JP2015211573A - 回転子、回転電機、および圧縮機 - Google Patents

回転子、回転電機、および圧縮機 Download PDF

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Abstract

【課題】構成が単純であり、永久磁石と固定子コイルの冷却能力が優れている回転子、この回転子を備えた回転電機およびこの回転電機が搭載された圧縮機を得ることである。【解決手段】回転子100が、軸方向流路孔52を有し且つ磁石孔51の周方向の端部が磁石孔空隙部51bとなっている磁性板を積層して形成しており、複数の磁性板が、磁石孔空隙部51bと磁性板の外周とを接続する外周側径方向流路溝53aと、軸方向流路孔52と磁石孔空隙部51bとを接続する内周側径方向流路溝53bとが表面に設けられている溝形成磁性板5aである回転子鉄心3と、軸方向流路孔52と対向する位置に気体冷媒取入口2aを設けた端板2とで形成されているものである。【選択図】図2

Description

本発明は、永久磁石が埋込まれている回転子、この回転子を備えた回転電機、およびこの回転電機が搭載された圧縮機に関し、特に、永久磁石と固定子のコイルとを効率的に冷却する回転子、回転電機、および圧縮機に関するものである。
永久磁石が埋込まれている回転子を用いたIPMモータ等の回転電機では、稼働時の回転電機の発熱により永久磁石の温度が上昇し、トルクを発生させる磁束が低下する。
そこで、従来から、回転子を冷却する技術が提案されている。そのようなものとして、ポンプで、冷媒供給用シャフトを介してロータ軸内部に供給された液冷媒を、ロータコアにおける永久磁石の設置部位まで導引して、永久磁石を冷却するものがある。
具体的には、液冷媒が、ロータ軸内部から、ロータ軸に形成された冷媒通路と、端板に形成された内側冷媒溝と、ロータコアのフラックスバリアと、端板に形成された外側冷媒溝とを順番に通過して、端板の外側冷媒溝からステータ巻線に放出される、モータの冷却構造である(例えば、特許文献1参照)。
特開2009−27800号公報(第5−7頁、第2図)
特許文献1に記載のモータの冷却構造は、液冷媒で永久磁石を冷却するので、液冷媒を循環するためのポンプと配管とが必要であり、且つロータ軸(回転子軸)が中空部を有する構造であるので、装置コストが高くなるとの問題があった。
また、ロータ軸が内側に中空部が形成されており径が大きいので、ロータコア(回転子鉄心)の容積が小なくなり、回転電機であるモータの効率が低下するとの問題があった。
また、冷媒を、ロータ(回転子)の両端部にある端板の外側冷媒溝からステータ巻線(固定子コイル)に吹付けて、ステータ巻線を冷却するので、ステータ(固定子)のコイルエンドは十分に冷却できるが、コイルエンドより温度が高くなるステータの軸方向中心部のステータ巻線を、直接冷却できないという問題があった。
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであり、その目的は、回転子の永久磁石および固定子を冷却する構成が単純であり、永久磁石の冷却能力が優れており、回転電機の効率低下を防止できて、且つ固定子コイルの軸方向中心部を効率良く冷却できる、回転子、この回転子を備えた回転電機、およびこの回転電機が搭載された圧縮機を得ることである。
本発明に係わる第1の回転子は、回転子鉄心が、軸方向流路孔を有しており、磁石孔の周方向の端部が磁石孔空隙部となっている磁性板を積層して形成されており、積層されている複数の磁性板における全てまたは一部が、磁石孔空隙部と磁性板の外周とを接続する外周側径方向流路溝と、軸方向流路孔と磁石孔空隙部とを接続する内周側径方向流路溝と、が表面に設けられている溝形成磁性板であり、回転子鉄心と接する少なくとも一方の端板が、軸方向流路孔と対向する位置に気体冷媒取入口を設けているものである。
本発明に係わる第2の回転子は、回転子鉄心が、外周側の位置に周方向に複数設けられている磁石孔と、中央に設けられたシャフト貫通孔とを有しており、磁石孔の周方向の端部が磁石孔空隙部となっている磁性板を積層して形成されており、積層されている複数の磁性板における全てまたは一部が、磁石孔空隙部と磁性板の外周とを接続する外周側径方向流路溝が表面に設けられている溝形成磁性板であり、端板の少なくとも一方が、磁石孔空隙部と対向する位置に磁石孔空隙部の一部または全部を露出して気体冷媒取入口となる孔または切欠きを設けているものである。
本発明に係わる第3の回転子は、回転子鉄心が、軸方向流路孔と第2の軸方向流路孔とを有しており、磁石孔の周方向の端部が磁石孔空隙部となっており、磁石孔の仕切部の側の角部が第2の磁石孔空隙部となっている磁性板を積層して形成されており、積層されている複数の磁性板における全てまたは一部が、磁石孔空隙部と磁性板の外周とを接続する外周側径方向流路溝と、軸方向流路孔と磁石孔空隙部とを接続する内周側径方向流路溝と、第2の軸方向流路孔と第2の磁石孔空隙部および仕切部とを接続する第2の内周側径方向流路溝と、が表面に設けられているとともに、仕切部が薄肉化されている溝形成磁性板であり、回転子鉄心と接する少なくとも一方の端板が、軸方向流路孔と対向する位置および第2の軸方向流路孔と対向する位置の各々に気体冷媒取入口を設けているものである。
本発明に係わる第4の回転子は、回転子鉄心が、軸方向流路孔を有しており、磁石孔の周方向の端部が磁石孔空隙部となっており、磁石孔の仕切部の側の角部が第2の磁石孔空隙部となっている磁性板を積層して形成されており、積層されている複数の磁性板における全てまたは一部が、磁石孔空隙部と磁性板の外周とを接続する外周側径方向流路溝と、軸方向流路孔と第2の磁石孔空隙部および仕切部とを接続する内周側径方向流路溝と、が表面に設けられているとともに、仕切部が薄肉化されている溝形成磁性板であり、回転子鉄心と接する少なくとも一方の端板が、軸方向流路孔と対向する位置に気体冷媒取入口を設けているものである。
本発明に係わる第5の回転子は、回転子鉄心が、磁石孔の周方向の端部が磁石孔空隙部となっており、磁石孔の仕切部側の角部が第2の磁石孔空隙部となっている磁性板を積層して形成されており、積層されている複数の磁性板における全てまたは一部が、磁石孔空隙部と磁性板の外周とを接続する外周側径方向流路溝が表面に設けられている溝形成磁性板であり、回転子鉄心の端面と接する少なくとも一方の端板が、磁石孔空隙部と対向する位置と第2の磁石孔空隙部と対向する位置との各々に気体冷媒取入口を設けているものある。
本発明に係わる第6の回転子は、回転子鉄心が、軸方向流路孔と第2の軸方向流路孔とを有しており、磁石孔の周方向の端部が磁石孔空隙部となっており、磁石孔の仕切部の側の角部が第2の磁石孔空隙部となっている磁性板を積層して形成されており、積層されている複数の磁性板における全てまたは一部が、磁石孔空隙部と磁性板の外周とを接続する外周側径方向流路溝が表面に設けられている溝形成磁性板であり、端板が、軸方向流路孔と対向する位置と第2の軸方向流路孔と対向する位置と磁石孔空隙部と対向する位置と第2の磁石孔空隙部と対向する位置との、少なくとも1か所以上に気体冷媒取入口を設けているものである。
本発明に係わる第7の回転子は、回転子鉄心が、軸方向流路孔と第2の軸方向流路孔とを有しており、磁石孔の周方向の端部が磁石孔空隙部となっており、磁石孔の仕切部の側の角部が第2の磁石孔空隙部となっている磁性板を積層して形成されており、積層されている複数の磁性板における全てまたは一部が、磁石孔空隙部と磁性板の外周とを接続する外周側径方向流路溝と、軸方向流路孔と磁石孔空隙部とを接続する内周側径方向流路溝と、第2の軸方向流路孔と第2の磁石孔空隙部および仕切部とを接続する第2の内周側径方向流路溝と、が表面に設けられているとともに、仕切部が薄肉化されている溝形成磁性板であり、回転子鉄心と接する少なくとも一方の端板が、軸方向流路孔と対向する位置と第2の軸方向流路孔と対向する位置と磁石孔空隙部と対向する位置と第2の磁石孔空隙部と対向する位置との各々に、気体冷媒取入口を設けているものである。
本発明に係わる回転子は、上記のように構成されているため、永久磁石の冷却能力が優れているとともに、固定子コイルを効率良く冷却できる。
本発明の実施の形態1に係わる回転子に用いられる溝形成磁性板の正面模式図である。 本発明の実施の形態1に係わる回転子における径方向の半分を断面とした模式図である。 本発明の実施の形態1に係わる回転子鉄心における溝形成磁性板の外周側ブリッジ部を外周側から見た側面模式図である。 本発明の実施の形態1に係わる回転子鉄心における、溝形成磁性板の外周側ブリッジ部(a)と平状磁性板における外周側ブリッジ部と重なる部分(b)とを示す平面模式図である。 本発明の実施の形態1に係わる回転子を用いた回転電機の断面模式図である。 本発明の実施の形態2に係わる回転子における溝形成磁性板の部分平面模式図である。 本発明の実施の形態3に係わる回転子における溝形成磁性板の部分平面模式図である。 本発明の実施の形態4に係わる回転子における溝形成磁性板の部分平面模式図である。 本発明の実施の形態4に係わる回転子における一方の端板の部分平面模式図である。 本発明の実施の形態4に係わる回転子における径方向の半分を断面とした模式図である。 本発明の実施の形態5に係わる回転子における径方向の半分を断面とした模式図である。 本発明の実施の形態6に係わる圧縮機を示す断面模式図である。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係わる回転子に用いられる溝形成磁性板の正面模式図である。
本実施の形態の回転子の磁性板には、溝形成磁性板5aが用いられる。
図1に示すように、溝形成磁性板5aには、永久磁石が挿入される磁石孔51と、軸方向流路孔52と、外周側径方向流路溝53aと、内周側径方向流路溝53bと、シャフト貫通孔54と、が設けられている。
磁石孔51は、溝形成磁性板5aの外周側の位置に、周方向に複数設けられている磁石孔51は、磁石占有部51aとその周方向外側の磁石孔空隙部51bとで形成されており、磁石占有部51aと磁石孔空隙部51bとの境界を破線で示している。周方向で隣接する磁石孔空隙部51bの間は境界部55となっている。
軸方向流路孔52は、径方向内側で、周方向における境界部55と対向する位置に設けられている。すなわち、軸方向流路孔52は、隣接する磁石孔51の間の部分と径方向で対向させて、径方向内側に設けられている。シャフト貫通孔54は中心部に設けられている。
外周側径方向流路溝53aは、溝形成磁性板5aにおける外周と磁石孔空隙部51bとを接続している。そして、隣接する2個の外周側径方向流路溝53aと、この両外周側径方向流路溝53aを連結する部分とが、外周側ブリッジ部56となっている。
内周側径方向流路溝53bは、軸方向流路孔52と磁石孔空隙部51bとを接続している。また、内周側径方向流路溝53bは、1個の軸方向流路孔52と隣接する2個の磁石孔空隙部51bとをつないでいる。
本実施の形態では、外周側径方向流路溝53aと内周側径方向流路溝53bとは、溝形成磁性板5aにおける一方の面に形成されている。
磁石孔51は、より外周側に設置するのが好ましいが、外周側にすると外周側径方向流路溝53aの径方向の幅が小さくなり、外周側径方向流路溝53aの強度が低下する。そこで、磁石孔51は、回転子を回転電機に用いた場合に加わる最大負荷に耐える強度の外周側径方向流路溝53aを形成できる範囲で、外周側に設置されている。
軸方向流路孔52は、磁石孔空隙部51bに近いほど好ましいが、磁石孔空隙部51bに近づけすぎると、内周側径方向流路溝53bの強度が低下する。そこで、軸方向流路孔52は、回転子を回転電機に用いた場合に加わる最大負荷に耐える強度の内周側径方向流路溝53bを形成できる範囲で、磁石孔空隙部51bに近づけて設置されている。
本実施の形態の回転子の磁性板には、平状磁性板5bも用いられる。
平状磁性板5bは、外周側径方向流路溝53aと内周側径方向流路溝53bとが設けられていない以外、溝形成磁性板5aと同様である。
すなわち、平状磁性板5bは、溝形成磁性板5aと外形が同様であり、磁石孔51と軸方向流路孔52とシャフト貫通孔54とが、溝形成磁性板5aと同様の位置に設けられている。
また、平状磁性板5bの磁石孔51も、磁石占有部51aと磁石孔空隙部51bとで形成されている。
図2は、本発明の実施の形態1に係わる回転子における径方向の半分を断面とした模式図である。
図2に示すように、本実施の形態の回転子100は、回転子鉄心3と、回転子鉄心3の磁石挿入孔に挿入されている永久磁石4と、回転子鉄心3の軸方向における各端面と接して設置されている端板2と、回転子鉄心3の中央に設けられた貫通孔および端板2の中央に設けられた貫通孔に挿入して、回転子鉄心3および端板2を固定しているシャフト1と、を備えている。
各磁石挿入孔に挿入されている各永久磁石4は1個の極を形成している。
図2に示すように、回転子鉄心3は、磁性板を多数枚積層することにより形成されている。本実施の形態では、軸方向の中央部が所定枚数の溝形成磁性板5aを積層した部分であり、溝形成磁性板5aを積層した部分の、軸方向における両脇部が、所定枚数の平状磁性板5bを積層した部分である。
そして、溝形成磁性板5aを積層した部分では、一の溝形成磁性板5aの、外周側径方向流路溝53aと内周側径方向流路溝53bとが設けられている面と、他の溝形成磁性板5aの、外周側径方向流路溝53aと内周側径方向流路溝53bとが設けられていない面とを重ねて積層することにより、外周側径方向流路溝53aによる外周側径方向流路部33aと、内周側径方向流路溝53bによる内周側径方向流路部33bとが形成されている。ただし、軸方向におけるどちらか一方の端部にある溝形成磁性板5aは、外周側径方向流路溝53aと内周側径方向流路溝53bとが設けられている面を、平状磁性板5bの面と接して、外周側径方向流路部33aと内周側径方向流路部33bとが形成されている。
また、回転子鉄心3には、各磁性板5a,5bを積層することにより、磁石孔51が軸方向に連なった磁石挿入孔が形成されており、軸方向流路孔52が軸方向に連なった軸方向流路部32が形成されている。そして、磁石挿入孔と軸方向流路孔52とは、回転子鉄心3を軸方向に貫通している。
また、磁石孔空隙部51bも軸方向に連なって磁石挿入孔空隙部31bを形成している。磁石挿入孔空隙部31bも回転子鉄心3を軸方向に貫通している。この磁石挿入孔空隙部31bは、フラックスバリアとなっている。
端板2には、周方向で軸方向流路部32と対向する位置に、気体冷媒が取入れられる入口(気体冷媒取入口と記す)2aが設けられている。
すなわち、気体冷媒取入口2aと軸方向流路部32とで、回転子100の外部にある気体冷媒を取込んで流す軸方向流路を形成している。
また、回転子鉄心3における溝形成磁性板5aを積層した部分では、軸方向流路部32と接続している内周側径方向流路部33bと、磁石挿入孔空隙部31bと、外周側径方向流路部33aとで、径方向流路が形成されている。
次に、本実施の形態の回転子100における永久磁石4を冷却する機構について説明する。
回転子100が回転すると、遠心力により、磁石挿入孔空隙部31b内の気体冷媒が、外周側径方向流路部33aを介して、回転子100の外部に放出される。すると、磁石挿入孔空隙部31bの圧力が低下するので、内周側径方向流路部33bを介して、軸方向流路部32から磁石挿入孔空隙部31bへ、気体冷媒が流入する。すると、軸方向流路部32の圧力が低下するので、端板2の気体冷媒取入口2aから、軸方向流路部32へ外部の気体冷媒が取り入れられる。
すなわち、図2の矢印Lで示すように、気体冷媒が、外部から気体冷媒取入口2aを通過して軸方向流路部32へ流れこむ。次に、図2の矢印Mで示すように、気体冷媒が、軸方向流路部32から、内周側径方向流路部33bと磁石挿入孔空隙部31bと外周側径方向流路部33aとを順番に通過して、回転子100の外部に放出される。
そして、気体冷媒が、磁石挿入孔空隙部31b通過する際、永久磁石4の表面と接触しながら流れて、永久磁石4を冷却する。
次に、溝形成磁性板5aにおける外周側径方向流路溝53aの構造について説明する。
図3は、本発明の実施の形態1に係わる回転子鉄心における溝形成磁性板の外周側ブリッジ部を外周側から見た側面模式図である。
図3に示すように、外周側ブリッジ部56の、外周側径方向流路溝53aを形成していない薄肉化していない部分の板厚をTとして、外周側径方向流路溝53aを形成して部分の板厚をTcとしている。Tは、平状磁性板5bの板厚でもある。
外周側径方向流路溝53aの部分における板厚Tcは、Tより薄く、気体冷媒の流路を確保する点からできるだけ薄くしたいが、加工性の点から限界があり、0.5T≦Tc≦0.7Tとすることが望ましい。
図4は、本発明の実施の形態1に係わる回転子鉄心における、溝形成磁性板の外周側ブリッジ部(a)と平状磁性板における外周側ブリッジ部と重なる部分(b)とを示す平面模式図である。
図4に示すように、溝形成磁性板5aにおける外周側径方向流路溝53aの径方向の幅をWaとしており、溝を形成しておらず薄肉化していない平状磁性板5bにおける、外周側径方向流路溝53aと重なる部分(連結部と記す)45aの径方向の幅をWbとしている。
平状磁性板5bにおける幅Wbである連結部45aは、回転子100を回転電機に用いた場合に加わる最大負荷に耐える強度を有しているとしている。
しかし、外周側径方向流路溝53aは、その板厚Tcが平状磁性板5bの板厚Tより、薄いので、WaがWbと同じであれば、その強度は連結部45aの強度より低い。
すなわち、外周側径方向流路溝53aの強度を、連結部45aの強度と同等にするためには、WaをWbより大きくする必要がある。
外周側径方向流路溝53aを、簡単な梁モデルとして応力計算を実施した結果、外周側径方向流路溝53aに加わる応力を連結部45aに加わる応力と等価にするには、WaをWbに対して以下のようにする必要があることが判明した。
Tc=0.5Tのとき、Wa≒1.4Wb
Tc=0.6Tのとき、Wa≒1.3Wb
Tc=0.7Tのとき、Wa≒1.2Wb
Tc=0.8Tのとき、Wa≒1.1Wb
これらの結果より、1>(Tc/T)≧0.5の範囲では、余裕を見て、外周側径方向流路溝53aの径方向の幅Waを、平状磁性板5bにおける連結部45aの径方向の幅Wbの1.5倍に設定すると、回転子鉄心3の機械強度が保障される。すなわち、外周側径方向流路溝53aの径方向の幅Waは、機械強度が保障される薄肉化していない外周側径方向流路溝が形成される部分の幅の1.5倍であれば良い。
元々、薄肉化する前の外周側径方向流路溝を形成する部分の幅が広くて、この幅が最大負荷に耐える強度を有する幅の1.5倍以上であれば、外周側径方向流路溝53aの径方向の幅Waは薄肉化する前と同じであっても良い。
次に、本実施の形態の回転子100の製造方法の一例について説明する。
各磁性板5a,5bは、電磁鋼板を打ち抜いて作製する。この時、シャフト貫通孔54と磁石孔51と軸方向流路孔52も同時に形成する。
次に、磁性板の一方の面に、プレス加工またはエッチング加工により、外周側径方向流路溝53aと内周側径方向流路溝53bとを設けることにより、溝形成磁性板5aを形成する。各径方向流路溝53a,53bを設けない磁性板は平状磁性板5bとする。
次に、所定枚数の平状磁性板5bを積層した後、平状磁性板5bの積層部に重ねて所定枚数の溝形成磁性板5aを積層する。さらに、溝形成磁性板5aの積層部に重ねて所定枚数の平状磁性板5bを積層して、全ての磁性板を従来の方法で接合し、回転子鉄心3を形成する。
次に、磁石挿入孔に永久磁石4を挿入した後、回転子鉄心3の両端部に、シャフト1が挿入される貫通孔と気体冷媒取入口2aとが設けられた端板2を接して配置して、端板2と回転子鉄心3との各中央部に形成された貫通孔に、シャフト1を挿入して、焼きばめ等により、シャフト1に回転子鉄心3と端板2とを固定することにより、回転子100を作製する。
本実施の形態では、各磁性板5a,5bに電磁鋼板を用いているが、SPCC等の磁気特性を有する板状体で、溝加工が可能なものであれば良い。
次に、本実施の形態の回転子100を用いた回転電機150について説明する。
図5は、本発明の実施の形態1に係わる回転子を用いた回転電機の断面模式図である。
図5に示すように、本実施の形態の回転電機150は、回転子100の外周面と所定の間隔を設けて、且つ同心円状に配設された固定子120とを備えている。図5では、回転子100と固定子120以外の構成は省略している。
固定子120は、外周部のヨーク部121aとヨーク部121aの内周面から径方向に突出したティース部121bとでなる固定子鉄心121、およびティース部121bに巻回された固定子コイル122を備えている。
本実施の形態の回転子100は、回転子鉄心3における、軸方向流路部32が磁石挿入孔空隙部31bの近くに設けられており、且つ磁石挿入孔空隙部31bが径方向流路を形成しているので、径方向流路を短くできる。
それゆえ、本実施の形態の回転子100は、径方向流路の流動抵抗が小さく、気体冷媒の流量を大きくできるので、永久磁石4の冷却効果が優れている。
また、軸方向流路部32が、磁石挿入孔空隙部31bより径方向で内側に配置されているので、軸方向流路部32内にある気体媒体に、回転子の回転時に加わる遠心力を有効に利用でき、この面からも、気体冷媒の流量を大きくできる。
また、軸方向流路部32が磁極間の部分に配置されているので、永久磁石が減磁しやすい極間部の冷却能力が高い。
本実施の形態の回転電機150は、回転子鉄心3の径方向流路を通過した気体冷媒が回転子鉄心3の外周部から放出される。
それゆえ、回転子鉄心3の外周側に対向して配置された固定子鉄心121が冷却される。さらに、気体冷媒が固定子鉄心121の開口部を通って固定子コイル122に到達して、固定子鉄心121の内部にある固定子コイル122も冷却する。
すなわち、固定子120を冷却する効果も優れている。
また、本実施の形態の回転電機150は、回転子鉄心3の軸方向における中央部に径方向流路が設けられた回転子100が用いられているので、一般的に、最も温度が上がりやすい軸方向中央部の固定子コイル122を、気体冷媒で直接に冷却することが可能であり、固定子120の最も温度が上がりやすい部分を冷却する効果が優れている。
回転子において、外周側径方向流路溝53aのような、磁性板の板厚が薄くなる部分を、永久磁石より外周側であり、永久磁石に対する磁極中央部に設けると、永久磁石から発生した磁束が固定子に届く際の磁路断面積を減らすことになり磁路抵抗が増大し、回転子から固定子に向かう磁束を減少させてしまう。
しかし、本実施の形態の回転子100は、磁性板の板厚が薄く断面積が小さくなっており、磁路抵抗が増大している外周側径方向流路溝53aを、溝形成磁性板5aの外周側ブリッジ部56、すなわち、周方向で隣接する永久磁石4の間に設けているので、回転子100から固定子120に向かう磁束が減少することが、ほとんどない。逆に、永久磁石4からの磁束が外周側ブリッジ部56から漏れるのを減少させて、回転子100から固定子120に向かう磁束量を増大させている。
すなわち、本実施の形態の回転子100およびこの回転子100を用いた回転電機150は、回転子100と固定子120との冷却効果が優れている。それと、回転子100の永久磁石4の磁束を効率的に利用できる。また、回転子100が、十分な機械強度を有している。
本実施の形態の回転子100は、回転子鉄心3の軸方向における中央部に溝形成磁性板5aを配置しているが、回転子鉄心3の軸方向における全ての領域に溝形成磁性板5aを配置しても良い。また、所定の枚数の平状磁性板5bを挟んだ間隔で溝形成磁性板5aを配置しても良い。
また、本実施の形態では、各径方向流路溝53a,53bは、溝形成磁性板5aにおける一方の面に形成されているが、両方の面に形成しても良い。こうすると各径方向流路溝53a,53bの形成が容易になる。
本実施の形態の回転子では、軸方向流路孔52と対向する位置に設けられている気体冷媒取入口2aは、両方の端板に設けられているが、少なくとも一方の端板に設けられていれば良い。
実施の形態2.
図6は、本発明の実施の形態2に係わる回転子における溝形成磁性板の部分平面模式図である。
図6に示すように、本実施の形態の回転子における溝形成磁性板である第2の溝形成磁性板205aは、実施の形態1の溝形成磁性板5aにおいて、磁石孔51を等分に2分割する薄肉仕切部260を設けて2個の分割磁石孔251を形成し、薄肉仕切部260より径方向内側で、薄肉仕切部260と径方向で対向する位置に第2の軸方向流路孔252を設けたものである。各分割磁石孔251における、第2の磁石占有部251aと磁石孔空隙部51bとの境界は破線で示している。
第2の溝形成磁性板205aには、磁石孔空隙部51bと、軸方向流路孔52と、外周側径方向流路溝53aと、内周側径方向流路溝53bとが、が設けられている。
さらに、薄肉仕切部260と第2の軸方向流路孔252とを接続する、第2の内周側径方向流路溝253bが設けられている。そして、薄肉仕切部260の厚さを第2の内周側径方向流路溝253bの厚さと同じにしている。
また、各分割磁石孔251の薄肉仕切部側の角部に、第2の磁石孔空隙部251bが設けられている
また、第2の内周側径方向流路溝253bも第2の溝形成磁性板205aの両面に形成しても良く、薄肉仕切部260も、第2の溝形成磁性板205aの両面を加工して形成しても良い。
本実施の形態の回転子の平状磁性板である第2の平状磁性板は、実施の形態1の、磁石挿入孔空隙部31bと軸方向流路孔52とが設けられている平状磁性板5bに、磁石孔51を等分に2分割する薄肉化していない同厚仕切部を設けて、第2の溝形成磁性板205aと同様の、分割磁石孔251を形成しているものである。
そして、同厚仕切部より内側の同厚仕切部と対向する位置に、第2の溝形成磁性板205aと同様の、第2の軸方向流路孔252を設けている。そして、同厚仕切部の厚さは第2の平状磁性板の厚さと同じである。
また、分割磁石孔251における同厚仕切部側の角部に、第2の溝形成磁性板205aと同様の、第2の磁石孔空隙部251bを設けている。
第2の溝形成磁性板205aを積層すると、外周側径方向流路溝53aによる外周側径方向流路部33aと、内周側径方向流路溝53bによる内周側径方向流路部33bと、第2の内周側径方向流路溝253bによる第2の内周側径方向流路部と、薄肉仕切部260による仕切部径方向流路部と、が形成される。
第2の平状磁性板および第2の溝形成磁性板205aを積層すると、軸方向流路孔52による軸方向流路部32と、磁石孔空隙部51bによる磁石挿入孔空隙部31bと、第2の軸方向流路孔252による第2の軸方向流路部と、第2の磁石孔空隙部251bによる第2の磁石挿入孔空隙部と、が形成される。
また、各分割磁石孔251による分割磁石挿入孔が形成される。
本実施の形態の回転子における回転子鉄心である第2の回転子鉄心は、第2の溝形成磁性板205aと第2の平状磁性板とを実施の形態1と同様にして積層して形成され、磁極ごとの2個の分割磁石挿入孔が設けられている。
そして、2個の分割磁石挿入孔の各々に、永久磁石が挿入される。
また、本実施の形態の回転子の端板である第2の端板は、実施に形態1の端板2において、第2の気体冷媒取入口を設けたものである。
すなわち、第2の回転子鉄心における、軸方向流路部32と対向する位置に、気体冷媒取入口2aを設け、第2の軸方向流路部と対向する位置に、第2の気体冷媒取入口を設けたものである。
本実施の形態の回転子は、第2の回転子鉄心と、第2の端板と、2個で1極を形成する永久磁石と、シャフト1とを用いて、実施の形態1と同様にして、作製される。
薄肉仕切部260の厚さは、薄肉化していない部分の厚さの0.5倍から0,7倍であれば良い。
薄肉仕切部260の周方向の幅は、加わる最大負荷に耐える強度を有する第2の平状磁性板の同厚仕切部の幅の1.5倍であれば良い。すなわち、薄肉仕切部260の周方向の幅は、加わる最大負荷に耐える強度を有する薄肉化していない仕切部の周方向の幅の1.5倍であれば良い。
元々、薄肉化する前の仕切部の周方向の幅が広くて、この幅が最大負荷に耐える強度を有する幅の1.5倍以上であれば、薄肉仕切部260の周方向の幅は薄肉化していない仕切部の幅と同じであっても良い。
本実施の形態の回転電機は、回転子に本実施の形態の回転子を用いた以外、実施の形態1の回転電機と同様である。
次に、本実施の形態の回転子における永久磁石を冷却する機構について説明する。
回転子が回転すると、実施の形態1の回転子100と同様に、気体冷媒が、外部から気体冷媒取入口2aを通過して軸方向流路部32へ流れ込んだ後、軸方向流路部32から、内周側径方向流路部33bと、磁石挿入孔空隙部31bと、外周側径方向流路33aと、を順番に通過して、第2の回転子の外部に放出される。
また、気体冷媒が、外部から第2の気体冷媒取入口を通過して、第2の軸方向流路部へ流れ込んだ後、第2の軸方向流路部から、第2の内周側径方向流路部と、仕切部径方向流路部および第2の磁石挿入孔空隙部と、各分割磁石挿入孔と永久磁石との隙間と、磁石挿入孔空隙部31bと、外周側径方向流路部33aと、を順番に通過して、回転子の外部に放出される。
すなわち、本実施の形態の回転子および回転電機は、第2の気体冷媒取入口から外周側径方向流路部33aへ至る、新たな気体冷媒の流路が追加されるので、気体冷媒の流量を増大できるとともに、永久磁石のほぼ全面を気体冷媒で冷却することが可能となり、冷却能力が向上している。
また、軸方向流路部32および第2の軸方向流路部が、分割磁石挿入孔より径方向で内側に配置されているので、回転子の回転時に、軸方向流路部32内および第2の軸方向流路部内にある気体媒体に加わる遠心力を有効に利用でき、この面からも気体冷媒の流量を増大できる。
また、軸方向流路部32が磁極間の部分に配置されているので、永久磁石が減磁しやすい極間部の冷却能力が高い。
本実施の形態の回転子は、第2の回転子鉄心の軸方向における中央部に第2の溝形成磁性板205aを配置しているが、第2の回転子鉄心の軸方向における全ての領域に第2の溝形成磁性板205aを配置しても良い。
本実施の形態の回転子では、軸方向流路孔52と対向する位置に設けられている気体冷媒取入口2aと第2の軸方向流路孔252と対向する位置に設けられている第2の気体冷媒取入口とは、少なくとも一方の端板に設けられていれば良い。
実施の形態3.
図7は、本発明の実施の形態3に係わる回転子における溝形成磁性板の部分平面模式図である。
図7に示すように、本実施の形態の回転子における溝形成磁性板である第3の溝形成磁性板305aは、実施の形態2の第の2溝形成磁性板205aにおいて、軸方向流路孔52と内周側径方向流路溝53bとを省いたものである。
本実施の形態の回転子の平状磁性板である第3の平状磁性板は、実施の形態2の第2の平状磁性板において、軸方向流路孔52を省いたものである。
本実施の形態の回転子の端板である第3の端板は、実施の形態2の第2の端板において、気体冷媒取入口2aを省いたものである。
本実施の形態の回転子における回転子鉄心である第3の回転子鉄心は、実施の形態1と同様にして、第3の溝形成磁性板305aと第3の平状磁性板とを積層して形成される。
本実施の形態の回転子は、第3の回転子鉄心と、第3の端板と、2個で1極を形成する永久磁石と、シャフト1とを用いて、実施の形態1と同様にして、作製される。
本実施の形態の回転電機は、回転子に本実施の形態の回転子を用いた以外、実施の形態1の回転電機と同様である。
次に、本実施の形態の回転子における永久磁石を冷却する機構について説明する。
回転子が回転すると、気体冷媒が、外部から第2の気体冷媒取入口を通過して、第2の軸方向流路部へ流れ込んだ後、第2の軸方向流路部から、第2の内周側径方向流路部と、仕切部径方向流路部および第2の磁石挿入孔空隙部と、各分割磁石挿入孔と永久磁石との隙間と、磁石挿入孔空隙部31bと、外周側径方向流路部33aと、を順番に通過して、回転子の外部に放出される。
本実施の形態の回転子および回転電機は、気体冷媒の流路が、第2の気体冷媒取入口から外周側径方向流路部33aへ至るので、永久磁石のほぼ全面を気体冷媒で冷却することが可能であるとともに、回転子から放出される気体冷媒で固定子コイルを冷却できる。
また、永久磁石より内側の磁極の中央部のみに、径方向流路部が配置されているので、磁性板内での磁路の障害になることが少ない。
本実施の形態の回転子は、第3の回転子鉄心の軸方向における中央部に第3の溝形成磁性板305aを配置しているが、第3の回転子鉄心の軸方向における全ての領域に第3の溝形成磁性板305aを配置しても良い。
本実施の形態の回転子では、第2の軸方向流路孔252と対向する位置に設けられている第2の気体冷媒取入口は、少なくとも一方の端板に設けられていれば良い。
実施の形態4.
図8は、本発明の実施の形態4に係わる回転子における溝形成磁性板の部分平面模式図である。
図8に示すように、本実施の形態の回転子400の溝形成磁性板である第4の溝形成磁性板405aは、実施の形態2の第2の溝形成磁性板205aにおいて、内周側径方向流路溝53bと第2の内周側径方向流路溝253bとを省き、薄肉仕切部260の代わりに同厚仕切部460を用いたものである。そして、第4の溝形成磁性板405aは、両面に外周側径方向流路溝53aを設けている。
本実施の形態の回転子の平状磁性板である第4の平状磁性板405bは、実施の形態2の第2の平状磁性板と同じものである。
また、図8には、回転子とした場合に、後述する一方の第4の端板402bに設けられている第3の気体冷媒取入口402dと第4の気体冷媒取入口402eとが対向する、第4の溝形成磁性板405aの部分を点線で示している。
本実施の形態の回転子400の回転子鉄心である第4の回転子鉄心は、第4の溝形成磁性板405aを積層するとともに、この積層部に連ねて第4の平状磁性板405bを積層して形成されている。
図9は、本発明の実施の形態4に係わる回転子における一方の端板の部分平面模式図である。
図9に示すように、本実施の形態の回転子の端板である一方の第4の端板402bは、実施の形態2の第2の端板の同形状の端板において、各磁性板405a,405bの磁石孔空隙部51bと対向する位置に第3の気体冷媒取入口402dを設け、各磁性板405a,405bの第2の磁石孔空隙部251bと対向する位置に第4の気体冷媒取入口402eを設けたものである。
すなわち、一方の第4の端板402bは、気体冷媒取入口2aと、第2の気体冷媒取入口402cと、第3の気体冷媒取入口402dと、第4の気体冷媒取入口402eと、を備えている。
また、本実施の形態の回転子の端板である他方の第4の端板402aは、実施の形態2の第2の端板と同形状である。
本実施の形態では、他方の第4の端板402aが、一方の第4の端板402bと同じであっても良い。
図10は、本発明の実施の形態4に係わる回転子における径方向の半分を断面とした模式図である。
図10に示すように、本実施の形態の回転子400は、第4の回転子鉄心403と、第4の回転子鉄心403の分割磁石挿入孔に挿入さている2個で1極を形成する永久磁石404と、第4の回転子鉄心403の一方の端面に設置された一方の第4の端板402bと、第4の回転子鉄心403の他方の端面に設置された他方の第4の端板402aと、第4の回転子鉄心403の中央に設けられた貫通孔および一方の第4の端板402bと他方の第4の端板402aとの中央に設けられた貫通孔に挿入して、第4の回転子鉄心403および各第4の端板402a,402bを固定しているシャフト1と、を備えている。
本実施の形態の回転子400における回転子鉄心である第4の回転子鉄心403も、磁性板を積層して形成されており、軸方向の一方側が第4の平状磁性板405bを積層した部分であり、軸方向の他方側が第4の溝形成磁性板405aを積層した部分である。
第4の回転子鉄心403の第4の溝形成磁性板405aを積層した部分では、径方向に、2個の外周側径方向流路溝53aによる外周側径方向流路部433aが形成されている。また、第4の溝形成磁性板405aを積層した部分の、一端面は第4の平状磁性板405bと接触し、他端面は他方の第4の端板402aと接触して、各々径方向に外周側径方向流路部33aを形成している。
本実施の形態の回転電機は、回転子に本実施の形態の回転子400を用いた以外、実施の形態1の回転電機と同様である。
次に、本実施の形態の回転子400における永久磁石4を冷却する機構について説明する。
回転子400が回転すると、遠心力により、磁石挿入孔空隙部31b内の気体冷媒が、矢印Mで示すように、外周側径方向流路部433a,33aを介して、回転子400の外部に放出される。すると、磁石挿入孔空隙部31bの圧力が低下するので、矢印Nで示すように、第3の気体冷媒取入口402dから磁石挿入孔空隙部31bへ外部の気体冷媒が取り入れられる。
また、気体冷媒が、外部から第4の気体冷媒取入口402eを通過して第2の磁石孔空隙部251bにより形成される第2の磁石挿入孔空隙部と、分割磁石挿入孔と永久磁石との隙間と、磁石挿入孔空隙部31bと、外周側径方向流路433a,33aと、を順番に通過して、回転子の外部に放出される。
すなわち、第3の気体冷媒取入口402dから外周側径方向流路部433a,33aへ流れる気体媒体により、回転子400が冷却される。また、第4の気体冷媒取入口402eから外周側径方向流路部433a,33aへ流れる気体媒体により、永久磁石のほぼ全面が効果的に冷却される。
本実施の形態の回転子400は、軸方向流路部32と第2の軸方向流路部とが設けられており、この部分にも気体冷媒が入り、これにより、回転子鉄心が冷却される。
本実施の形態の回転電機も、回転子400の外周部から気体冷媒が放出されるので、固定子コイルが冷却される。
本実施の形態の回転子400の図10の例では、他方の第4の端板402aに、第3の気体冷媒取入口402dと第4の気体冷媒取入口402eとを設けていない。また、外周側径方向流路部433a,33aが第4の回転子鉄心403の軸方向の他方の側に設けられている。
本実施の形態の回転子400を備えた回転電機を、回転子400の外周側径方向流路部433a,33aを下側にして圧縮機の下方に直列に接続して、低圧シェル型圧縮機に用いた場合、温度が相対的に高くなる、固定子の下側半分のコイルを集中的に冷却することができる。
本実施の形態では、外周側径方向流路溝53aを、第4の溝形成磁性板405aの両面に、設けているが、片面のみであっても良い。
本実施の形態の回転子は、第4の回転子鉄心403の軸方向における他方側に第4の溝形成磁性板405aを配置しているが、第4の回転子鉄心403の軸方向における全ての領域に第4の溝形成磁性板405aを配置しても良い。
すなわち、外周側径方向流路部433a,33aを、第4の回転子鉄心の軸方向における全ての部分に設けても良い。
また、本実施の形態の回転子において、各端板における、気体冷媒取入口は、軸方向流路孔と対向する位置と第2の軸方向流路孔と対向する位置と磁石孔空隙部と対向する位置と第2の磁石孔空隙部と対向する位置との、少なくとも1か所以上に、設置すれば良い。
本実施の形態の回転子では、各第4の端板402a,402bの、気体冷媒取入口2aおよび第2の気体冷媒取入口402c、並びに、第4の回転子鉄心403の、軸方向流路部32および第2の軸方向流路部を、設けなくても良い。
また、両端板の少なくとも一方が、磁石孔空隙部51bと対向する位置に設けられている第3の気体冷媒取入口402dと第2の磁石孔空隙部251bと対向する位置に設けられている第4の気体冷媒取入口402eとのみが設けられたものであっても良い。両端板の少なくとも一方に設けられる第3の気体冷媒取入口402dおよび第4の気体冷媒取入口402eは、磁石孔空隙部51b,251bの全てまたは一部を露出する孔または切欠きであれば良い。
また、磁石孔が分割磁石孔でない場合は、両端板の少なくとも一方に設けられる気体冷媒取入口は、第3の気体冷媒取入口402dのみであれば良い。
実施の形態5.
図11は、本発明の実施の形態5に係わる回転子における径方向の半分を断面とした模式図である。
図11に示すように、本実施の形態の回転子500は、第5の回転子鉄心503と、第5の回転子鉄心503の分割磁石挿入孔に挿入さている2個で1極を形成する永久磁石404と、第5の回転子鉄心503の各端面に設置された第5の端板502と、第5の回転子鉄心503の中央に設けられた貫通孔および第5の端板502の中央に設けられた貫通孔に挿入して、第5の回転子鉄心503および第5の端板502を固定しているシャフト1と、を備えている。
本実施の形態の回転子500の回転子鉄心である第5の回転子鉄心503も、磁性板を積層して形成されており、全ての磁性板が、実施の形態2の第2の溝形成磁性板205aと同じある。
第5の回転子鉄心503には、軸方向に貫通した分割磁石挿入孔と、軸方向流路部32と、磁石挿入孔空隙部31bと、第2の磁石挿入孔空隙部と、が設けられている。
また、第5の回転子鉄心503にも、外周側径方向流路部33aと内周側径方向流路部33bと、仕切部径方向流路部と、第2の内周側径方向流路部と、が設けられている。
本実施の形態の第5の端板502は、全ての気体冷媒取入口を備えた実施の形態4の一方の第4の端板402bと同じである。
本実施の形態の回転電機は、回転子に本実施の形態の回転子500を用いた以外、実施の形態1の回転電機と同様である。
次に、本実施の形態の回転子500における永久磁石4を冷却する機構について説明する。
回転子500が回転すると、遠心力により、磁石挿入孔空隙部31b内の気体冷媒が、矢印Mで示すように、外周側径方向流路部33aを介して、回転子500の外部に放出される。すると、磁石挿入孔空隙部31bの圧力が低下するので、磁石挿入孔空隙部31bに、軸方向流路部32と第2の磁石挿入孔空隙部から気体冷媒が流れ込む。
また、矢印Lで示すように、気体冷媒取入口2aから軸方向流路部32へ、外部の気体冷媒が取り入れられる。また、矢印Nで示すように、第3の気体冷媒取入口402dから磁石挿入孔空隙部31b内へ、外部の気体冷媒が取り入れられる。また、第4の気体冷媒取入口402eから第2の磁石挿入孔空隙部へ、外部の気体冷媒が取り入れられる。
本実施の形態の第5の回転子500には、気体冷媒取入口2aと、軸方向流路部32と、内周側径方向流路部33bと、磁石挿入孔空隙部31bと、外周側径方向流路部33aとを、順番に気体冷媒が流れて外部に放出する流路がある。
また、第2の気体冷媒取入口402cと、第2の内周側径方向流路と、仕切部径方向流路部および第2の磁石挿入孔空隙部と、永久磁石と分割磁石挿入孔との隙間と、磁石挿入孔空隙部31bと、外周側径方向流路部33aとを、順番に気体冷媒が流れて外部に放出する流路がある。
また、第3の気体冷媒取入口402dと、磁石挿入孔空隙部31bと、外周側径方向流路部33aとを、順番に気体冷媒が流れて外部に放出する流路がある。
また、第4の気体冷媒取入口402eと、第2の磁石挿入孔空隙部と、永久磁石と分割磁石挿入孔との隙間と、磁石挿入孔空隙部31bと、外周側径方向流路部33aとを、順番に気体冷媒が流れて外部に放出する流路がある。
すなわち、本実施の形態の第5の回転子500は、気体冷媒が流れて外部に放出する4個の流路で、永久磁石を冷却する。
本実施の形態の第5の回転子500は、気体冷媒を流す流路が多いので、永久磁石を冷却する能力がとくに大きい。
また、回転子鉄心の軸方向全域において、側面から気体冷媒を放出するので、固定子コイルを冷却する能力が大きい。
本実施の形態の回転子は、第5の回転子鉄心の全ての磁性板に、第2の溝形成磁性板205aを用いているが、第5の回転子鉄心の軸方向における一部の領域に第2の溝形成磁性板205aを配置しても良い。
本実施の形態の回転子では、両方の端板に、軸方向流路孔52と対向する位置に設けられている気体冷媒取入口2aと、第2の軸方向流路孔252と対向する位置に設けられている第2の気体冷媒取入口402cと、磁石孔空隙部51bと対向する位置に設けられている第3の気体冷媒取入口402dと、第2の磁石孔空隙部251bと対向する位置に設けられている第4の気体冷媒取入口402eとが設けられているが、これらの気体冷媒取入口は、少なくとも一方の端板に設けられていれば良い。
実施の形態6.
図12は、本発明の実施の形態6に係わる圧縮機を示す断面模式図である。
図12に示すように、本実施の形態の圧縮機180は、外装となるケース181と、ケース181内に設置された、圧縮機構182と、回転電機であるモータ183とを備えている。
モータ183における回転子のシャフトが、圧縮機構182のクランク軸と接続されており、モータ183の駆動により、圧縮機構182が作動する。
本実施の形態では、モータ183に、実施の形態1から実施の形態5のいずれかの回転電機が用いられている。
本実施の形態の圧縮機180は、実施の形態1から実施の形態5のいずれかの回転電機が用いられており、回転電機の、永久磁石および固定子コイルが効率良く冷却さるので、圧縮機の性能が優れている。
本発明の回転子における、磁石挿入孔と各磁石挿入孔空隙部と各軸方向流路との断面形状、各気体冷媒取入口の形状、外周側径方向流路部と各内周側径方向流路部との形状は、一例であり、気体冷媒を流すことができれば、これらの形状に限定されない。
また、回転子の構成を6極として、1極あたり、1個または2個の永久磁石が用いられているが、4極または8極としても良く、1極当たり設置できる範囲内で3個以上としても良い。1極に複数の永久磁石を用いるにあたり、永久磁石数に対応して磁石挿入孔を仕切部で分割しているが、回転数が低い回転電機では仕切部を設けなくても良い。
また、永久磁石の断面は、かまぼこ状や円弧状等であっても良く、磁石挿入孔の断面形状も永久磁石の断面形状に対応した形状であれば良い。
また、磁性板の各溝を加工する方法は、溝を形成できれば、プレス加工やエッチング加工に限定されない。
本発明の固定子も、スロット数等は特に限定されるものではなく、固定子コイルも、集中巻および分布巻の、いずれのものであっても良い。
本発明の回転電機は、圧縮機以外にも用いることができ、同様の冷却効果を有する。
なお、本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
本発明の回転子は、永久磁石および固定子コイルを効果的に冷却できるので、高出力が要求される回転電機、およびこの回転電機を用いた圧縮機に用いられる。
1 シャフト、2 端板、2a 気体冷媒取入口、3 回転子鉄心、4 永久磁石、
5a 溝形成磁性板、5b 平状磁性板、31b 磁石挿入孔空隙部、
32 軸方向流路部、33a 外周側径方向流路部、33b 内周側径方向流路部、
45a 連結部、51 磁石孔、51a 磁石占有部、51b 磁石孔空隙部、
52 軸方向流路孔、53a 外周側径方向流路溝、53b 内周側径方向流路溝、
54 シャフト貫通孔、55 境界部、56 外周側ブリッジ部、100 回転子、
120 固定子、121 固定子鉄心、121a ヨーク部、121b ティース部、
122 固定子コイル、150 回転電機、180 圧縮機、181 ケース、
182 圧縮機構、183 モータ、205a 第2の溝形成磁性板、
251 分割磁石孔、251a 第2の磁石占有部、251b 第2の磁石孔空隙部、
252 第2の軸方向流路孔、253b 第2の内周側径方向流路溝、
260 薄肉仕切部、305a 第3の溝形成磁性板、400 回転子、
402a 他方の第4の端板、402b 一方の第4の端板、
402c 第2の気体冷媒取入口、402d 第3の気体冷媒取入口、
402e 第4の気体冷媒取入口、403 第4の回転子鉄心、404 永久磁石、
405a 第4の溝形成磁性板、405b 第4の平状磁性板、460 同厚仕切部、
500 回転子、502 第5の端板、503 第5の回転子鉄心。

Claims (11)

  1. 回転子鉄心と、上記回転子鉄心の磁石挿入孔に挿入されている永久磁石と、上記回転子鉄心の軸方向における各端面と接して設置されている端板と、上記回転子鉄心と上記端板との各々の中央に設けられた貫通孔に挿入して、上記回転子鉄心および上記端板を固定しているシャフトと、を備えている回転子であって、
    上記回転子鉄心が、外周側の位置に周方向に複数設けられている磁石孔と、隣接する上記磁石孔の間の部分と径方向で対向しており且つ内側に設けられた軸方向流路孔と、中央に設けられたシャフト貫通孔とを有しており、上記磁石孔の周方向の端部が磁石孔空隙部となっている磁性板を積層して形成されており、
    積層されている複数の上記磁性板における全てまたは一部が、上記磁石孔空隙部と上記磁性板の外周とを接続する外周側径方向流路溝と、上記軸方向流路孔と上記磁石孔空隙部とを接続する内周側径方向流路溝と、が表面に設けられている溝形成磁性板であり、
    上記端板の少なくとも一方が、上記軸方向流路孔と対向する位置に気体冷媒取入口を設けている、回転子。
  2. 回転子鉄心と、上記回転子鉄心の磁石挿入孔に挿入されている永久磁石と、上記回転子鉄心の軸方向における各端面と接して設置されている端板と、上記回転子鉄心と上記端板との各々の中央に設けられた貫通孔に挿入して、上記回転子鉄心および上記端板を固定しているシャフトと、を備えている回転子であって、
    上記回転子鉄心が、外周側の位置に周方向に複数設けられている磁石孔と、中央に設けられたシャフト貫通孔とを有しており、上記磁石孔の周方向の端部が磁石孔空隙部となっている磁性板を積層して形成されており、
    積層されている複数の上記磁性板における全てまたは一部が、上記磁石孔空隙部と上記磁性板の外周とを接続する外周側径方向流路溝が表面に設けられている溝形成磁性板であり、
    上記端板の少なくとも一方が、上記磁石孔空隙部と対向する位置に上記磁石孔空隙部の一部または全部を露出して気体冷媒取入口となる孔または切欠きを設けている回転子。
  3. 回転子鉄心と、上記回転子鉄心の磁石挿入孔に挿入されている永久磁石と、上記回転子鉄心の軸方向における各端面と接して設置されている端板と、上記回転子鉄心と上記端板との各々の中央に設けられた貫通孔に挿入して、上記回転子鉄心および上記端板を固定しているシャフトと、を備えている回転子であって、
    上記回転子鉄心が、外周側の位置に周方向に複数設けられており且つ径方向に延びた仕切部を有する磁石孔と、隣接する上記磁石孔の間の部分と径方向で対向しており且つ内側に設けられた軸方向流路孔と、上記仕切部と径方向で対向しており且つ内側に設けられた第2の軸方向流路孔と、中央に設けられたシャフト貫通孔とを有しており、上記磁石孔の周方向の端部が磁石孔空隙部となっており、上記磁石孔の上記仕切部の側の角部が第2の磁石孔空隙部となっている磁性板を積層して形成されており、
    積層されている複数の上記磁性板における全てまたは一部が、上記磁石孔空隙部と上記磁性板の外周とを接続する外周側径方向流路溝と、上記軸方向流路孔と上記磁石孔空隙部とを接続する内周側径方向流路溝と、上記第2の軸方向流路孔と上記第2の磁石孔空隙部および上記仕切部とを接続する第2の内周側径方向流路溝と、が表面に設けられているとともに、上記仕切部が薄肉化されている溝形成磁性板であり、
    上記端板の少なくとも一方が、上記軸方向流路孔と対向する位置および上記第2の軸方向流路孔と対向する位置の各々に気体冷媒取入口を設けている、回転子。
  4. 回転子鉄心と、上記回転子鉄心の磁石挿入孔に挿入されている永久磁石と、上記回転子鉄心の軸方向における各端面と接して設置されている端板と、上記回転子鉄心と上記端板との各々の中央に設けられた貫通孔に挿入して、上記回転子鉄心および上記端板を固定しているシャフトと、を備えている回転子であって、
    上記回転子鉄心が、外周側の位置に周方向に複数設けられており且つ径方向に延びた仕切部を有する磁石孔と、上記仕切部と径方向で対向しており且つ内側に設けられた軸方向流路孔と、中央に設けられたシャフト貫通孔とを有しており、上記磁石孔の周方向の端部が磁石孔空隙部となっており、上記磁石孔の上記仕切部の側の角部が第2の磁石孔空隙部となっている磁性板を積層して形成されており、
    積層されている複数の上記磁性板における全てまたは一部が、上記磁石孔空隙部と上記磁性板の外周とを接続する外周側径方向流路溝と、上記軸方向流路孔と上記第2の磁石孔空隙部および上記仕切部とを接続する内周側径方向流路溝と、が表面に設けられているとともに、上記仕切部が薄肉化されている溝形成磁性板であり、
    上記端板の少なくとも一方が、上記軸方向流路孔と対向する位置に気体冷媒取入口を設けている、回転子。
  5. 回転子鉄心と、上記回転子鉄心の磁石挿入孔に挿入されている永久磁石と、上記回転子鉄心の軸方向における各端面と接して設置されている端板と、上記回転子鉄心と上記端板との各々の中央に設けられた貫通孔に挿入して、上記回転子鉄心および上記端板を固定しているシャフトと、を備えている回転子であって、
    上記回転子鉄心が、外周側の位置に周方向に複数設けられており且つ径方向に延びた仕切部を有する磁石孔と、中央に設けられたシャフト貫通孔とを有しており、上記磁石孔の周方向の端部が磁石孔空隙部となっており、上記磁石孔の上記仕切部の側の角部が第2の磁石孔空隙部となっている磁性板を積層して形成されており、
    積層されている複数の上記磁性板における全てまたは一部が、上記磁石孔空隙部と上記磁性板の外周とを接続する外周側径方向流路溝が表面に設けられている溝形成磁性板であり、
    上記回転子鉄心の端面と接する少なくとも一方の上記端板が、上記磁石孔空隙部と対向する位置と上記第2の磁石孔空隙部と対向する位置との各々に、気体冷媒取入口を設けている、回転子。
  6. 回転子鉄心と、上記回転子鉄心の磁石挿入孔に挿入されている永久磁石と、上記回転子鉄心の軸方向における各端面と接して設置されている端板と、上記回転子鉄心と上記端板との各々の中央に設けられた貫通孔に挿入して、上記回転子鉄心および上記端板を固定しているシャフトと、を備えている回転子であって、
    上記回転子鉄心が、外周側の位置に周方向に複数設けられており且つ径方向に延びた仕切部を有する磁石孔と、隣接する上記磁石孔の間の部分と径方向で対向しており且つ内側に設けられた軸方向流路孔と、上記仕切部と径方向で対向しており且つ内側に設けられた第2の軸方向流路孔と、中央に設けられたシャフト貫通孔とを有しており、上記磁石孔の周方向の端部が磁石孔空隙部となっており、上記磁石孔の上記仕切部の側の角部が第2の磁石孔空隙部となっている磁性板を積層して形成されており、
    積層されている複数の上記磁性板における全てまたは一部が、上記磁石孔空隙部と上記磁性板の外周とを接続する外周側径方向流路溝が表面に設けられている溝形成磁性板であり、
    上記端板が、上記軸方向流路孔と対向する位置と上記第2の軸方向流路孔と対向する位置と上記磁石孔空隙部と対向する位置と上記第2の磁石孔空隙部と対向する位置との、少なくとも1か所以上に気体冷媒取入口を設けている、回転子。
  7. 回転子鉄心と、上記回転子鉄心の磁石挿入孔に挿入されている永久磁石と、上記回転子鉄心の軸方向における各端面と接して設置されている端板と、上記回転子鉄心と上記端板との各々の中央に設けられた貫通孔に挿入して、上記回転子鉄心および上記端板を固定しているシャフトと、を備えている回転子であって、
    上記回転子鉄心が、外周側の位置に周方向に複数設けられており且つ径方向に延びた仕切部を有する磁石孔と、隣接する上記磁石孔の間の部分と径方向で対向しており且つ内側に設けられた軸方向流路孔と、上記仕切部と径方向で対向しており且つ内側に設けられた第2の軸方向流路孔と、中央に設けられたシャフト貫通孔とを有しており、上記磁石孔の周方向の端部が磁石孔空隙部となっており、上記磁石孔の上記仕切部の側の角部が第2の磁石孔空隙部となっている磁性板を積層して形成されており、
    積層されている複数の上記磁性板における全てまたは一部が、上記磁石孔空隙部と上記磁性板の外周とを接続する外周側径方向流路溝と、上記軸方向流路孔と上記磁石孔空隙部とを接続する内周側径方向流路溝と、上記第2の軸方向流路孔と上記第2の磁石孔空隙部および上記仕切部とを接続する第2の内周側径方向流路溝と、が表面に設けられているとともに、上記仕切部が薄肉化されている溝形成磁性板であり、
    上記端板の少なくとも一方が、上記軸方向流路孔と対向する位置と上記第2の軸方向流路孔と対向する位置と上記磁石孔空隙部と対向する位置と上記第2の磁石孔空隙部と対向する位置との各々に、気体冷媒取入口を設けている、回転子。
  8. 上記溝形成磁性板における、薄肉化していない部分の厚さに対する上記外周側径方向流路溝の厚さの比率が50%から70%であり、薄肉化しない上記外周側径方向流路溝が形成される部分の径方向の幅に対する上記外周側径方向流路溝の径方向の幅の比率が100%から150%であることを特徴とする請求項1と請求項2と請求項5と請求項6とのうちのいずれか1項に記載の回転子。
  9. 上記溝形成磁性板における、薄肉化していない部分の厚さに対する上記外周側径方向流路溝の厚さの比率および上記薄肉化していない部分の厚さに対する上記薄肉化した仕切部の厚さの比率の少なくとも1つが50%から70%であり、上記溝形成磁性板における、薄肉化しない上記外周側径方向流路溝が形成される部分の径方向の幅に対する上記外周側径方向流路溝の径方向の幅の比率および薄肉化しない仕切部の周方向の幅に対する上記薄肉化した仕切部の周方向の幅の比率の少なくとも1つが100%から150%であることを特徴とする請求項3と請求項4と請求項7とのうちのいずれか1項に記載の回転子。
  10. 請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の回転子と、上記回転子の外周面と所定の間隔を設けて且つ同心円状に配設された固定子とを備えており、
    上記固定子が、外周部のヨーク部と上記ヨーク部の内周面から径方向に突出したティース部とでなる固定子鉄心、および、上記ティース部に巻回された固定子コイルで形成されている回転電機。
  11. 外装となるケースと、上記ケースの内に設置された、圧縮機構および請求項10に記載の回転電機を備えており、上記回転電機で圧縮機構を駆動する圧縮機。
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