JP2015218382A - 部品収納具および部品保持具 - Google Patents

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Hiroyoshi Furusato
大喜 古里
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Abstract

【課題】部品収納具および部品保持具に備える磁石の着脱作業を効率化する。【解決手段】第1基板と、第2基板と、を備え、前記第1基板と、前記第2基板と、は平面視で重ねて配置され、且つ前記第1基板と、前記第2基板と、の間に部品が配置される部品収納具であって、前記第1基板と、前記第2基板と、の間に磁石が収納可能な空間が形成され、前記空間は、前記第1基板に対向する前記第2基板の面に備える第1凹部の底面と、前記第1凹部の底面に対向する前記第1基板の面に備える磁石載置面と、を含み、少なくとも、前記第1凹部の底面と前記磁石載置面と、は磁性を有し、前記第1凹部の底面と、前記第1凹部の底面に対向する前記磁石の面と、を離間させる部品収納具。【選択図】図1

Description

本発明は、部品収納具および部品保持具に関する。
圧電材料に電極膜を形成し、圧電素子とする場合、電極膜形成には電極材料、例えば金、アルミニウムなどをスパッタリングによって、所望の形状に成膜することが一般的に行われている。スパッタリングによって所望の形状に電極としての金属膜を成膜させるために、圧電材料からなるワーク(被成膜物)を、電極形状に開口させたマスク治具を含むワーク保持治具によって保持し、スパッタリング装置内にワークが保持されたワーク保持治具を装着し、スパッタリングを行う。
このようなワーク保持治具としては、特許文献1に開示されているものが知られている。特許文献1に開示されている成膜用治具は、成膜位置に保持されているワークをマスキングするマスクが、成膜用治具に備える磁石収容部に収容、固定された磁石の磁力によって吸引され、成膜用治具に固定される構成となっている。更に、磁石の表面には成膜用治具の洗浄溶液に対して不溶な保護膜が形成されているため、成膜用治具の洗浄によって磁石が浸食されることが防止でき、成膜治具の洗浄の都度、磁石を着脱させる必要がなく生産性を向上させることができる。
また、成膜治具の磁石収容部は、収容される磁石の高さより深く形成され、これにより磁石表面が成膜治具の表面より突出させない構成とすることにより、磁石とマスクとの接触を回避させ、磁石の損傷を防止している。
特開2002−241936号公報
しかし、特許文献1に開示された成膜用治具では、ワークへの成膜方法であるスパッタリングでは、スパッタ装置の内部は高温環境に維持されることから、成膜治具に収容、固定された磁石も高温に曝され、保磁力が低下してしまう。保磁力の低下は、マスクの保持力を低下させてしまい、マスクずれ、あるいはマスク外れが発生する虞があった。そのために、磁石の保護膜の損傷が生じなくても、所定の頻度で所望の保持力を備える磁石にしなければならないが、成膜用治具の磁石収容部に収容、固定されている磁石の着脱には、多くの工数を必要とするものである。
また、成膜治具の磁石収容部が、収容される磁石の高さより深く形成され、これにより磁石表面が成膜治具の表面より突出させない構成となっていること、言い換えれば、磁石は磁石収容部の深さより薄く形成され、小型の磁石となってしまうことで、高い保磁力を得ることが困難となる。従って、マスクの保持力が低くなることにより、マスクずれ、あるいはマスク外れが発生する虞があった。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
〔適用例1〕本適用例の部品収納具は、第1基板と、第2基板と、を備え、前記第1基板と、前記第2基板と、は平面視で重ねて配置され、且つ前記第1基板と、前記第2基板と、の間に部品が配置される部品収納具であって、前記第1基板と、前記第2基板と、の間に磁石が収納可能な空間が形成され、前記空間は、前記第1基板に対向する前記第2基板の面に備える第1凹部の底面と、前記第1凹部の底面に対向する前記第1基板の面に備える磁石載置面と、を含み、少なくとも、前記第1凹部の底面と前記磁石載置面と、は磁性を有し、前記第1凹部の底面と、前記第1凹部の底面に対向する前記磁石の面と、を離間させることを特徴とする。
本適用例の部品収納具は、第1基板と、第2基板と、を磁石の吸着力により互いに積層させ、第1基板と、第2基板と、によって形成される空間に部品を収納させるものである。従って、本適用例の部品収納具によれば、磁石の吸着力による組み立て手段によることで、第2基板と、第1基板と、の着脱を容易にすることができる。また、第2基板に第1凹部が形成されることにより、第2基板の軽量化を図ることができ、ねじ止めなどによらない、磁石による吸着固定であっても第2基板が外れやすくなることを抑制することができる。
〔適用例2〕上述の適用例において、前記第1凹部の底面の算術平均粗さをRa1、前記磁石載置面の算術平均粗さをRa2、とした場合、
Ra1>Ra2
であることを特徴とする。
磁石の吸着力は、被吸着物の被吸着面の仕上げが荒い程、吸着力は低下する。そこで、上述の適用例によれば、第1基板に含まれる磁石載置面の仕上げ程度を、第2基板の第1凹部底面の仕上げ程度より良くする、すなわち算術平均粗さを細かく(小さく)することにより、部品収納具から第2基板を離間(分解)させた場合、磁石は第1基板に残留させることができる。従って、部品収納具への部品の着脱において、第2基板を着脱する作業性が向上し、生産性を高めることができる。
〔適用例3〕上述の適用例において、前記第2基板の前記第1基板に対向する面に、前記磁石載置面を底面とする第2凹部を備え、前記第2凹部の開口の縁部は、前記第1凹部の開口の縁部の内側領域であることを特徴とする。
上述の適用例は換言すると、第1凹部の開口の縁部は第2凹部の開口の縁部より外側領域にある。従って、磁石に対して各凹部の側壁との距離は、第1凹部の側壁からの距離より第2凹部の側壁からの距離の方が短い、すなわち第1凹部の側壁と磁石との間の吸着力は弱くなっている。従って、上述の適用例によれば、第2基板の第1凹部における磁石と第2基板の吸着力より、第1基板の第2凹部における磁石と第1基板との吸着力が大きくなり、部品収納具から第2基板を離間(分解)させた場合、磁石は第1基板に残留させることを容易にすることができる。
〔適用例4〕上述の適用例において、前記第2基板は、前記磁石載置面を備える基板部と、前記基板部と、前記第1基板と、の間に配置されるスペーサー部と、を備え、前記スペーサー部の磁性が、前記磁石載置面の磁性より低いことを特徴とする。
上述の適用例によれば、磁石が収容可能な空間の底部となる磁石載置面が第1基板となり、側壁がスペーサーによって構成される。スペーサーが磁石載置面より低い磁性を有することにより、磁石載置面に磁石を配置させる際に、スペーサーによって形成される磁石の収納空間の側壁に磁石が引き寄せられることなく、磁石載置面に磁石を配置させることができ、作業性を向上させることができる。また、収納される部品の形状、寸法に応じたスペーサーを組み替えることで、部品収容空間を容易に形成することができるため、第1基板および第2基板の共通使用、いわゆる標準化が可能となりコスト低減が図られる。
〔適用例5〕上述の適用例において、前記第2基板の一部が、前記第1基板と、積層方向で接触することを特徴とする。
上述の適用例によれば、第1凹部の底面と磁石とを確実に離間させることができ、また、収容される部品と、第1基板と第2基板とにより形成される収納空間と、の積層方向の所望の寸法関係を維持することができ、部品の損傷を防止することができる。
〔適用例6〕本適用例の部品保持具は、第1基板と、第2基板と、前記第1基板と、前記第2基板と、は平面視で重ねて配置され、前記第1基板と、前記第2基板と、の間に配置される磁石と、を備え、前記第1基板と、前記第2基板と、の間に前記磁石が収納可能な空間が形成され、前記空間は、前記第1基板に対向する前記第2基板の面に備える第1凹部の底面と、前記第1凹部の底面に対向する前記第1基板の面に備える磁石載置面と、を含み、少なくとも、前記第1凹部の底面と前記磁石載置面と、は磁性を有し、前記第1凹部の底面と、前記第1凹部の底面に対向する前記磁石の面と、が離間していることを特徴とする。
本適用例の部品保持具は、第1基板と、第2基板と、を磁石の吸着力により互いに積層させ、第1基板と、第2基板と、によって形成される空間に部品を収納、保持させ、例えばスパッタリング等の処理装置に部品を配置される治具として用いられるものである。従って、本適用例の部品保持具によれば、磁石の吸着力による組み立て手段によることで、第2基板と、第1基板と、の着脱を容易にすることができる。また、第2基板に第1凹部が形成されることにより、第2基板の軽量化を図ることができ、ねじ止めなどによらない、磁石による吸着固定であっても第2基板が外れやすくなることを抑制することができる。
〔適用例7〕上述の適用例において、前記第1凹部の底面の算術平均粗さをRa1、前記磁石載置面の算術平均粗さをRa2、とした場合、
Ra1>Ra2
であることを特徴とする。
磁石の吸着力は、被吸着物の被吸着面の仕上げが荒い程、吸着力は低下する。そこで、上述の適用例によれば、第1基板に含まれる磁石載置面の仕上げ程度を、第2基板の第1凹部底面の仕上げ程度より良くする、すなわち算術平均粗さを細かく(小さく)することにより、部品保持具から第2基板を離間(分解)させた場合、磁石は第1基板に残留させることができる。これにより、スパッタリング装置への固定治具として本適用例の部品保持具を用いた場合、所定の繰り返し使用後に必要となるマスク基板となる第2基板の処理被膜物質の剥離洗浄において、部品保持具から第2基板の着脱において、除外しなければならない磁石が、第1基板側に残留するため、第2基板を着脱する作業性が向上し、生産性を高めることができる。
〔適用例8〕上述の適用例において、前記第2基板の前記第1基板に対向する面に、前記磁石載置面を底面とする第2凹部を備え、前記第2凹部の開口の縁部は、前記第1凹部の開口の縁部の内側領域であることを特徴とする。
上述の適用例によれば、上述の適用例は換言すると、第1凹部の開口の縁部は第2凹部の開口の縁部より外側領域にある。従って、磁石に対して各凹部の側壁との距離は、第1凹部の側壁からの距離より第2凹部の側壁からの距離の方が短い、すなわち第1凹部の側壁と磁石との間の吸着力は弱くなっている。従って、上述の適用例によれば、第2基板の第1凹部における磁石と第2基板の吸着力より、第1基板の第2凹部における磁石と第1基板との吸着力が大きくなり、部品収納具から第2基板を離間(分解)させた場合、磁石は第1基板に残留させることを容易にすることができる。
〔適用例9〕上述の適用例において、前記第2基板は、前記磁石載置面を備える基板部と、前記基板部と、前記第1基板と、の間に配置されるスペーサー部と、を備え、前記スペーサー部の磁性が、前記磁石載置面の磁性より低いことを特徴とする。
上述の適用例によれば、上述の適用例によれば、磁石が収容可能な空間の底部となる磁石載置面が第1基板となり、側壁がスペーサーによって構成される。スペーサーが磁石載置面より低い磁性を有することにより、磁石載置面に磁石を配置させる際に、スペーサーによって形成される磁石の収納空間の側壁に磁石が引き寄せられることなく、磁石載置面に磁石を配置させることができ、作業性を向上させることができる。また、収納される部品の形状、寸法に応じたスペーサーを組み替えることで、部品収容空間を容易に形成することができるため、第1基板および第2基板の共通使用、いわゆる標準化が可能となりコスト低減が図られる。
〔適用例10〕上述の適用例において、前記第2基板の一部が、前記第1基板と、積層方向で接触することを特徴とする。
上述の適用例によれば、第1凹部の底面と磁石とを確実に離間させることができ、また、保持される部品と、第1基板と第2基板とにより形成される収納空間と、の積層方向の所望の寸法関係を維持することができ、部品の損傷を防止することができる。
第1実施形態に係る部品収納具を示し、(a)は平面図、(b)は(a)に示すA−A´部の断面図、(c)は(a)に示すB−B´部の断面図、(d)は(a)に示すC1−C2−C3部の断面図。 第1実施形態に係る部品収納具の部分拡大図を示し、(a)は図1(c)に示すH部の拡大平面図、(b)は図1(c)に示すH部の拡大断面図。 磁石の吸着力を説明する、(a)は磁石が吸着される面の表面粗さと吸着力の関係、(b)は磁石と、磁石が吸着される面と、の距離(隙間)と、吸着力の関係、を示す。 第2実施形態に係る部品収納具を示し、(a)は平面図、(b)は(a)に示すJ−J´部の断面図、(c)は(a)に示すK−K´部の断面図、(d)は(c)に示すL部の拡大図。 第3実施形態に係る部品保持具を示し、(a)は平面図、(b)は(a)に示すN−N´部の拡大断面図、(c)は(a)に示すP−P´部の拡大断面図。 第3実施形態に係る部品保持具の部分拡大図を示し、(a)は図5(b)に示すS部の拡大平面図、(b)は図5(b)に示すS部の拡大断面図。 第4実施形態に係る部品保持具を示し、(a)は平面図、(b)は(a)に示すT−T´部の断面図、(c)は(a)に示すU−U´部の断面図、(d)は(c)に示すV部の拡大図。
以下、図面を参照して、本発明に係る実施形態を説明する。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る部品収納具を示し、(a)は平面図、(b)は(a)に示すA−A´部の断面図、(c)は(a)に示すB−B´部の断面図、(d)は(a)に示すC1−C2−C3部の断面図、である。
図1(a),(b)に示すように、第1実施形態に係る部品収納具100は、被収納部品40(以下、部品40という)を挟持可能とする第1基板10と、第2基板20と、第1基板10と第2基板20との間に、部品40が収納可能となる厚みを備えたスペーサー30と、を備えている。なお本実施形態では、スペーサー30は、複数のスペーサー体、本実施形態では3枚のスペーサー体31,32,33によって構成されているが、これに限定されず部品40の厚みによって、適宜、設定することができる。
第1基板10には、2本の案内ピン11が、例えば溶接などによって、固着されている。この案内ピン11に案内され、挿通するようにスペーサー30のスペーサー案内孔30aとなる各スペーサー体31,32,33のスペーサー体案内孔31a,32a,33aが形成され、第2基板20には第2基板案内孔20aが形成されている。案内ピン11に、スペーサー体案内孔31a,32a,33aを挿通させ、さらに第2基板20の第2基板案内孔20aを挿通させることにより、第1基板10に対して、スペーサー30と第2基板20と、が所定の位置関係を維持して積層させることができる。
部品収納具100に部品40が収納されているか否かを確認するため第1基板10には第1基板開口10aを備え、第2基板20には第2基板開口20bを備えている。第1基板開口10a、および第2基板開口20bと、部品40との関係は、図1(a)におけるD部拡大図に示すように、部品40の角部40aが開口10a,20bより外側に配置されるように、すなわち図示網掛けF部の平面視での重なりを形成させるようにする。このようにすることで、図1(d)に示すように、部品40のコーナー部のD部において重なりFが構成されることにより、第1基板10の第1基板開口10a、および第2基板20の第2基板開口20bからの部品40の外れが防止される。言い換えると、部品40は第1基板10と第2基板20との重なりF部で挟持され、部品収納具100に保持されることとなる。
なお、スペーサー30は、各スペーサー体31,32,33に、部品40が位置決めされる適当な隙間が形成されるスペーサー体開口31b,32b,33bが形成され、スペーサー30として積層されてスペーサー開口30bが構成されて部品40を位置決め固定する。
本実施形態に係る部品収納具100は、磁石50を備えることにより、第1基板10と、第2基板20と、を、磁力によって積層方向に吸着し、スペーサー30を挟持するように引き付ける。図1(c)に示すように、磁石50は、スペーサー30に複数個所設けられた磁石収納部30cと、第1基板10と、第2基板20と、によって構成される磁石が収納可能な空間に配置される。磁石収納部30cは、各スペーサー体31,32,33に設けられた磁石収納開口31c,32c,33cによって構成される。
従って、第1基板10、および第2基板20は磁石50と吸着性が優れる磁性材によって形成され、鉄系およびニッケル系の合金を用いることが好ましく、例えば析出硬化系ステンレス鋼のSUS631を用いることで、強度と耐食性とを備えた第1基板10、および第2基板20を得ることができる。
スペーサー30を構成するスペーサー体31,32,33は非磁性体材料で形成されることが好ましい。スペーサー体31,32,33を非磁性体材料で形成することにより、磁石50を配置させた場合に、磁石50がスペーサー体31,32,33の磁石収納開口31c,32c,33cの内周面に磁力によって引き寄せられることがないため、磁石50の組み込み性が阻害されない。スペーサー体31,32,33としては、例えばオーステナイト系ステンレス鋼が好適に用いられ、SUS304−CSPなどが用いられる。
図1(a)に示す、第1基板10における磁石50が載置される磁石載置面領域G(図中、網掛けハッチング領域)は、本実施形態に係る部品収納具100では、第1基板10は平板状であるので、図1(c)に示すように第1基板10の第2基板20に対向する面10b(以下、第1基板主面10bという)の面内に含まれる。第1基板10が磁石50の磁力によって引き寄せられる力、すなわち吸着力は、第1基板主面10bの表面仕上げが良い状態、言い換えると表面粗さが小さくなるほど高い吸着力を得ることができる。
第1基板10の第1基板主面10bの仕上げは、第1基板10の厚みを整えるために行われる表面研削仕上げでは、算術平均粗さRa21は、
Ra21≦0.2(μm)
の表面仕上げが得られ、磁石50との高い吸着力を確保することができる。
一方、第2基板20は、図1(c)のH部の拡大断面図である図2(b)、および図2(b)の平面外観図である図2(a)に示すように、磁石50の収納領域に対応した第2基板20の第1基板10に対向する面20c(以下、第2基板主面20cという)に、第2基板主面20c側に開口する第1凹部20dが形成されている。
第1凹部20dは、例えば第2基板主面20cを部分エッチングすることによって形成され、部品収納具100として部品40を収納した場合に、磁石50の第2基板20側の端部50aより離間した位置に第1凹部20dの底部20eが配置されるよう第1凹部20dの深さmが設定される。第1凹部20dの深さmは、部品収納具100として組み立てられた状態で、各構成部品のばらつきを考慮しても底部20eと磁石50の端部50aとが当接しないように設定されることが好ましい。すなわち、磁石50の端部50aと底部20eと、の距離(隙間)をδとすると、
δ≧0
であることが好ましい。
更に、第1凹部20dの底部20eは、第1基板10の磁石載置面領域G(図1参照)の仕上げ、すなわち第1基板主面10bの仕上げの算術平均粗さRa2より荒くすることが好ましい。
磁石50と第1基板10、および磁石50と第2基板20、との吸着力は、基板10,20の吸着面の粗さ、および磁石50との離間距離によって変化する。例えば、一般的に図3に示す関係にある。図3(a)は、磁石が吸着される面の表面粗さと、磁石の吸着力の関係を表している。図3(a)に示すように、▽▽▽仕上げ面と磁石との吸着力を100とした場合、▽▽仕上げ面では吸着力は約80%まで弱まり、さらに▽仕上げ面では約60%まで弱まってしまう。
また、磁石と、磁石が吸着される面と、の距離(隙間)と、吸着力の関係を示す図3(b)でわかるように、磁石が密着した状態での吸着力を100%とすると、わずか0.1mmの隙間ができることで吸着力は約30%まで弱まってしまう。すなわち、吸着力は磁束密度の二乗に比例して発生するが、吸着面を通る磁束の磁束密度は磁石からの距離に反比例して低下する。従って、吸着力は磁石からの距離の二乗に反比例して減少してしまう。
上述の図3によって説明したことから、第1凹部20dの底部20eの仕上げが、第1基板10の磁石載置領域Gを含む第1基板主面10bの仕上げより荒い、すなわち第1凹部20dの底部20eの面粗さを算術平均粗さRa11とした場合、
Ra11>Ra21
の関係にあることが好ましい。
第1基板10に載置され、第1基板10に磁石50の第1基板10側の端部50bが密着して吸着している磁石50が、δ=0、すなわち第2基板20における第1凹部20dの底部20eとも密着した状態の場合を仮定する。その形態から、第1基板10と第2基板20とを離間させ分解させるときに、第1基板10と磁石50との吸着力をP11、第2基板20と磁石50との吸着力をP21、とした場合、上述の算術平均粗さRa11,Ra21の関係とすることにより、
P11>P21
となり、磁石50は第1基板10側に吸着した状態で第2基板20を分離することができる(図3(a)参照)。さらに、図2(b)に示すように第1凹部20dの底部20eと、磁石50の端部50aと、に隙間δを設けることにより、確実に第1基板10と磁石50との吸着力をP11が、第2基板20と磁石50との吸着力をP21より大きくなる関係を維持することができる。
また、平面視における第1凹部20d領域と、スペーサー30における磁石収納部30c領域と、の関係は、図2(a)に示すように、第1凹部20d領域が、スペーサー30における磁石収納部30c領域より広く形成されている。このように形成されることにより、第1凹部20dの側壁と磁石50との距離を広げ、第1凹部20dの側壁と磁石50との間の吸着力を低減させることができ、上述の第2基板20と磁石50との吸着力P21に吸着力が加算されることが抑制される。
(第2実施形態)
図4に第2実施形態に係る部品収納具を示し、(a)は平面図、(b)は(a)に示すJ−J´部の断面図、(c)は(a)に示すK−K´部の断面図の断面図、(d)は(c)に示すL部の拡大図、である。なお、第2実施形態に係る部品収納具110は、第1実施形態に係る部品収納具100における第1基板10とスペーサー30(スペーサー体31,32,33)とが一体化した点が異なる構成である。従って、第2実施形態に係る部品収納具110の説明では、第1実施形態に係る部品収納具100と同じ構成要素には同じ符号を付し、説明は省略する。
図4(a),(b)に示すように部品収納具110は、第1実施形態に係る部品収納具100に備える第2基板20を共通に使用することができる。そして、第1基板60には第2基板20に対向する面60a(以下、第1基板主面60aという)には2本の案内ピン61が、例えば溶接などのよって、固着されている。この案内ピン61が第2基板20の第2基板案内孔20aに挿通され、第1基板60と第2基板20とが位置決めされる。
また、第1基板60には第2基板20に対向する第1基板主面60aに開口を備える磁石50が収納可能な第2凹部60bを備えている。また、部品40が収納可能な第1基板主面60aに開口を有する部品収納凹部60cを備え、部品収納凹部60cの底部60dには貫通孔の第2開口60eが形成され、部品40の収納の有無を確認することができる。
第2凹部60bには、図4(d)にも示すように、磁石50が収納され、第2凹部60bの底部60f上に載置される。磁石50の載置面となる底部60fは、第1実施形態に係る部品収納具100と同様に、底部60fの面粗さを算術平均粗さRa22とした場合、
Ra11>Ra22
の関係にあることが好ましい。なお、Ra11は第2基板20に形成された第1凹部20dの底部20e面の算術平均粗さである。更に、磁石50の端部50aと底部20eと、の距離(隙間)δは、
δ≧0
であることが好ましい。
上述の算術平均表面粗さ、および第2基板20の第1凹部20dと磁石の隙間δの関係を実現することにより、第2凹部60bの底部60fに載置された磁石50に対して、第1凹部20dの底部20eと磁石50の端部50aと、が密着した場合であっても、第1基板60の第2凹部60bの底部60fと、磁石50との吸着力をP12、第2基板20と磁石50との吸着力をP21、とした場合、少なくとも、
P12>P21
の関係となり、磁石50は第1基板60側に吸着した状態で第2基板20を分離することができる。
さらに、磁石50は第1基板60の第2凹部60bの側壁との間でも磁力による吸着力P12´が生じていることから、
(P12+P12´)>P21
となり、なお一層、磁石50と第2基板20との吸着力に対して、磁石50と第1基板60との吸着力が大きくなり、確実に磁石50が第1基板60側に吸着した状態で第2基板20を分離することができる。
また、平面視における第1凹部20dの領域と、第1基板60における磁石が収納される第2凹部60bの領域と、の関係は、図4(a)のM部拡大図に示すように、第1凹部20d領域が、第1基板60の第2凹部60b領域より広く形成されている。このように形成されることにより、第1凹部20dの側壁と磁石50との距離を広げ、第1凹部20dの側壁と磁石50との間の吸着力を低減させることができ、上述における第2基板20と磁石50との吸着力P21に吸着力が加算されることを抑制する。
上述した部品収納具100,110は、第1基板10もしくは第1基板60と、第2基板20と、を磁石50の吸着力により互いに積層させ、第1基板10もしくは第1基板60と、第2基板20と、によって形成される空間に部品40を収納させるものである。この磁石50の吸着力による組み立て手段により、第2基板20と、第1基板10もしくは第1基板60と、の着脱を容易にすることができる。また、第2基板20に第1凹部20dが形成されることにより、第2基板20の軽量化を図ることができ、磁石50による吸着固定であっても第2基板20が外れやすくなることを抑制することができる。
また、第2基板20に第1凹部20dを備えることにより、磁石50はスペーサー30の第2基板20側、もしくは第1基板60の第2基板20側に突出させることができることから、より大きい磁石50を用いることができる。従って、磁石50と、第1基板10,60、および第2基板20との吸着力を高めることができる。更に、第2実施形態に係る部品収納具110においては、第2基板20を分離させた場合、第1基板60に残留した磁石50は、第1基板60の第2基板20側に突出しているため、磁石50の交換時には容易に磁石50を確保し、第2凹部60bから磁石50を排出することができる。
部品収納具100,110は、部品40の収納、排出時における第2基板20の着脱が容易に行える。また、部品40は部品収納具100,110に収納することによって、部品40に直接触れることなくハンドリングが可能になり、部品40の損傷、汚染を防止することができる。
(第3実施形態)
図5に第3実施形態に係る部品保持具を示し、(a)は平面図、(b)は(a)に示すN−N´部の拡大断面図、(c)は(a)に示すP−P´部の拡大断面図、である。
図5(a),(b)に示す、第3実施形態に係る部品保持具1000は、被保持物1040を挟持し保持する第1基板1010と、第2基板1020と、第1基板1010と第2基板1020との間に被保持物1040が収納可能となる厚みを備えたスペーサー1030と、第1基板1010と第2基板1020とを吸着する磁石1050と、を備えている。なお本実施形態では、スペーサー1030は、複数のスペーサー体、本実施形態では3枚のスペーサー体1031,1032,1033によって構成されているが、これに限定されず被保持物1040の厚みによって、適宜、設定することができる。
部品保持具1000は、本実施形態では被保持物1040の表面に後述する第2基板1020の開口部を通して、スパッタリングによって薄膜を形成する際のスパッタリング装置への装着治具として用いられる。従って、第2基板1020はスパッタリングのマスキング部材としての機能を備えているので、以下、第2基板1020をマスク基板1020という。また被保持物1040は、スパッタリングされる被加工物であるので、以下、被保持物1040をワーク1040という。
第1基板1010には、2本の案内ピン1011が、例えば溶接などによって、固着されている。この案内ピン1011に案内され、挿通するようにスペーサー1030のスペーサー案内孔1030aとなる各スペーサー体1031,1032,1033のスペーサー体案内孔1031a,1032a,1033aが形成され、マスク基板1020にはマスク基板案内孔1020aが形成されている。案内ピン1011に、スペーサー体案内孔1031a,1032a,1033aを挿通させ、さらにマスク基板1020のマスク基板案内孔1020aを挿通させることにより、第1基板1010に対して、スペーサー1030とマスク基板1020と、が所定の位置関係を維持して積層させることができる。そして、スペーサー体1031,1032,1033それぞれには、ワーク1040の外形を案内するスペーサー体開口1031b,1032b,1033bが形成され、部品保持具1000に組み立てられスペーサー開口1030bが構成される。
マスク基板1020には、ワーク1040のマスク基板1020側の面1040a(以下、処理面1040aという)にスパッタリングによる被膜材を通過させるためのマスク開口1020bが形成されている。本実施形態の部品保持具1000の例では、ワーク1040の処理面1040aの略全面に被膜させるようにマスク開口1020bは形成されている。しかし、これに限定されず、所望の被膜形状に合わせてマスク基板1020のマスク開口1020bの形状は設定される。また、第1基板1010には第1基板開口1010aが形成されている。第1基板開口1010aは、ワーク1040が載置される第1基板1010のマスク基板1020側の面1010b(以下、第1基板主面1010bという)と、ワーク1040と、の接触によるワーク1040の表面への傷付き防止のため、ワーク1040の平面視形状より大きく形成されている。しかし、ワーク1040を保持するために次のように第1基板開口1010aは形成される。
第1基板開口1010a、およびマスク開口1020bと、ワーク1040と、の図5(a)におけるP−P´部の断面を示す図5(c)のように、ワーク1040の角部1040bが開口1010a,1020bより外側に配置されるように、すなわち基板1010,1020と平面視での重なりQ1,Q2を持たせている。このようにワーク1040の角部1040b領域で、ワーク1040を第1基板1010とマスク基板1020と、で挟持することにより、ワーク1040の表面を損傷させることなく部品保持具1000にワーク1040を保持することができる。
本実施形態に係る部品保持具1000は、磁石1050を備えることにより、第1基板1010と、マスク基板1020と、を、磁力によって積層方向に吸着し、スペーサー1030を挟持するように引き付ける。図5(b)に示すように、磁石1050は、スペーサー1030に複数個所設けられた磁石収納部1030cに配置される。磁石収納部1030cは、各スペーサー体1031,1032,1033に設けられた磁石収納開口1031c,1032c,1033cによって構成される。
従って、第1基板1010、およびマスク基板1020は磁石1050と吸着性が優れる磁性材によって形成され、鉄系およびニッケル系の合金を用いることが好ましく、例えば析出硬化系ステンレス鋼のSUS631を用いることで、強度と耐食性とを備えた第1基板1010、およびマスク基板1020を得ることができる。なお、スペーサー1030を構成するスペーサー体1031,1032,1033は非磁性体材料で形成されることが好ましい。スペーサー体1031,1032,1033を非磁性体材料で形成することにより、磁石1050を配置させた場合に、磁石1050がスペーサー体1031,1032,1033の磁石収納開口1031c,1032c,1033cの内周面に磁力によって引き寄せられることがないため、磁石1050の組み込み性が阻害されない。スペーサー体1031,1032,1033としては、例えばオーステナイト系ステンレス鋼が好適に用いられ、SUS304−CSPなどが用いられる。
図5(a)に示す、第1基板1010における磁石1050が載置される磁石載置面領域R(図中、網掛けハッチング領域)は、本実施形態に係る部品保持具1000では、第1基板1010は平板状であるので、図5(b)に示すように第1基板1010の第2基板1020に対向する第1基板主面1010bの面内に含まれる。第1基板1010が磁石1050の磁力によって引き寄せられる力、すなわち吸着力は、第1基板主面1010bの表面仕上げが良い状態、言い換えると表面粗さが小さくなるほど高い吸着力を得ることができる(図3(a)参照)。
第1基板1010の第1基板主面1010bの仕上げは、第1基板1010の厚みを整えるために行われる表面研削仕上げでは、算術平均粗さRa23は、Ra23≦0.2(μm)
の表面仕上げが得られ、磁石1050との高い吸着力を確保することができる。
一方、マスク基板1020は、図5(b)のS部の拡大断面図である図6(b)、および図6(b)の平面外観図である図6(a)に示すように、磁石1050の収納領域に対応したマスク基板1020の第1基板1010に対向する面1020c(以下、マスク基板主面1020cという)に、マスク基板主面1020c側に開口する第1凹部としてのマスク凹部1020dが形成されている。
マスク凹部1020dは、例えばマスク基板主面1020cを部分エッチングすることによって形成され、部品保持具1000としてワーク1040を保持した場合に、磁石1050のマスク基板1020側の端部1050aより離間した位置にマスク凹部1020dの底部1020eが配置されるようマスク凹部1020dの深さtが設定される。マスク凹部1020dの深さtは、部品保持具1000として組み立てられた状態で、各構成部品のばらつきを考慮しても底部1020eと磁石1050の端部1050aとが当接しないように設定されることが好ましい。すなわち、磁石1050の端部1050aと底部1020eと、の距離(隙間)をεとすると、
ε≧0
であることが好ましい。
更に、マスク凹部1020dの底部1020eは、第1基板1010の磁石載置面領域R(図5(a)参照)の仕上げ、すなわち第1基板主面1010bの仕上げの算術平均粗さRa23より荒くすることが好ましく、マスク凹部1020dの底部1020eの面粗さを算術平均粗さRa13とした場合、
Ra13>Ra23
の関係にあることが好ましい。
上述のε、Ra13、およびRa23の関係は、図3で説明したように、第1基板1010とマスク基板1020とを離間させ分解させるときに、第1基板1010と磁石1050との吸着力をP13、マスク基板1020と磁石1050との吸着力をP23、とした場合、
P13>P23
となり、磁石1050は第1基板1010側に吸着した状態でマスク基板1020を分離することができる。
また、平面視におけるマスク凹部1020d領域と、スペーサー1030における磁石収納部1030c領域と、の関係は、図6(a)に示すように、マスク凹部1020d領域が、スペーサー1030における磁石収納部1030c領域より広く形成されている。このように形成されることにより、マスク凹部1020dの側壁と磁石1050との距離を広げ、マスク凹部1020dの側壁と磁石1050との間の吸着力を低減させることができ、マスク基板1020と磁石1050との吸着力P23を低減させることができる。
部品保持具1000を用いてワーク1040にスパッタリングによって被膜形成させると、マスク基板1020にもワーク1040に処理される被膜材料が付着してしまう。そして、繰り返し部品保持具1000を用いてスパッタリングすることで、マスク基板1020に付着した被膜材料は何層にも積層されてスパッタリング処理中に部分的に被膜材料が剥離し、ワーク1040に付着し、不良品を発生させてしまう。そこで、マスク基板1020は、所定回数の繰り返し使用の後、付着した被膜材料を剥離洗浄することが行われる。
被膜材料は主に金属材料であり、その剥離洗浄には、例えば硝酸など金属溶解液に浸漬させることが行われる。しかし、磁石1050は金属溶解液に侵食されやすい材料であり、マスク基板1020から確実に磁石1050を除去した上で、マスク基板1020の剥離洗浄が行わなければならない。そこで、本実施形態に係る部品保持具1000を用いることで、上述したように磁石1050は第1基板1010に吸着させてマスク基板1020分離できる、すなわちマスク基板1020に磁石1050を残留させずにマスク基板1020を分離することができるため、作業性がよく、生産性を向上させることができる。
また、部品保持具1000は、高温環境のスパッタリング装置内で使用されるが、磁石1050は高温環境下では磁力の低下を生じてしまう。そのため、所定の繰り返し使用回数ごとに磁石1050を、所定の磁力を有するものと交換する必要がある。この際、第1基板1010と磁石1050と、は磁力による吸着力のみで組み合わされているため、第1基板1010からの磁石1050の除去が容易に行われ、生産性の向上を図ることができる。
(第4実施形態)
図7に第4実施形態に係る部品保持具を示し、(a)は平面図、(b)は(a)に示すT−T´部の断面図、(c)は(a)に示すU−U´部の断面図の断面図、(d)は(c)に示すV部の拡大図、である。なお、第4実施形態に係る部品保持具1100は、第3実施形態に係る部品保持具1000における第1基板1010とスペーサー1030(スペーサー体1031,1032,1033)とが一体化した点が異なる構成である。従って、第4実施形態に係る部品保持具1100の説明では、第3実施形態に係る部品保持具1000と同じ構成要素には同じ符号を付し、説明は省略する。
図7(a),(b)に示すように部品保持具1100は、第3実施形態に係る部品保持具1000に備えるマスク基板1020を共通に使用することができる。そして、第1基板1060にはマスク基板1020に対向する面1060a(以下、第1基板主面1060aという)には2本の案内ピン1061が、例えば溶接などのよって、固着されている。この案内ピン1061がマスク基板1020のマスク基板案内孔1020aに挿通され、第1基板1060とマスク基板1020とが位置決めされる。
また、第1基板1060にはマスク基板1020に対向する第1基板主面1060aに開口を備える磁石1050が収納可能な第2凹部としての第1基板凹部1060bを備えている。また、ワーク1040が収納可能な第1基板主面1060aに開口を有する部品収納凹部1060cを備え、部品収納凹部1060cの底部1060dには貫通孔の第2開口1060eが形成され、ワーク1040の収納の有無を確認することができる。
第1基板凹部1060bには、図7(d)にも示すように、磁石1050が収納され、第1基板凹部1060bの底部1060f上に載置される。磁石1050の載置面となる底部1060fは、第3実施形態に係る部品保持具1000と同様に、底部1060fの面粗さを算術平均粗さRa24とした場合、
Ra13>Ra24
の関係にあることが好ましい。なお、Ra13はマスク基板1020に形成されたマスク凹部1020dの底部1020e面の算術平均粗さである。更に、磁石1050の端部1050aと底部1020eと、の距離(隙間)εは、
ε≧0
であることが好ましい。
上述の算術平均表面粗さ、およびマスク基板1020のマスク凹部1020dと磁石の隙間εの関係を実現することにより、第1基板凹部1060bの底部1060fに載置された磁石1050に対して、マスク凹部1020dの底部1020eと磁石1050の端部1050aと、が密着した場合であっても、第1基板1060の第1基板凹部1060bの底部1060fと、磁石1050との吸着力をP14とした場合、マスク基板1020と磁石1050との吸着力は上述したP23であり、
P14>P23
の関係となり、磁石1050は第1基板1060側に吸着した状態でマスク基板1020を分離することができる。
さらに、磁石1050は第1基板1060の第1基板凹部1060bの側壁との間でも磁力による吸着力P14´が生じていることから、
(P14+P14´)>P23
となり、なお一層、磁石1050とマスク基板1020との吸着力に対して、磁石1050と第1基板1060との吸着力が大きくなり、確実に磁石1050が第1基板1060側に吸着した状態でマスク基板1020を分離することができる。
また、平面視におけるマスク凹部1020d領域と、第1基板1060の磁石1050が収納される第1基板凹部1060bと、の関係は、図7(a)のW部拡大図に示すように、マスク凹部1020d領域が、第1基板1060の第1基板凹部1060b領域より広く形成されている。このように形成されることにより、マスク凹部1020dの側壁と磁石1050との距離を広げ、マスク凹部1020dの側壁と磁石1050との間の吸着力を低減させることができ、上述におけるマスク基板1020と磁石1050との吸着力であるP23に吸着力が加算されることを抑制する。
上述した部品保持具1000,1100は、第1基板1010もしくは第1基板1060と、マスク基板1020と、を磁石1050の吸着力により互いに積層させ、第1基板1010もしくは第1基板1060と、第2基板1020と、によってワーク1040を挟持し保持するものである。この磁石1050の吸着力による組み立て手段により、マスク基板1020と、第1基板1010もしくは第1基板1060と、の着脱を容易にすることができ、ワーク1040の交換作業の生産性を向上させることができる。また、マスク基板1020にマスク凹部1020dが形成されることにより、マスク基板1020の軽量化を図ることができ、マスク基板1020が外れやすくなることを抑制することができる。
また、マスク基板1020にマスク凹部1020dを備えることにより、磁石1050は部品保持具1000ではスペーサー1030のマスク基板1020側、もしくは部品保持具1100では第1基板1060のマスク基板1020側、に突出させることができることから、大きい磁石1050を用いることができる。従って、磁石1050と、第1基板1010,1060、およびマスク基板1020との吸着力を高めることができる。更に、第4実施形態に係る部品保持具1100においては、マスク基板1020を分離させた場合、第1基板1060に残留した磁石1050は、第1基板1060のマスク基板1020側に突出しているため、磁石1050の交換時には容易に磁石1050を確保し、第1基板凹部1060bから磁石1050を排出することができる。
部品保持具1000,1100を用いることで、磁石1050は第1基板1010,1060に吸着させてマスク基板1020を分離できる、すなわちマスク基板1020に磁石1050を残留させずにマスク基板1020を分離することができるため、マスク基板1020の洗浄に係る作業性がよく、生産性を向上させることができる。また、高温環境のスパッタリング装置内で使用されて磁力の低下を生じた磁石1050の交換作業においても、第1基板1010,1060と磁石1050と、は磁力による吸着力のみで組み合わされているため、第1基板1010からの磁石1050の除去が容易に行われ、生産性の向上を図ることができる。
10…第1基板、20…第2基板、30…スペーサー、40…部品、50…磁石、100…部品収納具。

Claims (10)

  1. 第1基板と、
    第2基板と、を備え、
    前記第1基板と、前記第2基板と、は平面視で重ねて配置され、且つ前記第1基板と、前記第2基板と、の間に部品が配置される部品収納具であって、
    前記第1基板と、前記第2基板と、の間に磁石が収納可能な空間が形成され、
    前記空間は、前記第1基板に対向する前記第2基板の面に備える第1凹部の底面と、前記第1凹部の底面に対向する前記第1基板の面に備える磁石載置面と、を含み、
    少なくとも、前記第1凹部の底面と前記磁石載置面と、は磁性を有し、
    前記第1凹部の底面と、前記第1凹部の底面に対向する前記磁石の面と、を離間させる、
    ことを特徴とする部品収納具。
  2. 前記第1凹部の底面の算術平均粗さをRa1、前記磁石載置面の算術平均粗さをRa2、とした場合、
    Ra1>Ra2
    であることを特徴とする請求項1に記載の部品収納具。
  3. 前記第2基板の前記第1基板に対向する面に、前記磁石載置面を底面とする第2凹部を備え、
    前記第2凹部の開口の縁部は、前記第1凹部の開口の縁部の内側領域である、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の部品収納具。
  4. 前記第2基板は、
    前記磁石載置面を備える基板部と、
    前記基板部と、前記第1基板と、の間に配置されるスペーサー部と、を備え、
    前記スペーサー部の磁性が、前記磁石載置面の磁性より低い、
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の部品収納具。
  5. 前記第2基板の一部が、前記第1基板と、積層方向で接触する、
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の部品収納具。
  6. 第1基板と、
    第2基板と、
    前記第1基板と、前記第2基板と、は平面視で重ねて配置され、前記第1基板と、前記第2基板と、の間に配置される磁石と、を備え、
    前記第1基板と、前記第2基板と、の間に前記磁石が収納可能な空間が形成され、
    前記空間は、前記第1基板に対向する前記第2基板の面に備える第1凹部の底面と、前記第1凹部の底面に対向する前記第1基板の面に備える磁石載置面と、を含み、
    少なくとも、前記第1凹部の底面と前記磁石載置面と、は磁性を有し、
    前記第1凹部の底面と、前記第1凹部の底面に対向する前記磁石の面と、が離間している、
    ことを特徴とする部品保持具。
  7. 前記第1凹部の底面の算術平均粗さをRa1、前記磁石載置面の算術平均粗さをRa2、とした場合、
    Ra1>Ra2
    であることを特徴とする請求項6に記載の部品保持具。
  8. 前記第2基板の前記第1基板に対向する面に、前記磁石載置面を底面とする第2凹部を備え、
    前記第2凹部の開口の縁部は、前記第1凹部の開口の縁部の内側領域である、
    ことを特徴とする請求項6または7に記載の部品保持具。
  9. 前記第2基板は、
    前記磁石載置面を備える基板部と、
    前記基板部と、前記第1基板と、の間に配置されるスペーサー部と、を備え、
    前記スペーサー部の磁性が、前記磁石載置面の磁性より低い、
    ことを特徴とする請求項6から8のいずれか一項に記載の部品保持具。
  10. 前記第2基板の一部が、前記第1基板と、積層方向で接触する、
    ことを特徴とする請求項6から9のいずれか一項に記載の部品保持具。
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