JP2015205978A - 透明導電フィルム用樹脂組成物及び透明導電フィルム - Google Patents

透明導電フィルム用樹脂組成物及び透明導電フィルム Download PDF

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幸彦 山下
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直樹 古川
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Atsunori Sato
篤敬 佐藤
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Abstract

【課題】積層構造とすることなく単一の樹脂組成物によって構成可能な透明性が高く導電性に優れた透明導電フィルム、及び当該透明導電フィルムを作製するための透明導電フィルム用樹脂組成物を提供する。【解決手段】導電性ポリマー5〜95質量%及びフィルム形成性ポリマー5〜95質量%を含む樹脂成分と、平均粒径(D50)2nm〜80nmの導電性カーボン粒子と、を含有する透明導電フィルム用樹脂組成物であって、前記導電性カーボン粒子の含有量は、前記透明導電フィルム用樹脂組成物中、0.002〜0.2質量%である透明導電フィルム用樹脂組成物とする。【選択図】なし

Description

本発明は、透明導電フィルム用樹脂組成物及び透明導電フィルムに関し、より詳細には、透明性及び導電性の双方の優れた特性を併せ持つ透明導電フィルム及び該透明導電フィルムを作製するための樹脂組成物に関する。
液晶ディスプレイ等に用いられる透明導電基板としては、ガラス等の透明基板に酸化インジウムスズ(以下、「ITO」と略す。)をスパッタ成膜したものが、従来、広く用いられている。その一方で、新技術を採用したディスプレイとして、近年、有機ELディスプレイが注目されている。有機ELディスプレイは、液晶ディスプレイと同様に上記のような透明導電基板を用いて製造できるのは勿論のこと、その原理上、容易に曲げられる樹脂フィルムをベースとした透明導電フィルムを用いてフレキシブルなディスプレイを実現することが可能である。このような中、種々の透明導電フィルムが提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。
特許文献1に記載の透明導電フィルムは、透明性を有する各種のプラスチックフィルムの片面又は両面にITO等の金属酸化物からなる透明導電層を有する構成であり、特許文献2に記載の透明導電フィルムは、スチレン系樹脂を含む樹脂組成物からなる位相差フィルムの片面に有機導電性化合物、有機導電性ポリマー、ITO等からなる透明導電膜が成膜された構成である。
以上のように、透明導電フィルムは、透明フィルム等の上に透明導電層(膜)を積層した積層構造であるものが大半であるが、フィルムの一面しか利用できず、また層間の剥離の危険性もある。
上記問題を解決するものとして、本出願人等は、フィルムの両面を活用でき、透明性、導電性及びフィルム形成能を備えた樹脂組成物、並びに、該樹脂組成物によって構成された一体型の透明導電フィルムを提案した(特許文献3参照)。
特開2009−129802号公報 特開2010−165600号公報 特開2013−076022号公報
本発明は、上記一体型の透明導電フィルムをさらに改良することを目的とする。
本発明の課題は、積層構造とすることなく単一の樹脂組成物によって構成可能な透明性及び導電性に優れた透明導電フィルム、並びに、当該透明導電フィルムを作製するための透明導電フィルム用樹脂組成物を提供することにある。
本発明者等は、透明性を維持しつつ、導電性に優れた透明導電フィルム用樹脂組成物を得るべく鋭意検討を重ねた結果、導電性を高める物質として特定の平均粒径を有する導電性カーボン粒子を特定の樹脂成分に特定量含有させることで、透明導電フィルムとしたときに透明性を損なうことなく高い導電性を確保できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は以下の通りである。
本発明は、導電性ポリマー5〜95質量%及びフィルム形成性ポリマー5〜95質量%を含む樹脂成分と、平均粒径(D50)2nm〜80nmの導電性カーボン粒子と、を含有する透明導電フィルム用樹脂組成物であって、上記導電性カーボン粒子の含有量は、上記透明導電フィルム用樹脂組成物中、0.002〜0.2質量%である透明導電フィルム用樹脂組成物に関する。
また本発明は、上記透明導電フィルム用樹脂組成物を硬化してなる透明導電フィルムに関する。
本発明によれば、積層構造とすることなく単一の樹脂組成物によって構成可能な透明性及び導電性に優れた透明導電フィルム、並びに、当該透明導電フィルムを作製するための透明導電フィルム用樹脂組成物を提供することができる。
また、本発明の透明導電フィルム用樹脂組成物を用いて作製した透明導電フィルムは、透明導電フィルム用樹脂組成物中の含水量及び作業環境時の湿度等の水分による影響を受けにくく、安定した体積抵抗率を有する。
<透明導電フィルム用樹脂組成物>
本発明の透明導電フィルム用樹脂組成物は、導電性ポリマー5〜95質量%及びフィルム形成性ポリマー5〜95質量%を含む樹脂成分と、平均粒径(D50)2nm〜80nmの導電性カーボン粒子と、を含有する透明導電フィルム用樹脂組成物であって、上記導電性カーボン粒子の含有量は、上記透明導電フィルム用樹脂組成物中、0.002〜0.2質量%であることを特徴とする。
本発明の透明導電フィルム用樹脂組成物においては、導電性ポリマーが、(1)Si−H基を有するポリマーにイオン液体と硬化性化合物とが結合してなる硬化性化合物含有導電性ポリマーである態様と、(2)Si−H基を有するポリマーにイオン液体とラジカル重合性化合物とが結合してなるラジカル重合性化合物含有導電性ポリマーである態様とがある。(1)の態様を「硬化性化合物硬化の態様」と呼び、(2)の態様を「ラジカル硬化の態様」と呼び、以下にそれぞれについて分説する。
(1)硬化性化合物硬化の態様
以下、各成分について説明する。
[導電性カーボン粒子]
本発明の透明導電フィルム用樹脂組成物は、上記樹脂成分と平均粒径2nm〜80nmの導電性カーボン粒子を含む。導電性カーボン粒子の平均粒径は2nm〜50nmであることが好ましく、2nm〜30nmであることがより好ましい。この範囲の平均粒径の導電性カーボン粒子を特定量含有させると、得られる透明導電フィルム用樹脂組成物の導電性を向上させるだけでなく、透明性を維持することが可能である。
導電性カーボン粒子の平均粒径は、レーザ回折式粒度分布法で測定される一次粒子の平均粒径(D50)である。
本発明における導電性カーボン粒子は、平均粒径2nm〜80nmのナノメートルスケールの微細構造を有する炭素物質であればよいが、体積抵抗率(25℃)が10Ω・cm以下であることが好ましく、例えば、導電性カーボンブラック、導電性カーボンナノチューブ、導電性カーボンナノファイバー、導電性カーボンナノホーン、フラーレン、ナノグラファイト、ナノグラフェン、グラフェンナノリボン等が挙げられる。
本発明においては、導電性カーボンブラック、導電性カーボンナノチューブ及び導電性カーボンナノファイバーからなる群から選択される少なくとも1種を含むことが好ましく、導電性カーボンブラックを含むことがより好ましい。
本発明において導電性カーボンブラックとは、略球形の平均粒径2nm〜80nmの導電性カーボン粒子である。
上記導電性カーボンブラックは、任意の方法で製造されたものであってよく、上記物性を満たせば市販されているものであってもよい。市販されているものとして例えば、カーボンECP(平均粒径30nm、花王(株)製)等が挙げられる。
製造する場合は、アーク放電法、化学蒸着(CVD)法、レーザーアブレーション法等により、炭素供給源としてアセチレン、メタン、エタン、エチレン、ブタン、ブテン、ブタジエン、ベンゼン及びその他の炭化水素からなる群から選択される少なくとも1種を用い製造することができる。上記方法により製造した導電性カーボンブラックを所望の平均粒径となるように濾過膜等で分画分離する等して用いることができる。
透明導電フィルム用樹脂組成物中に含まれる導電性カーボン粒子は、上記透明導電フィルム用樹脂組成物中、0.002〜0.2質量%であることが好ましい。この範囲であると、得られる透明導電フィルムは、透明性及び導電性の双方の特性をバランスよく有することができる。より好ましくは、0.002〜0.1質量%であり、さらに好ましくは0.002〜0.06質量%である。
上記導電性カーボン粒子は、透明導電フィルム用樹脂組成物中に含有されていれば特に制限はないが、高い透明性及び導電性の点から、透明導電フィルム用樹脂組成物中に均一に分散していることが好ましい。上記導電性カーボン粒子を透明導電フィルム用樹脂組成物中に均一に分散させる方法としては、例えば、樹脂成分中に導電性カーボン粒子を添加してホモジナイザ等を用いて混合、撹拌する方法等が挙げられる。
[導電性ポリマー(硬化性化合物含有導電性ポリマー)]
樹脂成分中の導電性ポリマーは、電気伝導の担い手として機能するポリマーであり、本態様においては、Si−H基を有するポリマーにイオン液体と硬化性化合物とが結合してなる硬化性化合物含有導電性ポリマーである。上記硬化性化合物の一部には上記フィルム形成性ポリマーとの相溶性を付与する化合物がさらに結合している。すなわち、導電性ポリマーは、Si−H基と、イオン性基と硬化性反応基と、さらにはフィルム形成性ポリマーとの相溶性を付与する基とを備えるポリマーである。
以下に、Si−H基を有するポリマー、イオン液体及び硬化性化合物の各々について説明する。
(Si−H基を有するポリマー)
当該ポリマーとしては、Si−H基を有するポリマーであれば特に制限はないが、例えば、Si−H基を有するオルガノポリシロキサン等のSi−H基を有する無色透明のポリマーが挙げられる。本発明において、当該ポリマーの重量平均分子量は、粘度を適正範囲に限定するため及びイオン液体との相溶性を確保する観点から1000〜1000000であることが好ましく、3000〜500000であることがより好ましく、10000〜300000であることがさらに好ましい。
本発明において重量平均分子量は、GPCにより測定して得られる標準ポリスチレン換算の重量平均分子量である。
また、Si−H基を有するポリマーは、溶媒への溶解性が高いことが好ましい。特に、活性プロトン(OH基、NH基、COOH基等)を有さない有機溶媒への溶解性が高いことが好ましい。このようなSi−H基を有するポリマーの上記有機溶媒に対する溶解度は常温で10質量%以上であることが好ましい。それにより、導電性ポリマーを調製しやすくなる。
(イオン液体)
イオン液体は、カチオン成分とアニオン成分とからなり、常温において液体で存在する物質である。本発明においては、導電性及び透明性に優れた透明導電フィルムを得るために、イオン液体はイオン伝導性及び透明性が高いものが好ましい。また、既述のSi−H基を有するポリマーのSi−H基と結合するため、カチオン部位にSi−H基との反応性が高いアリル基又は水酸基を有することが好ましく、特にアリル基を有することが好ましい。
以下に、イオン液体のカチオン成分及びアニオン成分について順次説明する。
(1)カチオン成分
本発明において、イオン液体を構成するカチオン成分は、置換又は非置換のイミダゾリウムイオン、置換又は非置換のピリジニウムイオン、置換又は非置換のピロリウムイオン、置換又は非置換のピラゾリウムイオン、置換又は非置換のピロリニウムイオン、置換又は非置換のピロリジニウムイオン、置換又は非置換のピペリジニウムイオン、置換又は非置換のトリアジニウムイオン、及び、置換又は非置換のアンモニウムイオンからなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
置換基としては、水酸基、炭素数1〜8のアルキル基、アリル基、芳香環を有する基等が挙げられる。
上記置換又は非置換のイミダゾリウムイオンの具体例としては、例えば、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムイオン、1−ブチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムイオン、1−ヘキシル−2,3−ジメチルイミダゾリウムイオン、1,3−ジメチルイミダゾリウムイオン、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムイオン、1,3−ジエチルイミダゾリウムイオン、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムイオン、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウムイオン、1−オクチル−3−メチルイミダゾリウムイオン、1−デシル−3−メチルイミダゾリウムイオン、1−テトラデシル−3−メチルイミダゾリウムイオン、1−ヘキサデシル−3−メチルイミダゾリウムイオン、1−オクタデシル−3−メチルイミダゾリウムイオン、1,2,3−トリメチルイミダゾリウムイオン、1,2−ジメチル−3−エチルイミダゾリウムイオン、1,2−ジメチル−3−プロピルイミダゾリウムイオン、イミダゾリウムイオン及びこれらカチオンのアルキル基の少なくとも1つをアリル基又は水酸基で置換したもの等が挙げられ、特にアリル基で置換したものが好ましい。そのようなカチオン成分としては、1−ブチル−3−アリルイミダゾリウムイオン、1−エチル−3−アリルイミダゾリウムイオン、1−メチル−3−アリルイミダゾリウムイオン、1,3−ジアリルイミダゾリウムイオン等が挙げられる。
上記置換又は非置換のピリジニウムイオンの具体例としては、例えば、N−メチルピリジニウムイオン、N−エチルピリジニウムイオン、N−プロピルピリジニウムイオン、N−ブチルピリジニウムイオン、N−ヘキシルピリジニウムイオン、1−エチル−2−メチルピリジニウムイオン、1−ブチル−3−メチルピリジニウムイオン、1−ブチル−4−メチルピリジニウムイオン、1−ヘキシル−4−メチルピリジニウムイオン、1−ヘキシル−3−メチルピリジニウムイオン、1−ブチル−2,4−ジメチルピリジニウムイオン、ピリジニウムイオン等が挙げられる。
上記置換又は非置換のピロリウムイオンの具体例としては、例えば、1,1−ジメチルピロリウムイオン、1−エチル−1−メチルピロリウムイオン、1−メチル−1−プロピルピロリウムイオン、1−ブチル−1−メチルピロリウムイオン、ピロリウムイオン等が挙げられる。
上記置換又は非置換のピラゾリウムイオンの具体例としては、例えば、1,2−ジメチルピラゾリウムイオン、1−エチル−2−メチルピラゾリウムイオン、1−プロピル−2−メチルピラゾリウムイオン、1−ブチル−2−メチルピラゾリウムイオン、ピラゾリウムイオン等が挙げられる。
上記置換又は非置換のピロリニウムイオンの具体例としては、例えば、1,2−ジメチルピロリニウムイオン、1−エチル−2−メチルピロリニウムイオン、1−プロピル−2−メチルピロリニウムイオン、1−ブチル−2−メチルピロリニウムイオン、ピロリニウムイオン等が挙げられる。
上記置換又は非置換のピロリジニウムイオンの具体例としては、例えば、1,1−ジメチルピロリジニウムイオン、1−エチル−1−メチルピロリジニウムイオン、1−メチル−1−プロピルピロリジニウムイオン、1−ブチル−1−メチルピロリジニウムイオン、ピロリジニウムイオン等が挙げられる。
上記置換又は非置換のピペリジニウムイオンの具体例としては、例えば、1,1−ジメチルピペリジニウムイオン、1−エチル−1−メチルピペリジニウムイオン、1−メチル−1−プロピルピペリジニウムイオン、1−ブチル−1−メチルピペリジニウムイオン、ピペリジニウムイオン等が挙げられる。
上記置換又は非置換のトリアジニウムイオンの具体例としては、例えば、1,3−ジエチル−5−メチルトリアジニウムイオン、1,3−ジエチル−5−ブチルトリアジニウムイオン、1,3−ジメチル−5−エチルトリアジニウムイオン、1,3、5−トリブチルトリアジニウムイオン、トリアジニウムイオン等が挙げられる。
上記置換又は非置換のアンモニウムイオンの具体例としては、例えば、トリメチルエチルアンモニウムイオン、トリメチルプロピルアンモニウムイオン、トリメチルヘキシルアンモニウムイオン、テトラペンチルアンモニウムイオン、アンモニウムイオン等が挙げられる。
これらの中でも、上記カチオン成分は、置換又は非置換のイミダゾリウムイオン、置換又は非置換のピリジニウムイオン、置換又は非置換のピロリジニウムイオン、及び、置換又は非置換のアンモニウムイオンからなる群から選択される少なくとも1種であることがより好ましい。入手容易性及び長時間の安定性の観点から、上記カチオン成分は、置換又は非置換のイミダゾリウムイオンであることが特に好ましい。
(2)アニオン成分
アニオンの具体例としては、フッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン等のハロゲン化物イオン、硝酸イオン(NO )、テトラフルオロホウ酸イオン(BF )、ヘキサフルオロリン酸イオン(PF )、(FSO、AlCl 、乳酸イオン、酢酸イオン(CHCOO)、トリフルオロ酢酸イオン(CFCOO)、メタンスルホン酸イオン(CHSO )、トリフルオロメタンスルホン酸イオン(CFSO )、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドイオン((CFSO)、ビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミドイオン((CSO)、BF 、トリス(トリフルオロメタンスルホニル)炭素酸イオン((CFSO)、過塩素酸イオン(ClO )、ジシアンアミドイオン((CN))、有機硫酸イオン、有機スルホン酸イオン、RCOO、HOOCRCOOOOCRCOO、NHCHRCOO(ここで、Rは1価の置換基であり、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基、エーテル基、エステル基及びアシル基からなる群から選択されるいずれかである。また、上記置換基はフッ素原子を含んでもよい。Rは2価の置換基であり、2価の脂肪族炭化水素基、2価の脂環式炭化水素基、2価の芳香族炭化水素基、2価のエーテル基、2価のエステル基及び2価のアシル基からなる群から選択されるいずれかである。)等が挙げられる。
これらの中でも、上記アニオン成分は、ハロゲン化物イオン、テトラフルオロホウ酸イオン、ヘキサフルオロリン酸イオン、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドイオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン、有機硫酸イオン及び有機スルホン酸イオンからなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。入手容易性及び形成されるイオン液体が高いイオン伝導性を示すという観点から、上記アニオンとしては、臭化物イオン、テトラフルオロホウ酸イオン、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドイオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン等が特に好ましい。
本発明において、イオン液体としては、1−ブチル−3−アリルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホネート、1−ブチル−3−アリルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−ブチル−3−アリルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1−ブチル−3−アリルイミダゾリウムブロマイド等が好ましい。
(硬化性化合物)
硬化性化合物は、エポキシ基、イソシアネート基等の硬化性反応基を有する化合物であり、中でも、硬化性反応基としてエポキシ基を有するものが好ましい。
また、本発明において、硬化性化合物としては、上記Si−H基を有するポリマーのSi−H基と結合(反応)するために、アリル基又は水酸基を有することが好ましく、特にアリル基を有することが好ましい。本発明においては以上の観点から、硬化性化合物として、アリルグリシジルエーテル及びグリシドール等からなる群から選ばれる少なくとも1つが挙げられ、中でもアリルグリシジルエーテルを含むものが特に好ましい。
上記硬化性化合物の一部に、フィルム形成性ポリマーとの相溶性を付与する化合物がさらに結合しているが、導電性ポリマーにおいて、フィルム形成性ポリマーとの相溶性を付与する化合物が存在することによって導電性ポリマーとフィルム形成性ポリマーとの分子レベルでの相溶性が向上する。
フィルム形成性ポリマーとの相溶性を付与する化合物としては、2級アミンが好ましい。2級アミンとしては、例えば、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジシクロヘキシルアミン、N−エチルメタノールアミン、ピペリジン、1−メチルピペラジン、N−エチルアニリン、1−シクロヘキシルピペラジン、ジブチルアミン等が挙げられ、中でも、着色が少ないこと及びアクリルとの高い相溶性との観点から、N−エチルメタノールアミン、1−メチルピペラジン、1−シクロヘキシルピペラジン、ジブチルアミン等が好ましい。
また、Si−H基を有するポリマーに結合した全硬化性化合物に対する、フィルム形成性ポリマーとの相溶性を付与する化合物が結合している硬化性化合物の比率は、フィルム形成性ポリマーとの十分な相溶性を確保するという観点から、3〜97モル%であることが好ましく、20〜90モル%であることがより好ましく、40〜85モル%であることがさらに好ましい。この範囲とするには、後述する導電性ポリマーの合成において、各成分のモル比を適宜調整すればよい。
本態様における導電性ポリマーを合成するには、まずSi−H基を有するポリマーとイオン液体と硬化性化合物とを反応させ、Si−H基を有するポリマーのSi−H基にイオン液体及び硬化性化合物とを結合させた中間体を合成する。次いで、合成した中間体に結合した硬化性化合物の一部にフィルム形成性ポリマーとの相溶性を付与する化合物が結合するように、上記中間体と、フィルム形成性ポリマーとの相溶性を付与する化合物と、を反応させて、導電性ポリマー(硬化性化合物含有導電性ポリマー)を得る。
上記中間体の合成において各成分の使用量は、Si−H基を有するポリマー100質量部に対して、イオン液体60〜670質量部、硬化性化合物20〜170質量部とすることが好ましい。モル基準では、Si−H基を有するポリマー含まれるSi−H基に対して、イオン液体3〜97モル%、硬化性化合物3〜97モル%とすることが好ましい。
使用する溶媒としては、メチルエチルケトン、トルエン、メチルイソブチルケトン、アセトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、THF、ジオキサン、アセトニトリル、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル等を好適に使用することができる。触媒として金属白金の有機錯体を使用し、反応温度は50〜150℃、反応時間は3〜50時間とすることが好ましい。上記金属白金の有機錯体としては、具体的には、Platinum(0)-2,4,6,8-tetravinyl-2,4,6,8-tetramethyl-cyclotetrasiloxane complex(2,4,6,8-テトラビニルl-2,4,6,8-テトラメチルシクロテトラシロキサン白金錯体(0)、和光純薬工業(株)製)等が挙げられる。
また、上記中間体から導電性ポリマー(硬化性化合物含有導電性ポリマー)を合成する場合において、フィルム形成性ポリマーとの相溶性を付与する化合物(2級アミン)の使用量は、導電性ポリマーがフィルム形成性ポリマーとの十分な相溶性を確保するため、上記中間体100質量部に対して4〜95質量部とすることが好ましく、10〜85質量部とすることがより好ましく、15〜70質量部とすることがさらに好ましい。
この場合において使用する溶媒としては、メタノール、メチルエチルケトン、イソプロパノール、ブタノール、トルエン、メチルイソブチルケトン、THF、ジオキサン及びこれらの混合溶媒等を好適に使用することができる。反応温度は30〜200℃、反応時間は0.5〜5時間とすることが好ましい。
本態様における導電性ポリマーを合成する他の方法として、先に硬化性化合物と、フィルム形成性ポリマーとの相溶性を付与する化合物と、を反応させて、硬化性化合物にフィルム形成性ポリマーとの相溶性を付与する化合物を結合させた後、当該化合物が結合した硬化性化合物と、当該化合物が結合していない硬化性化合物と、Si−H基を有するポリマーと、イオン液体とを反応させて導電性ポリマー(硬化性化合物含有導電性ポリマー)を得る方法が挙げられる。
以上のようにして得られる導電性ポリマー(硬化性化合物含有導電性ポリマー)の一例を以下に示す。以下の化学式において、(A)はイオン液体が結合した単位を、(B)は硬化性化合物が結合した単位を、(C)は硬化性化合物にさらにフィルム形成性ポリマーとの相溶性を付与する化合物が結合した単位を示す。
Figure 2015205978
上記式において単位(A)中、Si−H基とイオン液体が結合したSi−H基とが1:1で示されているが、この比率は特に制限されない。しかしながら、導電性ポリマー全体の無置換のSi−H基の比率は、イオン液体と硬化性化合物が結合する前のSi−H基総数に対して0〜5.0%であることが好ましい。
本発明に係る導電性ポリマーにおいて、単位(A)、単位(B)、単位(C)の比率は、導電性及びフィルム形成性ポリマーとの相溶性の観点から、xを1としたとき、yは0.1〜7.0、zは0.2〜3.0であることが好ましい。
[フィルム形成性ポリマー]
樹脂成分中のフィルム形成性ポリマーは、フィルム形成能の担い手として機能するポリマーである。特に、本発明においては、透明であってかつ既述の導電性ポリマーとの分子レベルでの相溶化を図るため、上記導電性ポリマー(具体的には、導電性ポリマーに結合した、フィルム形成性ポリマーとの相溶性を付与する化合物)との相溶性を付与するモノマーを用いたポリマーであることが好ましい。従って、好ましいフィルム形成性ポリマーは、高い透明性を有するベースモノマーと、導電性ポリマーとの相溶性を付与するモノマーとが共重合してなるコポリマーである。該コポリマーは、メタ(アクリル酸)系コポリマーであることが好ましい。
上記ベースモノマーとしては、透明性を有すれば特に制限はないが、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、炭素数5〜12の炭化水素がエステル結合した(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸トリシクロデシル、(メタ)アクリル酸フルフリル、(メタ)アクリル酸アダマンチル等の(メタ)アクリル酸エステルが挙げられ、中でも、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸トリシクロデシル等を含むことが好ましく、メタクリル酸ブチルを含むことがより好ましい。
なお、本明細書中、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリロイル基等の表記はそれぞれ、「アクリル酸及びメタクリル酸」、「アクリロイル基及びメタクリロイル基」を包含して意味するものである。
一方、導電性ポリマーとの相溶性を付与するモノマーとしては、カルボン酸基及び/又はフェノール性水酸基を有するモノマーを含むことが好ましい。カルボン酸基及び/又はフェノール性水酸基を有するモノマーとしては、カルボン酸基及び/又はフェノール性水酸基を有する(メタ)アクリル酸系モノマーが挙げられる。
カルボン酸基を有するモノマーとしては、(メタ)アクリル酸等が挙げられる。フェノール性水酸基を有するモノマーとしては、炭素数1〜12の炭化水素がエステル結合したヒドロキシフェニルアクリル酸等が挙げられる。カルボン酸基及びフェノール性水酸基を有するモノマーとしては、3−(ヒドロキシフェニル)(メタ)アクリル酸等のフェノール性水酸基を有する(メタ)アクリル酸等が挙げられる。これらの中でも、(メタ)アクリル酸が好ましい。
フィルム形成性ポリマーにおいて、ベースモノマー及び導電性ポリマーとの相溶性を付与するモノマーの共重合比(モル比)は、導電性ポリマーとの相溶性及び硬化性を両立できる観点から、99:1〜1:99が好ましく、90:10〜10:90がより好ましく、70:30〜30:70であることがさらに好ましい。
フィルム形成性ポリマーのガラス転移温度(Tg)は、−60〜130℃が好ましく、−50〜100℃がより好ましく、−30〜80℃がさらに好ましい。Tgが低いほど体積抵抗率を小さくすることができる。
また、フィルム形成性ポリマーの重量平均分子量は、作業性(粘度)、得られる透明導電フィルムの強度等の観点から5000〜100000であることが好ましい。
フィルム形成性ポリマーのガラス転移温度及び重量平均分子量を上記範囲とするには、ベースモノマー及び導電性ポリマーとの相溶性を付与するモノマーの共重合比や反応時間、反応温度等を適宜調整すればよい。
本態様の透明導電フィルム用樹脂組成物において、導電性ポリマー(硬化性化合物含有導電性ポリマー)の含有率は、高い導電性を確保するため、樹脂成分中、5〜95質量%とすることが好ましく、20〜90質量%とすることがより好ましく、40〜85質量%であることがさらに好ましい。また、フィルム形成性用ポリマーの含有率は、樹脂成分中、5〜95質量%とすることが好ましく、10〜80質量%とすることがより好ましく、15〜60質量%であることがさらに好ましい。
フィルム形成性ポリマーを合成するには、ベースモノマー及び導電性ポリマーとの相溶性を付与するモノマーが上述の共重合比となるように、通常の方法で共重合すればよい。
(2)ラジカル硬化の態様
[導電性カーボン粒子]
本態様における導電性カーボン粒子は、既述の(1)硬化性化合物硬化の態様の場合と同様のものが挙げられる。
[導電性ポリマー(ラジカル重合性化合物含有導電性ポリマー)]
本態様においては、導電性ポリマーが、Si−H基を有するポリマーにイオン液体とラジカル重合性化合物とが結合してなるラジカル重合性化合物含有導電性ポリマーである。Si−H基を有するポリマー及びイオン液体は、既述の(1)硬化性化合物硬化の態様と同じであるから、ラジカル重合性化合物について以下に説明する。
(ラジカル重合性化合物)
ラジカル重合性化合物は、ラジカル重合性基を有する化合物であり、ラジカル重合性基としては、具体的には、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリルアミド基、ビニル基(アリル基とメタアリル基を含む。以下も同様である。)、エチニル基、イソプロペニル基、ビニルエーテル基、ビニルチオエーテル基、ビニルケトン基、ビニルエステル基、ビニルアミノ基等が挙げられ、中でも、(メタ)アクリロイル基、ビニル基等が好ましい。
また、ラジカル重合性化合物は、上記Si−H基を有するポリマーのSi−H基と結合(反応)するため、アリル基又は水酸基を有することが好ましく、特にアリル基を有することが好ましい。
以上より、ラジカル重合性化合物としては、(メタ)アクリル酸アリル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル等が好ましく、(メタ)アクリル酸アリルを含むものがより好ましい。
本態様における導電性ポリマー(ラジカル重合性化合物含有導電性ポリマー)を合成するには、まずSi−H基を有するポリマーと、イオン液体と、ラジカル重合性化合物とを反応させ、Si−H基を有するポリマーのSi−H基にイオン液体及びラジカル重合性化合物とを結合させる。次いで、必要によりジビニル化合物及び/又はモノビニル化合物等の架橋剤と、重合開始剤とを混合して、溶媒を除去し、加熱硬化してもよい。
なお、本態様における重合はラジカル重合であるため、酸素阻害の影響を考慮し、加熱硬化時には酸素を遮断することが好ましい。
上記重合開始剤としては、特に制限はなく、光重合開始剤、熱重合開始剤として用いられている公知の重合開始剤を使用することができる。また、その使用量も適宜設定することができる。
本態様における導電性ポリマー(ラジカル重合性化合物含有導電性ポリマー)の合成において、各成分の使用量は、Si−H基を有するポリマー100質量部に対して、イオン液体60〜670質量部、ラジカル重合性化合物20〜170質量部とすることが好ましい。モル基準では、各成分の使用量は、Si−H基を有するポリマーのSi−H基に対して、イオン液体3〜97モル%、ラジカル重合性化合物3〜97モル%とすることが好ましい。
使用する溶媒としては、メチルエチルケトン、トルエン、メチルイソブチルケトン、アセトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、THF、ジオキサン、アセトニトリル、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル等を好適に使用することができる。触媒として上記のような金属白金の有機錯体を使用し、反応温度は50〜150℃、反応時間は3〜50時間とすることが好ましい。
以上のようにして得られる導電性ポリマー(ラジカル重合性化合物含有導電性ポリマー)の一例を以下に示す。以下の化学式において、(A)はイオン液体が結合した単位を、(B)はラジカル重合性化合物が結合した単位を示す。
Figure 2015205978
上記式において単位(A)中、Si−H基とイオン液体が結合したSi−H基とが1:1で示されているが、この比率は特に制限されない。しかしながら、導電性ポリマー全体の無置換のSi−H基の比率は、イオン液体とラジカル重合性化合物が結合する前のSi−H基総数に対して0〜5%であることが好ましい。
本発明に係る導電性ポリマーにおいて、単位(A)、単位(B)の比率(x:y)は、導電性及びフィルム形成性ポリマーとの相溶性の観点から、5:95〜95:5であることが好ましい。
[フィルム形成性ポリマー]
フィルム形成性ポリマーは、導電性ポリマーとの相溶性を付与するモノマーが必須ではない点で、既述の(1)硬化性化合物硬化の態様の場合とは異なる。フィルム形成性ポリマーは、既述のベースモノマーのみが重合したホモポリマーであってもよく、(1)硬化性化合物硬化の態様の場合と同様に、ベースモノマーと、導電性ポリマーとの相溶性を付与するモノマーと、が共重合してなるコポリマーであってもよい。本態様において導電性ポリマーとの相溶性を付与するモノマーとしては、(1)硬化性化合物硬化の態様の場合と同様のものが挙げられる。
本態様におけるフィルム形成性ポリマーは、ガラス転移温度が−60〜130℃であることが好ましく、−50〜100℃であることがより好ましい。
また、本態様におけるフィルム形成性ポリマーの重量平均分子量は、作業性(粘度)、得られる透明導電フィルムの強度等の観点から5000〜100000であることが好ましい。
フィルム形成性ポリマーのガラス転移温度及び重量平均分子量を上記範囲とするには、フィルム形成性ポリマーの反応時間、反応温度等や、ベースモノマー及び導電性ポリマーとの相溶性を付与するモノマーの共重合比等を適宜調整すればよい。
本態様の透明導電フィルム用樹脂組成物において、導電性ポリマー(ラジカル重合性化合物含有導電性ポリマー)の含有率は、高い導電性を確保するため、樹脂成分中、5〜95質量%とすることが好ましく、30〜90質量%とすることがより好ましく、40〜85質量%とすることがさらに好ましい。また、フィルム形成性ポリマーの含有率は、樹脂成分中、5〜95質量%とすることが好ましく、10〜70質量%とすることがより好ましく、15〜60質量%であることがさらに好ましい。
[その他の成分]
本発明の透明導電フィルム用樹脂組成物は、いずれの態様においても、本発明の効果を損なわない範囲で他の成分を配合してもよい。配合可能な成分としては、酸化防止剤、紫外線吸収剤、シランカップリング剤、導電性カーボン粒子以外のナノフィラー(例えば、シリカ、金属ナノ粒子等)等が挙げられる。
<透明導電フィルム用樹脂組成物の調製>
本発明の透明導電フィルム用樹脂組成物の調製方法は、特に制限はないが、例えば、上記導電性ポリマーと上記フィルム形成性ポリマーとを先に混合して樹脂成分を得て、必要により樹脂成分中の溶媒を除去した後、上記導電性カーボン粒子を均一に分散させ、透明導電フィルム用樹脂組成物を調製する方法が挙げられる。
樹脂成分中に導電性カーボン粒子を分散させる方法は特に制限はないが、ホモジナイザを用いて行う方法が挙げられる。より詳しくは、上記導電性ポリマーと上記フィルム形成性ポリマーとを先に混合して得られた樹脂成分中に、上記導電性カーボン粒子を添加し、ホモジナイザ等を用いて撹拌する方法が挙げられる。
本発明の透明導電フィルム用樹脂組成物は、体積抵抗率が10Ω・cm以下であり、且つ、波長450nmに対する透過率が90%以上であることが好ましい。より好ましくは体積抵抗率が8×10Ω・cm以下であり、波長450nmに対する透過率が92%以上である。
体積抵抗率と透過率を上記範囲とするには、既述の導電性ポリマー、フィルム形成性ポリマー、導電性カーボン粒子を用いて、上記調製方法により調製すればよい。
透明導電フィルム用樹脂組成物の体積抵抗率の測定方法は、下記のように行う。
湿度を50%に制御した環境下、ITOが形成されたガラス基板に、本発明の透明導電フィルム用樹脂組成物を厚みが15μmとなるように塗工し、その上にもう一枚のITOを重ね合わせて、ITOで透明導電フィルム用樹脂組成物をサンドイッチした構造体を作製する。該構造体を100℃で1.0時間加熱し、透明導電フィルム用樹脂組成物を硬化させて、上下のITO間の体積抵抗率を25℃にて測定する。
透明導電フィルム用樹脂組成物の透過率の測定方法は、下記のように行う。
日立製作所社製の分光光度計U−3410を用い、波長450nmの光に対する透過率(透明性)を測定する。
<透明導電フィルム>
本発明の透明導電フィルムは、既述の本発明の透明導電フィルム用樹脂組成物を硬化してなることを特徴とする。
本発明の透明導電フィルムは、既述の本発明の透明導電フィルム用樹脂組成物をPETやガラス等の基板上に塗布し、乾燥、硬化することで得られる。この場合において、乾燥温度は、50〜120℃とすることが好ましく、乾燥時間は0.1〜1時間とすることが好ましい。硬化温度は、60〜150℃とすることが好ましく、硬化時間は0.5〜2.0 時間とすることが好ましい。
ラジカル硬化の態様のときは、樹脂成分に導電性カーボン粒子を導入して透明導電フィルム用樹脂組成物を得る前に、必要によりジビニル化合物及び/又はモノビニル化合物等の架橋剤と、重合開始剤とを樹脂成分に混合して、溶媒を除去し、加熱硬化してもよい。このとき用いる架橋剤は、導電性ポリマー及びフィルム形成性ポリマーの合量100質量部に対し、5〜100質量部であることが好ましい。
また、透明導電フィルムの厚みは、透明導電フィルム用樹脂組成物の塗膜の膜厚を調節することで制御することができる。本発明の透明導電フィルムの厚みは特に制限はないが、例えば、0.5〜80μmとすることができる。
なお、本発明の透明導電フィルムは、上述の通り、PETやガラス等の基板に塗布し、乾燥、硬化して製造されるものであるが、製造後は基板から剥離し、そのまま透明導電フィルムとして使用することができる。すなわち、本発明の透明導電フィルムは、従来のような基板上に透明導電膜を形成してなるような積層構造ではなく、単一の樹脂組成物からなるフィルムでありながら透明性及び導電性を有する。
本発明の透明導電フィルムは、例えば、タッチパネル用透明電極、有機ELディスプレイ用透明電極等に使用することができる。
以下に、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
(導電性ポリマーの合成)
撹拌装置、冷却管を備えた200mlの3口フラスコに、Si−H基を有するポリマーとしてオルガノポリシロキサン(旭化成ワッカーシリコーン(株)製、重量平均分子量:12000、メチルエチルケトンに対する溶解度は10質量%以上)を10.0g、イオン液体として1−ブチル−3−アリルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(関東化学(株)製)を37.0g、硬化性化合物としてアリルグリシジルエーテル(和光純薬工業(株)製)を9.5g、更にメチルエチルケトンを113g入れて、均一になるまで撹拌した後、白金触媒としてPlatinum(0)-2,4,6,8-tetravinyl-2,4,6,8-tetramethyl-cyclotetrasiloxane complex(2,4,6,8-テトラビニルl-2,4,6,8-テトラメチルシクロテトラシロキサン白金錯体(0)、和光純薬工業(株)製)を0.17g投入し、約80℃の温度で24時間かけて還流し中間体を得た。上記イオン液体及び硬化性化合物の使用量は、オルガノポリシロキサンのSi−基に対してそれぞれ50モル%、50モル%である。
還流後、減圧下に脱溶剤を行った後、中間体56.5gをメタノールに溶解し、さらに1−シクロヘキシルピペラジンを2.4g添加し60℃で4時間かけて反応させた。次いで、脱溶剤を行い新たにメタノール及びメチルエチルケトンの混合溶媒(質量比30/70)を投入し、導電性ポリマーの50質量%溶液を得た。以上の反応をまとめると以下のようになる。
Figure 2015205978
(フィルム形成性ポリマーの合成)
撹拌装置、冷却管を備えた200mlの3口フラスコに、メタクリル酸ブチル44.5gと、メタクリル酸11.5gと、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル0.07gとを投入し、窒素ガスを400ml/分の流量で15分間吹き込み、酸素を除去した後、65℃で14時間反応させフィルム形成性ポリマーを得た。重合率は98%であった。また、得られたフィルム形成性ポリマーのガラス転移温度は約0℃であり、重量平均分子量は12000であった。
(透明導電フィルム用樹脂組成物の調製)
上記のようにして得られた導電性ポリマー溶液(70質量%溶液)10.0gと、フィルム形成性ポリマー溶液(48質量%溶液)6.7gとを混合し、樹脂成分溶液を調製した。調製した樹脂成分溶液は、相分離することなく均一に混合しているのが確認できた。
上記のようにして調製した樹脂成分溶液から、55℃/3Pa/4.5時間の条件で溶媒を除去した。このときに残存している溶媒量は0.1ppmであった。得られた樹脂成分に導電性カーボンブラック(製品名:カーボンECP、花王(株)製、平均粒径:30nm)を20ppm(0.002質量%)となるように添加し、ホモジナイザを用いて4000rpmの回転速度で1時間撹拌して分散させて、透明導電フィルム用樹脂組成物を得た。透明導電フィルム用樹脂組成物中に導電性カーボン粒子の凝集は見られなかった。
得られた透明導電フィルム用樹脂組成物を一定の環境下(温度25℃、湿度35%)に置き、水分量を調節した。
[評価]
作製した透明導電フィルムについて、以下の評価項目について評価を行った。
(1)透明導電フィルム用樹脂組成物中の水分量
一定の条件下に置いた透明導電フィルム用樹脂組成物の水分量を、カールフィッシャー水分計により測定したところ、50ppmだった。
(2)体積抵抗率
湿度を35%に制御した環境下、ITOが形成されたガラス基板に、上記で得られた透明導電フィルム用樹脂組成物を厚みが15μmとなるように塗工し、その上にもう一枚のITOを重ね合わせて、ITOで透明導電フィルム用樹脂組成物をサンドイッチした構造体を作製した。該構造体を100℃で1.0時間加熱し、透明導電フィルム用樹脂組成物を硬化させて、透明導電フィルム(厚み:15μm)を得た。その後、表1に記載の印加電圧をかけ、上下のITO間の透明導電フィルムの体積抵抗率を25℃にて測定したところ、3.7×10Ω・cmであった。
(3)透明性
日立製作所社製の分光光度計U−3410を用い、波長450nmの光に対する透過率(透明性)を測定したところ、92.9%であった。
[実施例2〜3]
実施例1の「透明導電フィルム用樹脂組成物の調製」において、導電性カーボンブラックの含有量を表1に示すように変更したこと以外は実施例1と同様にして透明導電フィルム用樹脂組成物を作製した。作製した透明導電フィルム用樹脂組成物について、実施例1と同様に評価を行った。結果を表1に示す。
[比較例1]
実施例1の「透明導電フィルム用樹脂組成物の調製」において、導電性カーボンブラックを樹脂成分中に含有させないこと以外は実施例1と同様にして透明導電フィルム用樹脂組成物を作製した。作製した透明導電フィルム用樹脂組成物について、実施例1と同様に評価を行った。結果を表1に示す。
[実施例4〜5]
実施例2の「透明導電フィルム用樹脂組成物の調製」において、透明導電フィルム用樹脂組成物中の含水量を上記環境下に置く時間を調整して表1に示すように変更したこと以外は実施例2と同様にして透明導電フィルム用樹脂組成物を作製した。作製した透明導電フィルム用樹脂組成物について、実施例1と同様に評価を行った。結果を表1に示す。
[実施例6〜8]
実施例4の「透明導電フィルム用樹脂組成物の調製」において、作業環境時(透明導電フィルム用樹脂組成物の調製時及び体積抵抗率測定の際の塗工時)の湿度を表1に示すように変更したこと以外は実施例4と同様にして透明導電フィルム用樹脂組成物を作製した。作製した透明導電フィルム用樹脂組成物について、実施例1と同様に評価を行った。結果を表1に示す。
[実施例9]
実施例8の「透明導電フィルム用樹脂組成物の調製」において、透明導電フィルム用樹脂組成物中の含水量を上記環境下に置く時間を調整して表1に示すように変更したこと以外は実施例8と同様にして透明導電フィルム用樹脂組成物を作製した。作製した透明導電フィルム用樹脂組成物について、実施例1と同様に評価を行った。結果を表1に示す。
[比較例2]
実施例8の「透明導電フィルム用樹脂組成物の調製」において、導電性カーボンブラックを樹脂成分中に含有させないこと以外は実施例8と同様にして透明導電フィルム用樹脂組成物を作製した。作製した透明導電フィルム用樹脂組成物について、実施例1と同様に評価を行った。結果を表1に示す。
[実施例10]
実施例2の「導電性ポリマー」、「樹脂成分」をそれぞれ下記で得られた導電性ポリマー及び樹脂成分とした以外は、実施例2と同様にして透明導電フィルム用樹脂組成物を作製した。作製した透明導電フィルム用樹脂組成物について、実施例1と同様に評価を行った。結果を表1に示す。
(導電性ポリマーの合成)
撹拌装置、冷却管を備えた200mlの3口フラスコに、Si−H基を有するポリマーとしてオルガノポリシロキサン(旭化成ワッカーシリコーン(株)製、重量平均分子量:12000、重量平均分子量:12000、メチルエチルケトンに対する溶解度は10質量%以上)を10.0g、イオン液体として1−ブチル−3−アリルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(関東化学(株)製)を37.0g、ラジカル重合性化合物としてアリルメタクリレート(和光純薬工業(株)製)を10.5g、ハイドロキノン(和光純薬工業(株)製)を0.005g、更にメチルエチルケトン113gを入れ、均一になるまで撹拌した後、白金触媒を0.08g投入し、約80℃の温度で24時間かけて還流し、導電性ポリマーを得た。この溶液を減圧下に脱溶剤を行い、導電性ポリマーの50質量%溶液を調製した。上記イオン液体及びラジカル重合性化合物の使用量は、オルガノポリシロキサンのSi−基に対してそれぞれ50モル%、50モル%である。
以上の反応をまとめると以下のようになる。
Figure 2015205978
(樹脂成分の調製)
フィルム形成性ポリマーとしてはポリアクリル酸ブチル(ガラス転移温度:−60℃、重量平均分子量:12000)2.5gを用い、該ポリアクリル酸ブチルと、上記のようにして得られた導電性ポリマー溶液10.0gと、ジプロピレングリコールジメタクリレート5gとを混合し、減圧下に脱溶剤を行い溶媒を除去したのち、ベンゾイルパーオキサイドを0.01g添加溶解し、樹脂成分を調製した。調製した樹脂成分は、相分離することなく均一に混合しているのが確認できた。
[比較例3]
実施例1の「透明導電フィルム用樹脂組成物の調製」において、導電性カーボンブラックでなく、平均粒径5μmの導電性カーボン粉末が0.01質量%で含有するようにした以外は実施例1と同様にして透明導電フィルム用樹脂組成物を作製した。作製した透明導電フィルム用樹脂組成物について、実施例1と同様に評価を行った。結果を表1に示す。
Figure 2015205978
上記の結果より、本発明の透明導電フィルム用樹脂組成物を用いることで、単一の樹脂組成物で透明性及び導電性に優れる透明導電フィルムを得ることができることがわかる。また、透明導電フィルム用樹脂組成物中の含水量及び作業環境時の湿度によっても、体積抵抗率がほとんど変わることがなく、水分による影響を受けにくい透明導電フィルム用樹脂組成物であることがわかる。
本発明により、積層構造とすることなく単一の樹脂組成物によって構成可能な透明性及び導電性に優れた透明導電フィルム、並びに、当該透明導電フィルムを作製するための透明導電フィルム用樹脂組成物を提供することができる。
また、本発明により、透明導電フィルム用樹脂組成物中の含水量及び作業環境時の湿度等の水分による影響を受けにくい、安定した体積抵抗率を有する透明導電フィルムを提供することができる。

Claims (16)

  1. 導電性ポリマー5〜95質量%及びフィルム形成性ポリマー5〜95質量%を含む樹脂成分と、平均粒径(D50)2nm〜80nmの導電性カーボン粒子と、を含有する透明導電フィルム用樹脂組成物であって、
    前記導電性カーボン粒子の含有量は、前記透明導電フィルム用樹脂組成物中、0.002〜0.2質量%である透明導電フィルム用樹脂組成物。
  2. 硬化後の体積抵抗率が10Ω・cm以下であり、且つ、波長450nmに対する透過率が90%以上である請求項1に記載の透明導電フィルム用樹脂組成物。
  3. 前記導電性カーボン粒子が、導電性カーボンブラック、導電性カーボンナノチューブ及び導電性カーボンナノファイバーからなる群から選択される少なくとも1種を含む請求項1又は2に記載の透明導電フィルム用樹脂組成物。
  4. 前記導電性カーボン粒子が、導電性カーボンブラックを含む請求項1又は2に記載の透明導電フィルム用樹脂組成物。
  5. 前記導電性カーボン粒子の平均粒径(D50)が、2nm〜50nmである請求項1〜4のいずれか一項に記載の透明導電フィルム用樹脂組成物。
  6. 前記フィルム形成性ポリマーが、ベースモノマーと、前記導電性ポリマーとの相溶性を付与するモノマーと、が共重合してなるコポリマーである請求項1〜5のいずれか1項に記載の透明導電フィルム用樹脂組成物。
  7. 前記ベースモノマーが(メタ)アクリル酸ブチルを含む請求項6に記載の透明導電フィルム用樹脂組成物。
  8. 前記導電性ポリマーとの相溶性を付与するモノマーが、カルボン酸基及び/又はフェノール性水酸基を有するモノマーを含む請求項6又は7に記載の透明導電フィルム用樹脂組成物。
  9. 前記導電性ポリマーが、Si−H基を有するポリマーに、イオン液体と硬化性化合物とが結合してなる硬化性化合物含有導電性ポリマーであり、
    前記硬化性化合物の一部に前記フィルム形成性ポリマーとの相溶性を付与する化合物がさらに結合している請求項1〜8のいずれか一項に記載の透明導電フィルム用樹脂組成物。
  10. 前記硬化性化合物が硬化性反応基を有する請求項9に記載の透明導電フィルム用樹脂組成物。
  11. 前記硬化性化合物がアリルグリシジルエーテルを含む請求項9又は10に記載の透明導電フィルム用樹脂組成物。
  12. 前記フィルム形成性ポリマーとの相溶性を付与する化合物が2級アミンである請求項9〜11のいずれか一項に記載の透明導電フィルム用樹脂組成物。
  13. 前記導電性ポリマーが、Si−H基を有するポリマーに、イオン液体とラジカル重合性化合物とが結合してなるラジカル重合性化合物含有導電性ポリマーである請求項1〜8のいずれか一項に記載の透明導電フィルム用樹脂組成物。
  14. 前記ラジカル重合性化合物がラジカル重合性基を有する請求項13に記載の透明導電フィルム用樹脂組成物。
  15. 前記ラジカル重合性化合物が(メタ)アクリル酸アリルを含む請求項13又は14に記載の透明導電フィルム用樹脂組成物。
  16. 請求項1〜15のいずれか1項に記載の透明導電フィルム用樹脂組成物を硬化してなる透明導電フィルム。
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