JP2015215001A - 電磁弁制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】目標電流を一定の設定速度で連続的に変化させて実特性を取得する。【解決手段】目標電流を一定の設定速度Kで連続的に変化させ、それに伴ってデューティ比を連続的に変化させつつ、サンプリング時間毎に実電流を検出する。複数の実電流を要素とする実電流集合SIを作成し、変化速度dIr(k)/dtを取得し、設定範囲内にあるか否かを判定する。設定範囲内にある場合の実電流集合SIの要素の最新値とそれに対応するデューティ比とで表される実測点を学習ポイントとして学習ポイント集合の要素とする。そして、設定時間Tsの間、変化速度dIr(k)/dtが設定範囲内にある場合に、学習ポイント集合の要素に基づいて実特性を取得する。【選択図】図7
Description
本発明は、電磁弁のコイルについての電圧と電流との実際の関係である実特性に基づいてコイルへの供給電流を制御する電磁弁制御装置に関するものである。
特許文献1に記載の電磁弁制御装置においては、電磁弁のコイルへの供給電流が、コイルに印加される電圧に対応するデューティ比とコイルに流れる電流との関係に基づいて制御される。そして、1つの実測点(実際の制御指令値であるデューティ比および実際にコイルに流れた電流で決まる座標上の点)に基づいてデューティ比の補正値が取得され、補正値に基づいて制御指令値であるデューティ比が決定される。
本発明の課題は、複数の実測点に基づいて実特性を取得する場合において、実特性の取得に要する時間を短くすることである。
本発明に係る電磁弁制御装置においては、実特性を取得する際にデューティ比が連続的に変化させられる。
デューティ比を段階的に変化させる場合と連続的に変化させる場合とを比較すると、連続的に変化させる場合の方が電流の遅れが小さくなる。デューティ比を段階的に変化させた場合には電流がそれに伴って変化せず、遅れが大きくなるからである。そのため、デューティ比を連続的に変化させることにより、短時間で、複数の実測点を取得することができ、実特性を取得することが可能となる。また、デューティ比を連続的に変化させることにより、段階的に変化させる場合より、実測点を同じ時間に多く取得することができ、実特性を正確に取得することが可能となる。
「連続的に変化させる」とは、一定の値に保持することなくスイープ(sweep)状に変化させることをいう。例えば、制御サイクル毎にデューティ比である制御指令値を変化させる場合等が該当する。
デューティ比を段階的に変化させる場合と連続的に変化させる場合とを比較すると、連続的に変化させる場合の方が電流の遅れが小さくなる。デューティ比を段階的に変化させた場合には電流がそれに伴って変化せず、遅れが大きくなるからである。そのため、デューティ比を連続的に変化させることにより、短時間で、複数の実測点を取得することができ、実特性を取得することが可能となる。また、デューティ比を連続的に変化させることにより、段階的に変化させる場合より、実測点を同じ時間に多く取得することができ、実特性を正確に取得することが可能となる。
「連続的に変化させる」とは、一定の値に保持することなくスイープ(sweep)状に変化させることをいう。例えば、制御サイクル毎にデューティ比である制御指令値を変化させる場合等が該当する。
以下、本願において特許請求が可能と認識されている発明、あるいは、発明の特徴点について説明する。また、(1)項〜(3)項が請求項1〜3に対応する。
(1)電磁弁のコイルへの供給電流を、実際の制御指令値であるデューティ比と実際に流れた電流である実電流との関係である実特性に基づいて制御する電磁弁制御装置であって、
前記デューティ比を一定の設定速度で連続的に変化させつつ前記実電流を複数検出して、前記デューティ比と前記実電流とで表される座標上の点である実測点を複数取得する実測点取得部を備え、その実測点取得部によって取得された複数の実測点に基づいて前記実特性を取得する実特性取得部を含む電磁弁制御装置。
(2)前記実特性取得部が、前記デューティ比を段階的に変化させた場合の前記実電流の変化速度に基づいて決まる前記設定速度で、前記デューティ比を連続的に変化させるデューティ比変化部を含む(1)項に記載の電磁弁制御装置。
目標電流、すなわち、デューティ比を段階的に大きくした場合において、目標のほぼ90%を達成するまでの間の実電流の増加速度は速く、その後、遅くなる。一方、目標電流を一定の設定速度で連続的に増加させる場合に、設定速度を大きくすると実電流の遅れが大きく、実特性を正確に取得することが困難となる。それに対して、設定速度を小さくすると実電流の追従性は良好となるが、実特性を取得するのに要する時間が長くなる。
そこで、これらを考慮して設定速度を決定することが望ましいのであり、例えば、段階的に変化させた場合の実電流の変化速度の最大値と最小値との中間の値とすることができる。
設定速度は、電磁弁制御装置において決定されるようにしても、外部装置等において決定されるようにしてもよい。いずれにしても、車両の出荷前等に予め取得される。
(3)前記実測点取得部が、前記デューティ比を前記設定速度で連続的に変化させつつ前記実電流を複数検出し、それら複数の実電流から構成される実電流集合を複数作成するとともに、それら複数の実電流集合のうち、前記実電流集合を構成する複数の実電流の変化速度が予め定められた設定範囲内にある実電流集合の各々について、それら実電流集合の各々を代表する前記複数の実電流のうちの1つと、その1つの実電流に対応するデューティ比とで表される前記実測点を学習ポイントとして複数取得する学習ポイント取得部を含み、前記実特性取得部が、前記学習ポイント取得部によって取得された複数の学習ポイントに基づいて前記実特性を取得するものである(1)項または(2)項に記載の電磁弁制御装置。
(a)検出された複数の実電流から構成される実電流集合を複数作成する。
(b)複数の実電流集合の各々において、各々の集合の要素である複数の実電流の変化速度を取得する。変化速度は、複数の実電流を統計的に処理して取得することができる。例えば、デューティ比の変化開始からの経過時間と電流との座標を想定し、座標上の複数の点を通る直線を最小二乗法等により取得すれば、その直線の勾配である変化速度を取得することができる。
(c)変化速度の各々が、予め定められた設定範囲内にあるかどうかを判定する。例えば、設定範囲は、デューティ比の変化速度である設定速度に基づいて決めることができる。実電流がデューティ比、すなわち、目標電流の変化に良好に追従していると判定し得る範囲とすることが望ましい。
(d)変化速度が設定範囲内にあると判定された集合の各々について、それら実電流集合の各々を代表する1つの実電流と、その1つの実電流に対応するデューティ比とで表される実測点を学習ポイントとして複数取得する。例えば、実電流集合を代表する実電流としては、その集合の要素のうちの最新の値とすることができる。
(e)そして、複数の学習ポイントに基づいて実特性を取得する。学習ポイントは、実測点のうちの実特性の学習に適した点である。したがって、複数の学習ポイントに基づけば、実特性を正確に取得することができる。
なお、実測点を学習ポイントとすることは不可欠ではなく、複数の実測点に基づいて学習ポイントを取得することもできる。例えば、実電流集合を代表する値を、その実電流集合を構成する複数の実電流を統計的に処理して得られた値とし、その値とその値に対応するデューティ比とで表される点を学習ポイントとすることができる。
(4)前記実測点取得部が、前記実電流の今回値と、前記デューティ比の前回値とで表される座標上の点を実測点として取得するものである(1)項ないし(3)項のいずれか1つに記載の電磁弁制御装置。
電流の追従性が良好である場合には、コイルへの供給電流を制御するプログラムが予め定められた制御サイクルタイム毎に実行される場合において、前回のプログラムの実行時に出力された制御指令値であるデューティ比(デューティ比の前回値と称します。)と今回のプログラムの実行時に検出された実電流(実電流の今回値と称します)とが対応すると考えることができる。
前記デューティ比を一定の設定速度で連続的に変化させつつ前記実電流を複数検出して、前記デューティ比と前記実電流とで表される座標上の点である実測点を複数取得する実測点取得部を備え、その実測点取得部によって取得された複数の実測点に基づいて前記実特性を取得する実特性取得部を含む電磁弁制御装置。
(2)前記実特性取得部が、前記デューティ比を段階的に変化させた場合の前記実電流の変化速度に基づいて決まる前記設定速度で、前記デューティ比を連続的に変化させるデューティ比変化部を含む(1)項に記載の電磁弁制御装置。
目標電流、すなわち、デューティ比を段階的に大きくした場合において、目標のほぼ90%を達成するまでの間の実電流の増加速度は速く、その後、遅くなる。一方、目標電流を一定の設定速度で連続的に増加させる場合に、設定速度を大きくすると実電流の遅れが大きく、実特性を正確に取得することが困難となる。それに対して、設定速度を小さくすると実電流の追従性は良好となるが、実特性を取得するのに要する時間が長くなる。
そこで、これらを考慮して設定速度を決定することが望ましいのであり、例えば、段階的に変化させた場合の実電流の変化速度の最大値と最小値との中間の値とすることができる。
設定速度は、電磁弁制御装置において決定されるようにしても、外部装置等において決定されるようにしてもよい。いずれにしても、車両の出荷前等に予め取得される。
(3)前記実測点取得部が、前記デューティ比を前記設定速度で連続的に変化させつつ前記実電流を複数検出し、それら複数の実電流から構成される実電流集合を複数作成するとともに、それら複数の実電流集合のうち、前記実電流集合を構成する複数の実電流の変化速度が予め定められた設定範囲内にある実電流集合の各々について、それら実電流集合の各々を代表する前記複数の実電流のうちの1つと、その1つの実電流に対応するデューティ比とで表される前記実測点を学習ポイントとして複数取得する学習ポイント取得部を含み、前記実特性取得部が、前記学習ポイント取得部によって取得された複数の学習ポイントに基づいて前記実特性を取得するものである(1)項または(2)項に記載の電磁弁制御装置。
(a)検出された複数の実電流から構成される実電流集合を複数作成する。
(b)複数の実電流集合の各々において、各々の集合の要素である複数の実電流の変化速度を取得する。変化速度は、複数の実電流を統計的に処理して取得することができる。例えば、デューティ比の変化開始からの経過時間と電流との座標を想定し、座標上の複数の点を通る直線を最小二乗法等により取得すれば、その直線の勾配である変化速度を取得することができる。
(c)変化速度の各々が、予め定められた設定範囲内にあるかどうかを判定する。例えば、設定範囲は、デューティ比の変化速度である設定速度に基づいて決めることができる。実電流がデューティ比、すなわち、目標電流の変化に良好に追従していると判定し得る範囲とすることが望ましい。
(d)変化速度が設定範囲内にあると判定された集合の各々について、それら実電流集合の各々を代表する1つの実電流と、その1つの実電流に対応するデューティ比とで表される実測点を学習ポイントとして複数取得する。例えば、実電流集合を代表する実電流としては、その集合の要素のうちの最新の値とすることができる。
(e)そして、複数の学習ポイントに基づいて実特性を取得する。学習ポイントは、実測点のうちの実特性の学習に適した点である。したがって、複数の学習ポイントに基づけば、実特性を正確に取得することができる。
なお、実測点を学習ポイントとすることは不可欠ではなく、複数の実測点に基づいて学習ポイントを取得することもできる。例えば、実電流集合を代表する値を、その実電流集合を構成する複数の実電流を統計的に処理して得られた値とし、その値とその値に対応するデューティ比とで表される点を学習ポイントとすることができる。
(4)前記実測点取得部が、前記実電流の今回値と、前記デューティ比の前回値とで表される座標上の点を実測点として取得するものである(1)項ないし(3)項のいずれか1つに記載の電磁弁制御装置。
電流の追従性が良好である場合には、コイルへの供給電流を制御するプログラムが予め定められた制御サイクルタイム毎に実行される場合において、前回のプログラムの実行時に出力された制御指令値であるデューティ比(デューティ比の前回値と称します。)と今回のプログラムの実行時に検出された実電流(実電流の今回値と称します)とが対応すると考えることができる。
以下、本発明の一実施形態に係る電磁弁制御装置について図面に基づいて詳細に説明する。
電磁弁制御装置の制御対象である電磁弁には流体圧作動装置が接続され、電磁弁のコイルへの供給電流の制御により、流体圧作動装置の流体圧が制御される。流体圧作動装置は、車両の車輪の回転を抑制する流体圧ブレーキのブレーキシリンダとしたりブレーキシリンダの流体圧を制御する制御装置の構成要素としたりすることができる。例えば、電磁弁、電磁弁制御装置は、流体圧ブレーキの流体圧を制御する流体圧制御装置の構成要素とすることができる。また、流体圧作動装置は、車両の車体側部材と車輪側部材との間の間隔を調整する車高調整アクチュエータとしたり、トランスミッションのクラッチとしたりすること等もできる。さらに、流体圧は液圧であっても気圧であってもよい。
なお、電磁弁は、コイルへの供給電流のON・OFFにより開閉させられる電磁開閉弁であっても、供給電流の連続的な制御により流体圧を連続的に制御可能なリニア弁であってもよい。
電磁弁制御装置の制御対象である電磁弁には流体圧作動装置が接続され、電磁弁のコイルへの供給電流の制御により、流体圧作動装置の流体圧が制御される。流体圧作動装置は、車両の車輪の回転を抑制する流体圧ブレーキのブレーキシリンダとしたりブレーキシリンダの流体圧を制御する制御装置の構成要素としたりすることができる。例えば、電磁弁、電磁弁制御装置は、流体圧ブレーキの流体圧を制御する流体圧制御装置の構成要素とすることができる。また、流体圧作動装置は、車両の車体側部材と車輪側部材との間の間隔を調整する車高調整アクチュエータとしたり、トランスミッションのクラッチとしたりすること等もできる。さらに、流体圧は液圧であっても気圧であってもよい。
なお、電磁弁は、コイルへの供給電流のON・OFFにより開閉させられる電磁開閉弁であっても、供給電流の連続的な制御により流体圧を連続的に制御可能なリニア弁であってもよい。
[電磁弁]
本発明の一実施例に係る電磁弁制御装置の制御対象である電磁弁の一例を図1に示す。
電磁弁10は、ポペット弁部12とソレノイド14とを含む。ポペット弁部12は、弁子20、弁座21、スプリング22等を備える。ソレノイド14は、コイル30とプランジャ32とを備える。コイル30への供給電流の制御によりプランジャ32が作動させられ、それに伴って弁子20が弁座21に対して接近・離間させられる。電磁弁10は、高圧側と低圧側との間の差圧に応じた力が弁子20を弁座21から離間させる向きに作用する姿勢で設けられる。図1に記載の電磁弁10においては、高圧側に高圧源が接続され、低圧側に流体圧作動装置34が接続される。
本発明の一実施例に係る電磁弁制御装置の制御対象である電磁弁の一例を図1に示す。
電磁弁10は、ポペット弁部12とソレノイド14とを含む。ポペット弁部12は、弁子20、弁座21、スプリング22等を備える。ソレノイド14は、コイル30とプランジャ32とを備える。コイル30への供給電流の制御によりプランジャ32が作動させられ、それに伴って弁子20が弁座21に対して接近・離間させられる。電磁弁10は、高圧側と低圧側との間の差圧に応じた力が弁子20を弁座21から離間させる向きに作用する姿勢で設けられる。図1に記載の電磁弁10においては、高圧側に高圧源が接続され、低圧側に流体圧作動装置34が接続される。
[制御回路]
コイル30を含む制御回路36を図2に示す。制御回路36は、コイル30、電源40、スイッチング素子42等を含む。抵抗44はコイル30、スイッチング素子42を有するICの抵抗等、制御回路36の全体の抵抗を等価的に記載したものである。制御回路36には電流モニタ46が設けられる。スイッチング素子42は例えばトランジスタとすることができ、デューティ制御されることにより、コイル30に印加される電圧が制御されて、コイル30に流れる電流が制御される。コイル30に印加される電圧は、デューティ比が大きい場合は小さい場合より大きくなるため、本実施例においては、電圧をデューティ比で表す。
コイル30を含む制御回路36を図2に示す。制御回路36は、コイル30、電源40、スイッチング素子42等を含む。抵抗44はコイル30、スイッチング素子42を有するICの抵抗等、制御回路36の全体の抵抗を等価的に記載したものである。制御回路36には電流モニタ46が設けられる。スイッチング素子42は例えばトランジスタとすることができ、デューティ制御されることにより、コイル30に印加される電圧が制御されて、コイル30に流れる電流が制御される。コイル30に印加される電圧は、デューティ比が大きい場合は小さい場合より大きくなるため、本実施例においては、電圧をデューティ比で表す。
[ECU]
スイッチング素子42等を含む駆動回路48はコントローラ50により制御され、コイル30への供給電流が制御される。本実施例においては、図3に示すように、駆動回路48、コントローラ50等により電磁弁制御装置としてのECU52が構成される。コントローラ50は、コンピュータを主体とするものであり、入出力部54、実行部56、記憶部58等を含む。入出力部54には、図示しない複数のセンサが接続されるとともに駆動回路48等が接続される。入出力部54には、複数の駆動回路が接続されることが多いが、図3には、そのうちの1つを示した。記憶部58には、コイル30の特性が記憶されるとともに、複数のプログラム、データ等が記憶される。実行部56においては、入出力部54を介して入力されたセンサ検出値等と記憶部58に記憶された特性、プログラム、データ等に基づいて駆動回路48への制御指令値が作成される。
スイッチング素子42等を含む駆動回路48はコントローラ50により制御され、コイル30への供給電流が制御される。本実施例においては、図3に示すように、駆動回路48、コントローラ50等により電磁弁制御装置としてのECU52が構成される。コントローラ50は、コンピュータを主体とするものであり、入出力部54、実行部56、記憶部58等を含む。入出力部54には、図示しない複数のセンサが接続されるとともに駆動回路48等が接続される。入出力部54には、複数の駆動回路が接続されることが多いが、図3には、そのうちの1つを示した。記憶部58には、コイル30の特性が記憶されるとともに、複数のプログラム、データ等が記憶される。実行部56においては、入出力部54を介して入力されたセンサ検出値等と記憶部58に記憶された特性、プログラム、データ等に基づいて駆動回路48への制御指令値が作成される。
[供給電流の制御]
図4に示すように、目標電流X0に基づいてスイッチング素子42を含む駆動回路48への制御指令値であるデューティ比Yが決定される。
目標電流X0が入力されるとフィードフォワード制御指令値作成部80のID(電流・デューティ比)変換部82において、目標電流X0と予め記憶された特性とに基づいて目標デューティ比Y0が取得され、目標デューティ比Y0に基づいてフィードフォワード指令値Dffが作成される。一方、コイル30に実際に流れた電流である実電流Irが電流モニタ46によって取得されてフィードバックされ、目標電流X0との差が小さくなるようにフィードバック指令値作成部84において、デューティ比であるフィードバック指令値Dfbが作成される。そして、これらの和が駆動回路48への実際の制御指令値であるデューティ比Yとされる。
図4に示すように、目標電流X0に基づいてスイッチング素子42を含む駆動回路48への制御指令値であるデューティ比Yが決定される。
目標電流X0が入力されるとフィードフォワード制御指令値作成部80のID(電流・デューティ比)変換部82において、目標電流X0と予め記憶された特性とに基づいて目標デューティ比Y0が取得され、目標デューティ比Y0に基づいてフィードフォワード指令値Dffが作成される。一方、コイル30に実際に流れた電流である実電流Irが電流モニタ46によって取得されてフィードバックされ、目標電流X0との差が小さくなるようにフィードバック指令値作成部84において、デューティ比であるフィードバック指令値Dfbが作成される。そして、これらの和が駆動回路48への実際の制御指令値であるデューティ比Yとされる。
[特性について]
特性とは、デューティ比(コイル30に印加される電圧に対応)とコイル30に流れる電流(制御回路36に流れる電流と同じであると考えることができる)との関係をいう。また、特性は、図8に示すように、直線(一次式)で近似して表すことができる。以下、特性といった場合に、特性を近似して表す直線をいう場合がある。
特性を表す一次式(Y=α・X+β)において、勾配αは、電流Xの変化量ΔXに対するデューティ比Yの変化量ΔY(ΔY/ΔX)であり、抵抗値に対応する。切片βは、電流Xが0である場合のデューティ比Yの値であり、制御回路36のバイアス電圧に対応する。これら抵抗値、バイアス電圧はコイル30の温度が変化すると変化し、特性も変化する。
一方、流体圧作動装置34の流体圧の制御が行われる場合のコイル30の実際の温度で決まる特性と、記憶部58に記憶され、かつ、制御に使用される特性(前回の学習において取得された特性である場合、初期特性、換言すれば、標準的な特性である場合等がある)とが異なっていると、コイル30への供給電流の制御を良好に行うことが困難である。
そこで、本実施例においては、特性の学習が行われるのであり、学習タイミングに達すると、その時点のコイル30の実際の特性(実際の温度で決まる特性)である実特性が取得され、学習前の実特性に代わって記憶されるのであり、記憶部58に記憶された実特性が更新される。
特性とは、デューティ比(コイル30に印加される電圧に対応)とコイル30に流れる電流(制御回路36に流れる電流と同じであると考えることができる)との関係をいう。また、特性は、図8に示すように、直線(一次式)で近似して表すことができる。以下、特性といった場合に、特性を近似して表す直線をいう場合がある。
特性を表す一次式(Y=α・X+β)において、勾配αは、電流Xの変化量ΔXに対するデューティ比Yの変化量ΔY(ΔY/ΔX)であり、抵抗値に対応する。切片βは、電流Xが0である場合のデューティ比Yの値であり、制御回路36のバイアス電圧に対応する。これら抵抗値、バイアス電圧はコイル30の温度が変化すると変化し、特性も変化する。
一方、流体圧作動装置34の流体圧の制御が行われる場合のコイル30の実際の温度で決まる特性と、記憶部58に記憶され、かつ、制御に使用される特性(前回の学習において取得された特性である場合、初期特性、換言すれば、標準的な特性である場合等がある)とが異なっていると、コイル30への供給電流の制御を良好に行うことが困難である。
そこで、本実施例においては、特性の学習が行われるのであり、学習タイミングに達すると、その時点のコイル30の実際の特性(実際の温度で決まる特性)である実特性が取得され、学習前の実特性に代わって記憶されるのであり、記憶部58に記憶された実特性が更新される。
[実特性の学習]
コイルの実特性は、複数の実測点(実際の制御指令値であるデューティ比とコイルに実際に流れる電流とで表される座標上の点をいう。)を取得し、取得した複数の実測点に基づいて取得することができる。
例えば、目標電流X0を段階的に変化させることによりデューティ比Y0を段階的に変化させ、実電流がほぼ一定になった場合の値Irを複数検出して、複数の実測点を取得して、実特性を取得することが考えられる。しかし、応答遅れにより、図5に示すように、二点鎖線が表す実電流Irが、一点鎖線が表す目標電流X0に近い値に達するまでには長時間(Ta1,Ta2)を要する。また、実特性を正確に取得するためには多くの実測点に基づくことが望ましいが、実測点を取得するために長時間を要する。それに対して、目標電流X0を連続的に変化させることによりデューティ比Yを連続的に変化させた場合には、図5に示すように破線が表す実電流Irは、実線が表すデューティ比Yの変化に良好に追従し、目標電流X0に近づくまでの時間は短くなる(Tb1,Tb2)。
そこで、本実施例においては、目標電流X0を連続的に一定の設定速度で変化させることによりデューティ比Yを連続的に変化させ、実電流Irを検出することにより、複数の実測点が取得されるようにした。この場合において、設定速度は、デューティ比の連続的な変化に伴って実電流が追従可能な大きさに設定することが望ましい。換言すれば、設定速度が大きすぎると、実電流の遅れが大き過ぎ、実特性を正確に取得することが困難となる。設定速度が小さすぎると、実特性の取得に長時間を要する。そのため、設定速度を、実電流が追従可能な適切な大きさに決めることが望ましいのである。
コイルの実特性は、複数の実測点(実際の制御指令値であるデューティ比とコイルに実際に流れる電流とで表される座標上の点をいう。)を取得し、取得した複数の実測点に基づいて取得することができる。
例えば、目標電流X0を段階的に変化させることによりデューティ比Y0を段階的に変化させ、実電流がほぼ一定になった場合の値Irを複数検出して、複数の実測点を取得して、実特性を取得することが考えられる。しかし、応答遅れにより、図5に示すように、二点鎖線が表す実電流Irが、一点鎖線が表す目標電流X0に近い値に達するまでには長時間(Ta1,Ta2)を要する。また、実特性を正確に取得するためには多くの実測点に基づくことが望ましいが、実測点を取得するために長時間を要する。それに対して、目標電流X0を連続的に変化させることによりデューティ比Yを連続的に変化させた場合には、図5に示すように破線が表す実電流Irは、実線が表すデューティ比Yの変化に良好に追従し、目標電流X0に近づくまでの時間は短くなる(Tb1,Tb2)。
そこで、本実施例においては、目標電流X0を連続的に一定の設定速度で変化させることによりデューティ比Yを連続的に変化させ、実電流Irを検出することにより、複数の実測点が取得されるようにした。この場合において、設定速度は、デューティ比の連続的な変化に伴って実電流が追従可能な大きさに設定することが望ましい。換言すれば、設定速度が大きすぎると、実電流の遅れが大き過ぎ、実特性を正確に取得することが困難となる。設定速度が小さすぎると、実特性の取得に長時間を要する。そのため、設定速度を、実電流が追従可能な適切な大きさに決めることが望ましいのである。
本実施例においては、設定速度が、予め(例えば、車両の出荷前に)、目標電流X0を段階的に変化させた場合の実電流Irの変化速度に基づいて取得される。
目標電流X0を段階的に、0からIt2,It2からIt4に変化させた場合に、実電流Irは図5に示すように変化する。実電流Irの変化速度Kvは、目標電流X0が変化させられた時点から目標の90%を満たすまでの間において最も速く、その後、遅くなる。
電流値It1は目標電流It2の90%の値(It1=It2×0.9)であり、電流値It3は目標電流It4とIt2との差の90%の値{It3=(It4-It2)×0.9+It2}である。実電流が電流値It1に達するまでの期間I(期間Iの長さはT1である),電流値It2から電流値It3に達するまでの期間III(期間IIIの長さはT3である)における実電流Irの変化速度Kv1、Kv3は、それぞれ、下式のようになる。
Kv1=It1/T1
Kv3=(It3-It2)/T3
そして、これら変化速度Kv1,Kv3は、ほぼ一定で、かつ、ほぼ同じである。
Kv1≒Kv3
目標電流X0を段階的に、0からIt2,It2からIt4に変化させた場合に、実電流Irは図5に示すように変化する。実電流Irの変化速度Kvは、目標電流X0が変化させられた時点から目標の90%を満たすまでの間において最も速く、その後、遅くなる。
電流値It1は目標電流It2の90%の値(It1=It2×0.9)であり、電流値It3は目標電流It4とIt2との差の90%の値{It3=(It4-It2)×0.9+It2}である。実電流が電流値It1に達するまでの期間I(期間Iの長さはT1である),電流値It2から電流値It3に達するまでの期間III(期間IIIの長さはT3である)における実電流Irの変化速度Kv1、Kv3は、それぞれ、下式のようになる。
Kv1=It1/T1
Kv3=(It3-It2)/T3
そして、これら変化速度Kv1,Kv3は、ほぼ一定で、かつ、ほぼ同じである。
Kv1≒Kv3
また、図5から、時間tsから時間teまでの間において、実電流の変化速度Kvは、実電流が目標のほぼ90%を満足した時からほぼ100%満足するまでの期間IV(期間IVの長さはT4である)において最も遅くなり(変化速度が0より大きい範囲において)、変化速度Kv4は、{(It4-It3)/T4}となる。
以上のことから、設定速度Kは、実電流の変化速度の最大値Kmaxと最小値Kminとの間の大きさとすることができる。
Kmin≦K≦Kmax
そして、最大値Kmaxは、{(It3-It2)/T3}であり、最小値Kminは、{(It4-It3)/T4}であることから、設定速度Kを例えば、下式に示すように、期間II,IIIの変化速度の平均値とすることができる。
K=(It3-It1)/(T3+T2)
以上のことから、設定速度Kは、実電流の変化速度の最大値Kmaxと最小値Kminとの間の大きさとすることができる。
Kmin≦K≦Kmax
そして、最大値Kmaxは、{(It3-It2)/T3}であり、最小値Kminは、{(It4-It3)/T4}であることから、設定速度Kを例えば、下式に示すように、期間II,IIIの変化速度の平均値とすることができる。
K=(It3-It1)/(T3+T2)
本実施例においては、図7(a)に示すように、目標電流X0を設定速度Kで変化させ、デューティ比Y(以下、学習する場合のデューティ比をDuで表す)を、図8の一点鎖線に示す特性L0と目標電流X0の変化速度Kとに基づいて決まる一定の変化速度K′(=γ・K:γは定数)で変化させる。
そして、図7(b)に示すように、予め定められたサンプル時間T毎に実電流Irを検出し、実電流Ir(k)の今回値を含むそれ以前のnt個の集合である実電流集合SI{Ir(k),Ir(k-1),・・・,Ir(k-(nt-1))}を作成する。また、デューティ比である制御指令値Du(k-1)の前回値を含むそれ以前のnt個の集合であるデューティ比集合SD{Du(k-1),Du(k-2),・・・Du(k-nt)}も作成する。上述のように、実電流の追従性はよく、遅れは小さいと推定される。そのため、制御指令値Du(k-1)の前回値に対応して実電流Ir(k)の今回値が実現されたと考えることができるのである。
サンプル時間Tは、コイル30への供給電流を制御する電流制御プログラム(本実施例においては、実特性学習プログラム)が予め定められた制御サイクルタイム毎に実行され、電流制御プログラムの実行において実電流が検出される場合には、制御サイクルタイムに対応する。そして、前回の電流制御プログラムの実行時の制御指令値を「制御指令値の前回値、または、デューティ比の前回値」と称し、今回の電流制御プログラムの実行時に検出された実電流を「実電流の今回値」と称する。
そして、図7(b)に示すように、予め定められたサンプル時間T毎に実電流Irを検出し、実電流Ir(k)の今回値を含むそれ以前のnt個の集合である実電流集合SI{Ir(k),Ir(k-1),・・・,Ir(k-(nt-1))}を作成する。また、デューティ比である制御指令値Du(k-1)の前回値を含むそれ以前のnt個の集合であるデューティ比集合SD{Du(k-1),Du(k-2),・・・Du(k-nt)}も作成する。上述のように、実電流の追従性はよく、遅れは小さいと推定される。そのため、制御指令値Du(k-1)の前回値に対応して実電流Ir(k)の今回値が実現されたと考えることができるのである。
サンプル時間Tは、コイル30への供給電流を制御する電流制御プログラム(本実施例においては、実特性学習プログラム)が予め定められた制御サイクルタイム毎に実行され、電流制御プログラムの実行において実電流が検出される場合には、制御サイクルタイムに対応する。そして、前回の電流制御プログラムの実行時の制御指令値を「制御指令値の前回値、または、デューティ比の前回値」と称し、今回の電流制御プログラムの実行時に検出された実電流を「実電流の今回値」と称する。
実電流集合SIの要素である実電流Ir(k)・・・の変化速度dIr(k)/dtが取得される。変化速度dIr(k)/dtは、nt個の実電流Ir(k)・・・を統計的に処理して得られた大きさとすることができ、例えば、最小二乗法に基づいて取得された値とすることができる。そして、変化速度dIr(k)/dtが設定範囲内(D1′<dIr(k)/dt<D2′)にあるか否かが判定される。設定範囲の下限値D1′、上限値D2′は設定速度Kに基づいて決まる値とすることができ、図7(c)に示すように、設定速度Kとほぼ同じ、または、小さめの値とすることができる。
そして、変化速度dIr(k)/dtが設定範囲内にある実電流集合SIを代表する要素{本実施例においては、最新の実電流Ir(k))とされ}と、それに対応するデューティ比Du(k-1)とで決まる実測点{Ir(k),Du(k-1)}が学習ポイントとされて、学習ポイント集合SMの要素とされる(学習ポイントは、実測点のうち実特性の学習に適した点であると考えることができる)。
SM[・・・,{Ir(k),Du(k-1)}]
また、その設定範囲内にある変化速度dIr(k)/dtは、変化速度集合SdIrの要素とされる。
SdIr{・・・,dIr(k)/dt}
以下同様に、サンプリング時間T毎に実電流を検出し、実電流集合SI,デューティ比集合SDを作成し、実電流集合SIの要素(実電流)から実電流の変化速度dI(k)/dtを取得し、設定範囲内(D1′<dIr(k)/dt<D2′)にあるかどうかを判定する。設定範囲内にある場合には、その実電流集合SIの要素のうちの最新の要素である実電流とそれに対応するデューティ比とである実測点を学習ポイントpmとして学習ポイント集合SMの要素とする。
そして、変化速度dIr(k)/dtが設定範囲内にある実電流集合SIを代表する要素{本実施例においては、最新の実電流Ir(k))とされ}と、それに対応するデューティ比Du(k-1)とで決まる実測点{Ir(k),Du(k-1)}が学習ポイントとされて、学習ポイント集合SMの要素とされる(学習ポイントは、実測点のうち実特性の学習に適した点であると考えることができる)。
SM[・・・,{Ir(k),Du(k-1)}]
また、その設定範囲内にある変化速度dIr(k)/dtは、変化速度集合SdIrの要素とされる。
SdIr{・・・,dIr(k)/dt}
以下同様に、サンプリング時間T毎に実電流を検出し、実電流集合SI,デューティ比集合SDを作成し、実電流集合SIの要素(実電流)から実電流の変化速度dI(k)/dtを取得し、設定範囲内(D1′<dIr(k)/dt<D2′)にあるかどうかを判定する。設定範囲内にある場合には、その実電流集合SIの要素のうちの最新の要素である実電流とそれに対応するデューティ比とである実測点を学習ポイントpmとして学習ポイント集合SMの要素とする。
そして、予め定められた設定時間Tsの間、連続して、変化速度dIr(k)/dtが設定範囲内にある場合に得られた学習ポイント集合SM[{Ir(n),Du(n-1)},{Ir(n-1),Du(n-2)}・・・]等に基づいて実特性が取得される。学習ポイント集合SMの複数の要素(実測点)を統計的に処理することにより(例えば、最小二乗法により)、電流X、デューティ比Yの関係を表す直線が取得されるのであり、勾配α、切片βが取得される。
また、勾配αは、デューティ比の変化速度K′を、変化速度集合SdIr{Ir(k)/dt,Ir(k-1)/dt,・・・}の代表値(平均値、中央値等統計学的に処理して得られた値)Gで割った値(α=K′/G)とすることもできる。
また、勾配αは、デューティ比の変化速度K′を、変化速度集合SdIr{Ir(k)/dt,Ir(k-1)/dt,・・・}の代表値(平均値、中央値等統計学的に処理して得られた値)Gで割った値(α=K′/G)とすることもできる。
実特性は学習タイミングに達する毎に取得される。例えば、(a)流体圧作動装置34が非作用状態にある場合、(b)非作用状態にあり、かつ、予め定められた設定時間が経過した場合等に実特性学習条件が成立したと判定されて、図6のフローチャートで表される実特性学習プログラムが制御サイクルタイム毎に実行される。また、この場合の目標電流X0は一定の設定速度Kで連続的に増加させられ、デューティ比、すなわち、ON/(ON+OFF)が、一定の設定速度K′で連続的に増加させられる。また、コイル30に供給される電流は、流体圧作動装置34が非作動状態に保たれ得る範囲内とされる。
ステップ1(以下、S1と略称する。他のステップについても同様とする)において、実電流Ir(n)が検出され、S2において、実電流集合SI,デューティ比集合SDがそれぞれ更新される。実電流の今回値、デューティ比の前回値が新たに加えられ、最も古い値が削除される。S3において、実電流集合SIを構成する要素に基づいて、例えば、最小二乗法に基づいて実電流の変化速度が取得される。S4において、取得された実電流の変化速度dIr(k)/dtが設定範囲内にあるかどうかが判定され、設定範囲内にある場合には、S5において、その回数NIがカウントアップされ、S6において、実電流集合SI,デューティ比集合SDの最新の値(実測点){Ir(k),Du(k-1)}が学習ポイントpm(k)とされて学習ポイント集合SMに追加される。そして、S7において、変化速度dIr(k)/dtが設定範囲内にある状態が設定時間Tsを超えたか否かが判定される。
変化速度dIr(k)/dtが継続して設定範囲内である場合の時間が設定時間Ts以下である場合には、S7の判定がNOとなり、S12において、制御指令値であるデューティ比の今回値が取得され、最大デューティ比Dmaxより小さいか否かが判定される。最大デューティ比Dmaxは、電磁弁10が非作動状態に保持される電流のうちの最大値に基づいて決まる値である。デューティ比の今回値は、前回値Du(k-1)にサンプル時間Tに変化速度K′を掛けた値を加えた値{Du(k-1)+K′・T}として取得される。デューティ比の今回値が最大デューティ比Dmaxより小さい場合には、S13において、デューティ比の今回値が制御指令値として出力される。
S1〜7,12,13が繰り返し実行され、変化速度dIr(k)/dtが設定範囲内にある状態が設定時間Tsを超えた場合には、S7の判定がYESとなり、S8において、学習ポイント集合を構成する要素pm(k)に基づいて、例えば、最小二乗法等により電流X、デューティ比Yを表す直線が規定され、上述のように、勾配α、切片βが取得される。
これで、実特性の学習が完了したため、S9において、デューティ比が0とされる。今回の実特性学習プログラムの実行は終了し、次に、学習タイミングに達すると、実行される。本実施例において取得された実特性の一例を図8の実線Lに示す。
変化速度dIr(k)/dtが継続して設定範囲内である場合の時間が設定時間Ts以下である場合には、S7の判定がNOとなり、S12において、制御指令値であるデューティ比の今回値が取得され、最大デューティ比Dmaxより小さいか否かが判定される。最大デューティ比Dmaxは、電磁弁10が非作動状態に保持される電流のうちの最大値に基づいて決まる値である。デューティ比の今回値は、前回値Du(k-1)にサンプル時間Tに変化速度K′を掛けた値を加えた値{Du(k-1)+K′・T}として取得される。デューティ比の今回値が最大デューティ比Dmaxより小さい場合には、S13において、デューティ比の今回値が制御指令値として出力される。
S1〜7,12,13が繰り返し実行され、変化速度dIr(k)/dtが設定範囲内にある状態が設定時間Tsを超えた場合には、S7の判定がYESとなり、S8において、学習ポイント集合を構成する要素pm(k)に基づいて、例えば、最小二乗法等により電流X、デューティ比Yを表す直線が規定され、上述のように、勾配α、切片βが取得される。
これで、実特性の学習が完了したため、S9において、デューティ比が0とされる。今回の実特性学習プログラムの実行は終了し、次に、学習タイミングに達すると、実行される。本実施例において取得された実特性の一例を図8の実線Lに示す。
また、実電流の勾配dIr(k)/dtが設定範囲内(D1′〜D2′)にない場合には、S10において、回数カウンタNIのカウント値が0とされ、S11において、設定範囲の下限値D1′以下であるか否かが判定される。下限値D1′以下である場合には、デューティ比が小さい可能性がある。S12において、デューティ比の今回値が取得され、最大デューティ比Dmaxより小さい場合には、デューティ比の今回値が制御指令値として出力される。実特性の学習が継続して行われる。
そして、デューティ比の今回値が最大デューティ比Dmaxに達する以前に、S7の判定がYESとなれば、S8において実特性が取得されるが、S7の判定がYESとなる前に、デューティ比の今回値が最大デューティ比Dmaxに達した場合には、S14において、実特性の学習は終了させられる。
なお、実電流の勾配dIr(n)/dtが上限値D2′以上である場合には、S11の判定がNOとなり、S14において、実特性の学習は終了させられる。
そして、デューティ比の今回値が最大デューティ比Dmaxに達する以前に、S7の判定がYESとなれば、S8において実特性が取得されるが、S7の判定がYESとなる前に、デューティ比の今回値が最大デューティ比Dmaxに達した場合には、S14において、実特性の学習は終了させられる。
なお、実電流の勾配dIr(n)/dtが上限値D2′以上である場合には、S11の判定がNOとなり、S14において、実特性の学習は終了させられる。
以上のように、本実施例においては、ブレーキECU50図6のフローチャートで表される実特性取得プログラムを記憶する部分、実行する部分等により実測点取得部が構成され、そのうちの、S13を記憶する部分、実行する部分等によりデューティ比変化部が構成され、S3〜6を記憶する部分、実行する部分等により学習ポイント取得部が構成される。
このように、本実施例においては、デューティ比が連続的に変化させられることにより、複数の実測点が取得され、実特性が取得される。この場合において、デューティ比が連続して変化させられるため、実電流の追従性がよく、短い時間内に複数の実測点を取得することができ、実特性を取得することができる。
また、短い時間内に多くの実測点を取得できるため、より正確に実特性を取得することができる。
さらに、実測点のうち実特性の学習に適した点が学習ポイントとされ、複数の学習ポイントに基づいて取得されるため、実特性を正確に取得することができる。
また、目標電流X0を段階的に変化させた場合の実電流の変化速度に基づいて目標電流の変化速度が取得されるため、実電流を目標電流の変化に良好に追従させることができる。
なお、上記実施例においては、目標液圧を増加させる場合について説明したが、減少させる場合についても同様に適用することができる。
その他、本発明は、上述に記載の態様の他、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した態様で実施することができる。
また、短い時間内に多くの実測点を取得できるため、より正確に実特性を取得することができる。
さらに、実測点のうち実特性の学習に適した点が学習ポイントとされ、複数の学習ポイントに基づいて取得されるため、実特性を正確に取得することができる。
また、目標電流X0を段階的に変化させた場合の実電流の変化速度に基づいて目標電流の変化速度が取得されるため、実電流を目標電流の変化に良好に追従させることができる。
なお、上記実施例においては、目標液圧を増加させる場合について説明したが、減少させる場合についても同様に適用することができる。
その他、本発明は、上述に記載の態様の他、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した態様で実施することができる。
10:電磁弁 30:コイル 42:スイッチング素子 46:電流モニタ 48:駆動回路 50:コントローラ 52:ECU 80:フィードフォワード制御指令値作成部
Claims (3)
- 電磁弁のコイルへの供給電流を、実際の制御指令値であるデューティ比と実際に流れた電流である実電流との関係である実特性に基づいて制御する電磁弁制御装置であって、
前記デューティ比を一定の設定速度で連続的に変化させつつ前記実電流を複数検出して、前記デューティ比と前記実電流とで表される座標上の点である実測点を複数取得する実測点取得部を備え、その実測点取得部によって取得された複数の実測点に基づいて前記実特性を取得する実特性取得部を含むことを特徴とする電磁弁制御装置。 - 前記実特性取得部が、前記デューティ比を段階的に変化させた場合の前記実電流の変化速度に基づいて決まる前記設定速度で、前記デューティ比を連続的に変化させるデューティ比変化部を含む請求項1に記載の電磁弁制御装置。
- 前記実測点取得部が、前記デューティ比を前記設定速度で連続的に変化させつつ前記実電流を複数検出し、それら複数の実電流から構成される実電流集合を複数作成するとともに、それら複数の実電流集合のうち、前記実電流集合を構成する複数の実電流の変化速度が予め定められた設定範囲内にある実電流集合の各々について、それら実電流集合の各々を代表する前記複数の実電流のうちの1つと、その1つの実電流に対応するデューティ比とで表される前記実測点を学習ポイントとして複数取得する学習ポイント取得部を含み、前記実特性取得部が、前記学習ポイント取得部によって取得された複数の学習ポイントに基づいて前記実特性を取得するものである請求項1または2に記載の電磁弁制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014096613A JP2015215001A (ja) | 2014-05-08 | 2014-05-08 | 電磁弁制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2014096613A JP2015215001A (ja) | 2014-05-08 | 2014-05-08 | 電磁弁制御装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2015215001A true JP2015215001A (ja) | 2015-12-03 |
Family
ID=54752075
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2014096613A Pending JP2015215001A (ja) | 2014-05-08 | 2014-05-08 | 電磁弁制御装置 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2015215001A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN114962631A (zh) * | 2022-06-24 | 2022-08-30 | 一汽解放汽车有限公司 | 缓速器电磁阀控制方法、装置、设备和介质 |
-
2014
- 2014-05-08 JP JP2014096613A patent/JP2015215001A/ja active Pending
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