絞りフランジを切断した後にワーク301の開口縁部に反りが発生するなどの問題があるため、φ200mm〜φ700mmの給湯器用タンクの鏡部に対しては、塑性加工前後でワーク開口縁部の直径が元直径よりも0.5〜1.3%程度大きくすることが望ましい。
次に、ワークの直径拡大範囲について説明する。直径を拡大する範囲すなわち成形用ローラ205がワーク(鏡部)301の内周を径方向に押し広げて塑性加工を施す範囲は、図8(b)に示すようにワーク(鏡部)301の絞りフランジ端部からワーク(鏡部)301の天頂方向に約10mmより天頂側であって、約30mmよりフランジ側の範囲であることが望ましい。特にワーク301のフランジの曲げR(アール)部近傍は、ワーク(鏡部)301の絞り成形時に大きな塑性変形を受けて加工硬化しているとともに、ワーク素材の圧延方向に起因する変形抵抗の異方性の影響により、直径拡大範囲が当該絞りフランジの曲げR(アール)部に重なるとワークの直径変化量がワーク円周で均等にならなくなる。
次に、図9により、ワークの直径拡大加工における成形用ローラ205の軌道制御について説明する。
図9(a)はワーク(鏡部)と成形用ローラの座標系を示す概略図である。図9(b)は図9(a)のQ部拡大断面図であり成形用ローラの直径拡大加工の標準軌道の座標設定、図9(c)は同じく図9(a)のQ部拡大断面図でありワークの直径を標準軌道より変更する場合の成形用ローラの軌道と座標設定を示している。
ワークの直径拡大加工の工程において、成形用ローラ205は、図9(b)(c)に示すような軌道に沿って動作し、ワーク(鏡部)301を半径方向外側へ押し広げることで、ワーク(鏡部)301の開口部周縁の直径を拡大する。成形用ローラ205の軌道は、ワーク(鏡部)301の半径方向をX軸座標、ワーク(鏡部)301の回転軸方向をZ軸座標として、成形用ローラ205の待機位置から加工動作に至る工程、さらに加工完了後に待機位置に戻るまでの工程を、複数の通過点の座標点と、座標点間の移動速度およびその間のワーク(鏡部)301の回転速度を与えることにより制御しており、成形用ローラ205は通過点に沿って直線補間で動作する。
なお、直径拡大率を変更する場合は、図9(b)に示すように前記座標点のうち加工軌道のX軸座標の値のみを一定量だけオフセットする。
第3の工程は、図4(d)に示したワークのフランジ切断の工程である。
この工程は、ワーク301の絞り工程で発生したフランジ(絞りフランジと呼ぶ)を所定の位置で切断する工程である。絞りフランジの切断位置は、ワーク(鏡部)301の深さ及び第4の工程で成形する継手の高さの設計値により決められるが、第4の工程の継手成形後に、第2の工程で加工した直径拡大範囲が10mm程度残ることが望ましい。
絞りフランジの切断工程は、図10に示すように、切断受け用ローラ402をワーク301の外周面の所定の位置に配置するとともに、モータの回転主軸202によりワーク301を回転させながら、切断用ローラ401をワーク301の内周面より半径方向外向きに所定の軌道で動かすことにより行われる。このとき、切断受け用ローラ402と切断用ローラ401の間にワーク301が挟まれ、ワーク301がせん断加工される。絞りフランジ切断後のワーク301は、絞り成形時の残留応力が開放される影響で、ワーク開口縁部が内すぼみになったり、ラッパ状になったりすることがある。ワーク開口縁部が内すぼみやラッパ状になると、第4の工程の継手成形において継手形状が所定の形状に成形できなかったり、継手の周溶接時に突合せ不良となり溶接不良となるなどの問題があった。しかしながら、前記のように第2の工程でワーク開口周縁部に適切な量の塑性加工(直径拡大加工)を施すとともに、第3の工程で絞りフランジを適切な位置で切り離すことにより、絞りフランジを切断した後もワーク開口部が回転軸に対して略平行となるように成形でき、ワークの成形不良や溶接不良を低減することができる。
第4の工程は、図4(e)に示したワークの継手成形の工程である。
ワークの継手成形工程では、図11に示すように、ワーク(鏡部)301の開口側端部より距離Aだけワーク頂部側の外周面に接するように成形受け用ローラ206を配置する。そして、モータの回転主軸202によりワーク301を回転させながら成形用ローラ205を成形受け用ローラ206との隙間Sが所定の距離になる位置で、ワーク301の内面より成形用ローラ205を半径方向外側に移動させる。その結果、図12のワークの継手成形の拡大図に示すように、ワーク301の開口縁部にL字状の継手301Aを成形することができる。なお、隙間Sは例えばワーク板厚の30〜50%程度である。このとき、後で説明するように、ワーク301の継手高さを光学式プロファイル測定器100によって測定する。そして、この測定結果を基に成形用ローラ205の軌道を補正することで、寸法ばらつきの小さい継手成形が可能となる。給湯器用タンクの継手の突合せ溶接構造においては、突合される板同士に板厚方向の位置ズレが生じると、溶接時に溶融池が溶け落ちてしまい溶接できなかったり、溶接後に段差が生じて応力集中部となり疲労強度が低下する問題があった。しかしながら、下記に説明する本実施の形態の継手成形のローラ軌道補正方法によれば、継手寸法のばらつきを小さく抑えることができ、溶接不良を低減できる顕著な効果がある。
ここで、実施の形態1によるワークの継手成形のローラ軌道補正方法について説明する。前述したように、成形受け用ローラ206は、図11に示すようにワーク(鏡部)301の開口側端部より距離Aだけ頂部側に位置せしめられる。一方、成形用ローラ205は、成形受け用ローラ206に対する隙間Sを一定に保ちながら半径方向外側へ向かって動作する。したがって、最初は、成形受け用ローラ206より回転軸方向に所定の長さ突き出しているワーク開口端部は、成形用ローラ205により半径方向外側に折り曲げるように成形される。このとき、成形用ローラ205と成形受け用ローラ206の隙間Sをワークの板厚よりも狭く設定すると、しごき加工が加わることでワークの板厚が圧縮され成形後のL字状の継手301Aの高さが高くなる。また、連続加工により加工数が非常に多い場合、加工熱の蓄積により成形用ローラ205、成形受け用ローラ206、及びローラを支持する支持アーム211a、b等が熱膨張し、その結果、成形用ローラ205と成形受け用ローラ206の隙間Sが狭くなりL字状の継手301Aの高さが高くなってしまう。
ここで、図13は継手寸法とローラ隙間寸法の関係を示す図である。図13において、継手の基準高さ(任意に定めた設定値)をH0、光学式プロファイル測定器による継手の高さの測定値をHとすると、継手の基準高さからの増減率は{(H−H0)/H0}×100(%)となり、これを図13の縦軸とする。一方、ローラ間の隙間の設定値をS、ワーク材料の板厚をTとすると、隙間寸法/板厚はS/T×100(%)となり、これを図13の横軸とする。そして、図13の縦軸をY軸、横軸をX軸とすると、各ワーク材料に対して近似式がY=AX+B:(A<0、B>0)が成り立つ。すなわち、各ワーク材料に関してL字状継手寸法とローラ隙間寸法の間には線形関係が成り立つ。
そして、各ワーク材料に対するL字状継手寸法とローラ隙間寸法の関係(図13の近似式:Y=AX+B)を、あらかじめスピニング加工装置の制御部208に入力しておく。そして、光学式プロファイル測定器100により測定された継手の高さHを、スピニング加工装置の制御部208に入力する。スピニング加工装置の制御部208は、測定された継手の高さHが入力されると図13の縦軸(Y軸)の継手の基準高さからの増減率が決まり、この増減率に対して前記近似式のS/T(隙間寸法/板厚)が決まり、測定された継手高さHに対応するローラ間の隙間Sが求まる。そして、スピニング加工装置の制御部208は、前記求まったローラ間の隙間Sが目標となる継手高さに対応するローラ間の隙間になるように成形用ローラ205と成形受け用ローラ206の位置を補正する。
図14は、実施の形態1によるワークの継手成形工程を示すフローチャートである。図14のフローチャートは、予成形と仕上げ成形の2段階の成形工程を備える。
図14において、まず、ワークの継手成形の予成形を実施する(ステップS01)。予成形では、スピニング加工装置201の成形用ローラ205及び成形受け用ローラ206をあらかじめ設定された軌道で駆動し、ワーク301のL字状の継手301Aを成形する。この予成形工程は、本成形工程の前に予めスピニング加工装置によるワーク301のL字状継手301Aの加工具合を確かめるための予備的工程である。
次に、ステップS02により、予成形工程で成形されたL字状の継手301Aの継手高さHを光学式プロファイル測定器100により測定する。
次に、ステップS03により、スピニング加工装置の制御部208において、前述のように光学式プロファイル測定器100で測定された継手高さHに対応する成形用ローラ205と成形受け用ローラ206間の隙間Sを求める。
次に、ステップS04により、スピニング加工装置の制御部208は、ステップS03で求めたローラ間の隙間Sが目標となる継手高さに対応するローラ間の隙間になるように成形用ローラ205と成形受け用ローラ206の加工軌道を修正する。
そして、ステップS05により、ワークの継手成形の仕上げ成形を実施する。仕上げ成形では、スピニング加工装置201の成形用ローラ205及び成形受け用ローラ206をステップS04で修正した軌道で駆動し、ワーク301のL字状の継手301Aを本成形する。
ステップS06では、ステップS05の仕上げ成形の回数をカウントし、成形回数Nが所定の回数Nkに達すれば、ステップS02に戻り継手高さを測定し、隙間Sの算出(ステップS03)、ローラ軌道の決定(ステップS04)、仕上げ成形(ステップS05)を実施する。ステップS06で仕上げ成形の回数Nが所定数Nzになれば、ワークの継手成形を終了する。
次に、実施の形態1による光学式プロファイル測定器100による継手高さの測定方法について説明する。図15は光学式プロファイル測定器100による継手高さの測定原理を示す図である。図15に示すように、光学式プロファイル測定器100は、光源101と、レンズ102及び受光素子103からなる受光部104で構成されている。光源101からの光を測定対象物体が散乱光として反射し、その反射光を受光部104のレンズ102を通して受光素子103に結像し、結像位置を検出することで対象物体との距離Lを測定するものである。
図16(a)に示すように、光学式プロファイル測定器100の光源101と受光部104を、ワーク301のL字状継手301Aの立上げ方向に設置する。そして、光源101から例えば帯状に照射されるレーザ光が、ワーク301のL字状継手301Aを通過すると、図16(b)の測定結果によりL字状継手301Aの立上げ高さhを測定できる。
図17は光学式プロファイル測定器100の設置位置を示すものであり、ワーク301の回転方向に関して成形用ローラ205の通過後に設置することが望ましいが、必ずしもこの位置に限定されるものではない。L字状継手301Aの高さ寸法はワークの円周でバラツキがあるので、光学式プロファイル測定器100はワーク301の回転数に応じて適当な時間間隔で継手高さを測定することで円周の複数個所で測定し平均化して算出する。
なお、継手高さを測定するために誘電式変位センサなどを用いる場合、継手の成形位置がずれると正確な継手高さを測定することが困難だが、光学式プロファイル測定器100はある程度の照射範囲を有するので照射範囲であれば継手の成形位置がずれても継手寸法を正確に測定できるという効果がある。
以上のように、この発明の実施の形態1によれば、被加工部の形状を光学的に直接測定した結果から両ローラの軌道を補正するようにしたので、ワークの製品寸法を高精度に補正することができる。また、ローラ軌道の変位に対する被加工部寸法の変化率のみ事前に把握しておけば、ローラの補正軌道を求めることができ、補正量を把握するための事前実験を簡略化できる効果がある。
また、従来提案されているローラ温度やローラの変位あるいは負荷荷重からワーク形状の変化量を推定し、成形補正量を推定するよりも補正精度が高いという効果がある。
実施の形態2.
図18はこの発明の実施の形態2によるスピニング加工装置を示す平面図、図19は図18のスピニング加工装置にワークを装着した状態を示す平面図、図20は図18のスピニング加工装置の把持部の構成を示す概略図である。
図18〜図19に示すように、実施の形態1によるスピニング加工装置201は、モータ213と、モータ213の回転力を伝達する回転主軸202と、回転主軸202に連結される胴内治具703と把持治具704を備えている。実施の形態2において加工されるワーク601は、例えば給湯器用タンクの胴部である。ワーク601(給湯器用タンクの胴部)は、図21に示す成形工程を経て加工される。すなわち、例えば肉厚0.5〜1.0mm程度のステンレス材の平板を用意し(図21(a))、この平板をロール曲げ成形する(図21(b))。そして、ロール曲げ成形した後に向かい合う二辺を溶接することにより円筒形状を形成する(図21(c))。円筒形状の最外径はφ200〜φ700mm程度である。これらの寸法は給湯器用タンクの設計寸法によって決定される。その後、図21(b)で成形された円筒形状のワークは、図21(d)のワークの端部切断工程、図21(e)のワークの継手成形工程を経る。なお、図21(f)はワークの継手断面の拡大図である。図21(d)〜図4(e)の工程が、本実施の形態1のスピニング加工装置201により成形される工程である。
図20はワークの胴内治具及び把持治具の構成を説明する概略図である。胴内治具703は、回転主軸202aに連結され、その外周部はワーク601(給湯器用タンクの胴部)の内周にほぼ内接する。把持治具704は、ワーク601の内周面に接する扇状の把持ブロック901と、把持ブロック901を支持する支持部902と、支持部902の端部に設置された楔状の被駆動部903を有している。把持治具704の支持部902は胴内治具703のレール703aに沿ってワーク半径方向に移動可能である。回転主軸202bには円錐状の駆動部904が連結され、この駆動部904が回転主軸202bにより図20(a)の矢印R1方向に移動すると、把持治具704の被駆動部903が図20(b)の矢印R2方向に移動し、その結果、把持ブロック901がワーク601の内周面を押して把持する。図20では、把持ブロック901が4個の例が描かれているが、4個に限定されるものではない。把持治具704はワーク601に対して回転主軸202bからの回転力を伝えるとともに、成形中に生じるワーク601の軸方向の変位を拘束する機能を有する。
図18及び図19に戻って、705はワーク601の他端に接する胴芯押し治具であって、回転主軸202と同軸で回転できるとともに、シリンダ207及び芯押し軸212により軸方向にも可動となっている。胴芯押し治具705はワーク601を胴内治具703に挿入する際に、端面ストッパ706にワーク601を押し当てて軸方向の位置決めをするとともに、成形加工中はワーク601と共に回転しワーク601の加工されない側の端部が振れるのを抑制する機能を有する。なお、端面ストッパ706は、把持治具704によってワーク601の位置が拘束された後に、成形加工の妨げとならない位置まで後退する。
なお、特許請求の範囲における「ワークを治具に搭載した状態で前記ワークを回転させる回転機構」は、実施の形態2においては、モータ213、回転主軸202、胴内治具703、把持治具704、胴芯押し治具705、芯押し軸212、シリンダ207を示している。
また、図18及び図19に示すように、スピニング加工装置201は、ローラユニット404a及び404bを備えており、このローラユニット404a及び404bは、実施の形態1と同様の構成をしている。ただし、実施の形態1と異なるのは、ローラユニット404aには成形用ローラ205の代わりにワーク601の内面側よりワーク601を加工する胴成形用ローラ801が、ローラユニット404bには成形受け用ローラ206の代わりにワーク601の外面側よりワーク601に接する胴成形受け用ローラ802が装着されている点である。
なお、特許請求の範囲における「ワークの被加工部を内面と外面から挟み込んで被加工部を成形する成形用ローラ及び成形受け用ローラ」は、実施の形態2においては、胴成形用ローラ801及び胴成形受け用ローラ802を示している。
次に、実施の形態2のスピニング加工装置によるワークの成形工程を説明する。
まず第1の工程は、図18及び図19に示すように、ワーク601を胴内治具703と把持治具704に挿入するとともに、端面ストッパ706と胴芯押し治具705によって軸方向の位置決めを行い、さらに把持治具704でワーク601を把持する。
第2の工程は、図21(d)に示したワークの端面より所定の長さを切断する端部切断工程である。ワーク601の端部の切断は、図22に示すように、切断用受けローラ402をワーク601外面の所定の位置に配置するとともに、ワーク601を回転させながら、切断用ローラ401をワーク601内面より半径方向外向きに所定の軌道で動かすことにより、切断用受けローラ402と切断用ローラ401の間にワーク601が挟まれ、所定の位置でせん断加工される。
第3の工程は、図21(e)(f)で示したワークのZ字状の継手成形工程である。図23に示すように、ワーク601の開口端部より所定の長さだけ他端側の外面に接するように胴成形受け用ローラ802を配置する。そして、ワーク601を回転させながら胴成形用ローラ801をワーク601の内面側より所定の軌道で胴成形受け用ローラ802に向けて移動させて、ワーク601の端部を胴成形受け用ローラ802に押し付けることによりワーク601の開口端部にZ字状の継手を成形する。胴成形受け用ローラ802には所定の形状の段差部802aを有しており、ワーク601はこの段差部802aに沿ってZ字状に成形される。
このとき、光学式プロファイル測定器100によってワーク601のZ字状の継手の寸法を測定する。そして、この測定結果に基づいて、後で説明するように胴成形用ローラ801の軌道を補正することで、寸法ばらつきの小さい継手成形が可能となる。スピニング加工装置により複数のワーク601を連続的に加工する場合、加工数が多くなったり加工時間が長くなると、加工熱の蓄積によりローラやローラを支持するアームなどが熱膨張して、胴成形用ローラ801と胴成形受け用ローラ802の隙間が狭くなり結果として継手の寸法が変化してしまうという問題があった。ワークの継手寸法が変わると、後の工程でワークを周溶接する際に、溶接で溶融される材料が増減したり、溶接トーチの狙い位置が変化してしまうために、溶融池が溶け落ちて溶接できなかったり、溶接後に段差が生じて応力集中部となり疲労強度が低下する問題があった。しかしながら、下記に説明する本実施の形態の継手成形のローラ軌道補正方法によれば、継手寸法ばらつきを小さく抑えることができるので、溶接不良を低減できる顕著な効果がある。
ここで、実施の形態2によるワークの継手成形のローラ軌道補正方法について説明する。前述したように、胴成形受け用ローラ802は、図23に示すようにワーク601(給湯器用タンクの胴部)の開口端部より所定の長さだけ他端側に位置せしめられる。一方、胴成形用ローラ801はワーク601の内周側の所定の位置より、胴成形受け用ローラ802に向かって所定の軌道で動作する。したがって、最初は胴成形受け用ローラ802より所定の長さ突き出しているワーク601は、胴成形用ローラ801で半径方向外側に折り曲げられつつ、胴成形受け用ローラ802の段差部802aに押し付けられてZ字形状に成形される。
このとき、胴成形用ローラ801と胴成形受け用ローラ802の隙間をワーク601の板厚よりも狭く設定すると、しごき加工が加わることでワーク601の板厚が圧縮され成形後の継手寸法が変化する。また、複数のワークの連続加工で加工数が多い場合、加工熱の蓄積によりローラやローラを支持するアームなどが熱膨張し成形用ローラと成形受け用ローラの隙間が狭くなり結果として継手外形寸法が変化してしまう。
そこで、図24に示すように、光学式プロファイル測定器100により、ワーク601のZ字状継手601Aの形状を測定する。ここで、Z字状継手601Aの寸法とローラ間隙間の寸法には、実施の形態1と同様に、線形関係があることがわかった。すなわち、ワーク601のZ字状継手601Aの継手幅(ワーク軸方向の長さ)及び継手高さ(ワーク半径方向の高さ)と、胴成形用ローラ801と胴成形受け用ローラ802との隙間寸法には線形関係が成り立つ。
そして、各ワーク材料に対するZ字状継手寸法とローラ隙間寸法の関係を、あらかじめスピニング加工装置の制御部208に入力しておく。そして、光学式プロファイル測定器100により測定されたZ字状継手601Aの継手幅及び継手高さを、スピニング加工装置の制御部208に入力する。スピニング加工装置の制御部208は、測定された継手の幅及び継手の高さが入力されると、測定された継手幅及び継手の高さに対応するローラ間の隙間Sが求まる。そして、スピニング加工装置の制御部208は、前記求まった隙間Sが目標となる継手幅及び継手の高さに対応するローラ間の隙間になるように胴成形用ローラ801と胴成形受け用ローラ802の軌道を補正する。
図25は、実施の形態2のスピニング加工装置によるワークのZ字状継手の成形工程を示すフローチャートである。図25のフローチャートは、予成形と仕上げ成形の2段階の成形工程を備える。
図25において、まず、ワークの継手成形の予成形を実施する(ステップS11)。予成形では、スピニング加工装置201の胴成形用ローラ801及び胴成形受け用ローラ802をあらかじめ設定された軌道で駆動し、ワーク601のZ字状継手601Aを成形する。この予成形は、本成形の前に予めスピニング加工装置によるワーク601のZ字状継手601Aの加工具合を確かめるための予備的工程である。
次に、ステップS12により、予成形工程で成形されたZ字状継手601Aの継手幅及び継手高さを光学式プロファイル測定器100により測定する。
次に、ステップS13により、スピニング加工装置の制御部208において、胴成形用ローラ801と胴成形受け用ローラ802間の隙間Sを求める。
次に、ステップS14により、スピニング加工装置の制御部208は、前記求まった隙間Sが目標となる継手幅及び継手の高さに対応するローラ間の隙間になるように胴成形用ローラ801と胴成形受け用ローラ802の加工軌道を補正する。
そして、ステップS15により、ワークの継手成形の仕上げ成形を実施する。仕上げ成形では、スピニング加工装置201の胴成形用ローラ801及び胴成形受け用ローラ802をステップS14で補正した軌道で駆動し、ワーク601のZ字状継手601Aを本成形する。
ステップS16では、ステップS15の仕上げ成形の回数をカウントし、成形回数Nが所定の回数Nkに達すれば、ステップS12に戻り継手幅及び継手高さを測定し、隙間Sの算出(ステップS13)、ローラ軌道の決定(ステップS14)、仕上げ成形(ステップS15)を実施する。ステップS16で仕上げ成形の回数Nが所定数Nzになれば、ワークの継手成形を終了する。
従来、ローラ温度や加工荷重からローラの熱膨張量を予測し、そこから更に補正量を求める場合に比べて、実施の形態2による補正方法は、被加工部の寸法より直接補正値を求めるので、補正精度が高く成形品の寸法ばらつきを抑制できるという顕著な効果がある。
次に、実施の形態2による光学式プロファイル測定器100による継手寸法の測定方法について説明する。光学式プロファイル測定器100の構成は実施の形態1と同じであるので説明を省略する。図24に示すように、光学式プロファイル測定器100では、例えば光源として帯状にレーザ光を照射するものを使用すると、照射範囲における対象物との距離を測定することができるので、Z字状継手601Aのようなワークの軸方向及び半径方向に寸法を有する継手形状の測定、すなわちZ字状継手601Aの継手幅及び継手高さの測定が可能であり、継手幅方向と継手高さ方向の寸法ばらつきを同時に検出することができるという効果がある。また、成形位置がずれても継手寸法を正確に測定できるという効果がある。
光学式プロファイル測定器100は実施の形態1の場合と同様に、ワーク601の回転方向に対してローラ通過後に設置することが望ましいが、必ずしも限定されるものではない。継手寸法はワーク円周でばらつきがあるので、光学式プロファイル測定器100はワークの回転数に応じて適当な時間間隔で継手寸法を測定することで周内の複数個所を測定し平均化して補正量を算出する。
以上のように、この発明の実施の形態2によれば、被加工部の形状を光学的に直接測定した結果から両ローラの軌道を補正するようにしたので、ワークの製品寸法を高精度に補正することができる。また、ローラ軌道の変位に対する被加工部寸法の変化率のみ事前に把握しておけば、ローラの補正軌道を求めることができ、補正量を把握するための事前実験を簡略化できる効果がある。
また、実施の形態1ではタンクの鏡部にL字状継手を、実施の形態2ではタンクの胴部にZ字状継手を成形する例を上げて説明したが、タンクの鏡部にZ字状継手を成形する場合や、タンクの胴部にL字状継手を成形する場合についても同様に適用することができる。
実施の形態3.
この発明の実施の形態3は、成形用ローラ及び成形受け用ローラの隙間を透過式レーザセンサで測定し、この透過式レーザセンサにより測定された両ローラの隙間の測定値と、予め設定されている両ローラの隙間との差異に基づき両ローラの加工軌道を補正し、この補正した加工軌道で両ローラを駆動するものである。
この実施の形態3は、実施の形態1のワークの継手成形及び実施の形態2のワークの継手成形のどちらにも適用することができる。ここで説明する、成形用ローラ及び成形受け用ローラは、実施の形態1では成形用ローラ205及び成形受け用ローラ206に対応し、実施の形態2では胴成形用ローラ801及び胴成形受け用ローラ802に対応する。なお、以下の説明では、実施の形態1の成形用ローラ205及び成形受け用ローラ206を使用した場合について説明するが、実施の形態2の胴成形用ローラ801及び胴成形受け用ローラ802を使用した場合も同様である。
図26に示すように、透過式レーザセンサ1000は、発光部1001と受光部1002とで構成され、発光部1001から受光部1002に向けて帯状にレーザ光が照射されている。透過式レーザセンサ1000の発光部1001と受光部1002は、帯状に照射されるレーザ光が成形用ローラ205及び成形受け用ローラ206の間隔がもっとも狭くなる位置の近傍を通過するように設置される。レーザ光の一部を成形用ローラ205及び成形受け用ローラ206が遮ることによって、受光部1002の受光範囲および光量が変化し、両ローラ間隔を検出することができる。
図27は、実施の形態3によるローラの軌道修正を示すフローチャートである。
図27において、まず、ステップS21により、ワークを取り除いた状態で、成形用ローラ205及び成形受け用ローラ206を予め設定された加工軌道で駆動する。
そして、ステップS22において、透過式レーザセンサ1000により成形用ローラ205及び成形受け用ローラ206間の隙間Sを測定する。
次に、ステップS23により、スピニング加工装置の制御部208において、ステップS22により測定した両ローラ205及び206間の隙間Sと、予め設定されている両ローラ間の隙間との差異に応じて、両ローラ205及び206の加工軌道を修正する。
そして、ステップS24により、ワークの継手成形を実施する。この成形では、成形用ローラ205及び成形受け用ローラ206をステップS23で修正した加工軌道で駆動し、ワークの継手を成形する。
ステップS25では、ステップS24のワーク成形の回数をカウントし、成形回数Nが所定の回数Nkに達すれば、ステップS22に戻り両ローラの隙間Sを測定し、ローラ軌道の修正(ステップS23)、ワーク成形(ステップS24)を実施する。ステップS25で仕上げ成形の回数Nが所定数Nzになれば、ワークの継手成形を終了する。
なお、図26では、成形用ローラ205及び成形受け用ローラ206の隙間を透過式レーザセンサ1000で一度に測定した場合を示したが、図28に示すように、成形用ローラ205と成形受け用ローラ206をそれぞれ個別に測定して両ローラの隙間を求めてもよい。すなわち、発光部1001と受光部1002の基準位置を設定し、図28(a)のように成形用ローラ205のみを予め設定された加工軌道で駆動して成形用ローラ205の検出位置を測定し、図28(b)のように成形受け用ローラ206のみを予め設定された加工軌道で駆動して成形受け用ローラ206の検出位置を測定し、両者の測定値から両ローラ間の隙間を求める。
実施の形態1及び実施の形態2のようにワークの継手形状を直接測定する場合は、光学式プロファイル測定器をワーク近傍に設置しなければならない制約があったが、この実施の形態3によれば、成形用ローラ及び成形受け用ローラを所定の測定位置に移動させることで測定することも可能なため、ワークの形状によらず適切な位置に透過式レーザセンサを設置できるという効果がある。
また、従来のようにローラ温度や加工荷重からローラの熱膨張量を予測し、そこから更に補正量を求める場合に比べて、本実施の形態によれば、両ローラの隙間を透過式レーザセンサで直接測定して補正値を求めるので、補正精度が高く成形品の寸法ばらつきを抑制できるという顕著な効果がある。また、予成形により継手を成形する必要が無いので、最初のワークから補正することができる。
以上のように、この発明の実施の形態3によれば、被加工部を挟む両ローラの隙間の直接測定結果から両ローラの軌道を補正するようにしたので、ワークの製品寸法を高精度に補正することができる。
実施の形態4.
この発明の実施の形態4は、ワークを搭載する治具の位置を光学式プロファイル測定器で測定し、成形用ローラ及び成形受け用ローラの位置を透過式レーザセンサで測定し、光学式プロファイル測定器で測定した治具の位置と透過式レーザセンサで測定した両ローラの位置に基づいて、治具及び両ローラの位置決めを行うものである。
この実施の形態4は、実施の形態1及び2のスピニング加工装置に適用できる。ここで、光学式プロファイル測定器は、実施の形態1及び2で使用した光学式プロファイル測定器100と同様のものを使用する。また、透過式レーザセンサは、実施の形態3で使用した透過式レーザセンサ1000と同様のものを使用する。また、治具は、実施の形態1では鏡内治具203及び芯押し治具204に対応し、実施の形態2では胴内治具703、把持治具704、胴芯押し治具705に対応する。さらに、成形用ローラ及び成形受け用ローラは、実施の形態1では成形用ローラ205及び成形受け用ローラ206に対応し、実施の形態2では胴成形用ローラ801及び胴成形受け用ローラ802に対応する。
図29は、実施の形態4による治具及び両ローラの位置決めを示すフローチャートである。
図29において、ステップS31により、ワークを搭載する治具の位置を光学式プロファイル測定器で測定する。
一方、ステップS32により、成形用ローラ及び成形受け用ローラの位置を透過式レーザセンサで測定する。
そして、ステップS33により、ステップS31で測定した治具の位置及びステップS32で測定した成形用ローラ及び成形受け用ローラの位置に基づき、治具及び両ローラの位置決めを行う。
以上のように、本実施の形態によれば、光学式プロファイル測定器によって治具の位置を検出し、透過式レーザセンサによって両ローラの位置を検出することによって、治具と両ローラの位置関係を被接触かつ瞬時に見出すことができる。従来、段替えや交換などによる治具と両ローラの位置関係を検査する場合、それぞれを接触させたり位置決め治具に押し当てたりして位置決めを実施する方法があったが、接触力が大きくなり過ぎ圧痕を生じたり、作業者によって正確さが異なるという問題があった。また、両ローラを駆動するサーボの負荷電流をもとに接触判定をする方法があったが、接触力が小さい範囲では負荷電流の増減が電流のバックグランドでの雑音に紛れてしまい、適切に判定できないという問題があった。
これに対して、実施の形態4による両ローラと治具の位置検出方法によれば、ローラを接触させることが無いので作業者によるばらつきや圧痕を生じることはなく位置決めできるという効果がある。また、測定した結果を2次元的に可視化することができるので、より正確な位置決めが可能である。
実施の形態5.
実施の形態5は、上記実施の形態で製造されたタンクの鏡部と胴部を接合してタンクを製造するものである。
図30は、実施の形態1又は実施の形態3により製造されたタンクの鏡部301のL字状継手301Aと、実施の形態2又は実施の形態3により製造されたタンクの胴部601のZ字状継手601Aとを突き合わせて、タンクの全周に渡って溶接機1100により周溶接するところを示す概略図である。そして、図31は、タンクの鏡部301と胴部601を周溶接して出来上がったタンクを示す概略図である。なお、前記したように、タンクの鏡部301にZ字状継手を成形すると共に、タンクの胴部601にL字状継手を成形して、このZ字状継手とL字状継手とを突き合わせて、全周に渡って周溶接することにより、タンクを製造しても良い。
なお、本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
100 光学式プロファイル測定器、101 光源、102 レンズ、
103 受光素子、104 受光部、201 スピニング加工装置、202 回転主軸、203 鏡内治具、204 芯押し治具、205 成形用ローラ、
206 成形受け用ローラ、207 シリンダ、208 制御部、
209 駆動用レール、210 駆動用サーボモータ、211 支持アーム、
212 芯押し軸、213 モータ、301 ワーク、401 切断用ローラ、
402 切断受け用ローラ、404 ローラユニット、
501 スピニング加工装置の土台、601 ワーク、703 胴内治具、
704 把持治具、705 胴芯押し治具、706 端面ストッパ、
801 胴成形用ローラ、802 胴成形受け用ローラ1901 把持ブロック、
902 支持部、903 被駆動部、1000 透過式レーザセンサ、
1001 発光部、1002 受光部。

Claims (11)

  1. ワークを治具に搭載した状態で前記ワークを回転させる回転機構と、前記ワークの被加工部を内面と外面から挟み込んで前記被加工部を成形する成形用ローラ及び成形受け用ローラと、前記被加工部の形状を測定する光学式プロファイル測定器と、前記光学式プロファイル測定器の測定値を入力し、予め入力されている前記被加工部の寸法と前記両ローラ間の隙間の寸法の関係に基づいて、前記両ローラ間の隙間が前記被加工部の目標となる形状に対応する値になるように前記両ローラの軌道を補正し、前記補正した軌道で前記両ローラを駆動する制御部を備えたスピニング加工装置。
  2. 前記被加工部の成形はL字状継手の成形であり、前記光学式プロファイル測定器は前記L字状継手の高さを測定し、前記制御部は、前記光学式プロファイル測定器の測定値を入力し、予め入力されている前記L字状継手の高さ寸法と前記両ローラ間の隙間の寸法の関係に基づいて、前記両ローラ間の隙間が目標となるL字状継手に対応する値になるように前記両ローラの軌道を補正し、前記補正した軌道で前記両ローラを駆動する請求項1に記載のスピニング加工装置。
  3. 前記被加工部の成形はZ字状継手の成形であり、前記光学式プロファイル測定器は前記Z字状継手の幅及び高さを測定し、前記制御部は、前記光学式プロファイル測定器の測定値を入力し、予め入力されている前記Z字状継手の幅及び高さ寸法と前記両ローラ間の隙間の寸法の関係に基づいて、前記両ローラ間の隙間が目標となるZ字状継手に対応する値になるように前記両ローラの軌道を補正し、前記補正した軌道で前記両ローラを駆動する請求項1に記載のスピニング加工装置。
  4. ワークを治具に搭載した状態で前記ワークを回転させる回転機構と、前記ワークの被加工部を内面と外面から挟み込んで前記被加工部を成形する成形用ローラ及び成形受け用ローラと、前記両ローラの隙間を測定する透過式レーザセンサと、前記透過式レーザセンサにより測定された前記両ローラの隙間の測定値と、予め設定されている前記両ローラの隙間との差異に応じて前記両ローラの加工軌道を補正し、前記補正した加工軌道で前記両ローラを駆動する制御部を備えたスピニング加工装置。
  5. ワークを治具に搭載した状態で前記ワークを回転させる回転機構と、前記ワークの被加工部を内面と外面から挟み込んで前記被加工部を成形する成形用ローラ及び成形受け用ローラと、前記治具の位置を測定する光学式プロファイル測定器と、前記両ローラの位置を測定する透過式レーザセンサとを備え、前記測定した治具の位置と前記測定した両ローラの位置に基づいて前記治具及び前記両ローラの位置決めを行うスピニング加工装置。
  6. タンクの鏡部を製造する方法であって、
    椀形状に成形されたワークを回転させながら前記ワークの内面から成形用ローラを押し当てて前記ワークの開口部周縁の直径を拡大する工程と、
    前記ワークを回転させながら前記ワークの開口縁部を内面と外面から成形用ローラ及び成形受け用ローラで挟み込んで成形し、前記ワークの被加工部の形状を光学式プロファイル測定器で測定し、前記被加工部の寸法と前記両ローラ間の隙間の寸法の関係に基づいて、前記両ローラ間の隙間が前記被加工部の目標となる形状に対応する値になるように前記両ローラの軌道を補正し、前記補正した軌道で前記両ローラを駆動することにより、前記ワークの開口縁部にL字状継手又はZ字状継手を成形する工程と、を備えたタンク鏡部の製造方法。
  7. タンクの胴部を製造する方法であって、
    円筒形状に成形されたワークを回転させながら前記ワークの開口縁部を内面と外面から成形用ローラ及び成形受け用ローラで挟み込んで成形し、前記ワークの被加工部の形状を光学式プロファイル測定器で測定し、前記被加工部の寸法と前記両ローラ間の隙間の寸法の関係に基づいて、前記両ローラ間の隙間が前記被加工部の目標となる形状に対応する値になるように前記両ローラの軌道を補正し、前記補正した軌道で前記両ローラを駆動することにより、前記ワークの開口縁部にZ字状継手又はL字状継手を成形する工程、を備えたタンク胴部の製造方法。
  8. タンクの鏡部を製造する方法であって、
    椀形状に成形されたワークを回転させながら前記ワークの内面から成形用ローラを押し当てて前記ワークの開口部周縁の直径を拡大する工程と、
    前記ワークを回転させながら前記ワークの開口縁部を内面と外面から成形用ローラ及び成形受け用ローラで挟み込んで成形し、前記両ローラの隙間を透過式レーザセンサで測定し、前記透過式レーザセンサにより測定された前記両ローラの隙間の測定値と、予め設定されている前記両ローラの隙間との差異に応じて前記両ローラの加工軌道を補正し、前記補正した加工軌道で前記両ローラを駆動することにより前記ワークの開口縁部にL字状継手又はZ字状継手を成形する工程と、を備えたタンク鏡部の製造方法。
  9. タンクの胴部を製造する方法であって、
    円筒形状に成形されたワークを回転させながら前記ワークの開口縁部を内面と外面から成形用ローラ及び成形受け用ローラで挟み込んで成形し、前記両ローラの隙間を透過式レーザセンサで測定し、前記透過式レーザセンサにより測定された前記両ローラの隙間の測定値と、予め設定されている前記両ローラの隙間との差異に応じて前記両ローラの加工軌道を補正し、前記補正した加工軌道で前記両ローラを駆動することにより前記ワークの開口縁部にZ字状継手又はL字状継手を成形する工程、を備えたタンク胴部の製造方法。
  10. 請求項6又は請求項8に記載の製造方法により製造されたタンク鏡部の開口部と、請求項7又は請求項9に記載の製造方法により製造されたタンク胴部の開口部を向き合わせ、一方の開口縁部に形成されたL字状継手と他方の開口縁部に形成されたZ字状継手を周溶接により接続したタンクの製造方法。
  11. 椀形状の鏡部の開口部と円筒形状の胴部の開口部とを接合したタンクであって、前記鏡部の開口部周縁には、その直径が拡大している直径拡大範囲を有し、前記直径拡大範囲の円筒断面の直径は前記直径拡大範囲に隣接する円筒断面の直径よりも0.5%〜1.3%大きいタンク。
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